JP2004117295A - 測距装置及びこれを備えたカメラ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明に係る測距装置は、一対のラインセンサに測距対象物からの光を結像させて一対のAFデータを取得し、一対のウインドウ範囲をシフトさせながら順次相関値を演算し、複数の相関値のうち最高の相関を示す最高相関値を検出し、最高相関値が得られるときのウインドウ範囲のシフト量を演算し、このシフト量に基づいて測距対象物の距離を算出する。この測距装置は、演算された相関値から複数の相関極値を検出し、これらを補間して複数の補間相関極値を演算し、複数の補間相関極値のうち最高の相関を与える第1補間相関極値を最高相関値として検出する。
【選択図】 図3
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は測距装置に関し、より詳細には、パッシブ方式のAF(Auto Focus)センサを備えた測距装置及びこれを備えたカメラに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のパッシブタイプの測距装置では、相関値演算を実施して最小相関値の得られたシフト量を距離結果としているが、相関値に信頼性がないと誤測距となるため、相関値の信頼性の判断を行っている。
【0003】
例えば、特許文献1に開示の測距装置では、基準シフト位置から相関シフトを開始し、シフト範囲の中心が極小値となるよう基準シフト位置を変更して行き、初めに検出された1つの極小値を求め、極小値前後のシフト位置の相関値傾きの差で信頼性判断を実施している。また、極小値前後のシフト位置の相関値から内挿処理により得られた新たな極値を前後傾きの大きな方の傾斜で割った値(規格化極小値)と基準値とを判断し、極小値の信頼性判断を実施することにより、相関値の信頼性を判断している。
【0004】
【特許文献1】
特許第2707569号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来の測距装置では、上記2つの判断が良好であった場合、初めに選択した極小値を距離情報としてしまうため、例えば図25(a)に示すような繰り返しの絵柄を測距した場合、初めに信頼性判断を実施した相関シフト領域S1の結果を選択してしまっていた。図26に示すように、初めのシフト結果(図26中の右側の極小値)の相関値傾きの差、及び内挿処理により得られた新たな極値が良好の場合、本来の極小値(左側の極小値)のある範囲のシフトは実施せず、初めのシフト結果(右側の極小値)を選択してしまい、誤測距となっていた。
【0006】
このように、相関値の極小値が複数存在する場合には、本来なら採用されるべきでない極小値が最小極小値として採用され、その最小極小値が得られたときのシフト量に基づいて被写体距離を算出することで、被写体距離を誤って測定してしまうおそれがあった。
【0007】
本発明は、上記した課題を解決するために為されたものであり、測定対象物の誤測距を抑制することが可能な測距装置及びこれを備えたカメラを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る測距装置は、(1)複数の受光素子を含む一対のラインセンサに測距対象物からの光を結像させ、各受光素子から得られた信号に基づいて相関値演算用の一対のAFデータを生成するAFデータ生成手段と、(2)一対のラインセンサのうちの測距に使用する一対の採用センサ範囲から一対のAFデータを取得するAFデータ取得手段と、(3)一対の採用センサ範囲内において、相関値演算に使用する一対のAFデータを取得するための一対のウインドウ範囲を決定し、一対のウインドウ範囲をシフトさせながら順次相関値を演算する相関値演算手段と、(4)複数の相関値のうち最高の相関を示す最高相関値を検出する最高相関値検出手段と、(5)最高相関値が得られるときのウインドウ範囲のシフト量を演算するシフト量演算手段と、(6)シフト量演算手段により演算されたシフト量に基づいて、測距対象物の距離を算出する測距対象物距離算出手段と、を備えた測距装置である。そして、相関値演算手段により演算された相関値から複数の相関極値を検出し、これらを補間して複数の補間相関極値を演算する補間相関極値演算手段を備え、最高相関値検出手段は、複数の補間相関極値のうち最高の相関を与える第1補間相関極値を最高相関値として検出することを特徴とする。
【0009】
この測距装置では、相関値演算手段により演算された相関値から極値を与える複数の相関極値を検出し、これらを補間して複数の補間相関極値を演算している。このように、複数の相関極値を補間して得られる複数の補間相関極値は、補間前の相関極値と比べて極値としての信頼性が高い。そして、このようにして演算された複数の補間相関極値のうち最高の相関を与える第1補間相関極値を最高相関値として検出し、これに基づいてシフト量を演算している。従って、従来のように補間前の相関値から最高相関値を検出する場合と比べて、本来採用されるべきでない相関値を採用するおそれが低減され、誤測距が抑制される。
【0010】
本発明に係る測距装置は、AFデータの周期性を検出する周期性検出手段を備え、補間相関極値演算手段は、周期性検出手段により所定の基準値よりも大きい周期性が検出されたとき、複数の補間相関極値を演算することを特徴としてもよい。このように、AFデータの周期性が高く、従来の技術によれば誤測距が生じやすいときに、複数の補間相関極値に基づいて最高相関値を検出することで、誤測距を効果的に抑制することができる。
【0011】
本発明に係る測距装置は、相関値演算手段により演算された相関値から最も高い相関を示す第1相関極値と次に高い相関を示す第2相関極値とを検出し、第2相関極値と第1相関極値との比と、所定の基準値とを比較する比較手段を備え、補間相関極値演算手段は、比較手段により比が所定の基準値よりも小さいと判定されたとき、複数の補間相関極値を演算することを特徴としてもよい。このように、第2相関極値と第1相関極値との比が小さく、第1相関極値と第2相関極値との差が小さくて従来の技術によれば誤測距が生じやすいときに、複数の補間相関極値に基づいて最高相関値を検出することで、誤測距を効果的に抑制することができる。
【0012】
本発明に係る測距装置は、補間相関極値演算手段により演算された複数の補間相関極値が正常か否かを判定する第1判定手段を備え、最高相関値検出手段は、第1判定手段により複数の補間相関極値が正常と判定されたとき、複数の補間相関極値のうち最高の相関を与える第1補間相関極値を最高相関値として検出することを特徴としてもよい。このように、複数の補間相関極値が正常と判定されたときに第1補間相関極値を最高相関値として検出することで、検出される最高相関値の信頼度が高くなり、誤測距がより一層抑制される。
【0013】
本発明に係る測距装置は、補間相関極値演算手段により演算された複数の補間相関極値のうち最も高い相関を示す第1補間相関極値と次に高い相関を示す第2補間相関極値との差が所定の基準値より小さいときには測距不能とする第2判定手段を備えることを特徴としてもよい。このように、第1補間相関極値と第2補間相関極値との差が所定の基準値より小さいときには、いずれかを最高相関値として検出することは適切でないため、このような場合は測距不能とすることで、誤測距がより一層抑制される。
