JP5017372B2 - 即時決済信用取引システム - Google Patents

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Description

本発明は、即時決済の信用取引及び貸借取引を実施するシステムに関する。
昨今、証券会社と顧客との間のみで株式売買の決済を終了すると共に、決済リスクを低減した即時決済を行うことを目的としたシステムが提案されている。特許文献1には、株式(現物)取引の即時決済を行うシステムが開示されている。
特開2007−200310号公報
しかしながら、現物ではなく、証券会社が顧客に信用を供与して行う有価証券の売買である信用取引に関しては、即時決済を行うシステムが実現されていない。
上記問題点に鑑み、本発明の目的は、信用取引の即時決済システムを実現することにある。
上記課題を解決するために、本発明は、即時決済信用取引システムであって、資金及び株式の残高を記憶する第1の記憶部と、投資家が使用する投資家端末から信用注文を随時受け付ける手段と、前記第1の記憶部に記憶された資金及び株式の残高と、前記信用注文の内容とを比較参照し、前記残高の範囲内で前記信用注文の取引が可能か否かを判定する手段と、前記取引が可能な場合に、前記信用注文に係る受注・発注処理を行う手段と、株式の銘柄ごとに終値、制限値幅上限価格を用いた最大見込約定価格及び制限値幅下限価格を用いた最小見込約定価格を記憶するとともに、前記信用注文を受注する証券会社が有する自己資金残高を記憶する第2の記憶部と、前記投資家端末から、指値注文及び当該指値の単価、又は、成行注文を示す注文価格情報、銘柄及び注文株数を含む新規の信用売り注文を受け付けた場合に、前記注文価格情報が指値注文を示すときに、前記銘柄の最大見込約定価格から前記指値の単価を減算し、その減算した値に前記注文株数を積算した値を立替準備額として記憶し、前記注文価格情報が成行注文を示すときに、前記銘柄の最大見込約定価格から最小見込約定価格を減算し、その減算した値に前記注文株数を積算した値を立替準備額として記憶する手段と、前記立替準備額が、前記第2の記憶部に記憶された自己資金残高以下であるか否かを判定する手段と、前記立替準備額が前記自己資金残高以下である場合に、前記信用売り注文に係る受注・発注処理を行う手段とを備えることを特徴とする。
この構成によれば、信用取引の決済に用いられる貸手金融機関の資金及び株式の残高を事前に把握するので、取引の最中に外部との振替・送金等を行うことなく、即時決済信用取引を実現することができる。
また、本発明は、即時決済信用取引システムであって、資金及び株式の残高を記憶する第1の記憶部と、投資家が使用する投資家端末から信用注文を随時受け付ける手段と、前記第1の記憶部に記憶された資金及び株式の残高と、前記信用注文の内容とを比較参照し、前記残高の範囲内で前記信用注文の取引が可能か否かを判定する手段と、前記取引が可能な場合に、前記信用注文に係る受注・発注処理を行う手段と、株式の銘柄ごとに終値、制限値幅上限価格を用いた最大見込約定価格及び制限値幅下限価格を用いた最小見込約定価格を記憶するとともに、前記信用注文を受注する証券会社が有する自己資金残高を記憶する第2の記憶部と、前記投資家端末から、指値注文及び当該指値の単価、又は、成行注文を示す注文価格情報、銘柄及び注文株数を含む新規の信用売り注文を受け付けた場合に、前記銘柄の最大見込約定価格から最小見込約定価格を減算し、その減算した値に前記注文株数を積算した値を立替準備額として記憶する手段と、前記立替準備額が、前記第2の記憶部に記憶された自己資金残高以下であるか否かを判定する手段と、前記立替準備額が前記自己資金残高以下である場合に、前記信用売り注文に係る受注・発注処理を行う手段とを備えることを特徴とする。
この構成によれば、信用取引の決済に用いられる貸手金融機関の資金及び株式の残高を事前に把握するので、取引の最中に外部との振替・送金等を行うことなく、即時決済信用取引を実現することができる。また、指値売り注文であっても、成行売り注文と同様に、当該銘柄の最大見込約定価格及び最小見込約定価格を用いて自己資金残高を確認する。これによれば、自己資金残高が十分であると一旦確認できれば、後になって売建注文の最大損失額が増加するような訂正注文があったとしても、改めて資金残高を確認することなく、そのまま受注・発注処理を継続することができ、訂正注文が受付けられないということはない。
また、本発明は、即時決済信用取引システムであって、前記投資家端末から現金保証金額の振替指示を予め受け付ける手段と、受け付けた前記現金保証金額を記憶する第4の記憶部とをさらに備え、前記立替準備額を記憶する際に、当該立替準備額から、前記第4の記憶部に記憶された前記現金保証金額を減算した値を現金保証金額考慮後の立替準備額として記憶することを特徴とする。
この構成によれば、新規の信用売り注文受注時に発生し得る最大の決済損を返済(買戻し)時に立替えられるように立替準備額を計算する際に、実際に証券会社が立替えをする必要がある、投資家の現金保証金超の準備額を計算することが可能となる。
また、本発明は、即時決済信用取引システムであって、資金及び株式の残高を記憶する第1の記憶部と、投資家が使用する投資家端末から信用注文を随時受け付ける手段と、前記第1の記憶部に記憶された資金及び株式の残高と、前記信用注文の内容とを比較参照し、前記残高の範囲内で前記信用注文の取引が可能か否かを判定する手段と、前記取引が可能な場合に、前記信用注文に係る受注・発注処理を行う手段と、株式の銘柄ごとに終値及び制限値幅上限価格を用いた最大見込約定価格を記憶する第4の記憶部と、新規の信用売り注文が約定した場合に、約定単価及び約定株数を記憶し、約定した日から返済までの間には、営業日ごとに、売建玉ごとに、銘柄の最大見込約定価格から前記約定単価を減算し、その減算した値が正値である場合にその減算した値に前記約定株数を積算した値を立替準備額として記憶する手段と、前記信用売り注文が約定した場合に、約定した日から返済までの間に、営業日ごとに、売建玉ごとに、前記約定単価から前記終値を減算し、その減算した値が正値である場合にその減算した値に前記約定株数を積算した値を現渡準備額として記憶する手段と、前記立替準備額及び前記現渡準備額のうち、売建玉ごとに大きい方を売建返済準備額として記憶する手段とを備えることを特徴とする。
この構成によれば、信用取引の決済に用いられる貸手金融機関の資金及び株式の残高を事前に把握するので、取引の最中に外部との振替・送金等を行うことなく、即時決済信用取引を実現することができる。また、新規の信用売り注文を受注する以前で、仮に当日中に決済損が生じる返済が行われた場合でも、当日発生し得る最大の決済損を立替えられるだけの資金が証券会社に無ければ受注を行わず、証券会社の資金が十分で新規の信用売注文を受注し約定した後にも、売建玉に対して常に発生し得る最大の決済損を返済時に立替えられるよう立替準備額がシステムに記憶され、証券会社が資金を確保するので、即時決済取引システムで成立した売建の返済(買戻し)に関して、買付代金を決済損のために対当した売方に引渡せないという決済不履行を回避することができる。また、建日以降に貸手金融機関と証券会社との間で営業日ごとの終値で貸株代り金(貸株の見返りに受入れる担保)の値洗が行われる際に、システムに記憶された現渡準備額(建代金と値洗後の貸株代り金の差額)に従って、証券会社が資金をプールすることによって、値洗後の貸株代り金の額に関係なく、建代金を投資家に引き渡す現渡を常に即時決済で行うことができる。また、システムに記憶された売建返済準備額に従って、証券会社が資金を確保することによって、売建玉に対して反対売買(買戻し)及び現渡のうち、いずれの返済方法でも即時に行うことができ、かつ即時決済取引システムにおける決済不履行を防ぐことができる。
また、本発明は、即時決済信用取引システムであって、資金及び株式の残高を記憶する第1の記憶部と、投資家が使用する投資家端末から信用注文を随時受け付ける手段と、前記第1の記憶部に記憶された資金及び株式の残高と、前記信用注文の内容とを比較参照し、前記残高の範囲内で前記信用注文の取引が可能か否かを判定する手段と、前記取引が可能な場合に、前記信用注文に係る受注・発注処理を行う手段と、株式の銘柄ごとに終値及び制限値幅上限価格を用いた最大見込約定価格を記憶する第4の記憶部と、新規の信用売り注文が約定した場合に、約定単価及び約定株数を記憶し、約定した日から返済までの間には、営業日ごとに、売建玉ごとに、銘柄の最大見込約定価格から前記約定単価を減算し、その減算した値が正値である場合にその減算した値に前記約定株数を積算した値を立替準備額として記憶する手段と、前記投資家端末から現金保証金額の振替指示を予め受け付ける手段と、受け付けた前記現金保証金額を記憶する第3の記憶部とを備え、前記立替準備額を記憶する際に、当該立替準備額から、前記第3の記憶部に記憶された前記現金保証金額を減算した値を現金保証金額考慮後の立替準備額として記憶し、前記信用売り注文が約定した場合に、約定した日から返済までの間に、営業日ごとに、売建玉ごとに、前記約定単価から前記終値を減算し、その減算した値が正値である場合にその減算した値に前記約定株数を積算した値を現渡準備額として記憶する手段と、前記立替準備額及び前記現渡準備額のうち、売建玉ごとに大きい方を売建返済準備額として記憶する手段とをさらに備えることを特徴とする。
この構成によれば、信用取引の決済に用いられる貸手金融機関の資金及び株式の残高を事前に把握するので、取引の最中に外部との振替・送金等を行うことなく、即時決済信用取引を実現することができる。また、新規の信用売り注文を受注する以前で、仮に当日中に決済損が生じる返済が行われた場合でも、当日発生し得る最大の決済損を立替えられるだけの資金が証券会社に無ければ受注を行わず、証券会社の資金が十分で新規の信用売注文を受注し約定した後にも、売建玉に対して常に発生し得る最大の決済損を返済時に立替えられるよう立替準備額がシステムに記憶され、証券会社が資金を確保するので、即時決済取引システムで成立した売建の返済(買戻し)に関して、買付代金を決済損のために対当した売方に引渡せないという決済不履行を回避することができる。また、新規の信用売り注文約定後の売建玉に対して前記の立替準備額を計算する際に、実際に証券会社が立替えをする必要がある、投資家の現金保証金超の準備額を計算することが可能となる。また、建日以降に貸手金融機関と証券会社との間で営業日ごとの終値で貸株代り金(貸株の見返りに受入れる担保)の値洗が行われる際に、システムに記憶された現渡準備額(建代金と値洗後の貸株代り金の差額)に従って、証券会社が資金をプールすることによって、値洗後の貸株代り金の額に関係なく、建代金を投資家に引き渡す現渡を常に即時決済で行うことができる。また、システムに記憶された売建返済準備額に従って、証券会社が資金を確保することによって、売建玉に対して反対売買(買戻し)及び現渡のうち、いずれの返済方法でも即時に行うことができ、かつ即時決済取引システムにおける決済不履行を防ぐことができる。
なお、請求項4及び5の「現渡準備額」と、「未決済値洗額」との関係については、現渡準備額は、未決済値洗額の一形態であって、未決済値洗額のうち、貸株の値下り(当初の貸株単価より値洗単価である直近の終値が低い状況)に対応して証券会社がプールする部分のことをいう。その他、本願が開示する課題及びその解決方法は、発明を実施するための最良の形態の欄、及び図面により明らかにされる。
<関連出願との相互参照>
本願は、2008年4月8日付けで出願した日本国特願2008−100714号に基づく優先権を主張する。その出願明細書を本明細書に援用する。
本発明の第1の実施の形態に係る即時決済信用取引及び即時貸借取引を行うためのシステムの構成を示す図である。 証券会社管理サーバ2のハードウェア構成を示す図である。 融資・貸株管理サーバ3のハードウェア構成を示す図である。 証券会社管理サーバ2の機能構成を示す図である。 融資・貸株管理サーバ3の機能構成を示す図である。 証券会社管理サーバ2及び融資・貸株管理サーバ3の共通DBのデータ構成を示す図であり、(a)は注文情報DB45Aのデータ構成を示し、(b)は約定情報DB45Bのデータ構成を示し、(c)は株価DB45Cのデータ構成を示し、(d)は売建返済準備額DB45Dのデータ構成を示し、(e)は値洗情報DB45Eのデータ構成を示し、(f)は借入・借株残高DB45Fのデータ構成を示す。図7(d)は、投資家株式残高DB25Dのデータ構成を示す 証券会社管理サーバ2の記憶部25に固有のDBのデータ構成を示す図であり、(a)は証券会社自己資金DB25Aのデータ構成を示し、(b)は投資家保証金DB25Bのデータ構成を示し、(c)は投資家建玉残高DB25Cのデータ構成を示し、(d)は投資家株式残高DB25Dのデータ構成を示す。 融資・貸株管理サーバ3の記憶部35に固有のDBのデータ構成を示す図であり、(a)は貸手金融機関資金残高DB35Aのデータ構成を示し、(b)は貸手金融機関株式残高DB35Bのデータ構成を示す。 投資家端末6からの信用注文が買建の場合の即時決済信用取引システム1の処理を示すフローチャートである。 投資家端末6からの信用注文が売建の場合の即時決済信用取引システム1の処理を示すフローチャートである。 即時決済信用取引システム1による売建返済準備額の更新処理を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施の形態に係る即時決済信用取引だけを行うためのシステムの構成を示す図である。
