JP2004123554A - 皮膚バリア機能改善物質、皮膚のしわ改善物質、および該物質を含む皮膚外用剤、化粧料および医薬部外品 - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、皮膚バリア機能改善物質、皮膚のしわ改善物質、および該物質を含有する皮膚外用剤、化粧料および医薬部外品に関する。
【0002】
【従来の技術】
周知のように、皮膚の角質層はセラミドによる皮膚バリア機能、すなわち、生体内からの水分蒸散や、外部環境からのアレルゲンや化学物質、ウィルスや細菌などの侵入を防ぐという重要な機能を有している。
しかし心理的社会的ストレスにより皮膚が本来備えている皮膚バリア機能が低下する場合がある。このことは、敏感肌、乾燥肌や成人女性のニキビなどの肌トラブルの原因につながっている。
また、皮膚バリア機能は老化によっても低下し、その結果例えば、皮膚にしわができる。
【0003】
これまで、敏感肌用の化粧料には安全性を重視したシンプルな処方が求められてきたが、それらは低刺激性が最優先され、低下した皮膚バリア機能を積極的に修復するという効果は期待できなかった。
【0004】
あるいは、皮膚バリア機能の改善には、合成または天然物から抽出されたセラミドそのものを皮膚に塗布することで、角質層中のセラミドの量を増加させる対策が図られてきた。しかし塗布されたセラミドは、角質層中で安定な脂質二重構造を形成できないため、十分な皮膚バリア機能は改善効果を得ることは難しいとされていた。
【0005】
さらには、皮膚バリア機能低下は老化によっても進行するため、皮膚バリア機能の低下を抑え、かつ他の皮膚の老化現象をも改善する作用を有する有効物質の開発も望まれていた。
【0006】
すなわち、皮膚が本来備えている皮膚バリア機能を維持あるいは増強することによって皮膚を健常な状態に維持し、あるいは回復し、さらには抗老化作用を有する有効物質の開発が求められている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明は、低下した皮膚バリア機能を改善する作用および皮膚のしわ改善作用をもつと同時に安全性も高く、使用感にも優れた皮膚バリア機能改善物質、皮膚のしわ改善物質、および該物質を含有する皮膚外用剤、化粧料、医薬部外品を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、このような状況に鑑み、前記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、特定の複素環式化合物が、皮膚バリア機能改善作用および皮膚のしわ改善作用を有するとともに、安全性も高く、製剤とした場合、使用感にも優れることを見出し、本発明を完成させた。
【0009】
即ち本発明の皮膚バリア機能改善物質は、一般式(1)
【0010】
【化3】
【0011】
(式中、XはCHまたは窒素原子を、Yはカルバモイル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、ヒドロキシアルキル基、アミノ基またはアミノアルキル基を、Rはアルキル基を表す。ただし、Yは複素環の2位または4位の炭素原子に結合する置換基である。)で示される化合物および該化合物の核水素化物からなる群より選ばれる少なくとも1種の複素環式化合物である。
【0012】
また、本発明の皮膚のしわ改善物質は、一般式(1)
【0013】
【化4】
【0014】
(式中、XはCHまたは窒素原子を、Yはカルバモイル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、ヒドロキシアルキル基、アミノ基またはアミノアルキル基を、Rはアルキル基を表す。ただし、Yは複素環の2位または4位の炭素原子に結合する置換基である。)で示される化合物および該化合物の核水素化物からなる群より選ばれる少なくとも1種の複素環式化合物である。
【0015】
本発明においては、前記一般式(1)で示される化合物及び該化合物の核水素化物からなる群より選ばれる複素環式化合物は、ピコリン酸アミド、ピコリン酸メチル、ピコリン酸エチル、ピペコリン酸、ピペコリン酸エチル、2−ピリジンメタノール、2−ピリジンエタノール、2−ピペリジンエタノール、6−メチルピコリン酸、2−アミノメチルピリジン、2−アミノメチルピペリジン、ピラジナミドまたはイソニコチン酸アミドであることが好ましい。
【0016】
本発明の皮膚外用剤、化粧料及び医薬部外品は、上記のような皮膚バリア機能改善物質または皮膚のしわ改善物質を含有することを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の皮膚バリア機能改善物質および皮膚のしわ改善物質は、前記一般式(1)で示される化合物およびその核水素化物からなる群より選ばれる少なくとも1種の複素環式化合物からなる。
