JP2004120083A - データ編集方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ディスクに記録されたMPEG−2トランスポートデータを編集する際の処理を簡便化する。
【解決手段】映像或いは音声信号を持つMPEG−2トランスポートストリームをディスクに記録する際に、データの先頭94KバイトにNULL等のストリームデータ復号器でデータの復号伸張を行わないダミートランスポートパケットを記録する。これによって、ディスク上に記録されたMPEG−2データの結合編集処理に関して、セクタ境界とTSパケット境界のアライメント調整が簡便になり、ディスクアクセス回数を低減できる。
【選択図】 図6
【解決手段】映像或いは音声信号を持つMPEG−2トランスポートストリームをディスクに記録する際に、データの先頭94KバイトにNULL等のストリームデータ復号器でデータの復号伸張を行わないダミートランスポートパケットを記録する。これによって、ディスク上に記録されたMPEG−2データの結合編集処理に関して、セクタ境界とTSパケット境界のアライメント調整が簡便になり、ディスクアクセス回数を低減できる。
【選択図】 図6
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディジタル動画音声圧縮技術規格( Moving Picture Experts Group:以下MPEGと呼称 )を用いたMPEG2トランスポートストリームデータの編集方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
現在、日本国内及び欧米における衛星ディジタル放送や地上波ディジタル放送等においての映像及び音声信号を伝送するデータ方式として、IEC/ISO 13818において規定されるMPEG2トランスポートストリーム(以下MPEG−2 TSと呼称)が使用されている。
【0003】
MPEG−2 TSは、放送されるプログラムの映像や音声それぞれに対応する情報データをもつ188バイト固定長のMPEG−2 TSパケットと呼ばれる単位で時分割多重化される。
【0004】
このように放送プログラムに対応するMPEG−2 TSを受信側において送信側と同じ情報圧縮されたディジタル信号の状態のままで、例えば、ハードディスクや光ディスク等のランダムアクセス可能なディスク状記録媒体に書き込みやデータファイルとして保存することができれば、画質や音質をまったく劣化させることなく、高品質のAVプログラムを随時繰り返して視聴することや、即応性が高いランダムアクセス再生及び自由度の高いプログラム編集が可能である。
【0005】
次に、上述した技術を用いた従来例について説明する。図9はディスク状記録媒体に記録されたMPEG−2 TSのデータ構造、図10はディスク上のデータファイルを管理するファイルシステム情報を示す図である。
【0006】
まず、図9に示すようにMPEG−2 TSデータをディスク上に記録書き込みを行うと、セクタと呼ばれる論理ブロック毎に連続的或いは未記録セクタ領域が足りない場合は離散的にディスク上に記録される。図9のA、B1、B2、C1、C2はディスク上に記録されたデータを示す。本願明細書では、1セクタのサイズは2048バイトと仮定する。
【0007】
従来、ハードディスクや光ディスク等のランダムアクセス可能なディスク状記録媒体上に存在するデータファイルを管理する方式として使用されているFile Allocation Table(以下FAT)やUniversal Disk Format(以下UDF)等のファイルシステムの仕様として、次の3つの規定がなされている。
(1)記録書き込みが開始するデータの位置は必ずセクタの先頭から開始しなければならない。
(2)データファイルの終端が存在するセクタ以外でセクタの途中でデータが途切れてはならない。
(3)異なるデータファイルが重複するセクタ領域を有してはいけない。
この規程がなされているため、MPEG−2 TSの記録書き込みや編集処理についても、この仕様に準拠しなければならない。
【0008】
上記手順によってディスク上に記録されたMPEG−2 TSデータをファイルとして管理し、後の編集処理を簡易に行うためユーザーインターフェースを構築する方法として、図10に示すように対象となるMPEG−2 TSデータのファイル名(ユーザーによる任意定義可能)、データファイルが実際にディスクのどこから記録されているかを示す開始セクタ番号、このセクタから開始するデータサイズ等、ファイル名とディスク上の位置情報を関連付けるためのテーブルが用いられる。
【0009】
この方法によってユーザーはディスクのどの位置にどのデータが存在するかを意識せず、ファイル名を指定するだけで、所望のデータにアクセスすることが可能となる。
