JP2004122908A - 車両のバンパ装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】車体11にスライド可能に取付けたバンパビーム41をアクチュエータ31で車体11外方に突出することのできる車両のバンパ装置において、バンパビーム41を外方に突出させる前のバンパビーム41の設定位置を通常位置と呼ぶときに、バンパビーム41に連結するワイヤ57と、このワイヤ57を巻き取ることで突出させたバンパビーム41を復帰させる巻取り機構58とを有するアクチュエータ31とを備え、巻取り機構58を、バンパビーム41の突出方向に伸びるフレーム(サイドフレーム)21内に設けた。
【効果】他の部品のレイアウトの自由度の拡大を図ることができるとともに、泥や小石の跳ね上げ又は雨などの跳ね上げ等から巻取り機構を保護することができる。
【選択図】 図3
【効果】他の部品のレイアウトの自由度の拡大を図ることができるとともに、泥や小石の跳ね上げ又は雨などの跳ね上げ等から巻取り機構を保護することができる。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両にかかる衝撃を吸収する車両のバンパ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両にかかる衝撃の大きさによってバンパを前後移動するようにした車両のバンパ装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
実開平5−32165号公報(第2頁、図1−図2)
【0004】
同公報の図2及び図3を再掲し上記技術を説明する。ただし、同公報に記載の符号を新しく振り直すとともに記載の名称も一部変更した。
図8は実開平5−32165号公報の図2及び図3の再掲図である。
(a)に示す車両のリヤバンパ装置200は、左右一対のサイドフレーム201,202にクロスメンバ203を渡し、このクロスメンバ203に電動ウインチ204を載置し、左右のサイドフレーム201,202にブラケット208・・・(・・・は複数個を示す。以下同じ)を介してアウタチューブ205,206を取付け、これらのアウタチューブ205,206にインナチューブ211,212をスライド可能に取付けるとともに(b)に示す油圧バッファ207,207(一方の207は不図示)でインナチューブ211,212を外方に付勢し、これらのインナチューブ211,212の先端に心材バンパ213渡し、この心材バンパ213の外表面を外装バンパ214で覆い、電動ウインチ204にワイヤ215の一端を巻き付けるとともに他端を心材バンパ213に結び付けたものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記の車両のリヤバンパ装置200では、左右一対のサイドフレーム201,202にクロスメンバ203を渡し、このクロスメンバ203に電動ウインチ204を載置したものであり、電動ウインチ204を特定空間を専用する配置をしたものであり、他の部品の配置の妨げになることもある。
また、電動ウインチ204が左右のサイドフレーム201,202の間に露出した形態であり、外からの影響を受けやすい。例えば、泥や小石の跳ね上げによる損傷又は雨などの跳ね上げによる錆の発生などの懸念が残る。
【0006】
そこで、本発明の目的は、電動ウインチなどの巻取り機能を有するアクチュエータを、他の部品のレイアウトの妨げになることがなく、外からの影響を受けることが少なく構成する技術を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1は、車体にスライド可能に取付けたバンパビームをアクチュエータで車体外方に突出することのできる車両のバンパ装置において、バンパビームを外方に突出させる前のバンパビームの設定位置を通常位置と呼ぶときに、アクチュエータに、バンパビームに連結するワイヤと、このワイヤを巻き取ることで突出させたバンパビームを通常位置に復帰させる巻取り機構とを備え、巻取り機構を、バンパビームの突出方向に伸びるフレーム内に設けたことを特徴とする。
【0008】
巻取り機構を、バンパビームの突出方向に伸びるフレーム内に設けることで、アクチュエータの主要部品となる巻取り機構をバンパビームの突出方向に伸びるフレームの内部に収納することができる。
この結果、他の部品のレイアウトの自由度の拡大を図ることができるとともに、泥や小石の跳ね上げ又は雨などの跳ね上げ等からアクチュエータの巻取り機構を保護することができる。
【0009】
請求項2は、アクチュエータを、フレームの内部に収納したベース部材と、このベース部材にスライド可能に取付けた圧縮可能なスライド部材と、このスライド部材の先端に取付けたバンパ取付け板と、これらのバンパ取付け板とベース部材との間に介在させた圧縮ばねと、ベース部材とスライド部材との間に介在させることでバンパ取付け板側を通常位置にて係止するロック機構と、バンパ取付け板に一端を取付けたワイヤと、このワイヤの他端を巻き取るためにフレームの内部に収納する巻取り機構と、から構成したことを特徴とする。
【0010】
前記フレームの内部にベース部材を収納し、このベース部材にスライド可能に圧縮可能なスライド部材を取付け、このスライド部材の先端にバンパ取付け板を取付け、これらのバンパ取付け板とベース部材との間に圧縮ばねを介在させ、ベース部材とスライド部材との間にバンパ取付け板側を通常位置にて係止するロック機構を介在させ、バンパ取付け板に一端にワイヤを取付け、このワイヤの他端を巻き取るためにフレームの内部に巻取り機構を収納することで、ベース部材、スライド部材、巻取り機構などのアクチュエータの構成部品をコンパクトにまとめることができる。
