JP2004117779A - 縫製技術伝達システム - Google Patents
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Abstract
【課題】同時に多くの縫い手に縫製技術者の技能を伝達でき、且つ縫い手のレベルに応じて細かな縫製作業の特徴を充分に確認できる縫製技術伝達システムを提供する。
【解決手段】縫い手がアクセスする端末装置の表示画面29の画像表示部31には、縫製技術者による縫製作業を撮影した動画が表示される。この動画は「上方」等の視点変更ボタンをクリックすることによって、その視点に応じた動画に切り替わる。チェックリスト表示部32には、画像表示部31に表示されている動画に対応してその縫製作業の注意点等が表示される。型板表示部33には、画像表示部31に表示されている動画に対応した縫製部品を示した型板が縫製箇所とともに表示される。これによって縫製技術は多面的に伝達されるとともに、縫い手は必要に応じて表示画面29に表示されている画像情報を保存することが可能となる。
【選択図】 図2
【解決手段】縫い手がアクセスする端末装置の表示画面29の画像表示部31には、縫製技術者による縫製作業を撮影した動画が表示される。この動画は「上方」等の視点変更ボタンをクリックすることによって、その視点に応じた動画に切り替わる。チェックリスト表示部32には、画像表示部31に表示されている動画に対応してその縫製作業の注意点等が表示される。型板表示部33には、画像表示部31に表示されている動画に対応した縫製部品を示した型板が縫製箇所とともに表示される。これによって縫製技術は多面的に伝達されるとともに、縫い手は必要に応じて表示画面29に表示されている画像情報を保存することが可能となる。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は縫製技術伝達システムに関し、特に優れた縫製技術者の技能を縫製初心者に効率的に伝達する縫製技術伝達システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図6は従来の縫製作業の流れを示した概略ブロック図である。
【0003】
図を参照して、縫製メーカー75から縫製工場76にある縫製品の発注がなされると、縫製工場76はその縫製品に合わせて充分な縫製技能を有する縫製技術者77に縫製品のサンプルを依頼する。依頼を受けた縫製技術者77は縫製サンプルを製作し、これを縫製メーカー75にサンプルとして納品する。サンプルの納品を受けた縫製メーカー75は、そのサンプルに対して更に要望等を縫製技術者77に伝達する。これによって縫製メーカー75から依頼された縫製品のサンプルが完成する。
【0004】
次に、縫製技術者77は、完成した縫製サンプルに基づいて縫製工場76に所属する複数の縫い手に対して縫製技術の指導を行なう。縫い手はそれに対して種々の質問をし、これに縫製技術者77は回答することによって縫い手の技術が一定レベルまで高められる。そして縫製技術者77から指導を受けた縫製工場76の縫い手が必要量の縫製品を仕上げ、これを縫製メーカー75に納品することによって縫製作業は終了する。
【0005】
【特許文献1】
特開平6−83840号公報
【発明が解決しようとする課題】
上記のような従来の縫製作業にあっては、縫製技術者の優れた技能を多くの縫製工場の縫い手に同時に伝達するのは難しかった。又、指導する際にも、縫い手のレベルが異なるため、レベルに応じた的確な指導は容易ではない。
【0006】
一方、縫製技術者の縫製作業をビデオに撮影してこれを縫い手に見せて技術を伝達することも試みられている。しかし、ビデオを介する伝達では通り一片の縫製作業は理解できるが、例えば縫製技術者のミシンに対する手の位置やミシンの押え圧力等の細かな点を各縫い手のレベルに合わせて確認することはできない。又、ビデオでは実際に縫製部品のどの位置を縫製技術者が縫っているのかが明確でないため、縫製技術者の技能を充分に把握できないのが現状である。
【0007】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、同時に多くの縫い手に縫製技術者の技能を伝達でき、且つ縫い手のレベルに応じて細かな縫製作業の部分を充分に確認できる縫製技術伝達システムを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1記載の発明は、縫製技術を画像等を介して伝達する縫製技術伝達システムであって、縫製技術者の縫製作業を撮影して、これを動画として表示する動画表示手段と、表示された縫製作業の対象となっている縫製部品を型板として表示し、且つ表示された動画に対応した縫製箇所を型板の上に表示する型板表示手段とを備えたものである。
【0009】
このように構成すると、表示されている動画に対応した縫製箇所が型板の上に表示される。
【0010】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の構成において、表示された動画に対応させて、当該縫製作業における注意点等をチェックリストとして表示するチェックリスト表示手段を更に備えたものである。
【0011】
このように構成すると、動画に応じた縫製作業の注意点等が表示される。
【0012】
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の発明の構成において、動画が表示されている際に、静止画の表示を指示する静止画指示手段と、静止画指示手段の指示出力に応答して、その時点で表示されている動画に対応した静止画を表示する第1静止画表示手段とを更に備えたものである。
【0013】
このように構成すると、動画において必要に応じて所望の静止画を確認することができる。
【0014】
請求項4記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれかに記載の発明の構成において、表示された型板の縫製箇所を指定すると、指定された縫製箇所に対応した静止画を表示する第2静止画表示手段を更に備えたものである。
【0015】
このように構成すると、型板の縫製箇所に応じた静止画を確認することができる。
【0016】
請求項5記載の発明は、請求項3又は請求項4記載の発明の構成において、静止画像が表示されたとき、表示されている画像等の情報の保存を指示する保存指示手段と、保存指示手段の指示出力に応答して、表示されている情報を保存する情報保存手段とを更に備えたものである。
