JP2004125673A - X線異物検出装置 - Google Patents
X線異物検出装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004125673A JP2004125673A JP2002291526A JP2002291526A JP2004125673A JP 2004125673 A JP2004125673 A JP 2004125673A JP 2002291526 A JP2002291526 A JP 2002291526A JP 2002291526 A JP2002291526 A JP 2002291526A JP 2004125673 A JP2004125673 A JP 2004125673A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- foreign matter
- ray
- inspection object
- inspection
- conveyor
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Geophysics And Detection Of Objects (AREA)
- Analysing Materials By The Use Of Radiation (AREA)
Abstract
【課題】ゆで卵製造・加工ラインに適したX線異物検出装置を提供する。
【解決手段】コンベア搬入部20aの3度の傾斜と、逆傾斜されている供給ホッパー8の構造の連絡により、被検査物であるゆで卵5は、ホッパー8の供給口12より2個づつ自然落下し配給される。そして、載置板6に載置されたゆで卵5は、コンベア搬入部20aの凹部14に保持され、コンベア搬入部20aの駆動により供給口12の真下から移動し、次のゆで卵5が供給口12より落下するようになっている。即ち、ゆで卵5は、コンベア搬入部20aの3度の傾斜と逆傾斜されている供給ホッパー8の連絡構造、および載置板6の凹部14と凸部15の繰り返し構造により一定の時間的間隔を経てX線異物検出装置内へと移送されるよう制御されている。
【選択図】 図1
【解決手段】コンベア搬入部20aの3度の傾斜と、逆傾斜されている供給ホッパー8の構造の連絡により、被検査物であるゆで卵5は、ホッパー8の供給口12より2個づつ自然落下し配給される。そして、載置板6に載置されたゆで卵5は、コンベア搬入部20aの凹部14に保持され、コンベア搬入部20aの駆動により供給口12の真下から移動し、次のゆで卵5が供給口12より落下するようになっている。即ち、ゆで卵5は、コンベア搬入部20aの3度の傾斜と逆傾斜されている供給ホッパー8の連絡構造、および載置板6の凹部14と凸部15の繰り返し構造により一定の時間的間隔を経てX線異物検出装置内へと移送されるよう制御されている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、X線を用いて被検査物中に含まれる異物等の検査を行う異物検査装置に係り、たとえば多量のゆで卵を順次検査して食品加工ラインに供給するX線異物検出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
各分野においてX線を用いた異物検査が行われているが、特に精肉、食品加工業においては、PL法やHACCP方式の製造工程の管理対策として、X線異物検出装置が重要視されている。
X線異物検出装置はX線源から被検査物にX線を照射し、被検査物を透過した透過X線から得られる透過画像によって、被検査物中に含まれる異物や異常の検出を行うものであり、これによって、精肉や加工食品に異物となる金属、骨、木材、合成樹脂等が混入している場合は検知され、排除処理が行なわれ製造品・加工品の安全性、衛生性が保証される。
【0003】
そして、これらの食品加工の生産ラインに組み込まれる装置では、コンベアにより被検査物が装置内へ搬入され、搬出され異物検査がおこなわれているのだが、当然、その装置の検査能力は、その被検査物の製造ラインにおける製造処理能力に適合するようになっている。
おでんの具や調味料製造の原料などに用いられるゆで卵の食品加工ラインにおいても、こうしたX線異物検出装置が設置され、ゆで卵の殻の自動割卵行程にともない発生する、殻の破片の付着やゆで卵内への混入事故に対応している。
【0004】
このような検卵のためのX線異物検出装置として従来より使用されている装置は、図4、図5に示される。図4はX線異物検出装置1を正面より見た図であり、図5は搬送機構であるベルトコンベア4a、ガイド17aおよび搬送される被検査物であるゆで卵5を斜視的に示す図である。
【0005】