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
≪貸手金融機関顧客口座方式の概要≫
本発明の実施の形態に係る即時決済信用取引システムには、貸手金融機関顧客口座方式(第1の実施の形態)を適用する。そこで、貸手金融機関顧客口座方式について概説する。
まず、証券会社は、貸手となる金融機関に口座を開設してもらい、融資及び貸株の在庫(資金・株式)を前受する。前受は、貸手金融機関から証券会社への資金及び株式の振替指示に従って実施されるが、その振替指示は、貸手金融機関の端末から証券会社のサーバに対してオンラインで行われる。そして、貸手金融機関から前受した資金や株式の残高は証券会社によって管理される。
また、証券会社は、投資家に口座を開設してもらい、資金(保証金)及び株式を前受する。前受は、投資家から証券会社への資金及び株式の振替指示に従って実施されるが、その振替指示は、投資家の端末から証券会社のサーバに対してオンラインで行われる。そして、投資家からの信用取引注文を受け付け、当該注文に係る与信を行う。即時決済信用取引システムは、証券会社が貸手金融機関及び投資家の双方の口座を管理することによって、即時決済による投資家との信用取引及び貸手金融機関との貸借取引を実現するシステムである。
一方、貸手金融機関は、残高を事前に証券会社に預け入れることにより、融資又は貸株を受け付けた信用注文が即時決済取引システムで約定した際には、即時に決済の主体として約定した相手方との間で与信する物件の引渡しおよび担保する物件の受入れを行うことが可能になる。例えば、新規の信用買注文の場合、約定後即時に買付代金(信用買注文を受託した証券会社への融資資金)を売方の投資家に引き渡し、また売方の投資家から買付株式(証券会社への融資に対する融資担保株式)が引き渡される。約定に伴う株式及び資金の決済のための証券会社内の信用注文と対当した注文を発注した投資家と信用注文に与信をした貸手金融機関の口座間の振替指示は、即時決済取引システムにより発せられる。即時決済取引システムは、信用注文の決済の主体を、実際に信用注文を発注した投資家と認識するのではなく、与信を行った貸手金融機関として認識するため、このような振替が可能となる。振替指示だけに関していえば、即時決済取引システムの振る舞いは貸手金融機関が発注者である注文を処理する場合と同様になる。ただし、信用取引であることが明示して発注されるので、即時決済取引システムは貸手金融機関が発注した現物注文と混同するようなことはない。
なお、本発明の実施の形態は、必ずしも貸手金融機関顧客口座方式(第1の実施の形態)に限定されるわけではなく、証券会社が貸手金融機関を兼ねることにより、投資家及び証券会社の2者間だけで取引を行うこと(第2の実施の形態)も可能である。
≪即時決済信用取引システムの機能概要≫
次に、即時決済信用取引システムによって実現される機能の概要を示す。
(1)即時決済取引による信用取引(対投資家)および貸借取引(対貸手金融機関)を実現する。
(2)証券会社内において、投資家口座と貸手金融機関口座の双方を管理し、残高を事前に預かっている。これによって、約定の都度、銀行や証券保管振替機構等の外部機関を介して資金や株式の振替をする必要がなくなる。
(3)即時返済に対応できるように、融資・貸株はネット(融資と貸株残高を相殺し、どちらか超過した部分にのみ融資又は貸株すること)せず、グロス(取引単位)で行う。
(4)「1.投資家信用注文発注→2.融資・貸株可能残高と比較後に証券会社受注→3.即時決済取引システムへ発注」をリアルタイムで行う(信用取引は、貸借行為だけではなく、注文の受注執行までが一連の取引である。)。
(5)融資・貸株と付随して、本担保(融資担保株式・貸株代り金)の振替・制御を行う。
(6)注文の受注・約定の都度変動する金融機関の融資・貸株可能残高をリアルタイムで管理する。
(7)新規の信用注文を受注する前に、融資・貸株をするだけの残高があるか否かを審査する。
(8)注文受注時点で貸手金融機関に貸借の仮申込を行い、約定によって実際の与信を行う以前に融資・貸株可能残高を拘束する。
(9)注文の受付時間や金額によって融資・貸株の優先順位を管理し、訂正注文や取消注文の都度、優先順位を変更する。受付時間が同位の注文であっても、注文金額等に基づいて優先順位を決定する。
(10)注文時点で融資・貸株可能残高が不足している場合、注文を受け付けずとはせず、融資・貸株の待機中とし、残高が増加するのを待つ(この機能は使っても使わなくてもよい。残高が足りなければ注文失効という方法も可能である。)。
(11)貸手金融機関の送金や株の振替の都度、証券会社内にある貸手金融機関の口座の融資・貸株可能残高に反映させる。(貸手金融機関は残高をリアルタイムで把握可能とするが、残高が一定以上不足した場合等には、アラートや振替依頼等を発信する。)
(12)貸借取引が可能な貸手金融機関は複数でも可で、証券会社自身も融資・貸株を提供することができる。(貸手が複数の場合、最良のレート・ターム等の条件を提示している貸手から借りる等が考えられる。)
(13)融資・貸株可能限度額を超える以前に新規注文受注停止を行う等、受注制御を行う。(信用取引が可能な投資家は複数であり、証券会社自身も融資・貸株を受ける対象となることができる。)
(14)返済約定と同時に証券会社と投資家の間で損益部分の現金保証金の決済を行う。
(15)返済約定と同時に証券会社と貸手金融機関の間で未決済値洗額の決済を行う。
なお、本発明の実施の形態は、証券会社が貸手金融機関を兼ねることにより、投資家及び証券会社の2者間だけで取引を行うこと(第2の実施の形態)も可能である。
<<第1の実施の形態>>
≪システムの構成と概要≫
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る即時決済信用取引及び即時貸借取引を行うためのシステムの構成を示す図である。本システムは、即時決済信用取引及び即時貸借取引システム(以下、即時決済信用取引システムという)1、証券取引システム4、即時決済取引システム5、投資家端末6及び貸手金融機関端末7を備える。即時決済信用取引システム1、証券取引システム4及び即時決済取引システム5は、投資家に即時決済信用取引を提供する証券会社に設置されるコンピュータシステムである。
即時決済信用取引システム1は、証券会社が投資家との間で即時決済信用取引を行うとともに、貸手金融機関との間で即時貸借取引を行うためのシステムであり、証券会社管理サーバ2及び融資・貸株管理サーバ3を備える。証券会社管理サーバ2は、主として売建返済準備額を計算し、DB(Data Base)に記憶する。売建返済準備額とは、株式を売る信用売り注文を行った投資家に空売りのための貸株を行った場合に、その貸株の返済時(買戻し)に発生し得る損金を穴埋めして決済を履行するために、証券会社が準備すべき資金の額である。また、証券会社管理サーバ2は返済時の保証金及び未決済値洗額の振替指示を出す。融資・貸株管理サーバ3は、主として貸手金融機関の資金及び株式の残高を管理し、一方、投資家からの新規の信用取引注文について受注から融資又は貸株の受付済までの状態を管理する。なお、証券会社管理サーバ2及び融資・貸株管理サーバ3の詳細は、後記する。
証券取引システム4は、インターネット等を通じて投資家端末6から取引注文を受信し、従来(例えば、3営業日後の決済[T+3])の現物取引及び信用取引の注文を処理するとともに、即時決済現物取引の注文を即時決済取引システム5に受け渡し、また、即時決済信用取引の注文を即時決済信用取引システム1に受け渡す。また、即時決済信用取引システム1から即時決済信用注文の受注結果を、即時決済取引システム5から即時決済取引(現物・信用の両方)の約定結果を取得して、投資家端末6に送信する。証券取引システム4は、例えば、サーバ用コンピュータによって実現される。
即時決済取引システム5は、通信回線等を通じて、証券取引システム4から即時決済現物取引の注文を受け付け、処理し、約定結果を返し、また、即時決済信用取引システム1から即時決済信用取引の注文を受け付け、処理し、約定結果を返す。即時決済取引システム5は、例えば、サーバ用コンピュータによって実現される。
投資家端末6は、投資家が証券会社に対して、資金と株式の振替指示を行う場合、及び、取引の注文を行う場合に用いる端末である。貸手金融機関端末7は、貸手金融機関の担当者が証券会社に対して、資金と株式の振替指示を行う場合、及び、提供している資金や株式の状態を確認する場合に用いる端末である。投資家端末6及び貸手金融機関端末7は、PC(Personal Computer)や携帯端末(例えば、携帯電話やPDA[Personal Digital Assistants])等によって実現される。
≪サーバの構成≫
図2は、証券会社管理サーバ2のハードウェア構成を示す図である。証券会社管理サーバ2は、通信部21、表示部22、入力部23、処理部24及び記憶部25を備える。通信部21は、ネットワークを介して他のシステムやサーバと通信を行う部分であり、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。表示部22は、処理部24からの指示によりデータを表示する部分であり、例えば、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)等によって実現される。入力部23は、オペレータがデータを入力する部分であり、キーボードやマウス等によって実現される。処理部24は、他の各部間のデータの受け渡しを行うととともに、証券会社管理サーバ2全体の制御を行うものであり、CPU(Central Processing Unit)が所定のメモリに格納されたプログラムを実行することによって実現される。記憶部25は、処理部24からデータを記憶したり、記憶したデータを読み出したりするものであり、フラッシュメモリやハードディスク装置等の不揮発性記憶装置によって実現される。
図3は、融資・貸株管理サーバ3のハードウェア構成を示す図である。融資・貸株管理サーバ3は、通信部31、表示部32、入力部33、処理部34及び記憶部35を備える。通信部31は、ネットワークを介して他のシステムやサーバと通信を行う部分であり、NIC等によって実現される。表示部32は、処理部34からの指示によりデータを表示する部分であり、例えば、液晶ディスプレイ等によって実現される。入力部33は、オペレータがデータを入力する部分であり、キーボードやマウス等によって実現される。処理部34は、他の各部間のデータの受け渡しを行うととともに、融資・貸株管理サーバ3全体の制御を行うものであり、CPUが所定のメモリに格納されたプログラムを実行することによって実現される。記憶部35は、処理部34からデータを記憶したり、記憶したデータを読み出したりするものであり、フラッシュメモリやハードディスク装置等の不揮発性記憶装置によって実現される。
図2、図3においては2つのサーバごとにそれぞれの部位がハードウェアとして存在しているが、入力部や表示部などが共有されているハードウェア構成でも構わない。
図4は、証券会社管理サーバ2の機能構成を示す図である。詳細には、証券会社管理サーバ2の処理部24を構成する各手段と、記憶部25を構成する各DBとの関係を示す。処理部24は、売建返済準備額計算手段241、立替準備額計算手段242、現渡準備額計算手段243、値洗額計算・指示手段244及び返済時振替手段245を備える。記憶部25は、証券会社自己資金DB25A、投資家保証金DB25B、投資家建玉残高DB25C及び投資家株式残高DB25Dを備える。さらに、証券会社管理サーバ2及び融資・貸株管理サーバ3の共通DBとして、注文情報DB45A、約定情報DB45B、株価DB45C、売建返済準備額DB45D、値洗情報DB45E及び借入・借株残高DB45Fを備える。共通DBは、証券会社管理サーバ2及び融資・貸株管理サーバ3がともにアクセス可能なDB(例えば、両サーバが通信可能な共用サーバのDB)で実現してもよいし、証券会社管理サーバ2及び融資・貸株管理サーバ3の各記憶部に備わっていて、一方における更新内容を他方にタイムリーに反映させるような構成で実現してもよい。また、即時決済信用取引システム1内のDBは、証券取引システム4及び即時決済取引システム5によって参照、更新されることもある。例えば、注文情報DB45Aは証券取引システム4により更新される等の構成が考えられる。
図5は、融資・貸株管理サーバ3の機能構成を示す図である。詳細には、融資・貸株管理サーバ3の処理部34を構成する各手段と、記憶部35を構成する各DBとの関係を示す。処理部34は、貸手金融機関残高管理手段341、未約定注文管理手段342、融資判定手段343、貸株判定手段344及び発注指示手段345を備える。記憶部35は、貸手金融機関資金残高DB35A及び貸手金融機関株式残高DB35Bを備える。さらに、証券会社管理サーバ2及び融資・貸株管理サーバ3の共通DBとして、注文情報DB45A、約定情報DB45B、株価DB45C、売建返済準備額DB45D、値洗情報DB45E及び借入・借株残高DB45Fを備える。共通DBの実現形態は、証券会社管理サーバ2の機能構成において既に説明した通りである。
