JP2004127389A - 記録/再生ヘッド及び記録/再生装置 - Google Patents

記録/再生ヘッド及び記録/再生装置 Download PDF

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    • G11B2005/0005Arrangements, methods or circuits
    • G11B2005/0021Thermally assisted recording using an auxiliary energy source for heating the recording layer locally to assist the magnetization reversal

Abstract

【課題】入射光と出力光との分離が容易な表面プラズモン増幅を利用した記録/再生ヘッド及び記録/再生装置を提供する。
【解決手段】記録/再生ヘッド20aは、第1主面と第1主面に対向する第2主面とを有するヘッド基板12と、第1主面に配置された第1金属膜11、第2主面に配置された第2金属膜13を有する。そして、第1主面の上に周期的表面構造14a,14b,14cを有する。この周期的表面構造は、第1焦点16a及び第2焦点16bを持つ。第1焦点16aの位置に開口部15を有する。第1主面に入射光17が照射される。第2焦点16bの位置の第1金属膜11上には伝播光変換素子18が配置されている。
【選択図】   図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、情報の記録及び再生の少なくとも一方を行う記録/再生ヘッド及び記録/再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
高密度の光記録或いは光磁気記録或いは熱アシスト磁気記録を可能にする記録ヘッドの技術として、表面プラズモン増幅効果を利用した素子が考案されている(特許文献1参照。)。この技術は、金属表面に周期的構造とその中心部に微小な開口部を形成し、そこに光を照射する構成になっている。照射された光は周期構造により表面プラズモン増幅を引き起こし、そのエネルギーは微小な開口部を通して裏面に伝わり、そこで、開口部程度の大きさの加熱スポットを作る。これによって高効率で微小な加熱ができるようになり、光記録或いは光磁気記録の記録密度を飛躍的に高めることが可能である。
【0003】
しかし、微小な開口部には強力な入射光が存在するので、媒体との相互作用によって引き起こされる表面プラズモン励起状態の変化を検出する、即ち、記録情報を同じ微小な開口部を用いて再生することは困難である。又、この記録素子を熱アシスト磁気記録に応用する場合、記録磁極のそばに加熱スポットを配置する必要があるが、微小な開口部近傍には入射光が存在するので物理的に配置が困難である。又、入射光による素子の加熱が磁極の磁気特性の劣化を引き起こし、磁気記録能力が低下する問題もある。
【0004】
なお、表面プラズモン増幅効果に関する基礎的な実験や理論的裏付けについては、非特許文献1に記載されている。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−291265号公報
【0006】
【非特許文献1】
L.M.モレロら(Moreno et al.):フィジカル・レビュー・レターズ(Physical Review Letters)第86巻、第1114頁(2001年)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように、従来の表面プラズモン増幅を利用した記録/再生ヘッドによる光記録或いは光磁気記録では同じ開口を利用した再生が困難であるという問題点があった。特に、表面プラズモン増幅を利用した熱アシスト磁気記録は、加熱スポットと磁極を近くに配置するのが困難であるという問題点があった。
【0008】
上記問題点を鑑み、本発明の目的は、入射光と出力光との分離が容易な表面プラズモン増幅を利用した記録/再生ヘッド及びこの記録/再生ヘッドを用いた記録/再生装置を提供することである。
【0009】
本発明の他の目的は、表面プラズモン増幅を利用した有効な熱アシスト磁気記録を可能にする記録/再生ヘッド及びこの記録/再生ヘッドを用いた記録/再生装置を提供することである。
【0010】
本発明の更に他の目的は、光記憶媒体のピット長の寸法を短縮し、高いデータ密度の情報を記録及び再生できる記録/再生ヘッド及びこの記録/再生ヘッドを用いた記録/再生装置を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の第1の特徴は、記録若しくは再生用の光を記録媒体に照射するための照射光学系に面した第1主面と、この第1主面に対向し且つ記録媒体に近接して面する第2主面とを有する記録/再生ヘッドに関する。即ち、この記録/再生ヘッドの第1主面に第1金属膜が設けられ、この第1金属膜は、周期的な表面トポグラフィーの領域を第1の周期的表面構造として有し、この第1の周期的表面構造は、周期的な表面トポグラフィーの領域が規定する閉じた図形の内部における波の干渉による表面プラズモン強度の極大値として定義される複数の焦点を有し、複数の焦点の内の第1焦点が入射光の入射位置に割り当てられ、第2焦点が出力光の取り出し位置に割り当てられ、第1焦点及び第2焦点の少なくとも一方に第1金属膜を貫通する開口部を有することを要旨とする。
【0012】
開口部を介して、表面プラズモンが第1主面から第2主面へ伝搬される。ここで「開口部」は、光学的な開口部の意味であり、誘電体等の透明材料を埋め込んでも良く、空気からなる、いわゆるエヤーギャップの形態でも構わない。「第1焦点及び第2焦点の少なくとも一方に開口部を有する」のであるから、開口部は第1焦点及び第2焦点の両方でも、いずれか片方でも良い。開口部の寸法は、入射光の波長以下にすることができる。
【0013】
本発明の第1の特徴に係る周期的表面構造は、第1金属膜11の表面の形状に、例えば、直径100nmの微細な突起構造等の変化(凹凸)をつけたものである。凸部の間隔は入射光の波長の3倍〜1倍程度である。周期的表面構造の形状は表面プラズモン増幅作用の効率に影響を与えるが用いるシステムによって設計すべき事項であるので種々の表面トポグラフィーが採用可能である。周期的表面構造の凹凸のサイズについては、干渉による増幅作用が起こる範囲に設定すればいい。即ち、周期的な表面トポグラフィーにおける表面特徴の周期性は、表面プラズモンの分散と周期的な表面トポグラフィーへの格子結合に応じて、入射光の波長に適合するように選択される。具体的には表面プラズモンの波長よりも大きくないといけない。但し、数μmを越える凹凸は製造コストがかかるので好ましくない。製造の容易性の観点では、周期的表面構造は、小さな窪み(ディンプル)、半球形の突出部等からなるドットマトリクスや同心環(リング)等が採用できる。同心環(リング)は、窪んだ環でも突起した環でも良い。
【0014】
本発明の第1の特徴に係る表面プラズモンの干渉による増幅作用が起こるためには、表面トポグラフィーは、周期的でないといけない。複数の楕円が重ねられた同心楕円形状の周期的構造では、幾何学上で定まる楕円の焦点に表面プラズモンの干渉の極大が現れる。図5及び図6に示すより一般的な閉じた図形では、表面プラズモンの干渉の極大値は3箇所以上になりうる。本明細書では、表面プラズモンの干渉による極大点のことを「焦点」と呼ぶ。
【0015】
