図1乃至図21を参照して、請求項3及び4記載の発明に係る一実施例について説明する。図1乃至図10において、符号1は画像形成装置としての孔版印刷装置を示す。符号1Fは孔版印刷装置1の本体フレームを示す。符号100は本体フレーム1Fの一側部に着脱自在に配設された給紙装置を示す。
給紙装置100は、積載された最上位の用紙6を給紙位置で1枚ずつ分離して用紙搬送方向Xに給送する単一の給紙手段としての給紙コロ2と、孔版印刷装置1に対して3次元方向に位置決めされた固定フレーム26と、固定フレーム26に対して、用紙搬送方向Xと直交する用紙幅方向Yに移動可能に支持された可動フレーム18と、可動フレーム18の内部に設けられ用紙搬送方向Xと直交する用紙幅方向Yにおける用紙6の両側縁の位置決めをするための、可動フレーム18内で昇降可能であり、かつ、用紙幅方向Yに移動可能である一対のサイドフェンス20a,20b(以下「サイドフェンス対20a,20b」というときがある)と、サイドフェンス対20a,20bを、可動フレーム18の上部定位置Paと可動フレーム18の下部定位置Pbとの間に昇降可能に支持していて、かつ、用紙幅方向Yに移動可能に支持する枠体28と、枠体28を、可動フレーム18の上方に向かう向きに付勢する付勢手段としての一対のばね114,114(引張りコイルばね)と、サイドフェンス対20a,20bの用紙幅方向Yの移動を許す範囲の切欠き部7a,7bが形成された、用紙6を積載し上昇して前記給紙位置に臨む上限位置P1と最も下降した下限位置P3との間で昇降可能であり、かつ、自身の下降動作に選択的に連動して枠体28を下降させる給紙トレイ7と、サイドフェンス対20a,20bの用紙幅方向Yの移動と連動して切欠き部7a,7bを遮蔽する遮蔽手段130と、上限位置P1と下限位置P3との間に給紙トレイ7を移動させるテーブル昇降駆動手段としてのトレイ昇降駆動装置10と、可動フレーム18を、固定フレーム26に対して用紙幅方向Yに移動する移動機構29と、給紙トレイ7が下限位置P3に下降し、枠体28の上部と給紙コロ2との間に、複数枚の用紙6’を収納可能な給紙カセット39を装着するためのカセット装着空間39S(図6及び図9のみに示す)が形成されたときに、このカセット装着空間39S内に着脱自在に配設される給紙カセット39と、給紙カセット39を着脱自在に支持する給紙カセット着脱機構47と、給紙カセット39に収納された用紙6’を給紙位置に臨ませるカセットトレイ昇降駆動装置40とから主に構成される。
給紙装置100は、給紙カセット39未装着時は給紙位置で給紙トレイ7上の用紙6を給紙するトレイ給紙モードと、給紙カセット39装着時は給紙位置で給紙カセット39から用紙6’を給紙するカセット給紙モードとの2つの態様の給紙モードを、後述する電気的制御構成により選択的に切り替えて実行するようになっている。以下に述べるように、給紙トレイ7は、この給紙トレイ7上に3000〜4000枚程度の用紙6を一度に積載可能な構造を有していて、給紙カセット39に収納され得る用紙6’の最大積載量(通常500枚程度)よりも多量の用紙を積載可能な大容量給紙テーブル(LCT)となっている。すなわち、給紙装置100は、LCTを搭載して昇降可能な構造を有する、いわゆる大容量給紙装置となっている。
孔版印刷装置1は、本願出願人により既に提案されている特開平5−229243号公報記載の構成と同様の周知の構成を有している。すなわち、符号55は原稿読取部を、符号54は給紙装置100の上方に設けられていて、ロール状に巻かれた図示しない孔版マスタを製版し、印刷ドラム57へ給版する製版・給版部を、符号53は図示しない製版済みマスタを外周面に巻装して用紙6に印刷を行う印刷ドラム部を、符号58は給紙装置100における給紙トレイ7上に積載された用紙6又は給紙カセット39に収納された用紙6’を選択的に印刷ドラム部53へ送出する給紙部を、符号59は印刷ドラム部53で印刷された印刷済み用紙6aを排紙台59aに排出する排紙部を、符号56は印刷ドラム57を挟んで製版・給版部54に対向して設けられていて、印刷ドラム57の外周面から剥ぎ取られた使用済みの孔版マスタを排版箱(共に図示せず)に排出する排版部をそれぞれ示す。なお、印刷ドラム部53は、画像形成装置の画像形成部に相当する。
以下、図1乃至図15を参照して、給紙コロ2、固定フレーム26、可動フレーム18、移動機構29、サイドフェンス対20a,20b、枠体28、ばね114、給紙トレイ7、トレイ昇降駆動装置10、給紙カセット39、給紙カセット着脱機構47及びカセットトレイ昇降駆動装置40について順次説明する。なお、図3及び図4において、図の簡明化を図るため、サイドフェンス対20a,20bの図示を省略している。
給紙コロ2は、給紙部58の給紙口58Aにおける、本体フレーム1F側の給紙側板に回転自在に支持された分離コロ52の回転駆動軸にアーム(共に図示せず)を介して前記アームの自由端部に揺動自在かつ回転自在に設けられている。給紙コロ2は、例えば、実公平5−18342号公報記載の給紙ローラ5と同様の構成を有する。符号51a,51bは分離コロ対を、符号52a,52bはレジストローラ対をそれぞれ示す。
図1及び図2において、本体フレーム1Fの下方には、画像形成装置としての孔版印刷装置1本体を載置する載置台としての本体テーブル1Tが設けられていて、本体フレーム1Fは、本体フレーム固定部1aを含む載置台位置決め機構(後述する)を介して本体テーブル1Tに位置決め固定されている。前記載置台位置決め機構は、後述するような位置決め機構によって、孔版印刷装置1本体と本体テーブル1Tとの3次元方向、すなわち用紙搬送方向X、用紙幅方向Y及び昇降方向Zの相対位置を位置決めする機能と手段とを有する。
一方、本体テーブル1Tの図において右側下部には、給紙装置100の下部に設けられた固定フレーム26が、固定フレーム取付部27を含む固定フレーム位置決め機構(後述する)を介して位置決めされ取り付けられている。固定フレーム26上には、用紙搬送方向Xの左右に配置された左右一対の固定側板26a,26b(以下「固定側板対26a,26b」というときがある)が固着されている。前記固定フレーム位置決め機構は、本体テーブル1Tに対して固定フレーム26を前記3次元方向に位置決めする機能と手段とを有する。
可動フレーム18は、固定フレーム26の上方において、後述する軸部材を介して用紙幅方向Yに移動可能に支持されている。可動フレーム18は、略匡体状をなし、用紙搬送方向Xの左右に設けられた一対の側板18a,18b(以下「側板対18a,18b」というときがある)と、用紙搬送方向Xの前後に設けられた側板18c,18d(以下「側板対18c,18d」というときがある)と、各側板18a,18b間において用紙搬送方向Xにスライド自在に設けられた側板上18gと、側板対18a,18b及び側板対18c,18dの下部に固設された側板底18eとからなる。なお、側板上18gは、給紙装置100の動作時には図1,2及び3等に図示された右方位置にあって、給紙装置100の上方部を閉鎖することにより騒音の漏れ防止を図ると共に、装置の使用者の安全を確保するものである。一方、給紙装置100の給紙トレイ7に用紙6を補給したり、ジャム処理をするときには、側板上18gは図1,2及び3等において左方へスライドされ、この側板上18gのスライド移動と後述するカバー19の開放とにより、給紙装置100の上方部がより広く開放される。
移動機構29は、後述するとおり、左右移動モータ32、減速歯車30c,33、可動フレーム駆動軸30、可動フレームガイド軸31及びガイドホルダ115から主に構成されている。
固定側板対26a,26b及び側板対18a,18bには、図2及び図11に詳しく示すように、用紙幅方向Yに対して互いに平行に配置された可動フレーム駆動軸30及び可動フレームガイド軸31がそれぞれ貫通して設けられている。可動フレーム駆動軸30は、側板対18a,18bの両下部に軸受30aを介して回転可能に支持されている。可動フレーム駆動軸30の軸受30a支持部の両端には止め輪30bがそれぞれ装着されていて、止め輪30bにより可動フレーム駆動軸30が側板対18a,18bから用紙幅方向Yに移動しないようになっている。可動フレーム駆動軸30の略中央部には、図11に示すようなおねじ30dが形成されており、一方、固定フレーム26の略中央部にはおねじ30dと噛み合うめねじが形成されたガイドホルダ115が固設されている。可動フレーム18における可動フレーム駆動軸30の一端近傍には、左右移動モータ32が固設されている。左右移動モータ32は、減速歯車33,30cからなる減速機構を介して可動フレーム駆動軸30の一端に連結されていて、可動フレーム駆動軸30を回転駆動させるようになっている。
なお、左右移動モータ32の回転方向は、前述のおねじ30dのねじ山の巻き方向を変えることによって、可動フレーム18の移動方向は左右どちらにも設定することが可能である。
符号36は、給紙装置100を、本体テーブル1Tに位置決めするための位置決め軸を示す。位置決め軸36の両端部は、固定フレーム26の固定側板26a,26bに固設されている。位置決め軸36の両端は、可動フレーム18の側板対18a,18bを緩く嵌入する嵌入孔(図示せず)を介して貫通し、側板対18a,18bの外側に延在している。このような構成により、可動フレーム18が用紙幅方向Yに移動する際には、位置決め軸36の両端部が固定フレーム26に固定されているので、可動フレーム18は位置決め軸36に対して相対的に用紙幅方向Yに移動することができる。
