JP2004127260A - 証券売買資金融資システム及びその方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】顧客が予め預けておいた資金に不足が生じても円滑に有価証券の買い注文を約定し処理することが可能な証券売買資金融資システムなどを提供すること。
【解決手段】顧客のクライアント端末からネットワークを介してなされた金融商品の買い注文に対し、前記顧客から預かっている預かり資産に対して評価担保額を算定する担保額算定手段15cと、前記顧客から証券取引のための決済資金を預かる処理を行う決済資金預かり手段と、前記顧客からの買い注文の約定を行った後その代金を処理する買い注文処理手段15fと、前記決済資金預かり手段により預かった資金が前記顧客からの買い注文に必要な資金に満たなかったとき、前記評価担保額の範囲内で前記顧客に不足額を融資する処理を行う融資手段とを有する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、証券会社などが顧客から株式の売買注文の委託を受けて株式市場でその注文を執行する証券売買のシステムに係り、特に、買い注文を行う資金に不足が生じた場合の資金融資システム及びその方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
通常、顧客が株式の買付注文を出すと、その注文を出した後に証券会社よりその注文に関する約定報告を受ける。この約定報告は、銘柄,約定単価及び数量を顧客に確認してもらうと同時に約定代金に基づき受渡決済の手配をしてもらうためである。
【0003】
顧客はこの約定報告に基づき、約定日から起算して4営業日目(将来、決済タイミングが短縮された場合には、応答する決済日)までに、買付代金を証券会社に払い込む。払込み方法は銀行振込みによるものや顧客口座内にある預かり金を充当させる。また、MMF(Money Market Fund)やMRF(Money Reserve Fund)などの投資信託を解約し代金を充当させる方法もある。
【0004】
しかし、有価証券特に株価は変動することが少なからずあり、買おうとする銘柄の株価が急に上がることも稀ではない。このような場合には顧客から注文のあった株数だけ買うための資金が増大し、顧客から入金された金額では足りなくなってしまうおそれがある。
【0005】
預かり金、MMFやMRFの解約代金が約定代金に満たない場合や、銀行振込みが何らかの都合で決済期日に間に合わないなどのケースが、現在でも発生している。また、将来、決済期間が短縮され注文日の翌営業日に決済を行うようになると、送金手続に時間的余裕がなくなるため、結果として払込みに遅れるリスクが高まる。約定報告を受けた後、限られた時間内に資金繰りや送金手配を行うことは顧客としても負担となる。
【0006】
ところで、通常使っている銀行から公共料金などの自動引き落としを顧客が行っているような場合、引き落とし時に一時的に残高不足が生ずる場合もある。このような場合には、通常、例えば定期預金の80%程度を限度として、自動的に融資することが行われることがある。しかしこの場合には、融資する銀行が、予め、定期預金など担保とする対象を特定しており、顧客が選択できるわけではなく、顧客にとって、自由度は低いものであった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述のような従来の株式の買い注文の問題点に鑑みてなされたもので、買いたい銘柄の株価など有価証券が急に値上がりして、顧客が予め預けておいた資金に不足が生じても円滑に有価証券の買い注文を約定し処理することが可能な証券売買資金融資システムなどを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1によれば、顧客のクライアント端末からネットワークを介してなされた金融商品の買い注文に対し、前記顧客から預かっている預かり資産の担保対象資産に対する評価担保額を算定する担保額算定手段と、前記顧客から証券取引のための決済資金を預かる処理を行う決済資金預かり手段と、前記顧客からの買い注文の約定を行った後その代金を処理する買い注文処理手段と、前記決済資金預かり手段により預かった預かり資金と前記顧客からの買い注文に必要な必要資金と比較する資金比較手段と、前記預かり資金が前記必要資金に満たなかったとき、前記評価担保額の範囲内で前記顧客に不足額を融資する処理を行う融資手段と、を有して成ることを特徴とする証券売買資金融資システムを提供する。
【0009】
本発明の請求項2によれば、顧客のクライアント端末からネットワークを介してなされた金融商品の買い注文に対し、前記顧客から預かっている複数の預かり資産のすべての担保対象資産に対して評価担保額を算定する担保額算定手段と、前記顧客から証券取引のための決済資金を預かる処理を行う決済資金預かり手段と、前記顧客からの買い注文の約定を行った後その代金を処理する買い注文処理手段と、前記決済資金預かり手段により預かった預かり資金と前記顧客からの買い注文に必要な必要資金を比較する資金比較手段と、前記預かり資金が前記必要資金に満たなかったとき、前記評価担保額の範囲内で前記顧客に不足額を融資する処理を行う融資手段と、を有して成ることを特徴とする証券売買資金融資システムを提供する。
【0010】
本発明の請求項3によれば、顧客のクライアント端末からネットワークを介してなされた金融商品の買い注文に対し、預かっている複数の預かり資産のうち担保にする担保資産を前記クライアント端末により特定されて、この担保対象資産に対応する評価担保額を算定する担保額算定手段と、前記顧客から証券取引のための決済資金を預かる処理を行う決済資金預かり手段と、前記顧客からの買い注文の約定を行った後その代金を処理する買い注文処理手段と、前記決済資金預かり手段により預かった預かり資金と前記顧客からの買い注文に必要な必要資金を比較する資金比較手段と、前記預かり資金が前記必要資金に満たなかったとき、前記評価担保額の範囲内で前記顧客に不足額を融資する処理を行う融資手段と、を有して成ることを特徴とする証券売買資金融資システムを提供する。
【0011】
本発明の請求項4によれば、顧客のクライアント端末からネットワークを介してなされた金融商品の買い注文に対し、前記顧客から預かっている担保資産に対して評価担保額を算定する担保額算定手段と、前記顧客から証券取引のための決済資金を預かる処理を行う決済資金預かり手段と、前記顧客からの買い注文の約定を行った後その代金を処理する買い注文処理手段と、前記決済資金預かり手段により預かった預かり資金と前記顧客からの買い注文に必要な必要資金を比較することにより前記預かり資金が前記必要資金に足りるか否か検知する資金不足検知手段と、この資金不足検知手段により預かった資金が足りなかったことが検知されたとき、この不足額が前記評価担保額以内であるか否か検知する不足額比較検知手段と、この不足額比較検知手段により、前記不足額が前記評価担保額以内であることが検知されたとき、前記顧客に前記不足額について融資する処理を行う融資手段と、を有して成ることを特徴とする証券売買資金融資システムを提供する。
【0012】
本発明の請求項9によれば、顧客のクライアント端末からネットワークを介してなされた金融商品の買い注文に対し、前記顧客から預かっている担保資産に対して評価担保額を算定する担保額算定ステップと、前記顧客から証券取引のための決済資金を預かる処理を行う決済資金預かりステップと、前記顧客からの買い注文の約定を行った後その代金を処理する買い注文処理ステップと、前記決済資金預かりステップにより預かった預かり資金と前記顧客からの買い注文に必要な必要資金を比較する資金比較ステップと、前記預かり資金が前記必要資金に満たなかったとき、前記評価担保額の範囲内で前記顧客に不足額を融資する処理を行う融資ステップと、を有して成ることを特徴とする証券売買資金融資方法を提供する。