【0018】
一般式(1)で示される化合物の核水素化物とは、一般式(2)
【0019】
【化5】
【0020】
(式中、X、YおよびRは前記と同じ)で示される化合物である。
【0021】
一般式(1)および(2)中のYで表された基のひとつであるアルコキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基などの炭素数1〜4(好ましい炭素数の範囲を教えてください)のアルコキシカルボニル基が好ましい。ヒドロキシアルキル基としては、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基などの炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基が好ましい。またアミノアルキル基としては、アミノメチル基、アミノエチル基など炭素数1〜4のアミノアルキル基が好ましい。
【0022】
一般式(1)および(2)中のRで表されたアルキル基としては、メチル基、エチル基などの炭素数1〜4のアルキル基が好ましい。
【0023】
一般式(1)で示される化合物及びその核水素化物の好ましい具体例としては、例えば、ピコリン酸アミド、ピコリン酸メチル、ピコリン酸エチル、ピペコリン酸、ピペコリン酸エチル、2−ピリジンメタノール、2−ピリジンエタノール、2−ピペリジンエタノール、6−メチルピコリン酸、2−アミノメチルピリジン、2−アミノメチルピペリジン、ピラジナミド、イソニコチン酸アミドなどを挙げることができる。
【0024】
本発明の皮膚バリア機能改善物質または皮膚のしわ改善物質の皮膚外用剤、化粧料および医薬部外品への配合量は特に限定されるものではないが、乾燥固形物重量で、総重量に対して0.0001〜20.0%が好ましく、更に好ましくは0.0005〜5.0重量%である。
【0025】
前記配合量が0.0001重量%未満では、皮膚バリア機能や皮膚のしわがそれほど十分改善されず、一方該配合量が20.0重量%を超えても、その増量に見合った改善効果は認められない。
【0026】
本発明の皮膚バリア機能改善物質または皮膚のしわ改善物質を配合する皮膚外用剤、化粧料および医薬部外品は、ローション類、乳液類、クリーム類、パック類、軟膏類などの剤型にすることができる。
【0027】
本発明の皮膚バリア機能改善物質または皮膚のしわ改善物質を配合する皮膚外用剤、化粧料および医薬部外品には、色素、防腐剤、界面活性剤、香料、顔料などを適宜配合することできる。
【0028】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳しく説明する。ただし本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0029】
実施例1〜13および比較例1
本実施例は、一般式(1)で示される化合物およびその核水素化物についての皮膚バリア改善試験およびしわ改善試験である。
基剤として50%エタノールを使用し、これに表1に示す化合物を溶解し、試料とした。表1に実施例1〜13および比較例1の試験に使用した試料の詳細を示す。
【0030】
【表1】
【0031】
〔試験方法〕
HR−1マウス雄性、5週齢を6匹/1ケージで、低マグネシウム飼料を投与して約3ヶ月間飼育し、皮膚バリア機能の低下を誘導した。
皮膚バリア機能が低下したHR−1マウスの背部全面に、1日1回21日間連続して実施例1〜13および比較例1の試料をそれぞれ塗布した。
尚、連続塗布期間中も、マウスに低マグネシウム飼料を与え続け、皮膚バリア機能の低下を誘発し続けた。
【0032】
〔皮膚バリア機能の測定〕
実施例1〜13のうち代表して実施例1および比較例1において、試料塗布直前(0日目)、および連続塗布の4日目、8日目、10日目、14日目および18日目の試料塗布直前に、背部皮膚の経皮水分蒸散量をTewa mater TM210(COURAGE+KHAZAKA Electronic GmbH)で測定した。0日目の測定値を100として、4日目、8日目、10日目、14日目および18日目の測定値を0日目の測定値に対する変化率(TEWL変化率)として表した。結果を図1に示す。なお、経皮水分蒸散量の測定値が高いほど、皮膚バリア機能が低下していることを示す。
【0033】
図1から明らかであるように、比較例1の試料である基剤(50%エタノール)のみを塗布したマウス皮膚は、低マグネシウム飼料を与え続けたことによる皮膚バリア機能の低下と、50%エタノールの連続塗布による脱脂作用とから、経皮水分蒸散量が上昇し続けた。
一方、実施例1の試料を塗布し続けた場合は、経皮水分蒸散量が一度減少し(4日目参照)、以降も上昇が抑えられた。
【0034】
