JP2004126228A - マルチビーム系画像形成装置、並びに該マルチビーム制御装置及び方法 - Google Patents

マルチビーム系画像形成装置、並びに該マルチビーム制御装置及び方法 Download PDF

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Abstract

【課題】複数のレーザ光源の寿命をほぼ同じにすることができるマルチビーム系画像形成装置、並びに該マルチビーム制御装置及び方法を提供する。
【解決手段】画像形成装置100は、Aレーザを点灯し、Aレーザに基づくBD信号の検知を行った後、Aレーザの点灯をOFFし、Bレーザを点灯し、Bレーザに基づくBD信号の検知を行った後、Bレーザの点灯をOFFし、その後再度Aレーザの強制点灯を行う。即ち、BD信号を検知する度にAレーザ及びBレーザを交互に点灯する。
【選択図】   図5

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、マルチビーム系画像形成装置、並びに該マルチビーム制御装置及び方法に関し、特に、マルチビームレーザ光源から出力されるレーザ光により画像形成を行う複写機、プリンタ、FAX等の画像形成装置であって、該レーザ光源の点灯を制御するマルチビーム系画像形成装置、並びに該マルチビーム制御装置及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
マルチビームレーザ光源から出力されるレーザ光により画像形成を行う複写機、プリンタ、FAX等の従来の画像形成装置は、該レーザ光の出力の制御を以下に示すように行っている。
【0003】
図7は、従来のレーザ駆動回路を備えた画像形成装置の概略構成を示すブロック図である。
【0004】
以下、従来の画像形成装置700の作動を図面を用いて説明する。
【0005】
まず、マゼンタ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)、ブラック(BK)の各色に対応する画像信号は、イメージスキャナやコンピュータ等の不図示の外部装置からレーザ制御部701に送られる。
【0006】
そして、レーザ制御部701は、画像信号に応じて、所定のタイミングで画像データ点灯信号を生成し、レーザドライバ702へ送信する。
【0007】
レーザドライバ702は、レーザ制御部701からの画像データ点灯信号に応じて、2つのレーザダイオード(以下、「LD」という。)703−1,703−2を変調駆動し、LD703−1(Aレーザ),703−2(Bレーザ)はレーザ光を発生する。
【0008】
このレーザ光は、ポリゴンモータ制御部704が回転制御するポリゴンモータ705の駆動により矢印方向に回転するポリゴンミラー706により反射され、f−θレンズ707によってfθ補正され、折返しミラー708により反射され、矢印方向に回転する感光体としての感光ドラム709上を走査する。これにより、感光ドラム709上にM,C,Y,BKの静電潜像が形成される。そして、感光ドラム709の周囲にはM,C,Y,BKの各色に対応する4つの現像器(不図示)が設けられており、該現像器は感光ドラム709が4回転する間に交互に感光ドラム709に接し、感光ドラム709上に形成されたM,C,Y,BKの静電潜像に対応するトナーで現像する。
【0009】
BD(Bose Digital)センサ710は、レーザ光の1ラインの走査開始位置近傍に固定して設けられ、各レーザ光のライン走査をBD信号として該レーザ光の反射光により検出する。この検出されたBD信号は、BD信号分離部711により、LD703−1のレーザ光に基づくA−LSYNC信号と、LD703−2のレーザ光に基づくB−LSYNC信号とに分離され、レーザ制御部701においてLD703−1,703−2の走査ラインにおける走査開始基準信号になる。
【0010】
レーザ制御部701は、画像形成用の他にBD信号を検出するために、レーザ強制点灯信号をレーザドライバ702に出力することにより、LD703−1,703−2を強制点灯させることもできる。
【0011】
上記ポリゴンモータ705は、その周囲に該ポリゴンモータの回転角を検出するホールセンサ(不図示)が設けられており、該ホールセンサはその出力信号をポリゴンモータ制御部704に送信する。
【0012】
そして、ポリゴンモータ制御部704は、ホールセンサの出力信号に基づいて、その内部に有する論理回路によりポリゴンモータ705の回転磁界の論理を生成し、自身の内部に有するブリッジ回路に組まれた半導体素子群によりスイッチングを行い、ポリゴンモータ705のコイルに電流を供給することにより、該コイルに回転磁界を生成し、ポリゴンモータ705を回転させる。さらにポリゴンモータ705が一定の回転速度に達したことを示すロック信号が検知されると、LD703−1,703−2を点灯させ、BDセンサ710のBD信号を検出して画像形成を開始させる。