【0010】
次に、図9に示すようにMPEG−2 TSデータがディスクに記録され、このデータに関連付けられたファイルシステム情報を持つディスク記録再生装置においてデータを結合編集処理する場合の処理方法について図11〜図15と図16を用いて説明する。図11〜図15はディスク上に記録されたトランスポートデータの結合処理によるデータ構造の変遷を、図16はこの結合処理手順を示すフローチャートである。図11〜図15のステップ番号と図16のステップ番号は対応している。
【0011】
ここでは、図11(a)に示すようにディスク上に二つのトランスポートストリームファイルFILE0001(アクセス開始セクタN、データサイズ188×n1)とFILE0002(アクセス開始セクタK、データサイズ188×n2)があり、データファイルFILE0001の後ろにデータファイルFILE0002を結合してデータファイルFILE0003を作成する場合の編集処理についての従来例を説明する。
【0012】
始めに、この結合要求が発生すると(図16のステップ1)、ディスク上のデータファイルFILE0001のデータ終端セクタ#Nから188×n1バイト目の次に連続するセクタまでのオフセット値Lを次式(1)により算出する(図16のステップ2、図11(b))。
【0013】
L=2048 −(( 188×n1 ) mod 2048 ) …(1)
また、FILE0001のデータ終端が存在するセクタ番号#Nendを次式(2)により算出する(図16のステップ3、図12(a))。
【0014】
#Nend= #N + ( 188×n1 )/2048 …(2)
次に、(2)式より求めたセクタ#Nendのセクタデータ2048 − Lバイトを、ランダムアクセスメモリ等のバッファに読み込み、読み込んだセクタデータ終端位置から、Lバイト分のダミーTSパケットデータ情報の付加処理を行う(図16のステップ4、図12(b))。
【0015】
また、再びセクタ#NendにダミーTSパケット情報を付加したセクタデータ2048バイトを上書き記録し(図16のステップ5、図13(a))、更に、ファイルシステム上で結合後に生成されるFILE0003の情報についてアクセス開始セクタ#N、アクセスサイズ188×n1+Lと更新する(図16のステップ6、図13(b))。ファイルFILE0003の情報はメモリ上で更新しても、ディスク上に書き込んでもどちらでもよい。
【0016】
続いて、ステップ4でLバイト分のダミーTSパケットデータを付加した際に、188バイトのTSパケット単位から溢れてしまうデータ数Mを次式(3)により算出する(図16のステップ7、図14(a))。
【0017】
M= 188 − ( L mod 188 ) …(3)
このMを元にして次式(4)からセクタ境界とTSパケット境界のアライメント調整のために追加必要なダミーTSパケット数nNULLを算出する(図16のステップ8、図14(b))。
【0018】
( M + 188×nNULL ) mod 2048=0となるnNULL …(4)
次に、ディスク上の未記録セクタ領域(開始セクタ番号#X)を検索後、式(3)で算出したTSパケット境界から溢れてしまったダミーデータ分Mと、式(4)で算出したnNULL分のダミーTSパケットの記録書き込みを行い(図16のステップ9、図14(c))、ファイルシステム上のFILE0003についてアクセス開始セクタ#X、データサイズ188×nNULL + Mバイトの情報を追加更新する(図16のステップ10、図14(d))。
【0019】
最後に、結合元となるFILE0002のファイルシステム情報、アクセス開始セクタ#K・アクセスデータサイズ188×n2バイトをFILE0003のファイルシステム情報に登録し、結合処理を終了する(図16のステップ11、図15)。以上の処理により、FILE0003はセクタ#Nから188×n1 + Lバイトのデータ、セクタ#Xから188×nNULL + Mバイトのデータ、セクタ#Kから188×n2バイトのデータを合わせたものとして認識される。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
このようにディスク上に記録されたMPEG2データファイルをユーザーが結合編集処理を行う場合、MPEG−2 TSのデータ単位となる188バイトのTSパケット境界と、編集処理を行ったデータをファイルとしてファイルシステム上で認識するためのセクタ境界を共に満たすデータ構造でアライメント調整を行わなければならない。
【0021】
そのため、ディスクに記録されているデータの位置やサイズ等のファイルシステム情報を何段階もの処理過程を経て大きく更新する必要があり、記録再生及び編集装置の全処理を司るCPU(中央演算処理装置)への負担が大きくなってしまう。
