JP2004123374A - ワイヤーロープ引き締め具 - Google Patents
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Abstract
【構成】両側壁の内側に、一方方向に積極的に回転させ、かつ外周辺に突出した歯部を形成した爪歯車と、この爪歯車の周辺の一部に、歯部とワイヤーロープを挟持するように配置した固定摺動座と、該固定摺動座のワイヤーロープ導入側に固定配置した把持座と、該把持座の把持部に対応してワイヤーロープを挟持するL字形可動腕を枢支し、この可動腕は両側壁間内に爪歯車を挟んで摺動可能にした吊り杆の後端側に枢支して構成し、この爪歯車は操作ハンドルでクラッチを介して駆動するように構成したものである。
【選択図】 図2
Description
【産業上の利用分野】
土建業者、造園業者、木材取り扱い業者、または荷役業者の間で広く利用されるもので、特に吊り揚げ装置によって重量荷物を吊り揚げるとき、落下を防止し、しかも吊り揚げワイヤーロープの取り扱いを容易にしたものである。
【0002】
【従来の技術】
土建業者や造園業者または材木取り扱い業者間では、重量物を移動し或いは搬送するに際して吊り揚げ作業を行うことがある。この吊り揚げ作業を行うにあたっては、重量物を束ねるように配置したり或いは重量物の底面や周面を囲むようにした比較的短いワイヤーロープが利用されている。一般にこのようなワイヤーロープを業者間では「台つけ」と称している。またこのような「台つけ」は鎖やチエーン或いはロープ、ワイヤーロープが利用されているが、土木業者や造園業者間ではワイヤーロープが広く利用されている。
【0003】
ところでこのような「台つけ」では、その一端側を重量物の底面や周面の一部を取り囲むために開放された開放型となっている。またこの「台つけ」は吊り揚げる際に輪形に係留結束すると共にこの輪形を絞って吊り揚げ操作距離を短くしかつ確実に結束しておく必要がある、ところで比較的細いロープの「台つけ」では容易であるが、ワイヤーロープの「台つけ」では取り扱い操作が困難である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明は、ワイヤーロープの「台つけ」を簡単な装置で輪型に係留できると共に輪絞り作業も容易にできるようなワイヤーロープ締め付け具を提供して重量荷物の吊り揚げ作業を効率化させ、かつ落下を防止して安全に吊り揚げ作業ができるようにしたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
両側壁の内側に、一方方向に積極的に回転させ且つその外周辺に突出させた爪部を形成した爪歯車と、この爪歯車の歯部とワイヤーロープを挟持するように固定配置した固定摺動座と、該摺動座のワイヤーロープ導入側に固定配置したワイヤーロープ把持座と、該把持座の把持面に対応してワイヤーロープを把持するL型可動杆を枢支し、該可動杆は両側壁内に爪歯車を挟んで摺動自在に配置した吊り杆の端部に枢支して構成したものである。
【0006】
【実施例】
以下図面に基づいて本発明を詳細に説明するが、図は本発明の具体的な実施の一例を示したもので、本発明は図示例に限定されず以下説明する趣旨に沿って一部の構成を変更したり、或いは一部の設計や形状を変更しても同様に実施することができる。
【0007】
図1(説明見取図)は本発明を利用した「台つけ」の一例を示したもので、「台つけ」に利用するワイヤーロープ2としては、直径約9〜24mmを用いている。そしてその一部には吊り揚げ具3を取り付け、この吊り揚げ具3はワイヤーロープ2を強固に挟持ようになっており、図示のようにワイヤーロープ2の端側であることが望ましい。吊り揚げ具3の取り付けによって「台つけ」のワイヤーロープ2は、固定側2aと取り囲み側2bに区分される。そして固定側2aの端部には図2(図1の一部拡大図)に示すように輪部2aaを形成する。そしてこの輪部2aaにシャックル2cを介して本発明ワイヤーロープ引き締め具1を接続するものである。なお必要によっては本発明引き締め具1の後述する吊り杆9を直接輪部2aaに着脱するように構成してもよい。
【0008】
そして本発明ワイヤーロープ引き締め具1は、操作ハンドル8を矢印A方向に扇動を繰り返すことによって、爪歯車6を矢印Aa方向に回転させ、導入した「台つけ」ワイヤーの取り囲み側2b端側を固定摺動座と爪歯車で挟持しながら矢印B方向に送り、「台つけ」の繋留と輪締めを簡単に行うことができるようにしたものである。
