JP2004125532A - 放射線検出装置 - Google Patents

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Fumiyoshi Anzai
安西 史圭
Hidehiko Hamamura
濱村 秀彦
Kazuhiro Tsukuda
佃 和弘
Keiichi Hori
堀 慶一
Kunishiro Mori
森 國城
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Abstract

【課題】雑音の影響を低減し、放射線を高精度で短時間に計測でき、放射線の検出効率を向上させ、患者に対する放射線の被曝を低減することが可能な放射線検出装置を提供する。
【解決手段】放射線検出素子4、カップリングコンデンサ1、増幅部6及び第1電源5を具備する放射線検出装置を用いる。ここで、放射線検出素子4は、一端において接地され、パルスで照射される放射線に対応する電気信号を出力する。カップリングコンデンサC1は、一端において放射線検出素子4の他端に接続されている。増幅部6は、カップリングコンデンサC1の他端に接続され、放射線検出素子4からカップリングコンデンサC1を介して入力されるその電気信号を積分して出力する。第1電源5は、放射線検出素子4に対してカップリングコンデンサC1と並列に接続され、バイアス電圧を印加する。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、放射線検出装置に関し、特に、半導体で形成された放射線検出素子を有する放射線検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体を用いた放射線検出素子が知られている。放射線検出素子による放射線の検出は、照射により素子内部に発生する電荷を外部に取り出すことにより行われる。それらを、例えば、X線CT装置用の放射線検出素子として使用する場合、現行機器においては図15の放射線検出器101に例示される回路構成を用いている。
ここで、図15は、その放射線検出素子を有する放射線検出器を含む放射線検出装置の構成を示す図である。その放射線検出装置は、入射された放射線に対応して電気信号を出力する放射線検出器101と、電気信号をデータ処理するデータ処理部102とを備える。放射線検出器101は、入射された放射線に対応した電荷を発生する放射線検出素子104と、電荷を引き出すバイアス電源105と、電荷を電圧に変換し増幅して出力する増幅部106とを備える。放射線検出素子104としては、CdTeやCdZnTeが例示される。増幅部106は、帰還抵抗R100と、増幅器107で構成された電流電圧変換回路である。そして、照射器103のX線源108から放射線(X線を含む)を照射される。
【0003】
放射線検出素子104は、入射した放射線の電離作用を利用して、その強度を電離電流、或いは電荷量に換算する機能がある。図15に示す放射線検出器101においては、入射した放射線により生じた電離電流を負帰還抵抗R100と増幅器107で構成された電流電圧変換回路により電圧に変換し、その強度を計測する。この回路(増幅器107)における出力電圧Eoutは次式で求められる。
Eout=−Idet×R100
ただし、Idet:放射線検出素子104に生じた電流。
【0004】
第16図は、図15の放射線検出装置でX線を計測した結果を示すグラフである。横軸は計測時間であり、縦軸は信号強度である。
この計測例から判るように、放射線により放射線検出素子104に生じる電離電流について、図15のような電流電圧変換増幅器(増幅器107)を介して電圧信号に変換した場合、第16図に示されたような雑音を含む信号が出力される。これは主としてX線源108のX線管球において生じる雑音で、管球電流の増減によりその雑音レベルも増減する。更に、X線管球に印加される高圧を作り出す高圧電源より生じる雑音もこの雑音に加わる。高精度の計測を行うためには、これらの雑音成分を除去して、真の放射線により生じた電圧レベルを求める必要がある。
【0005】
図16に示されるような電圧信号の雑音を除去するのに、図15の増幅部106の後段に低域通過型のフィルタ回路109を設ける方法がある。
図17は、増幅部106の後段にフィルタ回路(抵抗R200及びコンデンサC100)を設けた放射線検出装置の構成の一例を示す図である。低域通過型のフィルタとしてはパッシブ、或いはアクティブ回路の何れも用いることができる。図17の回路例では、抵抗R200、コンデンサC100により構成されている1次のパッシブ低域通過型のフィルタ回路を示している。この回路の時定数は、抵抗R200とコンデンサC100との積で表される。この時定数が長いほど、精度が高まる。
【0006】
図18は、図17のフィルタ回路へのステップ状の入力信号と、その出力信号との関係を示すグラフである。横軸は時間であり、縦軸は信号強度であり、入力の曲線は入力信号、出力の曲線は出力信号を示す。図18において、ステップ状の入力信号に対して、出力信号の立ち上がりは緩やかになる。フィルタ回路への入力信号EFinと出力信号EFoutとの関係は、
EFout=EFin(1−exp(−t/τ))
ただし、τ=R200×C100(時定数)
となる。この式から出力信号EFoutが入力信号EFinの99%に達するには4.6τ、99.9%に達するには6.9τの時間が必要となる。すなわち、計測の精度を上げるために、雑音を除去するフィルターを用い、時定数を長くすることで、系の応答速度が遅くなる。そのため、数τに相当する時間が余分に必要となる。また、図18中斜線で示した入力信号が欠落し、放射線検出素子104の検出信号を出力信号に変換する変換効率が低下してしまう。
この現象は、特に、パルス状あるいは周期的な放射線が放射線検出素子へ照射される場合に影響が大きい。
【0007】
計測にかかる時間が長くかかることは、高速化の妨げになる。特に、放射線検出装置を放射線医療用に用いる場合、計測にかかる時間が長くかかると、その分、患者に対して余計な放射線を被曝させることになり、患者の負担が増大してしまう。
【0008】
雑音の影響が少なく、放射線を高精度で計測する技術が求められている。放射線の検出効率を向上する技術が求められている。放射線を短時間に計測する技術が望まれている。患者に対して余計な放射線を被曝させない技術が望まれている。
【0009】
関連する技術として、特開平8−152478号公報(特許文献1参照)に、放射線検出器の技術が開示されている。この技術の放射線検出器は、差動増幅器と、放射線センサ素子と、第1のキャパシタ及び第1のスイッチ素子と、第2のキャパシタ及び第2のスイッチ素子と、制御手段とを備えたことを特徴とする。
ここで、差動増幅器は、第1及び第2の入力端と、第1及び第2の出力端を有する。そして、第1及び第2の入力端間の電圧を増幅し、第1及び第2の出力端間の電圧として出力する。放射線センサ素子は、差動増幅器の第1の入力端に接続している。第1のキャパシタ及び第1のスイッチ素子は、差動増幅器の第1の入力端と第1の出力端間にそれぞれ並列に接続している。第2のキャパシタ及び第2のスイッチ素子は、差動増幅器の第2の入力端と第2の出力端間にそれぞれ並列に接続している。制御手段は、第1のスイッチ素子と、第2のスイッチ素子を同時にオフする。
この技術では、スイッチ素子や放射線センサ素子に生じる寄生容量の影響を排除し、放射線の検出誤差を低減することを目的としている。
【0010】
【特許文献1】特開平8−152478号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、雑音の影響が少なく、放射線を高精度で計測することが可能な放射線検出装置を提供することである。
また、本発明の他の目的は、放射線検出素子における放射線の検出効率の向上した放射線検出装置を提供することである。
本発明の更に他の目的は、放射線を、精度を落とすことなく短時間に計測することが可能な放射線検出装置を提供することである。