【0013】
本発明の請求項10によれば、顧客のクライアント端末からネットワークを介してなされた金融商品の買い注文に対し、前記顧客から預かっている担保資産に対して評価担保額を算定する担保額算定ステップと、前記顧客から証券取引のための決済資金を預かる処理を行う決済資金預かりステップと、前記顧客からの買い注文の約定を行った後その代金を処理する買い注文処理ステップと、前記決済資金預かりステップにより預かった預かり資金と前記顧客からの買い注文に必要な必要資金を比較することにより前記預かり資金が前記必要資金に足りるか否か検知する資金不足検知ステップと、この資金不足検知ステップにより預かった資金が足りなかったことが検知されたとき、この不足額が前記評価担保額以内であるか否か検知する不足額比較検知ステップと、この不足額比較検知ステップにより、前記不足額が前記評価担保額以内であることが検知されたとき、前記顧客に前記不足額について融資する処理を行う融資ステップと、を有して成ることを特徴とする証券売買資金融資方法を提供する。
【0014】
本発明の請求項11によれば、顧客のクライアント端末からネットワークを介してなされた金融商品の買い注文に対し、前記顧客から預かっている所定の担保資産に対して評価担保額を算定する担保額算定ステップと、前記顧客から証券取引のための決済資金を預かる処理を行う決済資金預かりステップと、前記顧客からの買い注文の約定を行った後その代金を処理する買い注文処理ステップと、前記決済資金預かりステップにより預かった預かり資金と前記顧客からの買い注文に必要な必要資金を比較することにより、前記預かり資金が前記必要資金に足りるか否かを検知する資金不足検知ステップと、この資金不足検知ステップにより前記預かり資金が足りなかったことが検知されたとき、この不足額と前記評価担保額を比較することにより前記不足額が前記評価担保額以内であるか否か検知する不足額比較検知ステップと、この不足額比較検知ステップにより、前記不足額が前記評価担保額を超えることが検知されたとき、前記顧客の担保資産を増加する担保増加ステップと、前記不足額比較検知ステップにより、前記不足額が前記評価担保額以内であることが検知されたとき、前記顧客に前記不足額について融資する処理を行う融資ステップと、を有して成ることを特徴とする証券売買資金融資方法を提供する。
【0015】
本発明の請求項12によれば、顧客のクライアント端末からネットワークを介してなされた金融商品の買い注文に対し、前記顧客から預かっている所定の担保資産に対して評価担保額を算定する担保額算定ステップと、前記顧客から証券取引のための決済資金を預かる処理を行う決済資金預かりステップと、前記顧客からの買い注文の約定を行った後その代金を処理する買い注文処理ステップと、前記決済資金預かりステップにより預かった預かり資金と前記顧客からの買い注文に必要な必要資金を比較することにより、前記預かり資金が前記必要資金に足りるか否かを検知する資金不足検知ステップと、この資金不足検知ステップにより前記預かり資金が足りなかったことが検知されたとき、この不足額と前記評価担保額を比較することにより前記不足額が前記評価担保額以内であるか否か検知する不足額比較検知ステップと、この不足額比較検知ステップにより、前記不足額が前記評価担保額を超えることが検知されたとき、前記顧客の信用度を検知する信用度検知ステップと、前記不足額比較検知ステップにより、前記不足額が前記評価担保額以内であることが検知されたとき、及び前記信用度検知ステップにより前記買い注文を行なった前記顧客の信用度が高いことが検知されたとき、前記顧客に前記不足額について融資する処理を行う融資ステップと、を有して成ることを特徴とする証券売買資金融資方法を提供する。
【0016】
本発明の請求項14によれば、顧客のクライアント端末からネットワークを介してなされた金融商品の買い注文に対し、前記顧客から預かっている複数の担保資産に対して評価担保額を算定する担保額算定ステップと、前記顧客から証券取引のための決済資金を預かる処理を行う決済資金預かりステップと、前記顧客からの買い注文の約定を行った後その代金を処理する買い注文処理ステップと、前記決済資金預かりステップにより預かった預かり資金と前記顧客からの買い注文に必要な必要資金を比較する資金比較ステップと、前記預かり資金が前記必要資金に満たなかったとき、前記評価担保額の範囲内で前記顧客に不足額を融資する処理を行う融資ステップと、を有し、前記顧客から前記担保資産の1つについて売り注文があった場合、この担保資産を除き他の預かり資産を担保資産として前記担保額算定ステップにより、前記評価担保額を算定し、この評価担保額が前記顧客に融資している金額以上の場合に、前記売り注文を発注することを特徴とする証券売買資金融資方法を提供する。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の各実施形態について図面を用いて説明する。
【0018】
<第1の実施形態>
この発明の第1の実施形態の構成を図1に示す。インターネット11には、クライアント端末12a,12b,12c・・・及び証券会社において株式売買の注文の処理を行う注文処理サーバ13が接続され、この注文処理サーバ13からは専用回線を介して株式売買を行う株式市場14が接続される。注文処理サーバ13は、証券会社に株式注文取引を委託する顧客の取引顧客ファイル15aと、各顧客からの預かり資産を記憶する預かり資産ファイル15bと、預かり資産から評価した担保額を記憶する評価担保額ファイル15cと、顧客に融資している残額を記憶する融資残額ファイル15dと、株式市場14から各銘柄の株価の情報を記憶する株価情報ファイル15eと、株式市場14に株式の注文を出し約定情報を受ける売買注文ファイル15fとを有する。
【0019】
取引顧客ファイル15aには、取引顧客毎に、顧客コードとしての口座番号、顧客名義、電子メールアドレスなど属性情報データが記憶されており、預かり資産ファイル15bには、資産種別、銘柄コード、銘柄名、数量、各銘柄の時価評価額、担保対象資産であるか否かなどが記憶されている。評価担保額ファイル15cには担保資産と評価担保額が記憶され、融資残額ファイル15dには、融資残額及び返済期限日が記憶されている。
【0020】
株価情報ファイル15eには、資産種別、銘柄コード、銘柄名、株価の現在値、価格に関する時系列データが記憶され、売買注文ファイル15fには、注文内容データ(売買の別、銘柄、数量、価格)及び約定内容データ(売買の別、銘柄、数量、決済日)が記憶されている。
【0021】
図2に、この実施形態において、個別注文毎に、顧客に自動融資を行う場合の前に行う手続の流れを示す。
【0022】
ステップS201で証券会社がその端末においてネットワークを介して顧客のクライアント端末から株式売買取引の開始の申し込みを受けると、ステップS202において顧客はクライアント端末で取引口座を開設する。この取引口座開設の通知を証券会社端末により受けた証券会社はステップS203において、その端末あるいは別の通信手段により顧客との間で、個別に売買注文の申し込みがなされたら、顧客に代わってその注文を取引所に発注する旨の包括的な売買注文委託契約が締結される。それと共にステップS204で証券会社はその端末あるいは別の通信手段により顧客と、付随的に買付代金が不足して所定の条件を満たすときに融資を行う旨の包括的な契約を締結する。
【0023】
ステップS203及びステップS204の契約の締結は、ステップS202の口座開設のとき、証券会社と顧客の間で取り交わされる約款に記載されてなされてもよい。
【0024】
