JP2004118836A - 注釈をつける方法、および仮想注釈のためのシステム - Google Patents

Abstract

【課題】　オリジナルの記録の内容に遠隔アクセスし、記録を変更することなく、記録の注釈バージョンを遠隔作成する。
【解決手段】　本発明の１つの態様は、メモリ（３２）を有する媒体（２０）を帯びる内容の注釈を付ける方法を提供する。その方法は、媒体上に帯びられた内容を表すデータを取得すること、および、媒体のメモリ内の、媒体上に帯びられた内容を表すデータを保存することを含んでいる。メモリ内に保存されたデータは、媒体から離れた位置に運ばれ、さらに注釈データは、遠隔位置から取得される。遠隔的に取得された注釈データはメモリ内に保存される。
【選択図】　図７

Description

　本発明は、永久記録保存用媒体に注釈をつけるための方法とシステムに関する。

　重要な文章、画像、および他の内容は、多くの場合、紙もしくはフィルムなどの永久記録保存用媒体にその内容を記録することにより保存される。多くの場合、こうした記録は、オリジナルフォームのまま保存することが重要である。しかし、加えて、こうした記録に注釈を加えることが出来ることも重要である。こうした注釈は、書かれたメモ、編集案、音声注釈、ビデオ注釈、およびその他の形式の、記録内容に関する情報を伝える注釈、あるいはそうでなければ記録に関連した注釈を含むことが可能である。多くのユーザにとっての特別の関心は、メモ、コメントを伴う記録、および、記録内の興味ある領域を強調するマーキングの注釈をつけ、さらに、興味ある領域に関連する内容を提供し、それにより、オリジナルの記録を見る人が、興味ある領域を特定することが出来、注釈にアクセスする能力である。

　例えば、オリジナルの記録が、医学的、および法的な目的に使用される場合、記録内容を変更することなく、記録に関する詳細な情報を保存する必要性は重要な要件である。こうした記録の例としては、エックス線、超音波、またはコンピュータ軸断層撮影（ＣＡＴ）を用いるスキャンにより得られた画像などの、診断医学用画像がある。記録時に保存された診断画像に価値があるのみならず、多くの場合、重要な注釈は、診断画像に多大な価値を加える記録に関連している。例えば、患者名、患者の担当医師名、試験施設名、日付、および時間に関する特定情報を、診断画像の記録に関連づけることが可能である。記録が正しく分析され、追跡されることを確実にするように、試験結果についての医師の見解などの他の情報を、記録に付随させることが可能である。加えて、ある情況下では、医師が診断画像内で興味ある領域を強調し、強調されたマーキングに関連した結論および所見を記録出来るようにすることは有効である。医師は、好ましくは、記録された注釈、とりわけ画像を強調するのに用いるマーキングにより、診断画像上の重要情報を変更したり、不明瞭にすることのない方法で、注釈を記録出来る方がよい。

　従って、必要となるのは、記録の変更を必要とせず、さらに、記録が閲覧される場合に注釈の内容と存在が明確になるよう、記録に関連した注釈の視覚表示を確認するオリジナルの記録のホルダーを提供する形で、注釈を記録に物理的に関連づける方法である。

　当該技術分野では、こうした注釈を、後に記録と物理的に関連して保存される別シートの媒体に記録することにより、注釈を記録に関連づけることが知られている。多くの場合、記録を格納した媒体、および注釈の間の媒体は、順番に、保存設備内に保存される共通のファイルフォルダーもしくはバインダー内に保存される。ファイル内の記録を格納した媒体および他の媒体は、記録もしくは注釈にアクセスするたびに、物理的に配置され、格納場所から取り出され、ユーザへ渡され、レビューされ、および／または、さらに注釈を加えられ、次いで格納場所へ戻されなければならない。このストレージシステムが、その労力および設備にかなりの投資を必要とすることは、理解に難くないだろう。さらに、こうしたシステムでの媒体の出し入れの動作により、格納場所で、もしくは移動途中に、重要な注釈および／またはオリジナルの記録が失われてしまうリスクがある。

　代替的に、こうした記録の内容および任意の注釈の内容を、ディジタルデータに変換し、電子的に索引を付け、そのアクセスし、およびリンクすることが可能な電子ファイル内にディジタルデータを、保存することが知られている。しかし、このアプローチには、記録とディジタルファイル間にいかなる物理的関連もなく、さらに、オリジナルの記録のホルダーは、オリジナルの記録が、その電子ファイルと別となっていたり、あるいは、そうでなければ電子ファイルが利用出来ない場合には、これらの電子ファイルへのアクセスがない。

　ユニークな識別情報を保存するために用いられる一体型付属メモリ、および、読取／書込み装置を有するメモリ内に保存された情報を伝達するトランスポンダーを有するデータキャリア（ＲＦＩＤ）タグは、記録と電子システム間のリンクを提供するために使用可能である。ＲＦＩＤタグは、識別情報を保存する項目に取り付けられるもので、識別情報はその項目を識別するために抽出可能である。ＲＦＩＤタグは、「薄いフレキシブルなパッケージ内の高周波回路およびメモリ（Ｒａｄｉｏ　Ｆｒｅｑｕｅｎｃｙ　Ｃｉｒｃｕｉｔ　ａｎｄ　Ｍｅｍｏｒｙ　ｉｎ　Ｔｈｉｎ　Ｆｌｅｘｉｂｌｅ　Ｐａｃｋａｇｅ）」という名称の、モスコウィッツ（Ｍｏｓｋｏｗｉｔｚ）他に対する特許文献１で開示されるように、パスポートおよびクレジットカードでのアプリケーションで用いるよう提案されてきたものである。米国テキサス州ダラスにあるテキサスインスツルメンツ（Ｔｅｘａｓ　Ｉｎｓｔｒｕｍｅｎｔｓ）社から入手可能な、商業的に利用可能な「ＴＡＧ−ＩＴ　ＩＮＬＡＹ」^ＴＭ　ＲＦＩＤタグは、それが附属する媒体に関する識別情報を提供するために使用可能である。この比較的薄く、フレキシブルなタイプのＲＦＩＤタグは、以前はラベルもしくはバーコードを必要とした、いかなるアプリケーションでも使用可能である。従来技術のＲＦＩＤタグは、通常、従業員バッジ、在庫管理、およびクレジットカード口座識別などの識別目的に用いられる。これらの装置は、触知可能な物体の位置、特性、および使用の追跡に有効である。こうしたタグは、例えば、文書管理システム内での文書の位置を追跡し、さらに、こうした文書の管理チェーンを追跡するために使用可能である。

