JP2004123331A - エレベータのガイド装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ガイドレールに摺動係合するガイドシューの摩耗状態を効率よく、かつ安価に点検できるエレベータのガイド装置の提供。
【解決手段】乗かご2に、給油体4,8およびガイド体5,7を備えるとともに、ガイド体5,7のガイドシュー14の摩耗に応じてガイドレール3に当接して潤滑油を削ぎ落とすスクレーパ20,21を備えた。これにより、ガイドシュー14の摩耗時に、スクレーパ20,21がガイドレール3当接面に付着した潤滑油を削ぎ落すので、前記の当接面の摩擦係数が上昇し、ガイドレール3とガイドシュー14間で摺動音が発生してガイドシュー14の磨耗を報知する。
【選択図】 図1
【解決手段】乗かご2に、給油体4,8およびガイド体5,7を備えるとともに、ガイド体5,7のガイドシュー14の摩耗に応じてガイドレール3に当接して潤滑油を削ぎ落とすスクレーパ20,21を備えた。これにより、ガイドシュー14の摩耗時に、スクレーパ20,21がガイドレール3当接面に付着した潤滑油を削ぎ落すので、前記の当接面の摩擦係数が上昇し、ガイドレール3とガイドシュー14間で摺動音が発生してガイドシュー14の磨耗を報知する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガイドレールに沿って乗かごを案内するエレベータのガイド装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
エレベータのガイド装置、例えば乗かごガイド装置では、乗かごの四方に設けられたガイドシューがガイドレールに摺動係合することにより、乗かごがガイドレールに沿って走行するよう乗かごの走行位置を決めている。
【0003】
図3はこの種の従来のエレベータのガイド装置を示す側面図、図4は図3のガイド装置の要部構成を示す横断面図である。
【0004】
図3に示すエレベータは、昇降路1内を昇降する乗かご2を有している。従来のエレベータのガイド装置は、昇降路1の全行程に渡り立設されるガイドレール3を備えるとともに、乗かご2の上部に、ガイドレール3に潤滑油を供給する給油体4と、ガイドレール3に係合し、乗かご2を案内するガイド体5とが設置され、乗かご2の下部に、乗かご2を非常停止させる非常止め装置6と、ガイドレール3に係合し、乗かご2を案内する他のガイド体7と、ガイドレール3に潤滑油を供給する給油体8とが設置されている。乗かご2の上部の側端には、L字形状のブラケット9が取付けられ、このブラケット9上に、平板状のブラケット10が取付けられている。乗かご2の底部の側端には、コの字形状ブラケット11が取付けられ、このブラケット11の下方に、他のコの字形状ブラケット12が取付けられ、このブラケット12の下方に、平板状のブラケット13が取付けられている。
【0005】
上部のガイド体5はブラケット9の側部に固定され、下部のガイド体7はブラケット12の側部に固定されている。また上部のガイド体5は、図4に示すように、ガイドレール3と摺動するガイドシュー14と、このガイドシュー14を保持する保持部15とからなり、下部のガイド体7も同様である。なお、図4の一点差線16は、ガイドシュー14の交換を必要とする摩耗限界位置を示している(摩耗許容値L)。
【0006】
上部の給油体4はブラケット10上に載置され、下部の給油体8はブラケット13の下部に固定されている。これらの給油体4、8は、それぞれ乗かご2の昇降に応じてガイドレール3と摺動してガイドレール3の当接面へ潤滑油を供給するようになっている。
【0007】
また、非常止め装置6はブラケット11の側部に固定され、図示しない速度計により乗かご2の過速度を検出した際に、ガイドレール3を把持することにより乗かご2を非常停止させるもので、図4に示すように非常止めローラ17を内蔵している。
【0008】
そして、上述した従来のエレベータのガイド装置では、上部のガイド体5のガイドシュー14がガイドレール3と摺動していることから、ガイドシュー14の当接面が摩耗してガイドレール3とガイドシュー14との隙間が発生するため、この隙間により乗かご2の位置決め精度が悪化してしまう。この場合、乗かご2の乗心地に影響するばかりか、乗かご2とガイドレール3との位置関係が変わってしまい非常止め装置6等の性能にも影響を与えることから、ガイドシュー14の摩耗状態を定期的に点検する必要がある。また、下部のガイド体7でも同様である。
【0009】
