JP2004122121A - スポンジチタンの破砕方法及び破砕整粒装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 ロールへの負荷が大き過ぎず、効率的に破砕でき、生産性の高い塊状スポンジチタンの破砕整粒方法及び破砕整粒装置を提供するものである。
【解決手段】 塊状スポンジチタンをダブルロールクラッシャーを用いて破砕する方法において、該ダブルロールクラッシャーのロールタイヤの左右の周速比が、1:1.1〜1:1.5であるスポンジチタンの破砕方法。
【選択図】 図1
【解決手段】 塊状スポンジチタンをダブルロールクラッシャーを用いて破砕する方法において、該ダブルロールクラッシャーのロールタイヤの左右の周速比が、1:1.1〜1:1.5であるスポンジチタンの破砕方法。
【選択図】 図1
Description
本発明は、塊状スポンジチタンの破砕方法及び破砕整粒装置に関する。
クロール法により製造されたスポンジチタンは円柱状の塊状物であり、また、不純物成分も塊の中で均一ではないため、これを破砕整粒後、ロット混合を行って成分調整し、その後、該混合物を溶解して金属チタンインゴットを得ている。
スポンジチタンの製造においては、このように破砕という工程を経ることが必須となるが、スポンジチタンは通常の金属に比べて靭性が高いため、ジョークラッシャーが利用される場合が多い。ジョークラッシャーを用いると破砕性という点では問題はないが、1パス当たりの処理能力があまり高くないため、生産性を上げにくいという問題点がある。
これを解決するものとして、特許文献1の特開2000−61334号公報には、塊状スポンジチタンをダブルロールクラッシャーで破砕整粒する方法において、ダブルロールクラッシャーのロールタイヤ外周面に設ける歯形の構造を特定ピッチ寸法、特定歯丈寸法、特定歯の傾斜角とすることが開示されている。この方法によれば、1パス当たりの生産量を向上することができる。また、特許文献2の特開昭57−54836号公報には、破砕対象物が高水分又は高粘結性の石炭であって、該石炭をダブルロールクラッシャーを用い、左右のロールの周速比を1:1.7として粉砕した場合に好適な粒度に粉砕できる石炭分析用自動試料調整装置が開示されている。
特開2000−61334号公報(特許請求の範囲、図1〜図3)
特開昭57−54836号公報(特許請求の範囲、第3頁右欄第6行〜第10行)
しかしながら、改善された特定歯形構造を有する前記のダブルロールクラッシャーを使用するにもかかわらず、塊状スポンジチタンのロットによっては破砕されずに圧縮変形が起こり、整粒されない篩上チタンが多く出るという問題があった。また、左右のロールの周速比が1:1.7のような高周速比を塊状スポンジチタンの粉砕に適用しても、ロールへの負荷が大き過ぎ、破砕整粒装置が故障し易くなったり、装置寿命が低下するといった問題がある。このため、ロールへの負荷が大き過ぎず、1パス当たりの生産量を安定して向上させる生産性と破砕性を兼備した破砕方法及びこれを実施する破砕整粒装置が望まれていた。
従って、本発明の目的は、ロールへの負荷が大き過ぎず、効率的に破砕でき、生産性の高い塊状スポンジチタンの破砕方法及び破砕整粒装置を提供するものである。
かかる実情において、本発明者らは鋭意検討を行なった結果、塊状スポンジチタンは靭性が他の金属よりも高く、ロットによっては歯形構造が改善されたダブルロールクラッシャーであっても破砕されずに圧縮変形が起こること、ダブルロールクラッシャーの左右のロールタイヤの周速比を1:1.1〜1:1.5の範囲で作動させれば、ロールへの負荷が大き過ぎず、破砕性が良好で、生産性が高くなることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明(1)は、塊状スポンジチタンをダブルロールクラッシャーを用いて破砕する方法において、該塊状スポンジチタンは該ダブルロールクラッシャーの左右のロールタイヤの周速比が、1:1.1〜1:1.5の範囲で破砕されるスポンジチタンの破砕方法を提供するものである。ダブルロールクラッシャーに配置された左右のロールタイヤの周速は、通常等速で運転されるが、本発明においては、意図的にこれらのロールタイヤの周速に差異を持たせたもので、これにより、スポンジチタンのような靭性が高い塊状物であっても、ロールへの負荷が大き過ぎず、効率的に破砕でき、生産性が高くなる。
