JP2004118524A - 連結決算処理システム - Google Patents
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Abstract
【課題】収集した連結準備データのエラーチェックを迅速且つ的確に行うとともに、決算処理ステップに入ってからの処理の戻りの発生も適切に削減することが可能となる連結決算処理システムを提供する。
【解決手段】複数の関係会社から、各関係会社の財務諸表データ及び連結決算処理に必要な連結準備資料データからなる連結準備データを収集し、且つ、その収集した連結準備データについてエラーの有無をチェックした後のエラーチェック済み連結準備データを連結準備データ記憶装置7に格納する連結準備データ収集手段2と、前記連結準備データ記憶装置7に格納された前記エラーチェック済み連結準備データに基づいて、登録された複数の連結パターン別に連結決算処理を実行して、連結パターン別に所定の連結仕訳明細データを作成する連結決算処理手段5とを備えている。
【選択図】 図1
【解決手段】複数の関係会社から、各関係会社の財務諸表データ及び連結決算処理に必要な連結準備資料データからなる連結準備データを収集し、且つ、その収集した連結準備データについてエラーの有無をチェックした後のエラーチェック済み連結準備データを連結準備データ記憶装置7に格納する連結準備データ収集手段2と、前記連結準備データ記憶装置7に格納された前記エラーチェック済み連結準備データに基づいて、登録された複数の連結パターン別に連結決算処理を実行して、連結パターン別に所定の連結仕訳明細データを作成する連結決算処理手段5とを備えている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンピュータ処理により連結決算処理を行う連結決算処理システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
コンピュータ処理により連結決算処理を行う連結決算処理システムとしては、証券取引法の要請に基づく親会社を頂点とする制度連結決算の必要性から、連結会社等の関係会社から収集された財務諸表データ及び連結決算処理に必要な連結準備資料データからなる連結準備データに基づき、上記の制度連結決算に必要なデータ処理を行うものがあり、また、上記の制度会計上の連結決算処理に加えて、グループ企業間のグループ経営管理の要請から親会社を頂点とする管理連結決算に対応した複数の連結会計帳簿を生成できる連結決算処理システムも存在する(例えば、特許文献1参照)。かかる従来の連結決算処理システムでは、連結準備資料データには、非連結会社との間での取引データや、債権・債務データが含まれるため、会社間相殺処理に必要な連結会社間のデータを抽出して当該会社間相殺処理が実行される(例えば、特許文献2参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−84304号公報(第4−10頁、図1、図6)
【特許文献2】
特開平11−203373号公報(第3−5頁、図1〜図8)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
関係会社から連結決算実施主体となる親会社に提供された連結準備データについて、従来では、オペレータ(連結決算担当者)が目視でエラーの有無をチェックする場合が多かったので、収集データのエラーチェックに手間がかかりデータチェック期間が長くなる不都合があるとともに、チェック漏れのために連結決算処理に入った後でエラーが見つかり、正しいデータを再収集して連結決算処理を再度実行する手戻りの発生が増加する不都合があった。
また、従来では、連結決算処理プロセスの進捗、例えば収集した連結準備データにエラー等があって連結準備データの再収集が指示された場合に、連結準備のデータの再収集処理の状況を把握して、連結決算処理を再実行させることについては、オペレータの注意力に依存していたので、オペレータの判断ミス等によって、連結決算処理プロセスの進捗状況が的確に把握できず、処理漏れが発生するおそれがあった。
【0005】
ところで、制度会計上の連結決算処理においては、従来の証券取引法の要請に基づく親会社を頂点とする制度連結決算に加えて、商法の要請に基づく子会社を頂点とする制度連結決算の必要性が生じ、更には、管理会計上においても、親会社だけでなく、子会社を頂点とする管理連結決算に対するニーズも高まってきている。つまり、グループ企業内において、親会社だけでなく中堅の子会社も、制度会計及び管理会計上の連結決算処理の実施主体となる必要性が生じている。更に、制度会計、管理会計の連結決算の必要性に伴い、連結決算の目的として、連結決算ベースでの実績作成の他に、予算作成、期中における見込作成といった連結決算処理の業務ニーズも高まってきている。
【0006】
しかしながら、従来の連結決算処理システムでは、複数の実施主体に対応した複数の連結パターンに対して処理できるものは存在していなかったので、かかる複数の連結パターンの連結決算処理を実施しようとすれば、各実施主体会社に夫々連結決算処理システムを備える必要があった。このように実施主体会社毎に連結決算処理システムを備えた場合、各実施主体会社に共通の子会社や関連会社では、各実施主体会社に対して夫々別個に連結決算処理に必要な財務諸表データや連結準備資料データを提供する必要があり、また、かかる連結決算処理に必要なデータは通常、連結パターン毎に異なるため、データ提供側の負担は過大なものとなるおそれがある。特に、この場合、各実施主体会社に提供された連結準備データについてのエラーチェックは、各実施主体会社のオペレータが個々に重複して行うことになるので、全体としてデータチェックの手間が増えるとともに、チェック漏れの発生数が増えて、連結決算処理を再度実行する手戻りがさらに増加するおそれもある。
【0007】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、その第1の目的は、収集した連結準備データのエラーチェックを迅速且つ的確に行うとともに、連結決算処理に入った後の手戻りの発生も適切に削減することが可能となる連結決算処理システムを提供する点にある。
また、第2の目的は、連結準備データの収集と連結決算処理の実行について、特に連結準備データが再収集される通常とは異なる場合においても、連結決算処理プロセスの進捗状況をオペレータが的確に把握して、処理漏れを防止することが可能となる連結決算処理システムを提供する点にある。
また、第3の目的は、上記第1または第2の目的に加えて、連結準備データを提供する側の負担を軽減しつつ、複数の実施主体に対応した複数の連結パターンに対して連結決算処理が可能となる連結決算処理システムを提供する点にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記第1の目的を達成するための本発明に係る連結決算処理システムの第一の特徴構成は、特許請求の範囲の欄の請求項1に記載した如く、複数の関係会社から、各関係会社の財務諸表データ及び連結決算処理に必要な連結準備資料データからなる連結準備データを収集し、且つ、その収集した連結準備データについてエラーの有無をチェックした後のエラーチェック済み連結準備データを連結準備データ記憶装置に格納する連結準備データ収集手段と、前記連結準備データ記憶装置に格納された前記エラーチェック済み連結準備データに基づいて、連結決算処理を実行して所定の連結仕訳明細データを作成する連結決算処理手段とを備えてなる点にある。
【0009】
尚、財務諸表データとは、損益計算書、貸借対照表、剰余金計算書などを構成するデータである。また、連結決算処理に必要な連結準備資料データは、連結決算処理において連結会社の相互間で相殺処理を行うための会社間相殺処理データを含む。会社間相殺処理データは、受取配当金、資本増減、その他剰余金、債権・債務残高、収益・費用取引、固定資産購入明細、棚卸資産の期末残高明細、有価証券・土地の売却明細等に関して、相手側会社を識別可能に分類されているデータである。また、連結準備資料データとして、会社間相殺処理データ以外に、連結キャッシュフローの作成に用いられる固定資産等増減明細、投資等増減明細、有利子負債増減等に関するデータが含まれていても構わない。更に、連結準備データは、財務諸表データ及び連結準備資料データ以外に、税効果明細等の種々の注記情報を含んでいても構わない。また、財務諸表データ及び連結準備資料データ等は、実績データに限らず、計画データまたは実績データと計画データの両方であっても構わない。
【0010】
また、連結決算処理の対象となる関係会社には、連結決算処理の連結範囲内にある連結会社は当然に含まれるが、連結決算処理の連結範囲外となる非連結会社であっても当該非連結会社に関する連結準備資料データの一部が連結決算処理に必要な場合には、当該非連結会社も含まれる。例えば、非連結会社の一部を持分法によって処理する場合や、貸借対照表中において債権・債務のうち非連結会社に対するものを分離して処理する場合等で該当する。従って、連結決算処理の対象となる関係会社と連結決算処理の連結範囲内にある連結会社とは、連結決算処理の内容によって異なる場合があり、本明細書においては、両者を区別して用いる。
【0011】
同第二の特徴構成は、特許請求の範囲の欄の請求項2に記載した如く、上記第一の特徴構成に加えて、前記連結準備データ収集手段が、予め用意したエラーチェック用のコントロール情報に基づいて前記エラーチェックを行う点にある。
【0012】
尚、上記エラーチェック用のコントロール情報には、例えば、関係会社のリストと各関係会社のコード、各会社別の事業の種類を表わすセグメントコード、各会社コードの債権債務勘定科目及び収益費用勘定科目、制度連結決算の実施月に実施すべき項目、会社別前期末残高などを含む。
【0013】
同第三の特徴構成は、特許請求の範囲の欄の請求項3に記載した如く、上記第一または第二の特徴構成に加えて、前記連結準備データ収集手段が、連結決算の目的が予算、見込及び実績の作成のうちの何れであるかによって、収集する連結準備データの内容及び前記エラーチェックの内容を変更する点にある。
なお、連結決算処理に使用する財務諸表データ及び連結準備資料データ等について、予算の作成が目的の場合は計画データを使用し、見込の作成が目的の場合は現在時点までの実績データと計画データを使用し、実績の作成が目的の場合は期末における実績データを使用する。
【0014】次に、前記第2の目的を達成するための本発明に係る連結決算処理システムの特徴構成は、特許請求の範囲の欄の請求項4に記載した如く、複数の関係会社から、各関係会社の財務諸表データ及び連結決算処理に必要な連結準備資料データからなる連結準備データを収集して、連結準備データ記憶装置に格納する連結準備データ収集手段と、前記連結準備データ記憶装置に格納された前記連結準備データに基づいて、連結決算処理を実行して所定の連結仕訳明細データを作成する連結決算処理手段と、前記連結準備データの収集状況及び収集された前記連結準備データに基づく前記連結決算処理の実行状況を把握するとともに、前記連結準備データの再収集が指示された場合に、前記連結準備データの再収集状況及び再収集された前記連結準備データに基づく前記連結決算処理の再実行状況を把握し、且つ、要求に応じて前記各状況をオペレータに報知する進捗状況管理手段とを備えてなる点にある。
【0015】上記連結準備データの再収集が指示される場合としては、例えば、関係会社から収集した連結準備データについてエラーチェックによりエラーの存在が発見されて、前記連結準備データ収集手段によって指示される場合や、あるいは、連結決算処理に入った後、連結決算処理で正常でない決算内容が得られたので、オペレータが連結準備データを確認した結果、エラーの存在を発見して再収集を指示するような場合などが該当する。また、報知は、例えば画像表示装置の画面に各状況を表わす情報を表示させて行う。
【0016】
次に、前記第3の目的を達成するための本発明に係る連結決算処理システムの第一の特徴構成は、特許請求の範囲の欄の請求項5に記載した如く、上記第1の目的または第2の目的を達成するためのいずれかの特徴構成に加えて、前記連結準備データ収集手段が、前記連結準備資料データとして、最大連結範囲の連結決算処理に必要な連結準備資料データを収集し、さらに、少なくとも連結決算処理の対象となる関係会社に関する情報を含む連結パターンデータを連結パターン別に複数パターン登録可能な連結パターン登録手段と、前記連結準備データ記憶装置に格納された全ての前記連結準備データの中から、前記連結パターンデータに基づいて前記連結パターン別に、連結会社の財務諸表データ及び連結決算処理の対象となる関係会社に係る前記連結準備資料データを抽出してパターン別連結準備データを生成する連結準備データ抽出手段とを備え、前記連結決算処理手段が、前記パターン別連結準備データに基づいて、前記連結パターン別に前記連結決算処理を実行する点にある。
【0017】
尚、最大連結範囲の連結決算処理に必要な連結準備資料データは、複数の関係会社全てを連結範囲とする連結決算処理において必要となる連結準備資料データ(具体的には、前記会社間相殺処理データ、連結キャッシュフローの作成に用いるデータ、前記注記情報のデータ)である。
【0018】
同第二の特徴構成は、特許請求の範囲の欄の請求項6に記載した如く、上記第一の特徴構成に加えて、前記複数の連結パターンのうちの少なくとも一つの連結パターンの連結決算処理に必要な連結準備データが前記連結準備データ記憶装置に格納された場合に、前記連結準備データ抽出手段に前記少なくとも一つの連結パターン用のパターン別連結準備データを生成させ、且つ、前記連結決算処理手段に前記少なくとも一つの連結パターン用のパターン別連結準備データに基づいて前記連結パターン別の連結決算処理を実行させる決算処理管理手段を備えている点にある。
【0019】
さらに、本発明に係る連結決算処理システムの他の好適な特徴構成は、特許請求の範囲の欄の請求項7に記載した如く、上記第1の目的、第2の目的または第3の目的を達成するためのいずれかの特徴構成に加えて、前記連結準備データに含まれる前記財務諸表データにセグメント識別情報が付され、且つ、前記連結準備データに含まれる前記連結準備資料データの内の会社間相殺処理に用いられる会社間相殺処理データがセグメント別に分類されて、そのセグメント別に分類された前記会社間相殺処理データにセグメント識別情報が付されている点にある。
【0020】
ここで、セグメントとは、各関係会社における事業の種類や事業所の所在地の区別等を表す区分である。また、管理連結決算では、各実施主体会社が自由にセグメントを定義することで、セグメント別の業績や財務状況を把握することができる。また、セグメント識別情報は、各関係会社で準備する連結準備データに予め付されていても、また、各関係会社で準備する連結準備データへのセグメント識別情報の添付が不十分な場合に、連結準備データ収集手段が補完するような形態であっても構わない。
【0021】
次に、前記各目的を達成するための本発明に係る連結決算処理用のコンピュータプログラムの特徴構成は、特許請求の範囲の欄の請求項8に記載した如く、上記各特徴構成の何れかの連結決算処理システムが備える前記各手段をコンピュータ上で各別に実現するためのプログラムを備えてなる点にある。
【0022】
以下に本発明の各特徴構成による作用並びに効果を説明する。