そこで従来、電気的な検出端子や出力信号の検出手段を備え、ガイドシューの摩耗状態を点検する乗かごガイド装置の摩耗検出装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0010】
【特許文献1】
特開平9−71372号公報(段落番号0018〜0031、図1〜7)
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来の乗かごガイド装置の摩耗検出装置では、電気的な検出端子や出力信号の検出手段が必要なことから、摩耗したガイドシューの交換の作業効率が悪いだけでなく、装置費用がかかることから経済的にも問題がある。
【0012】
本発明は、上述した従来技術における実情に鑑みてなされたもので、その目的は、ガイドレールに摺動係合するガイドシューの摩耗状態を効率よく、かつ安価に点検することのできるエレベータのガイド装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の請求項1に係わる発明は、昇降路内に立設されるガイドレールを有し、前記昇降路を昇降する乗かごに、前記ガイドレールへ潤滑油を供給する給油体と、前記ガイドレールに摺動係合するガイドシューとを備え、前記ガイドレールに沿って前記乗かごを案内するエレベータのガイド装置において、前記乗かごに、前記ガイドシューの摩耗に応じて前記ガイドレールに当接して前記潤滑油を削ぎ落とすスクレーパを設けるとともに、このスクレーパを、前記ガイドシューと前記給油体との間に配置した構成にしてある。
【0014】
このように構成した請求項1に係わる発明では、乗かごに設置されるスクレーパがガイドシューの摩耗に応じてガイドレールに当接することにより、ガイドレール当接面に付着した潤滑油を削ぎ落すので、このガイドレール当接面の摩擦係数が上昇し、ガイドレールとガイドシューとの間で摩擦抵抗により異常摺動音が発生する。これによって、ガイドシューが摩耗したことを乗かご内または乗場にて知ることができ、効率よくガイドシューの摩耗状態が点検可能となる。また、従来のように電気的な検出端子や出力信号の検出手段を設ける必要がないことから、経済的なエレベータのガイド装置を提供することができる。
【0015】
また本発明の請求項2に係わる発明は、請求項1に係わる発明において、前記スクレーパを、前記ガイドシューの摩耗時に前記ガイドシューを挟んだ上下位置で前記ガイドレールに当接するように配置した構成にしてある。
【0016】
このように構成した請求項2に係わる発明では、ガイドシューを挟んだ上下位置でガイドレールに当接するようスクレーパを配置したため、ガイドシューが摩耗したとき、乗かごの上昇及び下降時にスクレーパの摺動によりガイドレール当接面の潤滑油を十分に削ぎ落とすので、確実に異常摺動音を発生させることができ、これによって、ガイドシューの摩耗状態をより正確に点検可能である。
【0017】
また、本発明の請求項3に係わる本発明は、請求項1または請求項2に係わる発明において、前記スクレーパは前記ガイドシューが交換を必要とする摩耗限界位置またはその近傍まで摩耗した際に前記ガイドレールと当接するよう配設した構成にしてある。
【0018】
このように構成した請求項3に係わる発明では、ガイドシューが交換を必要とする摩耗限界位置またはその近傍まで摩耗した際に、ガイドレールがスクレーパに当接するので、ガイドシューの交換時期またはその時期が迫っていることを異常摺動音により適切な時期に知ることができ、これによって、エレベータのガイド装置を保守点検する際に作業効率を向上させることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のエレベータのガイド装置の実施の形態を図に基づき説明する。
【0020】
図1は本発明の一実施形態に係わるエレベータのガイド装置を示す側面図、図2は図1のガイド装置の要部構成を示す横断面図である。なお、図1、図2において前述した図3、図4に示すものと同等のものには同一符号を付してある。
【0021】
図1に示す本実施形態のエレベータのガイド装置は、図3、図4に示すものと比べて、乗かご2の上部及び下部のそれぞれに、ガイドシュー14の摩耗に応じてガイドレール3に当接して潤滑油を削ぎ落とすスクレーパ20,21を備えたことが異なっており、その他の構成は基本的に同様である。上部のスクレーパ20は、乗かご2上部のブラケット9、10間に介設され、上部のガイド体5と給油体4との間に位置している。同様に、下部のスクレーパ21は、乗かご2下部のブラケット12、13間に介設され、下部のガイド体7と給油体8との間に位置している。
【0022】