【0013】
上記従来の画像形成装置700では、ポリゴンモータ705の回転速度制御を、ホールセンサからの出力信号及びBDセンサ710からのBD信号を用いて行っているので、回路が複雑化し、大型化し、さらにはコストアップを招いている。
【0014】
そこで、上記ポリゴンモータの回転速度制御を、BDセンサからの出力信号の間隔、即ち周期を用いることにより行う他の画像形成装置が提案されている。この他の画像形成装置は、上記従来の画像形成装置700のようにホールセンサからの出力信号を用いることがないので、ポリゴンモータの回転速度を制御するための回路が複雑化することがなく、小型で且つ低コストでのポリゴンモータの回転速度制御を実現することができる。
【0015】
他の画像形成装置は、ポリゴンモータの回転速度制御を、BDセンサからの出力信号の間隔、即ち周期を検知し、該検知されたBDセンサからの出力信号の間隔と所定の間隔とを比較して、BD信号の周期が長いときはポリゴンモータを加速し、BD信号の周期が短いときは減速(BD周期が短いとき)することにより行う。つまり、この他の画像形成装置は、ポリゴンモータが回転し始めると同時にLDを点灯させ、ポリゴンモータの回転中は常にBDセンサのBD信号が出力されるようにしている。
【0016】
以下、他の画像形成装置におけるポリゴンモータの回転速度制御を図8乃至図10を用いて説明する。なお、他の画像形成装置は上記従来の画像形成装置700と構成が同じであるので以下同じ符号を付して説明する。
【0017】
図8は、ポリゴンモータ705立上げ時のレーザ点灯制御処理のフローチャートであり、図9は、図8のレーザ点灯制御処理におけるシーケンスを説明するタイミングチャートであり、図10は、LD703−1,703−2からのレーザ光の反射光がそれぞれBDセンサ710に受光される様子を示す図である。
【0018】
図8において、まず、ステップS801では、ポリゴンモータ制御部704にポリゴンモータON信号が入力されると、ポリゴンモータ705の加速が行われ、レーザ制御部701にレーザON信号が入力されると、図9に示すA,Bレーザ点灯信号がレーザドライバ702に入力される。この図9に示すA,Bレーザ点灯信号に応じて、LD703−1,703−2は点灯制御される。
【0019】
次に、ステップS802において、ポリゴンモータ制御部704は、BD信号を検知するために、Aレーザ(LD703−1)を強制点灯させる。強制的に点灯しているAレーザに対して周知の技術であるレーザ−APC(Auto Power Control)を行い、Aレーザのレーザパワーを安定化させる。
【0020】
次いで、ポリゴンモータ705が回転駆動することによりBDセンサ710を介してBD信号が検出され、該BDセンサ710からポリゴンモータ制御部704へBD信号の入力が有ったことが検知されると(ステップS803でYES)、Aレーザの強制点灯をOFFすると共に、Bレーザ(LD703−2)の強制点灯を行う(ステップS804)。また、このときもBレーザに対してレーザ−APCが行われる。
【0021】
図10に示すように、A,Bレーザからのレーザ光は、感光ドラム709の主走査方向に関してAレーザからのレーザ光がBレーザからのレーザ光よりも先行するように光学調整されると共に、感光ドラム709の副走査方向に関しては所定の間隔(例えば、600DPI=42.3μm)となるように光学調整されている。すなわち、Aレーザに基づくBD信号が検知された後にBレーザを点灯すれば、Bレーザに基づくBD信号が検知される(ステップS805でYES)。
【0022】
その後、ステップS806でBレーザの強制点灯をOFFする。ここで、ポリゴンモータOFF信号が入力されているときは(ステップS807でYES)、本レーザ点灯制御処理を終了する。
【0023】
また、ポリゴンモータOFF信号が入力されていないときは(ステップS807でNO)、Bレーザの強制点灯がOFFしてから所定時間経過するのを待って(ステップS808)、ステップS802に戻り、再度Aレーザの強制点灯を行いBD信号の検知を行う。
【0024】
