JP2004120880A - 非接触給電装置及び移動体 - Google Patents
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Abstract
【課題】ピックアップ(コイル及びコア)を移動体に取り付けるために必要な強度、形状及び取付位置等と、ピックアップから移動体への磁界の影響を防止するために必要な形状及び配置等を個別に最適化できる非接触給電装置及び該非接触給電装置の効果を得ることができる移動体を提供する。
【解決手段】ピックアップP(コイル51及びコア52)と、コア52に取り付けられ、ピックアップPを移動体の車体枠21に取り付ける取付部材61と、取付部材61とは別体に設けられ、コア52に対して離隔配置された磁界遮蔽部材71とを備える。
【選択図】 図4
【解決手段】ピックアップP(コイル51及びコア52)と、コア52に取り付けられ、ピックアップPを移動体の車体枠21に取り付ける取付部材61と、取付部材61とは別体に設けられ、コア52に対して離隔配置された磁界遮蔽部材71とを備える。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、交流電流が流れる給電線から物理的に非接触の状態で受電して負荷へ給電する非接触給電装置、及び非接触給電装置によって給電される移動体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、非接触給電装置は、例えば搬送車又は昇降機等の移動体に搭載され、該移動体のモータに駆動用の電力を供給する。このような非接触給電装置は、磁性体製のコアにコイルを巻装してなるピックアップを備える。
【0003】
図12は、従来の非接触給電装置が備えるピックアップPUと取付部材33とを示す断面図であり、非接触給電装置が、移動体に搭載されている(例えば、特許文献1)。
図中32はコアであり、コア32は、コイル31を巻装してある。コア32は、断面形状がコの字状に形成された磁性体であって、コイル31を巻回してある柱部32cと、柱部32cの両端に夫々設けられた脚部32a,32bとを有する。
コア32は、給電線40と所定の間隔を隔てて対面し、給電線40が脚部32a,32bの間に位置するよう、磁界遮蔽材(例えばアルミニウム)を用いてなる取付部材33を介して、移動体の車体30に取り付けられている。
【0004】
取付部材33は板状であり、その一面に、水平突起部33a,33aを一体的に備える。水平突起部33a,33aは、コイル31に接触しないようにコア32に取り付けられ、取付部材33は、車体30に固定されている。
以上のような非接触給電装置は、コイル31と給電線40とが非接触の状態で誘導結合し、このときコイル31に誘起された電力を、移動体のモータへ供給する。
【0005】
【特許文献1】
特許第3263421号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の非接触給電装置は、ピックアップPU(コイル31及びコア32)を車体30に取り付ける機能と、ピックアップPUから車体30への磁界の影響を防止する機能とを取付部材33が有する。このため、取付部材33は、ピックアップPUを車体30に取り付けるために必要な強度、形状及び取付位置等の条件と、ピックアップPUから車体30への磁界の影響を防止するために必要な形状及び配置等の条件とを、同時に満足しなければならず、取付部材33の強度、形状及び配置等が制限されるという問題があった。
【0007】
本発明は斯かる問題を解決するためになされたものであり、非磁界遮蔽材を用いてなる取付部材と、磁界遮蔽部材とを個別に備えることにより、ピックアップを移動体に取り付けるために必要な強度、形状及び取付位置等と、ピックアップから移動体への磁界の影響を防止するために必要な形状及び配置等とを個別に最適化できる非接触給電装置を提供することを目的とする。
本発明の他の目的は、非磁界遮蔽材を用いてなる取付部材と、磁界遮蔽部材とを個別に備える非接触給電装置の取付部材を取り付けられることにより、前記非接触給電装置の効果を得ることができる移動体を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
第1発明に係る非接触給電装置は、交流電流が流れる給電線から非接触で受電して負荷に給電すべく、磁性体のコアと、該コアに巻装されているコイルと、前記コアに取り付けられ、該コアを他の装置に取り付ける取付部材とを備える非接触給電装置において、前記コイルに対して配置される磁界遮蔽部材を備え、前記取付部材は、非磁界遮蔽材を用いてなることを特徴とする。
【0009】
第1発明にあっては、従来、一体的に設けられていた取付部材と磁界遮蔽部材とを個別に設け、また、取付部材を、非磁界遮蔽材を用いて形成する。
取付部材は、磁界を遮蔽する機能がない(磁界を遮蔽する機能を有する必要がない)。このため、取付部材を形成する場合に、コアを他の装置に取り付けるために最適な材質、形状、強度及び取付位置等の条件のみを満足するよう取付部材を形成することができる。
磁界遮蔽部材は、コアを他の装置に取り付ける機能を有する必要がない。このため、磁界遮蔽部材を形成する場合に、コアに巻装されたコイルに対して該コイルが発生させる磁界を遮蔽するために最適な材質、形状及び配置等の条件のみを満足するよう磁界遮蔽部材を形成することができる。
【0010】
第2発明に係る非接触給電装置は、前記取付部材は、前記コアを把持する把持部と、該把持部を他の装置に固定する固定部とを有し、前記磁界遮蔽部材は、前記コア、前記把持部、又は前記固定部に取り付けてあることを特徴とする。
【0011】
第2発明にあっては、例えば、別体に設けられた把持部と固定部とを有する取付部材を備え、また、磁界遮蔽部材が、コア、把持部、又は固定部に取り付けられる。このため、コアを把持するために最適な条件とコアを他の装置に固定するために最適な条件とを夫々満足する取付部材を容易に形成することができ、各部の形状又は配置等を容易に最適化することができる。
【0012】
第3発明に係る移動体は、第1発明又は第2発明に係る非接触給電装置によって給電される負荷を備え、前記非接触給電装置が備える取付部材を取り付けてあることを特徴とする。
【0013】
第3発明にあっては、例えば負荷としての走行用モータ、及び走行用モータに駆動される車輪を備え、非接触給電装置を搭載してあり、走行用モータ近傍の移動体本体に取付部材を取り付けてある。この場合、移動体は、非接触給電装置から受電して走行用モータを回転させて車輪を駆動し、走行することができ、また、搭載している非接触給電装置の効果を得ることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
(実施の形態 1.)
