JP2004126660A - 自動販売機 - Google Patents
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Abstract
【課題】所定の条件を満たしたときに景品を搬出できるようにすることで自動販売機の集客能力を高めて売り上げに貢献できる自動販売機を提供する。
【解決手段】モード切替器２７によって商品及び景品の搬出を可能とした第１〜第４モードと商品のみの搬出を可能とした第５モードの何れか１つを選択することができ、第５モードが選択された状態では硬貨または紙幣の投入と商品選択ボタン４の押圧に基づいて選択商品の販売を行う通常の商品販売を実行することができる。また、第１〜第４モードの何れかが選択された状態では所定の条件を満たしたときに景品搬出ユニット１５からの景品搬出を商品搬出と並行して或いは単独で実行することができる。
【選択図】 図１
【解決手段】モード切替器２７によって商品及び景品の搬出を可能とした第１〜第４モードと商品のみの搬出を可能とした第５モードの何れか１つを選択することができ、第５モードが選択された状態では硬貨または紙幣の投入と商品選択ボタン４の押圧に基づいて選択商品の販売を行う通常の商品販売を実行することができる。また、第１〜第４モードの何れかが選択された状態では所定の条件を満たしたときに景品搬出ユニット１５からの景品搬出を商品搬出と並行して或いは単独で実行することができる。
【選択図】 図１
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、硬貨または紙幣の投入と商品選択ボタンの押圧に基づいて選択商品の販売を行う自動販売機に関する。
【０００２】
【従来の技術】
容器入り飲料等の商品を販売する自動販売機にあってはその商品販売数の増加を図るために種々の試みが成されている。例えば、商品選択ボタンが押されたときに選択商品の販売を行うと共に抽選を行い、当選したときには再度商品選択ができるようにして商品を無償で提供できるようにしている。また、商品に貼り付けられたポイントシールや当たりシールをはがき等の専用シートに貼り付けて応募することでメーカー側から応募者に景品を提供するようにしている。
【０００３】
【特許文献１】
特開２０００−１３２７３６号公報
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前者の抽選方式は当選時に提供するものが商品であり当選確率を高く設定すると販売利益が低下する不具合が生じることから往々にして当選確率が下げられ、結果的に自動販売機の集客能力が低下する傾向にある。また、後者の応募方式はメーカー側においてポイントシールや当たりシールを商品に貼り付ける作業や応募されたものを調べる作業等が必要となるために経費が嵩む不具合があると共に、自動販売機以外でも同様の商品が販売されてしまうことから自動販売機の集客能力を高めるには至らない。
【０００５】
本発明は前記事情に鑑みて創作されたもので、その目的とするところは、所定の条件を満たしたときに景品を搬出できるようにすることで自動販売機の集客能力を高めて売り上げ向上に貢献できる自動販売機を提供することにある。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明は、商品の収納及び搬出を行う複数の商品搬出手段と、硬貨または紙幣の投入と商品選択ボタンの押圧に基づいて所定の商品搬出手段からの商品搬出を実行する商品搬出制御手段とを備えた自動販売機において、商品とは異なる景品の収納及び搬出を行う景品搬出手段と、所定の条件を満たしたときに景品搬出手段からの景品搬出を実行する景品搬出制御手段と、商品及び景品の搬出を可能としたモードと商品のみの搬出を可能としたモードの何れか一方を選択するためのモード切替手段とを備える、ことをその主たる特徴とする。
【０００７】
この自動販売機によれば、モード切替手段によって商品及び景品の搬出を可能としたモードと商品のみの搬出を可能としたモードの何れか一方を選択することができ、商品のみの搬出を可能としたモードが選択された状態では硬貨または紙幣の投入と商品選択ボタンの押圧に基づいて所定の商品搬出手段からの商品搬出を実行することができる。また、商品及び景品の搬出を可能としたモードが選択された状態では所定の条件を満たしたときに景品搬出手段からの景品搬出を商品搬出と並行して或いは単独で実行することができる。
【０００８】
景品搬出に係る所定の条件には、商品選択時に成される抽選による当選や、商品選択時における特定商品の選択や、商品選択時における特定商品の選択と特定商品以外の商品選択時に成される抽選による当選の何れか一方や、投入金額≧景品価格と景品選択ボタンの押圧を適宜採用することができ、各々の条件を満たしたときには商品とは異なる景品を商品と共に或いは単独で搬出することができる。
【０００９】
商品よりも安価なものを景品として用意すれば、当選確率を高めることは充分に可能で、しかも、特定商品が購入されたときにもれなく景品を提供できるし、また、景品の単独販売を可能とすれば景品のみを必要とする購買者の要求も満足することができ、これにより自動販売機の集客能力を格段向上させて売り上げ向上に大きく貢献できる。
【００１０】
本発明の前記目的とそれ以外の目的と、構成特徴と、作用効果は、以下の説明と添付図面によって明らかとなる。
【００１１】
【発明の実施の形態】
図１〜図１０は本発明の第１実施形態を示すもので、図１は自動販売機の正面図、図２は図１のＡ−Ａ線拡大断面図、図３は景品搬出ユニットの組み付け方法の説明図、図４（Ａ）及び図４（Ｂ）は景品搬出ユニットの動作説明図、図５は商品及び景品の搬出制御系の構成図、図６は商品及び景品の搬出に係る第１モードを示すフローチャート、図７は商品及び景品の搬出に係る第２モードを示すフローチャート、図８は商品及び景品の搬出に係る第３モードを示すフローチャート、図９は商品及び景品の搬出に係る第４モードを示すフローチャート、図１０は商品搬出に係る第５モードを示すフローチャートである。
【００１２】
まず、図１〜図４を参照して、自動販売機の全体構成と景品搬出ユニットの構成及び動作について説明する。
【００１３】
図１に示す自動販売機は、前面を開口した断熱性キャビネット（図示省略）を備える。キャビネット内に設けられたコラム室（図示省略）には複数のサーペンタイン式商品コラム（図示省略）が配置され、各商品コラムの下部にはソレノイド（図５の符号２４参照）を駆動源とし収納商品を１個宛搬出する商品搬出機構（図示省略）が設けられ、各商品搬出機構の下側には搬出商品を商品取出口１４に導く案内シュート（図示省略）が設けられている。
【００１４】
本実施形態では前記の商品コラム，商品搬出機構及びソレノイド２４によって商品の収納及び搬出を行う「商品搬出手段」が構成されており、各商品コラムには缶飲料や瓶飲料やペットボトル飲料等の容器入り飲料が商品として多数個収納されている。
【００１５】
また、案内シュートの下側または商品コラムの背面側には各商品コラムに収納されている商品を冷却または加温するための蒸発器，ヒータ及び送風機等（何れも図示省略）が配置され、キャビネット内のコラム室の下側に設けられた機械室（図示省略）には蒸発器と共に冷却ユニットを構成する圧縮機，凝縮器及び送風機等（何れも図示省略）が配置されている。
【００１６】
キャビネットの前面には図１に示すメインドア１が開閉自在に設けられている。メインドア１の前面上部には開口部１ａが形成されており、この開口部１ａには透明樹脂やガラス等から成る透明板２が取り付けられている。透明板２の背面側空間はサンプル室Ｒ１となっていて、サンプル室Ｒ１には前記商品コラムに収納された商品に対応したサンプル３が着脱自在に展示されている。
【００１７】
また、透明板２の前面側には各サンプル３に対応して商品選択ボタン４が配置され、透明板２の背面側には商品価格や冷却・加温状態等を示す表示部５が各サンプル３に対応して配置されている。
【００１８】
さらに、メインドア１の前面下部左側には開口部１ｂが形成されており、この開口部１ｂには透明樹脂やガラス等から成る透明板６が取り付けられている。透明板６の背面側空間は広告室Ｒ２となっていて、広告室Ｒ２には商品宣伝用のポスター７が着脱自在に掲示されている。
【００１９】
さらに、メインドア１の前面下部右側にはメインドア１用のロック８と硬貨投入口９と返却レバー１０と表示部１１と紙幣投入口１２が設けられ、これらよりも下側には硬貨返却口１３と商品取出口１４が設けられている。
【００２０】
さらに、メインドア１の前面下部中央には開口部１ｃが形成され、この開口部１ｃには景品搬出ユニット１５の前面部分が露出している。
【００２１】
前記景品搬出ユニット１５は、図２に示すように、本体１５ａと、透明樹脂やガラス等から成る透明板１５ｂと、開閉蓋１５ｃと、ランプ１５ｄと、上下位置に突起部を有する搬出レバー１５ｅと、カバー１５ｆと、景品選択ボタン１５ｇと、景品価格等を示す表示部１５ｈと、合成ゴム等から成る緩衝マット１５ｉとを備える。
【００２２】
本体１５ａは上面を開口していて、透明板１５ｂを取り付けるための窓穴１５ａ１をその前面に有している。本体１５ａの内部空間は景品収納室１５ａ２として構成され、景品収納室１５ａ２の底面１５ａ３は景品搬出口１５ａ４に向かって傾斜している。また、本体１５ａの背面には、搬出レバー１５ｅの上下突出部を景品収納室１５ａ２及び景品搬出口１５ａ４に向かって突出させるための孔１５ａ５が形成されている。さらに、本体１５ａの前面側の周囲にはネジ挿入孔が形成された取付フランジ１５ａ６が設けられ、その前面側には合成ゴム等から成るパッキンＰＡが設けられている。さらに、本体１５ａの前面下部には景品取出口１５ａ７が設けられ、その下端には景品１６の滑り落ちを防止するためのストッパ１５ａ８が設けられている。
【００２３】
前記透明板１５ｂは本体１５ａの窓穴１５ａ１に取り付けられ、前記開閉蓋１５ｃは本体１５ａの上面開口に開閉自在に取り付けられている。また、前記搬出レバー１５ｅは両突起部が孔１５ａ５を通じて内側に突出するように配置され、前記カバー１５ｆは搬出レバー１５ｅを覆い隠すように設けられている。さらに、搬出レバー１５ｅにはこれを所定の角度範囲で正逆回転させるためのソレノイド（図５の符号２６参照）が運動変換リンクを介して連結されている。さらに、前記景品選択ボタン１５ｇと前記表示部１５ｈは本体１５ａの前面部分に設けられている。さらに、前記緩衝マット１５ｉは本体１５ａの底面上に取り付けられ、搬出された景品１６を落下衝撃から保護する役目とその上面傾斜によって搬出された景品１６を景品取出口１５ａ７に向かって案内する役目を果たす。
【００２４】
本実施形態では前記の本体１５ａ，景品搬出機構（搬出レバー１５ｅ，運動変換リンク）及びソレノイド２６によって景品の収納及び搬出を行う「景品搬出手段」が構成されており、本体１５ａの景品収納室１５ａ２には人形や玩具やバッジ等の品物を容器に入れたものが販促用の景品１６として多数個収納されている。品物を入れる容器としては透明プラスチックから成る分割可能な球状ケースが好ましく使用されるが、容器の形状及び材質には特段制限はない。
【００２５】
