JP2004126118A - 弾性ブレードおよびその製造方法 - Google Patents

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Satoshi Fukuzawa
福澤 聡
Hiroshi Hatanaka
畑中 拓
Manabu Takashima
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Abstract

【課題】耐食性に優れ、環境負荷物であるクロムを含まない弾性ブレードを提供する。
【解決手段】ゴム弾性を有するブレード部材と支持部材からなる弾性ブレードにおいて、上記支持部材が、表面に、ウレタン変性オレフィン樹脂、アクリル変性オレフィン樹脂、またはこの両樹脂を含む非クロム表面処理層を有していることを特徴とする弾性ブレード。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真複写機、レーザービームプリンター、ファクシミリ等の電子写真プロセスを利用した画像形成装置に用いられる弾性ブレードに関する。
【0002】
【従来の技術】
画像形成装置は表面に光導電体層を有する像担持体表面に静電的に形成したトナー像を、紙などの転写材に転写し、定着させるものである。
【0003】
この画像形成装置においては、転写後の像担持体表面に残留するトナーを充分に除去するためのクリーニングブレード、トナー担持部材表面に塗布されるトナーの量を規制する現像ブレード等に代表される、弾性ブレードが用いられている。
【0004】
これらの弾性ブレ―ドは、一般に、鋼板等の剛性を有するブレード支持部材と、ゴム弾性を有するブレード部材とから構成され、両部材は、接着剤等により接合されている。
【0005】
これらの弾性ブレードのブレード部材としては、機械特性や弾性率などの性質に優れているシリコーンゴムやウレタンゴムなどが用いられる。
【0006】
また、弾性ブレードの支持部材としては、亜鉛メッキした防錆処理鋼板のプレス加工板金やステンレススチールあるいはリン青銅等の金属箔などが用いられている。
【0007】
さらに、支持部材にはメッキ層の防錆を目的として、表面にクロメート処理などが一般的に使われている。このクロメート処理には電解型クロメートや反応型クロメート、さらには塗布後水洗することなく乾燥して形成される塗布型クロメート等がある。
【0008】
このようなクロメート処理によって形成される防錆層は、そのバリヤー性の高さに加えて、6価クロムによる自己修復機能を有している。このため、傷を受けた部分においても優れた耐食性を有しており、亜鉛めっき鋼板等の防食に関する重要基盤技術として広く利用されている。
【0009】
しかし、近年の地球環境問題に対する関心の高まりを背景に6価クロムのような環境負荷物の削減が望まれている。また、クロメート処理を施した金属材料は、それがクロム含有の産業廃棄物となった時に、リサイクルができないという大きな欠点を有し、このことは社会的に問題になっている。
【0010】
一方、クロメート処理以外の表面処理方法としては有機系樹脂や無機系化合物を用いた防錆表面処理等の種々の方法が提案されており、例えば、特許文献1には、金属製ホルダーを有機潤滑皮膜鋼板で形成する方法が、特許文献2には、有機潤滑皮膜鋼板とダイマー酸ベースのポリアミド系樹脂を用いて接着剤層を形成させる方法が、特許文献3にはホルダー金具を有機複合皮膜鋼板としたクリーニングブレードが、さらに特許文献4にはエーテル・エステル系ウレタン樹脂層を支持板金の表面皮膜とする方法が、それぞれ開示されている。
【0011】
【特許文献1】
特開平07−334059号公報
【特許文献2】
特開平09−026735号公報
【特許文献3】
特開2001−201991号公報
【特許文献4】
特開2002−182535号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記有機潤滑皮膜鋼板とダイマー酸ベースのポリアミド系樹脂を用いて接着剤層を形成させる方法は、比較的厚い接着剤を塗布する工程があるため、コスト面および生産性に問題がある。また、前記アクリル系からなる有機複合皮膜鋼板の皮膜を接着剤層とする技術では実施例において6価クロムを含むクロメート処理が施された鋼板を用いた事例が紹介されており、環境保護上クロメート処理された鋼板を使用するのは望ましくない。なお、接着力に関して、接着力を生ずる塗膜の膜厚に関する技術の記述が無く、其の有為性は不明瞭であった。さらに、前記エーテル・エステル系ウレタン樹脂層を支持板金の表面皮膜とする方法では皮膜を形成する樹脂層の極性が高いため、十分な耐食性を得られないという問題があった。
【0013】
本発明は、上記の従来技術の現状を鑑みてなされたものであり、耐食性に優れ、環境負荷物であるクロムを含まない弾性ブレードを提供することを、その目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記従来技術の問題点を解決すべく、鋭意検討を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