また、実施例2〜13の試料について、試料塗布直前(0日目)、および連続塗布の18日目の試料塗布直前の経皮水分蒸散量を測定し、連続塗布0日目の経皮水分蒸散量を100とし、18日目の経皮水分蒸散量の変化率を得た。結果を表2に示す。
【0035】
【表2】
【0036】
表2から、実施例1〜13の試料を皮膚に塗布することで、低下した皮膚バリア機能が改善され、また皮膚バリア機能の低下が抑制されたことがわかった。
【0037】
〔皮膚のしわ改善評価〕
連続塗布の21日目に実施例1および比較例1の試料を塗布したマウスの背部皮膚を写真に撮影した。結果を図2に示す。図2(a)は比較例1の試料を塗布したマウスの背部皮膚の写真であり、図2(b)は実施例1の試料を塗布したマウスの背部皮膚の写真である。
図2から明らかなように、実施例1の試料を塗布されたマウスの背部皮膚は、比較例1の試料を塗布されたマウスの背部皮膚に比べ、明らかにしわの形成が抑えられ、艶があることが認められた。
【0038】
連続塗布21日目の比較例1の試料が塗布されたマウス皮膚を基準として、実施例1〜13のマウスの背部皮膚のしわ改善の状態を±、+、++、+++の4段階で評価した。結果を表3に示す。
【0039】
【表3】
【0040】
表3から明らかなように、実施例2〜13の試料についても、良好なしわ改善効果が確認された。
【0041】
従って、以上の結果から、一般式(1)で示される化合物およびその核水素化物には低下した皮膚バリア機能を改善する作用、さらに皮膚のしわの形成を抑制し、皮膚に艶を与える作用があることが明らかになった。
【0042】
実施例14〜16および比較例2
本実施例は、上記皮膚バリア改善物質、皮膚のしわ改善物質である一般式(1)で示される化合物および該化合物の核水素化物のうち、代表してピコリン酸アミドを化粧料の一例としてのクリームに配合した場合の処方例であり、そのクリームのバリア改善試験およびしわ改善試験を行った。
【0043】
クリームの調製は次のようにして行った。
スクワレン、セチルイソオクタノエートおよびマイクロクリスタリンワックスを加熱溶解後、粘土鉱物およびPOEグリセロールトリイソステアリン酸エステル(界面活性剤)を加え、70℃に調整し、これらを均一に分散・溶解させて油性ゲルを得た。
次に、ピコリン酸アミドを、所定濃度精製水に溶解し、70℃に調整した後、油性ゲルの中へ、十分に攪拌しながらゆっくりと添加した。
ホモミキサーで均一に混合した後、脱気、ろ過し、30℃まで冷却し、クリームを得た。
【0044】
得られた実施例14〜16のクリームの組成および配合比は以下の通りである。
【0045】
【0046】
【0047】
このように調製した実施例14〜16のクリームを用いて、皮膚バリア機能改善試験および皮膚のしわ改善試験を行った。
すなわち、実施例14〜16のクリームを、それぞれ女子被験者(25〜45歳)25人を対象にして、顔に1日2回3ヶ月間連続塗布した。
【0048】
一方、クリーム基剤の組成および配合比は実施例14〜16と同じであって、ピコリン酸アミドが配合されていないクリームを調製した。
得られたクリームについて、比較例2として実施例14と同様の試験を行った。
【0049】
皮膚バリア機能改善試験の評価は、連続塗布前の経皮水分蒸散量を100とし、連続塗布後の経皮水分蒸散量変化率の平均で示した。結果を表4に示す。
【0050】
【表4】
【0051】
表4から明らかなように、実施例14〜16では比較例2と比べて、被験者の経皮水分蒸散量を大きく低下させ、皮膚バリア機能改善効果が高いことが分かった。
【0052】
さらに、前記被験者25人のうち、しわが改善されたと回答した人数を、皮膚のしわ改善試験の結果として表5に示す。
【0053】
【表5】
【0054】
表5から明らかなように、実施例14〜16では、比較例2と比較して、しわが改善されたと回答した人数が2倍もしくはそれ以上あり、皮膚のしわ改善効果が大きいことがわかった。
【0055】
実施例17〜19および比較例3
本実施例は、上記皮膚バリア改善物質、皮膚のしわ改善物質である一般式(1)で示される化合物および該化合物の核水素化物のうち、代表してピコリン酸アミドを化粧料の一例としての化粧水に配合した場合の処方例であり、その化粧水のバリア改善試験およびしわ改善試験を行った。
【0056】
化粧水の調製は次のようにして行った。
界面活性剤であるPOE(20)オレイルアルコールエーテル、増粘剤であるメチルセルロース、クインスシード、エタノールを含有する水溶液を調製し、所定濃度のピコリン酸アミドを添加した。
【0057】
化粧水の組成および配合比は以下の通りである。
【0058】
【0059】
【0060】
このように調製した実施例17〜19の化粧水を用いて、皮膚バリア機能改善試験および皮膚のしわ改善試験を行った。
すなわち、実施例17〜16で調製した化粧水を、それぞれ女子被験者(25〜45歳)25人を対象にして、1日2回3ヶ月間連続塗布した。