図1は、本発明の実施の形態1に係る非接触給電装置8(図3又は図5参照)を備える移動体2を用いた移動体システムの構成を示す斜視図である。
図中1は、モノレール方式の移動体システムを構成するレールである。レール1は、工場又は倉庫等の天井に敷設されており、レール1に、システムコントローラ11によって駆動制御される複数の移動体2,2,…が夫々懸架されている。また、レール1は、図示しない複数のステーションを結んで、多重のループ状に設けられており、このため、交差部を有する。
【0015】
交差部には、スイッチレール方式の分岐・合流部10,10,…が設けられており、分岐・合流部10,10,…は、移動体2,2,…の目的地に応じて、レール1を切り替えるよう構成してある。
各移動体2は、非接触給電システムを介して駆動用の電力を得る。非接触給電システムは、AC200V、60Hzの商用電源9(図5参照)から受電して、高周波(例えば10KHz)の定電流(振幅一定又は実効電流一定の交流電流)を出力する高周波電源装置4と、高周波電源装置4に接続されて高周波の定電流を供給されている給電線40(図5参照)と、非接触給電装置8とを備える。
【0016】
図2及び図3は、移動体2の構成を示す側面図及び正面図である。
移動体システムのレール1はI字型の断面形状を有し、その一側面には、支持腕12,12,…が、レール1の長手方向に適宜の間隔で設けられている。レール1は、支持腕12,12,…によって天井から略水平に吊り下げられている。
レール1の他側面には、給電線取付板13がネジ留めされており、給電線取付板13の上下方向中央部に、棒状部材を用いてなる支持部材14,14,…が多数、略水平に並んで設けられている。
給電線40は、支持部材14,14,…の先端部に固定されることによって、レール1に沿って敷設されている。
【0017】
各移動体2は、正面視がコの字状である前後一対の車体枠21,22を備え、車体枠21,22の上部に、前輪21a及び後輪22aを夫々回動可能に備える。移動体2は、前輪21a及び後輪22aをレール1に転接させることによって、レール1に懸架されている。また、車体枠21は、前輪21a近傍に、前輪21aに連繋する走行用のモータMを固定してある。
移動体2は、被搬送物を着脱可能に取り付けることができるキャリア23を備え、キャリア23は、車体枠21,22夫々の下部にわたして設けられ、車体枠21,22によってレール1の下側に吊り下げられている。
【0018】
移動体2は、ピックアップP及び取付部材61を備える非接触給電装置8を搭載してあり、ピックアップPは、取付部材61を介して、車体枠21のレール1側に固定されている。移動体2は、非接触給電装置8にモータMを接続してあり、非接触給電装置8を介し、給電線40からモータM駆動用の電力を得て、前輪21a及び後輪22aを回転させ、一のステーションから他のステーションへ被搬送物を搬送すべく白抜矢符方向へ走行する。
【0019】
図4は、非接触給電装置8が備えるピックアップPと取付部材61とを示す断面図(a)及び側面図(b)である。
ピックアップPは、コイル51とコア52とを備える。コア52は、断面形状がコの字状に形成された磁性体(例えばフェライト)であり、コイル51を巻回してある板状の柱部52cと、柱部52cの両端に夫々設けられた板状の脚部52a,52bとを有する。また、脚部52a,52bは、柱部52c近傍の外面に、凸部を夫々有する。
【0020】
取付部材61は、樹脂又はステンレス(例えばSUS304)等の非磁界遮蔽材を用いてなり、上下一対の把持部61a,61aと、固定部61bとを備え、断面形状が略コの字状である。固定部61bは、コア52の柱部52cの面積より広い板状であり、略垂直に配置されて、図示しないネジで車体枠21の給電線40(レール1)側にネジ留めされている。この場合、取付部材61は、その開口部が給電線40側に向くようにして車体枠21に取り付けられる。
【0021】
把持部61a,61aは、固定部61bの長さ(給電線40の敷設方向の長さ)に等しい長さを有する板状であり、把持部61aと把持部61aとの間にピックアップPを挟んで把持するよう、固定部61bの上下方向の端部付近にそれぞれ設けられ、図示しないネジで固定部61bにネジ留めされている。また、各把持部61aは、その内面に、コア52の凸部に対応する凹部を有する。
磁界遮蔽部材71は、例えばアルミニウムを用いてなる板状であり、断面形状がコの字状に形成してある。
【0022】
取付部材61を用いてピックアップPを移動体2の車体枠21に取り付ける場合、各把持部61aの凹部と、該凹部に対応するコア52の凸部とが嵌合し、また、コア52の開口部が給電線40側に向くようにして、把持部61aと把持部61aとの間にコア52が把持される。このとき、取付部材61の固定部61bと柱部52c(柱部52cに巻回されているコイル51)とが対向して離隔配置される。
【0023】
また、コア52と固定部61bとの間の空隙に、磁界遮蔽部材71を、把持部61a,61aと固定部61bとの内側に密着して沿うように配置して、把持部61a,61a及び/又は固定部61bに固定する。このとき、コイル51の一側面(車体枠21側の側面)が磁界遮蔽部材71に囲われるようにして、磁界遮蔽部材71はコイル51に対して離隔配置される。
更に、固定部61bを車体枠21にネジ留めする。
以上のような場合、コイル51が、取付部材61、磁界遮蔽部材71及び車体枠21等に接触しないようにする。
【0024】
レール1に移動体2を載架する場合は、ピックアップPが、給電線40と所定の間隔を隔てて対面し、給電線40がコア52の脚部52a,52bの間に位置するよう配置する。高周波電源装置4によって給電線40に高周波交流電流が通電されたとき、給電線40の周囲に、時間的に変化する磁束が形成される。非接触給電装置8は、その磁束がコイル51に鎖交することによってコイル51に発生した誘導起電力を受電し、モータMへ供給する。
【0025】
なお、取付部材61の全部又は一部が樹脂製である場合、樹脂製の取付部材61はコイル51に接触していても良い。この場合、取付部材61の一部でコイル51を覆うようにして、取付部材61をコア52に取り付けても良い。このとき、コイル51が取付部材61によって絶縁及び防塵されるという効果が得られる。
また、把持部61a,61a(又は一方の把持部61a)と固定部61bとが、別体ではなく一体に形成されていても良い。
【0026】
図5は、非接触給電装置8の構成を示す電気回路図である。
図中9は商用電源であり、商用電源9に接続された高周波電源装置4は、商用電源9の出力を整流し、平滑化して直流とし、該直流をインバータ(DCーAC変換器)に入力して高周波交流電流に変換して、変換した高周波電流を給電線40へ定電流として出力する。
各移動体2に搭載してある非接触給電装置8は、受電回路5を備える。また、受電回路5の出力部に、DCバスDBを介してモータドライバDが接続してあり、モータドライバDは、負荷としてのモータMを駆動する。モータMは交流モータであり、モータドライバDを介して、受電回路5に接続してある。
【0027】
受電回路5は共振回路部50を備え、共振回路部50は、コイル51と、コイル51に並列に接続された共振コンデンサ53とを備える。共振回路部50は、給電線40に誘導結合すべく、給電線40に対し離隔配置されているコイル51のインダクタンスと、共振コンデンサ53のキャパシタンスとが、給電線40を流れる高周波交流電流の周波数と共振状態になるよう構成されている。即ち、共振回路部50は、コイル51に誘起された電力を受けて、高周波交流の定電流源として機能する。
【0028】
受電回路5は、共振回路部50の他に、共振回路部50の出力である定電流を定電圧(振幅一定又は実効電圧一定の交流電圧)に変換するイミタンス変換回路54と、イミタンス変換回路54の出力である定電圧の交流電流を全波整流するダイオードブリッジを用いた整流回路55と、平滑コンデンサを用いてなり、整流回路55が出力した全波整流波形を有する直流電流を平滑化する平滑部56とを備える。
なお、整流回路55を、全波整流するダイオードブリッジの代わりに半波整流するダイオードを用いて構成しても良い。
【0029】
受電回路5は、共振回路部50の出力(定電流)を、イミタンス変換回路54で定電圧に変換し、整流回路55で全波整流し、平滑部56で平滑することによって、直流電流をモータドライバDへ供給する。
モータドライバDはインバータ機能を有するよう構成してあり、供給された直流電流を交流電流に変換して、モータMへ供給する。モータMは、交流電流を受けて回転し、前輪21aを駆動する。
【0030】
以上のような非接触給電装置8は、取付部材61にてピックアップPを移動体2の車体枠21に取り付けることができ、また、磁界遮蔽部材71にて、誘導起電力を生じているコイル51が発生させる磁界が移動体2に影響を及ぼすことを防止できる。
また、一般的に導電性があり、強度が弱いアルミニウムのような磁界遮蔽材で形成された取付部材とは異なり、樹脂製である場合の取付部材61は絶縁性があるため、安全である。また、SUS304のようなステンレスで形成されている場合の取付部材61は強度が強いため、アルミニウム製の取付部材よりも薄く形成してあっても同じ強度を得ることができる。
【0031】
また、取付部材61は、取付部材61に取り付けたいピックアップPの形状、取付位置又は重量、及び車体枠21の形状等に応じた最適な形状に、磁界遮蔽機能にかかわらず形成することができる。
また、磁界遮蔽部材71は、取付機能にかかわらず、自由に磁界遮蔽性能を設定できる。
更に、樹脂製である場合の取付部材61は、アルミニウムのような金属に比べ弾性が高いため、振動や衝撃で破損され難いという利点がある。
【0032】
(実施の形態 2.)