【0009】
以下本発明ワイヤーロープ引き締め具1について詳細に説明する。図3(側面図)、図4(平面図)および図5(底面図)は、それぞれ図3の上面側、および下面側を示したものであり、図6(側面図)および図7(側面図)はそれぞれ図3の左側および右側を示したものである。また図8(断面図)は図4に示した切断線C−Cに沿う矢印方向を示したものである。
【0010】
これらの図において、本発明ワイヤーロープ引き締め具1は比較的厚板の側壁4,5で外枠が構成される。そしてこの側壁4,5にはそれぞれ対応させて外側に突出した溝4a,5aを形成する。そしてこれらの溝4aおよび5aは側壁の前後方向に開口しており、後述する吊り杆9の移動案内溝となるものである。またこれらの側壁4,5の間隔は後述する固定摺動座10や把持座11の取り付けによって強固に枠組が形成され、取り付け部材を位置保持させるが、全体を強固にすめため間隔保持スタッド4aa(図5)および5aa(図4)を設けている。なおこれらのスタッドは丸棒で構成したものを示したが適当な形のものであってもよい。
【0011】
一方爪歯車6は両側壁4,5の間隙の中心部に配設され、その支持は両側壁の外側にそれぞれ取り付けた軸受け部7,7aに遊支した駆動軸に不回転に設けられている。そしてこの駆動軸は軸受け部7側に長く突出させており、この突出部には、一方向回転クラッチ装置を内装したドラムを遊支し、このドラムの外周の一部に操作ハンドル8の柄部を植設している。
【0012】
他方爪歯車6は図8に示すように、その外周線を三分割して外周方向に突出させた歯部6aを形成し、これらの歯部6aは同じ形で形成される。そして歯部の外周面は中央部(軸方向)を順次低くした凹周面6aaとし、図示したように鋸歯状であることが好ましい。なお凹周面はワイヤーロープを正しく中央で把持送りするために好ましいものであるが、導入側に特別な案内部材を配置するときは円周方向に添った面であてもよい。また周面6aaは鋸歯状に限定されず、ルーレット状等適当に選択できる。そして各歯部6aの側面中央部には、駆動軸の芯から放射状の中心線6bをそれぞれ記す。他方側壁の一方若しく両方の頂面側には、この中心線6bと合致する印6c,6cを示し、図8に示すようにそれぞれ一致させたとき図示の関係位置を保持するようにしている。
【0013】
他方この爪歯車6aに対向させて、図8に示すような固定摺動座10を配設する。この摺動座10は爪歯車6の外周円線Dと3〜4mmの間隔をもって平行に形成した挟持面部10aと、外周円線Dと次第に間隔を拡大させた導入案内面部10bを連続させて形成し、図示するように位置させて側壁4,5に固設する。そしてこの固定摺動座10の爪歯車対応面は滑面とするが、必要によっては対応面部のみ、或いは摺動座全体を硬質合成樹脂材で形成して構成してもよい。また挟持面部10aと導入案内面部10bとの接続部分は図11(図8の一部拡大図)に示すように歯部6aの移動方向先端部との間隙18をワイヤーロープの直径とほぼ同様の寸法とする。また固定摺動座10aの上端側と歯部6aの後端部との間隙18aも同様にワイヤーロープの直径にほぼ同様の寸法間隙とする。
【0014】
一方この固定周動座10のワイヤーロープ導入側には、把持座11を固定周動座10と同じように側壁4,5に取り付ける。そしてこの把持座11の上面側は前記爪歯車6の歯部6aの外周面と同様な歯状凹面とし、固定摺動座10の導入側高さ位置とほぼ一致するように固設する。他方この把持座11の上部側には、把持座11の上面と同様な歯面を形成した当接部12aを構成したL字形の可動腕12を配置し、この可動腕12は図示のようにL字曲がり部の上部近くに枢支した軸13に遊支されて、その当接部12aを把持座11の上部に対応させるように位置保持している。そしてこの軸13は、その両端側がそれぞれ側壁4,5に固定支持されている。また該当接部12aの裏側(図面では上部側)には、この当接部12aを把持座11側に加圧させるためのコイルばね15を配置し、このばね15は両側壁4,5の間にそれぞれ両端側を取り付けるように配置した梁部材15aに、その一端側が支持され、他端側は当接部12aの裏側に形成した凹部によって支持されている。そしてこのL字形可動腕12の上部側は突出させた操作杆部14を形成しており、かつ前記した軸13の上部には軸17を配置している。
【0015】