また、本発明の別の目的は、患者を被検体とする放射線医療において、患者に対して余計な放射線を被曝させない放射線検出装置を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
以下に、[発明の実施の形態]で使用される番号・符号を用いて、課題を解決するための手段を説明する。これらの番号・符号は、[特許請求の範囲]の記載と[発明の実施の形態]との対応関係を明らかにするために付加されたものである。ただし、それらの番号・符号を、[特許請求の範囲]に記載されている発明の技術的範囲の解釈に用いてはならない。
【0013】
従って、上記課題を解決するために、本発明の放射線検出装置は、放射線検出素子(4)と、カップリングコンデンサ(C1)と、増幅部(6)とを具備する。
放射線検出素子(4)は、一端において接地され、入射される放射線に対応する電気信号を出力する。カップリングコンデンサ(C1)は、一端において放射線検出素子(4)の他端に接続されている。増幅部(6)は、カップリングコンデンサ(C1)の他端に接続され、放射線検出素子(4)からカップリングコンデンサ(C1)を介して入力されるその電気信号を積分して出力する。
増幅部(6)が積分型であるので、フィルタ回路が不要であり、時間的な遅れを生じることなく計測できる。そして、電荷は全て積分されるので、放射線検出素子(4)で発生した電荷を欠落させることなく、全て受信することが出来る。すなわち、放射線を高精度で、かつ、短時間に計測することが可能となる。
また、カップリングコンデンサ(C1)により、放射線検出素子(4)に存在するリーク電流(直流成分)を遮断することが可能となる。すなわち、放射線を低雑音で計測することが可能となる
ここで、放射線検出素子(4)は、入射される放射線に対応する電気信号を出力する半導体装置(半導体素子)に例示される。放射線は、X線やγ線を含む。また、各構成の間の接続は、電気的な接続を含む。
【0014】
また、本発明の放射線検出装置は、その放射線が、パルスで照射される。
カップリングコンデンサ(C1)は、パルス状(あるいは周期的)の放射線で、より効果的に機能する。
【0015】
また、本発明の放射線検出装置は、放射線検出素子(4)に対してカップリングコンデンサ(C1)と並列に接続され、バイアス電圧を印加する第1電源(5)を更に具備する。
バイアス電圧が必要な放射線検出素子(4)においても、放射線の検出の際、時間的な遅れを生ず、電荷を全て積分できる。従って、放射線検出素子(4)で発生した電荷を全て受信することが出来る。また、カップリングコンデンサ(C1)により、放射線検出素子(4)に存在するリーク電流を遮断し、放射線を低雑音で計測することが可能となる。加えて、カップリングコンデンサ(C1)により、バイアス電圧が増幅部(6)により増幅されるのを防ぎ、放射線検出素子(4)で発生した電荷と等価な量の電荷が増幅部(6)に蓄積され正確な計測を行うことが出来る。
【0016】
また、本発明の放射線検出装置は、増幅部(6)が、演算増幅器(7)と、コンデンサ(C2)と、第1スイッチ(SW1)とを具備する。
ここで、演算増幅器(7)は、入力端子においてカップリングコンデンサ(C1)の他端に接続されている。コンデンサ(C2)は、一端において演算増幅器(7)のその入力端子に接続され、他端において演算増幅器(7)の出力端子に接続されている。第1スイッチ(SW1)は、一端において演算増幅器(7)のその入力端子に接続され、他端において演算増幅器(7)のその出力端子に接続されている。
そして、第1スイッチ(SW1)は、所定の条件に基づいて、オンになり、コンデンサ(C2)に蓄積された電荷を開放する。
適切なタイミングで、適切にコンデンサ(C2)を開放するので、コンデンサ(C2)が飽和することなく継続的に計測が出来る。スイッチは、リレーのような機械的なスイッチや、トランジスタ、ダイオードのような電子的なスイッチを含む。
また、所定の条件は、所定の時間経過後、所定の周期、放射線の検出後(後述)に例示される。
【0017】
更に、本発明の放射線検出装置は、制御部(11)を具備する。
ここで、制御部(11)は、放射線検出素子(4)によるその放射線の検出後に、第1スイッチ(SW1)をオンにするように第1スイッチ(SW1)を制御する。そして、第1スイッチ(SW1)は、制御部(11)の制御に基づいてオンになり、コンデンサ(C2)に蓄積された電荷を開放する。
すなわち、前記放射線検出素子による放射線の検出後に、コンデンサ(C2)を適切に開放するので、検出の漏れがなく、かつ、コンデンサ(C2)が飽和することなく継続的に計測が出来る。ただし、放射線検出素子(4)による放射線の「検出後」とは、放射線源(8)からの放射線の照射が停止した場合(シャッター等での放射線の遮断を含む)や、被検体を透過した透過放射線を放射線検出素子(4)の手前のシャッターで遮断した場合、放射線源(8)の放射線の照射方向が変わり、透過放射線が放射線検出素子(4)に入射しなくなった場合などに例示される。
「検出後」は、その後に放射線の検出を再開しても良い。例えば、放射線がパルス状の場合には、パルスの周期に合わせて、周期的に検出と非検出=「検出後」とが繰り返されることになる。また、その場合、一パルス毎に検出と「検出後」とを繰り返しても良いし、複数パルス毎に繰り返しても良い。
【0018】
更に、本発明の放射線検出装置は、第2スイッチ(SW3)を更に具備する。
ここで、第2スイッチ(SW3)は、一端において放射線検出素子(4)と第1電源(5)との間に設けられている。
そして、制御部(11)は、放射線検出素子(4)によるその放射線の検出後、第2スイッチ(SW3)で放射線検出素子(4)と第1電源(5)とを電気的に接続してカップリングコンデンサ(C1)を充電する。また、放射線検出素子(4)がその放射線の検出を行うとき、第2スイッチ(SW3)で放射線検出素子(4)と第1電源(5)との接続を切断する。
すなわち、放射線の検出中において、放射線検出素子(4)のバイアス電圧を、第1電源(5)ではなくカップリングコンデンサ(C1)から供給することにより、X線検出時の第1電源(5)から放射線検出素子(4)への電荷の流入を無くすことが出来る。すなわち、雑音の原因の一つが無くなり、より正確に放射線の計測することが出来る。
【0019】
更に、本発明の放射線検出装置は、複数の放射線検出素子(4〜4)と、整流素子(D〜D)とを更に具備する。
ここで、複数の放射線検出素子(4〜4)は、放射線検出素子(4)を含む。整流素子(D〜D)は、一端を複数の放射線検出素子(4〜4)の各々に、他端を第1電源(5)に接続され、複数の放射線検出素子(4〜4)の各々毎に設けられている。
そして、第2スイッチ(SW3)は、複数の放射線検出素子(4〜4)の内の少なくとも二つを含むグループ毎に一つ設けられている。
複数の放射線検出素子(4〜4)から発生する電荷を、同時かつ正確に計測することが出来る。そして、部品点数を削減することが出来る。
【0020】
更に、本発明の放射線検出装置は、第3スイッチ(SW4)と、電気抵抗(R2)とを更に具備する。
ここで、第3スイッチ(SW4)は、一端を第2スイッチ(SW3)に、他端を第1電源(5)に接続されている。電気抵抗(R2)は、一端を第2スイッチ(SW3)に、他端を第1電源(5)に接続されている。
そして、制御部(11)は、第2スイッチ(SW3)をオンにして、所定の時間経過後に、第3スイッチ(SW4)をオンにする。
検出器負荷抵抗(R1〜R1)がないので、そこで発生する熱量をなくすことが出来る。そして、部品点数を削減することが出来る。
【0021】
更に、本発明の放射線検出装置は、放射線検出素子(4)が、電荷発生型である。
【0022】
更に、本発明の放射線検出装置は、放射線検出素子(4)が、CdTe、CdZnTe、Si、HgI及びPbIの少なくとも一方を含む。
放射線に対する検出効率は物質の密度に関連しており、実効原子番号の高いCdTe、CdZnTe、Si、HgI及びPbIを含む放射線検出素子(4)は、放射線検出に適している。
【0023】
更に、本発明の放射線検出装置は、カップリングコンデンサ(C1)と、充電手段(5)と、検出手段(4)と、増幅手段(6)とを具備する。