第1の目的を達成するための連結決算処理システムの第一の特徴構成によれば、連結準備データ収集手段が各関係会社の財務諸表データ及び連結決算処理に必要な連結準備資料データからなる連結準備データを収集して、その収集した連結準備データについてエラーの有無をチェックした後のエラーチェック済み連結準備データを連結準備データ記憶装置に格納し、連結決算処理手段が前記連結準備データ記憶装置に格納されたエラーチェック済み連結準備データに基づいて、連結決算処理を実行して所定の連結仕訳明細データを作成する。
【0023】
従って、連結準備データ収集手段が収集した連結準備データについてエラーチェックを行うので、オペレータが目視でエラーチェックする場合と違って、収集した連結準備データのエラーチェックを迅速且つ的確に行うことが可能となり、同時に、連結決算処理手段が連結決算処理に使用する連結準備データについてエラーが含まれていないので、連結決算処理の実行後に再度データを収集して連結決算処理を再実行するような手戻りの発生も適切に削減することが可能となり、第1の目的を達成する連結決算処理システムが提供される。
【0024】
同第二の特徴構成によれば、前記連結準備データ収集手段が、予め用意したエラーチェック用のコントロール情報に基づいて前記エラーチェックを行う。
すなわち、エラーチェック用のコントロール情報はエラーチェックに役立つ情報であり、例えば、一例として「前期末残高」の情報を用意し、収集したデータ中の今期の期首残高が予め用意した「前期末残高」と一致しなければ、エラーと判断する。この場合に、「前期末残高」の情報を用いない場合には、収集したデータ中の今期の期首残高だけでデータの正誤を判断するのは困難となる。
従って、予め用意したエラーチェック用のコントロール情報をエラーチェックに用いることで、収集した連結準備データだけでエラーチェックを行う場合に比べて、エラーチェック機能を強化することが可能となり、第1の目的を達成する連結決算処理システムの好適な実施形態が提供される。
【0025】
同第三の特徴構成によれば、前記連結準備データ収集手段が、連結決算の目的が予算、見込及び実績の作成のうちの何れであるかによって、収集する連結準備データの内容及び前記エラーチェックの内容を変更する。
すなわち、予算の作成が目的であれば、大まかな数値の連結準備データが収集されていればよく、また、エラーチェックもそれほど厳密に行う必要もないが、一方、連結決算の目的が実績の作成であれば、最終的に正式な決算書を作成する必要があるので、連結準備データは細かい数値まで正確に収集し、エラーチェックも厳密に行う必要がある。また、見込の作成が目的の場合は、上記予算と実績の場合の中間程度の正確さ、厳密さで行うことになる。
従って、連結決算の目的に合わせて、収集する連結準備データの内容及び前記エラーチェックの内容を変更することで、予算の作成の場合に、必要以上に正確なデータ収集や必要以上に厳密なエラーチェックを行う無駄を回避させ、逆に実績を作成する場合に、不正確なデータ収集や不十分なエラーチェックのために、必要な決算結果が得られないという不都合を回避させることが可能となり、第1の目的を達成する連結決算処理システムの好適な実施形態が提供される。
【0026】
第2の目的を達成するための連結決算処理システムの特徴構成によれば、連結準備データ収集手段が各関係会社の財務諸表データ及び連結決算処理に必要な連結準備資料データからなる連結準備データを収集して連結準備データ記憶装置に格納し、連結決算処理手段が前記連結準備データ記憶装置に格納された連結準備データに基づいて、連結決算処理を実行して所定の連結仕訳明細データを作成するときに、進捗状況管理手段が、上記連結準備データの収集状況とその収集された連結準備データに基づく連結決算処理の実行状況を把握し、要求に応じてそれらの各状況をオペレータに報知する。さらに、上記連結準備データの再収集が指示された場合には、進捗状況管理手段が、上記連結準備データの再収集状況とその再収集された連結準備データに基づく連結決算処理の再実行状況を把握し、要求に応じてそれらの各状況をオペレータに報知する。
【0027】
すなわち、オペレータは要求により進捗状況管理手段が把握している最新の連結準備データの収集状況と連結決算処理の実行状況を知ることで、連結決算処理プロセスの進捗状況を適切に判断することができる。特に、例えば収集した連結準備データにエラー等の不備があって、連結準備データが再収集される通常とは異なる処理が行われる場合に、進捗状況管理手段が把握している連結準備データの再収集状況を知ることで連結決算処理の再実行の要否を判断することができ、また、連結決算処理の再実行状況を知ることで、通常とは異なる連結決算処理プロセスの進捗状況を適切に判断して、処理漏れが発生しないようにすることができる。
従って、連結準備データの収集と連結決算処理の実行について、特に連結準備データが再収集される通常とは異なる場合においても、連結決算処理プロセスの進捗状況をオペレータが的確に把握して、処理漏れを防止することが可能となり、第2の目的を達成する連結決算処理システムが提供される。
【0028】第3の目的を達成するための連結決算処理システムの第一の特徴構成によれば、前記連結準備データ収集手段が各関係会社の財務諸表データと共に前記連結準備資料データとして最大連結範囲の連結決算処理に必要な連結準備資料データを収集して連結準備データ記憶装置に格納し、連結準備データ抽出手段が連結準備データ記憶装置に格納された全ての連結準備データの中から、連結パターン登録手段に登録されている複数の連結パターン毎に、各連結パターンの連結パターンデータが有する連結決算処理の対象となる関係会社に関する情報に基づいて、連結会社の財務諸表データ及び連結決算処理の対象となる関係会社に係る連結決算処理に必要な連結準備資料データを抽出してパターン別連結準備データを生成し、前記連結決算処理手段が上記抽出生成されたパターン別連結準備データに基づいて、連結パターン別に連結決算処理を実行して所定の連結仕訳明細データを作成する。
【0029】
すなわち、連結決算処理手段が連結決算処理を実行する際に、連結会社の財務諸表データ及び連結決算処理の対象となる関係会社に係るパターン別連結準備資料データが既に抽出生成されているので、連結決算処理手段が連結会社の財務諸表データを選択して合算処理を行ったり、連結準備資料データの中から連結会社に係る会社間相殺処理データを抽出して相殺処理を実行したりする必要がなく、複数の連結パターンでの連結決算処理が簡単かつ迅速に実行できる。
【0030】
更には、各関係会社から連結準備データ収集手段に対して提供される連結準備データとして、複数の関係会社全体を連結対象とする最も広範囲の連結パターンに対応した連結準備データを提供するだけで、連結対象範囲が縮小したり、連結処理方法が変更された他の連結パターンに対してもその一部のデータが有効であり、その有効なデータ部分としてパターン別連結準備データが連結準備データ抽出手段により連結パターン別に抽出される。つまり、各関係会社は如何なる連結パターンで連結決算処理が行われるかに関係なく所定の内容の一通りの連結準備データを一元的に提供すればよいので、各関係会社における連結準備データ提供のための負担が大幅に軽減されることになるとともに、グループ企業内での複数の連結パターンに対する連結決算処理を迅速に処理できることになる。
【0031】
ここで、各関係会社から連結準備データ収集手段に提供された連結準備データにエラーが含まれている場合に、そのエラーを含む連結準備データを連結決算処理に使用すると、複数の連結パターンの連結決算処理の多くで正常な決算結果が得られず処理の手戻りが増加して、多大な不利益を及ぼすおそれがあるが、特に第1の目的を達成するための特徴構成との組み合わせにより、収集した連結準備データについてエラーがチェックされ、エラーを含む連結準備データを用いた連結決算処理は実行されないので、特に複数の連結パターンでの連結決算処理において多大な不利益を及ぼすおそれがあるデータエラーの影響を回避させることができる。
【0032】
また、グループ企業の親会社だけでなくその子会社も、連結決算処理の実施主体として連結パターン登録手段に対して、夫々の実施する連結決算処理の対象となる関係会社に関する情報を備えてなる連結パターンデータを提供すれば、連結準備データ抽出手段が当該連結パターンデータに対応した連結パターンのパターン別連結準備データを抽出し、連結決算処理手段がそのパターン別連結準備データに基づいて連結決算処理を実行するので、各関係会社は、連結パターンデータを作成して提供するだけの手間で、自己を実施主体とする連結決算処理を迅速に実施することができる。更に、連結パターンデータを作成して提供するだけの手間であるので、連結会社の増減や子会社に対する持分比率変動等、連結決算処理の対象となる関係会社に関する情報が変更になっても、当該変更を反映させ連結パターンデータを簡単に修正することができるので、最新の関係会社相互間の情報に対応した迅速な処理が可能となる。
【0033】
更に、グループ企業を構成する複数の関係会社間で、本特徴構成の連結決算処理システムを共有或いは共用することができるので、連結決算処理の各実施主体が個別に連結決算処理システムを導入する必要がなく、経済的且つ効率的な運用が可能となる。また、連結準備データ抽出手段や連結決算処理手段の処理ロジックを変更するなどのシステム変更に対して、各関係会社に共通してかかるシステム変更を実施できる。これにより、法改正等により制度連結決算処理の内容が変更になった場合などにおけるシステム変更が1回で済むことになる。更に、連結準備データ抽出手段や連結決算処理手段を構成するコンピュータとして、複数の連結パターンに対する各処理を並行処理できる処理能力、或いは、逐次処理でも高速処理可能なものを採用することで、複数の連結決算処理を同時或いはほぼ同時に処理でき、グループ企業全体の連結決算処理の早期実施、早期発表が実現できる。
【0034】
従って、前記第1または第2の目的に加えて、連結準備データを提供する側の負担を軽減しつつ、複数の実施主体に対応した複数の連結パターンに対して連結決算処理が可能となり、前記第3の目的を達成する連結決算処理システムが提供される。
【0035】
同第二の特徴構成によれば、前記複数の連結パターンのうちの少なくとも一つの連結パターンの連結決算処理に必要な連結準備データが前記連結準備データ記憶装置に格納されると、決算処理管理手段が、前記連結準備データ抽出手段に前記少なくとも一つの連結パターン用のパターン別連結準備データを生成させるとともに、前記連結決算処理手段に上記生成された前記少なくとも一つの連結パターン用のパターン別連結準備データに基づいて前記連結パターン別の連結決算処理を実行させる。
【0036】
すなわち、決算処理管理手段が、前記連結準備データ記憶装置にアクセスして連結準備データの格納状況をチェックし、複数の連結パターンのうちの少なくとも一つの連結パターンの連結決算処理に必要な連結準備データが格納され次第、そのパターン用の連結準備データに基づく連結決算処理だけを先ず実行する。以下、他の連結パターンの連結決算処理に必要な連結準備データが格納されるに伴って、各パターン用の連結準備データに基づく連結決算処理を順次実行する。
【0037】
ここで、特に第2の目的を達成するための特徴構成との組み合わせにより、前記進捗状況管理手段によって、複数の連結パターンのうちのいずれの連結パターン用の連結準備データが連結準備データ記憶装置に格納され、また、そのパターン用の連結準備データに基づいて連結決算処理が実行される状況が報知されるので、オペレータが順次実行される各連結パターンの連結決算処理の進捗状況を的確に知ることが可能となる。
従って、前記第3の目的を達成する連結決算処理システムの好適な実施形態が提供される。
【0038】
さらに、本発明に係る連結決算処理システムの他の好適な特徴構成によれば、セグメント識別情報が付されている前記財務諸表データと、セグメント別に分類されてその分類された各セグメントにセグメント識別情報が付された前記会社間相殺処理データを用いて、制度会計上設定されたセグメントや管理会計上設定されたセグメント別の連結決算処理を行い、かかるセグメント別の連結仕訳明細データを作成することができる。
従って、前記第1、第2または第3のいずれかの目的を達成する連結決算処理システムにおいて、セグメント別の連結決算処理が可能となる好適な実施形態が提供される。
【0039】
本発明に係る連結決算処理用のコンピュータプログラムの特徴構成によれば、その連結決算処理用のコンピュータプログラムを所定のコンピュータにインストールすることで、上記各特徴構成の何れかの連結決算処理システムを当該コンピュータ上で実現することができる。
【0040】
【発明の実施の形態】
本発明に係る連結決算処理システム(以下、「本発明システム」という。)の実施の形態を、図面に基づいて説明する。
【0041】
図1に示すように、本発明システム1は、連結準備データ収集手段2、連結パターン登録手段3、連結準備データ抽出手段4、連結決算処理手段5、連結決算データ出力手段6、連結準備データ記憶装置7、連結パターンデータ記憶装置8、パターン別連結準備データ記憶装置9、連結決算データ記憶装置10、システム管理手段11、及び、その他の入出力装置や周辺装置を備えて構成される。尚、各データ記憶装置7〜10は、本発明システム1を構成するコンピュータシステムが備える1または2以上の不揮発性記憶装置に、夫々の記憶領域が割り当てられて構成される。
【0042】
また、本発明システム1の各手段2〜6,11は、本発明システム1を構成するコンピュータシステムのハードウェア資源を利用しながらソフトウェア処理によって実現される。より具体的には、本発明システム1は、本発明システム1を構成するコンピュータシステムのコンピュータ上で、連結準備データ収集手段2、連結パターン登録手段3、連結準備データ抽出手段4、連結決算処理手段5、連結決算データ出力手段6、及び、システム管理手段11の各手段を実現するための連結決算処理用のプログラムを備えている。具体的には、この本発明に係るプログラムは、CD−ROM等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体やインターネット等のデータ伝送媒体を介して、本発明システム1をハードウェア的に構成するコンピュータがアクセス可能な記録装置内にインストールされて実用に供される。
【0043】
連結準備データ収集手段2は、複数の関係会社の各コンピュータ端末12と、関係会社間を相互に接続する通信ネットワーク15を介して接続可能に構成されており、複数の関係会社の各コンピュータ端末12から所定のファイル形式で送信されてくる連結準備データを収集し、且つ、その収集した連結準備データについてエラーの有無をチェックした後のエラーチェック済み連結準備データを、各関係会社が識別可能な状態で連結準備データ記憶装置7に格納する。通信ネットワーク15は、インターネットを利用して関係会社間を接続する形態のものや、専用の通信回線を利用して構築されたLAN(ローカルエリアネットワーク)等により実現される。
【0044】
連結準備データは、各関係会社の財務諸表データ、連結決算処理に必要な連結準備資料データ、及び、その他の注記情報から構成される。財務諸表データは、損益計算書、貸借対照表、剰余金計算書などを構成するデータからなり、更に、セグメント別に分類されない第1財務諸表データと、制度会計上決められた制度セグメント別に分類され、その制度セグメントが識別可能なセグメント識別情報が付されている第2財務諸表データと、管理会計上決められた管理セグメント別に分類され、その管理セグメントが識別可能なセグメント識別情報が付されている第3財務諸表データの3種類の財務諸表データに分類される。