【0017】
このように構成すると、静止画が表示されているとき、必要に応じて表示されている情報が保存される。
【0018】
請求項6記載の発明は、請求項5記載の発明の構成において、静止画が表示されているとき、当該静止画による縫製作業に関連したコメント等が書込まれるコメント書込み手段を更に備え、情報保存手段は、書込まれたコメント等を併せて保存するものである。
【0019】
このように構成すると、必要に応じて書込まれたコメント等が保存される。
【0020】
請求項7記載の発明は、請求項1から請求項6のいずれかに記載の発明の構成において、表示されている動画に対して、撮影の視点の変更を指示する視点変更指示手段を更に備え、視点変更指示手段の指示出力に応答して、動画表示手段は、指示された視点に応じた動画を表示するものである。
【0021】
このように構成すると、指示された視点に応じた動画が表示される。
【0022】
請求項8記載の発明は、請求項1から請求項7のいずれかに記載の発明の構成において、伝達される縫製技術は、制御装置からネットワークを介して所望の端末装置に送信されるものである。
【0023】
このように構成すると、伝達される縫製技術はネットワークを介して送信される。
【0024】
請求項9記載の発明は、請求項5又は請求項6記載の発明の構成において、伝達される縫製技術は、制御装置からネットワークを介して所望の端末装置に送信され、情報保存手段は、端末装置に接続された記憶装置に保存するものである。
【0025】
このように構成すると、伝達される縫製技術はネットワークを介して送信されるとともに、縫製技術の情報は随時端末装置の記憶装置に保存される。
【0026】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1記載の発明は、縫製箇所は型板の上に表示されるため、縫製部品のどの部品が縫われているのかが明確になり、動画による縫製技術の伝達効果が更に向上する。
【0027】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の効果に加えて、動画に応じた縫製作業の注意点等が表示されるため、画像のみならず、文字によっても重要箇所が把握できるため、縫製技術の理解がより深まるものである。
【0028】
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の発明の効果に加えて、動画の再生時において必要に応じて所望の静止画を確認することができるため、必要な箇所の縫製作業を静止画で確認できるので使い勝手が良い。
【0029】
請求項4記載の発明は、請求項1から請求項3記載の発明のいずれかに記載の発明の効果に加えて、縫製箇所を中心とした縫製作業を静止画で確認できるため使い勝手が良い。
【0030】
請求項5記載の発明は、請求項3又は請求項4記載の発明の効果に加えて、必要に応じて表示されている情報が保存されるため、その縫い手にとって特に重要な情報をまとめることができ、より効率的な縫製技術の伝達が可能となる。
【0031】
請求項6記載の発明は、請求項5記載の発明の効果に加えて、必要に応じて書込まれたコメント等が保存されるため、更に縫製技術の伝達効率が高まる。
【0032】
請求項7記載の発明は、請求項1から請求項6のいずれかに記載の発明の効果に加えて、指示された視点に応じた動画が表示されるため、特に確認したい縫製作業については、所望の視点からその確認ができるので、より的確な縫製技術の伝達が可能となる。
【0033】
請求項8記載の発明は、請求項1から請求項7のいずれかに記載の発明の効果に加えて、伝達される縫製技術はネットワークを介して送信されるため、縫製技術を習得したい縫い手が縫製技術者から遠隔地にいる場合であっても、適切な縫製技術の伝達が可能となる。
【0034】
請求項9記載の発明は、請求項5又は請求項6記載の発明の効果に加えて、縫製技術はネットワークを介して送信されるとともに、縫製技術の情報は端末装置の記憶装置に保存されるため、端末装置側で保存された情報を必要に応じて確認できるので使い勝手が良い。
【0035】
【発明の実施の形態】
図1はこの発明の第1の実施の形態による縫製技術伝達システムの概略構成を示すブロック図である。
【0036】
図を参照して、縫製技術伝達システム11はインターネット23を介して相互に接続されており、縫製工場の縫い手がアクセスし得る工場用端末25と、工場用端末25に接続される記憶装置26と、本システムの全体を制御するシステムサーバ13とから構成されている。
【0037】
システムサーバ13には、データベース15が接続されており、具体的には、工場用端末25の画面に縫製作業を動画として表示するための動画の情報が格納されている動画データベース17と、工場用端末25の画面に随時表示する静止画の情報が格納されている静止画データベース18と、工場用端末25の画面に表示される、動画の画面に応じて表示されるチェックリストの情報が格納されているチェックリストデータベース19と、工場用端末25の画面に動画の画面に応じて表示される、縫製部品に対応した型板の情報が格納されている型板データベース20とから構成されている。
【0038】
このように縫製技術伝達システム11は構成されているため、縫製工場の縫い手はインターネット23を介して随時システムサーバ13にアクセスし、これの制御のもと、データベース15に格納されている各種データを工場用端末25の画面に呼び出してこれを利用することが可能となっている。
【0039】
図2は図1で示した工場用端末25の画面に現れる表示情報の具体的内容を示した図である。
【0040】
図を参照して、工場用端末の表示画面29には動画又は静止画を表示するための画像表示部31と、画像表示部31に表示されている画像に対応して縫製技術のポイントを示すチェックリストを表示するためのチェックリスト表示部32と、画像表示部31の画像に合わせてその時点で縫製している縫製部品を型板として表示するための型板表示部33等を中心として構成されている。
【0041】
ここで図1に戻って、動画データベース17には、縫製サンプルを製作する際の縫製技術者の作業状況をビデオ撮影したものをデジタル化処理して動画情報として格納している。又、撮影にあたっては、その縫製作業を視点を変えて同時進行的に撮影するように構成されている。すなわち、縫製作業に対して例えば上方、下方、前方、及び後方の視点から撮影し、これを各々デジタル化処理し、又、各視点における撮影内容を拡大したり、縮小したりしたものも併せて動画情報として格納している。