なお、ポリゴンモータ705の回転速度制御は、BDセンサから出力されたBD信号ではなく、BD信号分離部711により分離されたBD信号のうち、A−LSYNC信号を用いて行われる。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ポリゴンモータ705は回転が始まっても最初のうちはその回転数が遅いので、BD信号が検知されるまでに時間がかかる。すなわち、Aレーザは、BD信号が検知されるまで強制的に点灯されており、Bレーザよりも点灯時間が長い。しかも、このBD信号検出のためのAレーザの点灯時間は、画像形成時よりもこのポリゴンモータ705立ち上げ時の方が長い場合がある。
【0026】
したがって、AレーザはBレーザよりも先に寿命に達し、Aレーザ及びBレーザの寿命が異なるとメンテナンスが容易ではない。一方このAレーザの寿命を基準にLDの選定を行うと、Bレーザは寿命の面において高いスペックが要求され、レーザのコストアップにつながる。
【0027】
本発明の目的は、複数のレーザ光源の寿命をほぼ同じにすることができるマルチビーム系画像形成装置、並びに該マルチビーム制御装置及び方法を提供することにある。
【0028】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載のマルチビーム系画像形成装置は、ポリゴンモータと、前記ポリゴンモータの回転を制御するモータ回転制御手段と、複数のレーザ光源と、前記複数のレーザ光源の点灯駆動を制御するレーザ制御手段と、画像形成開始位置を示す基準信号を出力する基準信号出力手段とを備え、前記モータ回転制御手段は、前記基準信号の信号出力間隔に基づいて前記ポリゴンモータの回転を一定の速度に制御し、前記レーザ制御手段は、前記ポリゴンモータの立上げ時に、前記レーザ光源の各々を交互に点灯させることを特徴とする。
【0029】
請求項2記載の画像形成装置は、請求項1記載の画像形成装置において、複数の反射面を有し、前記ポリゴンモータの駆動により回転する回転多面鏡を備え、前記複数の反射面は、前記複数のレーザ光源からの複数のレーザ光を反射することを特徴とする。
【0030】
請求項3記載の画像形成装置は、請求項1又は2記載の画像形成装置において、前記複数のレーザ光源からのレーザ光を受光するセンサを備え、前記基準信号出力手段は、前記受光されたレーザ光に基づいて前記基準信号を出力することを特徴とする。
【0031】
請求項4記載の画像形成装置は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置において、画像の静電潜像が形成される像担持体を備え、前記画像形成開始位置は、前記像担持体における主走査方向の書き出し開始位置であることを特徴とする。
【0032】
請求項5記載の画像形成装置は、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置において、前記レーザ制御手段は、前記ポリゴンモータの立上げごとに、最初に点灯すべきレーザ光源を変更することを特徴とする。
【0033】
上記目的を達成するために、請求項6記載のマルチビーム系画像形成装置は、ビームを発生する複数のレーザ光源と、該複数のレーザ光源の点灯を制御するレーザ制御手段とを備え、前記複数のレーザ光源からのビームにより画像形成を行うマルチビーム系画像形成装置において、前記レーザ制御手段は、前記画像形成を行う度に、前記複数のレーザ光源から点灯すべき少なくとも一のレーザ光源を交互に選択し、前記画像形成装置は、前記一のレーザ光源からのビームにより画像形成を開始するタイミングの検出を行う画像形成タイミング検出手段を備えることを特徴とする。
【0034】
上記目的を達成するために、請求項7記載のマルチビーム制御装置は、ビームを発生する複数のレーザ光源と、該複数のレーザ光源の点灯を制御するレーザ制御手段とを備えるマルチビーム制御装置において、少なくとも一のレーザ光源に基づく検出光を検出するセンサを備え、前記レーザ制御手段は、前記検出光の検出を行う度に、前記複数のレーザ光源から点灯すべき一のレーザ光源を交互に選択することを特徴とする。
【0035】
上記目的を達成するために、請求項8記載のマルチビーム制御方法は、ビームを発生する複数のレーザ光源の点灯を制御するレーザ制御工程を有するマルチビーム制御方法であって、少なくとも一のレーザ光源に基づく検出光を検出する検出工程を有し、前記レーザ制御工程では、前記反射光の検出を行う度に、前記複数のレーザ光源から点灯すべき一のレーザ光源を交互に選択することを特徴とする。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
【0037】
図1は、本発明の実施の形態に係るマルチビーム系画像形成装置の概略構成を示すブロック図である。
【0038】
図1の本実施の形態に係るマルチビーム系画像形成装置100は、後述するレーザ制御回路及びポリゴンモータ制御回路を備える。
