JP2004123614A - 皮膚外用剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】皮膚に対し、優れた皮脂分泌抑制作用、コメト゛修復作用、細菌抑制作用及び抗炎症作用を有し、しかも極めて安全性の高い剤を含有する皮膚外用剤。
【解決手段】ローヤルセ゛リー中に主要成分として存在するω−ヒト゛ロキシ酸である下記構造式の10−ヒト゛ロキシテ゛カン酸が優れた皮膚分泌抑制作用、コメド修復作用、細菌抑制作用及び抗炎症作用を有し、しかも高い安全性を有することが確認され、本品を医薬品、医薬部外品及び化粧品等に添加し、脂性肌、コメト゛肌等の皮膚症状を短期間に改善させる皮膚概要剤を提供することにある。
構造式
【解決手段】ローヤルセ゛リー中に主要成分として存在するω−ヒト゛ロキシ酸である下記構造式の10−ヒト゛ロキシテ゛カン酸が優れた皮膚分泌抑制作用、コメド修復作用、細菌抑制作用及び抗炎症作用を有し、しかも高い安全性を有することが確認され、本品を医薬品、医薬部外品及び化粧品等に添加し、脂性肌、コメト゛肌等の皮膚症状を短期間に改善させる皮膚概要剤を提供することにある。
構造式
Description
【0001】
【発明の属する分野】
本発明は皮膚外用剤に関する。さらに詳細に説明するならば安全性が高く皮脂分泌抑制に高い効果があり、コメト゛などの形成を促進する角質を溶解する作用及び細菌増殖抑制作用や抗炎症作用を有する皮膚外用剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から皮脂分泌抑制作用に高い効果があり、コメト゛などを形成する角質を溶解する作用及び細菌増殖抑制作用や抗炎症作用のそれぞれを有する化合物が様々な治療薬や皮膚外用剤、医薬部外品、化粧用に繁用されている。すなわち、これらの皮膚外用剤、医薬部外品や化粧料としてこれまで効果のある有効成分として各種成分、例えば抗生物質、殺菌剤、硫黄製剤などに使用されてきた。
【0003】
しかしながら、いずれの場合にも安全性、限定された効果や持続性、安定性などの製剤配合などの問題点から、その繁用性や応用性などについて必ずしも満足すべき成分とは言えず、広範囲な効果を有する、優れた成分を配合した皮膚外用剤の出現が期待されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述のような状況に鑑み、本発明者らは長時間、鋭意研究を重ねた結果、ローヤルセ゛リー中の主成分として存在するω−ヒト゛ロキシ酸であるであらわされる10−ヒト゛ロキシテ゛カン酸は安全性が高く皮脂分泌抑制に高い効果があり、コメト゛などを形成する角質を溶解する作用及び細菌増殖抑制作用や抗炎症作用を有する広範囲な作用があることを見出し、この事実に基づき本発明を完成するに至った。
【0005】
【化1】
【0006】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は安全性が高く皮脂分泌抑制に高い効果があり、コメト゛などを形成する角質を溶解する作用及び細菌増殖抑制作用や抗炎症作用を有する皮膚外用剤を提供する。因みに皮膚医学的にアクネ発症の成因として皮脂の過剰分泌、角化肥厚、ニキヒ゛関連菌の増殖及び局所の炎症が考えられる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下に本発明について詳細に記載する。本発明に使用されるω−ヒト゛ロキシ酸である10−ヒト゛ロキシテ゛カン酸は10−ヒト゛ロキシテ゛セン酸とともにローヤルセ゛リー中の主要成分である。10−ヒト゛ロキシテ゛カン酸は下記に示すように
1)ウンテ゛セニールアセテートを80%酢酸溶液中にてオソ゛ン酸化し、この酸化物を加水分解して得られる方法。
2)リシノレイン酸をNaOH溶液で加水分解した後、硫酸溶液中で本物質を合成する方法。
