JP2004119833A - 熱電素子モジュール及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】絶縁基板の反りや、熱電素子の高さ寸法にばらつきがあっても、熱電素子と電極の接合歩留まりを向上させる。
【解決手段】対向配置される絶縁基板1,7と、この絶縁基板1,7に設けられた電極2,8と、絶縁基板1,7間に設けられ、両端部が電極2,8に接合されて電気的に直列、熱的に並列に接続されるP型及びN型の熱電素子3,4と、絶縁基板1,7の少なくとも一方、及びこの絶縁基板7の電極8にそれぞれ設けられて互いに連通する穴部7a,8aとを備え、熱電素子3,4はその端部を絶縁基板7及び電極8の穴部7a.8a内に挿入させて電極8に接合する。
【選択図】  図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、温度差を利用して発電を行い、或いはその逆に印加された電力に応じて温度差を発生する熱電素子モジュールに係り、特に、歩留まりが良く、優れた信頼性を有する熱電素子モジュール及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の熱電素子モジュールは、トムソン効果、ペルチェ効果、ゼーベック効果等の熱電効果を利用したP型およびN型の熱電素子を組み合わせて構成され、冷却ユニットとしては、既に量産化されている。また、発電ユニットとしても広く研究開発が進められている。
この熱電素子モジュールとしては、図10に示すようなものが知られている。
【0003】
即ち、図中31は下部絶縁基板で、この下部絶縁基板31上には上部絶縁基板32が離間対向して配置されている。上下部の絶縁基板31,32の対向面にはそれぞれ電極33,34が配設され、これら電極33,34間にはP型およびN型の熱電素子35,36が介在されている。P型およびN型の熱電素子35,36はその上下端部が接合材料37,38により電極33,34に接合され、電気的に直列に、熱的に並列に接続されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
この熱電素子モジュールの発電効率を熱電素子35,36自体の発電効率に近づけるためには、熱電素子35,36への熱供給と熱電素子35,36からの放熱がスムーズに行われる必要がある。
【0005】
このため、熱電素子モジュールを構成する絶縁基板31,32には、熱伝導に優れたセラミック基板が使用されている。さらに、熱電素子35,36が接合される電極33,34は、電気抵抗の低い材料が使用されている。
【0006】
ところで、セラミックス基板は、例えば、縦横50mm×50mmのサイズにおいても80〜150μmの反りが発生し、さらに、熱電素子モジュールのサイズを大きくする場合には、80〜150μm以上の反りが発生することが予想される。
【0007】
また、熱電素子35,36を加工して所望のサイズにする場合にも、寸法公差が±30〜50μm程度発生する。
このため、熱電素子35,36と電極33,34の接合部分で30〜200μmの高さばらつきが存在しても良好に接合できることが必要になっている。
【0008】
一方、熱電素子モジュールでは、モジュール内部に湿気が進入することによって、吸熱面側の電極34に結露が生じ、この水分が通電による電極金属のマイグレーションを促進し、やがて電極34が腐食し、ついにはモジュールの故障にいたることがある。
【0009】
また、熱電素子35,36は大気中において高温にさらされると、酸化し易いため、熱電素子35,36の熱電特性が劣化してしまう。さらに、真空中において高温にさらされると、熱電素子35,36内の成分が蒸発してしまい、熱電素子として機能しなくなってしまう。
【0010】
従って、熱電素子モジュールの信頼を確保するためには、熱電素子部が非酸化性ガス雰囲気で減圧封止され、水分および酸素の浸入を防ぐことが重要となっている。
従来、モジュールを封止するための方策としては、各種の検討が行われている。例えば、熱電素子35,36と、電極33,34を備える熱電素子を難透湿性薄膜材料からなる封止袋で包み込んで封止袋の内部を不活性ガス雰囲気にしたり、減圧状態にすることでモジュール内部への湿気の残留や侵入を防ぐようにしている(例えば、特許文献2参照。)。
【0011】
【特許文献1】
特開平4−85974公報