【0042】
静止画データベース18にあっては、図2の型板表示部33に示されている型板に表示されている縫製箇所に対応した静止画像が動画データベース17に格納されている動画情報から抽出されるように格納されている。
【0043】
チェックリストデータベース19内には、動画データベース17に格納されている動画情報に合わせて作成され、縫製作業の各ポイント毎に縫製に当たって注意すべき点等がチェックリスト情報として格納されている。尚、このチェックリストは後述するように、縫い手の技術レベルに合わせて個別に作成されている。
【0044】
型板データベース20にあっては、型板情報が動画データベース17に格納されている動画に関連付けて作成されており、動画で示されている各縫製部品の各々毎にその縫製箇所とともに格納されている。
【0045】
図2に戻って、表示画面29においてはその右上に「開始」及び「停止」のボタンが示されている。この「開始」ボタンをクリックすると画像等の表示が開始され、「停止」ボタンをクリックすると、画像の表示等が終了する。
【0046】
又、画像表示部31の上方には、「動画」及び「静止画」のボタンが配置されている。画像表示部31に縫製作業を撮影した動画が表示されている時に、「静止画」のボタンをクリックすると動画は停止して静止画像となる。これによって縫い手はじっくりと縫製作業のポイントを確認することができる。画像表示部31の左下方には、画像表示部31に表示されている動画が伝達しようとする縫製作業がどの縫製工程であるかを示すものである。例えば画像表示部31に示されている画面が工程2であれば、「工程2」の左側の○印の部分が点灯するように構成されている。
【0047】
画像表示部31の下方には縫製作業を撮影している視点の位置を示すボタンが示されている。例えば画像表示部31に表示されている縫製作業が上方から撮影されているものである場合には「上方」のボタンが点灯した状態となっている。この時、例えば「後方」のボタンをクリックすると、画像表示部31に表示されている画面は後方を視点として撮影された画像データに変換される。これによって、縫い手は画像表示部31に表示されている縫製作業について所望の視点で確認することができるため、より的確な縫製作業の特徴を理解することが可能となる。
【0048】
同様に「拡大」のボタンをクリックすると、画像表示部31に表示されている画像が拡大されて表示される。これによってより正確に縫製作業を確認することが可能となる。
【0049】
チェックリスト表示部32には、上述のように画像表示部31に表示されている縫製作業の各ポイントにおいて注意すべき点等がチェックリストとして表示されている。このチェックリストは上述のように縫い手のレベルに応じて作成されているため、チェックリスト表示部32の上方に配置されているレベルを示すスイッチをクリックすることによって、そのレベルに応じたチェックリストがチェックリスト表示部32に表示されることになる。これによって、縫い手は自分の技術レベルに応じたチェックリストの内容を確認できるため、より効率的に縫製作業を理解することが可能となる。
【0050】
型板表示部33には、縫製部品に対応した型板が表示されているが、画面上においてはその型板の中に画像表示部31において表示されている縫製位置に応じて同時進行的にその縫製箇所が表示されている。これによって縫い手は縫製部品の縫製箇所に応じた縫製技術者の動作を画像表示部31で確認することができるため、より的確に縫製作業を把握することができる。
【0051】
尚、型板表示部33において示されている縫製箇所は、上述のように画像表示部31に表示されている縫製作業に対応したものであるが、例えば既に縫製された箇所をクリックすることによって、画像表示部31にはそのクリックされた縫製箇所に対応した縫製作業の静止画が表示されるように構成されている。これによって、縫い手は縫製作業が進行した場合であっても、確認したい縫製箇所があれば、その都度静止画として確認できるため、使い勝手が良い。
【0052】
表示画面29の左下方には「保存」ボタンが示されている。この「保存」ボタンは、画像表示部31に表示されている動画で示されている縫製作業のうち、特に縫い手にとって重要と思われる作業として表示画面29に示されている画像情報を保存するために設けられたボタンである。そして「保存」ボタンをクリックすると、画像表示部31はその時点での静止画に変わり、コメント書込部35には、その時点での工程の種類が上の欄に表示される。
【0053】
縫い手はコメント書込部35内にその時点での縫製作業についてのコメント等を任意に記載することが可能となる。これによってその縫い手にとって固有の縫製作業に関するデータベースを構築することが容易となる。保存された画像情報は工場用端末25に接続されている記憶装置26に格納されるため、縫い手は必要な時自己に対する固有のデータベースを記憶装置26から読み出して、工場用端末25において確認することが可能となる。
【0054】
図3は図1で示されたチェックリストデータベースの具体的内容を示した概略図である。
【0055】
縫製作業にあたっての注意点等のチェックリストは、動画データベース17に格納されている動画情報に対応させて格納されている。例えば、1つの縫製部品に対する縫製作業が動画Aとして格納され、動画Aはその縫製部品に対する縫製工程がパート1からパート2、パート3のように構成されているものとする。この場合、パート別に必要なチェックリストが縫い手のレベルに応じて準備されている。
【0056】
例えばレベル1におけるチェックリストにおいては基本的な注意点を中心として記載されているが、レベルが上がるにつれて、応用的な注意点となるように構成されている。従って、表示画面29の画像表示部31に表示されている動画が示している縫製作業のパートとチェックリストのレベルに応じて必要なチェックリストが、チェックリストデータベース19から読み出されてチェックリスト表示部32に表示されることになる。
【0057】
尚、図示しないがチェックリストの各項目毎にその内容をより細かく説明した文章が別途用意されており、チェックリスト表示部32に表示された項目をクリックすることによって、その詳しい内容が画面に表示されるように構成されている。
【0058】
図4は図11に示したシステムサーバ13の制御内容を示した概略フローチャートである。
【0059】