【0011】
請求項3は、アクチュエータを、バンパ取付け板とロック機構との間に小さな衝撃が加わる時に破断又は変形可能な変形部材を備えることで、通常位置においてバンパビームを車体内方に変位可能に支持したことを特徴とする。
アクチュエータを、バンパ取付け板とロック機構との間に小さな衝撃が加わる時に破断又は変形可能な変形部材を備え、通常位置においてバンパビームを車体内方に変位可能に支持することで、バンパビームの突出をさせない状態においても、ワイヤがたわむことでバンパビームを車体内方に変位させることができる。
この結果、車両のバンパ装置の衝撃吸収機能の向上を図ることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、「前」、「後」、「左」、「右」、「上」、「下」は運転者から見た方向に従い、Frは前側、Rrは後側、Lは左側、Rは右側を示す。また、図面は符号の向きに見るものとする。
【0013】
図1は本発明に係る車両のバンパ装置を搭載した車両の斜視図である。
図中、10は車両、11は車体、12は前輪、13は前照灯、14はボンネット、15はルーフ、16はフロントウインドウ、17は前ドア、18はドアミラー、19はフロントフェンダ、21,22はバンパビームの突出方向に伸びるフレームとしての左右のサイドフレーム、23はクロスメンバ、24はレーダ、25は制御部であり、車両のバンパ装置30は、レーダ24からの情報で車両10の進行方向に障害物(不図示)を発見し、この障害物が車両10に衝突する可能性が高いときに、制御部25の指示で予めバンパを車両10の前方に突出させ、衝撃吸収能力を増大させる装置である。以下、車両のバンパ装置30の詳細を説明する。
【0014】
図2は本発明に係る車両のバンパ装置の平面図であり、車両のバンパ装置30は、左右のサイドフレーム21,22に設けた左右のアクチュエータ31,32と、これらのアクチュエータ31,32で支持するとともに駆動するフロントバンパ33(以下、バンパ33」と略記する)と、からなる。
【0015】
バンパ33は、バンパビーム41と、このバンパビーム41に被せたバンパ外装部42と、これらのバンパビーム41とバンパ外装部42との間に介在させたクッション材43とからなる。なお、46は左のアクチュエータ31に取付ける取付け部、47は右のアクチュエータ32に取付ける取付け部である。なお、27,28は左右のサイドフレーム21,22のステー部を示す。
【0016】
図3は本発明に係る車両のバンパ装置の左のアクチュエータの平面図である。左のアクチュエータ31は、左のサイドフレーム21内に主要部品を収納したユニットであって、左のサイドフレーム21の内部に収納したベース部材51と、このベース部材51にスライド可能に取付けたスライド部材52と、このスライド部材52の先端に取付けたバンパ取付け板53と、これらのバンパ取付け板53とベース部材51との間に介在させた圧縮ばね54と、バンパ取付け板53の内側に設けることで所定の荷重が作用するときに破断又は変形を許容する変形部材55と、スライド部材52側をベース部材51側に止めるために変形部材55と左のサイドフレーム21との間に介在させたロック機構56と、バンパ取付け板53に一端を取付けたワイヤ57と、このワイヤ57の他端を巻き取るために左のサイドフレーム21の内部に収納する巻取り機構58と、突出させたスライド部材52を止めるためにベース部材51及び左のサイドフレーム21廻りに形成したストッパ機構59と、からなる。
【0017】
ベース部材51は、スライド部材52をガイドするガイドシャフト62と、ストッパ機構59の構成部品を支持する左右の支持部63,64と、圧縮ばね54を受けるばね受け部65を備える。
スライド部材52は、本体部66と、この本体部66に被せた圧縮可能な筒部材67と、この筒部材67に円板68を介して取付けた蛇腹状部材69と、からなり、本体部66は、ストッパ機構59の構成部品を嵌合させる凹部71を形成したものである。
【0018】
ロック機構56は、左のサイドフレーム21に取付けた電磁コイル73,73と、これらの電磁コイル73,73でロック/アンロックをさせるために変形部材55に取付けた鉄心74,74とを主要構成とした機構であって、電磁コイル73,73をONにしたときに鉄心74,74をアンロックにし、電磁コイル73,73をOFFにしたときに鉄心74,74をロックする機構である。
【0019】
巻取り機構58は、左のサイドフレーム21のステー部27に取付けたギヤモータ76と、このギヤモータ76に電磁クラッチ77を介して取付けた巻取りリール78とからなる。
【0020】
ストッパ機構59は、ベース部材51の支持部63,64にそれぞれスイング可能に取付けた係止爪81,82と、これらの係止爪81,82の爪部83,84をスライド部材52側に付勢するトーションばね85,86と、左右の係止爪81,82の作用部87,88を押すことで爪部83,84をスライド部材52の凹部71から解除する解除ピン91,92と、とからなり、解除ピン91,92は、電磁的に駆動することのできるピンであり、電源ON状態で係止爪81,82の作用部87,88を押し、電源OFF状態で作用部87,88から離れるように構成したピンである。
【0021】