ステップS204で締結される買付代金の自動融資契約は、顧客から株式の買い注文が証券会社にあったときであって、上記取引口座にある金額が買い注文の金額に満たない場合に、証券会社から自動融資することを約する契約であり、その融資のもとになる担保の対象は顧客から上記証券会社が預かっている資産のすべてであること、更にそのような状況における融資の限度額算出基準も明記する。これ以降、実際の株式の売買注文が顧客からある毎に、証券会社はその売買注文を株式市場に出して、約定しその注文の処理を行うことになる。
【0025】
上述の一連の手続は、この処理は、顧客が操作するクライアント端末と証券会社の注文処理サーバ13とでもあるいは証券会社が別に有する証券会社端末との間で行うこともできるし、従来の郵便などの方法で書類を送付しサインして返送することにより契約書を締結することもできる。即ち、図1に示すようなインターネットにより行ってもよいし、従来から行われているように、店頭にて顧客から証券会社に株式売買注文委託の申し込みを行い、所定の契約書を両者間で取り交わすことにより行ってもよい。また、顧客による最初の売買注文委託の申し込みのみ、インターネットにより行い、証券会社から所定の注文委託の契約書及び自動融資の契約書を顧客に郵便で送り、顧客がそれらの契約書に必要事項を記入し返送することにより契約を締結するようにしてもよいことは勿論である。
【0026】
図8に、本発明において注文処理サーバ13内に設けられ、融資を行うか否かを決定する融資決定部の構成の一例を示す。この融資決定部は、担保対象資産を検索する担保対象資産検索回路801と、担保対象の資産の種類に応じて担保掛目を出力する担保掛目回路802と、この担保掛目回路802の出力及び前記担保資産検索回路801の出力に応じて評価担保額を算定する評価担保額算定回路803と、買い注文がなされたとき買い注文の決済に必要な金額と顧客が取引口座に入金している金額とから不足額を算定する買い注文不足額算定回路804と、この回路により算定された金額と前記評価担保額算定回路803から出力された金額を比較する比較回路805とから成る。
【0027】
次に、この実施形態において、上記自動融資契約において対象とした担保資産に基づく評価担保額の算定、及びこの担保対象資産の全部又は一部を顧客が引き出そうとした場合の手続の流れにつき、図3を用いて説明する。
【0028】
図3のステップS301では、証券会社はその端末を用いて、まず顧客から預かっている資産の種類及びその総額を検知する。この検知は図8の担保資産検索回路801でなされ、この結果は、注文サーバ13内の預かり資産ファイル15bに顧客毎に、資産種別、銘柄コード、銘柄名、数量として記憶される。次のステップS302では、上記の調査により判明した顧客の預かり資産の総計に対して証券会社がその顧客に融資可能な評価担保額を算定する。この算定は、評価担保額算定回路803においてなされ、具体的には当該顧客の資産を預かり資産ファイル15bから読み出し、担保掛目回路802において予め定められている掛目を資産の種別毎に掛け算することによりなされる。
【0029】
いま、この評価担保額は、証券会社において、注文処理サーバ13の預かり資産ファイル15b、株価情報ファイル15eに記憶されているデータを用いて、電子計算機(図示せず)により算定する。例えばその顧客が、株式Aを12000株、株式Bを10000株、外貨MMF200万円を保有しているとすると、注文処理サーバ13から株式市場14に株式A及びBの株価を問い合わせ、株価情報ファイル15eに記憶される。いまこれらの株価が各々500円、400円とすると、この顧客が有する株式Aは12000×500=600万円、株式Bは10000×400=400万円となる。このとき上記証券会社の電子計算機に接続された表示装置に表示される様子を図5に示した。
【0030】
これら資産の各々を株式及び外貨MMFの金額の小計に対して担保掛目を掛けて評価担保額を計算する。この担保掛目とは、資産の種類に応じて担保として評価する場合の値で、リスクを考慮した1より小さい正数であり、リスクが大きい資産ほど小さい値に設定する。ここでは、株式の場合0.7とし、外貨MMFの場合には0.8としてある。
【0031】
このようにして、各資産毎に評価担保額を計算し、それらを合計することにより、評価担保額算定回路803において、評価担保額が算定される。この場合には、株式A及びBと外貨MMFで、評価担保額が860万円となる。
【0032】
このような預かり資産を有する顧客が、例えば外貨MMFを解約して引き出そうとしたとする。このとき、顧客が担保対象資産の一部を引き出そうとしたことになるので、図3のステップS303においてYesとなり、ステップS304において残りの担保対象資産に対応する仮評価額の算定を行う。今の場合、外貨MMFが引き出されたとした場合の仮の評価額は、株式Aと株式Bにより700万円となる。この算定も評価担保額算定回路803でなされる。
【0033】
次のステップS305で上記仮評価額と、既に融資して残っている額(既融資残額)が比較される。この顧客の既融資残額がゼロとすれば、既融資残額より仮評価額の方が大きい。既融資残額の情報は融資残額ファイル15dから得られ、仮評価額と既融資残高との比較は図8の比較回路805でなされる。
【0034】
ステップ305で、仮評価額が既融資残額以上であったとすると、ステップS305からステップS306に移り担保対象資産の一部、即ち外貨MMFの引き出しを許可し、ステップS301に戻って再び、顧客からの預かり資産の検知、評価担保額の算定を行う。外貨MMFの引き出しは、預かり資産ファイル15bに記録され、当該顧客の預かり資産からこの資産が消去されることになる。
【0035】
もし、ステップS305において、既融資残額が仮評価額より大きくなったことが、比較回路805で検知された場合には、ステップS307において、担保対象資産の一部引き出しができない旨を例えば電子メールにより顧客に通知した後、ステップS303に戻り、顧客から担保対象資産の引き出しの申し込みがあるかどうかを判断する。資産の引き出しができない旨の電子メールは、注文処理サーバ13内から取引顧客ファイル15aに記憶されている顧客のメールアドレス宛になされる。
【0036】
次に、顧客から株式の売買注文があった場合の処理の手順を図4を用いて説明する。ステップS401において、注文処理サーバ13では顧客のクライアント端末から株式の売買注文があるかどうかを検知し、注文があったときには、ステップS402で、まず顧客の注文処理サーバ13から株式市場14に売買注文を出し、その注文が成り立てば約定する。その約定の結果は売買注文ファイル15fに記憶される。
【0037】
次のステップS403では、約定した注文が買い注文であったかを調べ、買い注文であった場合には、株価情報ファイル15eにより買った銘柄の株価を調べ、ステップS404では買った銘柄の株価及び注文の株数により必要であった金額を算定する。
【0038】
ステップS405で上記注文をした顧客の取引口座の資金残高を調べ、ステップS406で上記必要金額が資金残高より大きいか、即ち不足額が生じたか調べる。この処理は図8の買い注文不足額算定回路804においてなされる。不足額が生じていた場合には、ステップS407でその不足額と既融資残額の合計(合計融資額;正確には既融資残額の利息を含む)が上述の評価担保額以下かどうか調べる。この比較処理は、図8の比較回路805でなされる。
【0039】
合計融資額が評価担保額以下であれば、ステップS408において不足額を顧客に融資して、ステップS409で顧客に融資額及び既融資残額とそれらの利息を請求する。一方、合計融資額が評価担保額より大きい場合には、ステップS410で、顧客に融資することなく、不足額及び既融資残額を請求する。これらの顧客への請求通知は、例えば、注文処理サーバ13内で、取引顧客ファイル15aに記憶されている、当該顧客のメールアドレスあてに電子メールでなされる。