【0045】
連結準備資料データは、連結決算処理において連結会社の相互間で相殺処理を行うための会社間相殺処理データとそれ以外のデータからなる。会社間相殺処理データは、受取配当金、資本増減、その他剰余金、債権・債務残高、収益・費用取引、固定資産購入明細、棚卸資産の期末残高明細、有価証券・土地の売却明細等に関して、相手側会社を識別可能に分類されているデータである。また、会社間相殺処理データの各項目データには、関係会社毎にセグメント別に分類され、その分類された各項目データに夫々セグメント識別情報が付されている。会社間相殺処理データ以外の連結準備資料データとして、連結キャッシュフローの作成に用いられる固定資産等増減明細、投資等増減明細、有利子負債増減等に関するデータが含まれる。
【0046】
また、収集される財務諸表データと連結準備資料データは、連結決算処理の目的(予算、見込み、又は実績の作成のいずれか)に応じて、実績データ、計画データ、或いは、その両方の場合がある。
【0047】
注記情報として、例えば、税効果明細、有価証券明細、保有有価証券の注記、有価証券等の追加情報、デリバティブ、退職給付会計、会計方針の変更、会計方針、偶発債務、担保資産及び担保付債務、後発事象、研究開発費、設備投資、圧縮明細表、リース取引明細、役員等の兼任の状況、従業員数、借入金明細、貸付金明細、発行社債等明細、大株主情報、等のデータがある。
【0048】
連結準備データ収集手段2は、基本的には所定のファイル形式で送信されてくる連結準備データを収集するように構成されているが、各関係会社の会計処理システムの違いから、複数の収集体制を取るようにしても構わない。
例えば、連結準備データ収集手段2がWEB形式で提供する連結準備データ入力用のWEBサイトへの各コンピュータ端末12からのアクセスに対して、所定の入力書式での連結準備データ入力用シートを例えばHTML(Hyper Text Markup Language)形式又はXML(Extensible Markup Language)で各コンピュータ端末12に送信し、各コンピュータ端末12から、その連結準備データ入力用シートに入力された連結準備データを受信するように構成してもよい。また、各関係会社の会計処理システムが個々に作成した連結準備データを特定の表計算ソフトのデータ形式で受信するようにしても構わない。従って、連結準備データ収集手段2は、各種データ形式で収集した連結準備データを、連結準備データ記憶装置7に格納する前に、一定のデータ形式に変換し統一する。
【0049】
また、各関係会社の会計処理システムが個々に作成した連結準備データにおける勘定科目コードも連結勘定科目コードとして統一する必要があり、かかる変換処理を各関係会社において実行した連結準備データを収集するのが好ましい。しかし、かかる勘定科目コード変換処理が行われていない連結準備データを受信した場合には、連結準備データ収集手段2が当該勘定科目コード変換処理を実行してから連結準備データ記憶装置7に格納する。
【0050】
また、各関係会社において作成された個々の連結準備データは各関係会社において予め所定のエラーチェック処理を施しておくのが好ましい。しかし、各関係会社においてエラーチェックが十分になされていない連結準備データが受信される場合があるので、連結準備データ収集手段2がエラーの有無をチェックするエラーチェック処理(可能な場合にはエラーを訂正するエラー訂正処理を含む。)の一部又は全部を実行し、エラーチェック処理済みでエラーが無く又はエラーが訂正され、データ形式及び勘定科目コード変換処理済みの連結準備データを連結準備データ記憶装置7に格納する。但し、オペレータが手操作でエラーチェックする連結準備データの項目も一部ある。
【0051】
上記エラーチェック処理においてエラーが発見されたときは、関係会社のコンピュータ端末12に対して、連結準備データがエラーを含んでいることを知らせると共に、エラーを修正した連結準備データの再送信を要求する。この再送信は、エラーである当該データ箇所だけの再送信を要求する形態や、エラーである当該データ箇所を含む所定範囲のデータについて一括して再送信を要求する形態など、状況に応じて適当な態様が採用可能である。尚、エラーが発見されても、エラーの訂正が可能な場合は、送信されたデータにエラーが含まれていること、及び、訂正するデータの内容を知らせ、データの再送信は要求しない。
【0052】
上記連結準備データ収集手段2は、予め用意したエラーチェック用のコントロール情報に基づいて前記エラーチェックを行う。このコントロール情報の一覧表を図2に示す。以下、各コントロール情報について説明する。
・会社リストは、図3に示すように、各関係会社の会社コード、会社名、会社分類(制度連結子会社など)、及び、事業セグメントコードの対照表である。
・事業リストは、図4に示すように、事業名と事業セグメントコードの対照表である。
・債権債務勘定科目は、図5に示すように、科目コードと科目名と会社別(例えば、A,B,C,Dの4ランクに分類する)取得パターンの対照表である。
・収益費用勘定科目は、図6に示すように、科目コードと科目名と会社別(例えば、A,B,C,Dの4ランクに分類する)取得パターンの対照表である。
・整合性チェックは、図7に示すように、制度連結決算の実施月(3月及び9月)にあたり、該当するチェック内容を有効に実施するための表である。
・会社別前期末残高は、図8に示すように、各会社コードに対応させて、資本勘定科目及び各種増減明細表用勘定科目の夫々の残高を記載した表である。
・税率は、図示しないが、税率(実効税率)を入力して、税効果明細表のチェックに使用するものである。
【0053】
図9に連結準備データについてのエラーチェックの各項目の内容を示す。一部説明すれば、例えば、貸借対照表がチェック対象データの場合に、貸借金額の一致、繰延税金資産及び負債の両建表示の有無、未収消費税と未払消費税の両建表示の有無をチェックする。また、資本増減表及びその他剰余金増減表がチェック対象データの場合に、期末残高と貸借対照表の金額の一致、期首残高と前期末の貸借対照表の金額の一致、損益計算書との一致をチェックする。
【0054】
また、前記連結準備データ収集手段2は、連結決算の目的が予算、見込及び実績の作成のうちの何れであるかによって、収集する連結準備データの内容及び前記エラーチェックの内容を変更する。すなわち、連結決算の目的が実績の作成の場合は、実績データに基づいて連結準備データは各勘定項目の細かい金額まで正確なデータを収集し、エラーチェックも厳密に行う。一方、予算の作成が目的の場合は、計画データに基づいて、概略の金額のデータを収集し、エラーチェックも大よその数値が一致していればエラー無しとする。見込の作成が目的の場合は、その時点までの実績データとその時点以後の計画データとに基づいて、上記実績の場合と予算の場合の中間程度の正確さと厳密さで、データ収集及びエラーチェックを行う。
【0055】
さらに、前記連結準備データ収集手段2は、前記連結準備データとして、最大連結範囲の連結処理に必要な連結準備資料データを収集する。この最大連結範囲の連結決算処理に必要な連結準備資料データは、複数の関係会社全てを連結範囲とする連結決算処理において必要となる連結準備資料データ(具体的には、前記会社間相殺処理データ、連結キャッシュフローの作成に用いるデータ、前記注記情報のデータ)である。
【0056】
前記連結パターン登録手段3は、少なくとも連結決算処理の対象となる関係会社に関する情報を含む連結パターンデータを連結パターン別に複数パターン登録可能に構成されている。即ち、複数の関係会社の内の少なくとも連結決算処理の実施主体となる関係会社の各コンピュータ端末13と、通信ネットワーク15を介して接続可能に構成されており、各コンピュータ端末13から所定のデータ形式で送信されてくる1または2以上の連結パターンデータを各別に収集し、連結パターン別に連結パターンデータ記憶装置8に格納する。具体的には、連結パターン登録手段3は、WEB形式で提供する連結パターンデータ入力用のWEBサイトへの各コンピュータ端末13からのアクセスに対して、所定の入力書式での連結パターンデータ入力用シートをHTML形式又はXML形式で各コンピュータ端末13に送信し、各コンピュータ端末13から、その連結パターンデータ入力用シートに入力された連結パターンデータを受信するように構成する。
【0057】
各連結パターンデータは、各連結パターンの連結決算処理の連結範囲内にある連結会社を、実施主体、連結子会社、及び、持分法を適用する連結会社(持分法適用会社)を区別して特定可能な連結会社データ、同連結決算処理の連結範囲外となる非連結会社を、実施主体から見た子会社・関連会社(非連結子会社・関連会社)と親会社(非連結親会社)を区別して特定可能な非連結会社データ、連結子会社及び持分法適用会社に対する持分率を示す持分率データ、連結決算処理が実績、計画またはその両方の何れを対象とするかの処理目的識別データを備えて構成される。
【0058】
例えば、P社を親会社、A社〜K社を子会社とするグループ会社全社(複数の関係会社)において、ある連結パターンにおける実施主体、連結子会社、持分法適用会社、非連結会社及び株式保有率が図10に示すように設定されている場合、その連結パターンデータの連結会社データと持分率データの内容は、図11に示すようになる。連結子会社または持分法適用会社が例えばE社のように直接株式を保有する子会社でない場合は、持分率はA社に対する株式保有率にA社のE社に対する株式保有率を乗じて計算される。尚、持分率の計算は、図11の備考欄に示してある。
【0059】
また、管理会計上の連結決算における持分率については、あくまでその目的が管理会計であるので、採用する持分率を実際の株式保有率に基づかないで便宜的に100%とする等、別途設定する場合もある。
【0060】
更に、図12に示すように、実施主体がグループ会社の親会社Pではなく中堅の子会社Aである連結パターンの場合は、その連結パターンデータの連結会社データと持分率データの内容は、図13に示すようになる。このように連結パターンデータは種々の連結パターンに対応して登録される。
【0061】
連結準備データ抽出手段4は、前記連結準備データ記憶装置に格納された全ての前記連結準備データの中から、前記連結パターンデータに基づいて前記連結パターン別に、連結会社の財務諸表データ及び連結決算処理の対象となる関係会社に係る前記連結準備資料データを抽出してパターン別連結準備データを生成する。即ち、予め設定されたタイミング或いは外部からの起動指令入力によって、例えば、連結決算処理手段5が連結決算処理を実行する直前に、連結決算処理が実行される連結パターン別に、以下のパターン別連結準備データの抽出処理を実行する。先ず、連結パターンデータを連結パターンデータ記憶装置8から読み出し、連結準備データ記憶装置7に格納された全ての連結準備データの中から、読み出した連結パターンデータ中の連結会社に関する財務諸表データと所定の連結準備資料データを抽出する。所定の連結準備資料データとしては、前記連結会社間の会社間相殺処理データを抽出する。ここで、連結パターンデータで特定される連結決算処理が実績データ或いは計画データに対するものかの区別に応じて、財務諸表データと所定の連結準備資料データが抽出される。
【0062】
連結準備データ抽出手段4は、読み出した連結パターンデータ中に非連結子会社・関連会社と非連結の親会社が存在すれば、所定の連結準備資料データとして、前記連結会社の債権・債務データの中から当該非連結子会社・関連会社と当該非連結親会社を相手方とする債権・債務データを抽出する。そして、当該非連結子会社・関連会社と当該非連結親会社を相手方とする債権・債務データにおける債権・債務金額を合計し、前記連結会社の貸借対照表において、合計した債権・債務金額を債権・債務から非連結会社の債権・債務に振替処理を行う。当該振替処理は当該非連結子会社・関連会社と当該非連結親会社を区別して行っても、統合して行ってもよい。非連結の親会社が存在するのは、連結決算処理の実施主体が、グループ会社の頂点にある親会社でなく、中間の会社の場合である。
更に、読み出した連結パターンデータ中に持分法適用会社が存在すれば、連結準備データ記憶装置7に格納された全ての連結準備データの中から、当該持分法適用会社の利益を持分法処理用データとして各別に抽出する。
【0063】
以上の連結パターン別に抽出された連結会社に関する財務諸表データ、連結会社間の会社間相殺処理データ、及び、持分法処理用データをパターン別連結準備データとして、連結パターン別にパターン別連結準備データ記憶装置9に格納する。尚、抽出された非連結子会社・関連会社と非連結親会社を相手方とする債権・債務データは、貸借対照表における非連結会社の債権・債務への振替処理が終了すれば必要ない。
【0064】
以上の連結準備データ抽出手段4の処理を、図11に例示した連結パターンデータについて、図14に基づいて説明する。図14において、図11に例示した連結パターンデータの連結パターンについてパターン別連結準備データが抽出される場合が図示されている。
【0065】
連結準備データ記憶装置7に格納されているP社及びA社〜K社のグループ全社の連結準備データの中から、P社、A社〜E社、及び、H社の7社の連結会社についての連結準備データが抽出される。抽出された各連結会社の連結準備データの内、収益・費用取引データや債権・債務データ等の会社間相殺処理データについては、7社の連結会社間のデータだけが抽出される。図14において、P社の収益・費用取引データと債権・債務データについては、相手先がA社〜E社、及び、H社のデータだけが抽出される。
【0066】
次に、図11に示す連結パターンデータにおいて、G社が持分法適用会社として、F社及びI社〜K社の4社が非連結子会社として規定されているので、貸借対照表における非連結会社の債権・債務への振替処理が、連結会社毎に実行される。具体的にP社の貸借対照表上の債権について説明すると、貸借対照表上の債権が「300」とした場合に、債権・債務データの内のG社、F社及びI社〜K社の5社の債権額が合計され、合計された債権金額「50」であるとすると、貸借対照表上、その「50」が債権から非連結子会社・関連会社の債権に振り替えられ、債権は「250」となる。従来の単一連結パターンでの連結決算処理では、かかる振替処理が各関係会社においてなされ、連結準備データとして含まれていたものを、本発明システムでは、複数の連結パターンに対応して各別に自動的に処理される。また、図11に示す連結パターンデータにおいて、G社が持分法適用会社であるので、G社の利益額が持分法処理用データとして抽出される。
【0067】
更に、連結準備データ抽出手段4の処理を、図13に例示した連結パターンデータについて、図15に基づいて説明する。図15において、図13に例示した連結パターンデータの連結パターンについてパターン別連結準備データが抽出される場合が図示されている。
【0068】
連結準備データ記憶装置7に格納されているP社及びA社〜K社のグループ全社の連結準備データの中から、A社、D社、及び、E社の3社の連結会社についての連結準備データが抽出される。抽出された各連結会社の連結準備データの内、収益・費用取引データや債権・債務データ等の会社間相殺処理データについては、3社の連結会社間のデータだけが抽出される。図15において、A社の収益・費用取引データと債権・債務データについては、相手先がD社及びE社のデータだけが抽出される。