給紙トレイ7は、図5に詳しく示すように、平面視略H字状をなし、可動フレーム18の内側に配設されている。給紙トレイ7における用紙幅方向Yの略中央部には、トレイ切欠き部7a,7bが形成されている。給紙トレイ7における切欠き部7a,7bの各側壁には、用紙搬送方向Xに長く形成された開口部7eがそれぞれ形成されていて、開口部7eの下部には正面視段状をなす下端面7gが形成されている。給紙トレイ7の後部の左右壁下部及び給紙トレイ7における各トレイ切欠き部7a,7bの左右壁下部には、用紙幅方向Yに互いに平行に、かつ、用紙幅方向Yに長く形成された前後一対のトレイ駆動軸8a,8bが固設されている。
サイドフェンス対20a,20bは、各トレイ切欠き部7a,7b内において、用紙幅方向Yに移動可能に、かつ、用紙搬送方向X及び用紙幅方向Yに対してそれぞれ直交する方向である昇降方向Zに移動可能に設けられている。
サイドフェンス対20a,20bの前部には、昇降方向Zに互いに平行に、かつ、昇降方向Zに長く形成されたサイドフェンスガイド溝25,25が形成されていて、これらのサイドフェンスガイド溝25,25を後述するガイドスリーブ8gを介してトレイ駆動軸8bが貫通している。ガイドスリーブ8gは、サイドフェンスガイド溝25幅よりもその外径が大きく形成され昇降方向Zにトレイ駆動軸8bを案内する鍔状部と、各サイドフェンスガイド溝25,25及びトレイ駆動軸8bの間にそれぞれ緩く嵌入されトレイ駆動軸8bの用紙幅方向Yにスライド自在に設けられたスリーブ部とからなる。一方、サイドフェンス対20a,20bの後部には、サイドフェンス移動軸上21及びサイドフェンス移動軸下22を緩く嵌入する貫通孔20hがそれぞれ形成されていて、サイドフェンス対20a,20bが用紙幅方向Yにスライド可能に案内されるようになっている。このように、給紙トレイ7に形成された各トレイ切欠き部7a,7bにより、サイドフェンス対20a,20bの移動が妨げられないようになっており、サイドフェンス対20a,20bは、トレイ駆動軸8b、サイドフェンス移動軸上21及びサイドフェンス移動軸下22に対してスライドすることで、使用する用紙サイズに合せて用紙幅方向Yにおける用紙6の両側縁の位置決めを行うことができる。
サイドフェンス対20a,20bの貫通孔20h部の各内側には、サイドフェンス移動軸上21を緩く嵌入したガイドスリーブ20i,20jがそれぞれ固設されている。ガイドスリーブ20i,20jは、ガイドスリーブ20i,20jに形成された図示しない貫通孔を介してサイドフェンス移動軸上21上に移動自在となっている。ガイドスリーブ20i,20jには、サイドフェンス移動軸上21の軸線方向と略直角方向にめねじが形成されており、このめねじに止めねじ20kが螺合されている。したがって、前述したように、サイドフェンス対20a,20bを用紙幅方向Yに移動させて、用紙幅方向Yおける用紙6の位置決めを行った後、止めねじ20kを捩じ込むことにより、ガイドスリーブ20i,20jがサイドフェンス移動軸上21の位置決めされた位置に固定される。
可動フレーム18の側板対18a,18bには、図4及び図10に詳しく示すように、各トレイ駆動軸8a,8bを昇降方向Zに案内するための、サイドフェンスガイド溝25よりも昇降方向Zに長く形成された駆動軸ガイド溝9a,9bが互いに平行に形成されている。側板対18a,18bにおける駆動軸ガイド溝9aと駆動軸ガイド溝9bとの間には、サイドフェンス移動軸上21、サイドフェンス移動軸下22を昇降方向Zに案内するための、サイドフェンスガイド溝25よりも昇降方向Zに短く形成された移動軸ガイド溝上23及び移動軸ガイド溝下24がそれぞれ形成されている。
枠体28は、前記したサイドフェンス移動軸上21、サイドフェンス移動軸下22及び後述する一対の連結部材111a、111bから構成される。
サイドフェンス移動軸上21及びサイドフェンス移動軸下22は、サイドフェンス対20a,20bを用紙幅方向Yに移動可能に支持する移動支持部材としての機能を有する。
図4、図10、図11及び図12において、両移動軸ガイド溝上23を貫通したサイドフェンス移動軸上21の各端部は、各側板対18a,18bの外壁に沿って昇降方向Zに移動可能に設けられた左右一対の連結部材111a、111b(以下、「連結部材対111a、111b」というときがある)の各上端に固設されている。同様に、両移動軸ガイド溝下24を貫通したサイドフェンス移動軸下22の各端部は、連結部材対111a、111bの各下端に固設されている。このように、枠体28は、前記した4つの構成部材、すなわちサイドフェンス移動軸上21、サイドフェンス移動軸下22及び連結部材対111a、111bにより1つの小さな枠を構成している。
一対のばね114,114は、移動軸ガイド溝上23よりも上部の各側板18a,18bに植設されたピン113と、連結部材対111a、111bの略中央部に形成された凸部111cに植設されたピン112との間にそれぞれ掛け渡されている。このように、枠体28は、移動軸ガイド溝上23及び移動軸ガイド溝下24の開口の範囲内で昇降可能となっており、前記一対のばね114,114により、可動フレーム18の上方に向かう向きに付勢されている。それ故に、サイドフェンス対20a,20bは、可動フレーム18に対して、枠体28ごと常に上方に付勢されている。したがって、給紙トレイ7が上昇するにつれて、枠体28の一部を成すサイドフェンス移動軸下22の上部は給紙トレイ7の下面に接しつつ、枠体28は上昇し、サイドフェンス移動軸上21、サイドフェンス移動軸下22の上昇は、移動軸上21及び移動軸下22が移動軸ガイド溝上23及び移動軸ガイド溝下24の各上端にそれぞれ接した時点で止まり、給紙トレイ7及びサイドフェンス対20a,20bは、図1及び図2に実線で示す位置まで上昇して停止することとなる。そして、給紙トレイ7上の用紙6の残量が少なくなって、給紙トレイ7がさらに上昇される場合、サイドフェンスガイド溝25の中をトレイ駆動軸8bがスライドすることにより、給紙トレイ7は、サイドフェンス対20a,20bに対して相対的に上昇することとなり、給紙トレイ7に積載された用紙6の最後の1枚までも給紙コロ2に当接させて確実に給紙することができる。
上記のとおり、側板対18a,18bの上部定位置Paと下部定位置Pbとの間にサイドフェンス対20a,20bを昇降するフェンス昇降機構は、前記一対のばね114,114と、枠体28の一部を成していて、給紙トレイ7の下降動作に選択的に連動して給紙トレイ7の下面と係合しサイドフェンス対20a,20bを下降させるフェンス移動部材としてのサイドフェンス移動軸下22とから構成されている。
このように、サイドフェンス対20a,20bは、枠体28ごと、給紙トレイ7の上昇につれて、上部定位置Paと下部定位置Pbとの間の一定の範囲で上昇するので、サイドフェンス対20a,20bを専用に上昇するための特別な駆動機構は不要である。そして、サイドフェンス対20a,20bを含めた枠体28の部分は、構成が簡単で、かつ、小型軽量のため、ばね114の付勢力をそれ程大きくする必要がなく、また枠体28が給紙トレイ7の下降動作に連動して下降するとき、後述するトレイ昇降モータ11に対する負荷も小さくて済むのでトレイ昇降モータ11の小型化が可能となっている。さらに、給紙カセット39使用時に、給紙トレイ7が図6に示す下限位置P3まで下降するとき、枠体28自体も給紙トレイ7に連動して押し下げられ、枠体28の上部と給紙コロ2との間に、給紙カセット39を装着するためのカセット装着空間39S(図6及び図9のみに示す)が形成されるが、この場合にも枠体28を専用に下降駆動するための特別な駆動機構は不要である。
ここで、図5及び図18〜図21を参照して、遮蔽手段130の構成及び動作を説明する。なお、図の簡明化を図るため、図5においては遮蔽手段130の図示を省略している。
遮蔽手段130は、図18〜図21に示すように、左右一対の遮蔽板左131,遮蔽板右132及び左右一対のガイド部材133,133で主に構成される。なお、説明の簡明化を図るため、前記各部材の配置は、用紙搬送方向に延びる給紙トレイの中心線に対して左右対称の構成を有するので、左側について主に説明し、右側についてはその符号に括弧を付して各図に記載するに止める。
図5に及び図18に示すように、給紙トレイ7の左側の切欠き部7aの空間には遮蔽板左131及びガイド部材133が、給紙トレイ7の右側の切欠き部7bの空間には遮蔽板右132及びガイド部材133が、それぞれ組となって用紙サイズに応じて各空間を選択的に覆うように配設されている。
図21に示すように、遮蔽板左131の基端部にはU字状の切欠きが形成されていて、該基端部は、2枚の止め輪8h、8iに挾まれてサイドフェンス20aの基端部が取り付けられている近傍から共に移動して抜けないようにガイドスリーブ8gの外径部に勘合されている。遮蔽板左131は、図19及び図20に詳しく示すように、該基端部から垂直に立ち上がって曲げ部131aを形成し、給紙トレイ7の裏面に略当接するように直角に折り曲げられて上面131bを形成し、この上面131bが給紙トレイ7の中央部側に向かって延び、その先端部が段状に下方に折り曲げ形成されている。遮蔽板左131の先端部の裏面には、段付きの小径部を有するガイドピン134が用紙搬送方向Xの前後端部に2個植設されている。
一方、ガイド部材133は、その一端部上面が遮蔽板左131の先端部よりもさらに給紙トレイ7の中央部側に向かって延びて給紙トレイ7の用紙積載面の裏面に当接し、他端部が直角に下側に折り曲げられ遮蔽板左131の先端部の裏面に当接するように延びて形成されている。ガイド部材133における用紙搬送方向Xの前後端部の他端側には、2個の長溝133aが用紙幅方向Yに長く形成されていて、ガイドピン134の小径部が各長溝133a内に嵌入するように、遮蔽板左131及びガイド部材133は組立られている。したがって、ガイド部材133は、その一端部が給紙トレイ7の用紙積載面の裏面に当接し、他端部がガイドピン134を介して遮蔽板左131の先端部に連結され、かつ、その下面133eが給紙トレイ7の下端面7gに当接しつつ、各長溝133a内で用紙幅方向Yに摺動自在となっている。