【0040】
なお、ステップS403において買い注文でなかった、即ち売り注文であった場合、及びステップS405で不足額が生じていなかった場合には、いずれも通常の処理を行い、ステップS401に戻る。
【0041】
今例えば、図5に示す資産を、証券会社に預けている顧客が、更に株式Cを5000株、購入したい旨の買い注文を証券会社に依頼してきたとする。この場合、ステップS402でまず、その買い注文を執行し約定する。この注文は売買注文ファイル15fに約定日付と共に記憶される。
【0042】
ステップS403で、その注文が買い注文であった場合には、ステップS404で売買注文ファイル15fに記憶されている約定注文から、そのとき必要であった金額を調べる。この場合、株式Cの現在株価が200円であったとすると、必要金額は5000×200=100万円となる。この金額が顧客の所定の取引口座に入っていなければ、ステップS406で不足額が生ずるので、ステップS407において、(不足額+既融資担保額)と評価担保額が比較される。この比較処理は、買い注文不足額算定回路804にて算定された不足額と、評価担保額算定回路803で算定された評価担保額を、比較回路805において比較することによりなされる。
【0043】
図3により説明したように、顧客が外貨MMF200万円を引き出したとすると、この場合、評価担保額は860−160=700万円であり、既融資残額がゼロとすれば、不足額100万円は評価担保額700万円より小さいので、ステップS407においてYesとなり、ステップS408で不足額100万円を融資し、ステップS409においてこの融資額及び融資に伴う利息を当該顧客に請求することになる。このときには、注文処理サーバ13内で、取引顧客ファイル15aを検索して当該顧客のメールアドレスを調べそのアドレス宛に電子メールを出すことによりなされる。
【0044】
ところで、上記実施形態では、買い注文がなされる前に顧客からの預かり資産を調査し予めその評価担保額を算出しており、買い注文があって資金に不足が生じたとき、この不足額あるいはそれに既融資残額が上記評価担保額より小さいか否か判断し、小さい場合には顧客に不足額を融資して買い注文を執行していた。このようにすれば、評価担保額が予め決められるので、買い注文の資金が不足したとき即座に、融資を行うか否か判断できる。しかし、買い注文により得られる資産も担保として組み入れることもできる。このようにすれば、評価担保額は買い注文が明確にならないと確定できないが、評価担保額は上述の場合よりも大きくなり、買い注文において生ずる不足額が大きくても融資可能となり、円滑な買い注文を行える利点がある。
【0045】
また、上述の実施形態では、顧客に融資を行い、その融資に対する返済が完了しない場合にも再び融資を行うことが可能であったが、融資の返済が完了しない場合には、次の融資を行わないようにすることもできる。この場合融資を検討するときには、既融資残額はゼロであるから考慮する必要がなく、常に不足額と評価担保額を比較すればよいことになる。
【0046】
上記実施形態では、1件の買い注文毎に、資金に不足額が生ずるか見ていたが、複数の買い注文を同時に行うとき、合計として不足額が生ずる場合に、それに応じた自動融資を行うようにしてもよい。
【0047】
ところで、上述の第1の実施形態によれば、顧客の担保対象資産はその顧客が証券会社に預けている資産のすべてであり、顧客が特別、対象資産を特定する必要がないので、顧客が買い注文を出すとき、煩雑な手続を要することなく容易に融資を受けることができる利点がある。
【0048】
しかし、本発明では、自動融資の担保の対象となる資産を顧客が特定できるようにすることもできる。このような本発明の他の実施形態について次に説明する。
【0049】
<第2の実施形態>
自動融資の対象となる資産を顧客が特定できる本発明の実施形態における処理の流れを図6に示す。この実施形態の構成は図1と同様である。図6のステップS601では、証券会社が自己の端末を用いて、顧客から預かっている資産の種類及びそれらの総額を調査し、顧客が使用するクライアント端末に通知する。この場合に顧客が自己の用いているクライアント端末において証券会社から示される預かり資産の表示画面例を図7(a)に示す。
【0050】
これを受けてステップS602で顧客は、自分の資産のうちどの資産を、株式を買い不足が生じたとき自動融資を受ける担保の対象とするか、自己の使用しているクライアント端末の画面上で特定する。この場合に顧客が担保資産を特定するために入力する画面の例を図7(b)に示した。
【0051】
図7(a)に示した画面を、自分のクライアント端末の画面で顧客が見て、マークすることにより、自動融資の際に担保としてよい資産を特定する。今の場合、7種類の株式と預かり金50万円が証券会社に預けられている。このうちの株式gggg、株式hhhh、株式eeeeを担保にしてよいとするとこれらにマーク○を付けることにより、図7(b)に示すように担保対象資産が一般資産とは別に表示される。このとき、これらの担保対象資産に対応して自動融資がなされる限度額、及びそのときの自動融資利息額も表示される。
【0052】
なお、ここでは、顧客が資産として株式と預かり金しか有していないように示してあるが、国債など他の有価証券を有していてもよいことは勿論である。
【0053】
顧客は、図7(b)の画面において、担保対象資産がその欄に表示されたものでよい場合には、「はい」のボタン71をクリックする。これにより、顧客の担保対象資産が特定されることになる。一方、表示された担保対象資産を変更したい場合には、「修正する」ボタン72をクリックすることにより図7(a)に示す画面に戻って担保対象資産を変更する。この顧客のクライアント端末から入力された情報はインターネット11を介して注文処理サーバ13に送られる。
【0054】
再び、図6に示すフローチャートに戻って、ステップS603において、顧客から預かり資産の一部引き出しの申し込みがあるか、注文処理サーバ13で自動的に調べる。この申し込みがあったときには、ステップS604に移り、その引き出そうとしている資産が担保対象資産であるか調べる。この担保対象資産か否かの検索は、預かり資産ファイル15bに記憶されている預かり資産の担保対象資産であるか否か、を調べることによりなされる。担保対象資産でなければ、即ち図7(a)に示す一般資産であれば、引き出しても問題はないので、ステップS605により引き出しを許可する。このとき、その引き出された資産は、預かり資産ファイル15bから消去される。
【0055】
一方、ステップS604において、引き出そうとしている資産が担保対象資産であれば、ステップS606に移り、その資産が引き出された後の担保対象資産に対応する仮の評価額が算定され、ステップS607でこの算定された仮評価額が既に融資され返済されないで残っている既融資残額以上であるか、調べられる。これら一連の処理は、図8に示す、評価担保額算定回路803、買い注文不足額算定回路804及び比較回路805においてなされる。
【0056】
仮評価額が既融資残額以上であれば、ステップS608において担保対象資産として引き出す資産を減少修正し、ステップS605で引き出しを許可する。
【0057】
また、既融資残額が仮評価額より大きい場合には、ステップS609にて担保対象資産を増加させるか、図7(b)に示したような画面で、顧客に問い合わせる。顧客が担保対象資産を増加させることを承諾すれば、ステップS607において、再び既融資残額が仮評価額より大きいか調べ、大きくなければ、ステップS608、S605で、担保対象資産を減少修正し、引き出しを許可する。引き出された資産は、預かり資産ファイル15bから消去される。
【0058】
ステップS609において、顧客が担保対象資産を増加させない場合には、資産の引き出しをできない旨、顧客に通知し、ステップS603に戻って顧客が引き出しを申し込むか調べる。