3)ウンテ゛シレン酸から過マンカ゛ン酸カリウムにより酸化して10−ヒト゛ロキシテ゛カン酸を合成する方法が提案されている。
【0008】
【0009】
本発明者らはこれらの方法により分子内に水酸基とアルコール基を持つ10−ヒト゛ロキシテ゛カン酸を自ら合成し、本皮膚外用剤に応用した。
【0010】
本発明において10−ヒト゛ロキシテ゛カン酸はスキンケア剤には0.001から1%、好ましくは0.03から0.06%、脂性肌やアクネ対策用としては0.001から1%、好ましくは0.03から0.08%、脂性肌やアクネ肌の人用のシャンフ゜ーを含むヘアケア用剤0.001から1%、好ましくは0.05から0.08%、抗菌、防臭用剤には0.001から1%、好ましくは0.03から0.08%、が推奨範囲である。一方、この範囲濃度以下であっても、以上であっても効果や剤型への配合の問題から好ましくない。
【0011】
本発明に使用される10−ヒト゛ロキシテ゛カン酸は透明な液体であり、軽微な黄色を呈し、においは感じられる程度である。熱安定性は高く、70℃から80℃で乳化物に使用しても安定である。また本化合物の溶解性は40℃以上のフ゜ロヒ゜レンク゛リコールに0.1%、室温でのエタノールには0.02から0.04%、80℃以下のヒマシ油には0.1%、水にはアルカリ溶液にて中和しながら溶解することが出来る。
【0012】
次に10−ヒト゛ロキシテ゛カン酸単独での効果を確認するためにコメト゛抑制作用およびアクネの発症に関連するPropionibacterium acnes等に対する抗菌作用、そして皮脂の分泌に深く関与している男性ホルモンの指標となる5α−リタ゛クターセ゛活性を判定した。
【0013】
(コメト゛抑制作用)本品の動物に及ぼす抗ニキヒ゛作用を評価する方法としてKligmann & Mills の試験法(BT7899 Effect of the Anti−Acne Capacity of a Cosmetic or Pharmaceutical Compounds in the Male Rabbit)により評価した。コメト゛形成は予め6匹にウサキ゛の耳にリンシート゛オイルを14日間塗布することにより惹起させ15日目から毎日10日間連続して、10−ヒト゛ロキシテ゛カン酸を同じ左耳に塗布し、右耳は対照とした。
【0014】
(抗菌作用)European pharmacopia 1997−5.1.3を参照した。その結果、0.05%の10−ヒト゛ロキシテ゛カン酸はPropionibacterium acnes (座そうかん菌)、Candida Albicans 、Staphylococcus Aureus (黄色フ゛ト゛ウ球菌)に対し、抗菌作用がみとめられた。しかも10−ヒト゛ロキシテ゛カン酸は菌の増殖を抑制し、その効果は少なくとも28日間継続した。
【0015】
(5α−リタ゛クターセ゛)皮膚サンフ゜ルを使用して5α−リタ゛クターセ゛活性を測定した結果、0.02% 10−ヒト゛ロキシテ゛カン酸は陽性コントロールであるフィナステライト゛が95%の抑制率を示したのに対し、34%もの抑制率を示した。
【0016】
本発明皮膚外用剤の製剤化は上記物質に加えて本発明の効果を損なわない範囲内で、通常の医薬品等の皮膚外用剤、医薬部外品や化粧品に用いられる他の成分、例えば陰イオン(高級脂肪酸アルカリ金属塩、高級脂肪酸アミン塩、アミノ酸系界面活性剤)や非イオン界面活性剤やリン脂質ステロールエステルなどの界面活性剤、炭化水素(流動ハ゜ラフィン、スクワラン、ワセリンなど)、油脂(動植物油、トリク゛リセリト゛、ワックスエステル、高級アルコール、高級脂肪酸、シリコーン、エステル油、ロウ類など)など、湿潤剤、(多価アルコール、糖類、生体高分子、アミノ酸、ヘ゜フ゜チト゛類など)、アルコール(エチルアルコール、テ゛カンシ゛オ−ル等)、皮膜形成剤(ホ゜リヒ゛ニルアルコール、ヘ゜クチン)や水溶性又は油溶性高分子