　また、ＲＦＩＤタグのメモリは、画像処理装置のための「原料」入力として用いられる、消耗可能媒体の特性に関するデータを担持するのに使用されることが知られている。この例は、「プリンタに装填される消耗品に、一意的に関連する日付を検知することに適合した、プリンタおよび方法（Ａ　Ｐｒｉｎｔｅｒ　ａｎｄ　Ｍｅｔｈｏｄ　ｔｈｅｒｅｆｏｒｅ　Ａｄａｐｔｅｄ　ｔｏ　Ｓｅｎｓｅ　Ｄａｔｅ　Ｕｎｉｑｕｅｌｙ　Ａｓｏｃｉａｔｅｄ　ｗｉｔｈ　ａ　Ｃｏｎｓｕｍａｂｌｅ　Ｌｏａｄｅｄ　ｉｎｔｏ　ｔｈｅ　Ｐｒｉｎｔｅｒ）」という名称の、共通に譲渡された、共に係属中の米国特許出願第０９／３３４，３７５号に開示されている。この共に係属中の特許出願は、１枚の受信媒体もしくは供与媒体など、消耗可能媒体に連結したＲＦＩＤタグの使用を開示している。ＲＦＩＤタグは、消耗品に関する情報を伴ってプレ‐プログラムされる。この特徴により、画像処理装置は、そこに装填される各消耗品の特性を識別し、さらにその消耗品を用いた最適画像を記録することにより、その操作を適したものにすることが出来る。
米国特許第５，５２８，２２２号明細書

　しかし、従来技術のＲＦＩＤシステムは、文書注釈目的のためのＲＦＩＤタグの使用を教示もしくは示唆をしておらず、さらに、記録に関連した注釈が、記録のホルダーで利用できることを確実にするという問題を解決していない。

　さらに、多くのユーザにとっての特別の関心は、記録に対する編集指示などの注釈を物理的に関連付け、さらにオリジナルおよび、オリジナルの記録の編集バージョン、および、記録を変更したり、物理的にアクセスすることなく、記録への他の任意の注釈を表現し、そうでなければ提示することができる能力である。このように、さらに必要とされているのは、オリジナルの記録の内容に遠隔アクセスし、記録を変更することなく、記録の注釈バージョンを遠隔作成する方法およびシステムである。

　本発明の１つの態様は、メモリを有する媒体を帯びる内容の注釈を付ける方法を提供するものである。その方法は、媒体上に帯びられた内容を表すデータを取得すること、および、媒体のメモリ内に帯びられた内容を表すデータを保存することを含んでいる。メモリ内に保存されたデータは、媒体から離れた位置に運ばれ、さらに注釈データは、遠隔位置から取得される。遠隔的に取得された注釈データはメモリ内に保存される。

　他の態様では、本発明は、媒体を帯びる複数の内容に注釈を付ける方法を提供し、さらに、メモリを有するトランスポンダーを媒体の各々の１つに結合させること、媒体上に帯びられた内容を表すデータを取得すること、各媒体上に帯びられた内容を表すデータを、その媒体に結合したトランスポンダーのメモリ内に保存すること、当該媒体を格納領域内に永久保存することを含んでいる。選択された１つの媒体上に帯びられた内容を表すデータを含む、選択された１つの媒体に結合したトランスポンダーのメモリ内に保存されたデータは、媒体から離れた位置に運ばれる。選択された１つの媒体に関連する注釈データは、遠隔的に取得される。遠隔的に取得された注釈データは、選択された１つの媒体に結合したトランスポンダーのメモリ内に保存される。

　さらに他の態様では、本発明は、媒体を帯びる、複数内容のうちの選択された１つの仮想注釈のためのシステムを提供する。このシステムは、各媒体に関連した少なくとも１つのトランスポンダーを伴う、複数のトランスポンダーを有している。各トランスポンダーは、データを保存するのに適合するメモリを有している。トランシーバーは、複数のトランスポンダーのうちの選択された１つと、データを交換するのに適合されている。入力システムは、複数の媒体の各々に帯びられた内容を内容データへ変換し、トランシーバーに、その内容データを、各媒体に関連した少なくとも１つのトランスポンダーのメモリ内に保存させるよう適合されている。リモートプロセッサは、トランシーバーに、複数の媒体の少なくとも１つに関連する、少なくとも１つのトランスポンダーのメモリから、内容データを取り出させるよう適合されている。リモートプロセッサには、取り出された内容データに基づいて、出力を提示する出力装置を有している。さらにリモートプロセッサは、複数の媒体の少なくとも１つに対して注釈を受け、注釈をデータに変換する、注釈入力を有している。さらにリモートプロセッサは、トランシーバーに、複数の媒体の少なくとも１つに関連した、少なくとも１つのトランスポンダーのメモリ内に、複数の媒体の少なくとも１つに対する注釈を表すデータを保存させるよう、適合されている。

　さらに他の態様では、媒体を帯びる複数の内容の少なくとも１つに遠隔的に注釈するためのシステムが提供されており、各媒体はメモリを伴うトランスポンダーを有し、さらに、そのメモリは、その内部に保存された媒体上に帯びられた、内容を表す内容データを有している。このシステムは、トランスポンダーとデータを交換するよう適合されたトランシーバーを有している。リモートプロセッサは、トランシーバーに、複数の媒体の少なくとも１つに関連する少なくとも１つのトランスポンダーのメモリ内に保存された、内容データを取り出させるよう適合されている。リモートプロセッサには、内容データに基づいて、出力を提示する出力装置を有している。さらにリモートプロセッサは、複数の媒体の少なくとも１つに対して注釈を受け、注釈をデータに変換するための注釈入力を有している。さらにリモートプロセッサは、トランシーバーに、複数の媒体の少なくとも１つに関連する、少なくとも１つのトランスポンダーのメモリ内の、複数の媒体の少なくとも１つに対する注釈を表すデータを保存させるよう、適合されている。

　明細書が本発明の対象を特に指摘し、明瞭に請求する請求項を伴って結論付けられる一方で、以下の添付図面と共に続く説明を読まれるならば、本発明をより良く理解することが出来る。

　本発明は、特に本発明に従う装置の一部を形成し、または、より直接に協動する要素に向けられている。特には示されないか、記述されていない要素が、当業者によく知られている様々な形をとり得ることは理解されるべきである。

　図１は、記録２４を含みその上に、要素２２を含む内容を有する、媒体２０の平面図を示している。要素２２は、例えば媒体２０を用いて記録可能なテキスト、図面、画像または他の内容を含んでいてもよい。媒体２０は、要素２２を形成可能な、紙、ラグ、布、フィルム、段ボール、織物、ビニール、または他の材料の、いかなるものも含むことが出来るが、これは例示のためのみであり、それに限定されるものではない。媒体２０にインク、染料またはトナーを塗布するなどの従来の記録方法は、媒体２０上に要素２２を記録するために用いることが出来る。媒体２０が感光性フィルム、要素もしくは紙である場合は、光源に感光性フィルム、要素または他の媒体を露光し、さらに、媒体２０上に画像を生成するためのその後の化学処理で、それぞれのフィルム、要素もしくは他の媒体を現像するために、既知の露光方法を用いることが出来る。以下の説明では、媒体２０は、シートの形となっているものとして説明されているが、記録２４は、ロールもしくはストリップなど、他の形の媒体２０に生成可能であることは理解されるものであろう。

　図１に示されているように、トランスポンダー３０は、記録２４の要素２２内に記録された内容を変更しない方法で、媒体２０へ固定される。これは、要素２２からの内容取出し処理を妨げないように、トランスポンダー３０を、要素２２を含む媒体２０の面２６上ではあるが、要素２２から離れた位置に位置決めすることにより、図示のように達成可能である。代替的に、トランスポンダー３０を、媒体２０の裏面（図示せず）に位置決めすることも可能であるし、もしくは、トランスポンダー３０を媒体２内に組み込む（図示せず）ことも可能である。