【0059】
資産の引き出しができない旨の通知は、例えば注文処理サーバ13内の取引顧客ファイル15aに記憶されている該当顧客のメールアドレス宛に電子メールを送付することによりなされる。
【0060】
この実施形態において、顧客から株式の売買注文があった場合は、上述の第1の実施形態について示した図4と同様に処理を行う。この実施形態においても、自動融資した金額が返済されなければ、次の株式の買い注文の不足額が生じたときの自動融資を行わないようにすることができる。
【0061】
この第2の実施形態によれば、顧客は、比較的動かさない資産について担保の対象資産とし、頻繁に出し入れする口座の資金については担保対象から除外するなど、担保対象資産について顧客の希望を入れることができ、顧客にとって意図に反して出し入れが制限されるような不便をなくすることができる利点がある。
【0062】
上述の実施形態では、有価証券が株式や外貨MMFの場合について説明したが、本発明はこれら以外の有価証券についても同様に適用することができる。
【0063】
ところで、上述の実施形態では、顧客の担保が常にあることを前提として融資していた。しかし、本発明は一部担保がない場合、即ち無担保融資と組み合わせることも可能である。このような本発明の他の実施形態につき、図9に示すフローチャートを用いて、次に説明する。
【0064】
同図においてステップS901では、顧客から買い注文があったかを注文処理サーバ内又は別の端末により検知し、買い注文があったときにはステップS902で顧客から注文を受けた証券会社は証券取引所に、買い注文を発注する。この注文は売買注文ファイル15fに記憶される。
【0065】
次のステップS903で約定、即ち買い注文の売買が成立すると、次のステップS904において約定代金を算定することになる。今の場合、顧客は株価200円の株式Cを5000株買いたい、とすると、約定代金は200×5000=100万円となる。
【0066】
次のステップS905では約定代金が既に入金されているかチェックし、入金されていればステップS906に移って約定代金を決済する。
【0067】
一方、ステップS905において約定代金が入金されていない(不足の場合も含む)ことが検知された場合には、ステップS907に移って当該顧客の評価担保額を算定する。この評価担保額の算定は図8の構成で言えば、評価担保額算定回路803でなされる。
【0068】
いまの場合、今回買おうとする資産も担保に入れることとする。このとき、株式の担保掛目を0.7、外貨MMFの担保掛目を0.8としこれの掛目が担保掛目回路802に記憶されているとすると、図10に示すように、最大可能な評価担保額は930万円となる。この930万円の範囲内で、担保とする資産をどのように指定するかにはいろいろ方法があるが、ここでは評価担保額が少額の担保対象資産から自動的に指定することとする。
【0069】
当該顧客に融資し、まだ残っている既融資残額がゼロであるとする。まず、今回約定した株式Cのみを担保対象とすると評価担保額は70万円であり、今回購入する約定代金は100万円であるから、(約定代金+既融資残額)は100万円となるので、ステップS908ではNoとなってステップS909に移り、最大可能な評価担保額かを検知する。
【0070】
今の場合には、評価担保額は930万円でないので、ステップS910に行き、担保対象資産を少額のものから増加する。したがって、次に担保対象資産として、株式Cに外貨MMFを加えてステップS907で評価担保額を算定する。株式Cと外貨MMFが担保対象資産のときには、評価担保額が230万円となるので、ステップS913では、約定代金+既融資残額である100万円は評価担保額230万円より小となってステップS911に移る。この比較処理も図8の比較回路805でなされる。
【0071】
ステップS911では、当該顧客が、信用度の高い客か否かを判定する。信用度の高い顧客の基準もいろいろあるが、ここでは、過去に決済不能を起こしたことがあるかと、口座開設後3年以上経過しているか否かにより判断する。即ち、過去に決済不能を起こしたことがなく、口座開設後3年以上経過している顧客は、信用度の高い顧客としてステップS912に移り、無担保で融資を受けステップS913において約定代金を決済する。
【0072】
一方、ステップS911で顧客が過去に決済不能を起こしたことがある、あるいは口座開設後3年以上経過していない場合には、ステップS914に移り、上記資産(株式C及び外貨MMF)を担保として設定する。次にその担保に基づいて融資を実行(ステップS915)し、ステップS913で約定代金を決済する。
【0073】
また、ステップS908において、(約定代金+既融資残額)が評価担保額を超える場合にはステップS910で担保対象資産を増やしていく。一方、最大可能評価担保額にしても評価担保額が小さい場合にはステップS909からステップS916に移り、金額不足で決済できない旨、顧客に通知する。
【0074】
上記実施形態において買い注文の資産を担保からはずしてもよいことは勿論である。また、上記実施形態では評価担保額が足りないとき、評価額が低い資産から自動的に加えていくようにしたが、評価額の大きい資産から加えていくことや、顧客に担保としてよい資産を選択するようにすることも可能である。
【0075】
本発明のこの実施形態によれば、顧客の信用度も考慮し無担保融資を行うことができ、更に柔軟で円滑な証券売買の融資が可能となる利点がある。
【0076】
ところで、上述の実施形態では、買い注文のとき、所定の担保を設定して融資を行なってよいかどうかを調べる例について説明したが、担保対象になっている資産を売るような場合には、当該資産をはずした場合にも以前と同様に担保設定を行い融資を続けることが可能か調べることが、円滑な融資のために必要である。
【0077】
次に本発明のこのような場合の他の実施形態について説明する。図11にこの実施形態における動作のフローチャートを示す。ステップS1101において顧客から売り注文があるか検知し、売り注文があった場合には、ステップS1102でその売り注文の資産に担保が設定されているか検知する。
【0078】
売り注文の資産が担保対象資産になっていたときには、ステップS1103で当該資産を担保対象からはずし、ステップS1104において別の資産を担保対象資産とし、評価担保額を算定する。そして、ステップS1105において既に融資している残高がこの算定された評価担保額以下か否かを検知する。既融資残高が評価担保額を超える場合には、ステップS1104に戻って更に別の資産を担保対象に加えるか、他の資産に置き換え、再びステップS1105において既融資残高が評価担保額以下になるか検知する。この比較処理は図8の構成で言えば、比較回路805でなされる。
【0079】
ステップS1105で、既融資残高が評価担保額以下になったときには、充分な担保があることになるので、証券会社から取引所に売り注文を発注する。次のステップS1107で約定できればステップS1108に移り、資産を代えて上記評価担保額を算定した資産に担保を再設定し、ステップS1109で上記顧客からなされた買い注文の決済を行う。
【0080】
一方、ステップS1102において、顧客が売り注文を出してきた資産に担保が設定されていなければ、通常の手続きがなされる。即ちステップS1110で証券会社から取引所にその売り注文を発注し、約定できたならばステップS1109に移って決済を行う。ステップS1107及びステップS1111で約定できなければ買い注文はそれで終了する。
【0081】
本発明のこの実施形態によれば、担保対象資産の売り注文があった場合にも、できるだけ止めることなく円滑に、その注文の発注、約定を行うことができる利点がある。
【0082】
