JP2004122259A - 研削盤の適応制御装置 - Google Patents

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Kenichi Kato
加藤 賢一
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Abstract

【課題】速度オーバライド機能を使用することなく適応制御時の速度制御を行うことが可能な研削盤の適応制御装置を提供する。
【解決手段】設定電力値に基づく速度指令を生成するNC部2と、NC部2が生成した速度指令に基づいてサーボモータを駆動させるための駆動電流を発生するサーボ部3と、サーボ部3が発生した駆動電流に基づいて工作物Wに切込送りを与える前記サーボモータとしての切込軸モータ9と、砥石10を回転駆動させる砥石軸モータ8と、砥石軸モータ8における実際の電力値としての電力フィードバック値を検出する電力検出部7と、NC部2から入力した前記設定電力値と電力検出部7から入力した前記電力フィードバック値とに基づいて位相差パルスを生成する電力−速度換算部6と、を有し、サーボ部3では、電力−速度換算部6が生成した前記位相差パルスを入力し、この位相差パルスに基づいて前記速度指令を補正するようにした。
【選択図】 図6

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、研削盤等の工作機械における適応制御研削装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば内面研削盤等での研削加工においては、加工時間が短い効果的な研削を行うために、切込軸の送りをリアルタイムにコントロールして研削抵抗を制御する必要がある。このための手段として、従来は、研削負荷情報を切込軸の制御装置にフィードバックすることにより切込速度を制御する適応制御研削方法が行われてきた。この方法は、加工プログラムの指令ブロック毎に指定された送り速度に対して、PLC(プログラマブル・ロジック・コントローラ)におけるPLCプログラムにおいて速度オーバライド値を変更したり、あるいは制御装置固有の演算により内部的に指令速度を増減したりすることにより、切込速度の制御を実現するものである。
【0003】
ところで、適応制御を行わない研削サイクルでは、図1の切込み線図及び図2の加工プログラムに示すように、送り指令コマンド(G01)を含む各指令ブロック毎に、送り速度指令(f)により送り速度を変化させながら切り込むことになる。この場合、シミュレーション結果である図5の下図に示すように、電力線(研削法線抵抗に比例する値)は各指令ブロック毎に指数的なカーブを描くことが知られている。これは、特許文献1で開示されているように、以下のことを前提条件としている。すなわち、図3の従来技術における適用制御の構成例及び図4の研削抵抗メカニズムに示すように、切込速度Vx で工作物Wが研削砥石に圧接するように切込軸モータを制御した場合、工作物Wの実際の内径増加速度(実内径増加速度)Vr と、そのときの法線研削抵抗Fn との間には、Gを研削定数とすると、式(1)に示す関係が成立する。
【0004】
【数1】
Figure 2004122259
【0005】
また、研削法線抵抗Fn は砥石軸モータの電力負荷に比例することもわかっている。一方、切込速度Vx で定速切込みをおこなった場合、研削経過時間tにおける工作物Wの取り付け台の切込み量をXとすると、法線研削抵抗Fn と実際の内径増加量Xr との間には、Sを剛性定数とすると、式(2)に示す関係が成立する。
【0006】
【数2】
Figure 2004122259
【0007】
また、実内径増加速度Vr と実際の内径増加量Xr との間にはVr =dXr /dtなる関係が成立するので、式(1)及び式(2)から式(3)が導き出される。
【0008】
【数3】
Figure 2004122259
【0009】
この式(3)の微分方程式から判断すると、内面研削は時定数TG =1/(T・S)の1次遅れ系とみなすことができる。これをシミュレーションした結果が図5である。この図5の上図は、図2に示したような加工プログラムのもとに加工を行った際の、切込位置(切込量)Xと実際の内径増加量Xr の時間推移を示したものである。この図によれば、内径増加量Xr は切込位置Xに対して、ある遅れをもって推移している様子が伺える。図5の下図をみても明らかなように、一定速度で研削を行った場合は、指数的に一定の研削法線抵抗(砥石軸モータの電力値)に収束することが理解できる。この結果からみると、加工タクトタイムを短縮する目的で切込速度Vx を上げれば、収束までの時定数は短くなるが、砥石の支持部(クイル)のたわみが大きくなるので加工面がテーパ状になってしまう。そこで、研削法線抵抗が収束値にいち早く達するように、適応制御を利用することにより送り速度をリアルタイムに制御する必要があるわけである。