図を参照して、本システムの開始が指示されると、ステップS41において工場用端末25の表示画面29の画像表示部31において動画が表示され、チェックリスト表示部32にそれに対応したチェックリストが表示される。ここで、チェックリストのレベルの変更が指示されたとき(S43でYES)、チェックリスト表示部32には変更されたレベルに応じたチェックリストが表示される(S44)。
【0060】
ここでチェックリスト表示部32に示されたチェック項目のいずれかをクリックすると(S45でYES)、そのクリックされたチェック項目についての詳細内容が表示される(S46)。次に、型板表示部33に表示されている型板の縫製箇所をクリックすると(S47でYES)、その縫製箇所に対応した静止画が画像表示部31に表示される(S48)。そこでその静止画を保存しようと「保存」ボタンをクリックすると(S49でYES)、表示画面29に表れている画像情報等が工場用端末25に接続された記憶装置26に保存されることになる(S50)。
【0061】
次にチェックリスト表示部32に表示されている動画に対して撮影の視点を変更するように指示すると(S51でYES)、指示した視点に応じた動画が画像表示部31に表示される(S52)。一方、画像表示部31に動画が表示されている際にその静止画を希望すると(S53でYES)、画像表示部31にはその時点の動画に対応した静止画が表示される(S54)。そしてこの静止画に対して画像情報を保存しようとすると(S55でYES)、工場用端末25に接続された記憶装置26に表示画面29に表示された画像情報が保存される(S56)。次に動画を希望すると(S57でYES)、画像表示部31には動画が表示されて上記と同様のフローが繰り返される。画像表示部31に表示すべき動画が終了すると(S58でYES)、本システムの処理が終了する。
【0062】
図5はこの発明の第5の実施の形態による縫製技術伝達システムの概略構成を示したブロック図である。
【0063】
先の実施の形態においては、動画情報等を格納しているデータベース15をシステムサーバ13が制御し、これをインターネット23を介して工場用端末25に送信し、工場側は工場用端末25を介して本システムを利用するように構成されていた。この実施の形態においては、各工場内のパーソナルコンピューター等において必要な情報を全て格納しておき、そのコンピューター単体で本システムを実施できるように構成したものである。
【0064】
図を参照して、縫製技術伝達システム11はCPUによって構成された制御部61を中心として構成されている。制御部61には、先の実施の形態の図2で示した表示画面に対応する表示部63と、各種ボタンの操作やコメントの入力等をするための入出力部64と、縫い手によって保存しておきたい画像情報等を記憶するための記憶部65と、先の実施の形態のデータベースに対応した、動画の情報を保存するための動画記憶部67と、静止画の情報を保存するための静止画記憶部68と、チェックリストの情報を保存するためのチェックリスト記憶部69と、型板の情報を保存するための型板記憶部70とが接続されている。
【0065】
このように構成することによって、各工場においてはインターネットを介することなく本システムを同様に活用することが可能となる。この場合、動画情報等の各種データとこれらを先の実施の形態における制御を行うためのプログラムとを格納してインターネットを介して各コンピューターに送信したり、或いはCD―ROM等の記録媒体に格納してこれを各コンピューターに読み取らせるように構成すれば良い。
【0066】
尚、上記の第1の実施の形態では、前もってデータ化された縫製技術情報がシステムサーバから各端末に対して送信されている。そこで、これに音声画像チャットの技術を加えて、縫製技術をリアルタイムに端末装置に送信して双方向に情報を交換するようにすれば、縫い手からの質問等を随時技術者に出し、縫製技術者はこれに答えることができるため更に便利なシステムとなる。
【0067】
又、上記の各実施の形態では、一つの縫製品毎に一人の技術者の縫製技術をデータ化しているが、一つの縫製品毎に複数の技術者の縫製技術をデータ化しておき、これらを任意に選択できるように構成しても良い。
【0068】
更に、上記の各実施の形態では、縫製技術の各注意点等をチェックリスト化しているが、ミシンの送り速度や押えの圧力等を数値化しておき、これらもベータベース化して随時読み出せるように構成しても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施の形態による縫製技術伝達システムの概略構成を示したブロック図である。
【図2】図1に示した工場用端末の表示画面に表れる具体的な画像情報等を示した図である。
【図3】図1で示したチェックリストデータベースの具体的構成を示した図である。
【図4】図1で示したシステムサーバの具体的な制御内容を示したフローチャートである。
【図5】この発明の第2の実施の形態による縫製技術伝達システムの概略構成を示したブロック図である。
【図6】従来の縫製作業の具体的な流れを示したブロック図である。
【符号の説明】
11…縫製技術伝達システム
13…システムサーバ
15…データベース
17…動画データベース
18…静止画データベース
19…チェックリストデータベース
20…型板データベース
23…インターネット
25…工場用端末
26…記憶装置
29…表示画面
31…画像表示部
32…チェックリスト表示部
33…型板表示部
35…コメント書込部
61…制御部
63…表示部
64…入出力部
65…記憶部
67…動画記憶部
68…静止画記憶部
69…チェックリスト記憶部
70…型板記憶部
尚、各図中同一符号は同一又は相当部分を示す。
【発明の属する技術分野】
この発明は縫製技術伝達システムに関し、特に優れた縫製技術者の技能を縫製初心者に効率的に伝達する縫製技術伝達システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図6は従来の縫製作業の流れを示した概略ブロック図である。
【0003】
図を参照して、縫製メーカー75から縫製工場76にある縫製品の発注がなされると、縫製工場76はその縫製品に合わせて充分な縫製技能を有する縫製技術者77に縫製品のサンプルを依頼する。依頼を受けた縫製技術者77は縫製サンプルを製作し、これを縫製メーカー75にサンプルとして納品する。サンプルの納品を受けた縫製メーカー75は、そのサンプルに対して更に要望等を縫製技術者77に伝達する。これによって縫製メーカー75から依頼された縫製品のサンプルが完成する。