【0012】
【特許文献2】
特開平6−294562号公報(図8)。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来においては、上記した熱電素子モジュール内の全ての熱電素子35,36と電極33,34間での接合歩留まりが低く、仮に接合していても、接合部分にボイド等が発生し接合信頼性に問題があった。
【0014】
また、熱電素子モジュールを難透湿性薄膜材料からなる封止袋に包んで封止袋の中を不活性ガス雰囲気の減圧状態とした場合には、その製造工程において、穴明き等が発生し易い。このため、歩留まりが悪く、製品の信頼性が低くなるという不都合があった。更に、モジュールザイズも大きくなり、単位面積当たりの発電効率も低くなる。
【0015】
本発明は、上記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、絶縁基板の反りや、熱電素子の高さ寸法にばらつきがあっても、熱電素子と電極の接合歩留まりが良く、接合後の信頼性にも優れ、また、封止材の穴明き等の発生を防止し、歩留まりが良く、製品の信頼性が優れる熱電素子モジュール及びその製造方法を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するため、請求項1記載のものは、対向配置される第1及び第2の絶縁基板と、この第1及び第2の絶縁基板に設けられた第1及び第2の電極と、前記第1及び第2の絶縁基板間に設けられ、両端部が前記第1及び第2の電極に接合されて電気的に直列、熱的に並列に接続されるP型及びN型の熱電素子と、前記第1及び第2の絶縁基板の少なくとも一方、及びこの絶縁基板の電極にそれぞれ設けられて互いに連通する穴部とを備え、前記熱電素子はその端部を前記絶縁基板及び前記電極の穴部内に挿入させて前記電極に接合する。
【0017】
請求項5記載のものは、対向配置される第1及び第2の絶縁基板と、この第1及び第2の絶縁基板に設けられた第1及び第2の電極と、前記第1及び第2の絶縁基板間に設けられ、両端部が前記第1及び第2の電極に接合されて電気的に直列、熱的に並列に接続されるP型及びN型の熱電素子と、前記第1及び第2の絶縁基板間に設けられ、前記第1及び第2の絶縁基板とにより前記P型及びN型の熱電素子を封止し、内部に不活性ガスが充填される封止部材と、前記第1及び第2の絶縁基板の少なくとも一方に設けられ、前記封止部材の内部に連通する開口部と、この開口部を閉塞する閉塞部材とを具備する。
【0018】
請求項6記載のものは、第1の絶縁基板に第1の電極を設け、この第1の電極上にP型及びN型の熱電素子の一端部を接合する工程と、第2の絶縁基板に第2の電極を設けるとともに、前記第2の絶縁基板及び第2の電極に互いに連通する穴部を形成する工程と、前記第2の絶縁基板を前記第1の絶縁基板に対向させ、前記穴部に前記P型及びN型の熱電素子の他端部を挿入させて前記第2の電極に接合する工程とを具備する。
【0019】
請求項7記載のものは、第1の絶縁基板に第1の電極を設け、この第1の電極上にP型及びN型の熱電素子の一端部を接合する工程と、第2の絶縁基板に第2の電極を設けるとともに、前記第2の絶縁基板を前記第1の絶縁基板に対向させて前記第2の電極を前記P型及びN型の熱電素子の他端部に接合する工程と、前記第1及び第2の絶縁基板間に枠材を介在させて前記枠材と前記第1及び第2の絶縁基板とにより、前記P型及びN型の熱電素子を封止する工程と、前記第1及び第2の絶縁基板の少なくとも一方に前記枠材の内部に連通する開口部を形成する工程と、前記開口部から前記枠材の内部に不活性ガスを充填する工程と、前記枠材の内部への不活性ガスの充填後、前記開口部を閉塞材により閉塞する工程とを具備する。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図1〜図9に示す実施の形態を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態である熱電素子モジュールの断面構造を示すものである。
図1中1は、第1の絶縁基板としての下部絶縁基板で、この下部絶縁基板1の上面部には第1の電極としての下部電極2…が配設されている。下部電極2…上にはP型熱電素子3とN型熱電素子4とが交互に接合配置されている。下部電極2…とP型及びN型の熱電素子3,4の下端部とは接合材料などの接合材料5により結合されている。