【0061】
一方、化粧水基剤の組成および配合比は実施例17〜19と同じであって、成分としてピコリン酸アミドが配合されていない化粧水を調製した。
得られた化粧水について、比較例3として、実施例17と同様の試験を行った。
【0062】
皮膚バリア機能改善試験の評価は、連続塗布前の経皮水分蒸散量を100とし、連続塗布後の経皮水分蒸散量変化率の平均で示した。結果を表6に示す。
【0063】
【表6】
【0064】
表6から明らかなように、実施例17〜19においては、比較例3と比べて、被験者の経皮水分蒸散量を大きく低下させ、皮膚バリア機能改善効果が高いことが分かった。
【0065】
さらに、前記被験者25人のうち、しわが改善されたと回答した人数を、皮膚のしわ改善試験の結果として表7に示す。
【0066】
【表7】
【0067】
表7から明らかなように、実施例17〜19では、比較例3と比較して、しわが改善されたと回答した人数が1.5〜2倍程度多く、皮膚のしわ改善効果が大きいことがわかった。
【0068】
実施例20および21、比較例4および5
本実施例は、ピコリン酸アミドを配合した化粧料(クリームおよび化粧水)の使用感に関する試験である。(官能試験)
実施例20では実施例16で調製したクリームを、実施例21では実施例19で調製した化粧水をそれぞれ、被験者20人が、顔に1日2回1週間連続塗布した。その後アンケートをとり、「肌へのなじみがよい」と回答した人の人数を数えた。結果を表8に示す。
また、比較例4では比較例2で調製したクリームを、比較例5では比較例3で調製した化粧水をそれぞれ使用して、上記と同様の官能試験を行った。結果を表8に示す。
【0069】
【表8】
【0070】
表8に示されるように、実施例20と比較例4とを比較すると、実施例20で「肌になじみがよい」と回答した人の人数は比較例4での人数と比べて約1.2倍であり、実施例21と比較例5を比較すると、実施例21で「肌になじみがよい」と回答した人の人数は比較例5での人数と比べて約1.5倍以上であった。したがって、実施例のクリームおよび化粧水は比較例のものと比較して、使用感に優れていた。
【0071】
実施例22〜47、比較例6および7
本実施例は、一般式(1)で示される化合物およびその核水素化物の安全性に関する試験である。
【0072】
実施例22〜47で使用した、一般式(1)で示される化合物またはその核水素化物を含む水溶液を表9に示す。実施例22〜47の水溶液に関する安全性を、ヒト(健常人)20人による24時間クローズドパッチテストによって評価した。
【0073】
【表9】
【0074】
パッチ絆除去後1時間、24時間の皮膚刺激を判定し、陰性=0、弱陽性=0.5、陽性=1、強陽性=2のスコアとして評価した。平均スコアを表10に示す。
【0075】
また、パッチ絆除去後1時間の平均スコアおよび24時間の平均スコアのうち、反応の強い平均スコアに100をかけた値を刺激指数とし、皮膚刺激のスコアが1以上を示した被験者の全被験者に対する割合を陽性率とした。
比較例6として注射用蒸留水を、比較例7として白色ワセリンを用いて、同様の試験を行った。
結果を表10に示す。
【0076】
【表10】
【0077】
表10から明らかなように、実施例22〜47で使用された化合物には刺激性は認められなかった。
【0078】
【発明の効果】
本発明の皮膚バリア機能改善物質および皮膚のしわ改善物質は、皮膚バリア機能改善作用および皮膚のしわ改善作用をもつと同時に、安全性も高く、製剤として使用した場合使用感にも優れている。
【0079】
したがって、本発明の皮膚バリア機能改善物質あるいは皮膚のしわ改善物質が配合された組成物は、皮膚バリア機能を高め、しわを改善すると共に、安全性および使用感に優れた皮膚化粧料、医薬部外品、あるいは皮膚外用剤として好適に使用されうる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1と比較例1の試料に関する皮膚バリア機能改善試験の結果を示すグラフ。
【図2】実施例1と比較例1の試料に関する皮膚のしわ改善試験の結果を示す写真。
【発明の属する技術分野】
本発明は、皮膚バリア機能改善物質、皮膚のしわ改善物質、および該物質を含有する皮膚外用剤、化粧料および医薬部外品に関する。
【0002】
【従来の技術】
周知のように、皮膚の角質層はセラミドによる皮膚バリア機能、すなわち、生体内からの水分蒸散や、外部環境からのアレルゲンや化学物質、ウィルスや細菌などの侵入を防ぐという重要な機能を有している。
しかし心理的社会的ストレスにより皮膚が本来備えている皮膚バリア機能が低下する場合がある。このことは、敏感肌、乾燥肌や成人女性のニキビなどの肌トラブルの原因につながっている。
また、皮膚バリア機能は老化によっても低下し、その結果例えば、皮膚にしわができる。