まず、図4において、装置全体はX線の装置外への漏洩を遮断するため、X線遮断材よりなるフード2により覆われている。このフード2の内方の上部にはX線を照射するためのX線発生器3が架設され、ベルトコンベア4aの作動により装置内へ搬入されるゆで卵5に対してX線照射するようになっている。照射され、被検査物であるゆで卵5を透過したX線は透過X線検出器7にて検出され、検出信号が出力される。この信号に基づき所定の画像処理が行われ、たとえばモニター画面上(図示せず)のゆで卵5の画像に異物がマークして示されるなどの処理がおこなわれ、ゆで卵5の内部の異物混入が認識できる。
【0006】
混入をモニター画面上で検知した場合は、X線異物検出装置1より、一定時間後にショートダンパ9に異物検出信号を発信することにより、実線で示したショートダンパ9を破線で示したショートダンパ9の状態に傾斜するよう操作し、ゆで卵5の不良品10がベルトコンベア4b、4cによりフード2外へ搬出された後、ショートダンパ9を通過する時点で自動的に不良品バケツ18に排除できるようになっている。
【0007】
なお、良品11の搬送に関してはショートダンパ9は実線で示したように水平に保たれ、加工の次工程へと続く搬送機構などへと搬出していく。また、ベルトコンベア4a、4b、4cには1対のガイド17a、17b、17cが設けられており、球状の卵が転がり落ちないよう工夫がなされているが、図5に示したように、ランダムにベルトコンベア4a上に載置された状態で搬送される。
なお、上記以外にも、ゆで卵を搬送する機構の構成として、
【特許文献1】に示すようなものがある。
【0008】
【特許文献1】
特開2000−266695号(第3頁、第3図)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のような水平なベルトコンベア4a、4b、4cでは、落下防止、ならびに転がり防止用のガイド17a、17b、17cを設けたとしても、球状のゆで卵5が検査に適した状態で搬送・搬出できていなかった。
【0010】
即ち、水平なベルトコンベア4a、4b、4cに載置され、ガイド17a、17b、17cにより保持され搬送されるゆで卵5は、図5に示すとおりランダムに載置され搬送され、そして検卵されていたため、ゆで卵5が重なり合い、密度が高い状態で搬送される場合も生じ、異物が混入していないにもかかわらず、異物が混入したと判断する誤検知が発生する場合があるという問題があった。
【0011】
また、不良品排除装置であるショートダンパ9は、被検査物であるゆで卵5がベルトコンベア4c上で搬送密度が不均一に運ばれてくるため、的確に不良品のみを選抜することはできず、良品まで同時に大量に排除してしまう場合も生じていた。
【0012】
さらに、加工ラインの生産力は1分間に400〜600個というものであるため、ゆで卵5は効率よく搬入、検査、搬出されなければならないが、こうしたランダムな搬送では効率の向上が図れてなかった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、ゆで卵の製造加工ラインに設置するに適するX線異物検出装置、特に、ゆで卵の搬送に適した構造を備えたコンベアと検査機構を備えたX線異物検出装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明が提供するX線異物検出装置は、上記課題を解決するために、X線を照射して被検査物の異物検査を行うX線検出機構と、被検査物をX線照射領域へ搬入・搬出する搬送機構と、前記搬送機構に被検査物を供給する被検査物供給機構を備えたX線異物検出装置において、前記搬送機構は、被検査物を載置する凹部を有し、各凹部に被検査物を保持して搬送するコンベアにて構成するとともに、被検査物をX線検出機構内に搬入する前記コンベアの被検査物載置面は、一定の角度を傾斜して配設され、搬送される被検査物が上昇しつつ前記X線検出機構に搬入されるように構成したことを特徴とするX線異物検出装置である。
【0014】
そして、X線異物検査装置内へ被検査物を搬入するコンベアの被検査物載置面の傾斜角度が3度から5度の範囲に設定されていることを特徴とし、その傾斜した被検査物載置面に被検査物を供給する被検査物供給機構を前記被検査物載置面と対向して逆向きに傾斜させて配置し、被検査物を供給している。
なお、被検査物がゆで卵であることを特徴とするX線異物検出装置である。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施例を図1、図2、図3に基づいて説明する。
まず、図1は、本発明のX線異物検出装置1を正面より示し、図2は、その搬送機構であるコンベアの構造を側面と上方より示し、図3では、搬送機構と被検査物であるゆで卵5を搬送機構に供給する機構の連結状態を示す。
【0016】
このX線異物検出装置1は、主に、X線漏洩防止用のフード2内に設置された検査機構であるX線発生器3と、その透過X線を検出する透過X線検出器7と、被検査物であるゆで卵5をフード2内へ搬入するコンベア搬入部20aと、フード2内を移送し、ならびにショートダンパ9へ移送するコンベア搬出部20bと、被検査物であるゆで卵5を、コンベア搬入部20aに供給する供給ホッパー8より構成されている。
【0017】
