JP2004126997A - マンマシンインターフェイスシステムおよび画像出力装置 - Google Patents

マンマシンインターフェイスシステムおよび画像出力装置 Download PDF

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Abstract

【課題】デスクの上の占有スペースが小さく、だれにでも使いやすいマンマシンインターフェイスを提供する。
【解決手段】デスク2の上に画像9を投写可能な出力光学系、および、光信号を取得可能な入力光学系を収納したヘッド10と、それをアーム19を介して支持するベース20とを備えた画像入出力装置5を使用したマンマシンインターフェイスシステム1を提供する。このインターフェイスシステムでは、ペン型で、先端付近から光信号41を出力するポインティングデバイス6を使用する。デスク2の上に投写された画像9に対しポインティングデバイス6で文字あるいは図形などを描くことにより情報を入力できるので、物としてのディスプレイは不要であり、机の上のスペースを広く使える。また、あたかも直接画像に文字や絵をペンで書き込んでいるような使い方で、パーソナルコンピュータから情報を取得し、パーソナルコンピュータに情報を入力できる。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、マンマシンインターフェイスに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
パーソナルコンピュータのインターフェイスは、CRTまたは液晶などのディスプレイと、キーボードやデジタイザなどの入力装置とで構成されており、さらに、マウスなどのポインティングデバイスも補助的な入力装置として利用される。携帯電話、PDAなどの他の情報処理装置あるいは処理端末においても、ディスプレイとキーボードあるいはデジタイザといった組み合わせがマンマシンインターフェイスとなっていることに変わりはない。キーボードあるいはデジタイザの代わりに音声入力も可能であるが、音声入力だけでパーソナルコンピュータをすべて制御できる状態にはなっていない。
【0003】
【特許文献1】
特開平8―163476号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ディスプレイとキーボードあるいはデジタイザといった組み合わせのマンマシンインターフェイスは、現状、非常に一般的なものであり、このマンマシンインターフェイスを大きく変えようとする意識はほとんどない。
【0005】
しかしながら、このマンマシンインターフェイスは、幾つかの課題を含んでいる。まず、ある程度の解像度で情報を表示させようとすると、ある程度の大きさのディスプレイが必要になることである。ある程度の大きさのディスプレイは、全体を充分な輝度で発光させるために消費電力が大きい。
【0006】
また、情報を入力しようとすると、キーボードあるいはデジタイザが必要になることである。デジタイザはディスプレイと重ねて配置することも可能であるが、いずれにしてもディスプレイとして機能する物は必要となる。したがって、ディスプレイがどのような形態であるにしろ、それを机の上に配置する必要があり、机の上のかなりの部分がマンマシンインターフェイスで占有されることになる。
【0007】
したがって、ディスプレイとキーボードあるいはデジタイザの組み合わせのマンマシンインターフェイスは、省エネルギーの点から、机の上のスペースを開放するという点からも決して理想的なインターフェイスであるとは言えない。省エネタイプのディスプレイが開発されたとしても、ディスプレイを小さくすることはできないし、むしろ情報量が増加している昨今の状況からすると、携帯などの特殊な用途を除けばディスプレイは大型化すると予想され、それに伴って電力消費は増加する傾向にある。
【0008】
そこで、本発明においては、従来のディスプレイとキーボードとの組み合わせからなるマンマシンインターフェイスとは異なり、省スペースで省エネルギーのマンマシンインターフェイスを提供することを目的としている。また、大型の画像を、ディスプレイを用いずに低電力で表示することができ、机の上をディスプレイで占有することがないマンマシンインターフェイスを提供することを目的としている。さらに、画像の入力もスキャナなどの他のインターフェイスを用いずに極めて簡単に入力することができるマンマシンインターフェイスを提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
このため、本発明においては、画像入出力装置と、指示端を備えたポインティングデバイスと、を有するマンマシンインターフェイスシステムであって、画像入出力装置は、被投写面に画像を投写可能な出力光学系と、被投写面の画像が投写される領域からの光信号を取得可能な入力光学系とを備え、ポインティングデバイスは、指示端付近に入力光学系で取得可能な光信号を出力する光信号出力部を備えているマンマシンインターフェイスシステムを提供する。
【0010】
このマンマシンインターフェイスシステムは、例えばデスクの上、床、カバンの表面、壁などを被投写面とし、その被投写面に画像を投写することにより情報を出力する。したがって、物としてのディスプレイは不要であり、情報を見るためにいずれかの表面を画像を投写するために確保するだけで良い。また、プロジェクタは、投写面に対して発光面の面積は小さくできるので、省エネルギーである。さらに、情報を出力するために大きな画面が必要となる場合でも、拡大して投写できるので出力光学系はコンパクトでよい。さらに、入力光学系を併設することにより、画像を投写したスペースでポインティングデバイスを操作することにより情報を入力するスペースとして利用することもできる。また、画像を投写したスペースに、入力したい画像を置けば、入力光学系からその画像を取り込むことも可能となる。したがって、このプロジェクタ型の画像入出力装置と、発光型のポインティングデバイスとを備えたマンマシンインターフェイスシステムを採用することにより、省エネルギーおよび省スペースで、画像の取り込みも可能なマンマシンインターフェイスを提供できる。
【0011】
デスク上に設置するためのプロジェクタの1つの有効な形態は、光学系が内蔵された第1のハウジングと、電気、特に電源装置が内蔵された第2のハウジングとがアームなどにより連結されたものである。すなわち、光源と、この光源から射出された光を変調するライトバルブと、変調された光を投写する投写レンズとを備えた出力光学系を少なくとも収納した第1のハウジングと、電源装置を少なくとも収納した第2のハウジングと、これら第1のハウジングおよび第2のハウジングを、距離を開けて連結する手段とを有する画像出力装置は、上記のマンマシンインターフェイスシステムに適したプロジェクタの1つの形態である。
【0012】
画像を入力する機能を付加するには、出力光学系が投写した画像の範囲からの光信号を取得可能な入力光学系を収納した第3のハウジングを第1のハウジングに隣接して取り付けることができる。また、第1のハウジングに、出力光学系が投写した画像の範囲からの光信号を取得可能な入力光学系を収納しても良い。入力光学系は、出力光学系が投写した画像の範囲から出力される光信号を入力できるように設定された画像入力用の対物レンズを備えていても良い。また、出力光学系の投写レンズを対物レンズとして用いることが可能であり、レンズを共用することによりスペースおよびコスト共に節約できると共に、画像を投写するように調整された投写レンズから光信号を検出できるので、対物レンズを別途設けて調整する必要がないというメリットもある。