【0003】
これまで、敏感肌用の化粧料には安全性を重視したシンプルな処方が求められてきたが、それらは低刺激性が最優先され、低下した皮膚バリア機能を積極的に修復するという効果は期待できなかった。
【0004】
あるいは、皮膚バリア機能の改善には、合成または天然物から抽出されたセラミドそのものを皮膚に塗布することで、角質層中のセラミドの量を増加させる対策が図られてきた。しかし塗布されたセラミドは、角質層中で安定な脂質二重構造を形成できないため、十分な皮膚バリア機能は改善効果を得ることは難しいとされていた。
【0005】
さらには、皮膚バリア機能低下は老化によっても進行するため、皮膚バリア機能の低下を抑え、かつ他の皮膚の老化現象をも改善する作用を有する有効物質の開発も望まれていた。
【0006】
すなわち、皮膚が本来備えている皮膚バリア機能を維持あるいは増強することによって皮膚を健常な状態に維持し、あるいは回復し、さらには抗老化作用を有する有効物質の開発が求められている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明は、低下した皮膚バリア機能を改善する作用および皮膚のしわ改善作用をもつと同時に安全性も高く、使用感にも優れた皮膚バリア機能改善物質、皮膚のしわ改善物質、および該物質を含有する皮膚外用剤、化粧料、医薬部外品を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、このような状況に鑑み、前記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、特定の複素環式化合物が、皮膚バリア機能改善作用および皮膚のしわ改善作用を有するとともに、安全性も高く、製剤とした場合、使用感にも優れることを見出し、本発明を完成させた。
【0009】
即ち本発明の皮膚バリア機能改善物質は、一般式(1)
【0010】
【化3】
【0011】
(式中、XはCHまたは窒素原子を、Yはカルバモイル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、ヒドロキシアルキル基、アミノ基またはアミノアルキル基を、Rはアルキル基を表す。ただし、Yは複素環の2位または4位の炭素原子に結合する置換基である。)で示される化合物および該化合物の核水素化物からなる群より選ばれる少なくとも1種の複素環式化合物である。
【0012】
また、本発明の皮膚のしわ改善物質は、一般式(1)
【0013】
【化4】
【0014】
(式中、XはCHまたは窒素原子を、Yはカルバモイル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、ヒドロキシアルキル基、アミノ基またはアミノアルキル基を、Rはアルキル基を表す。ただし、Yは複素環の2位または4位の炭素原子に結合する置換基である。)で示される化合物および該化合物の核水素化物からなる群より選ばれる少なくとも1種の複素環式化合物である。
【0015】
本発明においては、前記一般式(1)で示される化合物及び該化合物の核水素化物からなる群より選ばれる複素環式化合物は、ピコリン酸アミド、ピコリン酸メチル、ピコリン酸エチル、ピペコリン酸、ピペコリン酸エチル、2−ピリジンメタノール、2−ピリジンエタノール、2−ピペリジンエタノール、6−メチルピコリン酸、2−アミノメチルピリジン、2−アミノメチルピペリジン、ピラジナミドまたはイソニコチン酸アミドであることが好ましい。
【0016】
本発明の皮膚外用剤、化粧料及び医薬部外品は、上記のような皮膚バリア機能改善物質または皮膚のしわ改善物質を含有することを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の皮膚バリア機能改善物質および皮膚のしわ改善物質は、前記一般式(1)で示される化合物およびその核水素化物からなる群より選ばれる少なくとも1種の複素環式化合物からなる。
【0018】
一般式(1)で示される化合物の核水素化物とは、一般式(2)
【0019】
【化5】
【0020】
(式中、X、YおよびRは前記と同じ)で示される化合物である。
【0021】
一般式(1)および(2)中のYで表された基のひとつであるアルコキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基などの炭素数1〜4(好ましい炭素数の範囲を教えてください)のアルコキシカルボニル基が好ましい。ヒドロキシアルキル基としては、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基などの炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基が好ましい。またアミノアルキル基としては、アミノメチル基、アミノエチル基など炭素数1〜4のアミノアルキル基が好ましい。