【0014】
本発明に係る測距装置では、第2判定手段は、所定の基準値の大きさを第1補間相関極値の大きさに基づいて切り替えることを特徴としてもよい。このように、所定の基準値の大きさを第1補間相関極値の大きさに基づいて切り替えることで、不必要に測距不能と判断されるおそれを低減することができる。
【0015】
本発明に係る測距装置では、ウインドウ範囲のシフト量を演算するためのシフト量補間量を求める演算式と、補間相関極値を演算するための相関値補間量を求める演算式とは、同一の補間式から導出されていることを特徴としてもよい。このようにすれば、算出される距離の精度が向上される。
【0016】
本発明に係るカメラは、上記したいずれかの測距装置を備えたことを特徴とする。ここで、カメラにはフィルムカメラ、デジタルスチルカメラ等の写真機の他、ビデオカメラ等が含まれる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0018】
図1は、本実施形態に係る測距装置を備えたカメラの前面側の構成を示す斜視図である。図1に示すように、カメラ10には、被写体像を銀塩フイルムに結像する撮影レンズを備えたズームレンズ鏡胴12と、ストロボ光が発光されるストロボ発光窓16と、撮影者が被写体を確認するファインダ窓18と、被写体距離を測定するパッシブタイプのAFセンサが内蔵されているAF窓22と、被写体の明るさを測定する測光センサが内蔵されている測光窓25と、撮影者がシャッタレリーズを指示する際に操作するシャッタボタン34等が設けられている。
【0019】
図2は、カメラ10の背面側の構成を示す斜視図である。図2に示すように、カメラ10には、設定されている撮影モード等や日付情報等を表示するLCD表示パネル38と、ストロボの発光モードを設定するフラッシュボタン42と、セルフタイマーのモードを設定するセルフタイマーボタン44と、フォーカスのモードを設定するフォーカスボタン46と、日付や時刻を設定する日付ボタン48と、撮影画角をワイド方向又はテレ方向に指示するズームボタン50とが設けられている。
【0020】
図3は、上記カメラ10の制御部を示すブロック図である。図3に示すように、カメラ10には、カメラ10の全体を制御するCPU60(情報処理手段)が設けられており、以下に示す各部から情報を取得するとともに、CPU60からの指示によって以下に示す各部を制御することが可能となっている。尚、図3に示すCPU60は、CPUコア部とI/O、ウォッチドグタイマ、A/D変換器等の周辺回路から構成されるASICであってもよい。
【0021】
また、図3に示すように、カメラ10には、電池の電圧を昇圧させるとともに安定化させて、CPU60及びその他の各周辺回路に電源を供給するレギュレータ62と、ズームレンズ鏡胴12をモータ駆動してズーム位置やフォーカス位置を変更するとともにズーム位置やフォーカス位置の位置情報をCPU60に出力する鏡胴駆動部64と、フイルム給送モータを駆動してフイルムを給送するフイルム給送駆動部66とが設けられている。
【0022】
またカメラ10には、露光時にシャッタを開閉してフイルムを露光するシャッタ駆動部68と、図1の測光窓25を介して取り込んだ外光に基づいて被写体の光量を測定する測光センサ70と、メインコンデンサを充電し、また、メイコンデンサに充電した発光エネルギーによりストロボを発光させるストロボ装置72と、図1のAF窓22から取り込んだ被写体光からオートフォーカスにおける測距に必要なデータを取得するパッシブタイプのAFセンサ74とが設けられている。
【0023】
またカメラ10には、カメラ10の制御に関するパラメータやデータ、処理プログラム、測距に関する情報等の各種情報を書き換え自在に記録するプログラマブルROM82(EEPROM等の記録手段)と、CPU60からの指示に基づいてLCD表示パネル38に対して各モードに応じた図形、文字、数字等を表示するための信号を出力するLCD駆動部84とが設けられている。
【0024】
図2に示したシャッタボタン34、フラッシュボタン42、セルフタイマーボタン44、フォーカスボタン46、日付ボタン48、ズームボタン50等の各種ボタンの操作は各ボタンに対応して設けられたスイッチからのオン/オフ信号としてCPU60に与えられる。これらのスイッチは、図3においてスイッチ部86として示されている。尚、シャッタボタン34については半押しの状態と全押しの状態とが区別して検出される。
【0025】
尚、図3に示すドライバ88は、CPU60からの指令に基づいて鏡胴駆動部64に設けられているズーム駆動モータやフォーカス駆動モータを制御し、フイルム給送駆動部66に設けられているフイルム給送モータを駆動することが可能となっている。また、ドライバ88は、CPU60からの指令に基づいて基準電圧や駆動電力をA/D変換回路や測光センサ70に出力することが可能となっている。また、ドライバ88は、CPU60からの指令に基づいてフイルム露光時に開閉するシャッタの制御信号をシャッタ駆動部68に出力するとともに、ストロボの発光/停止を指示する信号をストロボ装置72に出力することが可能となっている。
【0026】
図4は、パッシブ方式によるAFセンサ74の構成を示した図である。図4に示すように、AFセンサ74には、例えば白と黒の2つの色から構成されている被写体90の像を左右の各センサの受光面に結像するレンズ92と、受光面に結像した像を光電変換して輝度信号として出力する右側のR(右)センサ94及び左側のL(左)センサ96と、CPU60と間で各種データの送受信を行うとともにRセンサ94及びLセンサ96の制御とデータ処理を行う処理回路99とが設けられている。尚、Rセンサ94、Lセンサ96、及び、処理回路99は、例えば、同一基板上に実装される。
【0027】
Rセンサ94及びLセンサ96は例えばCMOSラインセンサであり、直線上に配列された複数のセル(受光素子)から構成される。尚、Rセンサ94とLセンサ96のそれぞれのセルには図中左側から順にセンサ番号1、2、3…233、234が付されるものとする。ただし、Rセンサ94及びLセンサ96の左右両側の5つずつのセルは、ダミーのセルとして実際には使用されていないため、有効なセンサ領域は、センサ番号6から229までとなっている。これらのRセンサ94及びLセンサ96の各セルからは受光した光量に応じた輝度信号がセンサ番号と関連付けて処理回路99に順次出力される。
【0028】
処理回路99は、CPU60から指示信号によってAFセンサ74の動作状態と非動作状態の切替えを行い、動作状態においてCPU60から動作内容に関する制御データを取得すると、その制御データに基づいて積分処理等の処理を開始する。詳細は後述するが積分処理は各Rセンサ94及びLセンサ96から得た各セルの輝度信号を各セル毎に積分(加算)し、各セル毎の輝度信号の積分値(光量の積分値)を生成する処理である。尚、各セル毎の輝度信号の積分値を示す値としてAFセンサ74の受光セルから出力されるデータをセンサデータというものとすると、処理回路99がセンサデータとして実際に生成する値は、各セルの輝度信号の積分値を所定の基準値(基準電圧VREF)から減算した値であり、以下の説明においてセンサデータという場合には、この値をいうものとする。従って、センサデータは受光した光量が多い程、低い値を示す。但し、AFセンサ74から出力されるセンサデータは、各セルからの出力を各セルごとに積分した信号に基づく値であって、AFセンサ74で撮像した被写体の特徴を示すデータ(例えば、被写体のコントラストを示すデータ)であれば、少なくとも以下で説明する処理を同様に適用できる。また、以下の説明において、単に積分又は積分処理という場合にはセンサデータ(輝度信号の積分値)を得るための積分又は積分処理を示すものとする。