【0013】
投写レンズを共用する出力入力光学系は、撮像デバイスと、投写レンズとライトバルブとの間に設置され、投写レンズから入力された光信号を撮像デバイスに導く光分岐手段を備えたものとなる。光分岐手段は、入力対象の光信号が赤外などの可視光領域以外であれば、ダイクロイックミラーなどの波長分離型の光学素子が利用できる。また、投写する画像の偏光方向を制御できるのであれば、偏光方向により光を分岐するビームスプリッタを光分岐手段として採用できる。さらに、画像を投写するタイミングと、光信号を入力するタイミングとが異なるのであれば、光を時分割可能なシャッターなどを光分岐手段として利用できる。また、光源の光量が充分に確保できるのであれば、ハーフミラーを光分岐手段として利用することができる。
【0014】
デスク上に設置するのに適したプロジェクタタイプの画像出力装置あるいは画像入出力装置は、第2のハウジングをベースとし、アームで第1のハウジングを支持するタイプである。したがって、出力光学系は、第2のハウジングが置かれた面に画像を投写可能なものであれば良い。また、第2のハウジングは、当該第2のハウジングをデスク上に固定する手段、たとえば、クランプ、吸盤などを備えていることが有効である。また、第2のハウジングは、当該第2のハウジングの位置がずれ難い形態、たとえば、平たい箱型などの低重心で、第1のハウジングのバランスが取りやすい形態が好ましい。
【0015】
第2のハウジングでアームを介して第1のハウジングを支持するという点からは、第2のハウジングができるだけ重く、第1のハウジングができるだけ軽いことが望ましい。したがって、この画像出力装置あるいは画像入出力装置は、第2のハウジングに種々の機能を搭載できる。逆に、第2のハウジングで光学系以外の機能をできるだけ搭載することが望ましい。たとえば、第2のハウジングには、出力光学系を制御する制御系が収納できる。また、第2のハウジングには、ライトバルブから出力する映像信号を外部から受信する映像インターフェイスが収納できる。映像信号は、有線でも無線でも良い。
【0016】
さらに、第2のハウジングには、ライトバルブから出力するテレビ画像の信号を受信するテレビチューナを収納することも可能である。また、第2のハウジングに、スピーカ、音響アンプおよびスピーカから出力する音響信号を外部から受信するオーディオインターフェイスを収納することが可能である。第1および第2のハウジングをアームで接続する本発明の画像入出力装置においては、第1のハウジングに収納される機能を増加することは装置の設置状況が不安定になることにつながるが、第2のハウジングに多種多様の機能を収納することは、デスク上のスペースが許す限り、装置の設置状況が安定になることにつながり、好ましい。
【0017】
本発明の画像出力装置および画像入出力装置は、デスク上に画像を投写するものであるが、第1のハウジングの向きを変えることにより、壁にでも、天井にでも画像を投写できる。したがって、デスク上で作業を行うパーソナルなマンマシンインターフェイスであると共に、そのまま会議やプレゼンテーション用のインターフェイスとして利用することも可能である。第1のハウジングの向きが変えられるように、第1のハウジングがアームにより上下方向に回転可能に支持されている場合は、投写される画像が反転することもあるので、出力光学系は反転した画像を投写可能であることが望ましい。
【0018】
さらに、出力光学系には、台形歪みを補正した画像を投写する機能を設けることにより、第1のハウジングをデスクの片隅に配置してデスク上に所定の大きさの画像を表示することができる。したがって、第1のハウジングの位置はデスクの真上である必要は無く、アームで第1のハウジングを支持する範囲を広げることができる。このため、第2のハウジングの上に第1のハウジングを支持するような簡易な形態の画像入出力装置であっても本発明のマンマシンインターフェイスシステムを構築できる。
【0019】
また、本発明の画像出力装置あるいは画像入出力装置は、デスク上に設置されるので、スタンドとしても機能するように、第1または第2のハウジングには、光源から出力される白色光を変調せずに投写レンズから出力する照明モードを選択する切替スイッチが収納されていることが望ましい。また、白色光を投写することは、デスク上に置かれた画像を照明し、入力光学系を介して画像を入力する場合にも有効である。
【0020】
上述したように、第1のハウジングはアームで支持されるので、できるだけコンパクトで軽量であることが望ましい。そのような光学系の1つの解は、光源にLEDなどの固体発光素子を利用することである。固体発光素子を使用した光源であれば、コンパクトになるだけでなく、エネルギー消費も少なく、寿命も長いので、メンテナンスも容易であるなどのメリットもある。
【0021】
第1のハウジングと第2のハウジングとを有線で結び、画像信号などを第2のハウジングに収納された装置と第1のハウジングに収納された光学系との間で交換することができる。また、ブルーツース、無線LANなどの無線インターフェイスにより第1のハウジングに収納された光学系と第2のハウジングに収納された制御系とを接続しても良い。さらには、第1のハウジングに収納された無線インターフェイスにより第2のハウジングに収納された制御装置に限らず、他のパーソナルコンピュータやAV機器などから無線で画像情報を入出力することも可能である。
【0022】
一方、このような画像入出力装置と組み合わされてマンマシンインターフェイスを構成するポインティングデバイスにおいては、光信号出力部は、可視光領域外の波長の光を出力することが望ましい。画像入出力装置の入力光学系において出力する光と、入力した光とを分岐することが容易になるからである。そのようなポインティングデバイスの1つの形はペン型のポインティングデバイスであり、先端が指示端となり、その先端で机の上などの被投写面の画像が投写された範囲を指示することにより情報を入力することができる。
【0023】
また、ポインティングデイバスは、光信号出力部から出力される光信号を変調可能な少なくとも1つの入力制御スイッチを備えていることが望ましい。これにより、マウスの右ボタンや左ボタンを押したことに相当する信号を画像入出力装置の入力光学系を介してパーソナルコンピュータなどに入力することができる。たとえば、入力制御スイッチは、光信号のパルスを変調するものであっても良く、光信号の波長を変えるものであっても良い。これらの入力制御スイッチは、例えばペン型のポインティングデバイスを把持したときに操作しやすいように、ポインティングデバイスの先端側に配置されていることが望ましい。
【0024】
ポインティングデバイスは、文字などを入力するために利用することができ、入力光学系を介して検出されたポインティングデバイスの位置あるいは軌跡を、出力光学系から投写される画像に反映することにより、ポインティングデバイスにより文字や画像を入力することができる。この機能は、上記の処理を実行可能な命令を有するプログラムとして提供することができ、第2のハウジングに収納された制御部分や、ホスト装置となるパーソナルコンピュータなどにインストールして使用できる。
【0025】