図2に示すようにスクレーパ20の端縁部22は、ガイドシュー14の摩耗限界位置を示す一点差線16に沿って配設されており、ガイドシュー14が上記の摩耗限界位置まで摩耗したなら、スクレーパ20の端縁部22がガイドレール3に当接するようになっている。また、下部のスクレーパ21も同様である。
【0023】
この実施形態にあっては、上部のガイド体5のガイドシュー14が摩耗限界位置を示す一点差線16の位置まで摩耗したとき、乗かご2に設置されるスクレーパ20の端縁部22がガイドレール3の当接面に当接することにより、この当接面に付着している潤滑油膜を削ぎ落とすので、ガイドレール3当接面の摩擦係数が上昇し、ガイドレール3とガイドシュー14との間で摩擦抵抗により異常摺動音が発生する。また、下部のスクレーパ21でも同様である。
【0024】
このように構成した実施形態では、ガイドシュー14が摩耗したことを上記の異常摺動音の発生によって乗かご2内または乗場にて知ることができ、効率よくガイドシュー14の摩耗状態が点検可能となる。さらに、スクレーパ20,21自身がガイドレール3に接触しているため、乗かご2の停止前や走行開始時の低速走行状態でスティックスリツプを発生して異常音やびびり振動を起こし、ガイドシュー14の摩耗限界にあることをより容易に検知できる。したがって、保守員が定期に訪問して行う定期点検以外に上記の異常音が発生したとき、エレベータの利用客にも異常状態が判断でき、これに伴い、利用客により保守会杜へ通報があれば、エレベータの重要事故を未然に防ぐことができる。
【0025】
また、本実施形態では、従来のように電気的な検出端子や出力信号の検出手段を設ける必要がないことから、経済的なエレベータのガイド装置18,19を提供することができる。
【0026】
なお、上記実施形態では、スクレーパ20,21を上部ガイド体5の上部及び下部ガイド体7の下部に取付けた場合を例示したが、さらに加えて上部ガイド体5の下部及び下部ガイド体7の上部にもスクレーパを取付ければ、ガイドシュー14が摩耗限界まで達した場合、乗かご2の上昇及び下降時にスクレーパ20,21の摺動によりガイドレール3当接面の潤滑油を十分に削ぎ落して確実に異常摺動音を発生させることができ、ガイドシュー14の摩耗状態をより正確に点検可能である。すなわち、ガイドシュー14への潤滑油を確実に削ぎ取る効果は、ガイドシュー14を挟むようにその上下位置の両方にスクレーパを取付けた方が良い。
【0027】
また、上記実施形態では、ガイドシュー14が交換を必要とする摩耗限界位置(図2の一点差線16で示す位置)に沿ってスクレーパ20の端縁部22が位置するよう配設した場合を例示したが、上記の摩耗限界位置よりも手前側(図2の一点差線16よりも内側)に、端縁部22が位置するよう配設することにより、より早くガイドシュー14の交換時期を知ることができ、余裕を持ったガイドシュー14の点検交換作業を実現できる。
【0028】
また、上記実施形態では、スクレーパ20,21でガイドレール3当接面の潤滑油を削ぎ落とし、この状態でガイドレール3にガイドシュー14が摺動して異常音を発生するようにしたが、さらにガイドシュー14に、ガイドシュー14自身の摩耗に伴い露出する異常音発生手段を埋設して、この異常音発生手段がガイドレール3と摺動して異常音を発生するよう構成すれば、スクレーパ20,21でガイドレール3当接面の潤滑油膜は削ぎ落とされているため、異常音発生手段とガイドレール3との異常摺動音がよりいっそう効果的に発生する。
【0029】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ガイドレールに摺動係合するガイドシューが摩耗した場合、ガイドシューとガイドレールとの摺動音が変化することから、ガイドシューの摩耗状態がエレベータの乗かご内または乗場においても容易に判別できるとともに、従来のように電気的な検出端子や出力信号の検出手段を設ける必要がないので、ガイドシューの摩耗状態を効率よく、かつ安価に点検することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係わるエレベータのガイド装置を示す側面図である。
【図2】図1のガイド装置の要部構成を示す横断面図である。
【図3】従来のエレベータのガイド装置を示す側面図である。
【図4】図3のガイド装置の要部構成を示す横断面図である。
【符号の説明】
1 昇降路
2 乗かご
3 ガイドレール
4 給油体
5 ガイド体
7 ガイド体
8 給油体
14 ガイドシュー
15 保持部
20、21 スクレーパ
22 端縁部
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガイドレールに沿って乗かごを案内するエレベータのガイド装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