【0022】
また、このような編集処理によって新規に作成されたMPEG−2 TSデータファイルを再生する際においても、ダミーパケットデータを記録したセクタ位置と実際の映像及び音声信号を持つTSパケットが記録されているセクタ位置がディスク上で物理的に大きく離れている場合には、所望の再生アクセス開始位置までのヘッドシーク回数及びシーク距離が増加してしまい、シームレスに再生できない可能性があった。
【0023】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたもので、その目的は、ディスクのセクタ境界とパケット境界のアライメント調整を簡便化できると共に、CPUの処理負担を軽減でき、更に、シームレス再生も可能なデータ編集方法を提供することにある。
【0024】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するため、MPEG形式でデータ圧縮された映像及び音声信号情報を持つMPEG−2TSをディスク状記録媒体に記録する際に、実効的な映像及び音声信号を持つMPEG−2TSデータの先頭にダミーパケットデータを記録することを特徴とする。
【0025】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。本実施形態においては、ディスク状記録媒体へMPEG2トランスポートストリームデータの記録書き込みを行う時に、実際の映像信号や音声信号を持つトランスポートストリームデータよりも先に必ずセクタ境界とパケット境界を共に満たす、ダミーパケットで構成されるデータ94kbytesを記録する。図7、図8はダミーTSパケットの記録プロセスと記録媒体上のデータ構造の推移を示す。この記録プロセスについては後述する。
【0026】
記録書き込みを行うダミーTSパケットデータは、ストリーム復号再生装置に入力された時にデータの伸張復号を行わないようなプライベートデータ或いはNULL等のデータ形式である。本実施形態では、ダミーTSパケットのデータ形式にはNULLデータを採用している。
【0027】
図1は本実施形態による実効的なAVデータの先頭にダミーTSパケットを記録した場合の、ディスク構造概略図とファイルシステム情報を示す。この処理を適用した後、ディスクに実際にAV情報を持つMPEG−2 TSデータを記録することにより、ディスク上に記録される二つのトランスポートデータファイルと結合する際、別の領域にダミーTSパケットを記録する必要がなくなり、セクタ境界とTSパケット境界のアライメント整合が簡便となる。
【0028】
なお、本実施形態のハードウェア構成としては、例えば、光ディスクに情報を記録/再生する光ディスク装置とパーソナルコンピュータが接続されているものとし、パーソナルコンピュータ内のアプリケーションからの要求に応じて光ディスク装置において後述するデータ処理を行う。
【0029】
次に、本実施形態による映像或いは音声の信号を持ったMPEG−2 TSデータの記録書き込み時に必ずデータ先頭に94KバイトのダミーTSパケットデータを設けることによりMPEG−2TSデータの結合処理を行う方法を図2〜図5及び図6のフローチャートを用いて説明する。図2〜図5のステップ番号と図6のステップ番号は対応している。
【0030】
まず、ディスク状記録媒体へMPEG2トランスポートストリームデータの記録書き込みを行う時に、実際の映像信号や音声信号を持つトランスポートストリームデータよりも先に必ずセクタ境界とパケット境界を共に満たす、ダミーパケットで構成されるデータ94kbytesを記録する方法を図7、図8に基づいて説明する。
【0031】
図7(a)は記録前、図7(b)は記録開始時のディスク上の状態を示す。MPEG2トランスポートストリームデータの記録を行う場合には、図7(b)に示すように94Kバイト分のダミーパケットで構成されるデータの記録を行う。その後、図8(a)に示すように記録データの後に映像信号や音声信号を持つトランスポートストリームデータの記録を行う。次いで、データの記録が終了すると、図8(b)に示すようにそのデータのファイルシステム情報を記録して記録処理を完了する。
【0032】
次に、データファイルの結合処理方法について説明する。まず、図2に示すようにディスク上にファイル名FILE0001、アクセス開始セクタ#N、データサイズ188×n1 + 96256バイトのMPEG−2TSデータと、ファイル名FILE0002、アクセス開始セクタ#K、データサイズ188×n2 + 96256バイトのMPEG−2TSデータ二つが記録されており、FILE0001のデータ終端にFILE0002のデータを結合して新規にFILE0003を作成する処理要求が発生したものとする。