【0021】
下部絶縁基板1の上方部には第2の絶縁基板としての上部絶縁基板7が対向配置されている。上部絶縁基板7の上面部、即ち、下部絶縁基板1に対し非対向面である外面側には第2の電極としての上部電極8が配設されている。
【0022】
上部絶縁基板7及び上部電極8にはそれぞれ複数の穴部7a…,8a…が互いに連通する状態で設けられており、これら穴部7a…,8a…内に上記したP型及びN型の熱電素子3,4の上端部側が挿入されている。なお、この挿入時には、熱電素子3,4の上端面は、上部電極8の上面部に面一、或いは若干凹んだ状態とされ、後述する接合材料10が熱電素子3,4の上端面部に接合される際には、水平な状態で良好に接合できるようになっている。
【0023】
上部電極8の上面部には接合材料10が設けられ、この接合材料10はP型及びN型の熱電素子3,4の上端面に接合されている。これにより、P型およびN型の熱電素子3,4は、電気的に直列に、熱的に並列に接続される。
なお、この実施の形態においては、熱電素子モジュールの高温側の使用温度が500℃とするため、下部電極2はAl、下部絶縁基板1はAlN基材のセラミック基板、接合材料5は、Al−12wt%Siロウが使用されている。
【0024】
また、下部電極2の材質、及び接合材料5の材料は、熱電素子モジュールの使用温度域に応じて異なる材料を用いても良い。さらに、P型及びN型の熱電素子3,4としては、スクッテルダイト構造を有するものが使用されている。また、上部絶縁基板7の材質はAlとなっている。
【0025】
また、この実施の形態においては、上部電極8の材料としては、Cuが使用されている。尚、上部電極8は、熱電モジュールの使用温度により変更しても良く、特に限定するものではない。さらに、接合材料10としては、溶融温度が280℃前後であるハンダのペーストが使用され、ディスペンサにより供給される。
【0026】
また、接合材料10とP型及びN型の熱電素子3,4の接合性を向上させるために、熱電素子3,4の端面及びこの端面から300μm程度下方の素子周囲まで上部電極(Cu)8が成膜されている。上部電極(Cu)8の膜厚は、Cuスパッタで2μm成膜した後、電気メッキで8μm成膜して全部で約10μmとした。接合材料10は、使用温度により変更しても良く、更に、熱電素子3,4の端面処理は、熱電素子3,4の性能を損なわずに、接合材料10と接合できるものであれば、特に限定するものではない。また、接合材料10と熱電素子3,4が良好に接合できるのであれば、端面から下方への成膜もなくても良い。
【0027】
次に、上記した熱電素子モジュールの製造方法を図2乃至図4を参照して説明する。
まず、図2(a)に示すように、下部絶縁基板1の下部電極2上に接合材料5を供給する。ついで、図2(b)に示すように、下部絶縁基板1を基板固定用の治具12内に設置する。こののち、図2(c)に示すように、治具9内に熱電素子配置用の治具13を配置し、さらに、図2(d)に示すように、P型及びN型の熱電素子3,4を配置する。
【0028】
ついで、治具12を水素炉(図示しない)内に挿入して、例えば、水素供給量を20m 3/hとし、加熱温度を600℃として加熱する。これにより、接合材料5が溶融してP型およびN型熱電素子3,4と下部電極2とが結合される。
【0029】
しかるのち、図3(a)に示すように、熱電素子配置用の治具13を取り外し、図3(b)に示すように、上部絶縁基板配置用の治具14を設置する。そして上部絶縁基板7と上部電極8にP型およびN型熱電素子3,4の本数に対応する個数だけ穴部7a,8aを互いに連通する状態で形成した図3(c)に示すように、上面部に上部電極8を有する上部絶縁基板7を用意する。
【0030】
こののち、図3(d)に示すように上部絶縁基板7を治具14上に配置し、穴部7a,8a内にP型およびN型熱電素子3,4の上端部を挿入させる。しかるのち、図4(a)に示すように、上部電極8の上面部に接合材料10を配置し、接合材料10をP型およびN型熱電素子3,4の上端面に接合させる。ついで、これを、リフロー炉(図示しない)内で加熱し、接合材料10を溶融させることにより、図4(b)に示すような熱電素子モジュールを得ることができる。
【0031】