遮蔽板左131の上面13bは、給紙トレイ7の用紙積載面の裏面と同一面か、少し下側に位置している。したがって、給紙トレイ7の用紙積載面と遮蔽板左131の上面131bとの間には、略板厚分の段差が生じるが、図5及び図21に示すように、切欠き部7a,7bの用紙搬送方向X側の稜線部7c,7dは、少なくとも給紙トレイ7の板厚分のR形状となっているので、給紙トレイ7上に用紙束をセットする際であっても、用紙束の下側コーナ部の用紙6が前記R形状にガイドされ引っ掛かることなく確実に用紙積載面上に移動するため、図22で説明した従来例のように用紙束の下側コーナ部の用紙6が折れることを防止することができる。
図20に示すように、サイドフェンス対20a,20bを小サイズの用紙に合わせて用紙幅方向Yの内側に互いに移動させると、遮蔽板左131は、ガイドピン134が長溝133a内をスライドすることによりガイド部材133に対して相対的にスライドし、図19及び図20のような場合、遮蔽板左131の曲げ部131aの内側にガイド部材133の他端面133bが当接した後は、遮蔽板左131とガイド部材133とが一体的にサイドフェンス対20a,20bと共に用紙幅方向Yの内側に移動する。
このように、遮蔽板左131及び遮蔽板右132をサイドフェンス対20a,20bの近傍に常に位置させて、遮蔽手段130を構成することにより、遮蔽板左131の上面131b及び遮蔽板右132の上面132bに加わる荷重は、常に、トレイ駆動軸8b両端部のガイドスリーブ8gの外周面、給紙トレイ7の給紙トレイ7の開口部7eの下端面7g、両ガイドピン134の係合部、両ガイド部材133の一端部上面133cで受けられるので、用紙セット時に不意に荷重が加わったり、積載用紙量が多くなって用紙の自重が重くなっても、遮蔽板左131の上面131b及び遮蔽板右132の上面132bが沈み込むことがなく、用紙セットが安定して行える。また、遮蔽板左131、遮蔽板右132と各ガイド部材133とが互いにスライド可能な構造であるため、図20のように小サイズの用紙のセット時においても、遮蔽板左131、遮蔽板右132同士やガイド部材133同士が干渉せずに小サイズの用紙に対応することができる利点がある。また、この例によれば、遮蔽板左131、遮蔽板右132は、各サイドフェンス20a,20bの内側から用紙幅方向Yで最小用紙幅の半分以下の長さに設定することで、用紙6の折れに対して最も影響のある各サイドフェンス20a,20bの内側近傍付近においての、切欠き部7a,7bの下側への用紙6の潜り込み防止効果を確保すると共に、各サイドフェンス20a,20bの間隔を最も狭めたときでも遮蔽板左131、遮蔽板右132が干渉しないので、広い範囲の用紙サイズの用紙の使用に対応することができる利点がある。
なお、ガイド部材133を前記の構成から除去して、各サイドフェンス20a,20bに各遮蔽板左131、遮蔽板右132を直接固定して取り付けたような場合には、大きな荷重が遮蔽板左131の上面131b及び遮蔽板右132の上面132bに加わると、上面131b及び上面132bの各内側部が下側に沈みこんで、上面131b及び上面132bと給紙トレイ7の用紙積載面との段差が大きくなり、用紙束の下側コーナ部の用紙6が折れやすくなる。なお、ガイド部材133を用いなくても、切欠き部7a,7b及びこれらに対向する対向面7h,7i(図18に示す)を、最小用紙対応時に、各遮蔽板左131、遮蔽板右132が入り込む位置付近までに用紙幅中心部に向けて延ばして設け、その延ばした各対向面7h,7iに各遮蔽板左131、遮蔽板右132をガイドする溝を設けると共に、各遮蔽板左131、遮蔽板右132に前記溝に入る突起を設けるようにしてもよい。
図9に示すように、各側板18a,18bの後部の外側下部には、これら各側板18a,18bの後部の外側下部を覆うカバー下143,144がそれぞれ取り付けられている。各カバー下143,144の上方には、各側板18a,18bの後部の外側上部を覆う段付き匡体状のカバー上141,142がそれぞれ取り付けられている。
図9に示すように、側板18dの上方であって、カバー上141及びカバー上142の前記段付き部上方におけるカセット装着空間39Sに開口する開口部には、この開口部を開閉自在に覆うカバー19が設けられている。カバー19は、給紙カセット39の着脱をしたり、給紙トレイ7及び給紙カセット39に用紙6,6’を補給したり、あるいは給紙時のジャム処理をしたりする時等に開閉されるものであって、カバー19と側板18bに付設された支持板とに形成された支軸受に介装された支軸(共に図示せず)を介して、図9に示す太矢印右方向に約100°回動可能に設けられている。
トレイ昇降駆動装置10は、図4に詳しく示すように、駆動軸ガイド溝9aの下部近傍の側板18aに一体的に形成されたモータ取付部材18fに固設されたトレイ昇降モータ11と、トレイ昇降モータ11の出力軸端に固設されたウォーム12と、側板対18a,18bを貫通し側板対18a,18bに回動自在に支持された駆動プーリ軸15sの両端に固設された駆動プーリ15と、駆動プーリ15に固設された駆動プーリギヤ14と、側板18aにおけるウォーム12と駆動プーリギヤ14との間に設けられ駆動プーリギヤ14に噛合するアイドラギヤ13bと、アイドラギヤ13bと同軸上に一体的に固設されアイドラギヤ13bと一体的に回転し、ウォーム12と噛合するウォームホイル13aと、側板対18a,18bの所定位置にそれぞれ回動自在に配置された中間プーリ16a〜16eと、駆動プーリ15及び中間プーリ16a〜16eに巻き掛けされた駆動ベルト17と、駆動ベルト17の所定位置に固設され各トレイ駆動軸8a,8bの各両端を取り付け固定するベルトステー17a,17bとから主に構成される。トレイ昇降モータ11、ウォーム12、駆動プーリギヤ14、アイドラギヤ13b及びウォームホイル13aを除くトレイ昇降駆動装置10の構成要素は、図4では省略しているが、前記と同様の構成のものが側板18b側にも設けられている。
トレイ昇降モータ11は、時計回り方向及び反時計回り方向に回転駆動可能なDCモータからなる。駆動ベルト17は歯付きのタイミングベルトであり、駆動プーリ15及び中間プーリ16a〜16eも歯付きの周知の構造を有する。トレイ昇降モータ11は、図16に示すトレイ昇降モータ駆動回路71を介して後述する制御手段60に電気的に接続されていて、この制御手段60により以下の動作のとおり制御される。
前述の構成により、例えばトレイ昇降モータ11が時計回り方向に正転駆動されると、ウォーム12、ウォームホイル13a、アイドラギヤ13b及び駆動プーリギヤ14を介して駆動プーリ15は時計回り方向に回転するようにウォーム12及びウォームホイル13aの歯形のねじれ方向を設定すれば、トレイ昇降モータ11の時計回り方向の回転で駆動ベルト17に固設されたトレイ駆動軸8a,8bの両端が、すなわち給紙トレイ7が等速度で上昇される。これと反対に、トレイ昇降モータ11が反時計回り方向に逆転駆動されると、給紙トレイ7が等速度で下降される。このようにして、給紙トレイ7は、用紙搬送方向Xに対して平行に略水平状態を保持しつつ昇降方向Zに昇降される。そして、ウォーム12とウォームホイル13aとの噛合は、給紙トレイ7の重量で、駆動プーリギヤ14及びアイドラギア13bが回転しようとしてもこれを防止しているので、トレイ昇降モータ11の回転を停止すれば給紙トレイ7をその位置で停止させ、給紙トレイ7をその位置で保持することができる。
図6〜図9及び図12〜図15を参照して、給紙カセット39に係る構成及び給紙装置100に給紙カセット39を装着したときの動作を説明する。
給紙カセット39は、上蓋の無い略匡体状の用紙収納ケース39bと、用紙収納ケース39bの底壁部の略前半部に配設された揺動可能な用紙積載部材としての用紙積載板41と、用紙積載板41下方の用紙収納ケース39bの底壁部に回動自在に支持されたアーム軸43と、アーム軸43の一端に一体的に取り付けられた、後述する駆動力伝達部材と選択的に係合して用紙積載板41を昇降させる被駆動力伝達部材としてのアーム軸ギヤ44と、アーム軸43に固設された積載板昇降アーム42とから主に構成されている。
符号39aは、積載板昇降アーム42を非給紙時に収納するための、用紙収納ケース39bの底壁部に形成されたアーム収納凹部である。用紙収納ケース39bはアクリロニトリルブタジエンスチレン共重合物(ABS)等の合成樹脂で、用紙積載板41及び積載板昇降アーム42は鋼板でそれぞれできている。給紙カセット39の両外側壁には、カセットガイド48a,48bと係合して給紙カセット39を用紙搬送方向X及びこれと反対の方向へ摺動案内するガイド溝49が形成されている。ガイド溝49は、図13に示すように、用紙収納ケース39bの側壁に形成されたリブ49aによって構成されたものであってもよい。このようなリブ49aは、カセットガイド48a,48bが挿入されるガイド溝49の挿入口側が、上下に円弧状の傾斜を有し、その挿入口が広がっているガイド挿入口部49bを形成していて、カセットガイド48a,48bが挿入しやすいようになっている。