【0015】
すなわち、本発明は次に記載する事項により特定することができる。
(1) ゴム弾性を有するブレード部材と支持部材からなる弾性ブレードにおいて、上記支持部材が、表面に、ウレタン変性オレフィン樹脂、アクリル変性オレフィン樹脂、またはこの両樹脂を含む非クロム表面処理層を有していることを特徴する弾性ブレード。
(2) 前記非クロム表面処理層の厚みが、0.05〜5.0μmであることを特徴とする(1)記載の弾性ブレード。
(3) 前記非クロム表面処理層の動摩擦係数が、0.01〜0.5であることを特徴とする(1)または(2)記載の弾性ブレード。
(4) 前記支持部材とブレード部材が、接着剤を介して接着されていることを特徴とする(1)ないし(3)のいずれかに記載の弾性ブレード。
(5) 前記接着剤が、ウレタン系樹脂またはポリアミド系樹脂を含む接着剤であることを特徴とする(1)ないし(4)のいずれかに記載の弾性ブレード。
(6) 前記接着剤が、ホットメルト接着剤であることを特徴とする(1)ないし(5)のいずれかに記載の弾性ブレード。
(7) 前記接着剤による接着後の接着剤層の厚みが、0.5〜200μmであることを特徴とする(1)ないし(6)のいずれかに記載の弾性ブレード。
(8) 前記ブレード部材が、熱硬化性ウレタン樹脂を含むことを特徴とする(1)ないし(7)のいずれかに記載の弾性ブレード。
(9) 前記ブレード部材が、アジペート系ウレタンプレポリマーを含有することを特徴とする(1)ないし(8)記載の弾性ブレード。
(10) 少なくとも、ゴム弾性を有するブレード部材を調製するブレード部材調製工程と、支持部材を調製する支持部材調製工程と、これら両部材を接着する接着工程と、を有する弾性ブレードの製造方法において、上記弾性ブレードが(1)ないし(9)記載のいずれかの弾性ブレードであり、上記接着工程が、上記支持部材と接着剤とを予熱する予熱工程と、予熱した上記支持部材を接着剤を介して上記ブレード部材と接着する本接着工程と、を有することを特徴とする弾性ブレードの製造方法。
(11) 前記接着工程が、支持部材と接着剤とを仮接着する仮接着工程と、仮接着した支持部材と接着剤とを予熱する予熱工程と、予熱した上記支持部材を接着剤を介して上記ブレード部材と接着する本接着工程とを有し、上記仮接着工程における仮接着温度が100〜200℃であり、上記予熱工程における予熱温度が20〜200℃であり、上記本接着工程における、接着温度が80℃〜200℃であり、接着圧力が0.05〜2.0MPaであり、接着時間が5〜100秒であることを特徴とする(10)記載の弾性ブレードの製造方法。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の一実施形態を例にとって、図面に基づいて詳しく説明する。本発明は、この実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態においても展開が可能であることは言うまでも無い。
【0017】
本発明の弾性ブレード1 は、例えば、図1に示されるように支持部材2および、ブレード部材3から構成され、これらの部材は接着剤層4により接合される。
【0018】
(ブレード支持部材)
本発明に係わる支持部材2は非クロム表面処理層を有する表面処理鋼板を用いて、公知の方法で調製することができる。
【0019】
本発明で使用される支持部材は次に例示する材料を用いて形成することができる。すなわち、亜鉛めっき鋼板、亜鉛−ニッケルめっき鋼板、亜鉛−鉄めっき鋼板、亜鉛−クロムめっき鋼板、亜鉛−アルミニウムめっき鋼板、亜鉛−チタンめっき鋼板、亜鉛−マグネシウムめっき鋼板、亜鉛−マンガンめっき鋼板等の亜鉛系の電気めっき、溶融めっき、蒸着めっき鋼板、アルミニウムまたはアルミニウム合金めっき鋼板、鉛または鉛合金めっき鋼板、錫または錫合金めっき鋼板、さらには、これらのめっき層に少量の異種金属元素あるいは不純物としてコバルト、モリブデン、タングステン、ニッケル、チタン、クロム、アルミニウム、マンガン、鉄、マグネシウム、鉛、アンチモン、錫、銅、カドミウム、ヒ素等を含有したもの、および/またはシリカ、アルミナ、チタニア等の無機物を分散させたものが含まれる。さらには、以上のめっきと他の種類のめっき、例えば、鉄めっき、鉄−リンめっき等と組み合わせた複層めっきにも適用可能である。
【0020】
本発明で使用する支持部材は、溶剤等により脱脂処理を予め実施したものを用いて調製してもよい。
【0021】
(表面処理層)
本発明に係わる非クロム表面処理層は、ウレタン変性オレフィン樹脂またはアクリル変性オレフィン樹脂を含む樹脂から形成することができる。
これらの樹脂は、表面処理層を構成する全樹脂成分の質量をベースとして、1〜100質量%、好ましくは10〜95質量%、より好ましくは20〜90質量%含有することができる。
【0022】
ウレタン変性オレフィン樹脂としては、オレフィン樹脂の主鎖に少なくとも2個のNCO基を有する化合物であれば特に限定されず用いることができる。
