JP2004118651A - 乱数発生方法及び乱数発生装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】廉価かつ簡易な構成の装置を用いて、より無秩序な乱数を発生させる新規な方法、並びに前記方法に適用する装置を提供する。
【解決手段】双安定性マルチバイブレータ回路に対して所定の駆動電圧を“入力”側から印加して駆動させる。このとき、トランジスタのオンオフ状態は、前記双安定性マルチバイブレータ回路内の雑音に依存してランダムに発生するようになるので、前記トランジスタの導通状態(オン状態)及び遮断状態(オフ状態)に対応させて、数字の“0”及び“1”をそれぞれ対応させることにより、2進数的な乱数を発生させる。
【選択図】 図1
【解決手段】双安定性マルチバイブレータ回路に対して所定の駆動電圧を“入力”側から印加して駆動させる。このとき、トランジスタのオンオフ状態は、前記双安定性マルチバイブレータ回路内の雑音に依存してランダムに発生するようになるので、前記トランジスタの導通状態(オン状態)及び遮断状態(オフ状態)に対応させて、数字の“0”及び“1”をそれぞれ対応させることにより、2進数的な乱数を発生させる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、暗号作製技術などの情報産業分野、特に将来の量子コンピュータなどの分野において好適に用いることのできる乱数発生方法及び乱数発生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
完全に無秩序であり、かつ全体としては出現頻度が等しくなる乱数は、社会現象や物理現象の数値シュミレーションなどに広く利用されている。また、乱数は暗号技術としても重要な役割を果たしており、情報の保護の分野でもその需要が高い。現在、乱数の発生方法として種々の方法が開発されているが、そのほとんどはアルゴリズムによるソフト的な疑似乱数の生成である。
【0003】
アルゴリズムによる乱数生成は、ある程度の信頼性を有し、高速に乱数生成を行なうことができるという点から広く利用されている。しかしながら、コンピュータは有限の情報しかとらないために、生成された乱数は周期性を持つことが確認されている。そのため、正確な解や十分なセキュリティが得られない場合があり、より無秩序な乱数発生方法の確立が望まれている。
【0004】
近年、ハードウエアの発展に伴う処理速度の向上と信頼性の向上から、物理的な乱数の生成方法が開発されてきた。例えば、熱電子雑音や放射性物質の崩壊などの物理現象に基づいて生成された乱数は、予測不可能性の高い、理想的な乱数列であることが知られている。しかしながら、これらの方法では高価で大掛かりな装置を必要とすることが多い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、廉価かつ簡易な構成の装置を用いて、より無秩序な乱数を発生させる新規な方法、並びに前記方法に適用する装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成すべく、本発明は、第1のトランジスタと第2のトランジスタとを具える双安定性マルチバイブレータ回路に対して駆動電圧を印加することにより、前記第1のトランジスタ又は前記第2のトランジスタをランダムにオンオフさせ、前記第1のトランジスタ又は前記第2のトランジスタのオンオフ状態に対応させて0又は1の数字を割り当て、2進数的な乱数を発生させるようにしたことを特徴とする、乱数発生方法に関する。
【0007】
また、本発明は、双安定性マルチバイブレータ回路を具えることを特徴とする、乱数発生装置に関する。
【0008】
双安定性マルチバイブレータ回路は、一般に個別部品回路の状態であっても集積回路の状態であっても、前記回路を構成する2個のトランジスタの正帰還結合によって構成されている。前記双安定性マルチバイブレータにおいては、駆動電圧を印加した瞬間に、前記2個のトランジスタの一方が導通し、他方は遮断状態となる。したがって、前記2個のトランジスタの特性及び回路部品の特性が完全に一致して、理想的な双安定性マルチバイブレータ回路を構成している場合は、前記2個のトランジスタのどちらが導通するかを予測することは不可能になり、前記双安定性マルチバイブレータ回路内に存在する雑音に依存して決定される。
【0009】
したがって、前記2個のトランジスタの一方の導通状態を検出し、例えば導通状態の場合に数字の“0”を対応させ、遮断状態の場合に数字の“1”を対応させるようにすれば、前記トランジスタのオンオフは前記双安定性マルチバイブレータ回路内に存在する雑音によりランダムとなるから、2進数的な乱数を発生させることができるようになる。