【0069】
次に、図13に示す連結パターンデータにおいて、F社の1社が非連結会社として規定されているので、貸借対照表における非連結会社の債権・債務への振替処理が、連結会社毎に実行される。具体的にA社の貸借対照表上の債権について説明すると、貸借対照表上の債権が「300」とした場合に、債権・債務データの内のF社の債権額が「10」であるとすると、貸借対照表上、その「10」が債権から非連結子会社・関連会社の債権に振り替えられ、債権は「290」となる。従来の単一連結パターンでの連結決算処理では、かかる振替処理が各関係会社においてなされ、連結準備データとして含まれていたものを、本発明システム1では、複数の連結パターンに対応して各別に自動的に処理される。
【0070】
連結決算処理手段5は、基本的には、前記連結準備データ記憶装置7に格納された前記エラーチェック済み連結準備データに基づいて、連結決算処理を実行して所定の連結仕分明細データを作成するが、上記のように連結パターン別に連結準備データが抽出されているので、実際は、前記パターン別連結準備データに基づいて、前記連結パターン別に前記連結決算処理を実行する。即ち、予め設定されたタイミング或いは外部からの起動指令入力によって、例えば、連結準備データ抽出手段4がパターン別連結準備データの抽出処理を実行した後に、連結パターン別に、以下の連結決算処理を実行する。
【0071】
先ず、連結決算処理手段5は、パターン別連結準備データ記憶装置9に格納されたパターン別連結準備データを読み出して、連結会社に関する財務諸表データに基づく合算処理と、合算処理後の連結会社間の会社間相殺処理データに基づく相殺消去処理と、連結パターンデータで特定される持分率に従った少数株主持分及び少数株主損益の計算処理とを行い、所定の連結仕訳明細データを作成する。ここで、連結準備データ記憶装置7に格納された連結準備データの財務諸表データ、連結決算処理に必要な連結準備資料データの一部にはセグメント識別情報が付されているので、連結決算処理においては、売上高、営業費用、資産等の所定の項目については、セグメント識別情報に基づいてセグメント別の集計処理も実行され、セグメント別に仕分けされた連結仕訳明細データが作成される。
【0072】
更に、連結決算処理手段5は、連結パターンデータで持分法適用会社が指定されている場合は、パターン別連結準備データの持分法処理用データに基づいて、連結パターンデータで特定される持分率に従った持分法損益の連結仕訳明細データを作成する。また、作成された連結仕訳明細データは連結決算データ記憶装置10に格納される。上記各処理は、基本的には通常の連結決算処理における処理と同じであるので、詳細な説明は割愛する。
【0073】
前記連結決算データ出力手段6は、複数の関係会社の各コンピュータ端末14と、通信ネットワーク15を介して接続可能に構成されており、連結決算データ出力手段6が提供するWEB形式での連結仕訳明細や連結財務諸表や注記事項等を閲覧可能なWEBサイトに各コンピュータ端末13からアクセスすると、閲覧を希望する連結仕訳明細、連結財務諸表、注記事項等をHTML形式で各コンピュータ端末13に送信可能に構成されている。従って、連結決算データ出力手段6は、WEBサーバとして機能するとともに、連結決算データ記憶装置10に格納された連結パターン毎の連結仕訳明細データや連結準備データ記憶装置7に格納された連結準備データの付記情報等をHTML形式のデータに変換して閲覧容易な構成にするHTML形式データ作成手段を備えている。尚、連結決算データ出力手段6は、上記のHTML形式データ作成手段に代えて、XML形式データ作成手段を備えていてもよい。また、連結財務諸表としては、連結精算表、連結損益計算書、連結貸借対照表、連結剰余金計算書、連結キャッシュフロー計算書等があり、これらは連結仕訳明細から作成される。連結決算データ出力手段6は、本発明の本旨ではなく、公知技術を適用して実現されるので、詳細な構成並びに動作の説明は割愛する。
【0074】
尚、連結決算データ出力手段6として、連結仕訳明細を画像表示するディスプレイ端末や、連結仕訳明細をプリント出力するプリンタ装置等の本発明システムを構成するコンピュータシステムの周辺装置も含まれる。
【0075】
次に、上記各手段2〜6の処理手順について、図16に基づいて説明する。尚、各手段2〜6の処理内容については既に説明してあるので、ここでは説明の重複は避ける。グループ会社における複数パターンの連結決算処理が年間を通じて定期的に実施される場合、各実施における連結準備データ収集手段2、連結準備データ抽出手段4、及び、連結決算処理手段5の一連の処理は当該実施時期に合わせて実行される。
【0076】
連結準備データ収集手段2による各関係会社からの連結準備データの収集及びエラーチェック処理(#11)は、前記実施時期より所定日数前に各関係会社の各コンピュータ端末12から連結準備データ収集手段2へアクセスされて実行される。連結準備データの収集及びエラーチェック処理(#11)は、全ての関係会社からのアクセスに基づいて実行されるが、各アクセスは必ずしも同時でなくても構わない。
【0077】
次に、連結パターン登録手段3による各実施主体会社からの連結パターンデータの収集登録処理(#12)が、前記実施時期より所定日数前に各実施主体会社の各コンピュータ端末13から連結パターン登録手段3へのアクセスによって実行される。但し、連結パターンデータの収集登録処理(#12)は、新たな連結パターンで連結決算処理が実施される場合、及び、既存の連結パターンにおいて前回実施された連結決算処理で使用された連結パターンデータに変更が有る場合において実行される。既存の連結パターンにおいて前回実施された連結決算処理で使用された連結パターンデータがそのまま使用できる場合は、本処理(#12)は不要である。尚、連結準備データの収集及びエラーチェック処理(#11)と連結パターンデータの収集登録処理(#12)は何れを先に実施しても構わないし、実施時期が重なっても構わない。
【0078】
連結準備データの収集及びエラーチェック処理(#11)と連結パターンデータの収集登録処理(#12)が完了すると、連結準備データ抽出手段4によるパターン別連結準備データの抽出処理(#13)が実行される。
【0079】
連結決算処理手段5による連結決算処理(#14)は、連結パターン別に、パターン別連結準備データの抽出処理(#13)が実行された後に自動的に、或いは、当該連結パターンの実施主体会社のコンピュータ端末13からの起動指令入力によって実行される。尚、ここで、パターン別連結準備データの抽出処理(#13)と連結決算処理(#14)は、各連結パターンについて当該順序で実行されれば十分である。
【0080】
連結決算データ出力手段6による出力処理(#15)は、連結決算処理手段5による連結決算処理(#14)が完了した後、各関係会社の各コンピュータ端末14からアクセスに応じて、或いは、画像表示やプリント出力指令に応じて、各コンピュータ端末13、或いは、ディスプレイ端末やプリンタ装置に、連結仕訳明細等が出力される。
【0081】
次に、前記システム管理手段11は、上記各手段2〜6による処理の進捗状況を把握し、また連結決算処理を管理している。そして、図1に示すように、前記システム管理手段11内に、前記複数の連結パターンのうちの少なくとも一つの連結パターンの連結決算処理に必要な連結準備データが前記連結準備データ記憶装置7に格納された場合に、前記連結準備データ抽出手段4に前記少なくとも一つの連結パターン用のパターン別連結準備データを生成させ、且つ、前記連結決算処理手段5に前記少なくとも一つの連結パターン用のパターン別連結準備データに基づいて前記連結パターン別の連結決算処理を実行させる決算処理管理手段20と、前記連結準備データ収集手段2による前記連結準備データの収集状況及び収集された前記連結準備データに基づく前記連結決算処理手段5による前記連結決算処理の実行状況を把握するとともに、前記連結準備データの再収集が指示された場合に、前記連結準備データの再収集状況及び再収集された前記連結準備データに基づく前記連結決算処理の再実行状況を把握し、且つ、要求に応じて前記各状況をオペレータに報知する進捗状況管理手段30が構成されている。
【0082】
尚、上記進捗状況管理手段30に対する報知要求は、例えばオペレータがキーボードを操作して、報知要求情報を入力することによって行われる。この場合、オペレータからの報知要求が入力される度に、報知処理を行うようにする他、一度報知要求が入力されると、以後所定時間ごとに報知処理を実行するようにしてもよい。また、オペレータに対する報知は、ディスプレイ装置の画面上に各状況を示す情報を表示させるか、プリンタ装置によって各状況を示す情報を出力させること等によって行われる。
【0083】
図17に上記決算処理管理手段20による決算処理管理の処理手順を示す。
先ず、全ての連結パターンの連結決算処理が完了しているか否かを調べ(#21)、未完了の連結パターンの連結決算処理がある場合には、少なくとも一つの連結パターンの連結決算処理に必要な連結準備データが格納されたか否かを調べる(#22)。その結果、当該連結準備データが格納されている場合に、上記連結パターン用のパターン別連結準備データの抽出処理(#23)と、その連結パターン別連結準備データに基づく連結決算処理(#24)を実行したのち、その連結パターンの連結決算処理の完了を記憶する(#25)。尚、図示はしないが、連結準備データの再収集が指示された場合には、その再収集される連結準備データを用いる連結パターンの連結決算処理は未完了状態に記憶情報が変更される。
【0084】
次に、図18に上記進捗状況管理手段30による進捗状況管理の処理手順を示す。先ず、連結準備データの再収集が指示されたか否かを調べ(#31)、連結準備データの再収集が指示されていない場合(通常の処理の場合)には、連結パターン毎に、連結準備データの収集状況と連結決算処理の実行状況を把握する(#32〜33)。そして、報知要求がされていれば、上記連結パターン毎の連結準備データの収集状況と連結決算処理の実行状況の報知処理を実行する(#34〜35)。一方、連結準備データの再収集が指示されている場合には、その再収集される連結準備データを用いる連結パターン毎に、連結準備データの再収集状況と連結決算処理の再実行状況を把握する(#36〜37)。そして、報知要求がされていれば、上記連結パターン毎の連結準備データの再収集状況と連結決算処理の再実行状況の報知処理を実行する(#38〜39)。
【0085】
〔別実施形態〕
次に、本発明の連結決算処理システムの別実施形態を説明する。
上記実施形態では、決算処理管理手段20が、連結パターン登録手段3によって登録された全ての連結パターンのうち、少なくとも一つの連結パターンの連結決算処理に必要な連結準備データが収集され次第、連結準備データ抽出手段4によるパターン別連結準備データの抽出処理と連結決算処理手段5による連結決算処理を各連結パターン別に逐次実行するようにしたが、この他に、連結パターン登録手段3によって登録された全ての連結パターンの連結決算処理に必要な連結準備データが収集されたのち、例えば、パターン別連結準備データの抽出処理と連結決算処理を各連結パターン別に実行するか、あるいは、全ての連結パターンに対して連結準備データ抽出手段4による抽出処理を終了した後に、全ての連結パターンに対する連結決算処理を実行するようにしてもよい。
【0086】
上記実施形態において、連結準備データ記憶装置7に格納される連結準備データの一部において、第2及び第3財務諸表データがセグメント別に分類されてセグメント識別情報が付され、会社間相殺処理データの各項目データは、関係会社毎にセグメント別に分類されてセグメント識別情報が付されている場合を想定した。しかしながら、各関係会社から送信される連結準備データの内、例えば単一セグメント会社から送信された連結準備データに何らのセグメント識別情報が付されていない場合には、連結決算処理システム1において、その単一セグメント会社に対応するセグメント識別情報を付すようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る連結決算処理システムの一実施形態を示すブロック構成図
【図2】エラーチェック用のコントロール情報の一覧を示す図
【図3】エラーチェック用のコントロール情報の具体例を示す図
【図4】エラーチェック用のコントロール情報の具体例を示す図
【図5】エラーチェック用のコントロール情報の具体例を示す図
【図6】エラーチェック用のコントロール情報の具体例を示す図
【図7】エラーチェック用のコントロール情報の具体例を示す図
【図8】エラーチェック用のコントロール情報の具体例を示す図
【図9】エラーチェック項目の一覧を示す図
【図10】連結パターンの一例を示す説明図
【図11】図10に示す連結パターンに対応する連結パターンデータの内容を示す説明図
【図12】連結パターンの他の一例を示す説明図
【図13】図12に示す連結パターンに対応する連結パターンデータの内容を示す説明図
【図14】図11に例示した連結パターンデータに対する連結準備データ抽出手段の処理内容の一例を説明する説明図
【図15】図13に例示した連結パターンデータに対する連結準備データ抽出手段の処理内容の一例を説明する説明図
【図16】本発明に係る連結決算処理システムの処理手順の流れを説明する工程図
【図17】本発明に係る連結決算処理システムの処理手順の流れを説明する工程図
【図18】本発明に係る連結決算処理システムの処理手順の流れを説明する工程図
【符号の説明】
1 連結決算処理システム
2 連結準備データ収集手段
3 連結パターン登録手段
4 連結準備データ抽出手段
5 連結決算処理手段
6 連結決算データ出力手段
7 連結準備データ記憶装置
8 連結パターンデータ記憶装置
9 パターン別連結準備データ記憶装置
10 連結決算データ記憶装置
11 システム管理手段
12〜14 コンピュータ端末
15 通信ネットワーク
20 決算処理管理手段
30 進捗状況管理手段
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンピュータ処理により連結決算処理を行う連結決算処理システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
コンピュータ処理により連結決算処理を行う連結決算処理システムとしては、証券取引法の要請に基づく親会社を頂点とする制度連結決算の必要性から、連結会社等の関係会社から収集された財務諸表データ及び連結決算処理に必要な連結準備資料データからなる連結準備データに基づき、上記の制度連結決算に必要なデータ処理を行うものがあり、また、上記の制度会計上の連結決算処理に加えて、グループ企業間のグループ経営管理の要請から親会社を頂点とする管理連結決算に対応した複数の連結会計帳簿を生成できる連結決算処理システムも存在する(例えば、特許文献1参照)。かかる従来の連結決算処理システムでは、連結準備資料データには、非連結会社との間での取引データや、債権・債務データが含まれるため、会社間相殺処理に必要な連結会社間のデータを抽出して当該会社間相殺処理が実行される(例えば、特許文献2参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−84304号公報(第4−10頁、図1、図6)