右のアクチュエータ32(図2参照)は、左のアクチュエータ31と左右対称に右のサイドフレーム22に構成したユニットであり、詳細な説明を省略する。
【0022】
例えば、車体にスライド可能に取付けたバンパビームを車体外方に突出させるためのアクチュエータを、他の部品のレイアウトの妨げになることがなく配置したり、泥や小石の跳ね上げ又は雨などの跳ね上げ等から保護するようにすることは好ましいことである。
【0023】
車両のバンパ装置30は、車体11(図1参照)にスライド可能に取付けたバンパビーム41をアクチュエータ31で車体11外方に突出することのできる車両のバンパ装置において、バンパビーム41を外方に突出させる前のバンパビーム41の設定位置を通常位置と呼ぶときに、アクチュエータ31に、バンパビーム41に連結するワイヤ57と、このワイヤ57を巻き取ることで突出させたバンパビーム41を通常位置に復帰させる巻取り機構58とを備え、巻取り機構58を、バンパビーム41の突出方向に伸びるフレーム(サイドフレーム)21内に設けたものであると言える。
【0024】
巻取り機構58を、サイドフレーム21内に設けることで、アクチュエータ31の主要部品となる巻取り機構58をサイドフレーム21の内部に収納することができる。
この結果、他の部品のレイアウトの自由度の拡大を図ることができるとともに、泥や小石の跳ね上げ又は雨などの跳ね上げ等からアクチュエータ31の巻取り機構58を保護することができる。
【0025】
また、車両のバンパ装置30は、アクチュエータ31を、車体11側のサイドフレーム21の内部に収納したベース部材51と、このベース部材51にスライド可能に取付けた圧縮可能なスライド部材52と、このスライド部材52の先端に取付けたバンパ取付け板53と、これらのバンパ取付け板53とベース部材51との間に介在させた圧縮ばね54と、ベース部材51とスライド部材52との間に介在させることでバンパ取付け板53側を通常位置にて係止するロック機構56と、バンパ取付け板53に一端を取付けたワイヤ57と、このワイヤ57の他端を巻き取るためにサイドフレーム21の内部に収納する巻取り機構58と、から構成したものと言える。
【0026】
すなわち、車体11(図1参照)側のサイドフレーム21の内部にベース部材51を収納し、このベース部材51にスライド可能に圧縮可能なスライド部材52を取付け、このスライド部材52の先端にバンパ取付け板53を取付け、これらのバンパ取付け板53とベース部材51との間に圧縮ばね54を介在させ、ベース部材51とスライド部材52との間にバンパ取付け板53側を通常位置にて係止するロック機構56を介在させ、バンパ取付け板53に一端にワイヤ57を取付け、このワイヤ57の他端を巻き取るためにサイドフレーム21の内部に巻取り機構58を収納することで、ベース部材51、スライド部材52、巻取り機構58などのアクチュエータ31の構成部品ををコンパクトにまとめることができる。
【0027】
さらに、車両のバンパ装置30は、アクチュエータ31を、バンパ取付け板53とロック機構56との間に小さな衝撃が加わる時に破断又は変形可能な変形部材55を備えることで、通常位置においてバンパビーム41を車体11(図1参照)内方に変位可能に支持したものとも言える。
アクチュエータ31を、バンパ取付け板53とロック機構56との間に小さな衝撃が加わる時に破断又は変形可能な変形部材55を備え、通常位置においてバンパビーム41を車体11内方に変位可能に支持することで、バンパビーム41の突出をさせない状態においても、ワイヤ57がたわむことでバンパビーム41を車体11内方に変位させることができる。
この結果、車両のバンパ装置30の衝撃吸収機能の向上を図ることができる。
【0028】
以上に述べた車両のバンパ装置30の作用を次に説明する。
図4(a)〜(b)は本発明に係る車両のバンパ装置の作用説明図(その1)である。
(a)において、バンパビーム41を外方に突出させる前の車両のバンパ装置30の状態を示す。すなわち、通常位置では解除ピン91,92で係止爪81,82の作用部87,88を押し、ロック機構56は、鉄心74,74側が電磁コイル73,73側にロック状態にあることを示す。
【0029】
(b)において、ロック機構56をアンロック状態にし、巻取り機構58の電磁クラッチ77をOFF状態にすることで、バンパビーム41を矢印▲1▼の如く車両10(図1参照)の外方(前方)に移動する。この時に、解除ピン91,92を解除状態にすることで、係止爪81,82をトーションばね85,86でスライド部材52側に矢印▲2▼,▲2▼の如く回転させる。
【0030】
(c)において、バンパビーム41を矢印▲3▼の如く車両10(図1参照)の前方に突出させた結果、係止爪81,82の爪部83,84をスライド部材52の凹部71に嵌合させ、バンパビーム41を最前位置で止める。すなわち、この状態は、車両のバンパ装置30の衝撃吸収能力を最大に高めたことを示す。
【0031】
図5(a),(b)は本発明に係る車両のバンパ装置の作用説明図(その2)である。
(a)において、障害物(不図示)がバンパ33に当たらなかった場合は、巻取り機構58の電磁クラッチ77をON状態にするとともに、解除ピン91,92を作用させてスライド部材52の凹部71から係止爪81,82を矢印▲4▼,▲4▼の如く外す。
(b)において、ギヤモータ76を回転し、巻取りリール78を矢印▲5▼の如く回転してワイヤ57を巻取りリール78で巻き取ることで、バンパビーム41を矢印▲6▼の如く後退する。
【0032】
