JP2004123586A - カリックス[4]アレーン誘導体混合物の製造方法 - Google Patents

カリックス[4]アレーン誘導体混合物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】非塩素系の溶媒に対する溶解性に優れた、クロロメチル化カリックス[4]アレーン誘導体の混合物を、煩雑な操作を要さず、一度に効率よく製造する。
【解決手段】5,11,17,23−テトラクロロメチルカリックス[4]アレーン等のカリックス[4]アレーン誘導体を、塩化水素及びホルムアルデヒドでクロロメチル化するに際し、反応液中の水の濃度を10〜30重量%の範囲で行う。これにより、非塩素系溶媒に対する溶解性に優れた、テトラクロロメチル化体とトリクロロメチル化体の混合物を一度に得ることができる。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はカリックスアレーン誘導体の製造方法に関する。さらに詳しくは、ネガ型電子線レジストとして有用なカリックスアレーン誘導体の組成物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体デバイスの製造において、近年、加工パターンの超微細化に対応できるレジストが必要とされている。なかでもカリックスアレーン誘導体をレジストモノマーとして用いると、解像度が約10nmという高レベルの微細パターンを形成できる。例えば、カリックス[6]アレーンのアセチル化誘導体(正式名;5,11,17,23,29,35−ヘキサメトキシ−37,38,39,40,41,42−ヘキサアセトキシカリックス[6]アレーン)を用いたレジストの電子線に対する感度は約1000μC/cmである(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
上記、カリックス[6]アレーンのアセチル化誘導体に代えて、クロロメチル化誘導体を用いると電子線に対する感度が向上し、約600μC/cmとなることも知られている(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
しかしながらこれらのカリックスアレーン誘導体は、非塩素系の溶媒に対する溶解性が低いため、ジクロロベンゼンやモノクロロベンゼン等の塩素系溶媒を用いて膜を製作しなくてはならない。他方、近年では、そのため環境負荷等の点から塩素系の溶媒は工業的な使用が困難である。従って、カリックスアレーン誘導体は電子線レジスト材料として優れた物性を有しながら、未だ実用化がなされていない。
【0005】
我々は、カリックスアレーン誘導体につき種々合成し検討した結果、カリックス[4]アレーンのクロロメチル化誘導体である5,11,17,23−テトラクロロメチル−25,26,27,28−テトラメトキシカリックス[4]アレーン(以下、テトラクロロメチル[4]アレーン)、又はこのテトラクロロメチル[4]アレーンと5,11,17−トリクロロメチル−25,26,27,28−テトラメトキシカリックス[4]アレーン(以下、トリクロロメチル[4]アレーン)との混合物が、非塩素系の溶媒に対しても優れた溶解性を持つことを見出し、既に出願した(特願2002−262314)。
【0006】
上記のうち、テトラクロロメチル[4]アレーンとトリクロロメチル[4]アレーンとの混合物は、テトラクロロメチル[4]アレーン単独の場合と比べ、非塩素系溶媒への溶解性がより優れている。また、テトラクロロメチル[4]アレーン単独では基板上に塗布した際に結晶化を起こすこともあり、この点からも混合物を用いることがより好ましい。
【0007】
上記テトラクロロメチル[4]アレーンは、25,26,27,28−テトラメトキシカリックス[4]アレーンを原料とし、過剰のホルムアルデヒドと塩化水素によってクロロメチル化することにより効率よく製造することができる。この場合には、反応系中における水の濃度は9重量%以下である(例えば、非特許文献1参照)。
【0008】
他方、トリクロロメチル[4]アレーンの効率的な製造方法は知られていない。通常、トリクロロメチル[4]アレーンは、上記テトラクロロメチル[4]アレーンと同じく、25,26,27,28−テトラメトキシカリックス[4]アレーンを原料とし、該25,26,27,28−テトラメトキシカリックス[4]アレーンに対して3モル当量以下のホルムアルデヒドを用いることにより製造が可能であるが、このような製造方法では反応速度が遅く、またジクロロメチル化体やモノクロロメチル化体も多量に副生していまい、収率も極めて悪い。