【0039】
以下、図1の画像形成装置100の作動を図面を用いて説明する。
【0040】
まず、M,C,Y,BKの各色に対応する画像信号は、イメージスキャナ、コンピュータ、CPU等の外部装置からレーザ制御部101に送られる。
【0041】
そして、レーザ制御部101は、画像信号に応じて、所定のタイミングで画像データ点灯信号を生成し、レーザドライバ102へ送信する。
【0042】
レーザドライバ102は、レーザ制御部101からの画像データ点灯信号に応じて、2つのLD103−1,103−2を変調駆動し、LD103−1(Aレーザ),103−2(Bレーザ)はレーザ光を発生する。
【0043】
このレーザ光は、ポリゴンモータ制御部104が回転制御するポリゴンモータ105の駆動により矢印方向に回転するポリゴンミラー106(回転多面鏡)により反射され、f−θレンズ107によってfθ補正され、折返しミラー108により反射され、矢印方向に回転する感光体としての感光ドラム109(像担持体)上を走査する。これにより、感光ドラム109上にM,C,Y,BKの静電潜像が形成される。そして、感光ドラム109の周囲にはM,C,Y,BKの各色に対応する4つの現像器(不図示)が設けられており、該現像器は感光ドラム109が4回転する間に交互に感光ドラム109に接し、感光ドラム109上に形成されたM,C,Y,BKの静電潜像に対応するトナーで現像する。
【0044】
BDセンサ110は、レーザ光の1ラインの走査開始位置近傍に固定して設けられ、各レーザ光のライン走査をBD信号として該レーザ光の反射光により検出する。この検出されたBD信号は、BD信号分離部111により、LD103−1のレーザ光に基づくA−LSYNC信号と、LD103−2のレーザ光に基づくB−LSYNC信号とに分離され、レーザ制御部101においてLD103−1,103−2の走査ラインにおける走査開始基準信号になる。
【0045】
また、レーザ制御部101は、画像形成用の他にBD信号を検出するために、レーザ強制点灯信号をレーザドライバ102に出力することにより、LD103−1,103−2を強制点灯させることもできる。
【0046】
上記ポリゴンモータ105は、その周囲に該ポリゴンモータの回転角を検出する後述するホール素子が設けられており、該ホール素子はその出力信号をポリゴンモータ制御部104に送信する。
【0047】
そして、ポリゴンモータ制御部104は、ホール素子の出力信号に基づいて、その内部に有する論理回路によりポリゴンモータ105の回転磁界の論理を生成し、後述するブリッジ回路に組まれた半導体素子群によりスイッチングを行い、ポリゴンモータ105の後述するインダクタンスに電流を供給することにより、該インダクタンスに回転磁界を生成し、ポリゴンモータ105を回転させる。さらにポリゴンモータ105が一定の回転速度に達したことを示すロック信号が検知されると、LD103−1,103−2を点灯させ、BDセンサ110のBD信号を検出して画像形成を開始させる。
【0048】
なお、図1の画像形成装置100は、図7の従来の画像形成装置700と、レーザ制御部101によるレーザ点灯制御のシーケンス、BD信号分離部111からの出力信号、及びポリゴンモータ制御部104でによるポリゴンモータ回転制御のシーケンスの点で異なる。
【0049】
以下、従来の画像形成装置700との差異を図2を用いて説明する。
【0050】
図2は、図1におけるレーザ制御部101及びポリゴンモータ制御部104のブロック図である。
【0051】
図2において、レーザ制御部101は、レーザ駆動信号生成部207とレーザ強制点灯信号生成部208とから成る。
【0052】
レーザ強制点灯信号生成部208は、不図示の外部装置、例えばCPU等からレーザON信号が入力されると、LD103−1,103−2を強制的に点灯させるためのレーザ強制点灯信号をレーザドライバ102に出力して、レーザドライバ102を介してLD103−1,103−2を強制点灯させる。
【0053】
同様に、図2において、ポリゴンモータ制御部104は、不図示の外部装置、例えばCPU等からポリゴンモータON信号が入力されると、加速信号をポリゴンモータ105に出力して、ポリゴンモータ105を回転させる。
【0054】
まず、ポリゴンモータ制御部204によりポリゴンモータ105は回転を開始する。その後、レーザ強制点灯信号がレーザドライバ102に出力され、強制的にLD103−1,103−2がONされ、BD信号が、BD信号分離部111を介することにより該BD信号に同期したA−LSYNC信号及びB−LSYNC信号としてレーザ駆動信号生成部207に入力される。
【0055】