【特許文献2】
特開平11−203373号公報(第3−5頁、図1〜図8)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
関係会社から連結決算実施主体となる親会社に提供された連結準備データについて、従来では、オペレータ(連結決算担当者)が目視でエラーの有無をチェックする場合が多かったので、収集データのエラーチェックに手間がかかりデータチェック期間が長くなる不都合があるとともに、チェック漏れのために連結決算処理に入った後でエラーが見つかり、正しいデータを再収集して連結決算処理を再度実行する手戻りの発生が増加する不都合があった。
また、従来では、連結決算処理プロセスの進捗、例えば収集した連結準備データにエラー等があって連結準備データの再収集が指示された場合に、連結準備のデータの再収集処理の状況を把握して、連結決算処理を再実行させることについては、オペレータの注意力に依存していたので、オペレータの判断ミス等によって、連結決算処理プロセスの進捗状況が的確に把握できず、処理漏れが発生するおそれがあった。
【0005】
ところで、制度会計上の連結決算処理においては、従来の証券取引法の要請に基づく親会社を頂点とする制度連結決算に加えて、商法の要請に基づく子会社を頂点とする制度連結決算の必要性が生じ、更には、管理会計上においても、親会社だけでなく、子会社を頂点とする管理連結決算に対するニーズも高まってきている。つまり、グループ企業内において、親会社だけでなく中堅の子会社も、制度会計及び管理会計上の連結決算処理の実施主体となる必要性が生じている。更に、制度会計、管理会計の連結決算の必要性に伴い、連結決算の目的として、連結決算ベースでの実績作成の他に、予算作成、期中における見込作成といった連結決算処理の業務ニーズも高まってきている。
【0006】
しかしながら、従来の連結決算処理システムでは、複数の実施主体に対応した複数の連結パターンに対して処理できるものは存在していなかったので、かかる複数の連結パターンの連結決算処理を実施しようとすれば、各実施主体会社に夫々連結決算処理システムを備える必要があった。このように実施主体会社毎に連結決算処理システムを備えた場合、各実施主体会社に共通の子会社や関連会社では、各実施主体会社に対して夫々別個に連結決算処理に必要な財務諸表データや連結準備資料データを提供する必要があり、また、かかる連結決算処理に必要なデータは通常、連結パターン毎に異なるため、データ提供側の負担は過大なものとなるおそれがある。特に、この場合、各実施主体会社に提供された連結準備データについてのエラーチェックは、各実施主体会社のオペレータが個々に重複して行うことになるので、全体としてデータチェックの手間が増えるとともに、チェック漏れの発生数が増えて、連結決算処理を再度実行する手戻りがさらに増加するおそれもある。
【0007】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、その第1の目的は、収集した連結準備データのエラーチェックを迅速且つ的確に行うとともに、連結決算処理に入った後の手戻りの発生も適切に削減することが可能となる連結決算処理システムを提供する点にある。
また、第2の目的は、連結準備データの収集と連結決算処理の実行について、特に連結準備データが再収集される通常とは異なる場合においても、連結決算処理プロセスの進捗状況をオペレータが的確に把握して、処理漏れを防止することが可能となる連結決算処理システムを提供する点にある。
また、第3の目的は、上記第1または第2の目的に加えて、連結準備データを提供する側の負担を軽減しつつ、複数の実施主体に対応した複数の連結パターンに対して連結決算処理が可能となる連結決算処理システムを提供する点にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記第1の目的を達成するための本発明に係る連結決算処理システムの第一の特徴構成は、特許請求の範囲の欄の請求項1に記載した如く、複数の関係会社から、各関係会社の財務諸表データ及び連結決算処理に必要な連結準備資料データからなる連結準備データを収集し、且つ、その収集した連結準備データについてエラーの有無をチェックした後のエラーチェック済み連結準備データを連結準備データ記憶装置に格納する連結準備データ収集手段と、前記連結準備データ記憶装置に格納された前記エラーチェック済み連結準備データに基づいて、連結決算処理を実行して所定の連結仕訳明細データを作成する連結決算処理手段とを備えてなる点にある。
【0009】
尚、財務諸表データとは、損益計算書、貸借対照表、剰余金計算書などを構成するデータである。また、連結決算処理に必要な連結準備資料データは、連結決算処理において連結会社の相互間で相殺処理を行うための会社間相殺処理データを含む。会社間相殺処理データは、受取配当金、資本増減、その他剰余金、債権・債務残高、収益・費用取引、固定資産購入明細、棚卸資産の期末残高明細、有価証券・土地の売却明細等に関して、相手側会社を識別可能に分類されているデータである。また、連結準備資料データとして、会社間相殺処理データ以外に、連結キャッシュフローの作成に用いられる固定資産等増減明細、投資等増減明細、有利子負債増減等に関するデータが含まれていても構わない。更に、連結準備データは、財務諸表データ及び連結準備資料データ以外に、税効果明細等の種々の注記情報を含んでいても構わない。また、財務諸表データ及び連結準備資料データ等は、実績データに限らず、計画データまたは実績データと計画データの両方であっても構わない。
【0010】
また、連結決算処理の対象となる関係会社には、連結決算処理の連結範囲内にある連結会社は当然に含まれるが、連結決算処理の連結範囲外となる非連結会社であっても当該非連結会社に関する連結準備資料データの一部が連結決算処理に必要な場合には、当該非連結会社も含まれる。例えば、非連結会社の一部を持分法によって処理する場合や、貸借対照表中において債権・債務のうち非連結会社に対するものを分離して処理する場合等で該当する。従って、連結決算処理の対象となる関係会社と連結決算処理の連結範囲内にある連結会社とは、連結決算処理の内容によって異なる場合があり、本明細書においては、両者を区別して用いる。
【0011】
同第二の特徴構成は、特許請求の範囲の欄の請求項2に記載した如く、上記第一の特徴構成に加えて、前記連結準備データ収集手段が、予め用意したエラーチェック用のコントロール情報に基づいて前記エラーチェックを行う点にある。
【0012】
尚、上記エラーチェック用のコントロール情報には、例えば、関係会社のリストと各関係会社のコード、各会社別の事業の種類を表わすセグメントコード、各会社コードの債権債務勘定科目及び収益費用勘定科目、制度連結決算の実施月に実施すべき項目、会社別前期末残高などを含む。
【0013】
同第三の特徴構成は、特許請求の範囲の欄の請求項3に記載した如く、上記第一または第二の特徴構成に加えて、前記連結準備データ収集手段が、連結決算の目的が予算、見込及び実績の作成のうちの何れであるかによって、収集する連結準備データの内容及び前記エラーチェックの内容を変更する点にある。
なお、連結決算処理に使用する財務諸表データ及び連結準備資料データ等について、予算の作成が目的の場合は計画データを使用し、見込の作成が目的の場合は現在時点までの実績データと計画データを使用し、実績の作成が目的の場合は期末における実績データを使用する。
【0014】次に、前記第2の目的を達成するための本発明に係る連結決算処理システムの特徴構成は、特許請求の範囲の欄の請求項4に記載した如く、複数の関係会社から、各関係会社の財務諸表データ及び連結決算処理に必要な連結準備資料データからなる連結準備データを収集して、連結準備データ記憶装置に格納する連結準備データ収集手段と、前記連結準備データ記憶装置に格納された前記連結準備データに基づいて、連結決算処理を実行して所定の連結仕訳明細データを作成する連結決算処理手段と、前記連結準備データの収集状況及び収集された前記連結準備データに基づく前記連結決算処理の実行状況を把握するとともに、前記連結準備データの再収集が指示された場合に、前記連結準備データの再収集状況及び再収集された前記連結準備データに基づく前記連結決算処理の再実行状況を把握し、且つ、要求に応じて前記各状況をオペレータに報知する進捗状況管理手段とを備えてなる点にある。
【0015】上記連結準備データの再収集が指示される場合としては、例えば、関係会社から収集した連結準備データについてエラーチェックによりエラーの存在が発見されて、前記連結準備データ収集手段によって指示される場合や、あるいは、連結決算処理に入った後、連結決算処理で正常でない決算内容が得られたので、オペレータが連結準備データを確認した結果、エラーの存在を発見して再収集を指示するような場合などが該当する。また、報知は、例えば画像表示装置の画面に各状況を表わす情報を表示させて行う。
【0016】
次に、前記第3の目的を達成するための本発明に係る連結決算処理システムの第一の特徴構成は、特許請求の範囲の欄の請求項5に記載した如く、上記第1の目的または第2の目的を達成するためのいずれかの特徴構成に加えて、前記連結準備データ収集手段が、前記連結準備資料データとして、最大連結範囲の連結決算処理に必要な連結準備資料データを収集し、さらに、少なくとも連結決算処理の対象となる関係会社に関する情報を含む連結パターンデータを連結パターン別に複数パターン登録可能な連結パターン登録手段と、前記連結準備データ記憶装置に格納された全ての前記連結準備データの中から、前記連結パターンデータに基づいて前記連結パターン別に、連結会社の財務諸表データ及び連結決算処理の対象となる関係会社に係る前記連結準備資料データを抽出してパターン別連結準備データを生成する連結準備データ抽出手段とを備え、前記連結決算処理手段が、前記パターン別連結準備データに基づいて、前記連結パターン別に前記連結決算処理を実行する点にある。
【0017】
尚、最大連結範囲の連結決算処理に必要な連結準備資料データは、複数の関係会社全てを連結範囲とする連結決算処理において必要となる連結準備資料データ(具体的には、前記会社間相殺処理データ、連結キャッシュフローの作成に用いるデータ、前記注記情報のデータ)である。
【0018】
同第二の特徴構成は、特許請求の範囲の欄の請求項6に記載した如く、上記第一の特徴構成に加えて、前記複数の連結パターンのうちの少なくとも一つの連結パターンの連結決算処理に必要な連結準備データが前記連結準備データ記憶装置に格納された場合に、前記連結準備データ抽出手段に前記少なくとも一つの連結パターン用のパターン別連結準備データを生成させ、且つ、前記連結決算処理手段に前記少なくとも一つの連結パターン用のパターン別連結準備データに基づいて前記連結パターン別の連結決算処理を実行させる決算処理管理手段を備えている点にある。
【0019】
さらに、本発明に係る連結決算処理システムの他の好適な特徴構成は、特許請求の範囲の欄の請求項7に記載した如く、上記第1の目的、第2の目的または第3の目的を達成するためのいずれかの特徴構成に加えて、前記連結準備データに含まれる前記財務諸表データにセグメント識別情報が付され、且つ、前記連結準備データに含まれる前記連結準備資料データの内の会社間相殺処理に用いられる会社間相殺処理データがセグメント別に分類されて、そのセグメント別に分類された前記会社間相殺処理データにセグメント識別情報が付されている点にある。
【0020】
ここで、セグメントとは、各関係会社における事業の種類や事業所の所在地の区別等を表す区分である。また、管理連結決算では、各実施主体会社が自由にセグメントを定義することで、セグメント別の業績や財務状況を把握することができる。また、セグメント識別情報は、各関係会社で準備する連結準備データに予め付されていても、また、各関係会社で準備する連結準備データへのセグメント識別情報の添付が不十分な場合に、連結準備データ収集手段が補完するような形態であっても構わない。
【0021】
次に、前記各目的を達成するための本発明に係る連結決算処理用のコンピュータプログラムの特徴構成は、特許請求の範囲の欄の請求項8に記載した如く、上記各特徴構成の何れかの連結決算処理システムが備える前記各手段をコンピュータ上で各別に実現するためのプログラムを備えてなる点にある。
【0022】
以下に本発明の各特徴構成による作用並びに効果を説明する。
第1の目的を達成するための連結決算処理システムの第一の特徴構成によれば、連結準備データ収集手段が各関係会社の財務諸表データ及び連結決算処理に必要な連結準備資料データからなる連結準備データを収集して、その収集した連結準備データについてエラーの有無をチェックした後のエラーチェック済み連結準備データを連結準備データ記憶装置に格納し、連結決算処理手段が前記連結準備データ記憶装置に格納されたエラーチェック済み連結準備データに基づいて、連結決算処理を実行して所定の連結仕訳明細データを作成する。
【0023】
従って、連結準備データ収集手段が収集した連結準備データについてエラーチェックを行うので、オペレータが目視でエラーチェックする場合と違って、収集した連結準備データのエラーチェックを迅速且つ的確に行うことが可能となり、同時に、連結決算処理手段が連結決算処理に使用する連結準備データについてエラーが含まれていないので、連結決算処理の実行後に再度データを収集して連結決算処理を再実行するような手戻りの発生も適切に削減することが可能となり、第1の目的を達成する連結決算処理システムが提供される。
【0024】
同第二の特徴構成によれば、前記連結準備データ収集手段が、予め用意したエラーチェック用のコントロール情報に基づいて前記エラーチェックを行う。
すなわち、エラーチェック用のコントロール情報はエラーチェックに役立つ情報であり、例えば、一例として「前期末残高」の情報を用意し、収集したデータ中の今期の期首残高が予め用意した「前期末残高」と一致しなければ、エラーと判断する。この場合に、「前期末残高」の情報を用いない場合には、収集したデータ中の今期の期首残高だけでデータの正誤を判断するのは困難となる。
従って、予め用意したエラーチェック用のコントロール情報をエラーチェックに用いることで、収集した連結準備データだけでエラーチェックを行う場合に比べて、エラーチェック機能を強化することが可能となり、第1の目的を達成する連結決算処理システムの好適な実施形態が提供される。
【0025】
同第三の特徴構成によれば、前記連結準備データ収集手段が、連結決算の目的が予算、見込及び実績の作成のうちの何れであるかによって、収集する連結準備データの内容及び前記エラーチェックの内容を変更する。
すなわち、予算の作成が目的であれば、大まかな数値の連結準備データが収集されていればよく、また、エラーチェックもそれほど厳密に行う必要もないが、一方、連結決算の目的が実績の作成であれば、最終的に正式な決算書を作成する必要があるので、連結準備データは細かい数値まで正確に収集し、エラーチェックも厳密に行う必要がある。また、見込の作成が目的の場合は、上記予算と実績の場合の中間程度の正確さ、厳密さで行うことになる。