≪データの構成≫
図6は、証券会社管理サーバ2及び融資・貸株管理サーバ3の共通DBのデータ構成を示す図である。
図6(a)は、注文情報DB45Aのデータ構成を示す。注文情報DB45Aは、注文番号45A1、投資家番号45A2、銘柄45A3、注文株数45A4、注文価格45A5、売買区分45A6、取引区分45A7、注文条件45A8、未約定注文融資・貸株ステータス45A9、融資・貸株優先順位45A10及び注文日時45A11を含むレコードからなる。注文番号45A1は、投資家端末6から受け付けた株式注文に固有の番号である。投資家番号45A2は、投資家端末6を所持する投資家に固有の番号である。銘柄45A3は、注文の対象となる株式の銘柄である。注文株数45A4は、注文の対象となる株式の株数である。注文価格45A5は、指値注文であること及びその指値の単価、又は、成行注文であることを示す。売買区分45A6は、売り注文又は買い注文を示す。後述の現引においては買、現渡においては売が設定される。取引区分45A7は、新規建取引又は返済取引、現渡又は現引等を示す。新規建取引とは、信用取引において投資家が最初に株式を買う、又は、売るための取引であり、投資家に対して株式を買うための融資、又は、売るための貸株を伴うものである。返済取引とは、市場(即時決済取引システム)での反対売買(売戻し・買戻し)を行い新規建取引の際の融資又は貸株を返済し、一連の取引を手仕舞うことをいう。現引とは、最初に買い付けた資金を証券会社に引き渡すことにより融資を返済し、代わりに当初の買付株式(融資担保株式)を受領し、買建玉を手仕舞うことをいう。現渡とは、最初に売り付けた株式と同種同量の株式を証券会社に引き渡すことにより貸株を返済し、代わりに当初の売却代金相当額(貸株代り金)を受領し、売建玉を手仕舞うことをいう。
注文条件45A8は、新規注文、取消注文又は訂正注文の別を示す。新規注文とは、当初発注した取引注文であり、前述の新規建取引とは別である。取消注文とは、発注済の注文を取り消すための注文である。訂正注文とは、発注済の注文内容を訂正するための注文である。未約定注文融資・貸株ステータス45A9は、融資又は貸株の審査中、立替審査中、融資又は貸株の受付済(発注済)等を示す。「融資審査中」は、貸手金融機関資金残高DB35Aの残高ステータス35A2の「融資見込」に対応する。「貸株審査中」及び「立替審査中」は、貸手金融機関株式残高DB35Bの残高ステータス35B3の「貸株見込」に対応する。融資・貸株優先順位45A10は、注文受付順や取引金額等によって決められる取引処理の優先順位である。融資・貸株可能残高は有限なので、優先順位の高い注文から実行されていく。注文日時45A11は、当該注文を投資家端末6から受け付けた日時である。
図6(b)は、約定情報DB45Bのデータ構成を示す。約定情報DB45Bは、即時決済取引システム5による約定通知及び証券取引システム4による現引又は現渡の受注通知によって更新されるDBであり、注文番号45B1、約定番号45B2、投資家番号45B3、銘柄45B4、約定株数45B5、約定価格45B6、売買区分45B7、取引区分45B8、約定日時45B9、建玉番号45B10及び決済損益45B11を含むレコードからなる。注文番号45B1は、当該注文に固有の番号である。約定番号45B2は、即時決済取引システム5における約定に固有の番号である。投資家番号45B3は、約定した注文を行った投資家に固有の番号である。銘柄45B4は、約定した注文に係る株式の銘柄である。約定株数45B5は、当該注文の約定した株数である。約定価格45B6は、当該注文の約定した単価である。売買区分45B7は、売り注文又は買い注文を示す。取引区分45B8は、新規建取引又は返済取引、現渡又は現引等を示す。約定日時45B9は、当該注文が約定した日時である。建玉番号45B10は、返済注文に係る建玉に固有の番号である。決済損益45B11は、返済注文に対する約定によって確定した、一連の取引における損益であり、新規注文の約定金額と、返済注文の約定金額とから算出される。ただし、建玉番号45B10及び決済損益45B11は、返済注文に対する約定の場合に有効である。なお、約定株数45B5に約定価格45B6を積算した値を約定金額として、約定情報DB45Bに記憶してもよい。
図6(c)は、株価DB45Cのデータ構成を示す。株価DB45Cは、銘柄45C1、値洗値段45C2、ストップ高値段45C3及びストップ安値段45C4を含むレコードからなる。銘柄45C1は、株式の銘柄を示す。値洗値段45C2は、証券会社と貸手金融機関の間で融資残高及び貸株代り金について、日々行われる値洗に用いられる単価であり、通常は直近の終値(最終値段)が用いられる。ストップ高値段45C3は、制限値幅の上限価格であり、買建の新規注文の約定価格の最大見込値又は売建の返済注文において最大の損失が発生する約定価格の見込値として用いられる。ストップ安値段45C4は、制限値幅の下限価格であり、売建の新規注文の最小の約定価格の見込値として用いられる。
図6(d)は、売建返済準備額DB45Dのデータ構成を示す。売建返済準備額DB45Dは、売建玉(貸株)に対する証券会社の返済準備額を管理するDBであり、建玉番号45D1、投資家番号45D2、建玉ステータス45D3、立替準備額45D4、現渡準備額45D5、現金保証金額45D6及び返済準備必要額45D7を含むレコード、並びに、返済準備必要総額45D8、証券会社準備額45D9及び返済準備余裕額45D10を含むレコードからなる。売建玉ごとに、建玉番号45D1、投資家番号45D2、建玉ステータス45D3、立替準備額45D4、現渡準備額45D5、現金保証金額45D6及び返済準備必要額45D7が設定される。そして、全売建玉に対して、返済準備必要総額45D8、証券会社準備額45D9及び返済準備余裕額45D10が設定される。
建玉番号45D1は、建玉に固有の番号であり、投資家建玉残高DB25Cの建玉番号25C1に対応する。投資家番号45D2は、投資家に固有の番号であり、投資家建玉残高DB25Cの投資家番号25C3及び投資家保証金DB25Bの投資家番号25B1に対応する。建玉ステータス45D3は、当該建玉の状態を示すものであり、取引の局面に応じて「未約定」、「未返済」及び「返済済」が順次設定される。
立替準備額45D4は、決済損が生じる返済注文(買戻し)を受注する以前に当該決済損を立替え可能なように証券会社が備える資金の金額である。なお、立替準備額45D4には、立替準備額そのものが設定されるが、立替準備額から現金保証金額を減算した値が設定されるようにしてもよい。立替準備額は、買戻し注文で決済損が発生すると、当該買付代金を売方に受け渡せない場合があり、即時決済取引での決済不履行を防ぐために、証券会社が即時に決済を立替えるために設定されるが、実際に決済不履行が発生するのは投資家の現金保証金額を超える決済損が生じた場合なので、立替準備額に現金保証金額を考慮してもよい。現金保証金額を立替準備額に考慮する際は、受注後に現金保証金額が減少してしまうと結果的に立替準備額が増えてしまうことになるので、現金保証金額の増減をリアルタイムで立替準備額に反映させる、投資家と証券会社の契約によって定められた最低必要現金保証金額だけを考慮する、または証券取引システム4において建玉の評価損が生じている時の現金保証金の引き出しに一定の制限をかける等の管理があわせて用いられることが考えられるが、現金保証金額を立替準備額に考慮しない形態としてもよい。同一の投資家が複数の即時信用売建玉を保有している場合、各売建玉ごとの現金保証金額45D6は、先に建てた建玉からあるいは立替準備額が大きい建玉から割り当てるなどが考えられるが、いずれの方法にせよ全ての売建玉が返済された場合にも立替えが可能なように設定される。
現渡準備額45D5は、即時決済で現渡を行うために証券会社がプールしておく必要がある、建代金と値洗後の貸株代り金の差額である。建代金とは、最初に貸株をして売りつけた際の売却代金であり、現渡がされた際に投資家に引き渡す資金である。貸株代り金とは、貸株の担保として貸手金融機関口座にて管理されている資金で、新規に売建をした当初は売却代金相当額である。値洗後の貸株代り金とは、営業日ごとに当該株式銘柄の値洗単価で証券会社と貸手金融機関の間で値洗を行った後の直近の貸株代り金である。
現金保証金額45D6は、投資家が証券会社に差し入れる現金保証金の金額であり、投資家保証金DB25Bの現金保証金額25B2に対応する。返済準備必要額45D7は、売建玉に対して返済準備額として必要な金額であり、現金保証金額45D6を考慮した立替準備額45D4及び現渡準備額45D5のうち、より大きい金額を示す。具体的には、立替準備額45D4から現金保証金額45D6を減算した値及び現渡準備額45D5のうち、より大きい金額が設定される。
返済準備必要総額45D8は、売建玉ごとの返済準備必要額45D7を合計した金額であり、全売建玉に対して必要な返済準備額の総計である。証券会社準備額45D9は、証券会社が自己資金から準備する金額であり、証券会社自己資金DB25Aの証券会社資金残高25A1の一部に該当する。返済準備余裕額45D10は、証券会社準備額45D9から返済準備必要総額45D8を減算した場合の、正値としての差分金額であり、新たな売建玉に対して割当可能な準備額を示す。従って、返済準備余裕額45D10の初期値は、証券会社準備額45D9と同じである。返済準備余裕額45D10が十分にない場合、貸株可能残高が十分でも新規の売建玉を受注することはできない制御が行われる。
図6(e)は、値洗情報DB45Eのデータ構成を示す。値洗情報DB45Eは、買建玉の融資残高及び売建玉の貸株代り金に対して、貸手金融機関と証券会社との間で営業日ごとに行われる値洗に関するDBであり、銘柄45E1、株数45E2、融資・貸株区分45E3、建玉番号45E4、建単価45E5、当日値洗単価45E6、前日値洗単価45E7及び未決済値洗額45E8を含むレコードからなる。銘柄45E1は、値洗の対象となる株式の銘柄である。株数45E2は、値洗の対象となる融資株数及び貸株株数である。融資・貸株区分45E3は、融資又は貸株の別を示す。建玉番号45E4は、融資又は貸株に係る建玉に固有の番号である。建単価45E5は、新規建時の約定単価である。当日値洗単価45E6は、その日の当該株式の終値(最終値段)である。前日値洗単価45E7は、前営業日の当該株式の終値(最終値段)である。未決済値洗額45E8は、証券会社と、貸手金融機関との間で未決済の値洗額であり、(建単価45E5−当日値洗単価45E6)×株数45E2によって算出される。
図6(f)は、借入・借株残高DB45Fのデータ構成を示す。借入・借株残高DB45Fは、証券会社が投資家の信用注文に与信するために貸手金融機関から借りた資金・株式の残高を管理するDBであり、建玉番号45F1、借入先情報45F2、銘柄45F3、株数45F4、融資・貸株単価45F5及び借入条件45F6を含むレコードからなる。建玉番号45F1は、貸手金融機関との貸借取引に係る1以上の建玉のうち、1つの建玉に固有の番号である。借入先情報45F2は、資金・株式を借りた先の貸手金融機関に関する情報である。銘柄45F3は、株式の銘柄である。株数45F4は、融資・貸株を受けた株数である。銘柄45F3及び株数45F4は、株式を借りた場合に有効なデータである。融資・貸株単価45F5は、新規建時には買い又は売りの約定単価であり、残高に対する値洗が始まって以降では直近の値洗後の単価である。借入条件45F6は、貸手金融機関から資金や株式を借りた際の条件であり、例えば、金利や返済期限である。証券会社の借入・借株残高は貸手金融機関の融資・貸株残高と対であるため、借入・借株残高DB45Fは後述の貸手金融機関資金残高DB35Aおよび貸手金融機関株式残高DB35Bによって関連付けられる。
なお、図6(d)の現渡準備額45D5と、図6(e)の未決済値洗額45E8との関係については、現渡準備額45D5は、未決済値洗額45E8の一形態であって、未決済値洗額45E8のうち、貸株の値下りに対応して証券会社がプールする部分のことをいう。
未決済値洗額とは別に現渡準備額という理由を以下に示す。すなわち、「貸株の値下り」は建値に比較して直近の値洗単価が下落して売建玉に含み益が生じている状態であり、買戻しで売建玉が返済された際に投資家に即時に決済益を反映させるために、貸手金融機関との値洗によって証券会社に支払われた未決済値洗額をプールしておく必要がある。ただし、返済方法が買戻しではなく、新規に売建をした際の貸株を投資家が同種同量の株式をもって返済する現渡の場合にも、証券会社は現渡を行った投資家に建代金を即時に引渡す必要があるので、買戻しだけでなく現渡にも備えて、証券会社は「貸株の値下り」による未決済値洗額を現渡準備額としてプールすることになる。
次に、未決済値洗額について詳細に説明する。
貸手金融機関から証券会社に融資を行った後に、新規買い注文の約定単価である建値より値洗単価となる終値が上昇した場合(「融資の値上り」)、貸手金融機関口座に保持されている融資担保株式の価値上昇分だけ貸手金融機関口座から証券会社口座へ値洗額が振替され、証券会社はその資金を未決済値洗額として当該買建玉が返済されるまで保持し続ける。「融資の値上り」により、貸手金融機関の証券会社に対する融資額は値洗額だけ増額したことになる。