給紙カセット39内には、左右一対のサイドフェンス121Ka,121Kbが設けられていて、用紙収納ケース39bの底壁部に用紙幅方向Yに長く形成されたガイド溝123Kに沿って用紙幅方向Yに移動可能になっている。これらのサイドフェンス121Ka,121Kbは、図示しない位置固定機構によってガイド溝123K範囲内の任意の位置で固定することができるようになっていて、用紙幅方向Yにおける用紙6’の両側縁の位置決めがなされる。符号122Kは、用紙エンドプレートであり、使用する用紙6’によって、用紙収納ケース39bの底壁部の用紙搬送方向Xに所定間隔を置いて形成された差し込み孔124Kに差し込んで用いるものであって、用紙搬送方向Xの後端側のストッパの役割を果たしている。符号125Kは、カセットサイズ検知センサ用アクチュエータであり、図13に不図示の側板18b側に配置された図示しないカセットサイズ検知センサ(発光受光型の透過型光センサ)を遮蔽し、給紙カセット39に載置されている用紙サイズが検出することができるようになっている。カセットサイズ検知センサ用アクチュエータは、ユーザが、使用する用紙サイズに合わせて、ねじ等による締結又は弾性を利用して用紙収納ケース39bに固定することができるようになっている。
用紙積載板41は、図8に示すように、その基端部が用紙収納ケース39bの底壁部に回動自在に支持された揺動軸41sに取り付けられていて、自由端部が揺動軸41sを中心として昇降方向Zに揺動する。すなわち、用紙積載板41は、給紙カセット39に収納された用紙6’を積載し前記給紙位置に臨む上限位置P1と上限位置P1から最も下降したカセット下限位置Pcとの間で昇降可能となっている。用紙収納ケース39bの昇降方向Zの高さは50〜80mm程度に設定されている。積載板昇降アーム42の断面は、略く字状をなし、この積載板昇降アーム42の屈曲部は用紙積載板41の自由端部と係合する。給紙カセット39は、いわゆる割込み式のカセットであって、用紙サイズを途中で替えたいとき及び/又は色付きの用紙に替えたいときなどに使用されるものであり、通常500枚程度の用紙6’を積載収納することができる。
なお、アーム収納凹部39aは、これに限らず、前記凹部の部分が切り欠かれた形状であってもよい。
給紙カセット着脱機構47は、可動フレーム18における側板18a,18bの上部内壁に固着された左右一対のカセットガイド48a,48bと、給紙カセット39のガイド溝49とから構成される。給紙カセット着脱機構47は、給紙カセット39装着時において、給紙カセット39の案内を行うと共に、給紙コロ2等と接触しないように位置決めを行う。カセットガイド48a,48bは、給紙カセット39を着脱自在に支持するカセット支持手段の機能を有する。給紙カセット39が、ガイド溝49を介してカセットガイド48a,48bに完全に挿入された位置において、図14に示すように、側板対18a,18bの内側に設けられた駆動軸ガイド48c,48dに、給紙カセット39のアーム軸43(図中仮想線で示す)の両先端部が係合するようになっている。同図では、側板18bに固設された駆動軸ガイド48cのみを示すが、側板18aにはこれと対称的に反対側の駆動軸ガイド48dが固設されている。アーム軸43の両先端部は、給紙カセット39への挿入・装着の際、駆動軸ガイド48c,48dに形成された傾斜部48eにガイドされ、駆動軸ガイド48c,48dのR形状部に挿入される。これによって、アーム軸43の、給紙カセット39挿入・装着時の位置決めが確実に行われ、後述する昇降アーム駆動ギヤ45とアーム軸43の軸端に固設されたアーム軸ギヤ44との噛合位置関係を精度良く確保することができると共に、アーム軸43が回動されるときの用紙6’の重量による反力を受けることができ、その駆動時の噛合位置関係の保持も可能となる。
カセットトレイ昇降駆動装置40は、側板18aの上部内壁に固設された駆動手段としてのカセットトレイ昇降モータ46と、カセットトレイ昇降モータ46の出力軸端に固設され給紙カセット39の着脱時にアーム軸ギヤ44と 選択的に噛合する駆動力伝達部材としての昇降アーム駆動ギヤ45と、給紙カセット39側に配設された、アーム軸ギヤ44と、アーム軸ギヤ44に内蔵されたワンウェイクラッチ44aと、アーム軸43と、積載板昇降アーム42と、用紙積載板41とから構成される。カセットトレイ昇降駆動装置40は、用紙積載板41を、上限位置P1とカセット下限位置Pcとに選択的に昇降させる用紙積載部材駆動手段の機能を有する。すなわち、用紙積載部材駆動手段は、匡体に配置された駆動手段と、匡体の内面で、かつ、給紙トレイ上に最大積載された用紙との干渉を避ける位置に配置された、駆動手段の駆動力を用紙積載部材に伝達する駆動力伝達部材とから構成されているといえる。
カセットトレイ昇降モータ46は、時計回り方向及び反時計回り方向に回転駆動可能なDCモータからなる。カセットトレイ昇降モータ46は、図16のみに示すカセットトレイ昇降モータ駆動回路72を介して制御手段60に電気的に接続されていて、この制御手段60により後述する動作のとおり制御される。
昇降アーム駆動ギヤ45は、給紙装置100を上から見たとき、図12に示す位置に配置されている。同図において、仮想線で示す用紙6は、給紙トレイ7に積載される用紙である。サイドフェンス対20a,20bは、用紙幅方向Yに最大に開いたときに同図に示す位置まで広がり、給紙トレイ7上に積載可能な用紙6の用紙最大幅は同図に仮想線で示す位置となる。昇降アーム駆動ギヤ45は、この最大用紙幅の幅方向の外側に配置されており、給紙トレイ7を使用して給紙する際、積載されている用紙6の最上位の用紙6上面が給紙コロ(図12において図示せず)に当接する過程で、昇降アーム駆動ギヤ45が用紙6の一側縁部と干渉することがなく、給紙トレイ7による給紙が可能となる。このように、給紙カセット39の用紙積載板41を昇降する機構(アーム軸43、積載板昇降アーム42)と共に、被駆動力伝達部材としてのアーム軸ギヤ44を設け、一方、給紙装置100の本体側(側板18a)には前述の位置に駆動力伝達部材としての昇降アーム駆動ギヤ45を設け、これら両方のギヤ44,45の噛み合いにより、給紙カセット39内の用紙積載板41を昇降駆動するので、用紙積載板駆動部材(例えば駆動アーム等)を、各側板18a,18bの間に配設する必要がなく、給紙トレイ7による給紙が干渉することなく可能で、いわゆる割込みカセットによる同一給紙コロでの給紙が可能となる。さらに、このような機構によれば、給紙カセット39内の用紙6’の昇降のためには給紙カセット載置部全体を昇降するような大型の機構は不要であり、簡素な機構で可能となるので、装置の小型化、軽量化、組立性の容易化が可能である。
ワンウェイクラッチ44aは、図6、図8、図15において、アーム軸ギヤ44が時計回り方向に回動されるとき、駆動力伝達回転方向(締まり方向)となってアーム軸43を時計回り方向に回動するように駆動力を伝達し、アーム軸ギヤ44が反時計回り方向に回動されるとき、ゆるみ回転方向(滑り方向)となってアーム軸43に対して駆動力を伝達せず、空転するように配設されている。
この動作を、さらに図15を参照して詳細に述べる。同図において、仮想線で示す給紙カセット39を、右側から左側へ図中太矢印方向に挿入するときに、アーム軸ギヤ44と昇降アーム駆動ギヤ45との正規の噛み合い位置に達する前に、アーム軸ギヤ44と昇降アーム駆動ギヤ45との歯同士が接触する。この状態で、正規噛み合い位置まで給紙カセット39を押し込もうとするときに、もしワンウェイクラッチ44aがない場合、アーム軸ギヤ44とアーム軸43とは反時計回り方向に回動しようとするが、積載板昇降アーム42は同図の位置にあり自重で回動することができない。あるいは、給紙カセット39に多少の振動を与え、時計回り方向にアーム軸43を少し回動するようにセットしようとしても、用紙6’が用紙積載板41上に載置されているときには、それらの用紙6’の自重によって、積載板昇降アーム42は動くことができない。このような状態で、給紙カセット39を無理にその奥に押し込むと、ギヤ44,45やこれらのギヤを取り付けている部分を破損したりするという問題が生じる。これに対して、前述のようなワンウェイクラッチ44aをアーム軸ギヤ44に内蔵すると、アーム軸ギヤ44はアーム軸43に対して、反時計回り方向にはゆるみ回転方向で空転するので、ギヤ44,45の歯同士が接触すると給紙カセット39を正規噛み合い位置まで挿入する動作によって、アーム軸ギヤ44は空転しながら昇降アーム駆動ギヤ45の周りを相対的に転動するような動作をしつつ噛み合ってゆく。したがって、給紙カセット39挿入時でも、ギヤ44,45の歯同士の接触による抵抗がなく、給紙カセット39をスムーズに正規噛み合い位置まで挿入することができて、ギヤ44,45の歯の破損等も生じない。また、用紙積載板41を上昇させるには、アーム軸ギヤ44が時計回り方向に回動されるが、この方向はワンウェイクラッチ44aの締まり方向で駆動力がアーム軸43に伝達されるので、用紙積載板41の上昇が可能となる。
なお、ワンウェイクラッチ44aは、被駆動力伝達部材としてのアーム軸ギヤ44に内蔵することに限らず、アーム軸ギヤ44に内蔵することに代えて駆動力伝達部材としての昇降アーム駆動ギヤ45に内蔵するようにしてもよい。
図17乃至図19を参照して、請求項1及び3記載の発明に係る構成、動作を説明する。
まず、本体テーブル1Tに給紙装置100を装着する際の位置決めについて述べる。
固定フレーム位置決め機構120は、後述するとおり、給紙装置100の固定フレーム26側に配設された位置決めピン27a、可動フレームガイド軸31、位置決め軸36、及び本体テーブル1T側に配設された基準長孔1Te、位置決め用ブラケット右121、位置決め用ブラケット左122、取り付け壁面1Tbから主に構成される。