エレベータのガイド装置、例えば乗かごガイド装置では、乗かごの四方に設けられたガイドシューがガイドレールに摺動係合することにより、乗かごがガイドレールに沿って走行するよう乗かごの走行位置を決めている。
【0003】
図3はこの種の従来のエレベータのガイド装置を示す側面図、図4は図3のガイド装置の要部構成を示す横断面図である。
【0004】
図3に示すエレベータは、昇降路1内を昇降する乗かご2を有している。従来のエレベータのガイド装置は、昇降路1の全行程に渡り立設されるガイドレール3を備えるとともに、乗かご2の上部に、ガイドレール3に潤滑油を供給する給油体4と、ガイドレール3に係合し、乗かご2を案内するガイド体5とが設置され、乗かご2の下部に、乗かご2を非常停止させる非常止め装置6と、ガイドレール3に係合し、乗かご2を案内する他のガイド体7と、ガイドレール3に潤滑油を供給する給油体8とが設置されている。乗かご2の上部の側端には、L字形状のブラケット9が取付けられ、このブラケット9上に、平板状のブラケット10が取付けられている。乗かご2の底部の側端には、コの字形状ブラケット11が取付けられ、このブラケット11の下方に、他のコの字形状ブラケット12が取付けられ、このブラケット12の下方に、平板状のブラケット13が取付けられている。
【0005】
上部のガイド体5はブラケット9の側部に固定され、下部のガイド体7はブラケット12の側部に固定されている。また上部のガイド体5は、図4に示すように、ガイドレール3と摺動するガイドシュー14と、このガイドシュー14を保持する保持部15とからなり、下部のガイド体7も同様である。なお、図4の一点差線16は、ガイドシュー14の交換を必要とする摩耗限界位置を示している(摩耗許容値L)。
【0006】
上部の給油体4はブラケット10上に載置され、下部の給油体8はブラケット13の下部に固定されている。これらの給油体4、8は、それぞれ乗かご2の昇降に応じてガイドレール3と摺動してガイドレール3の当接面へ潤滑油を供給するようになっている。
【0007】
また、非常止め装置6はブラケット11の側部に固定され、図示しない速度計により乗かご2の過速度を検出した際に、ガイドレール3を把持することにより乗かご2を非常停止させるもので、図4に示すように非常止めローラ17を内蔵している。
【0008】
そして、上述した従来のエレベータのガイド装置では、上部のガイド体5のガイドシュー14がガイドレール3と摺動していることから、ガイドシュー14の当接面が摩耗してガイドレール3とガイドシュー14との隙間が発生するため、この隙間により乗かご2の位置決め精度が悪化してしまう。この場合、乗かご2の乗心地に影響するばかりか、乗かご2とガイドレール3との位置関係が変わってしまい非常止め装置6等の性能にも影響を与えることから、ガイドシュー14の摩耗状態を定期的に点検する必要がある。また、下部のガイド体7でも同様である。
【0009】
そこで従来、電気的な検出端子や出力信号の検出手段を備え、ガイドシューの摩耗状態を点検する乗かごガイド装置の摩耗検出装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0010】
【特許文献1】
特開平9−71372号公報(段落番号0018〜0031、図1〜7)
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来の乗かごガイド装置の摩耗検出装置では、電気的な検出端子や出力信号の検出手段が必要なことから、摩耗したガイドシューの交換の作業効率が悪いだけでなく、装置費用がかかることから経済的にも問題がある。
【0012】
本発明は、上述した従来技術における実情に鑑みてなされたもので、その目的は、ガイドレールに摺動係合するガイドシューの摩耗状態を効率よく、かつ安価に点検することのできるエレベータのガイド装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の請求項1に係わる発明は、昇降路内に立設されるガイドレールを有し、前記昇降路を昇降する乗かごに、前記ガイドレールへ潤滑油を供給する給油体と、前記ガイドレールに摺動係合するガイドシューとを備え、前記ガイドレールに沿って前記乗かごを案内するエレベータのガイド装置において、前記乗かごに、前記ガイドシューの摩耗に応じて前記ガイドレールに当接して前記潤滑油を削ぎ落とすスクレーパを設けるとともに、このスクレーパを、前記ガイドシューと前記給油体との間に配置した構成にしてある。