【0033】
この要求が発生すると(図6のステップ1)、まず、FILE0001のデータ終端から次の連続するセクタ境界までのオフセット値Lを次式(5)により算出する(図6のステップ2、図3(a))。
【0034】
L=2048−{ ( 188×n1+96256 ) mod 2048} …(5)
次に、セクタ#Nから188×n1+96256バイト目のデータ終端が存在するセクタ#Nendを次式(6)により算出する(図6のステップ3、図3(b))。
【0035】
#Nend=#N+( 188×n1+96256 )/ 2048 …(6)
また、このセクタ#Nendのセクタデータ2048−Lバイトをランダムアクセス可能なメモリ等のバッファに読み出し、このデータの終端からLバイト分にダミーTSパケット情報を追加する(図6のステップ4、図4(a))。その後、再びセクタ#Nendにメモリ上のセクタデータ2048バイトを上書き記録する(図6のステップ5、図4(b))。
【0036】
次いで、セクタ境界とTSパケット境界との不整合データサイズMバイト(セクタ境界とパケット境界とのアライメントがとれない不整合パケットデータサイズ)を次式(7)により算出する(図6のステップ6、図5(a))。
【0037】
M=188−( L mod 188 ) …(7)
その後、前述のように先頭96256バイトにダミーTSパケットを持つFILE0002のセクタ#Kから96256バイト目の間で、セクタ先頭からMバイト目にTSパケット境界が存在するセクタ#Kremを次式(8)により算出する(図6のステップ7、図5(b))。
【0038】
M=188−(( #Krem − #K )×2048 ) mod 188 …(8)
以上の処理の後、ファイルシステム情報として、結合処理によって新規に生成されるFILE0003の登録情報について、第一アクセス開始セクタ#N、データサイズ188×n1+96256+Lバイト、第二アクセス開始セクタ#Krem、データサイズ188×n2+96256−( #Krem−#K )×2048バイトとなるように更新し、結合処理を完了する(図6のステップ8、図5(c))。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、AV情報を持つMPEG2−2TSデータの記録時に必ずデータ先頭に94kバイトのダミーTSパケットデータを記録することにより、ファイル結合処理時にセクタ境界とTSパケット境界のアライメント調整のための編集処理を簡便化でき、更に、シーク回数を低減できるのでシームレス再生を実現できる。
【0040】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による実効的なAV情報を持つMPEG−2TSデータ先頭に96256バイトのダミーTSパケットデータを記録する場合のデータ構造とファイルシステム情報を示す図である。
【図2】本発明によるデータ結合処理方法を説明する図である。
【図3】本発明によるデータ結合処理方法を説明する図である。
【図4】本発明によるデータ結合処理を説明する図である。
【0045】
【図5】本発明によるデータ結合処理方法を説明する図である。
【図6】本発明によるデータ結合処理を示すフローチャートである。
【図7】本発明によるダミーTSパケットの記録プロセスと記録媒体上のデータ構造の推移を示す図である。
【図8】本発明によるダミーTSパケットの記録プロセスと記録媒体上のデータ構造の推移を示す図である。
【図9】従来例のディスク状記録媒体に記録されたMPEG−2TSデータのデータ構造を示す図である。
【図10】ディスク上のデータファイルを管理するファイルシステム情報の一例を示す図である。
【図11】従来例のデータファイルの結合処理を説明する図である。
【図12】従来例のデータファイルの結合処理を説明する図である。
【図13】従来例のデータファイルの結合処理を説明する図である。
【図14】従来例のデータファイルの結合処理を説明する図である。
【図15】従来例のデータファイルの結合処理を説明する図である。
【図16】従来例のデータファイルの結合処理を説明するフローチャートである。
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディジタル動画音声圧縮技術規格( Moving Picture Experts Group:以下MPEGと呼称 )を用いたMPEG2トランスポートストリームデータの編集方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