図6(a),(b)は本発明に係る車両のバンパ装置の作用説明図(その3)である。
(a)において、バンパビーム41を通常位置まで戻し、ロック機構56をロック状態にし、巻取り機構58のギヤモータ76を停止し、電磁クラッチ77をON状態にする。すなわち、ロック機構56、巻取り機構58を初期状態に戻す。
(b)において、バンパビーム41の突出前に障害物(不図示)がバンパ33矢印▲7▼の如くに当たった場合は、変形部材55を破断又は変形させることで、バンパビーム41を後退させることができる。
【0033】
図7は本発明に係る車両のバンパ装置の制御ブロック図であり、車両のバンパ装置30の制御の一例を示す。
車両のバンパ装置は、レーダ24からの情報を制御部25に送り、制御部25で左右のアクチュエータ31,32のロック機構56,56、巻取り機構58,58、ストッパ機構59,59を制御するものであり、レーダ24で障害物(不図示)を検知した情報を制御部25で認識した場合に、制御部25でロック機構56,56をアンロック状態にし、巻取り機構58,58の電磁クラッチ77をOFF状態にし、ストッパ機構59,59の解除ピン91,91,92,92を解除状態にする。この結果、バンパビーム41は車両10(図1参照)前方に突出することができる。
【0034】
また、突出させたバンパビーム41を通常位置に戻すときは、制御部25で、ストッパ機構59,59の解除ピン91,91,92,92を作動状態にし、巻取り機構58,58の電磁クラッチ77,77をON状態にし、ギヤモータ76,76を回転させてワイヤ57,57を巻取り、バンパビーム41を通常位置まで復帰させてギヤモータ76,76を停止させ、ロック機構56,56をロック状態にする。
【0035】
尚、実施の形態では図2に示すように、バンパ33を車体11(図1参照)の外方に移動できる車両のバンパ装置30として説明したが、これに限るものではなく、車両のバンパ装置は、車両後方に移動できるリヤバンパ、車両側方に移動できるサイドバンパやサイドプロテクタ等であってもよい。
また、実施の形態では図7に示すように、車両のバンパ装置30の制御の一例を示したが、これに限るものではなく、バンパ33に荷重センサを設け、この荷重センサが所定の荷重を検出したときに、ギヤモータ76を駆動してワイヤ57を巻取り、バンパ33(バンパビーム41)が車両10(図1参照)内部に移動するようにアシストすることで、車両のバンパ装置30の衝撃吸収効果を増大させるように制御するものであってもよい。
【0036】
【発明の効果】
本発明は上記構成により次の効果を発揮する。
請求項1では、アクチュエータに、バンパビームに連結するワイヤと、このワイヤを巻き取ることで突出させたバンパビームを通常位置に復帰させる巻取り機構とを備え、巻取り機構を、バンパビームの突出方向に伸びるフレーム内に設けたので、アクチュエータの主要部品となる巻取り機構をバンパビームの突出方向に伸びるフレームの内部に収納することができる。
この結果、他の部品のレイアウトの自由度の拡大を図ることができるとともに、泥や小石の跳ね上げ又は雨などの跳ね上げ等からアクチュエータを保護することができる。
【0037】
請求項2では、アクチュエータを、フレームの内部に収納したベース部材と、このベース部材にスライド可能に取付けた圧縮可能なスライド部材と、このスライド部材の先端に取付けたバンパ取付け板と、これらのバンパ取付け板とベース部材との間に介在させた圧縮ばねと、ベース部材とスライド部材との間に介在させることでバンパ取付け板側を通常位置にて係止するロック機構と、バンパ取付け板に一端を取付けたワイヤと、このワイヤの他端を巻き取るためにフレームの内部に収納する巻取り機構と、から構成したので、ベース部材、スライド部材、巻取り機構などのアクチュエータの構成部品をコンパクトにまとめることができる。
【0038】
請求項3では、アクチュエータを、バンパ取付け板とロック機構との間に小さな衝撃が加わる時に破断又は変形可能な変形部材を備えることで、通常位置においてバンパビームを車体内方に変位可能に支持したので、バンパビームの突出をさせない状態においても、ワイヤがたわむことでバンパビームを車体内方に変位させることができる。
この結果、車両のバンパ装置の衝撃吸収機能の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る車両のバンパ装置を搭載した車両の斜視図
【図2】本発明に係る車両のバンパ装置の平面図
【図3】本発明に係る車両のバンパ装置の左のアクチュエータの平面図
【図4】本発明に係る車両のバンパ装置の作用説明図(その1)
【図5】本発明に係る車両のバンパ装置の作用説明図(その2)
【図6】本発明に係る車両のバンパ装置の作用説明図(その3)
【図7】本発明に係る車両のバンパ装置の制御ブロック図
【図8】実開平5−32165号公報の図1及び図2の再掲図
【符号の説明】
10…車両、11…車体、21,22…バンパビームの突出方向に伸びるフレーム(左右のサイドフレーム)、31,32…左右のアクチュエータ、33…バンパ、41…バンパビーム、51…ベース部材、52…スライド部材、53…バンパ取付け板、54…圧縮ばね、55…変形部材、56…ロック機構、57…ワイヤ、58…巻取り機構。
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両にかかる衝撃を吸収する車両のバンパ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両にかかる衝撃の大きさによってバンパを前後移動するようにした車両のバンパ装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