【0010】
なお、前記トランジスタのオンオフ状態は、そのコレクタ電圧を計測することによって簡易に検出することができる。
【0011】
また、上述したような理想的な双安定性マルチバイブレータ回路を構成することができない場合においては、前記トランジスタのオンオフを完全にランダム化することは困難になり、一般には導通状態又は遮断状態のどちらかの状態に偏ることになる。したがって、このような場合においては、上述したような2進数的な乱数を発生させることが困難になる。
【0012】
このような場合においては、前記双安定性マルチバイブレータ回路内の回路部品の特性値を調節し、前記トランジスタのオンオフ状態が前記回路内の雑音に依存してランダムとなるように制御することが好ましい。特には、ある一定期間内でのオンオフ状態が同じ確率でランダムに生じるようにすることが好ましい。これによって、前記期間内での“0”及び“1”の生起確率が0.5となり、2進数的な乱数を発生させることができるようになる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を発明の実施の形態に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の乱数発生装置に含まれる双安定性マルチバイブレータ回路の一例を示す回路図である。図1に示す回路においては、トランジスタT1及びT2、コレクタ抵抗R1及びR2、帰還抵抗R3及びR4、並びにバイアス抵抗R7、R8、R9及びR11が基本的な回路部品であり、コンデンサC1及びC2、抵抗R5及びR6、並びにダイオードD1〜D4は波形成形の目的で付加されているものであり、付属的な回路部品である。
【0014】
双安定性マルチバイブレータ回路として機能させるべく、トランジスタT1及びT2は、同一の特性を有するトランジスタから構成する。また、コレクタ抵抗R1及びR2の抵抗値、帰還抵抗R3及びR4の抵抗値、並びにコンデンサC1及びC2のキャパシタは、それぞれ同一となるように設定する。なお、抵抗値R5及びR6、並びにダイオードD1〜D4の特性は必ずしも同一とすることは要求されない。但し、一般的にはこれらの回路部品の特性についても同一に設定する。
【0015】
図1に示す双安定性マルチバイブレータ回路に対して所定の駆動電圧を“入力”側から印加すると、トランジスタT1又はT2のどちらか一方が導通状態となり、他方が遮断状態となる。このとき、トランジスタT1及びT2の特性、コレクタ抵抗R1及びR2の抵抗値、帰還抵抗R3及びR4の抵抗値、コンデンサC1及びC2のキャパシタ、並びにバイアス抵抗R8及びR9+R11の抵抗値が完全に一致していれば、トランジスタT1及びT2のオンオフ状態は予測することができず、これらトランジスタのオンオフ状態は双安定性マルチバイブレータ回路内に存在する雑音に依存して決定される。
【0016】
したがって、トランジスタT1がオンとなって導通状態の時に数字の“0”を対応させ、トランジスタT1がオフとなって遮断状態の時に数字の“1”を対応させるようにする。前述したように、トランジスタT1のオンオフ状態は前記双安定性マルチバイブレータ回路内に存在する雑音に依存するので、“0”及び“1”の数字がランダムに生成され、2進数的な乱数を発生させることができるようになる。
【0017】
トランジスタT1のオンオフ状態は、例えばトランジスタT1のコレクタ電圧を“出力”側を通じて計測するようにすれば簡易に検出することができる。
【0018】
しかしながら、上述したような理想的な双安定性マルチバイブレータ回路は、トランジスタT1及びT2などの特性を一致するようにした場合においても実現することが困難であり、一般的にはトランジスタT1及びT2はオン状態又はオフ状態に傾動する傾向がある。したがって、乱数発生のためのコレクタ電圧を検出すべきトランジスタT1は、導通状態又は遮断状態である場合が遮断状態又は導通状態にある場合よりも多くなり、“0”又は“1”の数字が生起される確率が“1”又は“0”の数字が生起される確率よりも多くなる。その結果、2進数的な乱数を発生させることができなくなる。
【0019】
このような場合において、双安定性マルチバイブレータ回路内の回路部品の特性を調節することにより、ある一定の期間内において、トランジスタT1及びT2のオンオフ状態が等確率(0.5)で出現するようにする。この場合においては、上述したように、双安定性マルチバイブレータ回路の雑音に依存して、トランジスタT1は、導通状態及び遮断状態をランダムに採るようになるので、これらの状態に“0”及び“1”の数字を割り当てることにより、“0”及び“1”の生起確率は0.5となり、2進数的な乱数を発生できるようになる。
