JP2004120522A - 積層型誘電体フィルタ - Google Patents

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JP2004120522A JP2002283032A JP2002283032A JP2004120522A JP 2004120522 A JP2004120522 A JP 2004120522A JP 2002283032 A JP2002283032 A JP 2002283032A JP 2002283032 A JP2002283032 A JP 2002283032A JP 2004120522 A JP2004120522 A JP 2004120522A
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Abstract

【課題】ストリップライン共振器間で形成される容量結合導体を並列接続することで、容量結合導体の結合力を向上させ、全体構造の小型化をはかれる積層型誘電体フィルタの提供。
【解決手段】複数の誘電体層を積層して成るフィルタ1において、一対のストリップライン5,6の各々が、異なる誘電体層間2a〜2gに一部対向するようにして介在される主伝送線路5a、6a及び副伝送線路5b、6bと、誘電体層を貫通し、両伝送線路を電気的に接続するビアホール導体7,8とで構成されるとともに、一方の主伝送線路5a、6aの一端を一方のグランド電極3a、3bに、他方の主伝送線路5a、6aの一端を他方のグランド電極3a、3bに接続し、且つ他方の主伝送線路−副伝送線路の対向領域内に一方のストリップライン5,6のビアホール導体に電気的に接続された第1容量結合導体9aを、一方の対向領域内に他方に接続された第2容量結合導体9bを配設した。
【選択図】図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、携帯電話機やパーソナルコンピュータ等の各種通信機器に組み込まれて用いられる積層型誘電体フィルタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、携帯電話機等の通信機器に積層型誘電体フィルタが用いられている。
【0003】
かかる従来の積層型誘電体フィルタを図5、図6に示す。図5は従来の積層型誘電体フィルタの分解斜視図であり、図6は図5の積層型誘電体フィルタの等価回路図である。
【0004】
同図に示す従来の積層型誘電体フィルタは、複数の誘電体層102a〜102gを積層してなる積層体102の内部、具体的には、誘電体層102a−102b間にグランド電極103cを、誘電体層102f−102g間にグランド電極103dを形成するとともに、誘電体層102e−102f間に略平行に配された2個の主伝送線路105a、106aを、また誘電体層102b−102c間に略平行に配された2個の副伝送線路105b、106bをそれぞれ形成し、両伝送線路のうち対応するもの同士をビアホール導体107,108を介して電気的に接続した基本構造を有し、誘電体層102c−102d間には容量結合導体109が配置されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
【特許文献1】
特願2001−393205号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来の積層型誘電体フィルタにおいては、隣接するストリップライン同士を電界結合させるために容量結合導体109を内層するようにしており、通過帯域が広く減衰傾度の急峻なフィルタ特性を構成するには、ストリップライン共振器間と容量結合導体間に発生する容量成分を大きくする必要がある。
【0007】
しかしながら、ストリップライン共振器間と容量結合導体間に発生する容量成分を大きくするには、容量結合導体109の電極幅を広く設計する必要があり、その場合、図6に示す等価回路のように容量結合導体109がストリップライン共振器間に直列接続されることとなるため、所望の容量値を形成するには電極面積をより広く確保する必要がある。それ故、近時の部品の小型化に伴い容量結合導体109で形成される容量値に限界があり、容量値を大きくとれず通過帯域が広く減衰傾度の急峻なフィルタ特性を得るのが困難であった。
【0008】