前述の景品搬出ユニット１５をメインドア１の内側に取り付けるときには、図３に示すように、メインドア１に予め形成されている開口１ｃの背面側から景品搬出ユニット１５の前面部分を開口１ｃに挿入し、取付フランジ１５ａ６のネジ挿入孔を通じてネジＳＣをメインドア１の背面或いは背面に設けられたブラケット等にねじ込めば良い。取付フランジ１５ａ６とメインドア１の背面とはパッキンＰＡを介して接合するため、雨水等が開口１ｃを通じてメインドア１の内側に入り込むことはない。
【００２６】
勿論、ユニット取付後にネジＳＣを緩めれば景品搬出ユニット１５をメインドア１から取り除くことも可能であり、景品搬出ユニット１５を取り除いた場合にはユニット除去後にメインドア１の開口１ｃをその背面側または前面側から専用蓋板（図示省略）で塞げばよい。
【００２７】
メインドア１に開口１ｃが予め形成されていなくとも、メインドア１の前面に開口１ｃを形成するに充分なスペースがあり、しかも、その背面側に景品搬出ユニット１５を取り付けるに充分なスペースがある場合には、後加工によってメインドア１に開口１ｃを形成する作業を施すことによって、既存の自動販売機に前述の景品搬出ユニット１５を取り付けることもできる。
【００２８】
前述の景品搬出ユニット１５は図２に示した待機位置にある搬出レバー１５ｅを反時計回り方向の所定角度回転させて図４（Ａ）の状態とすることにより、搬出レバー１５ｅの下側突起部によって落下を規制されていた景品１６を景品搬出口１５ａ４から１個だけ緩衝マット１５ｉ上に自重落下させ、後続の景品１６の落下を搬出レバー１５ｅの上側突起部によって規制することができる。ちなみに、緩衝マット１５ｉ上に自重落下した景品１６は緩衝マット１５ｉの上面傾斜により景品取出口１５ａ７に向かって案内され、ストッパ１５ａ８に接したところで停止する。また、図４（Ａ）に示した搬出位置にある搬出レバー１５ｅを時計回り方向に所定角度回転させて復帰させ図４（Ｂ）の状態とすることにより、後続の景品１６の落下を搬出レバー１５ｅの下側突起部によって規制することができる。
【００２９】
次に、図５を参照して、自動販売機における商品及び景品の搬出に係る制御系構成について説明する。
【００３０】
図５中の符号４はメインドア１に設けられた商品選択ボタン、符号１５ｇは景品搬出ユニット１５に設けられた景品選択ボタン、符号２１は図１に示したメインドア１の背面側に設けられた金銭処理機、符号２２はマイクロコンピュータ構成の制御部、符号２３は商品搬出駆動部、符号２４は各商品コラムの商品搬出機構を駆動するソレノイド、符号２５は景品搬出駆動部、符号２６は景品搬出ユニット１５の景品搬出機構（搬出レバー１５ｅ，運動変換リンク）を駆動するソレノイド、符号２７は４種類の販売モードを手動によって切り替えるためのモード切替器である。
【００３１】
金銭処理機２１は、メインドア１の硬貨投入口９を通じて投入された硬貨の真偽と紙幣投入口１２を通じて投入された紙幣の真偽を検出すると共に、投入された金額を計数して投入金額に相当する信号を制御部２２に送出する。
【００３２】
制御部２２は、商品及び景品の搬出に係る４種類のプログラムをメモリに記憶しており、モード切替器２７からのモード切替信号に基づいて使用すべきプログラムを選択する。この制御部２２は、選択プログラムに従い、金銭処理機２１及び商品選択ボタン４からの信号に基づいて商品搬出信号を商品搬出駆動部２３に送出すると共に、所定の条件が満足されたときに景品搬出信号を景品搬出駆動部２５に送出する。
【００３３】
商品搬出駆動部２３は、制御部２２からの商品搬出信号に基づいて所定の商品コラムの商品搬出機構を動作させるための信号をソレノイド２４に送出する。景品搬出駆動部２５は、制御部２２から景品搬出信号に基づいて景品搬出ユニット１５の景品搬出機構（搬出レバー１５ｅ，運動変換リンク）を動作させるための信号をソレノイド２６に送出する。
【００３４】
モード切替器２７はダイヤルやスイッチ等の手動切替器を備え、手動切替器の切替位置に応じたモード切替信号を制御部２２に送出する。
【００３５】
次に、図６〜図１０を参照して、前述の自動販売機で実行可能な４種類の販売モードについて説明する。
【００３６】
前述の自動販売機は、モード切替器２７によって５種類の販売モードを選択的に実行することができる。詳しくは、商品選択が成されたときに抽選を行って当選の場合に景品を選択商品と共に搬出する第１モードと、特定商品が選択されたときにもれなく景品を選択商品と共に搬出する第２モードと、特定商品が選択されたときにもれなく景品を選択商品と共に搬出し、また、特定商品以外の商品選択が成されたときに抽選を行って当選の場合に景品を選択商品と共に搬出する第３モードと、景品を他の商品と同様に所定金額で販売する第４モードと、景品搬出ユニット１５を使用しないときや景品搬出ユニット１５を外したときに商品のみの通常販売を行う第５モードを選択的に実行することができる。
【００３７】
第１モードが選択されている場合には、図６に示すように、まず、硬貨投入口９または紙幣投入口１２を通じて投入された金額が商品価格以上であるか否かを判別し、続いて、商品選択ボタン４の押圧により商品選択が成されたか否かを判別する（図６のステップＳ１，Ｓ２）。
【００３８】
投入金額が商品価格以上で、且つ、商品選択が成された場合には、選択商品を収納する商品コラムの商品搬出機構を動作させて商品搬出を行う（図６のステップＳ３）。所定の商品コラムから搬出された商品は案内シュートを通じて商品取出口１４に導かれる。
【００３９】
この商品搬出とほぼ同時に所定の抽選プログラムによって抽選を行い、当選の場合には景品搬出ユニット１５の前面ランプ１５ｄの点滅や音声等により当選を購買者に報知し、景品搬出ユニット１５の景品搬出機構を動作させて景品搬出を行う（図６のステップＳ４〜Ｓ７）。
【００４０】
尚、ステップＳ４における抽選は図６のステップＳ２とＳ３の間で行うようにしても前記同様の搬出動作を行うことができる。また、ステップＳ４における抽選は特定商品、例えば、新発売商品やおすすめ商品等に対応する商品選択ボタン４が押圧されたときのみ行うようにしても構わない。この場合には、特定商品を購入したときだけ抽選が行われる旨を記したステッカー等の表示物をメインドア１に貼り付けるか、その旨を記した表示物を広告室Ｒ２に掲示しておくことが望ましい。
【００４１】
第２モードが選択されている場合には、図７に示すように、まず、硬貨投入口９または紙幣投入口１２を通じて投入された金額が商品価格以上であるか否かを判別し、続いて、商品選択ボタン４の押圧により商品選択が成されたか否かを判別する（図７のステップＳ１１，Ｓ１２）。
【００４２】
投入金額が商品価格以上で、且つ、商品選択が成された場合には、選択商品が特定商品、例えば新発売商品やおすすめ商品等であるか否かを判別し、特定商品である場合には景品搬出ユニット１５の前面ランプ１５ｄの点滅や音声等により景品搬出を購買者に報知し、景品搬出ユニット１５の景品搬出機構を動作させて景品搬出を行う（図７のステップＳ１３〜Ｓ１５）。また、この景品搬出とほぼ同時に、選択商品を収納する商品コラムの商品搬出機構を動作させて商品搬出を行う（図７のステップＳ１６）。所定の商品コラムから搬出された商品は案内シュートを通じて商品取出口１４に導かれる。
【００４３】
前記ステップＳ１３で特定商品でないと判別された場合には、景品搬出は行わずに、選択商品を収納する商品コラムの商品搬出機構を動作させて商品搬出のみを行う（図７のステップＳ１６）。
【００４４】
尚、ステップＳ１６における商品搬出は図７のステップＳ１２とＳ１３との間で行うようにしても前記同様の搬出動作を行うことができる。また、第２モードのように特定商品を購入したときにもれなく景品を搬出する場合には、特定商品を購入したときだけ景品搬出が行われる旨を記したステッカー等の表示物をメインドア１に貼り付けるか、その旨を記した表示物を広告室Ｒ２に掲示しておくことが望ましい。
【００４５】
第３モードが選択されている場合には、図８に示すように、まず、硬貨投入口９または紙幣投入口１２を通じて投入された金額が商品価格以上であるか否かを判別し、続いて、商品選択ボタン４の押圧により商品選択が成されたか否かを判別する（図８のステップＳ２１，Ｓ２２）。
【００４６】
投入金額が商品価格以上で、且つ、商品選択が成された場合には、選択商品が特定商品、例えば新発売商品やおすすめ商品等であるか否かを判別し、特定商品である場合には景品搬出ユニット１５の前面ランプ１５ｄの点滅や音声等により景品搬出を購買者に報知し、景品搬出ユニット１５の景品搬出機構を動作させて景品搬出を行う（図８のステップＳ２３〜Ｓ２５）。また、この景品搬出とほぼ同時に、選択商品を収納する商品コラムの商品搬出機構を動作させて商品搬出を行う（図８のステップＳ２６）。所定の商品コラムから搬出された商品は案内シュートを通じて商品取出口１４に導かれる。
【００４７】
前記ステップＳ２３で特定商品でないと判別された場合、即ち、特定商品以外の商品が選択された場合には、所定の抽選プログラムによって抽選を行い、当選の場合には景品搬出ユニット１５の前面ランプ１５ｄの点滅や音声等により当選を購買者に報知し、景品搬出ユニット１５の景品搬出機構を動作させて景品搬出を行う（図８のステップＳ２７〜Ｓ３０）。また、この景品搬出とほぼ同時に、選択商品を収納する商品コラムの商品搬出機構を動作させて商品搬出を行う（図８のステップＳ２６）。所定の商品コラムから搬出された商品は案内シュートを通じて商品取出口１４に導かれる。
【００４８】
尚、ステップＳ２６における商品搬出は図８のステップＳ２２とＳ２３との間で行うようにしても前記同様の搬出動作を行うことができる。また、第３モードのように特定商品を購入したときにもれなく景品を搬出する場合には、特定商品を購入したときだけ景品搬出が行われる旨を記したステッカー等の表示物をメインドア１に貼り付けるか、その旨を記した表示物を広告室Ｒ２に掲示しておくことが望ましい。
【００４９】
第４モードが選択されている場合には、図９に示すように、まず、硬貨投入口９または紙幣投入口１２を通じて投入された金額が商品価格以上であるか否かを判別し、続いて、商品選択ボタン４の押圧により商品選択が成されたか否かを判別する（図９のステップＳ３１，Ｓ３２）。
【００５０】
投入金額が商品価格以上で、且つ、商品選択が成された場合には、選択商品を収納する商品コラムの商品搬出機構を動作させて商品搬出を行う（図９のステップＳ３３）。所定の商品コラムから搬出された商品は案内シュートを通じて商品取出口１４に導かれる。
【００５１】
前記と並行し、硬貨投入口９または紙幣投入口１２を通じて投入された金額が景品価格以上であるか否かを判別し、続いて、景品選択ボタン１５ｇの押圧により景品選択が成されたか否かを判別する（図９のステップＳ３４，Ｓ３５）。
【００５２】
投入金額が景品価格以上で、且つ、景品選択が成された場合には、景品搬出ユニット１５の前面ランプ１５ｄの点滅や音声等により当選を購買者に報知し、景品搬出ユニット１５の景品搬出機構を動作させて景品搬出を行う（図９のステップＳ３６，Ｓ３７）。
【００５３】
第５モードが選択されている場合には、図１０に示すように、まず、硬貨投入口９または紙幣投入口１２を通じて投入された金額が商品価格以上であるか否かを判別し、続いて、商品選択ボタン４の押圧により商品選択が成されたか否かを判別する（図１０のステップＳ４１，Ｓ４２）。
【００５４】