　図２は、トランスポンダー３０のクローズアップ図を示している。図２に図示されたように、トランスポンダー３０は、メモリ３２、トランスポンダーアンテナ３４、無線周波数通信回路３６、および電源回路３８を含んでいる。本願明細書で以下に述べるようにトランスポンダー３０は、媒体２０に付着した形で示されている。トランスポンダー３０を媒体２０に接合させるには、粘着テープ裏張り、もしくは他の取付構成が使用可能である。本願明細書で以下に述べるように、媒体２０へ取付させる同様の方法は、トランスポンダー３０を、写真エックス線もしくは要素などの媒体２０を含むが、これに限定されるものではない任意のタイプの媒体２０に接合させるように代替的に使用可能である。

　図３は、取付けられたトランスポンダー３０を有する、注釈を記録２４に関連づけるシステムを概略的な形で示している。この構成では、トランシーバー４０はコンピュータ５０に接続される。トランシーバー４０はまた、アンテナ４２にも接続している。トランシーバー４０およびアンテナ４２は、コンピュータ５０をメモリ３２と交信可能にする、メモリインタフェースの役割を果たす。本発明の一実施例では、現在開示された理由のために、トランシーバー４０は、第１の所定周波数の第１の電磁場４４を送信可能である。トランシーバー４０はまた、同じく本開示の便宜上、第２所定周波数４６の第２電磁場を受信可能である。他の実施例では、トランシーバー４０は、第１および第２の電磁場４４、４６の双方に、同一周波数を用いることが出来る。

　好ましい実施例では、トランスポンダー３０は、トランシーバー４０が放出した第１の電磁場４４から電源を得る電源回路３８を有する、比較的低パワーの装置である。この方法で、アンテナ４２による、トランシーバー４０とトランスポンダー３０との間の通信が、限られた距離にわたって実行可能である。代替的に、トランスポンダー３０は、化学バッテリーもしくは容量性エネルギー蓄積ユニットなどの電源３８を伴うことが可能である。

　トランシーバー４０は、信号インタフェース５２を用いて、コンピュータ５０と電気的に結合される。信号インタフェース５２は、例えば、標準ＲＳ−２３２Ｃシリアル接続、ユニバーサルシリアルバス接続、または当業者に知られている他のタイプの信号インタフェースであってもよい。これにより、コンピュータ５０は、トランシーバー４０が１つ以上の記録２４についての情報に選択的にアクセスするために、１つ以上のトランスポンダー３０を連続的にポーリング出来るよう、トランシーバー４０の操作を制御可能となる。コンピュータ５０は、標準的なパーソナルコンピュータ、もしくは、他のプログラム可能な論理装置でもよく、トランシーバー４０に、トランスポンダー３０のメモリ３２内に保存されているデータを読込ませ、その後、保存データに基づいて出力を表示させるようプログラムされている。コンピュータ５０はまた、トランスポンダー３０に、選択されたトランスポンダー３０のメモリ３２内へデータを保存させることも出来る。

　コンピュータ５０が、代替的に、トランシーバー４０と単一の「携帯」装置の形で接合可能であることに留意しておくのは重要である。この代替的構成を用いることで、オペレータは、別々のコンピュータに対する接続を必要とすることなく、情報を記録２４に固定されたトランスポンダー３０に関連づけたり、もしくは、既にこうしたトランスポンダー３０のメモリ３２内に保存されている情報をデコードすることが出来る。この構成は、例えば、携帯データ収集もしくは注釈などの目的に有利となろう。以下でより詳細に議論するように、他の形式の読込みおよび表示装置も考えられているが、その重要な特徴は、記録２４の内容および注釈の内容を利用可能にする能力である。これは、例えば、オリジナルの内容データと注釈データとを結合した出力画像を表示することにより実行可能である。

　図４は、こうした携帯装置６０の実施例を概略的に示している。本発明のこの構成のために、制御処理ユニット６２は、図２を参照して上述されたのと同じ方法で、記録２４に結合したトランスポンダー３０と通信する、トランシーバー４０を操作するために必要な論理制御機能を実行する。ディスプレイ６４は、エレクトロニクス器具技術分野でよく知られた液晶ディスプレイ、有機発光ディスプレイ、もしくは他のタイプのディスプレイを含んでいてもよい。ディスプレイ６４は、例えばトランスポンダー３０から読込んだ情報を表示する、出力画像の提示に使用可能である。

　キーボード、タッチパッド、キーパッド、スタイラス、マウス、もしくは音声認識装置などのデータ入力装置６６により、注釈データの入力が可能となる。プロセッサ６８は、この注釈データを、トランスポンダー３０のメモリ３２内に記録させる。

（トランスポンダーとトランシーバーとの間の通信）
　図１から図４を参照し、トランシーバー４０がトランスポンダー３０と通信する方法を詳細に述べることとする。トランスポンダー３０は、トランシーバー４０が放射する第１の電磁場４４の第１の周波数に調整される。第１の電磁場４４は、電磁スペクトルの無線周波数範囲内にあるが、これは例示のためのみのものであり、それに限定されるものではない。このように、本発明は、無線周波数に調整された、トランシーバー４０およびトランスポンダー３０を用いる。しかし、第１の電磁場４４、および／または、第２の電磁場４６は、無線周波数レンジにある必要はない；むしろ、第１の電磁場４４、および／または、第２の電磁場４６は、マイクロ波周波数、または、当業者に知られている他の有効な周波数内にあってもよい。

　トランシーバー４０からの第１の電磁場４４を受信すると、トランスポンダー電源回路３８は、第１の電磁場４４から、第１の電磁場への応答を生成するために用いる電源電圧を提供する十分なエネルギーを得る。従って、トランスポンダー３０を別々に電源を供給する、いかなるバッテリーも必要でない。

　第１の電磁場４４は、オリジナルの内容データ、もしくは注釈データなどのデータを伴う保存命令を含むことが出来る。トランスポンダー３０が保存命令を受信すると、トランスポンダー３０は、付随データをトランスポンダー３０に関連づけられたメモリ３２に保存する。メモリ３２が別々にアドレス可能なページ内にデータを保存する場合、保存命令は、特定データの保存のために特定ページを選択可能である。さらに、保存命令は、メモリ３２の特定ページに保存されたデータの、今後の修正もしくは変更を防ぐために、ロック命令を含むことが出来る。

　第１の電磁場４４はまた、トランスポンダー３０に、メモリ３２に保存されたデータを含む第２の電磁場４６を生成させる指示の送信命令を含むことが出来る。この送信命令は、トランスポンダー３０に、メモリ３２の選択されたページの内容のみを含む第２の電磁場４６を生成させる、ページ識別子を含むことが出来る。