また、出力光学系により投写された画像の角がポインティングデバイスによりドラッグされたことを、入力光学系を介して検出すると、出力光学系の台形歪みを補正する処理を実行する命令を備えたプログラムも有効であり、ポインティングデバイスにより台形歪を簡単に補正できる。プログラムは、CD−ROMなどの適当な記録媒体に記録して提供し、パーソナルコンピュータや第2のハウジング内の制御部にインストールして利用できる。
【0026】
さらに、本発明のマンマシンインターフェイスシステムにおいては、デスクの表面をスクリーンとして利用することが可能であるが、画像をクリアーに表示するためには、スクリーンとして適当な紙や布地などをデスクの上に置いておくことが望ましい。さらに、デスク上に設置可能なスクリーンであって、出力光学系の投写光を、デスクの使用者の眼の方向に反射するスクリーンを設置しておくことにより、出力光学系から出力される光が弱い場合でも鮮明な画像を見ることができる。これにより、第1のハウジングに収納される光源の強度を弱くても明るい画像が得られるようになるので、コンパクトで省エネルギーの画像入出力装置を使用できる。また、使用者以外の方向へはほとんど画像が漏れないので、パーソナルなマンマシンインターフェイスとして優れたシステムを提供できる。
【0027】
そのようなスクリーンとしては、出力光学系の投写レンズの射出瞳からの投写光を、デスクの使用者の眼の方向に反射するように傾いた微小傾斜反射構造を備えたものがある。さらに、裏面を微小傾斜反射構造を備えた反射面とし、表面をクリアな画像が結像されるように微細凹凸を備えた拡散面としたスクリーンが有効である。
【0028】
【発明の実施の形態】
図1に、本発明のマンマシンインターフェイスシステム1の概要を示してある。このマンマシンインターフェイスシステム1では、プロジェクタライクな画像入出力装置5によりデスク2の上に置かれたスクリーン7へ画像9を表示すると共に、ユーザ3がペン型のポインティングデバイス6により情報を入力する。まず、このマンマシンインターフェイスシステム1に含まれる画像入出力システムあるいは画像入出力装置5は、スタンド型であって、デスク2の上に設置されるベース部(ベース)20と、このベース20からアーム19により支持されたヘッド部(ヘッド)10とを備えている。ヘッド10を構成するハウジング(第1のハウジング)11の内部には画像を出力するための光学系(出力光学系)と光信号を取得するための光学系(入力光学系)とが収納されており、コンパクトで軽量な構成になっている。
【0029】
ベース20を構成するハウジング(第2のハウジング)21には、家庭用コンセント22が接続された電源装置と、ホスト装置となるパーソナルコンピュータ8と接続可能なインターフェイスと、テレビアンテナ23、ビデオ24、CDプレイヤー25などのオーディオ・ヴィジュアル(AV)機器を含めた周辺機器との接続が可能なインターフェイスなどが収納されている。もちろん、周辺機器とは有線に限らず、無線でデータ交換するようにしても良く、たとえば、ブルーツースインターフェイスを内蔵することに、ブルーツースインターフェイスを内蔵したAV機器26と無線でデータ交換することができる。さらに、ベース10には、スピーカ27が取り付けられており、パーソナルコンピュータ8からの音声信号や、AV装置からの音楽なども出力できるようになっている。また、ベース20にはヘッド10をランプとして使用したり、スクリーン7の上に写真などの画像を置いて入力するタイミングをセットするためのスイッチ類28が用意されている。
【0030】
このマンマシンインターフェイスシステム1は、デスク2の上を被投写面とし、その被投写面に画像9を投写することにより情報を出力する。したがって、従来のディスプレイとキーボードとの組み合わせからなるマンマシンインターフェイスとは異なり、物としてのディスプレイは不要であり、情報を見るときだけ机の上のスペースを、情報を見るために空けるだけでよい。また、画像入出力装置5は、プロジェクタライクな構成で、投写面であるデスク2の上のスペースに画像を拡大投写するために、出力画像9のサイズに対して非常に小さく、コンパクトとなる。そして、画像9を投写する画像入出力装置5のヘッド10は、デスク2の上のベース20からアーム19により距離を開けて連結されており、アーム19で支えられて宙に浮いた状態となる。したがって、ヘッド10がデスク2のスペースを占有することはなく、画像を表示する必要があるときまでは、デスク2の上のスペースが画像を表示するための機器により占有されることはない。このため、机2の上のスペースを様々なジョブに最大限に利用できる。
【0031】
本例のインターフェイスシステム1であると、デスク2の上のスペースを、画像入出力を必要としないジョブのために使用しようとするとヘッド10からの投写像を消すことになる。したがって、従来のマンマシンインターフェイスのように液晶ディスプレイを常時点灯した状態で放置するような使用方法は通常採用されない。このため、本例のマンマシンインターフェイスシステム1は、その運用上からも無駄な電力消費を抑えることができる。もちろん、画像表示の必要のないジョブのためにデスク2の広く利用するときに、デスク2の片隅に小画面を常時投写することも可能であり、画像入出力装置2のベース20に小画面を表示することによりメールの有無などは常時確認できるようにすることも可能である。
【0032】
また、このインターフェイスシステム1では、ペン型のポインティングデバイス6から光信号41を出力し、画像入出力装置5のヘッド10が光信号41を検出することによりデータを入力する。したがって、画像入出力装置5が画像を投写している範囲でポインティングデバイス6を動かし、文字、絵あるいは図形などを描くことによりデータを入力でき、データを入力するためのキーボードやデジタイザは不用である。このため、この点でも、デスク2の上のスペースを様々なジョブのために最大限に利用できる。さらに、画像入出力装置5によりデスク2の上に投写された画像に対してポインティングデバイス6により文字や絵などを書いて情報を入力できるので、ノートや書類に向かって作業するのと同様の間隔でパーソナルコンピュータ8を用いた作業が行える。したがって、自然な姿勢でキーボードなどになれていないユーザも楽にコンピュータを利用できる。もちろん、本例の画像入出力装置5とキーボードやデジタイザとを組み合わせたマンマシンインターフェイスシステムも提供可能であり、そのようなマンマシンインターフェイスも本発明に含まれる。
【0033】
さらに、本例のインターフェイスシステム1では、画像9が投写されている範囲に、文書や画像が描かれた原稿をセットすれば、画像入出力装置5でそれを読み込むことも可能である。したがって、スキャナーも不用であり、画像を入出力する機会の多い近年のジョブに適したマンマシンインターフェイスシステムとなっている。
【0034】
図2に、画像入出力装置5の内部の概略構成を示してある。ヘッド10のハウジング11の内部には、画像9をデスク2の上に置かれたスクリーン7に投写するための出力光学系12と、デスク2の上から出力された光信号を入力するための入力光学系13とが内蔵されている。出力光学系12は、光源15と、この光源15から射出された光を変調するライトバルブ16と、変調された光を投写する投写レンズ17とを備えている。光源15としてはLED光源が採用されており、順番に3原色の光を繰り返し出力する少なくとも3種類のLED素子15aが配置されている。LED素子15aに限定されないが、半導体レーザや有機ELなどの固体発光素子は光変換効率が高く、消費電力に対して出力される光量が大きい。したがって、コンパクトで明るい画像を表示できる出力光学系12を構成できるので、本例のスタンド型の画像入出力装置5に適した光源である。