投入金額が商品価格以上で、且つ、商品選択が成された場合には、選択商品を収納する商品コラムの商品搬出機構を動作させて商品搬出を行う（図１０のステップＳ４３）。所定の商品コラムから搬出された商品は案内シュートを通じて商品取出口１４に導かれる。
【００５５】
この第１実施形態の自動販売機によれば、モード切替器２７によって商品及び景品の搬出を可能とした第１〜第４モードと商品のみの搬出を可能とした第５モードの何れか１つを選択することができ、第５モードが選択された状態では硬貨または紙幣の投入と商品選択ボタン４の押圧に基づいて選択商品の販売を行う通常の商品販売を実行することができる。また、第１〜第４モードの何れかが選択された状態では所定の条件を満たしたときに景品搬出ユニット１５からの景品搬出を商品搬出と並行して或いは単独で実行することができる。
【００５６】
景品搬出に係る所定の条件には、商品選択時に成される抽選による当選（第１モード）や、商品選択時における特定商品の選択（第２モード）や、商品選択時における特定商品の選択と特定商品以外の商品選択時に成される抽選による当選の何れか一方（第３モード）や、投入金額≧景品価格と景品選択ボタンの押圧（第４モード）を適宜採用することができ、各々の条件を満たしたときには商品とは異なる景品１６を商品と共に或いは単独で搬出することができる。
【００５７】
商品よりも安価なものを景品１６として用意すれば、第１モードや第３モードにおいて当選確率を高めることは充分に可能で、しかも、第２モードや第３モードのように特定商品が購入されたときにもれなく景品を提供できるし、また、第４モードのように景品の単独販売を可能とすれば景品のみを必要とする購買者の要求も満足することができ、これにより自動販売機の集客能力を格段向上させて売り上げ向上に大きく貢献できる。
【００５８】
また、モード切替器２７によって５種類の販売モードを選択的に実行できるので、自動販売機の設置場所や商品の販売戦略等に応じた商品及び景品搬出方法を適切且つ簡単に選ぶことができる。
【００５９】
さらに、景品搬出ユニット１５の透明板１５ｂをメインドア１の開口１ｃを通じて外部に露出させ、景品収納室１５ａ２内に収納されている景品１６及びその中身を外部から視認できるようにしてあるので、視覚効果により自動販売機の集客能力をより高めることができる。
【００６０】
さらに、第４モードの場合には商品の販売機能と景品１６の販売機能の両方を自動販売機に持たせることができるので、景品１６を販売するための専用機の設置を不要にして機器設置スペースの有効利用を図ることができる。
【００６１】
さらに、メインドア１に開口１ｃが予め形成されていなくとも後加工によってメインドア１に開口１ｃを形成する作業を施すことによって既存の自動販売機に景品搬出ユニット１５を取り付けることができるので、景品搬出機能を有しない既存の自動販売機に同機能を簡単に付与できると共に、既存の自動販売機を集客能力の高いものに改変することができる。
【００６２】
図１１は本発明の第２実施形態を示すもので、前述の第１実施形態の自動販売機と異なるところは、広告室Ｒ２の透明板６’に開口１ｄを形成し、この開口１ｄの背面側から景品搬出ユニット１５の前面部分を開口１ｃに挿入し、取付フランジ１５ａ６のネジ挿入孔を通じてネジＳＣをメインドア１の背面或いは背面に設けられたブラケット等にねじ込むことで、景品搬出ユニット１５をメインドア１に取り付けた点にある。他の構成は第１実施形態の自動販売機と同じであるためその説明を省略する。
【００６３】
この第２実施形態の自動販売機によれば、メインドア１に広告室Ｒ２用開口１ｂ’が大きく設けられていて、第１実施形態のようにメインドア１の前面に景品搬出ユニット１５用の開口１ｃを形成するスペースが存しない場合でも、広告室Ｒ２の透明板６’を利用して景品搬出ユニット１５をメインドア１に取り付けることができる。他の作用効果は第１実施形態の自動販売機と同じである。
【００６４】
図１２及び図１３は本発明の第３実施形態を示すもので、前述の第１実施形態の自動販売機と異なるところは、景品取出口を前面に有しない景品搬出ユニット１７を使用した点と、メインドア１に設けた景品搬出ユニット１７取付用の開口１ｃ’を第１実施形態の開口１ｃよりも小さくした点と、景品搬出ユニット１７の景品搬出口１７ａ４を下方に延長して商品取出口１４に連通させた点にある。他の構成は第１実施形態の自動販売機と同じであるためその説明を省略する。尚、商品取出口１４の底面には、景品搬出ユニット１７から景品搬出口１７ａ４を通じて搬出された景品１６を落下衝撃から保護するための合成ゴム等から成る緩衝マット（図示省略）が設けられている。
【００６５】
前記景品搬出ユニット１７は、図１３に示すように、本体１７ａと、透明樹脂やガラス等から成る透明板１７ｂと、開閉蓋１７ｃと、ランプ１７ｄと、上下位置に突起部を有する搬出レバー１７ｅと、カバー１７ｆと、景品選択ボタン１７ｇと、景品価格等を示す表示部１７ｈとを備える。
【００６６】
本体１７ａは上面を開口していて、透明板１７ｂを取り付けるための窓穴１７ａ１をその前面に有している。本体１７ａの内部空間は景品収納室１７ａ２として構成され、景品収納室１７ａ２の底面１７ａ３は景品搬出口１７ａ４に向かって傾斜している。また、本体１７ａの背面には、搬出レバー１７ｅの上下突出部を景品収納室１７ａ２及び景品搬出口１７ａ４に向かって突出させるための孔１７ａ５が形成されている。さらに、本体１７ａの前面側の周囲にはネジ挿入孔が形成された取付フランジ１７ａ６が設けられ、その前面側には合成ゴム等から成るパッキンＰＡが設けられている。
【００６７】
前記透明板１７ｂは本体１７ａの窓穴１７ａ１に取り付けられ、前記開閉蓋１７ｃは本体１７ａの上面開口に開閉自在に取り付けられている。また、前記搬出レバー１７ｅは両突起部が孔１７ａ５を通じて内側に突出するように配置され、前記カバー１７ｆは搬出レバー１７ｅを覆い隠すように設けられている。さらに、搬出レバー１７ｅにはこれを所定の角度範囲で正逆回転させるためのソレノイドが運動変換リンクを介して連結されている。この搬出レバー１７ｅの正逆回転による商品搬出動作は第１実施形態の景品搬出ユニット１５と同じであるためその説明を省略する。さらに、前記景品選択ボタン１７ｇと前記表示部１７ｈは本体１７ａの前面部分に設けられている。
【００６８】
本実施形態では前記の本体１７ａ，景品搬出機構（搬出レバー１７ｅ，運動変換リンク）及びソレノイドによって景品の収納及び搬出を行う「景品搬出手段」が構成されており、本体１７ａの景品収納室１７ａ２には人形や玩具やバッジ等の品物を容器に入れたものが販促用の景品１６として多数個収納されている。品物を入れる容器としては透明プラスチックから成る分割可能な球状ケースが好ましく使用されるが、容器の形状及び材質には特段制限はない。
【００６９】
前述の景品搬出ユニット１７をメインドア１に取り付けるときには、図１３に示すように、メインドア１に予め形成されている開口１ｃ’の背面側から景品搬出ユニット１７の前面部分を開口１ｃ’に挿入し、取付フランジ１７ａ６のネジ挿入孔を通じてネジＳＣをメインドア１の背面或いは背面に設けられたブラケット等にねじ込むと共に、景品搬出口１７ａ４の下端を商品取出口１４に連通させれば良い。取付フランジ１７ａ６とメインドア１の背面とはパッキンＰＡを介して接合するため、雨水等が開口１ｃ’を通じてメインドア１の内側に入り込むことはない。
【００７０】
勿論、ユニット取付後にネジＳＣを緩めれば景品搬出ユニット１７をメインドア１から取り除くことも可能であり、景品搬出ユニット１７を取り除いた場合にはユニット除去後にメインドア１の開口１ｃ’をその背面側または前面側から専用蓋板（図示省略）で塞げばよい。
【００７１】
メインドア１に開口１ｃ’が予め形成されていなくとも、メインドア１の前面に開口１ｃ’を形成するに充分なスペースがあり、しかも、その背面側に景品搬出ユニット１７を取り付けるに充分なスペースがある場合には、後加工によってメインドア１に開口１ｃ’を形成する作業を施すことによって、既存の自動販売機に前述の景品搬出ユニット１７を取り付けることもできる。
【００７２】
この第３実施形態の自動販売機によれば、景品搬出ユニット１７から景品搬出口１７ａ４を通じて商品取出口１４に景品１６を搬出するようにしてあるので、専用の景品取出口を設ける必要がなく、商品と同じように景品１６を商品取出口１４から取り出すことができる。また、景品取出口を前面に有しない景品搬出ユニット１７を使用してあるので、前面の景品販売口を通じてユニット内部に悪戯をされる危険性を回避することができる。他の作用効果は第１実施形態の自動販売機と同じである。
【００７３】
図１４及び図１５は本発明の第４実施形態を示すもので、前述の第１実施形態の自動販売機と異なるところは、透明板を前面に有しない商品搬出ユニット１８を使用した点と、商品搬出ユニット１８に収納されている景品１６またはそのサンプルをサンプル３と同様にサンプル室Ｒ１に展示した点にある。他の構成は第１実施形態の自動販売機と同じであるためその説明を省略する。
【００７４】
前記景品搬出ユニット１８は、図１５に示すように、本体１８ａと、開閉蓋１８ｃと、ランプ１８ｄと、上下位置に突起部を有する搬出レバー１８ｅと、カバー１８ｆと、景品選択ボタン１８ｇと、景品価格等を示す表示部１８ｈと、合成ゴム等から成る緩衝マット１８ｉとを備える。
【００７５】
本体１８ａは上面を開口している。本体１８ａの内部空間は景品収納室１８ａ２として構成され、景品収納室１８ａ２の底面１８ａ３は景品搬出口１８ａ４に向かって傾斜している。また、本体１８ａの背面には、搬出レバー１８ｅの上下突出部を景品収納室１８ａ２及び景品搬出口１８ａ４に向かって突出させるための孔１８ａ５が形成されている。さらに、本体１８ａの前面側の周囲にはネジ挿入孔が形成された取付フランジ１８ａ６が設けられ、その前面側には合成ゴム等から成るパッキンＰＡが設けられている。さらに、本体１８ａの前面下部には景品取出口１８ａ７が設けられ、その下端には景品１６の滑り落ちを防止するためのストッパ１８ａ８が設けられている。
【００７６】
前記開閉蓋１８ｃは本体１８ａの上面開口に開閉自在に取り付けられている。また、前記搬出レバー１８ｅは両突起部が孔１８ａ５を通じて内側に突出するように配置され、前記カバー１８ｆは搬出レバー１８ｅを覆い隠すように設けられている。さらに、搬出レバー１８ｅにはこれを所定の角度範囲で正逆回転させるためのソレノイドが運動変換リンクを介して連結されている。この搬出レバー１８ｅの正逆回転による商品搬出動作は第１実施形態の景品搬出ユニット１５と同じであるためその説明を省略する。さらに、前記景品選択ボタン１８ｇと前記表示部１８ｈは本体１８ａの前面部分に設けられている。
【００７７】
本実施形態では前記の本体１８ａ，景品搬出機構（搬出レバー１８ｅ，運動変換リンク）及びソレノイドによって景品の収納及び搬出を行う「景品搬出手段」が構成されており、本体１８ａの景品収納室１８ａ２には人形や玩具やバッジ等の品物を容器に入れたものが販促用の景品１６として多数個収納されている。品物を入れる容器としては透明プラスチックから成る分割可能な球状ケースが好ましく使用されるが、容器の形状及び材質には特段制限はない。
【００７８】