上記したように、上部絶縁基板7及び上部電極8に互いに連通する穴部7a,8bを設け、熱電素子3,4の上端部を穴部7a,8b内に挿入させて上部電極8に接合するため、絶縁基板7に反りがある場合や、熱電素子3,4の高さにばらつきがある場合であっても、熱電素子3,4と電極8の接合歩留まりを向上させることができる。
【0032】
また、熱電素子3,4と電極8の接合後の信頼性も向上させることができるため、従来の熱電素子モジュールと比較して優れた歩留まりと信頼性を有する。 さらに、上部絶縁基板7の外面側に上部電極8を配置するため、検査および不良の修正が容易となり、製品の歩留まりを大幅に向上させることができる。
【0033】
また、熱電素子モジュールから取り出す配線は、上部絶縁基板7の上部電極8もしくは絶縁基板7から取り出す可能があるが、用途に応じて上部絶縁基板7上で配線し、任意の場所から取り出すことができる。
更に、上部絶縁基板7を放熱、もしくは冷却側に使用することにより、熱電素子モジュールから取り出す配線の接合信頼性を向上させることができる。
【0034】
図5は、本発明の第2の実施の形態である熱電素子モジュールを示す構成図である。
なお、上記した第1の実施の形態で示した部分と同一部分については同一符号を付してその説明を省略する。
この第2の実施の形態においては、上部絶縁基板7に設けられる上部電極18は上部絶縁基板7の上面側に設けられる上側電極部18aと、上部絶縁基板7の下面側に設けられる下部側電極部18bと、これら上側電極部18aと下部側電極部18bとを上部絶縁基板7の穴部7aを介して接続するスルーホール電極部18cとにより構成される。P型及びN型の熱電素子3,4の上端部はスルーホール電極部18c内に挿入されて上部電極18に接合されている。
【0035】
次に、この熱電素子モジュールの製造方法を図6に基づいて説明する。
なお、この第2の実施の形態における製造工程は、上記した第1の実施の形態で説明した製造工程と一部共通するため、共通部分については省略し、異なる部分についてのみ説明する。
【0036】
即ち、第1の実施の形態で示す図2から図3(b)までの製造工程は共通する。従って、図3(b)で示した製造工程後から説明する。
まず、図6(a)に示すように上部電極18を成膜した上部絶縁基板7を用意する。上部電極18は上部絶縁基板7の上側及び下面側に成膜される上側及び下側の電極部18a,18bを有するとともに、上部絶縁基板7の穴部7aの内周面に沿って成膜されて上側及び下側の電極部18a,18bを接続するスルーホール電極部18cを有している。
【0037】
このように構成される上部電極18を有する上部絶縁基板7を、図6(b)に示すように治具14上に配置し、上部電極18のスルーホール電極部18c内にP型およびN型熱電素子3,4の上端部を挿入させる。ついで、上部電極8の上面部に接合材料10を配置し、この接合材料10をP型およびN型熱電素子3,4の上端面に接合する。ついで、これを、リフロー炉(図示しない)内で加熱し、接合材料10を溶融させて図6(c)に示すような熱電素子モジュールを得ることができる。
【0038】
この第2の実施の形態によれば、上記第1の実施の形態と同様な作用効果を奏することは勿論のこと、絶縁基板7の反りや熱電素子3,4の高さはらつきがあっても十分に吸収できるため、部材のばらっきによる接合不良をより一層大幅に低減することができる。
【0039】
図7は、本発明の第3の実施の形態である熱電素子モジュールを示す断面図で、図8はその平面図である。
この熱電素子モジュールは所定間隔を存して対向配置される上下部の絶縁基板21,22を有し、この絶縁基板21,22は、例えばセラミック等の熱伝導性の高い材料で形成されていている。また、これら上下部の絶縁基板21,22の対向面にはそれぞれ上下部の電極23,24が形成されているとともに、外枠設置部19,20が設けられている。
【0040】
上下部の電極23,24間にはP型及びN型の熱電素子25,26が介在されている。上部電極23とP型及びN型の熱電素子25,26の上端部とは例えばA1−12wt%Si等の接合材料5により接合され、下部電極24とP型及びN型の熱電素子25,26の下端部とは例えばハンダ45により接合されている。
【0041】
また、上下部の外枠設置部19,20間には、例えばAlからなる枠材としての外枠28が配置されている。上下部の外枠設置部19,20と外枠28の上下端部は例えばA1−12wt%Si等の接合材料27により接合されている。これにより、上下部の絶縁基板21,22と外枠28とにより、P型及びN型の熱電素子3,4が封止されている。