【0010】
通常、適応制御においては、外部PLC(プログラマブル・ロジック・コントローラ)により法線研削抵抗としての砥石軸モータの実際の電力値を電力フィードバック値としてとらえ、この電力フィードバック値と設定電力値との差分を計算し、この差分にゲインを乗じた値を速度変更量として現在の速度に加算するようにしている。その際の速度制御方法としては、一般に、NC(数値制御)機能の一つである速度オーバライド(速度比)を適宜変化させることにより行っている。なお、図10は、適応制御を行った場合における切込位置Xと内径増加量Xrの時間変化を示したグラフ(上図)と、研削法線抵抗の時間変化を示したグラフ(下図)を示したものである。これを前述した適応制御を行わない場合(図5)と比較すると、研削法線抵抗が収束値にいち早く到達していることがわかる。
【0011】
【特許文献1】
特開平7−171742号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、実際の制御においては、砥石軸モータの実際の電力値としての電力フィードバック値が設定電力値を瞬間的に超えた場合には、砥石軸モータの電力値を急激に落とす必要があるために、負方向の速度補正を与えなけらばならないこともある。しかし、前述した速度オーバライド機能により速度変更を行う方法では、結果的に得られる最小の速度はオーバライド比率を0%に設定した場合の0mm/secとなり、速度をゼロにすることはできても負方向の速度補正を与えることはできない。したがって、前述した速度オーバライド機能により速度変更を行う方法では、前述した砥石軸モータの実際の電力値としての電力フィードバック値が設定電力値を瞬間的に超えた場合など、砥石軸モータの電力値を急激に落とす必要がある用途には対応できないという問題がある。
【0013】
また、NC装置が有する速度オーバライド機能は、本来、作業者がある意図をもって手動操作により速度コントロールを行いたい場合に使用する、所謂人為的なアクションにより行われる性格のものである。したがって、前述した方法のように速度オーバライド(速度比)を自動的に適宜変化させることは、内部制御のもとで作業者にとって意図しない速度制御が行われることになり、このことは前述した本来の速度オーバライド機能のコンセプトから逸脱するものであり、さらにはPLCによる制御も複雑になる。この打開策としては、仮にNCが2つの速度オーバライド機能を併せ持っていれば、第1の速度オーバライド機能は従来の作業者指示の手動操作によるものとし、一方、第2の速度オーバライド機能は前述した内部制御のもとで自動的に速度制御が行われるものとすることにより、機能の一応の差別化は図られることになる。しかし、2つの速度オーバライド機能を有するNC装置は現状では上位機種に限られるため、適応制御のみのためにNC装置の上位機種を導入することはコスト面で問題がある。
【0014】
本発明は、前述した従来技術における問題点を解決するためになされたものであり、適応制御において負方向の速度補正を与えることが可能な研削盤の適応制御装置を提供することを目的とする。また、本発明は、速度オーバライド機能を使用することなく適応制御時の速度制御を行うことが可能な研削盤の適応制御装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
前述した目的を達成するために、請求項1に係る発明では、工作物に砥石を圧接させて設定電力値に基づく切込速度で研削加工を行わせるとともに、研削加工中に検出される電力フィードバック値に基づいて前記切込速度をフィードバック制御するようにされた研削盤の適応制御装置において、設定電力値に基づく速度指令を生成するNC部と、このNC部が生成した速度指令に基づいてサーボモータを駆動させるための駆動電流を発生するサーボ部と、このサーボ部が発生した駆動電流に基づいて工作物に切込送りを与える前記サーボモータとしての切込軸モータと、砥石を回転駆動させる砥石軸モータと、この砥石軸モータにおける実際の電力値としての電力フィードバック値を検出する電力検出部と、前記NC部から入力した前記設定電力値と前記電力検出部から入力した前記電力フィードバック値とに基づいて位相差パルスを生成する電力−速度換算部と、を有し、前記サーボ部では、前記電力−速度換算部が生成した前記位相差パルスを入力し、位相差パルスに基づいて前記速度指令を補正するようにしたことを特徴とする研削盤の適応制御装置を提供した。
