JP2004118056A - アナモルフィックコンバータレンズ - Google Patents
アナモルフィックコンバータレンズ Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004118056A JP2004118056A JP2002283791A JP2002283791A JP2004118056A JP 2004118056 A JP2004118056 A JP 2004118056A JP 2002283791 A JP2002283791 A JP 2002283791A JP 2002283791 A JP2002283791 A JP 2002283791A JP 2004118056 A JP2004118056 A JP 2004118056A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- lens
- cylinder
- rotating
- rotating cylinder
- camera
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Abstract
【課題】アナモルフィックレンズを用いて撮影を行うときの操作性を向上させる。
【解決手段】アナモルフィックコンバータレンズ1は、取り付け筒3、回転筒5、切り替え筒7、レンズ9により構成される。回転筒5の後端は取り付け筒3に取り付けられる。取り付け筒3は回転筒5の回転負荷を軽減するベアリングとしても機能する。回転筒5の先端には、錘7bにより回転筒5の回転方向の重心位置を切り替える切り替え筒7が回転可能に取り付けられる。レンズ9は、被写体を一方向に圧縮するアナモルフィックレンズであり回転筒5の開口5cに組み込まれる。取り付け筒3をカメラの撮影レンズ前方に取り付けると、回転筒5は切り替え筒7とともに重り7bを鉛直方向に向けるように回転するので、カメラの姿勢にかかわらず被写体の圧縮方向を常に一定にすることができる。
【選択図】 図3
【解決手段】アナモルフィックコンバータレンズ1は、取り付け筒3、回転筒5、切り替え筒7、レンズ9により構成される。回転筒5の後端は取り付け筒3に取り付けられる。取り付け筒3は回転筒5の回転負荷を軽減するベアリングとしても機能する。回転筒5の先端には、錘7bにより回転筒5の回転方向の重心位置を切り替える切り替え筒7が回転可能に取り付けられる。レンズ9は、被写体を一方向に圧縮するアナモルフィックレンズであり回転筒5の開口5cに組み込まれる。取り付け筒3をカメラの撮影レンズ前方に取り付けると、回転筒5は切り替え筒7とともに重り7bを鉛直方向に向けるように回転するので、カメラの姿勢にかかわらず被写体の圧縮方向を常に一定にすることができる。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アナモルフィックコンバータレンズに関し、更に詳しくは被写体を好みの方向に圧縮して撮影することを可能にするアナモルフィックコンバータレンズに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
1眼レフカメラ、コンパクトカメラ、レンズ付きフィルムユニット、ビデオカメラなどの様々なカメラでは、被写体像を効果的に演出するために、様々な特殊撮影効果をもたらす各種の特殊撮影フィルタを撮影レンズの前方等に取り付けることが行われている。このような特殊フィルタには、例えば、被写体画像の特定色を吸収する色付きフィルタ、縦又は横の比率を変化させるアナモルフィックコンバータレンズ、中央画像の周囲に相似形の画像を面の数だけ写し込む多重フィルタ等が一般に市販されている。
【0003】
これら特殊フィルタのうち、被写体の1方向を圧縮することのできるアナモルフィックコンバータレンズは、被写体に「スリムになりたい。」「写真にはやせて写りたい。」という願望がある場合等に、被写体を横方向に圧縮してスリムに写すことができるといった撮影効果が演出できる。また、縦長の記念碑、看板などは、被写体を縦方向に圧縮することによって、記されている文字を見やすくすることができる。
【0004】
アナモルフィックコンバータレンズとしては、特開平7−333497号公報に記載されているような凹状円柱面レンズと、凸状円柱面レンズの2種類のレンズを組み合わせたアナモルフィックレンズを撮影レンズ前方に取り付け、被写体を1方向に対して偏倍するものが知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したような従来のアナモルフィックコンバータレンズは、カメラの角度を変えて撮影するときは、そのつどユーザ自身の手によってレンズの角度を切り替え、圧縮方向を決めなければならなかった。このために、操作手順が複雑で面倒であり、また、圧縮方向を間違えてしまうなどの誤操作も多くなってしまっていた。