【0023】
本発明に使用することのできるウレタン変性オレフィン樹脂としては、主鎖中に水酸基を有するポリオレフィンとイソシアネート化合物とを反応させ変性した重合体、活性水素を有するポリオール等で修飾されたオレフィン樹脂とウレタン樹脂を混合しその後イソシアネート化合物と反応させ変性したもの、および、オレフィン樹脂とウレタン樹脂との組成物等を挙げることができる。
【0024】
オレフィン樹脂とウレタン樹脂との組成物の調製に用いるウレタン樹脂としては、例えば、旭電化社製「ボンタイターHUX−320」(商品名)を挙げることができる。
【0025】
上記水酸基を有するポリオレフィンや活性水素を有するポリオール等で修飾されたオレフィン樹脂を変性しウレタン変性オレフィン樹脂を調製するのに用いることのできる化合物としては、分子中に少なくとも2個のNCO基を有する化合物であれば特に限定されず用いることができる。
【0026】
ウレタン変性オレフィン樹脂の調製に用いることのできる少なくとも2個のNCO基を有する化合物としては、例えば、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、2,3−ブチレンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネート、2,4,4−または2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナートメチルカプロエートなどの脂肪族ジイソシアネートや、例えば、1,3−シクロペンタンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−シクロヘキサンジイソシアネート、3−イソシアナートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、メチル−2,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,6−シクロヘキサンジイソシアネート、1,2−ビス(イソシアナートメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(イソシアナートメチル)シクロヘキサン、1,3−ビス(イソシアナートメチル)シクロヘキサン、トランス−シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネートなどのシクロアルキレン系ジイソシアネートや、例えば、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−または2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’−トルイジンジイソシアネート、ジアニシジンイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネートや、例えば、ω,ω’−ジイソシアネート−1,3−ジメチルベンゼン、ω,ω’−ジイソシアネート−1,4−ジメチルベンゼン、ω,ω’−ジイソシアネート−1,4−ジエチルベンゼン、α,α,α’,α’−テトラメチルメタキシリレンジイソシアネート、α,α,α’,α’−テトラメチルパラキシリレンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネートや、例えば、トリフェニルメタン−4,4’,4’’−トリイソシアネート、1,3,5−トリイソシアネートベンゼン、2,4,6−トリイソシアネートトルエン、ω−イソシアネートエチル−2,6−ジイソシアナートカプロエートなどのトリイソシアネートや、例えば、4,4’−ジフェニルジメチルメタン−2,2’,5,5’−テトライソシアネートなどのテトライソシアネートのブロック化物や、ダイマー、トリマー、ビュウレット、アロファネート、カルボジイミド、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(クルードMDI、c−MDI、ポリメリックMDI)、クルードTDI等のイソシアネート化合物を挙げることができる。これらの化合物は、組み合わせて用いることができる。
【0027】
前述のNCO基を有する化合物のなかでは、ヘキサメチレンジイソシアネート、3−イソシアナートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート、1,4−ビス(イソシアナートメチル)シクロヘキサン、1,3−ビス(イソシアナートメチル)シクロヘキサン、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、α,α,α’,α’−テトラメチルメタキシリレンジイソシアネートなどのイソシアネート化合物を用いるのが耐光性の観点から好ましい。
【0028】
上記ウレタン変性オレフィン樹脂は2種以上を組み合わせて用いることができる。また、ウレタン変性オレフィン樹脂のなかでは、架橋可能な樹脂であるものがより好ましい。