【0029】
また、積分処理は、例えば、Rセンサ94とLセンサ96のそれぞれのセンサ領域内(有効なセル内)のうちCPU60によって指定された後述するピーク選択領域内のいずれかのセルのセンサデータが所定の積分終了値に達すると、即ち、ピーク選択領域内のセンサデータのピーク値(最小値)が積分終了値に達すると、測距を行うのに十分なセンサデータが得られたと判断して終了する。このとき、処理回路99は、CPU60に積分終了を示す信号(積分終了信号)を出力する。尚、上述のようにセンサデータのピーク値が積分終了値に達した場合をAFセンサ74における積分終了条件とするのではなく、例えば、ピーク選択領域内におけるセンサデータの平均値が所定値に達した場合を積分終了条件としてもよく、また、他の条件を積分終了条件としてもよい。
【0030】
CPU60は、積分終了信号を受けて処理回路99から積分処理によって得られた各セルのセンサデータをセンサ番号と対応付けて取得する。これによって、CPU60はRセンサ94及びLセンサ96で撮像された画像(以下、センサ像という)を認識する。そして、詳細を後述するようにRセンサ94とLセンサ96のそれぞれのセンサ像の間(又は、センサ像のコントラスト抽出処理を実施した後)で相関値演算を行い、相関が最も高くなるときのセンサ像のズレ量を求め、被写体90までの距離を算出する(三角測量の原理)。
【0031】
図5及び図6は、それぞれAFセンサ74から被写体90までの距離が近い場合と遠い場合のセンサ像(センサデータ)を例示した図である。被写体90までの距離が近い場合、図5に示すように、Lセンサ96のセンサ番号87〜101までのセンサデータは明るい値(50)となり、センサ番号101〜150までは暗い値(200)となる。Rセンサ94についてはLセンサ96と異なる位置に設けられているため、センサ番号85〜133までのセンサデータは明るい値(50)となり、センサ番号133〜148までは暗い値(200)となる。
【0032】
これに対して、被写体90までの距離が遠い場合(例えば略無限遠の場合)には、図6に示すように、Lセンサ96のセンサ番号87〜117までのセンサデータは明るい値(50)となり、センサ番号118〜150までは暗い値(200)となる。一方、Rセンサ94は、Lセンサ96とは異なる位置に設けられているものの被写体位置が遠距離に存在するために、センサ番号85〜116までのセンサデータは明るい値(50)となり、センサ番号117〜148までは暗い値(200)となる。この場合にCPU60は、Rセンサ94とLセンサ96のセンサ像のズレ量がほとんどなく、被写体が略無限遠に存在すると判断することができる。これに対して、図5に示したように被写体が近距離に存在する場合には、センサ像のズレ量が大きくなる。
【0033】
定量的には、被写体距離は、Rセンサ94とLセンサ96との間隔及び各センサからレンズ92までの距離、Rセンサ94及びLセンサ96の各セルのピッチ(例えば12μm)等を考慮して、センサ像のズレ量から算出することができる。センサ像のズレ量は、Rセンサ94とLセンサ96のそれぞれのセンサ像の間で相関値演算を行うことにより求めることができる。
【0034】
図7及び図8は、図5及び図6に示すセンサデータ(AFデータ)が得られたときに、そのセンサデータ(AFデータ)に基づいて相関値を演算した結果を示すグラフである。被写体距離は、相関値が最小の極小値を採るときのズレ量に基づいて算出することができ、図7に示すように、被写体が近距離に存在する場合はズレ量が大きくなる。一方、図8に示すように、被写体が遠距離に存在する場合はズレ量が小さくなる。なお、相関値演算の詳細については後述する。
【0035】
次に、上記構成のAFセンサ74を使用して被写体の距離を測距し、その被写体にピントを合わせるAF測距の処理内容について説明する。
【0036】
カメラ10の処理モードを撮像のモードに設定して利用者がシャッタボタン34を半押しすると、CPU60はスイッチ部86からシャッタボタン34が半押しされたことを示す信号を取得する。この信号を取得した場合、CPU60は、被写体を撮像するために被写体の輝度に応じたAEを設定するとともに、被写体を特定してピントを合わせるAF測距処理を開始する。
【0037】
図9は、上記CPU60におけるAF測距の処理手順の概要を示すフローチャートである。
【0038】
[ステップS10(測距エリア設定処理)]
撮影レンズは、ズームレンズ鏡胴12を駆動することにより焦点距離を可変できるのに対し、AFセンサ74にセンサ像を結像させるレンズ92は、固定焦点レンズである。そこで、撮影レンズのレンズ位置(画角)に対応して測距エリアを変更するようにしている。即ち、撮影レンズがテレ位置の場合には、測距エリアを狭くする。
【0039】
ここで、図10に示すようにRセンサ94及びLセンサ96のセンサ領域は、それぞれ5分割したエリア単位で相関値演算等の処理が行われ、各エリア毎に被写体距離が算出されるようになっている。これらの分割されたエリアを以下分割エリアというものとすると、分割エリアは、同図に示すように「右エリア」、「右中エリア」、「中央エリア」、「左中エリア」、「左エリア」から構成される。また、各分割エリアは、隣接する分割エリアと一部領域(セル)を共有している。相関値演算等の際には、Rセンサ94とLセンサ96の対応する各分割エリア間(同一名の分割エリア間)でそれぞれ個別に相関値演算が行われることになる。尚、本実施の形態では分割エリアはセンサ領域を5分割したものであるが5分割以外の分割数であってもよい。
【0040】
測距エリアは、Rセンサ94とLセンサ96のそれぞれのセンサ領域のうち測距に使用する領域であり、その領域を決めるのに上記分割エリアが使用される。この測距エリア設定処理の詳細について、図11のフローチャートを用いて説明する。
【0041】
まず、CPU60は、現在設定されているズーム位置(画角の設定角度)に関する情報を鏡胴駆動部64から取得して、現在のズーム位置が所定のズーム位置よりテレ側かワイド側(テレ以外)かを判定する(ステップS10A)。例えばズーム可変範囲をZ1〜Z6の6つの範囲に分けた場合に、現在のズーム位置がテレ端側の範囲Z6に設定されているときにはテレ側と判定し、それ以外の範囲Z1〜Z5に設定されているときには、テレ以外と判定する。尚、マクロモードに設定されているときにはテレ以外と判定する。
【0042】