また、本発明(2)は前記左右のロールタイヤの周速を交互に変更する前記スポンジチタンの破砕方法を提供するものである。かかる構成を採ることにより、ロールタイヤの偏減りを防止し、寿命を延長することができる。
また、本発明(3)は、塊状スポンジチタンをダブルロールクラッシャーに供給する原料供給部と、左右のロールタイヤのそれぞれの周面に破砕歯を設けてなるダブルロールクラッシャーと、該左右のロールタイヤの周速を独立に制御する周速制御手段と、ダブルロールクラッシャーで破砕された破砕チタンを選別する篩別機と、該篩別機の篩上の破砕チタンを前記原料供給部へ返送する篩上破砕チタン返送手段を備えるスポンジチタンの破砕整粒装置を提供するものである。かかる構成を採ることにより、前記破砕方法を確実に実施できる。
また、本発明(4)は、原料供給部に供給される塊状スポンジチタンの重量と、該篩別機の篩下の整粒チタンの重量をモニタリングして、該原料供給部へ返送される該篩上の破砕チタンの重量変化を監視するモニタリング手段を、更に備えるスポンジチタンの破砕整粒装置を提供するものである。かかる構成を採ることにより、破砕整粒工程の正常性を確認できると共に、系内の循環量が増える傾向にある場合には、ロールタイヤの周速を早めるか、遅くする等して、破砕速度を自動的に調節することができる。
本発明の破砕整粒装置を用いて、スポンジチタンの破砕方法を実施すれば、ロールへの負荷が大き過ぎず、効率的に破砕でき、生産性が高い。
本発明の実施の形態における破砕整粒装置を図1及び図2を参照して説明する。図1は本例の破砕整粒装置の概略を示す装置の全体図、図2はロールタイヤの回転状況を表した図である。図中、破砕整粒装置10は、塊状スポンジチタン7をダブルロールクラッシャー1に供給するホッパー(原料供給部)5と、左右のロールタイヤ11、11のそれぞれの周面11a、11bに破砕歯12を設けてなるダブルロールクラッシャー1と、該左右のロールタイヤ11、11の周速を制御する周速制御手段9、9と、ダブルロールクラッシャー1で破砕された破砕チタンを選別する篩別機2と、該篩別機2の篩上の破砕チタン8を原料供給部5へ返送するコンベア(篩上破砕チタン返送手段)3bと、原料供給部5に供給される塊状スポンジチタンの重量と、篩別機2の篩下の整粒されたチタンの重量6をモニタリングして、原料供給部5へ返送される篩上の破砕チタン8の重量変化を監視するモニタリング手段4と、篩下の整粒チタン6を製品スポンジチタンとして搬送するコンベア3aを備える。
ダブルロールクラッシャー1は、一般に平型ロールと呼称されているロールクラッシャーで、2つのロール1a、1bが互に内側に回転する構造となっており、該ロール1a、1bの外周を捲くような形で装着され、一体に構成されるロールタイヤの外周面11a、11bに設ける歯12によって被破砕物7を噛み砕き、所望の粒径に整粒するよう設計されている(なお、図2中、歯12は簡略化し一部のみを模式的に示す)。
具体的には該ロールタイヤ外周面11a、11bに設ける歯形の構造としては、特に制限されないが、ピッチpが10〜40mm、好ましくは15〜30mmの範囲であり、歯丈tは5〜20mm、好ましくは5〜10mmであり、歯の傾斜角はロールタイヤの中心線に沿って40〜50度、好ましくは45度±2度の範囲のものが挙げられる。
2つのロールタイヤが相互に内側に回転するダブルロールクラッシャー1の歯と歯の間隙(2つのロールタイヤの中心線上、一方の歯の歯底と他方の歯の歯先の間隔を言う。図では省略)としては、特に制限されないが、8〜15mm、好ましくは10〜13mmであり、ロールの回転数は40〜80rpm、好ましくは50〜70rpmである。従って、2つのロール1a、1bは噛み合うことなく僅かの隙間を有して配置されている。
本発明におけるロールタイヤのロール径φは特に制限されないが、通常500〜1000mm、好ましくは600〜800mmであり、ロール幅wは500〜1000mm、好ましくは600〜800mmである。ロール径並びにロール幅は処理能力、耐久性及び効率性の見地から、実験的に最適なスケールに選択される。