【0006】
本発明は上記背景を考慮してなされたもので、ユーザーの好みに応じて圧縮方向を選択的に切り替えることができ、かつ、一旦圧縮方向を切り替えた後は、カメラを回転させても、その圧縮方向が水平面に対して一定であるアナモルフィックコンバータレンズを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明のアナモルフィックコンバータレンズは、カメラの撮影レンズ前方に取り付けられる取り付け筒と、この取り付け筒に、撮影光軸に垂直な面で回転自在となるように保持された回転筒と、この回転筒に組み込まれたアナモルフィックレンズとを備えたアナモルフィックコンバータレンズにおいて、前記カメラの姿勢に応じて回転筒を回転させる回転手段を設け、かつこの回転手段を、被写体圧縮方向を常に水平方向にする第1の状態と、被写体圧縮方向を常に鉛直方向にする第2の状態との間で切り替えられるようにしたことを特徴としている。
【0008】
前記回転手段を、取り付け筒と回転筒との間に組み込まれ、回転筒の回転負荷を軽減するベアリングと、回転筒の外周に取り付けられ、回転筒の回転方向の重心位置を偏芯させる錘として、回転筒に対する錘の位置を移動させることで、前記第1の状態と第2の状態との間の切り替えを行うようにしてもよい。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1、図2に示すように、アナモルフィックコンバータレンズ1は、例えば、コンパクトカメラの撮影レンズ前方に取り付けて使用するものである。そして、このアナモルフィックコンバータレンズ1を使用することによって、被写体を1方向に圧縮した画像が撮影できるようになる。
【0010】
図3、図4、図5に示すように、アナモルフィックコンバータレンズ1は、取り付け筒3、回転筒5、切り替え筒7、レンズ9により構成されている。取り付け筒3は、円筒形をしており、外周を形成しカメラ2に取り付けられる取り付け部材3aと、内周を形成し回転筒5が取り付けられる回転部材3bが、複数のベアリングボール11を介して連結されたボールベアリングである。これにより、回転部材3bは、取り付け部材3aの内側で回転自在である。
【0011】
取り付け部材3aの外周の一部には、ネジ部が設けられている。一方、コンパクトカメラ2には、撮影レンズ2bの周囲に、取り付け部材3aと螺合するように内周がネジ部となっている円筒形の受け部2aが設けてある。そして、取り付け部材3aと受け部2aを螺合させると、アナモルフィックコンバータレンズ1は、コンパクトカメラ2の撮影レンズ2b前方に固定される。
【0012】
回転部材3bの内周の一部には、回転筒5を取り付けるためのネジ部が設けられている。一方回転筒5の外周の一端には回転部材と螺合するようにネジ部5bが設けてある。回転部材3bとネジ部5bを螺合させることによって、回転部材3aの内側に回転筒5は保持される。そして、回転部材3aと回転筒5は、一体となって回転する。
【0013】
回転筒5は、円筒形をしており、撮影光軸を開放する四角形の開口5cが設けられている。開口5cには、レンズ9が嵌め込まれる。図6に示すように、レンズ9は、撮影光軸方向から見ると正方形の凹状円柱面レンズ9a及び凸状円柱面レンズ9bより構成されるアナモルフィックレンズを使用している。このレンズ9を通すことによって被写体はB方向に圧縮される。
【0014】
すなわち、図7(b)に示すように、このレンズ9をB方向を水平にした状態でカメラ2の撮影レンズ2bの前方に配置すると、アナモルフィックレンズ非装着の場合を示す同図(a)に比べ、水平方向の画角が広がり、その結果、撮影される画像は、横方向に圧縮されたものとなる。同様に、同図(c)に示すように、B方向を垂直にして配置すると、撮影される画像は、垂直方向に圧縮されたものとなる。
【0015】
また、回転筒5の外周には、ネジ部5bの他に突条5aが設けられている。突起5aは、切り替え筒7を取り付けるためのものであり、回転筒5の外周の端部でネジ部5bの反対側に設けられている。
【0016】
切り替え筒7は、錘7bと本体7cにより構成されたリング状の部材である。切り替え筒7は、内周に溝7aが設けられており、この溝7aに突条5aが嵌め込まれ、切り替え筒7は、回転筒5の外側に配置される。切り替え筒7は、回転筒5に対して回転可能に設けられるが、溝7aと突条5aの間は、回転の際に摩擦が発生するようにしてあり、一定以上の力を加えた時にのみ回転するようになっている。
【0017】
溝7aと突条5aの間に発生する摩擦力は、溝7aと突条5aの隙間の調節などをすることによって予め設定してあり、通常は回転筒5と切り替え筒7が一体となって回転するが、回転筒5を手で保持し、もう一方の手で切り替え筒7を回転させたときには、切り替え筒7が回転筒5に対して回転する程度のものである。