図6は、本発明の実施の形態2に係る非接触給電装置が備えるピックアップPと取付部材61とを示す断面図である。
磁界遮蔽部材72はアルミニウムを用いてなり、平板状に形成してある。磁界遮蔽部材72は、コア52と固定部61bとの間の空隙に配置されて、固定部61bの内側に密着して固定されている。このとき、コイル51の一側面が磁界遮蔽部材72に覆われるようにして、磁界遮蔽部材72はコイル51に対して離隔配置されている。
【0033】
以上のような場合、取付部材61、磁界遮蔽部材72及び車体枠21等に、コイル51が接触しないようにする。
その他、実施の形態1に対応する部分には同一符号を付してそれらの説明を省略する。
以上のような非接触給電装置は、実施の形態1と同様の効果を得ることができ、非接触給電装置を設計する場合に、所用の磁界遮蔽性能に応じて磁界遮蔽部材72の形状を自在に決定することができる。
【0034】
(実施の形態 3.)
図7は、本発明の実施の形態3に係る非接触給電装置が備えるピックアップPと取付部材63とを示す断面図(a)及び側面図(b)である。
取付部材63は、非磁界遮蔽材であるSUS304を用いてなり、断面形状が略コ字状であり、上下一対の把持部63a,63aを2組と、固定部63b,63bとを備える。各固定部63bは帯状であり、その長手方向が略垂直に配置され、また、固定部63bと固定部63bとが給電線40の敷設方向に離隔配置されて、ネジ63d,63dで車体枠21の給電線40側にネジ留めされている。
この場合、取付部材63は、その開口部が給電線40側に向くようにして車体枠21に取り付けられる。
【0035】
一対の把持部63a,63aは、固定部63bの幅(給電線40の敷設方向の長さ)に等しい幅を有する棒状であり、把持部63aと把持部63aとの間にピックアップPを挟んで把持するよう、固定部63bの上下方向の端部付近に夫々設けられ、ネジ63c,63cで固定部63bにネジ留めされている。また、各把持部63aは、その内面に、コア52の凸部に対応する凹部を有する。
磁界遮蔽部材73は、アルミニウムを用いてなる板状であり、断面形状がコの字状に形成してある。
【0036】
取付部材63を用いてピックアップPを移動体2の車体枠21に取り付ける場合、各把持部63aの凹部と、該凹部に対応するコア52の凸部とが嵌合し、また、コア52の開口部が給電線40側に向くようにして、把持部63aと把持部63aとの間にコア52が把持される。このとき、取付部材63の固定部63b,63bと柱部52c(柱部52cに巻回されているコイル51)とが対向して離隔配置される。
【0037】
また、コア52と固定部63b,63bとの間の空隙に、磁界遮蔽部材73を、その一部が把持部63a,63a,…の内側に密着し、またコイル51の一側面を囲むようにして配置し、各把持部63aに固定する。このとき、磁界遮蔽部材73はコイル51に対して離隔配置される。
更に、固定部63b,63bを車体枠21にネジ留めする。
以上のような場合、取付部材63、磁界遮蔽部材73及び車体枠21等に、コイル51が接触しないようにする。
その他、実施の形態1又は2に対応する部分には同一符号を付してそれらの説明を省略する。
【0038】
以上のような非接触給電装置は、実施の形態1及び2と同様の効果を得ることができ、同じ強度ならば、アルミニウム又は樹脂等で形成された取付部材よりも、アルミニウム又は樹脂等よりも強度が強い材料(この場合、SUS304)で形成された取付部材73の方が、小型化(薄く、又は小さく形成)することができる。即ち、非接触給電装置を設計する場合に、所用の強度及び重量等に応じて取付部材73の形状を自在に決定することができる。
【0039】
(実施の形態 4.)
図8は、本発明の実施の形態4に係る非接触給電装置が備えるピックアップPと取付部材64とを示す断面図である。図9(a)は、磁界遮蔽部材74の側面図であり、図9(b)は、ピックアップPと取付部材64とを示す側面図である。
【0040】
取付部材64は、非磁界遮蔽材を用いてなり、断面形状が略コ字状であり、樹脂製である上下一対の把持部64a,64aを2組と、SUS304製の固定部64b,64bとを備える。各固定部64bは帯状であり、その長手方向が略垂直に配置され、また、固定部64bと固定部64bとが給電線40の敷設方向に離隔配置されて、非磁界遮蔽材を用いてなるネジ64d,64dで車体枠21の給電線40側にネジ留めされている。この場合、取付部材64は、その開口部が給電線40側に向くようにして車体枠21に取り付けられる。
【0041】
一対の把持部64a,64aは、固定部64bの幅(給電線40の敷設方向の長さ)に等しい幅を有する棒状であり、把持部64aと把持部64aとの間にピックアップPを挟んで把持するよう、固定部64bの上下方向の端部付近に夫々設けられ、ネジ64c,64cで、樹脂製であり磁界遮蔽部材74の厚さより厚い円盤状のスペーサ64e,64eを介在して固定部64bにネジ留めされている。また、各把持部64aは、その内面に、コア52の凸部に対応する凹部を有する。
磁界遮蔽部材74は、アルミニウムを用いてなり、把持部64a,64a,…、コイル51、及びコア52の柱部52cの一側面を覆うような面積の平板状に形成してある。また、その四隅に、スペーサ64eの面積より僅かに面積が大きい円形の穴部を有する。
【0042】
取付部材64を用いてピックアップPを移動体2の車体枠21に取り付ける場合、各把持部64aの凹部と、該凹部に対応するコア52の凸部とが嵌合し、また、コア52の開口部が給電線40側に向くようにして、把持部64aと把持部64aとの間にコア52が把持される。このとき、取付部材64の固定部64b,64bと柱部52c(柱部52cに巻回されているコイル51)とが対向して離隔配置される。
【0043】
また、コア52と固定部64b,64bとの間の空隙に、磁界遮蔽部材74を、その穴部にスペーサ64e,64e,…が配置されるよう固定部64b,64bに固定する。このとき、磁界遮蔽部材74はコイル51に対して離隔配置される。
更に、固定部64b,64bを車体枠21にネジ留めする。
以上のような場合、取付部材64、磁界遮蔽部材74及び車体枠21等に、コイル51が接触しないようにする。
その他、実施の形態1〜3に対応する部分には同一符号を付してそれらの説明を省略する。
【0044】
以上のような非接触給電装置は、実施の形態1〜3と同様の効果を得ることができ、非接触給電装置を設計する場合に、所用の強度及び重量等に応じて取付部材の材質を自在に決定することができる。
【0045】
(実施の形態 5.)