【0029】
本発明に用いることのできるアクリル変性オレフィン樹脂としては、オレフィン系モノマーとアクリル系モノマーを公知の方法で共重合して得られる重合体、オレフィン樹脂にアクリル系モノマーを公知の方法でグラフト反応等させて得られる部分的にアクリル変性した重合体、側鎖に不飽和結合を有するアクリル系樹脂にオレフィン系モノマーを公知の方法で反応させて得られるアクリル変性重合体、アクリル系樹脂とオレフィン樹脂とを公知の方法で混合して得られる組成物等を挙げることができる。
【0030】
上記グラフト反応、アクリル系モノマーとの重合に使用することのできるオレフィン系モノマーとしては、エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン等のオレフィン系モノマーを挙げることができる。
また、上記オレフィン樹脂としては、エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン等のオレフィン系モノマーを単独で、または、2種以上を組み合わせて公知の方法で重合して得られる重合体を用いることができる。
【0031】
また、上記アクリル系樹脂、側鎖に不飽和結合を有するアクリル系樹脂は、本発明に使用することのできるアクリル変性オレフィン樹脂の調製に用いられるアクリル系モノマーから公知の方法によって調製することができる。また、市販のアクリル樹脂のなかから適切なもの、例えば、東亜合成社製のAP−1058(12)(商品名)など、を選択して用いることもできる。
【0032】
上記アクリル変性オレフィン樹脂の調製に用いることのできるアクリル系モノマーとしては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−、i−もしくはt−ブチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸デシル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−、i−もしくはt−ブチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸シクロヘキシル等のアクリル酸またはメタクリル酸の炭素数1〜18のアルキルエステルまたはシクロアルキルエステル;2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、3−ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、3−ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシブチルメタクリレートなどのアクリル酸またはメタクリル酸のC2〜C8ヒドロキシアルキルエステル;N−メチロールアクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルアミド、N−メトキシメチルアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N−ブトキシメチルメタクリルアミドなどのN−置換アクリルアミド系モノマーまたはN−置換メタクリルアミド系モノマー等を挙げることができる。また、多価アルコールとアクリル酸またはメタクリル酸とのエステルであって分子内に2個以上のエチレン性不飽和結合を有するアクリル系モノマーも用いることができる。
上記のアクリル系モノマーは、2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0033】
上記アクリル変性オレフィン樹脂は2種以上を組み合わせて用いることができる。また、アクリル変性オレフィン樹脂のなかでは、架橋可能な樹脂であるものがより好ましい。
【0034】
さらに、上記ウレタン変性オレフィン樹脂とアクリル変性オレフィン樹脂とを組み合わせて用いることもできる。
【0035】
なお、本発明の目的を達成することができる場合には、他の樹脂、例えば、アクリル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂、アルキド系樹脂を添加することができる。
【0036】
さらに上記表面処理層には皮膜の架橋促進剤を添加することも可能である。架橋促進剤としては、例えば、バナジウム酸化合物、チオカルボニル基含有化合物、りん酸化合物等が挙げられる。これらは架橋促進としての作用だけでなく、樹脂皮膜のミクロポアを少なくして、水や塩素イオンなどの有害イオンを効率よく遮断する効果を有し、防錆効果としても効果があると考えられる。
【0037】
上記架橋促進剤のバナジウム酸化合物は、例えば、バナジウム酸アンモニウム、バナジウム酸ナトリウム、バナジウム酸カリウムなどを用いることができる。特に防錆効果の高いバナジウム酸アンモニウムが好ましい。
【0038】