もし、テレ側と判定した場合には、図12に示すようにRセンサ94及びLセンサ96のセンサ領域(画角が±6.5°の範囲)のうち、測距に使用する測距エリアを撮影レンズの画角に対応した範囲(画角が±3.9°の範囲)に制限する。即ち、テレと判定した場合には、Rセンサ94及びLセンサ96の全センサ領域(5エリア)のうちの中央部の「右中エリア」、「中央エリア」、及び「左中エリア」の3つの分割エリアで構成される領域▲1▼を測距エリアとして設定する(3エリア設定)(ステップS10B)。一方、テレ以外と判定した場合には、「右エリア」、「右中エリア」、「中央エリア」、「左中エリア」、「左エリア」の5つの分割エリアで構成される領域▲2▼を測距エリアとして設定する(5エリア設定)(ステップS10C)。
【0043】
[ステップS12(AFデータ取得処理)]
ステップS12では、被写体の明るさに応じてAFデータ(後に記述)の取得方法を切り替えている。
【0044】
即ち、被写体の輝度が超高輝度又は高輝度の場合には、AFセンサ74のセンサ感度(輝度信号のゲイン)を低感度に設定し、かつ測距エリアが3エリア設定の場合には、測距エリア(図12の領域▲1▼参照)を構成する「中央エリア」、「左中エリア」、及び「右中エリア」における積分処理を個別に行い、測距エリアが5エリア設定の場合には、測距エリア(図12の領域▲2▼参照)を構成する「中央エリア」、「左中及び左エリア」、及び「右中及び右エリア」における積分処理を個別に行う。尚、「左中及び左エリア」は「左中エリア」及び「左エリア」から構成される領域を示し、「右中及び右エリア」は「右中エリア」及び「右エリア」から構成される領域を示す。また、AFセンサ74のセンサ感度は、高感度と低感度の2段階に切り替えることができるようになっている。
【0045】
ここで、上記測距エリアを構成する「中央エリア」、「左中エリア」(又は「左中及び左エリア」)、及び「右中エリア」(又は「右中及び右エリア」)における積分処理を個別に行うとは、「中央エリア」内のいずれかのセンサデータが積分終了値に達すると、その「中央エリア」のセンサデータを取得し、続いてセンサデータをリセットして積分を開始し、「左中エリア」(又は「左中及び左エリア」)内のいずれかのセルのセンサデータが積分終了値に達すると、その「左中エリア」(又は「左中及び左エリア」)のセンサデータを取得し、次にセンサデータをリセットして積分を開始し、「右中エリア」(又は「右中及び右エリア」)内のいずれかのセルのセンサデータが積分終了値に達すると、その「右中エリア」(又は「右中及び右エリア」)のセンサデータを取得することをいう。このようにして、複数の領域の積分処理を個別に行うことにより、いずれかの領域に高輝度のライトなどが入射し、その領域のセンサデータが不適当な場合でも他の領域から有効なセンサデータを取得することができる。
【0046】
また、被写体の輝度が中輝度の場合には、AFセンサ74のセンサ感度を低感度に設定し、かつ3エリア設定又は5エリア設定された測距エリアにおける積分処理を一括して行う。例えば、3エリア設定の場合には、測距エリア(図12の領域▲1▼参照)を構成する「中央エリア」、「左中エリア」、及び「右中エリア」の積分処理を同時に行い、これらの「中央エリア」、「左中エリア」、及び「右中エリア」内のいずれかのセルのセンサデータが積分終了値に達すると、「中央エリア」、「左中エリア」、及び「右中エリア」のセンサデータを一括して取得する。
【0047】
更に、被写体の輝度が低輝度の場合には、AFセンサ74のセンサ感度を高感度に設定し、かつ3エリア設定又は5エリア設定された測距エリアにおける積分処理を一括して行う。尚、積分時間が所定の時間経過しても測距エリア内のセルのセンサデータが積分終了値に達しない場合には、積分を終了させた後、AFセンサ74のセンサ感度を低感度に切り替えて積分を開始すると共に、オートフォーカス用の補助光をストロボ装置72から発光させる(AFプレ発光)。この場合には、3エリア設定又は5エリア設定された測距エリアにおける積分処理を一括して行う。
【0048】
次に、センサデータからAFデータを生成する処理について説明する。上述のように、AFセンサ74の受光セルより出力されるデータをセンサデータとすると、AFセンサ74から出力された各センサデータをA/D変換回路により取得し、取得したセンサデータのA/D変換値そのものをCPU60における以降の各処理で使用するAFデータとする場合と、測距精度向上のためセンサデータに所定の処理を施したものをAFデータとする場合とが考えられる。前者の場合にはCPU60においてAFデータを生成するための特別の処理を行う必要はなく、センサデータの取得処理がAFデータの取得処理(AFデータ生成手段)となるが、後者の場合にはセンサデータの取得後、CPU60においてAFデータを生成するための特別の処理が行われることになる。後者の場合の例として、センサデータにコントラスト抽出処理を施したものを以降の各処理で使用するAFデータとすることができ、以下、センサデータにコントラスト抽出処理を施してAFデータを生成する場合の処理について説明する。
【0049】
コントラスト抽出処理は、例えば、あるセンサ番号(アドレスi)のセルに着目したときに、その着目したセルのセンサデータと、着目したセルに対してmセル分(m画素分)離間したセンサ番号(i+m)のセルのセンサデータとの差分を算出する演算処理である。言い換えると、Rセンサ94とLセンサ96から得たセンサデータのそれぞれについて、センサデータとそのセンサデータをm画素分シフトしたものとの差分を算出する処理である。即ち、Rセンサ94におけるセンサ番号(i)のセルのセンサデータをR(i)、Lセンサ96におけるセンサ番号(i)のセルのセンサデータをL(i)とすると、Rセンサ94のセンサデータに対しては、次式、
【数1】
の演算が行われ、Lセンサ96のセンサデータに対しては、次式、
【数2】
の演算が行われる。これによって得られた差分データは、AFセンサ74の各セルによって撮像されたセンサ像のコントラストを示す。尚、本明細書では、2画素分のセンサデータの差分によりコントラストを示すデータを算出する演算処理を2画素差分演算という。
【0050】
差分を取る2つのセンサデータの上記セル間隔mの値は、所望の設定値とすることができるが、以下の説明ではm=2とする。但し、AFセンサ74においてセンサ番号が偶数のセルで蓄積された電荷と奇数のセルで蓄積された電荷は、異なるチャンネルにより伝送され、処理されるため、上記差分データも同一チャンネル同士のセルのセンサデータから求めるのが好ましく、mの値としては偶数であることが望ましい。尚、上記式(1)及び式(2)により求めたデータは、CPU60でAFセンサ74から取得したセンサデータの数に比べてm個分減少するが、予めm個分減少することを考慮して上記データ取得範囲を拡大しておくことによって、必要なAFデータ数を確保することができる。
【0051】
従来においては、上記式(1)及び式(2)により得られた差分データをAFデータとしているが、本実施の形態では、その差分データに対して更に+128を加算する処理を加えたものをAFデータとする。即ち、Rセンサ94のセンサ番号iに対応するAFデータをAFR(i)とし、Lセンサ96のセンサ番号iに対応するAFデータをAFL(i)とすると、m=2の場合、次式、
【数3】
により得られた値をAFデータとする。
【0052】
[ステップS14(コントラスト検出処理1)]