　トランシーバー４０が、１より多いトランスポンダー３０と通信する場合、各トランスポンダー３０は、一意的な確認アドレスコード（ＩＤ）を伴って個別にプログラムされることが好ましい。選択した１つのトランスポンダー３０と通信するために、トランシーバー４０は、一意的な確認アドレスコードを、保存コマンドからの送信コマンドデータと共に、その第１の電磁信号４４の一部としてコード化する。適切なアドレスを有するトランスポンダー３０は、メモリ３２内に保存されたデータをトランシーバー４０に送信することにより、トランシーバー４０に応答したり、あるいは、追加情報を適切なようにメモリ３２に保存する。代替的には、トランシーバー４０が１つより多いトランスポンダー３０と通信する場合、各トランスポンダー３０は、所定の周波数を有する第１の電磁場４４のみに応答するよう適合される。この代替実施例では、トランシーバー４０は、そのトランスポンダー３０のみに関連づけられた周波数で、第１電磁場４４を送信することにより、単一のトランスポンダー３０と選択的に通信可能である。保存設備トランシーバー９４は、それぞれ付属トランスポンダー３０を有するマルチ媒体３０のコレクションをポーリングするために、さらに、そのコレクション内で、特定の媒体３０の位置を突き止め、それと通信するために使用可能である。上述のように、これは、各トランスポンダー３０内のトランスポンダーＩＤ番号を記録し、その後、適切なＩＤ番号を有するトランスポンダー３０の位置が突き止められるまで、各トランスポンダー３０をポーリングすることにより達成可能である。

　他の代替的なポーリング技術は、１つより多いトランスポンダー３０と通信するための「非衝突」アルゴリズムを用いる。一実施例では、アルゴリズムは、特定の１つのトランスポンダー３０に繰り返しポーリングする、初期の比較的低値のトランシーバー４０からの第１の電磁信号の生成に用いる、出力パワーを増加するステップで実行される、ループを用いている。トランスポンダー３０を検出するや、トランシーバー４０は、トランスポンダー３０と通信し、その後、一時的にトランスポンダー３０を動かなくさせる。続いて、トランシーバー４０は、この方法で、次の使用可能なトランスポンダー３０の位置を突き止め、それと通信し、その後、それを一時的に動かなくさせるよう、各ポーリング動作の出力パワーレベルを増加させてポーリングを順次反復する。このようにして、トランシーバー４０は、各トランスポンダー３０が連絡されるまで、そのリターン信号の強さの順に、マルチトランスポンダー３０と通信する。

　このポーリング能力は、マルチ記録２４がキャビネット、机、または他の保存設備に含まれているようなところでの保存を容易にすることが出来る。この同じ能力は、例えば、マルチ記録２４が、フォルダー、ファイル、またはキャビネットに収集されている場合などに、所望する記録２４が、そのフォルダー、ファイル、またはキャビネット内にあるか否かを判定するために、記録２４のコレクションのスキャンを自動化することになるだろう。

（トランスポンダーをオリジナルの記録に関連づける方法）
　上述した一実施例では、トランスポンダー３０は、媒体２０への取付用の接着剤付き素材上へ設けられる。しかし、トランスポンダー３０用の他の取付方法も、本発明の範囲内で可能である。例えば、取付方法の１つとして、媒体２０上にトランスポンダー３０をラミネートすることが可能である。すなわち、記録２４を含む媒体２０は、媒体２０にラミネートされているトランスポンダー３０を伴う最終準備の間に、ラミネート処理を施されることになる。

　代替的に、トランスポンダー３０は、媒体２０の製造中、もしくは画像化のための媒体２０の準備中に、媒体２０の内部に埋め込むことが出来る。この点については、トランスポンダー３０は、例えば、紙タイプの媒体２０の紙の層、もしくは、エックス線、または、他の診断画像に用いられるフィルム基板内に埋め込むことが可能である。トランスポンダー３０がこの形式で媒体２０内に結合される場合、組成物のデータ特性、媒体のタイプ、および媒体２０の処理の推奨される方法のような情報は、トランスポンダー３０のメモリ３２内に保存可能であり、さらに、後に、記録がなされる時に、媒体２０上に形成された画像要素２２の外観を最適化するために画像形成装置により使用可能である。

　図１から図４の実施例では、トランスポンダーアンテナ３４が、トランスポンダー３０と共にパッケージされている。しかし、トランスポンダー３０はまた、トランスポンダーアンテナ３４（図５）と、個々のトランスポンダー回路パッケージ６８（図６）とを結合させることによって形成可能であり、その個々のトランスポンダー回路パッケージ６８は、メモリ３２、無線周波数通信回路３６、および電源供給回路３８を有している。

　図５は、媒体２０上に設けられたトランスポンダーアンテナ３４のトレースパターンを示している。図５の実施例では、トランスポンダーアンテナ３４は、１対の嵌め込み回路接点７０、７２を設ける、無線周波数通信回路３６に接続するためにアクセス可能な、１対のトランスポンダーアンテナ接点３４ａ、３４ｂを含んでいる。代替的に、トランスポンダーアンテナ３４は、回路接点３６ａに接続するために、アンテナ接点３４ａ、３４ｂを媒体２０の表面へ延ばした状態で、媒体２０内に埋め込み可能である。さらに他の実施例では、トランスポンダーアンテナ３４を媒体２０内に埋め込み可能なことに加え、回路接点７０、７２をアンテナ接点３４ａ、３４ｂと結合するよう、媒体２０内に押し入れることが出来る。後者の実施例では、回路接点７０、７２は、アンテナ接点３４ａ、３４ｂを通り抜けて押し入れられ、その後、媒体２０、トランスポンダーアンテナ３４、およびトランスポンダー回路パッケージ６８を、事実上ステープルで留めたり、またはリベットで留めるために、媒体２０を掴むように変形することが出来る。

　トランスポンダーを記録に関連づける他の方法が使用可能なことは、理解されるであろう。例えば、トランスポンダー３０は、オリジナルの記録に用いた媒体２０内に設けることが出来る。さらには、トランスポンダー３０は、リトグラフ、インクジェット、および基板上に電子回路を形成可能な他の技術を用いて、媒体２０自体の上に形成可能である。

（メモリのプログラミングおよびメモリの内容）
　トランスポンダー３０のメモリ３２は、少なくとも２つのタイプの情報を受信するよう適合される：以後本願明細書に於いて記録内容データとして言及される記録２４の要素２２内に記録された内容を表すディジタルデータ、および、以後本願明細書に於いて注釈データとして言及される注釈を表すディジタルデータである。記録内容データは、記録２４の内容を運ぶ出力を生成するために再編成可能な、いかなる利用し得るディジタルフォームであってもよい。記録内容データは、記録内容データの保存に必要なメモリ３２の部分を減少させるよう、圧縮され、もしくはそうでなければコード化されるのが好ましい。注釈データは、記録内容データと関連させて保存可能なデータ、および、ディジタル的にマーキング、編集命令、オーディオ内容、ビデオ内容、もしくは記録２４と関連した他の内容を表すデータである。