実開平5−32165号公報(第2頁、図1−図2)
【0004】
同公報の図2及び図3を再掲し上記技術を説明する。ただし、同公報に記載の符号を新しく振り直すとともに記載の名称も一部変更した。
図8は実開平5−32165号公報の図2及び図3の再掲図である。
(a)に示す車両のリヤバンパ装置200は、左右一対のサイドフレーム201,202にクロスメンバ203を渡し、このクロスメンバ203に電動ウインチ204を載置し、左右のサイドフレーム201,202にブラケット208・・・(・・・は複数個を示す。以下同じ)を介してアウタチューブ205,206を取付け、これらのアウタチューブ205,206にインナチューブ211,212をスライド可能に取付けるとともに(b)に示す油圧バッファ207,207(一方の207は不図示)でインナチューブ211,212を外方に付勢し、これらのインナチューブ211,212の先端に心材バンパ213渡し、この心材バンパ213の外表面を外装バンパ214で覆い、電動ウインチ204にワイヤ215の一端を巻き付けるとともに他端を心材バンパ213に結び付けたものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記の車両のリヤバンパ装置200では、左右一対のサイドフレーム201,202にクロスメンバ203を渡し、このクロスメンバ203に電動ウインチ204を載置したものであり、電動ウインチ204を特定空間を専用する配置をしたものであり、他の部品の配置の妨げになることもある。
また、電動ウインチ204が左右のサイドフレーム201,202の間に露出した形態であり、外からの影響を受けやすい。例えば、泥や小石の跳ね上げによる損傷又は雨などの跳ね上げによる錆の発生などの懸念が残る。
【0006】
そこで、本発明の目的は、電動ウインチなどの巻取り機能を有するアクチュエータを、他の部品のレイアウトの妨げになることがなく、外からの影響を受けることが少なく構成する技術を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1は、車体にスライド可能に取付けたバンパビームをアクチュエータで車体外方に突出することのできる車両のバンパ装置において、バンパビームを外方に突出させる前のバンパビームの設定位置を通常位置と呼ぶときに、アクチュエータに、バンパビームに連結するワイヤと、このワイヤを巻き取ることで突出させたバンパビームを通常位置に復帰させる巻取り機構とを備え、巻取り機構を、バンパビームの突出方向に伸びるフレーム内に設けたことを特徴とする。
【0008】
巻取り機構を、バンパビームの突出方向に伸びるフレーム内に設けることで、アクチュエータの主要部品となる巻取り機構をバンパビームの突出方向に伸びるフレームの内部に収納することができる。
この結果、他の部品のレイアウトの自由度の拡大を図ることができるとともに、泥や小石の跳ね上げ又は雨などの跳ね上げ等からアクチュエータの巻取り機構を保護することができる。
【0009】
請求項2は、アクチュエータを、フレームの内部に収納したベース部材と、このベース部材にスライド可能に取付けた圧縮可能なスライド部材と、このスライド部材の先端に取付けたバンパ取付け板と、これらのバンパ取付け板とベース部材との間に介在させた圧縮ばねと、ベース部材とスライド部材との間に介在させることでバンパ取付け板側を通常位置にて係止するロック機構と、バンパ取付け板に一端を取付けたワイヤと、このワイヤの他端を巻き取るためにフレームの内部に収納する巻取り機構と、から構成したことを特徴とする。
【0010】
前記フレームの内部にベース部材を収納し、このベース部材にスライド可能に圧縮可能なスライド部材を取付け、このスライド部材の先端にバンパ取付け板を取付け、これらのバンパ取付け板とベース部材との間に圧縮ばねを介在させ、ベース部材とスライド部材との間にバンパ取付け板側を通常位置にて係止するロック機構を介在させ、バンパ取付け板に一端にワイヤを取付け、このワイヤの他端を巻き取るためにフレームの内部に巻取り機構を収納することで、ベース部材、スライド部材、巻取り機構などのアクチュエータの構成部品をコンパクトにまとめることができる。
【0011】
請求項3は、アクチュエータを、バンパ取付け板とロック機構との間に小さな衝撃が加わる時に破断又は変形可能な変形部材を備えることで、通常位置においてバンパビームを車体内方に変位可能に支持したことを特徴とする。
アクチュエータを、バンパ取付け板とロック機構との間に小さな衝撃が加わる時に破断又は変形可能な変形部材を備え、通常位置においてバンパビームを車体内方に変位可能に支持することで、バンパビームの突出をさせない状態においても、ワイヤがたわむことでバンパビームを車体内方に変位させることができる。
この結果、車両のバンパ装置の衝撃吸収機能の向上を図ることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、「前」、「後」、「左」、「右」、「上」、「下」は運転者から見た方向に従い、Frは前側、Rrは後側、Lは左側、Rは右側を示す。また、図面は符号の向きに見るものとする。
【0013】
図1は本発明に係る車両のバンパ装置を搭載した車両の斜視図である。