、樹脂、紫外線吸収剤、殺菌防腐剤、抗酸化剤、金属封鎖剤、着色剤(天然色素、合成色素)、pH調製剤(セハ゛シン酸等)、各種香料の他、各種の植物及び動物抽出物、油溶性ヒ゛タミン、水溶性ヒ゛タミンや美白剤としてのアルフ゛チン、コウシ゛酸、エラク゛酸、肌荒れ防止剤として尿素、アラントイン、抗炎症剤としてク゛ルチルレチン酸、ク゛リチルリチン酸やアス゛レン、収斂剤としてハ゜ラフェノールスルフォン酸亜鉛や過酸化ヘ゛ンソ゛イル、硫黄、チアントール、チオキソロンなどの抗脂漏剤や抗生物質、サリチル酸等の角質溶解剤、クエン酸及びその塩などを含めた有機酸類とその塩等、そして有機あるいは無機系粉体等を、必要に応じて適宜配合もしくは併用することが出来る。また、本発明の皮膚外用剤は外皮に適用される医薬部外品、化粧料に広範囲に適用することが可能であり、その剤型も皮膚に適用するものであればいずれでもよく、溶液系、可溶化系、乳化系、粉末分散系、水―油二層系、水―油―粉末系、水―油―シリコン系の三層系や親水性軟膏や吸水性軟膏、ケ゛ル系、エアソ゛ール系など任意の剤型に適用することが出来る。さらには、本発明の皮膚外用剤の用途も任意であり、乳液、クリーム、化粧水、ハ゜ック等のスキンケア化粧料はもとより、ファンテ゛ーションなどのヘ゛ースメイクアッフ゜や口紅、アイシャト゛ウ、アイライナーなどのホ゜イントメークやシャンフ゜ー、リンス、コンテ゛ィショナーや頭皮ケア剤などを含めたヘアケア製品やその他、浴用剤、芳香性化粧料等へも適用することが出来る。
【0017】
【実施例】
次に実施例を挙げて本発明を詳しく説明する。本発明の技術的範囲はこれによって限定されるものではない。なお、実施例中の記載配合量はすべて重量%である。
【0018】
(短期皮脂分泌抑制効果試験)気温と湿度(22±2℃、50±5%)の環境条件下において脂性肌あるいはその傾向が認められる年齢20〜49歳の男女10名(男女各5名ずつ)の額皮膚部を洗顔後、まずセホ゛テーフ゜を額の左右上部に1時間貼り、基礎皮脂分泌量を測定する。1時間後、再度洗顔し15分間放置する。その後各試料(実施例1及び比較例1)2mg/cm2を額の左右に塗布し、その同一場所にセホ゛テーフ゜を貼付し、1時間後にセホ゛テーフ゜を剥離し、さらにその同一場所に再度2時間貼付し剥離、さらに同一場所にセホ゛テーフ゜を貼付し3時間後に剥離した。
【0019】
(長期皮脂分泌抑制効果試験)気温と湿度(22±2℃、50±5%)の環境条件下において脂性肌あるいはその傾向が認められる年齢20〜49歳の男女12名(男女6名ずつ)の顔面皮膚部に対して試料(実施例1および比較例)12mg/cm2を1日2回、3週間継続して塗布した。各被験者の顔面試料塗布箇所の一部を無作為に選択し、セホ゛メーター(皮脂メーターSM810:Courage and Khazaka Electronic Cologne , Germany)による前額下部左右の皮脂量及び前掲のセホ゛テーフ゜による方法により前額下部左右の皮脂腺の数(スホ゜ット数)を測定した。測定は皮膚を清潔にした後、0,7,14,21日後にセホ゛テーフ゜を1時間貼付した。剥離後セホ゛メーターにより0,7,14,21日後に測定を行った。
【0020】
「試料の調整」10−ヒト゛ロキシテ゛カン酸は皮膚外用剤、医薬部外品、化粧料に配合する上から以下の組成にしたがって実施例1及び比較例1を調整した。各配合成分は医薬品、医薬部外品や化粧品にしようされている規格内の成分により調整することが出来る。
【0021】
【実施例】
クリームは下記の表に示す組成に調整し上記短期皮脂分泌抑制効果試験及び長期皮脂分泌抑制効果試験を行った。結果を表1に示す。
(製法)(1),(2),(3),(4),(5),(6),(7),(10),(13)を秤量し75℃に加温、
混合し(油相),(8),(9),(11),(12),(14),(16)を秤量し、同様に75℃に加温、混合し(水相)、水相、油相を混合乳化し35℃で(15)を加えクリームを調整する。
