JP2004121175A - 吸湿性添加剤を含有する粉末製剤の固結防止剤 - Google Patents

吸湿性添加剤を含有する粉末製剤の固結防止剤 Download PDF

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Yasutaka Muratsubaki
村椿 康隆
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Abstract

【課題】有機酸、その塩、調味料等の吸湿性添加剤を含有する粉末製剤に適用し得る固結防止剤を提供する。
【解決手段】20重量%以下のショ糖脂肪酸モノエステルと、8〜20重量%のショ糖脂肪酸テトラエステルと、80重量%以下のエステル化度5〜8のショ糖脂肪酸エステルとを含有している固結防止剤である。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、吸湿性添加剤を含有する粉末製剤の固結防止剤に関し、更に詳しくは、調味料、有機酸、有機酸塩等の吸湿性添加剤を含有する粉末製剤の固結防止剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、所謂「漬け物の素」と称される漬物用粉末製剤や鮮度保持剤には、野菜の鮮度を保持するための有機酸やその塩が配合されている。また、野菜の風味を改善するための調味料や糖類が加えられる場合がある。
【0003】
しかしながら、有機酸、その塩、調味料、糖類等が加えられると、長期間袋などの形態による保存によって漬物用粉末製剤や鮮度保持剤が固結してしまう場合がある。このような固結が生じると、使用に先立って漬物用粉末製剤や鮮度保持剤を粉末状に砕くなどの操作が必要となるという問題点が指摘されている。
【0004】
このような粉末製剤の固結を防止するものとして、塩化カルシウム用の固結防止剤(例えば、特許文献1)や、食品用の固結防止剤(例えば、特許文献2)がある。しかし、特許文献1に記載されている固結防止剤は塩化カルシウム用であるため、本願のような有機酸、その塩、調味料等の吸湿性添加剤を含む粉末製剤に適用することはできない。また、特許文献2に記載されている固結防止剤は食品用粉末等に使用されるが、有機酸、その塩、調味料、糖類等の吸湿性添加剤を添加した粉末に適用されるものではない。
【0005】
【特許文献1】
特願平1−261484号公報(明細書の全体)
【特許文献2】
特公昭55−50667号公報(第1頁、第2欄、第13〜17行)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上述のような点に鑑みて為されたものであり、本発明の目的は、有機酸、その塩、調味料等の吸湿性添加剤を含有する粉末製剤に適用し得る固結防止剤を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の固結防止剤に係る発明は、吸湿性添加剤を含有する粉末製剤の固結防止剤であって、60重量%以下のエステル化度1〜2のショ糖脂肪酸エステルと、15〜50重量%のエステル化度3〜4のショ糖脂肪酸エステルと、5〜80重量%のエステル化度5〜8のショ糖脂肪酸エステルとを含有していることを特徴とする。
【0008】
本発明は、前記粉末製剤が漬物用粉末製剤である場合や、前記粉末製剤が鮮度保持剤である場合に有用である。
【0009】
また、本発明は、前記吸湿性添加剤として、有機酸、有機酸の塩、調味料及びこれらの混合物からなる群から選択されるものを含有している場合に有用である。また、前記吸湿性添加剤として、クエン酸、フマル酸、リンゴ酸、クエン酸ソーダ、フマル酸ソーダ、リンゴ酸ソーダ、酢酸ソーダ及びこれらの混合物から選択されるものを含有している場合、並びに前記吸湿性添加剤として、グルタミン酸ソーダ、イノシン酸ソーダ及びこれらの混合物から選択されるものを含有している場合に特に有用である。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。本発明の吸湿性添加剤を含有する粉末製剤の固結防止剤は、エステル化度1(モノエステル)からエステル化度8(オクタエステル)までのショ糖脂肪酸エステルのうち、上述のように、60重量%以下のエステル化度1〜2のショ糖脂肪酸エステルと、15〜50重量%のエステル化度3〜4のショ糖脂肪酸エステルと、5〜80重量%のエステル化度5〜8のショ糖脂肪酸エステルとを含有している。
【0011】
エステル化度1〜2のショ糖脂肪酸エステルの配合量が60重量%より多いと、吸湿性を低減させることができず、固結防止剤として機能し得なくなるので好ましくない。また、エステル化度3〜4のショ糖脂肪酸エステルが15重量%未満では、エステル化度5〜8のショ糖脂肪酸エステルの含有量が多くなって疎水性が強くなるか、又はエステル化度1〜2のショ糖脂肪酸エステルの含有量が多くなって固結防止剤として機能し得なくなるので好ましくない。更に、エステル化度5〜8のショ糖脂肪酸エステルの添加量が80重量%より多いと疎水性が強くなりすぎて粉体への付着状態が不均一になるので好ましくない。
【0012】
本発明に於いては、ショ糖のエステル化に使用される脂肪酸として、炭素数14〜22の範囲の飽和のものが好適に使用される。具体的には、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸等が挙げられ、これらの2種以上の混合物であってもよい。