【0018】
錘7bは、本体7cよりも比重の大きな材質により形成されているので、切り替え筒7の重心位置は、中心よりも錘7b側に偏ったものとなっている。これによって、錘7bは、摩擦力により一体となって回転する回転筒5と切り替え筒7を自重によって回転させ、錘7b部分を常に鉛直方向に向けさせる。
【0019】
以下本発明のアナモルフィックコンバータレンズ1の作用について説明する。被写体を水平方向もしくは鉛直方向に圧縮して撮影をする場合、ユーザーはまず鏡筒本体3の取り付け部材3aをカメラ2の受け部2aにねじ込むことにより、アナモルフィックコンバータレンズ1をコンパクトカメラ2の撮影レンズ2bの前方に取り付ける。
【0020】
回転筒5の前面には、「SLIM」、「FAT」という指標が設けられている。また、切り替え筒7の前面には、三角形の矢印が設けられている。ユーザーは、回転筒5が回転しないように手で支えた後、もう一方の手で切り替え筒5を回転させて、矢印と回転筒5の指標とを合わせることで、画像の圧縮方向を切り替えることができる。
【0021】
矢印を指標「SLIM」に合わせると、切り替え筒7の錘7bによって、回転筒5は、レンズ9のB方向を水平方向にするように回転をする。これにより、被写体を水平方向に圧縮した画像が撮影できる。このとき、コンパクトカメラ2を回転させながら撮影をしても、回転筒5は、錘7bによって、レンズ9のB方向を水平方向に保つように回転をするので、被写体の圧縮方向は水平方向のままである。
【0022】
同様にして、指標「FAT」に矢印を合わせると、被写体を垂直方向に圧縮した画像が撮影できる。このとき、コンパクトカメラ2を回転させながら撮影をしても、回転筒5は、錘7bによって、レンズ9のB方向を垂直方向に保つように回転をするので、被写体の圧縮方向は水平方向のままである。
【0023】
このように、切り替え筒7によって決定された被写体の圧縮方向は、たとえユーザーがカメラの角度を変えたとしても、一定に保たれるので、ユーザーはカメラの角度に合わせてレンズの角度を切り替える必要がない。また、切り替え筒7を回転させるだけで、被写体の圧縮方向をユーザーの好みに合わせて変更できるので、操作が簡易であるとともに、操作ミス等によりユーザーの意図しない方向に圧縮されてしまうことがない。
【0024】
上記実施例では、カメラに対して取り付け又は取り外しができるように、着脱自在であるアナモルフィックコンバータレンズの例について説明をしたが、本発明はこれに限られない。予め、カメラとアナモルフィックコンバータレンズが一体化しているものであってもよい。また、コンパクトカメラの撮影レンズの前方に取り付ける例で説明をしたが、その他のカメラ、例えば、1眼レフカメラ、ビデオカメラ、レンズ付きフイルムユニットなどのカメラに取り付けるようにしてもよい。
【0025】
また、カメラの撮影レンズ前方のみに、アナモルフィックレンズを取り付ける例で説明をしたが、同様のアナモルフィックレンズをカメラのファインダレンズ前方に取り付け、撮影される画像に対応した被写体像をファインダレンズからも得られるようにしてもよい。なお、上記実施例では、回転手段として 錘とベアリングを用い、被写体の圧縮方向切の切り替えは、錘の位置を変えることで行う例で説明をしたが、例えば、ジャイロセンサのようなセンサを用いてカメラの姿勢を検知し、モーターのような駆動手段を用いてレンズを回転させるといったように電気的に制御するようにしてもよい。
【0026】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明のアナモルフィックコンバータレンズは、回転自在の回転筒にアナモルフィックレンズを配置し、この回転筒には、カメラの姿勢に応じて被写体の圧縮方向を一定に保つように回転する回転手段とともに、被写体の圧縮方向を切り替える切り替え手段とを設けたので、被写体をユーザーの好みの1方向に対して圧縮して撮影することが可能であると共に、被写体の圧縮される方向は、ユーザーが変更しない限りカメラの姿勢に関わらず一定に保たれるので、操作が簡易であり、また、操作ミスなどによりユーザーの意図しない方向に被写体が圧縮されてしまうことがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】コンパクトカメラとアナモルフィックコンバータレンズの外観斜視図である。
【図2】コンパクトカメラにアナモルフィックコンバータレンズを取り付けたときの外観斜視図である。
【図3】アナモルフィックコンバータレンズの分解図である。
【図4】アナモルフィックコンバータレンズの正面図である。
【図5】アナモルフィックコンバータレンズの断面図である。
【図6】アナモルフィックレンズの外観斜視図である。