図中、10は車両、11は車体、12は前輪、13は前照灯、14はボンネット、15はルーフ、16はフロントウインドウ、17は前ドア、18はドアミラー、19はフロントフェンダ、21,22はバンパビームの突出方向に伸びるフレームとしての左右のサイドフレーム、23はクロスメンバ、24はレーダ、25は制御部であり、車両のバンパ装置30は、レーダ24からの情報で車両10の進行方向に障害物(不図示)を発見し、この障害物が車両10に衝突する可能性が高いときに、制御部25の指示で予めバンパを車両10の前方に突出させ、衝撃吸収能力を増大させる装置である。以下、車両のバンパ装置30の詳細を説明する。
【0014】
図2は本発明に係る車両のバンパ装置の平面図であり、車両のバンパ装置30は、左右のサイドフレーム21,22に設けた左右のアクチュエータ31,32と、これらのアクチュエータ31,32で支持するとともに駆動するフロントバンパ33(以下、バンパ33」と略記する)と、からなる。
【0015】
バンパ33は、バンパビーム41と、このバンパビーム41に被せたバンパ外装部42と、これらのバンパビーム41とバンパ外装部42との間に介在させたクッション材43とからなる。なお、46は左のアクチュエータ31に取付ける取付け部、47は右のアクチュエータ32に取付ける取付け部である。なお、27,28は左右のサイドフレーム21,22のステー部を示す。
【0016】
図3は本発明に係る車両のバンパ装置の左のアクチュエータの平面図である。左のアクチュエータ31は、左のサイドフレーム21内に主要部品を収納したユニットであって、左のサイドフレーム21の内部に収納したベース部材51と、このベース部材51にスライド可能に取付けたスライド部材52と、このスライド部材52の先端に取付けたバンパ取付け板53と、これらのバンパ取付け板53とベース部材51との間に介在させた圧縮ばね54と、バンパ取付け板53の内側に設けることで所定の荷重が作用するときに破断又は変形を許容する変形部材55と、スライド部材52側をベース部材51側に止めるために変形部材55と左のサイドフレーム21との間に介在させたロック機構56と、バンパ取付け板53に一端を取付けたワイヤ57と、このワイヤ57の他端を巻き取るために左のサイドフレーム21の内部に収納する巻取り機構58と、突出させたスライド部材52を止めるためにベース部材51及び左のサイドフレーム21廻りに形成したストッパ機構59と、からなる。
【0017】
ベース部材51は、スライド部材52をガイドするガイドシャフト62と、ストッパ機構59の構成部品を支持する左右の支持部63,64と、圧縮ばね54を受けるばね受け部65を備える。
スライド部材52は、本体部66と、この本体部66に被せた圧縮可能な筒部材67と、この筒部材67に円板68を介して取付けた蛇腹状部材69と、からなり、本体部66は、ストッパ機構59の構成部品を嵌合させる凹部71を形成したものである。
【0018】
ロック機構56は、左のサイドフレーム21に取付けた電磁コイル73,73と、これらの電磁コイル73,73でロック/アンロックをさせるために変形部材55に取付けた鉄心74,74とを主要構成とした機構であって、電磁コイル73,73をONにしたときに鉄心74,74をアンロックにし、電磁コイル73,73をOFFにしたときに鉄心74,74をロックする機構である。
【0019】
巻取り機構58は、左のサイドフレーム21のステー部27に取付けたギヤモータ76と、このギヤモータ76に電磁クラッチ77を介して取付けた巻取りリール78とからなる。
【0020】
ストッパ機構59は、ベース部材51の支持部63,64にそれぞれスイング可能に取付けた係止爪81,82と、これらの係止爪81,82の爪部83,84をスライド部材52側に付勢するトーションばね85,86と、左右の係止爪81,82の作用部87,88を押すことで爪部83,84をスライド部材52の凹部71から解除する解除ピン91,92と、とからなり、解除ピン91,92は、電磁的に駆動することのできるピンであり、電源ON状態で係止爪81,82の作用部87,88を押し、電源OFF状態で作用部87,88から離れるように構成したピンである。
【0021】
右のアクチュエータ32(図2参照)は、左のアクチュエータ31と左右対称に右のサイドフレーム22に構成したユニットであり、詳細な説明を省略する。
【0022】
例えば、車体にスライド可能に取付けたバンパビームを車体外方に突出させるためのアクチュエータを、他の部品のレイアウトの妨げになることがなく配置したり、泥や小石の跳ね上げ又は雨などの跳ね上げ等から保護するようにすることは好ましいことである。
【0023】
車両のバンパ装置30は、車体11(図1参照)にスライド可能に取付けたバンパビーム41をアクチュエータ31で車体11外方に突出することのできる車両のバンパ装置において、バンパビーム41を外方に突出させる前のバンパビーム41の設定位置を通常位置と呼ぶときに、アクチュエータ31に、バンパビーム41に連結するワイヤ57と、このワイヤ57を巻き取ることで突出させたバンパビーム41を通常位置に復帰させる巻取り機構58とを備え、巻取り機構58を、バンパビーム41の突出方向に伸びるフレーム(サイドフレーム)21内に設けたものであると言える。
【0024】
巻取り機構58を、サイドフレーム21内に設けることで、アクチュエータ31の主要部品となる巻取り機構58をサイドフレーム21の内部に収納することができる。