【0004】
次に、縫製技術者77は、完成した縫製サンプルに基づいて縫製工場76に所属する複数の縫い手に対して縫製技術の指導を行なう。縫い手はそれに対して種々の質問をし、これに縫製技術者77は回答することによって縫い手の技術が一定レベルまで高められる。そして縫製技術者77から指導を受けた縫製工場76の縫い手が必要量の縫製品を仕上げ、これを縫製メーカー75に納品することによって縫製作業は終了する。
【0005】
【特許文献1】
特開平6−83840号公報
【発明が解決しようとする課題】
上記のような従来の縫製作業にあっては、縫製技術者の優れた技能を多くの縫製工場の縫い手に同時に伝達するのは難しかった。又、指導する際にも、縫い手のレベルが異なるため、レベルに応じた的確な指導は容易ではない。
【0006】
一方、縫製技術者の縫製作業をビデオに撮影してこれを縫い手に見せて技術を伝達することも試みられている。しかし、ビデオを介する伝達では通り一片の縫製作業は理解できるが、例えば縫製技術者のミシンに対する手の位置やミシンの押え圧力等の細かな点を各縫い手のレベルに合わせて確認することはできない。又、ビデオでは実際に縫製部品のどの位置を縫製技術者が縫っているのかが明確でないため、縫製技術者の技能を充分に把握できないのが現状である。
【0007】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、同時に多くの縫い手に縫製技術者の技能を伝達でき、且つ縫い手のレベルに応じて細かな縫製作業の部分を充分に確認できる縫製技術伝達システムを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1記載の発明は、縫製技術を画像等を介して伝達する縫製技術伝達システムであって、縫製技術者の縫製作業を撮影して、これを動画として表示する動画表示手段と、表示された縫製作業の対象となっている縫製部品を型板として表示し、且つ表示された動画に対応した縫製箇所を型板の上に表示する型板表示手段とを備えたものである。
【0009】
このように構成すると、表示されている動画に対応した縫製箇所が型板の上に表示される。
【0010】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の構成において、表示された動画に対応させて、当該縫製作業における注意点等をチェックリストとして表示するチェックリスト表示手段を更に備えたものである。
【0011】
このように構成すると、動画に応じた縫製作業の注意点等が表示される。
【0012】
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の発明の構成において、動画が表示されている際に、静止画の表示を指示する静止画指示手段と、静止画指示手段の指示出力に応答して、その時点で表示されている動画に対応した静止画を表示する第1静止画表示手段とを更に備えたものである。
【0013】
このように構成すると、動画において必要に応じて所望の静止画を確認することができる。
【0014】
請求項4記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれかに記載の発明の構成において、表示された型板の縫製箇所を指定すると、指定された縫製箇所に対応した静止画を表示する第2静止画表示手段を更に備えたものである。
【0015】
このように構成すると、型板の縫製箇所に応じた静止画を確認することができる。
【0016】
請求項5記載の発明は、請求項3又は請求項4記載の発明の構成において、静止画像が表示されたとき、表示されている画像等の情報の保存を指示する保存指示手段と、保存指示手段の指示出力に応答して、表示されている情報を保存する情報保存手段とを更に備えたものである。
【0017】
このように構成すると、静止画が表示されているとき、必要に応じて表示されている情報が保存される。
【0018】
請求項6記載の発明は、請求項5記載の発明の構成において、静止画が表示されているとき、当該静止画による縫製作業に関連したコメント等が書込まれるコメント書込み手段を更に備え、情報保存手段は、書込まれたコメント等を併せて保存するものである。
【0019】
このように構成すると、必要に応じて書込まれたコメント等が保存される。
【0020】
請求項7記載の発明は、請求項1から請求項6のいずれかに記載の発明の構成において、表示されている動画に対して、撮影の視点の変更を指示する視点変更指示手段を更に備え、視点変更指示手段の指示出力に応答して、動画表示手段は、指示された視点に応じた動画を表示するものである。
【0021】
このように構成すると、指示された視点に応じた動画が表示される。
【0022】
請求項8記載の発明は、請求項1から請求項7のいずれかに記載の発明の構成において、伝達される縫製技術は、制御装置からネットワークを介して所望の端末装置に送信されるものである。
【0023】
このように構成すると、伝達される縫製技術はネットワークを介して送信される。
【0024】
請求項9記載の発明は、請求項5又は請求項6記載の発明の構成において、伝達される縫製技術は、制御装置からネットワークを介して所望の端末装置に送信され、情報保存手段は、端末装置に接続された記憶装置に保存するものである。
【0025】
このように構成すると、伝達される縫製技術はネットワークを介して送信されるとともに、縫製技術の情報は随時端末装置の記憶装置に保存される。
【0026】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1記載の発明は、縫製箇所は型板の上に表示されるため、縫製部品のどの部品が縫われているのかが明確になり、動画による縫製技術の伝達効果が更に向上する。
【0027】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の効果に加えて、動画に応じた縫製作業の注意点等が表示されるため、画像のみならず、文字によっても重要箇所が把握できるため、縫製技術の理解がより深まるものである。
【0028】
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の発明の効果に加えて、動画の再生時において必要に応じて所望の静止画を確認することができるため、必要な箇所の縫製作業を静止画で確認できるので使い勝手が良い。
【0029】