本発明は上記欠点に鑑み案出されたもので、その目的は、フィルタの通過帯域が広く減衰傾度の急峻なフィルタ特性を得ることが可能な、小型の積層型誘電体フィルタを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の積層型誘電体フィルタは、複数の誘電体層を積層して成る積層体の内部に一対のストリップラインを配設するとともに、前記積層体の両主面と、互いに対向し合う一対の端面にグランド電極を被着させた積層型誘電体フィルタにおいて、前記一対のストリップラインは、その各々が、異なる誘電体層間に一部対向するようにして介在される主伝送線路及び副伝送線路と、両伝送線路間の誘電体層を貫通し、両伝送線路を電気的に接続するビアホール導体とで構成されるとともに、一方のストリップラインの主伝送線路の一端を前記一対の端面の一方のグランド電極に、他方のストリップラインの主伝送線路の一端を前記一対の端面の他方のグランド電極に接続し、且つ他方のストリップラインの主伝送線路−副伝送線路の対向領域内に一方のストリップラインのビアホール導体に電気的に接続された第1容量結合導体を、一方のストリップラインの主伝送線路−副伝送線路の対向領域内に他方のストリップラインのビアホール導体に電気的に接続された第2容量結合導体を配設したことを特徴とするものである。
【0010】
また本発明の積層型誘電体フィルタは、前記第1容量結合導体は他方のストリップラインの両伝送線路との間で容量結合成分を形成し、前記第2容量結合導体は一方のストリップラインの両伝送線路との間で容量結合成分を形成していることを特徴とするものである。
【0011】
さらに本発明の積層型誘電体フィルタは、前記第1容量結合導体及び第2容量結合導体が、前記積層体の内部で、同一の誘電体層間に介在されていることを特徴とするものである。
【0012】
本発明の積層型誘電体フィルタによれば、容量結合導体をストリップライン共振器間に並列接続したことから、第1容量結合導体及び第2容量結合導体は、主伝送線路と副伝送線路との間でビアホール導体に直接接続され、主伝送線路及び副伝送線路と対向するように配置される。よって、第1容量結合導体及び第2容量結合導体を主伝送線路と副伝送線路の積層方向に一部交叉させることにより、容量結合導体の面積が小さくても、充分な容量結合の結合力を得ることができ、また、容量結合導体の挿入によるストリップライン共振器のQ値の劣化を小さく抑えることができる。
【0013】
また本発明の積層型誘電体フィルタによれば、ビアホール導体上が主伝送線路の電界強度の最大を示す位置となり、第1容量結合導体及び第2容量結合導体は電界強度が最も強いビアホール導体に直接接続されているため、主伝送線路の開放端よりは容量結合が支配的となり、その位置に第1容量結合導体及び第2容量結合導体を配設することで、第1容量結合導体及び第2容量結合導体に充分な容量結合力を付与することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を添付図面に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明の第1実施形態に係る積層型誘電体フィルタの外観斜視図、図2は図1の積層型誘電体フィルタの分解斜視図、図3は図1の積層型誘電体フィルタの等価回路図である。
【0015】
これらの図に示す本実施形態の積層型誘電体フィルタ1は、誘電体磁器からなる積層体2の端面にグランド電位に保持されるグランド電極3a、3bが形成され、積層体2の側面の中央に入出力端子4a、4bが形成されている。
【0016】
積層体2の内部にはインターデジタル型に形成された主伝送線路5a、6a及び副伝送線路5b、6bと第1容量結合導体9a、第2容量結合導体9b及びグランド電極3c、3dが設けられている。
【0017】
前記積層体2は、例えば7層の誘電体層2a〜2gを積層して形成されており、各誘電体層2a〜2gは、誘電体セラミック材料、焼結助剤、低融点ガラス材料等によって構成されている。誘電体セラミック材料としては、例えばBaO−TiO系、Ca−TiO系、MgO−TiO系等のセラミック材料が用いられ、これらのセラミック材料を用いる場合、誘電率が比較的高く、小さな面積でも充分な静電容量を得ることができるため、ストリップライン長を短縮して、全体構造の小型化に供することができる。また焼結助剤としては、例えば、BiVO、CuO、LiO、B等が用いられる。誘電体層2a〜2gの厚みは、1層あたり50〜300μm程度に設定される。