反対に「融資の値下り」の場合、証券会社口座から貸手金融機関口座へ値洗額が振替され、その分だけ融資残高が減少することになる。証券会社口座から払い出された値洗額は、証券会社から見るとマイナス値の未決済値洗額であり、返済時には清算される。
貸手金融機関から証券会社に貸株を行った後に、新規売り注文の約定単価である建値より値洗単価となる終値が上昇した場合(「貸株の値上り」)、貸手金融機関が与信している株式の価値上昇分だけ証券会社は担保を追加する必要があり、証券会社口座から貸手金融機関口座へ値洗額が振替され、その分だけ貸株代り金の残高が増加することになる。この証券会社から払い出された値洗額も返済時には清算される。
反対に「貸株の値下り」の場合、貸株代り金の減少分だけ貸手金融機関口座から証券会社口座へ値洗額が振替され、証券会社は未決済値洗額として当該売建玉が返済されるまで保持し続ける。この値洗額も当該売建玉の返済時に清算される。先述したように、「貸株の値下り」による未決済値洗額は現渡準備額と同じものである。
値洗単価で計算された貸手金融機関の融資残高又は貸株代り金と、当該建玉の証券会社の未決済値洗額との純額での合計は、常に建値に株数を乗じた金額となる。例えば「融資の値上り」の場合、建値からの値上り分だけ貸手金融機関の融資残高は増加しているが、増加した部分は未決済値洗額として証券会社が保持しており、融資残高と未決済値洗額の純額の合計は新規建時の融資代金となる。そして、当該建玉の返済時に、返済単価と直近の値洗単価との差額を決済することにより、貸手金融機関の融資残高又は貸株代り金と、証券会社の未決済値洗額とは全てゼロになる。融資を例にすると、新規建時の融資金額と返済金額との差額は信用取引を行った投資家に帰属し、決済損益として保証金の振替が行われ、未決済値洗額についても最終的に返済単価での清算を行うので、値洗によって貸手金融機関や証券会社に損益が発生することはない。
日々の値洗により保証金残高が増減する指数先物取引等の値洗と比較した場合の信用取引の特徴は、信用建玉が継続している間は値洗の結果を投資家の保証金には反映させず、貸手金融機関と証券会社の間における貸借取引についてのみ値洗が行われるところである。投資家の保証金は日々の値洗の影響を受けず、建玉返済時に決済損益額が振替される。
図7は、証券会社管理サーバ2の記憶部25に固有のDBのデータ構成を示す図である。
図7(a)は、証券会社自己資金DB25Aのデータ構成を示す。証券会社自己資金DB25Aは、証券会社資金残高25A1を含むレコードからなる。証券会社資金残高25A1は、証券会社が決済損の立替等のために有する資金の残高である。図7(b)は、投資家保証金DB25Bのデータ構成を示す。投資家保証金DB25Bは、投資家番号25B1及び現金保証金額25B2を含むレコードからなる。投資家番号25B1は、投資家に固有の番号である。現金保証金額25B2は、当該投資家が証券会社に差し入れている現金保証金の金額である。
図7(c)は、投資家建玉残高DB25Cのデータ構成を示す。投資家建玉残高DB25Cは、新規の信用取引が行われた後、まだ手仕舞い(反対売買又は現引若しくは現渡による返済)が行われていない建玉の残高に関するDBであり、建玉ごとに、建玉番号25C1、建玉区分25C2、投資家番号25C3、銘柄25C4、株数25C5、建単価25C6、建日25C7、返済単価25C8及び返済日25C9を含むレコードからなる。建玉番号25C1は、建玉に固有の番号である。建玉区分25C2は、売建又は買建を示す。投資家番号25C3は、投資家に固有の番号である。銘柄25C4は、株式の銘柄である。株数25C5は、建玉の建株数である。建単価25C6は、新規建注文の約定単価である。建日25C7は、新規建注文の約定日である。返済単価25C8は、返済注文の約定単価である。返済日25C9は、返済注文の約定日である。
図7(d)は、投資家株式残高DB25Dのデータ構成を示す。投資家株式残高DB25Dは、投資家番号25D1、銘柄25D2及び株数25D3を含むレコードからなる。投資家番号25D1は、投資家に固有の番号である。銘柄25D2は、当該投資家が証券会社に差し入れている株式の銘柄である。株数25D3は、当該投資家が証券会社に差し入れている、銘柄25D2に該当する株式の株数である。なお、投資家番号25D1によって特定されるレコードには、銘柄25D2及び株数25D3の組合せが複数含まれていてもよい。
図8は、融資・貸株管理サーバ3の記憶部35に固有のDBのデータ構成を示す図である。
図8(a)は、貸手金融機関資金残高DB35Aのデータ構成を示す。貸手金融機関資金残高DB35Aは、証券会社が貸手金融機関から預り受けた資金の各残高の状態を管理するDBであり、金額35A1及び残高ステータス35A2を含むレコードからなる。金額35A1は、残高の状態に該当する金額である。残高ステータス35A2は、当該金額のステータス(状態や使用目的等)を示すものであり、貸借取引以外、融資可能、融資見込、貸株代り金(貸株の担保)、融資受付済及び融資中がある。
「貸借取引以外」は、貸借取引以外の用途であることを示す。「融資可能」は、融資可能な金額であることを示す。「融資見込」は、融資可能残高が不十分で融資待機中である新規買注文への最大融資見込額であることを示し、注文情報DB45Aの未約定注文融資・貸株ステータス45A9の「融資審査中」に対応する。「貸株代り金(貸株の担保)」は、新規の信用売り注文が約定したときの株式の売却代金であって、貸株の担保として貸手金融機関の口座内にプールされていることを示す。この場合、付加データとして、対応する借入・借株残高DB45Fの建玉番号45F1及び貸手金融機関株式残高DB35Bの「貸株中」の残高情報を保持し、担保である貸株代り金と貸株残高とが紐づいて管理される。「融資受付済」は、信用買い注文が未約定(融資未実行)であって、融資が受付済(新規の買注文を受注済)であることを示し、注文情報DB45Aのうち、未約定注文融資・貸株ステータス45A9が融資受付済のレコードに対応する。「融資中」は、信用買い注文が約定して実際に融資されていることを示し、付加データとして当該注文に対応する借入・借株残高DB45Fの建玉番号45F1、貸手金融機関株式残高DB35Bの「融資担保株式」の残高情報及び融資番号を保持し、担保である融資担保株式と融資残高とが紐づいて管理される。
図8(b)は、貸手金融機関株式残高DB35Bのデータ構成を示す。貸手金融機関株式残高DB35Bは、証券会社が貸手金融機関から預り受けた株式の各残高の状態を管理するDBであり、銘柄35B1、株数35B2及び残高ステータス35B3を含むレコードからなる。銘柄35B1は、残高の状態に該当する株式の銘柄である。株数35B2は、当該株式の株数である。残高ステータス35B3は、当該株式のステータス(状態や使用目的等)を示すものであり、貸借取引以外、貸株可能、貸株見込、融資担保株式、貸株受付済及び貸株中がある。
「貸借取引以外」は、貸借取引以外の用途であることを示す。「貸株可能」は、貸株可能なことを示す。「貸株見込」は、貸株可能残高が不十分のため貸株審査中、又は、証券会社の返済準備余裕額45D10が不十分のため立替審査中である新規売注文への貸株見込株数であることを示し、注文情報DB45Aの未約定注文融資・貸株ステータス45A9の「貸株審査中」及び「立替審査中」に対応する。「融資担保株式」は、信用買い注文が約定したときの取得株式が融資の担保として貸手金融機関の口座内にプールされていることを示す。この場合、付加データとして、対応する借入・借株残高DB45Fの建玉番号45F1及び貸手金融機関資金残高DB35Aの「融資中」の残高情報を保持し、担保である融資担保株式と融資残高とが紐づいて管理される。「貸株受付済」は、信用売り注文が未約定(貸株未実行)であって、貸株が受付済(新規の売注文を受注済)であることを示し、注文情報DB45Aのうち、未約定注文融資・貸株ステータス45A9が貸株受付済のレコードに対応する。「貸株中」は、信用売り注文が約定して実際に貸株されていることを示し、付加データとして当該注文に対応する借入・借株残高DB45Fの建玉番号45F1、貸手金融機関資金残高DB35Aの「貸株代り金」の残高情報及び貸株番号を保持し、担保である貸株代り金と貸株残高とが紐づいて管理される。
≪サーバの各手段の機能≫
続いて、図4〜図8を参照しながら、証券会社管理サーバ2及び融資・貸株管理サーバ3の各手段が有する機能について説明する。
<証券会社管理サーバ2の各手段>
既に説明したように、証券会社管理サーバ2の処理部24は、売建返済準備額計算手段241、立替準備額計算手段242、現渡準備額計算手段243、値洗額計算・指示手段244及び返済時振替手段245を備える。
売建返済準備額計算手段241は、売建玉ごとに立替準備額計算手段242が計算した立替準備額と、現渡準備額計算手段243が計算した現渡準備額とを比較し、より大きい方の金額を売建返済準備額として計算する。また、全売建玉に対する準備額の合計も計算する。そして、それらのデータを売建返済準備額DB45Dに格納する。さらに、証券会社自己資金DB25Aに実際の準備額となる証券会社の資金情報を保有し、証券会社の資金が必要準備額を下回る場合には、その旨の通知(表示や音声出力等)を証券会社の担当オペレータに対して行う。
立替準備額計算手段242は、売建投資家の返済注文(買戻し)で決済損が発生した際に証券会社が立替えるために必要な金額である立替準備額を計算する。新規建注文受注時においては、建単価及び返済単価が未定であるので、建単価に関して、指値注文については注文情報DB45Aの注文価格45A5、成行注文については株価DB45Cのストップ安値段45C4を用い、返済単価に関しては株価DB45Cのストップ高値段45C3を用いて、新規建当日中に返済が行われた場合の最大損失額(=[返済単価−建単価]×株数)を立替準備額として計算する。また、最大損失額が増加する訂正注文を常時受付可能とするために、指値注文においても成行注文と同様の方法で立替準備額を計算する形態も可能である。
新規建注文の約定後においては、約定情報DB45B及び投資家建玉残高DB25Cの更新を受けて、建単価を用いて準備額を再計算する。
建玉が継続する限り、日替り時(営業日において株式取引が終了した時)に更新された株価DB45Cの翌日のストップ高値段45C3を返済単価として用いた立替額を再計算する。また、実際に証券会社の立替が必要になるのは投資家の現金保証金額を超える損失が発生した場合なので、立替準備額の計算には投資家保証金DB25Bの現金保証金額25B2を考慮することも可能とする。立替準備額計算時の現金保証金額25B2の考慮は、新規建注文が約定した後の売建玉に対してだけでなく、新規建注文受注時の立替準備額計算に際して行う形態も可能である。
現渡準備額計算手段243は、売建玉が現渡された場合に証券会社が投資家に支払う必要のある建代金と、貸手金融機関が保有している貸株代り金との差額である現渡準備額を計算する。実際には、借入・借株残高DB45Fの貸株の株数45F4及び直近の値洗後の融資・貸株単価45F5と、本日の値洗単価となる株価DB45Cの値洗値段45C2と、投資家建玉残高DB25Cの建玉ごとの建単価25C6とを用いて計算を行う。なお、建玉が継続する限り、毎営業日の値洗時に再計算する。
値洗額計算・指示手段244は、買建玉の融資残高および売建玉の貸株代り金に対して、当該銘柄の毎営業日の終値で値洗を行う。具体的には、建日当日の値洗においては投資家建玉残高DB25C内の当該建玉の建単価25C6と、株価DB45C内の当該銘柄45C1の値洗値段(終値)45C2とを比較し、建日翌営業日以降の値洗いにおいては借入・借株残高DB45Fが保有する前営業日の値洗単価である融資・貸株単価45F5と当日の終値を比較し、融資残高及び貸株代り金の値上がり(建単価若しくは前営業日の値洗値段<終値)又は値下がり(建単価若しくは前営業日の値洗値段>終値)に応じて、証券会社が当日値洗額(建値若しくは直近の値洗値段と、当日の値洗値段となる終値との差額)を貸手金融機関に支払うか、又は、値洗額を貸手金融機関から受け取るための処理を行う。この処理の詳細は、後記する。