【0042】
また、下部絶縁基板22の一側部には例えば、内径3mmの開口部22aが形成され、この開口部22aは閉塞部材としての銅製の蓋体29により閉塞されている。蓋体29は例えば、銅製で、エポキシ等の接着剤30により接着され、外枠28の内部は窒素等の非酸化減圧雰囲気状態にされている。
【0043】
なお、上下部の電極23,24とP型及びN型の熱電素子25,26の接合は接合材料5、ハンダ45に限られることなく、CuやAgを用いるものであっても良い。
また、接続方法としては、ろう付けとしたが、それ以外の場合には、固相接合、焼結、または機械的締結等でも、モジュールの所定の性能が得られれば、特に問題はない。
上記したP型及びN型の熱電素子25,26は、上下部の電極23,24を介して直列に接続され、上部絶縁基板21が吸熱面、下部絶縁基板22が放熱面となっている。
図8に示すように、下部絶縁基板22の表面に形成されている下部電極24と外部と接続するリード線41が外枠28と基板22との間を貫通してモジュールの外部に露出するようにしている。なお、リード線41と外枠28とは絶縁されている。
【0044】
次に、熱電素子モジュールの製造方法を図9に基づいて説明する。
まず、図9(a)に示すように、上部絶縁基板21に上部電極23を形成するとともに、外枠設置部19を設ける。ついで、図9(b)に示すように、上部電極23及び外枠設置部19上に、例えばA1−Si等の接合材料27を供給し、この接合材料27の上にP型及びN型の熱電素子25,26を図示しない治具を用いて配置するとともに外枠28を配置する。
【0045】
ついで、この上部絶縁基板21を例えば水素炉や窒素炉など非酸化雰囲気の炉で約600℃まで加熱して接合材料27を溶融させることにより、P型及びN型の熱電素子25,26と上部電極23とを接合させるとともに、外枠28と外枠設置部19とを接合する。
【0046】
こののち、図9(c)に示すように、下部絶縁基板22に下部電極24を設けるとともに、外枠28を設置するための外枠設置部20を設け、さらに、下部絶縁基板22の一側部には、例えば、内径3mmの開口部22aを形成する。
【0047】
しかるのち、下部電極24及び外枠設置部20上にハンダペースト45を供給し、上部絶縁基板21に設けられた熱電素子25,26を下部電極24上に配置するとともに、外枠28を外枠設置部20上に配置する。
【0048】
この配置後、モジュールをハンダペースト45の融点以上まで加熱し、下部電極24と熱電素子25,26を接合するとともに、外枠28と外枠設置部20とを接合する。
つぎに、図9(d)に示すように、下部絶縁基板22の開口部22aに蓋体29を対向させ、これを窒素炉51内で、下部絶縁基板22の開口部22aからモジュール内部を窒素等の非酸化減圧雰囲気にする。こののち、ヒータ52で加熱して蓋体29に付着させているエポキシ等の接着剤30を溶融させて蓋体29を下部絶縁基板22に固着させることにより開口部22aを閉塞する。
【0049】
この実施の形態によれば、上下部の絶縁基板21,22と外枠28とにより、P型及びN型の熱電素子25,26を封止するため、即ち、上下部の絶縁基板21,22を封止部材として利用するため、その製造工程時において破損しずらく、熱電素子25,26の酸化を防ぎ、その特性の劣化を抑制できる信頼性の高い熱電素子モジュールを歩留まり良く製造することができる。
【0050】
なお、この実施の形態では、モジュール内部を減圧することなく、非酸化減圧雰囲気としたが、これに限られることなく、モジュール内部を減圧してから非酸化減圧雰囲気とするようにしても良い。
【0051】
【発明の効果】
本発明は以上説明したように、絶縁基板に反りがある場合や、熱電素子の高さにばらつきがある場合であっても、熱電素子と電極の接合歩留まりを向上させることができる。
【0052】
また、熱電素子と電極の接合後の信頼性も向上させることができるため、従来の熱電素子モジュールと比較して優れた歩留まりと信頼性を有する。
さらに、絶縁基板と枠材とにより、熱電素子を封止するため、その製造工程時において破損しずらく、熱電素子の酸化を防ぎ、その特性の劣化を抑制できる信頼性の高い熱電素子モジュールを歩留まり良く製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態である熱電素子モジュールを示す概略的構成図。