ここで、充電手段(5)は、カップリングコンデンサ(C1)の一端に接続され、カップリングコンデンサ(C1)を間欠的に充電する。検出手段(4)は、カップリングコンデンサ(C1)のその一端に接続され、カップリングコンデンサ(C1)が充電されない期間に、カップリングコンデンサ(C1)の電位を用いて入射する放射線を計測する。増幅手段(6)は、カップリングコンデンサ(C1)の他端に接続され、カップリングコンデンサ(C1)の電荷の変化を増幅する。
すなわち、放射線の検出中において、検出手段(4)のバイアス電圧を、充電手段(5)でなくカップリングコンデンサ(C1)から供給することにより、X線検出時の充電手段(5)から検出手段(4)への電荷の流入を無くすことが出来る。すなわち、雑音の原因の一つが無くなり、より正確に放射線の計測することが出来る。
【0024】
上記課題を解決するために、本発明の放射線医療装置は、放射線源(8)と、上記各項のいずれか一項に記載の放射線検出装置とを備える。
ここで、放射線医療装置は、X線CT(Computed Tomography)や、放射線を利用したイメージング装置に例示される。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明である放射線検出装置の実施の形態に関して、添付図面を参照して説明する。
本実施例において、X線CT(Computed Tomography)装置に使用される放射線検出装置を例に示して説明する。ただし、他の用途に使用される、他のγ線やX線のような放射線を検出する半導体型の放射線検出装置についても同様に適用可能である。
なお、各実施の形態において同一又は相当部分には同一の符号を付して説明する。
【0026】
(実施例1)
本発明である放射線検出装置の第1の実施の形態について説明する。まず、本発明である放射線検出装置の第1の実施の形態における構成について説明する。
図1は、本発明である放射線検出装置の第1の実施の形態における構成を示す図である。放射線検出装置は、入射された放射線に対応して出力電圧を出力する放射線検出器1、出力電圧をデータ処理するデータ処理部2及び制御部11を備える。そして、照射器3のX線源8から照射される放射線(本実施例では、X線)、あるいは、そのX線が被検体を透過した透過X線を検出する。
【0027】
放射線検出器1は、入射された放射線に対応した出力電圧を出力する。放射線検出素子4、バイアス電源5、検出器負荷抵抗R1、カップリングコンデンサC1及び増幅部6を備える。
放射線検出素子4は、入射される放射線に対応した電荷(電子及び正孔)を生成することにより、放射線量を検出する、電荷発生型である。電荷は、バイアス電圧により、放射線量に対応する電気信号として外部へ取り出される。放射線検出素子4は、CdTe、CdZnTe、Si、HgI、PbIのいずれか一つを少なくとも含む半導体素子に例示される。
【0028】
第1電源としてのバイアス電源5は、放射線検出素子4において、放射線の入射により生成する電荷(電子及び正孔)を効率よく取り出すため、すなわち、放射線検出素子4から電気信号を出力しやすくするために、放射線検出素子4へ印加するバイアス電圧用の電源である。放射線検出素子4に検出器負荷抵抗R1を介して電気的に接続され、バイアス電圧を供給する。
ただし、放射線検出素子4としての半導体検出素子においては、ある一定のバイアス電圧以上において、入射したエネルギーと放射線検出素子4に生じ外部に取り出すことの出来る電荷量との比率(検出効率)は殆ど変化しない性質を持っている。バイアス電圧はこの電圧レベル以上に設定される。
【0029】
検出器負荷抵抗R1は、バイアス電源5と放射線検出器4との間に接続されている。雑音源となるため、出来るだけ大きい値を取ることが好ましい。雑音は、放射線検出素子4からの漏洩電流による検出器負荷抵抗R1における電圧降分に例示される。この雑音は、検出器負荷抵抗R1を大きくし、漏洩電流の大きさを無視できるようにすることで対処できる。すなわち、雑音特性の観点から、検出器負荷抵抗R1は出来るだけ高い方が好ましい。
【0030】
カップリングコンデンサC1は、一端を放射線検出素子4と検出器負荷抵抗R1との間に、他端を増幅部6に電気的に接続されている。放射線検出素子4から増幅部6への電気信号の直流成分(放射線検出素子4に存在するリーク電流)及びバイアス電圧をカットする。放射線検出素子4に生じた電荷を効率よく増幅部6に伝達するためには、出来るだけ大きな容量であることが好ましい。放射線検出素子4から出力される電気信号が間欠的(パルス状)な場合に用いる。
【0031】
増幅部6は、放射線検出素子4から出力された電気信号(電流)を測定の容易な大きさへ増幅する。そして、出力電圧Eoutとして出力する。増幅部6は、一端をカップリングコンデンサC1に、他端をデータ処理部2に電気的に接続されている。
増幅部6として、コンデンサC2及びアンプ7を含む積分回路(電荷増幅器)を用いている。その理由について、図2を用いて説明する。
【0032】
図2は、増幅部6における入力信号と出力信号との関係を示すグラフである。縦軸は信号強度であり、横軸は時間である。パルス状の放射線を検出した放射線検出素子4からのパルス状の入力信号に対して、出力信号は、その入力信号を積分した値となっており、パルス状の入力信号が0になったところで、一定の出力信号となる。その増幅部6での出力信号E1outは、
E1out=−(Q1in/C2)
ただし、Q1in:一つのパルス状X線に対して放射線検出素子4に生じた電荷となる。この増幅部6の回路は、完全積分型であるので、フィルタ回路が不要であり、時間的な遅れ(時定数)を考慮する必要がない。そして、電荷は全て積分されるので、放射線検出素子4で発生した電荷を欠落させることなく、受信することが出来る。
なお、第1スイッチとしてのスイッチSW1は、アンプ7に対してコンデンサC2と並列に接続されている。放射線検出素子4の検出動作中はオフである。検出動作終了後はオンとなり、コンデンサC2に蓄積した電荷を開放する。制御部1に制御される。スイッチSW1は、トランジスタ(FET、MOS)、ダイオードのような電子的なスイッチに例示される。
【0033】
図1を参照して、データ処理部2は、出力電圧(E1out)をデータ処理する。増幅部6から出力される出力電圧(E1out:アナログ信号)をA/D変換した後、所定のデータ処理を行う。制御部11に制御される。
【0034】
制御部11は、スイッチSW1のオン/オフ(開閉)、X線源8によるX線の照射、データ処理部2のデータ取得のタイミングを制御する。すなわち、X線源8によるX線照射及び放射線検出素子4による検出動作と、コンデンサC2の開放と、データ処理部2のデータ取得が適切なタイミングで行われるように制御する。
【0035】
照射器3は、放射線を照射する。本実施例では、所定の周期を有するパルス状のX線を照射するX線源8を含む。照射のタイミングや照射線量は、制御部11に制御される。
ここで、放射線は、放射線医療に用いられる粒子線や電磁波である。放射線は、X線やγ線に例示される。
【0036】
次に、本発明である放射線検出装置の第1の実施の形態の動作について、図1を参照して説明する。
図1において、制御部11は、スイッチSW1を開(オフ)とする制御信号をスイッチSW1へ出力する。これにより、スイッチSW1は開となり、コンデンサC2の両極は遮断される。ほぼ同時に、制御部11は、X線を照射させる制御信号をX線源8へ出力する。それにより、X線源8がX線を照射し、放射線検出素子4が、そのX線のうち被検体を透過した透過X線を検出する。そして、放射線検出素子4は、バイアス電圧により、検出した透過X線の量に対応した電気信号(電荷)を出力する。
【0037】
放射線検出素子4から出力された電気信号(電荷)は、カップリングコンデンサC1を介して、増幅部6へ出力される。そして、増幅部6において、放射線検出素子4から出力された全ての電荷が積分される。
【0038】