従って、連結決算の目的に合わせて、収集する連結準備データの内容及び前記エラーチェックの内容を変更することで、予算の作成の場合に、必要以上に正確なデータ収集や必要以上に厳密なエラーチェックを行う無駄を回避させ、逆に実績を作成する場合に、不正確なデータ収集や不十分なエラーチェックのために、必要な決算結果が得られないという不都合を回避させることが可能となり、第1の目的を達成する連結決算処理システムの好適な実施形態が提供される。
【0026】
第2の目的を達成するための連結決算処理システムの特徴構成によれば、連結準備データ収集手段が各関係会社の財務諸表データ及び連結決算処理に必要な連結準備資料データからなる連結準備データを収集して連結準備データ記憶装置に格納し、連結決算処理手段が前記連結準備データ記憶装置に格納された連結準備データに基づいて、連結決算処理を実行して所定の連結仕訳明細データを作成するときに、進捗状況管理手段が、上記連結準備データの収集状況とその収集された連結準備データに基づく連結決算処理の実行状況を把握し、要求に応じてそれらの各状況をオペレータに報知する。さらに、上記連結準備データの再収集が指示された場合には、進捗状況管理手段が、上記連結準備データの再収集状況とその再収集された連結準備データに基づく連結決算処理の再実行状況を把握し、要求に応じてそれらの各状況をオペレータに報知する。
【0027】
すなわち、オペレータは要求により進捗状況管理手段が把握している最新の連結準備データの収集状況と連結決算処理の実行状況を知ることで、連結決算処理プロセスの進捗状況を適切に判断することができる。特に、例えば収集した連結準備データにエラー等の不備があって、連結準備データが再収集される通常とは異なる処理が行われる場合に、進捗状況管理手段が把握している連結準備データの再収集状況を知ることで連結決算処理の再実行の要否を判断することができ、また、連結決算処理の再実行状況を知ることで、通常とは異なる連結決算処理プロセスの進捗状況を適切に判断して、処理漏れが発生しないようにすることができる。
従って、連結準備データの収集と連結決算処理の実行について、特に連結準備データが再収集される通常とは異なる場合においても、連結決算処理プロセスの進捗状況をオペレータが的確に把握して、処理漏れを防止することが可能となり、第2の目的を達成する連結決算処理システムが提供される。
【0028】第3の目的を達成するための連結決算処理システムの第一の特徴構成によれば、前記連結準備データ収集手段が各関係会社の財務諸表データと共に前記連結準備資料データとして最大連結範囲の連結決算処理に必要な連結準備資料データを収集して連結準備データ記憶装置に格納し、連結準備データ抽出手段が連結準備データ記憶装置に格納された全ての連結準備データの中から、連結パターン登録手段に登録されている複数の連結パターン毎に、各連結パターンの連結パターンデータが有する連結決算処理の対象となる関係会社に関する情報に基づいて、連結会社の財務諸表データ及び連結決算処理の対象となる関係会社に係る連結決算処理に必要な連結準備資料データを抽出してパターン別連結準備データを生成し、前記連結決算処理手段が上記抽出生成されたパターン別連結準備データに基づいて、連結パターン別に連結決算処理を実行して所定の連結仕訳明細データを作成する。
【0029】
すなわち、連結決算処理手段が連結決算処理を実行する際に、連結会社の財務諸表データ及び連結決算処理の対象となる関係会社に係るパターン別連結準備資料データが既に抽出生成されているので、連結決算処理手段が連結会社の財務諸表データを選択して合算処理を行ったり、連結準備資料データの中から連結会社に係る会社間相殺処理データを抽出して相殺処理を実行したりする必要がなく、複数の連結パターンでの連結決算処理が簡単かつ迅速に実行できる。
【0030】
更には、各関係会社から連結準備データ収集手段に対して提供される連結準備データとして、複数の関係会社全体を連結対象とする最も広範囲の連結パターンに対応した連結準備データを提供するだけで、連結対象範囲が縮小したり、連結処理方法が変更された他の連結パターンに対してもその一部のデータが有効であり、その有効なデータ部分としてパターン別連結準備データが連結準備データ抽出手段により連結パターン別に抽出される。つまり、各関係会社は如何なる連結パターンで連結決算処理が行われるかに関係なく所定の内容の一通りの連結準備データを一元的に提供すればよいので、各関係会社における連結準備データ提供のための負担が大幅に軽減されることになるとともに、グループ企業内での複数の連結パターンに対する連結決算処理を迅速に処理できることになる。
【0031】
ここで、各関係会社から連結準備データ収集手段に提供された連結準備データにエラーが含まれている場合に、そのエラーを含む連結準備データを連結決算処理に使用すると、複数の連結パターンの連結決算処理の多くで正常な決算結果が得られず処理の手戻りが増加して、多大な不利益を及ぼすおそれがあるが、特に第1の目的を達成するための特徴構成との組み合わせにより、収集した連結準備データについてエラーがチェックされ、エラーを含む連結準備データを用いた連結決算処理は実行されないので、特に複数の連結パターンでの連結決算処理において多大な不利益を及ぼすおそれがあるデータエラーの影響を回避させることができる。
【0032】
また、グループ企業の親会社だけでなくその子会社も、連結決算処理の実施主体として連結パターン登録手段に対して、夫々の実施する連結決算処理の対象となる関係会社に関する情報を備えてなる連結パターンデータを提供すれば、連結準備データ抽出手段が当該連結パターンデータに対応した連結パターンのパターン別連結準備データを抽出し、連結決算処理手段がそのパターン別連結準備データに基づいて連結決算処理を実行するので、各関係会社は、連結パターンデータを作成して提供するだけの手間で、自己を実施主体とする連結決算処理を迅速に実施することができる。更に、連結パターンデータを作成して提供するだけの手間であるので、連結会社の増減や子会社に対する持分比率変動等、連結決算処理の対象となる関係会社に関する情報が変更になっても、当該変更を反映させ連結パターンデータを簡単に修正することができるので、最新の関係会社相互間の情報に対応した迅速な処理が可能となる。
【0033】
更に、グループ企業を構成する複数の関係会社間で、本特徴構成の連結決算処理システムを共有或いは共用することができるので、連結決算処理の各実施主体が個別に連結決算処理システムを導入する必要がなく、経済的且つ効率的な運用が可能となる。また、連結準備データ抽出手段や連結決算処理手段の処理ロジックを変更するなどのシステム変更に対して、各関係会社に共通してかかるシステム変更を実施できる。これにより、法改正等により制度連結決算処理の内容が変更になった場合などにおけるシステム変更が1回で済むことになる。更に、連結準備データ抽出手段や連結決算処理手段を構成するコンピュータとして、複数の連結パターンに対する各処理を並行処理できる処理能力、或いは、逐次処理でも高速処理可能なものを採用することで、複数の連結決算処理を同時或いはほぼ同時に処理でき、グループ企業全体の連結決算処理の早期実施、早期発表が実現できる。
【0034】
従って、前記第1または第2の目的に加えて、連結準備データを提供する側の負担を軽減しつつ、複数の実施主体に対応した複数の連結パターンに対して連結決算処理が可能となり、前記第3の目的を達成する連結決算処理システムが提供される。
【0035】
同第二の特徴構成によれば、前記複数の連結パターンのうちの少なくとも一つの連結パターンの連結決算処理に必要な連結準備データが前記連結準備データ記憶装置に格納されると、決算処理管理手段が、前記連結準備データ抽出手段に前記少なくとも一つの連結パターン用のパターン別連結準備データを生成させるとともに、前記連結決算処理手段に上記生成された前記少なくとも一つの連結パターン用のパターン別連結準備データに基づいて前記連結パターン別の連結決算処理を実行させる。
【0036】
すなわち、決算処理管理手段が、前記連結準備データ記憶装置にアクセスして連結準備データの格納状況をチェックし、複数の連結パターンのうちの少なくとも一つの連結パターンの連結決算処理に必要な連結準備データが格納され次第、そのパターン用の連結準備データに基づく連結決算処理だけを先ず実行する。以下、他の連結パターンの連結決算処理に必要な連結準備データが格納されるに伴って、各パターン用の連結準備データに基づく連結決算処理を順次実行する。
【0037】
ここで、特に第2の目的を達成するための特徴構成との組み合わせにより、前記進捗状況管理手段によって、複数の連結パターンのうちのいずれの連結パターン用の連結準備データが連結準備データ記憶装置に格納され、また、そのパターン用の連結準備データに基づいて連結決算処理が実行される状況が報知されるので、オペレータが順次実行される各連結パターンの連結決算処理の進捗状況を的確に知ることが可能となる。
従って、前記第3の目的を達成する連結決算処理システムの好適な実施形態が提供される。
【0038】
さらに、本発明に係る連結決算処理システムの他の好適な特徴構成によれば、セグメント識別情報が付されている前記財務諸表データと、セグメント別に分類されてその分類された各セグメントにセグメント識別情報が付された前記会社間相殺処理データを用いて、制度会計上設定されたセグメントや管理会計上設定されたセグメント別の連結決算処理を行い、かかるセグメント別の連結仕訳明細データを作成することができる。
従って、前記第1、第2または第3のいずれかの目的を達成する連結決算処理システムにおいて、セグメント別の連結決算処理が可能となる好適な実施形態が提供される。
【0039】
本発明に係る連結決算処理用のコンピュータプログラムの特徴構成によれば、その連結決算処理用のコンピュータプログラムを所定のコンピュータにインストールすることで、上記各特徴構成の何れかの連結決算処理システムを当該コンピュータ上で実現することができる。
【0040】
【発明の実施の形態】
本発明に係る連結決算処理システム(以下、「本発明システム」という。)の実施の形態を、図面に基づいて説明する。
【0041】
図1に示すように、本発明システム1は、連結準備データ収集手段2、連結パターン登録手段3、連結準備データ抽出手段4、連結決算処理手段5、連結決算データ出力手段6、連結準備データ記憶装置7、連結パターンデータ記憶装置8、パターン別連結準備データ記憶装置9、連結決算データ記憶装置10、システム管理手段11、及び、その他の入出力装置や周辺装置を備えて構成される。尚、各データ記憶装置7〜10は、本発明システム1を構成するコンピュータシステムが備える1または2以上の不揮発性記憶装置に、夫々の記憶領域が割り当てられて構成される。
【0042】
また、本発明システム1の各手段2〜6,11は、本発明システム1を構成するコンピュータシステムのハードウェア資源を利用しながらソフトウェア処理によって実現される。より具体的には、本発明システム1は、本発明システム1を構成するコンピュータシステムのコンピュータ上で、連結準備データ収集手段2、連結パターン登録手段3、連結準備データ抽出手段4、連結決算処理手段5、連結決算データ出力手段6、及び、システム管理手段11の各手段を実現するための連結決算処理用のプログラムを備えている。具体的には、この本発明に係るプログラムは、CD−ROM等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体やインターネット等のデータ伝送媒体を介して、本発明システム1をハードウェア的に構成するコンピュータがアクセス可能な記録装置内にインストールされて実用に供される。
【0043】
連結準備データ収集手段2は、複数の関係会社の各コンピュータ端末12と、関係会社間を相互に接続する通信ネットワーク15を介して接続可能に構成されており、複数の関係会社の各コンピュータ端末12から所定のファイル形式で送信されてくる連結準備データを収集し、且つ、その収集した連結準備データについてエラーの有無をチェックした後のエラーチェック済み連結準備データを、各関係会社が識別可能な状態で連結準備データ記憶装置7に格納する。通信ネットワーク15は、インターネットを利用して関係会社間を接続する形態のものや、専用の通信回線を利用して構築されたLAN(ローカルエリアネットワーク)等により実現される。
【0044】
連結準備データは、各関係会社の財務諸表データ、連結決算処理に必要な連結準備資料データ、及び、その他の注記情報から構成される。財務諸表データは、損益計算書、貸借対照表、剰余金計算書などを構成するデータからなり、更に、セグメント別に分類されない第1財務諸表データと、制度会計上決められた制度セグメント別に分類され、その制度セグメントが識別可能なセグメント識別情報が付されている第2財務諸表データと、管理会計上決められた管理セグメント別に分類され、その管理セグメントが識別可能なセグメント識別情報が付されている第3財務諸表データの3種類の財務諸表データに分類される。
【0045】
連結準備資料データは、連結決算処理において連結会社の相互間で相殺処理を行うための会社間相殺処理データとそれ以外のデータからなる。会社間相殺処理データは、受取配当金、資本増減、その他剰余金、債権・債務残高、収益・費用取引、固定資産購入明細、棚卸資産の期末残高明細、有価証券・土地の売却明細等に関して、相手側会社を識別可能に分類されているデータである。また、会社間相殺処理データの各項目データには、関係会社毎にセグメント別に分類され、その分類された各項目データに夫々セグメント識別情報が付されている。会社間相殺処理データ以外の連結準備資料データとして、連結キャッシュフローの作成に用いられる固定資産等増減明細、投資等増減明細、有利子負債増減等に関するデータが含まれる。
【0046】
また、収集される財務諸表データと連結準備資料データは、連結決算処理の目的(予算、見込み、又は実績の作成のいずれか)に応じて、実績データ、計画データ、或いは、その両方の場合がある。
【0047】
注記情報として、例えば、税効果明細、有価証券明細、保有有価証券の注記、有価証券等の追加情報、デリバティブ、退職給付会計、会計方針の変更、会計方針、偶発債務、担保資産及び担保付債務、後発事象、研究開発費、設備投資、圧縮明細表、リース取引明細、役員等の兼任の状況、従業員数、借入金明細、貸付金明細、発行社債等明細、大株主情報、等のデータがある。
【0048】
連結準備データ収集手段2は、基本的には所定のファイル形式で送信されてくる連結準備データを収集するように構成されているが、各関係会社の会計処理システムの違いから、複数の収集体制を取るようにしても構わない。
例えば、連結準備データ収集手段2がWEB形式で提供する連結準備データ入力用のWEBサイトへの各コンピュータ端末12からのアクセスに対して、所定の入力書式での連結準備データ入力用シートを例えばHTML(Hyper Text Markup Language)形式又はXML(Extensible Markup Language)で各コンピュータ端末12に送信し、各コンピュータ端末12から、その連結準備データ入力用シートに入力された連結準備データを受信するように構成してもよい。また、各関係会社の会計処理システムが個々に作成した連結準備データを特定の表計算ソフトのデータ形式で受信するようにしても構わない。従って、連結準備データ収集手段2は、各種データ形式で収集した連結準備データを、連結準備データ記憶装置7に格納する前に、一定のデータ形式に変換し統一する。
【0049】