前述の景品搬出ユニット１８をメインドア１に取り付けるときには、図１５に示すように、メインドア１に予め形成されている開口１ｃの背面側から景品搬出ユニット１８の前面部分を開口１ｃに挿入し、取付フランジ１８ａ６のネジ挿入孔を通じてネジＳＣをメインドア１の背面或いは背面に設けられたブラケット等にねじ込めば良い。取付フランジ１８ａ６とメインドア１の背面とはパッキンＰＡを介して接合するため、雨水等が開口１ｃを通じてメインドア１の内側に入り込むことはない。
【００７９】
勿論、ユニット取付後にネジＳＣを緩めれば景品搬出ユニット１８をメインドア１から取り除くことも可能であり、景品搬出ユニット１８を取り除いた場合にはユニット除去後にメインドア１の開口１ｃをその背面側または前面側から専用蓋板（図示省略）で塞げばよい。
【００８０】
メインドア１に開口１ｃが予め形成されていなくとも、メインドア１の前面に開口１ｃを形成するに充分なスペースがあり、しかも、その背面側に景品搬出ユニット１８を取り付けるに充分なスペースがある場合には、後加工によってメインドア１に開口１ｃを形成する作業を施すことによって、既存の自動販売機に前述の景品搬出ユニット１８を取り付けることもできる。
【００８１】
この第４実施形態の自動販売機によれば、景品１６またはそのサンプルをサンプル３と同様にサンプル室Ｒ１に展示して外部から視認できるようにしてあるので、視覚効果により集客能力を高めて売り上げに大きく貢献することができる。また、透明板を前面に有しない商品搬出ユニット１８を使用してあるので、前面の透明板を通じてユニット内部に悪戯をされる危険性を回避することができる。他の作用効果は第１実施形態の自動販売機と同じである。
【００８２】
図１６は本発明の第５実施形態を示すもので、前述の第４実施形態の自動販売機と異なるところは、景品選択ボタン１８ｇと表示部１８ｈを前面に有しない商品搬出ユニット１８’を使用した点と、サンプル室Ｒ１に展示した景品１６またはそのサンプルに対応する商品選択ボタン４を景品選択用のボタンとして使用した点と、サンプル室Ｒ１内の表示部５に景品価格等を表示した点にある。他の構成は第４実施形態の自動販売機と同じであるためその説明を省略する。
【００８３】
この第５実施形態の自動販売機によれば、サンプル室Ｒ１に展示した景品１６またはそのサンプルに対応して配されたボタン４を用いて第３モードを実行しているときの景品選択を行うことができ、展示されている景品１６またはそのサンプルを見ながら好みの景品を購入することができる。他の作用効果は第４実施形態の自動販売機と同じである。
【００８４】
図１７及び図１８は本発明の第６実施形態を示すもので、前述の第１実施形態の自動販売機と異なるところは、ランプ，景品取出口，景品選択ボタン及び表示部を前面に有しない商品搬出ユニット１９を使用した点と、メインドア１から景品搬出ユニット取付用の開口を除外した点と、商品搬出ユニット１７の景品搬出口１９ａ４を下方に延長して商品取出口１４に連通させた点と、商品搬出ユニット１９に収納されている景品１６またはそのサンプルをサンプル３と同様にサンプル室Ｒ１に展示した点と、サンプル室Ｒ１に展示した景品１６またはそのサンプルに対応する商品選択ボタン４を景品選択用のボタンとして使用した点と、サンプル室Ｒ１内の表示部５に景品価格等を表示した点にある。他の構成は第１実施形態の自動販売機と同じであるためその説明を省略する。尚、商品取出口１４の底面には、景品搬出ユニット１９から景品搬出口１９ａ４を通じて搬出された景品１６を落下衝撃から保護するための合成ゴム等から成る緩衝マット（図示省略）が設けられている。
【００８５】
前記景品搬出ユニット１９は、図１８に示すように、本体１９ａと、開閉蓋１９ｃと、上下位置に突起部を有する搬出レバー１９ｅと、カバー１９ｆとを備える。
【００８６】
本体１９ａは上面を開口している。本体１９ａの内部空間は景品収納室１９ａ２として構成され、景品収納室１９ａ２の底面１９ａ３は景品搬出口１９ａ４に向かって傾斜している。また、本体１９ａの背面には、搬出レバー１９ｅの上下突出部を景品収納室１９ａ２及び景品搬出口１９ａ４に向かって突出させるための孔１９ａ５が形成されている。さらに、本体１９ａの前面側の周囲にはネジ挿入孔が形成された取付フランジ１９ａ６が設けられ、その前面側には合成ゴム等から成るパッキンＰＡが設けられている。
【００８７】
前記開閉蓋１９ｃは本体１９ａの上面開口に開閉自在に取り付けられている。また、前記搬出レバー１９ｅは両突起部が孔１９ａ５を通じて内側に突出するように配置され、前記カバー１９ｆは搬出レバー１９ｅを覆い隠すように設けられている。さらに、搬出レバー１９ｅにはこれを所定の角度範囲で正逆回転させるためのソレノイドが運動変換リンクを介して連結されている。この搬出レバー１９ｅの正逆回転による商品搬出動作は第１実施形態の景品搬出ユニット１５と同じであるためその説明を省略する。
【００８８】
本実施形態では前記の本体１９ａ，景品搬出機構（搬出レバー１９ｅ，運動変換リンク）及びソレノイドによって景品の収納及び搬出を行う「景品搬出手段」が構成されており、本体１９ａの景品収納室１９ａ２には人形や玩具やバッジ等の品物を容器に入れたものが販促用の景品１６として多数個収納されている。品物を入れる容器としては透明プラスチックから成る分割可能な球状ケースが好ましく使用されるが、容器の形状及び材質には特段制限はない。
【００８９】
前述の景品搬出ユニット１９をメインドア１に取り付けるときには、図１８に示すように、取付フランジ１９ａ６のネジ挿入孔を通じてネジＳＣをメインドア１の背面或いは背面に設けられたブラケット等にねじ込むと共に、景品搬出口１９ａ４の下端を商品取出口１４に連通させれば良い。
【００９０】
勿論、ユニット取付後にネジＳＣを緩めれば景品搬出ユニット１９をメインドア１から取り除くことも可能である。
【００９１】
この第６実施形態の自動販売機によれば、景品搬出ユニット１９から景品搬出口１９ａ４を通じて商品取出口１４に景品１６を搬出するようにしてあるので、専用の景品取出口を設ける必要がなく、商品と同じように景品１６を商品取出口１４から取り出すことができる。また、景品搬出ユニット１７がメインドア１から露出していないので、露出部分を通じてユニット内部に悪戯をされる危険性を回避することができる。さらに、景品１６またはそのサンプルをサンプル３と同様にサンプル室Ｒ１に展示して外部から視認できるようにしてあるので、視覚効果により集客能力を高めて売り上げに大きく貢献することができる。さらに、サンプル室Ｒ１に展示した景品１６またはそのサンプルに対応して配されたボタン４を用いて第３モードを実行しているときの景品選択を行うことができ、展示されている景品１６またはそのサンプルを見ながら好みの景品を購入することができる。他の作用効果は第１実施形態の自動販売機と同じである。
【００９２】
以上、第１〜第６実施形態では、モード切替器２７によって５種類の販売モードを選択的に実行できるようにしたが、５種類の販売モードは必ずしも必要なものではなく、第１〜第４モードの１つ，２つ或いは３つと第５モードを実行できれば所期の目的を充分に達成できるし、実行可能なモードは自動販売機の設置場所や商品の販売戦略等に応じて適宜選択して構わない。
【００９３】
また、第１〜第６実施形態では、景品搬出ユニット１５，１７，１８，１８’，１９をメインドア１に取り付けたものを示したが、景品１６の容器形態をサーペンタイン式商品コラムに収納可能な形態とし、この景品１６を商品コラムに収納して商品と同じように商品搬出機構によって搬出するようにすれば、景品搬出ユニットを用いなくとも第１〜第４モードにおける景品搬出を行うことができる。換言すれば、景品搬出ユニットを取り付けるスペースがメインドアの背面にないよう場合でも、商品コラムを景品収納室として利用することで景品の収納及び搬出を行うことが可能である。
【００９４】
さらに、第１〜第６実施形態では、景品搬出機構を構成する搬出レバー１５ｅ，１７ｅ，１８ｅ，１９ｅとして上下位置に突起部を有するものを示したが、景品を１個宛搬出できるものであれば搬出レバーとして他の形状のものを使用しても構わないし、搬出レバーを有しない周知の搬出機構を景品搬出機構として使用してもよい。
【００９５】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、所定の条件を満たしたときに景品を搬出できるようにすることで自動販売機の集客能力を高めて売り上げに大きく貢献できる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の第１実施形態に係る自動販売機の正面図
【図２】図１のＡ−Ａ線拡大断面図
【図３】図１に示した景品搬出ユニットの組み付け方法の説明図
【図４】図１に示した景品搬出ユニットの動作説明図
【図５】図１に示した自動販売機における商品及び景品の搬出制御系の構成図
【図６】商品及び景品の搬出に係る第１モードを示すフローチャート
【図７】商品及び景品の搬出に係る第２モードを示すフローチャート
【図８】商品及び景品の搬出に係る第３モードを示すフローチャート
【図９】商品及び景品の搬出に係る第４モードを示すフローチャート
【図１０】商品搬出に係る第５モードを示すフローチャート
【図１１】本発明の第２実施形態に係る自動販売機の正面図
【図１２】本発明の第３実施形態に係る自動販売機の正面図
【図１３】図１２のＢ−Ｂ線拡大断面図
【図１４】本発明の第４実施形態に係る自動販売機の正面図
【図１５】図１４のＣ−Ｃ線拡大断面図
【図１６】本発明の第５実施形態に係る自動販売機の正面図
【図１７】本発明の第６実施形態に係る自動販売機の正面図
【図１８】図１７のＤ−Ｄ線拡大断面図
【符号の説明】
１…メインドア、１ｃ，１ｃ’，１ｄ…開口、Ｒ１…サンプル室、３…サンプル、４…商品選択ボタン、Ｒ２…広告室、９…硬貨投入口、１２…紙幣投入口、１４…商品取出口、１５…景品搬出ユニット、１５ａ…本体、１５ａ１…窓穴、１５ａ２…景品収納室、１５ａ４…景品搬出口、１５ａ７…景品取出口、１５ｂ…透明板、１５ｅ…搬出レバー、１５ｇ…景品選択ボタン、１６…景品、１７…景品搬出ユニット、１７ａ…本体、１７ａ１…窓穴、１７ａ２…景品収納室、１７ａ４…景品搬出口、１７ｂ…透明板、１７ｅ…搬出レバー、１７ｇ…景品選択ボタン、１８，１８’…景品搬出ユニット、１８ａ…本体、１８ａ２…景品収納室、１８ａ４…景品搬出口、１８ａ７…景品取出口、１８ｅ…搬出レバー、１８ｇ…景品選択ボタン、１９…景品搬出ユニット、１９ａ…本体、１９ａ２…景品収納室、１９ａ４…景品搬出口、１９ｅ…搬出レバー、２１…金銭処理機、２２…制御部、２３…商品搬出駆動部、２４…商品搬出機構用のソレノイド、２５…景品搬出駆動部、２６…景品搬出機構用のソレノイド、２７…モード切替器。
【発明の属する技術分野】
本発明は、硬貨または紙幣の投入と商品選択ボタンの押圧に基づいて選択商品の販売を行う自動販売機に関する。
【０００２】
【従来の技術】
容器入り飲料等の商品を販売する自動販売機にあってはその商品販売数の増加を図るために種々の試みが成されている。例えば、商品選択ボタンが押されたときに選択商品の販売を行うと共に抽選を行い、当選したときには再度商品選択ができるようにして商品を無償で提供できるようにしている。また、商品に貼り付けられたポイントシールや当たりシールをはがき等の専用シートに貼り付けて応募することでメーカー側から応募者に景品を提供するようにしている。
【０００３】
【特許文献１】
特開２０００−１３２７３６号公報