返済時振替手段245は、返済注文が成立した場合に未決済値洗額と保証金、現引・現渡時には投資家の保有株式についても決済を行うために、値洗情報DB45E及び投資家保証金DB25Bを更新し、現引・現渡時には加えて投資家株式残高DB25Dについても更新する。具体的には、証券会社管理サーバ2内において、返済約定に伴って約定情報DB45Bが更新されると、返済時振替手段245が、約定情報DB45Bの建玉番号45B10から値洗情報DB45E内の該当する建玉番号45E4の未決済値洗額45E8を参照して、証券会社と貸手金融機関との間で未決済値洗額が決済された状態になるように、値洗情報DB45Eの未決済値洗額45E8をゼロに更新する。この処理は、反対売買と現引・現渡の返済方法の違いによらず、共通である。この場合、融資・貸株サーバ3内では、更新された値洗情報DB45Eの未決済値洗額45E8に基づいて、貸手金融機関残高管理手段341が、貸手金融機関資金残高DB35Aのうち、融資中又は貸株代り金の残高ステータス35A2の金額35A1を更新する。また、返済時振替手段245は、反対売買約定時に、約定情報DB45Bの投資家番号45B3と、投資家保証金DB25B内の投資家番号25B1が対応する投資家の現金保証金額25B2とを参照し、証券会社と投資家との間で保証金が損益額の分だけ決済された状態になるように、約定情報DB45Bの決済損益45B11に応じて現金保証金額25B2を更新する。また、返済時振替手段245は、現引又は現渡の成立時に、約定情報DB45Bの投資家番号45B3と、投資家保証金DB25B内の投資家番号25B1が対応する投資家の現金保証金額25B2及び投資家株式残高DB25D内の投資家番号25D1が対応する投資家の現引又は現渡を行った銘柄25D2及び株数25D3とを参照し、証券会社と投資家との間で保証金及び保有株式が現引又は現渡された状態になるように、投資家保証金DB25B及び投資家株式残高DB25Dを更新する。現引の場合には、建代金分だけ現金保証金額25B2を減算して現引株数分だけ株数25D3を加算し、現渡の場合には、建代金分だけ現金保証金額25B2を加算して現渡株数分だけ株数25D3を減算する。なお、約定情報DB45Bの建玉番号45B10は、返済注文だけが持つ項目であり、即時決済取引システム5に送信する注文電文には含まれず、DB側だけで保有される。この項目により、返済約定が成立した時に返済される建玉の特定が可能となる。
<融資・貸株管理サーバ3の各手段>
既に説明したように、融資・貸株管理サーバ3の処理部34は、貸手金融機関残高管理手段341、未約定注文管理手段342、融資判定手段343、貸株判定手段344及び発注指示手段345を備える。
貸手金融機関残高管理手段341は、貸手金融機関の資金と株式の残高の双方を管理し、以下の機能を有する。
◇残高移動指示機能◇
[概要]
貸手金融機関残高管理手段341は、貸手金融機関の資金及び株式の残高数量及び残高ステータス(融資受付済、融資可能等)を更新する。残高数量・残高ステータスの更新は、貸手金融機関端末7からの残高の差入・引出指示、即時決済取引システム5及び証券取引システム4(現引・現渡の場合)からの信用取引注文の約定情報DB45B、注文情報DB45Aに含まれる信用取引注文の受注情報及び値洗額計算・指示手段244からの値洗情報DB45Eに基づいて行われる。
[貸手金融機関の差入・引出指示による残高数量の更新]
貸手金融機関の担当者は、インターネットを介して即時決済信用取引システム1に接続された貸手金融機関端末7を通じて、証券会社に預け入れる資金や株式の差入・引出の指示を入力する。差入指示があった場合、貸手金融機関残高管理手段341は、貸手金融機関からの送金・株式の振替を確認した上で、その内容を貸手金融機関資金残高DB35A又は貸手金融機関株式残高DB35Bに反映させる。引出指示があった場合、貸手金融機関残高管理手段341は、貸手金融機関に対する送金・株式の振替の内容を貸手金融機関資金残高DB35A又は貸手金融機関株式残高DB35Bに反映させる。
[約定による残高数量の更新]
信用取引において、貸手金融機関は、投資家に融資を行った場合に与信を供与して行われた買付の決済物である株式を担保として受け入れ、また、投資家に貸株を行った場合に与信を供与して行われた売付の決済物である売却代金を担保(貸株代り金)として受け入れる。また、建玉返済時には、受け入れた担保を引渡し、与信した物件の返済を受ける。そのため、融資・貸株のそれぞれの新規取引及び返済取引について、株式及び資金の双方を与信物件及び担保物件として関連付けて管理する必要がある。
そこで、貸手金融機関資金残高DB35A内で残高ステータス35A2が「融資中」となっている資金については、対応する融資担保株式が貸手金融機関株式残高DB35B内において管理される。一方、貸手金融機関株式残高DB35B内で残高ステータス35B3が「貸株中」となっている株式については、対応する貸株代り金が貸手金融機関資金残高DB35A内で管理される。そして、貸手金融機関残高管理手段341は、即時決済取引システム5及び証券取引システム4(現引・現渡の場合)からの信用取引注文の約定情報DB45Bを受け、貸手金融機関資金残高DB35A及び貸手金融機関株式残高DB35Bの双方の同期をとって残高情報を更新する。
[注文による残高ステータスの更新]
貸手金融機関残高管理手段341は、注文情報DB45A内の未約定注文融資・貸株ステータス45A9の更新を受けて、貸手金融機関資金残高DB35A及び貸手金融機関株式残高DB35Bの残高状態を更新する。例えば、未約定注文融資・貸株ステータス45A9が「融資受付済」に更新された場合、貸手金融機関資金残高DB35Aにおいて、「融資可能」及び「融資受付済」の残高ステータス35A2に対応する金額35A1がそれぞれ更新される。詳細には、「融資可能」の金額35A1が当該融資受付額だけ減少する分、「融資受付済」の金額35A1が増加する。「融資受付済」の注文について、取消注文の受注により未約定注文融資・貸株ステータス45A9が「取消済」に更新された場合、貸手金融機関資金残高DB35Aにおいて当該融資受付額だけ「融資受付済」の金額が減少し、「融資可能」の金額が同額だけ増加する。また、未約定注文融資・貸株ステータス45A9が「貸株受付済」に更新された場合、貸手金融機関株式残高DB35Bにおいて、「貸株可能」及び「貸株受付済」の残高ステータス35B3に対応する株数35B2がそれぞれ更新される。詳細には、「貸株可能」の株数35B2が当該貸株受付数だけ減少する分、「貸株受付済」の株数35B2が増加する。「貸株受付済」の注文について、取消注文の受注により未約定注文融資・貸株ステータス45A9が「取消済」に更新された場合、貸手金融機関株式残高DB35Bにおいて当該貸株受付数だけ「貸株受付済」の株数が減少し、「貸株可能」の株数が同株数だけ増加する。
[値洗による残高数量の更新]
貸手金融機関残高管理手段341は、値洗額計算・指示手段244からの値洗情報DB45Eに基づいて、証券会社と、貸手金融機関との間で値洗する金額について、貸手金融機関資金残高DB35A内の残高ステータス35A2が「融資中」、「貸株代り金(貸株の担保)」の金額35A1を更新する。
また、建玉返済時には、返済時振替手段245からの値洗情報DB45Eに基づいて、証券会社と、貸手金融機関との間で決済する未決済値洗額について、貸手金融機関資金残高DB35A内の残高ステータス35A2が「融資中」、「融資可能」、そして「貸株代り金(貸株の担保)」の金額35A1を更新する。
◇残高情報通知・照会機能◇
貸手金融機関残高管理手段341は、貸手金融機関資金残高DB35A及び貸手金融機関株式残高DB35Bの情報に関して、証券会社の担当者及び貸手金融機関端末7に対する通知を行い、又は、それらからの照会を受け付ける。
◇貸出残高管理機能◇
貸手金融機関残高管理手段341は、借手や担保等の貸出情報を記憶する機能、インターネットで接続された貸手金融機関端末7を通じて入力された貸出レートや貸出期間等の貸出条件を記憶する機能、利息額等の計算機能を備え、それらの機能を用いて貸出残高を管理する。
次に、未約定注文管理手段342は、投資家端末6から受け付けた新規の信用取引注文に関して、融資・貸株見込から融資・貸株受付済(発注)までのステータスを管理する。具体的には、融資判定手段343及び貸株判定手段344による未約定注文のステータスの更新通知を受けて、注文情報DB45Aの未約定注文融資・貸株ステータス45A9及び融資・貸株優先順位45A10を更新する機能を持つ。また、融資判定手段343から融資受付の通知を受けて、又は、貸株判定手段344から貸株受付の通知を受けて、発注指示手段345に発注可能であることを通知する機能を持つ。
融資判定手段343は、貸手金融機関資金残高DB35A及び株価DB45Cを参照して、新規の信用買い注文に対して融資可能か否かを判定し、その結果を未約定注文管理手段342に通知する。
貸株判定手段344は、貸手金融機関株式残高DB35B及び売建返済準備額DB45Dを参照して、新規の信用売り注文に対して貸株可能か否かを判定し、その結果を未約定注文管理手段342に通知する。
発注指示手段345は、未約定注文管理手段342から発注可能の通知を受けて、信用取引注文の発注を指示するメッセージを即時決済取引システム5に送信する。
また、前述の通り、注文情報DB45Aの未約定注文融資・貸株ステータス45A9の更新を受けて、貸手金融機関資金残高DB35A及び貸手金融機関株式残高DB35Bのそれぞれの残高ステータス(35A2、35B3)が更新される。
≪システムの処理≫
図9は、投資家端末6からの信用注文が買建の場合(信用買い注文の場合)の即時決済信用取引システム1の処理を示すフローチャートである。本処理は、証券取引システム4が投資家端末6から買建の信用注文データを受信し、注文情報DB45Aに格納した後、即時決済信用取引システム1に当該注文の処理を指示することによって、実行される。
まず、未約定注文管理手段342が、注文情報DB45Aの取引区分45A7を参照して、当該注文が新規建か否かを判定する(S901)。新規建の場合(S901のY)、注文情報DB45Aの注文条件45A8を参照して、当該注文が取消注文か否かを判定する(S902)。取消注文の場合(S902のY)、注文情報DB45Aの未約定注文融資・貸株ステータス45A9を参照して、当該注文に対して融資受付済か否かを判定する(S903)。融資受付済の場合(S903のY)、未約定注文管理手段342が、注文情報DB45Aのうち融資受付済の当該レコードを取消注文として更新し、未約定注文管理手段342の管理対象外となる(S910)。そして、発注指示手段345が注文情報DB45Aの発注内容(注文番号45A1)に従って、即時決済取引システム5に対して注文取消の発注指示を行う(S912)。S903において、融資受付済でない、すなわち、融資審査中の場合(S903のN)、未約定注文管理手段342が、注文情報DB45Aのうち未約定注文融資・貸株ステータス45A9が融資審査中の当該レコードを取消注文として更新し、未約定注文管理手段342の管理対象外となる(S916)。この場合、そのまま処理を終了する。
次に、当該注文が取消注文以外の場合(S902のN)、融資判定手段343が、注文情報DB45Aの注文条件45A8を参照して、新規注文か否かを判定する(S904)。新規注文の場合(S904のY)、最大融資見込額を計算する(S906)。具体的には、注文情報DB45Aの注文価格45A5が指値の場合、最大融資見込額=当該指値の金額×注文株数45A4とする。注文価格45A5が成行の場合、株価DB45Cの当該銘柄のストップ高値段45C3を取得し、最大融資見込額=ストップ高値段45C3×注文株数45A4とする。そして、計算した最大融資見込額を、貸手金融機関資金残高DB35Aのうち、「融資見込」の残高ステータス35A2に対応する金額35A1に記憶する。
新規注文でない、すなわち、訂正注文の場合(S904のN)、注文情報DB45Aの未約定注文融資・貸株ステータス45A9を参照して、当該注文に対して融資受付済か否かを判定する(S905)。融資受付済の場合(S905のY)、未約定注文管理手段342が、注文情報DB45Aのうち融資受付済の当該レコードを当該訂正注文が示す内容に更新する(S910)。なお、融資金額が増となる訂正注文を受け付ける形態をとった場合には、融資受付済の注文に対しても最大融資見込額の再計算(S906)及び後述の融資可否判定が必要になるが、ここでは説明を割愛する。そして、発注指示手段345が注文情報DB45Aの発注内容に従って、即時決済取引システム5に対して訂正注文の発注指示を行う(S912)。融資受付済でない、すなわち、待機中の場合(S905のN)、当該訂正注文が示す内容に従って最大融資見込額を再計算する(S906)。具体的な計算内容は、既に説明した通りである。訂正された注文の融資・貸株優先順位45A10を更新する形態も更新しない形態も可能である。例えば、融資金額が減となる訂正では優先順位は変わらないが、増となる注文では優先順位が最後尾になる等が考えられる。
続いて、融資可否判定の処理を行う。最初に、未約定注文管理手段342が注文情報DB45Aを更新する(S907)。具体的には、注文情報DB45Aのうち、当該レコードの未約定注文融資・貸株ステータス45A9を「融資審査中」に更新する。次に、融資可能残高が更新されたか否かを定期的に判定する(S908)。具体的には、貸手金融機関資金残高DB35Aのうち、「融資可能」の残高ステータス35A2に対応する金額35A1が増加したか否かを判定する。また、当該情報の更新は、他のタスクで別途実行される。
更新されていれば(S908のY)、融資判定手段343が融資可能か否かを判定する(S909)。具体的には、貸手金融機関資金残高DB35Aのうち、「融資可能」及び「融資見込」の残高ステータス35A2に対応する金額35A1をそれぞれ取得し、融資可能残高が融資見込残高と等しいか、又は、より大きければ、融資可能と判定する。融資可能残高が融資見込残高より小さければ、融資不可と判定する。融資不可の場合(S909のN)には、融資可能残高の更新の判定(S908)を定期的に繰り返す。S908で更新されていない場合(S908のN)にも更新の判定を定期的に繰り返す。