【図2】図1の熱電素子モジュールの製造工程を示す図。
【図3】図1の熱電素子モジュールの製造工程を示す図。
【図4】図1の熱電素子モジュールの製造工程を示す図。
【図5】本発明の第2の実施の形態である熱電素子モジュールを示す概略的構成図。
【図6】図5の熱電素子モジュールの製造工程を示す図。
【図7】本発明の第3の実施の形態である熱電素子モジュールを示す概略的構成図。
【図8】図7の熱電素子モジュールを示す平面図。
【図9】図7の熱電素子モジュールの製造工程を示す図。
【図10】従来の熱電素子モジュールを示す構成図。
【符号の説明】
1,7…第1及び第2の絶縁基板
2,8…第1及び第2の電極
3,4…P型及びN型の熱電素子
7a,8a…穴部
18…第2の電極
18c…スルーホール電極部
21,22…第1及び第2の絶縁基板
22a…開口部
23,24…第1及び第2の電極、
25,26…P型及びN型の熱電素子
28…枠体(外枠)
29…蓋体(閉塞部材)

Claims (7)

  1. 対向配置される第1及び第2の絶縁基板と、
    この第1及び第2の絶縁基板に設けられた第1及び第2の電極と、
    前記第1及び第2の絶縁基板間に設けられ、両端部が前記第1及び第2の電極に接合されて電気的に接続されるP型及びN型の熱電素子と、
    前記第1及び第2の絶縁基板の少なくとも一方、及びこの絶縁基板の電極にそれぞれ設けられて互いに連通する穴部とを備え、
    前記熱電素子はその端部を前記絶縁基板及び前記電極の穴部内に挿入させて前記電極に接合することを特徴とする熱電素子モジュール。
  2. 前記一方の絶縁基板に設けられる電極は、他方の絶縁基板に対して外側に位置することを特徴とする請求項1記載の熱電素子モジュール。
  3. 前記一方の絶縁基板に設けられる電極は、前記一方の絶縁基板の穴部の内周面に沿って形成されるスルーホール電極部を有することを特徴とする請求項1記載の熱電素子モジュール。
  4. 前記一方の絶縁基板を放熱側に使用することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかの一項に記載の熱電素子モジュール。
  5. 対向配置される第1及び第2の絶縁基板と、
    この第1及び第2の絶縁基板に設けられた第1及び第2の電極と、
    前記第1及び第2の絶縁基板間に設けられ、両端部が前記第1及び第2の電極に接合されて電気的に直列に並列に接続されるP型及びN型の熱電素子と、
    前記第1及び第2の絶縁基板間に介在され、前記第1及び第2の絶縁基板とにより前記P型及びN型の熱電素子を封止し、内部に不活性ガスが充填される枠材と、
    前記第1及び第2の絶縁基板の少なくとも一方に設けられ、前記枠材の内部に連通する開口部と、
    この開口部を閉塞する閉塞部材と
    を具備することを特徴とする熱電素子モジュール。
  6. 第1の絶縁基板に第1の電極を設け、この第1の電極上にP型及びN型の熱電素子の一端部を接合する工程と、
    第2の絶縁基板に第2の電極を設けるとともに、前記第2の絶縁基板及び第2の電極に互いに連通する穴部を形成する工程と、
    前記第2の絶縁基板を前記第1の絶縁基板に対向させ、前記穴部に前記P型及びN型の熱電素子の他端部を挿入させて前記第2の電極に接合する工程と、
    を具備する熱電素子モジュールの製造方法。
  7. 第1の絶縁基板に第1の電極を設け、この第1の電極上にP型及びN型の熱電素子の一端部を接合する工程と、
    第2の絶縁基板に第2の電極を設けるとともに、前記第2の絶縁基板を前記第1の絶縁基板に対向させて前記第2の電極を前記P型及びN型の熱電素子の他端部に接合する工程と、
    前記第1及び第2の絶縁基板間に枠材を介在させて前記枠材と前記第1及び第2の絶縁基板とにより、前記P型及びN型の熱電素子を封止する工程と、
    前記第1及び第2の絶縁基板の少なくとも一方に前記枠材の内部に連通する開口部を形成する工程と、
    前記開口部から前記枠材の内部に不活性ガスを充填し減圧する工程と、
    前記枠材の内部への不活性ガスの充填後、前記開口部を閉塞材により閉塞する工程と、
    を具備することを特徴とする熱電素子モジュールの製造方法。
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