【0014】
このように構成した請求項1に係わる発明では、乗かごに設置されるスクレーパがガイドシューの摩耗に応じてガイドレールに当接することにより、ガイドレール当接面に付着した潤滑油を削ぎ落すので、このガイドレール当接面の摩擦係数が上昇し、ガイドレールとガイドシューとの間で摩擦抵抗により異常摺動音が発生する。これによって、ガイドシューが摩耗したことを乗かご内または乗場にて知ることができ、効率よくガイドシューの摩耗状態が点検可能となる。また、従来のように電気的な検出端子や出力信号の検出手段を設ける必要がないことから、経済的なエレベータのガイド装置を提供することができる。
【0015】
また本発明の請求項2に係わる発明は、請求項1に係わる発明において、前記スクレーパを、前記ガイドシューの摩耗時に前記ガイドシューを挟んだ上下位置で前記ガイドレールに当接するように配置した構成にしてある。
【0016】
このように構成した請求項2に係わる発明では、ガイドシューを挟んだ上下位置でガイドレールに当接するようスクレーパを配置したため、ガイドシューが摩耗したとき、乗かごの上昇及び下降時にスクレーパの摺動によりガイドレール当接面の潤滑油を十分に削ぎ落とすので、確実に異常摺動音を発生させることができ、これによって、ガイドシューの摩耗状態をより正確に点検可能である。
【0017】
また、本発明の請求項3に係わる本発明は、請求項1または請求項2に係わる発明において、前記スクレーパは前記ガイドシューが交換を必要とする摩耗限界位置またはその近傍まで摩耗した際に前記ガイドレールと当接するよう配設した構成にしてある。
【0018】
このように構成した請求項3に係わる発明では、ガイドシューが交換を必要とする摩耗限界位置またはその近傍まで摩耗した際に、ガイドレールがスクレーパに当接するので、ガイドシューの交換時期またはその時期が迫っていることを異常摺動音により適切な時期に知ることができ、これによって、エレベータのガイド装置を保守点検する際に作業効率を向上させることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のエレベータのガイド装置の実施の形態を図に基づき説明する。
【0020】
図1は本発明の一実施形態に係わるエレベータのガイド装置を示す側面図、図2は図1のガイド装置の要部構成を示す横断面図である。なお、図1、図2において前述した図3、図4に示すものと同等のものには同一符号を付してある。
【0021】
図1に示す本実施形態のエレベータのガイド装置は、図3、図4に示すものと比べて、乗かご2の上部及び下部のそれぞれに、ガイドシュー14の摩耗に応じてガイドレール3に当接して潤滑油を削ぎ落とすスクレーパ20,21を備えたことが異なっており、その他の構成は基本的に同様である。上部のスクレーパ20は、乗かご2上部のブラケット9、10間に介設され、上部のガイド体5と給油体4との間に位置している。同様に、下部のスクレーパ21は、乗かご2下部のブラケット12、13間に介設され、下部のガイド体7と給油体8との間に位置している。
【0022】
図2に示すようにスクレーパ20の端縁部22は、ガイドシュー14の摩耗限界位置を示す一点差線16に沿って配設されており、ガイドシュー14が上記の摩耗限界位置まで摩耗したなら、スクレーパ20の端縁部22がガイドレール3に当接するようになっている。また、下部のスクレーパ21も同様である。
【0023】
この実施形態にあっては、上部のガイド体5のガイドシュー14が摩耗限界位置を示す一点差線16の位置まで摩耗したとき、乗かご2に設置されるスクレーパ20の端縁部22がガイドレール3の当接面に当接することにより、この当接面に付着している潤滑油膜を削ぎ落とすので、ガイドレール3当接面の摩擦係数が上昇し、ガイドレール3とガイドシュー14との間で摩擦抵抗により異常摺動音が発生する。また、下部のスクレーパ21でも同様である。
【0024】
このように構成した実施形態では、ガイドシュー14が摩耗したことを上記の異常摺動音の発生によって乗かご2内または乗場にて知ることができ、効率よくガイドシュー14の摩耗状態が点検可能となる。さらに、スクレーパ20,21自身がガイドレール3に接触しているため、乗かご2の停止前や走行開始時の低速走行状態でスティックスリツプを発生して異常音やびびり振動を起こし、ガイドシュー14の摩耗限界にあることをより容易に検知できる。したがって、保守員が定期に訪問して行う定期点検以外に上記の異常音が発生したとき、エレベータの利用客にも異常状態が判断でき、これに伴い、利用客により保守会杜へ通報があれば、エレベータの重要事故を未然に防ぐことができる。
