JP2004122202A - 鋼管内面ビード屑の引き抜き装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】鋼管30の長手方向に延びるレール10上を走行する走行台車11の下方部に、鋼管端部から飛び出したビード屑31の飛び出し部を把持する上下一対の板状クランパー2a、2bを有するクランプ装置1を設けた。また、前記板状クランパー2a、2bの噛み合わせ面には、一方に山部3bを形成し、他方に該山部3bに噛合する谷部3aを形成することが好ましい。更に、クランプ装置1は、走行台車11に設けられた揺動機構により上下に揺動しながらレール10に沿って移動するよう構成することが好ましい。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電縫鋼管の内面溶接ビード屑を管外へ確実に、かつ効率よく引き抜くことができる鋼管内面ビード屑の引き抜き装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、電縫鋼管を製造する場合は、溶接突合わせ時に内外面に溶接ビードと称される肉盛り部が発生する。この肉盛り部の切削処理を行ったうえ鋼管単長に切断する際、ビード屑も同時に切断されることとなり、発生したビード屑を除去する必要があった。この場合、鋼管内面に生じたビード屑は、図5に示されるように、鋼管30の底面部に落下して横たわった状態にあるので、エアブロー処理を施して断面台形状のビード屑31の先端部を鋼管端部より飛び出させた状態とし、該飛び出し部を掴んで管外へ引っ張り出す引き抜き作業を行っていた。
【0003】
しかしながら、従来の鋼管内面ビード屑の引き抜き作業は、全て人手によって行っているのが普通で、順次送られてくる鋼管を次々に処理するのは重労働を強いられるという問題点があり、また作業を急ぐあまりにビード屑の抜き損じを生じるおそれがあるという問題点もあった。更に、ビード屑の引き抜き作業のために、専属の人員を確保する必要があり、工場のオートメイション化に逆行するとともに、生産コスト的にも高くなるという問題点もあった。一方、ビード屑を高圧水ブローで管外へ排出させ、回転刃物で切断しバケットへ搬送するという方法もあったが、この場合は設備費およびランニングコストが非常に高くなるという問題点があり、実用には不向きであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記のような従来の問題点を解決して、鋼管内面ビード屑の引き抜き作業を人手を介することなく完全に自動化することができるとともに、ビード屑の抜き損じを発生させることなく確実に、かつ効率よく管外へ引き抜くことができ、またビード屑の引き抜き作業のための専属人員を不要として生産コストの低減を図ることができる鋼管内面ビード屑の引き抜き装置を提供することを目的として完成されたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するためになされた本発明の鋼管内面ビード屑の引き抜き装置は、鋼管の長手方向に延びるレール上を走行する走行台車の下方部に、鋼管端部から飛び出したビード屑の飛び出し部を把持する上下一対の板状クランパーを有するクランプ装置を設けたことを特徴とするものである。
【0006】
また、同様の課題を解決するためになされた本発明は、前記発明において板状クランパーの噛み合わせ面に、ビード屑の飛び出し部を変形させて把持する山部と谷部とが形成されているものを請求項2に係る発明とし、また、クランプ装置が走行台車に設けられた揺動機構により上下に揺動しながらレールに沿って移動するよう構成されているものを請求項3に係る発明とし、また、クランプ装置がビード屑の飛び出し部を鋼管内径のほぼ中心部で把持するよう構成されているものを請求項4に係る発明とする。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を参照しつつ本発明の好ましい実施の形態を示す。
図1は本発明に係るビード屑の引き抜き装置の全体図、図2はクランプ装置の斜視図、図3は走行台車およびクランプ装置の正面図を示すものであり、図において1は鋼管端部から飛び出したビード屑31の飛び出し部を把持するためのクランプ装置、2a、2bはクランプ装置に取り付けられた上下一対からなる板状クランパー、5はビード屑31を回収するバケット、11は鋼管30の長手方向に延びるレール10上を走行する走行台車である。
そして本発明では、前記クランプ装置2によって鋼管端部から飛び出したビード屑31の飛び出し部を把持したうえで、走行台車11を右方向へ走らせることによりビード屑31を管外へ引き抜き、更に引き抜いたビード屑31をバケット5内へ自動的に回収するのである。
【0008】
前記板状クランパー2a、2bは、エアシリンダ4により自在に開閉駆動されるよう構成されており、またその噛み合わせ面には、一方に山部3bが形成され、他方に該山部3bに噛合する谷部3aが形成されている。従って、ビード屑31の飛び出し部を把持した場合、前記山部3bと谷部3aに挟まれて飛び出し部がくの字状に変形した状態となり、クランパーから滑り落ちることがなく、確実に引き抜き処理が行われることとなる。
なお、図示のものでは山部3bと谷部3aが断面V字状のものとされているが、ビード屑31の飛び出し部を変形させて滑り落ちがないように把持する形状であれば、いかなる凹凸形状であってもよいことは勿論である。
【0009】
また、クランプ装置1は、走行台車11に設けられた揺動機構により上下に揺動しながらレール10に沿って移動するよう構成されている。これは、管端には中心に向け突出したバリがあり、引き抜き時においてビード屑31が該バリに引っ掛かって抜けにくくなる場合があり、これを回避するため上下に揺動しながら移動するのである。
【0010】