所定の時間経過後、制御部11は、X線の照射を停止させる制御信号をX線源8へ出力する。それにより、X線源8がX線の照射を停止する。そして、放射線検出素子4は、透過X線の検出を行わなくなる。その時、制御部11は、データ処理部2へ増幅部6の出力電圧を取得するための制御信号を出力する。データ処理部2は、出力電圧(E1out)を取得する。その後、制御部11は、スイッチSW1を閉(オン)とする制御信号をスイッチSW1へ出力する。コンデンサC2は、両極が短絡され、電荷が開放される。
【0039】
本実施例では、増幅部6の回路が完全積分型であるので、フィルタ回路が不要であり、時間的な遅れを生じることなく計測できる。また、電荷は全て積分されるので、放射線検出素子4で発生した電荷を欠落させることなく、受信することが出来る。すなわち、放射線を高精度で、かつ、短時間に計測することが可能となる。
【0040】
そして、短時間の計測が可能であること、パルス状のX線を用いている場合、入射するX線の検出後におけるデータ処理の間はX線を停止すること、などにより、放射線医療において、患者に対しする放射線(X線)の被曝を低減することが出来る。
【0041】
また、パルス状のX線を用いる場合や、パルス的に放射線検出素子4から電気信号が出力される場合などで、カップリングコンデンサC1により、放射線検出素子4に存在するリーク電流を遮断することが可能となる。すなわち、放射線を低雑音で計測することが可能となる。
また、カップリングコンデンサC1により、バイアス電圧が増幅部6(電荷増幅器)により増幅されるのを防ぎ、放射線検出素子4で発生した電荷と等価な量の電荷が電荷増幅器に蓄積され正確な計測を行うことが出来る。
【0042】
なお、本実施例では、1つの放射線検出素子4について説明しているが、本発明がその数に制限されるものではなく、放射線検出器1中において、複数の放射線検出素子4が集合したセンサアレイとしても同様に適用可能である。
【0043】
図1の例において、放射線検出素子4が、バイアス電源の不要な素子である場合には、図3に示すような構成となる。
図3は、本発明である放射線検出装置の第1の実施の形態における他の構成を示す図である。本構成では、放射線検出素子4aがフォトダイオードのような起電力発生型であること、それに伴いバイアス電源5及びカップリングコンデンサC1を用いないことが図1の実施例と異なる。その他の構成及び動作は、図1の実施例と同様であるのでその説明を省略する。
【0044】
本図の構成によっても、カップリングコンデンサC1の効果以外で、図1の実施例と同様の効果を得ることが出来る。また、放射線検出素子4aが起電力発生型なので、バイアス電源5やそれに伴う検出器負荷抵抗R1や配線等が不要となる。そして、装置の簡略化、小型化が可能となる。
【0045】
また、図1の例において、X線源8が連続的にX線を照射する場合には、放射線検出素子4から出力される電気信号をパルス状にすることで対応できる。それを示しているのが図4である。
図4は、本発明である放射線検出装置の第1の実施の形態における更に他の構成を示す図である。本構成では、X線源8が連続的にX線を照射すること、放射線検出素子4とカップリングコンデンサC1との間に、制御部11に制御されたスイッチSW2が入っていることが図1の実施例と異なる。そして、スイッチSW2のオン/オフにより、放射線検出素子4から擬似的なパルス状の電気信号をカップリングコンデンサC1及び増幅部6へ出力している。その他構成及び動作は、図1の実施例と同様であるのでその説明を省略する。
【0046】
本図の構成によっても、連続的にX線を照射しているにもかかわらず、パルス状のX線を照射する図1の実施例と同様の効果を得ることが出来る。
【0047】
図1の例において、放射線検出素子4が、バイアス電源の不要な素子であり、X線源8が連続的にX線を照射する場合には、図5に示すような構成となる。
図5は、本発明である放射線検出装置の第1の実施の形態における別の構成を示す図である。本構成では、放射線検出素子4aがフォトダイオードのような起電力発生型であること、それに伴いバイアス電源5及びカップリングコンデンサC1を用いないこと、X線源8が連続的にX線を照射すること、放射線検出素子4と増幅部6との間に、制御部11に制御されたスイッチSW2が入っていることが図1の実施例と異なる。そして、スイッチSW2のオン/オフにより、放射線検出素子4から擬似的なパルス状の電気信号を増幅部6へ出力している。その他の構成及び動作は、図1の実施例と同様であるのでその説明を省略する。
【0048】
本図の構成によっても、連続的にX線を照射しているにもかかわらず、カップリングコンデンサC1の効果以外で、パルス状のX線を照射する図1の実施例と同様の効果を得ることが出来る。また、放射線検出素子4aが起電力発生型なので、バイアス電源5やそれに伴う検出器負荷抵抗R1や配線等が不要となる。そして、装置の簡略化、小型化が可能となる。
【0049】
ここで、本発明の放射線検出装置が適用されるX線CT装置の実施の形態について、医療診断分野に適用した場合を一例に、図10〜図14を参照して説明する。
図10は、X線CT装置の構成を示す図である。X線CT装置21は、被検体である患者22を水平に寝かせるベッド23と、患者22を乗せたベッド23が通過可能に開口した測定装置本体24を備えている。ベッド23は、患者22の頭部から足先を通る軸線Pが延びる方向に移動するようにスライド25に取り付けられており、駆動装置26により往復運動する。
【0050】
測定装置本体24について、図11及び図12を参照して説明する。
図11は、図10におけるF2−F2断面に沿って示す測定装置本体24の構成を示す図である。測定装置本体24は、X線発生装置27と検出器28とを備えている。X線発生装置27は、患者22の軸線Pを中心とする同心円の周方向に稠密に多数配置されている。個々のX線発生装置27は、電子銃29と、この電子銃29から照射された電子ビームを受けてX線100を発生させるターゲット30(図10参照)を備えている。検出器28は、このX線発生装置27から照射されて患者22を透過したX線100を検出する。そして、全てのX線発生装置27は、それらの外側を覆うように環状に形成された真空チャンバ31に収容されている。
【0051】
図12は、X線発生装置27と検出器28との位置関係を示す図である。検出器28は、軸線Pを中心に円筒形状となるように形成したセンサアレイホルダ用のリング28aの内面に、X線100を検出する多数のセンサアレイ28Lθを、互いにそれぞれ絶縁して軸線Pに沿う方向L及び周方向θへ、稠密にかつ整列的に配置した、いわゆるセンサアレイ28Lθの集合体である。検出器28が、ベッド23の移動方向に所定幅を有した円筒形状に形成されていることから、X線発生装置27は、リング28aの外側から検出器28の内面のセンサアレイ28Lθに向かってX線100の照射を可能とするために、検出器28に対して軸線Pに沿う方向に、相対的にずれた位置に配置される。
【0052】
なお、具体的にこの検出器28は、例えばセラミックスなどの絶縁体に、カドミウム−テルル(Cd−Te)系の合金を蒸着やメッキなどで付着させた後、エッチングあるいはレーザ加工などにより、個々のセンサアレイに分割することで、製造することが出来る。このとき、各センサアレイ28Lθを内面から見た形状は、矩形であっても良いし、六角形であっても良い。なお、検出器の形態は、X線を効率よくかつ緻密に検出できるものであれば良いので、前述の材料や製造方法に限定されるものではない。
検出器28は、その他にCdZnTe、Si、HgI、PbIを用いた検出器に例示される。
【0053】
また、図10を参照して、電子銃29には、電子ビームの出射を制御する電子銃ドライブ回路32が各々接続されている。各々の電子銃ドライブ回路32は、X線発生制御装置33によって、電子ビームを出射するタイミング、すなわちX線100が照射されるタイミングが制御される。
【0054】
図13を用いて、X線発生装置27の構成を詳説する。