請求項4記載の発明は、請求項1から請求項3記載の発明のいずれかに記載の発明の効果に加えて、縫製箇所を中心とした縫製作業を静止画で確認できるため使い勝手が良い。
【0030】
請求項5記載の発明は、請求項3又は請求項4記載の発明の効果に加えて、必要に応じて表示されている情報が保存されるため、その縫い手にとって特に重要な情報をまとめることができ、より効率的な縫製技術の伝達が可能となる。
【0031】
請求項6記載の発明は、請求項5記載の発明の効果に加えて、必要に応じて書込まれたコメント等が保存されるため、更に縫製技術の伝達効率が高まる。
【0032】
請求項7記載の発明は、請求項1から請求項6のいずれかに記載の発明の効果に加えて、指示された視点に応じた動画が表示されるため、特に確認したい縫製作業については、所望の視点からその確認ができるので、より的確な縫製技術の伝達が可能となる。
【0033】
請求項8記載の発明は、請求項1から請求項7のいずれかに記載の発明の効果に加えて、伝達される縫製技術はネットワークを介して送信されるため、縫製技術を習得したい縫い手が縫製技術者から遠隔地にいる場合であっても、適切な縫製技術の伝達が可能となる。
【0034】
請求項9記載の発明は、請求項5又は請求項6記載の発明の効果に加えて、縫製技術はネットワークを介して送信されるとともに、縫製技術の情報は端末装置の記憶装置に保存されるため、端末装置側で保存された情報を必要に応じて確認できるので使い勝手が良い。
【0035】
【発明の実施の形態】
図1はこの発明の第1の実施の形態による縫製技術伝達システムの概略構成を示すブロック図である。
【0036】
図を参照して、縫製技術伝達システム11はインターネット23を介して相互に接続されており、縫製工場の縫い手がアクセスし得る工場用端末25と、工場用端末25に接続される記憶装置26と、本システムの全体を制御するシステムサーバ13とから構成されている。
【0037】
システムサーバ13には、データベース15が接続されており、具体的には、工場用端末25の画面に縫製作業を動画として表示するための動画の情報が格納されている動画データベース17と、工場用端末25の画面に随時表示する静止画の情報が格納されている静止画データベース18と、工場用端末25の画面に表示される、動画の画面に応じて表示されるチェックリストの情報が格納されているチェックリストデータベース19と、工場用端末25の画面に動画の画面に応じて表示される、縫製部品に対応した型板の情報が格納されている型板データベース20とから構成されている。
【0038】
このように縫製技術伝達システム11は構成されているため、縫製工場の縫い手はインターネット23を介して随時システムサーバ13にアクセスし、これの制御のもと、データベース15に格納されている各種データを工場用端末25の画面に呼び出してこれを利用することが可能となっている。
【0039】
図2は図1で示した工場用端末25の画面に現れる表示情報の具体的内容を示した図である。
【0040】
図を参照して、工場用端末の表示画面29には動画又は静止画を表示するための画像表示部31と、画像表示部31に表示されている画像に対応して縫製技術のポイントを示すチェックリストを表示するためのチェックリスト表示部32と、画像表示部31の画像に合わせてその時点で縫製している縫製部品を型板として表示するための型板表示部33等を中心として構成されている。
【0041】
ここで図1に戻って、動画データベース17には、縫製サンプルを製作する際の縫製技術者の作業状況をビデオ撮影したものをデジタル化処理して動画情報として格納している。又、撮影にあたっては、その縫製作業を視点を変えて同時進行的に撮影するように構成されている。すなわち、縫製作業に対して例えば上方、下方、前方、及び後方の視点から撮影し、これを各々デジタル化処理し、又、各視点における撮影内容を拡大したり、縮小したりしたものも併せて動画情報として格納している。
【0042】
静止画データベース18にあっては、図2の型板表示部33に示されている型板に表示されている縫製箇所に対応した静止画像が動画データベース17に格納されている動画情報から抽出されるように格納されている。
【0043】
チェックリストデータベース19内には、動画データベース17に格納されている動画情報に合わせて作成され、縫製作業の各ポイント毎に縫製に当たって注意すべき点等がチェックリスト情報として格納されている。尚、このチェックリストは後述するように、縫い手の技術レベルに合わせて個別に作成されている。
【0044】
型板データベース20にあっては、型板情報が動画データベース17に格納されている動画に関連付けて作成されており、動画で示されている各縫製部品の各々毎にその縫製箇所とともに格納されている。
【0045】
図2に戻って、表示画面29においてはその右上に「開始」及び「停止」のボタンが示されている。この「開始」ボタンをクリックすると画像等の表示が開始され、「停止」ボタンをクリックすると、画像の表示等が終了する。
【0046】
又、画像表示部31の上方には、「動画」及び「静止画」のボタンが配置されている。画像表示部31に縫製作業を撮影した動画が表示されている時に、「静止画」のボタンをクリックすると動画は停止して静止画像となる。これによって縫い手はじっくりと縫製作業のポイントを確認することができる。画像表示部31の左下方には、画像表示部31に表示されている動画が伝達しようとする縫製作業がどの縫製工程であるかを示すものである。例えば画像表示部31に示されている画面が工程2であれば、「工程2」の左側の○印の部分が点灯するように構成されている。
【0047】
画像表示部31の下方には縫製作業を撮影している視点の位置を示すボタンが示されている。例えば画像表示部31に表示されている縫製作業が上方から撮影されているものである場合には「上方」のボタンが点灯した状態となっている。この時、例えば「後方」のボタンをクリックすると、画像表示部31に表示されている画面は後方を視点として撮影された画像データに変換される。これによって、縫い手は画像表示部31に表示されている縫製作業について所望の視点で確認することができるため、より的確な縫製作業の特徴を理解することが可能となる。
【0048】
同様に「拡大」のボタンをクリックすると、画像表示部31に表示されている画像が拡大されて表示される。これによってより正確に縫製作業を確認することが可能となる。
【0049】