【0022】
【表1】
【0023】
0.05% 10−ヒト゛ロキシテ゛カン酸配合クリームは1回のみの単独使用により比較クリームに比し皮脂分泌スホ゜ット数と皮脂量の減少をもたらした。結果を表2に示す。
【0024】
【表2】
【0025】
0.05% 10−ヒト゛ロキシテ゛カン酸配合クリームは対照品である比較クリームに比べ明らかな皮脂分泌抑制と皮脂分泌スホ゜ット数の減少をもたらし、しかもその効果は3週間持続した。これらの結果から油性肌及び油性頭皮用の製剤に有効であることが証明された。
【0026】
ローションの下記の表に示す組成を調整し上記短期皮脂分泌抑制効果試験及び長期皮脂分泌抑制効果試験を行った。
{ローション組成物}
(1)エタノール 6.0
(2)ク゛リセリン 1.5
(3)ヒ゜ロリト゛ンカルホ゛ン酸ソータ゛ 1.0
(4)1,3フ゛チレンク゛リコール 7.5
(5)ホ゜リオキシエチレン硬化ヒマシ油 0.5
(6)10−ヒト゛ロキシテ゛カン酸 0.02
(7)香料 0.1
(8)防腐剤 0.1
(9)クエン酸 0.1
(10)クエン酸ナトリウム 0.06
(11)精製水 適量
(製法) 11)に(2),(3),(4),(8),(9),(10)を溶解し(水相)、この水相に(1)に
(5),(6),(7)を溶解したものを添加、混合し、ローションを調整した。
【0027】
その結果、本実施例もまた、クリーム剤と同様に短期皮脂分泌抑制効果および長期皮脂分泌抑制効果が認められ、皮脂抑制効果及び皮脂分泌率が抑制された。
【0028】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば安全性が高く、皮脂分泌抑制に高い効果があり、コメト゛などを形成する角質を溶解する作用及び細菌増殖抑制作用や抗炎症作用を有する皮膚外用剤を提供される。
【発明の属する分野】
本発明は皮膚外用剤に関する。さらに詳細に説明するならば安全性が高く皮脂分泌抑制に高い効果があり、コメト゛などの形成を促進する角質を溶解する作用及び細菌増殖抑制作用や抗炎症作用を有する皮膚外用剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から皮脂分泌抑制作用に高い効果があり、コメト゛などを形成する角質を溶解する作用及び細菌増殖抑制作用や抗炎症作用のそれぞれを有する化合物が様々な治療薬や皮膚外用剤、医薬部外品、化粧用に繁用されている。すなわち、これらの皮膚外用剤、医薬部外品や化粧料としてこれまで効果のある有効成分として各種成分、例えば抗生物質、殺菌剤、硫黄製剤などに使用されてきた。
【0003】
しかしながら、いずれの場合にも安全性、限定された効果や持続性、安定性などの製剤配合などの問題点から、その繁用性や応用性などについて必ずしも満足すべき成分とは言えず、広範囲な効果を有する、優れた成分を配合した皮膚外用剤の出現が期待されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述のような状況に鑑み、本発明者らは長時間、鋭意研究を重ねた結果、ローヤルセ゛リー中の主成分として存在するω−ヒト゛ロキシ酸であるであらわされる10−ヒト゛ロキシテ゛カン酸は安全性が高く皮脂分泌抑制に高い効果があり、コメト゛などを形成する角質を溶解する作用及び細菌増殖抑制作用や抗炎症作用を有する広範囲な作用があることを見出し、この事実に基づき本発明を完成するに至った。
【0005】
【化1】
