JP2004118597A - 物品搬送設備 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、通信状態の不良により停止する理由がないのに搬送車が停止してしまうことを回避できる物品搬送設備を提供することを目的とする。
【解決手段】地上コントローラ41は、搬送台車3の本体コントローラ43よりワイヤレスモデム22とフィーダ線21と地上モデム42を介して受信した、搬送台車3を構成する機器の状態のデータが変化すると、タイマーを起動し、このタイマーが切れるまでに、変化する以前の搬送台車3の機器状態のデータを受信すると、タイマーを停止させ、実際に搬送台車3の機器状態が変化しなかったものと判断する構成とする。この構成によれば、通信状態の不良によって機器状態のデータを起動から停止に変化したと誤って認識したときに、地上コントローラ41より搬送台車3の本体コントローラ43へ停止指令が出力されることにより、搬送台車3が移動中に突然停止してしまうという不具合を解消できる。
【選択図】   図6

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、搬送経路に沿って走行し、搬送経路に沿って配置されたステーション間に渡って物品を搬送する搬送車と、この搬送車と通信装置により接続された搬送車の地上側コントローラとを備えた物品搬送設備に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の上記物品搬送設備として、一対の走行レール(搬送経路)に案内されて走行レールに沿って配置されたステーション間に渡って物品を搬送する搬送台車(搬送車)と、搬送台車の行先や移載の制御を行う地上コントローラ(搬送車の制御装置)を備え、各搬送台車と地上コントローラ間で通信を行う通信装置として、走行レールに沿ってフィーダ線を敷設し、地上コントローラにフィーダ線に接続された地上モデムを設け、各搬送台車にフィーダ線に接近対向してワイヤレスモデムを設けた設備が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
上記地上コントローラは、通信装置により搬送台車から受信した搬送台車の機器の状態情報に基づいて搬送台車の機器の状態を判断し、搬送台車の機器が停止していると判断すると、通信装置により搬送台車へ停止指令を出力して、停止させている。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−216023号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような従来の物品搬送設備では、搬送台車から地上コントローラへ送信されるデータが、通信状態の不良により乱れて地上コントローラにおいて実際のデータとは異なるデータとして認識されることがある。このような誤った認識が発生して、搬送台車の機器が起動中であるにも関らず、機器の状態を停止と認識すると、地上コントローラは搬送台車に対して停止指令を送信してしまい、停止する理由がないのに搬送台車は停止指令を受信して突然停止してしまうことがあった。
【0006】
そこで、本発明は、通信状態の不良により停止する理由がないのに搬送車が停止してしまうことを回避できる物品搬送設備を提供することを目的としたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前述した目的を達成するために、本発明のうち請求項1記載の発明は、搬送経路に沿って走行し、前記搬送経路に沿って配置された物品受け手段間に渡って物品を搬送する搬送車と、この搬送車と通信手段により接続された前記搬送車の制御装置とを備え、この制御装置は、前記通信手段により前記搬送車から受信した搬送車を構成する機器の状態情報に基づいて搬送車の機器の状態を判断し、搬送車の機器が停止していると判断すると前記通信手段により前記搬送車へ停止指令を出力する物品搬送設備であって、
前記制御装置は、前記通信手段により受信した前記搬送車の機器状態の情報が変化すると、変化する以前の前記搬送車の機器状態の情報を維持したまま、時間測定手段を起動し、この時間測定手段が予め設定された時間を測定するまでに、変化する以前の前記搬送車の機器状態の情報を受信すると、前記時間測定手段を停止させ、実際に搬送車の機器状態が変化しなかったものと判断することを特徴とするものである。
【0008】
上記構成によれば、搬送車の制御装置は、通信手段により受信した、搬送車を構成する機器の状態の情報が変化すると、変化する以前の搬送車の機器状態の情報を維持したまま、時間測定手段を起動し、この時間測定手段が予め設定された時間を測定するまでに、変化する以前の前記搬送車の機器状態の情報を受信すると、時間測定手段を停止させ、実際に搬送車の機器状態が変化しなかったものと判断する。したがって、通信状態の不良により通信手段により受信した搬送車の機器状態の情報が変化したときにこの変化した搬送車の機器状態を誤って認識してしまうことが回避される。