図10は、本発明の実施の形態5に係る非接触給電装置が備えるピックアップPと取付部材65とを示す断面図である。
ピックアップPは、コイル501,501とコア52とを備える。コア52は、断面形状がコの字状に形成されたフェライトであり、板状の柱部52cと、柱部52cの両端に夫々設けられ、コイル501,501を巻回してある板状の脚部52a,52bとを有する。また、脚部52a,52bは、柱部52c近傍の外面に、凹部を夫々有する。
【0046】
取付部材65は、樹脂又はSUS304等の非磁界遮蔽材を用いてなり、断面形状が略コの字状であり、上下一対の把持部65a,65aと、固定部65bとを備える。固定部65bは、コア52の柱部52cの面積より広い板状であり、略垂直に配置されて、図示しないネジで車体枠21の給電線40側にネジ留めされている。この場合、取付部材65は、その開口部が給電線40側に向くようにして車体枠21に取り付けられる。
【0047】
把持部65a,65aは、把持部65aと把持部65aとの間にピックアップPを挟んで把持するよう、固定部65bの上下方向の端部付近に夫々設けられ、非磁界遮蔽材を用いてなる図示しないネジで固定部65bにネジ留めされている。また、各把持部65aは、その内面に、コア52の凸部に対応する凹部を有する。
磁界遮蔽部材75,75は、アルミニウムを用いてなる板状であり、断面形状がコの字状に形成してある。
【0048】
取付部材65を用いてピックアップPを移動体2の車体枠21に取り付ける場合、各把持部65aの凹部と、該凹部に対応するコア52の凸部とが嵌合し、また、コア52の開口部が給電線40側に向くようにして、把持部65aと把持部65aとの間にコア52が把持される。このとき、取付部材65の固定部65bと柱部52cとが対向して密着配置される。
【0049】
また、磁界遮蔽部材75,75が、コイル501,501の上面,下面を囲むように配置され、脚部52a,52bに夫々固定される。このとき、各磁界遮蔽部材75はコイル501に対して離隔配置される。
更に、固定部65bを車体枠21にネジ留めする。以上のような場合、取付部材65、磁界遮蔽部材75,75及び車体枠21等に、各コイル501,501が接触しないようにする。
その他、実施の形態1〜4に対応する部分には同一符号を付してそれらの説明を省略する。
以上のような非接触給電装置は、実施の形態1〜4と同様の効果を得ることができ、非接触給電装置を設計する場合に、所用の磁界遮蔽性能に応じて磁界遮蔽部材75の個数及び配置等を自在に決定することができる。
【0050】
(実施の形態 6.)
実施の形態1〜5では、コア52の柱部52cと取付部材の固定部と移動体2の車体枠21とが、移動体2の左右方向に並ぶような配置(ピックアップPを背部で固定する方式)を例示したが、本実施の形態では、コア52の脚部52a,52bと取付部材の固定部と移動体とが、移動体の上下方向に並ぶような配置(ピックアップPを底部で固定する方式)を例示する。
【0051】
図11は、本発明の実施の形態6に係る非接触給電装置が備えるピックアップPと取付部材66とを示す断面図である。
取付部材66は、樹脂又はSUS304等の非磁界遮蔽材を用いてなり、断面形状が略コの字状である把持部67と、固定部68とを備える。
把持部67は、腕部67a,67aと柱部67bとを有し、腕部67a,67aは、その間にピックアップPを挟んで把持するよう、柱部67bの上下方向の両端に夫々設けられている。また、腕部67a,67aは、その内面に、凹部を夫々有する。
【0052】
固定部68は、平板状の底部68aと、底部の一端部に立ち上がるL字部68bとを有する板状又は帯状であり、底部68aが、図示しない移動体の車体本体に取り付けられ、L字部68bが、非磁界遮蔽材を用いてなるネジ66cで把持部67の片方の腕部67aにネジ留めされている。この場合、把持部67は、その開口部が給電線40側に向くようにして移動体の車体本体に取り付けられる。
磁界遮蔽部材76は、アルミニウムを用いてなる板状であり、断面形状が、把持部67の内側に密着して沿うコの字状に形成してある。
【0053】
取付部材66を用いてピックアップPを移動体に取り付ける場合、把持部67の腕部67a,67aの凹部と、該凹部に対応するコア52の凸部とが嵌合し、また、コア52の開口部が給電線40側に向くようにして、腕部67aと腕部67aとの間にコア52が把持される。このとき、コア52の柱部52c(柱部52cに巻回されているコイル51)が把持部67の柱部67aと対向して離隔配置される。
【0054】
また、コア52と把持部67の間の空隙に、把持部67に固定して磁界遮蔽部材76を配置する。このとき、磁界遮蔽部材76はコイル51に対して離隔配置される。
更に、固定部68を移動体に取り付ける。
以上のような場合、取付部材66、磁界遮蔽部材76及び移動体等に、コイル51が接触しないようにする。
その他、実施の形態1〜5に対応する部分には同一符号を付してそれらの説明を省略する。
【0055】
以上のような非接触給電装置は、実施の形態1〜5と同様の効果を得ることができ、非接触給電装置を設計する場合に、ピックアップPの配置に応じて取付部材66の形状及び配置を自在に決定することができる。
なお、ピックアップPの磁界を遮蔽する必要がない場合は、磁界遮蔽部材76は無くても構わない。また、ピックアップPを移動体の車体本体から吊り下げるようにして取付部材66で取り付けても良い。
【0056】
【発明の効果】
本発明の非接触給電装置及び移動体によれば、別体の取付部材と磁界遮蔽部材とを備えることにより、各部材の材質、形状、強度及び配置等を個々に最適化することができる。また、各部材の設計上の制限が低減されるため、所用の条件を満足した非接触給電装置(例えば十分な取付強度及び磁界遮蔽機能等を有する小型の非接触給電装置)、及び該非接触給電装置によって給電される移動体を容易に設計することができる。
更に、取付部材が把持部と固定部とを有し、磁界遮蔽部材を、コア、把持部、又は固定部に取り付けることにより、各部の材質、形状、強度及び配置等に関する設計の自由度を更に向上することができる等、本発明は優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る非接触給電装置を備える移動体を用いた移動体システムの構成を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る非接触給電装置を備える移動体の構成を示す側面図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係る非接触給電装置を備える移動体の構成を示す正面図である。
【図4】本発明の実施の形態1に係る非接触給電装置が備えるピックアップと取付部材とを示す断面図及び側面図である。
【図5】本発明の実施の形態1に係る非接触給電装置の構成を示す電気回路図である。
【図6】本発明の実施の形態2に係る非接触給電装置が備えるピックアップと取付部材とを示す断面図である。
【図7】本発明の実施の形態3に係る非接触給電装置が備えるピックアップと取付部材とを示す断面図及び側面図である。
【図8】本発明の実施の形態4に係る非接触給電装置が備えるピックアップと取付部材とを示す断面図である。
【図9】本発明の実施の形態4に係る非接触給電装置が備える磁界遮蔽部材、及びピックアップと取付部材とを示す側面図である。
【図10】本発明の実施の形態5に係る非接触給電装置が備えるピックアップと取付部材とを示す断面図である。
【図11】本発明の実施の形態6に係る非接触給電装置が備えるピックアップと取付部材とを示す断面図である。
【図12】従来の非接触給電装置が備えるピックアップと取付部材とを示す断面図である。
【符号の説明】
2 移動体
21 車体枠
40 給電線
52 コア
51,501 コイル