【0009】
さらに、従来の方法ではテトラクロロメチル[4]アレーンとトリクロロメチル[4]アレーンを別々に製造せねばならず、製造や精製の工程で2倍の手間がかかり、さらにこれらを混合する必要があり、工業的な製造という点では極めて煩雑であった。
【特許文献1】
特公平7−23340号公報
【特許文献2】
特開平9−236919号公報
【非特許文献1】
長崎、他3名、「水溶性カリックス[4]アレーンの新規な構造異性」、テトラヘドロン、(英国)、1992年、第48巻、第5号、p.797〜804
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
従って、テトラクロロメチル[4]アレーンとトリクロロメチル[4]アレーンを別々に製造する必要なく、両者の混合物を簡単に効率よく製造する方法が求められていた。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究を続けてきた。その結果、前記トリクロロメチル[4]アレーンの製造方法において、水の配合量を調整することにより、直接的かつ効率的に、テトラクロロメチル[4]アレーンとトリクロロメチル[4]アレーンの混合物が得られることを見出し、更に研究を進めた結果、本発明を完成した。
【0012】
即ち本発明は、カリックスアレーン誘導体を、塩化水素及びホルムアルデヒドと反応させて、クロロメチル基で置換されたカリックスアレーン誘導体を製造する方法において、原料となるカリックスアレーン誘導体として下記式(1)
【0013】
【化3】
Figure 2004123586
【0014】
(式中、Rは置換又は非置換の炭素数1〜10のアルキル基を示す。)
で示される化合物を用い、反応系における水の濃度を10〜30重量%とすることにより、
下記式(2)及び(3)
【0015】
【化4】
Figure 2004123586
【0016】
(式中、Rは式(1)と同義である。)
で示されるクロロメチル基で置換されたカリックスアレーン誘導体の混合物を得ることを特徴とする、カリックス[4]アレーン誘導体混合物の製造方法である。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の製造方法においては、原料となる化合物は、下記式(1)で示されるカリックス[4]アレーン誘導体である。
【0018】
【化5】
Figure 2004123586
【0019】
(式中、Rは置換又は非置換の炭素数1〜10のアルキル基を示す。)
上記式(1)で示される化合物において、繰り返し単位が4よりも大きいと、全てのフェニル基がクロロメチル化されていまい、一つだけクロロメチル化されていないフェニル基を残したカリックスアレーン誘導体を得ることができず、よって本発明のように混合物を得ることができない。
【0020】
上記式(1)において、Rは置換又は非置換の炭素数1〜10のアルキル基を示す。当該アルキル基は直鎖状でも分枝状でも良く、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基等が例示される。各種溶媒への溶解性を考慮すると、炭素数1〜3のアルキル基であることがより好ましい。
【0021】
Rで示されるアルキル基の有する置換基としては特に制限されるものではなく、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等の炭素数1〜5のアルコキシ基、水酸基、ニトロ基、シアノ基等が具体的に例示される。ハロゲノメチル化反応の反応条件下での安定性や、溶媒への溶解性を考慮すると、ハロゲン原子、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましい。
【0022】
得られた混合物をレジスト材料として用いた際の各種物性を考慮すると、上記Rとして最も好ましいものは、炭素数1〜3の無置換のアルキル基である。
【0023】
反応系における一般式(1)で示されるカリックス[4]アレーン誘導体の濃度は特に制限されるものではないが、0.05〜8重量%となるように、後述する有機溶媒や、その他の成分の配合量を調整することが好ましい。より好ましくは、0.1〜3重量%の範囲である。
【0024】
本発明の製造方法においては、上記式(1)で示されるカリックス[4]アレーン誘導体を、塩化水素及びホルムアルデヒドと反応させる。この際の反応条件は、後述する水の使用割合を除き、公知の条件を適宜採用すればよい。
【0025】