上記架橋促進剤のチオカルボニル基含有化合物は例えば、チオ尿素およびその誘導体、例えば、メチルチオ尿素、ジメチルチオ尿素、エチルチオ尿素、ジエチルチオ尿素、ジフェニルチオ尿素、チオペンタール、チオカルバジド、チオカルバゾン類、チオシアヌル酸類、チオヒダントイン、2−チオウラミル、3−チオウラゾールなどや、チオアミド化合物の、チオホルムアミド、チオアセトアミド、チオプロピオンアミド、チオベンズアミド、チオカルボスチリル、チオサッカリンなどや、チオアルデヒド化合物、例えば、チオホルムアルデヒド、チオアセトアルデヒドなどや、カルボチオ酸類の、例えば、チオ酢酸、チオ安息香酸、ジチオ酢酸などが例示される。いずれにしろ、水溶液中や酸またはアルカリの存在下においてチオカルボニル基を放出することができる化合物をも含むことができる。
【0039】
上記樹脂等は、一般的には、水に分散し、または、溶剤に溶解もしくは分散して塗工液を調整して表面処理層の形成に使用される。
【0040】
使用することのできる溶剤としては、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、アセト酢酸メチル、2−エトキシエチルアセテートなどのエステル系溶剤、キシレン、トルエンなどの芳香族系溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶剤、ジエチレングリコールジメチルエーテルなどのエーテル系溶剤、ソルベッソー100、ソルベッソー200などの石油系溶剤といった有機溶剤を挙げることができる。
【0041】
なお、塗工液には、例えば、着色顔料や体質顔料、分散剤、例えば、シリコン系、アミン系、ポリエーテル系、ポリエステル系、ヒマシ油系、合成ワックス系、ベントナイト系などの分散剤、消泡剤、レベリング剤、搖変剤、安定剤、例えば、ベンゾトリアゾール系、ヒンダードアミン系、ヒンダードフェノール系などの安定剤、反応触媒、例えば、錫系、鉛系、亜鉛系、鉄系などの反応触媒、紫外線吸収剤などを必要に応じて添加することができる。
【0042】
塗工液の固形分濃度は、一般的には、溶剤100質量部に対し1〜80質量部であり、より好ましくは10〜60質量部であり、さらに好ましくは20〜50質量部である。
上記塗工液の塗布方法としては、スプレー、カーテン、フローコーター、ロールコーター、バーコーター、刷毛塗り、浸漬およびエアナイフ絞り等のいずれの方法によっても行うことができる。塗工膜を乾燥することにより、表面処理層を形成することができる。乾燥温度はとくに限定されず、用いた溶剤等に応じて適切な条件を選択すればよい。
【0043】
また、上記塗工液を塗布して乾燥して形成される非クロム表面処理層の厚さは通常、0.05〜5.0μmの範囲である。さらに好ましくは0.5〜1.2μmの範囲である。表面処理層の厚さを0.05μm以上の厚さとすると、十分な耐食性を得ることができ好ましく、5.0μm以下の厚さとすると、接着性等の性能に優れた表面処理層を経済的に形成することができ好ましい。
【0044】
上記非クロム表面処理層の動摩擦係数は好ましくは0.01〜0.5の範囲である。さらに好ましくは0.05〜0.15の範囲である。ここで、表面処理層の動摩擦係数を0.01以上とすると適切な滑り性を示し、製造工程における取扱いが容易となり、0.5以下とすると、プレス加工等で表面の削れやかじりが発生する虞もなく好ましい。
【0045】
なお、6価クロムを含まず、上記ウレタン変性オレフィン樹脂またはアクリル変性オレフィン樹脂を含む表面処理層が施された市販の表面処理鋼板を本発明の支持部材の調製に用いることができる。例えば、ジンコート21(新日本製鐵社製;商品名)、シルバージンク21(新日本製鐵社製;商品名)、コーベジンクグリーンコート(神戸製鋼所社製;商品名)、ジオフロンティアコート(日本鋼管社製;商品名)、スミジンクNEOコート(住友金属工業製;商品名)などを挙げることができる。
【0046】
上述したウレタン変性オレフィン樹脂またはアクリル変性オレフィン樹脂を含む非クロム表面処理層は、含有するウレタン変性オレフィン樹脂やアクリル変性オレフィン樹脂が極性が小さいため、外部からの水やアニオン種により腐食されにくく、極性が小さいウレタン変性オレフィン樹脂やアクリル変性オレフィン樹脂が添加されているため表面処理層全体の極性を緩和し、耐食性を向上させることが可能である。また、表面処理層の動摩擦係数が低く、滑りやすいため、支持部材の加工時などに傷がつきにくく、表面処理層の剥離を防止することもできる。さらに、本発明で使用する接着剤と類似の樹脂系を含むため、プライマ‐処理をしなくとも良好な接着力を有する弾性ブレードを提供することができる。加えて、本発明にかかる支持部材の表面処理層は環境負荷物であるクロムを含まないので環境保護に大きく貢献することができる。
【0047】
(ブレード部材)
本発明に係わるブレード部材3としては、弾性体であれば特に限定されるものではなく、例えばフッ素ゴム、EPDM、シリコーンゴムなどを用いてブレード部材3を調製することができるが、耐摩耗性の観点から熱硬化性ウレタンエラストマーを用いるのが好ましい。
【0048】