【0022】
一般式(1)および(2)中のRで表されたアルキル基としては、メチル基、エチル基などの炭素数1〜4のアルキル基が好ましい。
【0023】
一般式(1)で示される化合物及びその核水素化物の好ましい具体例としては、例えば、ピコリン酸アミド、ピコリン酸メチル、ピコリン酸エチル、ピペコリン酸、ピペコリン酸エチル、2−ピリジンメタノール、2−ピリジンエタノール、2−ピペリジンエタノール、6−メチルピコリン酸、2−アミノメチルピリジン、2−アミノメチルピペリジン、ピラジナミド、イソニコチン酸アミドなどを挙げることができる。
【0024】
本発明の皮膚バリア機能改善物質または皮膚のしわ改善物質の皮膚外用剤、化粧料および医薬部外品への配合量は特に限定されるものではないが、乾燥固形物重量で、総重量に対して0.0001〜20.0%が好ましく、更に好ましくは0.0005〜5.0重量%である。
【0025】
前記配合量が0.0001重量%未満では、皮膚バリア機能や皮膚のしわがそれほど十分改善されず、一方該配合量が20.0重量%を超えても、その増量に見合った改善効果は認められない。
【0026】
本発明の皮膚バリア機能改善物質または皮膚のしわ改善物質を配合する皮膚外用剤、化粧料および医薬部外品は、ローション類、乳液類、クリーム類、パック類、軟膏類などの剤型にすることができる。
【0027】
本発明の皮膚バリア機能改善物質または皮膚のしわ改善物質を配合する皮膚外用剤、化粧料および医薬部外品には、色素、防腐剤、界面活性剤、香料、顔料などを適宜配合することできる。
【0028】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳しく説明する。ただし本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0029】
実施例1〜13および比較例1
本実施例は、一般式(1)で示される化合物およびその核水素化物についての皮膚バリア改善試験およびしわ改善試験である。
基剤として50%エタノールを使用し、これに表1に示す化合物を溶解し、試料とした。表1に実施例1〜13および比較例1の試験に使用した試料の詳細を示す。
【0030】
【表1】
【0031】
〔試験方法〕
HR−1マウス雄性、5週齢を6匹/1ケージで、低マグネシウム飼料を投与して約3ヶ月間飼育し、皮膚バリア機能の低下を誘導した。
皮膚バリア機能が低下したHR−1マウスの背部全面に、1日1回21日間連続して実施例1〜13および比較例1の試料をそれぞれ塗布した。
尚、連続塗布期間中も、マウスに低マグネシウム飼料を与え続け、皮膚バリア機能の低下を誘発し続けた。
【0032】
〔皮膚バリア機能の測定〕
実施例1〜13のうち代表して実施例1および比較例1において、試料塗布直前(0日目)、および連続塗布の4日目、8日目、10日目、14日目および18日目の試料塗布直前に、背部皮膚の経皮水分蒸散量をTewa mater TM210(COURAGE+KHAZAKA Electronic GmbH)で測定した。0日目の測定値を100として、4日目、8日目、10日目、14日目および18日目の測定値を0日目の測定値に対する変化率(TEWL変化率)として表した。結果を図1に示す。なお、経皮水分蒸散量の測定値が高いほど、皮膚バリア機能が低下していることを示す。
【0033】
図1から明らかであるように、比較例1の試料である基剤(50%エタノール)のみを塗布したマウス皮膚は、低マグネシウム飼料を与え続けたことによる皮膚バリア機能の低下と、50%エタノールの連続塗布による脱脂作用とから、経皮水分蒸散量が上昇し続けた。
一方、実施例1の試料を塗布し続けた場合は、経皮水分蒸散量が一度減少し(4日目参照)、以降も上昇が抑えられた。
【0034】
また、実施例2〜13の試料について、試料塗布直前(0日目)、および連続塗布の18日目の試料塗布直前の経皮水分蒸散量を測定し、連続塗布0日目の経皮水分蒸散量を100とし、18日目の経皮水分蒸散量の変化率を得た。結果を表2に示す。
【0035】
【表2】
【0036】
表2から、実施例1〜13の試料を皮膚に塗布することで、低下した皮膚バリア機能が改善され、また皮膚バリア機能の低下が抑制されたことがわかった。
【0037】
〔皮膚のしわ改善評価〕
連続塗布の21日目に実施例1および比較例1の試料を塗布したマウスの背部皮膚を写真に撮影した。結果を図2に示す。図2(a)は比較例1の試料を塗布したマウスの背部皮膚の写真であり、図2(b)は実施例1の試料を塗布したマウスの背部皮膚の写真である。
図2から明らかなように、実施例1の試料を塗布されたマウスの背部皮膚は、比較例1の試料を塗布されたマウスの背部皮膚に比べ、明らかにしわの形成が抑えられ、艶があることが認められた。