現在、日本国内及び欧米における衛星ディジタル放送や地上波ディジタル放送等においての映像及び音声信号を伝送するデータ方式として、IEC/ISO 13818において規定されるMPEG2トランスポートストリーム(以下MPEG−2 TSと呼称)が使用されている。
【0003】
MPEG−2 TSは、放送されるプログラムの映像や音声それぞれに対応する情報データをもつ188バイト固定長のMPEG−2 TSパケットと呼ばれる単位で時分割多重化される。
【0004】
このように放送プログラムに対応するMPEG−2 TSを受信側において送信側と同じ情報圧縮されたディジタル信号の状態のままで、例えば、ハードディスクや光ディスク等のランダムアクセス可能なディスク状記録媒体に書き込みやデータファイルとして保存することができれば、画質や音質をまったく劣化させることなく、高品質のAVプログラムを随時繰り返して視聴することや、即応性が高いランダムアクセス再生及び自由度の高いプログラム編集が可能である。
【0005】
次に、上述した技術を用いた従来例について説明する。図9はディスク状記録媒体に記録されたMPEG−2 TSのデータ構造、図10はディスク上のデータファイルを管理するファイルシステム情報を示す図である。
【0006】
まず、図9に示すようにMPEG−2 TSデータをディスク上に記録書き込みを行うと、セクタと呼ばれる論理ブロック毎に連続的或いは未記録セクタ領域が足りない場合は離散的にディスク上に記録される。図9のA、B1、B2、C1、C2はディスク上に記録されたデータを示す。本願明細書では、1セクタのサイズは2048バイトと仮定する。
【0007】
従来、ハードディスクや光ディスク等のランダムアクセス可能なディスク状記録媒体上に存在するデータファイルを管理する方式として使用されているFile Allocation Table(以下FAT)やUniversal Disk Format(以下UDF)等のファイルシステムの仕様として、次の3つの規定がなされている。
(1)記録書き込みが開始するデータの位置は必ずセクタの先頭から開始しなければならない。
(2)データファイルの終端が存在するセクタ以外でセクタの途中でデータが途切れてはならない。
(3)異なるデータファイルが重複するセクタ領域を有してはいけない。
この規程がなされているため、MPEG−2 TSの記録書き込みや編集処理についても、この仕様に準拠しなければならない。
【0008】
上記手順によってディスク上に記録されたMPEG−2 TSデータをファイルとして管理し、後の編集処理を簡易に行うためユーザーインターフェースを構築する方法として、図10に示すように対象となるMPEG−2 TSデータのファイル名(ユーザーによる任意定義可能)、データファイルが実際にディスクのどこから記録されているかを示す開始セクタ番号、このセクタから開始するデータサイズ等、ファイル名とディスク上の位置情報を関連付けるためのテーブルが用いられる。
【0009】
この方法によってユーザーはディスクのどの位置にどのデータが存在するかを意識せず、ファイル名を指定するだけで、所望のデータにアクセスすることが可能となる。
【0010】
次に、図9に示すようにMPEG−2 TSデータがディスクに記録され、このデータに関連付けられたファイルシステム情報を持つディスク記録再生装置においてデータを結合編集処理する場合の処理方法について図11〜図15と図16を用いて説明する。図11〜図15はディスク上に記録されたトランスポートデータの結合処理によるデータ構造の変遷を、図16はこの結合処理手順を示すフローチャートである。図11〜図15のステップ番号と図16のステップ番号は対応している。
【0011】
ここでは、図11(a)に示すようにディスク上に二つのトランスポートストリームファイルFILE0001(アクセス開始セクタN、データサイズ188×n1)とFILE0002(アクセス開始セクタK、データサイズ188×n2)があり、データファイルFILE0001の後ろにデータファイルFILE0002を結合してデータファイルFILE0003を作成する場合の編集処理についての従来例を説明する。
【0012】
始めに、この結合要求が発生すると(図16のステップ1)、ディスク上のデータファイルFILE0001のデータ終端セクタ#Nから188×n1バイト目の次に連続するセクタまでのオフセット値Lを次式(1)により算出する(図16のステップ2、図11(b))。
【0013】
L=2048 −(( 188×n1 ) mod 2048 ) …(1)
また、FILE0001のデータ終端が存在するセクタ番号#Nendを次式(2)により算出する(図16のステップ3、図12(a))。
【0014】
#Nend= #N + ( 188×n1 )/2048 …(2)