図13は、X線発生装置27の構成を示す図である。X線発生装置27は、3極X線管と同様に、大きく分けて陰極41(電子銃29)、陽極43及び格子(グリッド)42から構成される。すなわち、加熱により熱電子を放出するフィラメントにより構成される陰極41と、加速された電子が衝突するターゲット30を備え衝突によりX線を発生させる陽極43と、加速された電子の進路を電気的に開閉するための格子42からなり、陰極41と陽極43の間に高電圧を印加するようにしたものである。X線は、ターゲット面の電子が衝突する部分から発生するもので、このX線の衝突する陽極43表面を焦点と称している。
【0055】
陰極41は、コイル状に巻かれたものを線状に張ったフィラメントを有する。このフィラメントは、電流により加熱されて熱電子を放出する。陽極43は、陰極41及び陽極43間に印加された高電圧によりフィラメントから放出された電子を吸引し、高速度に加速させて衝撃を受け、X線を発生させるための電極であり、例えば銅等の熱伝導の良い物質で作られている。
【0056】
また、陽極43の先端にはターゲットとしてタングステン板が埋め込まれており、ターゲット上に収束された電子が衝突する面が焦点となる。高速度の電子がそのターゲット原子内部に突入して運動を阻止されることにより、その運動エネルギーの一部がX線として放出される。すなわち、X線発生時には、陰極41から陽極43に向けて照射された電子ビーム44が、陽極43に当たると、陽極43からその表面の角度に応じて反射する方向に扇状X線が照射されるようになっている。
【0057】
X線発生装置27では、陰極41と陽極43との間に格子42を配置することで、電子ビームの陰極41から陽極43への射出を制御している。すなわち、図13(a)に示すように、ターゲット30からX線を発生させない場合、電子ビームをゲートである格子42にて通過させないよう、格子42に負のバイアス電圧が印加される。又、図13(b)に示すように、ターゲット30からX線を発生させる場合、電子ビームを格子42にて通過させるよう、負のバイアス電圧が除去される。なお、格子42で電子ビームを絞ることにより、フォーカルスポットサイズを小型化することが出来る。
【0058】
図10を参照して、検出器28には、画像信号ディジタイザ34が接続されている。この画像信号ディジタイザ34は、任意のX線発生装置27からX線100を照射したときに検出器28で検出されるX線100の座標情報を出力する。なお、この画像信号ディジタイザ34は、検出器28のある領域毎に複数の画像信号ディジタイザ34を設けても良いし、一つの画像信号ディジタイザ34で検出器28全体を受け持つように構成されていても良い。画像信号ディジタイザ34から出力されたX線100の座標情報は、測定制御装置35によって、どのX線発生装置27から照射されたX線100によるものか特定され、その情報とともにデータ収録装置36に収録される。データ収録装置36に1断層分の画像の情報が収録されたら、データ処理装置37によって断層画像が構成される。また、データ処理装置37には、モニタ50が接続されており、構成された断層画像などの情報を見ることが出来る。
【0059】
検出器28は、軸線Pに沿う方向に幅を有した円筒形状に形成されており、センサアレイ28Lθが軸線Pに沿う方向L及び周方向θに多数配列されているので、X線発生装置27からの一度のX線照射で、検出器28の円筒面の内面に沿って広がる範囲にX線の検出情報が得られる。すなわち、一週分の撮像動作によって複数の断層画像を得ることが出来る。また、任意のX線発生装置27から一回X線を患者22に照射した、いわゆるX線透過画像も得ることが出来る。
【0060】
さらに、被検体の周りから線状のX線を照射して得られた線状の透過X線の検出位置の情報をもとに、2次元平面である断層画像を構成する方法と同様に、被検体の周りからある面積範囲にX線を照射して得られた平面状の透過X線の検出位置の情報をもとに3次元の立体像を構成することが出来るので、データ収録装置36に収録された情報をもとに3次元の像を構成することができる。
【0061】
次に、X線発生装置の制御系統について説明する。
図14は、X線発生装置の制御系統を示す構成図である。測定制御装置35とX線発生制御装置33との間には、モード設定指示手段としてのモード設定指示器38が設けられている。このモード設定指示器38は、X線発生制御装置33に対して指示を出し、それにより、指示に応じた電子銃29とその電子銃ドライブ回路32につながるスイッチ装置39のスイッチ素子が開閉される。スイッチ装置39は、各電子銃ドライブ回路32〜32に個別に対応して、これらに直列に接続されたスイッチ素子39〜39を有している。そして、X線発生制御装置33とスイッチ装置39とを有して各X線発生装置27の使用の有無を選択するX線発生制御手段が形成されている。そのため、例えばスイッチ素子39を接続(閉状態)とすることで、電源40から電力が供給され、電子銃ドライブ回路32に電子銃29が制御されて電子ビームを出射する。従って、このモード設定指示器38は、どのスイッチ素子をどういった順番で接続するかという指示をX線発生制御装置33に出すことで、シリアルスライスモード、シングルスライスモード、セクタースライスモード及びシングルスライスモードなどの選択が出来るとともに、これらの各モードにおいて単線源撮像モード又は多線源同期撮像モードをそれぞれ選択できる。
【0062】
シリアルスライスモードは、このX線CT装置21のベッド23の移動速度とX線発生装置27によるX線100の出射位置を同期させ、患者22に対してX線100を出射位置が螺旋状に移行するように撮像するモードである。従って、このシリアルスライスモードでは、体積検査するための複数の断層画像(シリアルスライス)や3次元の立体像を構成するための情報を得ることが出来る。
【0063】
シングルスライスモードは、患者22の軸線Pの方向の任意の位置に対して、X線100の出射位置を順次切り換えて一周分撮像するモードである。従って、このシングルスライスモードでは、検出器28が円筒形状をしているので、所望する位置とそれに隣接する位置の断層画像、あるいは検出器28の幅分の3次元の立体像を構成するための情報を得ることが出来る。
【0064】
セクタースライスモードは、撮影者が指定する任意の角度範囲内にあるX線発生装置27を順次切り換えて患者22の任意の部位を撮像するモードである。このとき、ベッド23を同期させて移動させても良い。従って、このセクタースライスモードでは、例えば、頭の一部分や、心臓や胃などの臓器など必要な部分の断層画像、あるいは検出器28の幅分の3次元の立体像を得ることが出来る。また、ベッド23を同期させて移動させることで、任意の部位の体積検査に必要な断層画像やその部位の3次元の立体像を構成するための情報を得ることが出来る。
【0065】
シングルショットモードは、撮影者が指定する任意の角度のX線発生装置27から患者22に対して一回だけX線を照射するモードである。本実施の形態のX線CT装置21の検出器28は円筒形状であるので、このシングルショットモードで、いわゆるX線透過撮像装置と同様の撮影を任意の角度で行うことが可能である。
【0066】
そして、上記のモード設定指示器38で、各モードの内から単線源撮像モードを選択するとき、各モードで同時にX線100を出射するX線発生装置27が一つ選択され、多線源同期撮像モードを選択すると、各モードで同時にX線100を出射するX線発生装置7が複数選択される。
【0067】
同様に、シリアルスライスモードやシングルスライスモードにおいて、多線源同期撮像モードを選択すると、ある間隔を置いて離れたX線発生装置27、好ましくは図11に示される検出器28において、複数のX線発生装置27a、27bから照射されたX線100a、100bが重ならない位置関係のX線発生装置27、具体的な例を挙げると、線源を3つに設定したときは120°、線源を4つに設定したときは90°、線源を5つに設定したときは72°など、等間隔に離れたX線発生装置27から、同時にX線100が照射される。そして、これらのX線発生装置27を同時に順次切り換えて撮像して得られた情報をもとに断層画像や3次元の立体像が構成される。
【0068】
また、セクタースライスモードにおいて、多線源同期撮像モードを選択すると、撮影者が指定した複数の部位について指定した角度分だけ同時に撮像する。一例として、左右の腎臓を同時に撮像する場合などが挙げられる。