ステップS14では、ステップS12で取得したAFデータが測距に必要なコントラストがあるか否かを判定する。そして、AFデータが測距に必要なコントラストがないと判定(低コントラスト判定)されると、測距不能とする。
【0053】
ここで、ステップS10の測距エリア設定処理において、測距エリアとして3エリア設定がされている場合には、右中エリア、中央エリア、及び左中エリアの各分割エリアごとに上記コントラスト判定を行い、低コントラスト判定された分割エリアのAFデータを使用した相関値演算等の処理は行わないようにしている。同様に、測距エリアとして5エリア設定がされている場合には、右エリア、右中エリア、中央エリア、左中エリア、左エリアの各分割エリアごとに上記コントラスト判定を行い、低コントラスト判定された分割エリアのAFデータを使用した相関値演算等の処理は行わないようにしている。
【0054】
[ステップS16(相関値演算処理)]
ステップS16では、AFセンサ74のRセンサ94及びLセンサ96からそれぞれ取り込んだセンサ像(AFデータ)の間で相関値演算を行い、相関が最も高くなるときのセンサ像のズレ量(左右のAFデータ間のシフト量)を求める。この左右のAFデータ間のシフト量から被写体の距離を求めることができる。
【0055】
尚、測距エリアとして3エリア設定がされている場合には、右中エリア、中央エリア、及び左中エリアの各分割エリアごとに相関値演算を行う。また測距エリアとして5エリア設定がされている場合には、右エリア、右中エリア、中央エリア、左中エリア、左エリアの各分割エリアごとに相関値演算を行う。なお、上記ステップS14で低コントラスト(測距不能)の判定が行われた分割エリアでの相関値演算は行わない。
【0056】
次に、上記相関値演算について図13を参照しながら説明する。
【0057】
図14において、94A及び96Aは、それぞれRセンサ94及びLセンサ96のうちのある分割エリアのセンサ(以下「採用センサ」という)である。また、94B及び96Bは、それぞれ採用センサ94A及び96AのAFデータから相関値演算に使用するAFデータを抽出するためのRウインドウ及びLウインドウである。
【0058】
ここで、Rウインドウ94BとLウインドウ96Bとのシフト量をn(n=−2,−1,0,1,…,MAX(=38))とすると、n=−2のときにRウインドウ94Bは採用センサ94Aの左端に位置し、Lウインドウ96Bは採用センサ96Aの右端に位置している。そして、n=−1のときにLウインドウ96Bは採用センサ96Aの右端から1セル分だけ左にシフトし、n=0のときにRウインドウ94Bは採用センサ94Aの左端から1セル分だけ右にシフトし、同様にしてnが1増加するごとにRウインドウ94BとLウインドウ96Bとは交互に1セルずつ移動する。そして、n=MAXのときにRウインドウ94Bは採用センサ94Aの右端に位置し、Lウインドウ96Bは採用センサ96Aの左端に位置する。
【0059】
いま、Rウインドウ94BとLウインドウ96Bとのあるシフト量nのときの相関値をf(n)とすると、相関値f(n)は、次式、
【数4】
で表すことができる。尚、式(4)において、iはウインドウ内のセルの位置(i=1,2,…wo(=42))を示す番号であり、R(i)及びL(i)は、それぞれRウインドウ94B及びLウインドウ96Bの同じセル位置iのセルから得られたAFデータである。即ち、式(4)に示すように相関値f(n)は、Rウインドウ94B及びLウインドウ96Bの同じセル位置のセルから得られたAFデータの差分の絶対値の総和であり、相関が高い程、ゼロに近づく。
【0060】
従って、シフト量nを変えて相関値f(n)を求め、相関値f(n)が最も小さくなるとき(相関が最も高くなるとき)のシフト量nから被写体の距離を求めることができる。尚、被写体距離が無限遠のときに、シフト量n=0で相関が最も高くなり、被写体距離が至近端のときに、シフト量n=MAXで相関が最も高くなるように被写体像がRセンサ94及びLセンサ96に結像するようになっている。また、相関を求める演算式は、上式(4)に限らず、他の演算式を用いることができる。その場合において、相関が高いほど相関値が大きくなる場合があり、このときには、以下の説明における相関値についての大小関係を反転してその演算式において本実施の形態を適用する。例えば、上式(4)により算出した相関値の極小値は、極大値となり、また、上式(4)により算出した相関値について小さい又は大きいなどの文言は、大きい又は小さいなどの文言に反転して適用することができる。
【0061】
[ステップS18(コントラスト検出処理2)]
ステップS14では、分割エリア内のAFデータが、測距に必要なコントラストがあるか否かを判定しているのに対し、ステップS18では相関が最大となるシフト量nのときのウインドウ範囲内のAFデータが、測距に必要なコントラストがあるか否かを判定する。そして、低コントラストと判定すると、測距不能とし、そのときのシフト量nに基づく測距は行わない。
【0062】
[ステップS20(シフト量演算処理)]
ステップS20では、ステップS16で算出した相関値に基づいて、最高相関が得られるときのシフト量χを演算する。なお、シフト量演算の詳細については後述する。
【0063】
[ステップS22(AFエラー処理)]
ステップS22では、3エリア設定又は5エリア設定された測距エリアの全ての測距エリアで測距不能と判定されると、予め設定した被写体距離にピントを合わせるように撮影レンズをセットする。
【0064】
即ち、オートフォーカス用の補助光を発光し、かつ全ての測距エリアのAFデータ量不足によりエラーと判断された場合、無限遠にピントが合うように撮影レンズをセットする。
【0065】
また、オートフォーカス用の補助光を発光し、かつ全ての測距エリアのAFデータ量不足によりエラーと判断された場合、フイルム感度に応じてストロボ到達可能な固定焦点セット距離に切り替える。例えば、ISO400以上の場合には、固定焦点セット距離を6mとし、ISO400未満の場合には、固定焦点セット距離を3mとする。更に、エラーの種類によってピントを合わせる固定焦点セット距離を切り替えるようにしてもよい。
【0066】
[ステップS24(距離算出処理)]
ステップS24では、ステップS20で演算したシフト量χに基づいて、被写体距離を算出する。尚、3エリア設定又は5エリア設定された測距エリアの全ての測距エリアごとに被写体距離を算出する。
【0067】
[ステップS26(エリア選択処理)]
AF測距処理中にエラーが発生しない場合には、3エリア設定時には3つの被写体距離が算出され、5エリア設定時には5つの被写体距離が算出される。複数の被写体距離が算出されると、基本的には最も近距離の被写体距離を採用する。
【0068】
尚、5エリア設定時に5つの被写体距離が算出され、これらの被写体距離のうち、左エリア又は右エリアのうちの何れか一方のエリアに対応する被写体距離が超至近距離となり、それ以外のエリアに対応する被写体距離が全て中間距離以遠となる場合には、超至近の結果を採用せず、中間距離以遠の被写体距離のうちの最も近距離の被写体距離を採用する。
【0069】
ここで、本実施形態に係る測距装置では、相関値演算処理(図9のステップS16)及びシフト量演算処理(図9のステップS20)に特徴がある。そこで、以下に相関値演算処理及びシフト量演算処理の詳細について説明する。