61,63,64,65,66 取付部材
61a,63a,64a,65a,67 把持部
61b,63b,64b,65b,68 固定部
71,72,73,74,75,76 磁界遮蔽部材
8 非接触給電装置
M モータ
【発明の属する技術分野】
本発明は、交流電流が流れる給電線から物理的に非接触の状態で受電して負荷へ給電する非接触給電装置、及び非接触給電装置によって給電される移動体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、非接触給電装置は、例えば搬送車又は昇降機等の移動体に搭載され、該移動体のモータに駆動用の電力を供給する。このような非接触給電装置は、磁性体製のコアにコイルを巻装してなるピックアップを備える。
【0003】
図12は、従来の非接触給電装置が備えるピックアップPUと取付部材33とを示す断面図であり、非接触給電装置が、移動体に搭載されている(例えば、特許文献1)。
図中32はコアであり、コア32は、コイル31を巻装してある。コア32は、断面形状がコの字状に形成された磁性体であって、コイル31を巻回してある柱部32cと、柱部32cの両端に夫々設けられた脚部32a,32bとを有する。
コア32は、給電線40と所定の間隔を隔てて対面し、給電線40が脚部32a,32bの間に位置するよう、磁界遮蔽材(例えばアルミニウム)を用いてなる取付部材33を介して、移動体の車体30に取り付けられている。
【0004】
取付部材33は板状であり、その一面に、水平突起部33a,33aを一体的に備える。水平突起部33a,33aは、コイル31に接触しないようにコア32に取り付けられ、取付部材33は、車体30に固定されている。
以上のような非接触給電装置は、コイル31と給電線40とが非接触の状態で誘導結合し、このときコイル31に誘起された電力を、移動体のモータへ供給する。
【0005】
【特許文献1】
特許第3263421号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の非接触給電装置は、ピックアップPU(コイル31及びコア32)を車体30に取り付ける機能と、ピックアップPUから車体30への磁界の影響を防止する機能とを取付部材33が有する。このため、取付部材33は、ピックアップPUを車体30に取り付けるために必要な強度、形状及び取付位置等の条件と、ピックアップPUから車体30への磁界の影響を防止するために必要な形状及び配置等の条件とを、同時に満足しなければならず、取付部材33の強度、形状及び配置等が制限されるという問題があった。
【0007】
本発明は斯かる問題を解決するためになされたものであり、非磁界遮蔽材を用いてなる取付部材と、磁界遮蔽部材とを個別に備えることにより、ピックアップを移動体に取り付けるために必要な強度、形状及び取付位置等と、ピックアップから移動体への磁界の影響を防止するために必要な形状及び配置等とを個別に最適化できる非接触給電装置を提供することを目的とする。
本発明の他の目的は、非磁界遮蔽材を用いてなる取付部材と、磁界遮蔽部材とを個別に備える非接触給電装置の取付部材を取り付けられることにより、前記非接触給電装置の効果を得ることができる移動体を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
第1発明に係る非接触給電装置は、交流電流が流れる給電線から非接触で受電して負荷に給電すべく、磁性体のコアと、該コアに巻装されているコイルと、前記コアに取り付けられ、該コアを他の装置に取り付ける取付部材とを備える非接触給電装置において、前記コイルに対して配置される磁界遮蔽部材を備え、前記取付部材は、非磁界遮蔽材を用いてなることを特徴とする。
【0009】
第1発明にあっては、従来、一体的に設けられていた取付部材と磁界遮蔽部材とを個別に設け、また、取付部材を、非磁界遮蔽材を用いて形成する。
取付部材は、磁界を遮蔽する機能がない(磁界を遮蔽する機能を有する必要がない)。このため、取付部材を形成する場合に、コアを他の装置に取り付けるために最適な材質、形状、強度及び取付位置等の条件のみを満足するよう取付部材を形成することができる。
磁界遮蔽部材は、コアを他の装置に取り付ける機能を有する必要がない。このため、磁界遮蔽部材を形成する場合に、コアに巻装されたコイルに対して該コイルが発生させる磁界を遮蔽するために最適な材質、形状及び配置等の条件のみを満足するよう磁界遮蔽部材を形成することができる。
【0010】
第2発明に係る非接触給電装置は、前記取付部材は、前記コアを把持する把持部と、該把持部を他の装置に固定する固定部とを有し、前記磁界遮蔽部材は、前記コア、前記把持部、又は前記固定部に取り付けてあることを特徴とする。
【0011】
第2発明にあっては、例えば、別体に設けられた把持部と固定部とを有する取付部材を備え、また、磁界遮蔽部材が、コア、把持部、又は固定部に取り付けられる。このため、コアを把持するために最適な条件とコアを他の装置に固定するために最適な条件とを夫々満足する取付部材を容易に形成することができ、各部の形状又は配置等を容易に最適化することができる。
【0012】
第3発明に係る移動体は、第1発明又は第2発明に係る非接触給電装置によって給電される負荷を備え、前記非接触給電装置が備える取付部材を取り付けてあることを特徴とする。
【0013】
第3発明にあっては、例えば負荷としての走行用モータ、及び走行用モータに駆動される車輪を備え、非接触給電装置を搭載してあり、走行用モータ近傍の移動体本体に取付部材を取り付けてある。この場合、移動体は、非接触給電装置から受電して走行用モータを回転させて車輪を駆動し、走行することができ、また、搭載している非接触給電装置の効果を得ることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
(実施の形態 1.)
図1は、本発明の実施の形態1に係る非接触給電装置8(図3又は図5参照)を備える移動体2を用いた移動体システムの構成を示す斜視図である。
図中1は、モノレール方式の移動体システムを構成するレールである。レール1は、工場又は倉庫等の天井に敷設されており、レール1に、システムコントローラ11によって駆動制御される複数の移動体2,2,…が夫々懸架されている。また、レール1は、図示しない複数のステーションを結んで、多重のループ状に設けられており、このため、交差部を有する。
【0015】
交差部には、スイッチレール方式の分岐・合流部10,10,…が設けられており、分岐・合流部10,10,…は、移動体2,2,…の目的地に応じて、レール1を切り替えるよう構成してある。
各移動体2は、非接触給電システムを介して駆動用の電力を得る。非接触給電システムは、AC200V、60Hzの商用電源9(図5参照)から受電して、高周波(例えば10KHz)の定電流(振幅一定又は実効電流一定の交流電流)を出力する高周波電源装置4と、高周波電源装置4に接続されて高周波の定電流を供給されている給電線40(図5参照)と、非接触給電装置8とを備える。
【0016】
図2及び図3は、移動体2の構成を示す側面図及び正面図である。
移動体システムのレール1はI字型の断面形状を有し、その一側面には、支持腕12,12,…が、レール1の長手方向に適宜の間隔で設けられている。レール1は、支持腕12,12,…によって天井から略水平に吊り下げられている。
レール1の他側面には、給電線取付板13がネジ留めされており、給電線取付板13の上下方向中央部に、棒状部材を用いてなる支持部材14,14,…が多数、略水平に並んで設けられている。
給電線40は、支持部材14,14,…の先端部に固定されることによって、レール1に沿って敷設されている。
【0017】