【0035】
さらに、固体発光素子を採用した光源15は、高効率なので、発熱も小さく放熱ファンが不用であるというメリットもある。したがって、通常のCRTモニターの消費電力が150Wから200W程度であり、バックライト型の液晶パネルが15Wから20Wであるのに対し、本例の画像入出力装置5であると画像表示に関わる消費電力を5W程度まで低くすることが可能である。このように、本例のマンマシンインターフェイスシステム1に採用される画像入出力装置5はコンパクトで低消費電力なものとなる。
【0036】
この光源15から出力された光を画像データに基づいて変調して表示光42を生成するライトバルブ16として、本例では、マトリクス状にマイクロミラーが配置されたティルトミラーデバイスを採用している。このティルトミラーデバイス16は、マイクロミラーの角度により画素単位で光をオンオフする反射型のデバイスであり、光の吸収が少なく、コントラストの高い鮮明な画像を表示できる。したがって、高効率であるが、出力される光量としてはそれほど大きくなく、固体発光素子を使用した光源15と組み合わせて、コンパクトで明るく鮮明な画像を表示するヘッド10を構成するのに適したライトバルブであると言える。ティルトミラーデバイス16として、テキサスインスツルメンツ社のデジタルマイクロミラーデバイス(DMD)が利用できる。
【0037】
エバネセント光を用いてスイッチングするエバネセントデバイスも高コントラストであり、本例の画像入出力装置5に適したものである。もちろん、多少の吸収によるロスが発生するが、反射型や透過型の液晶デバイスもライトバルブとして採用することが可能である。
【0038】
ライトバルブ16で変調された画像をデスク2の上のスクリーン7に投写する投写レンズ17は、ヘッド10からデスク2の面まで1m程度しかないことが多いので、その範囲で画像を鮮明に結像できるものであることが望ましい。また、図1に破線で示すように、ヘッド10を回転させて壁や天井あるいは共用のスクリーンに大画像9aを投写できることが望ましく、適当な倍率のズーム機能を備えたプロジェクタレンズあるいはレンズシステム17であることが望ましい。
【0039】
ヘッド10のハウジング11に内蔵された入力光学系13は、投写レンズ17を対物レンズとして共用した光学系となっており、CCDあるいはCMOSセンサーなどの撮像デバイス31と、投写レンズ17とライトバルブ16との間に設置され、投写レンズ17から入力された光信号41を撮像デバイス31に導く光分岐手段32を備えている。出力光学系12の投写レンズ17を入力光学系13の対物レンズとして用いることにより、レンズシステムが1つ省略できるのでヘッド10のスペースおよびコスト共に節約できる。また、画像9をデスク2の上に投写するように調整された投写レンズ17から光信号41を検出できるので、対物レンズを別途設けて調整する必要がない。さらに、投写レンズ17を画像入力光学系13の対物レンズとして利用することにより、視差(パララックス)も生じないので、出力光学系12で投写した投写画像と入力光学系13で撮像した画像を正確に対応付けでき、入力された情報を精度良く解釈したり、投写される画像に反映したりすることができる。もちろん、投写レンズ17とは別に入力用の対物レンズを設けることも可能であり、出力光学系12に対して入力光学系13を独立させて最適設計することができる。また、後述する光分岐手段も不要となり、その点では低コストの画像入出力装置を提供できる。
【0040】
本例の入力光学系13に採用されている光分岐手段32は、波長により光を分離できるダイクロイックミラーである。ペン型のポインティングデバイス6からは光信号が可視光領域以外の赤外線により射出される。紫外線でも良いが、万一、ユーザの眼に入った場合に赤外線よりも影響が大きいので、赤外線を採用することが望ましい。したがって、本例のダイクロイックミラー32は、可視光を透過し、赤外光を反射する特性を備えており、投写レンズ17を通して入力された赤外の光信号41は、投写レンズ17とライトバルブ16との間に位置する光分岐手段32によって反射されて、赤外線を検出可能なCCDあるいはCMOSセンサを用いた撮像素子31により検出される。
【0041】
光分岐手段32は、ダイクロイックミラーなどの波長分離型の光学素子に限定されるものではなく、出力光学系12に投写する画像の偏光方向を制御するフィルタを挿入することができれば、それと異なる偏光の光を入射光(光信号)41として分離するビームスプリッタを採用することができる。また、画像9を投写するフレーム間隔の間に、入力された光信号41を検出するための時間的なスペースを設定する制御方法であれば、そのタイミングに合わせて撮像素子31の方向への入射光を反射できるシャッターあるいはティルトミラーのような光学素子を光分岐手段として採用することも可能である。さらに、光源15の光量が充分に確保できる場合は、入射光を撮像素子31の方向に反射するように傾いたハーフミラーを光分岐手段32として採用することも可能である。
【0042】
さらに、本例のヘッド10には、出力光学系12の光源15およびライトバルブ16への信号をベース20から受信して分配するコントロールユニット35を内蔵している。このコントロールユニット35は、さらに、入力光学系13で検出した光信号41あるいはその光信号41をデコードしたデータをベース20に転送する機能を備えている。また、ヘッド10には、ヘッド10の向きを検出することができるジャイロなどの方位判別手段34が取り付けられており、コントロールユニット35は、机2の上に画像9を投写しているときと、壁や天井などに画像9aを投写しているときとで画像を反転する必要があると判断すると、ライトバルブ16に供給する画像データの上下方向を反転させる機能を備えている。この上下あるいは天地を反転させる機能は、ベース20あるいはホストであるコンピュータ8でサポートしても良い。
【0043】
このような光学系を内蔵したヘッド10を、アーム19を介して支持する機能を備えたベース20は、軽量化が最も要求されるヘッド10と異なり、ある程度の重量があることが望ましい。また、デスク2を占有するスペースが小さいに越したことはないが、ヘッド10をある程度の範囲で安定してサポートするには、ベース20のハウジング21の形状は、ずれ難い形態、たとえば、平たい箱型などの低重心となる形状であることが望ましい。本例の画像入出力装置5では、ベース20ができるだけ重く、ヘッド10ができるだけ軽くなるように、光学系を除いたほとんどの機能をベース20のハウジング21に内蔵している。そして、ケーブル36でヘッド10とベース20とを接続して電力、制御信号および画像データなどを転送している。ケーブル36で電気信号を伝達する代わりに、光ファイバで光信号を伝達しても良く、ベース20およびヘッド10に無線LANやブルーツースなどの無線インターフェイスとしての機能を内蔵して無線37によりデータや制御信号を伝達しても良い。
【0044】