【0016】
請求項1に係る構成としたことにより、電力−速度換算部においては、NC部で予め設定されている切込軸モータの設定電力値と、研削負荷情報である砥石軸モータにおける実際の電力値としての電力フィードバック値とに基づいて、補正量としての位相差パルスが生成される。一方、サーボ部においては、NC部において設定電力値に基づいて生成された速度指令が電力−速度換算部において生成された前述の位相差パルスに基づいて補正される。これにより、サーボ部から切込軸モータへ出力される駆動電流は砥石軸モータの研削負荷情報が加味されたものとなり、その結果として切込軸モータは最適な研削負荷がかかるように工作物に切込送りを与えることになる。
【0017】
この請求項1に係る発明においては、電力−速度換算部において生成される位相差パルスには正位相のものと負位相のものとがあるので、正位相と負位相のいずれかの位相差パルスを生成することにより、サーボ部における正方向の速度補正(加速)と負方向の速度補正(減速)とを適宜選択できることになる。また、この請求項1に係る発明においては、補正量としての位相差パルスはサーボ部にフィードバックされるので、NC部において処理が行われる速度オーバライド機能とは互いに独立することになり、人為的なアクションにより行われる速度オーバライド機能の本質を損なうことなく、適応制御が可能になる。さらに、この請求項1に係る発明においては、補正量としての位相差パルスはNC部よりも処理が高速なサーボ部にフィードバックされるので、従来技術にある速度オーバライド機能を利用するために補正量を必然的にNC部にフィードバックする形態のものに比して、補正処理が高速に行われることになる。
【0018】
また、請求項2に係る発明では、請求項1に係る発明において、サーボ部は手動パルス発生器が発生したパルス信号を入力可能にされた手動ハンドルインターフェースを具備し、この手動ハンドルインターフェースに電力−速度換算部が生成した位相差パルスを入力するようにした。この請求項2に係る発明においては、手動パルス発生器が発生したパルス信号を入力可能にされた手動ハンドルインターフェースに補正量としての位相差パルスを入力することにより、一般のNCの制御装置が標準で搭載している「手動ハンドル割り込み機能」を利用することにしている。この「手動ハンドル割り込み機能」とは、一般的には、自動運転で稼働中に外部から入力された手動パルス発生器による入力パルス分をサーボ部の出力に加味する機能である。この機能を利用することにより、電力−速度換算部において生成された補正量としての位相差パルスは手動パルス発生器が発生したパルス信号と同様にしてサーボ部内部で処理され、その結果、NC部において設定電力値に基づいて生成された速度指令が補正され、これにより、サーボ部から切込軸モータへ出力される駆動電流は砥石軸モータの研削負荷情報が加味されたものとなる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。図6は、本発明の一実施形態における適応制御の構成を示したブロック図である。この図6の構成は、円環形状あるいは円筒形状の工作物Wの内面を砥石10により研削加工を行うようにされた所謂内面研削盤に関するものである。
【0020】
まず、図6の構成について説明する。NC装置の制御部としての制御装置1は、NC部2とサーボ部3を有している。NC部2は、所定のNCプログラムと、切込軸モータ9の切込速度を規定するために予め設定された設定電力値とに基づいて、速度指令等の指令信号を生成する。サーボ部3は、NC部2から入力した速度指令等の指令信号に基づいて、切込軸モータ9等のサーボモータを駆動させるための駆動電流を発生する。このサーボ部3は、図示しない手動パルス発生器等からのパルス信号を入力可能にされた手動ハンドルインターフェース4を有しており、この手動ハンドルインターフェース4は後述するPLC(シーケンサ)5において生成された位相差パルスを入力可能にされている。このサーボ部3では、後述する電力−速度換算部6が生成した位相差パルスを入力し、この位相差パルスに基づいて前述のNC部2が生成した速度指令を補正するようにしている。具体的には、サーボ部3は、図9に示すようなA相パルス及びB相パルスからなる位相差パルスを入力し、A相、B相の位相差により回転方向(正方向の速度補正か負方向の速度補正)を認識し、相のパルス信号をカウントすることにより単位時間当たりの位置量すなわち補正速度を計算し、この補正速度に基づいて前述した設定電力値に基づく速度指令を補正する。