塩化水素としては特に制限されることなく、通常工業用として用いられる塩化水素を用いればよく、またガス状のものでも、水溶液(一般には塩酸として知られる)を用いても良い。操作が容易な点で水溶液を用いることが好ましい。なお、塩化水素を水溶液で用いる場合、該水溶液に含まれる水は、後述する水として配合量を計算する。
【0026】
塩化水素の使用量は特に制限されるものではなく、カリックス[4]アレーン誘導体のクロロメチル化に用いる公知の量でよい。具体的には、原料として用いる前記式(1)で示されるカリックス[4]アレーン誘導体1モルに対して4〜100モルが一般的であり、4〜30モル用いることがより好ましい。
【0027】
ホルムアルデヒドも特に制限されることなく、通常、工業的に使用されるものを用いればよく、ガス状のものでも水溶液を用いても良い。ホルムアルデヒドも水溶液で用いる場合には、該水溶液に含まれる水は、後述する水として配合量を計算する。また、パラホルムアルデヒドとして知られるホルムアルデヒドの重合体を用い、反応系内で水と接触させたり加熱して、ホルムアルデヒドを発生させても構わない。
【0028】
ホルムアルデヒドの使用量も特に制限されるものではなく、カリックス[4]アレーン誘導体のクロロメチル化に用いる公知の量でよい。具体的には、原料として用いる前記式(1)で示されるカリックス[4]アレーン誘導体1モルに対して4〜100モルが一般的であり、4〜30モル用いることがより好ましい。
【0029】
また、本発明の製造方法においては、反応溶媒として各種有機溶媒を用いることが好ましい。当該有機溶媒は原料である前記一般式(1)で示されるカリックス[4]アレーン誘導体を溶解するものであれば特に制限はないが、この一般式(1)で示されるカリックス[4]アレーン誘導体の溶解度が高いことから、四塩化炭素、クロロホルム、塩化メチレン等のハロゲン化炭化水素類、ジオキサン等の水溶性エーテル類、酢酸等の有機酸類などが好ましい。特に、塩化水素や後述する水等も均一に溶解できる点で、水溶性エーテル類又は有機酸類がより好ましい。これら有機溶媒は複数のものを混合して用いても良い。
【0030】
本発明の製造方法においては、クロロメチル化をより迅速に進行させるため、塩化水素以外の酸化合物を触媒として反応系中に存在させることも好適である。当該触媒としては、ルイス酸でもプロトン酸でも良く、具体的には、塩化亜鉛、塩化アルミニウム、塩化スズ、硫酸、リン酸などが例示される。カリックスアレーン類と相互作用を起こさず、反応進行が円滑な硫酸、リン酸がより好ましい。これら触媒は、複数のものを併用してもなんら構わない。
【0031】
本発明の製造方法においては、反応系における水の濃度を10〜30重量%とする点に最大の特徴を有す。水の濃度が10重量%未満では、一般式(1)で示されるカリックス[4]アレーン誘導体の4つのフェニル基がすべて迅速にクロロメチル化されてしまい、一般式(3)で示されるカリックス[4]アレーン誘導体を得ることができず、本発明の目的である混合物を得ることが困難である。また、水の量が30重量%より多いと反応の進行速度が極めて遅くなり、目的物をほとんど得ることができない。この範囲内においては、通常は水の量が多いほど、一般式(3)で示されるカリックス[4]アレーン誘導体の生成比率が高くなる。
【0032】
この場合の反応系における水の濃度とは、前記一般式(1)で示されるカリックス[4]アレーン誘導体、塩化水素、ホルムアルデヒド及び、有機溶媒や触媒等の必要に応じて配合される任意成分全てを併せた量を100重量%とした場合の濃度である。
【0033】
この水の濃度範囲は、反応開始時、即ち用いる各種原料や溶媒、触媒を全て混合した時点から、後述する反応停止のために多量の水と混合するまでの間、この範囲であればよく、むろん反応開始前や反応停止後にこの範囲から外れてもなんら問題はない。なお、本発明におけるクロロメチル化反応においては、反応の進行に伴ないクロロメチル基一つに対し、1分子の水が生成する。一般式(1)で示されるカリックス[4]アレーン誘導体を前記した程度の範囲で用いる場合には、生成する水の量は微量であり、通常は反応系の水の濃度は反応初期と反応終期で実質的には変化しないが、このような場合には、反応の進行に伴なって生成する水を含めて、反応停止時まで30重量%を越えないように、反応開始時に加える水の量を調整する。他方、通常の条件下では、反応中に水の濃度が低下することはない。従って、反応開始時に10重量%以上であれば、反応停止の際まで反応系における水の濃度が10重量%を下回ることはない。
【0034】