【図7】アナモルフィックレンズ使用による画角と撮影画像の変化を表す説明図である。
【符号の説明】
1 アナモルフィックコンバータレンズ
2 コンパクトカメラ
2b 撮影レンズ
3 取り付け筒
5 回転筒
7 切り替え筒
7b 錘
9 レンズ
【発明の属する技術分野】
本発明は、アナモルフィックコンバータレンズに関し、更に詳しくは被写体を好みの方向に圧縮して撮影することを可能にするアナモルフィックコンバータレンズに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
1眼レフカメラ、コンパクトカメラ、レンズ付きフィルムユニット、ビデオカメラなどの様々なカメラでは、被写体像を効果的に演出するために、様々な特殊撮影効果をもたらす各種の特殊撮影フィルタを撮影レンズの前方等に取り付けることが行われている。このような特殊フィルタには、例えば、被写体画像の特定色を吸収する色付きフィルタ、縦又は横の比率を変化させるアナモルフィックコンバータレンズ、中央画像の周囲に相似形の画像を面の数だけ写し込む多重フィルタ等が一般に市販されている。
【0003】
これら特殊フィルタのうち、被写体の1方向を圧縮することのできるアナモルフィックコンバータレンズは、被写体に「スリムになりたい。」「写真にはやせて写りたい。」という願望がある場合等に、被写体を横方向に圧縮してスリムに写すことができるといった撮影効果が演出できる。また、縦長の記念碑、看板などは、被写体を縦方向に圧縮することによって、記されている文字を見やすくすることができる。
【0004】
アナモルフィックコンバータレンズとしては、特開平7−333497号公報に記載されているような凹状円柱面レンズと、凸状円柱面レンズの2種類のレンズを組み合わせたアナモルフィックレンズを撮影レンズ前方に取り付け、被写体を1方向に対して偏倍するものが知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したような従来のアナモルフィックコンバータレンズは、カメラの角度を変えて撮影するときは、そのつどユーザ自身の手によってレンズの角度を切り替え、圧縮方向を決めなければならなかった。このために、操作手順が複雑で面倒であり、また、圧縮方向を間違えてしまうなどの誤操作も多くなってしまっていた。
【0006】
本発明は上記背景を考慮してなされたもので、ユーザーの好みに応じて圧縮方向を選択的に切り替えることができ、かつ、一旦圧縮方向を切り替えた後は、カメラを回転させても、その圧縮方向が水平面に対して一定であるアナモルフィックコンバータレンズを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明のアナモルフィックコンバータレンズは、カメラの撮影レンズ前方に取り付けられる取り付け筒と、この取り付け筒に、撮影光軸に垂直な面で回転自在となるように保持された回転筒と、この回転筒に組み込まれたアナモルフィックレンズとを備えたアナモルフィックコンバータレンズにおいて、前記カメラの姿勢に応じて回転筒を回転させる回転手段を設け、かつこの回転手段を、被写体圧縮方向を常に水平方向にする第1の状態と、被写体圧縮方向を常に鉛直方向にする第2の状態との間で切り替えられるようにしたことを特徴としている。
【0008】
前記回転手段を、取り付け筒と回転筒との間に組み込まれ、回転筒の回転負荷を軽減するベアリングと、回転筒の外周に取り付けられ、回転筒の回転方向の重心位置を偏芯させる錘として、回転筒に対する錘の位置を移動させることで、前記第1の状態と第2の状態との間の切り替えを行うようにしてもよい。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1、図2に示すように、アナモルフィックコンバータレンズ1は、例えば、コンパクトカメラの撮影レンズ前方に取り付けて使用するものである。そして、このアナモルフィックコンバータレンズ1を使用することによって、被写体を1方向に圧縮した画像が撮影できるようになる。
【0010】
図3、図4、図5に示すように、アナモルフィックコンバータレンズ1は、取り付け筒3、回転筒5、切り替え筒7、レンズ9により構成されている。取り付け筒3は、円筒形をしており、外周を形成しカメラ2に取り付けられる取り付け部材3aと、内周を形成し回転筒5が取り付けられる回転部材3bが、複数のベアリングボール11を介して連結されたボールベアリングである。これにより、回転部材3bは、取り付け部材3aの内側で回転自在である。
【0011】
取り付け部材3aの外周の一部には、ネジ部が設けられている。一方、コンパクトカメラ2には、撮影レンズ2bの周囲に、取り付け部材3aと螺合するように内周がネジ部となっている円筒形の受け部2aが設けてある。そして、取り付け部材3aと受け部2aを螺合させると、アナモルフィックコンバータレンズ1は、コンパクトカメラ2の撮影レンズ2b前方に固定される。