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前者の抽選方式は当選時に提供するものが商品であり当選確率を高く設定すると販売利益が低下する不具合が生じることから往々にして当選確率が下げられ、結果的に自動販売機の集客能力が低下する傾向にある。また、後者の応募方式はメーカー側においてポイントシールや当たりシールを商品に貼り付ける作業や応募されたものを調べる作業等が必要となるために経費が嵩む不具合があると共に、自動販売機以外でも同様の商品が販売されてしまうことから自動販売機の集客能力を高めるには至らない。
【０００５】
本発明は前記事情に鑑みて創作されたもので、その目的とするところは、所定の条件を満たしたときに景品を搬出できるようにすることで自動販売機の集客能力を高めて売り上げ向上に貢献できる自動販売機を提供することにある。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明は、商品の収納及び搬出を行う複数の商品搬出手段と、硬貨または紙幣の投入と商品選択ボタンの押圧に基づいて所定の商品搬出手段からの商品搬出を実行する商品搬出制御手段とを備えた自動販売機において、商品とは異なる景品の収納及び搬出を行う景品搬出手段と、所定の条件を満たしたときに景品搬出手段からの景品搬出を実行する景品搬出制御手段と、商品及び景品の搬出を可能としたモードと商品のみの搬出を可能としたモードの何れか一方を選択するためのモード切替手段とを備える、ことをその主たる特徴とする。
【０００７】
この自動販売機によれば、モード切替手段によって商品及び景品の搬出を可能としたモードと商品のみの搬出を可能としたモードの何れか一方を選択することができ、商品のみの搬出を可能としたモードが選択された状態では硬貨または紙幣の投入と商品選択ボタンの押圧に基づいて所定の商品搬出手段からの商品搬出を実行することができる。また、商品及び景品の搬出を可能としたモードが選択された状態では所定の条件を満たしたときに景品搬出手段からの景品搬出を商品搬出と並行して或いは単独で実行することができる。
【０００８】
景品搬出に係る所定の条件には、商品選択時に成される抽選による当選や、商品選択時における特定商品の選択や、商品選択時における特定商品の選択と特定商品以外の商品選択時に成される抽選による当選の何れか一方や、投入金額≧景品価格と景品選択ボタンの押圧を適宜採用することができ、各々の条件を満たしたときには商品とは異なる景品を商品と共に或いは単独で搬出することができる。
【０００９】
商品よりも安価なものを景品として用意すれば、当選確率を高めることは充分に可能で、しかも、特定商品が購入されたときにもれなく景品を提供できるし、また、景品の単独販売を可能とすれば景品のみを必要とする購買者の要求も満足することができ、これにより自動販売機の集客能力を格段向上させて売り上げ向上に大きく貢献できる。
【００１０】
本発明の前記目的とそれ以外の目的と、構成特徴と、作用効果は、以下の説明と添付図面によって明らかとなる。
【００１１】
【発明の実施の形態】
図１〜図１０は本発明の第１実施形態を示すもので、図１は自動販売機の正面図、図２は図１のＡ−Ａ線拡大断面図、図３は景品搬出ユニットの組み付け方法の説明図、図４（Ａ）及び図４（Ｂ）は景品搬出ユニットの動作説明図、図５は商品及び景品の搬出制御系の構成図、図６は商品及び景品の搬出に係る第１モードを示すフローチャート、図７は商品及び景品の搬出に係る第２モードを示すフローチャート、図８は商品及び景品の搬出に係る第３モードを示すフローチャート、図９は商品及び景品の搬出に係る第４モードを示すフローチャート、図１０は商品搬出に係る第５モードを示すフローチャートである。
【００１２】
まず、図１〜図４を参照して、自動販売機の全体構成と景品搬出ユニットの構成及び動作について説明する。
【００１３】
図１に示す自動販売機は、前面を開口した断熱性キャビネット（図示省略）を備える。キャビネット内に設けられたコラム室（図示省略）には複数のサーペンタイン式商品コラム（図示省略）が配置され、各商品コラムの下部にはソレノイド（図５の符号２４参照）を駆動源とし収納商品を１個宛搬出する商品搬出機構（図示省略）が設けられ、各商品搬出機構の下側には搬出商品を商品取出口１４に導く案内シュート（図示省略）が設けられている。
【００１４】
本実施形態では前記の商品コラム，商品搬出機構及びソレノイド２４によって商品の収納及び搬出を行う「商品搬出手段」が構成されており、各商品コラムには缶飲料や瓶飲料やペットボトル飲料等の容器入り飲料が商品として多数個収納されている。
【００１５】
また、案内シュートの下側または商品コラムの背面側には各商品コラムに収納されている商品を冷却または加温するための蒸発器，ヒータ及び送風機等（何れも図示省略）が配置され、キャビネット内のコラム室の下側に設けられた機械室（図示省略）には蒸発器と共に冷却ユニットを構成する圧縮機，凝縮器及び送風機等（何れも図示省略）が配置されている。
【００１６】
キャビネットの前面には図１に示すメインドア１が開閉自在に設けられている。メインドア１の前面上部には開口部１ａが形成されており、この開口部１ａには透明樹脂やガラス等から成る透明板２が取り付けられている。透明板２の背面側空間はサンプル室Ｒ１となっていて、サンプル室Ｒ１には前記商品コラムに収納された商品に対応したサンプル３が着脱自在に展示されている。
【００１７】
また、透明板２の前面側には各サンプル３に対応して商品選択ボタン４が配置され、透明板２の背面側には商品価格や冷却・加温状態等を示す表示部５が各サンプル３に対応して配置されている。
【００１８】
さらに、メインドア１の前面下部左側には開口部１ｂが形成されており、この開口部１ｂには透明樹脂やガラス等から成る透明板６が取り付けられている。透明板６の背面側空間は広告室Ｒ２となっていて、広告室Ｒ２には商品宣伝用のポスター７が着脱自在に掲示されている。
【００１９】
さらに、メインドア１の前面下部右側にはメインドア１用のロック８と硬貨投入口９と返却レバー１０と表示部１１と紙幣投入口１２が設けられ、これらよりも下側には硬貨返却口１３と商品取出口１４が設けられている。
【００２０】
さらに、メインドア１の前面下部中央には開口部１ｃが形成され、この開口部１ｃには景品搬出ユニット１５の前面部分が露出している。
【００２１】
前記景品搬出ユニット１５は、図２に示すように、本体１５ａと、透明樹脂やガラス等から成る透明板１５ｂと、開閉蓋１５ｃと、ランプ１５ｄと、上下位置に突起部を有する搬出レバー１５ｅと、カバー１５ｆと、景品選択ボタン１５ｇと、景品価格等を示す表示部１５ｈと、合成ゴム等から成る緩衝マット１５ｉとを備える。
【００２２】
本体１５ａは上面を開口していて、透明板１５ｂを取り付けるための窓穴１５ａ１をその前面に有している。本体１５ａの内部空間は景品収納室１５ａ２として構成され、景品収納室１５ａ２の底面１５ａ３は景品搬出口１５ａ４に向かって傾斜している。また、本体１５ａの背面には、搬出レバー１５ｅの上下突出部を景品収納室１５ａ２及び景品搬出口１５ａ４に向かって突出させるための孔１５ａ５が形成されている。さらに、本体１５ａの前面側の周囲にはネジ挿入孔が形成された取付フランジ１５ａ６が設けられ、その前面側には合成ゴム等から成るパッキンＰＡが設けられている。さらに、本体１５ａの前面下部には景品取出口１５ａ７が設けられ、その下端には景品１６の滑り落ちを防止するためのストッパ１５ａ８が設けられている。
【００２３】
前記透明板１５ｂは本体１５ａの窓穴１５ａ１に取り付けられ、前記開閉蓋１５ｃは本体１５ａの上面開口に開閉自在に取り付けられている。また、前記搬出レバー１５ｅは両突起部が孔１５ａ５を通じて内側に突出するように配置され、前記カバー１５ｆは搬出レバー１５ｅを覆い隠すように設けられている。さらに、搬出レバー１５ｅにはこれを所定の角度範囲で正逆回転させるためのソレノイド（図５の符号２６参照）が運動変換リンクを介して連結されている。さらに、前記景品選択ボタン１５ｇと前記表示部１５ｈは本体１５ａの前面部分に設けられている。さらに、前記緩衝マット１５ｉは本体１５ａの底面上に取り付けられ、搬出された景品１６を落下衝撃から保護する役目とその上面傾斜によって搬出された景品１６を景品取出口１５ａ７に向かって案内する役目を果たす。
【００２４】
本実施形態では前記の本体１５ａ，景品搬出機構（搬出レバー１５ｅ，運動変換リンク）及びソレノイド２６によって景品の収納及び搬出を行う「景品搬出手段」が構成されており、本体１５ａの景品収納室１５ａ２には人形や玩具やバッジ等の品物を容器に入れたものが販促用の景品１６として多数個収納されている。品物を入れる容器としては透明プラスチックから成る分割可能な球状ケースが好ましく使用されるが、容器の形状及び材質には特段制限はない。
【００２５】
前述の景品搬出ユニット１５をメインドア１の内側に取り付けるときには、図３に示すように、メインドア１に予め形成されている開口１ｃの背面側から景品搬出ユニット１５の前面部分を開口１ｃに挿入し、取付フランジ１５ａ６のネジ挿入孔を通じてネジＳＣをメインドア１の背面或いは背面に設けられたブラケット等にねじ込めば良い。取付フランジ１５ａ６とメインドア１の背面とはパッキンＰＡを介して接合するため、雨水等が開口１ｃを通じてメインドア１の内側に入り込むことはない。
【００２６】
勿論、ユニット取付後にネジＳＣを緩めれば景品搬出ユニット１５をメインドア１から取り除くことも可能であり、景品搬出ユニット１５を取り除いた場合にはユニット除去後にメインドア１の開口１ｃをその背面側または前面側から専用蓋板（図示省略）で塞げばよい。
【００２７】
メインドア１に開口１ｃが予め形成されていなくとも、メインドア１の前面に開口１ｃを形成するに充分なスペースがあり、しかも、その背面側に景品搬出ユニット１５を取り付けるに充分なスペースがある場合には、後加工によってメインドア１に開口１ｃを形成する作業を施すことによって、既存の自動販売機に前述の景品搬出ユニット１５を取り付けることもできる。
【００２８】
前述の景品搬出ユニット１５は図２に示した待機位置にある搬出レバー１５ｅを反時計回り方向の所定角度回転させて図４（Ａ）の状態とすることにより、搬出レバー１５ｅの下側突起部によって落下を規制されていた景品１６を景品搬出口１５ａ４から１個だけ緩衝マット１５ｉ上に自重落下させ、後続の景品１６の落下を搬出レバー１５ｅの上側突起部によって規制することができる。ちなみに、緩衝マット１５ｉ上に自重落下した景品１６は緩衝マット１５ｉの上面傾斜により景品取出口１５ａ７に向かって案内され、ストッパ１５ａ８に接したところで停止する。また、図４（Ａ）に示した搬出位置にある搬出レバー１５ｅを時計回り方向に所定角度回転させて復帰させ図４（Ｂ）の状態とすることにより、後続の景品１６の落下を搬出レバー１５ｅの下側突起部によって規制することができる。
【００２９】
次に、図５を参照して、自動販売機における商品及び景品の搬出に係る制御系構成について説明する。
【００３０】
図５中の符号４はメインドア１に設けられた商品選択ボタン、符号１５ｇは景品搬出ユニット１５に設けられた景品選択ボタン、符号２１は図１に示したメインドア１の背面側に設けられた金銭処理機、符号２２はマイクロコンピュータ構成の制御部、符号２３は商品搬出駆動部、符号２４は各商品コラムの商品搬出機構を駆動するソレノイド、符号２５は景品搬出駆動部、符号２６は景品搬出ユニット１５の景品搬出機構（搬出レバー１５ｅ，運動変換リンク）を駆動するソレノイド、符号２７は４種類の販売モードを手動によって切り替えるためのモード切替器である。