ここで、顧客の担保対象となる資産から、評価担保額を算定するときに重要な、担保掛目について述べる。
【0083】
上述のように、担保掛目は通常、株式、国債、公社債など金融資産の種類に応じて一律に決められることが多く評価担保額の算定にはこれでもよい。このような場合には、図8に示す担保掛目回路802には金融商品の種類に応じた担保掛目の値が記憶されているだけでよい。しかし以下で述べるように担保掛目を設定する場合には、個々に担保掛目を計算すればよい。
【0084】
担保掛目は、対象となる資産の将来における最低換金価値を評価するための比率であるから、バリュー・アット・リスク(VAR)などを用いて対象となる資産の個性をより強く反映させれば、評価担保額を更に正確に算定できる利点がある。
【0085】
ここで、VARとは、「特定の確率水準のもとで、特定の期間に生ずる可能性がある損失の最大額」を指す。例えば、株式Aに対して「99%の確率での1ヵ月のVARが10万円である」という場合、株式Aをその時点から1ヵ月間保有することによって生ずる損失額は、99%の確率で10万円以内であることを意味する。そして、この場合、VAR(1ヵ月、99%)=10万円である、と表記する。
【0086】
即ち、現在の時価が100万円、VAR(1ヵ月、99%)=10万円である株式Dの1ヵ月後における換金価値を評価する場合、以下の式によって1ヵ月後における最低換金価値を計算することが可能となる。
【0087】
(なお、VARの計算方法については、例えば『総合リスク管理への挑戦』(ロッドA・ベックストローム、アリスR・キャンベル/編著、大和証券業務開発部/訳、金融財政事情研究会発行)にも説明がある。現在では様々な計算方法が開発されており、計算用のアプリケーションソフトなども汎用化されている。)
評価担保額(1ヵ月)=時価−VAR(1ヵ月、99%)=90万円
となり、99%の確率で確保される換金価値90万円(もしくはこれを一定の比率で割り引いたもの)を株式Dの評価担保額として利用することが可能となる。またこの場合、株式Dの担保掛目(1ヵ月)は0.9となる。これを一般化すると次のようになる。
【0088】
担保掛目=1−{VAR(α、β)/γ}
ここで、期間αは担保評価期間(弁済期限までの期間)、確率βは担保評価の確実性(何%の確率をもって評価担保額とするか)、時価γは担保評価を行う資産の現在価値を表す。
【0089】
期間αは、担保評価を行う期間であり、通常は長ければ長いほど担保掛目の値は小さくなる。このことは、融資期間が長ければ長いほど担保価値(融資返済時点における換金価値)の不確実性が大きくなり、評価担保額が低くなることと整合する。また、確率βは、担保評価の確実性を示す値であり、通常は大きければ大きいほど担保掛目の値は小さくなる。このことは、評価担保額の確実性を上げようとすると、それに伴って評価担保額が低くなることと整合する。
【0090】
これらの値は、担保評価を行う者が予め入力した値を用いてもよいが、融資条件と整合するような値を用いることが望ましい。
【0091】
例えば、本実施形態において株式の買付資金を融資する場合、融資期間を一律1週間であるとする。つまり、顧客は買付代金の決済日(融資日)から1週間以内に融資金額を返済することになる。この場合には、融資日から1週間後における評価担保額を計算すればよいので、VAR(1週間、99%)の値を用いた担保掛目を用いればよい。また、融資期間を一律1ヵ月とするのであれば、VAR(1ヵ月、99%)を用いればよい。融資期間を一律にせず、例えば顧客毎、融資金額毎に異なる融資期間を設けるのであれば、その値でVARを計算し、担保評価に用いればよい。
【0092】
なお、前述の通り、VARの値は期間αの関数であるため、VAR(1週間、99%)と、VAR(1ヵ月、99%)の値は異なり、それに基づいて算出される担保掛目も当然ながら異なる値となる。
【0093】
このような方法を取ることによって、個別資産の特性及び融資期間により密接に対応した担保評価を行うことが可能となる。金融商品の種別により担保掛目を一定とすれば、例えばVAR(1ヵ月、99%)=10万円、現在価格100万円である株式Dと、VAR(1ヵ月、99%)=20万円、現在価格100万円である株式Eは、どちらも株式の担保掛目0.7によって担保評価が行なわれるため、それぞれの担保評価担保額は同じく70万円となる。しかし、前述のようにVARを用いて算出すれば、株式Dの評価担保額は90万円、株式Eの評価担保額は80万円(共に担保評価期間は1ヵ月)となり、個別資産の実際の換金価値に即した担保評価を行うことが可能となる。
【0094】
また、複数の資産が担保対象のときには、VARで個別に評価せず、ポートフォリオとして担保評価することもできる。
【0095】
価格が変動する2以上の資産がある場合、それらの資産の価格変化にはある種の相関関係が存在するのが通常である。例えば、株価と債券価格は通常、逆の相関関係を有することが、理論的、経験的に知られている。
【0096】
VARは2以上の資産についても計算することが可能であり、複数の資産をポートフォリオとして担保評価すれば、実際の換金価値を反映した適切な担保評価により近づくことになる。2以上の資産について価格変化の相関関係を測定するためには、共分散もしくは相関係数を用いるのが普通である。ここでは説明を理解しやすくするために、簡単な例として図11に示すような株式Dと株式Eの担保評価を行う場合を考える。
【0097】
両株式の価格変化は逆の相関関係を有し、シナリオ1の場合は株式Dが値上がりして株式Eが値下がりした場合、シナリオ2はその逆の場合であることがわかる。
【0098】
この場合、金融商品の種別により担保掛目を所定の値にする場合、株式の担保掛目を0.7とすると、
評価担保額(株式D)=現在価格100×担保掛目0.7=70
評価担保額(株式E)=現在価格100×担保掛目0.7=70
このようになり、合計の評価担保額(株式D+株式E)=140になる。
【0099】
一方、株式D、株式Eのそれぞれについて、VARを用いて評価担保額を計算すると、
株式Dについては、VAR(1ヵ月、100%)=50により、担保掛目=0.5、したがって評価担保額=100×担保掛目0.5=50万円となる。株式Eについては、VAR(1ヵ月、100%)=20により、担保掛目=0.8、したがって評価担保額=100×担保掛目0.8=80万円となる。結局、この場合には合計の評価担保額(株式D+株式E)=130万円となる。
【0100】
この場合、上述の各資産の評価担保額を独立に算出する場合よりも、評価担保額が小さくなっているが、株式Dに固有の値下がりリスク(50%の確率で50の損失が発生する)が、担保評価に反映されたことによる。この方法は複数の資産を保有している場合でも、個別に担保設定や担保解除を行う場合の評価担保額の算定に適している。
【0101】
複数の資産を組み合わせたポートフォリオに対して担保評価を行う場合、前述の通り、価格変化の相関関係を加味することにより適切な評価担保額を算定できる。
【0102】
このケースで株式Dと株式Eの1ヵ月後の換金価値の合計を見てみると、シナリオ1の場合は170(株式D50、株式E120)、シナリオ2の場合は230(株式150、株式E80)となることがわかる。
【0103】
この場合のポートフォリオ(株式D+株式E)のVAR、担保掛目、評価担保額を次のようになる。
【0104】
ポートフォリオ(株式D+株式E)のVAR(1ヶ月、100%)=30より、担保掛目=0.85、評価担保額=200×担保掛目0.85=170万円。
【0105】