給紙装置100が装着される側の本体テーブル1Tには、図17に示すように、取付け壁面1Tb、取付け壁面1Tbを挟んで対向する側壁面1Tc,1Tdが形成されていて、これらの取付け壁面1Tb、側壁面1Tc,1Tdにより矩形状の切欠き形状が形成されている。これらの、取付け壁面1Tb及び側壁面1Tc,1Tdには給紙装置100が以下のように装着される。側壁面1Tc及び側壁面1Tdには、位置決め用ブラケット右121、ブラケット左122が実質一体的に固定されている。ブラケット右121、ブラケット左122は、給紙装置100側から見て、略U字状の断面を有し、給紙装置100の可動フレームガイド軸31と位置決め軸36とをそれぞれ支持していて、固定フレーム26、すなわち給紙装置100を本体テーブル1Tに載置するようになっている。ブラケット右121、ブラケット左122には、可動フレームガイド軸31の両端部と係合し、これらの両端を支持する溝121a,122aと、給紙装置100を用紙搬送方向Xに移動して装着する際、可動フレームガイド軸31を案内するための傾斜面121c,122cと、位置決め軸36の両端部の下面を支持する支持面121b,122bと、給紙装置100を用紙搬送方向Xに移動して装着する際、位置決め軸36を案内する傾斜面121d,122dとがそれぞれ形成されている。
一方、給紙装置100側の固定フレーム取付部27には、その先端部に傾斜面を有する位置決めピン27aが固設されている。この位置決めピン27aの両側の固定フレーム取付部27には、一対の固定用ねじ孔27b,27bが形成されている。本体テーブル1Tの取付け壁面1Tbには、位置決めピン27aのストレート部が嵌入する昇降方向Zに長い基準長孔1Teが形成されている。そして、この長孔1Teの両側の取付け壁面1Tbには、前記一対の固定用ねじ孔27b,27bと対向する位置に、図示しない固定ねじを介して固定用ねじ孔27b,27bにねじ止めされる孔1Tfが形成されている。
図18は、本体テーブル1Tに給紙装置100を装着した状態を表わしており、固定フレーム26は、可動フレームガイド軸31の両端部が溝121a,122aと係合し、位置決め軸36の両端部下面が支持面121b,122bで支持されることにより、本体テーブル1Tに対する給紙装置100の昇降方向Zの位置決め及び保持がなされる。そして基準長孔1Teに位置決めピン27aのストレート部が嵌入されることにより、本体テーブル1Tに対する給紙装置100の用紙幅方向Yの位置決めがなされる。用紙搬送方向Xの位置決めは、固定フレーム取付部27が本体テーブル1Tの取付け壁面1Tbに突き当てることでなされる。この状態で、前記固定ねじを、本体テーブル1Tの取付け壁面1Tbの裏面側から孔1Tfを通して固定用ねじ孔27bにねじ込むことにより、本体テーブル1Tに対する給紙装置100の3次元方向の位置決めがなされ、本体テーブル1Tに給紙装置100が位置決め固定される。
なお、前述のように、本体テーブル1Tに給紙装置100を装着するとき、詳細に後述するキャスター119の高さ調整ねじ117を回し、キャスター119を床面FLから上方に上げると、床面FLから高さHの隙間が生じるような位置関係で、給紙装置100は本体テーブル1Tに位置決めされる。また、図11及び図18においては、給紙装置100のキャスター119は2個しか配置されていないが、本体テーブル1Tから給紙装置100を取り外しても前記2個のキャスター119と固定フレーム26の固定側板対26a,26b下面とが床面FLに接触して支えられ、少し傾いた状態にはなるが給紙装置100として自立可能であるため、本体テーブル1Tへの給紙装置100の装着作業時に、給紙装置100が自立せずに装着作業性が悪化するということはない。
次に、孔版印刷装置1と本体テーブル1Tとの位置決めについて述べる。
載置台位置決め機構123は、後述するとおり、本体テーブル1T側の第1の基準孔1Tg、第2の基準長穴1Th、天壁面1Ta、及び孔版印刷装置1の本体フレーム側1Fの一対の位置決めピン126,126、本体フレーム固定部1aから主に構成される。
孔版印刷装置1を載置する本体テーブル1Tの天壁面1Taには、丸孔形状をなす第1の基準孔1Tgと、用紙幅方向Yに長い第2の基準長孔1Th、及び孔版印刷装置1の本体フレーム固定部1aを本体テーブル1Tに固定ねじ1Pを介して固定するための2個の固定孔1Tjが形成されている。固定孔1Tjは、固定ねじ1Pのねじ外径に対して余裕のある、いわゆるばか孔となっている。孔版印刷装置1の本体フレーム1Fの両側壁下部の間には、用紙搬送方向Xの前後にアングル状のステー1sが2個取り付けられている。給紙装置100装着側のステー1sには、位置決め用のブラケット125が固設されている。ブラケット125の下部には、略水平状態に折り曲げられた下部曲げ部125aが形成されている。ブラケット125の両端部の下部曲げ部125aには、後述する位置決めピン126の大径部が嵌入される孔125cが、2箇所、基準孔1Tgと基準長孔1Thとのピッチに対応して形成されている。ブラケット125の両端部の上部には、略水平状態に切り曲げられた上部切り曲げ部125bが、2箇所、前記ピッチに対応してそれぞれ形成されている。これら2か所の上部切り曲げ部125bには、位置決めピン126の小径部が嵌入される孔125dがそれぞれ形成されている。
位置決めピン126は、段付き中実棒状をなし、その上部に小径部が、下部に大径部が形成されている。上下の孔125c及び125dには、位置決めピン126の小径部及び大径部が設定されたクリアランスをもって、本体テーブル1Tの天壁面1Taと対向する方向に進退可能に嵌入され支持されている。位置決めピン126の小径部軸端と上部切り曲げ部125bとの間には、止め輪127が圧入装着されていて、位置決めピン126の下方への抜け落ちが防止されている。位置決めピン126の小径部には、ばね128(圧縮コイルばね)が巻着されていて、このばね128により、位置決めピン126は常に下方、すなわち天壁面1Taの基準孔1Tg及び基準長孔1Thに対して突出し嵌入する向きに付勢されている。位置決めピン126の大径部のストレート部分は、基準孔1Tgと基準長孔1Thとにそれぞれ所定のクリアランスをもって完全に嵌入するようにその長さ、外径及び取り付け位置が決められていて、位置決めピン126の突出先端部には基準孔1Tgと基準長孔1Thとの嵌入をスムーズに導くための先細りのテーパ面が形成されている。
孔版印刷装置1を本体テーブル1Tに装着する際、先ず、第1の基準孔1Tg、第2の基準長穴1Thに一対の位置決めピン126,126の大径部を嵌入させることにより、本体テーブル1Tに対する孔版印刷装置1の用紙搬送方向X及び用紙幅方向Yの位置決めがなされ載置される。次いで、本体テーブル1Tの天壁面1Taの裏面側から固定孔1Tjを通して固定ねじ1Pを、本体フレーム固定部1aに設けられた図示しないねじ孔にねじ込むことにより、本体テーブル1Tに対する孔版印刷装置1の昇降方向Zの位置決めがなされ、本体テーブル1Tの所定の位置に孔版印刷装置1が固定される。
なお、本体テーブル1Tの前側壁部には図示しない開閉自在な扉が設けられており、この扉を開放して固定用ねじ孔27bへの前記固定ねじのねじ込みや、固定孔1Tjへの固定ねじ1Pのねじ込み等の作業を容易に行うことができる。
このように、固定フレーム26に対して可動フレーム18全体を用紙幅方向Yに移動することで孔版印刷装置1又は本体テーブル1Tに、直接位置決めして固定することができない給紙装置100であっても、本体テーブル1Tに対して固定フレーム26を位置決め固定し、かつ、本体テーブル1Tに対して孔版印刷装置1を位置決め固定することで、孔版印刷装置1に対して可動フレーム18を相対的に位置決めすることが可能となる。したがって、可動フレーム18内に配設された給紙トレイ7上の用紙6、及び給紙カセット39に収納された用紙6’を孔版印刷装置1に対して位置決めすることが可能となって、用紙6,6’共に用紙幅方向Yの移動調整を行うことができる。
次に、図9に示されている構成及び動作を説明する。
本体テーブル1Tへの固定フレーム26の取り付けと反対側の固定フレーム26の下部底壁面には、左右一対のキャスター119,119が取り付けられている。キャスター119は、本体テーブル1Tに対して固定フレーム26を3次元方向に位置決めして装着するときに、床面FLに接触可能なキャスター輪119rと、支軸119sを介してキャスター輪119rを回転可能に支持するハウジング118と、ハウジング118の上方に設けられハウジング118に回転可能に支持される支持軸117と、支持軸117の上部に形成されたねじ部117dと螺合するめねじが形成された、支持軸117を保持する保持部材116と、キャスター輪119rと床面FLとが接触する接触位置とキャスター輪119rが前記接触位置から離間した離間位置とに、キャスター輪119rをして、昇降方向Zの位置調整を手動により行うことが可能な高さ調整機構とから主に構成される。前記高さ調整機構は、後述する、回転操作部117a、支持軸117、支持軸117のねじ部117d及び保持部材116のめねじから主に構成される。