ウレタンエラストマーの製造方法としては、プレポリマー法やワンショット法およびその中間であるセミワンショット法など公知の方法を用いることができる。このようなウレタンエラストマーは、ポリイソシアネート化合物および高分子量ポリオール、ならびに硬化剤として低分子量2価アルコールや3価以上の多価アルコール等を用い、熱硬化反応によって製造される。
【0049】
上記ポリイソシアネート化合物としては、例えば、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水添加MDI)、カルボジイミド変性MDI、2,4−トリレンジイソシアネートウレチジンジオン(2,4−TDIの二量体)、ポリメチレンフェニルポリイソシアネート(PAPI)、キシレンジイソシアネート(XDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMHDI)、オルトトルイジンジイソシアネート(TODI)、ナフチレンジイソシアネート(NDI)、パラフェニレンジイソシアネート(PDI)、リジンジイソシアネートメチルエステル(LDI)等を挙げることができる。これらは単独で用いてもよいし、二種類以上を併用してもよい。
【0050】
上記高分子量ポリオールとしては、例えばポリエチレンアジペート、ポリブチレンアジペート、ポリヘキシレンアジペート、エチレンアジペートとブチレンアジペートとの共重合体等のポリエステルポリオールやポリカプロラクトン、ポリオキシテトラメチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール等のポリエーテルポリオールが挙げられる。これらの数平均分子量(Mn)は1500〜3000のものを用いることが好ましい。数平均分子量を1500以上とすると得られるウレタンゴムの物性が向上する傾向が見られ、また数平均分子量を3000以下とするとプレポリマーの粘度が低くなり、ブレード部材の成形工程における作業性が著しく向上する傾向がみられ好ましい。
【0051】
上記硬化剤としては、分子量300以下の低分子量2価アルコールや3価以上の多価アルコール等を用いることが好ましい。低分子量2価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール(EG)、ジエチレングリコール(DEG)、プロピレングリコール(PG)、ジプロピレングリコール(DPG)、1,4−ブタンジオール(1,4−BD)、ヘキサンジオール、1,4−ヘキサンジオール(HD)などが挙げられる。また3価以上の多価アルコールとしては、例えばグリセリン、1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン(TMP)、1,2,6−ヘキサントリオールなどの3官能脂肪族ポリオール、前記三官能脂肪族ポリオールにエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなどを付加したポリエーテルトリオール、前記三官能脂肪族ポリオールにラクトンなどを付加したポリエステルトリオールなどが挙げられこれら硬化剤は単独でまたは2種類以上を混合して用いることができる。
【0052】
(接着剤)
本発明に使用することのできる接着剤4はブレード部材と濡れやすい接着剤であれば特に限定されないが、ウレタン系樹脂またはポリアミド系樹脂を含む接着剤が好ましい。さらに好ましくは、上記樹脂を含むホットメルト接着剤である。
【0053】
本発明に用いることのできる接着剤として、さらに、ポリエステル系共重合体、エチレンビニルアクリレート共重合体、合成ゴム等を含有する接着剤を挙げることができる。
【0054】
上記接着剤を塗布する方法は特に限定されず、公知の方法を用いることができる。例えば、接着剤を軟化点程度に加熱溶融させ、上記支持部材の接合面に均一な厚さになるように、ロールコーター、アプリケーター、小型押出機等により塗布し、これを冷却させた後、その塗布面にブレード部材の接合面を置く方法、それぞれの接着剤を溶解する溶剤又は混合溶剤により溶液化した接着剤を、ロールコーター、ハケ等で上記支持部材の接合面に均一な厚さになるように塗布し、乾燥させた後、その塗布面にブレード部材の接合面を置く方法、(ホットメルト)接着剤を押出機によりフィルム状とし、これを所定寸法にカットし、支持部材とブレード部材との間に設置する方法等を用いることができる。
【0055】
上記接着剤の接着後の厚みは0.5〜200μmの範囲であることが好ましい。さらに好ましくは10〜100μmの範囲である。接着剤層の厚みを0.5μm以上の厚みとすると接着力にむらが生ずる恐れがなく、200μm以下とすると経済的であり、接着性能に優れ好ましい。
【0056】
(弾性ブレードの製造)
