JP2004123213A - 切取り線付き熱収縮性フィルム及び切取り線形成方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】微小孔の列からなる切取り線が形成された切取り線付き熱収縮性フィルムであって、該切取り線(1)は、微小孔(2)の孔ピッチが粗密に変化して並ぶ単位パターン(U)の繰り返しで構成された微小孔の列からなる。所望により、2種以上の異なる単位パターンを有する微小孔(2)の列の縦列として形成される。この切取り線の形成は、レーザービームを使用し、相対移動する熱収縮性フィルムに対し所定周期の基本発振パルスにおける所定のパルス発振を周期的に休止させた間欠パルス発振によるビーム照射を行なうことにより効率良く遂行される。ビーム照射工程において発振パルスの波形変換処理が適宜施される。
【選択図】図4
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、シュリンクチューブとしてボトル等の容器に装着される切取り線付き熱収縮性フィルム及びその切取り線の形成方法に係り、特に容器に対するチューブの安定な装着状態を確保するための耐破袋性と容器からの分離を容易にするための良好な切れ性とを備えた切取り線を効率的に形成し得るようにしたものである。
【0002】
【従来の技術】
横一軸延伸プラスチックフィルムの延伸方向を周方向として形成されるシュリンクチューブ(熱収縮性チューブ)は、飲料等の容器の商品表示ラベル、容器口部の封緘用キャップシール等として使用されている。シュリンクチューブは、図15に示すようにミシン目状の切取り線(1)を有するのが一般である。切取り線(1)は、容器に装着されたシュリンクチューブ(10)を容器から分離(容器口部を開封する際のキャップシールの除去、容器使用後の容器とラベルの分別回収等)するのに必要である。
【0003】
切取り線(1)は、刃物(トムソン刃,回転刃等)を打ち抜き機でフィルムに押付けることにより、刃物押抜き痕であるスリット状の微小孔からなるミシン目として形成されている。別法としてレーザービームを利用してフィルム面にビームをパルス照射し、ビームの照射痕として一定の孔ピッチを有する微小孔の列からなるミシン目として形成することも提案されている(特開2002−179029号公報)。
【0004】
チューブ(10)の切取り線は、切れ性が良好なことと併せて、容器へのチューブ装着工程や、チューブを装着した容器(飲料充填ボトル等)の流通過程における耐破袋性に優れていることを要する。容器への装着工程(チューブ10の加熱収縮工程)では、チューブの熱収縮変形に伴って切取り線(1)に応力(引張り応力)が集中し易く、流通過程では不時の落下衝撃(プラスチックボトルでは落下衝撃により瞬間的に膨出変形する)で切取り線に大きな引張り応力が作用し、破袋(切取り線を起点とするチューブの破断)を生じることがあるからである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
切取り線(1)が形成されたチューブの耐破袋性と切れ性とは相反する性質である。切れ性は、微小孔の孔ピッチを密にすることにより高められるが、それに伴い耐破袋性が低下する。これと反対に、孔ピッチを粗くすると、耐破袋性は良くなるが、切れ性が悪くなる。
【0006】
本発明は上記に鑑み、切れ性と耐破袋性とを同時に充足し、装着工程や流通過程における切取り線を起点とする破袋を防止すると共に、シュリンクチューブの分離(容器口部の開封,使用済み容器とラベルの分別回収等)に要求される良好な切れ性を備えた切取り線熱収縮性フィルム及びその切取り線の効率的な形成方法を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、熱収縮性フィルムに微小孔の列からなる切取り線が形成された切取り線付き熱収縮性フィルムであって、該切取り線が、微小孔の孔ピッチが粗密に変化して並ぶ単位パターンの繰り返しで構成された微小孔の列からなることを特徴としている。この構成によれば、微小孔の孔ピッチが粗である部分で耐破袋性を確保しつつ、微小孔の孔ピッチが密である部分で切れ性を向上させることができ、従って切取り線の切れ性と耐破袋性という相反する2つの特性を同時に満たすことが可能となる。