【0069】
以上のように構成されていることで、このX線CT装置21は、例えば、患者22に対して多線源同期撮像のシリアルスライスモードですばやく体積検査をした後、精密検査が必要な部位については、そのまま患者22を動かすことなく、引き続いて単線源撮像のセクタースライスモードやシングルショットモードで直ぐに検査するといった使用方法が出来る。この場合、精密検査が必要な部位を特定するための断層画像を得るために照射されるX線の被曝線量は、X線透過画像を得るために照射されるX線の被曝線量よりも低い被曝線量で行うことが出来るので、患者22に対する総被曝線量を低減できる。
【0070】
また、このX線CT装置21は、円筒形状の検出器28を備えているので、一度の撮像でより多くの断層画像を構成することが出来るとともに、検出されたX線の情報をもとに3次元の立体像を構成することが出来る。さらに、同じ箇所を繰返し撮像した情報を得ることで、3次元の動きのある立体像を構成することが出来るため、より詳しい検査をすることが出来る。
【0071】
さらに、シリアルスライスモード、シングルスライスモードで撮像したときに得た各X線発生装置7毎の情報が、シングルショットモードで撮像することで得られる情報と同等である場合は、所望する角度のX線透過画像をシリアルスライスモードやシングルスライスモードで撮像したときの情報から得ることが可能であるため、患者22に対する総被曝線量を低減できる。
【0072】
従って、このX線CT装置21は、患者22の断層画像及び、それに基づく必要なX線透過画像を一度の検査で得ることが出来るとともに、患者22に必要以上の被曝線量を与えない。すなわち、このX線CT装置21は、最小限の被曝線量で、必要な検査情報を得ることが出来る。
【0073】
上記X線CT装置21において、図1等の照射器3は、図10における測定装置本体24のX線発生装置27、チャンバ31、電子銃ドライブ回路32に対応する。図1等の放射線検出器1は、図10における測定装置本体24の検出器28に対応する。また、図1等のデータ処理部は、図10における測定制御装置35(一部)、データ収録装置36、データ処理装置37に対応する。そして、図1等の制御部11は、測定制御装置35(一部)、モード設定指示器38、X線発生制御装置33、スイッチ装置39に対応する。
【0074】
(実施例2)
本発明である放射線検出装置の第2の実施の形態について説明する。まず、本発明である放射線検出装置の第2の実施の形態における構成について説明する。図6は、本発明である放射線検出装置の第2の実施の形態における構成を示す図である。放射線検出装置は、入射された放射線に対応して出力電圧を出力する放射線検出器1、出力電圧をデータ処理するデータ処理部2及び制御部11を備える。そして、照射器3のX線源8から照射される放射線(本実施例では、X線)、あるいは、そのX線が被検体を透過した透過X線を検出する。
【0075】
図1(実施例1)においては、検出器負荷抵抗R1及びカップリングコンデンサC1は、出来るだけ大きいものであることが好ましい。ところが、カップリングコンデンサC1と検出器負荷抵抗R1の積は、放射線検出素子4に印加されるバイアス電源5の時定数を構成している。そのためカップリングコンデンサC1及び検出器負荷抵抗R1が大きいほど、その積である時定数が大きくなる。それにより、X線の照射で放射線検出素子4に流れる電荷により生じるバイアス電圧Edet(放射線検出素子4とカップリングコンデンサC1との接続点での電圧)の低下分を元に復帰するに要する時間が、長くかかることになる。すなわち、1回(のパルス)のX線の照射後、元のバイアス電圧Edetに復帰するには長い時間が掛かることとなる。
パルス状のX線源8を用いたX線CT装置の場合、X線照射期間、データ収集のためのX線照射停止期間が繰り返される。照射停止期間は同時に増幅部6’の初期状態にリセット(スイッチSW1を閉(オン))する期間に当てられる。このX線照射停止期間の時間がバイアス電源5の時定数に比して極めて短い場合には、この間に初期のバイアス電圧Edetに復帰することは困難である。
【0076】
本実施例では、上記のようなX線照射期間と、X線照射停止期間とが非常に短時間で繰り返されるため、図1(実施例1)の構成では時定数の面から対応が困難な場合に対応することが出来る。
すなわち、放射線検出素子4によるX線の検出時には、バイアス電源5を遮断し、カップリングコンデンサC1の電圧をバイアス電圧として用いる。それにより、検出器負荷抵抗R1には、漏洩電流が流れないので検出時の雑音をなくすことが出来る。また、X線照射停止期間においては、バイアス電源5を接続してカップリングコンデンサC1を充電し、バイアス電圧を維持する。その際には、放射線検出素子4によるX線の検出が行われていないので、漏洩電流を考慮する必要が無く、検出器負荷抵抗R1を小さくしても問題が無い。従って、検出器負荷抵抗R1を小さくして時定数を小さくすることが出来、X線照射期間と、X線照射停止期間とが非常に短時間で繰り返される場合でも、バイアス電圧Edetを初期の値に復帰させることが可能となる。
【0077】
以下、詳細に説明する。
放射線検出器1は、入射された放射線に対応した出力電圧を出力する。放射線検出素子4、バイアス電源5、検出器負荷抵抗R1、スイッチSW3、カップリングコンデンサC1及び増幅部6’を備える。
【0078】
第1電源としてのバイアス電源5は、スイッチSW3が閉(オン)のとき、カップリングコンデンサC1を充電する。充電で生じる電圧を、放射線検出素子5のバイアス電圧として利用する。あるいは、放射線検出素子4において、放射線の入射により生成する電荷(電子及び正孔)を効率よく取り出す(放射線検出素子4から電気信号を出力しやすくする)ために、放射線検出素子4へバイアス電圧を印加する。スイッチSW3及び検出器負荷抵抗R1を介して、カップリングコンデンサC1及び放射線検出素子4に電気的に接続されている。
【0079】
検出器負荷抵抗R1は、スイッチSW3と放射線検出器4との間に接続されている。放射線検出素子4のX線検出時にはバイアス電源5を切り離すので、雑音源となることはない。従って、カップリングコンデンサC1を高速に充電するために、時定数の関係から低い値にすることが好ましい。
【0080】
第2スイッチとしてのスイッチSW3は、一方をバイアス電源5に、他方を、検出器負荷抵抗R1を介してカップリングコンデンサC1及び放射線検出素子4に、電気的に接続されている。そして、スイッチSW3は、閉(ON)で、バイアス電源5とカップリングコンデンサC1及び放射線検出素子4との間の接続を行う。制御部11に制御される。スイッチSW3は、トランジスタ(FET、MOS)、ダイオードのような電子的なスイッチに例示される。
【0081】
カップリングコンデンサC1は、一端を放射線検出素子4と検出器負荷抵抗R1との間に、他端を増幅部6’に、電気的に接続されている。放射線検出素子4から増幅部6’への電気信号の直流分(放射線検出素子4に存在するリーク電流)及びバイアス電圧をカットする。また、バイアス電源5により充電され、充電で生じる電圧を、放射線検出装置4の検出動作中のバイアス電圧として利用する。従って、放射線検出素子4が放射線を検出している間に、放電し尽くさないために十分な容量を有する。
【0082】
本実施例の放射線検出器1の回路においては、X線の照射前に放射線検出素子4の動作に必要なバイアス電圧(Edet)を予め印加(カップリングコンデンサC1を充電)しておく。
ただし、放射線検出素子4としての半導体検出素子においては、ある一定のバイアス電圧Vbias以上において、入射したエネルギーと検出素子に生じ外部に取り出すことの出来る電荷量との比率(検出効率)は殆ど変化しない性質を持っている。バイアス電圧(Edet)がこの電圧Vbias以上に設定されるように、バイアス電源5及びカップリングコンデンサC1を設定することが好ましい。
そして、入射するX線により、放射線検出素子4にQinの電荷が発生したとすると、Edetは、次式で示すEdet’となる。
Edet’=Edet−Qin/C1