次に、(2)式より求めたセクタ#Nendのセクタデータ2048 − Lバイトを、ランダムアクセスメモリ等のバッファに読み込み、読み込んだセクタデータ終端位置から、Lバイト分のダミーTSパケットデータ情報の付加処理を行う(図16のステップ4、図12(b))。
【0015】
また、再びセクタ#NendにダミーTSパケット情報を付加したセクタデータ2048バイトを上書き記録し(図16のステップ5、図13(a))、更に、ファイルシステム上で結合後に生成されるFILE0003の情報についてアクセス開始セクタ#N、アクセスサイズ188×n1+Lと更新する(図16のステップ6、図13(b))。ファイルFILE0003の情報はメモリ上で更新しても、ディスク上に書き込んでもどちらでもよい。
【0016】
続いて、ステップ4でLバイト分のダミーTSパケットデータを付加した際に、188バイトのTSパケット単位から溢れてしまうデータ数Mを次式(3)により算出する(図16のステップ7、図14(a))。
【0017】
M= 188 − ( L mod 188 ) …(3)
このMを元にして次式(4)からセクタ境界とTSパケット境界のアライメント調整のために追加必要なダミーTSパケット数nNULLを算出する(図16のステップ8、図14(b))。
【0018】
( M + 188×nNULL ) mod 2048=0となるnNULL …(4)
次に、ディスク上の未記録セクタ領域(開始セクタ番号#X)を検索後、式(3)で算出したTSパケット境界から溢れてしまったダミーデータ分Mと、式(4)で算出したnNULL分のダミーTSパケットの記録書き込みを行い(図16のステップ9、図14(c))、ファイルシステム上のFILE0003についてアクセス開始セクタ#X、データサイズ188×nNULL + Mバイトの情報を追加更新する(図16のステップ10、図14(d))。
【0019】
最後に、結合元となるFILE0002のファイルシステム情報、アクセス開始セクタ#K・アクセスデータサイズ188×n2バイトをFILE0003のファイルシステム情報に登録し、結合処理を終了する(図16のステップ11、図15)。以上の処理により、FILE0003はセクタ#Nから188×n1 + Lバイトのデータ、セクタ#Xから188×nNULL + Mバイトのデータ、セクタ#Kから188×n2バイトのデータを合わせたものとして認識される。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
このようにディスク上に記録されたMPEG2データファイルをユーザーが結合編集処理を行う場合、MPEG−2 TSのデータ単位となる188バイトのTSパケット境界と、編集処理を行ったデータをファイルとしてファイルシステム上で認識するためのセクタ境界を共に満たすデータ構造でアライメント調整を行わなければならない。
【0021】
そのため、ディスクに記録されているデータの位置やサイズ等のファイルシステム情報を何段階もの処理過程を経て大きく更新する必要があり、記録再生及び編集装置の全処理を司るCPU(中央演算処理装置)への負担が大きくなってしまう。
【0022】
また、このような編集処理によって新規に作成されたMPEG−2 TSデータファイルを再生する際においても、ダミーパケットデータを記録したセクタ位置と実際の映像及び音声信号を持つTSパケットが記録されているセクタ位置がディスク上で物理的に大きく離れている場合には、所望の再生アクセス開始位置までのヘッドシーク回数及びシーク距離が増加してしまい、シームレスに再生できない可能性があった。
【0023】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたもので、その目的は、ディスクのセクタ境界とパケット境界のアライメント調整を簡便化できると共に、CPUの処理負担を軽減でき、更に、シームレス再生も可能なデータ編集方法を提供することにある。
【0024】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するため、MPEG形式でデータ圧縮された映像及び音声信号情報を持つMPEG−2TSをディスク状記録媒体に記録する際に、実効的な映像及び音声信号を持つMPEG−2TSデータの先頭にダミーパケットデータを記録することを特徴とする。
【0025】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。本実施形態においては、ディスク状記録媒体へMPEG2トランスポートストリームデータの記録書き込みを行う時に、実際の映像信号や音声信号を持つトランスポートストリームデータよりも先に必ずセクタ境界とパケット境界を共に満たす、ダミーパケットで構成されるデータ94kbytesを記録する。図7、図8はダミーTSパケットの記録プロセスと記録媒体上のデータ構造の推移を示す。この記録プロセスについては後述する。