【0008】
上記切取り線は、所望により、前記単位パターンの異なる微小孔の列が2種以上縦列した形態が与えられる。この構成によれば、シュリンクチューブの装着対象であるボトル等の容器の形状や装着態様に応じた配列パターンを用いて、各部に異なる特性を付加することが可能となる。
なお、本明細書において、微小孔の「孔ピッチ」とは、隣り合う微小孔の中心間距離を指し、微小孔の列の「縦列」とは、異なる単位パターンの微小孔の列が、その列方向に連続していることを意味している。
【0009】
本発明の切取り線の形成は、代表的には、レーザービーム照射を適用して行なわれる。これは、レーザービームに対し相対移動する熱収縮性フィルムにレーザービームを照射して微小孔の列からなる切取り線を形成する切取り線形成方法であって、レーザービームの所定周期の基本発振パルスにおける所定のパルス発振を周期的に休止させた間欠パルス発振を行なうことにより、微小孔のピッチが粗密に変化して並ぶ単位パターンの繰り返しで構成された微小孔の列からなる切取り線を形成することを特徴としている。この構成によれば、パルス信号処理で、間欠パルス発振の波形が簡単に変えられ、所望の配列パターンの微小孔の列で構成された切取り線が容易に得られる。
【0010】
上記切取り線形成方法において、所望により、前記間欠パルス発振を異なる波形に切り替えることによって2種以上の微小孔の列を縦列させるパルス発振制御が行なわれる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について実施例を示す図面を参照して具体的に説明する。
図1は、微小孔のピッチが粗密に変化して並ぶ単位パターンの繰り返しとして構成された切取り線の微小孔の配列パターンを例示している。〇マークは熱収縮性フィルムに形成された微小孔(2)を示し、a2はその位置に微小孔が存在しない(図では同じ孔ピッチp0で形成された場合の微小孔の形成位置を鎖線の〇マークで示している)。この切取り線(1)は、孔ピッチp0の微小孔(2)を2個有し、微小孔1個分の孔なし部を含む単位パターンU1が周期T1 [=p0×(2+1)=3p0]で切取り線方向に反復する配列パターンを有しており、微小孔(2)の孔ピッチがp0である密の部分と、微小孔の孔ピッチがpa(=2p0)である粗の部分との繰り返しで構成されている。
【0012】
本発明における切取り線は、刃物の打ち抜き痕であるスリット状の微小孔の列からなるミシン目として形成され、あるいはレーザービームのパルス照射による微小孔の列からなるミシン目として形成される。レーザービームのパルス照射による場合は、パルス波形の変換処理によりパルスの間欠休止を含む任意・多様なパルスパターンを設定することにより、単位パターンの繰り返しで構成された切取り線、又は単位パターンの異なる2種以上の微小孔の列が縦列した切取り線を効率よく形成することができる。
【0013】
次にレーザービームのパルス照射による切取り線の形成について説明する。
フィルムの表面にレーザービームを照射すると、ビーム照射点は瞬時に溶解・蒸発し照射痕として微小孔(2)が形成される。フィルムを一定速度で移送しながらレーザービームをパルス照射することにより、ビームの走査方向に並んだ微小孔(2)の列であるミシン目状の切取り線が形成される。微小孔(2)の孔ピッチp0は、ビームの発振周期及び走査速度(フィルム移送速度)により拡縮(増減)調整が可能である。本発明によれば、パルス休止を挿入するパルス波形の変換処理により、従来の切取り線と異なって孔ピッチが粗密に変化して並ぶ単位パターンが切取り線方向に繰り返されて構成される種々の配列パターンをもつ切取り線が得られる。
【0014】
図2〜図4の[a][b]は、レーザービームのパルス波形パターンと、形成される微小孔の配列パターンの例を示している( [a]:パルスPlsの波形パターン、[b]:微小孔2の配列パターン)。 各図の[a]における鎖線はパルスの休止(パルス発振なし)を示している。各図中に付記したTmは次式で示される単位パターンUmの周期である。
Tm=p0×(n0+na)
[式中、n0:1ないし連続する発振パルス数
na:1ないし連続する発振休止パルス数 ]
【0015】