支持軸117の下端にはハウジング118に形成された孔を介して緩く嵌入された回転軸部117bと、ハウジング118から支持軸117が抜けるのを防止するストッパー部117cとが設けられている。支持軸117は、ハウジング118に対して回転自在でその軸線方向には抜けないようになっている。支持軸117のねじ部117dと回転軸部117bとの間には、支持軸117の高さを手動で回転操作して調整するための回転操作部117aが形成されている。回転操作部117aは、全輪状をなし、その直径がキャスター輪119rを覆うように大きく形成されている。保持部材116は、固定フレーム26の下部底壁面に固定されている。したがって、回転操作部117aを手動で回転させると、支持軸117は、その軸線方向、すなわち昇降方向Zに移動すると共に、キャスター輪119rも昇降方向Zに移動する。キャスター輪119rの高さの調整範囲は、図18において、本体テーブル1Tに給紙装置100を装着した状態で、床面FLとキャスター輪119rとの隙間、すなわち本体テーブル1Tの下部に設けられているキャスター1Trの接地面からキャスター輪119rの接地面までの高さHが、少なくとも+2mm〜−2mm以上の範囲で調整することができるようになっていると、本体テーブル1T及び給紙装置100の移動時においてキャスター輪119rが床面FLに接しないで、かつ、使用場所においてキャスター輪119rを床面FLに接するように、キャスター輪119rの高さ調整がしやすい。
ところが、床面の平面度は、使用場所や保管場所によってバラツキが多いので、好ましくは+5mm〜−5mm以上の範囲で、高さHの調整をすることができるようになっているのがよい。この高さHの調整範囲は、本体テーブル1Tに給紙装置100を装着したときに、給紙装置100の自重でキャスター輪119rが少し下方に変位するので、この自重による下方への変位を考慮して、前記高さH調整範囲に入るようにキャスター119の各構成部品の寸法等を決めるのがよい。このようなキャスター119を設けたことにより、孔版印刷装置1に給紙装置100を装着した状態で移動する際には、キャスター輪119rを床面FLに接触させず、使用場所や保管場所ではキャスター輪119rを床面FLに接触させて給紙装置100の自重を受けることができる。
また、支持軸117の高さを調整する回転操作部117aは、スパナ等の工具類を使用せずに、使用者が簡単かつ容易に操作することができるように、図11及び図18に示すような大きな直径に製作されており、その外周部には図示を省略しているが粗い目のローレットが施されていて、使用者の手が滑らずに引っ掛かり、回転操作がしやすいようになっている。そして、図18に示すように、回転操作部117aの外周部が、給紙装置100の外形部(この場合側板18d)から外側にはみ出す寸法量L1は、少なくとも−5mm(つまり前記外形部より5mm奥に引っ込んでいる状態)以上は確保しないと手による回転操作がしにくい。5mm程度の引っ込み量であれば手による回転操作は可能であるが、使用者から回転操作部117aの位置が見えて、かつ、その操作性を良くするには寸法量L1=0以上であり、前記外形部と同一面か、あるいは少し出っ張っている方がより好ましい。したがって、このキャスター119を用いることにより、使用者は、スパナ等の工具類を使用せずに、支持軸117の高さ、すなわち床面FLからのキャスター輪119rの高さを簡単かつ容易に操作することができる利点がある。
図1〜図16を参照して、前述した給紙装置100の動作を制御する電気的制御構成について説明する。なお、図の簡明化をはるため、図8において、上限検知センサ3の図示を省略し、図1〜図4及び図6において、上限検知センサ3、中間検知センサ4及び下限検知センサ5は、模型的に簡略化して示す。
トレイ下降キー67は、図9に示すように、給紙装置100のカバー19近傍の操作台に配置されている。トレイ下降キー67は、カバー19を開けて押下操作を行うようになっていて、給紙トレイ7の下降量を所定の時間押下作動させることにより設定するものである。
左右移動キー(左)82及び左右移動キー(右)82は、図9に示すように、カバー上141に配設された給紙装置操作パネル141Pに配置されている。左右移動キー(左)、(右)82,81は、可動フレーム18の用紙幅方向Yにおける左右の移動を選択的に切り替えて起動する機能と、その何れかの押下部を所定の時間押下させることにより左右移動量を設定する機能を有する。左右移動キー(左)、(右)82,81には、可動フレーム18の用紙幅方向Yにおける左右の移動を選択的に切り替えるための押下部が対向して配置されている。前記移動量は、少なくとも左右に各々10mm移動することができるように設定されている。左右移動キー(左)、(右)82,81近傍の給紙装置操作パネル141Pには、左右移動キー(左)、(右)82,81の何れかを押下作動させることにより、用紙幅方向Yにおける左向き又は右向きに移動された移動量を表示する左右移動量表示器80が配置されている。可動フレーム18の移動量は、図9に示すような給紙装置操作パネル141Pに配設された左右移動量表示器80に表示される。左右移動量表示器80には、可動フレーム18の移動量を表示する目盛表示部が設けられている。一方、本体フレーム1Fの所定位置には、前記目盛表示部に目盛表示を行うための指針部が固定されていて、可動フレーム18の移動に伴い、その移動量がどの位の量になったかを報知するようになっている。
なお、左右移動キー(左)、(右)82,81は、これに限らず、例えば前記両キーに相当する押下部が対向して一体的に形成された、シーソタイプの周知の構造を有するスイッチを1個のみ設けてもよい。
左右位置左限検知センサ84、左右位置右限検知センサ85は、図11に示されるように、可動フレーム駆動軸30の両端部近傍の、側板対18a,18bの下部内壁に固設されており、可動フレーム18の用紙幅方向Yへの移動に伴って可動フレーム18と共に一体的に移動するようになっている。左右位置左限検知センサ84、左右位置右限検知センサ85のアクチュエータ部84a、85aは、一定量の移動が行われると固定フレーム26の一部(同図の場合、固定側板対26a,26bの上端部外壁)に接触してオンするように配設されており、可動フレーム18が一定量以上移動したときに、その左又は右の移動限界位置に来たことが検知される。
上限検知手段としての上限検知センサ3は、給紙トレイ7の上昇又は給紙カセット39の用紙積載板41の上昇(揺動)により、それぞれに載置された最上位の用紙6,6’の何れかが給紙コロ2に適正な圧力で接触して給紙コロ2が給紙をするのに適正な給紙位置まで持ち上げられたときに、すなわち最上位の用紙6,6’の何れかが、給紙コロ2をして給紙をするのに適正な給紙位置に臨ませる上限位置P1を占めたときにオン信号を出力し、それ以外はオフ信号を出力する。上限検知センサ3がオン信号を出力しているときのみ、給紙コロ2による前記最上位の用紙6(又は用紙6’)の給紙が可能となる。上限検知センサ3は、発光部と受光部とを有する周知の遮光型光学センサであって、給紙トレイ7に積載された最上位の用紙6(又は用紙6’)に揺動自在に当接する当接片を前記アームに備え、この当接片と連動して設けられた遮光板が前記発光部と前記受光部との間で遮光動作を行うことにより、前記最上位の用紙6(又は用紙6’)の上限位置P1を検知するものである。上限検知センサ3は、給紙コロ2近傍の本体フレーム1Fに設けられている。上限検知センサ3は、例えば、特開平2−265825号公報記載の第3図等に示されている光学センサPS2と同様の構成を有する。
下限検知センサ5は、給紙トレイ7の下限位置P3を検知するものであって、図1〜図4に示すように、側板18a内側の所定位置に配置されている。下限検知センサ5は、発光部と受光部とを有する周知の反射型光学センサである。下限検知センサ5は、給紙トレイ7の一側面に前記発光部から光を投射してその反射光を前記受光部で検知することにより、給紙トレイ7が下限位置P3を占めたことを検知する。下限検知センサ5は、給紙トレイ7が下限位置P3を占めたときのみオン信号を出力し、それ以外はオフ信号を出力する。
中間検知センサ4は、上限位置P1と下限位置P3との間の予め定められた中間位置P2に給紙トレイ7を停止させるために、給紙トレイ7の中間位置P2を検知するものであって、図1乃至図4に示すように、側板18a内側の所定位置に配置されている。中間検知センサ4は、発光部と受光部とを有する周知の反射型光学センサである。中間検知センサ4は、給紙トレイ7の一側面に前記発光部から光を投射してその反射光を前記受光部で検知することにより、給紙トレイ7が中間位置P2を占めたことを検知する。中間検知センサ4は、給紙トレイ7が中間位置P2を占めたときのみオン信号を出力し、それ以外はオフ信号を出力する。中間検知センサ4は、下限検知センサ5の配置位置から100mm上方の側板18a内側に配置されている。発光部と受光部とを有する周知の反射型光学センサである。
符号86は用紙幅検知センサとしてのトレイ用紙幅検知センサ群を示す。トレイ用紙幅検知センサ群86は、移動支持部材としてのサイドフェンス移動軸下22の略中央部に配設されていて、用紙幅方向Yの用紙6の用紙幅サイズを検知する機能を有する。トレイ用紙幅検知センサ群86は、4つのトレイ用紙幅検知センサ86a,86b,86c,86d(以下、単に「トレイ用紙幅検知センサ86a〜86d」と略記することがある)から構成されている。図5及び図17に詳しく示すように、サイドフェンス移動軸下22には、アングル状のセンサブラケット22cが固設されていて、トレイ用紙幅検知センサ86a〜86dはセンサブラケット22c上に取り付けられている。各トレイ用紙幅検知センサ86a〜86dは、発光部と受光部とを有する周知の遮光型光学センサである。