表面プラズモンの干渉は通常の波の干渉と同じと考えて良いので、平面波が表面構造から進行するシミュレーションを行えば良い。具体的には表面トポグラフィーが点状(ドットマトリクス)の場合には各点から同心円状に波が進行するモデルで干渉を見積もれる。更に、表面トポグラフィーが溝状(線状)の閉じた図形の場合には溝に垂直に平行波が進行するモデルで代用できる。シミュレーションは具体的な波の進行をシミュレーションするものでも良い。溝状構造の表面トポグラフィーの場合には、溝に鉛直に線を引く作図によっても見積もることができる。
【0016】
表面プラズモンの干渉の極大値としての焦点は同心円では、同心円の中心であるが、同心円から歪むに従い、焦点は複数個発生する。本明細書では、「焦点」は共鳴が強く起こる点を意味することになる。即ち、最も強い波の干渉が起こる位置、或いは最も強い干渉位置から所望の数だけ選んだものが、本明細書で定義する「焦点」位置となる。
【0017】
周期的表面構造の間隔は、発生させたい表面プラズモンの波長によって設計される。厳密には上記の表面プラズモン共鳴のシミュレーションが必要であるが、400nm以上2μm以下であれば、磁気/光記録に用いることができる実用的な波長の入射光を共鳴させることができる。又、表面トポグラフィーにおける周期的表面構造の繰り返し数は、数が多いほど干渉が強くなるので好ましい。しかし、数が多くなれば製造コストが増加し、又、素子のサイズが大きくなるので、工業的観点からは、周期的表面構造の繰り返し数は、2〜20が好ましい。
【0018】
図6から明らかなように、基本的には同心円を相互関係を保ったまま変形させることで、複数の焦点を持つ表面トポグラフィーを形成することができる。閉じた図形が鏡映対象となる対称軸を有する場合は複数の焦点は対称軸上に配置される。又、閉じた図形が鏡映対象となる複数の対称軸を有する場合は、複数の焦点は複数の対称軸のいずれかの上に配置される。
【0019】
本発明の第1の特徴に係る発明によれば、表面プラズモンの干渉の極大値として定義される複数の焦点を用いて、入射光と出力光との分離が簡単にできる。このため、加熱スポットと磁極を近くに配置でき、表面プラズモン増幅を利用した有効な熱アシスト磁気記録が可能になる。
【0020】
本発明の第2の特徴に係る発明は、(イ)記録媒体を回転させるためのスピンドルモータと、(ロ)第1及び第2主面とを有し、第1主面に第1金属膜が設けられ、この第1金属膜は、周期的な表面トポグラフィーの領域を第1の周期的表面構造として有し、この第1の周期的表面構造は、周期的な表面トポグラフィーの領域が規定する閉じた図形の内部における波の干渉による表面プラズモン強度の極大値として定義される複数の焦点を有し、複数の焦点の内の第1焦点が入射光の入射位置に割り当てられ、第2焦点が出力光の取り出し位置に割り当てられ、第1焦点及び第2焦点の少なくとも一方に第1金属膜を貫通する開口部を有する記録/再生ヘッドと、(ハ)第1焦点に入射光を照射する照射光学系と、(ニ)出力光を検出する検出素子と、(ホ)記録/再生ヘッドを支持するアームと、(ヘ)このアームの駆動装置と、(ト)検出素子からの信号を用い、スピンドルモータ及び駆動装置を制御し、且つ記録媒体に記録された情報を再生する信号処理回路とを備える記録/再生装置であることを要旨とする。
【0021】
本発明の第2の特徴に係る発明によれば、入射光と出力光との分離が容易な表面プラズモン増幅を利用した記録/再生ヘッドが用いられているので、加熱スポットと磁極を近くに配置でき、表面プラズモン増幅を利用した有効な熱アシスト磁気記録が可能な記録/再生装置を提供できる。このため、光記憶媒体のピット長の寸法を短縮し、高いデータ密度の情報を記録及び再生できる記録/再生装置を提供できる。
【0022】
更に、本発明の第2の特徴に係る記録/再生装置は、記録のみ又は再生のみに用いることが可能である。記録のみに用いる場合は第1焦点に記録光を照射し、第2焦点からトラッキング等のサーボ情報を得るようにすれば、サーボ情報が記録光の照射光学系に邪魔されないような構成が可能である。同様に、再生のみに用いる場合は第1焦点に再生光を照射し、第2焦点からトラッキング等のサーボ情報を得るようにすれば、サーボ情報が再生光の照射光学系に邪魔されないような構成が可能である。
【0023】
【発明の実施の形態】
次に、図面を参照して、本発明の第1〜第6の実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。但し、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。又、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。又、以下に示す第1〜第6の実施の形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、この発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。この発明の技術的思想は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
【0024】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る記録/再生ヘッド20aとこの記録/再生ヘッド20aが対象とする記録媒体2と関係を示す模式的な断面図である。筐体1の底蓋にスピンドルモータ3の中心軸が固定設置され、記録媒体2は、スピンドルモータ3の回転子上に例えば、押圧板4によって加圧固定されている。記録媒体2は、例えば、ゲルマニウム・アンチモン・テルル(Ge−Sb−Te)合金膜等の相変化媒体(ガラス基板/ZnS−SiO800nm/GeSbTe30nm/SiO5nm)を記録層とするDVD−RAM(書換形)である。記録媒体2の記録層は、ガラス基板の一方の主面に複数の凸部(ランド)と、これらのランドの間の凹部(グルーブ)を用いて構成している。記録媒体2の記録ピットは、ランドとグルーブの両方に設けている。
【0025】
図1に示すように、ピックアップ10のアーム5の端部に反射部材7が設けられている。記録媒体2の回転時に面上を滑空するスライダ(エアスライダ)20aが弾性部材等(図示省略)を介してサスペンション19によって支持されている。本発明の第1の実施の形態においては、スライダ20aが記録/再生ヘッド20aとして機能する。図1では、スライダ20aの全体が、記録/再生ヘッドの構造になっているが、図1の構造に限定されるものではなく、スライダ20aの一部のみが、記録/再生ヘッドの構造を有していても良い。
【0026】
スライダ20aを指示しているサスペンション19は、アーム5に固定されている。そして、対物レンズ8がスライダ(記録/再生ヘッド)20a上に設けられている。アーム5の内部に光ファイバ6が設けられ、光ファイバ6を通過した入射光17が、反射部材7で反射され、対物レンズ8に導かれる。入射光17は、対物レンズ8及びプラズモン多焦点素子としてのスライダ20aを通って記録媒体2の記録層に収束する。なお、対物レンズ8を用いず光ファイバ6の端部から直接入射光17がプラズモン多焦点素子(スライダ)20aに導入され、記録媒体2の記録層に収束する構造でも良い。
【0027】