なお、コンベア搬入部20a、ならびにコンベア搬出部20bの被検査物載置面の形状は、図2(a)に示すように、2枚の載置板6の連結により、凹部14、凸部15を形成するよう構成されており、同じく図2(b)が示すように、それら載置板6が連結軸19a、19bを介し、チェーン16a、16bに結合され駆動している。また、コンベア搬入部20aとコンベア搬出部20bにはそれぞれ被検査物落下防止用のガイドが、図4に示した従来装置と同様に装備されているが省略してある。
【0018】
そして、上述のようなX線異物検出装置1において実際に異物検査は次のようにおこなわれる。
まず、図3が示すように、被検査物であるゆで卵5は供給ホッパー8より、コンベア搬入部20aを介してフード2内へ搬入される。供給ホッパー8の供給口12はゆで卵5が2個並ぶように形成されており、ゆで卵5は供給ホッパー8の傾斜を利用して落下し、コンベア搬入部20a上に供与される。
【0019】
その際、図1が示すようにコンベア搬入部20aは3度傾斜面にて、2枚の載置板6が形成する凹部14、凸部15の繰り返し構造で供給ホッパー8の供給口12に近接し、そして、このコンベア搬入部20aの3度の傾斜と、逆傾斜されている供給ホッパー8の構造の連絡により、被検査物であるゆで卵5は、図3が示すように供給ホッパー8の供給口12より2個づつ自然落下し配給されるようになっている。
【0020】
次に、載置板6に載置されたゆで卵5が、コンベア搬入部20aの凹部14に保持され、コンベア搬入部20aの駆動により供給ホッパー8の供給口12の真下から移動すると、次のゆで卵5が供給口12より落下するようになっている。
【0021】
即ち、ゆで卵5の供給ホッパー8からの供給は、ゆで卵5が供給口12前にある間はストップし、移動後には供給される。そして、X線異物検出装置1内への移送は、載置板6の凹部14と凸部15の繰り返し構造により一定の時間的間隔を経て移送されるよう制御されている。そして、検査装置の検査能を工場の加工ラインの生産能に適応させている。
【0022】
次にコンベア搬入部20a上のゆで卵5は、コンベア搬出部20bを移送され、X線発生器の下を通過する際、X線を照射され、透過X線は透過X線検出器7により検出され、検出信号が出力される。この信号に基づき所定の画像処理が行われ、たとえばモニター画面上(図示せず)の被検査物であるゆで卵5の画像に異物がマークして示されるなどの処理がおこなわれ、ゆで卵5の内部の異物混入等の状況が検査される。と同時に、被検査物であるゆで卵5はフード2内に搬送された直後、光電センサー13で検知され、信号が出力されている。したがって、その検出信号と、前記X線検出信号処理によるデータがプログラムにより算出され、異物混入信号を発したゆで卵5の不良品10は、ちょうどショートダンパ9上に移送された時点で、実線で示したショートダンパ9を破線で示したショートダンパ9の状態に傾斜するよう操作されることにより選別されるようになっている。この時、同じ凹部14に保持されている良品11は、不良品10と共に不良品バケツ18に排除される。なお、排除後は、ショートダンパ9はもとの水平な状態に戻り、良品11を加工の次工程へと続く搬送機構などへと運搬し異物検査は完了する。
【0023】
本発明が提供するX線異物検出装置は以上説明したとおりであるが、上記ならびに図示例に限定されるものではなく、種々の変形例を挙げることができる。
まず、本実施形態でのコンベア上での被検査物の載置面は平面に一定の間隔でV字の溝を持つよう2枚の載置板6を連結し凹凸を形成し、そのV字状の凹部14に被検査物であるゆで卵5を保持し輸送したが、そのコンベアの載置面状の凹凸の形状は一例であり、様々な載置面の形状が採用可能である。特に、被検査物の形状により、平面載置面に孔を形成するなどして被検査物を保持するもよい。しかし、ゆで卵の場合は、孔に保持すると孔の型が軟らかいゆで卵の表面に形成されるため、本発明のようなV字溝が形成されるような凹凸構造が望ましいが、その載置面の部材の材質等などの工夫により可能でもある。
【0024】
また、コンベア搬入部20aと供給ホッパー8の被検査物載置面を3〜5度に固定傾斜させることにしたが、この傾斜角度を自在に調整できる調整可能形に構成することもできる。
また、凹凸の連続形成を、2枚の載置板を構成部材とし構成したが、それらを一枚構成するも可能である。
また、本実施形態では、その検査能を1分間で400〜600個としたが、検査能を調整可能なプログラムを有することも可能であり、コンベア速度を変更するプログラムを内蔵することにより可能となっている。
【0025】
さらに、被検査物であるゆで卵を2個同時に検査し排除する構成にハード的にも、ソフト的にも構成したが、これは、検査処理能力を600個/分とするためである。コンベア速度は30〜40m/分が限界であるが、2列にすることで、コンベア速度を適性のままに検査量を増やすことができているのである。したがって、さらに検査能を上げるには4列にして800〜1000個/分の検査の実施可能である。