【0013】
上記のようなエステル化度の分布を有するショ糖脂肪酸エステルは、上記の分布に合致すれば市販のものをそのまま使用することができるが、単一のエステル化度のショ糖脂肪酸エステル又は種々のエステル化度の分布を有するショ糖脂肪酸エステルを混合することにより得ることもできる。エステル化度の分布の異なるショ糖脂肪酸エステルは、エステル化反応の際の脂肪酸組成や反応条件を変えることにより製造することができる。
【0014】
エステル化度の測定は、TLC(薄層クロマトグラフィー)プレート上でエステル化度1〜3のショ糖脂肪酸エステルを分離すると共に、エステル化度4以上のショ糖脂肪酸エステルを別の条件でTLCプレート上で分離して定量する方法により行うことができる。また、蒸発光散乱検出器(ELSD)を用いた逆相高速液体クロマトグラフィー(RP−HPLC)によるグラジエント溶出法により行うことができ、アントロン試薬を用いて定量することができる(J. Oleo Sci., Vol. 50, No.4(2001))。
【0015】
本発明の固結防止剤は、吸湿性添加剤を含有する粉末製剤に適用されるが、このような粉末製剤として、例えば、漬物をつけるために使用される所謂「漬け物の素」と称される漬物用粉末製や、カットした野菜が萎びるのを防止するために使用される鮮度保持剤を例示することができる。
【0016】
また、粉末製剤に添加される吸湿性添加剤としては、有機酸、有機酸の塩、調味料を挙げることができ、これらの混合物も含まれる。上記有機酸の例としては、クエン酸、フマル酸、リンゴ酸等を例示することができ、有機酸の塩の例として、クエン酸ソーダ、フマル酸ソーダ、リンゴ酸ソーダ、酢酸ソーダ等を例示することができる。
【0017】
【実施例】
表1に本発明の実施例に係る固結防止剤に含有されるショ糖脂肪酸エステルのエステル化度の分布を示す(実施例1〜7)。また、比較のためのショ糖脂肪酸エステルのエステル化度の分布を表1に併せて示す(比較例1〜3)。更に、各実施例及び各比較例の固結防止剤について、エステル化度5〜8のショ糖脂肪酸エステルの合計の重量%を求め、その結果を表1に併せて示した。各エステル化度のショ糖脂肪酸エステルの分析は、上述の蒸発光散乱検出器(ELSD)を用いたグラジエント溶出逆相高速液体クロマトグラフィーにより、アントロン試薬を用いて定量した(J. Oleo Sci., Vol. 50, No.4(2001))。
【0018】
【表1】
Figure 2004121175
【0019】
(漬物用粉末製剤に使用した場合の評価)
表2に示す処方の漬物用粉末製剤を調製し、これに表1に示す各実施例1〜7及び各比較例1〜3の固結防止剤を同表に示す配合量で配合し、室温下、相対湿度60%及び相対湿度80%でそれぞれ1ヶ月放置して、漬物用粉末製剤の固化の様子を調べた。その結果を表3に示した。
【0020】
【表2】
Figure 2004121175
【0021】
【表3】
Figure 2004121175
【0022】
表3に於いて、評価結果は以下の基準、即ち、
◎…流動性あり、
○…ほぼ流動する、
△…流動性悪いが固化物なし、
×…固化物あり、
で示してある。
【0023】
表3に示すように、実施例1〜7の固結防止剤を配合した漬物用粉末製剤は、相対湿度60%で1ヶ月放置後では全て良好な結果となっている。また、相対湿度80%で1ヶ月放置後では、多少流動性が低下しているものもあったが、実用上問題のないレベルであった。これに対して、比較例1〜3の固結防止剤を配合した漬物用粉末製剤は、相対湿度60%で1ヶ月放置後に流動性が低下するものが存在し、相対湿度80%で1ヶ月放置後では全てに固化物が生じ、実用上問題のあるレベルであった。
【0024】
(鮮度保持剤に使用した場合の評価)
表4に示す処方の鮮度保持剤を調製し、これに表1に示す各実施例1〜7及び各比較例1〜3の固結防止剤を同表に示す配合量で配合し、ポリエチレン袋に入れて熱シールを行い、室温下、相対湿度60%及び相対湿度80%でそれぞれ1ヶ月放置して、鮮度保持剤の固化の様子を調べた。その結果を表5に示した。
【0025】
【表4】
Figure 2004121175
【0026】
【表5】
Figure 2004121175
【0027】
表5に於いて、評価結果は以下の基準、即ち、
◎…流動性あり
○…ほぼ流動する
△…流動性悪いが固化物なし
×…固化物あり
で示してある。
【0028】
表5に示すように、実施例1〜7の固結防止剤を配合した鮮度保持剤は、相対湿度60%で1ヶ月放置後では全て良好な結果となっている。また、相対湿度80%で1ヶ月放置後では、多少流動性が低下しているものもあったが、実用上問題のないレベルであった。これに対して、比較例1〜3の固結防止剤を配合した鮮度保持剤は、相対湿度60%で1ヶ月放置後に流動性が低下するものが存在し、相対湿度80%で1ヶ月放置後では全てに固化物が生じ、実用上問題のあるレベルであった。
【0029】
【発明の効果】
本発明の吸湿性添加剤を含有する粉末製剤の固結防止剤は、エステル化度1〜8のショ糖脂肪酸エステルのうち、特定のエステル化度のショ糖脂肪酸エステルを特定の重量比率で含有しているので、粉末製剤中に於いて添加剤の吸湿による固化を防止することが可能となる。従って、本発明の固結防止剤を漬物用粉末製剤、鮮度保持剤等に配合すると、これらの粉体が長期間の保存により固化するのを防止することが可能となる。