また、各関係会社の会計処理システムが個々に作成した連結準備データにおける勘定科目コードも連結勘定科目コードとして統一する必要があり、かかる変換処理を各関係会社において実行した連結準備データを収集するのが好ましい。しかし、かかる勘定科目コード変換処理が行われていない連結準備データを受信した場合には、連結準備データ収集手段2が当該勘定科目コード変換処理を実行してから連結準備データ記憶装置7に格納する。
【0050】
また、各関係会社において作成された個々の連結準備データは各関係会社において予め所定のエラーチェック処理を施しておくのが好ましい。しかし、各関係会社においてエラーチェックが十分になされていない連結準備データが受信される場合があるので、連結準備データ収集手段2がエラーの有無をチェックするエラーチェック処理(可能な場合にはエラーを訂正するエラー訂正処理を含む。)の一部又は全部を実行し、エラーチェック処理済みでエラーが無く又はエラーが訂正され、データ形式及び勘定科目コード変換処理済みの連結準備データを連結準備データ記憶装置7に格納する。但し、オペレータが手操作でエラーチェックする連結準備データの項目も一部ある。
【0051】
上記エラーチェック処理においてエラーが発見されたときは、関係会社のコンピュータ端末12に対して、連結準備データがエラーを含んでいることを知らせると共に、エラーを修正した連結準備データの再送信を要求する。この再送信は、エラーである当該データ箇所だけの再送信を要求する形態や、エラーである当該データ箇所を含む所定範囲のデータについて一括して再送信を要求する形態など、状況に応じて適当な態様が採用可能である。尚、エラーが発見されても、エラーの訂正が可能な場合は、送信されたデータにエラーが含まれていること、及び、訂正するデータの内容を知らせ、データの再送信は要求しない。
【0052】
上記連結準備データ収集手段2は、予め用意したエラーチェック用のコントロール情報に基づいて前記エラーチェックを行う。このコントロール情報の一覧表を図2に示す。以下、各コントロール情報について説明する。
・会社リストは、図3に示すように、各関係会社の会社コード、会社名、会社分類(制度連結子会社など)、及び、事業セグメントコードの対照表である。
・事業リストは、図4に示すように、事業名と事業セグメントコードの対照表である。
・債権債務勘定科目は、図5に示すように、科目コードと科目名と会社別(例えば、A,B,C,Dの4ランクに分類する)取得パターンの対照表である。
・収益費用勘定科目は、図6に示すように、科目コードと科目名と会社別(例えば、A,B,C,Dの4ランクに分類する)取得パターンの対照表である。
・整合性チェックは、図7に示すように、制度連結決算の実施月(3月及び9月)にあたり、該当するチェック内容を有効に実施するための表である。
・会社別前期末残高は、図8に示すように、各会社コードに対応させて、資本勘定科目及び各種増減明細表用勘定科目の夫々の残高を記載した表である。
・税率は、図示しないが、税率(実効税率)を入力して、税効果明細表のチェックに使用するものである。
【0053】
図9に連結準備データについてのエラーチェックの各項目の内容を示す。一部説明すれば、例えば、貸借対照表がチェック対象データの場合に、貸借金額の一致、繰延税金資産及び負債の両建表示の有無、未収消費税と未払消費税の両建表示の有無をチェックする。また、資本増減表及びその他剰余金増減表がチェック対象データの場合に、期末残高と貸借対照表の金額の一致、期首残高と前期末の貸借対照表の金額の一致、損益計算書との一致をチェックする。
【0054】
また、前記連結準備データ収集手段2は、連結決算の目的が予算、見込及び実績の作成のうちの何れであるかによって、収集する連結準備データの内容及び前記エラーチェックの内容を変更する。すなわち、連結決算の目的が実績の作成の場合は、実績データに基づいて連結準備データは各勘定項目の細かい金額まで正確なデータを収集し、エラーチェックも厳密に行う。一方、予算の作成が目的の場合は、計画データに基づいて、概略の金額のデータを収集し、エラーチェックも大よその数値が一致していればエラー無しとする。見込の作成が目的の場合は、その時点までの実績データとその時点以後の計画データとに基づいて、上記実績の場合と予算の場合の中間程度の正確さと厳密さで、データ収集及びエラーチェックを行う。
【0055】
さらに、前記連結準備データ収集手段2は、前記連結準備データとして、最大連結範囲の連結処理に必要な連結準備資料データを収集する。この最大連結範囲の連結決算処理に必要な連結準備資料データは、複数の関係会社全てを連結範囲とする連結決算処理において必要となる連結準備資料データ(具体的には、前記会社間相殺処理データ、連結キャッシュフローの作成に用いるデータ、前記注記情報のデータ)である。
【0056】
前記連結パターン登録手段3は、少なくとも連結決算処理の対象となる関係会社に関する情報を含む連結パターンデータを連結パターン別に複数パターン登録可能に構成されている。即ち、複数の関係会社の内の少なくとも連結決算処理の実施主体となる関係会社の各コンピュータ端末13と、通信ネットワーク15を介して接続可能に構成されており、各コンピュータ端末13から所定のデータ形式で送信されてくる1または2以上の連結パターンデータを各別に収集し、連結パターン別に連結パターンデータ記憶装置8に格納する。具体的には、連結パターン登録手段3は、WEB形式で提供する連結パターンデータ入力用のWEBサイトへの各コンピュータ端末13からのアクセスに対して、所定の入力書式での連結パターンデータ入力用シートをHTML形式又はXML形式で各コンピュータ端末13に送信し、各コンピュータ端末13から、その連結パターンデータ入力用シートに入力された連結パターンデータを受信するように構成する。
【0057】
各連結パターンデータは、各連結パターンの連結決算処理の連結範囲内にある連結会社を、実施主体、連結子会社、及び、持分法を適用する連結会社(持分法適用会社)を区別して特定可能な連結会社データ、同連結決算処理の連結範囲外となる非連結会社を、実施主体から見た子会社・関連会社(非連結子会社・関連会社)と親会社(非連結親会社)を区別して特定可能な非連結会社データ、連結子会社及び持分法適用会社に対する持分率を示す持分率データ、連結決算処理が実績、計画またはその両方の何れを対象とするかの処理目的識別データを備えて構成される。
【0058】
例えば、P社を親会社、A社〜K社を子会社とするグループ会社全社(複数の関係会社)において、ある連結パターンにおける実施主体、連結子会社、持分法適用会社、非連結会社及び株式保有率が図10に示すように設定されている場合、その連結パターンデータの連結会社データと持分率データの内容は、図11に示すようになる。連結子会社または持分法適用会社が例えばE社のように直接株式を保有する子会社でない場合は、持分率はA社に対する株式保有率にA社のE社に対する株式保有率を乗じて計算される。尚、持分率の計算は、図11の備考欄に示してある。
【0059】
また、管理会計上の連結決算における持分率については、あくまでその目的が管理会計であるので、採用する持分率を実際の株式保有率に基づかないで便宜的に100%とする等、別途設定する場合もある。
【0060】
更に、図12に示すように、実施主体がグループ会社の親会社Pではなく中堅の子会社Aである連結パターンの場合は、その連結パターンデータの連結会社データと持分率データの内容は、図13に示すようになる。このように連結パターンデータは種々の連結パターンに対応して登録される。
【0061】
連結準備データ抽出手段4は、前記連結準備データ記憶装置に格納された全ての前記連結準備データの中から、前記連結パターンデータに基づいて前記連結パターン別に、連結会社の財務諸表データ及び連結決算処理の対象となる関係会社に係る前記連結準備資料データを抽出してパターン別連結準備データを生成する。即ち、予め設定されたタイミング或いは外部からの起動指令入力によって、例えば、連結決算処理手段5が連結決算処理を実行する直前に、連結決算処理が実行される連結パターン別に、以下のパターン別連結準備データの抽出処理を実行する。先ず、連結パターンデータを連結パターンデータ記憶装置8から読み出し、連結準備データ記憶装置7に格納された全ての連結準備データの中から、読み出した連結パターンデータ中の連結会社に関する財務諸表データと所定の連結準備資料データを抽出する。所定の連結準備資料データとしては、前記連結会社間の会社間相殺処理データを抽出する。ここで、連結パターンデータで特定される連結決算処理が実績データ或いは計画データに対するものかの区別に応じて、財務諸表データと所定の連結準備資料データが抽出される。
【0062】
連結準備データ抽出手段4は、読み出した連結パターンデータ中に非連結子会社・関連会社と非連結の親会社が存在すれば、所定の連結準備資料データとして、前記連結会社の債権・債務データの中から当該非連結子会社・関連会社と当該非連結親会社を相手方とする債権・債務データを抽出する。そして、当該非連結子会社・関連会社と当該非連結親会社を相手方とする債権・債務データにおける債権・債務金額を合計し、前記連結会社の貸借対照表において、合計した債権・債務金額を債権・債務から非連結会社の債権・債務に振替処理を行う。当該振替処理は当該非連結子会社・関連会社と当該非連結親会社を区別して行っても、統合して行ってもよい。非連結の親会社が存在するのは、連結決算処理の実施主体が、グループ会社の頂点にある親会社でなく、中間の会社の場合である。
更に、読み出した連結パターンデータ中に持分法適用会社が存在すれば、連結準備データ記憶装置7に格納された全ての連結準備データの中から、当該持分法適用会社の利益を持分法処理用データとして各別に抽出する。
【0063】
以上の連結パターン別に抽出された連結会社に関する財務諸表データ、連結会社間の会社間相殺処理データ、及び、持分法処理用データをパターン別連結準備データとして、連結パターン別にパターン別連結準備データ記憶装置9に格納する。尚、抽出された非連結子会社・関連会社と非連結親会社を相手方とする債権・債務データは、貸借対照表における非連結会社の債権・債務への振替処理が終了すれば必要ない。
【0064】
以上の連結準備データ抽出手段4の処理を、図11に例示した連結パターンデータについて、図14に基づいて説明する。図14において、図11に例示した連結パターンデータの連結パターンについてパターン別連結準備データが抽出される場合が図示されている。
【0065】
連結準備データ記憶装置7に格納されているP社及びA社〜K社のグループ全社の連結準備データの中から、P社、A社〜E社、及び、H社の7社の連結会社についての連結準備データが抽出される。抽出された各連結会社の連結準備データの内、収益・費用取引データや債権・債務データ等の会社間相殺処理データについては、7社の連結会社間のデータだけが抽出される。図14において、P社の収益・費用取引データと債権・債務データについては、相手先がA社〜E社、及び、H社のデータだけが抽出される。
【0066】
次に、図11に示す連結パターンデータにおいて、G社が持分法適用会社として、F社及びI社〜K社の4社が非連結子会社として規定されているので、貸借対照表における非連結会社の債権・債務への振替処理が、連結会社毎に実行される。具体的にP社の貸借対照表上の債権について説明すると、貸借対照表上の債権が「300」とした場合に、債権・債務データの内のG社、F社及びI社〜K社の5社の債権額が合計され、合計された債権金額「50」であるとすると、貸借対照表上、その「50」が債権から非連結子会社・関連会社の債権に振り替えられ、債権は「250」となる。従来の単一連結パターンでの連結決算処理では、かかる振替処理が各関係会社においてなされ、連結準備データとして含まれていたものを、本発明システムでは、複数の連結パターンに対応して各別に自動的に処理される。また、図11に示す連結パターンデータにおいて、G社が持分法適用会社であるので、G社の利益額が持分法処理用データとして抽出される。
【0067】
更に、連結準備データ抽出手段4の処理を、図13に例示した連結パターンデータについて、図15に基づいて説明する。図15において、図13に例示した連結パターンデータの連結パターンについてパターン別連結準備データが抽出される場合が図示されている。
【0068】
連結準備データ記憶装置7に格納されているP社及びA社〜K社のグループ全社の連結準備データの中から、A社、D社、及び、E社の3社の連結会社についての連結準備データが抽出される。抽出された各連結会社の連結準備データの内、収益・費用取引データや債権・債務データ等の会社間相殺処理データについては、3社の連結会社間のデータだけが抽出される。図15において、A社の収益・費用取引データと債権・債務データについては、相手先がD社及びE社のデータだけが抽出される。
【0069】
次に、図13に示す連結パターンデータにおいて、F社の1社が非連結会社として規定されているので、貸借対照表における非連結会社の債権・債務への振替処理が、連結会社毎に実行される。具体的にA社の貸借対照表上の債権について説明すると、貸借対照表上の債権が「300」とした場合に、債権・債務データの内のF社の債権額が「10」であるとすると、貸借対照表上、その「10」が債権から非連結子会社・関連会社の債権に振り替えられ、債権は「290」となる。従来の単一連結パターンでの連結決算処理では、かかる振替処理が各関係会社においてなされ、連結準備データとして含まれていたものを、本発明システム1では、複数の連結パターンに対応して各別に自動的に処理される。
【0070】
連結決算処理手段5は、基本的には、前記連結準備データ記憶装置7に格納された前記エラーチェック済み連結準備データに基づいて、連結決算処理を実行して所定の連結仕分明細データを作成するが、上記のように連結パターン別に連結準備データが抽出されているので、実際は、前記パターン別連結準備データに基づいて、前記連結パターン別に前記連結決算処理を実行する。即ち、予め設定されたタイミング或いは外部からの起動指令入力によって、例えば、連結準備データ抽出手段4がパターン別連結準備データの抽出処理を実行した後に、連結パターン別に、以下の連結決算処理を実行する。
【0071】
先ず、連結決算処理手段5は、パターン別連結準備データ記憶装置9に格納されたパターン別連結準備データを読み出して、連結会社に関する財務諸表データに基づく合算処理と、合算処理後の連結会社間の会社間相殺処理データに基づく相殺消去処理と、連結パターンデータで特定される持分率に従った少数株主持分及び少数株主損益の計算処理とを行い、所定の連結仕訳明細データを作成する。ここで、連結準備データ記憶装置7に格納された連結準備データの財務諸表データ、連結決算処理に必要な連結準備資料データの一部にはセグメント識別情報が付されているので、連結決算処理においては、売上高、営業費用、資産等の所定の項目については、セグメント識別情報に基づいてセグメント別の集計処理も実行され、セグメント別に仕分けされた連結仕訳明細データが作成される。
【0072】
更に、連結決算処理手段5は、連結パターンデータで持分法適用会社が指定されている場合は、パターン別連結準備データの持分法処理用データに基づいて、連結パターンデータで特定される持分率に従った持分法損益の連結仕訳明細データを作成する。また、作成された連結仕訳明細データは連結決算データ記憶装置10に格納される。上記各処理は、基本的には通常の連結決算処理における処理と同じであるので、詳細な説明は割愛する。
【0073】