融資可能な場合(S909のY)、未約定注文管理手段342が当該注文情報DB45Aの未約定注文融資・貸株ステータス45A9を「融資審査中」から「融資受付済」に更新する(S910)。そして、発注指示手段345が注文情報DB45Aの発注内容に従って、即時決済取引システム5に対して新規の信用買注文の発注指示を行う(S912)。
これに対して、即時決済取引システム5は、即時決済信用取引システム1から指示された注文を登録し、株式の約定処理を行う(S913)。そして、約定した場合に、その約定内容を反映させた約定情報DB45Bを即時決済信用取引システム1に受け渡す。
即時決済信用取引システム1は、即時決済取引システム5から約定情報DB45Bを受信し(S914)、融資実行の処理を行う(S915)。具体的には、注文情報DB45Aの未約定注文融資・貸株ステータス45A9を「約定済」に更新し、貸手金融機関資金残高DB35Aのうち、「融資受付済」の金額35A1を最大融資見込額だけ減算し、「融資中」の金額35A1を融資金額だけ加算し、「融資可能」の金額35A1が最大融資見込額と実際の融資金額の差額だけ更新される。また、貸手金融機関株式残高DB35Bの「融資担保株式」を約定株数の分だけ加算する。なお、融資金額=約定株数45B5×約定価格45B6(約定情報DB45Bの当該レコード参照)とする。
S901において当該注文が新規建注文でない、すなわち、返済注文の場合(S901のN)、当該返済注文が現引か否かを判定する(S911)。現引の場合(S911のY)、融資返済の処理を行う(S915)。具体的には、当初の融資金額(建代金)を投資家から徴収し、融資担保株券を投資家に引き渡すために、貸手金融機関資金残高DB35Aのうち、「融資中」の金額35A1を融資金額だけ減算してゼロに更新し、「融資可能」の金額35A1を融資金額だけ加算する。減算される「融資中」の金額は、株数45B5×融資・貸株単価45F5の金額であり、加算される「融資可能」の金額は株数45B5×建単価25C6である。減算される金額と加算される金額に差異があるのは、返済時に貸手金融機関と証券会社の間で未決済値洗額の決済が行われるためであり、返済時振替手段245が、値洗情報DB45Eのうち、建玉番号45B10と同じ建玉番号45E4の未決済値洗額45E8をゼロに更新する。また、貸手金融機関残高管理手段341が、貸手金融機関株式残高DB35Bにおいて当該株式の「融資担保株式」の残高をゼロにする。さらに、返済時振替手段245が、投資家保証金DB25Bのうち、該当する現金保証金額25B2から現引代金を減算する一方、投資家株式残高DB25Dのうち、当該株式の銘柄25D2に対応する株数25D3に、投資家に引き渡した株数を加算する。
現引でない、すなわち、反対売買(売戻し)による返済の場合(S911のN)、発注指示手段345が注文情報DB45Aの発注内容に従って、即時決済取引システム5に対して融資担保株式を決済物とする売付の発注指示を行う(S912)。
これに対して、即時決済取引システム5は、即時決済信用取引システム1から指示された注文を登録し、株式の約定処理を行う(S913)。そして、約定した場合に、その約定内容を反映させた約定情報DB45Bを即時決済信用取引システム1に受け渡す。
即時決済信用取引システム1は、即時決済取引システム5から約定情報DB45Bを受信し(S914)、融資返済の処理を行う(S915)。具体的には、まず、即時決済取引システム5から約定通知を受信した証券取引システム4により、約定情報DB45Bに建玉番号45B10及び決済損益45B11が設定される。次に、返済時振替手段245が決済損益45B11に応じて、投資家保証金DB25Bのうち、該当する現金保証金額25B2を更新する。そして、貸手金融機関残高管理手段341が、貸手金融機関資金残高DB35Aのうち、「融資中」の金額35A1を融資金額(株数45B5×融資・貸株単価45F5)の分だけ減算してゼロに更新し、「融資可能」の金額35A1を株数45B5×建単価25C6の額だけ加算する。さらに、返済時振替手段245が、値洗情報DB45Eのうち、建玉番号45B10と同じ建玉番号45E4の未決済値洗額45E8をゼロに更新する。また、貸手金融機関株式残高DB35Bにおいて当該株式の「融資担保株式」の株数35B2をゼロにする。
なお、S906において最大融資見込額を計算する際、買建の注文情報DB45Aの注文価格45A5が指値であっても、成行と同様に、株価DB45Cの当該銘柄のストップ高値段45C3を取得し、最大融資見込額=ストップ高値段45C3×注文株数45A4としてもよい。これは、買建注文の最大融資見込額が増加するような訂正注文があっても、常時受注可能とするために、予め最大値を計算しておくものである。この場合、一旦融資受付済になれば、訂正注文に対する最大融資見込額の再計算及び融資可否判定の処理(S906〜S909)が不要になる。
図10は、投資家端末6からの信用注文が売建の場合(信用売り注文の場合)の即時決済信用取引システム1の処理を示すフローチャートである。本処理は、証券取引システム4が投資家端末6から売建の信用注文データを受信し、注文情報DB45Aに格納した後、即時決済信用取引システム1に当該注文の処理を指示することによって、実行される。
まず、未約定注文管理手段342が、注文情報DB45Aの取引区分45A7を参照して、当該注文が新規建か否かを判定する(S1001)。新規建の場合(S1001のY)、注文情報DB45Aの注文条件45A8を参照して、当該注文が取消注文か否かを判定する(S1002)。取消注文の場合(S1002のY)、注文情報DB45Aの未約定注文融資・貸株ステータス45A9を参照して、当該注文の状態が貸株受付済か否かを判定する(S1003)。注文状態が貸株受付済の場合(S1003のY)、未約定注文管理手段342が、注文情報DB45Aのうち貸株受付済の当該レコードを取消注文として更新し、未約定注文管理手段342の管理対象外となる(S1013)。そして、発注指示手段345が注文情報DB45Aの発注内容(注文番号45A1)に従って、即時決済取引システム5に対して注文取消の発注指示を行う(S1015)。注文状態が貸株受付済でない場合、すなわち、貸株審査中又は立替審査中の場合(S1003のN)、当該レコードを取消注文として更新し、未約定注文管理手段342の管理対象外となる(S1019)。そして、そのまま処理を終了する。
次に、当該注文が取消注文でない場合(S1002のN)、注文条件45A8を参照して、新規注文か否かを判定する(S1004)。新規注文の場合(S1004のY)、貸株可否判定の処理(S1006以降)へ進む。新規注文でない、すなわち、訂正注文の場合(S1004のN)、注文情報DB45Aの未約定注文融資・貸株ステータス45A9を参照して、注文の状態を特定する(S1005)。注文状態が貸株受付済の場合(S1005の「貸株受付済」)、未約定注文管理手段342が、注文情報DB45Aのうち貸株受付済の当該レコードを当該訂正注文が示す内容(株数又は価格)に更新する(S1013)。なお、貸株株数又は返済準備必要総額45D8が増となる訂正注文を受け付ける形態をとった場合には、貸株受付済の注文に対しても後述の貸株可否判定(S1008)及び立替準備額審査(S1012)が再度必要になるが、ここでは説明を割愛する。そして、発注指示手段345が注文情報DB45Aの発注内容に従って、即時決済取引システム5に対して訂正された注文の発注指示を行う(S1015)。注文状態が立替審査中の場合(S1005の「立替審査中」)、最大損失額計算の処理(S1009)へ進む。注文状態が貸株審査中の場合(S1005の「貸株審査中」)、貸株可否判定の処理(S1006以降)へ進む。訂正された注文の融資・貸株優先順位45A10を更新する形態も更新しない形態も可能である。例えば、貸株株数及び売建返済準備額も減となる訂正では優先順位は変わらないが、増となる注文では優先順位が最後尾になる等が考えられる。
続いて、貸株可否判定の処理を行う。最初に、未約定注文管理手段342が注文情報DB45Aを更新する(S1006)。具体的には、注文情報DB45Aのうち、当該レコードの未約定注文融資・貸株ステータス45A9を「貸株審査中」に更新する。次に、貸株可能残高が更新されたか否かを定期的に判定する(S1007)。具体的には、貸手金融機関貸株残高DB35Bのうち、「貸株可能」の残高ステータス35B3に対応する株数35B2が増加したか否かを判定する。また、当該情報の更新は、他のタスクで別途実行される。
更新されていれば(S1007のY)、貸株判定手段344が貸株可能か否かを判定する(S1008)。具体的には、貸手金融機関株式残高DB35Bのうち、当該銘柄の「貸株可能」及び「貸株見込」の残高ステータス35B3に対応する株数35B2をそれぞれ取得し、貸株可能残高が貸株見込残高と等しいか、又は、より大きければ、貸株可能と判定する。貸株可能残高が貸株見込残高より小さければ、貸株不可と判定する。
貸株不可の場合には(S1008のN)、貸株可能残高の更新の判定(S1007)を定期的に繰り返す。S1007で更新されていない場合(S1007のN)にも更新の判定(S1007)を定期的に繰り返す。貸株可能な場合には(S1008のY)、注文ごとの最大損失額を計算する(S1009)。具体的には、注文情報DB45Aの注文価格45A5が成行であれば、株価DB45Cのうち、当該銘柄のストップ高値段45C3及びストップ安値段45C4を取得し、注文情報DB45Aのうち、当該銘柄の注文株数45A4を取得し、最大損失額=(ストップ高値段−ストップ安値段)×注文株数とする。注文価格45A5が指値であれば、ストップ安ではなくその指値の単価を用いて最大損失額を計算する。そして、計算した最大損失額を、売建返済準備額DB45Dのうち、建玉ステータス45D3が「未約定」の立替準備額45D4に記憶する。
続いて、立替準備額審査の処理を行う。最初に、未約定注文管理手段342が注文情報DB45Aのうち貸株審査中の当該レコードを更新する(S1010)。具体的には、注文情報DB45Aの当該レコードのうち、未約定注文融資・貸株ステータス45A9を「貸株審査中」から「立替審査中」に変更する。次に、返済準備余裕額45D10が更新されたか否かを定期的に判定する(S1011)。証券会社の入金などの事象によって返済準備余裕額45D10が増加すれば立替可能となるので、返済準備余裕額45D10の更新を定期的に判定する。なお、当該情報の更新は、他のタスクで別途実行される。
更新されていれば(S1011のY)、貸株判定手段344が、証券会社が注文ごとの最大損失額の立替可能か否かを判定する(S1012)。具体的には、先に記憶した最大損失額(「未約定」の立替準備額45D4)と、返済準備余裕額45D10と比較する。立替不可の場合には(S1012のN)、返済準備余裕額の更新の判定(S1011)を定期的に繰り返す。S1011で更新されていない場合(S1011のN)にも更新の判定(S1011)を定期的に繰り返す。
立替可能な場合には(S1012のY)、未約定注文管理手段342が当該注文情報DB45Aの未約定注文融資・貸株ステータス45A9を「立替審査中」から「貸株受付済」に更新する(S1013)。そして、発注指示手段345が注文情報DB45Aの発注内容に従って、即時決済取引システム5に対して新規の信用売注文の発注指示を行う(S1015)。このように、即時信用の新規売建注文が発注されるまでには、貸株可否判定と立替準備額審査の両方を通過しなければならない。なお、貸株可否判定より先に立替準備額審査を行う形態も考えられる。
発注指示に対して、即時決済取引システム5は、即時決済信用取引システム1から指示された注文を登録し、株式の約定処理を行う(S1016)。そして、約定した場合に、その約定内容を反映させた約定情報DB45Bを即時決済信用取引システム1に受け渡す。
即時決済信用取引システム1は、即時決済取引システム5からの約定情報DB45Bを受けて(S1017)、貸株実行の処理を行う(S1018)。具体的には、注文情報DB45Aの未約定注文融資・貸株ステータス45A9を「約定済」に更新し、約定情報DB45Bから約定株数45B5を取得し、貸手金融機関株式残高DB35Bのうち、「貸株受付済」の株数35B2を約定株数だけ減算し、「貸株中」の株数35B2を約定株数だけ加算する。また、貸手金融機関資金残高DB35Aの「貸株代り金」を売却代金分だけ加算する。
なお、S1001で当該注文が新規建注文でない、すなわち、返済注文の場合(S1001のN)、当該返済注文が現渡か否かを判定する(S1014)。現渡の場合(S1014のY)、貸株返済の処理を行う(S1018)。具体的には、売付株式と同種同量の株式を投資家から徴収し、当初の貸株代り金(売却代金)を投資家に引き渡すために、貸手金融機関株式残高DB35Bのうち、「貸株中」の株数35B2を現渡株数だけ減算し、「貸株可能」の株数35B2を同株数だけ加算する。さらに、返済時振替手段245が、値洗情報DB45Eのうち、該当する未決済値洗額45E8をゼロに更新する。また、貸手金融機関資金残高DB35Aにおいて該当建玉の「貸株代り金」の残高をゼロにする。さらに、返済時振替手段245が、投資家保証金DB25Bのうち、該当する現金保証金額25B2に現渡代金を加算し、投資家株式残高DB25Dのうち、該当する投資家の、当該株式の銘柄25D2に対応する株数25D3を現渡株数だけ減算する。