【0009】
また請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明であって、前記制御装置は、前記時間測定手段が予め設定された時間を測定した後も、変化後の搬送車の機器状態を受信していると、実際に搬送車の機器状態が変化したものと判断することを特徴とするものである。
【0010】
上記構成によれば、搬送車の制御装置は、時間測定手段が予め設定された時間を測定した後も、変化後の搬送車の機器状態を受信していると、実際に搬送車の機器状態が変化したものと判断する。したがって、通信の状態が正常で、実際に搬送車の機器状態が変化したものと認識される。
【0011】
また請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の発明であって、前記制御装置は、前記時間測定手段が予め設定された時間を測定した後も、変化後の搬送車の機器状態を受信していると、前記通信手段により搬送車へ搬送車の機器状態の情報の送信要求を送信して、搬送車の機器状態を確認することを特徴とするものである。
【0012】
上記構成によれば、搬送車の制御装置は、時間測定手段が予め設定された時間を測定した後も、変化後の搬送車の機器状態を受信していると、前記通信手段により搬送車へ搬送車の機器状態の情報の送信要求を送信して、搬送車の機器状態を確認する。よって再送信されてきた搬送車の機器状態により、実際の搬送車の機器状態を再確認できる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施の形態における物品搬送設備の走行経路図、図2は物品搬送設備の同要部構成図である。
【0014】
図1および図2において、1はフロア2に設置された一対の走行レールであり、3はこの走行レール1に案内されて自走し、物品Rを搬送する4輪の搬送台車である。なお、搬送台車3の総台数を5台としている。
【0015】
前記走行レール1により、ループ状(環状)に形成される搬送経路が構成され、前記搬送経路4に沿って複数(図では9台)のステーション(物品受け手段の一例)5が配置されており、搬送台車3は、搬送経路に沿って走行し、搬送経路に沿って配置された物品受け手段間に渡って物品を搬送する搬送車を構成している。
【0016】
また各ステーション5にはそれぞれ、各搬送台車3との間で物品Rの移載、すなわち搬入、搬出を行う移載用コンベヤ装置(たとえば、ローラコンベヤやチェンコンベヤ)6が設けられている。
【0017】
前記搬送台車3は、図2〜図5に示すように、車体11と、この車体11上に設置され、物品Rを移載し載置する移載・載置用コンベヤ装置(たとえば、ローラコンベヤやチェンコンベヤ)12と、車体11の下部に取付けられ、車体11を一方の走行レール1に対して支持する2台の旋回式従動車輪装置13と、車体11の下部に取付けられ、車体11を他方の走行レール1に対して支持するとともに走行レール1の曲がり形状に追従可能でかつ旋回式従動車輪装置13に対して遠近移動自在(スライド自在)な2台の旋回・スライド式駆動車輪装置14を備えている。
【0018】
各旋回式従動車輪装置13の従動車輪16と各旋回・スライド式駆動車輪装置14の駆動車輪17により車体11は支持され、駆動車輪17を旋回・スライド自在な構造とし、各旋回式従動車輪装置13の遊転車輪16で位置決めが行われることにより、カーブ部での搬送台車3の走行が何ら支障なく円滑に行われ、本体11が左右方向に振れることが防止される。また駆動車輪17の回転軸に走行用モータ18の駆動軸が連結され、走行用モータ18の駆動により搬送台車3は走行される。
【0019】
また一方の走行レール1の外方側面に走行方向に沿って全長に集電レール19が布設され、一方の旋回式従動車輪装置13の外方に集電子20が設置されている。
また他方の走行レール1の外方側面に走行方向に沿って全長にフィーダ線21が布設され、旋回・スライド式駆動車輪装置14の外方にフィーダ線21に接近対向してワイヤレスモデム22が設置されている。
【0020】
また車体11の下部で、かつ2台の走行用モータ18の空きスペースに、制御ボックス26と動力ボックス27が固定されている。
またセンサとして、移載・載置コンベヤ装置12に、物品移載・載置用コンベヤ装置12上の物品Rの有無、物品Rの定位置(はみだし)を検出する光電スイッチからなる移載部検出器30が設けられ、車体11の前後に、追突を検出するバンパスイッチ31が設けられ、また1台の走行用モータ18の駆動軸に走行用モータ18の回転数を検出するエンコーダ32が設けられている。