【0012】
回転部材3bの内周の一部には、回転筒5を取り付けるためのネジ部が設けられている。一方回転筒5の外周の一端には回転部材と螺合するようにネジ部5bが設けてある。回転部材3bとネジ部5bを螺合させることによって、回転部材3aの内側に回転筒5は保持される。そして、回転部材3aと回転筒5は、一体となって回転する。
【0013】
回転筒5は、円筒形をしており、撮影光軸を開放する四角形の開口5cが設けられている。開口5cには、レンズ9が嵌め込まれる。図6に示すように、レンズ9は、撮影光軸方向から見ると正方形の凹状円柱面レンズ9a及び凸状円柱面レンズ9bより構成されるアナモルフィックレンズを使用している。このレンズ9を通すことによって被写体はB方向に圧縮される。
【0014】
すなわち、図7(b)に示すように、このレンズ9をB方向を水平にした状態でカメラ2の撮影レンズ2bの前方に配置すると、アナモルフィックレンズ非装着の場合を示す同図(a)に比べ、水平方向の画角が広がり、その結果、撮影される画像は、横方向に圧縮されたものとなる。同様に、同図(c)に示すように、B方向を垂直にして配置すると、撮影される画像は、垂直方向に圧縮されたものとなる。
【0015】
また、回転筒5の外周には、ネジ部5bの他に突条5aが設けられている。突起5aは、切り替え筒7を取り付けるためのものであり、回転筒5の外周の端部でネジ部5bの反対側に設けられている。
【0016】
切り替え筒7は、錘7bと本体7cにより構成されたリング状の部材である。切り替え筒7は、内周に溝7aが設けられており、この溝7aに突条5aが嵌め込まれ、切り替え筒7は、回転筒5の外側に配置される。切り替え筒7は、回転筒5に対して回転可能に設けられるが、溝7aと突条5aの間は、回転の際に摩擦が発生するようにしてあり、一定以上の力を加えた時にのみ回転するようになっている。
【0017】
溝7aと突条5aの間に発生する摩擦力は、溝7aと突条5aの隙間の調節などをすることによって予め設定してあり、通常は回転筒5と切り替え筒7が一体となって回転するが、回転筒5を手で保持し、もう一方の手で切り替え筒7を回転させたときには、切り替え筒7が回転筒5に対して回転する程度のものである。
【0018】
錘7bは、本体7cよりも比重の大きな材質により形成されているので、切り替え筒7の重心位置は、中心よりも錘7b側に偏ったものとなっている。これによって、錘7bは、摩擦力により一体となって回転する回転筒5と切り替え筒7を自重によって回転させ、錘7b部分を常に鉛直方向に向けさせる。
【0019】
以下本発明のアナモルフィックコンバータレンズ1の作用について説明する。被写体を水平方向もしくは鉛直方向に圧縮して撮影をする場合、ユーザーはまず鏡筒本体3の取り付け部材3aをカメラ2の受け部2aにねじ込むことにより、アナモルフィックコンバータレンズ1をコンパクトカメラ2の撮影レンズ2bの前方に取り付ける。
【0020】
回転筒5の前面には、「SLIM」、「FAT」という指標が設けられている。また、切り替え筒7の前面には、三角形の矢印が設けられている。ユーザーは、回転筒5が回転しないように手で支えた後、もう一方の手で切り替え筒5を回転させて、矢印と回転筒5の指標とを合わせることで、画像の圧縮方向を切り替えることができる。
【0021】
矢印を指標「SLIM」に合わせると、切り替え筒7の錘7bによって、回転筒5は、レンズ9のB方向を水平方向にするように回転をする。これにより、被写体を水平方向に圧縮した画像が撮影できる。このとき、コンパクトカメラ2を回転させながら撮影をしても、回転筒5は、錘7bによって、レンズ9のB方向を水平方向に保つように回転をするので、被写体の圧縮方向は水平方向のままである。
【0022】
同様にして、指標「FAT」に矢印を合わせると、被写体を垂直方向に圧縮した画像が撮影できる。このとき、コンパクトカメラ2を回転させながら撮影をしても、回転筒5は、錘7bによって、レンズ9のB方向を垂直方向に保つように回転をするので、被写体の圧縮方向は水平方向のままである。
【0023】
このように、切り替え筒7によって決定された被写体の圧縮方向は、たとえユーザーがカメラの角度を変えたとしても、一定に保たれるので、ユーザーはカメラの角度に合わせてレンズの角度を切り替える必要がない。また、切り替え筒7を回転させるだけで、被写体の圧縮方向をユーザーの好みに合わせて変更できるので、操作が簡易であるとともに、操作ミス等によりユーザーの意図しない方向に圧縮されてしまうことがない。
【0024】