現渡でない、すなわち、反対売買(買戻し)の場合(S1014のN)、発注指示手段345が注文情報DB45Aの発注内容に従って、即時決済取引システム5に対して貸株代り金を決済物とする買付の発注指示を行う(S1015)。
これに対して、即時決済取引システム5は、即時決済信用取引システム1から指示された注文を登録し、株式の約定処理を行う(S1016)。そして、約定した場合に、その約定内容を反映させた約定情報DB45Bを即時決済信用取引システム1に受け渡す。
即時決済信用取引システム1は、即時決済取引システム5からの約定情報DB45Bを受けて(S1017)、貸株返済の処理を行う(S1018)。具体的には、まず、即時決済取引システム5から約定通知を受信した証券取引システム4により、約定情報DB45Bに建玉番号45B10及び決済損益45B11が設定される。次に、返済時振替手段245が決済損益45B11に応じて、投資家保証金DB25Bのうち、該当する現金保証金額25B2を更新する。そして、貸手金融機関残高管理手段341が、約定情報DB45Bから約定株数45B5を取得し、貸手金融機関株式残高DB35Bのうち、「貸株中」の株数35B2を約定株数だけ減算し、「貸株可能」の株数35B2を約定株数だけ加算する。また、貸手金融機関資金残高DB35Aのうち、該当建玉の「貸株代り金」の残高をゼロにする。さらに、返済時振替手段245が、値洗情報DB45Eのうち、建玉番号45B10と同じ建玉番号45E4の未決済値洗額45E8をゼロに更新する。
なお、S1009で注文ごとの最大損失額を計算する際に、売建の注文情報DB45Aの注文価格45A5が指値であっても、成行と同様に、株価DB45Cのうち、当該銘柄のストップ高値段45C3及びストップ安値段45C4を取得し、注文情報DB45Aのうち、当該銘柄の注文株数45A4を取得し、最大損失額=(ストップ高値段−ストップ安値段)×注文株数としてもよい。これは、売建注文の最大損失額が増加するような訂正注文があっても、常時受注可能とするために、予め最大値を計算しておくものである。この場合、一旦貸株受付済になれば、訂正注文に対する最大損失額の再計算及び立替可否判定の処理(S1009〜S1012)が不要になる。
現渡時の値洗後の貸株代り金と当初の建代金(売却代金)との差額及び売建玉の現金保証金額を超える決済損の決済については、図11にて説明する。
図11は、即時決済信用取引システム1による売建返済準備額の更新処理を示すフローチャートである。本処理は、新規の売建注文を受け付けた時、当該売建注文が約定した時、各営業日で当該銘柄の終値及び翌営業日のストップ高値が確定した時及び当該売建注文に対する返済の処理を行った時に分けて、それぞれに対応した売建返済準備額DB45Dを更新するものである。
まず、証券取引システム4が、投資家端末6から売建の信用注文データ(信用売り注文)を受信した場合、そのデータを注文情報DB45Aに記憶する(S1101)。そして、即時決済信用取引システム1の証券会社管理サーバ2のうち、立替準備額計算手段242が、証券取引システム4からの指示を受けて、注文情報DB45Aの注文価格45A5を参照し、当該信用注文が成行注文か否かを判定する(S1102)。成行注文であれば(S1102のY)、売りの建単価(約定単価)をストップ安と見込み、さらにストップ高で買戻したと仮定した場合の損失額を計算する(S1103)。具体的には、立替準備額計算手段242が、株価DB45Cのうち当該銘柄45C1のレコードを特定し、そのレコード内のストップ高値段45C3からストップ安値段45C4を差し引いた値×注文情報DB45Aの注文株数45A4を損失額とする。この損失額(=[ストップ高値段−ストップ安値段]×注文株数)が成行注文の当日の最大損失見込額であり、返済時の買戻し代金の不足による決済不履行防止のために証券会社が備えておくべき立替準備額となる。このとき、売建返済準備額DB45Dの建玉ステータス45D3に「未約定」を設定する。
一方、成行注文でない、すなわち、指値注文であれば(S1102のN)、売りの建単価を指値単価と見込み、さらにストップ高で買戻したと仮定した場合の損失額を計算する(S1104)。具体的には、立替準備額計算手段242が、株価DB45Cのうち当該銘柄45C1のレコードを特定し、そのレコード内のストップ高値段45C3を抽出し、注文情報DB45Aのうち当該信用注文のレコードを特定し、そのレコード内の注文価格(指値)45A5を抽出する。そして、ストップ高値段45C3から注文価格45A5を差し引いた値×注文情報DB45Aの注文株数45A4を損失額とする。この損失額(=[ストップ高値段−注文価格]×注文株数)が指値注文の当日の最大損失見込額であり、立替準備額となる。このとき、売建返済準備額DB45Dの建玉ステータス45D3に「未約定」を設定する。
立替準備額は、買戻し注文で決済損が発生すると、当該買付代金を売方に受け渡せない場合があり、即時決済取引での決済不履行を防ぐために、証券会社が即時に決済を立替えるために設定される。立替準備額に受注時の最大損失見込額を設定し、その金額を準備しておくことにより、決済不履行を確実に防止することができる。
なお、指値注文であっても、成行注文と同様に、売りの建単価(約定単価)をストップ安と見込み、さらにストップ高で買戻したと仮定した場合の損失額を計算するようにしてもよい。これは、売建注文の最大損失額が増加するような訂正注文があっても、常時受注可能とするために、予め最大値を計算しておくものである。
また、立替準備額には、最大損失見込額から投資家の現金保証金額を減算した値が設定されるようにしてもよい。実際には投資家の現金保証金額を超えた決済損を立替準備額により立替することになるので、注文受注時点において予め立替準備額に現金保証金額を考慮しておいてもよい。
次に、即時決済取引システム5において売建の信用注文が約定した場合には(S1106)、即時決済取引システム5からの指示により、即時決済信用取引システム1が、実際の売建単価に対して、ストップ高で買戻したと仮定した場合の損失額を計算する(S1107)。具体的には、立替準備額計算手段242が、株価DB45Cのうち当該銘柄45C1のレコードを特定し、そのレコード内のストップ高値段45C3を抽出し、約定情報DB45Bのうち当該注文番号45B1のレコードを特定し、そのレコード内の約定株数45B5及び約定価格45B6を抽出する。そして、ストップ高値段45C3から約定価格45B6を差し引いた値×約定株数45B5を損失額とする。この損失額([ストップ高値段−約定価格]×約定株数)が、売り注文が約定した当日の最大損失見込額であり、証券会社が備えておくべき立替準備額となる。このとき、売建返済準備額DB45Dの建玉ステータス45D3を「未約定」から「未返済」に更新する。
約定から返済までの期間は、各営業日における当該銘柄の終値(値洗値段)及び翌営業日のストップ高値に基づいて、現渡準備額と立替準備額をそれぞれ計算し、どちらか大きい値を売建返済準備額として算出する。営業日において当該銘柄の終値が確定したら、まず、値洗額計算・指示手段244が、貸株代り金の値洗を行う(S1111)。融資残高も値洗が行われるが、売建返済準備額に関係しないので、ここでは記述しない。具体的には、建日当日の値洗いにおいては投資家建玉残高DB25C内の当該建玉の建単価25C6と、株価DB45C内の当該銘柄45C1の値洗値段(終値)45C2とを比較し、建日翌営業日以降の値洗においては借入・借株残高DB45Fが保有する前営業日の値洗単価である融資・貸株単価45F5と当日の終値を比較し、貸株代り金の値上がり(建日当日は、建単価<終値、翌営業日以降は、前営業日の値洗値段<終値)又は値下がり(建日当日は、建単価>終値、翌営業日以降は、前営業日の値洗値段>終値)に応じて、証券会社が、代り金の値上りの場合には値洗額を貸手金融機関に支払い、代り金の値下りの場合には値洗額を貸手金融機関から受け取るための処理を行う。詳細には、貸手金融機関残高管理手段341が、貸手金融機関資金残高DB35Aのうち、「貸株代り金」の残高ステータス35A2に対応する金額35A1を値洗の額だけ更新(加算又は減算)する。
次に、現渡準備額計算手段243が、投資家建玉残高DB25C内の当該建玉の株数25C5×建単価25C6(=建代金)と、貸手金融機関資金残高DB35A内の「貸株代り金」の残高ステータス35A2の金額35A1との差額を計算し、貸株代り金<建代金の場合に、現渡によって建代金を即時に顧客に引き渡すために証券会社が備えておくべき現渡準備額として、売建返済準備額DB45Dの現渡準備額45D5に記憶する(S1112)。貸株代り金≧建代金の場合には、貸手金融機関がプールしている貸株代り金の範囲内で現渡が可能なので、現渡準備額は不要であり、0円と計算される。
一方、立替準備額計算手段242が、返済が反対売買(買戻し)によって行われた場合の投資家保証金を超える決済損が生じた場合を想定して立替準備額を計算する。まず、翌営業日のストップ高値段及びストップ安値段を株価DB45Cのストップ高値段45C3及びストップ安値段45C4に記憶する(S1113)。次に、立替準備額計算手段242が、翌営業日に反対売買された際に生じる最大損失額(立替準備額=[ストップ高値段−建単価]×株数)を計算し、売建返済準備額DB45Dの立替準備額45D4に記憶する(S1114)。翌営業日ストップ高値≦建単価の場合は、翌営業日の返済によって決済損が生じる可能性がないので、立替準備額は不要であり、0円と計算される。また、立替準備額には、最大損失見込額から投資家の現金保証金額を減算した値が設定されるようにしてもよい。実際には投資家の現金保証金額を超えた決済損を立替準備額により立替することになるので、日々の立替準備額の計算に現金保証金額を考慮しておいてもよい。そして、売建返済準備額計算手段241が、現渡準備額と、立替準備額とを比較し、より大きい金額を翌営業日用の売建返済準備額として、売建返済準備額DB45Dの返済準備必要額45D7に記憶する(S1115)。そして、S1111〜S1115の処理を毎営業日に繰り返すものとする(S1116)。
さらに、証券取引システム4が、投資家端末6から売建返済の信用注文データを受信した場合、そのデータを注文情報DB45Aに記憶する(S1121)。そして、即時決済信用取引システム1の売建返済準備額計算手段241が、証券取引システム4からの指示を受けて、注文情報DB45Aの取引区分45A7を参照し、売建返済が現渡か否かを判定する(S1122)。現渡であれば(S1122のY)、S1125の処理を行う。返済が現渡でない、すなわち、買戻しであれば(S1122のN)、投資家の現金保証金額を超える決済損があるか否かを判定する(S1123)。具体的には、買戻しの約定金額(=約定株数45B5×約定価格45B6)が建代金より大きい場合に、その差額が現金保証金額45D6より大きいか否かを判定する。当該決済損がなければ(S1123のN)、S1125の処理を行う。
当該決済損があれば(S1123のY)、証券会社準備額45D9を使用して、現金保証金額45D6を超える損の決済を即時に立替え、即時決済取引システム5での決済不履行を防ぐ(S1124)。そして、該当建玉の売建返済準備額を解放する(S1125)。具体的には、売建返済準備額DB45Dのうち、建玉ステータス45D3を「未返済」から「返済済」に更新することによって、当該建玉のレコード(45D1〜45D7)を無効にする。また、S1125において、返済準備必要額45D7を使用して、証券会社が現渡代金の一部(建代金−直近の値洗後の貸株代り金)を投資家に支払う場合もある。この場合、貸手金融機関資金残高DB35Aの貸株代り金とあわせて、投資家口座に建代金全額が即時に振替される。このとき、当該建玉の返済準備必要額45D7及び全建玉の返済準備必要総額45D8が該当建玉の分だけ減算され、返済準備余裕額45D10が増加する。
そして、売建返済準備額計算手段241が、各局面の処理結果に従って、売建返済準備額DB45Dを更新する(S1131)。具体的には、処理結果に応じて、立替準備額45D4、現渡準備額45D5、返済準備必要額45D7、返済準備必要総額45D8、証券会社準備額45D9及び返済準備余裕額45D10を更新する。
<<第2の実施の形態>>
次に、貸手金融機関が証券会社と同一であることを前提にした、即時決済信用取引システムについて説明する。このシステムでは、証券会社が貸手金融機関を兼ね、投資家との即時決済信用取引だけを行い、証券会社以外の貸手金融機関と証券会社との間での即時決済貸借取引を行わないので、取引が証券会社及び投資家の2者間で完結する形態になる。
図12は、本発明の第2の実施の形態に係る即時決済信用取引だけを行うためのシステムの構成を示す図である。本システムは、即時決済信用取引システム1a、証券取引システム4、即時決済取引システム5及び投資家端末6を備え、図1のシステムと比較すると、貸手金融機関端末7を含まない構成になっている。即時決済信用取引システム1aは、証券会社管理サーバ2a及び融資・貸株管理サーバ3aを備える。証券会社管理サーバ2a及び融資・貸株管理サーバ3aは、図1のシステムのように貸手金融機関端末7からの融資・貸株に係る処理をしないので、値洗いや、値洗いによって生じる現渡準備額に関する処理を行わない。