【0021】
また搬送経路4上の走行レール1に沿って、走行位置の始点を示す反射体(鏡など)からなる原点34が設置され、一方の旋回式従動車輪装置13にこの原点34を検出する反射型光電スイッチからなる原点検出器35が設けられている。
【0022】
さらに前後の搬送台車3間でデータの送受信を行うためのデータ送受信手段として、搬送台車3の後端部に光センサ送信器36が設けられ、搬送台車3の前端部に光センサ送信器36に対向して光センサ受信器37が設けられている。
【0023】
図6に設備および搬送台車3の制御ブロックを示す。
図6において、41はマイクロコンピュータからなり、複数の搬送台車3を総括して制御する地上の地上コントローラ(搬送車の制御装置の一例)であり、搬送台車3が走行する走行レール1に沿って散在し、物品Rの移載を行うステーション5と上位のホストコンピュータ(以下、上位コンピュータと略す)40からの物品Rの移載情報(物品Rの搬送要求が発生した搬送元のステーション5の番号と前記物品Rを搬送する搬送先のステーション5の番号からなる移載データ)および後述する地上モデム42からの各搬送台車3毎の搬送台車3を構成する機器の状態データ(始動または停止のデータ)、フィードバック信号、たとえば搬送データの搬送受領データ、現在位置のアドレスデータを入力して判断し、各搬送台車3毎に走行する行先や移載を行うかどうかなどの制御を行っている。
【0024】
また地上コントローラ41は搬送台車3との信号の伝送を、送受信機に相当する地上モデム42およびアンテナとして、経路である走行レール1に搬送台車3の走行方向に沿って全長に布設された前記フィーダ線21を介して行っている。また各搬送台車3の本体コントローラ43は、フィーダ線21に接近対向して設置された前記ワイヤレスモデム22を介して地上コントローラ41との信号の伝送を行っている。前記地上モデム42とフィーダ線21とワイヤレスモデム22により、地上コントローラ41と搬送台車3の本体コントローラ43との間でデータの送受信を行う通信装置が構成されている。
【0025】
前記制御ボックス26に、本体コントローラ43が収納され、動力ボックス27に、後述するインバータ46と切換スイッチ47と、集電子20に接続され搬送台車3内の装置へ給電する電源装置(図示せず)が収納されている。
【0026】
上記搬送台車3の本体コントローラ43には、上記センサ、すなわち移載部検出器30とバンパスイッチ31とエンコーダ32と原点検出器35と光センサ送信器36と受信器37が接続されており、各センサからの信号およびワイヤレスモデム22から入力した地上コントローラ41からの搬送データなどに基づいて、インバータ46、切換スイッチ47を介して前記走行用モータ18あるいは切換スイッチ47にて切替えて物品移載・載置用コンベヤ装置12の移載用モータ48を制御して搬送台車3の走行および搬送台車3からの物品Rの移載を制御している。また搬送台車3の本体コントローラ43は、一定時間毎(たとえば、1秒毎)に搬送台車3を構成する機器の状態を監視し、その結果、すなわち機器状態のデータ(情報)を地上コントローラ41へ送信している。なお、本体コントローラ43と地上コントローラ41との間のデータの伝送には、データに搬送台車3の固有番号が添付される。
【0027】
この本体コントローラ43による搬送台車3の走行制御は、原点検出器35による原点34の検出によりリセットされてエンコーダ32から出力されるパルスをカウントすることにより現在の走行距離(走行レール1の原点34からの距離)Mを計測し、地上コントローラ41により指令される走行する行先(搬送元または搬送先)のステーション5の位置を予め設定された走行レール1の原点34からの距離に変換して、この変換した距離を目標距離として現在の走行距離Mが一致するように行われる。また予め原点34からの距離によって設定されたアドレスにより、現在の走行距離Mから現在位置アドレスを検索して地上コントローラ41へ出力し、さらに走行距離Mにより搬送経路4がカーブ部と判断すると走行速度を落とし、また光センサ受信器37により受信している前方の搬送台車3の現在走行距離と、自身の現在の走行距離Mにより車間距離を演算し、車間距離が所定距離より短くなると、停止して前方の搬送台車3との衝突を防止している。またバンパスイッチ31が動作すると搬送台車3の走行を停止している。
【0028】
上記構成・機能を備えた物品搬送設備の物品Rの搬送動作を説明する。