まず、ベース20には、最も重量が大きくなる電力装置51が内蔵されている。本例の電力装置51は、家庭用のコンセント22から交流電流を受け入れて直流電流に変換するアダプターとしての機能も備えているが、バッテリーを内蔵したものであっても良い。次に、ベース20には、パーソナルコンピュータ8から、ヘッド10の出力光学系12から出力する映像信号(モニタ信号)φ2を受信する映像インターフェイス52が収納されている。この映像インターフェイス52は、出力光学系12を全体的に制御する機能を備えており、光源15の各色のLED15aを点灯するタイミングを制御したり、ライトバルブ16で出力する画像データを生成する機能などを備えている。また、映像インターフェイス52は、入力光学系13で検出された光信号をデコードしてパーソナルコンピュータ8が解釈できる信号φ1として出力する機能も備えている。入力光学系12および出力光学系13を制御する機能はヘッド10のコントロールユニット15でサポートすることも可能であり、大量のデータをベース20からヘッド10に供給しないですむというメリットはある。しかしながら、ヘッド10が大きく、重くなる可能性があるので、できる限りベース20に収納することが望ましい。
【0045】
また、ベース20には、テレビアンテナ23からの信号を受信して画像信号に変換できるテレビチューナ53と、外部のAV機器からの信号を受信して画像および音声信号に分離して出力できるオーディオインターフェイスとしての機能を兼ねたマルチメディアインターフェイス54と、スピーカ27を駆動するオーディオアンプ55とが内蔵されている。また、画像入出力装置5のモードを切り替えることができるスイッチ28を備えたローカル操作パネル56も備えている。画像入出力装置5は、パーソナルコンピュータ8で稼動するワードプロセッサなどのアプリケーション81から提供された画像データをデスク上のスクリーン7に投写し、ポインティングデバイス6から得られたデータをアプリケーション81に対する入力としてパーソナルコンピュータ8にフィードバックあるいは提供する通常のインターフェイスモードに加え、本例の画像入出力装置5は、照明モードと、スキャンモードとに切り替えることができる。パーソナルコンピュータ8で稼動するアプリケーションプログラム81から本例の画像入出力装置5を制御できるようにパーソナルコンピュータ8にはドライバプログラム85がインストールされており、通常のインターフェイスモードにおいては、ポインティングデバイス6の動きがパーソナルコンピュータ8から供給される画像データにフィードバックされ、ポインティングデバイス6の軌跡がデスク2に投写される。
【0046】
スイッチ28により照明モードに切り替えられると、ヘッド10の光源15では各色のLED15aが同時に点灯し白色光が出力され、ライトバルブ16で変調されずに、LED15aから出力された光がすべて投写レンズ17を介して机2の上に投写される。したがって、机2の上を明るく照らすことができ、卓上スタンドとして機能する。また、スイッチ28によりスキャンモードに切り替えられると、デスク2の上に置かれた書類や画像をヘッド10の入力光学系13を介して読み込み、その画像をパーソナルコンピュータ8のOS83の上で稼動する画像処理用のアプリケーションプログラム82に供給する。画像を取り込む際は、モノクロの画像あるいは原稿であれば、各色のLED15aを同時点灯して白色照明を画像に当てても良い。一方、マルチカラーの原稿であれば、RGB各色のLED15aをタイムシーケンシャルに点滅させて、各色のデータを順番に取り込み、3倍の解像度でカラー画像を取り込むことも可能である。
【0047】
このように、本例の画像入出力装置5は、デスク2の上に画像を表示し、ポインティングデバイス6からの光信号を取得するマンマシンインターフェイス1の重要な構成要素として機能するが、照明装置としても、また、スキャナとしても機能する。さらに、テレビや、オーディオビジュアルの端末としても機能し、デスク2の上に、スペースをほとんど占有しない本例の画像入出力装置5を置いておくことにより、様々なジョブを効率よく行い、様々なエンターテイメントを楽しむことができる。さらに、ヘッド10を回転することにより、デスク2の上に限らず、壁にでも、天井にでも画像9aを投写できる。したがって、デスク2の上で作業を行うパーソナルなマンマシンインターフェイスシステム1を構築できるとともに、そのまま会議やプレゼンテーション用のインターフェイスシステムとして利用することも可能である。
【0048】
図3に、本例のインターフェイスシステムに好適なポインティングデバイス6の概略構成を示してある。このポインティングデバイス6はペン型であり、先端61aが指示端となり、ペンと同様に使用して情報を入力することができる。すなわち、本例のペン型のポインティングデバイス6は、ペン型のハウジング61の内部に電源であるバッテリー62が収納されており、ハウジング61の先端61aには赤外線光信号41を出力するためのLED63が配置されている。また、ポインティングデバイス6は、バッテリー62からLED63に対する信号をオンオフするためのスイッチ64および操作部65と、ハウジング61の先端61aの筆圧を検出してLED63を点灯する圧力センサ66と、LED63から異なる周期のパルス信号を出力するための入力制御スイッチ67aおよび67bと、圧力センサ66および入力制御スイッチ67aおよび67bの操作に基づきLED63の点灯を制御するコントロールユニット68を備えている。したがって、本例のポインティングデバイス6は、圧力センサ66がスクリーン7あるいはデスク2の上面に圧迫されて筆圧を検出するとLED63が点灯し、第1の入力制御スイッチ67aを押すとLED63が第1の周期で点灯し、第2の入力スイッチ67bを押すとLED63が第2の周期で点灯する。
【0049】
このため、画像入力装置5およびポインティングデバイス6を備えたマンマシンインターフェイスシステム1においては、ポインティングデバイス6により文字や図形などが描かれたときは、筆圧を検出したときだけLED63が点灯して光信号41を出力するので、光信号41がポインティングデバイス6の先端61aの動きをトレースして文字や図形を出力する。画像入出力装置5のヘッド10に内蔵された入力光学系13は光信号41を取得することにより、ポインティングデバイス6の先端61aの動きをトレースし、ポインティングデバイス6の動きに対応する入力データを生成する。そして、画像入出力装置5からパーソナルコンピュータ8で稼動するアプリケーション81などに対しドライバ85を介して、ポインティングデバイス6の動きに対応した入力データが供給される。ヘッド10の入力光学系13で得られた光信号の生成は画像入出力装置5で行っても良く、コンピュータ8の資源を用いてドライバ85が行っても良い。
【0050】
また、ポインティングデバイス6の第1または第2の入力制御スイッチ67aまたは67bが押されると、それに対応した周波数のパルス信号が光信号41として出力される。したがって、画像入出力装置5のヘッド10の入力光学系13でその異なる周期の光信号41を捉えることにより、画像入出力装置5の側で第1の入力制御スイッチ67aか第2の入力制御スイッチ67bが押されたかが判別できる。このため、第1および第2の入力制御スイッチ67aおよび67bを、マウス型のポインティングデバイスの右クリックおよび左クリックとして割り当てることにより、マウス型のポインティングデバイスと同様の操作環境あるいはサービスを、ワイヤレスの本例のペン型のポインティングデバイス6により提供することができる。第1および第2の入力制御スイッチ67aおよび67bは、ペン型のポインティングデバイス6を把持した状態で扱いやすいように、ハウジングの先端61aに近い位置に配置されていることが望ましい。