従って、証券会社管理サーバ2aは、図4の証券会社管理サーバ2と比較すると、現渡準備額計算手段243、値洗額計算・指示手段244、値洗情報DB45E及び借入・借株残高DB45Fを含まない構成になる。そして、融資・貸株管理サーバ3aは、図5の融資・貸株管理サーバ3と比較すると、値洗情報DB45E及び借入・借株残高DB45Fを含まない構成になる。また、図6(d)の売建返済準備額DB45Dのうち、現渡準備額45D5も不要である。
図9の買建注文の処理フローでは、S915の融資返済の処理において、値洗情報DB45Eに係る処理が不要になる。
図10の売建注文の処理フローでは、S1018の貸株返済の処理において、値洗情報DB45Eに係る処理が不要になる。
図11の売建返済準備額の返済処理フローでは、S1111の値洗い及びS1112の現渡準備額の計算、記憶の処理が不要になるので、S1115において無条件に立替準備額を翌営業日用の売建返済準備額として記憶する。また、S1125における売建返済準備額DB45Dの更新で、現渡準備額45D5は更新しない。

以上本発明の実施の形態について説明したが、図1に示す即時決済信用取引システム1を構成する証券管理サーバ2及び融資・貸株管理サーバ3の各サーバを機能させるために、各サーバの処理部であるCPUで実行されるプログラムをコンピュータにより読み取り可能な記録媒体に記録し、その記録したプログラムをコンピュータに読み込ませ、実行させることにより、本発明の実施の形態に係る即時決済信用取引システムが実現されるものとする。なお、プログラムをインターネット等のネットワーク経由でコンピュータに提供してもよいし、プログラムが書き込まれた半導体チップ等をコンピュータに組み込んでもよい。図12に示す即時決済信用取引システム1aを構成する証券管理サーバ2a及び融資・貸株管理サーバ3aについても同様である。
以上、本発明を実施するための最良の形態について説明したが、上記実施の形態は本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明はその趣旨を逸脱することなく変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物も含まれる。
本発明によれば、取引に用いられる資金及び株式の残高を事前に把握し、管理するので、取引の最中に外部との振替・送金等を行うことなく、即時決済信用取引を実現することができる。
また、実際の融資単価(約定単価)が決定される前に、有限の融資可能金額の範囲内で新規の信用買い注文に伴う融資申込を受け付けることができる。
また、新規の信用売り注文を受注する以前で、仮に当日中に決済損が生じる返済が行われた場合でも、当日発生し得る最大の決済損を立替えられるだけの資金が証券会社に無ければ受注を行わず、証券会社の資金が十分で新規の信用売注文を受注した後にも、常に発生し得る最大の決済損を返済時に立替えられるよう立替準備額がシステムに記憶され、証券会社が資金を確保するので、即時決済取引システムで成立した売建の返済(買戻し)に関して、買付代金を決済損のために対当した売方に渡せないという決済不履行を回避することができる。
また、前記の立替準備額を計算する際に、実際に証券会社が立替えをする必要がある投資家の現金保証金額超の準備額を計算することが可能となる。
また、建日より貸手金融機関と証券会社との間で営業日ごとの終値で貸株代り金の値洗が行われる際に、システムに記憶された現渡準備額(建代金と値洗後の貸株代り金の差額)に従って、証券会社が資金をプールすることによって、値洗後の貸株代り金の額に関係なく、建代金を投資家に引き渡す現渡を常に即時決済で行うことができる。
また、システムに記憶された売建返済準備額に従って、証券会社が資金を確保することによって、売建玉に対して反対売買(買戻し)及び現渡のうち、いずれの返済方法でも即時に行うことができ、かつ即時決済取引システムにおける決済不履行を防ぐことができる。
また、即時決済信用取引の前提である、決済損益に係る現金保証金額の、約定と同時の決済が可能である。特に、売建玉の買戻しを行う際に、買付代金に充当する損金が現金保証金から即時に引き出せない場合には、即時決済取引システムで成立した買付に係る資金決済に不履行が生じるが、本発明の実施の形態では予め投資家から現金保証金を預り受け、返済注文の約定通知をもとに保証金の振替を即時に行うので、資金決済不履行が発生しないようにすることができる。また、買建玉の売戻しによって決済益が生じた場合にも、即時決済取引システムを通じて即時決済された売却代金から、利益額を保証金に即時に反映することが可能となる。
また、株式の価値変動に伴い、適切な評価を値洗によって融資金額又は貸株の担保である貸株代り金に反映させることで貸手金融機関の債権を保全しつつ、信用取引の返済時には、約定と同時に貸手金融機関と証券会社との間の未決済値洗額を即時に決済することができる。また、この特徴を、信用取引の返済約定と同時に証券会社と投資家との間で損益額を決済する特徴と併せることによって、即時決済信用取引の返済注文が約定した時点において、貸手金融機関と証券会社と投資家との3者間で未決済値洗額及び決済損益額を同時に決済することができる。これによれば、値洗状況や損益状況にかかわらず、貸手金融機関は即時決済取引で成立した買戻し取引の買付代金を即時に受け渡すことが可能となり、また、証券会社は決済損益を投資家の保証金に即時に反映することが可能となる。
1 即時決済信用取引及び即時貸借取引システム(即時決済信用取引システム)
1a 即時決済信用取引システム
2、2a 証券会社管理サーバ
24 処理部
25 記憶部
25A 証券会社自己資金DB(第の記憶部)
25B 投資家保証金DB(第の記憶部)
25B1 投資家番号
25B2 現金保証金額(保証金の残高)
3、3a 融資・貸株管理サーバ
34 処理部
35 記憶部
35A 貸手金融機関資金残高DB(第1の記憶部)
35B 貸手金融機関株式残高DB(第1の記憶部)
45A 注文情報DB
45A3 銘柄
45A4 注文株数
45A5 注文価格(注文価格情報)
45B 約定情報D
45B4 銘柄
45B5 約定株数
45B6 約定価格
45B11 決済損益
45C 株価DB(第の記憶部)
45C1 銘柄
45C2 値洗値段(終値)
45C3 ストップ高値段(最大見込約定価格)
45C4 ストップ安値段(最小見込約定価格)
45D 売建返済準備額DB
45D4 立替準備額
45D5 現渡準備額
45D6 現金保証金額
45D7 返済準備必要額(売建返済準備額)
45E 値洗情報D
45E8 未決済値洗額
4 証券取引システム
5 即時決済取引システム
6 投資家端末
7 貸手金融機関端末

Claims (5)

  1. 資金及び株式の残高を記憶する第1の記憶部と、
    投資家が使用する投資家端末から信用注文を随時受け付ける手段と、
    前記第1の記憶部に記憶された資金及び株式の残高と、前記信用注文の内容とを比較参照し、前記残高の範囲内で前記信用注文の取引が可能か否かを判定する手段と、
    前記取引が可能な場合に、前記信用注文に係る受注・発注処理を行う手段と、
    株式の銘柄ごとに終値、制限値幅上限価格を用いた最大見込約定価格及び制限値幅下限価格を用いた最小見込約定価格を記憶するとともに、前記信用注文を受注する証券会社が有する自己資金残高を記憶する第2の記憶部と、
    前記投資家端末から、指値注文及び当該指値の単価、又は、成行注文を示す注文価格情報、銘柄及び注文株数を含む新規の信用売り注文を受け付けた場合に、前記注文価格情報が指値注文を示すときに、前記銘柄の最大見込約定価格から前記指値の単価を減算し、その減算した値に前記注文株数を積算した値を立替準備額として記憶し、前記注文価格情報が成行注文を示すときに、前記銘柄の最大見込約定価格から最小見込約定価格を減算し、その減算した値に前記注文株数を積算した値を立替準備額として記憶する手段と、
    前記立替準備額が、前記第2の記憶部に記憶された自己資金残高以下であるか否かを判定する手段と、
    前記立替準備額が前記自己資金残高以下である場合に、前記信用売り注文に係る受注・発注処理を行う手段と、
    を備えることを特徴とする即時決済信用取引システム。
  2. 資金及び株式の残高を記憶する第1の記憶部と、
    投資家が使用する投資家端末から信用注文を随時受け付ける手段と、
    前記第1の記憶部に記憶された資金及び株式の残高と、前記信用注文の内容とを比較参照し、前記残高の範囲内で前記信用注文の取引が可能か否かを判定する手段と、
    前記取引が可能な場合に、前記信用注文に係る受注・発注処理を行う手段と、
    株式の銘柄ごとに終値、制限値幅上限価格を用いた最大見込約定価格及び制限値幅下限価格を用いた最小見込約定価格を記憶するとともに、前記信用注文を受注する証券会社が有する自己資金残高を記憶する第2の記憶部と、
    前記投資家端末から、指値注文及び当該指値の単価、又は、成行注文を示す注文価格情報、銘柄及び注文株数を含む新規の信用売り注文を受け付けた場合に、前記銘柄の最大見込約定価格から最小見込約定価格を減算し、その減算した値に前記注文株数を積算した値を立替準備額として記憶する手段と、
    前記立替準備額が、前記第2の記憶部に記憶された自己資金残高以下であるか否かを判定する手段と、
    前記立替準備額が前記自己資金残高以下である場合に、前記信用売り注文に係る受注・発注処理を行う手段と、
    を備えることを特徴とする即時決済信用取引システム。
  3. 請求項又は請求項に記載の即時決済信用取引システムであって、
    前記投資家端末から現金保証金額の振替指示を予め受け付ける手段と、
    受け付けた前記現金保証金額を記憶する第の記憶部と、
    をさらに備え、
    前記立替準備額を記憶する際に、当該立替準備額から、前記第の記憶部に記憶された前記現金保証金額を減算した値を現金保証金額考慮後の立替準備額として記憶する
    ことを特徴とする即時決済信用取引システム。
  4. 資金及び株式の残高を記憶する第1の記憶部と、
    投資家が使用する投資家端末から信用注文を随時受け付ける手段と、
    前記第1の記憶部に記憶された資金及び株式の残高と、前記信用注文の内容とを比較参照し、前記残高の範囲内で前記信用注文の取引が可能か否かを判定する手段と、
    前記取引が可能な場合に、前記信用注文に係る受注・発注処理を行う手段と、
    株式の銘柄ごとに終値及び制限値幅上限価格を用いた最大見込約定価格を記憶する第4の記憶部と、
    新規の信用売り注文が約定した場合に、約定単価及び約定株数を記憶し、約定した日から返済までの間には、営業日ごとに、売建玉ごとに、銘柄の最大見込約定価格から前記約定単価を減算し、その減算した値が正値である場合にその減算した値に前記約定株数を積算した値を立替準備額として記憶する手段と、
    前記信用売り注文が約定した場合に、約定した日から返済までの間に、営業日ごとに、売建玉ごとに、前記約定単価から前記終値を減算し、その減算した値が正値である場合にその減算した値に前記約定株数を積算した値を現渡準備額として記憶する手段と、
    前記立替準備額及び前記現渡準備額のうち、売建玉ごとに大きい方を売建返済準備額として記憶する手段と、
    を備えることを特徴とする即時決済信用取引システム。
  5. 資金及び株式の残高を記憶する第1の記憶部と、
    投資家が使用する投資家端末から信用注文を随時受け付ける手段と、
    前記第1の記憶部に記憶された資金及び株式の残高と、前記信用注文の内容とを比較参照し、前記残高の範囲内で前記信用注文の取引が可能か否かを判定する手段と、
    前記取引が可能な場合に、前記信用注文に係る受注・発注処理を行う手段と、
    株式の銘柄ごとに終値及び制限値幅上限価格を用いた最大見込約定価格を記憶する第4の記憶部と、
    新規の信用売り注文が約定した場合に、約定単価及び約定株数を記憶し、約定した日から返済までの間には、営業日ごとに、売建玉ごとに、銘柄の最大見込約定価格から前記約定単価を減算し、その減算した値が正値である場合にその減算した値に前記約定株数を積算した値を立替準備額として記憶する手段と、
    前記投資家端末から現金保証金額の振替指示を予め受け付ける手段と、
    受け付けた前記現金保証金額を記憶する第3の記憶部と、
    を備え、
    前記立替準備額を記憶する際に、当該立替準備額から、前記第3の記憶部に記憶された前記現金保証金額を減算した値を現金保証金額考慮後の立替準備額として記憶し、
    前記信用売り注文が約定した場合に、約定した日から返済までの間に、営業日ごとに、売建玉ごとに、前記約定単価から前記終値を減算し、その減算した値が正値である場合にその減算した値に前記約定株数を積算した値を現渡準備額として記憶する手段と、
    前記立替準備額及び前記現渡準備額のうち、売建玉ごとに大きい方を売建返済準備額として記憶する手段と、
    をさらに備えることを特徴とする即時決済信用取引システム。
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