スライダ(記録/再生ヘッド)20aとサスペンション19とを接続する弾性部材は、バネ性を有する金属板、金属ワイヤー、プラスチック板、プラスチックワイヤー等により実現される。スライダ20aは、弾性部材等によって、回転軸方向のランアウトなどの光ディスク面の動的なぶれに対しても所定の浮上量を維持できる機械的な自由度を与えられ、サスペンション19によって、光ディスク面に対して一定の押圧力とともに支持される。プラズモン多焦点素子(記録/再生ヘッド)20aと記録媒体2表面との距離の制御は、磁気記録装置と同様に、スライダ20aの形状で行うことができる。即ち、スライダ20aに流入する空気流による圧力とスライダ20aの押し付け力とのつりあいで一定の浮上量を得ることができる。微細制御を必要とするスライダ20aは、駆動方向以外の上下左右方向に動かないよう圧縮空気の噴射を用いて確実に固定する高剛性エアスライダ機構が採用されている。より精密な浮上高制御を行うためには、近接場光の検出強度をモニターする、或いはスライダ20a上に電極を設けて、記録媒体2との距離の変動による静電容量の変化をモニターする回路を新たに設けて、その信号を基にスライダ20aの浮上高を制御すれば良い。スライダ20aの浮上高の制御を行うためには、例えば圧電素子をスライダ20aに設置すれば良い。
【0028】
プラズモン多焦点素子としてのスライダ(記録/再生ヘッド)20aは、図2に示すように、第1主面とこの第1主面に対向する第2主面とを有するヘッド基板12と、第1主面に配置された第1金属膜11、第2主面に配置された第2金属膜13を有する。そして、第1の実施の形態に係るスライダ(記録/再生ヘッド)20aは、第1主面の上に周期的表面構造14a,14b,14cを有する。この周期的表面構造は、図3に示すように第1焦点16a及び第2焦点16bを持つ、同心楕円構造の周期構造である。図2においては、第1焦点16aの位置に開口部15を有する。第1主面に入射光17が照射される。第2焦点16bの位置の第1金属膜11上には伝播光変換素子18が配置されている。
【0029】
第1主面に配置された第1金属膜11、或いは第2主面に配置された第2金属膜13が満たすべき条件は、表面プラズモンが誘起されればいいことなので、金属であれば何でも良い。具体的には入射光17の波長や記録に用いる加熱スポットを形成する波長等の条件によって選択することができるが、それはこのヘッドを用いた情報記録/再生のシステム構成によって決められるものであり、本発明の限定するところではない。
【0030】
例えば、第1金属膜11及び第2金属膜13としては、銀(Ag)やクロム(Cr)が使用可能である。或いは酸化膜(SiO膜)を含んだAg/SiO/Ag/SiOのような多層膜でも良い。具体的には、スパッタ法を用いてAg膜200nm,SiO膜50nm,Ag膜200nm、SiO膜10nmの順に堆積すれば良い。第1金属膜11及び第2金属膜13の表面やヘッド基板12との界面は、周期的表面構造による表面プラズモン増幅作用を阻害しない範囲において多少の荒れがあっても良い。又、表面プラズモンの特性を制御するために、異種金属との合金・混合物としても良い。
【0031】
ヘッド基板12は図2では石英ガラスからなるが、表面プラズモン増幅作用に対しては特に影響を及ぼさないので、無くても構わない。ヘッド基板12の無い構造は、例えば塩化ナトリウム(NaCl)基板を用いれば実現できる。例えば、NaCl基板12上に、第1金属膜11として、Si100nm/Ag200nm/Si400nm/Ag100nm/Si10nmを成膜し、その後アニールして歪みを取り除く。この後、潮解によってNaClヘッド基板12を取り除き、第1金属膜11のみが自立した構造とすれば良い。ヘッド基板12が無い場合は、再生効率が向上し、変調度が2倍程度向上する。但し、ヘッド基板12がある方がスパッタ法や蒸着法で第1金属膜11及び第2金属膜13を形成しやすいので好ましい。又、検出素子9をスライダ20a等に設置する際に保持材となって好ましい。
【0032】
周期的表面構造14a,14b,14cは第1金属膜11の表面の形状に、変化(凹凸)をつけたものである。図2では直径100nmの微細な突起構造14a,14b,14cであるが、逆に微細な窪みでも良い。微細な突起構造14a,14b,14cは、収束イオンビーム(FIB)加工で、ヘッド基板12上の第1金属膜11を加工すれば良い。図5(a)に示す凸部81の間隔は700nmである。周期的表面構造14a,14b,14cの形状は表面プラズモン増幅作用の効率に影響を与えるが、用いるシステムによって設計すべき事項である。周期的表面構造14a,14b,14cの凹凸のサイズについては、干渉による増幅作用が起こる範囲に設定すればいい。即ち、周期的な表面トポグラフィーにおける表面特徴の周期性は、表面プラズモンの分散と周期的な表面トポグラフィーへの格子結合に応じて、入射光17の波長に適合するように選択される。具体的には表面プラズモンの波長よりも大きくないといけない。又、数μmを越える凹凸は製造コストがかかるので好ましくない。製造の容易性の観点では、周期的表面構造14a,14b,14cは、小さな窪み(ディンプル)、半球形の突出部、溝、突起(リブ)、同心の窪んだ環、及び同心の突起した環からなる群から選択されることが好ましい。
【0033】
いずれにせよ、表面プラズモンの干渉による増幅作用が起こるためには、周期的表面構造14a,14b,14cは、周期的でないといけない。一般的には同心円にした場合に、中心部に干渉の極大が現れて、入射光17のエネルギーの透過効率が増大することが知られている。第1の実施の形態に係る記録/再生ヘッド20aでは、同心楕円形状の周期的構造とすることによって、干渉の極大が現れる位置を第1焦点16a及び第2焦点16bに発生させることができる。図2では、対物レンズ(照射光学系)8で直径2μmに絞った波長λ=660nmの入射光17を周期的表面構造14a,14b,14cに照射し、表面プラズモンの共鳴状態をSNOMで調べる。その結果、2つの焦点位置16a,16bに共鳴の極大が現れることが分かる。
【0034】
第1の実施の形態に係る第1焦点16a及び第2焦点16bの位置は、表面プラズモン干渉の極大点のことを意味する。したがって、所望の位置に第1焦点16a及び第2焦点16bを発生させる表面構造の形状を設計する際には、表面プラズモンの発生のシミュレーションを行い、事前に検討するのが好ましい。しかしながら、表面プラズモンの発生及び干渉のシミュレーションは労力を要するので、次のような簡便な方法で見積もり、確認実験を行って調整していく方法によっても良い。
【0035】
表面プラズモンの干渉は通常の波の干渉と同じと考えて良いので、平面波が表面構造から進行するシミュレーションを行えば良い。具体的には表面トポグラフィーが点状(ドットマトリクス)の場合には各点から同心円状に波が進行するモデルで干渉を見積もれる。更に、表面トポグラフィーが溝状(線状)の場合には溝に垂直に平行波が進行するモデルで代用できる。シミュレーションは具体的な波の進行をシミュレーションするものでも良い。溝状構造の表面トポグラフィーの場合には、溝に鉛直に線を引く作図によっても見積もることができる。厳密には、同心円でない場合、焦点16a,16b,・・・・・は多く発生するが、第1の実施の形態に係る表面トポグラフィーにおいて、第1焦点16a及び第2焦点16bの位置というのは共鳴が強く起こる点を意味する。即ち、最も強い波の干渉が起こる位置、或いは最も強い干渉位置から所望の数だけ選んだものが第1の実施の形態に係る表面トポグラフィーにおける第1焦点16a及び第2焦点16bの位置となる。
【0036】
周期的表面構造14a,14b,14cの間隔は、発生させたい表面プラズモンの波長によって設計する。厳密には上記の表面プラズモン共鳴のシミュレーションが必要であるが、400nm以上2μm以下であれば、磁気/光記録に用いることができる実用的な波長の入射光17を共鳴させることができる。又、図2では、周期的表面構造14a,14b,14cの繰り返し数が3であるが、周期的表面構造14a,14b,14cの繰り返し数については数が多いほど干渉が強くなるので好ましい。しかし、製造コストが増加し、又、素子のサイズが大きくなるので、実用的には周期的表面構造14a,14b,14cの繰り返し数は、2〜20が好ましい。
【0037】