【００３１】
金銭処理機２１は、メインドア１の硬貨投入口９を通じて投入された硬貨の真偽と紙幣投入口１２を通じて投入された紙幣の真偽を検出すると共に、投入された金額を計数して投入金額に相当する信号を制御部２２に送出する。
【００３２】
制御部２２は、商品及び景品の搬出に係る４種類のプログラムをメモリに記憶しており、モード切替器２７からのモード切替信号に基づいて使用すべきプログラムを選択する。この制御部２２は、選択プログラムに従い、金銭処理機２１及び商品選択ボタン４からの信号に基づいて商品搬出信号を商品搬出駆動部２３に送出すると共に、所定の条件が満足されたときに景品搬出信号を景品搬出駆動部２５に送出する。
【００３３】
商品搬出駆動部２３は、制御部２２からの商品搬出信号に基づいて所定の商品コラムの商品搬出機構を動作させるための信号をソレノイド２４に送出する。景品搬出駆動部２５は、制御部２２から景品搬出信号に基づいて景品搬出ユニット１５の景品搬出機構（搬出レバー１５ｅ，運動変換リンク）を動作させるための信号をソレノイド２６に送出する。
【００３４】
モード切替器２７はダイヤルやスイッチ等の手動切替器を備え、手動切替器の切替位置に応じたモード切替信号を制御部２２に送出する。
【００３５】
次に、図６〜図１０を参照して、前述の自動販売機で実行可能な４種類の販売モードについて説明する。
【００３６】
前述の自動販売機は、モード切替器２７によって５種類の販売モードを選択的に実行することができる。詳しくは、商品選択が成されたときに抽選を行って当選の場合に景品を選択商品と共に搬出する第１モードと、特定商品が選択されたときにもれなく景品を選択商品と共に搬出する第２モードと、特定商品が選択されたときにもれなく景品を選択商品と共に搬出し、また、特定商品以外の商品選択が成されたときに抽選を行って当選の場合に景品を選択商品と共に搬出する第３モードと、景品を他の商品と同様に所定金額で販売する第４モードと、景品搬出ユニット１５を使用しないときや景品搬出ユニット１５を外したときに商品のみの通常販売を行う第５モードを選択的に実行することができる。
【００３７】
第１モードが選択されている場合には、図６に示すように、まず、硬貨投入口９または紙幣投入口１２を通じて投入された金額が商品価格以上であるか否かを判別し、続いて、商品選択ボタン４の押圧により商品選択が成されたか否かを判別する（図６のステップＳ１，Ｓ２）。
【００３８】
投入金額が商品価格以上で、且つ、商品選択が成された場合には、選択商品を収納する商品コラムの商品搬出機構を動作させて商品搬出を行う（図６のステップＳ３）。所定の商品コラムから搬出された商品は案内シュートを通じて商品取出口１４に導かれる。
【００３９】
この商品搬出とほぼ同時に所定の抽選プログラムによって抽選を行い、当選の場合には景品搬出ユニット１５の前面ランプ１５ｄの点滅や音声等により当選を購買者に報知し、景品搬出ユニット１５の景品搬出機構を動作させて景品搬出を行う（図６のステップＳ４〜Ｓ７）。
【００４０】
尚、ステップＳ４における抽選は図６のステップＳ２とＳ３の間で行うようにしても前記同様の搬出動作を行うことができる。また、ステップＳ４における抽選は特定商品、例えば、新発売商品やおすすめ商品等に対応する商品選択ボタン４が押圧されたときのみ行うようにしても構わない。この場合には、特定商品を購入したときだけ抽選が行われる旨を記したステッカー等の表示物をメインドア１に貼り付けるか、その旨を記した表示物を広告室Ｒ２に掲示しておくことが望ましい。
【００４１】
第２モードが選択されている場合には、図７に示すように、まず、硬貨投入口９または紙幣投入口１２を通じて投入された金額が商品価格以上であるか否かを判別し、続いて、商品選択ボタン４の押圧により商品選択が成されたか否かを判別する（図７のステップＳ１１，Ｓ１２）。
【００４２】
投入金額が商品価格以上で、且つ、商品選択が成された場合には、選択商品が特定商品、例えば新発売商品やおすすめ商品等であるか否かを判別し、特定商品である場合には景品搬出ユニット１５の前面ランプ１５ｄの点滅や音声等により景品搬出を購買者に報知し、景品搬出ユニット１５の景品搬出機構を動作させて景品搬出を行う（図７のステップＳ１３〜Ｓ１５）。また、この景品搬出とほぼ同時に、選択商品を収納する商品コラムの商品搬出機構を動作させて商品搬出を行う（図７のステップＳ１６）。所定の商品コラムから搬出された商品は案内シュートを通じて商品取出口１４に導かれる。
【００４３】
前記ステップＳ１３で特定商品でないと判別された場合には、景品搬出は行わずに、選択商品を収納する商品コラムの商品搬出機構を動作させて商品搬出のみを行う（図７のステップＳ１６）。
【００４４】
尚、ステップＳ１６における商品搬出は図７のステップＳ１２とＳ１３との間で行うようにしても前記同様の搬出動作を行うことができる。また、第２モードのように特定商品を購入したときにもれなく景品を搬出する場合には、特定商品を購入したときだけ景品搬出が行われる旨を記したステッカー等の表示物をメインドア１に貼り付けるか、その旨を記した表示物を広告室Ｒ２に掲示しておくことが望ましい。
【００４５】
第３モードが選択されている場合には、図８に示すように、まず、硬貨投入口９または紙幣投入口１２を通じて投入された金額が商品価格以上であるか否かを判別し、続いて、商品選択ボタン４の押圧により商品選択が成されたか否かを判別する（図８のステップＳ２１，Ｓ２２）。
【００４６】
投入金額が商品価格以上で、且つ、商品選択が成された場合には、選択商品が特定商品、例えば新発売商品やおすすめ商品等であるか否かを判別し、特定商品である場合には景品搬出ユニット１５の前面ランプ１５ｄの点滅や音声等により景品搬出を購買者に報知し、景品搬出ユニット１５の景品搬出機構を動作させて景品搬出を行う（図８のステップＳ２３〜Ｓ２５）。また、この景品搬出とほぼ同時に、選択商品を収納する商品コラムの商品搬出機構を動作させて商品搬出を行う（図８のステップＳ２６）。所定の商品コラムから搬出された商品は案内シュートを通じて商品取出口１４に導かれる。
【００４７】
前記ステップＳ２３で特定商品でないと判別された場合、即ち、特定商品以外の商品が選択された場合には、所定の抽選プログラムによって抽選を行い、当選の場合には景品搬出ユニット１５の前面ランプ１５ｄの点滅や音声等により当選を購買者に報知し、景品搬出ユニット１５の景品搬出機構を動作させて景品搬出を行う（図８のステップＳ２７〜Ｓ３０）。また、この景品搬出とほぼ同時に、選択商品を収納する商品コラムの商品搬出機構を動作させて商品搬出を行う（図８のステップＳ２６）。所定の商品コラムから搬出された商品は案内シュートを通じて商品取出口１４に導かれる。
【００４８】
尚、ステップＳ２６における商品搬出は図８のステップＳ２２とＳ２３との間で行うようにしても前記同様の搬出動作を行うことができる。また、第３モードのように特定商品を購入したときにもれなく景品を搬出する場合には、特定商品を購入したときだけ景品搬出が行われる旨を記したステッカー等の表示物をメインドア１に貼り付けるか、その旨を記した表示物を広告室Ｒ２に掲示しておくことが望ましい。
【００４９】
第４モードが選択されている場合には、図９に示すように、まず、硬貨投入口９または紙幣投入口１２を通じて投入された金額が商品価格以上であるか否かを判別し、続いて、商品選択ボタン４の押圧により商品選択が成されたか否かを判別する（図９のステップＳ３１，Ｓ３２）。
【００５０】
投入金額が商品価格以上で、且つ、商品選択が成された場合には、選択商品を収納する商品コラムの商品搬出機構を動作させて商品搬出を行う（図９のステップＳ３３）。所定の商品コラムから搬出された商品は案内シュートを通じて商品取出口１４に導かれる。
【００５１】
前記と並行し、硬貨投入口９または紙幣投入口１２を通じて投入された金額が景品価格以上であるか否かを判別し、続いて、景品選択ボタン１５ｇの押圧により景品選択が成されたか否かを判別する（図９のステップＳ３４，Ｓ３５）。
【００５２】
投入金額が景品価格以上で、且つ、景品選択が成された場合には、景品搬出ユニット１５の前面ランプ１５ｄの点滅や音声等により当選を購買者に報知し、景品搬出ユニット１５の景品搬出機構を動作させて景品搬出を行う（図９のステップＳ３６，Ｓ３７）。
【００５３】
第５モードが選択されている場合には、図１０に示すように、まず、硬貨投入口９または紙幣投入口１２を通じて投入された金額が商品価格以上であるか否かを判別し、続いて、商品選択ボタン４の押圧により商品選択が成されたか否かを判別する（図１０のステップＳ４１，Ｓ４２）。
【００５４】
投入金額が商品価格以上で、且つ、商品選択が成された場合には、選択商品を収納する商品コラムの商品搬出機構を動作させて商品搬出を行う（図１０のステップＳ４３）。所定の商品コラムから搬出された商品は案内シュートを通じて商品取出口１４に導かれる。
【００５５】
この第１実施形態の自動販売機によれば、モード切替器２７によって商品及び景品の搬出を可能とした第１〜第４モードと商品のみの搬出を可能とした第５モードの何れか１つを選択することができ、第５モードが選択された状態では硬貨または紙幣の投入と商品選択ボタン４の押圧に基づいて選択商品の販売を行う通常の商品販売を実行することができる。また、第１〜第４モードの何れかが選択された状態では所定の条件を満たしたときに景品搬出ユニット１５からの景品搬出を商品搬出と並行して或いは単独で実行することができる。
【００５６】
景品搬出に係る所定の条件には、商品選択時に成される抽選による当選（第１モード）や、商品選択時における特定商品の選択（第２モード）や、商品選択時における特定商品の選択と特定商品以外の商品選択時に成される抽選による当選の何れか一方（第３モード）や、投入金額≧景品価格と景品選択ボタンの押圧（第４モード）を適宜採用することができ、各々の条件を満たしたときには商品とは異なる景品１６を商品と共に或いは単独で搬出することができる。
【００５７】
商品よりも安価なものを景品１６として用意すれば、第１モードや第３モードにおいて当選確率を高めることは充分に可能で、しかも、第２モードや第３モードのように特定商品が購入されたときにもれなく景品を提供できるし、また、第４モードのように景品の単独販売を可能とすれば景品のみを必要とする購買者の要求も満足することができ、これにより自動販売機の集客能力を格段向上させて売り上げ向上に大きく貢献できる。
【００５８】
また、モード切替器２７によって５種類の販売モードを選択的に実行できるので、自動販売機の設置場所や商品の販売戦略等に応じた商品及び景品搬出方法を適切且つ簡単に選ぶことができる。
【００５９】
さらに、景品搬出ユニット１５の透明板１５ｂをメインドア１の開口１ｃを通じて外部に露出させ、景品収納室１５ａ２内に収納されている景品１６及びその中身を外部から視認できるようにしてあるので、視覚効果により自動販売機の集客能力をより高めることができる。
【００６０】
さらに、第４モードの場合には商品の販売機能と景品１６の販売機能の両方を自動販売機に持たせることができるので、景品１６を販売するための専用機の設置を不要にして機器設置スペースの有効利用を図ることができる。