上記実施例では、カメラに対して取り付け又は取り外しができるように、着脱自在であるアナモルフィックコンバータレンズの例について説明をしたが、本発明はこれに限られない。予め、カメラとアナモルフィックコンバータレンズが一体化しているものであってもよい。また、コンパクトカメラの撮影レンズの前方に取り付ける例で説明をしたが、その他のカメラ、例えば、1眼レフカメラ、ビデオカメラ、レンズ付きフイルムユニットなどのカメラに取り付けるようにしてもよい。
【0025】
また、カメラの撮影レンズ前方のみに、アナモルフィックレンズを取り付ける例で説明をしたが、同様のアナモルフィックレンズをカメラのファインダレンズ前方に取り付け、撮影される画像に対応した被写体像をファインダレンズからも得られるようにしてもよい。なお、上記実施例では、回転手段として 錘とベアリングを用い、被写体の圧縮方向切の切り替えは、錘の位置を変えることで行う例で説明をしたが、例えば、ジャイロセンサのようなセンサを用いてカメラの姿勢を検知し、モーターのような駆動手段を用いてレンズを回転させるといったように電気的に制御するようにしてもよい。
【0026】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明のアナモルフィックコンバータレンズは、回転自在の回転筒にアナモルフィックレンズを配置し、この回転筒には、カメラの姿勢に応じて被写体の圧縮方向を一定に保つように回転する回転手段とともに、被写体の圧縮方向を切り替える切り替え手段とを設けたので、被写体をユーザーの好みの1方向に対して圧縮して撮影することが可能であると共に、被写体の圧縮される方向は、ユーザーが変更しない限りカメラの姿勢に関わらず一定に保たれるので、操作が簡易であり、また、操作ミスなどによりユーザーの意図しない方向に被写体が圧縮されてしまうことがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】コンパクトカメラとアナモルフィックコンバータレンズの外観斜視図である。
【図2】コンパクトカメラにアナモルフィックコンバータレンズを取り付けたときの外観斜視図である。
【図3】アナモルフィックコンバータレンズの分解図である。
【図4】アナモルフィックコンバータレンズの正面図である。
【図5】アナモルフィックコンバータレンズの断面図である。
【図6】アナモルフィックレンズの外観斜視図である。
【図7】アナモルフィックレンズ使用による画角と撮影画像の変化を表す説明図である。
【符号の説明】
1 アナモルフィックコンバータレンズ
2 コンパクトカメラ
2b 撮影レンズ
3 取り付け筒
5 回転筒
7 切り替え筒
7b 錘
9 レンズ
Claims (2)
- カメラの撮影レンズ前方に取り付けられる取り付け筒と、この取り付け筒に、撮影光軸に垂直な面で回転自在となるように保持された回転筒と、この回転筒に組み込まれたアナモルフィックレンズとを備えたアナモルフィックコンバータレンズにおいて、
前記カメラの姿勢に応じて回転筒を回転させる回転手段を設け、かつこの回転手段を、被写体圧縮方向を常に水平方向にする第1の状態と、被写体圧縮方向を常に鉛直方向にする第2の状態との間で切り替えられるようにしたことを特徴とするアナモルフィックコンバータレンズ。 - 前記回転手段は、取り付け筒と回転筒との間に組み込まれ、回転筒の回転負荷を軽減するベアリングと、回転筒の外周に取り付けられ、回転筒の回転方向の重心位置を偏芯させる錘とからなり、回転筒に対する錘の位置を移動させることで、前記第1の状態と第2の状態との間の切り替えを行うことを特徴とする請求項1記載のアナモルフィックコンバータレンズ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002283791A JP2004118056A (ja) | 2002-09-27 | 2002-09-27 | アナモルフィックコンバータレンズ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002283791A JP2004118056A (ja) | 2002-09-27 | 2002-09-27 | アナモルフィックコンバータレンズ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004118056A true JP2004118056A (ja) | 2004-04-15 |
Family
ID=32277558
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002283791A Pending JP2004118056A (ja) | 2002-09-27 | 2002-09-27 | アナモルフィックコンバータレンズ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004118056A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006081842A (ja) * | 2004-09-17 | 2006-03-30 | Morita Mfg Co Ltd | 撮影用補助装置 |