【0026】
記録書き込みを行うダミーTSパケットデータは、ストリーム復号再生装置に入力された時にデータの伸張復号を行わないようなプライベートデータ或いはNULL等のデータ形式である。本実施形態では、ダミーTSパケットのデータ形式にはNULLデータを採用している。
【0027】
図1は本実施形態による実効的なAVデータの先頭にダミーTSパケットを記録した場合の、ディスク構造概略図とファイルシステム情報を示す。この処理を適用した後、ディスクに実際にAV情報を持つMPEG−2 TSデータを記録することにより、ディスク上に記録される二つのトランスポートデータファイルと結合する際、別の領域にダミーTSパケットを記録する必要がなくなり、セクタ境界とTSパケット境界のアライメント整合が簡便となる。
【0028】
なお、本実施形態のハードウェア構成としては、例えば、光ディスクに情報を記録/再生する光ディスク装置とパーソナルコンピュータが接続されているものとし、パーソナルコンピュータ内のアプリケーションからの要求に応じて光ディスク装置において後述するデータ処理を行う。
【0029】
次に、本実施形態による映像或いは音声の信号を持ったMPEG−2 TSデータの記録書き込み時に必ずデータ先頭に94KバイトのダミーTSパケットデータを設けることによりMPEG−2TSデータの結合処理を行う方法を図2〜図5及び図6のフローチャートを用いて説明する。図2〜図5のステップ番号と図6のステップ番号は対応している。
【0030】
まず、ディスク状記録媒体へMPEG2トランスポートストリームデータの記録書き込みを行う時に、実際の映像信号や音声信号を持つトランスポートストリームデータよりも先に必ずセクタ境界とパケット境界を共に満たす、ダミーパケットで構成されるデータ94kbytesを記録する方法を図7、図8に基づいて説明する。
【0031】
図7(a)は記録前、図7(b)は記録開始時のディスク上の状態を示す。MPEG2トランスポートストリームデータの記録を行う場合には、図7(b)に示すように94Kバイト分のダミーパケットで構成されるデータの記録を行う。その後、図8(a)に示すように記録データの後に映像信号や音声信号を持つトランスポートストリームデータの記録を行う。次いで、データの記録が終了すると、図8(b)に示すようにそのデータのファイルシステム情報を記録して記録処理を完了する。
【0032】
次に、データファイルの結合処理方法について説明する。まず、図2に示すようにディスク上にファイル名FILE0001、アクセス開始セクタ#N、データサイズ188×n1 + 96256バイトのMPEG−2TSデータと、ファイル名FILE0002、アクセス開始セクタ#K、データサイズ188×n2 + 96256バイトのMPEG−2TSデータ二つが記録されており、FILE0001のデータ終端にFILE0002のデータを結合して新規にFILE0003を作成する処理要求が発生したものとする。
【0033】
この要求が発生すると(図6のステップ1)、まず、FILE0001のデータ終端から次の連続するセクタ境界までのオフセット値Lを次式(5)により算出する(図6のステップ2、図3(a))。
【0034】
L=2048−{ ( 188×n1+96256 ) mod 2048} …(5)
次に、セクタ#Nから188×n1+96256バイト目のデータ終端が存在するセクタ#Nendを次式(6)により算出する(図6のステップ3、図3(b))。
【0035】
#Nend=#N+( 188×n1+96256 )/ 2048 …(6)
また、このセクタ#Nendのセクタデータ2048−Lバイトをランダムアクセス可能なメモリ等のバッファに読み出し、このデータの終端からLバイト分にダミーTSパケット情報を追加する(図6のステップ4、図4(a))。その後、再びセクタ#Nendにメモリ上のセクタデータ2048バイトを上書き記録する(図6のステップ5、図4(b))。
【0036】
次いで、セクタ境界とTSパケット境界との不整合データサイズMバイト(セクタ境界とパケット境界とのアライメントがとれない不整合パケットデータサイズ)を次式(7)により算出する(図6のステップ6、図5(a))。
【0037】
M=188−( L mod 188 ) …(7)
その後、前述のように先頭96256バイトにダミーTSパケットを持つFILE0002のセクタ#Kから96256バイト目の間で、セクタ先頭からMバイト目にTSパケット境界が存在するセクタ#Kremを次式(8)により算出する(図6のステップ7、図5(b))。
【0038】