上位コンピュータ40は、各ステーション5より物品Rの移載要求を入力すると、地上コントローラ41へ物品Rの移載情報(搬送元のステーション5と搬送先のステーション5からなる移載データ)を出力する。地上コントローラ41はこの物品Rの移載情報を入力すると、搬送実行中ではない搬送台車3(空きの搬送台車3)を選択し、続いて入力した移載情報に基づき、選択された搬送台車3の中で、その現在位置アドレスが最も搬送元のステーション5のアドレスに近い搬送台車3を求め、この求めた搬送台車3の固有番号と搬送元のステーション5のアドレスと搬送先のステーション5のアドレスからなる前記搬送データを形成し、この搬送データを搬送台車3へ送信し、この搬送台車3を「搬送実行中」と認識する。
【0029】
各搬送台車3の本体コントローラ43は、地上コントローラ41より搬送データを受信すると、この搬送データに含まれる搬送台車3の固有番号により、自身の搬送台車3向けの搬送データであるかを判断し、自身の搬送データと判断した搬送台車3は、自身の固有番号を含む搬送受領データを地上コントローラ41へ送信し、搬送データに含まれる搬送元のステーション5へ向けて上記走行制御を開始する。
【0030】
そして搬送台車3の本体コントローラ43は、搬送元のステーション5に到着すると、ステーション5から搬送台車3への物品の移載制御を実行し、搬送元のステーション5より物品Rを搬入する。
【0031】
そして、搬送台車3の本体コントローラ43は、搬送元のステーション5より物品Rを搬入すると、搬送先ステーション5へ向かって上記走行制御を行う。そして、搬送先のステーション5に到着すると、搬送台車3からステーション5への物品の移載制御を実行し、搬送台車3よりステーション5へ物品Rを搬出し、終了すると、自身の固有番号を含む搬送終了データを地上コントローラ41へ送信する。
【0032】
地上コントローラ41は、この搬送終了データを受信すると、この搬送台車3を「搬送実行中ではない」(空き)に切換える。
上記動作により、上位コンピュータ40からの物品Rの移載情報に基づいて、物品Rが搬送元のステーション5から搬送先のステーション5へ移動され、このとき、搬送元のステーション5に近い搬送台車3が選択されて物品Rを搬送することにより、最も短時間に効率よく物品Rを搬送することができる。
【0033】
次に、上記地上コントローラ41が搬送台車3より機器状態(始動または停止)のデータを入力したときの動作を図7のフローチャートにしたがって説明する。なお、地上コントローラ41と搬送台車3の本体コントローラ43との間のデータの授受は、通信装置を構成する、地上モデム42、フィーダ線21、ワイヤレスモデム22を介して行われる。
【0034】
地上コントローラ41は、通信装置により搬送台車3の機器状態のデータを受信すると(ステップ−1)、この機器状態のデータが変化しているか、すなわち機器状態のデータが始動から停止、または停止から始動に変化しているかを確認する(ステップ−2)。機器状態のデータが変化していると、変化する以前の搬送台車3の機器状態のデータを維持したまま、タイマー(時間測定手段の一例)を起動し(ステップ−3)、通信装置より搬送台車3の機器状態のデータを受信しているかを確認し(ステップ−4)、再びこの機器状態のデータが、前記維持している「変化する以前の搬送台車3の機器状態のデータ」より変化しているかを確認し(ステップ−5)、変化する以前の前記搬送車の機器状態の情報を受信していると、タイマーを停止し(ステップ−6)、実際に搬送台車3の機器状態が変化しなかったものと判断して、機器状態のデータを更新せずにそのまま終了する。ステップ−5において、機器状態のデータが、前記維持している「変化する以前の搬送台車3の機器状態のデータ」より変化していることを確認すると、タイマーが予め設定された時間(セットタイム)を測定しているか(タイムアップしているか)を確認し(ステップ−7)、タイムアップしていない場合、ステップ−4へ戻る。上記タイマーのセットタイムは、搬送台車3の本体コントローラ43が機器状態のデータを地上コントローラ41へ送信する前記一定時間(たとえば、1秒)の数倍(たとえば、4秒)に設定され、上記ステップ−5において数回(たとえば、少なくとも3回)、機器状態のデータを再確認できるようにしている。
【0035】
上記ステップ−7において、タイマーがタイムアップすると、機器状態のデータが、前記維持している「変化する以前の搬送台車3の機器状態のデータ」より実際に変化しているものと判断して機器状態のデータを更新し(ステップ−8)、通信装置により搬送台車3へ搬送台車3の機器状態のデータの再送信要求を送信する(ステップ−9)。この再送信要求により、搬送台車3の本体コントローラ43は、現在の機器状態のデータを通信装置により地上コントローラ41へ送信する。
【0036】