前記揺動機構としては、図3に示されるように、走行台車11の中央部を軸12で枢着し、前方側に偏心ローラ13を設けるとともに、後方側にコイルバネ14を設けたものとして、偏心ローラ13の偏心回転に追従して後部側が上下に揺動するよう構成されている。この結果、図4に示されるように、走行台車11が移動すると板状クランパー2a、2bは上下に揺動することとなり、ビード屑31がバリに引っ掛かって抜けない現象を確実に防止することとなる。
【0011】
また、クランプ装置1は、ビード屑31の飛び出し部を鋼管内径のほぼ中心部で把持するよう構成されており、引き抜き時においてビード屑31がバリに引っ掛かるのを防止している。
なお、前記板状クランパー2a、2bは、図2に示されるように、横長の板状体となっており、複数本の鋼管30を対象にして同時に効率よく引き抜き処理が行えるようになっている。
【0012】
このような装置においては、セット台32に所定本数の鋼管30が載置されると、駆動用シリンダ4が作動してクランプ装置1の板状クランパー2a、2bが閉じ、ビード屑31の飛び出し部を変形・把持する。次いで、この状態のまま走行台車11を右方向へ走らせることによりビード屑31を確実に管外へ引き抜く。その後、駆動用シリンダ4を作動して板状クランパー2a、2bを開き、引き抜いたビード屑31をバケット5内へ自動的に回収する。その後は、走行台車11を左方向へ走らせてクランプ装置1を初期位置にセットし、次の引き抜き処理に備え待機する。
【0013】
このように本発明は、鋼管30の長手方向に延びるレール10上を走行する走行台車11の下方部に、鋼管端部から飛び出したビード屑31の飛び出し部を把持する上下一対の板状クランパー2a、2bを有するクランプ装置1を設けた構造であり、従来のように人手を介することなく、全てをクランプ装置1によって機械的に自動処理するものである。この結果、鋼管30の底面部に横たわっている断面台形状のビード屑31の引き抜き作業を確実に、かつ効率よくできることとなる。
【0014】
【発明の効果】
以上の説明からも明らかなように、本発明は鋼管内面ビード屑の引き抜き作業を人手を介することなく完全に自動化することができるとともに、ビード屑の抜き損じを発生させることなく確実に、かつ効率よく管外へ引き抜くことができ、またビード屑の引き抜き作業のための専属人員を不要として生産コストの低減を図ることができるものである。
よって本発明は従来の問題点を一掃した鋼管内面ビード屑の引き抜き装置として、産業の発展に寄与するところは極めて大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す全体正面図である。
【図2】本発明の実施の形態を示す斜視図である。
【図3】クランプ装置および台車を示す正面図である。
【図4】板状クランパーの揺動状態を示す説明図である。
【図5】内面にビード屑がある電縫鋼管を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 クランプ装置
2a 板状クランパー
2b 板状クランパー
3a 谷部
3b 山部
5 バケット
10 レール
11 走行台車
30 鋼管
31 ビード屑
32 セット台
Claims (4)
- 鋼管の長手方向に延びるレール上を走行する走行台車の下方部に、鋼管端部から飛び出したビード屑の飛び出し部を把持する上下一対の板状クランパーを有するクランプ装置を設けたことを特徴とする鋼管内面ビード屑の引き抜き装置。
- 板状クランパーの噛み合わせ面には、一方に山部が形成され、他方に該山部に噛合する谷部が形成されている請求項1に記載の鋼管内面ビード屑の引き抜き装置。
- クランプ装置は、走行台車に設けられた揺動機構により上下に揺動しながらレールに沿って移動するよう構成されている請求項1または2に記載の鋼管内面ビード屑の引き抜き装置。
- クランプ装置は、ビード屑の飛び出し部を鋼管内径のほぼ中心部で把持するよう構成されている請求項1または2または3に記載の鋼管内面ビード屑の引き抜き装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002292002A JP2004122202A (ja) | 2002-10-04 | 2002-10-04 | 鋼管内面ビード屑の引き抜き装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
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Family Applications (1)
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Country Status (1)
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JP (1) | JP2004122202A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006150527A (ja) * | 2004-11-30 | 2006-06-15 | Jfe Steel Kk | 電縫鋼管内面ビード切削屑の処理方法及び処理装置 |
-
2002
- 2002-10-04 JP JP2002292002A patent/JP2004122202A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2006150527A (ja) * | 2004-11-30 | 2006-06-15 | Jfe Steel Kk | 電縫鋼管内面ビード切削屑の処理方法及び処理装置 |
JP4674463B2 (ja) * | 2004-11-30 | 2011-04-20 | Jfeスチール株式会社 | 電縫鋼管内面ビード切削屑の処理装置 |
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