　トランスポンダー３０のメモリ３２内で使用可能な、１つの可能なデータ構造の実施例が、表１に示されている。

　　　　表１　トランスポンダー３０に保存されたデータ

　表１に示されるように、メモリ３２は複数のページに区画される。各ページは、上述の方法で、トランシーバー４０によって個々にアドレス可能である。表１の実施例では、メモリ３２のページ１は、媒体の密度、媒体の色域密度など、媒体２０の特性に関するデータを含む媒体データ、および／または、インクなどの適用されるドナー素材の濃度、もしくは光や熱への露光に対する媒体の相対的な感度など、媒体２０に記録された要素２２によりもたらされる内容に影響を与え得る他の情報を含んでいる。後者の特性は、媒体２０が感光性、もしくは熱的感受性である場合に、役立つ。この情報は、要素２２のフォームに記録された内容が、確実に、意図された内容を正確に表すよう、要素２２を媒体２０に記録するプリンタなどの装置の動作を調整するのに使用可能である。

　メモリ３２のページ２は、媒体上の記録の対象物を識別するデータ、記録がなされた日付、露光状態などの記録の特性、要素２２を記録するのに使われたインク、トナーもしくは染料などのドナー素材の特性、および、要素２２が媒体２０上に記録された時間および日付などの、媒体ＩＤデータを含んでいる。文書識別番号、患者識別番号、患者名、およびこの情報のルーティングおよび配分を示す情報などの他の情報も、ページ２に保存可能である。

　ページ３は、記録内容データを含んでいる。記録内容データは、メモリ３２の容量の比較的低い部分を占める、ディジタルフォームへ適切に変換されるのが好ましい。例えば、既知のデータ圧縮技術が、記録内容データに適用可能である。しかし、変換において、いかなる生体データも失われることがないよう、注意しなければならない。記録内容データが保存された後は、ページ３をロックするのが好ましい。メモリ３２のページ３をロックすることにより、トランスポンダー３０のその後のユーザは、記録内容データの内容の修正、変更、もしくは削除が出来なくなる。このロックの特徴は、２つの目的に用いることが出来る。第１の目的は、記録２４の内容が変更されてしまうことがないことを確実にするよう、記録２４の内容に対してチェック可能な、オリジナルの記録の表示を提供することである。第２の目的は、記録２４に対する物理アクセスを要さずに、ユーザに、記録内容へのアクセスを提供することである。結果として、本発明のこの実施例では、ユーザが記録２４の内容を得るために、保存設定から記録２４を取り出す必要がない。

　メモリ３２のページ４からページｎは、注釈データを含んでいる。上述のように、注釈データは、記録２４に関連した注釈を表すディジタルデータである。上述のように、注釈は、テキストメッセージ、画像、ディジタル化された形のマーキング、ディジタル化されたオーディオ、および／または、ディジタル的にコード化されたビデオ信号を含むことが可能である。注釈データは、記録内容データと同じ方法で、遠隔的にアクセス可能である。従って、ユーザは、記録２４自体にアクセスしていないにもかかわらず、記録内容データ、およびいかなる既存の注釈データも、遠隔的にレビューすることが可能である。さらに、メモリ３２内に保存するための、追加注釈の記録も可能である。これが、記録２４と物理的に関連されなければならない追加記録（図示せず）を準備することなく、遠隔的になし得ることは理解されるであろう。

　本発明に従って、記録２４が物理的に移動する場合は、記録された注釈は、トランスポンダー３０と記録２４との物理的関連により、記録２４を伴って移動することが理解されるだろう。このように、オリジナルの記録２４がリモートユーザへ移動される限り、記録された注釈は、損失や分離の危険もなく、こうしたユーザにとって利用可能なものとなる。

　メモリ３２のページ４からページｎのいずれも、注釈への権限のない修正を防ぐために、選択的にロック可能である。好ましい実施例では、注釈作成者は、注釈データのロックされたページに、キーを割当てることが出来る。このキーにより、キーに対するアクセスを有する作成者あるいは他者により、注釈の訂正あるいは注釈の他の修正が可能となるよう、注釈のロックされたページのロックを外すことが出来る。必須ではないが、メモリのいかなるページの内容の変化もしくは変更も追跡可能となるよう、メモリ３２を定めることが可能である。こうした追跡データ自体は、権限のない修正もしくは変更を防ぐために、メモリ３２のロックされたページに保存可能である。

　表２は、ストレージのマルチページ内に割り当てられた、メモリ３２の実施例を示している。

　　　　　　表２　トランスポンダー３０に保存されたデータ

　表２に示されるように、メモリ３２は複数のページに区画される。各ページは、上述の方法で、トランシーバー４０によって個々にアドレス可能である。表２の実施例では、メモリ３２のページ１は、媒体の密度、媒体の色域密度など、媒体２０の特性に関するデータを含む媒体データ、および／または、インクなどの適用されるドナー素材の濃度、もしくは光や熱への露光に対する媒体の相対的な感度など、媒体２０に記録された要素２２によりもたらされる内容に影響を与え得る他の情報が含まれている。後者の特性は、媒体２０が感光性、もしくは熱的感受性である場合、役立つものである。この情報は、要素２２のフォームに記録された内容が、意図された内容を正確に表すことを確実にするよう、要素２２を媒体２０に記録するプリンタなどの装置の動作を調整するのに使用可能である。

　メモリ３２のページ２は、媒体上の記録の対象物を識別するデータ、記録がなされた日付、露光状態などの記録の特性、要素２２を記録するのに使われたインク、トナーもしくは染料などのドナー素材の特性、および、要素２２が媒体２０上に記録された時間および日付などの、媒体ＩＤデータを含んでいる。文書識別番号、患者識別番号、患者名、およびこの情報のルーティングおよび配分を示す情報などの他の情報も、ページ２に保存可能である。

　ページ３は、記録内容データを含んでいる。記録内容データは、メモリ３２の容量の比較的低い部分を占める、ディジタルフォームへ適切に変換されるのが好ましい。例えば、既知のデータ圧縮技術が、記録内容データに適用可能である。しかし、変換において、いかなる生体データも失われることがないよう、注意しなければならない。記録内容データが保存された後は、ページ３をロックするのが好ましい。メモリ３２のページ３をロックすることにより、トランスポンダー３０のその後のユーザは、記録内容データの内容の修正、変更、もしくは削除が出来なくなる。このロックの特徴は、２つの目的に用いることが出来る。第１の目的は、確実に記録２４の内容が変更されてしまうことがないよう、記録２４の内容に対してチェック可能な、オリジナルの記録の表示を提供することである。第２の目的は、記録２４に対する物理アクセスを要さずに、ユーザに、記録内容へのアクセスを提供することである。結果として、本発明のこの実施例では、ユーザが記録２４の内容を得るために、保存設備から記録２４を取り出す必要がない。

　表２の実施例のページ４は、記録内容格子データを含んでいる。この記録内容格子データは、記録内容データを格子座標系に関連づけるものである。格子座標系は、オリジナルの内容データの選択領域の注釈を可能にし、同じもの強調および編集を容易にするよう、オリジナルの内容データ内に、好都合な地理的レファレンスを提供するものである。例えば、記録２４のオリジナルの内容が地図画像である場合、格子座標系は、地図の一部を特定の座標に関連づけるよう用いることが出来る。これらの座標は、後の注釈、および編集命令内で参照され、記録内容の適切な部分が識別され、正しく注釈され、または編集されることになる。この点で、表２のメモリ３２のページ５からページｎは、任意の格子座標レファレンスを含む注釈データを有していることが理解されるだろう。これらの格子座標レファレンスは、編集および注釈データの出発点として格子内の特定ポイントを識別可能、もしくは、注釈に関連する、あるいは編集される、オリジナルの内容内の領域を決定する、１組の格子位置を識別可能である。