【0051】
また、スクロールダイヤルとして機能するスイッチをポインティングデバイス6に設けることが可能であり、スクロールの方向によりパルス幅を変えて、スクロールダイヤルの動きを画像入出力装置5を介してワイヤレスでパーソナルコンピュータ8に入力することができる。
【0052】
図4に示したポインティングデバイス69は、本発明に係るポインティングデバイスの異なる例である。このポインティングデバイス69は、ハウジングの先端61aに異なる波長の光信号41aおよび41bを発する2種類のLED63aおよび63bが取り付けられている。したがって、圧力センサ66が筆圧を検出すると2つのLED63aおよび63bが同時に点灯し、画像入出力装置5は、ポインティングデバイス6により文字や図形が描かれていることを検出しトレースすることができる。また、第1の入力制御スイッチ67aが押されると、一方のLED63aのみが点灯し、第2の入力制御スイッチ67bが押されると、他方のLED63bのみが点灯する。したがって、このように波長の異なる光信号41aおよび41bを出力することによっても、上記のポインティングデバイス6と同様の操作環境を提供することができ、ワイヤレスで文字や画像を入力でき、さらに右クリックおよび左クリックも可能なポインティングデバイスを提供できる。
【0053】
光信号41を出力する代わりに、有線でポインティングデバイスからの信号を画像入出力装置5のベース20あるいはパーソナルコンピュータ8に入力することによっても、データを入力することが可能である。そのようなマンマシンインターフェイスであれば、入力光学系13は不要であり、そのような画像出力装置からなるインターフェイスシステムも本発明に含まれる。しかしながら、有線でないポインティングデバイスの方が、ケーブルが邪魔にならないので操作が簡単である。また、画像9を投写するスクリーン7にデジタイザとしての機能を持たせ、スクリーン7の側で筆圧を検出してデータを入力するようにしても良く、そのようなマンマシンインターフェイスも本発明に含まれる。しかしながら、デジタイザを介して右クリックあるいは左クリックの識別を行わせることは困難であり、上記のマンマシンインターフェイスシステム1に比べると機能は劣るものになる。
【0054】
図5に、画像入出力装置5のドライバプログラム85においてポインティングデバイス6からの光信号41に基づき処理を選択する過程をフローチャートにより示してある。まず、ステップ91で、筆圧により出力された光信号41を検出したことを示す入力信号φ1を画像入出力装置5から受信すると、ステップ92において、光信号41が出力された位置をドライバプログラム85から画像入出力装置5に供給される画像信号φ2に反映する。その結果、画像入出力装置5からデスク2の上に投写される画像9に、ポインティングデバイス6の位置あるいは軌跡がフィードバックされ、あたかも、直に画面に文字や絵をペンで書き込んでいるようなマンマシンインターフェイスシステム1の使い方が可能となる。
【0055】
ステップ93において、第1の入力制御スイッチ67aが押されたときの光信号41を検出したことを示す入力信号φ1を画像入出力装置5から受信すると、ステップ94において、予め第1の入力制御スイッチ67aに割り当てられた第1の機能が実行される。たとえば、消しゴムとしての機能を与えることにより、ステップ92で入力された文字あるいは絵を消すことができる。また、ステップ95において、第2の入力制御スイッチ67bが押されたときの光信号41を検出したことを示す入力信号φ1を画像入出力装置5から受信すると、ステップ96において、予め第2の入力制御スイッチ67bに割り当てられた第2の機能が実行される。
【0056】
これらの機能を備えたドライバプログラムあるいはプログラム製品は、画像入出力装置5と共に、あるいは分離してコンピュータで読み取り可能なCD−ROMなどの適当な記録媒体に記録して提供することができる。また、インターネットなどのコンピュータネットワークを介して配信することも可能である。また、本例においては、ポインティングデバイス6から光信号41を捉えてデコードする処理をパーソナルコンピュータ8およびその他のコンピュータにインストールあるいはダウンロードされて実行されるドライバプログラム85の機能の一部として提供する例を示しているが、画像入出力装置5の側で同等の処理を行うことも可能である。たとえば、画像入出力装置5のベース20に収納される映像インターフェイス基板52は、多くの場合、適当な規模のCPUを搭載しているので、ドライバプログラムと同等の機能を備えたプログラム85xを搭載することにより、上記の処理を画像入出力装置5の内部で実行できる。
【0057】
また、ドライバプログラム85は、台形歪みの補正を行う処理を実行できることが望ましい。台形歪みの補正が行われる様子を図6に示してある。デスク2の角に画像入出力装置5のベース20が設置され、その上に支持されたヘッド10からデスク2の表面に画像9を投写すると、ヘッド10の投写レンズ17からデスク2に投写される画像9の角9cは4コーナで投写レンズ17からの距離がそれぞれ異なる。したがって、ライトバルブ16で形成される画像が長方形であっても、実際にデスク上に投写される画像は4角で拡大率が異なるので形状は台形状に歪み、精度の高い画像が表示できない。そこで、本例のドライバプログラム85は、台形のひずみを補正するモードを備えている。
【0058】
図7に、台形ひずみを補正する処理を示してある。まず、ステップ101で、台形歪みを補正するモードが選択されると、ステップ102で、ポインティングデバイス7で画像9のコーナ9cが選択されたことを検出する。例えば、ドライバプログラム85が、第1の入力制御スイッチ67aが押された時点でのポインティングデバイス6の先端の位置を画像9のコーナー9cとして認識する。そして、ステップ103で、投写された画像9の角9cがポインティングデバイス7によりドラッグされたことが入力光学系13を介して検出されると、ドラックされた位置にライトバルブ16で表示される画像9を縮小し、その設定を保持する。なお、本実施の形態において、このドラッグは、第2の入力制御スイッチ67bが押され続けながら、ポインティングデバイス6が移動されることを意味する。したがって、ユーザは、実際に投写された画像9を見ながら、ユーザが見る方向からの台形歪みを解消するようにドライバプログラム85の設定を変更できる。台形歪みを解消する処理は、上記と同様に、パーソナルコンピュータ8の側ではなく、画像入出力装置5の側で行うことも可能である。たとえば、映像インターフェイス52を制御するプログラム85xに、その機能を持たせておくことも可能である。
【0059】
いずれの場合も、簡単に台形ひずみを補正できる機能を用意することにより、ヘッド10の設定可能な位置は非常にフレキシブルになる。したがって、デスク2の片隅に画像入出力装置5をおいて、デスク2の中央を、画像9を表示し、データを入力するエリアとして設定することも極めて簡単になる。もちろん、画像入出力装置5はデスク2の右端でも左端でも設置できる。しかしながら、右利きのユーザの場合は、右側に画像入出力装置5を配置すると、投写された画像9に手の影が映るので、デスクの左側に画像入出力装置5を設置することが望ましい。また、その場合でも、手の甲や、ポインティングデバイス6に画像9が投写されるので、ポインティングデバイス6は黒色などの光を吸収するものではなく、スクリーン7と同様に適当に光を散乱する白色のものが好ましい。また、手の甲に投写される画像を積極的に見たい場合は、白色の手袋などをすることも有効である。