【0018】
また、グランド電極3は、積層体2の側面に設けられるグランド電極3a、3bと、誘電体層2bの表面に設けられるグランド電極3cと、誘電体層2gの表面に設けられるグランド電極3dとで構成されている。グランド電極3の材質としては、例えばAgやCu等の金属を主成分とする導体材料が好適に用いられ、グランド電極3a,3bの表面には、酸化腐食等を防止する目的で、Auメッキ膜やNi−Auメッキ膜等を被着させておくことが好ましい。
【0019】
一方、主伝送線路5a、6a及び副伝送線路5b、6bは、積層体2の内部、具体的には、誘電体層2eと誘電体層2fとの間に主伝送線路5a,6aが、誘電体層2bと誘電体層2cとの間には副伝送線路5b,6bが介在されており、前記主伝送線路5a、6aは、その一端側で積層体端面のグランド電極3aまたは3bに直接接続されている。
【0020】
また、主伝送線路5a、6a及び副伝送線路5b、6bは主伝送線路5a、6aの開放端寄りでビアホール導体7、8を介して相互に接続されており、これらの主伝送線路5a、6a、副伝送線路5b、6b及びビアホール導体7、8によってストリップライン共振器を構成している。
【0021】
このようなストリップライン共振器は主伝送線路5a、6a及び副伝送線路5b、6bと対向するグランド電極3c、3dとの間で容量成分及び誘導成分を形成するようになっており、λ/4のストリップライン共振器として機能することとなる。
【0022】
なお、上述のストリップライン共振器を構成する主伝送線路5a、6a、副伝送線路5b、6b及びビアホール導体7、8は、例えば、グランド電極3と同様の導電材料によって形成される。
【0023】
そして、誘電体層2cと誘電体層2dとの間には第1容量結合導体9a及び第2容量結合導体9bが形成され、第1容量結合導体9aをビアホール導体7に、第2容量結合導体9bをビアホール導体8に直接接続している。
【0024】
ここで、主伝送線路5a、6aの開放端寄りの領域では、ビアホール導体7、8上が主伝送線路5a、6aの電界強度の最大を示す位置となる。
【0025】
次に上述した積層型誘電体フィルタ1の製造方法について説明する。
まず、誘電体材料と樹脂材料からなるセラミックグリーンシートに導電性ペーストを用いてグランド電極3c、3dを形成したもの、主伝送線路5a、6aを形成したもの、副伝送線路5b、6bとビアホール導体7、8を形成したもの、第1容量結合導体9a及び第2容量結合導体9bとビアホール導体7、8を形成したものをそれぞれ図2に示される順序で積層する。
【0026】
次に上述したセラミックグリーンシートの積層体を高温で焼成し、誘電体層と内部導体とを同時焼成することによって積層体2を形成し、最後に、得られた積層体2の側面にグランド電極3a、3bを形成すことによって製品としての積層型誘電体フィルタが完成する。
【0027】
本実施形態の積層型誘電体フィルタにおいては、第1容量結合導体9a、第2容量結合導体9bは電界強度が最も強い位置に配されているため、主伝送線路5a、6aの開放端よりは容量結合が支配的であり、その位置に第1容量結合導体9a、第2容量結合導体9bを配設することで、第1容量結合導体9a、第2容量結合導体9bに充分な容量結合力を付与することができる。
【0028】
また本実施形態の積層型誘電体フィルタにおいては、第1容量結合導体9a、第2容量結合導体9bがビアホール導体7、8に直接接続され、しかも主伝送線路5a、6aの開放端寄りの領域に独立して形成されているため、第1容量結合導体9a、第2容量結合導体9bの面積がそれぞれ広く確保されるようになり、容量結合の結合力を更に高めることができる。このように第1容量結合導体9a、第2容量結合導体9bに充分な結合力を付与することができると、このようなストリップライン共振器を併設してフィルタを構成した場合には、通過帯域が広く減衰傾度の急峻なフィルタ特性を得ることが可能となる。
【0029】
ここで、上述した本発明の作用効果について図4を用いて説明する。図4は本発明の積層型誘電体フィルタと従来の積層型誘電体フィルタのフィルタ特性を示す比較図であり、図中の点線は従来の積層型誘電体フィルタのフィルタ特性を、実線は本発明の積層型誘電体フィルタのフィルタ特性を示す。同図より明らかなように、従来のフィルタ特性は通過帯域の減衰傾度が緩やかであるのに対して、本発明のフィルタ特性は通過帯域が広く減衰傾度の急峻なフィルタ特性となっていることが判る。