図2は、基本発振パルス(連続発振パルス、孔ピッチp0)において、3パルス発振(微小孔形成)ごとに1つのパルス休止(微小孔省略)を挿入した「3発振−1休止(=3打1休)」の間欠パルスパターンを単位パターンU2とするパルス波形に変換して微小孔(2)の列を形成した例、図3は4パルス発振(微小孔形成)ごとに2つの連続するパルス休止(微小孔省略)を挿入した「4発振−2休止(=4打2休)」の間欠パルスパターンを単位パターンU3とするパルス波形で微小孔(2)の列を形成した例である。また、図4は単位パターンの異なる2種の微小孔の列からなる切取り線の例を示している。この切取り線は、「3発振−1休止(=3打1休)」を単位パターンU4とする微小孔の列(図の左半域)と、「2発振−1休止(2打1休)」を単位パターンU5とする微小孔の列 (図の右半域)が縦列して構成されている。
【0016】
上記図2〜図4の各微小孔配列パターンを相互比較すると、図2(パルス発振パターン=3打1休)の切取り線は、孔ピッチp0の微小孔3個を有し、微小孔1個分の孔なし部を含む単位パターンU2が、周期T2[=p0×(3+1)=4p0]で切取り線方向に反復する配列パターンを有し、図3(パルス発振パターン=4打2休)の切取り線は、孔ピッチp0の微小孔4個を有し、微小孔2個分の孔なし部を含む単位パターンU3が周期T3[=p0×(4+2)=6p0]で切取り線方向に反復する配列パターンを有している。また、図4(パルス発振パターン=図の左半域「3打1休」−図の右半域「2打1休」)の切取り線は、孔ピッチp0の微小孔3個を有し、微小孔1個分の孔なし部を含む単位パターンU4が、周期T4[=p0×(3+1)=4p0]で切取り線方向に反復する配列パターン(左半域)と、孔ピッチp0の微小孔2個を有し、微小孔1個分の孔なし部を含む単位パターンU5が、周期T5[=p0×(2+1)=3p0]で切取り線方向に反復する配列パターン(右半域)との組合せとして構成されている。
【0017】
図5は、フィルム連続移送ラインにおけるレーザービームのパルス照射について、連続パルス信号の作成とそのパルス信号を所望の波形パターンに変換するための演算フローを示している。まず連続移送ラインのフィルム移送速度が、フィルム送りローラの回転速度としてロータリーエンコーダ(f1)で読み取られ、P/A変換器(f2)でアナログ変換されたうえ、ファンクションジェネレータ等の信号発生器(パルスジェネレータ)(f3)に入力される。信号発生器(f3)では、基本発振パルス信号として、移送ライン内のフィルム送り速度に対応するパルス信号(孔ピッチp0の微小孔の列が形成される連続発振波形)がフリップフロップ等の論理回路を用いて作成される。
【0018】
信号発生器(f3)で作成された基本発振パルス信号は、P/A変換器(f4)および演算器(f5)に入力される。P/A変換器(f4)からは照射制御電圧がレーザーコントローラー(f6)に入力される。演算器(f5)ではロジック回路によるパルス波形の加工(パルス休止を含む波形への変換)が行なわれ、加工されたパルス信号が演算器(f5)からレーザーコントローラー(f6)にゲート入力される。レーザーコントローラー(f6)の制御信号によりレーザー発振器から、連続移送ライン内のフィルムに対し制御されたパルス波形・出力のパルス照射が行なわれる。
【0019】
図6[a]は上記演算フローにおける演算器(f5)のロジック回路の例を示している。このロジック回路は、回路(C1)と回路(C2)とが並列し任意に切替え可能に構成されている。同図[b]は、ロジック回路の入力信号(前記信号発生器f3で作成された連続パルス信号)(SI)及び加工された出力信号(SO1)(SO2)の各波形を示している。入力信号(SI)は、回路(C1)で処理される場合、同図[b]のパルス波形「SO1」(図では「3打−1休」のパターン)に変換され、回路(C2)で処理される場合は、同図[b]のパルス波形「SO2」(図では「2打−1休」パターン)に変換されて出力される。回路(C1)と(C2)の切替え(波形変換パターンの切替え)は任意であり、従って前記図4に例示したように、切取り線の微小孔(2)の配列パターンを切取り線方向の部分ごとに自由に切り替えることができる。
【0020】