【0020】
図1においては、例えば可変抵抗であるバイアス抵抗R11の抵抗値を制御することによって、トランジスタT1及びT2のオンオフ状態を等確率で出現させることができる。
【0021】
図2は、図1に示す双安定性マルチバイブレータ回路に印加すべき駆動電圧を発生させるための、電源制御回路の一例を示す回路図である。図2に示す電源制御回路は、その出力側を図1に示す双安定性マルチバイブレータ回路の入力側に直列に接続する。
【0022】
図2に示す電源制御回路は、電源より所定のバイアス電流が導入されるとともに、所定の矩形波がコンデンサC3及びC4を介して導入され、トランジスタT3をスイッチング動作させることによって、トランジスタT3のコレクタ側に双安定性マルチバイブレータ回路に対する駆動電圧を発生させ、出力する。なお、コンデンサC3及びC4の代わりに単一の無極性コンデンサを用いることもできる。
【0023】
図3は、図1に示す双安定性マルチバイブレータ回路のトランジスタT1のコレクタ電圧を出力し、計測するために用いるバッファ回路の一例を示す回路図である。図3に示すバッファ回路は、その入力を図1に示す双安定性マルチバイブレータ回路におけるトランジスタT1のコレクタ側に設けられた出力と接続する。そして、バッファ回路の出力側から計測したコレクタ電圧値を外部に取り出し、所定の演算処理などに供する。
【0024】
このようなバッファ回路を設けることにより、双安定性マルチバイブレータ回路に影響を与えることなく、トランジスタT1のコレクタ電圧値を計測することができるようになる。したがって、2進数的な乱数を安定的に発生させることができるようになる。
【0025】
図4及び図5は、図1〜図3から構成される乱数発生装置を用いて乱数発生の実験を行なった際の実験結果を2次元的に表示したものである。図4は5000個の乱数を表し、図5は10000個の乱数を表している。図4及び図5には格子縞などが発生することなく、点状の分布が見られるのみで、2進数的な乱数が生起されていることが分かる。
【0026】
以上、具体例を挙げながら発明の実施の形態に基づいて本発明を詳細に説明してきたが、本発明は上記内容に限定されるものではなく、本発明の範疇を逸脱しない限りにおいて、あらゆる変形や変更が可能である。
【0027】
例えば、図1に示す回路図において、入力端子及びアース間に適当なキャパシタを適当な値に設定したコンデンサC11(0.001μF)、C12(0.1μF)及びC13(1μF)を並列に接続することにより、動作の安定性を向上させることができる。また、上記においてはトランジスタT1のオンオフ状態に対応させて2進数的な乱数を発生させたが、トランジスタT1に代えてトランジスタT2を用いることもできる。
【0028】
さらに、トランジスタT1及びT2のバランスを取る可変抵抗器R11は、抵抗R9に対して直列に接続するのみならず、並列に接続することもできる。また、R11に代えて他の可変抵抗を用い、これを図1に示す双安定性マルチバイブレータ回路の任意の抵抗に対して直列又は並列となるように接続するような構成を採ることもできる。
【0029】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、廉価かつ簡易な構成の装置を用いて、より無秩序な乱数を発生させる新規な方法、並びに前記方法に適用する装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の乱数発生装置に含まれる双安定性マルチバイブレータ回路の一例を示す回路図である。
【図2】双安定性マルチバイブレータ回路に印加すべき駆動電圧を発生させるための、電源制御回路の一例を示す回路図である。
【図3】双安定性マルチバイブレータ回路のトランジスタのコレクタ電圧を出力し、計測するために用いるバッファ回路の一例を示す回路図である。
【図4】本発明の方法及び装置を用いて生起した乱数の2次元度数分布図である。
【図5】本発明の方法及び装置を用いて生起した乱数の2次元度数分布図である。
【発明の属する技術分野】
本発明は、暗号作製技術などの情報産業分野、特に将来の量子コンピュータなどの分野において好適に用いることのできる乱数発生方法及び乱数発生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
完全に無秩序であり、かつ全体としては出現頻度が等しくなる乱数は、社会現象や物理現象の数値シュミレーションなどに広く利用されている。また、乱数は暗号技術としても重要な役割を果たしており、情報の保護の分野でもその需要が高い。現在、乱数の発生方法として種々の方法が開発されているが、そのほとんどはアルゴリズムによるソフト的な疑似乱数の生成である。