【0030】
また本実施形態の積層型誘電体フィルタにおいては、副伝送線路5b、6bと第1容量結合導体9a、第2容量結合導体9bとを積層体2の積層方向に大きく重なるように配置させておくことが好ましく、そのようになしておけば静電容量が大きくなるため、副伝送線路5b、6bと第1容量結合導体9a、第2容量結合導体9bとの間の容量結合が強められることとなり、フィルタの通過帯域がより広く、減衰傾度がより急峻なフィルタ特性を得ることができる。
【0031】
【発明の効果】
本発明の積層型誘電体フィルタによれば、容量結合導体をストリップライン共振器間に並列接続したことから、第1容量結合導体及び第2容量結合導体は、主伝送線路と副伝送線路との間でビアホール導体に直接接続され、主伝送線路及び副伝送線路と対向するように配置される。よって、第1容量結合導体及び第2容量結合導体を主伝送線路と副伝送線路の積層方向に一部交叉させることにより、容量結合導体の面積が小さくても、充分な容量結合の結合力を得ることができ、また、容量結合導体の挿入によるストリップライン共振器のQ値の劣化を小さく抑えることができる。
【0032】
また本発明の積層型誘電体フィルタによれば、ビアホール導体上が主伝送線路の電界強度の最大を示す位置となり、第1容量結合導体及び第2容量結合導体は電界強度が最も強いビアホール導体に直接接続されているため、主伝送線路の開放端よりは容量結合が支配的となり、その位置に第1容量結合導体及び第2容量結合導体を配設することで、第1容量結合導体及び第2容量結合導体に充分な容量結合力を付与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る積層型誘電体フィルタの外観斜視図である。
【図2】図1の積層型誘電体フィルタの分解斜視図である。
【図3】図1の積層型誘電体フィルタの等価回路図である。
【図4】本発明の積層型誘電体フィルタと従来の積層型誘電体フィルタのフィルタ特性を示す比較図である。
【図5】従来の積層型誘電体フィルタの分解斜視図である。
【図6】図5の積層型誘電体フィルタの等価回路図である。
【符号の説明】
1・・・積層型誘電体フィルタ
2・・・積層体
2a〜2g・・・誘電体層
3a〜3d・・・グランド電極
4a、4b・・・入出力端子
5、6・・・ストリップライン
5a、6a・・・主伝送線路
5b、6b・・・副伝送線路
7、8・・・ビアホール導体
9a・・・第1容量結合導体
9b・・・第2容量結合導体

Claims (3)

  1. 複数の誘電体層を積層して成る積層体の内部に一対のストリップラインを配設するとともに、前記積層体の両主面と、互いに対向し合う一対の端面にグランド電極を被着させた積層型誘電体フィルタにおいて、
    前記一対のストリップラインは、その各々が、異なる誘電体層間に一部対向するようにして介在される主伝送線路及び副伝送線路と、両伝送線路間の誘電体層を貫通し、両伝送線路を電気的に接続するビアホール導体とで構成されるとともに、一方のストリップラインの主伝送線路の一端を前記一対の端面の一方のグランド電極に、他方のストリップラインの主伝送線路の一端を前記一対の端面の他方のグランド電極に接続し、且つ他方のストリップラインの主伝送線路−副伝送線路の対向領域内に一方のストリップラインのビアホール導体に電気的に接続された第1容量結合導体を、一方のストリップラインの主伝送線路−副伝送線路の対向領域内に他方のストリップラインのビアホール導体に電気的に接続された第2容量結合導体を配設したことを特徴とする積層型誘電体フィルタ。
  2. 前記第1容量結合導体は他方のストリップラインの両伝送線路との間で容量結合成分を形成し、前記第2容量結合導体は一方のストリップラインの両伝送線路との間で容量結合成分を形成していることを特徴とする請求項1に記載の積層型誘電体フィルタ。
  3. 前記第1容量結合導体及び第2容量結合導体が、前記積層体の内部で、同一の誘電体層間に介在されていることを特徴とする請求項1に記載の積層型誘電体フィルタ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN115173017A (zh) * 2022-06-28 2022-10-11 中国电子科技集团公司第四十三研究所 一种采用折叠耦合线结构的微型90°功分器
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