【0026】
また、不良品の排除も、例えば、光電センサーを並列して設け、さらに、コンベアの載置板をコンベアの進行方向に向かって縦に分割し、また、ショートダンパも2つの流路を設ける構造とするなど、確実に異物混入信号を有するゆで卵のみを排除する改善なども考えられる。排出装置も、ショートダンパとしたが、ドロップベルト方式、またはエアジェット方式等の他の排出方式を採用することも可能である。
さらに、被検査物はゆで卵だけではなく、他の球状の被検査物や、包装品の異物検査装置にも応用可能である。
【0027】
【発明の効果】
本発明のX線異物検出装置は、以上に説明したような構成であるから、ゆで卵の生産ラインに採用される装置として、その被検査物であるゆで卵をX線異物検出装置内へ移送する際、すなわち、ゆで卵供給機構よりゆで卵をコンベア搬入部のゆで卵載置面に供給する際、コンベア搬入部の3度の傾斜を利用して制御している。また、被検査物であるゆで卵の移送は、搬送機構の載置面の凹凸な形状によって一定の時間間隔でおこなわれ、一定量を効率よく検査することを可能にしている。したがって、X線異物検出装置は生産ラインの生産能力に適応して可動することができ、全体の生産性を向上させるとともに、不良品回収も適切に無駄なく行え、大幅に、運用コスト、原料コストをも削減する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のX線異物検出装置の一実施例を正面より示す図である。
【図2】本発明のX線異物検出装置の搬送機構の構成の一実施例を示す図である。
【図3】本発明によるX線異物検出装置の搬送機構の一実施例を示す図である。
【図4】従来のX線異物検出装置を示す正面図である。
【図5】従来のX線異物検出装置の搬送機構を示す図である。
【符号の説明】
1 X線異物検出装置
2 フード
3 X線発生器
4a、4b、4c ベルトコンベア
5 ゆで卵
6 載置板
7 透過X線検出器
8 供給ホッパー
9 ショートダンパ
10 不良品
11 良品
12 供給口
13 光電センサー
14 凹部
15 凸部
16a、16b チェーン
17a、17b、17c ガイド
18 不良品バケツ
19a、19b 連結軸
20a コンベア搬入部
20b コンベア搬出部
【発明の属する技術分野】
本発明は、X線を用いて被検査物中に含まれる異物等の検査を行う異物検査装置に係り、たとえば多量のゆで卵を順次検査して食品加工ラインに供給するX線異物検出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
各分野においてX線を用いた異物検査が行われているが、特に精肉、食品加工業においては、PL法やHACCP方式の製造工程の管理対策として、X線異物検出装置が重要視されている。
X線異物検出装置はX線源から被検査物にX線を照射し、被検査物を透過した透過X線から得られる透過画像によって、被検査物中に含まれる異物や異常の検出を行うものであり、これによって、精肉や加工食品に異物となる金属、骨、木材、合成樹脂等が混入している場合は検知され、排除処理が行なわれ製造品・加工品の安全性、衛生性が保証される。
【0003】
そして、これらの食品加工の生産ラインに組み込まれる装置では、コンベアにより被検査物が装置内へ搬入され、搬出され異物検査がおこなわれているのだが、当然、その装置の検査能力は、その被検査物の製造ラインにおける製造処理能力に適合するようになっている。
おでんの具や調味料製造の原料などに用いられるゆで卵の食品加工ラインにおいても、こうしたX線異物検出装置が設置され、ゆで卵の殻の自動割卵行程にともない発生する、殻の破片の付着やゆで卵内への混入事故に対応している。
【0004】
このような検卵のためのX線異物検出装置として従来より使用されている装置は、図4、図5に示される。図4はX線異物検出装置1を正面より見た図であり、図5は搬送機構であるベルトコンベア4a、ガイド17aおよび搬送される被検査物であるゆで卵5を斜視的に示す図である。
【0005】
まず、図4において、装置全体はX線の装置外への漏洩を遮断するため、X線遮断材よりなるフード2により覆われている。このフード2の内方の上部にはX線を照射するためのX線発生器3が架設され、ベルトコンベア4aの作動により装置内へ搬入されるゆで卵5に対してX線照射するようになっている。照射され、被検査物であるゆで卵5を透過したX線は透過X線検出器7にて検出され、検出信号が出力される。この信号に基づき所定の画像処理が行われ、たとえばモニター画面上(図示せず)のゆで卵5の画像に異物がマークして示されるなどの処理がおこなわれ、ゆで卵5の内部の異物混入が認識できる。
【0006】
混入をモニター画面上で検知した場合は、X線異物検出装置1より、一定時間後にショートダンパ9に異物検出信号を発信することにより、実線で示したショートダンパ9を破線で示したショートダンパ9の状態に傾斜するよう操作し、ゆで卵5の不良品10がベルトコンベア4b、4cによりフード2外へ搬出された後、ショートダンパ9を通過する時点で自動的に不良品バケツ18に排除できるようになっている。