各移動体2は、正面視がコの字状である前後一対の車体枠21,22を備え、車体枠21,22の上部に、前輪21a及び後輪22aを夫々回動可能に備える。移動体2は、前輪21a及び後輪22aをレール1に転接させることによって、レール1に懸架されている。また、車体枠21は、前輪21a近傍に、前輪21aに連繋する走行用のモータMを固定してある。
移動体2は、被搬送物を着脱可能に取り付けることができるキャリア23を備え、キャリア23は、車体枠21,22夫々の下部にわたして設けられ、車体枠21,22によってレール1の下側に吊り下げられている。
【0018】
移動体2は、ピックアップP及び取付部材61を備える非接触給電装置8を搭載してあり、ピックアップPは、取付部材61を介して、車体枠21のレール1側に固定されている。移動体2は、非接触給電装置8にモータMを接続してあり、非接触給電装置8を介し、給電線40からモータM駆動用の電力を得て、前輪21a及び後輪22aを回転させ、一のステーションから他のステーションへ被搬送物を搬送すべく白抜矢符方向へ走行する。
【0019】
図4は、非接触給電装置8が備えるピックアップPと取付部材61とを示す断面図(a)及び側面図(b)である。
ピックアップPは、コイル51とコア52とを備える。コア52は、断面形状がコの字状に形成された磁性体(例えばフェライト)であり、コイル51を巻回してある板状の柱部52cと、柱部52cの両端に夫々設けられた板状の脚部52a,52bとを有する。また、脚部52a,52bは、柱部52c近傍の外面に、凸部を夫々有する。
【0020】
取付部材61は、樹脂又はステンレス(例えばSUS304)等の非磁界遮蔽材を用いてなり、上下一対の把持部61a,61aと、固定部61bとを備え、断面形状が略コの字状である。固定部61bは、コア52の柱部52cの面積より広い板状であり、略垂直に配置されて、図示しないネジで車体枠21の給電線40(レール1)側にネジ留めされている。この場合、取付部材61は、その開口部が給電線40側に向くようにして車体枠21に取り付けられる。
【0021】
把持部61a,61aは、固定部61bの長さ(給電線40の敷設方向の長さ)に等しい長さを有する板状であり、把持部61aと把持部61aとの間にピックアップPを挟んで把持するよう、固定部61bの上下方向の端部付近にそれぞれ設けられ、図示しないネジで固定部61bにネジ留めされている。また、各把持部61aは、その内面に、コア52の凸部に対応する凹部を有する。
磁界遮蔽部材71は、例えばアルミニウムを用いてなる板状であり、断面形状がコの字状に形成してある。
【0022】
取付部材61を用いてピックアップPを移動体2の車体枠21に取り付ける場合、各把持部61aの凹部と、該凹部に対応するコア52の凸部とが嵌合し、また、コア52の開口部が給電線40側に向くようにして、把持部61aと把持部61aとの間にコア52が把持される。このとき、取付部材61の固定部61bと柱部52c(柱部52cに巻回されているコイル51)とが対向して離隔配置される。
【0023】
また、コア52と固定部61bとの間の空隙に、磁界遮蔽部材71を、把持部61a,61aと固定部61bとの内側に密着して沿うように配置して、把持部61a,61a及び/又は固定部61bに固定する。このとき、コイル51の一側面(車体枠21側の側面)が磁界遮蔽部材71に囲われるようにして、磁界遮蔽部材71はコイル51に対して離隔配置される。
更に、固定部61bを車体枠21にネジ留めする。
以上のような場合、コイル51が、取付部材61、磁界遮蔽部材71及び車体枠21等に接触しないようにする。
【0024】
レール1に移動体2を載架する場合は、ピックアップPが、給電線40と所定の間隔を隔てて対面し、給電線40がコア52の脚部52a,52bの間に位置するよう配置する。高周波電源装置4によって給電線40に高周波交流電流が通電されたとき、給電線40の周囲に、時間的に変化する磁束が形成される。非接触給電装置8は、その磁束がコイル51に鎖交することによってコイル51に発生した誘導起電力を受電し、モータMへ供給する。
【0025】
なお、取付部材61の全部又は一部が樹脂製である場合、樹脂製の取付部材61はコイル51に接触していても良い。この場合、取付部材61の一部でコイル51を覆うようにして、取付部材61をコア52に取り付けても良い。このとき、コイル51が取付部材61によって絶縁及び防塵されるという効果が得られる。
また、把持部61a,61a(又は一方の把持部61a)と固定部61bとが、別体ではなく一体に形成されていても良い。
【0026】
図5は、非接触給電装置8の構成を示す電気回路図である。
図中9は商用電源であり、商用電源9に接続された高周波電源装置4は、商用電源9の出力を整流し、平滑化して直流とし、該直流をインバータ(DCーAC変換器)に入力して高周波交流電流に変換して、変換した高周波電流を給電線40へ定電流として出力する。
各移動体2に搭載してある非接触給電装置8は、受電回路5を備える。また、受電回路5の出力部に、DCバスDBを介してモータドライバDが接続してあり、モータドライバDは、負荷としてのモータMを駆動する。モータMは交流モータであり、モータドライバDを介して、受電回路5に接続してある。
【0027】
受電回路5は共振回路部50を備え、共振回路部50は、コイル51と、コイル51に並列に接続された共振コンデンサ53とを備える。共振回路部50は、給電線40に誘導結合すべく、給電線40に対し離隔配置されているコイル51のインダクタンスと、共振コンデンサ53のキャパシタンスとが、給電線40を流れる高周波交流電流の周波数と共振状態になるよう構成されている。即ち、共振回路部50は、コイル51に誘起された電力を受けて、高周波交流の定電流源として機能する。
【0028】
受電回路5は、共振回路部50の他に、共振回路部50の出力である定電流を定電圧(振幅一定又は実効電圧一定の交流電圧)に変換するイミタンス変換回路54と、イミタンス変換回路54の出力である定電圧の交流電流を全波整流するダイオードブリッジを用いた整流回路55と、平滑コンデンサを用いてなり、整流回路55が出力した全波整流波形を有する直流電流を平滑化する平滑部56とを備える。
なお、整流回路55を、全波整流するダイオードブリッジの代わりに半波整流するダイオードを用いて構成しても良い。
【0029】
受電回路5は、共振回路部50の出力(定電流)を、イミタンス変換回路54で定電圧に変換し、整流回路55で全波整流し、平滑部56で平滑することによって、直流電流をモータドライバDへ供給する。
モータドライバDはインバータ機能を有するよう構成してあり、供給された直流電流を交流電流に変換して、モータMへ供給する。モータMは、交流電流を受けて回転し、前輪21aを駆動する。
【0030】
以上のような非接触給電装置8は、取付部材61にてピックアップPを移動体2の車体枠21に取り付けることができ、また、磁界遮蔽部材71にて、誘導起電力を生じているコイル51が発生させる磁界が移動体2に影響を及ぼすことを防止できる。
また、一般的に導電性があり、強度が弱いアルミニウムのような磁界遮蔽材で形成された取付部材とは異なり、樹脂製である場合の取付部材61は絶縁性があるため、安全である。また、SUS304のようなステンレスで形成されている場合の取付部材61は強度が強いため、アルミニウム製の取付部材よりも薄く形成してあっても同じ強度を得ることができる。
【0031】
また、取付部材61は、取付部材61に取り付けたいピックアップPの形状、取付位置又は重量、及び車体枠21の形状等に応じた最適な形状に、磁界遮蔽機能にかかわらず形成することができる。
また、磁界遮蔽部材71は、取付機能にかかわらず、自由に磁界遮蔽性能を設定できる。
更に、樹脂製である場合の取付部材61は、アルミニウムのような金属に比べ弾性が高いため、振動や衝撃で破損され難いという利点がある。
【0032】
(実施の形態 2.)