他方図示した9は吊り杆であって、この吊り杆9は図示のように先端側(図8で左側)に繋留部を形成し、枠組挿入部分は左右に分かれた直杆部9a,9bとし、この直杆部はそれぞれ側壁4,5に形成した前記溝5b,4bに摺動自在でかつ僅かの傾動を許すように遊挿されている。即ち図8に示すように、吊り杆9はその直杆部9a,9bの固定周動座10の裏側対応部分に長軸孔9aa,9aa(一方は図示せず)を形成し、この長孔には、両側壁4,5の溝部4a,5aを貫通支持させた支軸16を通している。従って吊り杆9はこの長軸孔9aaの長径寸法の範囲で摺動移動ができる。また直杆部9a,9bの後端側は、前記L字形可動腕12を貫通して設けた軸17にそれぞれ遊支されている。なおこの軸17としては、可動腕12に支着して両端突出部にそれぞれ直杆部をそれぞれ遊支したり或いは、これらにすべてを遊支するように挿通配置してもよい。
【0016】
このように構成する本発明引き締め具1では、吊り杆9が荷重によって引き出されて(図面で左方向)いるかぎり、軸17を介して可動腕杆12を、枢軸13を芯として反時計方向に傾動しようとし、その当接部12aを把持座11に加勢加圧する。この加圧によって挟持したワイヤーロープを強固に把持する。また前記ハンドル8は、図3で示す側壁4,5の底辺面とほぼ平行な位置において係留されるようになっており、その状態で爪歯車6を図8の状態に位置保持するようにしている。そしてハンドル8は図2で示したように時計方向矢印Aに回転移動させることによって、その回転角度で爪歯車6を同一方向に回転させる。そして回転した爪歯車6は、軸受け部7aに設けた逆転阻止クラッチによって保留される。またハンドル8としては、手を放したとき自動的に係留位置に復帰するように構成してもよい。即ちハンドル8を回す角度だけ爪歯車6を時計方向に回転させるものである。
【0017】
他方爪歯車6としては、図示のように周縁を三等分してそれぞれ突出させて構成しているため、ワイヤーロープを確実に把持することができると同時に確実に送ることができる。またハンドルを操作してワイヤーロープを引き込むときは、「台つけ」の取り囲み側ワイヤー2bの緊張を一時的に緩ませる格好となり、吊り杆9をばね15に抗して可動腕12を時計方向に傾動して固定座11上に挟持しているワイヤーロープの挟持圧を緩和することになる。そのときワイヤーロープは爪歯車6と固定摺動座10で挟持されている。よってハンドルの扇回駆動を繰り返すことによってワイヤーロープの開放端側を順次引き入れ輪締めを行うことができる。なお図示しなかったてが爪歯車6の逆転阻止用クラッチ7a側には阻止用爪片を一時的に開放操作するようなレバーを設けて爪歯車の逆転を許すような手段を設けてもよい。
【0018】
このように構成した本ワイヤーロープ引き締め具では、図9(図8の作動説明図)に示すように操作杆14を矢印方向に傾けるか或いは吊り杆9を矢印方向に強制移動させて、把持座11上の挟持間隙を空け、爪歯車6はその歯部の前記印6bを側壁の印6cと合致させた状態で、摺動座10と前記した間隙18,18aを保持しているので、ワイヤーロープ2bを通すことができる。次いで図10(図9の作動説明図)に示すように、ハンドル8を時計方向に回動させることによってその回転角度分長さのワイヤーロープ2bを矢印方向に送る。また図10の状態においては、ロープ2bは固定摺動座10と爪歯車の歯部6aの間で強固に支持されているため戻ることはない。またこの状態でハンドル8から手を放したときは、吊り杆9が図10で示す矢印方向に引っ張られ、L字形の可動腕12を反時計方向に傾けてワイヤーロープ2bを強固に保持する。
【0019】
【発明の効果】
本発明引き締め具はこのように構成したから、「台つけ」ワイヤーロープの輪締め作業を簡単にしかも容易に行うことができる。また作業能率を飛躍的に向上させることができ、装置も簡単に構成されて故障が少なく、長期間に渡って利用することができる。更に「台つけ」ワイヤーロープの変形、損傷を防止して耐命数を延長することができ、吊り揚げる重量荷物の輪締め作用も円滑にできる。またこれによって荷物を安定的に保持することができ、落下させるような事故を未然に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図 1】本発明を利用した「台つけ」の一例を示す説明見取図。
【図 2】図1の一部拡大図。
【図 3】本発明引き締め具の側面図。
【図 4】平面図。
【図 5】底面図。
【図 6】図3の右側面図。
【図 7】図3の左側面図。
【図 8】図3の切断線C−Cに沿う矢印方向断面図。
【図 9】図8の操作説明図。
【図10】図9の作動説明図。
【図11】図8の一部拡大説明図。
【符号の説明】
1 引き締め具