【0060】
本例のマンマシンインターフェイスシステム1においては、デスク2の上を画像表示領域として利用する。したがって、デスク2の表面が、適当に微小凹凸が形成された白色に近い拡散面であれば、スクリーンを設置しなくてもデスク2の表面に直に画像9を投写することができる。デスク2の表面がスクリーンとして適していない場合は、デスク2の上にスクリーン7を敷くことにより、鮮明な画像を表示することができる。さらに、図8(a)に示すように、画像入出力装置5の出力光学系12から出力された投写光42を、デスク2の使用者3の眼3aの方向に反射するスクリーン7であれば、出力光学系12から出力される光42が弱い場合でも鮮明な画像9を見ることができる。したがって、LEDなどの固体発光素子を光源15として採用している本例の画像入出力装置5と組み合わせることは有効であり、さらに省エネルギーで明るい画像を表示できるマンマシンインターフェイスシステム1を構成できる。さらに、使用者以外の方向へはほとんど画像9が漏れないので、プライバシーが保ちやすく、パーソナルなマンマシンインターフェイスとして優れたシステム1を提供できる。
【0061】
そのようなスクリーン7としては、図8(b)に拡大して示すように、出力光学系12の投写レンズ17の射出瞳からの投写光42を、デスク2の使用者3の眼3aの方向に反射するように傾いた微小傾斜反射構造73を裏面72に備えたものがある。このスクリーン7は、表面71を微細凹凸を備えた拡散面となっており、表面71に鮮明なカラー画像9を結像でき、裏面72の微小傾斜反射構造73により投写光42を眼3aの方向に反射する。したがって、ユーザ3は明るく鮮明な画像9をみることができる。スクリーン7の表面71は、たとえば、透明ビーズを分散させた拡散シートであることが望ましい。微細な凹凸が形成された表面71は、ポインティングデバイス6が接触した際に、滑りやすいのでその点でも好ましい形態である。また、ポインティングデバイス6が接触するので、スクリーン7、特に、表面71は、磨耗に強く、硬質のポリカーボネートなどの材質であることが望ましい。また、裏面72の微小傾斜反射構造73の反射角度と方向とをスクリーン7の場所により変化させ、投写レンズ17の射出瞳位置と、使用者3の顔付近を共役関係としたフレネル反射レンズ状にすることも有効であり、さらに明るく、周辺の他人からは画像が見にくいパーソナルユースに適したマンマシンインターフェイスシステム1を提供できる。
【0062】
図9に、画像入出力装置の異なる例を示してある。上記の画像入出力装置5ではベース20とヘッド10とが節あるいは関節のあるアーム19により連結されているが、この画像入出力装置5aにおいては、ヘッド10とベース20とが節あるいは関節のないアーム19で接続され、ヘッド19がアーム19の先端で回転できるようになっている。したがって、アーム19の先端におけるヘッド10の回転角度をエンコーダなどの角度検出センサ39により検出し、図9(a)に示したデスク2の上に投写するケースと、図9(b)に示した天井に投写するケースと、図9(c)に示した壁に投写するケースとして画像9を適宜反転させることにより、どの角度で画像を表示するときも正常な画像を投写することができる。
【0063】
図10に、本発明の画像入出力装置のさらに異なる例を示してある。この画像入出量装置5cは、ベース20から延びたアーム19の先端に、出力光学系を内蔵したプロジェクタ用のヘッド10と、入力光学系を内蔵したデジタルカメラ用のヘッド49とが隣接して取り付けられている。したがって、プロジェクタ用のヘッド10には、投写レンズ17が取り付けられており、デジタルカメラ用のヘッド49には対物レンズ48が取り付けられており、いずれもデスク2の上の同じエリアを向いている。このため、プロジェクタ用のヘッド10でデスク2の上に画像を表示でき、その画像が表示されたエリアからの光信号をデジタルカメラ用のヘッド49で受信することができる。
【0064】
また、本例のベース20の裏面には吸盤45が取り付けられており、デスク2の表面にベース20を吸着させて、ヘッド10および49を安定して保持できるようにしている。ベース20をデスク2に取り付ける手段は、吸盤45に限定されることはなく、スタンドなどにも採用されているクランプ形式の取り付け具を採用することも可能である。
【0065】
このように、本発明においては、デスク2の上などを被投写面とし、その一部を画像表示領域として画像を投写する新しいマンマシンインターフェイスシステム1を提供している。被投写面はデスク上の面に限定されることはなく、寝転がって作業をするのであれば、床やベッドの上が被投写面として機能するであろう。また、旅行中であれば、カバンの表面を被投写面として利用して作業することができる。さらに、壁や家具の面など、手近にあるどのような面でも被投写面として利用することが可能であり、時と場所を選ばずにインターフェイスシステムを構築することができる。そして、デスク2の上のように、水平な、あるいは水平に近い安定した面を被投写面とするのであれば、その上に画像を投写する画像入出力システム5は、被投写面に設置されるベース20と、それから延びたアーム19により空中で支持されるヘッド10とを設けることでセルフスタンディング型のインターフェイスシステムを構築できる。ベース20、アーム19およびヘッド10の形状は様々なものが採用でき、本発明の画像入出力装置は、画像をベースとするマンマシンインターフェイスシステムの一部としても、また、デスク2の上に配置される機能的なアートの一つとしても提供できる。さらに、ベース20の形態はさまざまであり、単独でデスク2の上に設置可能なものはもちろん、本棚の一部であっても良く、物入れや鉛筆立てなどと合体したデザインにすることも可能である。また、画像入力装置と組み合わせるポインティングデバイスも上述したペン型に限定されることはなく、マウス型やボール型であってももちろん良い。しかしながら、従来の手書きと同様の間隔で操作できるという点でペン型のポインティングデバイスは優れている。
【0066】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明のマンマシンインターフェイスシステムは、デスク上に画像を投写可能な出力光学系、および、この出力光学系でデスク上に投写された範囲からの光信号を取得可能な入力光学系を備えた画像入出力装置と、ペン型のポインティングデバイスであって、先端付近に入力光学系で取得可能な光信号を出力する光信号出力部を備えたポインティングデバイスとを有し、デスク上に画像を投写することにより情報を出力し、その画像に対しポインティングデバイスで指し示したり文字あるいは図形などを描くことにより情報を入力することができる。したがって、物としてのディスプレイは不要であり、机の上のスペースを広く使えると共に、あたかも直接画像に文字や絵をペンで書き込んでいるような使い方で、パーソナルコンピュータから情報を取得し、パーソナルコンピュータに情報を入力できる。このため、本発明により、だれにでも簡単に使いやすく、さらに、低消費電力で机の上のスペースを最大限利用できるマンマシンインターフェイスを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のマンマシンインターフェイスの概要を示す図である。