基本的には同心円を相互関係を保ったまま変形させることで、複数の焦点16a,16b,・・・・・を持つ表面トポグラフィーを形成することができる。例えば図6に示すように、円A21を左右に伸ばす形で変形させると楕円A22となり、黒点で示した焦点16の位置は1つから2つの焦点16a,16bへ増える。同様に3方向に伸ばす変形を行うと三角形状となり焦点16の位置は3つ16a,16b,16cになる。更に、4方向に伸ばす変形を行うと四角形状となり焦点16の位置は4つ16a,16b,16c,16dになる。但し、焦点16a,16b,16c,16d,・・・・・の数を増やすと、各点での表面プラズモン干渉が小さくなるので、開口部15の透過率や検出効率の点からは、2個であるのが好ましい。勿論、他の機能を付与するために2個以上の焦点16a,16b,16c,16d,・・・・・を形成しても構わない。
【0038】
開口部15は第1主面と第2主面とを貫通させる構造を持つ。このことで第1主面に発生した表面プラズモンを第2主面へ伝えることが可能となる。例えば、第1焦点16aにFIBで100nm角の開口部15を開ける。貫通孔であれば、形状は特に限定されない。第2主面上にはこの開口部15の大きさでエバネッセント光が発生し、それを介してエネルギーが伝達されるので、開口部15の大きさはシステムが要求する加熱スポットの大きさ程度にする必要がある。第2主面に近づくにつれて小さくなる開口部15でも構わない。又、表面プラズモンが伝達する範囲において不連続であっても構わない。表面プラズモンの波長程度以下であれば分断があっても構わない。
【0039】
開口部15の形状は、記録時には加熱スポットサイズやエネルギー伝達効率、又、再生時には再生信号品質に影響を与えると思われる。そこで、図1の構造の記録/再生ヘッド20aにおいて開口部15が記録媒体2側の第2主面に行くにしたがって小さくなるように加工して、その効果を調べる。即ち、光入射面(第1主面)側では開口部15面積はSであり、第2主面側ではSとしたときに、S>Sの関係になるようにする。その結果、加熱スポットサイズは、第1主面から第2主面までSの大きさで加工した場合のスポットサイズに近いことが分かる。又、相変化記録媒体2のマーク形成の閾値となる入射−パワーからエネルギー伝達効率を調べると、第1主面から第2主面までSの大きさで加工した場合のエネルギー伝達効率に近いことが分かる。即ち、小さな開口部15と大きな伝達効率の両立ができる。但し、この手法は、開口部15の形成プロセスが複雑になるので、製造コストがかかるという欠点がある。
【0040】
伝播光変換素子18は、表面プラズモンを検出素子9で検出できるような伝播光に変換するためのものである。記録媒体2の情報は開口部15を通して表面プラズモンの共鳴状態の変化を引き起こすが、その変化は微弱なので開口部15上で検出することは困難である。しかし、共鳴状態の変化は開口部15が設置されていない側の第2焦点16bでも大きく起こるので、この位置で記録媒体2の情報を検出するのが第1の実施の形態に係る記録/再生ヘッド20aの骨子である。伝播光変換素子18の構造は、単純には、図2のように第2焦点16bの位置において第1主面と接して設置されたプリズムであれば良い。記録媒体2の記録層で反射した光は、プラズモン多焦点素子(スライダ)20により伝播光変換素子18を経由して図1に示す検出素子9に入力する。このとき、プリズム18の下の表面プラズモンはプリズム18の中へ伝播光となって進行し、それが内面で反射されて、プリズム18の右側へ放射される。プリズム18から放射される出力光を図1に示した検出素子9で検出する。
【0041】
直角三角形タイプのプリズム18から図1の右側に放射される光強度を検出素子9で検出すると、プリズム18が無い場合に比し、変調度が5倍になる。プリズム18を使って変調度が増加する理由は、伝播光となった光の回収効率が増加するためであると思われる。
【0042】
本発明の第1の実施の形態の変形例(第1の変形例)に係る記録/再生ヘッド20bでは、伝播光変換素子18の代わりに、図7に示すような光ファイバ31の端部を先鋭化している。通常の近接場顕微鏡(SNOM)の探針(プローブ)と同じ製法で作った、先端曲率半径100nmの針を用いて、開口部15の無い部分の第2焦点16bの位置の強度変化を、相変化記録媒体2を再生して調べる。図7に示すように、散乱光を探針に近接配置した受光素子32で検出すると、光ファイバ31が無い場合に比べて変調度が3倍となる。この場合、出力光の検出はプローブで散乱された光を受光素子32で検出するのでも良いし、光ファイバ内で伝播光に変換された出力光をファイバのもう一方の端面で検出するのでも良い。
【0043】
図8は、本発明の第1の実施の形態の他の変形例(第2の変形例)に係る記録/再生ヘッド20cの構造を示す。光の回収効率がもっと良い形状は、楕円体、双曲線、放物線を回転して得られる構造を第1切断面33a及び第2切断面33bで切断した誘電体の伝播光変換素子33を用いて、図8に模式的に示すような配置で使う方法である。第1切断面33aを第1主面に接し、第2切断面33bを検出素子9に向ける。このとき、伝播光に変換された表面プラズモンは伝播光変換素子33の曲面で反射されて右側の端面(第2切断面)33bから出射される。プリズム18の場合に比べて1.7倍増加する。この方法は光の回収効率が向上して好ましいが、伝播光変換素子33の作成がやや困難であり、又、加工精度が出しにくいという欠点がある。光の回収効率を更に良くするには、プリズム18、或いは楕円形、双曲線、放物線を回転して得られる構造の伝播光変換素子33の出射端となる第2切断面33b以外の面を光を透過しない膜で覆えば良い。例えば、各伝播光変換素子の表面を100nmのアルミニウム(Al)膜で被覆する。楕円形、双曲線、放物線を回転して得られる構造の場合、平面部分をマスクして、伝播光変換素子を回転しながらAl膜を堆積させて反射コートを被覆する。その結果、反射コートを用いない場合に比べて伝播光変換素子の変調度が2倍になる。
【0044】
表面プラズモンと伝播光変換素子18、33とのカップリング効率を上げるために、伝播光変換素子18、33と第1金属膜11の表面との間に、伝播光変換素子18、33に近い屈折率nの値を持つ顕微鏡用油浸液を挿入することが好ましい。油浸液を用いない場合に比べて変調度が1.6倍になるからである。
【0045】
入射光17は第1主面上に照射され、開口部15を通して、加熱スポットを形成するエネルギーを供給する。表面プラズモンを発生させればいいので、用いる波長は、システムの要求や採用した表面周期的表面構造14a,14b,14cによって選択するものであり、第1の実施の形態に係る記録/再生ヘッド20a、20b、20cを限定するものではない。
【0046】
入射光17の照射位置は、発生した表面プラズモンが減衰せずに周期的表面構造14a,14b,14cに伝わる範囲内において、第1主面上であればどこでも構わない。表面プラズモン発生の効率の上では、入射光17の少なくとも一部は周期的表面構造14a,14b,14c上にあることが好ましい。
【0047】
図2の例では、入射光17はレンズで絞った光のように描いてあるが、平行光であっても構わない。又、図7に示すように光ファイバ31や導波路を用いて導入し、その端面から第1主面の第1金属膜11に入射光17を直接供給する形式でも構わない。近接場光の状態でエネルギーを供給する形態でも構わない。レンズやミラー等で入射光17を導入する形式は記録/再生ヘッド20a、20b、20cの設計の自由度が大きい利点があり、光ファイバ31や導波路を使う方式は記録/再生ヘッド20a、20b、20cをモノリシックに作ることができて、コストや精度の面で好ましい。いずれの方法で入射したとしても第1の実施の形態に係る記録/再生ヘッド20a、20b、20cの効果は変わらない。