従って、Edet’をX線の計測の間、Edet’≧Vbiasに保ち、放射線検出素子4に生じた電荷を効率よく増幅部6’に伝達するためには、カップリングコンデンサC1は出来るだけ大きいことが好ましい。
【0083】
増幅部6’は、放射線検出素子4から出力された電気信号(電流)を測定の容易な大きさへ増幅する。そして、出力電圧Eoutとして出力する。増幅部6’は、一端をカップリングコンデンサC1に、他端をデータ処理部2に電気的に接続されている。増幅部6’として、スイッチSW1、コンデンサC2及びアンプ7を含む積分回路(電荷増幅器)を用いている。その理由は、実施例1に説明した通りである。
【0084】
制御部11は、スイッチSW1、スイッチSW3の開閉、X線源8がX線を照射するタイミングを制御する。すなわち、X線源8によるX線照射及び放射線検出素子4による検出動作と、バイアス電源5のカップリングコンデンサC1への充電と、コンデンサC2の開放とが適切なタイミングで行われるように制御する。
【0085】
X線源8、放射線検出素子4は、実施例3と同様であるので、その説明を省略する。
【0086】
次に、本発明である放射線検出装置の第2の実施の形態の動作について、図7を参照して説明する。
図7は、本発明である放射線検出装置の第2の実施の形態の動作を示すタイミングチャートである。横軸は時間であり、縦軸は各電気信号のON/OFF又はそれによる動作である。
ここで、時間t00(〜時間t01直前)において、
スイッチSW3は、ONであり、バイアス電源5により、カップリングコンデンサC1に電荷が蓄積される。
X線源8は、X線を照射していない。
スイッチSW1は、ONであり、コンデンサC2の両端の電極が短絡されることにより電荷は開放され、コンデンサC2の電荷はない。
(1)時間t01
制御部11は、スイッチSW3をOFFにするための制御信号をSW3へ出力する。スイッチSW3は、OFFとなる。このカップリングコンデンサC1の充電による電圧が、放射線検出素子4のX線検出中でのバイアス電圧となる。
(2)時間t02
制御部11は、スイッチSW1をOFFにするための制御信号をスイッチSW1へ出力する。スイッチSW1は、OFFとなり、コンデンサC2における両電極の間の短絡が終了する。
(3)時間t03
制御部11は、X線を照射させる制御信号をX線源8へ出力する。それにより、X線源8がX線を照射し、放射線検出素子4が、そのX線のうち被検体を透過した透過X線を検出する。そして、放射線検出素子4は、検出した透過X線の量に対応した電荷を発生する。すなわち、放射線検出素子4は、透過X線の通常の検出動作を行う。放射線検出素子4で発生した電荷は、カップリングコンデンサC1を介して増幅部6’へ入力される。その電荷が変動により、増幅部6’において、スイッチSW1がOFFの間(時間t02〜時間t07)で、X線を照射させる制御信号をX線源8へ出力させている時間(時間t03〜時間t04)において、放射線検出素子4で発生した電荷がコンデンサC2に蓄積される。すなわち、増幅部6’において、放射線検出素子4で発生した電荷が、積分され、出力電圧Eoutとして出力される。
(4)時間t04
制御部11は、X線の照射を停止させる制御信号をX線源8へ出力する。それにより、X線源8がX線の照射を停止する。そして、放射線検出素子4は、透過X線の検出を行わなくなる。
(5)時間t05〜時間t06
データ処理部2により、出力電圧Eoutが計測される。その際、すなわち、増幅部6’において、放射線検出素子4での電荷の発生分が、時間t02〜時間t06だけ積分され、出力電圧Eoutとして出力される。
また、時間t06で、制御部11は、スイッチSW3をONにするための制御信号をSW3へ出力する。スイッチSW3は、ONとなり、カップリングコンデンサC1への電荷の蓄積が開始される。
(6)時間t07
制御部11は、スイッチSW1をONにするための制御信号をスイッチSW1へ出力する。これにより、スイッチSW1は、ONとなり、コンデンサC2の両電極が短絡される。
(7)時間t10
時間t10は、時間t00と同等である。X線のパルス照射の継続に対応して、上記(1)〜(6)を繰り返す。
【0087】
本実施例により、実施例1と同様の効果を得ることが出来る。
また、放射線検出素子4の検出動作時のバイアス電圧は、カップリングコンデンサC1に蓄積された電荷により供給し、かつ、X線検出中はスイッチSW3をオフにすることにより、放射線検出素子4の透過X線検出による電荷の変動に伴うバイアス電源5からの電荷の流入を避けることが出来る。バイアス電源5からの電荷の流入は、放射線検出素子4の雑音となることから、放射線検出素子4の雑音を著しく低下させることが可能となる。そして、X線の入射により発生した電荷のみを正確に計測することが出来る。
【0088】
検出器負荷抵抗R1の値を低くし、バイアス電源5の時定数を小さく出来るので、X線照射期間と、X線照射停止期間とが非常に短時間で繰り返される場合でも、バイアス電圧Edetを初期の値に迅速に復帰させることが可能となる。
【0089】
なお、本実施例では、1つの放射線検出素子4について説明しているが、本発明がその数に制限されるものではなく、放射線検出器1中において、複数の放射線検出素子4が集合したセンサアレイとしても同様に適用可能である。
【0090】
また、複数の放射線検出素子4が集合している場合、スイッチSW3を複数の放射線検出素子4の各々に設けるのではなく、複数の放射線検出素子4に一つ設けるようにすることも可能である。その場合を示したのが図8である。
【0091】
図8は、本発明である放射線検出装置の第2の実施の形態における他の構成を示す図である。この場合、放射線検出素子4、検出器負荷抵抗R1、カップリングコンデンサC及び増幅部6(図示されず)の組から、放射線検出素子4、検出器負荷抵抗R1、カップリングコンデンサC及び増幅部6(図示されず)の組までの、合計n個を備えている。各組は、更に、ダイオードに例示される整流素子Di(i=1〜n、以下同様)を検出器負荷抵抗R1iとスイッチSW3との間に備えている。
すなわち、整流素子Diの整流作用により、上記の放射線検出素子4i、検出器負荷抵抗R1i、整流素子Di、カップリングコンデンサCi及び増幅部6i(図示されず)の組を複数並列に結合することが出来る。
その他の構成及び動作は、実施例2と同様であるので、その説明を省略する。
【0092】
このとき、スイッチSW3は、上記の各組(放射線検出素子4i、検出器負荷抵抗R1i、整流素子Di、カップリングコンデンサCi及び増幅部6i)の複数毎に設けるようにしても良い。
【0093】
図8の構成により、図6の実施例の効果の他に、複数の放射線検出素子4から発生する電荷を、同時かつ正確に計測することが出来る。そして、部品点数(複数のスイッチSW3及びそれにかかわる配線等)を削減することが出来る。
【0094】
また、図8の構成において、過電流保護のための装置を設置することで、検出器負荷抵抗R1を省略することが出来る。それを示したのが図9である。
図9は、本発明である放射線検出装置の第2の実施の形態における更に他の構成を示す図である。この場合、図8の構成に加えて、バイアス電源5とスイッチSW3との間に、第3スイッチとしてのスイッチSW4と抵抗R2とを並列に挿入している。検出器負荷抵抗R1は、ダイオード(整流素子)Diの持つ順方向の等価抵抗成分で代替出来る。そして、制御部11により、スイッチSW3がオンになるとき、突入電流により各素子が破壊されないようにスイッチSW4はオフにする。その場合、抵抗R2により、各素子への電流は突入電流にはならない。そして、スイッチSW3のオンから所定の時間(電流が安定する時間)経過後、制御部11がスイッチSW4をオンにする。
その他の構成及び動作は、実施例2と同様であるので、その説明を省略する。
【0095】
図9の構成により、図6の実施例の効果の他に、検出器負荷抵抗R1で発生する熱量を低減することが出来る。そして、部品点数(複数の検出器負荷抵抗R1)を削減することが出来る。
【0096】
このとき、スイッチSW3は、上記の各組(放射線検出素子4i、検出器負荷抵抗R1i、整流素子Di、カップリングコンデンサCi及び増幅部6i)の複数毎に設けるようにしても良い。