【0003】
アルゴリズムによる乱数生成は、ある程度の信頼性を有し、高速に乱数生成を行なうことができるという点から広く利用されている。しかしながら、コンピュータは有限の情報しかとらないために、生成された乱数は周期性を持つことが確認されている。そのため、正確な解や十分なセキュリティが得られない場合があり、より無秩序な乱数発生方法の確立が望まれている。
【0004】
近年、ハードウエアの発展に伴う処理速度の向上と信頼性の向上から、物理的な乱数の生成方法が開発されてきた。例えば、熱電子雑音や放射性物質の崩壊などの物理現象に基づいて生成された乱数は、予測不可能性の高い、理想的な乱数列であることが知られている。しかしながら、これらの方法では高価で大掛かりな装置を必要とすることが多い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、廉価かつ簡易な構成の装置を用いて、より無秩序な乱数を発生させる新規な方法、並びに前記方法に適用する装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成すべく、本発明は、第1のトランジスタと第2のトランジスタとを具える双安定性マルチバイブレータ回路に対して駆動電圧を印加することにより、前記第1のトランジスタ又は前記第2のトランジスタをランダムにオンオフさせ、前記第1のトランジスタ又は前記第2のトランジスタのオンオフ状態に対応させて0又は1の数字を割り当て、2進数的な乱数を発生させるようにしたことを特徴とする、乱数発生方法に関する。
【0007】
また、本発明は、双安定性マルチバイブレータ回路を具えることを特徴とする、乱数発生装置に関する。
【0008】
双安定性マルチバイブレータ回路は、一般に個別部品回路の状態であっても集積回路の状態であっても、前記回路を構成する2個のトランジスタの正帰還結合によって構成されている。前記双安定性マルチバイブレータにおいては、駆動電圧を印加した瞬間に、前記2個のトランジスタの一方が導通し、他方は遮断状態となる。したがって、前記2個のトランジスタの特性及び回路部品の特性が完全に一致して、理想的な双安定性マルチバイブレータ回路を構成している場合は、前記2個のトランジスタのどちらが導通するかを予測することは不可能になり、前記双安定性マルチバイブレータ回路内に存在する雑音に依存して決定される。
【0009】
したがって、前記2個のトランジスタの一方の導通状態を検出し、例えば導通状態の場合に数字の“0”を対応させ、遮断状態の場合に数字の“1”を対応させるようにすれば、前記トランジスタのオンオフは前記双安定性マルチバイブレータ回路内に存在する雑音によりランダムとなるから、2進数的な乱数を発生させることができるようになる。
【0010】
なお、前記トランジスタのオンオフ状態は、そのコレクタ電圧を計測することによって簡易に検出することができる。
【0011】
また、上述したような理想的な双安定性マルチバイブレータ回路を構成することができない場合においては、前記トランジスタのオンオフを完全にランダム化することは困難になり、一般には導通状態又は遮断状態のどちらかの状態に偏ることになる。したがって、このような場合においては、上述したような2進数的な乱数を発生させることが困難になる。
【0012】
このような場合においては、前記双安定性マルチバイブレータ回路内の回路部品の特性値を調節し、前記トランジスタのオンオフ状態が前記回路内の雑音に依存してランダムとなるように制御することが好ましい。特には、ある一定期間内でのオンオフ状態が同じ確率でランダムに生じるようにすることが好ましい。これによって、前記期間内での“0”及び“1”の生起確率が0.5となり、2進数的な乱数を発生させることができるようになる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を発明の実施の形態に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の乱数発生装置に含まれる双安定性マルチバイブレータ回路の一例を示す回路図である。図1に示す回路においては、トランジスタT1及びT2、コレクタ抵抗R1及びR2、帰還抵抗R3及びR4、並びにバイアス抵抗R7、R8、R9及びR11が基本的な回路部品であり、コンデンサC1及びC2、抵抗R5及びR6、並びにダイオードD1〜D4は波形成形の目的で付加されているものであり、付属的な回路部品である。
【0014】