本発明の弾性ブレードの製造方法は、とくに限定されるものではなく、通常用いられる方法で行うことができる。例えば、上述した方法で得られた熱硬化性ポリウレタンエラストマーシート等のゴム弾性を有するシートを所定のサイズに裁断してブレード部材3を作製し、上記支持部材2に接着剤4を塗布しもしくはホットメルト接着剤4をコート等しこれをブレード部材2と共に加熱加圧して接着する方法、支持部材2に接着剤4を塗布もしくはホットメルト接着剤4をコート等しこれを予熱したのち前記ブレード部材3と共に加熱加圧して接着する方法、支持部材2に接着剤4を塗布もしくはホットメルト接着剤4をコート等しこれを予熱したのち、支持部材2と接着剤4とを仮接着し、さらにこれを前記ブレード部材3と共に加熱加圧して本接着する方法、支持部材2をブレード部材成形金型に保持し、この金型にウレタン原料液を注入し、硬化反応させ同時に接着する注型方法等を採用することができる。
【0057】
上記接着時の処理温度は適宜適切な温度を選べばよい。例えば、上記仮接着を行う場合、例えば、仮接着温度を、一般的には、100〜200℃、好ましくは110〜160℃、さらに好ましくは、120〜140℃とし、仮接着圧力を、一般的には、0.05〜2.0MPa、好ましくは0.2〜1.0MPa、さらに好ましくは、0.3〜0.6MPaとし、仮接着時間を、一般的には、0.1〜100秒、好ましくは1〜60秒、さらに好ましくは、5〜30秒とすることができる。
【0058】
また、予熱を行う場合、例えば、予熱温度を、一般的には、20〜200℃、好ましくは70〜170℃、さらに好ましくは、120〜150℃とし、予熱時間を、一般的には、10〜180秒、好ましくは30〜160秒、さらに好ましくは、60〜120秒とすることができる。
【0059】
また、本接着を行う場合、本接着温度を、一般的には、80〜200℃、好ましくは100〜180℃、さらに好ましくは、140〜160℃とし、本接着圧力を、一般的には、0.05〜2.0MPa、好ましくは0.2〜1.0MPa、さらに好ましくは、0.3〜0.6MPaとし、本接着時間を、一般的には、5〜100秒、好ましくは10〜80秒、さらに好ましくは、50〜70秒とすることができる。
【0060】
全体的に加熱する場合と、支持部材等の部材を直接加熱する手段を講ずる場合とで上記条件は異なるが、それぞれの場合に適した条件を選択すればよい。
【0061】
全体的な加熱方法の例としては、ヒーター利用の加熱炉、温風によるもの、各種の熱線によるもの等を挙げることができる。支持部材を直接加熱する方法としては、誘導加熱法等の方法を挙げることができる。
【0062】
【実施例】
以下に、実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
【0063】
本実施例および比較例における接着力は次の方法によって評価した。
【0064】
(接着力の測定方法)
製造した弾性ブレードのブレード部材を10mm幅で切断する。次に、図2に示すように支持部材2を引張試験機の引張用チャック6に固定し、ブレード部材を固定用チャック5で保持して図中矢印の方向に20mm/minの速度で引張り、その引張強度を測定して、JIS K 6854に基づき接着力を評価した。
【0065】
実施例1
ウレタン変性オレフィン樹脂およびアクリル変性オレフィン樹脂を含む非クロム表面処理層(層厚0.9μm)を有している電気亜鉛メッキ鋼板ジンコート21(商品名;新日本製鐵(株)製、板厚1.6mm、動摩擦係数0.1)を加工して支持部材を作製した。これに、ポリウレタン―ポリアミド系フィルム状ホットメルト接着剤PUAE110(商品名;日本マタイ(株)製、厚み110μm)を仮接着温度130℃のもとで、0.34MPaの圧力で圧着し前記支持部材に仮接着した。
【0066】
次いで、アジペート系ウレタンプレポリマー100質量部(Mn2000、NCO含有量6.25質量%)と1,4−ブタンジオール3.7質量部、トリメチロールプロパン1.9質量部を注型機ミキシングチェンバー内で混合撹拌したのち、遠心成形機に注入して加熱成形したシート状のポリウレタンエラストマーを所定寸法に裁断し、ブレード部材とした。
【0067】
次いで、予熱温度150℃で60秒間、予熱した後、ブレード部材を0.4MPaの接着圧力で接着温度160℃、接着時間60秒圧着し本接着した後冷却し、弾性ブレードを得た。得られた弾性ブレードの接着剤層は均一でありその厚みは60μmであった。
【0068】
得られた弾性ブレードを、塩水噴霧試験(JIS Z 2371)および接着力評価(JIS K 6854)、並びに専用治具5にブレードを取付け、40℃、相対湿度95%RHの雰囲気下に28日間放置した後に剥がれの有無を目視観察し接着保持力の評価を行った。結果を表1に示す。
【0069】
実施例2
支持部材とブレード部材との本接着条件を接着圧力0.5MPa、接着時間10秒とした以外は実施例1と同様にして実施例2の弾性ブレードを得た。得られた弾性ブレードの接着剤層の厚みは70μmであった。
【0070】
得られた弾性ブレードを、実施例1と同様にして評価した。結果を表1に示す。
【0071】
比較例1
支持部材として、ポリエステル系樹脂を含む非クロム表面処理層(層厚0.6μm)を有する電気亜鉛メッキ鋼板ジンコート21(商品名;新日本製鐵(株)製、板厚1.6mm、動摩擦係数0.25)を用いた以外は実施例1と同様にして、比較例1の弾性ブレードを得た。得られた弾性ブレードの接着剤層の厚みは60μmであった。