そして、BD信号の入力があると、レーザ制御部101は所定のタイミングで画像区間を生成する。この画像区間では、画像データが、画像形成すべき転写材の給送と同期する所定のタイミングで、例えば不図示のメモリから画像信号として読み出され、レーザ駆動信号生成部207に出力される。レーザ駆動信号生成部207は、レーザ強制点灯信号生成部208からレーザ駆動開始信号が入力されると、上記画像信号をA−LSYNC信号及びB−LSYNC信号に同期させ、当該画像信号に基づいて画像データ点灯信号を生成し、生成した画像データ点灯信号をレーザドライバ102に出力する。
【0056】
次に、ポリゴンモータ105の回転速度制御について説明する。
【0057】
図2において、ポリゴンモータ105としてブラシレスモータが用いられており、ポリゴンモータ105を示す破線の内部の回路は、ポリゴンモータ105の等価回路を示している。
【0058】
インダクタンス205は、星型結線され、ブリッジ回路200により励磁され、回転磁界を生成する。ロータ204には磁性パターンが着磁されており、ロータ204は、インダクタンス205の回転磁界により回転し、ポリゴンミラー106を駆動して回転させる。ホール素子201〜203はロータ204に着磁されている磁界の強さを検出し、検出された磁界の強さは回転磁界制御回路206に入力される。回転磁界制御回路206は、ホール素子201〜203の出力信号に基づいてロータ204の回転位置を検出し、常にロータ204が回転運動を行うように、ブリッジ回路200を制御することによりインダクタンス205が生成すべき回転磁界を制御する。
【0059】
また、回転磁界制御回路206は、ポリゴンモータ制御部104から加速信号又は減速信号が入力され、その信号に基づいてロータ204の回転速度(加速、減速)を制御する。
【0060】
BD信号分離部111は、BDセンサ110から出力されるBD信号をA−LSYNC信号とB−LSYNC信号とに分離して、これらをレーザ制御部101に入力すると共に、BD信号に基づいてLSYNC信号をポリゴンモータ制御部104に入力する。
【0061】
ポリゴンモータ制御部104は、外部装置、例えばCPU等から回転数目標値、CLK信号、及びポリゴンモータON信号が入力される。また、ポリゴンモータ制御部104は、入力された回転数目標値及びCLK信号に基づいて、目標とするロータ204の回転速度に対応する周期に関する基準信号を出力する基準信号生成部と、図3で後述するロータ204の回転運動における加速又は減速の出力パルス幅(加速区間又は減速区間)を決定するための加減速区間信号を生成する加減速信号生成部とを備える。
【0062】
図3は、図2のポリゴンモータ制御部104によって実行されるポリゴンモータ105の回転制御のタイミングチャートである。
【0063】
図3(a)は、加速信号が出力される場合のタイミングを示しており、図3(b)は、減速信号が出力される場合のタイミングを示している。
【0064】
まず、図3(a)では、上述した目標とするロータ204の回転速度に対応する周期に関する基準信号を出力する基準信号生成部でつくられる信号と、BDセンサ111からのBD信号に同期したLSYNC信号とが比較される。
【0065】
図3(a)において、例えば、基準信号は回転数目標値Z(μsec)に対応する間隔(パルス幅)で出力され、LSYNC信号はLSYNC間隔A(μsec)で入力される。ここで、これらの間隔を比較した結果、例えばZ<Aであるときは(図3(a))、ポリゴンモータ105、即ちロータ204が目標とした速度に達していないので、ロータ204を加速する必要がある。
【0066】
そこで、LSYNC信号と加減速区間信号との関係から、出力すべき加速信号のパルス幅を求める。具体的には、LSYNC信号が加速区間信号の位置に対してどの位置にあるかということを、図3(a)における遅れ量Xで表される時間をカウンタ等を使用することにより求める。そして、遅れ量Xの値に応じた所定パルス幅の加速信号が出力される。
【0067】
こうして、上述した2つのパラメータに基づいて、ポリゴンモータ制御部104から出力される加速信号のパルス幅が決定される。例えばZ<Aで、上記遅れ量Xの値が20(μsec)と検知されたときは、ポリゴンモータ制御部104は、例えばパルス幅10(μsec)の加速信号を出力して、ポリゴンモータ105を加速する。
【0068】
また、Z>Aになったときは(図3(b))、ポリゴンモータ105、即ちロータ204は目標とした速度以上の速度で回転しているので、ロータ204を減速する必要がある。
【0069】