この場合、株式の担保掛目を一律に0.7とした場合、及び株式D、株式EのそれぞれについてVARを用いて評価担保額を算出し合計した場合に比べて評価担保額が高くなっている。これは株式D、株式Eの価格変化の相関関係(株式Dの価格下落時には株式Eの価格上昇によって損失額が相殺され、株式Eの価格下落時には株式Dの価格上昇によって損失額が相殺される)を考慮して評価担保額を算出したことによる。株式Dと株式Eを常に組み合わせて担保設定や担保解除を行う場合など、保有する資産を組み合わせたポートフォリオとしての評価担保額を算定するのに適している。
【0106】
上述の実施形態で述べたように、本発明において評価担保額の算定に当たって用いる担保掛目については、資産の種類毎に予め一律に決められた値を用いてもよいし、VARなどのリスク指標を用いて個別資産もしくは個別資産を組み合わせたポートフォリオの特性に合わせて算出した値を用いてもよい。
【0107】
後者の方が、融資返済期限における担保対象資産の換金価値を評価するという担保評価の趣旨に適合しており、前者に比して評価担保額が過大又は過小に評価される可能性は少なくなる。このことは融資の安全性(担保価値の下落により融資額が回収できなくなるリスク)及び顧客の利便性(評価担保額が過小評価されることにより、本来可能であった融資が受けられないリスク)の双方にとって効果を生ずるものである。
【0108】
また後者の方法により個別資産、もしくは個別資産を組み合わせたポートフォリオ毎に担保掛目の計算を行う場合、評価担保額算定部において担保掛目の計算を行なっても良いし、担保掛目の計算を行う部分を別途設けてもよい。担保掛目の計算に用いるデータ(数値データを含む)については、取引顧客ファイル、株価情報ファイルに格納することにしても良いし、別途担保掛目ファイルを設けてこれに記憶するようにしてもよい。このような担保掛目の算出は本発明の上述のすべての実施形態に適用できる。
【0109】
上述の実施形態では、インターネットを利用して顧客が自分のクライアント端末からオンラインで証券会社に買い注文を依頼する場合について説明したが、専用の回線を介して株式の売買注文を出すような場合にも本発明を適用することができ、更には株式の売買注文を電話や書面により行うオフラインの場合にも本発明を適用することが可能である。
【0110】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、買いたい銘柄の株価など有価証券が急に値上がりして、顧客が予め預けておいた資金に不足が生じても円滑に有価証券の買い注文を処理することが可能な証券売買資金融資システムなどが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明第1の実施形態の構成例を示す図。
【図2】本発明の第1の実施形態において、顧客から株式売買取引の委託申し込みがあった場合の手続を説明するための図。
【図3】本発明の第1の実施形態において、評価担保額の算定及び担保対象資産の一部引き出しの申し込みがあった場合の処理を説明するための図。
【図4】本発明の第1の実施形態において、顧客から株式の売買注文があったときの処理を説明するための図。
【図5】本発明の第1の実施形態において、顧客からの預かり資産に対する評価担保額を説明するための図。
【図6】本発明の第2の実施形態において、評価担保額の算定及び担保対象資産の一部引き出しの申し込みがあった場合の処理を説明するための図。
【図7】本発明の第2の実施形態において、顧客が担保対象資産を特定する画面例を説明するための図。
【図8】本発明の一実施形態において融資決定を行う部分の構成例を示す図。
【図9】本発明の他の実施形態の証券売買融資方法のフローチャート示す図。
【図10】本発明の図9に示した実施形態で評価担保額の計算を説明するための図。
【図11】本発明の更に他の実施形態の証券売買融資方法のフローチャート示す図。
【図12】本発明の担保掛目の他の実施形態を説明するための図。
【符号の説明】
11・・・インターネット、
13・・・注文処理サーバ、
14・・・株式市場、
15a・・・取引顧客ファイル、
15b・・・預かり資産ファイル、
15c・・・評価担保額ファイル、
15d・・・融資残額ファイル、
15e・・・株価情報ファイル、
15f・・・売買注文ファイル、
801・・・担保資産検索回路、
802・・・担保掛目回路、
803・・・評価担保額算定回路、
804・・・買い注文不足額算定回路、
805・・・比較回路。

Claims (16)

  1. 顧客のクライアント端末からネットワークを介してなされた金融商品の買い注文に対し、前記顧客から預かっている預かり資産の担保対象資産に対する評価担保額を算定する担保額算定手段と、
    前記顧客から証券取引のための決済資金を預かる処理を行う決済資金預かり手段と、
    前記顧客からの買い注文の約定を行った後その代金を処理する買い注文処理手段と、
    前記決済資金預かり手段により預かった預かり資金と前記顧客からの買い注文に必要な必要資金と比較する資金比較手段と、
    前記預かり資金が前記必要資金に満たなかったとき、前記評価担保額の範囲内で前記顧客に不足額を融資する処理を行う融資手段と、
    を有して成ることを特徴とする証券売買資金融資システム。
  2. 顧客のクライアント端末からネットワークを介してなされた金融商品の買い注文に対し、前記顧客から預かっている複数の預かり資産のすべての担保対象資産に対して評価担保額を算定する担保額算定手段と、
    前記顧客から証券取引のための決済資金を預かる処理を行う決済資金預かり手段と、
    前記顧客からの買い注文の約定を行った後その代金を処理する買い注文処理手段と、
    前記決済資金預かり手段により預かった預かり資金と前記顧客からの買い注文に必要な必要資金を比較する資金比較手段と、
    前記預かり資金が前記必要資金に満たなかったとき、前記評価担保額の範囲内で前記顧客に不足額を融資する処理を行う融資手段と、
    を有して成ることを特徴とする証券売買資金融資システム。
  3. 顧客のクライアント端末からネットワークを介してなされた金融商品の買い注文に対し、預かっている複数の預かり資産のうち担保にする担保資産を前記クライアント端末により特定されて、この担保対象資産に対応する評価担保額を算定する担保額算定手段と、
    前記顧客から証券取引のための決済資金を預かる処理を行う決済資金預かり手段と、
    前記顧客からの買い注文の約定を行った後その代金を処理する買い注文処理手段と、
    前記決済資金預かり手段により預かった預かり資金と前記顧客からの買い注文に必要な必要資金を比較する資金比較手段と、
    前記預かり資金が前記必要資金に満たなかったとき、前記評価担保額の範囲内で前記顧客に不足額を融資する処理を行う融資手段と、
    を有して成ることを特徴とする証券売買資金融資システム。
  4. 顧客のクライアント端末からネットワークを介してなされた金融商品の買い注文に対し、前記顧客から預かっている担保資産に対して評価担保額を算定する担保額算定手段と、
    前記顧客から証券取引のための決済資金を預かる処理を行う決済資金預かり手段と、
    前記顧客からの買い注文の約定を行った後その代金を処理する買い注文処理手段と、
    前記決済資金預かり手段により預かった預かり資金と前記顧客からの買い注文に必要な必要資金を比較することにより前記預かり資金が前記必要資金に足りるか否か検知する資金不足検知手段と、
    この資金不足検知手段により預かった資金が足りなかったことが検知されたとき、この不足額が前記評価担保額以内であるか否か検知する不足額比較検知手段と、
    この不足額比較検知手段により、前記不足額が前記評価担保額以内であることが検知されたとき、前記顧客に前記不足額について融資する処理を行う融資手段と、
    を有して成ることを特徴とする証券売買資金融資システム。