【0070】
{相関値演算処理(図9のステップS16)の詳細}
この相関値演算処理では、最高の相関が得られるときの相関値を求める。その際、離散的なデータとして得られた相関値から極小値を与える相関極小値を求め、所定の条件に従って、この相関極小値を周辺の相関値を利用して補間して、更に精度の高い相関値の極小値を演算する。以下、本処理のフローを図14及び図15のフローチャートを参照して説明する。尚、以下の説明において、相関値演算処理において相関極小値を補間して得た相関値を補間相関極小値という。
【0071】
まず、前述した式(4)に基づいて、各分割エリアごとに相関値演算を行う(ステップS1600)。
【0072】
次に、演算された相関値に極小値が複数存在するか否かの判定を行う(ステップS1602)。基本的に、極小値と判断される相関値は、そのシフト量の両側に隣接するシフト量におけるいずれの相関値よりも小さくなるものである。
【0073】
ステップS1602において極小値が複数存在しないと判定されたときは、図15のステップS1604に進み、相関値の中から最大の相関を示す最小相関極小値fmin1(nmin)を選択する。一方、ステップS1602において極小値が複数存在すると判定されると、ステップS1606に進む。ステップS1606では、AFデータの周期性Wを検出する。周期性Wの検出には、以下の式(5)を用いる。
【数5】
この式(5)において、C1Lは、
【数6】
で表され、L採用センサ範囲の隣接したセンサ出力の差の絶対値の和を示している。なお、Sは採用センサ数を示している。
【0074】
一方、式(5)において、C1Rは、
【数7】
で表され、R採用センサ範囲の隣接したセンサ出力の差の絶対値の和を示している。なお、Sは採用センサ数を示している。
【0075】
また式(5)において、ΔCONTは、
【数8】
で表される。
【0076】
この式(8)において、RMAX及びRMINは、Rセンサ94の採用センサの全セルのAFデータの最大値及び最小値を示している。同様にLMAX及びLMINは、Lセンサ96の採用センサの全セルのAFデータのうち最大値及び最小値を示している。
【0077】
式(5)に基づいて、AFデータの周期性Wが所定の基準値R1より小さいと判定されると、図15のステップS1604に進み、複数の相関極小値f(nmin)を利用し、その中から最大の相関を示す最小相関極小値fmin1(nmin)を選択する。
【0078】
一方、式(5)に基づいて、AFデータの周期性Wが所定の基準値R1より大きいと判定されると、ステップS1608に進む。
【0079】
ステップS1608では、最も高い相関を示す最小相関極小値(第1相関極値)fmin1(nmin)と、次に高い相関を示す第2相関極小値(第2相関極値)fmin2(nmin)とを検出し、第2相関極小値と最小相関極小値との比Tと所定の基準値R2とを比較する。
【0080】
【数9】
【0081】
式(9)に基づいて、これらの比Tが所定の基準値R2よりも大きいと判定されると、図15のステップS1604に進み、複数の相関極小値f(nmin)を利用し、その中から最大の相関を示す最小相関極小値fmin1(nmin)を選択する。
【0082】
一方、これらの比Tが所定の基準値R2よりも小さいと判定されると、ステップS1610に進む。なお、第2相関極小値fmin2(nmin)と最小相関極小値fmin1(nmin)との比Tでなく、これらの差を用いてこのステップS1608における判定を行ってもよい。
【0083】
ここで、図16及び図17を参照して、ステップS1606における周期性Wの検出、及びステップS1608における比Tの判定処理について具体例を挙げて説明する。
【0084】
図16(a)及び図16(b)は、ある被写体からの光をAFセンサ74で受光したときの、Lセンサ出力及びRセンサ出力の一例を示している。図16(c)は、このようなセンサ出力が得られるときの相関値を示すグラフである。
【0085】
図16に示す場合、上記C1Lは108であり、C1Rは82である。また、(LMAX−LMIN)は45であり、(RMAX−RMIN)は32であるため、上記ΔCONTは77である。よって、式(5)に示されるAFデータの周期性Wは2.4675となる。また、最小極小値fmin1(nmin)は19であり、第2極小値fmin2(nmin)は180であるため、式(9)の比Tは9.4737となる。
【0086】
一方、図17(a)及び図17(b)は、他の被写体からの光をAFセンサ74で受光したときの、Lセンサ出力及びRセンサ出力の一例を示している。図17(c)は、このようなセンサ出力が得られるときの相関値を示すグラフである。
【0087】
図17に示す場合、上記C1Lは1054であり、C1Rは941である。また、(LMAX−LMIN)は127であり、(RMAX−RMIN)は126であるため、上記ΔCONTは253である。よって、式(5)に示されるAFデータの周期性Wは7.885となる。また、最小極小値fmin1(nmin)は136であり、第2極小値fmin2(nmin)は380であるため、式(9)で表される比Tは2.7941となる。
【0088】
周期性Wの判定の基準値R1が例えば3.0と設定されているとすると、図16に示す場合は、周期性WがR1より小さいため、以降の補間処理は行われることなく、図15のステップS1604に進み、複数の相関極小値f(nmin)を利用し、その中から最大の相関を示す最小相関極小値fmin1(nmin)を選択する。このように、AFデータの周期性Wが小さいときは誤測距を生じるおそれが少ないため、この場合は補間のための演算を避けることで、測距時間の増加の抑制を図ることができる。なお、比Tの判定の基準値R2が例えば5に設定されているとすると、図16に示す場合は、比Tが基準値R2よりも大きいため、この点からも以降の補間処理が行われることはない。
【0089】
一方、図17に示す場合は、周期性WがR1より大きいため、ステップS1606からステップS1608に進む。ステップS1608では、第2相関極小値値fmin2(nmin)と最小相関極小値値fmin1(nmin)との比Tと所定の基準値R2との比較が行われる。ここで、図17に示す場合は、比TがR2より小さいため、最小相関極小値値fmin1(nmin)と第2相関極小値値fmin2(nmin)との差が小さいと判定され、より詳細な検討が必要であるとしてステップS1610に進み、相関値補間量Δfの演算が行われる。
【0090】
このように本実施形態に係る測距装置では、AFデータの周期性Wが所定の基準値R1より小さいとき、及び第2相関極小値fmin2(nmin)と最小相関極小値fmin1(nmin)との比が所定の基準値R2より大きいときのいずれの場合も、以降の補間処理は行われることなく、図15のステップS1604に進み、補間前の複数の相関極小値f(nmin)を利用し、その中から最大の相関を示す最小相関極小値fmin1(nmin)を選択する。これにより、多数の演算を伴う補間処理を省略することで、測距時間の増加を抑制することができる。なお、上記した基準値R1及びR2は、所望の条件に従って所望の値に設定することができる。