図6は、本発明の実施の形態2に係る非接触給電装置が備えるピックアップPと取付部材61とを示す断面図である。
磁界遮蔽部材72はアルミニウムを用いてなり、平板状に形成してある。磁界遮蔽部材72は、コア52と固定部61bとの間の空隙に配置されて、固定部61bの内側に密着して固定されている。このとき、コイル51の一側面が磁界遮蔽部材72に覆われるようにして、磁界遮蔽部材72はコイル51に対して離隔配置されている。
【0033】
以上のような場合、取付部材61、磁界遮蔽部材72及び車体枠21等に、コイル51が接触しないようにする。
その他、実施の形態1に対応する部分には同一符号を付してそれらの説明を省略する。
以上のような非接触給電装置は、実施の形態1と同様の効果を得ることができ、非接触給電装置を設計する場合に、所用の磁界遮蔽性能に応じて磁界遮蔽部材72の形状を自在に決定することができる。
【0034】
(実施の形態 3.)
図7は、本発明の実施の形態3に係る非接触給電装置が備えるピックアップPと取付部材63とを示す断面図(a)及び側面図(b)である。
取付部材63は、非磁界遮蔽材であるSUS304を用いてなり、断面形状が略コ字状であり、上下一対の把持部63a,63aを2組と、固定部63b,63bとを備える。各固定部63bは帯状であり、その長手方向が略垂直に配置され、また、固定部63bと固定部63bとが給電線40の敷設方向に離隔配置されて、ネジ63d,63dで車体枠21の給電線40側にネジ留めされている。
この場合、取付部材63は、その開口部が給電線40側に向くようにして車体枠21に取り付けられる。
【0035】
一対の把持部63a,63aは、固定部63bの幅(給電線40の敷設方向の長さ)に等しい幅を有する棒状であり、把持部63aと把持部63aとの間にピックアップPを挟んで把持するよう、固定部63bの上下方向の端部付近に夫々設けられ、ネジ63c,63cで固定部63bにネジ留めされている。また、各把持部63aは、その内面に、コア52の凸部に対応する凹部を有する。
磁界遮蔽部材73は、アルミニウムを用いてなる板状であり、断面形状がコの字状に形成してある。
【0036】
取付部材63を用いてピックアップPを移動体2の車体枠21に取り付ける場合、各把持部63aの凹部と、該凹部に対応するコア52の凸部とが嵌合し、また、コア52の開口部が給電線40側に向くようにして、把持部63aと把持部63aとの間にコア52が把持される。このとき、取付部材63の固定部63b,63bと柱部52c(柱部52cに巻回されているコイル51)とが対向して離隔配置される。
【0037】
また、コア52と固定部63b,63bとの間の空隙に、磁界遮蔽部材73を、その一部が把持部63a,63a,…の内側に密着し、またコイル51の一側面を囲むようにして配置し、各把持部63aに固定する。このとき、磁界遮蔽部材73はコイル51に対して離隔配置される。
更に、固定部63b,63bを車体枠21にネジ留めする。
以上のような場合、取付部材63、磁界遮蔽部材73及び車体枠21等に、コイル51が接触しないようにする。
その他、実施の形態1又は2に対応する部分には同一符号を付してそれらの説明を省略する。
【0038】
以上のような非接触給電装置は、実施の形態1及び2と同様の効果を得ることができ、同じ強度ならば、アルミニウム又は樹脂等で形成された取付部材よりも、アルミニウム又は樹脂等よりも強度が強い材料(この場合、SUS304)で形成された取付部材73の方が、小型化(薄く、又は小さく形成)することができる。即ち、非接触給電装置を設計する場合に、所用の強度及び重量等に応じて取付部材73の形状を自在に決定することができる。
【0039】
(実施の形態 4.)
図8は、本発明の実施の形態4に係る非接触給電装置が備えるピックアップPと取付部材64とを示す断面図である。図9(a)は、磁界遮蔽部材74の側面図であり、図9(b)は、ピックアップPと取付部材64とを示す側面図である。
【0040】
取付部材64は、非磁界遮蔽材を用いてなり、断面形状が略コ字状であり、樹脂製である上下一対の把持部64a,64aを2組と、SUS304製の固定部64b,64bとを備える。各固定部64bは帯状であり、その長手方向が略垂直に配置され、また、固定部64bと固定部64bとが給電線40の敷設方向に離隔配置されて、非磁界遮蔽材を用いてなるネジ64d,64dで車体枠21の給電線40側にネジ留めされている。この場合、取付部材64は、その開口部が給電線40側に向くようにして車体枠21に取り付けられる。
【0041】
一対の把持部64a,64aは、固定部64bの幅(給電線40の敷設方向の長さ)に等しい幅を有する棒状であり、把持部64aと把持部64aとの間にピックアップPを挟んで把持するよう、固定部64bの上下方向の端部付近に夫々設けられ、ネジ64c,64cで、樹脂製であり磁界遮蔽部材74の厚さより厚い円盤状のスペーサ64e,64eを介在して固定部64bにネジ留めされている。また、各把持部64aは、その内面に、コア52の凸部に対応する凹部を有する。
磁界遮蔽部材74は、アルミニウムを用いてなり、把持部64a,64a,…、コイル51、及びコア52の柱部52cの一側面を覆うような面積の平板状に形成してある。また、その四隅に、スペーサ64eの面積より僅かに面積が大きい円形の穴部を有する。
【0042】
取付部材64を用いてピックアップPを移動体2の車体枠21に取り付ける場合、各把持部64aの凹部と、該凹部に対応するコア52の凸部とが嵌合し、また、コア52の開口部が給電線40側に向くようにして、把持部64aと把持部64aとの間にコア52が把持される。このとき、取付部材64の固定部64b,64bと柱部52c(柱部52cに巻回されているコイル51)とが対向して離隔配置される。
【0043】
また、コア52と固定部64b,64bとの間の空隙に、磁界遮蔽部材74を、その穴部にスペーサ64e,64e,…が配置されるよう固定部64b,64bに固定する。このとき、磁界遮蔽部材74はコイル51に対して離隔配置される。
更に、固定部64b,64bを車体枠21にネジ留めする。
以上のような場合、取付部材64、磁界遮蔽部材74及び車体枠21等に、コイル51が接触しないようにする。
その他、実施の形態1〜3に対応する部分には同一符号を付してそれらの説明を省略する。
【0044】
以上のような非接触給電装置は、実施の形態1〜3と同様の効果を得ることができ、非接触給電装置を設計する場合に、所用の強度及び重量等に応じて取付部材の材質を自在に決定することができる。
【0045】
(実施の形態 5.)