M=188−(( #Krem − #K )×2048 ) mod 188 …(8)
以上の処理の後、ファイルシステム情報として、結合処理によって新規に生成されるFILE0003の登録情報について、第一アクセス開始セクタ#N、データサイズ188×n1+96256+Lバイト、第二アクセス開始セクタ#Krem、データサイズ188×n2+96256−( #Krem−#K )×2048バイトとなるように更新し、結合処理を完了する(図6のステップ8、図5(c))。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、AV情報を持つMPEG2−2TSデータの記録時に必ずデータ先頭に94kバイトのダミーTSパケットデータを記録することにより、ファイル結合処理時にセクタ境界とTSパケット境界のアライメント調整のための編集処理を簡便化でき、更に、シーク回数を低減できるのでシームレス再生を実現できる。
【0040】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による実効的なAV情報を持つMPEG−2TSデータ先頭に96256バイトのダミーTSパケットデータを記録する場合のデータ構造とファイルシステム情報を示す図である。
【図2】本発明によるデータ結合処理方法を説明する図である。
【図3】本発明によるデータ結合処理方法を説明する図である。
【図4】本発明によるデータ結合処理を説明する図である。
【0045】
【図5】本発明によるデータ結合処理方法を説明する図である。
【図6】本発明によるデータ結合処理を示すフローチャートである。
【図7】本発明によるダミーTSパケットの記録プロセスと記録媒体上のデータ構造の推移を示す図である。
【図8】本発明によるダミーTSパケットの記録プロセスと記録媒体上のデータ構造の推移を示す図である。
【図9】従来例のディスク状記録媒体に記録されたMPEG−2TSデータのデータ構造を示す図である。
【図10】ディスク上のデータファイルを管理するファイルシステム情報の一例を示す図である。
【図11】従来例のデータファイルの結合処理を説明する図である。
【図12】従来例のデータファイルの結合処理を説明する図である。
【図13】従来例のデータファイルの結合処理を説明する図である。
【図14】従来例のデータファイルの結合処理を説明する図である。
【図15】従来例のデータファイルの結合処理を説明する図である。
【図16】従来例のデータファイルの結合処理を説明するフローチャートである。
Claims (3)
- MPEG形式でデータ圧縮された映像及び音声信号情報を持つMPEG−2TSをディスク状記録媒体に記録する際に、実効的な映像及び音声信号を持つMPEG−2TSデータの先頭にダミーパケットデータを記録することを特徴とするデータ編集方法。
- 前記ダミーパケットのサイズは、ディスク状記録媒体のセクタサイズとトランスポートストリームのパケットサイズ(188バイト)の最小公倍数であることを特徴とする請求項1に記載のデータ編集方法。
- 前記ダミーパケットデータは、データの復号伸張を行わないプライベートデータ或いはNULLパケットデータであることを特徴とする請求項1〜2に記載のデータ編集方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002277408A JP2004120083A (ja) | 2002-09-24 | 2002-09-24 | データ編集方法 |
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ID=32273011
Family Applications (1)
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JP (1) | JP2004120083A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8208797B2 (en) | 2005-10-27 | 2012-06-26 | Panasonic Corporation | Transport stream generating apparatus, recording apparatus having the same, and transport stream generating method |
-
2002
- 2002-09-24 JP JP2002277408A patent/JP2004120083A/ja not_active Withdrawn
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