【0091】
再び、図14のフローチャートに戻る。ステップS1610では、相関極小値f(nmin)を補間するための相関値補間量Δfを演算する。CPU60は、この相関値補間量Δfの演算処理において次のような処理を行う。
【0092】
まず、図18〜図21に示すように、採用センサにおいて相関極小値f(nmin)が得られたシフト量nminに対して、−1のシフト量nmin−1の相関値f(nmin−1)と+1のシフト量nmin+1の相関値f(nmin+1)との大小を判定する。
(I) f(nmin−1)>f(nmin+1)の場合
【数10】
【0093】
まず、上記した式(10)を満たすか否か判定する。そして、上記した式(10)を満たす場合、更に次式、
【数11】
の関係を満たすか否か判定する。
【0094】
そして、式(11)を満たす場合、次式、
【数12】
より、相関値補間量Δfを演算する。但し、Δf<0のときは、Δf=0とする。
【0095】
この相関値補間量Δfは、図18に示すように、シフト量nminの相関極小値f(nmin)を通り所定の傾きを有する直線L1と、シフト量nmin+1の相関値f(nmin+1)を通り直線L1の傾きと絶対値が同じで符号が異なる傾きの直線L2との交点が求まったとき、この交点における相関値と相関極小値f(nmin)との差を示している。
【0096】
この演算式(12)は、図18に示すように、上記した補間式としての直線L1及び直線L2の式から導出される。直線L1の式は、
【数13】
で表され、直線L2の式は、
【数14】
で表される。よって、相関値補間量Δfは、上記補間式(13)及び(14)からxを消去し、f(nmin)−yを算出することで求めることができる。
【0097】
一方、式(11)を満たさない場合、次式、
【数15】
より、相関値補間量Δfを演算する。
【0098】
この相関値補間量Δfは、図19に示すように、シフト量nmin及びシフト量nmin−1の相関極小値f(nmin)及びf(nmin−1)を通る直線L3と、シフト量nmin+1の相関値f(nmin+1)を通り直線L3の傾きと絶対値が同じで符号が異なる傾きの直線L4との交点が求まったとき、この交点における相関値と相関極小値f(nmin)との差を示している。
【0099】
この演算式(15)は、図19に示すように、上記した補間式としての直線L3及び直線L4の式から導出される。直線L3の式は、
【数16】
で表され、直線L4の式は、
【数17】
で表される。よって、相関値補間量Δfは、上記補間式(16)及び(17)からxを消去し、f(nmin)−yを算出することで求めることができる。
(II) f(nmin−1)≦f(nmin+1)の場合
【数18】
上記した式(10)を満たさない場合、すなわち、上記した式(18)を満たす場合は、更に次式、
【数19】
の関係を満たすか否か判定する。
【0100】
そして、式(19)を満たす場合、次式、
【数20】
より、相関値補間量Δfを演算する。但し、Δf<0のときは、Δf=0とする。
【0101】
この相関値補間量Δfは、図20に示すように、シフト量nminの相関極小値f(nmin)を通り所定の傾きの直線L5と、シフト量nmin−1の相関値f(nmin−1)を通り直線L5の傾きと絶対値が同じで符号が異なる傾きの直線L6との交点が求まったとき、この交点における相関値と最小相関極小値f(nmin)との差を示している。
【0102】
この演算式(20)は、図20に示すように、上記した補間式としての直線L5及び直線L6の式から導出される。直線L5の式は、
【数21】
で表され、直線L6の式は、
【数22】
で表される。よって、相関値補間量Δfは、上記補間式(21)及び式(22)からxを消去し、f(nmin)−yを算出することで求めることができる。
【0103】
一方、式(19)を満たさない場合、次式、
【数23】
より、相関値補間量Δfを演算する。
【0104】
この相関値補間量Δfは、図21に示すように、シフト量nmin及びシフト量nmin+1の相関極小値f(nmin)及びf(nmin+1)を通る直線L7と、シフト量nmin−1の相関値f(nmin−1)を通り直線L7の傾きと絶対値が同じで符号が異なる傾きの直線L8との交点が求まったとき、この交点における相関値と最小相関極小値f(nmin)との差を示している。
【0105】
この演算式(23)は、図21に示すように、上記した補間式としての直線L7及び直線L8の式から導出される。直線L7の式は、
【数24】
で表され、直線L8の式は、
【数25】
で表される。よって、相関値補間量Δfは、上記補間式(24)及び(25)からxを消去し、f(nmin)−yを算出することで求めることができる。
【0106】
以上のようにして演算された相関値補間量Δfを用いて、相関極小値f(nmin)を補間し、複数の補間相関極小値f’(nmin)を演算する(ステップS1610)。
【0107】
次に、得られた複数の補間相関極小値が正常か否か判定する(ステップS1612)。具体的には、
【数26】
で表される式(26)に基づいて、相関値補間量Δfを用いて補間相関極小値f’(nmin)が正常か否か判定する。これは、図22に示すように、基準値R3よりも大きい相関値補間量Δfに基づいて相関極小値f(nmin)を補間しても、得られる補間相関極小値f’(nmin)は信頼性が低いため、このような補間相関極小値f’(nmin)を使用しないようにして誤測距を防止するためである。なお、上記した基準値R3は、所望の条件に従って所望の値に設定することができる。
【0108】
式(26)を満たす場合は、異常と判断して補間相関極小値f’(nmin)を利用することなく、図13のステップS1604に進み、補間前の複数の相関極小値f(nmin)を利用し、その中から最大の相関を示す最小相関極小値fmin1(nmin)を選択する。
【0109】
一方、式(26)を満たさない場合は、正常と判断して相関極小値f(nmin)を補間した複数の補間相関極小値f’(nmin)を利用し、その中から最大の相関を示す最小補間相関極小値f’min1(nmin)を選択する(ステップS1614)。
【0110】
次に、このようにして選択された最小補間相関極小値f’min1(nmin)と基準値R4とを比較する(ステップS1616)。そして、最小補間相関極小値f’min1(nmin)が基準値R4以上である場合は、相関が低いとして測距エラー(測距不能)とする(ステップS1618)。
【0111】
一方、最小補間相関極小値f’min1(nmin)が基準値R4より小さい場合は、ステップS1620に進み、最小補間相関極小値f’min1(nmin)と基準値R5(<R4)とを比較する。そして、最小補間相関極小値f’min1(nmin)が基準値R5より小さい場合は、ステップS1622に進み、最小補間相関極小値f’min1(nmin)と次に高い相関を示す第2補間相関極小値f’min2(nmin)との差Df’minを演算し、この差Df’minと所定の基準値R6とを比較する。そして、差Df’minが所定の基準値R6よりも大きいと判定されると、最小補間相関極小値f’min1(nmin)を最高相関値として採用する(ステップS1624)。一方、差Df’minが所定の基準値R6よりも小さいと判定されると、測距エラーとする(ステップS1618)。