【0048】
図4には、第1の実施の形態に係る記録/再生ヘッドに用いられる信号処理回路の回路図を示す。図4において、信号処理回路の動作をわかりやすくするために必要な部位のみを示す。信号品質を向上させる、或いは高速動作を行うために、更に制御部等の回路を追加しても良い。検出素子9により検出された信号はプリアンプ111で増幅され、可変利得アンプ112で所望の強度に更に増幅される。その後A−D変換器113及び波形等化回路114を通って、データ検出部115で二値のデータ(デジタル信号)となる。これをデコーダ116で複号して具体的な再生情報を得る。駆動制御回路121はスピンドルモータ3と駆動装置21を制御するものであり、記録/再生ヘッド(プラズモン多焦点素子)20a、20b、20cの位置を決定し、情報が保存されている記録媒体2上の位置を決定する。駆動制御回路121はドライブコントローラ117により制御されている。複号された信号とドライブコントローラ117における情報位置を合わせて、PC等で処理可能な再生情報とし、インターフェース118を介して他の信号処理系へと送信される。
【0049】
一方、他の処理系(CPU等)から送信されてくる記録情報は、このインターフェース118を介して変調回路104へと転送される。変調回路104で、記録に適した符合化がなされ、記録ヘッドドライバ103へ送られる。増大された表面プラズモンの変調を伴う場合には、更に光源ドライバ102を介して、検出素子9へ情報が送られる。この情報を基にプラズモン多焦点素子20aによって記録媒体2上に記録が行われる。
【0050】
プラズモン多焦点素子20と記録媒体2表面との距離の制御は、磁気記録装置と同様に、スライダとしてのプラズモン多焦点素子20aの形状で行うことができる。即ち、スライダ(プラズモン多焦点素子)20aに流入する空気流による圧力とスライダ20aの押し付け力とのつりあいで一定の浮上量を得ることができる。より精密な浮上高制御を行うためには、近接場光の検出強度をモニターする、或いはスライダ(プラズモン多焦点素子)20a上に電極を設けて、記録媒体2との距離の変動による静電容量の変化をモニターする回路を新たに設けて、その信号を基にスライダ20aの浮上高を制御すれば良い。スライダ(プラズモン多焦点素子)20aの浮上高の制御を行うためには、例えば圧電素子をスライダ20aに設置すれば良い。
【0051】
記録媒体2上の情報列に対する記録/再生ヘッド20a、20b、20cのトラッキングは従来の光記録装置と同様な処理で行うことができる。即ち、記録媒体2上にあらかじめ設けられた凸部(ランド)と、これらのランドの間の凹部(グルーブ)を用いて、再生光の大きさが一定になるように記録/再生ヘッド20a、20b、20cの位置を制御する。例えば、検出素子9によって、記録媒体2のランド/グルーブから読み出された信号は、プリアンプ111で増幅される。そして、プリアンプ111からトラッキングエラー信号TE、フォーカスエラー信号FEが出力される。トラッキングエラー信号TEは図示を省略したトラッキングサーボ制御回路に入力される。トラッキングサーボ制御回路では、ゲインと位相が補償されると共に、シーク制御等も行われる。このトラッキングサーボ制御回路の出力は、送りモータ制御回路及び加算器に入力される。送りモータ制御回路は、駆動制御回路121を介して駆動装置21を制御する。加算器においては、レンズ駆動信号発生回路の出力が、トラッキングサーボ制御回路の出力と加算される。加算器の出力はアクチュエータドライバを介して駆動装置21に入力される。フォーカスエラー信号FEはフォーカスサーボ制御回路に入力される。フォーカスサーボ制御回路の出力は加算器において、フォーカスサーチ時にレンズを駆動するためのレンズ駆動信号発生回路の出力と加算される。そしてアクチュエータドライバを通じて検出素子9の内部のフォーカスアクチュエータを駆動する。或いは、磁気記録のように、トラッキング制御のための信号を情報信号とは異なる周波数で記録しても良い。
【0052】
光入射面を基板面として、GeSbTeからなる記録層を有する記録媒体2上に第2金属膜13側を向けて接し、第1金属膜11面で直径が2μmとなるように対物レンズ(照射光学系)8で調整したレーザ(入射光)17を、ヘッド基板12の面からパルス状に記録層に照射する。入射光17のパワーは40mW程度で良い(別の実験から、この条件で相変化記録媒体2上にアモルファスマークが形成されることが分かっている。)記録媒体2の記録層は、あらかじめ全面を結晶状態に初期化してある。次に入射光17のパワーを4mWに落として連続照射とし、ヘッド基板12側に散乱される光を積分球と検出素子9を用いて測定する。その結果、ノイズレベルに近い値であるが、記録マークに相当する信号が得られる。なお、入射光17を照射する領域をずらすと、周期的表面構造14a,14b,14cに入射光17が一部でもあたると再生信号が増加することが分かる。特に開口部15を含むと信号強度(変調度)は2倍になる。
【0053】
次に保護膜(SiO10nm)の無い膜構造で同様の記録/再生ヘッド20a、20b、20cを作製し、記録/再生を行う。保護膜が無い場合に比べて信号強度(変調度)が更に1.5倍になったが、記録/再生ヘッド20a、20b、20cはすぐに損傷してしまう。
【0054】
相変化記録媒体2を図4に示した信号処理回路を有するR/W装置で評価すると、線速度10m/s、記録周波数10MHzの孤立波に対して、CNRでそれぞれ48dBmが得られる。
【0055】
周期的表面構造14a,14b,14cは、図5(a)に示すようなドット81の構造でも、図5(b)に示すような線状の閉じた形状でも良い。又、窪んだ溝からなる周期的表面構造14a,14bでも突起からなる周期的表面構造14a,14bでも良い。図5(b)に示すような線状の閉じた形状の場合も、プラズモン増大の極大が、同様に楕円の第1焦点16a及び第2焦点16bの位置に現れる。SNOM上の強度を調べてみると、第1の実施の形態のドット81の場合よりも2倍大きくなる。
【0056】
図6に示すように、同心円パターンを変形し、楕円形にすると、2つの第1焦点16a及び第2焦点16bの位置でプラズモン増大の極大が見られる。入射光17を第1焦点16aの位置と溝14a,14bの一部に最低限あたるように設定し、SNOM上の強度を調べると、ドット81の場合よりも10倍大きい強度が得られる。このことから、2つの第1焦点16a及び第2焦点16bを共有する同心の楕円の場合にプラズモン増大の効率が良いことが分かる。楕円は加工制御がしやすいという利点があるので、記録/再生ヘッド20a、20b、20cとして好ましいパターンである。
【0057】
又、同心円を変形して、図5(c)、図5(d)に模式的に示すようなパターンでも良い。図では四角形、三角形で示したが、実際には角頂点は丸く、又、辺の部分は外側に凸の曲線である。四角形の場合のプラズモン増大の極大は焦点16a,16b,16c,16dに示す位置に4個現れる。一方、三角形の場合のプラズモン増大の極大は焦点16a,16b,16cに示す位置に3個現れる。
【0058】
(第2の実施の形態)