2 「台つけ」ワイヤーロープ
2a 固定側
2aa ループ部
2b 取り囲み側
2c シャックル
3 吊り揚げ具
4 側壁
4a 溝
5 側壁
5a 溝
6 爪歯車
7、7a クラッチ
8 操作ハンドル
9 吊り杆
10 固定摺動座
11 把持座
12 L字形可動腕
12a 把持部
13 枢軸
14 操作杆
15 コイルばね
16 支軸
17 軸
18 間隙
Claims (1)
- 荷物の外周を束ねるようにして吊り揚げるための開放型吊り揚げワイヤーロープの引き締め具であって、該引き締め具は、両側壁の内側に、一方方向に積極的に回転させ且つその外周辺に突出させた爪歯部を形成した爪歯車と、該爪歯車の周辺の一部に、爪歯車の爪歯部とワイヤーロープを挟持するように固定配置した固定摺動座と、該摺動座のワイヤーロープ導入側に、固定配置したワイヤーロープ把持座と、該把持座の把持面に対応して、ワイヤーロープを挟持するL字型可動桿を枢支し、該可動桿は両側壁内に爪歯車を挟んで摺動自在に配置した吊り杆の端部に枢支して構成したことを特徴とするワイヤーロープ引き締め具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002327589A JP2004123374A (ja) | 2002-10-04 | 2002-10-04 | ワイヤーロープ引き締め具 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002327589A JP2004123374A (ja) | 2002-10-04 | 2002-10-04 | ワイヤーロープ引き締め具 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004123374A true JP2004123374A (ja) | 2004-04-22 |
Family
ID=32289987
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002327589A Pending JP2004123374A (ja) | 2002-10-04 | 2002-10-04 | ワイヤーロープ引き締め具 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004123374A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
GB2549206A (en) * | 2016-04-06 | 2017-10-11 | Accent Packaging Inc | Wire release mechanism |
US10427814B2 (en) | 2016-05-25 | 2019-10-01 | Accent Packaging, Inc. | Continuous rotary wire tie assembly |
CN111206765A (zh) * | 2020-03-12 | 2020-05-29 | 中国建筑第四工程局有限公司 | 一种可周转式悬挑脚手架钢丝绳拉环 |
-
2002
- 2002-10-04 JP JP2002327589A patent/JP2004123374A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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GB2549206A (en) * | 2016-04-06 | 2017-10-11 | Accent Packaging Inc | Wire release mechanism |
GB2549206B (en) * | 2016-04-06 | 2021-07-14 | Accent Wire Holdings Llc | Wire release mechanism |
US10427814B2 (en) | 2016-05-25 | 2019-10-01 | Accent Packaging, Inc. | Continuous rotary wire tie assembly |
CN111206765A (zh) * | 2020-03-12 | 2020-05-29 | 中国建筑第四工程局有限公司 | 一种可周转式悬挑脚手架钢丝绳拉环 |
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