周速制御手段9、9としては、特に制限されず、左右のロールタイヤ11、11の周速を独立に制御できる構造を有するものが好ましい。具体的には、左右のロールタイヤ11、11に独立して駆動モーターが設置されているものや、あるいは、1台のモーターの駆動力をギヤーボックスを介して、左右のロールタイヤの周速を独立に制御できるような構造のものが挙げられる。
次に、破砕整粒装置10を用いて塊状スポンジチタンを破砕整粒する方法を説明する。先ず、左右のロールタイヤ11、11の周速を周速制御手段9、9により、その周速比が1:1.1〜1:1.5、好ましくは1:1.2〜1:1.3の範囲になるように設定される。周速比が1.5を越えるとスポンジチタンの破砕時の応力が上昇して、ダブルロールクラッシャーに過度の負担を強いることになり好ましくない。一方、周速の差異が1.1未満になると破砕効率が低下するようになる点で好ましくない。なお、スポンジチタンであっても、その硬さ等は、ロット毎に多少違っているので、スポンジチタンの性状に最も適した周速や周速比等の破砕条件を設定することが好ましい。
次いでスポンジチタン製造工程で製造されたスポンジチタン塊を小割りして得られた塊状スポンジチタン7をホッパー5に一旦投入後、ロールタイヤ11、11の間隙に供給する。ホッパーに供給する塊状スポンジチタンの大きさは、25mm〜100mmの範囲が好ましく、さらに好ましくは、25mm〜50mmに予備破砕しておく方が、ダブルロールクラッシャーにおける破砕効率が向上する点で好ましい。ダブルロールクラッシャー1に投入された塊状スポンジチタンは、ロールタイヤ11、11を通過する間に破砕され下方に落下して、整粒装置である篩別機2に移送される。篩別機2に移送されたスポンジチタン粒のうち篩を通過した篩下は製品とされ、篩を通過しなかった篩上は、コンベヤ3bでホッパー5に戻されてダブルロールクラッシャーに供給され再度破砕される。
このような塊状スポンジチタンの破砕方法において、ロールタイヤ11、11の左右の周速比が1:1.1〜1:1.5の範囲外であると、塊状スポンジチタンのロットによっては、スポンジチタンが破砕されずに圧縮変形されるものが多くなり、篩別機2で篩されず循環されるため系内のスポンジチタン量が減少せず生産性が上がらない。しかし、本発明の方法では、図2に示したロールタイヤ11、11の周速に若干差異を持たせるため、圧縮応力のみならず引っ張り応力も作用して破砕が進行する。このため破砕が効率的に行なわれ、生産性が向上する。
ロールタイヤ11、11の左右の周速に差異を持たせる方法としては、一方のロールに対して他方のロールの周速を早くする方法、及び一方のロールに対して他方のロールの周速を遅くする方法が挙げられる。いずれの方法を選択するかは、適宜選択すれば良いが、生産性を上げるには、周速を早める方が好ましく、生産性よりも破砕を確実に行わせるには、むしろ、周速を遅くした方が良い場合がある。なお、スポンジチタンであっても、その硬さ等は、ロット毎に多少違っているので、ロットごとのスポンジチタンの性状に最も適した周速や周速比等の破砕条件を設定することが好ましい。
また、破砕整粒の際、ダブルロールクラッシャー1に供給する塊状スポンジチタンの重量と、篩別機2から排出されてくる整粒スポンジチタン6の重量変化をモニタリングし、ダブルロールクラッシャー1内に循環しているスポンジチタンの重量変化を監視する。これにより、循環量の経時変化を確認できるため、破砕整粒工程の正常性を確認できると共に、系内の循環量が増える傾向にある場合には、ロールタイヤの周速を早めるか、遅くするか等して、破砕速度を自動的に調節することができる。本発明において、ダブルロールクラッシャー1に供給する塊状スポンジチタンの重量と、篩別機2から排出されてくる整粒スポンジチタン6の重量変化をモニタリングする方法は、任意の方法であり、省略することもできる。
また、本発明の破砕方法においては、左右のロールタイヤ11、11の周速を定期又は不定期に交互に変更することが、ロールタイヤの偏減りを防止し、寿命を延長することができる点で好ましい。また、ロールタイヤの偏減りを起こした場合には、例えば、定期の整備時において加速又は減速する側のロールタイヤを交換することが好ましい。