この結果、他の部品のレイアウトの自由度の拡大を図ることができるとともに、泥や小石の跳ね上げ又は雨などの跳ね上げ等からアクチュエータ31の巻取り機構58を保護することができる。
【0025】
また、車両のバンパ装置30は、アクチュエータ31を、車体11側のサイドフレーム21の内部に収納したベース部材51と、このベース部材51にスライド可能に取付けた圧縮可能なスライド部材52と、このスライド部材52の先端に取付けたバンパ取付け板53と、これらのバンパ取付け板53とベース部材51との間に介在させた圧縮ばね54と、ベース部材51とスライド部材52との間に介在させることでバンパ取付け板53側を通常位置にて係止するロック機構56と、バンパ取付け板53に一端を取付けたワイヤ57と、このワイヤ57の他端を巻き取るためにサイドフレーム21の内部に収納する巻取り機構58と、から構成したものと言える。
【0026】
すなわち、車体11(図1参照)側のサイドフレーム21の内部にベース部材51を収納し、このベース部材51にスライド可能に圧縮可能なスライド部材52を取付け、このスライド部材52の先端にバンパ取付け板53を取付け、これらのバンパ取付け板53とベース部材51との間に圧縮ばね54を介在させ、ベース部材51とスライド部材52との間にバンパ取付け板53側を通常位置にて係止するロック機構56を介在させ、バンパ取付け板53に一端にワイヤ57を取付け、このワイヤ57の他端を巻き取るためにサイドフレーム21の内部に巻取り機構58を収納することで、ベース部材51、スライド部材52、巻取り機構58などのアクチュエータ31の構成部品ををコンパクトにまとめることができる。
【0027】
さらに、車両のバンパ装置30は、アクチュエータ31を、バンパ取付け板53とロック機構56との間に小さな衝撃が加わる時に破断又は変形可能な変形部材55を備えることで、通常位置においてバンパビーム41を車体11(図1参照)内方に変位可能に支持したものとも言える。
アクチュエータ31を、バンパ取付け板53とロック機構56との間に小さな衝撃が加わる時に破断又は変形可能な変形部材55を備え、通常位置においてバンパビーム41を車体11内方に変位可能に支持することで、バンパビーム41の突出をさせない状態においても、ワイヤ57がたわむことでバンパビーム41を車体11内方に変位させることができる。
この結果、車両のバンパ装置30の衝撃吸収機能の向上を図ることができる。
【0028】
以上に述べた車両のバンパ装置30の作用を次に説明する。
図4(a)〜(b)は本発明に係る車両のバンパ装置の作用説明図(その1)である。
(a)において、バンパビーム41を外方に突出させる前の車両のバンパ装置30の状態を示す。すなわち、通常位置では解除ピン91,92で係止爪81,82の作用部87,88を押し、ロック機構56は、鉄心74,74側が電磁コイル73,73側にロック状態にあることを示す。
【0029】
(b)において、ロック機構56をアンロック状態にし、巻取り機構58の電磁クラッチ77をOFF状態にすることで、バンパビーム41を矢印▲1▼の如く車両10(図1参照)の外方(前方)に移動する。この時に、解除ピン91,92を解除状態にすることで、係止爪81,82をトーションばね85,86でスライド部材52側に矢印▲2▼,▲2▼の如く回転させる。
【0030】
(c)において、バンパビーム41を矢印▲3▼の如く車両10(図1参照)の前方に突出させた結果、係止爪81,82の爪部83,84をスライド部材52の凹部71に嵌合させ、バンパビーム41を最前位置で止める。すなわち、この状態は、車両のバンパ装置30の衝撃吸収能力を最大に高めたことを示す。
【0031】
図5(a),(b)は本発明に係る車両のバンパ装置の作用説明図(その2)である。
(a)において、障害物(不図示)がバンパ33に当たらなかった場合は、巻取り機構58の電磁クラッチ77をON状態にするとともに、解除ピン91,92を作用させてスライド部材52の凹部71から係止爪81,82を矢印▲4▼,▲4▼の如く外す。
(b)において、ギヤモータ76を回転し、巻取りリール78を矢印▲5▼の如く回転してワイヤ57を巻取りリール78で巻き取ることで、バンパビーム41を矢印▲6▼の如く後退する。
【0032】
図6(a),(b)は本発明に係る車両のバンパ装置の作用説明図(その3)である。
(a)において、バンパビーム41を通常位置まで戻し、ロック機構56をロック状態にし、巻取り機構58のギヤモータ76を停止し、電磁クラッチ77をON状態にする。すなわち、ロック機構56、巻取り機構58を初期状態に戻す。
(b)において、バンパビーム41の突出前に障害物(不図示)がバンパ33矢印▲7▼の如くに当たった場合は、変形部材55を破断又は変形させることで、バンパビーム41を後退させることができる。
【0033】
図7は本発明に係る車両のバンパ装置の制御ブロック図であり、車両のバンパ装置30の制御の一例を示す。
車両のバンパ装置は、レーダ24からの情報を制御部25に送り、制御部25で左右のアクチュエータ31,32のロック機構56,56、巻取り機構58,58、ストッパ機構59,59を制御するものであり、レーダ24で障害物(不図示)を検知した情報を制御部25で認識した場合に、制御部25でロック機構56,56をアンロック状態にし、巻取り機構58,58の電磁クラッチ77をOFF状態にし、ストッパ機構59,59の解除ピン91,91,92,92を解除状態にする。この結果、バンパビーム41は車両10(図1参照)前方に突出することができる。
【0034】