そこで、加速信号のパルス幅を算出したのと同様に、減速信号のパルス幅を求める。具体的には、LSYNC信号が減速区間信号の位置に対してどの位置にあるかということを、図3(b)における遅れ量Yで表される時間をカウンタ等を使用することにより求める。そして、遅れ量Yの値に応じた所定パルス幅の減速信号が出力される。
【0070】
こうして、上述した2つのパラメータに基づいて、ポリゴンモータ制御部104から出力される減速信号のパルス幅が決定される。例えばZ>Aで、上記遅れ量Yの値が20(μsec)と検知されたときは、ポリゴンモータ制御部104は、例えばパルス幅10(μsec)の減速信号を出力して、ポリゴンモータ105を減速する。
【0071】
なお、以上のポリゴンモータ105の回転速度制御(加減速制御)は、LSYNC信号が1回入力される毎、又はLSYNC信号が数回入力される毎に行われる。
【0072】
以上のようなポリゴンモータ105の回転速度制御を行うことにより、LSYNC間隔Aと基準信号の回転数目標値Zに対応する間隔とが等しくなるので、ポリゴンモータ105を一定の速度で回転させるように制御することができる。
【0073】
以下、LD103−1,103−2の点灯制御について説明する。
【0074】
図4は、図2のレーザ制御部101によって実行されるポリゴンモータ105立上げ時のレーザ点灯制御処理のフローチャートであり、図5は、図4のレーザ点灯制御処理におけるポリゴンモータ105立上げ時のシーケンスを説明するタイミングチャートである。
【0075】
なお、レーザ点灯制御処理におけるシーケンスは2つのシーケンスに分かれており、図5に対応するシーケンスは画像形成不可時を示し(以下、「シーケンス1」という。)、後述する図6に対応するシーケンスは画像形成可能時を示す(以下、「シーケンス2」という。)。
【0076】
図4において、まず、ステップS401では、ポリゴンモータ制御部104にポリゴンモータON信号が入力されると、ポリゴンモータ105の加速が行われ、レーザ制御部101にレーザON信号が入力されると、図5に示すA,Bレーザ点灯信号がレーザドライバ102に入力される。この図5に示すA,Bレーザ点灯信号に応じて、LD703−1,703−2は点灯制御される。
【0077】
次に、ステップS402において、ポリゴンモータ制御部704は、BD信号を検知するために、Aレーザ(LD103−1)を強制点灯させる。強制的に点灯しているAレーザに対してレーザ−APCを行い、Aレーザのレーザパワーを安定化させる。
【0078】
次いで、ポリゴンモータ105が回転駆動することによりBDセンサ110を介してBD信号が検出され、該BDセンサ110からポリゴンモータ制御部104へBD信号の入力が有ったことが検知されると(ステップS403でYES)、Aレーザの強制点灯がOFFしてから所定時間経過するのを待って、Bレーザ(LD103−2)の強制点灯を行う(ステップS404)。また、このBレーザに対してもレーザ−APCが行われる。
【0079】
このステップS404の処理では、A,Bレーザとも所定時間だけ消灯時間が存在する。これは、Aレーザの強制点灯がOFFしたときに相当するポリゴンミラー106の面と同じ面にBレーザの強制点灯によるレーザ光が照射されないようにするためである。これにより、ポリゴンミラー106の同じ面からAレーザ及びBレーザ双方に基づく2つのBD信号を検知することをなくすことができる。なお、この消灯時間を設ける代わりに、ポリゴンミラー106の同じ面からAレーザ及びBレーザ双方に基づく2つのBD信号が検知されても受け付けないマスク時間を設けてもよい。
【0080】
Bレーザの強制点灯は、Bレーザに基づくBD信号が検知されるまで行われ、検知されると(ステップS405でYES)、ポリゴンモータ105が所定の回転数で定常回転しているか否かを判別する(ステップS406)。この判別は、ポリゴンモータ制御部104によりBD信号分離部111からのLSYNC信号の周期、即ちLSYNC間隔Aを算出することによって行われる。
【0081】
ステップS406の判別の結果、ポリゴンモータ105が定常回転していないときは、Bレーザの強制点灯をOFFし、その後所定時間経過するのを待って(ステップS407)、ステップS402に戻り、再度Aレーザの強制点灯を行いAレーザに基づくBD信号の検知を行う。これにより、図5のようにBD信号を検知する度にAレーザ及びBレーザは交互に強制点灯が行われる(シーケンス1)。
【0082】
上記ステップS403,S405において検知されたBD信号は、LSYNC信号としてポリゴンモータ制御部104に入力され、ポリゴンモータ制御部104は、このLSYNC間隔Aに応じてロータ204の回転運動を加速又は減速させるように制御する。