【００６１】
さらに、メインドア１に開口１ｃが予め形成されていなくとも後加工によってメインドア１に開口１ｃを形成する作業を施すことによって既存の自動販売機に景品搬出ユニット１５を取り付けることができるので、景品搬出機能を有しない既存の自動販売機に同機能を簡単に付与できると共に、既存の自動販売機を集客能力の高いものに改変することができる。
【００６２】
図１１は本発明の第２実施形態を示すもので、前述の第１実施形態の自動販売機と異なるところは、広告室Ｒ２の透明板６’に開口１ｄを形成し、この開口１ｄの背面側から景品搬出ユニット１５の前面部分を開口１ｃに挿入し、取付フランジ１５ａ６のネジ挿入孔を通じてネジＳＣをメインドア１の背面或いは背面に設けられたブラケット等にねじ込むことで、景品搬出ユニット１５をメインドア１に取り付けた点にある。他の構成は第１実施形態の自動販売機と同じであるためその説明を省略する。
【００６３】
この第２実施形態の自動販売機によれば、メインドア１に広告室Ｒ２用開口１ｂ’が大きく設けられていて、第１実施形態のようにメインドア１の前面に景品搬出ユニット１５用の開口１ｃを形成するスペースが存しない場合でも、広告室Ｒ２の透明板６’を利用して景品搬出ユニット１５をメインドア１に取り付けることができる。他の作用効果は第１実施形態の自動販売機と同じである。
【００６４】
図１２及び図１３は本発明の第３実施形態を示すもので、前述の第１実施形態の自動販売機と異なるところは、景品取出口を前面に有しない景品搬出ユニット１７を使用した点と、メインドア１に設けた景品搬出ユニット１７取付用の開口１ｃ’を第１実施形態の開口１ｃよりも小さくした点と、景品搬出ユニット１７の景品搬出口１７ａ４を下方に延長して商品取出口１４に連通させた点にある。他の構成は第１実施形態の自動販売機と同じであるためその説明を省略する。尚、商品取出口１４の底面には、景品搬出ユニット１７から景品搬出口１７ａ４を通じて搬出された景品１６を落下衝撃から保護するための合成ゴム等から成る緩衝マット（図示省略）が設けられている。
【００６５】
前記景品搬出ユニット１７は、図１３に示すように、本体１７ａと、透明樹脂やガラス等から成る透明板１７ｂと、開閉蓋１７ｃと、ランプ１７ｄと、上下位置に突起部を有する搬出レバー１７ｅと、カバー１７ｆと、景品選択ボタン１７ｇと、景品価格等を示す表示部１７ｈとを備える。
【００６６】
本体１７ａは上面を開口していて、透明板１７ｂを取り付けるための窓穴１７ａ１をその前面に有している。本体１７ａの内部空間は景品収納室１７ａ２として構成され、景品収納室１７ａ２の底面１７ａ３は景品搬出口１７ａ４に向かって傾斜している。また、本体１７ａの背面には、搬出レバー１７ｅの上下突出部を景品収納室１７ａ２及び景品搬出口１７ａ４に向かって突出させるための孔１７ａ５が形成されている。さらに、本体１７ａの前面側の周囲にはネジ挿入孔が形成された取付フランジ１７ａ６が設けられ、その前面側には合成ゴム等から成るパッキンＰＡが設けられている。
【００６７】
前記透明板１７ｂは本体１７ａの窓穴１７ａ１に取り付けられ、前記開閉蓋１７ｃは本体１７ａの上面開口に開閉自在に取り付けられている。また、前記搬出レバー１７ｅは両突起部が孔１７ａ５を通じて内側に突出するように配置され、前記カバー１７ｆは搬出レバー１７ｅを覆い隠すように設けられている。さらに、搬出レバー１７ｅにはこれを所定の角度範囲で正逆回転させるためのソレノイドが運動変換リンクを介して連結されている。この搬出レバー１７ｅの正逆回転による商品搬出動作は第１実施形態の景品搬出ユニット１５と同じであるためその説明を省略する。さらに、前記景品選択ボタン１７ｇと前記表示部１７ｈは本体１７ａの前面部分に設けられている。
【００６８】
本実施形態では前記の本体１７ａ，景品搬出機構（搬出レバー１７ｅ，運動変換リンク）及びソレノイドによって景品の収納及び搬出を行う「景品搬出手段」が構成されており、本体１７ａの景品収納室１７ａ２には人形や玩具やバッジ等の品物を容器に入れたものが販促用の景品１６として多数個収納されている。品物を入れる容器としては透明プラスチックから成る分割可能な球状ケースが好ましく使用されるが、容器の形状及び材質には特段制限はない。
【００６９】
前述の景品搬出ユニット１７をメインドア１に取り付けるときには、図１３に示すように、メインドア１に予め形成されている開口１ｃ’の背面側から景品搬出ユニット１７の前面部分を開口１ｃ’に挿入し、取付フランジ１７ａ６のネジ挿入孔を通じてネジＳＣをメインドア１の背面或いは背面に設けられたブラケット等にねじ込むと共に、景品搬出口１７ａ４の下端を商品取出口１４に連通させれば良い。取付フランジ１７ａ６とメインドア１の背面とはパッキンＰＡを介して接合するため、雨水等が開口１ｃ’を通じてメインドア１の内側に入り込むことはない。
【００７０】
勿論、ユニット取付後にネジＳＣを緩めれば景品搬出ユニット１７をメインドア１から取り除くことも可能であり、景品搬出ユニット１７を取り除いた場合にはユニット除去後にメインドア１の開口１ｃ’をその背面側または前面側から専用蓋板（図示省略）で塞げばよい。
【００７１】
メインドア１に開口１ｃ’が予め形成されていなくとも、メインドア１の前面に開口１ｃ’を形成するに充分なスペースがあり、しかも、その背面側に景品搬出ユニット１７を取り付けるに充分なスペースがある場合には、後加工によってメインドア１に開口１ｃ’を形成する作業を施すことによって、既存の自動販売機に前述の景品搬出ユニット１７を取り付けることもできる。
【００７２】
この第３実施形態の自動販売機によれば、景品搬出ユニット１７から景品搬出口１７ａ４を通じて商品取出口１４に景品１６を搬出するようにしてあるので、専用の景品取出口を設ける必要がなく、商品と同じように景品１６を商品取出口１４から取り出すことができる。また、景品取出口を前面に有しない景品搬出ユニット１７を使用してあるので、前面の景品販売口を通じてユニット内部に悪戯をされる危険性を回避することができる。他の作用効果は第１実施形態の自動販売機と同じである。
【００７３】
図１４及び図１５は本発明の第４実施形態を示すもので、前述の第１実施形態の自動販売機と異なるところは、透明板を前面に有しない商品搬出ユニット１８を使用した点と、商品搬出ユニット１８に収納されている景品１６またはそのサンプルをサンプル３と同様にサンプル室Ｒ１に展示した点にある。他の構成は第１実施形態の自動販売機と同じであるためその説明を省略する。
【００７４】
前記景品搬出ユニット１８は、図１５に示すように、本体１８ａと、開閉蓋１８ｃと、ランプ１８ｄと、上下位置に突起部を有する搬出レバー１８ｅと、カバー１８ｆと、景品選択ボタン１８ｇと、景品価格等を示す表示部１８ｈと、合成ゴム等から成る緩衝マット１８ｉとを備える。
【００７５】
本体１８ａは上面を開口している。本体１８ａの内部空間は景品収納室１８ａ２として構成され、景品収納室１８ａ２の底面１８ａ３は景品搬出口１８ａ４に向かって傾斜している。また、本体１８ａの背面には、搬出レバー１８ｅの上下突出部を景品収納室１８ａ２及び景品搬出口１８ａ４に向かって突出させるための孔１８ａ５が形成されている。さらに、本体１８ａの前面側の周囲にはネジ挿入孔が形成された取付フランジ１８ａ６が設けられ、その前面側には合成ゴム等から成るパッキンＰＡが設けられている。さらに、本体１８ａの前面下部には景品取出口１８ａ７が設けられ、その下端には景品１６の滑り落ちを防止するためのストッパ１８ａ８が設けられている。
【００７６】
前記開閉蓋１８ｃは本体１８ａの上面開口に開閉自在に取り付けられている。また、前記搬出レバー１８ｅは両突起部が孔１８ａ５を通じて内側に突出するように配置され、前記カバー１８ｆは搬出レバー１８ｅを覆い隠すように設けられている。さらに、搬出レバー１８ｅにはこれを所定の角度範囲で正逆回転させるためのソレノイドが運動変換リンクを介して連結されている。この搬出レバー１８ｅの正逆回転による商品搬出動作は第１実施形態の景品搬出ユニット１５と同じであるためその説明を省略する。さらに、前記景品選択ボタン１８ｇと前記表示部１８ｈは本体１８ａの前面部分に設けられている。
【００７７】
本実施形態では前記の本体１８ａ，景品搬出機構（搬出レバー１８ｅ，運動変換リンク）及びソレノイドによって景品の収納及び搬出を行う「景品搬出手段」が構成されており、本体１８ａの景品収納室１８ａ２には人形や玩具やバッジ等の品物を容器に入れたものが販促用の景品１６として多数個収納されている。品物を入れる容器としては透明プラスチックから成る分割可能な球状ケースが好ましく使用されるが、容器の形状及び材質には特段制限はない。
【００７８】
前述の景品搬出ユニット１８をメインドア１に取り付けるときには、図１５に示すように、メインドア１に予め形成されている開口１ｃの背面側から景品搬出ユニット１８の前面部分を開口１ｃに挿入し、取付フランジ１８ａ６のネジ挿入孔を通じてネジＳＣをメインドア１の背面或いは背面に設けられたブラケット等にねじ込めば良い。取付フランジ１８ａ６とメインドア１の背面とはパッキンＰＡを介して接合するため、雨水等が開口１ｃを通じてメインドア１の内側に入り込むことはない。
【００７９】
勿論、ユニット取付後にネジＳＣを緩めれば景品搬出ユニット１８をメインドア１から取り除くことも可能であり、景品搬出ユニット１８を取り除いた場合にはユニット除去後にメインドア１の開口１ｃをその背面側または前面側から専用蓋板（図示省略）で塞げばよい。
【００８０】
メインドア１に開口１ｃが予め形成されていなくとも、メインドア１の前面に開口１ｃを形成するに充分なスペースがあり、しかも、その背面側に景品搬出ユニット１８を取り付けるに充分なスペースがある場合には、後加工によってメインドア１に開口１ｃを形成する作業を施すことによって、既存の自動販売機に前述の景品搬出ユニット１８を取り付けることもできる。
【００８１】
この第４実施形態の自動販売機によれば、景品１６またはそのサンプルをサンプル３と同様にサンプル室Ｒ１に展示して外部から視認できるようにしてあるので、視覚効果により集客能力を高めて売り上げに大きく貢献することができる。また、透明板を前面に有しない商品搬出ユニット１８を使用してあるので、前面の透明板を通じてユニット内部に悪戯をされる危険性を回避することができる。他の作用効果は第１実施形態の自動販売機と同じである。
【００８２】
図１６は本発明の第５実施形態を示すもので、前述の第４実施形態の自動販売機と異なるところは、景品選択ボタン１８ｇと表示部１８ｈを前面に有しない商品搬出ユニット１８’を使用した点と、サンプル室Ｒ１に展示した景品１６またはそのサンプルに対応する商品選択ボタン４を景品選択用のボタンとして使用した点と、サンプル室Ｒ１内の表示部５に景品価格等を表示した点にある。他の構成は第４実施形態の自動販売機と同じであるためその説明を省略する。
【００８３】
この第５実施形態の自動販売機によれば、サンプル室Ｒ１に展示した景品１６またはそのサンプルに対応して配されたボタン４を用いて第３モードを実行しているときの景品選択を行うことができ、展示されている景品１６またはそのサンプルを見ながら好みの景品を購入することができる。他の作用効果は第４実施形態の自動販売機と同じである。
【００８４】