【0025】
また、本実施形態では、従来のように電気的な検出端子や出力信号の検出手段を設ける必要がないことから、経済的なエレベータのガイド装置18,19を提供することができる。
【0026】
なお、上記実施形態では、スクレーパ20,21を上部ガイド体5の上部及び下部ガイド体7の下部に取付けた場合を例示したが、さらに加えて上部ガイド体5の下部及び下部ガイド体7の上部にもスクレーパを取付ければ、ガイドシュー14が摩耗限界まで達した場合、乗かご2の上昇及び下降時にスクレーパ20,21の摺動によりガイドレール3当接面の潤滑油を十分に削ぎ落して確実に異常摺動音を発生させることができ、ガイドシュー14の摩耗状態をより正確に点検可能である。すなわち、ガイドシュー14への潤滑油を確実に削ぎ取る効果は、ガイドシュー14を挟むようにその上下位置の両方にスクレーパを取付けた方が良い。
【0027】
また、上記実施形態では、ガイドシュー14が交換を必要とする摩耗限界位置(図2の一点差線16で示す位置)に沿ってスクレーパ20の端縁部22が位置するよう配設した場合を例示したが、上記の摩耗限界位置よりも手前側(図2の一点差線16よりも内側)に、端縁部22が位置するよう配設することにより、より早くガイドシュー14の交換時期を知ることができ、余裕を持ったガイドシュー14の点検交換作業を実現できる。
【0028】
また、上記実施形態では、スクレーパ20,21でガイドレール3当接面の潤滑油を削ぎ落とし、この状態でガイドレール3にガイドシュー14が摺動して異常音を発生するようにしたが、さらにガイドシュー14に、ガイドシュー14自身の摩耗に伴い露出する異常音発生手段を埋設して、この異常音発生手段がガイドレール3と摺動して異常音を発生するよう構成すれば、スクレーパ20,21でガイドレール3当接面の潤滑油膜は削ぎ落とされているため、異常音発生手段とガイドレール3との異常摺動音がよりいっそう効果的に発生する。
【0029】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ガイドレールに摺動係合するガイドシューが摩耗した場合、ガイドシューとガイドレールとの摺動音が変化することから、ガイドシューの摩耗状態がエレベータの乗かご内または乗場においても容易に判別できるとともに、従来のように電気的な検出端子や出力信号の検出手段を設ける必要がないので、ガイドシューの摩耗状態を効率よく、かつ安価に点検することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係わるエレベータのガイド装置を示す側面図である。
【図2】図1のガイド装置の要部構成を示す横断面図である。
【図3】従来のエレベータのガイド装置を示す側面図である。
【図4】図3のガイド装置の要部構成を示す横断面図である。
【符号の説明】
1 昇降路
2 乗かご
3 ガイドレール
4 給油体
5 ガイド体
7 ガイド体
8 給油体
14 ガイドシュー
15 保持部
20、21 スクレーパ
22 端縁部
Claims (3)
- 昇降路内に立設されるガイドレールを有し、前記昇降路を昇降する乗かごに、前記ガイドレールへ潤滑油を供給する給油体と、前記ガイドレールに摺動係合するガイドシューとを備え、前記ガイドレールに沿って前記乗かごを案内するエレベータのガイド装置において、
前記乗かごに、前記ガイドシューの摩耗に応じて前記ガイドレールに当接して前記潤滑油を削ぎ落とすスクレーパを設けるとともに、このスクレーパを、前記ガイドシューと前記給油体との間に配置したことを特徴とするエレベータのガイド装置。 - 請求項1記載のエレベータのガイド装置において、前記スクレーパを、前記ガイドシューの摩耗時に前記ガイドシューを挟んだ上下位置で前記ガイドレールに当接するように配置したことを特徴とするエレベータのガイド装置。
- 請求項1または請求項2に記載のエレベータのガイド装置において、前記スクレーパを、前記ガイドシューが交換を必要とする摩耗限界位置またはその近傍まで摩耗した際に前記ガイドレールと当接するように配設したことを特徴とするエレベータのガイド装置
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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2002
- 2002-10-03 JP JP2002291293A patent/JP2004123331A/ja active Pending
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