より効率的に目的の混合物を得るためには、反応系における水の濃度は11〜20重量%であることが好ましい。
【0035】
反応温度は特に制限はないが、適当な反応速度が得られ、操作が簡便なことから20℃〜150℃が好ましく、60〜100℃がより好ましい。他の条件が同じであれば、反応温度が高いほど、前記一般式(2)で示されるカリックス[4]アレーン誘導体の生成割合が多くなる傾向がある。
【0036】
反応時間は、各種反応原料の濃度や反応温度に依存するため一概には決定できないが、一般には0.5〜50時間程度、好ましくは0.5〜10時間程度である。通常、反応時間が長いほど、生成物における、前記一般式(2)で示されるカリックス[4]アレーン誘導体/一般式(3)で示されるカリックス[4]アレーン誘導体の比が大きくなる傾向がある。
【0037】
一般式(2)で示されるカリックス[4]アレーン誘導体/一般式(3)で示されるカリックス[4]アレーン誘導体の比は高速液体クロマトグラフィー等で分析することにより簡単にわかるので、目的とする両者の比にあわせて上記反応温度や反応時間は適宜選択すればよい。
【0038】
各原料の混合方法は特に制限されるものではないが、一般的には、有機溶媒にホルムアルデヒド、塩酸及び触媒を溶解した溶液を調整し、そこへ前記一般式(1)で示されるカリックス[4]アレーン誘導体を溶解し、さらにそこへ必要量の水を加える方法が好適に採用できる。
【0039】
必要な温度、時間条件下にて反応を行い、生成物が目的とする混合物の比率となった後、ついで反応を停止させる。混合物の比率は特に制限されるものではないが、非塩素系の溶媒に対する溶解性を考慮すると、一般式(2)で示されるカリックス[4]アレーン誘導体/一般式(3)で示されるカリックス[4]アレーン誘導体のモル比が、99.5/0.5〜0.5/99.5であることが好ましく、99/1〜1/99であることがより好ましく、95/5〜5/95であることが更に好ましく、90/10〜10/90であることが特に好ましい。
【0040】
反応の停止は反応液を多量の水中に注ぐ、もしくは反応液に多量の水を注ぐことにより、反応液を多量の水と接触させることによりできる。この場合の水の量は特に制限されるものではないが、一般には、反応混合液100重量部に対して、30〜1000重量部である。用いた一般式(1)で示されるカリックス[4]アレーン誘導体の構造や、反応液の濃度により、目的生成物が固体として析出する場合があるが、この場合には析出した固体を濾過により取り出し、この固体を有機溶媒に溶解、水洗し、有機相を分離する。また、固体として析出してこなかった場合には、そのまま有機相を分離するか、別途有機溶媒を加えて有機相を分離する。これら有機相を無水硫酸ナトリウムなどの乾燥剤で乾燥後、濃縮して粗生成物を得る。
【0041】
得られた粗生成物は必要に応じて精製することができ、精製方法には特に制限がないが、カラムクロマトグラフィー、分取HPLC、再結晶法、昇華法、さらにこれらの組み合わせなどによって精製することができる。中でも高純度化が可能なカラムクロマトグラフィー、分取HPLCが好ましい。
【0042】
【実施例】
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に制限されるものではない。
【0043】
実施例1
温度計を取り付けた300ml3つ口丸底フラスコに、1,4−ジオキサン100g、酢酸9g、濃塩酸(35%)18g、85%リン酸8.5g、を混合し、この溶液に25,26,27,28−テトラメトキシカリックス[4]アレーン2.06mmol(1.21g)を加え溶解した。さらにこの溶液に水8.5gを加えた。溶液中の水は16重量%となる。この溶液を攪拌しつつ加熱還流(約100℃)して2時間反応させた。この溶液を氷水に注入し、析出する白色固体を濾過により収集した。この固体をクロロホルム100mlに溶解し、水100mlで2回洗浄した。有機相を分取し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒ヘキサン/酢酸エチル=5/1)により精製し0.85gの生成物を得た。得られた生成物をHPLC、分子量分析(LC−Mass)及び核磁気共鳴スペクトル(H−NMR)により測定したところ、5,11,17,23−テトラクロロメチル−25,26,27,28−テトラメトキシカリックス[4]アレーンと、5,11,17−トリクロロメチル−25,26,27,28−テトラメトキシカリックス[4]アレーンの51:41(HPLC比)の混合物であった。
【0044】
実施例2〜5