図7は、パルス波形を加工したレーザービーム照射で切取り線(1)を形成したチューブ(10)を例示している。このチューブは、例えば図15のボトル(20)等の胴部に装着される。切取り線(1)のA及びC部(チューブの開口端縁域)の微小孔と、B部(A及びB部を除く内側域)の微小孔の配列パターンを比較すると、A部(チューブを除去するときの切取り始端となる部分)における微小孔の密度は高く、B部(容器の落下衝撃による破袋を生じ易い部分)の密度は相対的に低い。これをパルス波形の「発振−休止パターン」で示せば、例えばA部とC部は「3打−1休」のパルス波形で形成された微小孔の配列パターンを有し、B部は「2打−1休」のパルス波形で形成された配列パターンを有している。なおD部(図15のボトルの胴部くびれ21に対面する部分)は、所望により、耐破袋性をより高めるために、配列密度をより低くし、例えば「1打−1休」の配列パターンが与えられる。
【0021】
図9は、フィルム連続移送ラインにおける、レーザービームのパルス照射による切取り線の形成ライン(L1)と、切取り線を形成した後のセンターシール(チューブ成形)ライン(L2)とを連続工程として実施する例を示している。センターシールライン(L2)は、接着剤塗布装置(フィルムの重ね接着代となる縁部に接着剤を塗布)や、重ね接着代を圧着する押圧ロール等が配置された従来一般の構成を有している。フィルムロール(31)から巻出される長尺のフィルム(F)は送りローラ(33)により制御された所定速度で連続移送(矢符)され、レーザー発振器(32)によるパルス照射により切取り線が形成される。切取り線が形成されたフィルムは、センターシールライン(L2)でフィルムの左右両端縁を接着代として長尺の筒状体(10’)に成形され、ついでロール(36)に巻き取られる。
【0022】
図10は、センターシール工程を経て得られた長尺の筒状体(10’)を示している。鎖線(CL)は裁断位置を示し、筒状体(10’)を鎖線(CL)部で裁断することにより製品チューブ(チューブ長さl10)(10)が得られる。筒状体(10’)の切取り線(1)は、各製品チューブ(チューブ長さl10)ごとに、切取り線の長手方向の各部分(図の例ではA,B,Cの各部分)における微小孔(2)の配列パターンが変えられていると共に、各配列パターンがチューブ長さ(l10)に対応した周期で反復している。微小孔(2)の配列パターンの変更は、前記図5及び図6を参照して説明したレーザービームのパルス波形の変換・切替えにより自在に行なわれる。
【0023】
レーザービームのパルス照射において、横一軸延伸熱収縮性フィルムの延伸方向と直行する向きにビームを走査して形成される切取り線(1)は、図11〜13に示すように特異な形態を有する。微小孔(2)の周縁(21)はやや厚肉化し(図12,図13)、かつ微小孔(2)の列に沿ってその両側に堤状の厚肉部(3)が延在している。厚肉部(3)はフィルムの表裏両側に膨出し、その膨出厚さは微小孔(2)の孔ピッチに略一致した周期で高低の起伏をなしている。このような形態を呈するのは、ビーム照射(フィルムの延伸方向と直交する向きに走査)に伴う熱影響として、微小孔(2)の近傍に生じる局所的な熱収縮応力(フィルム延伸方向)及び表面張力の作用によると考えられる。
【0024】
上記の形態は切取り線の機能を高めるのに有効である。微小孔(2)の周縁(21)が厚肉に縁取りされていることは、チューブ装着工程や装着商品の流通過程における耐破袋性を高め、また微小孔(2)の列の両側に延在する堤状の厚肉部(3,3)は、チューブ(10)を容器(20)から分離する時のガイド機能を奏し、切取り方向のずれ(チューブの横裂け)を阻止し、切取り線(1)の全長に亘るスムースな切取りを容易化する効果を有する。
【0025】
上記微小孔(2)の両側の厚肉部(3)の膨出厚さ、膨出部(3)の対向幅(微小孔2の列を挟んで向い合う左右の厚肉部同士の間隔)等は、ビーム照射条件により異なるが、厚肉部(3)の肉厚(t3)は、約1.1tF〜5tF(tFはフィルムの肉厚)、厚肉部(3)の対向幅(w3)は約1.5mm以下であり、微小孔(2)の孔径(d)は約1mm以下である。微小孔(2)の孔径は出力の増減により制御される。微小孔(2)の孔形状はレーザービーム照射条件により走査方向(切取り線方向)にやや長い長円形状を呈することがあり、この場合の孔径(d)は切取り線方向の差し渡し径とその直交方向の差し渡し径の相加平均で表示される。なお、微小孔(2)の孔ピッチ(p)(隣り合う微小孔同士の中心間距離)について、加工前の連続パルス波形(図6[a]の入力信号SI波形)により形成される微小孔(2)の孔ピッチ(p)は、例えば0.1〜1.0mmである。