【0021】
なお、手動ハンドルインターフェース4は、一般のNCの制御装置が標準で装備しているものであり、本来は図示しない手動パルス発生器を接続するようにされているものである。したがって、本実施形態におけるPLC5においては、図示しない手動パルス発生器が出力するような位相差を有するパルス(位相差パルス)を、PLC5に格納されたソフトウエアとしての電力−速度換算部6において擬似的に生成することになる。
【0022】
サーボモータである切込軸モータ9は、サーボ部3から入力した駆動電流により動作し、これにより工作物Wが砥石10に圧接しながら切込速度Vxで切り込んでいくことになる。8は砥石10を回転駆動させるための砥石軸モータである。7は砥石軸モータ8における実際の電力値としての電力フィードバック値を検出する電力検出部である。5はシーケンサとしてのPLC(プログラマブル・ロジック・コントローラ)であり、所定のシーケンスプログラム(PLCプログラム)に基づいて入出力信号の処理を行う。本実施形態におけるPLC5は、少なくとも、ソフトウエアとしての電力−速度換算部6と、ハードウエアとしての出力ユニット11及び入力ユニット12とを具備している。
【0023】
入力ユニット12は、複数の入力点を装備しており、このうち少なくとも2つの入力点は電力検出部7が検出した電力フィードバック値を入力するために使用される。電力−速度換算部6は、図7に示すように、NC部2から入力した設定電力値T0と電力検出部7から入力した電力フィードバック値Tfとに基づいて後述する処理を行うことにより、最終的に位相差パルスを生成するソフトウエア(シーケンスプログラム)である。出力ユニット11は、複数の出力点を装備しており、このうち少なくとも2つの出力点は電力−速度換算部6が生成した位相差パルスを出力するために使用される。この出力ユニット11が装備する出力点の所定の2点と、サーボ部3が具備する前述の手動ハンドルインターフェース4のパルス入力信号端子2点(A相信号入力端子、B相信号入力端子)とを接続することにより、電力−速度換算部6にて生成された前述の位相差パルスはサーボ部3へ入力されることになる。
【0024】
次に、PLC5において実行されるPLCプログラムの処理について説明する。このPLCプログラムにおける処理は、主としてパルス量計算処理とパルス出力処理とからなる。制御装置1では、加工プログラムの流れから、適応制御が必要である(ブロック)送り時点でPLC5に対して適応制御の開始指令を送る。PLCプログラムのパルス量計算処理では、図7に示す補正速度算出アルゴリズムにしたがって、予め設定された設定電力値T0と、電力検出部7にて検出された砥石軸モータ8の実際の電力値としての電力フィードバック値との差分(電力差分率dT)を計算する(dT=(T0−Tf)/T0)。そして、この電力差分率dTに対して図8に示す補正速度マップに基づいて補正速度を算出する。
【0025】
ここで、図8を参照して、補正速度マップについて説明する。補正速度マップは、前述の電力差分率dTに基づいて、どれくらいの補正速度に換算するかを決定するために使用するものである。この補正速度マップにおいては、電力差分率dTの値によって、補正速度を0%、25%、50%、75%、100%の5段階に切り替えを行う。例えば、ある時点の電力差分率dTの値が補正速度の0%領域にある場合は補正速度0%(補正をかけない)を指令し、電力差分率dTの値が補正速度の25%領域にある場合は補正速度25%を指令し、以下同様にして、電力差分率dTの値が補正速度の100%領域にある場合は補正速度100%を指令するようにする。さらに、図8に示すように、ゲインの値によって電力差分率dTに対応する補正速度を変更することも可能であり、これにより同じ電力差分率dTに対してもゲインが大きいときは大きな補正速度がかかるようになる。例えば、図示したように、電力差分率dTが35%の場合、ゲインが1.4のときは補正速度が50%かかるのに対して、ゲインが1.0のときは補正速度が25%しかかからないことになる。なお、この図8においては補正速度を5段階に切り替えるものとしたが、段階を増やすことにより、より細やかな制御も可能になる。
【0026】
このパルス量計算処理では、補正速度を実現するためにPLCプログラムのスキャンタイムから逆算し、1回のPLCサイクルで何パルス出力するかを決定する。パルス出力処理においては、算出されたパルス数を位相差パルスとして出力する。位相差パルスとは、図9に示すように、デュティ比50%のA相、B相の2パルスに対して25%の位相差をつけて送り出すものである。