【0072】
得られた弾性ブレードを、実施例1と同様にして評価した。結果を表1に示す。
【0073】
【表1】
Figure 2004126118
【0074】
実施例1の弾性ブレードでは支持部材にウレタン変性オレフィン樹脂およびアクリル変性オレフィン樹脂を含む非クロム表面処理層を用いたことで、接着力が高く、接着保持力も安定しており、さらに耐食性も良好であった。また、実施例2の弾性ブレードでは本接着において接着圧力を高め、接着時間を短縮して実施例1と同様の接着力、接着保持力を有するものとすることができた。
【0075】
加えて、支持部材の非クロム表面処理層および接着剤において同様なウレタン系樹脂を含んでいるため、実施例1、2の弾性ブレードとも安定した接着性能を有していた。
【0076】
比較例1の弾性ブレードでは極性の高いポリエステル系樹脂を含む非クロム表面処理層であるため、耐食性が劣っていた。また、接着剤とは異なる樹脂が表面処理層に含まれているため、接着保持力が弱くなる傾向が見られた。
【0077】
【発明の効果】
以上説明したように、支持部材の表面にウレタン変性オレフィン樹脂および/またはアクリル変性オレフィン樹脂を含む非クロム表面処理層を施すことで、耐食性、接着性に優れたブレードを提供することができる。加えて、環境負荷物質である6価クロムを含まないことから地球環境、またリサイクル面においても有利なブレードを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の弾性ブレードの概略図である。
【図2】本発明の弾性ブレードの接着力の評価方法を示す図である。
【図3】本発明の弾性ブレードの接着保持力を評価するための専用治具の該略図である。
【符号の説明】
1  弾性ブレード
2  支持部材
3  ブレード部材
4  接着剤層
5  固定用チャック
6  引張用チャック
7  接着保持力評価用専用治具

Claims (11)

  1. ゴム弾性を有するブレード部材と支持部材からなる弾性ブレードにおいて、上記支持部材が、表面に、ウレタン変性オレフィン樹脂、アクリル変性オレフィン樹脂、またはこの両樹脂を含む非クロム表面処理層を有していることを特徴する弾性ブレード。
  2. 前記非クロム表面処理層の厚みが、0.05〜5.0μmであることを特徴とする請求項1記載の弾性ブレード。
  3. 前記非クロム表面処理層の動摩擦係数が、0.01〜0.5であることを特徴とする請求項1または2記載の弾性ブレード。
  4. 前記支持部材とブレード部材が、接着剤を介して接着されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の弾性ブレード。
  5. 前記接着剤が、ウレタン系樹脂またはポリアミド系樹脂を含む接着剤であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の弾性ブレード。
  6. 前記接着剤が、ホットメルト接着剤であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の弾性ブレード。
  7. 前記接着剤による接着後の接着剤層の厚みが、0.5〜200μmであることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の弾性ブレード。
  8. 前記ブレード部材が、熱硬化性ウレタン樹脂を含むことを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の弾性ブレード。
  9. 前記ブレード部材が、アジペート系ウレタンプレポリマーを含有することを特徴とする請求項1ないし8記載の弾性ブレード。
  10. 少なくとも、ゴム弾性を有するブレード部材を調製するブレード部材調製工程と、支持部材を調製する支持部材調製工程と、これら両部材を接着する接着工程と、を有する弾性ブレードの製造方法において、上記弾性ブレードが請求項1ないし9記載のいずれかの弾性ブレードであり、上記接着工程が、上記支持部材と接着剤とを予熱する予熱工程と、予熱した上記支持部材を接着剤を介して上記ブレード部材と接着する本接着工程と、を有することを特徴とする弾性ブレードの製造方法。
  11. 前記接着工程が、支持部材と接着剤とを仮接着する仮接着工程と、仮接着した支持部材と接着剤とを予熱する予熱工程と、予熱した上記支持部材を接着剤を介して上記ブレード部材と接着する本接着工程とを有し、上記仮接着工程における仮接着温度が100〜200℃であり、上記予熱工程における予熱温度が20〜200℃であり、上記本接着工程における、接着温度が80℃〜200℃であり、接着圧力が0.05〜2.0MPaであり、接着時間が5〜100秒であることを特徴とする請求項10記載の弾性ブレードの製造方法。
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