【0038】
連続塗布21日目の比較例1の試料が塗布されたマウス皮膚を基準として、実施例1〜13のマウスの背部皮膚のしわ改善の状態を±、+、++、+++の4段階で評価した。結果を表3に示す。
【0039】
【表3】
【0040】
表3から明らかなように、実施例2〜13の試料についても、良好なしわ改善効果が確認された。
【0041】
従って、以上の結果から、一般式(1)で示される化合物およびその核水素化物には低下した皮膚バリア機能を改善する作用、さらに皮膚のしわの形成を抑制し、皮膚に艶を与える作用があることが明らかになった。
【0042】
実施例14〜16および比較例2
本実施例は、上記皮膚バリア改善物質、皮膚のしわ改善物質である一般式(1)で示される化合物および該化合物の核水素化物のうち、代表してピコリン酸アミドを化粧料の一例としてのクリームに配合した場合の処方例であり、そのクリームのバリア改善試験およびしわ改善試験を行った。
【0043】
クリームの調製は次のようにして行った。
スクワレン、セチルイソオクタノエートおよびマイクロクリスタリンワックスを加熱溶解後、粘土鉱物およびPOEグリセロールトリイソステアリン酸エステル(界面活性剤)を加え、70℃に調整し、これらを均一に分散・溶解させて油性ゲルを得た。
次に、ピコリン酸アミドを、所定濃度精製水に溶解し、70℃に調整した後、油性ゲルの中へ、十分に攪拌しながらゆっくりと添加した。
ホモミキサーで均一に混合した後、脱気、ろ過し、30℃まで冷却し、クリームを得た。
【0044】
得られた実施例14〜16のクリームの組成および配合比は以下の通りである。
【0045】
【0046】
【0047】
このように調製した実施例14〜16のクリームを用いて、皮膚バリア機能改善試験および皮膚のしわ改善試験を行った。
すなわち、実施例14〜16のクリームを、それぞれ女子被験者(25〜45歳)25人を対象にして、顔に1日2回3ヶ月間連続塗布した。
【0048】
一方、クリーム基剤の組成および配合比は実施例14〜16と同じであって、ピコリン酸アミドが配合されていないクリームを調製した。
得られたクリームについて、比較例2として実施例14と同様の試験を行った。
【0049】
皮膚バリア機能改善試験の評価は、連続塗布前の経皮水分蒸散量を100とし、連続塗布後の経皮水分蒸散量変化率の平均で示した。結果を表4に示す。
【0050】
【表4】
【0051】
表4から明らかなように、実施例14〜16では比較例2と比べて、被験者の経皮水分蒸散量を大きく低下させ、皮膚バリア機能改善効果が高いことが分かった。
【0052】
さらに、前記被験者25人のうち、しわが改善されたと回答した人数を、皮膚のしわ改善試験の結果として表5に示す。
【0053】
【表5】
【0054】
表5から明らかなように、実施例14〜16では、比較例2と比較して、しわが改善されたと回答した人数が2倍もしくはそれ以上あり、皮膚のしわ改善効果が大きいことがわかった。
【0055】
実施例17〜19および比較例3
本実施例は、上記皮膚バリア改善物質、皮膚のしわ改善物質である一般式(1)で示される化合物および該化合物の核水素化物のうち、代表してピコリン酸アミドを化粧料の一例としての化粧水に配合した場合の処方例であり、その化粧水のバリア改善試験およびしわ改善試験を行った。
【0056】
化粧水の調製は次のようにして行った。
界面活性剤であるPOE(20)オレイルアルコールエーテル、増粘剤であるメチルセルロース、クインスシード、エタノールを含有する水溶液を調製し、所定濃度のピコリン酸アミドを添加した。
【0057】
化粧水の組成および配合比は以下の通りである。
【0058】
【0059】
【0060】
このように調製した実施例17〜19の化粧水を用いて、皮膚バリア機能改善試験および皮膚のしわ改善試験を行った。
すなわち、実施例17〜16で調製した化粧水を、それぞれ女子被験者(25〜45歳)25人を対象にして、1日2回3ヶ月間連続塗布した。
【0061】
一方、化粧水基剤の組成および配合比は実施例17〜19と同じであって、成分としてピコリン酸アミドが配合されていない化粧水を調製した。
得られた化粧水について、比較例3として、実施例17と同様の試験を行った。
【0062】
皮膚バリア機能改善試験の評価は、連続塗布前の経皮水分蒸散量を100とし、連続塗布後の経皮水分蒸散量変化率の平均で示した。結果を表6に示す。
【0063】
【表6】
【0064】
表6から明らかなように、実施例17〜19においては、比較例3と比べて、被験者の経皮水分蒸散量を大きく低下させ、皮膚バリア機能改善効果が高いことが分かった。
【0065】
さらに、前記被験者25人のうち、しわが改善されたと回答した人数を、皮膚のしわ改善試験の結果として表7に示す。
【0066】
【表7】
【0067】