　本願明細書上述の表１および表２での代表的記述に示されるように、本発明の範囲内において、メモリ内容の可能な構成の数はいくつであってもよい。既知のいかなるディジタルデータコード化方法も、メモリ内の保存データの圧縮に使用可能であった。単一のトランスポンダー２０上に含有可能な情報より多くの情報を保存することが有利な場合は、媒体２０にマルチトランスポンダーを添付することが出来る。

　図７は、本発明に従うシステム７４の好ましい実施例を表す図である。図７に示されるように、システム７４は、入力システム７５、ストレージシステム８０、ネットワーク９６、ローカル処理ステーション８８、遠隔処理ステーション９８、および第２の遠隔処理ステーション１００を含んでいる。入力システム７５は、オリジナルの記録２４から内容を取得する入力装置７６を有している。入力装置７６は、スキャナ、デジタルビデオ画像キャプチャ装置、デジタルコンバータを伴うアナログビデオ画像キャプチャ、デジタルスチールカメラ、ファクシミリ装置、および、記録２４上に記録された要素２２を表すデータをキャプチャするための、画像キャプチャ技術において知られているいかなる他の装置などの既知の情報キャプチャ装置を含むことが可能である。記録２４は、文書処理ファイル、グラフィックファイル、媒体２０上の画像ファイルなど、ディジタル的にコード化されたファイルの内容を印刷、もしくはそうでなければ、記録することによって作成されるのがますます一般化しているので、入力装置７６は、記録作成に用いられるディジタル的にコード化されたファイルを取得する、ネットワーク、コンピュータもしくは他の装置を含むことが可能である。

　入力システム７５はまた、パーソナルコンピュータなどの入力プロセッサ７８を有している。サーバと携帯用装置を含み、さらに、従来の、および特注の信号プロセッサを含む、他の形式のプロセッサが使用可能であることは、理解されるであろう。入力プロセッサ７８は、入力装置７６から記録内容データを受信し、さらに、入力プロセッサ７８のオペレータから、注釈データを受信することが出来る。入力プロセッサ７８は、第１の電磁場４４をトランスポンダー３０に送る、トランシーバー４０に接続される。トランスポンダー３０は、上述の方法で、記録２４に結合される。

　ストレージシステム８０は、トランスポンダー３０および記録２４を受信するために設けられる。図７の実施例では、ストレージシステム８０は、例えば、記録２４を受信するための少なくとも１つのドロワー８２を含んでいる。ドロワー８２は、キャビネット８４もしくは机８６内に、好都合に位置し得る。図７の実施例では、保存設備プロセッサ８８が机８６に提供され、ディスプレイ９０およびキーボード９２を有している。保存設備プロセッサ８８は、さらに、選択されたトランスポンダー３０のメモリ３２を伴って、オリジナルの内容データおよび／または注釈データを、制御可能な形で保存し、もしくは抜き出すために、アンテナ９３、トランシーバー信号９５、およびトランスポンダー信号９７を用いて選択されたトランスポンダー３０と通信する、保存設備トランシーバー９４に接続される。オペレータは、保存設備プロセッサ８８に、選択された記録２４に関連づけられたトランスポンダー３０内に保存されている、記録内容データおよびいかなる注釈データも抜き出し、この抜き出されたデータをディスプレイ９０などの出力装置に表示させるために、キーボード９２を用いることが出来る。保存設備プロセッサ８８は、その後、保存システム８０内に位置するトランスポンダー３０のメモリ３２から抜き出された記録内容データおよび注釈データの内容に基づく出力を、ディスプレー９０上に提示する。その後オペレータは、保存設備プロセッサ８８に、選択された記録２４に関連づけられたトランスポンダー３０のメモリ３２内に保存させる、追加注釈を入力可能である。

（保存記録の遠隔注釈）
　図７の実施例では、保存設備プロセッサ８８はまた、保存設備トランシーバー９４と、通信ネットワーク９６によって保存設備プロセッサ８８に接続されるリモートプロセッサ９８との間の、ゲートウェイとして役立つ。この役割では、保存設備プロセッサ８８は、保存設備８０内に保存されている、選択された記録２４に結合したトランスポンダー３０のメモリ３２内に保存された、オリジナルの内容データ、および／または、注釈データにアクセスするという要求を受信し、このデータにアクセスし、リモートプロセッサ９８への伝送のために、このデータをパッケージする。この役割では、保存設備プロセッサ８８はまた、選択された記録２４に結合したトランスポンダー３０のメモリ３２上に、追加注釈データを保存するという要求を受信し、このデータをメモリ３２内に保存するために処理し、このデータが選択されたメモリ３２内に保存されるので保存設備トランシーバー９４をもたらす。この方法で、リモートユーザは、記録２４の内容、記録２４に関連する注釈にアクセス可能であり、さらに、記録２４に関連する追加注釈を生成可能である。

　本発明の代替的実施例では、保存設備トランシーバー９４がリモートプロセッサ９８により遠隔操作可能となるよう、保存設備トランシーバー９４をネットワーク９６に直接接続出来るよう適合させることが出来るのが理解されるだろう。

（記録の遠隔注釈）
　また、図７に示されているように、記録２４は、保存設備８０から物理的に取出し可能であり、例えば、ネットワーク９６を通して保存設備８８に接続されない病院の医師などのリモートユーザに、物理的に運ばれ得ることが理解されるだろう。この医師がオリジナルの内容データおよび注釈にアクセスするよう、遠隔地にいる医師には、付属トランシーバー１０２およびアンテナ１０４を有する、ペンコンピュータなどのプロセッサ１００が提供される。プロセッサ１００は、プロセッサ１００が、他方の病院にいる医師によるレビューのために、オリジナルの内容データおよび注釈の双方を表示可能となるよう、トランスポンダー３０を伴うデータを交換する。さらに、遠隔地にいる医師は、プロセッサ１００およびトランシーバー１０２を通して、追加注釈をトランスポンダー３０内に保存可能である。このようにして、記録２４の保持者は、記録２４、およびいかなる関連する注釈の双方へのアクセスを有し、さらには、記録２４と共に移動する追加注釈を記録可能であるが、記録２４を伴う追加媒体の保存も、記録２４のマーキングも要求されない。