  5. 前記不足額は、先に融資を受けて返済していない既融資残額と買い注文において生ずる不足額の合計であることを特徴とする請求項4記載の証券売買資金融資システム。
  6. 前記担保額算定手段は、前記担保対象資産にその資産の金融商品の種類に応じた担保掛目の値を掛けて評価担保額を算定することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1記載の証券売買資金融資システム。
  7. 前記担保額算定手段は、前記担保対象資産各々に下記の担保掛目により求められる値を掛けて評価担保額を算定することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1記載の証券売買資金融資システム。
    担保掛目=1−{VAR(α、β)/γ}
    ここで、VARはバリュー・アット・リスクであり、αは担保評価期間、βは担保評価の確実性、γは担保評価を行う資産の現在価値を表す。
  8. 前記担保額算定手段は、複数の担保資産のポートフォリオにより算出した担保掛目を用いて評価担保額を算定することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1記載の証券売買資金融資システム。
  9. 顧客のクライアント端末からネットワークを介してなされた金融商品の買い注文に対し、前記顧客から預かっている担保資産に対して評価担保額を算定する担保額算定ステップと、
    前記顧客から証券取引のための決済資金を預かる処理を行う決済資金預かりステップと、
    前記顧客からの買い注文の約定を行った後その代金を処理する買い注文処理ステップと、
    前記決済資金預かりステップにより預かった預かり資金と前記顧客からの買い注文に必要な必要資金を比較する資金比較ステップと、
    前記預かり資金が前記必要資金に満たなかったとき、前記評価担保額の範囲内で前記顧客に不足額を融資する処理を行う融資ステップと、
    を有して成ることを特徴とする証券売買資金融資方法。
  10. 顧客のクライアント端末からネットワークを介してなされた金融商品の買い注文に対し、前記顧客から預かっている担保資産に対して評価担保額を算定する担保額算定ステップと、
    前記顧客から証券取引のための決済資金を預かる処理を行う決済資金預かりステップと、
    前記顧客からの買い注文の約定を行った後その代金を処理する買い注文処理ステップと、
    前記決済資金預かりステップにより預かった預かり資金と前記顧客からの買い注文に必要な必要資金を比較することにより前記預かり資金が前記必要資金に足りるか否か検知する資金不足検知ステップと、
    この資金不足検知ステップにより預かった資金が足りなかったことが検知されたとき、この不足額が前記評価担保額以内であるか否か検知する不足額比較検知ステップと、
    この不足額比較検知ステップにより、前記不足額が前記評価担保額以内であることが検知されたとき、前記顧客に前記不足額について融資する処理を行う融資ステップと、
    を有して成ることを特徴とする証券売買資金融資方法。
  11. 顧客のクライアント端末からネットワークを介してなされた金融商品の買い注文に対し、前記顧客から預かっている所定の担保資産に対して評価担保額を算定する担保額算定ステップと、
    前記顧客から証券取引のための決済資金を預かる処理を行う決済資金預かりステップと、
    前記顧客からの買い注文の約定を行った後その代金を処理する買い注文処理ステップと、
    前記決済資金預かりステップにより預かった預かり資金と前記顧客からの買い注文に必要な必要資金を比較することにより、前記預かり資金が前記必要資金に足りるか否かを検知する資金不足検知ステップと、
    この資金不足検知ステップにより前記預かり資金が足りなかったことが検知されたとき、この不足額と前記評価担保額を比較することにより前記不足額が前記評価担保額以内であるか否か検知する不足額比較検知ステップと、
    この不足額比較検知ステップにより、前記不足額が前記評価担保額を超えることが検知されたとき、前記顧客の担保資産を増加する担保増加ステップと、
    前記不足額比較検知ステップにより、前記不足額が前記評価担保額以内であることが検知されたとき、前記顧客に前記不足額について融資する処理を行う融資ステップと、
    を有して成ることを特徴とする証券売買資金融資方法。
  12. 顧客のクライアント端末からネットワークを介してなされた金融商品の買い注文に対し、前記顧客から預かっている所定の担保資産に対して評価担保額を算定する担保額算定ステップと、
    前記顧客から証券取引のための決済資金を預かる処理を行う決済資金預かりステップと、
    前記顧客からの買い注文の約定を行った後その代金を処理する買い注文処理ステップと、
    前記決済資金預かりステップにより預かった預かり資金と前記顧客からの買い注文に必要な必要資金を比較することにより、前記預かり資金が前記必要資金に足りるか否かを検知する資金不足検知ステップと、
    この資金不足検知ステップにより前記預かり資金が足りなかったことが検知されたとき、この不足額と前記評価担保額を比較することにより前記不足額が前記評価担保額以内であるか否か検知する不足額比較検知ステップと、
    この不足額比較検知ステップにより、前記不足額が前記評価担保額を超えることが検知されたとき、前記顧客の信用度を検知する信用度検知ステップと、
    前記不足額比較検知ステップにより、前記不足額が前記評価担保額以内であることが検知されたとき、及び前記信用度検知ステップにより前記買い注文を行なった前記顧客の信用度が高いことが検知されたとき、前記顧客に前記不足額について融資する処理を行う融資ステップと、
    を有して成ることを特徴とする証券売買資金融資方法。
  13. 前記不足額は、先に融資を受けて返済していない既融資残額と買い注文において生ずる不足額の合計であることを特徴とする請求項10乃至12のいずれか1記載の証券売買資金融資方法。
  14. 顧客のクライアント端末からネットワークを介してなされた金融商品の買い注文に対し、前記顧客から預かっている複数の担保資産に対して評価担保額を算定する担保額算定ステップと、
    前記顧客から証券取引のための決済資金を預かる処理を行う決済資金預かりステップと、
    前記顧客からの買い注文の約定を行った後その代金を処理する買い注文処理ステップと、
    前記決済資金預かりステップにより預かった預かり資金と前記顧客からの買い注文に必要な必要資金を比較する資金比較ステップと、
    前記預かり資金が前記必要資金に満たなかったとき、前記評価担保額の範囲内で前記顧客に不足額を融資する処理を行う融資ステップと、を有し、
    前記顧客から前記担保資産の1つについて売り注文があった場合、この担保資産を除き他の預かり資産を担保資産として前記担保額算定ステップにより、前記評価担保額を算定し、この評価担保額が前記顧客に融資している金額以上の場合に、前記売り注文を発注することを特徴とする証券売買資金融資方法。
  15. 前記担保額算定ステップは、前記担保対象資産各々に下記の担保掛目により求められる値を掛けて評価担保額を算定することを特徴とする請求項9乃至14のいずれか1記載の証券売買資金融資方法。
    担保掛目=1−{VAR(α、β)/γ}
    ここで、VARはバリュー・アット・リスクであり、αは担保評価期間、βは担保評価の確実性、γは担保評価を行う資産の現在価値を表す。
  16. 前記担保額算定ステップは、複数の担保資産のポートフォリオにより算出した担保掛目を用いて評価担保額を算定することを特徴とする請求項9乃至14のいずれか1記載の証券売買資金融資方法。
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