図10は、本発明の実施の形態5に係る非接触給電装置が備えるピックアップPと取付部材65とを示す断面図である。
ピックアップPは、コイル501,501とコア52とを備える。コア52は、断面形状がコの字状に形成されたフェライトであり、板状の柱部52cと、柱部52cの両端に夫々設けられ、コイル501,501を巻回してある板状の脚部52a,52bとを有する。また、脚部52a,52bは、柱部52c近傍の外面に、凹部を夫々有する。
【0046】
取付部材65は、樹脂又はSUS304等の非磁界遮蔽材を用いてなり、断面形状が略コの字状であり、上下一対の把持部65a,65aと、固定部65bとを備える。固定部65bは、コア52の柱部52cの面積より広い板状であり、略垂直に配置されて、図示しないネジで車体枠21の給電線40側にネジ留めされている。この場合、取付部材65は、その開口部が給電線40側に向くようにして車体枠21に取り付けられる。
【0047】
把持部65a,65aは、把持部65aと把持部65aとの間にピックアップPを挟んで把持するよう、固定部65bの上下方向の端部付近に夫々設けられ、非磁界遮蔽材を用いてなる図示しないネジで固定部65bにネジ留めされている。また、各把持部65aは、その内面に、コア52の凸部に対応する凹部を有する。
磁界遮蔽部材75,75は、アルミニウムを用いてなる板状であり、断面形状がコの字状に形成してある。
【0048】
取付部材65を用いてピックアップPを移動体2の車体枠21に取り付ける場合、各把持部65aの凹部と、該凹部に対応するコア52の凸部とが嵌合し、また、コア52の開口部が給電線40側に向くようにして、把持部65aと把持部65aとの間にコア52が把持される。このとき、取付部材65の固定部65bと柱部52cとが対向して密着配置される。
【0049】
また、磁界遮蔽部材75,75が、コイル501,501の上面,下面を囲むように配置され、脚部52a,52bに夫々固定される。このとき、各磁界遮蔽部材75はコイル501に対して離隔配置される。
更に、固定部65bを車体枠21にネジ留めする。以上のような場合、取付部材65、磁界遮蔽部材75,75及び車体枠21等に、各コイル501,501が接触しないようにする。
その他、実施の形態1〜4に対応する部分には同一符号を付してそれらの説明を省略する。
以上のような非接触給電装置は、実施の形態1〜4と同様の効果を得ることができ、非接触給電装置を設計する場合に、所用の磁界遮蔽性能に応じて磁界遮蔽部材75の個数及び配置等を自在に決定することができる。
【0050】
(実施の形態 6.)
実施の形態1〜5では、コア52の柱部52cと取付部材の固定部と移動体2の車体枠21とが、移動体2の左右方向に並ぶような配置(ピックアップPを背部で固定する方式)を例示したが、本実施の形態では、コア52の脚部52a,52bと取付部材の固定部と移動体とが、移動体の上下方向に並ぶような配置(ピックアップPを底部で固定する方式)を例示する。
【0051】
図11は、本発明の実施の形態6に係る非接触給電装置が備えるピックアップPと取付部材66とを示す断面図である。
取付部材66は、樹脂又はSUS304等の非磁界遮蔽材を用いてなり、断面形状が略コの字状である把持部67と、固定部68とを備える。
把持部67は、腕部67a,67aと柱部67bとを有し、腕部67a,67aは、その間にピックアップPを挟んで把持するよう、柱部67bの上下方向の両端に夫々設けられている。また、腕部67a,67aは、その内面に、凹部を夫々有する。
【0052】
固定部68は、平板状の底部68aと、底部の一端部に立ち上がるL字部68bとを有する板状又は帯状であり、底部68aが、図示しない移動体の車体本体に取り付けられ、L字部68bが、非磁界遮蔽材を用いてなるネジ66cで把持部67の片方の腕部67aにネジ留めされている。この場合、把持部67は、その開口部が給電線40側に向くようにして移動体の車体本体に取り付けられる。
磁界遮蔽部材76は、アルミニウムを用いてなる板状であり、断面形状が、把持部67の内側に密着して沿うコの字状に形成してある。
【0053】
取付部材66を用いてピックアップPを移動体に取り付ける場合、把持部67の腕部67a,67aの凹部と、該凹部に対応するコア52の凸部とが嵌合し、また、コア52の開口部が給電線40側に向くようにして、腕部67aと腕部67aとの間にコア52が把持される。このとき、コア52の柱部52c(柱部52cに巻回されているコイル51)が把持部67の柱部67aと対向して離隔配置される。
【0054】
また、コア52と把持部67の間の空隙に、把持部67に固定して磁界遮蔽部材76を配置する。このとき、磁界遮蔽部材76はコイル51に対して離隔配置される。
更に、固定部68を移動体に取り付ける。
以上のような場合、取付部材66、磁界遮蔽部材76及び移動体等に、コイル51が接触しないようにする。
その他、実施の形態1〜5に対応する部分には同一符号を付してそれらの説明を省略する。
【0055】
以上のような非接触給電装置は、実施の形態1〜5と同様の効果を得ることができ、非接触給電装置を設計する場合に、ピックアップPの配置に応じて取付部材66の形状及び配置を自在に決定することができる。
なお、ピックアップPの磁界を遮蔽する必要がない場合は、磁界遮蔽部材76は無くても構わない。また、ピックアップPを移動体の車体本体から吊り下げるようにして取付部材66で取り付けても良い。
【0056】
【発明の効果】
本発明の非接触給電装置及び移動体によれば、別体の取付部材と磁界遮蔽部材とを備えることにより、各部材の材質、形状、強度及び配置等を個々に最適化することができる。また、各部材の設計上の制限が低減されるため、所用の条件を満足した非接触給電装置(例えば十分な取付強度及び磁界遮蔽機能等を有する小型の非接触給電装置)、及び該非接触給電装置によって給電される移動体を容易に設計することができる。
更に、取付部材が把持部と固定部とを有し、磁界遮蔽部材を、コア、把持部、又は固定部に取り付けることにより、各部の材質、形状、強度及び配置等に関する設計の自由度を更に向上することができる等、本発明は優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る非接触給電装置を備える移動体を用いた移動体システムの構成を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る非接触給電装置を備える移動体の構成を示す側面図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係る非接触給電装置を備える移動体の構成を示す正面図である。
【図4】本発明の実施の形態1に係る非接触給電装置が備えるピックアップと取付部材とを示す断面図及び側面図である。
【図5】本発明の実施の形態1に係る非接触給電装置の構成を示す電気回路図である。
【図6】本発明の実施の形態2に係る非接触給電装置が備えるピックアップと取付部材とを示す断面図である。
【図7】本発明の実施の形態3に係る非接触給電装置が備えるピックアップと取付部材とを示す断面図及び側面図である。
【図8】本発明の実施の形態4に係る非接触給電装置が備えるピックアップと取付部材とを示す断面図である。
【図9】本発明の実施の形態4に係る非接触給電装置が備える磁界遮蔽部材、及びピックアップと取付部材とを示す側面図である。
【図10】本発明の実施の形態5に係る非接触給電装置が備えるピックアップと取付部材とを示す断面図である。
【図11】本発明の実施の形態6に係る非接触給電装置が備えるピックアップと取付部材とを示す断面図である。
【図12】従来の非接触給電装置が備えるピックアップと取付部材とを示す断面図である。
【符号の説明】
2 移動体
21 車体枠
40 給電線
52 コア
51,501 コイル
61,63,64,65,66 取付部材
61a,63a,64a,65a,67 把持部
61b,63b,64b,65b,68 固定部
71,72,73,74,75,76 磁界遮蔽部材
8 非接触給電装置
M モータ
Claims (3)
- 交流電流が流れる給電線から非接触で受電して負荷に給電すべく、磁性体のコアと、該コアに巻装されているコイルと、前記コアに取り付けられ、該コアを他の装置に取り付ける取付部材とを備える非接触給電装置において、
前記コイルに対して配置される磁界遮蔽部材を備え、
前記取付部材は、非磁界遮蔽材を用いてなることを特徴とする非接触給電装置。 - 前記取付部材は、前記コアを把持する把持部と、該把持部を他の装置に固定する固定部とを有し、
前記磁界遮蔽部材は、前記コア、前記把持部、又は前記固定部に取り付けてあることを特徴とする請求項1に記載の非接触給電装置。 - 請求項1又は2に記載の非接触給電装置によって給電される負荷を備え、前記非接触給電装置が備える取付部材を取り付けてあることを特徴とする移動体。
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