【0007】
なお、良品11の搬送に関してはショートダンパ9は実線で示したように水平に保たれ、加工の次工程へと続く搬送機構などへと搬出していく。また、ベルトコンベア4a、4b、4cには1対のガイド17a、17b、17cが設けられており、球状の卵が転がり落ちないよう工夫がなされているが、図5に示したように、ランダムにベルトコンベア4a上に載置された状態で搬送される。
なお、上記以外にも、ゆで卵を搬送する機構の構成として、
【特許文献1】に示すようなものがある。
【0008】
【特許文献1】
特開2000−266695号(第3頁、第3図)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のような水平なベルトコンベア4a、4b、4cでは、落下防止、ならびに転がり防止用のガイド17a、17b、17cを設けたとしても、球状のゆで卵5が検査に適した状態で搬送・搬出できていなかった。
【0010】
即ち、水平なベルトコンベア4a、4b、4cに載置され、ガイド17a、17b、17cにより保持され搬送されるゆで卵5は、図5に示すとおりランダムに載置され搬送され、そして検卵されていたため、ゆで卵5が重なり合い、密度が高い状態で搬送される場合も生じ、異物が混入していないにもかかわらず、異物が混入したと判断する誤検知が発生する場合があるという問題があった。
【0011】
また、不良品排除装置であるショートダンパ9は、被検査物であるゆで卵5がベルトコンベア4c上で搬送密度が不均一に運ばれてくるため、的確に不良品のみを選抜することはできず、良品まで同時に大量に排除してしまう場合も生じていた。
【0012】
さらに、加工ラインの生産力は1分間に400〜600個というものであるため、ゆで卵5は効率よく搬入、検査、搬出されなければならないが、こうしたランダムな搬送では効率の向上が図れてなかった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、ゆで卵の製造加工ラインに設置するに適するX線異物検出装置、特に、ゆで卵の搬送に適した構造を備えたコンベアと検査機構を備えたX線異物検出装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明が提供するX線異物検出装置は、上記課題を解決するために、X線を照射して被検査物の異物検査を行うX線検出機構と、被検査物をX線照射領域へ搬入・搬出する搬送機構と、前記搬送機構に被検査物を供給する被検査物供給機構を備えたX線異物検出装置において、前記搬送機構は、被検査物を載置する凹部を有し、各凹部に被検査物を保持して搬送するコンベアにて構成するとともに、被検査物をX線検出機構内に搬入する前記コンベアの被検査物載置面は、一定の角度を傾斜して配設され、搬送される被検査物が上昇しつつ前記X線検出機構に搬入されるように構成したことを特徴とするX線異物検出装置である。
【0014】
そして、X線異物検査装置内へ被検査物を搬入するコンベアの被検査物載置面の傾斜角度が3度から5度の範囲に設定されていることを特徴とし、その傾斜した被検査物載置面に被検査物を供給する被検査物供給機構を前記被検査物載置面と対向して逆向きに傾斜させて配置し、被検査物を供給している。
なお、被検査物がゆで卵であることを特徴とするX線異物検出装置である。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施例を図1、図2、図3に基づいて説明する。
まず、図1は、本発明のX線異物検出装置1を正面より示し、図2は、その搬送機構であるコンベアの構造を側面と上方より示し、図3では、搬送機構と被検査物であるゆで卵5を搬送機構に供給する機構の連結状態を示す。
【0016】
このX線異物検出装置1は、主に、X線漏洩防止用のフード2内に設置された検査機構であるX線発生器3と、その透過X線を検出する透過X線検出器7と、被検査物であるゆで卵5をフード2内へ搬入するコンベア搬入部20aと、フード2内を移送し、ならびにショートダンパ9へ移送するコンベア搬出部20bと、被検査物であるゆで卵5を、コンベア搬入部20aに供給する供給ホッパー8より構成されている。
【0017】
なお、コンベア搬入部20a、ならびにコンベア搬出部20bの被検査物載置面の形状は、図2(a)に示すように、2枚の載置板6の連結により、凹部14、凸部15を形成するよう構成されており、同じく図2(b)が示すように、それら載置板6が連結軸19a、19bを介し、チェーン16a、16bに結合され駆動している。また、コンベア搬入部20aとコンベア搬出部20bにはそれぞれ被検査物落下防止用のガイドが、図4に示した従来装置と同様に装備されているが省略してある。
【0018】
そして、上述のようなX線異物検出装置1において実際に異物検査は次のようにおこなわれる。