表7から明らかなように、実施例17〜19では、比較例3と比較して、しわが改善されたと回答した人数が1.5〜2倍程度多く、皮膚のしわ改善効果が大きいことがわかった。
【0068】
実施例20および21、比較例4および5
本実施例は、ピコリン酸アミドを配合した化粧料(クリームおよび化粧水)の使用感に関する試験である。(官能試験)
実施例20では実施例16で調製したクリームを、実施例21では実施例19で調製した化粧水をそれぞれ、被験者20人が、顔に1日2回1週間連続塗布した。その後アンケートをとり、「肌へのなじみがよい」と回答した人の人数を数えた。結果を表8に示す。
また、比較例4では比較例2で調製したクリームを、比較例5では比較例3で調製した化粧水をそれぞれ使用して、上記と同様の官能試験を行った。結果を表8に示す。
【0069】
【表8】
【0070】
表8に示されるように、実施例20と比較例4とを比較すると、実施例20で「肌になじみがよい」と回答した人の人数は比較例4での人数と比べて約1.2倍であり、実施例21と比較例5を比較すると、実施例21で「肌になじみがよい」と回答した人の人数は比較例5での人数と比べて約1.5倍以上であった。したがって、実施例のクリームおよび化粧水は比較例のものと比較して、使用感に優れていた。
【0071】
実施例22〜47、比較例6および7
本実施例は、一般式(1)で示される化合物およびその核水素化物の安全性に関する試験である。
【0072】
実施例22〜47で使用した、一般式(1)で示される化合物またはその核水素化物を含む水溶液を表9に示す。実施例22〜47の水溶液に関する安全性を、ヒト(健常人)20人による24時間クローズドパッチテストによって評価した。
【0073】
【表9】
【0074】
パッチ絆除去後1時間、24時間の皮膚刺激を判定し、陰性=0、弱陽性=0.5、陽性=1、強陽性=2のスコアとして評価した。平均スコアを表10に示す。
【0075】
また、パッチ絆除去後1時間の平均スコアおよび24時間の平均スコアのうち、反応の強い平均スコアに100をかけた値を刺激指数とし、皮膚刺激のスコアが1以上を示した被験者の全被験者に対する割合を陽性率とした。
比較例6として注射用蒸留水を、比較例7として白色ワセリンを用いて、同様の試験を行った。
結果を表10に示す。
【0076】
【表10】
【0077】
表10から明らかなように、実施例22〜47で使用された化合物には刺激性は認められなかった。
【0078】
【発明の効果】
本発明の皮膚バリア機能改善物質および皮膚のしわ改善物質は、皮膚バリア機能改善作用および皮膚のしわ改善作用をもつと同時に、安全性も高く、製剤として使用した場合使用感にも優れている。
【0079】
したがって、本発明の皮膚バリア機能改善物質あるいは皮膚のしわ改善物質が配合された組成物は、皮膚バリア機能を高め、しわを改善すると共に、安全性および使用感に優れた皮膚化粧料、医薬部外品、あるいは皮膚外用剤として好適に使用されうる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1と比較例1の試料に関する皮膚バリア機能改善試験の結果を示すグラフ。
【図2】実施例1と比較例1の試料に関する皮膚のしわ改善試験の結果を示す写真。
Claims (7)
- 一般式(1)で示される化合物および該化合物の核水素化物からなる群より選ばれる複素環式化合物が、ピコリン酸アミド、ピコリン酸メチル、ピコリン酸エチル、ピペコリン酸、ピペコリン酸エチル、2−ピリジンメタノール、2−ピリジンエタノール、2−ピペリジンエタノール、6−メチルピコリン酸、2−アミノメチルピリジン、2−アミノメチルピペリジン、ピラジナミドまたはイソニコチン酸アミドである請求項1記載の皮膚バリア機能改善物質。
- 一般式(1)で示される化合物および該化合物の核水素化物がからなる群より選ばれる複素環式化合物が、ピコリン酸アミド、ピコリン酸メチル、ピコリン酸エチル、ピペコリン酸、ピペコリン酸エチル、2−ピリジンメタノール、2−ピリジンエタノール、2−ピペリジンエタノール、6−メチルピコリン酸、2−アミノメチルピリジン、2−アミノメチルピペリジン、ピラジナミドまたはイソニコチン酸アミドである請求項3記載の皮膚のしわ改善物質。
- 請求項1もしくは2記載の皮膚バリア機能改善物質、または請求項3もしくは4記載の皮膚のしわ改善物質を含有することを特徴とする皮膚外用剤。
- 請求項1もしくは2記載の皮膚バリア機能改善物質、または請求項3もしくは4記載の皮膚のしわ改善物質を含有することを特徴とする化粧料。
- 請求項1もしくは2記載の皮膚バリア機能改善物質、または請求項3もしくは4記載の皮膚のしわ改善物質を含有することを特徴とする医薬部外品。
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