同様に、スイッチSW4と抵抗R2とも、上記の各組(放射線検出素子4i、検出器負荷抵抗R1i、整流素子Di、カップリングコンデンサCi及び増幅部6i)の複数毎に設けるようにしても良い。
【0097】
ここで、本発明の放射線検出装置が適用されるX線CT装置の実施の形態については、実施例1と同様であるので、その説明を省略する。
【0098】
【発明の効果】
本発明により、雑音の影響を低減し、放射線を高精度で短時間に計測でき、放射線の検出効率を向上させることが可能となる。そして、患者に対する放射線の被曝を低減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明である放射線検出装置の第1の実施の形態における構成を示す図である。
【図2】増幅部における入力信号と出力信号との関係を示すグラフである。
【図3】本発明である放射線検出装置の第1の実施の形態における他の構成を示す図である。
【図4】本発明である放射線検出装置の第1の実施の形態における更に他の構成を示す図である。
【図5】本発明である放射線検出装置の第1の実施の形態における別の構成を示す図である。
【図6】本発明である放射線検出装置の第2の実施の形態における構成を示す図である。
【図7】本発明である放射線検出装置の第2の実施の形態の動作を示すタイミングチャートである。
【図8】本発明である放射線検出装置の第2の実施の形態における他の構成を示す図である。
【図9】本発明である放射線検出装置の第2の実施の形態における更に他の構成を示す図である。
【図10】X線CT装置の構成を示す図である。
【図11】、図10におけるF2−F2断面に沿って示す測定装置本体の構成を示す図である。
【図12】X線発生装置と検出器との位置関係を示す図である。
【図13】X線発生装置の構成を示す図である。
【図14】X線発生装置の制御系統を示す構成図である。
【図15】従来の放射線検出器を含む放射線検出装置の構成を示す図である。
【図16】図15の放射線検出装置でX線を計測した結果を示すグラフである。
【図17】増幅部の後段にフィルタ回路を設けた放射線検出装置の構成の一例を示す図である。
【図18】図17のフィルタ回路での入力信号と出力信号との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1(a〜d)  放射線検出器
2  データ処理部
3  照射器
4(a)、4(i=1〜n)  放射線検出素子
5  バイアス電源
6(’)  増幅部
7  アンプ
8  X線源
11  制御部
21  X線CT装置
22  患者
23  ベッド
24  測定装置本体
25  スライド
26  駆動装置
27(a、b)  X線発生装置
28  検出器
28a  リング
28Lθ  センサアレイ
29、29〜29〜29  電子銃
30  ターゲット
31  真空チャンバ
32、32〜32〜32  電子銃ドライブ回路
33  X線発生制御装置
34  画像信号ディジタイザ
35  測定制御装置
36  データ収録装置
37  データ処理装置
38  モード設定指示器
39  スイッチ装置
39〜39〜39  スイッチ素子
40  電源
41  陰極
42  格子
43  陽極
44  電子ビーム
50  モニタ
100(a、b)  X線
101  放射線検出器
102  データ処理部
103  照射器
104  放射線検出素子
105  バイアス電源
106  増幅部
107  増幅器
108  X線源
109  フィルタ回路
C1、C1(i=1〜n)  カップリングコンデンサ
C2、C100  コンデンサ
(i=1〜n)  ダイオード
R1、R1(i=1〜n)  検出器負荷抵抗
R2、R200  抵抗
R100  帰還抵抗
SW1、SW2、SW3、SW4  スイッチ
P  軸線
L  軸線Pに沿う方向
θ  周方向

Claims (12)

  1. 一端において接地され、入射される放射線に対応する電気信号を出力する放射線検出素子と、
    一端において前記放射線検出素子の他端に接続されたカップリングコンデンサと、
    前記カップリングコンデンサの他端に接続され、前記放射線検出素子から前記カップリングコンデンサを介して入力される前記電気信号を積分して出力する増幅部と、
    を具備する、
    放射線検出装置。
  2. 前記放射線は、パルスで照射される、
    請求項1に記載の放射線検出装置。
  3. 前記放射線検出素子に対して前記カップリングコンデンサと並列に接続され、バイアス電圧を印加する第1電源と、
    を更に具備する、
    請求項1又は2に記載の放射線検出装置。
  4. 前記増幅部は、
    入力端子において前記カップリングコンデンサの他端に接続された演算増幅器と、
    一端において前記演算増幅器の前記入力端子に接続され、他端において前記演算増幅器の出力端子に接続されたコンデンサと、
    一端において前記演算増幅器の前記入力端子に接続され、他端において前記演算増幅器の前記出力端子に接続された第1スイッチと、
    を具備し、
    前記第1スイッチは、所定の条件に基づいてオンになり、前記コンデンサに蓄積された電荷を開放する、
    請求項1乃至3のいずれか一項に記載の放射線検出装置。
  5. 前記放射線検出素子による放射線の検出後に、前記第1スイッチをオンにするように前記第1スイッチを制御する制御部を更に具備し、
    前記第1スイッチは、前記制御部の制御に基づいてオンになり、前記コンデンサに蓄積された電荷を開放する、
    請求項4に記載の放射線検出装置。
  6. 前記放射線検出素子と前記第1電源との間に設けられた第2スイッチと、
    を更に具備し、
    前記制御部は、前記放射線検出素子による前記放射線の検出後に、前記第2スイッチで前記放射線検出素子と前記第1電源とを電気的に接続して前記カップリングコンデンサを充電し、前記放射線検出素子が前記放射線の検出を行うとき、前記第2スイッチで前記放射線検出素子と前記第1電源との接続を切断する、
    請求項3に記載の放射線検出装置。
  7. 前記放射線検出素子を含む複数の放射線検出素子と、
    一端を前記複数の放射線検出素子の各々に、他端を前記第1電源に接続され、前記複数の放射線検出素子の各々毎に設けられた整流素子と、
    を更に具備し、
    前記第2スイッチは、前記複数の放射線検出素子の内の少なくとも二つを含むグループ毎に一つ設けられている、
    請求項6に記載の放射線検出装置。
  8. 一端を前記第2スイッチに、他端を前記第1電源に接続された第3スイッチと、
    一端を前記第2スイッチに、他端を前記第1電源に接続された電気抵抗と、
    を更に具備し、
    前記制御部は、前記第2スイッチをオンにして、所定の時間経過後に、前記第3スイッチをオンにする、
    請求項7に記載の放射線検出装置。
  9. 前記放射線検出素子は、電荷発生型である、
    請求項3、6乃至8のいずれか一項に記載の放射線検出装置。
  10. 前記放射線検出素子は、CdTe、CdZnTe、Si、HgI及びPbIの少なくとも一方を含む、
    請求項9に記載の放射線検出装置。
  11. カップリングコンデンサと、
    前記カップリングコンデンサの一端に接続され、前記カップリングコンデンサを間欠的に充電する充電手段と、
    前記カップリングコンデンサの前記一端に接続され、前記カップリングコンデンサが充電されない期間に、前記カップリングコンデンサの電位を用いて入射する放射線を計測する検出手段と、
    前記カップリングコンデンサ他端に接続され、前記カップリングコンデンサの電荷の変化を増幅する増幅手段と、
    を具備する、
    放射線検出装置。
  12. 放射線源と、
    請求項1乃至11のいずれか一項に記載の放射線検出装置と、
    を具備する、
    放射線医療装置。
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