第1の実施の形態に係る記録/再生ヘッド20a、20b、20cの表面プラズモンと伝播光変換素子18、33とのカップリング効率を上げるために、本発明の第2の実施の形態に係る記録/再生ヘッド20dでは、図9に示すように、開口部15が無い方の第2焦点16bの位置に第1金属膜11に突起部(又は凹部)11pを設けている。第2の実施の形態に係る記録/再生ヘッド20dの他の構造は、図2に示す第1の実施の形態に係る記録/再生ヘッド20aと同様な構造である。この構造では、20μm厚のガラス製のヘッド基板12の片側の表面を、FIBを用いて幅100nm、間隔600nmの同心楕円形の溝加工をしている。片側の第1焦点16aの位置には、FIBを用いて形成した開口部15が設けられている。ヘッド基板12の両側には、Ag膜がそれぞれ200nm堆積され、第1金属膜11及び第2金属膜13を形成している。更に保護膜としてSiO膜が5nm積層されている。そして、図9では直径100nmの酸化タンタル(Ta)のドットが、FIBを用いて、第2焦点16bの位置に形成されている。又、プリズムに反射コートをした伝播光変換素子18を、図9に示すような配置で用いる。
【0059】
表面プラズモンは、表面のトポロジーが局所的に変化する部分(突起部又は凹部)11pに集中する(強度が大きくなる)性質を持つので、表面プラズモン増幅効果も同様な集中効果がある。図9に示すように開口部15が無い側の第2焦点16bの位置に突起部11pがあると、そこでの表面プラズモン増大効果は更に大きくなる。これに加え、表面プラズモンとのカップリングも領域が突起部11pに限定されるのでノイズの混入が少なくなる効果もある。検出信号強度は、何も構造を作らなかった場合に比べて、凹構造にした場合1.8倍、図9のように、凸構造にした場合3.2倍になる。
【0060】
(第3の実施の形態)
本発明の第3の実施の形態に係る記録/再生ヘッドは、光磁気記録媒体2を用いる。光磁気記録媒体2の構成は、ガラス基板/Si−N400nm/TbFeCo25nm/SiO5nmである。記録/再生ヘッドの構成は第1の実施の形態と同様にし、プリズム18には反射コートをしている。
【0061】
第3の実施の形態においては、光磁気記録媒体2の記録/再生ヘッドが接している面と反対側から電磁石によって39.8kA/mの磁界を、光磁気記録媒体2の記録層に印加する。光磁気記録媒体2の記録層は補償組成なので室温では電磁石によって記録磁区が形成されることは無い。
【0062】
この光磁気記録媒体2に対して、磁界を連続的に与えた状況下で、パルス状に入射光17を記録/再生ヘッドから入射する。その後、光強度を下げて連続照射とし、光磁気記録媒体2をピエゾ素子で微動させて再生する。
【0063】
光磁気記録媒体2の記録層の誘電率テンソルが変化し、表面プラズモン共鳴の状態の変化が変化し、それが検出できる。この後、電磁石の印加磁界の極性を逆転させ、記録強度の入射光17で連続照射しながら記録を行った領域を何度かスキャンさせた。その後再生動作を行ったところ信号は検出できなかった。このことにより、記録磁区が消去されていることが確認できる。
【0064】
通常の光磁気記録のように、入射光17を直線偏光とし、再生光の偏光面の回転角から信号を得ることも可能である。偏光度の劣化により信号強度は微弱であるが、記録周波数に応じた周期の変調度を持つ再生信号が得られる。又、消去も確認できる。
【0065】
この光磁気記録媒体2を図4に示した信号処理回路を有するR/W装置で評価すると、線速度10m/s、記録周波数10MHzの孤立波に対して、CNRで40dBmが得られる。
【0066】
(第4の実施の形態)
上述のように、焦点16a,16b,・・・・・を複数設けることで表面プラズモンの共鳴が極大になる点を複数得ることができる。これを利用して入射光17を開口部15と分離する構造が実現できる。
【0067】
本発明の第4の実施の形態に係る記録/再生ヘッド20eは、図10に示すように、第1焦点16aの位置に入射光17が照射され、それとは異なる第2焦点16bの位置に開口部15が設置されている。即ち、入射光17の入射位置には微小な開口部15が無い。したがって開口部15によって入射光17が散乱されて外乱を引き起こすことがなくなる。しかしながら、第1焦点16aの位置に入射光17は照射されているので、表面プラズモンの励起とその共鳴による増大は図2に示した場合と同じである。この構成をとることにより、入射系と記録系を離すことができ、記録/再生ヘッド20eの設計の自由度が増して好ましい。
【0068】
この構成の記録/再生ヘッド20eに再生機能を付与することも可能である。開口部15の上部、或いは近接した部位に伝播光変換素子18を設置すれば良い。開口部15を介して起こる表面プラズモンの共鳴状態の変調の減衰が小さいので、再生強度の変調度を大きくできる効果がある。
【0069】
開口部15の位置を除けば、図10に示す記録/再生ヘッド20eの基本的な構成は第1の実施の形態に係る記録/再生ヘッド20aと同様である。記録/再生ヘッド20eに対して光を入射して表面プラズモン共鳴状態を形成し、そのときの記録媒体2面の開口部15近傍をSNOMを使って観測すれば、第1の実施の形態に係る記録/再生ヘッド20aの構成の場合と同様な光の放射が得られる。
【0070】
第4の実施の形態に係る記録/再生ヘッド20eにより相変化記録媒体2に対して記録を行うときのエネルギー伝達効率は、図2に示す第1の実施の形態の記録/再生ヘッド20aの構成の場合に比べて0.9倍とわずかに小さい。しかし、記録/再生ヘッド20e周辺の散乱光は明らかに減少していた。この記録/再生ヘッド20eを用いれば、光の入射系と加熱スポットの位置関係を任意にとることができるので、記録/再生ヘッド20eの設計の自由度が増す。システムによっては、エネルギー伝達効率の低下を補うだけの効果があると思われる。
【0071】
図11に第4の実施の形態の変形例に係る記録/再生ヘッド20fを示す。第4の実施の形態の変形例に係る記録/再生ヘッド20fでは、開口部15に反射コートを施したプリズム18からなる伝播光変換素子18があり、再生ヘッド素子の機能を持つ。このプラズモン多焦点素子を用いた記録/再生ヘッド20fは、図2に示した記録/再生ヘッド20aの場合に比べて再生信号の変調度が4倍になる。特にノイズの低減が著しく、RMS評価で見積もったノイズパワーは、1/3になっていた。
【0072】
なお、図6の黒点の位置16a,16b,16c,16dが焦点位置となるので、その内の1つを光入射点とし、残りの3つの位置に開口部15を作成し、プラズモン共鳴効果を用いて記録媒体2上の情報を再生できるようにしても良い。こうすることにより、1つの開口部15で情報の再生を行い、もう1つの開口部15でトラッキング制御を行い、残りの開口部15で浮上高制御を行うことができる。このように、複数の焦点位置16a,16b,16c,16dを用いて記録/再生とトラッキング制御と浮上高制御を機能分担することができる。又、2つの開口部15でトラッキングを行うことでよりトラッキング精度を上げることができる。又、2つの開口部15でトラッキング制御とクロストーク(クロスイレーズ)キャンセルを行うこともできる。
【0073】
(第5の実施の形態)
本発明の第5の実施の形態に係る記録/再生ヘッド20gは、図12に示すように、スライダ20gの第1主面側の第1の周期的表面構造14a,14b,14cに加え、第2の周期的表面構造41a,41b,41cが第2主面上にもある。図12に示すように第1主面と第2主面と同じ構造であるが、開口部15からの近接場光の利用効率を上げるために凹凸は逆にしてある。
【0074】
第2主面の開口部15では第1主面から伝達されたエネルギーが近接場として局所的に存在している。ここに近接場を形成している入射光17の波長よりも短い距離で記録媒体2を接すると、この近接場を介して記録媒体2にエネルギーを伝達することができる。入射光17の強度を強くすると、伝達されるエネルギーは大きいので、記録媒体2はその熱によって記録ができる。即ち、相変化記録媒体2を用いる場合には結晶構造が変化し、光磁気記録媒体2を用いる場合には保磁力が低下して別に設けた磁石から供給される外部磁界によって磁化反転を起こす(磁壁を形成する)。