双安定性マルチバイブレータ回路として機能させるべく、トランジスタT1及びT2は、同一の特性を有するトランジスタから構成する。また、コレクタ抵抗R1及びR2の抵抗値、帰還抵抗R3及びR4の抵抗値、並びにコンデンサC1及びC2のキャパシタは、それぞれ同一となるように設定する。なお、抵抗値R5及びR6、並びにダイオードD1〜D4の特性は必ずしも同一とすることは要求されない。但し、一般的にはこれらの回路部品の特性についても同一に設定する。
【0015】
図1に示す双安定性マルチバイブレータ回路に対して所定の駆動電圧を“入力”側から印加すると、トランジスタT1又はT2のどちらか一方が導通状態となり、他方が遮断状態となる。このとき、トランジスタT1及びT2の特性、コレクタ抵抗R1及びR2の抵抗値、帰還抵抗R3及びR4の抵抗値、コンデンサC1及びC2のキャパシタ、並びにバイアス抵抗R8及びR9+R11の抵抗値が完全に一致していれば、トランジスタT1及びT2のオンオフ状態は予測することができず、これらトランジスタのオンオフ状態は双安定性マルチバイブレータ回路内に存在する雑音に依存して決定される。
【0016】
したがって、トランジスタT1がオンとなって導通状態の時に数字の“0”を対応させ、トランジスタT1がオフとなって遮断状態の時に数字の“1”を対応させるようにする。前述したように、トランジスタT1のオンオフ状態は前記双安定性マルチバイブレータ回路内に存在する雑音に依存するので、“0”及び“1”の数字がランダムに生成され、2進数的な乱数を発生させることができるようになる。
【0017】
トランジスタT1のオンオフ状態は、例えばトランジスタT1のコレクタ電圧を“出力”側を通じて計測するようにすれば簡易に検出することができる。
【0018】
しかしながら、上述したような理想的な双安定性マルチバイブレータ回路は、トランジスタT1及びT2などの特性を一致するようにした場合においても実現することが困難であり、一般的にはトランジスタT1及びT2はオン状態又はオフ状態に傾動する傾向がある。したがって、乱数発生のためのコレクタ電圧を検出すべきトランジスタT1は、導通状態又は遮断状態である場合が遮断状態又は導通状態にある場合よりも多くなり、“0”又は“1”の数字が生起される確率が“1”又は“0”の数字が生起される確率よりも多くなる。その結果、2進数的な乱数を発生させることができなくなる。
【0019】
このような場合において、双安定性マルチバイブレータ回路内の回路部品の特性を調節することにより、ある一定の期間内において、トランジスタT1及びT2のオンオフ状態が等確率(0.5)で出現するようにする。この場合においては、上述したように、双安定性マルチバイブレータ回路の雑音に依存して、トランジスタT1は、導通状態及び遮断状態をランダムに採るようになるので、これらの状態に“0”及び“1”の数字を割り当てることにより、“0”及び“1”の生起確率は0.5となり、2進数的な乱数を発生できるようになる。
【0020】
図1においては、例えば可変抵抗であるバイアス抵抗R11の抵抗値を制御することによって、トランジスタT1及びT2のオンオフ状態を等確率で出現させることができる。
【0021】
図2は、図1に示す双安定性マルチバイブレータ回路に印加すべき駆動電圧を発生させるための、電源制御回路の一例を示す回路図である。図2に示す電源制御回路は、その出力側を図1に示す双安定性マルチバイブレータ回路の入力側に直列に接続する。
【0022】
図2に示す電源制御回路は、電源より所定のバイアス電流が導入されるとともに、所定の矩形波がコンデンサC3及びC4を介して導入され、トランジスタT3をスイッチング動作させることによって、トランジスタT3のコレクタ側に双安定性マルチバイブレータ回路に対する駆動電圧を発生させ、出力する。なお、コンデンサC3及びC4の代わりに単一の無極性コンデンサを用いることもできる。
【0023】
図3は、図1に示す双安定性マルチバイブレータ回路のトランジスタT1のコレクタ電圧を出力し、計測するために用いるバッファ回路の一例を示す回路図である。図3に示すバッファ回路は、その入力を図1に示す双安定性マルチバイブレータ回路におけるトランジスタT1のコレクタ側に設けられた出力と接続する。そして、バッファ回路の出力側から計測したコレクタ電圧値を外部に取り出し、所定の演算処理などに供する。
【0024】
このようなバッファ回路を設けることにより、双安定性マルチバイブレータ回路に影響を与えることなく、トランジスタT1のコレクタ電圧値を計測することができるようになる。したがって、2進数的な乱数を安定的に発生させることができるようになる。
【0025】