【0026】
熱収縮性フィルム(F)は、シュリンクチューブ材として一般的な材種、例えばポリエステル系フィルム,ポリスチレン系フィルム,ポリプロピレン系フィルム等からなる横一軸延伸フィルムである。肉厚は、例えば10〜150μmである。なお、「横一軸延伸」とはヨコ方向(チューブの周方向)のみの延伸加工のほか、 ヨコ/タテ2方向延伸フィルムであっても実質的に横一軸延伸材とみなせるものも含まれる。ヨコ/タテ2方向延伸において、ヨコ方向の延伸倍率が2倍以上(例えば2〜7倍)で、タテ方向が約1.5倍以下であれば、シュリンクチューブ成型用フィルムとして支障なく使用することができる。
【0027】
切取り線の形成に使用されるレーザ発振器は、炭酸ガス,YAG,半導体等、フィルムに吸収されるレーザービームを発振するものであればよい。レーザーは出力制御が容易であり、レーザービームはシュリンクチューブの代表的材種であるポリエステル系フィルムに対する吸収性も良好なことから好適に使用される。フィルムの表面又は裏面には商品情報(商品名,成分,用法,製造・販売元名等)の表示や加飾のための印刷を施されているのが一般である。レーザーのパルス照射はフィルムの印刷面又は非印刷面のいずれに行なってもよい。
また切取り線(1)の形態は、前記図15に例示した1本のミシン目として形成されるほか、図14に示すように、2本の切取り線を適宜の間隔(例えば5−10mm)を置いて平行線として形成しテープ状に切取るようにすることもできる。
【0028】
【実施例】
フィルム連続移送ライン(図9)でフィルムの連続移送下に、炭酸ガスレーザー発振器のレーザービーム照射による切取り線の形成、センターシールによる長尺筒状体(10’)(図10)の形成、筒状体の裁断の工程を経由し、製品シュリンクチューブ(10)を得る。
【0029】
(1)フィルム
「スペースクリーンS7553」(東洋紡績(株)製ポリエステルフィルム)
熱収縮率:ヨコ方向68%,タテ方向4%(90℃温水×10sec) 肉厚:50μm
(2)切取り線の微小孔配列パターン
チューブのA,B,Cの各部(図7)における微小孔の配列パターンは次のように調整。
【0030】
[供試チューブ▲1▼] (発明例1)
A部−C部…(パルス波形:3発振−1休止=3打1休)
[供試チューブ▲2▼](発明例2)
A部…3打1休(パルス波形:3発振−1休止=3打1休)
B部…2打1休(パルス波形:2発振−1休止=2打1休)
C部…3打1休(パルス波形:3発振−1休止=3打1休)
[供試チューブ▲3▼](比較例)
A部−C部…連続パルス(パルス休止なし)
【0031】
各供試チューブにおける微小孔の孔ピッチ(図8参照)は次のとおりである(同図[a]:3打1休パターン、[b]:2打1休パターン)。
孔ピッチp0(連続パルス発振部):1.0mm
孔ピッチpa(1パルス休止部):2.0mm(=p0×2)
【0032】
なお、各供試チューブの微小孔(2)の孔径及び微小孔列の形態(図10−図12参照)は次のとおりである。
微小孔の孔径(d)*1:0.5mm
厚肉部の肉厚(t3) :70μm
厚肉部の対向幅(w3):0.7mm
*1…孔径(d)(=0.5mm)は切取り線方向の差し渡し径とそれと直交する向きの差し渡し径との相加平均値。
【0033】
(3)ボトルへの装着及び耐破袋性評価試験
(3.1)ボトルへの装着
ボトルの胴部に被せ加熱処理により装着。
(3.2)耐破袋性試験(落下衝撃試験)
供試チューブを装着したボトル(飲料充填)を1.5mの高さから、コンクリート床面にボトル底部が衝突するように落下させた後、ラベルの切取り線部の破断の有無を検査する。
【0034】
(4)耐破袋性及び切れ性の評価