まず、図3が示すように、被検査物であるゆで卵5は供給ホッパー8より、コンベア搬入部20aを介してフード2内へ搬入される。供給ホッパー8の供給口12はゆで卵5が2個並ぶように形成されており、ゆで卵5は供給ホッパー8の傾斜を利用して落下し、コンベア搬入部20a上に供与される。
【0019】
その際、図1が示すようにコンベア搬入部20aは3度傾斜面にて、2枚の載置板6が形成する凹部14、凸部15の繰り返し構造で供給ホッパー8の供給口12に近接し、そして、このコンベア搬入部20aの3度の傾斜と、逆傾斜されている供給ホッパー8の構造の連絡により、被検査物であるゆで卵5は、図3が示すように供給ホッパー8の供給口12より2個づつ自然落下し配給されるようになっている。
【0020】
次に、載置板6に載置されたゆで卵5が、コンベア搬入部20aの凹部14に保持され、コンベア搬入部20aの駆動により供給ホッパー8の供給口12の真下から移動すると、次のゆで卵5が供給口12より落下するようになっている。
【0021】
即ち、ゆで卵5の供給ホッパー8からの供給は、ゆで卵5が供給口12前にある間はストップし、移動後には供給される。そして、X線異物検出装置1内への移送は、載置板6の凹部14と凸部15の繰り返し構造により一定の時間的間隔を経て移送されるよう制御されている。そして、検査装置の検査能を工場の加工ラインの生産能に適応させている。
【0022】
次にコンベア搬入部20a上のゆで卵5は、コンベア搬出部20bを移送され、X線発生器の下を通過する際、X線を照射され、透過X線は透過X線検出器7により検出され、検出信号が出力される。この信号に基づき所定の画像処理が行われ、たとえばモニター画面上(図示せず)の被検査物であるゆで卵5の画像に異物がマークして示されるなどの処理がおこなわれ、ゆで卵5の内部の異物混入等の状況が検査される。と同時に、被検査物であるゆで卵5はフード2内に搬送された直後、光電センサー13で検知され、信号が出力されている。したがって、その検出信号と、前記X線検出信号処理によるデータがプログラムにより算出され、異物混入信号を発したゆで卵5の不良品10は、ちょうどショートダンパ9上に移送された時点で、実線で示したショートダンパ9を破線で示したショートダンパ9の状態に傾斜するよう操作されることにより選別されるようになっている。この時、同じ凹部14に保持されている良品11は、不良品10と共に不良品バケツ18に排除される。なお、排除後は、ショートダンパ9はもとの水平な状態に戻り、良品11を加工の次工程へと続く搬送機構などへと運搬し異物検査は完了する。
【0023】
本発明が提供するX線異物検出装置は以上説明したとおりであるが、上記ならびに図示例に限定されるものではなく、種々の変形例を挙げることができる。
まず、本実施形態でのコンベア上での被検査物の載置面は平面に一定の間隔でV字の溝を持つよう2枚の載置板6を連結し凹凸を形成し、そのV字状の凹部14に被検査物であるゆで卵5を保持し輸送したが、そのコンベアの載置面状の凹凸の形状は一例であり、様々な載置面の形状が採用可能である。特に、被検査物の形状により、平面載置面に孔を形成するなどして被検査物を保持するもよい。しかし、ゆで卵の場合は、孔に保持すると孔の型が軟らかいゆで卵の表面に形成されるため、本発明のようなV字溝が形成されるような凹凸構造が望ましいが、その載置面の部材の材質等などの工夫により可能でもある。
【0024】
また、コンベア搬入部20aと供給ホッパー8の被検査物載置面を3〜5度に固定傾斜させることにしたが、この傾斜角度を自在に調整できる調整可能形に構成することもできる。
また、凹凸の連続形成を、2枚の載置板を構成部材とし構成したが、それらを一枚構成するも可能である。
また、本実施形態では、その検査能を1分間で400〜600個としたが、検査能を調整可能なプログラムを有することも可能であり、コンベア速度を変更するプログラムを内蔵することにより可能となっている。
【0025】
さらに、被検査物であるゆで卵を2個同時に検査し排除する構成にハード的にも、ソフト的にも構成したが、これは、検査処理能力を600個/分とするためである。コンベア速度は30〜40m/分が限界であるが、2列にすることで、コンベア速度を適性のままに検査量を増やすことができているのである。したがって、さらに検査能を上げるには4列にして800〜1000個/分の検査の実施可能である。
【0026】
また、不良品の排除も、例えば、光電センサーを並列して設け、さらに、コンベアの載置板をコンベアの進行方向に向かって縦に分割し、また、ショートダンパも2つの流路を設ける構造とするなど、確実に異物混入信号を有するゆで卵のみを排除する改善なども考えられる。排出装置も、ショートダンパとしたが、ドロップベルト方式、またはエアジェット方式等の他の排出方式を採用することも可能である。
さらに、被検査物はゆで卵だけではなく、他の球状の被検査物や、包装品の異物検査装置にも応用可能である。
【0027】
【発明の効果】