　図８は、システム７４を用いる、本発明の方法の実施例のフロー図を示している。この実施例では、記録内容データは、記録２４の要素２２内に含まれる内容をキャプチャすることにより取得される。（ステップ１１０）この実施例では、記録内容データをさらに処理可能である（ブロック１１２）。例えば、記録内容データが要素２２の画像をキャプチャすることにより取得される場合、キャプチャされた画像は、画像キャプチャ処理の間に起こり得た変化を修正するアルゴリズムを記録内容データに適用することにより、そこから引き出される記録内容データが、オリジナルの記録２４の内容をより正確に表すよう、改良することが出来る。このタイプの改良は、ＥＰ−Ａ−０　９６１，４８２（ブール（Ｂｕｈｒ）他）、ＥＰ−Ａ−０　９６１，４８３（ブール（Ｂｕｈｒ）他）、ＥＰ−Ａ−０　９６１，４８４（ブール（Ｂｕｈｒ）他）、ＥＰ−Ａ−０　９６１，４８５（ブール（Ｂｕｈｒ）他）、およびＥＰ−Ａ−０　９６１，４８６（ブール（Ｂｕｈｒ）他）にて説明されているような画像マニピュレーションシーケンスを含むことが出来る。追加の画像マニピュレーションは、（処理フィルム内の１つ以上の領域の密度に基づき、密度および色バランスの修正を決定する）シーンバランスアルゴリズム、および、ＵＳ−Ａ−５，１３４，５７３（グッドウィン（Ｇｏｏｄｗｉｎ）他）にて説明されるように、露光不足フィルムのガンマを増幅するトーンスケールマニピュレーション、コンボリューションもしくはアンシャープマスキングによる非適応型もしくは適応型シャープニング、赤目軽減、および、非適応型もしくは適応型の粒子抑制を含んで用いられてもよいが、これらに限定されるものではない。こうしたさらなる画像処理は、デジタルマニピュレーションのほかに、（コンピュータ断層撮影スキャンで用いられる）「ウインドー処理」および「レベリング」もしくは当該技術分野で知られている他のマニピュレーションのように、画像の物理特性を変えるために使用可能である。

　記録内容データはまた、記録内容データを、メモリ３２の記憶容量制限の範囲内に保存出来ることを確実にするよう、さらなる処理をされることが可能である。当業者により知られている、いわゆる「無損失」圧縮アルゴリズムが、この目的で使用可能であることが好ましい。代替的に、いわゆる損失性圧縮アルゴリズムも使用可能である。損失性アルゴリズムは、保存および圧縮されたオリジナル画像データに基づく出力画像を、閲覧もしくはレンダリングするのに用いられるシステムの制限が限られたものである場合、有利に使用可能である。例えば、記録内容データが、記録２４上の要素２２の解像度より低い所定の解像度を有する、ビデオもしくは印刷技術を用いて観察される場合には、損失性画像記録アルゴリズムを有利に使用可能である。しかし、特定の情況では、単一のトランスポンダー３０のメモリ３２内に格納可能な量より、多くの情報を保存することが必要となることが認められるだろう。こういった状況では、画像に関連するデータ記憶容量を増加させるよう、１つより多いトランスポンダー３０を記録２４に添付可能である。

　記録内容データが取得され（ステップ１１０）、任意にさらなる処理をされた（ステップ１１２）後、記録内容データは、トランスポンダー３０のメモリ３２内に保存される（ステップ１１４）。本発明の好ましい実施例では、トランスポンダー３０の特徴は、一時装置を動かなくしたり、もしくはメモリ３２内の個々のメモリページをロックする性能である。上述のように、この特徴は、記録内容データの消去および損失を防ぐものである。

　トランスポンダー３０は、記録２４に使用される媒体２０に接合される（ブロック１１６）。これは、記録２４が生成される前もしくは後のいかなる時になされてもよい。しかし、トランスポンダー３０を誤って間違う記録２４に接合してしまう危険を減少させるには、記録２４が実用に供されるやすぐに、トランスポンダー３０を記録２４に接合することが特に有利である。注釈データは、トランスポンダー３０が記録２４に接合される前もしくは後に、トランスポンダー３０内に保存される（ブロック１１８）。

（記録および注釈の内容に基づくレンダリング出力）
　本発明に従って、出力は、記録内容、および、記録２４と関連するいかなる注釈にも基づいて表現される。（ブロック１２０）第１の実施例では、これは電子形式で行われる。この点で、パーソナルコンピュータ、携帯読み取り装置、もしくは他の電子装置などの装置が提供可能であり、さらに、上述のように、メモリ３２から記録内容データ、注釈データ、および他のデータを取り出すために適合可能である。ある実施例では、出力装置は、記録内容および注釈データを提示する、ディスプレイもしくはプリンタを含むことが出来る。例えば、記録内容が画像を含み、注釈データが画像のテキスト注釈を含んでいる場合、出力装置のディスプレイは、画像および注釈の双方を提示可能である。同様に、記録内容が診断もしくは他の科学的テストの結果などの書かれたデータを含み、注釈がオーディオデータを含んでいる場合は、出力装置は、注釈内容を反映するオーディオを出力する、オーディオ信号発生器を提供可能である。

　他の実施例では、出力装置は、パーソナルコンピュータ、携帯読み取り装置、もしくは、注釈に従って変更された記録内容を含む出力を提供する、ディスプレイあるいはプリンタなどの他の出力手段を有する、他の電子装置を含むことが出来る。例えば、記録内容が犯罪シーンの写真を含んでいる場合、取消しに関した注釈およびそのシーンの重要証拠の内容を、犯罪シーンの画像上に重ね合わせることにより、統合出力生成物が形成可能である。同様に、例えば、記録内容が書かれたテキストを含んでいる場合は、出力装置は、その書かれたテキストを編集する命令を含んだ注釈内に、記録内容データを受信することが可能であり、さらに、記録内容が編集命令に従って編集されたことを反映する出力を、この受信データに基づいて表現可能である。

　ある記録２４は、オリジナル形式で閲覧されるのが好ましいことは、理解されるであろう。しかし、それはまた、注釈と関連して用いられる、こうした記録に役立つものである。これの例は、ＣＡＴスキャンなどの、医学画像を含むことが出来る。ユーザが記録２４を閲覧し、さらに、オリジナルの記録の文脈で、記録２４に関する注釈も閲覧可能とするよう所望される場合、出力装置は、記録２４と整列して位置決めされている時は、トランスポンダー３０からデータを抜き出すプロジェクタータイプのディスプレーを含み、記録２４と整列し、かつその上に投影される映像を生成し、それによって、注釈が記録２４と同時に表れはするが、記録２４の外観を変更することはないようにする。この方法を用いて、マーキングを適応させるようにするために、例えば、ＣＡＴスキャンの外観を変更してしまう危険を冒すことなく、ＣＡＴスキャンの記録２４内の証拠となる微小な医学的状態を、閲覧用に強調可能となる。

　図９は、注釈データの投影された映像を、記録２４の後部に適用する、プロジェクターシステム１３０の実施例を示している。この後者の実施例は、媒体２０が、エックス線などのように、半透明もしくは透明な性質である場合に有用である。記録内容大型データ情報の使用は、これらの実施例のいずれかにおいて注釈情報を、並べて提示する際に役立つ場合があることを理解されるだろう。図９はまた、図９の注釈１３８を、記録２４内の顔１１２の鼻１１０と適切に関連させて位置決めするために用いられる、座標格子の背景も示している。

　図１０は、オリジナルの記録の前部に投影画像を適用する、このタイプのフロントプロジェクターディスプレイシステム１４０の実施例を示しているが、これは、紙などの、性質上一般に映写し易い媒体２０上に形成された、オリジナルの記録２４に役立つ。