供試チューブ▲1▼〜▲3▼のいずれも、チューブ装着工程での破袋はなく装着操作性は良好であり、かつチューブをボトルから除去する切れ性にも実質的な差異はない。しかし、耐破袋性評価試験において、供試チューブ▲3▼(比較例)は胴部中央付近で切取り線部の裂けが観察されたのに対し、供試チューブ▲1▼及び▲2▼(発明例)にはそのような異常はなく、健全なチューブ形態を維持している。
【0035】
なお、本発明により形成される切取り線は、上述した各実施態様の配列パターンに限定されるものではなく、微小孔の孔ピッチが粗密に変化して並ぶ単位パターンの繰り返しで構成されていれば、別の配列パターンであってもよく、例えば微小孔の孔ピッチを少しずつ増減させることによって、粗密の配列パターンを構成してもよい。
【0036】
【発明の効果】
本発明によれば、切取り線を構成する微小孔の列を、孔ピッチが粗密に変化して並ぶ単位パターンの繰り返しで構成することによって、シュリンクチューブの耐破袋性と切れ性の両特性を満たす切取り線を効率的に形成することができる。微小孔の形成にレーザービームのパルス照射を適用する場合は、パルス波形の多様かつ自在な加工処理により、容器の種類・形態に応じた多様な配列パターンを効率良く形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】切取り線を形成する微小孔の配列パターンの例を示す平面説明図である。
【図2】レーザービームのパルス波形と微小孔の配列パターンの対応の例を示す説明図([a]:パルス波形,[b]:微小孔分布)である。
【図3】レーザービームのパルス波形と微小孔の配列パターンの対応の例を示す説明図([a]:パルス波形, [b]:微小孔配列パターン)である。
【図4】レーザービームのパルス波形と微小孔の配列パターンの対応の例を示す説明図([a]:パルス波形, [b]:微小孔配列パターン)である。
【図5】レーザービームのパルス波形変換の演算フローの例を示す図である。
【図6】パルス波形変換のためのロジック回路及び入出力信号の例を示す図([a]:ロジック回路、[b]:パルス信号)の例を示す図である。
【図7】シュリンクチューブに形成された切取り線の説明図である。
【図8】微小孔の孔ピッチの説明図である。
【図9】レーザービーム照射によるフィルムの切取り線形成とチューブ成形(センターシール)工程を示す図である。
【図10】センターシール工程で得られる長尺筒状体の切取り線の説明図である。
【図11】レーザービーム照射により形成される切取り線の形態を示す平面図である。
【図12】図10のX−X矢視断面図である。
【図13】図10のY−Y矢視断面図である。
【図14】切取り線の他の形態を示す正面図である。
【図15】容器に対するシュリンクチューブの装着例を示す正面図である。
【符号の説明】
1:切取り線
2:微小孔
21:孔縁
3:厚肉部
10:シュリンクチューブ
10’:長尺筒状体
20:ボトル
21:ボトルくびれ部
31:フィルムロール
32:レーザービーム発振器
33:フィルム送りローラ
34:チューブロール
F:熱収縮性フィルム
L1:レーザービーム照射(切取り線形成)工程
L2:センターシール(筒状体形成)工程
CL:筒状体の裁断位置
p0,pa:孔ピッチ
Claims (4)
- 熱収縮性フィルムに微小孔の列からなる切取り線が形成された切取り線付き熱収縮性フィルムであって、
該切取り線が、微小孔の孔ピッチが粗密に変化して並ぶ単位パターンの繰り返しで構成された微小孔の列からなることを特徴とする切取り線付き熱収縮性フィルム。 - 前記単位パターンの異なる微小孔の列が2種以上縦列している請求項1に記載の切取り線付き熱収縮性フィルム。
- レーザービームに対し相対移動する熱収縮性フィルムにレーザービームを照射して微小孔の列からなる切取り線を形成する切取り線形成方法であって、
レーザービームの所定周期の基本発振パルスにおける所定のパルス発振を周期的に休止させた間欠パルス発振を行なうことにより、微小孔の孔ピッチが粗密に変化して並ぶ単位パターンの繰り返しで構成された微小孔の列からなる切取り線を形成することを特徴とする切取り線形成方法。 - 前記間欠パルス発振を異なる波形に切り替えることによって2種以上の微小孔の列を縦列させることを特徴とする請求項3に記載の切取り線形成方法。
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