本発明のX線異物検出装置は、以上に説明したような構成であるから、ゆで卵の生産ラインに採用される装置として、その被検査物であるゆで卵をX線異物検出装置内へ移送する際、すなわち、ゆで卵供給機構よりゆで卵をコンベア搬入部のゆで卵載置面に供給する際、コンベア搬入部の3度の傾斜を利用して制御している。また、被検査物であるゆで卵の移送は、搬送機構の載置面の凹凸な形状によって一定の時間間隔でおこなわれ、一定量を効率よく検査することを可能にしている。したがって、X線異物検出装置は生産ラインの生産能力に適応して可動することができ、全体の生産性を向上させるとともに、不良品回収も適切に無駄なく行え、大幅に、運用コスト、原料コストをも削減する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のX線異物検出装置の一実施例を正面より示す図である。
【図2】本発明のX線異物検出装置の搬送機構の構成の一実施例を示す図である。
【図3】本発明によるX線異物検出装置の搬送機構の一実施例を示す図である。
【図4】従来のX線異物検出装置を示す正面図である。
【図5】従来のX線異物検出装置の搬送機構を示す図である。
【符号の説明】
1 X線異物検出装置
2 フード
3 X線発生器
4a、4b、4c ベルトコンベア
5 ゆで卵
6 載置板
7 透過X線検出器
8 供給ホッパー
9 ショートダンパ
10 不良品
11 良品
12 供給口
13 光電センサー
14 凹部
15 凸部
16a、16b チェーン
17a、17b、17c ガイド
18 不良品バケツ
19a、19b 連結軸
20a コンベア搬入部
20b コンベア搬出部
Claims (4)
- X線を照射して被検査物の異物検査を行うX線検出機構と、被検査物をX線照射領域へ搬入・搬出する搬送機構と、前記搬送機構に被検査物を供給する披検査物供給機構を備えたX線異物検出装置において、前記搬送機構は、被検査物を載置する凹部を有し、各凹部に被検査物を保持して搬送するコンベアにて構成するとともに、被検査物をX線検出機構内に搬入する前記コンベアの被検査物載置面は、一定の角度を傾斜して配設され、搬送される被検査物が上昇しつつ前記X線検出機構に搬入されるように構成したことを特徴とするX線異物検出装置。
- 被検査物載置面の傾斜角度が3度から5度の範囲に設定されていることを特徴とする請求項1記載のX線異物検出装置。
- 傾斜した被検査物載置面に被検査物を供給する被検査物供給機構を前記被検査物載置面と対向して逆向きに傾斜させて配置し、被検査物を供給することを特徴とする請求項1項記載のX線異物検出装置。
- 被検査物がゆで卵であることを特徴とする請求項1または請求項2、または請求項3記載のX線異物検出装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002291526A JP2004125673A (ja) | 2002-10-03 | 2002-10-03 | X線異物検出装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002291526A JP2004125673A (ja) | 2002-10-03 | 2002-10-03 | X線異物検出装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004125673A true JP2004125673A (ja) | 2004-04-22 |
Family
ID=32283104
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002291526A Pending JP2004125673A (ja) | 2002-10-03 | 2002-10-03 | X線異物検出装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004125673A (ja) |
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007132796A (ja) * | 2005-11-10 | 2007-05-31 | Ishida Co Ltd | X線検査装置およびx線検査プログラム |
JP2014062906A (ja) * | 2012-09-21 | 2014-04-10 | Wipotec Wiege-Und Positionier-Systeme Gmbh | 製品を蛍光透視する方法 |
JP2014106187A (ja) * | 2012-11-29 | 2014-06-09 | Anritsu Sanki System Co Ltd | X線異物検出装置 |
JP2014109510A (ja) * | 2012-12-03 | 2014-06-12 | Ishida Co Ltd | X線検査装置 |
CN105613347A (zh) * | 2015-12-28 | 2016-06-01 | 青岛兴仪电子设备有限责任公司 | 种蛋胚胎生命特征自动识别设备及方法 |