反応液に加える水を表1に示す量とした以外は、実施例1と同様な方法で操作を行った。反応初期の反応液中の水の濃度、得られた混合物の比率と、反応収率を表1に示した。
【0045】
実施例6〜10
Rがメチル基である25,26,27,28−テトラメトキシカリックス[4]アレーンに代えて、Rがプロピル基である25,26,27,28−テトラプロポキシカリックス[4]アレーン(2.06mmol)を用い、反応液に加える水を表1に示す量とした以外は、実施例1と同様な方法で操作を行った。反応初期の反応液中の水の濃度、得られた混合物の比率と、反応収率を表1に示した。
【0046】
比較例1
85%リン酸の使用量を17mlとし、水は加えずに実施例1と同様の操作を行った。この場合の反応初期の水の濃度は9重量%である。また反応に伴なって生成する水の量は最大0.15g(0.1重量%相当)である。
【0047】
その結果、得られた生成物は全て5,11,17,23−テトラクロロメチル−25,26,27,28−テトラメトキシカリックス[4]アレーンであり、5,11,17−トリクロロメチル−25,26,27,28−トリメトキシカリックス[4]アレーンの生成は認められなかった。
【0048】
比較例2
Rがメチル基である25,26,27,28−テトラメトキシカリックス[4]アレーンに代えて、Rがプロピル基である25,26,27,28−テトラプロポキシカリックス[4]アレーン(2.06mmol)を用いた以外は比較例1と同様の操作を行った(溶液中の水は9重量%となる)。この場合にも、5,11,17−トリクロロメチル−25,26,27,28−テトラプロポキシカリックス[4]アレーンの生成は認められなかった。
【0049】
【表1】
Figure 2004123586
【0050】
実施例11、比較例3
実施例1〜10および比較例1〜2で得られたクロロメチル化カリックス[4]アレーン誘導体を、表2に示す溶媒に濃度が2重量%となるよう、攪拌しながら溶解させた。その溶解性を表2に示す。
【0051】
参考例1
5,11,17,23,29,35−ヘキサメトキシ−37,38,39,40,41,42−ヘキサアセトキシカリックス[6]アレーンを表2に記載の各種溶媒に溶解させた。その結果、塩素系溶媒であるクロロホルムを除き、他の非塩素系溶媒には溶解しなかった。
【0052】
【表2】
Figure 2004123586
【0053】
実施例12
実施例1〜10で得られた生成物(テトラクロロメチル化カリックス[4]アレーン誘導体とトリクロロメチル化カリックス[4]アレーン誘導体の混合物)をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに2重量%となるように溶解し、スピンコート法によりガラス板上に塗布し、80℃で乾燥してフィルムを形成した。このフィルムを顕微鏡で観察すると、結晶が全く確認されなかった。
【0054】
比較例4
比較例1又は2で得られた生成物(テトラクロロメチル化カリックス[4]アレーン誘導体)を用いて同様のフィルム形成を行ったところ、フィルム上に結晶が観察された。
【0055】
【発明の効果】
本発明により、非塩素系の溶媒に対する溶解性に優れ、膜を形成した際の結晶性を抑えたカリックス[4]アレーン誘導体の混合物を、簡便な方法で一度に得ることができる。
【0056】
【図面の簡単な説明】
【図1】5,11,17,23−テトラクロロメチルカリックス[4]アレーンをクロロメチル化における、反応系における水の濃度と、生成した5,11,17−トリクロロメチル−25,26,27,28−トリメトキシカリックス[4]アレーンの割合を示すグラフ(約100℃で2時間反応)。

Claims (1)

  1. カリックスアレーン誘導体を、塩化水素及びホルムアルデヒドと反応させて、クロロメチル基で置換されたカリックスアレーン誘導体を製造する方法において、原料となるカリックスアレーン誘導体として下記式(1)
    Figure 2004123586
    (式中、Rは置換又は非置換の炭素数1〜10のアルキル基を示す。)
    で示される化合物を用い、反応系における水の濃度を10〜30重量%とすることにより、
    下記式(2)及び(3)
    Figure 2004123586
    (式中、Rは式(1)と同義である。)
    で示されるクロロメチル基で置換されたカリックスアレーン誘導体の混合物を得ることを特徴とする、カリックス[4]アレーン誘導体混合物の製造方法。
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