【0027】
次に、PLCプログラムにおける位相差パルスを出力する方法について説明する。PLCプログラムでは、基本的に1回のインターバルスキャンに1回のパルスを出力する。仮にスキャンタイムを8msecとすると、毎スキャンごとにパルスを出力したとすれば、補正速度100%として125μm/secが補正速度となる。また2回のスキャンに1回だけパルスが出力されれば、補正速度は50%で、4回のスキャンに1回では25%、4回のスキャンに3回では75%となる。この際に基本となるのは補正速度パラメータ(dctr1、dctr2)である。
【0028】
この補正速度パラメータ(dctr1、dctr2)を基にした位相差パルスの生成処理を図11に示す。補正速度パラメータとは、実際に補正速度を実現するためのタイミングカウンタである。パルス量計算処理においては、5段階の速度設定を送出パルスカウンタ(dctr1)及び非送出(休止)パルスカウンタ(dctr2)のデータで設定する。したがって、後述するパルス出力処理では、dctr1の値だけパルスを出力し、dctr2の分だけパルスを出力しない時間を作り出すことになる。表1に補正パラメータ(dctr1、dctr2)の値と補正速度との関係を示す。
【0029】
【表1】
Figure 2004122259
【0030】
次に、PLCプログラムにおけるパルス出力処理について説明する。図12は、パルス出力処理の処理フローを示すものである。パルス出力処理は実際に位相差パルスを出力する処理である。A相パルス及びB相パルスは、それぞれ図6に示した出力ユニット11に1点ずつ割り当てられており、PLCプログラムにおいてON/OFF出力制御を行うことにより、出力ユニット11から出力される。例えば、正方向パルスを出力する場合は、仮にその時にA相とB相のいずれもがLoならば、まずA相のみをHiにする。そして、次のサイクルではB相をHiに、その次のサイクルではA相をLoに、さらに次のサイクルではB相をLoにする。このようにして順次パルスを出力させる。
【0031】
この図12の処理フローにおいては合計4パルスを送出することになるが、制御するパルスの単位は1パルスである。基本的にPLCサイクルでは、dctr1(送出パルスカウンタ)が0になるまで1パルスずつ送出される。各相の現在の信号状態を反転することで立ち上がりや立ち下がりを発生し、1パルス送出となる。つまり、これをPLCサイクル1回ごとに各相交互に行うことになる。dctr1はパルス送出ごとに1ずつ減じていき、dctr1が0になった後は、dctr2(休止パルスカウンタ)に基づいてパルスを発生しない時間をつくる。同様に、dctr2についても1サイクル毎に1ずつ減じていく。このようにしてdctr1とdctr2のいずれもが0になった時点で、パルス出力処理が完了し、再度パルス設定処理が実行される。
【0032】
実際にこのアルゴリズムに基づいて適応制御のシミュレーションを行った結果は、前述した従来技術における速度オーバライド機能を利用した適応制御を行った研削サイクルである図10に示すグラフと同じになる。したがって、本実施形態を適用すれば、NC装置の「手動ハンドル割り込み機能」を利用した場合でも適応制御が可能となる。
【0033】
以上、本発明の一実施形態について説明した。本実施形態は円環形状あるいは円筒形状の工作物に対してその内面を研削する所謂内面研削盤の適応制御に関するものであったが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば円環形状あるいは円筒形状の工作物に対してその外面を研削する所謂外面研削盤の適応制御に関しても、本発明は容易に適用可能である。
【0034】
【発明の効果】
本発明に係る研削盤の適応制御装置によれば、切込軸モータの設定電力値と、研削負荷情報である切込軸モータにおける実際の電力値としての電力フィードバック値とに基づいて、補正量としての位相差パルスを生成し、この位相差パルスに基づいて切込軸モータの設定電力値から生成された速度指令を補正し、これにより切込軸モータの切込速度を変更するようにした。そのため、正位相と負位相のいずれかの位相差パルスを生成することにより、サーボ部における正方向の速度補正(加速)と負方向の速度補正(減速)とを適宜選択できることになったので、例えば砥石軸モータの実際の電力値としての電力フィードバック値が設定電力値を瞬間的に超えた際など、砥石軸モータの電力値を急激に落とす必要がある場合においても、負方向の速度補正が与えられることにより、容易に対応できるものとなった。