【0006】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は安全性が高く皮脂分泌抑制に高い効果があり、コメト゛などを形成する角質を溶解する作用及び細菌増殖抑制作用や抗炎症作用を有する皮膚外用剤を提供する。因みに皮膚医学的にアクネ発症の成因として皮脂の過剰分泌、角化肥厚、ニキヒ゛関連菌の増殖及び局所の炎症が考えられる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下に本発明について詳細に記載する。本発明に使用されるω−ヒト゛ロキシ酸である10−ヒト゛ロキシテ゛カン酸は10−ヒト゛ロキシテ゛セン酸とともにローヤルセ゛リー中の主要成分である。10−ヒト゛ロキシテ゛カン酸は下記に示すように
1)ウンテ゛セニールアセテートを80%酢酸溶液中にてオソ゛ン酸化し、この酸化物を加水分解して得られる方法。
2)リシノレイン酸をNaOH溶液で加水分解した後、硫酸溶液中で本物質を合成する方法。
3)ウンテ゛シレン酸から過マンカ゛ン酸カリウムにより酸化して10−ヒト゛ロキシテ゛カン酸を合成する方法が提案されている。
【0008】
【0009】
本発明者らはこれらの方法により分子内に水酸基とアルコール基を持つ10−ヒト゛ロキシテ゛カン酸を自ら合成し、本皮膚外用剤に応用した。
【0010】
本発明において10−ヒト゛ロキシテ゛カン酸はスキンケア剤には0.001から1%、好ましくは0.03から0.06%、脂性肌やアクネ対策用としては0.001から1%、好ましくは0.03から0.08%、脂性肌やアクネ肌の人用のシャンフ゜ーを含むヘアケア用剤0.001から1%、好ましくは0.05から0.08%、抗菌、防臭用剤には0.001から1%、好ましくは0.03から0.08%、が推奨範囲である。一方、この範囲濃度以下であっても、以上であっても効果や剤型への配合の問題から好ましくない。
【0011】
本発明に使用される10−ヒト゛ロキシテ゛カン酸は透明な液体であり、軽微な黄色を呈し、においは感じられる程度である。熱安定性は高く、70℃から80℃で乳化物に使用しても安定である。また本化合物の溶解性は40℃以上のフ゜ロヒ゜レンク゛リコールに0.1%、室温でのエタノールには0.02から0.04%、80℃以下のヒマシ油には0.1%、水にはアルカリ溶液にて中和しながら溶解することが出来る。
【0012】
次に10−ヒト゛ロキシテ゛カン酸単独での効果を確認するためにコメト゛抑制作用およびアクネの発症に関連するPropionibacterium acnes等に対する抗菌作用、そして皮脂の分泌に深く関与している男性ホルモンの指標となる5α−リタ゛クターセ゛活性を判定した。
【0013】
(コメト゛抑制作用)本品の動物に及ぼす抗ニキヒ゛作用を評価する方法としてKligmann & Mills の試験法(BT7899 Effect of the Anti−Acne Capacity of a Cosmetic or Pharmaceutical Compounds in the Male Rabbit)により評価した。コメト゛形成は予め6匹にウサキ゛の耳にリンシート゛オイルを14日間塗布することにより惹起させ15日目から毎日10日間連続して、10−ヒト゛ロキシテ゛カン酸を同じ左耳に塗布し、右耳は対照とした。
【0014】
(抗菌作用)European pharmacopia 1997−5.1.3を参照した。その結果、0.05%の10−ヒト゛ロキシテ゛カン酸はPropionibacterium acnes (座そうかん菌)、Candida Albicans 、Staphylococcus Aureus (黄色フ゛ト゛ウ球菌)に対し、抗菌作用がみとめられた。しかも10−ヒト゛ロキシテ゛カン酸は菌の増殖を抑制し、その効果は少なくとも28日間継続した。
【0015】
(5α−リタ゛クターセ゛)皮膚サンフ゜ルを使用して5α−リタ゛クターセ゛活性を測定した結果、0.02% 10−ヒト゛ロキシテ゛カン酸は陽性コントロールであるフィナステライト゛が95%の抑制率を示したのに対し、34%もの抑制率を示した。
【0016】