【0075】
第2主面の開口部15の近接場は記録媒体2と相互作用をする。例えば相変化記録媒体2の場合には、結晶相とアモルファス相の違いによる誘電率(n,k)の違いによって近接場と記録媒体2との結合状態(近接場の状態そのものといっても良い)が変化する。又、光磁気記録媒体2の場合には、記録媒体2の磁化の向きによって誘電率テンソルの非対角成分が変わるので、同様に近接場の状態が変化する。この近接場の状態の変化は開口部15を通して第1主面へと伝わり、その影響は第1主面上で起こっている表面プラズモンの共鳴状態の変化を引き起こす。したがって、入射光17の強度を記録媒体2の記録過程が起こらない程度に弱くして第1主面上の表面プラズモンの共鳴状態の変化を検出することで、記録媒体2の情報を読み取れる。
【0076】
このとき、第2主面の開口部15の近接場の状態の変調の大きさが大きいほど、検出する信号強度は大きくなる。そこで、本発明の第5の実施の形態に係る記録/再生ヘッド20gは第2主面にも第1の周期的表面構造14a,14b,14cと同様な第2の周期的表面構造41a,41b,41cを持たせている。このことによって、第2主面でも表面プラズモンの共鳴現象が起こり、開口部15の近接場の強度は増大する。このことは近接場の状態の変化量が大きくなることを意味し、再生信号の変調度が大きくなって好ましい。
【0077】
第5の実施の形態に係る記録/再生ヘッド20gによれば、第2主面に第2の周期的表面構造41a,41b,41cが無い場合に比べて約30%特性の向上する。再生時の変調度は、第2の周期的表面構造41a,41b,41cが無い場合に比べて2.3倍になる。
【0078】
図13は、第5の実施の形態の変形例に係る記録/再生ヘッド20hの構造を示す。図13に示すように、第2主面上の第2の周期的表面構造41a,41b,41cが開口部15を中心とする同心構造であり、開口部15の近接場の強度増大効果が更に大きくなっている。図13に示す記録/再生ヘッド20hが、図12に示す記録/再生ヘッド20gと異なるところは、記録媒体2に対向する裏面(第2主面)側の第2の周期的表面構造41a,41b,41cが開口部15を中心とした同心円となっていることである。このことにより、記録媒体2に対向する裏面側の表面プラズモンの増大効果が大きくなる。記録時のエネルギー伝達効率は、第2主面に第2の周期的表面構造41a,41b,41cが無い場合に比べて1.6倍となる。又、再生時の変調度は5倍になる。このように、この構造の素子を用いることで記録・再生特性が向上する。
【0079】
但し、裏(第2主面)と表(第1主面)とで異なるパターンを作らなければならず、素子作製コストが高くなる欠点がある。したがって、図12に示すように、第1主面の第1の周期的表面構造14a,14b,14cと第2主面の第2の周期的表面構造41a,41b,41cとが同じパターンである方が製造が簡単である。
【0080】
(第6の実施の形態)
本発明の第6の実施の形態に係る記録/再生ヘッド20iは、第4の実施の形態で説明した第1焦点16aの位置に入射光17が照射され、それとは異なる第2焦点16bの位置に開口部15が設置されている構成で、図14に示すように、更に開口部15に近接して記録磁極71が設置されている。
【0081】
記録磁極71は垂直記録用のいわゆる単磁極型のもので、先端部は記録磁区程度の大きさになっている。ここを開口部15に近接させて設置する。開口部15と記録磁極71との距離は熱アシスト記録を行う光磁気記録媒体2のシステムによって決まるパラメータであり、第6の実施の形態で限定するものではない。記録磁極71は図14では周期的表面構造14a,14b,14cの内側に設置されているが、システムが許すのであれば周期的表面構造14a,14b,14cの外側でも構わない。記録磁極71を周期的表面構造14a,14b,14cの内側に設置する場合には記録磁界と加熱スポットを極限まで近づけることができるので高密度の熱アシスト記録ができる効果がある。一方、周期的表面構造14a,14b,14cの外側に設置する場合は表面プラズモンの共鳴に影響を与えないという点で好ましい。又、記録磁極71を長手磁気記録媒体2で用いられているようなリングヘッドとしても、第6の実施の形態に係る光磁気記録ヘッドの効果は得られる。
【0082】
従来の光(熱)アシスト磁気記録のヘッドは加熱源と記録磁極71とが近接することが問題であった。即ち、高パワーの入射光17が記録磁極71のすぐ傍を通ったり、開口部15等の光学素子に照射されるために入射光17のロス分が記録磁極71を加熱し、磁気特性を劣化させてしまう問題があった。又、導波路や光ファイバを使って入射光17を導入する場合、光ファイバや導波路の側面は入射光17の染み出しを防ぐために入射光17の波長程度の厚さの多層膜が必用である。このために、加熱源と記録磁極71とを入射光17の波長よりも近くに近接させることは困難である。
【0083】
第6の実施の形態に係る記録/再生ヘッド20iはこの問題を根本から解決するものである。即ち、記録磁極71に近接しているのは、光照射部から離れている開口部15であるから、入射光17の染み出しは抑制できるからである。このことにより、記録/再生ヘッド20iの設計の自由度は増加し、又、光利用効率や磁束の利用効率も飛躍的に増加する効果がある。
【0084】
図15に示す記録/再生ヘッド20jの基本的な構成は、図10に示す第4の実施の形態に係る記録/再生ヘッド20eと同様である。しかし、第1主面の周期的表面構造14a,14b,14cの表面にアルミナ(Al)からなる誘電体層73を堆積されている。開口部15はFIBで開口すれば良い。又、開口部15から50nm離れた位置にもFIBで、誘電体層73を貫通する他の開口部を設けている。この他の開口部に記録磁極71が挿入されている。更にこの記録磁極71を磁気記録ヘッド72に接着している。但し、熱による影響が無い程度に離して光入射ができるようにする。記録磁極71のトラック幅は500nmで開口部15の幅は200nmである。
【0085】
この記録/再生ヘッド20jを用いて熱アシスト磁気記録を行う。光磁気記録媒体2は、第3の実施の形態で述べたと同じガラス基板/Si−N400nm/TbFeCo25nm/SiO5nmの光磁気記録媒体2を用いた。記録/再生ヘッドとしてのスライダ20jは、光磁気記録媒体2の表面にサスペンション19を用いて軽く接触させる。
【0086】
光磁気記録媒体2は補償組成であるので、磁気記録ヘッド72だけでは記録は不可能である。次に200Wの入射光17を連続的に照射しながら磁気記録を行う。記録後の状態をMFMを用いて観察すると、幅約200nmの記録磁区が形成されていることが分かる。即ち、開口部15を通して加熱された部分のみが磁極によって磁化反転していることが確認できる。第6の実施の形態に係る記録/再生ヘッド20jを用いれば熱アシスト磁気記録が可能となる。
【0087】
(その他の実施の形態)
上記のように、本発明は第1〜第6の実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。したがって、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
【0088】
【発明の効果】
本発明によれば、入射光と出力光との分離が容易な表面プラズモン増幅を利用した記録/再生ヘッド及びこの記録/再生ヘッドを用いた記録/再生装置を提供できる。
【0089】
又、本発明によれば、加熱スポットと磁極を近くに配置できるので、表面プラズモン増幅を利用した有効な熱アシスト磁気記録を可能にする記録/再生ヘッド及びこの記録/再生ヘッドを用いた記録/再生装置を提供できる。
【0090】