また、補正量としての位相差パルスはサーボ部にフィードバックされるので、NC部において処理が行われる速度オーバライド機能とは互いに独立することになり、速度オーバライド機能を利用することなく、さらには人為的なアクションにより行われる速度オーバライド機能の本質を損なうことなく、適応制御が可能になった。さらには、補正量としての位相差パルスはNC部よりも処理が高速なサーボ部にフィードバックされるので、従来技術にある速度オーバライド機能を利用するために補正量を必然的にNC部にフィードバックする形態のものに比して、補正処理が高速に行われるものとなった。
【0035】
また、請求項2に係る発明によれば、NCの制御装置が標準で装備している、手動パルス発生器が発生したパルス信号を入力可能にされた手動ハンドルインターフェースに、補正量としての位相差パルスを入力するようにしたので、NCの制御装置としては補正量としての位相差パルスを入力するために新たなインターフェースを装備することなく対応できるものとなった。
【図面の簡単な説明】
【図1】適応制御を行わない研削サイクルにおける切込み線図を示したグラフであり、横軸は時間、縦軸は切込位置である。
【図2】適応制御を行わない研削サイクルにおける加工プログラムを示したものである。
【図3】従来技術における適用制御の構成例を示したブロック図である。
【図4】研削抵抗メカニズムを示した説明図である。
【図5】適応制御を行わない研削サイクルにおける、切込位置Xと内径増加量Xrの時間変化を示したグラフ(上図)と、研削法線抵抗の時間変化を示したグラフ(下図)である。
【図6】本発明の一実施形態における適応制御の構成を示したブロック図である。
【図7】本発明の一実施形態における、電力−速度換算部6において行われる補正速度算出アルゴリズムを示した流れ図である。
【図8】本発明の一実施形態における、補正速度マップ(電力差分率と補正速度の関係)を示したグラフである。
【図9】本発明の一実施形態における、電力−速度換算部6において生成された位相差パルスを示した図である。
【図10】適応制御を行った研削サイクルにおける、切込位置Xと内径増加量Xrの時間変化を示したグラフ(上図)と、研削法線抵抗の時間変化を示したグラフ(下図)である。
【図11】本発明の一実施形態における、補正速度パラメータ(dctr1、dctr2)を基にした位相差パルスの生成処理を示すフローチャートである。
【図12】本発明の一実施形態における、位相差パルスの出力処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 制御装置
2 NC部
3 サーボ部
4 手動ハンドルインターフェース
5 PLC
6 電力−速度換算部
7 電力検出部
8 砥石軸モータ
9 切込軸モータ
10 砥石
11 出力ユニット
12 入力ユニット

Claims (2)

  1. 工作物に砥石を圧接させて設定電力値に基づく切込速度で研削加工を行わせるとともに、該研削加工中に検出される電力フィードバック値に基づいて前記切込速度をフィードバック制御するようにされた研削盤の適応制御装置において、
    設定電力値に基づく速度指令を生成するNC部と、
    該NC部が生成した前記速度指令に基づいてサーボモータを駆動させるための駆動電流を発生するサーボ部と、
    該サーボ部が発生した前記駆動電流に基づいて工作物に切込送りを与える前記サーボモータとしての切込軸モータと、
    砥石を回転駆動させる砥石軸モータと、
    該砥石軸モータにおける実際の電力値としての電力フィードバック値を検出する電力検出部と、
    前記NC部から入力した前記設定電力値と前記電力検出部から入力した前記電力フィードバック値とに基づいて位相差パルスを生成する電力−速度換算部と、を有し、
    前記サーボ部では、前記電力−速度換算部が生成した前記位相差パルスを入力し、該位相差パルスに基づいて前記速度指令を補正するようにしたことを特徴とする研削盤の適応制御装置。
  2. 前記サーボ部は手動パルス発生器が発生したパルス信号を入力可能にされた手動ハンドルインターフェースを具備し、該手動ハンドルインターフェースに前記電力−速度換算部が生成した前記位相差パルスを入力するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の研削盤の適応制御装置。
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