地上コントローラ41は、通信装置により搬送台車3の機器状態のデータを受信すると(ステップ−10)、機器状態のデータが、前記更新した機器状態のデータと一致しているかを確認する(ステップ−11)。一致していると、この機器状態のデータが、機器が「停止」していることを示すデータかを確認し(ステップ−12)、確認すると、通信装置により搬送台車3へ停止指令を出力して(ステップ−13)、終了する。またステップ−11において一致していない場合、ステップ−3へ戻り、再びタイマーを起動して再確認を実行する。
【0037】
上記処理により、地上コントローラ41は、通信装置により受信した、搬送台車3を構成する機器の状態のデータが変化すると、変化する以前の搬送台車3の機器状態のデータを維持したまま、タイマーを起動し、このタイマーが予め設定された時間(上記セットタイム)を測定するまでに、変化する以前の搬送台車3の機器状態のデータを受信すると、タイマーを停止させ、実際に搬送台車3の機器状態が変化しなかったものと判断する。また地上コントローラ41は、タイマーが予め設定された時間を測定した後も、変化後の搬搬送台車3の機器状態のデータを受信していると、実際に搬送台車3の機器状態が変化したものと判断して機器状態のデータを更新し、続いて通信装置により搬送台車3の本体コントローラ43へ搬送台車3の機器状態のデータの再送信要求を送信して、搬送台車3の機器状態を再確認する。そして、機器状態が「停止」のとき、通信装置により搬送台車3の本体コントローラ43へ停止指令を送信し、この停止指令を受信した搬送台車3の本体コントローラ43は、搬送台車3を停止する。
【0038】
以上のように本実施の形態によれば、地上コントローラ41は、通信装置により受信した、搬送台車3を構成する機器の状態のデータが変化すると、変化する以前の搬送台車3の機器状態のデータを維持したまま、タイマーを起動し、このタイマーが予め設定された時間を測定するまでに、変化する以前の搬送台車3の機器状態のデータを受信すると、タイマーを停止させ、実際に搬送台車3の機器状態が変化しなかったものと判断することにより、通信状態の不良により通信装置により受信した搬送台車3の機器状態のデータが変化したときにこの変化した搬送台車3の機器状態のデータを誤って認識してしまうことを回避することができる。そして、通信状態の不良によって機器状態のデータが起動から停止に変化したときに、この停止への変化により地上コントローラ41から搬送台車3の本体コントローラ43へ停止指令が出力されることによって、停止する理由がないのに搬送台車3が移動中に突然停止してしまうという不具合を解消することができる。
【0039】
また本実施の形態によれば、地上コントローラ41は、タイマーが予め設定された時間を測定した後も、変化後の搬搬送台車3の機器状態のデータを受信していると、実際に搬送台車3の機器状態が変化したものと判断して機器状態のデータを更新することにより、通信の状態が正常であると確認して機器状態のデータを正確に更新することができる。
【0040】
また本実施の形態によれば、地上コントローラ41は、機器状態のデータを更新した後、通信装置により搬送台車3の本体コントローラ43へ搬送台車3の機器状態のデータの再送信要求を送信して、搬送台車3の機器状態を再確認することにより、さらに確実に実際の搬送台車3の機器状態を再確認でき、機器状態が「停止」のとき、通信装置により搬送台車3の本体コントローラ43へ停止指令を出力し、機器が停止してしまった搬送台車3を停止させることができる。
【0041】
なお、本実施の形態では、搬送経路に沿って走行し、前記搬送経路に沿って配置された物品載置手段間に渡って物品を搬送する搬送車を、搬送台車3としているが、図8に示すように、自動倉庫FSに使用される、物品受け手段を物品の搬入出口に設置される物品受け台E2(コンベヤ装置などでもよい)としたスタッカークレーンCとすることもできる。このとき、搬送車の制御装置は、地上制御盤E1内に設けられる地上コントローラ51となり、地上コントローラ51とスタッカークレーンCの本体制御盤G内に設けられる本体コントローラ52間のデータの送受信を行う通信装置は、スタッカークレーンCに設けられる光送受信器53と、この光送受信器53に対向して配置され地上コントローラ51に接続された光送受信器54により構成され、光通信によりデータの送受信が実行され、このときのスタッカークレーンCの機器状態のデータが地上コントローラ51により確認される。図8において、Aは複数の物品保管部Dを備えた一対の保管棚であり、これら保管棚Aどうしの間に形成された作業通路Bに敷設された走行レール(搬送経路)61とその天井部に吊設されたガイドレール66に案内されてスタッカークレーンCが走行される。またスタッカークレーンCは、走行レール61に案内されて物品保管部Dに沿って走行する走行車体62と、この走行車体62に垂設された前後一対の昇降マスト64に沿って物品保管部Dと物品受け台E2へ昇降される昇降台63を有し、この昇降台63に、物品保管部Dと物品受け台E2において物品Fを載置したパレットPの移載を行うフォーク装置65を設けており、スタッカークレーンCは、昇降台63に物品Fを載置して搬送する搬送車に構成されている。