また、突出させたバンパビーム41を通常位置に戻すときは、制御部25で、ストッパ機構59,59の解除ピン91,91,92,92を作動状態にし、巻取り機構58,58の電磁クラッチ77,77をON状態にし、ギヤモータ76,76を回転させてワイヤ57,57を巻取り、バンパビーム41を通常位置まで復帰させてギヤモータ76,76を停止させ、ロック機構56,56をロック状態にする。
【0035】
尚、実施の形態では図2に示すように、バンパ33を車体11(図1参照)の外方に移動できる車両のバンパ装置30として説明したが、これに限るものではなく、車両のバンパ装置は、車両後方に移動できるリヤバンパ、車両側方に移動できるサイドバンパやサイドプロテクタ等であってもよい。
また、実施の形態では図7に示すように、車両のバンパ装置30の制御の一例を示したが、これに限るものではなく、バンパ33に荷重センサを設け、この荷重センサが所定の荷重を検出したときに、ギヤモータ76を駆動してワイヤ57を巻取り、バンパ33(バンパビーム41)が車両10(図1参照)内部に移動するようにアシストすることで、車両のバンパ装置30の衝撃吸収効果を増大させるように制御するものであってもよい。
【0036】
【発明の効果】
本発明は上記構成により次の効果を発揮する。
請求項1では、アクチュエータに、バンパビームに連結するワイヤと、このワイヤを巻き取ることで突出させたバンパビームを通常位置に復帰させる巻取り機構とを備え、巻取り機構を、バンパビームの突出方向に伸びるフレーム内に設けたので、アクチュエータの主要部品となる巻取り機構をバンパビームの突出方向に伸びるフレームの内部に収納することができる。
この結果、他の部品のレイアウトの自由度の拡大を図ることができるとともに、泥や小石の跳ね上げ又は雨などの跳ね上げ等からアクチュエータを保護することができる。
【0037】
請求項2では、アクチュエータを、フレームの内部に収納したベース部材と、このベース部材にスライド可能に取付けた圧縮可能なスライド部材と、このスライド部材の先端に取付けたバンパ取付け板と、これらのバンパ取付け板とベース部材との間に介在させた圧縮ばねと、ベース部材とスライド部材との間に介在させることでバンパ取付け板側を通常位置にて係止するロック機構と、バンパ取付け板に一端を取付けたワイヤと、このワイヤの他端を巻き取るためにフレームの内部に収納する巻取り機構と、から構成したので、ベース部材、スライド部材、巻取り機構などのアクチュエータの構成部品をコンパクトにまとめることができる。
【0038】
請求項3では、アクチュエータを、バンパ取付け板とロック機構との間に小さな衝撃が加わる時に破断又は変形可能な変形部材を備えることで、通常位置においてバンパビームを車体内方に変位可能に支持したので、バンパビームの突出をさせない状態においても、ワイヤがたわむことでバンパビームを車体内方に変位させることができる。
この結果、車両のバンパ装置の衝撃吸収機能の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る車両のバンパ装置を搭載した車両の斜視図
【図2】本発明に係る車両のバンパ装置の平面図
【図3】本発明に係る車両のバンパ装置の左のアクチュエータの平面図
【図4】本発明に係る車両のバンパ装置の作用説明図(その1)
【図5】本発明に係る車両のバンパ装置の作用説明図(その2)
【図6】本発明に係る車両のバンパ装置の作用説明図(その3)
【図7】本発明に係る車両のバンパ装置の制御ブロック図
【図8】実開平5−32165号公報の図1及び図2の再掲図
【符号の説明】
10…車両、11…車体、21,22…バンパビームの突出方向に伸びるフレーム(左右のサイドフレーム)、31,32…左右のアクチュエータ、33…バンパ、41…バンパビーム、51…ベース部材、52…スライド部材、53…バンパ取付け板、54…圧縮ばね、55…変形部材、56…ロック機構、57…ワイヤ、58…巻取り機構。
Claims (3)
- 車体にスライド可能に取付けたバンパビームをアクチュエータで車体外方に突出することのできる車両のバンパ装置において、
前記バンパビームを外方に突出させる前のバンパビームの設定位置を通常位置と呼ぶときに、
前記アクチュエータは、前記バンパビームに連結するワイヤと、このワイヤを巻き取ることで突出させた前記バンパビームを前記通常位置に復帰させる巻取り機構とを備え、
前記巻取り機構を、前記バンパビームの突出方向に伸びるフレーム内に設けたことを特徴とする車両のバンパ装置。 - 前記アクチュエータは、前記フレームの内部に収納したベース部材と、このベース部材にスライド可能に取付けた圧縮可能なスライド部材と、このスライド部材の先端に取付けたバンパ取付け板と、これらのバンパ取付け板とベース部材との間に介在させた圧縮ばねと、前記ベース部材と前記スライド部材との間に介在させることで前記バンパ取付け板側を前記通常位置にて係止するロック機構と、前記バンパ取付け板に一端を取付けたワイヤと、このワイヤの他端を巻き取るために前記フレームの内部に収納する巻取り機構と、からなることを特徴とする請求項1記載の車両のバンパ装置。
- 前記アクチュエータは、前記バンパ取付け板と前記ロック機構との間に、小さな衝撃が加わる時に破断又は変形可能な変形部材を備えることで、前記通常位置において前記バンパビームを車体内方に変位可能に支持したことを特徴とする請求項2記載の車両のバンパ装置。
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