本発明皮膚外用剤の製剤化は上記物質に加えて本発明の効果を損なわない範囲内で、通常の医薬品等の皮膚外用剤、医薬部外品や化粧品に用いられる他の成分、例えば陰イオン(高級脂肪酸アルカリ金属塩、高級脂肪酸アミン塩、アミノ酸系界面活性剤)や非イオン界面活性剤やリン脂質ステロールエステルなどの界面活性剤、炭化水素(流動ハ゜ラフィン、スクワラン、ワセリンなど)、油脂(動植物油、トリク゛リセリト゛、ワックスエステル、高級アルコール、高級脂肪酸、シリコーン、エステル油、ロウ類など)など、湿潤剤、(多価アルコール、糖類、生体高分子、アミノ酸、ヘ゜フ゜チト゛類など)、アルコール(エチルアルコール、テ゛カンシ゛オ−ル等)、皮膜形成剤(ホ゜リヒ゛ニルアルコール、ヘ゜クチン)や水溶性又は油溶性高分子、樹脂、紫外線吸収剤、殺菌防腐剤、抗酸化剤、金属封鎖剤、着色剤(天然色素、合成色素)、pH調製剤(セハ゛シン酸等)、各種香料の他、各種の植物及び動物抽出物、油溶性ヒ゛タミン、水溶性ヒ゛タミンや美白剤としてのアルフ゛チン、コウシ゛酸、エラク゛酸、肌荒れ防止剤として尿素、アラントイン、抗炎症剤としてク゛ルチルレチン酸、ク゛リチルリチン酸やアス゛レン、収斂剤としてハ゜ラフェノールスルフォン酸亜鉛や過酸化ヘ゛ンソ゛イル、硫黄、チアントール、チオキソロンなどの抗脂漏剤や抗生物質、サリチル酸等の角質溶解剤、クエン酸及びその塩などを含めた有機酸類とその塩等、そして有機あるいは無機系粉体等を、必要に応じて適宜配合もしくは併用することが出来る。また、本発明の皮膚外用剤は外皮に適用される医薬部外品、化粧料に広範囲に適用することが可能であり、その剤型も皮膚に適用するものであればいずれでもよく、溶液系、可溶化系、乳化系、粉末分散系、水―油二層系、水―油―粉末系、水―油―シリコン系の三層系や親水性軟膏や吸水性軟膏、ケ゛ル系、エアソ゛ール系など任意の剤型に適用することが出来る。さらには、本発明の皮膚外用剤の用途も任意であり、乳液、クリーム、化粧水、ハ゜ック等のスキンケア化粧料はもとより、ファンテ゛ーションなどのヘ゛ースメイクアッフ゜や口紅、アイシャト゛ウ、アイライナーなどのホ゜イントメークやシャンフ゜ー、リンス、コンテ゛ィショナーや頭皮ケア剤などを含めたヘアケア製品やその他、浴用剤、芳香性化粧料等へも適用することが出来る。
【0017】
【実施例】
次に実施例を挙げて本発明を詳しく説明する。本発明の技術的範囲はこれによって限定されるものではない。なお、実施例中の記載配合量はすべて重量%である。
【0018】
(短期皮脂分泌抑制効果試験)気温と湿度(22±2℃、50±5%)の環境条件下において脂性肌あるいはその傾向が認められる年齢20〜49歳の男女10名(男女各5名ずつ)の額皮膚部を洗顔後、まずセホ゛テーフ゜を額の左右上部に1時間貼り、基礎皮脂分泌量を測定する。1時間後、再度洗顔し15分間放置する。その後各試料(実施例1及び比較例1)2mg/cm2を額の左右に塗布し、その同一場所にセホ゛テーフ゜を貼付し、1時間後にセホ゛テーフ゜を剥離し、さらにその同一場所に再度2時間貼付し剥離、さらに同一場所にセホ゛テーフ゜を貼付し3時間後に剥離した。
【0019】
(長期皮脂分泌抑制効果試験)気温と湿度(22±2℃、50±5%)の環境条件下において脂性肌あるいはその傾向が認められる年齢20〜49歳の男女12名(男女6名ずつ)の顔面皮膚部に対して試料(実施例1および比較例)12mg/cm2を1日2回、3週間継続して塗布した。各被験者の顔面試料塗布箇所の一部を無作為に選択し、セホ゛メーター(皮脂メーターSM810:Courage and Khazaka Electronic Cologne , Germany)による前額下部左右の皮脂量及び前掲のセホ゛テーフ゜による方法により前額下部左右の皮脂腺の数(スホ゜ット数)を測定した。測定は皮膚を清潔にした後、0,7,14,21日後にセホ゛テーフ゜を1時間貼付した。剥離後セホ゛メーターにより0,7,14,21日後に測定を行った。
【0020】