サイドフェンス20bの下部には、各トレイ用紙幅検知センサ86a〜86dの前記発光部と前記受光部との間で遮光動作を行うセンサ作動部材としての遮光板20lが固設されている。サイドフェンス対20a,20bの用紙幅方向Yの移動に連動して遮光板20lが共に移動され、遮光板20lが、前記発光部と前記受光部との間を遮光したときに、遮光されたトレイ用紙幅検知センサ86a〜86dがオン信号を出力し、それ以外はオフ このような構成により、各トレイ用紙幅検知センサ86a〜86dと遮光板20lとの昇降方向Zの位置関係は、サイドフェンス対20a,20bを用紙幅方向Yに移動させても変化しない。また、各トレイ用紙幅検知センサ86a〜86dを直接給紙トレイ7に配置していないので、サイドフェンス対20a,20bに対して給紙トレイ7が昇降してもこれと全く関係なく、サイドフェンス対20a,20bの位置に応じて用紙サイズが検知可能となる。
トレイ用紙長さ検知センサ87は、給紙トレイ7上面の切欠き部7a,7bから後部寄りに配置されている。これは、前述の構成で用紙サイズを検知しても用紙6の幅しか検知することができず、たとえばA4横置きとA3縦置きとでは、サイドフェンス対20a,20bの間隔(用紙幅)は同じでありこれらの相違を区別することができないので、これを区別するために配置される。トレイ用紙長さ検知センサ87は、発光部と受光部とを有する周知の反射型光学センサであり、前記発光部から光を投射して、給紙トレイ7上に用紙6が有るときにその白色反射光を前記受光部で検知することによりオン信号を出力し、用紙6の有無を検知する。給紙トレイ7上の用紙6の有無を検知する。トレイ用紙長さ検知センサ87の配置位置は、例えば図18に示すように、A4縦の用紙セット時の用紙6の後端より後側で、B4縦の用紙セット時の後端より前側の給紙トレイ7上に設置されれば、各トレイ用紙幅検知センサ86a〜86dとの出力信号の組合わせ組合せによってA4横とA3縦、B5横とB4縦との識別が可能となる。なお、図18においては用紙幅検知手段88の各構成要素の図示を省略している。
図16において、符号60は制御手段を示す。制御手段60は、I/O(入出力)ポート64、CPU(中央演算処理装置)63、ROM(読み出し専用記憶装置)61、RAM(読み書き可能な記憶装置)62及びタイマ65等を備え、それらが信号バスによって接続された構成を有するマイクロコンピュータからなる。制御手段60は、孔版印刷装置1における本体フレーム1Fの所定位置に配設された図示しない制御ボードに設けられていて、図の簡明化を図るため図示を省略した印刷装置制御手段に電気的に接続されている。前記印刷装置制御手段は、前記制御ボードに設けられていて、印刷動作を始めとする孔版印刷装置1の全体の動作を制御しており、制御手段60と同様のマイクロコンピュータからなる。前記印刷装置制御手段及び制御手段60は、孔版印刷装置1の上部に設けられた操作パネル(図示せず)に配設された製版スタートキー、印刷スタートキー(共に図示せず)等のオン/オフ信号に基づき、後述する各動作を制御するようになっている。
上限検知センサ3、中間検知センサ4、下限検知センサ5、トレイ用紙幅検知センサ86a〜86d、トレイ用紙長さ検知センサ87、左右位置左限検知センサ84、左右位置右限検知センサ85、左右移動キー(左)82、左右移動キー(右)81、及びトレイ下降キー67は、制御手段60に電気的に接続されている。
上限検知センサ3、中間検知センサ4、下限検知センサ5、トレイ用紙幅検知センサ86a〜86d、トレイ用紙長さ検知センサ87、左右位置左限検知センサ84、左右位置右限検知センサ85、左右移動キー(左)82、左右移動キー(右)81及びトレイ下降キー67からのオン/オフ信号やデータ信号は、制御手段60の入力ポートに送信される。制御手段60の各指令信号は、出力ポートを介して、トレイ昇降駆動装置10のトレイ昇降モータ駆動回路71、カセットトレイ昇降駆動装置40のカセットトレイ昇降モータ駆動回路72、左右移動駆動装置70の左右移動モータ駆動回路73にそれぞれ随時送信される。
制御手段60は、上限検知センサ3、中間検知センサ4、下限検知センサ5、トレイ用紙幅検知センサ86a〜86d、トレイ用紙長さ検知センサ87、左右左右位置左限検知センサ84、左右位置右限検知センサ85、移動キー(左)82、左右移動キー(右)81及びトレイ下降キー67、及びトレイ昇降駆動装置10のトレイ昇降モータ駆動回路71、カセットトレイ昇降駆動装置40のカセットトレイ昇降モータ駆動回路72、左右移動駆動装置70の左右移動モータ駆動回路73との間で指令信号及び/又はオン/オフ信号やデータ信号を送受信しており、給紙装置100の起動、停止及びタイミング等の動作全体のシステムを制御している。
トレイ昇降駆動装置10におけるトレイ昇降モータ11の正転(時計回り方向の回転)駆動開始タイミング、すなわち給紙トレイ7の上昇開始タイミングは、制御手段60によって、前記印刷スタートキーが押下されたときに設定されている。またトレイ昇降モータ11の逆転(反時計回り方向の回転)駆動開始タイミング、すなわち給紙トレイ7の下降開始タイミングは、制御手段60によって、トレイ下降キー67が押下されたときに設定されている。
カセット昇降駆動装置40におけるカセットトレイ昇降モータ46のモータ駆動軸側から見た正転(時計回り方向の回転)駆動開始タイミング、すなわち用紙積載板41の上昇開始タイミングは、制御手段60によって、前記印刷スタートキーが押下されたときか、あるいは給紙カセット39が装着されて前記カバー19が閉じられたときに設定されている。
左右移動駆動装置70における左右移動モータ32の正転又は逆転の駆動開始タイミング、すなわち可動フレーム18の左移動又は右移動の駆動開始タイミングは、制御手段60によって、左右移動キー(左)82又は左右移動キー(右)81が押下されたときに設定されており、左右移動モータ駆動回路73から左右移動モータ32に指令が出される。
CPU63は、中間検知センサ4からのオン信号に基づいて、中間位置P2に給紙トレイ7を停止させる機能と、トレイ下降キー67を、予め定められた時間(本実施例では3秒)以上作動させることにより、中間検知センサ4からのオン信号を取り込まずに下限検知センサ5からのオン信号に基づいて、トレイ昇降駆動装置10のトレイ昇降モータ11をして給紙トレイ7を下限位置P3に停止させる機能とを有する。
CPU63は、ROM61内に格納されたプログラムデータとトレイ用紙幅検知センサ86a〜86d及びトレイ用紙長さ検知センサ87とからのオン/オフ信号に基づいて、用紙サイズ及び向きを算出し、孔版印刷装置1の各種制御、例えば製版書き込み領域の設定等のために孔版印刷装置1の各部に指令信号を送信する。前述したトレイ用紙幅検知センサ86a〜86d及びトレイ用紙長さ検知センサ87の各出力信号に基づいてCPU63が算出した例を表1に示す。表1において、各トレイ用紙幅検知センサ86a〜86d及びトレイ用紙長さ検知センサ87の用紙サイズ信号がオンの場合を○印で、用紙サイズ信号がオフの場合を−印で、また用紙サイズ欄の*印は定形サイズの間に設定された中間サイズであって不定形サイズをそれぞれ示す。この例によれば、前述の前述したトレイ用紙幅検知センサ86a〜86d及びトレイ用紙長さ検知センサ87の組合せにより、用紙サイズ及び用紙の載置方向を検出することができる利点がある。
タイマ65は、制御手段60の入力ポートを介して取り込まれたトレイ下降キー67の押下時間を計時し、CPU63に随時出力する。またタイマ65は、給紙コロ2近傍のジャム有無を検出するための、給紙コロ2の回転開始からの時間を計時する機能をも有する。
ROM61には、給紙装置100の起動、停止及びタイミング等の動作に関するプログラムや必要なデータが予め記憶されている。RAM62は、CPU63での演算結果を一時記憶したり、前記各センサやキーから入力されたオン/オフ信号やデータ信号を随時記憶する。
次に、動作を説明する。
孔版印刷装置1の周知の動作、すなわち排版動作、原稿画像読取動作、製版・給版動作終了と同時に試し刷りが行われ、前記印刷スタートキーを押下すると、前記試し刷りと同様の過程で、給紙、印刷、排紙の各工程がセットされた印刷枚数分繰り返して行われ、孔版印刷工程が終了する。
前記給紙工程は、前記印刷スタートキーを押下することにより開始され、制御手段60から給紙部58の給紙装置100に給紙指令信号が送信されて行われる。制御手段60から給紙指令信号が送信されると、トレイ昇降モータ11が正転駆動され、給紙トレイ7が上昇される。給紙トレイ7が上昇し、上限検知センサ3により、適正な給紙位置に臨んだ、給紙トレイ7に積載された用紙6の最上面が上限検知センサ3により検知されると、制御手段60からトレイ昇降モータ11に駆動停止信号が送信されることによりトレイ昇降モータ11の正転駆動が停止され、給紙トレイ7における用紙6の最上面が上限位置P1に保持され、引き続き給紙コロ2による周知の給紙動作が開始される。
次に、給紙トレイ7上又は給紙カセット39に収納された用紙6,6’の用紙幅方向Yの左右移動を行たい場合の動作について述べる。
左右移動キー(左)、(右)82,81のうち移動させたい方向に対応する左右移動キーが押下されると、制御手段60から、左右移動モータ駆動回路73に対して左右移動モータ32を正転又は逆転させる指令信号が送信されて、左右移動モータ32が回転駆動され、これにより前記減速機構を介して可動フレーム駆動軸30が回動され、前記ねじ機構により可動フレーム18は、固定フレーム26に対して用紙幅方向Yにおける左向き又は右向きに相対的に移動され、この移動された移動量は、左右移動量表示器80に表示される。そして、前記移動量が所望の量になったら、左右移動キーの押下作動を止めると左右移動モータ32の回転駆動が停止され可動フレーム18の移動が停止される。こうして、前記用紙6,6’は、画像形成装置としての孔版印刷装置1に対して用紙幅方向Yに移動される。したがって、用紙6,6’が孔版印刷装置1の本体フレーム1Fに対して可動フレーム18と共に用紙幅方向に移動されて、印刷時の用紙幅方向における画像位置の調整が可能となる。