前記連結決算データ出力手段6は、複数の関係会社の各コンピュータ端末14と、通信ネットワーク15を介して接続可能に構成されており、連結決算データ出力手段6が提供するWEB形式での連結仕訳明細や連結財務諸表や注記事項等を閲覧可能なWEBサイトに各コンピュータ端末13からアクセスすると、閲覧を希望する連結仕訳明細、連結財務諸表、注記事項等をHTML形式で各コンピュータ端末13に送信可能に構成されている。従って、連結決算データ出力手段6は、WEBサーバとして機能するとともに、連結決算データ記憶装置10に格納された連結パターン毎の連結仕訳明細データや連結準備データ記憶装置7に格納された連結準備データの付記情報等をHTML形式のデータに変換して閲覧容易な構成にするHTML形式データ作成手段を備えている。尚、連結決算データ出力手段6は、上記のHTML形式データ作成手段に代えて、XML形式データ作成手段を備えていてもよい。また、連結財務諸表としては、連結精算表、連結損益計算書、連結貸借対照表、連結剰余金計算書、連結キャッシュフロー計算書等があり、これらは連結仕訳明細から作成される。連結決算データ出力手段6は、本発明の本旨ではなく、公知技術を適用して実現されるので、詳細な構成並びに動作の説明は割愛する。
【0074】
尚、連結決算データ出力手段6として、連結仕訳明細を画像表示するディスプレイ端末や、連結仕訳明細をプリント出力するプリンタ装置等の本発明システムを構成するコンピュータシステムの周辺装置も含まれる。
【0075】
次に、上記各手段2〜6の処理手順について、図16に基づいて説明する。尚、各手段2〜6の処理内容については既に説明してあるので、ここでは説明の重複は避ける。グループ会社における複数パターンの連結決算処理が年間を通じて定期的に実施される場合、各実施における連結準備データ収集手段2、連結準備データ抽出手段4、及び、連結決算処理手段5の一連の処理は当該実施時期に合わせて実行される。
【0076】
連結準備データ収集手段2による各関係会社からの連結準備データの収集及びエラーチェック処理(#11)は、前記実施時期より所定日数前に各関係会社の各コンピュータ端末12から連結準備データ収集手段2へアクセスされて実行される。連結準備データの収集及びエラーチェック処理(#11)は、全ての関係会社からのアクセスに基づいて実行されるが、各アクセスは必ずしも同時でなくても構わない。
【0077】
次に、連結パターン登録手段3による各実施主体会社からの連結パターンデータの収集登録処理(#12)が、前記実施時期より所定日数前に各実施主体会社の各コンピュータ端末13から連結パターン登録手段3へのアクセスによって実行される。但し、連結パターンデータの収集登録処理(#12)は、新たな連結パターンで連結決算処理が実施される場合、及び、既存の連結パターンにおいて前回実施された連結決算処理で使用された連結パターンデータに変更が有る場合において実行される。既存の連結パターンにおいて前回実施された連結決算処理で使用された連結パターンデータがそのまま使用できる場合は、本処理(#12)は不要である。尚、連結準備データの収集及びエラーチェック処理(#11)と連結パターンデータの収集登録処理(#12)は何れを先に実施しても構わないし、実施時期が重なっても構わない。
【0078】
連結準備データの収集及びエラーチェック処理(#11)と連結パターンデータの収集登録処理(#12)が完了すると、連結準備データ抽出手段4によるパターン別連結準備データの抽出処理(#13)が実行される。
【0079】
連結決算処理手段5による連結決算処理(#14)は、連結パターン別に、パターン別連結準備データの抽出処理(#13)が実行された後に自動的に、或いは、当該連結パターンの実施主体会社のコンピュータ端末13からの起動指令入力によって実行される。尚、ここで、パターン別連結準備データの抽出処理(#13)と連結決算処理(#14)は、各連結パターンについて当該順序で実行されれば十分である。
【0080】
連結決算データ出力手段6による出力処理(#15)は、連結決算処理手段5による連結決算処理(#14)が完了した後、各関係会社の各コンピュータ端末14からアクセスに応じて、或いは、画像表示やプリント出力指令に応じて、各コンピュータ端末13、或いは、ディスプレイ端末やプリンタ装置に、連結仕訳明細等が出力される。
【0081】
次に、前記システム管理手段11は、上記各手段2〜6による処理の進捗状況を把握し、また連結決算処理を管理している。そして、図1に示すように、前記システム管理手段11内に、前記複数の連結パターンのうちの少なくとも一つの連結パターンの連結決算処理に必要な連結準備データが前記連結準備データ記憶装置7に格納された場合に、前記連結準備データ抽出手段4に前記少なくとも一つの連結パターン用のパターン別連結準備データを生成させ、且つ、前記連結決算処理手段5に前記少なくとも一つの連結パターン用のパターン別連結準備データに基づいて前記連結パターン別の連結決算処理を実行させる決算処理管理手段20と、前記連結準備データ収集手段2による前記連結準備データの収集状況及び収集された前記連結準備データに基づく前記連結決算処理手段5による前記連結決算処理の実行状況を把握するとともに、前記連結準備データの再収集が指示された場合に、前記連結準備データの再収集状況及び再収集された前記連結準備データに基づく前記連結決算処理の再実行状況を把握し、且つ、要求に応じて前記各状況をオペレータに報知する進捗状況管理手段30が構成されている。
【0082】
尚、上記進捗状況管理手段30に対する報知要求は、例えばオペレータがキーボードを操作して、報知要求情報を入力することによって行われる。この場合、オペレータからの報知要求が入力される度に、報知処理を行うようにする他、一度報知要求が入力されると、以後所定時間ごとに報知処理を実行するようにしてもよい。また、オペレータに対する報知は、ディスプレイ装置の画面上に各状況を示す情報を表示させるか、プリンタ装置によって各状況を示す情報を出力させること等によって行われる。
【0083】
図17に上記決算処理管理手段20による決算処理管理の処理手順を示す。
先ず、全ての連結パターンの連結決算処理が完了しているか否かを調べ(#21)、未完了の連結パターンの連結決算処理がある場合には、少なくとも一つの連結パターンの連結決算処理に必要な連結準備データが格納されたか否かを調べる(#22)。その結果、当該連結準備データが格納されている場合に、上記連結パターン用のパターン別連結準備データの抽出処理(#23)と、その連結パターン別連結準備データに基づく連結決算処理(#24)を実行したのち、その連結パターンの連結決算処理の完了を記憶する(#25)。尚、図示はしないが、連結準備データの再収集が指示された場合には、その再収集される連結準備データを用いる連結パターンの連結決算処理は未完了状態に記憶情報が変更される。
【0084】
次に、図18に上記進捗状況管理手段30による進捗状況管理の処理手順を示す。先ず、連結準備データの再収集が指示されたか否かを調べ(#31)、連結準備データの再収集が指示されていない場合(通常の処理の場合)には、連結パターン毎に、連結準備データの収集状況と連結決算処理の実行状況を把握する(#32〜33)。そして、報知要求がされていれば、上記連結パターン毎の連結準備データの収集状況と連結決算処理の実行状況の報知処理を実行する(#34〜35)。一方、連結準備データの再収集が指示されている場合には、その再収集される連結準備データを用いる連結パターン毎に、連結準備データの再収集状況と連結決算処理の再実行状況を把握する(#36〜37)。そして、報知要求がされていれば、上記連結パターン毎の連結準備データの再収集状況と連結決算処理の再実行状況の報知処理を実行する(#38〜39)。
【0085】
〔別実施形態〕
次に、本発明の連結決算処理システムの別実施形態を説明する。
上記実施形態では、決算処理管理手段20が、連結パターン登録手段3によって登録された全ての連結パターンのうち、少なくとも一つの連結パターンの連結決算処理に必要な連結準備データが収集され次第、連結準備データ抽出手段4によるパターン別連結準備データの抽出処理と連結決算処理手段5による連結決算処理を各連結パターン別に逐次実行するようにしたが、この他に、連結パターン登録手段3によって登録された全ての連結パターンの連結決算処理に必要な連結準備データが収集されたのち、例えば、パターン別連結準備データの抽出処理と連結決算処理を各連結パターン別に実行するか、あるいは、全ての連結パターンに対して連結準備データ抽出手段4による抽出処理を終了した後に、全ての連結パターンに対する連結決算処理を実行するようにしてもよい。
【0086】
上記実施形態において、連結準備データ記憶装置7に格納される連結準備データの一部において、第2及び第3財務諸表データがセグメント別に分類されてセグメント識別情報が付され、会社間相殺処理データの各項目データは、関係会社毎にセグメント別に分類されてセグメント識別情報が付されている場合を想定した。しかしながら、各関係会社から送信される連結準備データの内、例えば単一セグメント会社から送信された連結準備データに何らのセグメント識別情報が付されていない場合には、連結決算処理システム1において、その単一セグメント会社に対応するセグメント識別情報を付すようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る連結決算処理システムの一実施形態を示すブロック構成図
【図2】エラーチェック用のコントロール情報の一覧を示す図
【図3】エラーチェック用のコントロール情報の具体例を示す図
【図4】エラーチェック用のコントロール情報の具体例を示す図
【図5】エラーチェック用のコントロール情報の具体例を示す図
【図6】エラーチェック用のコントロール情報の具体例を示す図
【図7】エラーチェック用のコントロール情報の具体例を示す図
【図8】エラーチェック用のコントロール情報の具体例を示す図
【図9】エラーチェック項目の一覧を示す図
【図10】連結パターンの一例を示す説明図
【図11】図10に示す連結パターンに対応する連結パターンデータの内容を示す説明図
【図12】連結パターンの他の一例を示す説明図
【図13】図12に示す連結パターンに対応する連結パターンデータの内容を示す説明図
【図14】図11に例示した連結パターンデータに対する連結準備データ抽出手段の処理内容の一例を説明する説明図
【図15】図13に例示した連結パターンデータに対する連結準備データ抽出手段の処理内容の一例を説明する説明図
【図16】本発明に係る連結決算処理システムの処理手順の流れを説明する工程図
【図17】本発明に係る連結決算処理システムの処理手順の流れを説明する工程図
【図18】本発明に係る連結決算処理システムの処理手順の流れを説明する工程図
【符号の説明】
1 連結決算処理システム
2 連結準備データ収集手段
3 連結パターン登録手段
4 連結準備データ抽出手段
5 連結決算処理手段
6 連結決算データ出力手段
7 連結準備データ記憶装置
8 連結パターンデータ記憶装置
9 パターン別連結準備データ記憶装置
10 連結決算データ記憶装置
11 システム管理手段
12〜14 コンピュータ端末
15 通信ネットワーク
20 決算処理管理手段
30 進捗状況管理手段
Claims (8)
- 複数の関係会社から、各関係会社の財務諸表データ及び連結決算処理に必要な連結準備資料データからなる連結準備データを収集し、且つ、その収集した連結準備データについてエラーの有無をチェックした後のエラーチェック済み連結準備データを連結準備データ記憶装置に格納する連結準備データ収集手段と、
前記連結準備データ記憶装置に格納された前記エラーチェック済み連結準備データに基づいて、連結決算処理を実行して所定の連結仕訳明細データを作成する連結決算処理手段とを備えてなる連結決算処理システム。 - 前記連結準備データ収集手段が、予め用意したエラーチェック用のコントロール情報に基づいて前記エラーチェックを行うことを特徴とする請求項1記載の連結決算処理システム。
- 前記連結準備データ収集手段が、連結決算の目的が予算、見込及び実績の作成のうちの何れであるかによって、収集する連結準備データの内容及び前記エラーチェックの内容を変更することを特徴とする請求項1又は2記載の連結決算処理システム。
- 複数の関係会社から、各関係会社の財務諸表データ及び連結決算処理に必要な連結準備資料データからなる連結準備データを収集して、連結準備データ記憶装置に格納する連結準備データ収集手段と、
前記連結準備データ記憶装置に格納された前記連結準備データに基づいて、連結決算処理を実行して所定の連結仕訳明細データを作成する連結決算処理手段と、
前記連結準備データの収集状況及び収集された前記連結準備データに基づく前記連結決算処理の実行状況を把握するとともに、前記連結準備データの再収集が指示された場合に、前記連結準備データの再収集状況及び再収集された前記連結準備データに基づく前記連結決算処理の再実行状況を把握し、且つ、要求に応じて前記各状況をオペレータに報知する進捗状況管理手段とを備えてなる連結決算処理システム。 - 前記連結準備データ収集手段が、前記連結準備資料データとして、最大連結範囲の連結決算処理に必要な連結準備資料データを収集し、
少なくとも連結決算処理の対象となる関係会社に関する情報を含む連結パターンデータを連結パターン別に複数パターン登録可能な連結パターン登録手段と、
前記連結準備データ記憶装置に格納された全ての前記連結準備データの中から、前記連結パターンデータに基づいて前記連結パターン別に、連結会社の財務諸表データ及び連結決算処理の対象となる関係会社に係る前記連結準備資料データを抽出してパターン別連結準備データを生成する連結準備データ抽出手段とを備え、
前記連結決算処理手段が、前記パターン別連結準備データに基づいて、前記連結パターン別に前記連結決算処理を実行することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の連結決算処理システム。 - 前記複数の連結パターンのうちの少なくとも一つの連結パターンの連結決算処理に必要な連結準備データが前記連結準備データ記憶装置に格納された場合に、前記連結準備データ抽出手段に前記少なくとも一つの連結パターン用のパターン別連結準備データを生成させ、且つ、前記連結決算処理手段に前記少なくとも一つの連結パターン用のパターン別連結準備データに基づいて前記連結パターン別の連結決算処理を実行させる決算処理管理手段を備えていることを特徴とする請求項5に記載の連結決算処理システム。
- 前記連結準備データに含まれる前記財務諸表データにセグメント識別情報が付され、且つ、前記連結準備データに含まれる前記連結準備資料データの内の会社間相殺処理に用いられる会社間相殺処理データがセグメント別に分類されて、そのセグメント別に分類された前記会社間相殺処理データにセグメント識別情報が付されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の連結決算処理システム。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の連結決算処理システムが備える前記各手段をコンピュータ上で実現するためのプログラムを備えてなる連結決算処理用のコンピュータプログラム。
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