「試料の調整」10−ヒト゛ロキシテ゛カン酸は皮膚外用剤、医薬部外品、化粧料に配合する上から以下の組成にしたがって実施例1及び比較例1を調整した。各配合成分は医薬品、医薬部外品や化粧品にしようされている規格内の成分により調整することが出来る。
【0021】
【実施例】
クリームは下記の表に示す組成に調整し上記短期皮脂分泌抑制効果試験及び長期皮脂分泌抑制効果試験を行った。結果を表1に示す。
(製法)(1),(2),(3),(4),(5),(6),(7),(10),(13)を秤量し75℃に加温、
混合し(油相),(8),(9),(11),(12),(14),(16)を秤量し、同様に75℃に加温、混合し(水相)、水相、油相を混合乳化し35℃で(15)を加えクリームを調整する。
【0022】
【表1】
【0023】
0.05% 10−ヒト゛ロキシテ゛カン酸配合クリームは1回のみの単独使用により比較クリームに比し皮脂分泌スホ゜ット数と皮脂量の減少をもたらした。結果を表2に示す。
【0024】
【表2】
【0025】
0.05% 10−ヒト゛ロキシテ゛カン酸配合クリームは対照品である比較クリームに比べ明らかな皮脂分泌抑制と皮脂分泌スホ゜ット数の減少をもたらし、しかもその効果は3週間持続した。これらの結果から油性肌及び油性頭皮用の製剤に有効であることが証明された。
【0026】
ローションの下記の表に示す組成を調整し上記短期皮脂分泌抑制効果試験及び長期皮脂分泌抑制効果試験を行った。
{ローション組成物}
(1)エタノール 6.0
(2)ク゛リセリン 1.5
(3)ヒ゜ロリト゛ンカルホ゛ン酸ソータ゛ 1.0
(4)1,3フ゛チレンク゛リコール 7.5
(5)ホ゜リオキシエチレン硬化ヒマシ油 0.5
(6)10−ヒト゛ロキシテ゛カン酸 0.02
(7)香料 0.1
(8)防腐剤 0.1
(9)クエン酸 0.1
(10)クエン酸ナトリウム 0.06
(11)精製水 適量
(製法) 11)に(2),(3),(4),(8),(9),(10)を溶解し(水相)、この水相に(1)に
(5),(6),(7)を溶解したものを添加、混合し、ローションを調整した。
【0027】
その結果、本実施例もまた、クリーム剤と同様に短期皮脂分泌抑制効果および長期皮脂分泌抑制効果が認められ、皮脂抑制効果及び皮脂分泌率が抑制された。
【0028】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば安全性が高く、皮脂分泌抑制に高い効果があり、コメト゛などを形成する角質を溶解する作用及び細菌増殖抑制作用や抗炎症作用を有する皮膚外用剤を提供される。
Claims (2)
- ω−ヒト゛ロキシ酸である10−ヒト゛ロキシテ゛カン酸を含有することを特徴とする皮膚外用剤
- ω−ヒト゛ロキシ酸である10−ヒト゛ロキシテ゛カン酸を0.001%から1%、含有することを特徴とする皮膚外用剤
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002290671A JP2004123614A (ja) | 2002-10-03 | 2002-10-03 | 皮膚外用剤 |
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CN111803422A (zh) * | 2020-08-17 | 2020-10-23 | 山东华熙海御生物医药有限公司 | 一种控油组合物及其应用 |
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CN109640945B (zh) * | 2016-08-18 | 2022-04-29 | 株式会社山田养蜂场本社 | 女性型脱毛发症改善用组合物 |
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