次に、給紙トレイ7の下降動作の制御内容を簡単に説明する。
本実施例は、前述の構成により、トレイ下降キー67の押下時間の長さにより、給紙トレイ7の下降下限位置を切り換える制御手段60を備えているので、トレイ下降キー67の押下時間が3秒未満であれば紙面検知位置P4もしくは中間位置P2まで給紙トレイ7を下降させ、トレイ下降キー67の押下時間が3秒以上であれば下限位置P3まで給紙トレイ7を下降させることが可能である。
例えば、給紙トレイ7の位置が図1及び図2に示す位置から、給紙トレイ7に積載された最上位の用紙6が給紙コロ2に当接するまで上昇している状態の給紙を行っているときに、給紙コロ2近傍におけるジャム処理や用紙6の補給等を行うために給紙トレイ7を下降させたいときには、次のような動作が行われる。先ず、トレイ下降キー67を3秒未満押下すると、トレイ下降キー67のオン信号に基づいて、制御手段60によりトレイ昇降モータ11が逆転駆動されて、給紙トレイ7が下降する。給紙トレイ7が下降し、中間検知センサ4により給紙トレイ7が中間位置P2に達した位置で検知されると、制御手段60からトレイ昇降モータ11に駆動停止信号が送信されることによりトレイ昇降モータ11の逆転駆動が停止され、給紙トレイ7が紙面検知位置P4に保持される。それ故に、不必要な給紙トレイ7の下降動作を行うことなく、ジャム処理のために紙詰まりの確認やジャム紙の取り出し、あるいは用紙6の補給等を行うことができる。加えて、この状態における給紙トレイ7は、給紙トレイ7上の積載用紙上面が、給紙コロ2よりも100mm程度下方になるような紙面検知位置P4に停止していて、図1及び図2に示す状態となり、給紙トレイ7の上昇距離が100mm程度短いので、ユーザは比較的短い待ち時間で給紙動作の再起動を行うことができる。
また例えば、図3に示すように、給紙トレイ7が中間位置P2に達していて、給紙トレイ7に積載された最上位の用紙6が給紙コロ2に当接しているような満載状態の給紙時に、給紙コロ2近傍においてジャムが発生したときには、給紙トレイ7が既に中間位置P2に達しているので、トレイ下降キー67を押下してもその押下時間が3秒未満であれば、給紙トレイ7は下降動作をしない。このようなときには、トレイ下降キー67を3秒以上押下して、制御手段60が、トレイ下降キー67のオン信号に基づいて、トレイ昇降モータ11を逆転駆動させることにより、給紙トレイ7が下降する。給紙トレイ7が下降し、下限検知センサ5により給紙トレイ7が下限位置P3に達した位置で検知されると、制御手段60からトレイ昇降モータ11に駆動停止信号が送信されることによりトレイ昇降モータ11の逆転駆動が停止され、給紙トレイ7が下限位置P3に保持される。中間検知センサ4と下限検知センサ5との間隔(距離)は100mmあるので、給紙トレイ7の下降動作終了時、給紙コロ2と給紙トレイ7上に積載された用紙6の最上面とのスペースが100mmの間隔(距離)の範囲で確保され、ジャム紙を取り除くのに必要なスペースを確保することができ、ジャム処理の作業性が向上する。
したがって、給紙トレイ7に積載された用紙6が満載状態か満載状態に近い場合であって、給紙コロ2近傍においてジャムが発生したときには、従来のように一度、給紙トレイ7に積載された満載状態の用紙6を取り除いてジャム紙取りに必要なスペースを確保する作業が不必要となる。
次に、給紙カセット39を給紙装置100に装着して給紙を行う場合の動作について説明する。
例えば、図3を借りて説明すると、同図に示すように、給紙トレイ7が中間位置P2に達していて、給紙トレイ7に積載された最上位の用紙6が給紙コロ2に当接しているような満載状態、あるいはそのような満載状態に近い状態のときには、給紙コロ2と最上位の用紙6との間に給紙カセット39を装着するために必要なスペースを確保することができない。また給紙トレイ7が既に中間位置P2に達しているので、トレイ下降キー67を押下してもその押下時間が3秒未満であれば、給紙トレイ7は下降動作をしない。そこで、トレイ下降キー67を3秒以上押下して、前述のような制御手段60の制御動作を介して、下限検知センサ5により給紙トレイ7が下限位置P3に達した位置で検知されるまで給紙トレイ7を下降させる。このとき、サイドフェンス対20a,20bと枠体28とは、引張りばね114に抗して、サイドフェンス移動軸下22が給紙トレイ7の下面で押し下げられることにより、図6に示す実線位置(あるいは図1及び図2に示す仮想線位置)まで下降する。
これにより、サイドフェンス対20a,20bの上端面と、給紙カセット39装着時における用紙収納ケース39bの底壁下面との間には、互いに干渉しない必要なスペースが形成されることとなって、カセット装着空間39Sが確保される。中間検知センサ4と下限検知センサ5との間隔距離は100mmであるので、給紙トレイ7の下降動作終了時、給紙コロ2と用紙6の最上面とのスペースが100mm以上の高さ(間隔距離)の範囲で確保される(図6参照)。前述したように、給紙カセット39の厚さは50〜80mm程度であり、給紙装置100の前記所定部位に給紙カセット39を装着したときには、給紙コロ2と用紙6の最上面とのスペースが昇降方向Zの高さ(間隔距離)で少なくとも20〜50mm確保されるので、給紙カセット39を装着するのに必要なスペース、すなわちカセット装着空間39Sを十分確保することができる。この状態で、カバー19を開き、給紙カセット39を、図において左方向に給紙カセット着脱機構47を介して完全に装着すると、昇降アーム駆動ギヤ45とアーム軸ギヤ44とが噛合する。次にカバー19を閉じる。
また、給紙カセット39が装着されている場合、前記印刷スタートキーを押下すると、制御手段60からカセットトレイ昇降駆動装置40に給紙指令信号が送信されて、カセットトレイ昇降モータ46が反時計回り方向に正転駆動され、昇降アーム駆動ギヤ45及びアーム軸ギヤ44を介して積載板昇降アーム42が時計回り方向に揺動されることにより、積載板昇降アーム42により用紙積載板41の自由端部が時計回り方向に持ち上げられ、用紙積載板41上の最上位の用紙6’が給紙コロ2に当接する給紙位置、すなわち上限位置P1を占めて給紙可能となる。次いで、カセットトレイ昇降モータ46の正転駆動が停止し、用紙積載板41に積載された最上位の用紙6’が上限位置P1に保持され、引き続き給紙コロ2による周知の給紙動作が開始される。
次に、給紙カセット39を装着していないときの動作について説明する。給紙トレイ7を使用するときには、カバー19を開き、給紙カセット39を図において右方向に抜き取る。以降の動作は、前記実施例と同様のためその説明を省略する。
なお、図7において用紙積載板41等の図示を、図8において上限検知センサ3及び分離コロ対51a,51b等の図示を、図面の簡明化を図るためにそれぞれ省略している。
以上述べたように、この給紙装置100によれば、給紙カセット39使用時であっても、給紙トレイ7使用時であっても、給紙カセット39やサイドフェンス対20a,20bよりも上方に位置する部材は側板上18g以外は無く、給紙コロ2の上に特別なスペースを設けなくとも、割込み式の給紙カセット39に収納された用紙6’を給紙するカセット給紙モードと、給紙トレイ7上の用紙6を給紙するトレイ給紙モードとを自動的にかつ選択的に切り替えての給紙が可能となる。
なお、左右移動量表示器は、前述のような左右移動量表示器83により機械式に移動量を表示する手段に限らず、例えば周知の移動量検知センサを設け、また、左右移動量表示器83に代えて電気作動式の左右移動量表示器を設けることにより、この移動量検知センサからの移動量信号を受信して制御手段60が電気作動式の左右移動量表示器に移動量を表示させるようにしてもよい。この場合、移動量検知センサには、例えば可動フレーム駆動軸30の軸端に設けたエンコーダあるいは可変抵抗器を利用したセンサ等のセンサを用い、電気作動式の左右移動量表示器には、例えばLED(発光ダイオード)やLCD(液晶表示装置)を用いる。
なお、前記実施例等においては、トレイ下降キー67の押下時間の長さにより、給紙トレイ7の下降下限位置を切り換える制御手段60を備え、トレイ下降キー67の押下時間が3秒未満であれば中間位置P2まで給紙トレイ7を下降させ、トレイ下降キー67の押下時間が3秒以上であれば下限位置P3まで給紙トレイ7を下降させるとしたが、この押下時間は前記3秒を基準とすることに限らず、ユーザ等の所望する3秒以外を押下時間の基準としても良いことは言うまでもない。
なお、トレイ昇降駆動装置10を構成するウォーム12及びウォームホイル13aは、これらに代えて、平歯車同士のみで構成してもよい。
なお、付勢手段は、前記実施例のばね114に限らず、ばね114と同等のばね特性や耐久性を有するものであればゴム等からなる弾性部材であってもよい。
なお、前記実施例等では、給紙コロ2を、孔版印刷装置1の給紙部58における本体フレーム1F側に配設したが、これに限らず、給紙装置100側に配設してもよい。
なお、前記実施例等の給紙装置100は、孔版印刷装置1の本体フレーム1Fに着脱自在に配設されたが、これに限らず、孔版印刷装置1の本体フレーム1Fに固定して配設してもよいことは言うまでもない。また、前記実施例等の給紙装置100は、孔版印刷装置1に限らず、複写機、印刷機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置に前記のように配設しても良いことは言うまでもない。