【図2】図2に示す画像入出力装置の概要を示す図である。
【図3】図2に示すポインティングデバイスの概要を示す図である。
【図4】図3と異なるポインティングデバイスの概要を示す図である。
【図5】ポインティングデバイスにより入力されたデータの処理の一例を示すフローチャートである。
【図6】台形ひずみを補正する様子を示す図である。
【図7】台形ひずみを補正する処理を示すフローチャートである。
【図8】スクリーンの概要を示す図である。
【図9】図2と異なる画像入出力装置の概要を示す図である。
【図10】さらに異なる画像入出力装置の概要を示す図である。
【符号の説明】
1  マンマシンインターフェイスシステム
2  デスク
3  ユーザ
5  画像入出力装置
6  ポインティングデバイス
7  スクリーン
8  パーソナルコンピュータ
9  投写された画像
10  画像入出力装置のヘッド部
11  ヘッドのハウジング
12  出力光学系
13  入力光学系
19  アーム
20  画像入出力装置のベース部
21  ベースのハウジング

Claims (28)

  1. 画像入出力装置と、
    指示端を備えたポインティングデバイスと、を有するマンマシンインターフェイスシステムであって、
    前記画像入出力装置は、
    被投写面に画像を投写可能な出力光学系と、前記被投写面の前記画像が投写される領域からの光信号を取得可能な入力光学系と、を備え、
    前記ポインティングデバイスは、前記指示端付近に前記入力光学系で取得可能な光信号を出力する光信号出力部を備えた、マンマシンインターフェイスシステム。
  2. 請求項1において、前記出力光学系は、デスク上を前記被投写面として前記画像を投写可能であり、前記ポインティングデバイスは、前記指示端を先端に持つペン型である、マンマシンインターフェイスシステム。
  3. 請求項1において、前記光信号出力部は、可視光領域外の波長の光を出力する、マンマシンインターフェイスシステム。
  4. 請求項1において、前記ポインティングデイバスは、前記光信号出力部から出力される前記光信号を変調可能な少なくとも1つの入力制御スイッチを備えている、マンマシンインターフェイスシステム。
  5. 請求項4において、前記入力制御スイッチは、前記光信号のパルスを変調する、マンマシンインターフェイスシステム。
  6. 請求項4において、前記入力制御スイッチは、前記光信号の波長を変える、マンマシンインターフェイスシステム。
  7. 請求項4において、前記入力制御スイッチは、前記ポインティングデバイスの先端側に配置されている、マンマシンインターフェイスシステム。
  8. 請求項1において、前記出力光学系により投写された画像の角が前記ポインティングデバイスによりドラッグされたことを、前記入力光学系を介して検出し、前記出力光学系の台形歪みを補正する歪み補正機能を有する、マンマシンインターフェイスシステム。
  9. 請求項1において、デスク上に設置可能なスクリーンであって、前記出力光学系の投写光を、デスクの使用者の眼の方向に反射するスクリーンを有する、マンマシンインターフェイスシステム。
  10. 請求項9において、前記スクリーンは、前記出力光学系の投写レンズの射出瞳からの投写光を、デスクの使用者の眼の方向に反射するように傾いた微小傾斜反射構造を備えている、マンマシンインターフェイスシステム。
  11. 請求項10において、前記スクリーンは、裏面が前記微小傾斜反射構造を備えた反射面であり、表面が微細凹凸を備えた拡散面である、マンマシンインターフェイスシステム。
  12. 光源と、この光源から射出された光を変調するライトバルブと、変調された光を投写する投写レンズとを備えた出力光学系を少なくとも収納した第1のハウジングと、
    電源装置を少なくとも収納した第2のハウジングと、
    これら第1のハウジングおよび第2のハウジングを連結する手段と、を有する画像出力装置。
  13. 請求項12において、前記連結する手段は、前記第2のハウジングをベースとして前記第1のハウジングを支持可能なアームである、画像出力装置。
  14. 請求項13において、前記出力光学系は、前記第2のハウジングが置かれた面に画像を投写可能である、画像出力装置。
  15. 請求項13において、前記第2のハウジングは、当該第2のハウジングを所定の表面に固定する手段を備えている、画像出力装置。
  16. 請求項13において、前記第2のハウジングには、前記出力光学系を制御する制御系が収納されている、画像出力装置。
  17. 請求項13において、前記第1のハウジングは、前記アームに回転可能に支持されており、前記出力光学系は反転した画像を投写可能である、画像出力装置。
  18. 請求項13において、前記出力光学系は、台形歪みを補正した画像を投写可能である、画像出力装置。
  19. 請求項12において、前記第1または第2のハウジングには、前記光源から出力される白色光を前記投写レンズから出力する照明モードを選択する切替スイッチが収納されている、画像出力装置。
  20. 請求項12において、前記光源は、固体発光素子を備えている、画像出力装置。
  21. 請求項12において、前記第1のハウジングに隣接して取り付けられ、前記出力光学系で投写された範囲からの光信号を取得可能な入力光学系を収納した第3のハウジングを有する、画像出力装置。
  22. 請求項12において、前記第1のハウジングには、前記出力光学系で投写された範囲からの光信号を取得可能な入力光学系が収納されている、画像出力装置。
  23. 請求項22において、前記入力光学系は、撮像デバイスと、前記投写レンズと前記ライトバルブとの間に設置され、前記投写レンズから入力された光信号を前記撮像デバイスに導く光分岐手段を備えている、画像出力装置。
  24. 画像を投写可能な出力光学系と、この出力光学系で投写された範囲からの光信号を取得可能な入力光学系とを備えた画像入出力装置と、
    指示端付近に前記入力光学系で取得可能な光信号を出力する光信号出力部を備えたポインティングデバイスと、を有するマンマシンインターフェイスシステムを制御するプログラムであって、
    前記出力光学系により投写された画像の角が前記ポインティングデバイスによりドラッグされたことを、前記入力光学系を介して検出し、前記出力光学系の台形歪みを補正する処理を実行可能な命令を有する、プログラム。
  25. 請求項24において、前記入力光学系を介して検出された前記ポインティングデバイスの位置あるいは軌跡を、前記出力光学系から投写される画像に反映する処理を実行可能な命令を有する、プログラム。
  26. デスク上に設置可能なスクリーンであって、ある方向に設置された投写レンズから出力された投写光を、デスクの使用者の眼の方向に反射するスクリーン。
  27. 請求項26において、前記投写レンズの射出瞳からの投写光を、デスクの使用者の眼の方向に反射するように傾いた微小傾斜反射構造を有するスクリーン。
  28. 請求項27において、裏面が前記微小傾斜反射構造を備えた反射面であり、表面が微細凹凸を備えた拡散面であるスクリーン。
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