更に、本発明によれば、光記憶媒体のピット長の寸法を短縮し、高いデータ密度の情報を記録及び再生できる記録/再生ヘッド及びこの記録/再生ヘッドを用いた記録/再生装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る記録/再生ヘッドと記録媒体との関係を説明する模式図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る記録/再生ヘッドの構造を示す模式的断面図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る記録/再生ヘッドの周期的表面構造による焦点を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係る記録/再生ヘッドに用いられる信号処理回路を示す回路図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係る記録/再生ヘッドの周期的表面構造による焦点の発生を説明する図である。
【図6】閉じた図形の内部に複数の焦点が発生することを説明する図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態の変形例(第1の変形例)に係る記録/再生ヘッドの構造を示す模式的断面図である。
【図8】本発明の第1の実施の形態の他の変形例(第1の変形例)に係る記録/再生ヘッドの構造を示す模式的断面図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態に係る記録/再生ヘッドの構造を示す模式的断面図である。
【図10】本発明の第4の実施の形態に係る記録/再生ヘッドの構造を示す模式的断面図である。
【図11】本発明の第4の実施の形態の変形例に係る記録/再生ヘッドの構造を示す模式的断面図である。
【図12】本発明の第5の実施の形態に係る記録/再生ヘッドの構造を示す模式的断面図である。
【図13】本発明の第5の実施の形態の変形例に係る記録/再生ヘッドの構造を示す模式的断面図である。
【図14】本発明の第6の実施の形態に係る記録/再生ヘッドの構造を示す模式的断面図である。
【図15】本発明の第6の実施の形態の変形例に係る記録/再生ヘッドの構造を示す模式的断面図である。
【符号の説明】
1  筐体
2 記録媒体
3 スピンドルモータ
4 押圧板
5 アーム
6 光ファイバ
7 反射部材
8 対物レンズ(照射光学系)
9 検出素子
10 ピックアップ
11 第1金属膜
11p 突起部
12 ヘッド基板
13 第2金属膜
14a,14b,14c 周期的表面構造(第1の周期的表面構造)
15 開口部
16,16c,16d 焦点
16a 第1焦点
16b 第2焦点
17 入射光
18 プリズム
18 伝播光変換素子
19 サスペンション
20a〜20j スライダ(記録/再生ヘッド:プラズモン多焦点素子)
21 駆動装置
31 光ファイバ
32 受光素子
33 伝播光変換素子
33a 第1切断面
33b 第2切断面
41a 第2の周期的表面構造
71 記録磁極
72 記録/再生ヘッド20i
72 磁気記録ヘッド
73 誘電体層
81 ドット(凸部)
102 光源ドライバ
103 記録ヘッドドライバ
104 変調回路
111 プリアンプ
112 可変利得アンプ
113 D変換器
114 波形等化回路
115 データ検出部
116 デコーダ
117 ドライブコントローラ
118 インターフェース
121 駆動制御回路

Claims (11)

  1. 記録若しくは再生用の光を記録媒体に照射するための照射光学系に面した第1主面と、該第1主面に対向し且つ前記記録媒体に近接して面する第2主面とを有する記録/再生ヘッドであって、
    前記第1主面に第1金属膜が設けられ、
    該第1金属膜は、周期的な表面トポグラフィーの領域を第1の周期的表面構造として有し、
    該第1の周期的表面構造は、前記周期的な表面トポグラフィーの領域が規定する閉じた図形の内部における波の干渉による表面プラズモン強度の極大値として定義される複数の焦点を有し、
    前記複数の焦点の内の第1焦点が入射光の入射位置に割り当てられ、第2焦点が出力光の取り出し位置に割り当てられ、前記第1焦点及び前記第2焦点の少なくとも一方に前記第1金属膜を貫通する開口部を有することを特徴とする記録/再生ヘッド。
  2. 前記第2主面に設けられた第2金属膜と、
    前記第1金属膜と前記第2金属膜に挟まれたヘッド基板
    とを更に備え、前記第1焦点又は前記第2焦点に前記第1金属膜、前記ヘッド基板及び前記第2金属膜を貫通する開口部を有することを特徴とする請求項1に記載の記録/再生ヘッド。
  3. 前記閉じた図形が鏡映対象となる対称軸を有し、前記複数の焦点は前記対称軸上に配置されることを特徴とする請求項1又は2に記載の記録/再生ヘッド。
  4. 前記閉じた図形が鏡映対象となる複数の対称軸を有し、前記複数の焦点は前記複数の対称軸のいずれかの上に配置されることを特徴とする請求項1又は2に記載の記録/再生ヘッド。
  5. 前記閉じた図形は楕円であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の記録/再生ヘッド。
  6. 前記第1焦点に前記第1金属膜を貫通する開口部を有し、前記第2焦点の前記第1金属膜に突起部を更に有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の記録/再生ヘッド。
  7. 前記第2焦点において、前記第1金属膜の上部に表面プラズモンを光に変換する伝搬光変換素子を更に有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の記録/再生ヘッド。
  8. 前記2金属膜は、前記第1の周期的表面構造と同一の表面トポグラフィーの第2の周期的表面構造を有することを特徴とする請求項2に記載の記録/再生ヘッド。
  9. 前記2金属膜は、前記第1の周期的表面構造とは、異なる周期的な表面トポグラフィーの領域を第2の周期的表面構造として有することを特徴とする請求項2に記載の記録/再生ヘッド。
  10. 前記第2焦点に前記第1金属膜を貫通する開口部を有し、且つ該開口部の近傍に記録磁極を設けたことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の記録/再生ヘッド。
  11. 記録媒体を回転させるためのスピンドルモータと、
    第1及び第2主面とを有し、前記第1主面に第1金属膜が設けられ、該第1金属膜は、周期的な表面トポグラフィーの領域を第1の周期的表面構造として有し、該第1の周期的表面構造は、前記周期的な表面トポグラフィーの領域が規定する閉じた図形の内部における波の干渉による表面プラズモン強度の極大値として定義される複数の焦点を有し、前記複数の焦点の内の第1焦点が前記記録媒体に入射させる入射光の入射位置に割り当てられ、第2焦点が前記記録媒体からの出力光の取り出し位置に割り当てられ、前記第1焦点及び前記第2焦点の少なくとも一方に前記第1金属膜を貫通する開口部を有する記録/再生ヘッドと、
    前記第1焦点に前記入射光を照射する照射光学系と、
    前記出力光を検出する検出素子と、
    前記記録/再生ヘッドを支持するアームと、
    該アームの駆動装置と、
    前記検出素子からの信号を用い、前記スピンドルモータ及び前記駆動装置を制御し、且つ前記記録媒体に記録された情報を再生する信号処理回路
    とを備えることを特徴とする記録/再生装置。
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