図4及び図5は、図1〜図3から構成される乱数発生装置を用いて乱数発生の実験を行なった際の実験結果を2次元的に表示したものである。図4は5000個の乱数を表し、図5は10000個の乱数を表している。図4及び図5には格子縞などが発生することなく、点状の分布が見られるのみで、2進数的な乱数が生起されていることが分かる。
【0026】
以上、具体例を挙げながら発明の実施の形態に基づいて本発明を詳細に説明してきたが、本発明は上記内容に限定されるものではなく、本発明の範疇を逸脱しない限りにおいて、あらゆる変形や変更が可能である。
【0027】
例えば、図1に示す回路図において、入力端子及びアース間に適当なキャパシタを適当な値に設定したコンデンサC11(0.001μF)、C12(0.1μF)及びC13(1μF)を並列に接続することにより、動作の安定性を向上させることができる。また、上記においてはトランジスタT1のオンオフ状態に対応させて2進数的な乱数を発生させたが、トランジスタT1に代えてトランジスタT2を用いることもできる。
【0028】
さらに、トランジスタT1及びT2のバランスを取る可変抵抗器R11は、抵抗R9に対して直列に接続するのみならず、並列に接続することもできる。また、R11に代えて他の可変抵抗を用い、これを図1に示す双安定性マルチバイブレータ回路の任意の抵抗に対して直列又は並列となるように接続するような構成を採ることもできる。
【0029】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、廉価かつ簡易な構成の装置を用いて、より無秩序な乱数を発生させる新規な方法、並びに前記方法に適用する装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の乱数発生装置に含まれる双安定性マルチバイブレータ回路の一例を示す回路図である。
【図2】双安定性マルチバイブレータ回路に印加すべき駆動電圧を発生させるための、電源制御回路の一例を示す回路図である。
【図3】双安定性マルチバイブレータ回路のトランジスタのコレクタ電圧を出力し、計測するために用いるバッファ回路の一例を示す回路図である。
【図4】本発明の方法及び装置を用いて生起した乱数の2次元度数分布図である。
【図5】本発明の方法及び装置を用いて生起した乱数の2次元度数分布図である。
Claims (9)
- 第1のトランジスタと第2のトランジスタとを具える双安定性マルチバイブレータ回路に対して駆動電圧を印加することにより、前記第1のトランジスタ又は前記第2のトランジスタをランダムにオンオフさせ、前記第1のトランジスタ又は前記第2のトランジスタのオンオフ状態に対応させて0又は1の数字を割り当て、2進数的な乱数を発生させるようにしたことを特徴とする、乱数発生方法。
- 前記第1のトランジスタ又は前記第2のトランジスタの前記オンオフ状態は、前記第1のトランジスタ又は前記第2のトランジスタのコレクタ電圧を計測することによって検出することを特徴とする、請求項1に記載の乱数発生方法。
- 前記双安定性マルチバイブレータ回路の回路部品の特性値を調節することにより、0及び1の生起確率を制御するようにしたことを特徴とする、請求項1又は2に記載の乱数発生方法。
- 0及び1の生起確率を0.5にすることを特徴とする、請求項3に記載の乱数発生方法。
- 前記回路部品はバイアス可変抵抗であり、この抵抗の抵抗値を調節することを特徴とする、請求項3又は4に記載の乱数発生方法。
- 双安定性マルチバイブレータ回路を具えることを特徴とする、乱数発生装置。
- 前記双安定性マルチバイブレータ回路は、バイアス可変抵抗を含むことを特徴とする、請求項6に記載の乱数発生装置。
- 前記双安定性マルチバイブレータ回路に接続され、前記双安定性マルチバイブレータ回路に対する駆動電圧を生成するための電源制御回路を具えることを特徴とする、請求項6又は7に記載の乱数発生装置。
- 前記双安定性マルチバイブレータ回路の前記第1のトランジスタ又は前記第2のトランジスタのコレクタ側に接続され、前記第1のトランジスタ又は前記第2のトランジスタのコレクタ電圧を取り出すためのバッファ回路を具えることを特徴とする、請求項6〜8のいずれか一に記載の乱数発生装置。
Priority Applications (6)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002282842A JP2004118651A (ja) | 2002-09-27 | 2002-09-27 | 乱数発生方法及び乱数発生装置 |
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