チェックリスト表示部32には、上述のように画像表示部31に表示されている縫製作業の各ポイントにおいて注意すべき点等がチェックリストとして表示されている。このチェックリストは上述のように縫い手のレベルに応じて作成されているため、チェックリスト表示部32の上方に配置されているレベルを示すスイッチをクリックすることによって、そのレベルに応じたチェックリストがチェックリスト表示部32に表示されることになる。これによって、縫い手は自分の技術レベルに応じたチェックリストの内容を確認できるため、より効率的に縫製作業を理解することが可能となる。
【0050】
型板表示部33には、縫製部品に対応した型板が表示されているが、画面上においてはその型板の中に画像表示部31において表示されている縫製位置に応じて同時進行的にその縫製箇所が表示されている。これによって縫い手は縫製部品の縫製箇所に応じた縫製技術者の動作を画像表示部31で確認することができるため、より的確に縫製作業を把握することができる。
【0051】
尚、型板表示部33において示されている縫製箇所は、上述のように画像表示部31に表示されている縫製作業に対応したものであるが、例えば既に縫製された箇所をクリックすることによって、画像表示部31にはそのクリックされた縫製箇所に対応した縫製作業の静止画が表示されるように構成されている。これによって、縫い手は縫製作業が進行した場合であっても、確認したい縫製箇所があれば、その都度静止画として確認できるため、使い勝手が良い。
【0052】
表示画面29の左下方には「保存」ボタンが示されている。この「保存」ボタンは、画像表示部31に表示されている動画で示されている縫製作業のうち、特に縫い手にとって重要と思われる作業として表示画面29に示されている画像情報を保存するために設けられたボタンである。そして「保存」ボタンをクリックすると、画像表示部31はその時点での静止画に変わり、コメント書込部35には、その時点での工程の種類が上の欄に表示される。
【0053】
縫い手はコメント書込部35内にその時点での縫製作業についてのコメント等を任意に記載することが可能となる。これによってその縫い手にとって固有の縫製作業に関するデータベースを構築することが容易となる。保存された画像情報は工場用端末25に接続されている記憶装置26に格納されるため、縫い手は必要な時自己に対する固有のデータベースを記憶装置26から読み出して、工場用端末25において確認することが可能となる。
【0054】
図3は図1で示されたチェックリストデータベースの具体的内容を示した概略図である。
【0055】
縫製作業にあたっての注意点等のチェックリストは、動画データベース17に格納されている動画情報に対応させて格納されている。例えば、1つの縫製部品に対する縫製作業が動画Aとして格納され、動画Aはその縫製部品に対する縫製工程がパート1からパート2、パート3のように構成されているものとする。この場合、パート別に必要なチェックリストが縫い手のレベルに応じて準備されている。
【0056】
例えばレベル1におけるチェックリストにおいては基本的な注意点を中心として記載されているが、レベルが上がるにつれて、応用的な注意点となるように構成されている。従って、表示画面29の画像表示部31に表示されている動画が示している縫製作業のパートとチェックリストのレベルに応じて必要なチェックリストが、チェックリストデータベース19から読み出されてチェックリスト表示部32に表示されることになる。
【0057】
尚、図示しないがチェックリストの各項目毎にその内容をより細かく説明した文章が別途用意されており、チェックリスト表示部32に表示された項目をクリックすることによって、その詳しい内容が画面に表示されるように構成されている。
【0058】
図4は図11に示したシステムサーバ13の制御内容を示した概略フローチャートである。
【0059】
図を参照して、本システムの開始が指示されると、ステップS41において工場用端末25の表示画面29の画像表示部31において動画が表示され、チェックリスト表示部32にそれに対応したチェックリストが表示される。ここで、チェックリストのレベルの変更が指示されたとき(S43でYES)、チェックリスト表示部32には変更されたレベルに応じたチェックリストが表示される(S44)。
【0060】
ここでチェックリスト表示部32に示されたチェック項目のいずれかをクリックすると(S45でYES)、そのクリックされたチェック項目についての詳細内容が表示される(S46)。次に、型板表示部33に表示されている型板の縫製箇所をクリックすると(S47でYES)、その縫製箇所に対応した静止画が画像表示部31に表示される(S48)。そこでその静止画を保存しようと「保存」ボタンをクリックすると(S49でYES)、表示画面29に表れている画像情報等が工場用端末25に接続された記憶装置26に保存されることになる(S50)。
【0061】
次にチェックリスト表示部32に表示されている動画に対して撮影の視点を変更するように指示すると(S51でYES)、指示した視点に応じた動画が画像表示部31に表示される(S52)。一方、画像表示部31に動画が表示されている際にその静止画を希望すると(S53でYES)、画像表示部31にはその時点の動画に対応した静止画が表示される(S54)。そしてこの静止画に対して画像情報を保存しようとすると(S55でYES)、工場用端末25に接続された記憶装置26に表示画面29に表示された画像情報が保存される(S56)。次に動画を希望すると(S57でYES)、画像表示部31には動画が表示されて上記と同様のフローが繰り返される。画像表示部31に表示すべき動画が終了すると(S58でYES)、本システムの処理が終了する。
【0062】
図5はこの発明の第5の実施の形態による縫製技術伝達システムの概略構成を示したブロック図である。
【0063】
先の実施の形態においては、動画情報等を格納しているデータベース15をシステムサーバ13が制御し、これをインターネット23を介して工場用端末25に送信し、工場側は工場用端末25を介して本システムを利用するように構成されていた。この実施の形態においては、各工場内のパーソナルコンピューター等において必要な情報を全て格納しておき、そのコンピューター単体で本システムを実施できるように構成したものである。
【0064】