　注釈データが編集命令を含んでいる場合は、図９および図１０のプロジェクターシステム１３０、１４０は、記録内容データの外観を、編集命令による変更のとおりに表す画像を表示可能である。この点において、編集の性質が許す場合は、上で議論したようにオリジナル画像上へ編集画像を投影することにより、こうした表示を提示可能である。しかし、編集命令が著しい変化を求める場合は、記録２４上に投影せずに、むしろスクリーンあるいは他の画像受取面に投影する投影出力を提供することが必要となるだろう。こうした状況では、出力画像は、記録内容データおよび編集命令に基づいて形成される。その後、出力画像が表示され、もしくは、従来のプリンタ（図示せず）によって印刷され、あるいは他の方法で表現される。

　最終的に、注釈データがコンピュータ５０、携帯装置６０などのオーディオ信号装置を含んでいる場合は、保存設備プロセッサ８８、リモートプロセッサ９８、またはプロジェクター１３０、１４０は、トランスポンダー３０のメモリ３２内に保存するために、オーディオ信号を注釈データに変換し、さらに、こうしたオーディオ注釈データをオーディオ信号に変換するための、適切な電子回路で適合可能である。

　上に示し、説明した、本発明の実施例は、媒体２０に接合したメモリ３２とのデータ交換用メモリインタフェースとして、トランシーバー構成を取り入れていることは、理解されるだろう。また、本発明と関連して、トランスポンダー３０を伴っていないメモリ３２が使用可能であることも、理解されるだろう。こうした実施例では、ワイヤかもしくは光ファイバベースのデータ経路、赤外光ベースの通信経路、あるいは、他の接続が、メモリ３２とのデータ交換用に使用可能である。こうした実施例では、メモリインタフェースは、データおよび制御信号を、メモリ３２へデータを保存し、さらに、メモリ３２からデータを取り出すために使用可能な形式に変換する、適切な変換器を含むことが出来る。

　従って、提供されるものは、媒体と結合したメモリ内に保存され、その媒体に関連した情報を有する媒体である。

オリジナルの記録を格納した付属トランスポンダーを有する媒体の平面図である。 媒体上に搭載されたトランスポンダーのクローズアップ図を示す。 媒体に付着しているトランスポンダーとトランシーバーとの間の連結を示す略図である。 記録に付着したトランスポンダーとデータを交換するために、携帯端末を用いることを示す概略図である。 媒体上に提供される、トランスポンダーアンテナの拡大平面図である。 図５に示されたトランスポンダーアンテナに取り付けられる、トランスポンダー集積回路の図である。 記録注釈システムの一実施例を示す図である。 記録注釈の方法の一実施例のブロック図である。 本発明に従う出力装置の、一実施例を示す図である。 本発明に従う出力装置の他の実施例を示す図である。

符号の説明

２０　媒体
２２　要素
２４　記録
２６　要素を帯びる媒体側面
３０　トランスポンダー
３２　メモリ
３４　トランスポンダーアンテナ
３４ａ　アンテナ接点
３４ｂ　アンテナ接点
３６　ＲＦ無線周波数通信回路
３８　電源回路
４０　トランシーバー
４２　トランシーバーアンテナ
４４　第１の電磁場
４６　第２の電磁場
５０　コンピュータ
５２　信号インタフェース
６０　携帯装置
６２　制御処理ユニット
６４　ディスプレイ
６６　データ入力装置
６８　トランスポンダー回路パッケージ
７０　回路接点
７２　回路接点
７４　システム
７６　入力システム装置
７８　プロセッサ
８０　ストレージシステム
８２　ドロワー
８４　キャビネット
８６　デスク
８８　保存設備プロセッサ
９０　ディスプレイ
９２　キーボード
９４　保存設備トランスポンダー
９６　ネットワーク
９８　リモートプロセッサ
１００　非ネットワークプロセッサ
１０２　トランシーバー
１１０　記録内容取得ステップ
１１２　記録内容任意処理ステップ
１１４　メモリ内への記録内容データ保存ステップ
１１６　記録へのトランスポンダー接合ステップ
１１８　記録注釈データステップ
１２０　出力表現ステップ
１３０　リアプロジェクターシステム
１３２　座標格子
１３４　鼻
１３６　顔
１３８　注釈１
１４０　フロントプロジェクターシステム

Claims (3)

1. 　メモリ（３２）を有する媒体（２０）を帯びる内容に注釈をつける方法は、以下のステップを含む：
   　（ａ）　媒体上に帯びられた内容を表すデータを取得するステップ；
   　（ｂ）　媒体上に帯びられた内容を表すデータを媒体のメモリ内に保存するステップ；
   　（ｃ）　メモリ内に保存されたデータを、媒体から離れた位置に運ぶステップ；
   　（ｄ）　離れた場所から注釈データを取得するステップ；および
   　（ｅ）　遠隔的に取得した注釈データをメモリ内に保存するステップ。
2. 　媒体を帯びる複数の内容に注釈をつける方法は、以下のステップを含む：
   　（ａ）　メモリを有するトランスポンダーを媒体の各々の１つに結合するステップ；
   　（ｂ）　媒体上に帯びられた内容を表すデータを取得するステップ；
   　（ｃ）　各媒体上に帯びられた内容を表すデータを、媒体に結合したトランスポンダーのメモリ内に保存するステップ；
   　（ｄ）　保存領域内に媒体を保管するステップ；
   　（ｅ）　選択された１つの媒体上に帯びられた内容を表すデータを含む、選択された１つの媒体に結合したトランスポンダーのメモリ内に保存されたデータを、媒体から離れた位置に運ぶステップ；
   　（ｆ）　選択された１つの媒体に関連する注釈データを、遠隔的に取得するステップ；および
   　（ｇ）　遠隔的に得られた注釈データを、選択された１つの媒体に結合したトランスポンダーのメモリ内に保存するステップ。
3. 　媒体を帯びる、複数の内容のうちの選択された１つの仮想注釈のためのシステムは、以下を含む：
   　各媒体に関連した少なくとも１つのトランスポンダーを伴い、各々が、データ格納するよう適合されたメモリを有する複数のトランスポンダー；
   　複数のトランスポンダーとの交換データに適合したトランシーバー；
   　各媒体上に帯びられた内容を内容データへ変換し、トランシーバーに、その内容データを、各媒体に関連した少なくとも１つのトランスポンダーのメモリ内に保存させるように適合された入力システム；および、
   　トランシーバーに、複数の媒体の少なくとも１つに関連した、少なくとも１つのトランスポンダーのメモリから、内容データを取り出させるよう適合され、取り出された内容データに基づいて、出力を提示する出力装置を有し、さらに複数の媒体の少なくとも１つに対する注釈を受け、注釈を注釈データに変換する、注釈入力を有しているリモートプロセッサ；
   　さらに前記リモートプロセッサは、トランシーバーに、複数の媒体の少なくとも１つに関連した、少なくとも１つのトランスポンダーのメモリ内に、注釈データを保存させるよう適合されている。
   

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