【0083】
また、ステップS406の判別の結果、ポリゴンモータ105が定常回転しているときは、ポリゴンモータ制御部104は、BD信号分離部111とレーザ強制点灯信号生成部208とに、シーケンスをシーケンス1及びシーケンス2間で切り替えるためのSELECT信号を出力して(ステップS408)、本レーザ点灯制御処理を終了する。
【0084】
以上説明したレーザ点灯制御処理によれば、ポリゴンモータ105立上げ時にBD信号を検知するためのレーザの強制点灯をマルチビームとしてのA,Bレーザを交互に点灯することで、A,Bレーザの点灯時間をほぼ同じにすることができ、この結果、A,Bレーザの寿命をほぼ同じにすることができる。
【0085】
次に、シーケンス2について説明する。
【0086】
図6は、図4のレーザ点灯制御処理におけるポリゴンモータ105定常回転時のシーケンスを説明するタイミングチャートである。
【0087】
図4のステップS407,S408の処理により、ポリゴンモータ105が定常回転していると判断されると、シーケンス1が終了してシーケンス2が開始する。シーケンス2が選択されると、画像信号による画像データ点灯信号が出力され、画像データ点灯を行うことにより画像形成が行われる。
【0088】
本シーケンス2は、図8のフローチャートに従って制御されるシーケンスであり、図6に示すタイミングチャートとなるように制御される。
【0089】
すなわち、本シーケンス2では、Aレーザに基づくBD信号が検知された後、Bレーザに基づくBD信号が検知され、これらのBD信号がBD信号分離部111によりそれぞれA−LSYNC信号とB−LSYNC信号とに分離される。その後、レーザ駆動信号生成部207は、A−LSYNC信号を基準に、所定のタイミングで画像データ点灯信号として入力された画像信号をレーザドライバ102に入力し、レーザドライバ102は、LD103−1を変調駆動する。同様に、B−LSYNC信号に基づいてLD103−2の変調駆動が行われる。
【0090】
以上の実施の形態では、ポリゴンモータ105立上げ時に最初に点灯するレーザをLD103−1としているが、立上げ毎に、最初に点灯すべきレーザを交互に又は適宜に変更してもよい。これにより、さらにレーザの点灯時間をほぼ同じにすることができる。
【0091】
また、上記実施の形態に係る画像形成装置は、LD103−1,103−2の2ビームを備えるとしたが、3ビーム以上のマルチビームを備えてもよい。これにより、2ビームを備える画像形成装置と同等の効果を奏することができると共に、マルチビームの各々の使用時間を低減することができ、寿命を長くすることができる。
【0092】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、請求項1記載の画像形成装置によれば、画像形成開始位置を示す基準信号の信号出力間隔に基づいてポリゴンモータの回転を一定の速度に制御し、ポリゴンモータ立上げ時に、レーザ光源の各々を交互に点灯させるので、複数のレーザ光源の寿命をほぼ同じにすることができる。
【0093】
請求項2記載の画像形成装置によれば、ポリゴンモータの駆動により回転する回転多面鏡が有する複数の反射面が複数のレーザ光源からの複数のレーザ光を反射するので、基準信号を容易に生成することができる。
【0094】
請求項3記載の画像形成装置によれば、複数のレーザ光を受光し、該受光されたレーザ光に基づいて基準信号を出力するので、基準信号を容易に出力することができる。
【0095】
請求項4記載の画像形成装置によれば、画像形成開始位置が画像の静電潜像が形成される像担持体における主走査方向の書き出し開始位置であるので、画像形成を主走査方向の書き出し位置から容易に開始することができる。
【0096】
請求項5記載の画像形成装置によれば、前記ポリゴンモータの立上げごとに、最初に点灯すべきレーザ光源を変更するので、さらに複数のレーザ光源の寿命をほぼ同じにすることができる。
【0097】
以上詳細に説明したように、請求項6記載の画像形成装置によれば、画像形成を行う度に、複数のレーザ光源から点灯すべき少なくとも一のレーザ光源を交互に選択するので、複数のレーザ光源の寿命をほぼ同じにすることができる。
【0098】
以上詳細に説明したように、請求項7記載のマルチビーム制御装置及び請求項8記載のマルチビーム制御方法によれば、検出光の検出を行う度に、複数のレーザ光源から点灯すべき一のレーザ光源を交互に選択するので、複数のレーザ光源の寿命をほぼ同じにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るマルチビーム系画像形成装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】図1におけるレーザ制御部101及びポリゴンモータ制御部104のブロック図である。