図を参照して、縫製技術伝達システム11はCPUによって構成された制御部61を中心として構成されている。制御部61には、先の実施の形態の図2で示した表示画面に対応する表示部63と、各種ボタンの操作やコメントの入力等をするための入出力部64と、縫い手によって保存しておきたい画像情報等を記憶するための記憶部65と、先の実施の形態のデータベースに対応した、動画の情報を保存するための動画記憶部67と、静止画の情報を保存するための静止画記憶部68と、チェックリストの情報を保存するためのチェックリスト記憶部69と、型板の情報を保存するための型板記憶部70とが接続されている。
【0065】
このように構成することによって、各工場においてはインターネットを介することなく本システムを同様に活用することが可能となる。この場合、動画情報等の各種データとこれらを先の実施の形態における制御を行うためのプログラムとを格納してインターネットを介して各コンピューターに送信したり、或いはCD―ROM等の記録媒体に格納してこれを各コンピューターに読み取らせるように構成すれば良い。
【0066】
尚、上記の第1の実施の形態では、前もってデータ化された縫製技術情報がシステムサーバから各端末に対して送信されている。そこで、これに音声画像チャットの技術を加えて、縫製技術をリアルタイムに端末装置に送信して双方向に情報を交換するようにすれば、縫い手からの質問等を随時技術者に出し、縫製技術者はこれに答えることができるため更に便利なシステムとなる。
【0067】
又、上記の各実施の形態では、一つの縫製品毎に一人の技術者の縫製技術をデータ化しているが、一つの縫製品毎に複数の技術者の縫製技術をデータ化しておき、これらを任意に選択できるように構成しても良い。
【0068】
更に、上記の各実施の形態では、縫製技術の各注意点等をチェックリスト化しているが、ミシンの送り速度や押えの圧力等を数値化しておき、これらもベータベース化して随時読み出せるように構成しても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施の形態による縫製技術伝達システムの概略構成を示したブロック図である。
【図2】図1に示した工場用端末の表示画面に表れる具体的な画像情報等を示した図である。
【図3】図1で示したチェックリストデータベースの具体的構成を示した図である。
【図4】図1で示したシステムサーバの具体的な制御内容を示したフローチャートである。
【図5】この発明の第2の実施の形態による縫製技術伝達システムの概略構成を示したブロック図である。
【図6】従来の縫製作業の具体的な流れを示したブロック図である。
【符号の説明】
11…縫製技術伝達システム
13…システムサーバ
15…データベース
17…動画データベース
18…静止画データベース
19…チェックリストデータベース
20…型板データベース
23…インターネット
25…工場用端末
26…記憶装置
29…表示画面
31…画像表示部
32…チェックリスト表示部
33…型板表示部
35…コメント書込部
61…制御部
63…表示部
64…入出力部
65…記憶部
67…動画記憶部
68…静止画記憶部
69…チェックリスト記憶部
70…型板記憶部
尚、各図中同一符号は同一又は相当部分を示す。
Claims (9)
- 縫製技術を画像等を介して伝達する縫製技術伝達システムであって、
縫製技術者の縫製作業を撮影して、これを動画として表示する動画表示手段と、
前記表示された縫製作業の対象となっている縫製部品を型板として表示し、且つ前記表示された動画に対応した縫製箇所を前記型板の上に表示する型板表示手段とを備えた、縫製技術伝達システム。 - 前記表示された動画に対応させて、当該縫製作業における注意点等をチェックリストとして表示するチェックリスト表示手段を更に備えた、請求項1記載の縫製技術伝達システム。
- 前記動画が表示されている際に、静止画の表示を指示する静止画指示手段と、
前記静止画指示手段の指示出力に応答して、その時点で表示されている動画に対応した静止画を表示する第1静止画表示手段とを更に備えた、請求項1又は請求項2記載の縫製技術伝達システム。 - 前記表示された型板の縫製箇所を指定すると、前記指定された縫製箇所に対応した静止画を表示する第2静止画表示手段を更に備えた、請求項1から請求項3のいずれかに記載の縫製技術伝達システム。
- 前記静止画が表示されたとき、表示されている画像等の情報の保存を指示する保存指示手段と、
前記保存指示手段の指示出力に応答して、前記表示されている情報を保存する情報保存手段とを更に備えた、請求項3又は請求項4記載の縫製技術伝達システム。 - 前記静止画が表示されている時、当該静止画による縫製作業に関連したコメント等が書込まれるコメント書込み手段を更に備え、
前記情報保存手段は、前記書込まれたコメント等を併せて保存する、請求項5記載の縫製技術伝達システム。 - 前記表示された動画に対して、撮影の視点の変更を指示する視点変更指示手段を更に備え、
前記視点変更指示手段の指示出力に応答して、前記動画表示手段は、前記指示された視点に応じた動画を表示する、請求項1から請求項6のいずれかに記載の縫製技術伝達システム。 - 前記伝達される縫製技術は、制御装置からネットワークを介して所望の端末装置に送信される、請求項1から請求項7のいずれかに記載の縫製技術伝達システム。
- 前記伝達される縫製技術は、制御装置からネットワークを介して所望の端末装置に送信され、前記情報保存手段は、前記端末装置に接続された記憶装置に保存する、請求項5又は請求項6記載の縫製技術伝達システム。
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JP2006163062A (ja) * | 2004-12-08 | 2006-06-22 | Ni Teijin Shoji Co Ltd | 技芸コンテンツの提供システム及びその提供方法 |
JP2012053755A (ja) * | 2010-09-02 | 2012-03-15 | Hitachi Information Systems Ltd | 作業管理システム |
WO2020090943A1 (ja) * | 2018-10-30 | 2020-05-07 | Cyberdyne株式会社 | インタラクティブ情報伝達システム及びインタラクティブ情報伝達方法並びに情報伝達システム |
-
2002
- 2002-09-26 JP JP2002280438A patent/JP2004117779A/ja not_active Withdrawn
Cited By (5)
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