【0042】
また本実施の形態では、搬送経路に沿って走行し、前記搬送経路に沿って配置された物品載置手段間に渡って物品を搬送する搬送車を、フロア2に設置された走行レール1に案内されて自走する搬送台車3としているが、天井に吊設された走行レールに案内されて自走する吊下式搬送台車とすることもでき、また走行レール1に案内されるのではなく、搬送経路に沿ってフロア2に設置された誘導帯を検出しながら走行し物品を搬送する自走搬送台車(無軌条の搬送車)やガイドレールに案内されてフロア上を走行し物品を搬送する自走搬送台車としてもよい。
【0043】
また本実施の形態では、搬送経路4をループ状に形成しているが、搬送経路を直線状とすることもできる。このとき、搬送台車3は、前進のみでなく後進も可能に構成される。また搬送台車3を4輪としているが、3輪とすることもできる。
【0044】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、搬送車の制御装置は、通信手段により受信した、搬送車を構成する機器の状態の情報が変化すると、変化する以前の搬送車の機器状態の情報を維持したまま、時間測定手段を起動し、この時間測定手段が予め設定された時間を測定するまでに、変化する以前の前記搬送車の機器状態の情報を受信すると、時間測定手段を停止させ、実際に搬送車の機器状態が変化しなかったものと判断することにより、通信状態の不良によって機器状態の情報が起動から停止に変化したときに、この停止への変化により搬送車の制御装置から搬送車へ停止指令が出力されることによって、停止する理由がないのに搬送車が移動中に突然停止してしまうという不具合を解消することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における物品搬送設備の走行経路図である。
【図2】同物品搬送設備の要部構成図である。
【図3】同物品搬送設備の走行レールおよび搬送台車の側面図である。
【図4】同物品搬送設備の走行レールの断面および搬送台車の要部正面図である。
【図5】同物品搬送設備の搬送台車の一部平面図である。
【図6】同物品搬送設備の搬送台車の制御ブロック図である。
【図7】同物品搬送設備の地上コントローラにおける、搬送台車から機器状態のデータを入力したときの動作のフローチャートである。
【図8】本発明の他の実施の形態における物品搬送設備の斜視図である。
【符号の説明】
1  走行レール
2  フロア
3  搬送台車
4  搬送経路
5  ステーション
6  ステーションの移載用コンベヤ装置
12  搬送台車の移載・載置用コンベヤ装置
13  旋回式従動車輪装置
14  旋回・スライド式駆動車輪装置
21  フィーダ線
22  ワイヤレスモデム
40  上位コンピュータ
41,51 地上コントローラ
42  地上モデム
43,52 本体コントローラ
53,54 光送受信器
C  スタッカークレーン
R  物品

Claims (3)

  1. 搬送経路に沿って走行し、前記搬送経路に沿って配置された物品受け手段間に渡って物品を搬送する搬送車と、この搬送車と通信手段により接続された前記搬送車の制御装置とを備え、
    この制御装置は、前記通信手段により前記搬送車から受信した搬送車を構成する機器の状態情報に基づいて搬送車の機器の状態を判断し、搬送車の機器が停止していると判断すると前記通信手段により前記搬送車へ停止指令を出力する物品搬送設備であって、
    前記制御装置は、前記通信手段により受信した前記搬送車の機器状態の情報が変化すると、
    変化する以前の前記搬送車の機器状態の情報を維持したまま、時間測定手段を起動し、
    この時間測定手段が予め設定された時間を測定するまでに、変化する以前の前記搬送車の機器状態の情報を受信すると、前記時間測定手段を停止させ、実際に搬送車の機器状態が変化しなかったものと判断すること
    を特徴とする物品搬送設備。
  2. 前記制御装置は、前記時間測定手段が予め設定された時間を測定した後も、変化後の搬送車の機器状態を受信していると、実際に搬送車の機器状態が変化したものと判断すること
    を特徴とする請求項1に記載の物品搬送設備。
  3. 前記制御装置は、前記時間測定手段が予め設定された時間を測定した後も、変化後の搬送車の機器状態を受信していると、前記通信手段により搬送車へ搬送車の機器状態の情報の送信要求を送信して、搬送車の機器状態を確認すること
    を特徴とする請求項1または請求項2に記載の物品搬送設備。
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