CN105759317A (zh) * | 2014-12-17 | 2016-07-13 | 沈阳铝镁设计研究院有限公司 | 一种x光机异物检测装置 |
CN107466906A (zh) * | 2016-06-08 | 2017-12-15 | 安徽景徽菜篮子电子商务有限公司 | 基于区分鸡蛋品质的检测分类装置的鸡蛋检测方法 |
CN113917542B (zh) * | 2021-09-08 | 2023-12-12 | 金乡县鼎顺农贸有限公司 | 一种食品安全检测设备 |
-
2002
- 2002-10-03 JP JP2002291526A patent/JP2004125673A/ja active Pending
Cited By (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007132796A (ja) * | 2005-11-10 | 2007-05-31 | Ishida Co Ltd | X線検査装置およびx線検査プログラム |
JP2014062906A (ja) * | 2012-09-21 | 2014-04-10 | Wipotec Wiege-Und Positionier-Systeme Gmbh | 製品を蛍光透視する方法 |
US9869642B2 (en) | 2012-09-21 | 2018-01-16 | Wipotec Gmbh | Method for X-raying products |
JP2014106187A (ja) * | 2012-11-29 | 2014-06-09 | Anritsu Sanki System Co Ltd | X線異物検出装置 |
JP2014109510A (ja) * | 2012-12-03 | 2014-06-12 | Ishida Co Ltd | X線検査装置 |
CN105759317A (zh) * | 2014-12-17 | 2016-07-13 | 沈阳铝镁设计研究院有限公司 | 一种x光机异物检测装置 |
CN105613347A (zh) * | 2015-12-28 | 2016-06-01 | 青岛兴仪电子设备有限责任公司 | 种蛋胚胎生命特征自动识别设备及方法 |
CN105613347B (zh) * | 2015-12-28 | 2018-07-13 | 青岛兴仪电子设备有限责任公司 | 种蛋胚胎生命特征自动识别方法 |
CN107466906A (zh) * | 2016-06-08 | 2017-12-15 | 安徽景徽菜篮子电子商务有限公司 | 基于区分鸡蛋品质的检测分类装置的鸡蛋检测方法 |
CN113917542B (zh) * | 2021-09-08 | 2023-12-12 | 金乡县鼎顺农贸有限公司 | 一种食品安全检测设备 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4101555B2 (ja) | 異物検査装置 | |
US8154593B2 (en) | Appearance inspection device | |
JP2006308437A (ja) | 異物検査装置及び方法 | |
KR102065757B1 (ko) | 샤프트의 고주파 열처리 자동화 장치 | |
US8019040B2 (en) | X-ray inspection device and production system | |
JP2010145135A (ja) | X線検査装置 | |
JP2004125673A (ja) | X線異物検出装置 | |
JP5496472B2 (ja) | X線異物検出システム | |
JP3946612B2 (ja) | X線検査装置 | |
JP3715524B2 (ja) | X線異物検出装置 | |
JP3804619B2 (ja) | 放射線検査装置 | |
JP6332727B2 (ja) | 透過式内部検査装置の被検査物搬送方法 | |
JP6059000B2 (ja) | ウェハ欠陥検査装置 | |
JP2006078258A (ja) | X線検査システム | |
JP2005241396A (ja) | X線検査装置 | |
JP4170366B2 (ja) | X線検査装置 | |
JPH0348143A (ja) | 錠剤パッケージの検査装置 | |
JP3965659B2 (ja) | 廃びん選別装置 | |
JPH1048141A (ja) | 検卵時の不良卵表示装置 | |
JP3955559B2 (ja) | X線検査装置 | |
JP2004148248A (ja) | 物品検査システム | |
JP2007185626A (ja) | ドロップ式振分装置 | |
WO2022138268A1 (ja) | X線照射ユニットを備えた装置のx線遮蔽構造 | |
JP2010217119A (ja) | X線検査装置 | |
JP4677137B2 (ja) | X線検査装置 |