【図3】図2のポリゴンモータ制御部104によって実行されるポリゴンモータ105の回転制御のタイミングチャートである。
【図4】図2のレーザ制御部101によって実行されるポリゴンモータ105立上げ時のレーザ点灯制御処理のフローチャートである。
【図5】図4のレーザ点灯制御処理におけるポリゴンモータ105立上げ時のシーケンスを説明するタイミングチャートである。
【図6】図4のレーザ点灯制御処理におけるポリゴンモータ105定常回転時のシーケンスを説明するタイミングチャートである。
【図7】従来のレーザ駆動回路を備えた画像形成装置の概略構成を示すブロック図である。
【図8】ポリゴンモータ705立上げ時のレーザ点灯制御処理のフローチャートである。
【図9】図8のレーザ点灯制御処理におけるシーケンスを説明するタイミングチャートである。
【図10】LD703−1,703−2からのレーザ光の反射光がそれぞれBDセンサ710に受光される様子を示す図である。
【符号の説明】
100 画像形成装置
101 レーザ制御部
103−1,103−2 レーザダイオード
104 ポリゴンモータ制御部
105 ポリゴンモータ
106 ポリゴンミラー
110 BDセンサ
111 BD信号分離部
207 レーザ駆動信号生成部
208 レーザ強制点灯信号生成部

Claims (8)

  1. ポリゴンモータと、
    前記ポリゴンモータの回転を制御するモータ回転制御手段と、
    複数のレーザ光源と、
    前記複数のレーザ光源の点灯駆動を制御するレーザ制御手段と、
    画像形成開始位置を示す基準信号を出力する基準信号出力手段とを備え、
    前記モータ回転制御手段は、前記基準信号の信号出力間隔に基づいて前記ポリゴンモータの回転を一定の速度に制御し、
    前記レーザ制御手段は、前記ポリゴンモータの立上げ時に、前記レーザ光源の各々を交互に点灯させることを特徴とするマルチビーム系画像形成装置。
  2. 複数の反射面を有し、前記ポリゴンモータの駆動により回転する回転多面鏡を備え、前記複数の反射面は、前記複数のレーザ光源からの複数のレーザ光を反射することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  3. 前記複数のレーザ光源からのレーザ光を受光するセンサを備え、前記基準信号出力手段は、前記受光されたレーザ光に基づいて前記基準信号を出力することを特徴とする請求項1又は2記載の画像形成装置。
  4. 画像の静電潜像が形成される像担持体を備え、前記画像形成開始位置は、前記像担持体における主走査方向の書き出し開始位置であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  5. 前記レーザ制御手段は、前記ポリゴンモータの立上げごとに、最初に点灯すべきレーザ光源を変更することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  6. ビームを発生する複数のレーザ光源と、該複数のレーザ光源の点灯を制御するレーザ制御手段とを備え、前記複数のレーザ光源からのビームにより画像形成を行うマルチビーム系画像形成装置において、
    前記レーザ制御手段は、前記画像形成を行う度に、前記複数のレーザ光源から点灯すべき少なくとも一のレーザ光源を交互に選択し、
    前記画像形成装置は、前記一のレーザ光源からのビームにより画像形成を開始するタイミングの検出を行う画像形成タイミング検出手段を備えることを特徴とする画像形成装置。
  7. ビームを発生する複数のレーザ光源と、該複数のレーザ光源の点灯を制御するレーザ制御手段とを備えるマルチビーム制御装置において、
    少なくとも一のレーザ光源に基づく検出光を検出するセンサを備え、
    前記レーザ制御手段は、前記検出光の検出を行う度に、前記複数のレーザ光源から点灯すべき一のレーザ光源を交互に選択することを特徴とするマルチビーム制御装置。
  8. ビームを発生する複数のレーザ光源の点灯を制御するレーザ制御工程を有するマルチビーム制御方法であって、
    少なくとも一のレーザ光源に基づく検出光を検出する検出工程を有し、
    前記レーザ制御工程では、前記反射光の検出を行う度に、前記複数のレーザ光源から点灯すべき一のレーザ光源を交互に選択することを特徴とするマルチビーム制御方法。
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