本発明の破砕整粒装置において、ロールタイヤ11、11の間隙からは、前述の如く、破砕されたスポンジチタンが排出されてくるが、ロールタイヤ11、11の周速が異なっているため、必ずしも、鉛直方向に落下するとは限らず、幾分、斜め方向に排出される場合がある。そこで、ロールタイヤ11、11の下方に末広がり状の開口部を有する所謂ホッパー形状をした受器を設けることが、斜め方向に落下したスポンジチタンを確実に捕集することができる点で好ましい。
ロールタイヤ11、11の材質は、耐摩耗性に優れた鋼材を適宜に選択して用いられるが、本発明において好ましく使用されるものとしてSCMnH11(高マンガン鋼鋳鋼品)が挙げられる。
次に、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、これは単に例示であって、本発明を制限するものではない。
図1及び図2に示されるダブルロールクラッシャー及び破砕整粒装置を用い、左右ロールタイヤの周速比を1.2として塊状スポンジチタンの破砕整粒を行なった。すなわち、粒径25mm〜100mmのスポンジチタン小塊を、ダブルロールクラッシャーの隙間に供給して、破砕を2時間行なった。供給された塊状スポンジチタンの総供給量は10トンであった。その結果、約9トンのスポンジチタンが篩別機の篩網を通過して製品とされた。
比較例1
左右ロールタイヤの周速比1.2に代えて、左右ロールタイヤの周速比1.0(左右ロールタイヤの周速度は等速の条件)とした以外、実施例1と同様の方法で塊状スポンジチタンの破砕整粒を行なった。その結果、約6トンのスポンジチタンが篩別機の篩網を通過して製品とされた。
比較例1
左右ロールタイヤの周速比1.2に代えて、左右ロールタイヤの周速比1.0(左右ロールタイヤの周速度は等速の条件)とした以外、実施例1と同様の方法で塊状スポンジチタンの破砕整粒を行なった。その結果、約6トンのスポンジチタンが篩別機の篩網を通過して製品とされた。
実施例1及び比較例1の結果から、塊状スポンジチタンの破砕において、ダブルロールクラッシャーの左右ロールタイヤの周速比を僅かに変えることにより、効率的に破砕でき、生産性が高くなる。
10 破砕整粒装置
1 ダブルロールクラッシャー
2 篩別機
3a、3b ベルトコンベア
4 スポンジチタンの重量変化を監視するモニタリング手段
5 ホッパー(原料供給部)
6 篩下スポンジチタン
7 塊状スポンジチタン
8 篩上スポンジチタン
11a、11b ロールタイヤ外周面
12 歯
1 ダブルロールクラッシャー
2 篩別機
3a、3b ベルトコンベア
4 スポンジチタンの重量変化を監視するモニタリング手段
5 ホッパー(原料供給部)
6 篩下スポンジチタン
7 塊状スポンジチタン
8 篩上スポンジチタン
11a、11b ロールタイヤ外周面
12 歯
Claims (4)
- 塊状スポンジチタンをダブルロールクラッシャーを用いて破砕する方法において、該塊状スポンジチタンは該ダブルロールクラッシャーの左右のロールタイヤの周速比が、1:1.1〜1:1.5の範囲で破砕されることを特徴とするスポンジチタンの破砕方法。
- 前記左右のロールタイヤの周速を交互に変更することを特徴とする請求項1記載のスポンジチタンの破砕方法。
- 塊状スポンジチタンをダブルロールクラッシャーに供給する原料供給部と、左右のロールタイヤのそれぞれの周面に破砕歯を設けてなるダブルロールクラッシャーと、該左右のロールタイヤの周速を左右独立に制御する周速制御手段と、ダブルロールクラッシャーで破砕された破砕チタンを選別する篩別機と、該篩別機の篩上の破砕チタンを前記原料供給部へ返送する篩上破砕チタン返送手段を備えることを特徴とするスポンジチタンの破砕整粒装置。
- 原料供給部に供給される塊状スポンジチタンの重量と、該篩別機の篩下の整粒チタンの重量をモニタリングして、該原料供給部へ返送される該篩上の破砕チタンの重量変化を監視するモニタリング手段を、更に備えることを特徴とするスポンジチタンの破砕整粒装置。
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JP2003291502A JP2004122121A (ja) | 2002-09-12 | 2003-08-11 | スポンジチタンの破砕方法及び破砕整粒装置 |
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2003
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