Claims (6)

  1. 吸湿性添加剤を含有する粉末製剤の固結防止剤であって、
    60重量%以下のエステル化度1〜2のショ糖脂肪酸エステルと、15〜50重量%のエステル化度3〜4のショ糖脂肪酸エステルと、5〜80重量%のエステル化度5〜8のショ糖脂肪酸エステルとを含有している固結防止剤。
  2. 前記粉末製剤が、漬物用粉末製剤である請求項1記載の固結防止剤。
  3. 前記粉末製剤が、鮮度保持剤である請求項1記載の固結防止剤。
  4. 前記吸湿性添加剤として、調味料、有機酸、有機酸の塩及びこれらの混合物からなる群から選択されるものを含有している請求項1乃至3の何れかに記載の固結防止剤。
  5. 前記吸湿性添加剤として、クエン酸、フマル酸、リンゴ酸、クエン酸ソーダ、フマル酸ソーダ、リンゴ酸ソーダ、酢酸ソーダ及びこれらの混合物から選択されるものを含有している請求項4に記載の固結防止剤。
  6. 前記吸湿性添加剤として、グルタミン酸ソーダ、イノシン酸ソーダ及びこれらの混合物から選択されるものを含有している請求項4に記載の固結防止剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007105757A1 (ja) 2006-03-15 2007-09-20 Suntory Limited 吸湿性の改善された飲食品用組成物
JP2013247930A (ja) * 2012-06-01 2013-12-12 Pokka Sapporo Food & Beverage Ltd 粉末飲料のケーキング防止方法

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