図１７及び図１８は本発明の第６実施形態を示すもので、前述の第１実施形態の自動販売機と異なるところは、ランプ，景品取出口，景品選択ボタン及び表示部を前面に有しない商品搬出ユニット１９を使用した点と、メインドア１から景品搬出ユニット取付用の開口を除外した点と、商品搬出ユニット１７の景品搬出口１９ａ４を下方に延長して商品取出口１４に連通させた点と、商品搬出ユニット１９に収納されている景品１６またはそのサンプルをサンプル３と同様にサンプル室Ｒ１に展示した点と、サンプル室Ｒ１に展示した景品１６またはそのサンプルに対応する商品選択ボタン４を景品選択用のボタンとして使用した点と、サンプル室Ｒ１内の表示部５に景品価格等を表示した点にある。他の構成は第１実施形態の自動販売機と同じであるためその説明を省略する。尚、商品取出口１４の底面には、景品搬出ユニット１９から景品搬出口１９ａ４を通じて搬出された景品１６を落下衝撃から保護するための合成ゴム等から成る緩衝マット（図示省略）が設けられている。
【００８５】
前記景品搬出ユニット１９は、図１８に示すように、本体１９ａと、開閉蓋１９ｃと、上下位置に突起部を有する搬出レバー１９ｅと、カバー１９ｆとを備える。
【００８６】
本体１９ａは上面を開口している。本体１９ａの内部空間は景品収納室１９ａ２として構成され、景品収納室１９ａ２の底面１９ａ３は景品搬出口１９ａ４に向かって傾斜している。また、本体１９ａの背面には、搬出レバー１９ｅの上下突出部を景品収納室１９ａ２及び景品搬出口１９ａ４に向かって突出させるための孔１９ａ５が形成されている。さらに、本体１９ａの前面側の周囲にはネジ挿入孔が形成された取付フランジ１９ａ６が設けられ、その前面側には合成ゴム等から成るパッキンＰＡが設けられている。
【００８７】
前記開閉蓋１９ｃは本体１９ａの上面開口に開閉自在に取り付けられている。また、前記搬出レバー１９ｅは両突起部が孔１９ａ５を通じて内側に突出するように配置され、前記カバー１９ｆは搬出レバー１９ｅを覆い隠すように設けられている。さらに、搬出レバー１９ｅにはこれを所定の角度範囲で正逆回転させるためのソレノイドが運動変換リンクを介して連結されている。この搬出レバー１９ｅの正逆回転による商品搬出動作は第１実施形態の景品搬出ユニット１５と同じであるためその説明を省略する。
【００８８】
本実施形態では前記の本体１９ａ，景品搬出機構（搬出レバー１９ｅ，運動変換リンク）及びソレノイドによって景品の収納及び搬出を行う「景品搬出手段」が構成されており、本体１９ａの景品収納室１９ａ２には人形や玩具やバッジ等の品物を容器に入れたものが販促用の景品１６として多数個収納されている。品物を入れる容器としては透明プラスチックから成る分割可能な球状ケースが好ましく使用されるが、容器の形状及び材質には特段制限はない。
【００８９】
前述の景品搬出ユニット１９をメインドア１に取り付けるときには、図１８に示すように、取付フランジ１９ａ６のネジ挿入孔を通じてネジＳＣをメインドア１の背面或いは背面に設けられたブラケット等にねじ込むと共に、景品搬出口１９ａ４の下端を商品取出口１４に連通させれば良い。
【００９０】
勿論、ユニット取付後にネジＳＣを緩めれば景品搬出ユニット１９をメインドア１から取り除くことも可能である。
【００９１】
この第６実施形態の自動販売機によれば、景品搬出ユニット１９から景品搬出口１９ａ４を通じて商品取出口１４に景品１６を搬出するようにしてあるので、専用の景品取出口を設ける必要がなく、商品と同じように景品１６を商品取出口１４から取り出すことができる。また、景品搬出ユニット１７がメインドア１から露出していないので、露出部分を通じてユニット内部に悪戯をされる危険性を回避することができる。さらに、景品１６またはそのサンプルをサンプル３と同様にサンプル室Ｒ１に展示して外部から視認できるようにしてあるので、視覚効果により集客能力を高めて売り上げに大きく貢献することができる。さらに、サンプル室Ｒ１に展示した景品１６またはそのサンプルに対応して配されたボタン４を用いて第３モードを実行しているときの景品選択を行うことができ、展示されている景品１６またはそのサンプルを見ながら好みの景品を購入することができる。他の作用効果は第１実施形態の自動販売機と同じである。
【００９２】
以上、第１〜第６実施形態では、モード切替器２７によって５種類の販売モードを選択的に実行できるようにしたが、５種類の販売モードは必ずしも必要なものではなく、第１〜第４モードの１つ，２つ或いは３つと第５モードを実行できれば所期の目的を充分に達成できるし、実行可能なモードは自動販売機の設置場所や商品の販売戦略等に応じて適宜選択して構わない。
【００９３】
また、第１〜第６実施形態では、景品搬出ユニット１５，１７，１８，１８’，１９をメインドア１に取り付けたものを示したが、景品１６の容器形態をサーペンタイン式商品コラムに収納可能な形態とし、この景品１６を商品コラムに収納して商品と同じように商品搬出機構によって搬出するようにすれば、景品搬出ユニットを用いなくとも第１〜第４モードにおける景品搬出を行うことができる。換言すれば、景品搬出ユニットを取り付けるスペースがメインドアの背面にないよう場合でも、商品コラムを景品収納室として利用することで景品の収納及び搬出を行うことが可能である。
【００９４】
さらに、第１〜第６実施形態では、景品搬出機構を構成する搬出レバー１５ｅ，１７ｅ，１８ｅ，１９ｅとして上下位置に突起部を有するものを示したが、景品を１個宛搬出できるものであれば搬出レバーとして他の形状のものを使用しても構わないし、搬出レバーを有しない周知の搬出機構を景品搬出機構として使用してもよい。
【００９５】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、所定の条件を満たしたときに景品を搬出できるようにすることで自動販売機の集客能力を高めて売り上げに大きく貢献できる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の第１実施形態に係る自動販売機の正面図
【図２】図１のＡ−Ａ線拡大断面図
【図３】図１に示した景品搬出ユニットの組み付け方法の説明図
【図４】図１に示した景品搬出ユニットの動作説明図
【図５】図１に示した自動販売機における商品及び景品の搬出制御系の構成図
【図６】商品及び景品の搬出に係る第１モードを示すフローチャート
【図７】商品及び景品の搬出に係る第２モードを示すフローチャート
【図８】商品及び景品の搬出に係る第３モードを示すフローチャート
【図９】商品及び景品の搬出に係る第４モードを示すフローチャート
【図１０】商品搬出に係る第５モードを示すフローチャート
【図１１】本発明の第２実施形態に係る自動販売機の正面図
【図１２】本発明の第３実施形態に係る自動販売機の正面図
【図１３】図１２のＢ−Ｂ線拡大断面図
【図１４】本発明の第４実施形態に係る自動販売機の正面図
【図１５】図１４のＣ−Ｃ線拡大断面図
【図１６】本発明の第５実施形態に係る自動販売機の正面図
【図１７】本発明の第６実施形態に係る自動販売機の正面図
【図１８】図１７のＤ−Ｄ線拡大断面図
【符号の説明】
１…メインドア、１ｃ，１ｃ’，１ｄ…開口、Ｒ１…サンプル室、３…サンプル、４…商品選択ボタン、Ｒ２…広告室、９…硬貨投入口、１２…紙幣投入口、１４…商品取出口、１５…景品搬出ユニット、１５ａ…本体、１５ａ１…窓穴、１５ａ２…景品収納室、１５ａ４…景品搬出口、１５ａ７…景品取出口、１５ｂ…透明板、１５ｅ…搬出レバー、１５ｇ…景品選択ボタン、１６…景品、１７…景品搬出ユニット、１７ａ…本体、１７ａ１…窓穴、１７ａ２…景品収納室、１７ａ４…景品搬出口、１７ｂ…透明板、１７ｅ…搬出レバー、１７ｇ…景品選択ボタン、１８，１８’…景品搬出ユニット、１８ａ…本体、１８ａ２…景品収納室、１８ａ４…景品搬出口、１８ａ７…景品取出口、１８ｅ…搬出レバー、１８ｇ…景品選択ボタン、１９…景品搬出ユニット、１９ａ…本体、１９ａ２…景品収納室、１９ａ４…景品搬出口、１９ｅ…搬出レバー、２１…金銭処理機、２２…制御部、２３…商品搬出駆動部、２４…商品搬出機構用のソレノイド、２５…景品搬出駆動部、２６…景品搬出機構用のソレノイド、２７…モード切替器。
Claims (11)
- 商品の収納及び搬出を行う複数の商品搬出手段と、硬貨または紙幣の投入と商品選択ボタンの押圧に基づいて所定の商品搬出手段からの商品搬出を実行する商品搬出制御手段とを備えた自動販売機において、
商品とは異なる景品の収納及び搬出を行う景品搬出手段と、
所定の条件を満たしたときに景品搬出手段からの景品搬出を実行する景品搬出制御手段と、
商品及び景品の搬出を可能としたモードと商品のみの搬出を可能としたモードの何れか一方を選択するためのモード切替手段とを備える、
ことを特徴とする自動販売機。 - 景品搬出に係る所定の条件は商品選択時に成される抽選による当選であり、商品及び景品の搬出を可能としたモードが選択された状態で前記条件が満たされたときには選択商品と共に景品が搬出される、
ことを特徴とする請求項１に記載の自動販売機。 - 景品搬出に係る所定の条件は商品選択時における特定商品の選択であり、商品及び景品の搬出を可能としたモードが選択された状態で前記条件が満たされたときには選択商品と共に景品が搬出される、
ことを特徴とする請求項１に記載の自動販売機。 - 景品搬出に係る所定の条件は商品選択時における特定商品の選択と特定商品以外の商品選択時に成される抽選による当選の何れか一方であり、商品及び景品の搬出を可能としたモードが選択された状態で前記条件の何れか一方が満たされたときには選択商品と共に景品が搬出される、
ことを特徴とする請求項１に記載の自動販売機。 - 景品搬出に係る所定の条件は投入金額≧景品価格と景品選択ボタンの押圧であり、商品及び景品の搬出を可能としたモードが選択された状態で前記条件が満たされたときには景品のみが搬出され、投入金額≧商品価格と商品選択ボタンの押圧の条件が満たされたときには商品のみが搬出される、
ことを特徴とする請求項１に記載の自動販売機。 - 景品搬出手段は景品収納室内を視認可能な透明板を前面に有し、透明板がメインドアの開口を通じて外部に露出するようにメインドアの内側に取り付けられている、
ことを特徴とする請求項１〜５の何れか１項に記載の自動販売機。 - 景品搬出手段は景品取出口を前面に有し、景品取出口がメインドアの開口を通じて外部に露出するようにメインドアの背面に取り付けられている、
ことを特徴とする請求項１〜６に記載の自動販売機。 - 景品搬出手段は景品搬出口を下部に有し、景品搬出口がメインドアの商品取出口に通じるようにメインドアの背面に取り付けられている、
ことを特徴とする請求項１〜６の何れか１項に記載の自動販売機。 - 景品搬出手段は、複数の商品搬出手段の少なくとも１つによって構成されており、景品は、商品搬出手段に収納可能な形態を備える、
ことを特徴とする請求項１〜５の何れか１項に記載の自動販売機。 - 景品またはそのサンプルがメインドアのサンプル室に展示されている、
ことを特徴とする請求項１〜９の何れか１項に記載の自動販売機。 - サンプル室に展示された景品またはそのサンプルに対応する商品選択ボタンが景品選択ボタンとして利用されている、
ことを特徴とする請求項１０に記載の自動販売機。
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