US7688529B2 (en) | 2006-09-11 | 2010-03-30 | Canon Kabushiki Kaisha | Lens unit and image reading apparatus using the same |
FR2949873A1 (fr) * | 2009-09-07 | 2011-03-11 | Kopff Paul Francois Xavier | Appareil photographique anamorphique a stenope |
US20220299783A1 (en) * | 2018-02-12 | 2022-09-22 | Panavision International, L.P. | Attachment producing anamorphic effect |
-
2002
- 2002-09-27 JP JP2002283791A patent/JP2004118056A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006081842A (ja) * | 2004-09-17 | 2006-03-30 | Morita Mfg Co Ltd | 撮影用補助装置 |
US7688529B2 (en) | 2006-09-11 | 2010-03-30 | Canon Kabushiki Kaisha | Lens unit and image reading apparatus using the same |
FR2949873A1 (fr) * | 2009-09-07 | 2011-03-11 | Kopff Paul Francois Xavier | Appareil photographique anamorphique a stenope |
US20220299783A1 (en) * | 2018-02-12 | 2022-09-22 | Panavision International, L.P. | Attachment producing anamorphic effect |
US11960099B2 (en) * | 2018-02-12 | 2024-04-16 | Panavision International, L.P. | Attachment producing anamorphic effect |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US8019213B2 (en) | Exchangeable lens and imaging device | |
JP5274058B2 (ja) | レンズ鏡筒及び撮像装置 | |
JP2004118056A (ja) | アナモルフィックコンバータレンズ | |
JPH06189181A (ja) | 防振装置を有する中間アダプタ | |
JP3932072B2 (ja) | 電子カメラ | |
JPH07281242A (ja) | カメラのアオリ撮影用アタッチメント | |
TWI420219B (zh) | 攝影裝置 | |
US20030138248A1 (en) | Parallax correction for close focus | |
KR100252679B1 (ko) | 회전가능한촬영부를갖는카메라 | |
JP2000131737A (ja) | 全方位撮影装置 | |
JPH1083025A (ja) | レンズ鏡筒とその取付部材 | |
JPS61289769A (ja) | 撮影装置 | |
JP4287721B2 (ja) | 電子カメラ及びヒンジ機構 | |
JP2001042380A (ja) | 撮影装置 | |
JP4296612B2 (ja) | 対面撮影可能なカメラ | |
JP2002333660A (ja) | カメラ | |
JP2004118057A (ja) | アナモルフィックコンバージョン装置 | |
JPH0336137Y2 (ja) | ||
JPS6350170A (ja) | 撮影装置 | |
KR20020001101A (ko) | 컴퓨터용 화상 카메라 | |
JPH0683385B2 (ja) | 撮影装置 | |
JPS6128191Y2 (ja) | ||
JPS62100716A (ja) | 撮影装置 | |
JPH10150587A (ja) | ビデオカメラ | |
JP2010191075A (ja) | 交換レンズの回転操作ノブに装着可能な補助部材及びその補助部材が装着可能な交換レンズ |