【0112】
また、ステップS1620において最小補間相関極小値f’min1(nmin)が基準値R5より大きいと判定された場合は、ステップS1626に進み、最小補間相関極小値f’min1(nmin)と次に高い相関を示す第2補間相関極小値f’min2(nmin)との差Df’minを演算し、この差Df’minと所定の基準値R7(>R6)とを比較する。そして、差Df’minが所定の基準値R7よりも大きいと判定されると、最小補間相関極小値f’min1(nmin)を最高相関値として採用する(ステップS1624)。一方、差Df’minが所定の基準値R7よりも小さいと判定されると、測距エラーとする(ステップS1618)。
【0113】
このように、ステップS1620において最小補間相関極小値f’min1(nmin)と所定の基準値R5とを比較し、最小補間相関極小値f’min1(nmin)の大きさに基づいて、ステップS1622及びステップS1626で差Df’minの大小を判定する基準値を切り替えている。より詳細には、図23に示すように、最小補間相関極小値f’min1(nmin)が基準値R5より小さい場合は、ステップS1622において差Df’minの大小を判定する基準値を小さめのR6としている。また、図24に示すように、最小補間相関極小値f’min1(nmin)が基準値R5より大きい場合は、ステップS1626において差Df’minの大小を判定する基準値を大きめのR7としている。このように、最小補間相関極小値f’min1(nmin)の大きさに基づいて差Df’minの大小を判定する基準値を切り替えることで、必要以上に測距エラーとされるおそれを低減することができる。なお、上記した基準値R4、R5、R6及びR7は、所望の条件に従って所望の値に設定することができる。
【0114】
一方、図15のステップS1604で最小相関極小値fmin1(nmin)が選択された後の処理は、図14のステップS1614で最小補間相関極小値f’min1(nmin)が選択された後の処理と同様である。
【0115】
まず、選択された最小相関極小値fmin1(nmin)と基準値R8とを比較する(ステップS1628)。そして、最小相関極小値fmin1(nmin)が基準値R8以上である場合は、相関が低いとして測距エラー(測距不能)とする(ステップS1630)。
【0116】
一方、最小相関極小値fmin1(nmin)が基準値R8より小さい場合は、ステップS1632に進み、最小相関極小値fmin1(nmin)と基準値R9(<R8)とを比較する。そして、最小相関極小値fmin1(nmin)が基準値R9より小さい場合は、ステップS1634に進み、最小相関極小値fmin1(nmin)と次に高い相関を示す第2相関極小値fmin2(nmin)との差Dfminを演算し、この差Dfminと所定の基準値R10とを比較する。そして、差Dfminが所定の基準値R10よりも大きいと判定されると、最小相関極小値fmin1(nmin)を最高相関値として採用する(ステップS1636)。一方、差Dfminが所定の基準値R10よりも小さいと判定されると、測距エラーとする(ステップS1630)。
【0117】
また、ステップS1632において最小相関極小値fmin1(nmin)が基準値R9より大きいと判定された場合は、ステップS1638に進み、最小相関極小値fmin1(nmin)と次に高い相関を示す第2相関極小値fmin2(nmin)との差Dfminを演算し、この差Dfminと所定の基準値R11(>R10)とを比較する。そして、差Dfminが所定の基準値R11よりも大きいと判定されると、最小相関極小値fmin1(nmin)を最高相関値として採用する(ステップS1636)。一方、差Dfminが所定の基準値R11よりも小さいと判定されると、測距エラーとする(ステップS1630)。
【0118】
このように、ステップS1632において最小相関極小値fmin1(nmin)と所定の基準値R9とを比較し、最小相関極小値fmin1(nmin)の大きさに基づいて、ステップS1634及びステップS1638で差Dfminの大小を判定する基準値を切り替えている。より詳細には、最小相関極小値fmin1(nmin)が基準値R9より小さい場合は、ステップS1634において差Dfminの大小を判定する基準値を小さめのR10としている。また、最小相関極小値fmin1(nmin)が基準値R9より大きい場合は、ステップS1638において差Dfminの大小を判定する基準値を大きめのR11としている。このように、最小相関極小値fmin1(nmin)の大きさに基づいて差Dfminの大小を判定する基準値を切り替えることで、必要以上に測距エラーとされるおそれを低減することができる。なお、上記した基準値R8、R9、R10及びR11は、所望の条件に従って所望の値に設定することができる。
【0119】
このようにして、最大の相関を示す相関値を可能な限り精度良く求める。
【0120】
次に、このようにして採用された最小補間相関極小値f’min1(nmin)又は最小相関極小値fmin1(nmin)を用いて、シフト量χを演算(図9のステップS20)するときの詳細について説明する。
【0121】
{シフト量演算処理(図9のステップS20)の詳細}
まず、図15のステップS1636において最小相関極小値fmin1(nmin)が採用されたときは、そのときのシフト量をそのまま採用する(シフト量n=シフト量χ)。
【0122】
一方、図14のステップS1624において最小補間相関極小値f’min1(nmin)が採用されたときは、以下のようにしてシフト量χを演算する。
【0123】
この演算では、まず、最小相関極小値fmin1(nmin)と前後の相関値とを使用し、最小相関極小値fmin1(nmin)が得られたシフト量nを補間するシフト量補間量Δnを演算する。
【0124】
このシフト量補間量Δnは、相関値補間量Δfを演算した演算式(12),(15),(20),及び(23)に対応する演算式に基づいて求められる。すなわち、式(12)に基づいて相関値補間量Δfを演算したときは、
【数27】
を用いてシフト量補間量Δnを演算する。
【0125】
この演算式(27)は、演算式(12)を導出したのと同一の補間式から導出されている。すなわち、シフト量補間量Δnは、上記した補間式(13)及び(14)からyを消去し、これをxについて解くことで求めることができる。
【0126】
式(15)に基づいて相関値補間量Δfを演算したときは、
【数28】
を用いてシフト量補間量Δnを演算する。
【0127】
この演算式(28)は、演算式(15)を導出したのと同一の補間式から導出されている。すなわち、シフト量補間量Δnは、上記した補間式(16)及び(17)からyを消去し、これをxについて解くことで求めることができる。
【0128】
式(20)に基づいて相関値補間量Δfを演算したときは、
【数29】
を用いてシフト量補間量Δnを演算する。
【0129】
この演算式(29)は、演算式(23)を導出したのと同一の補間式から導出されている。すなわち、シフト量補間量Δnは、上記した補間式(21)及び(22)からyを消去し、これをxについて解くことで求めることができる。
【0130】
式(23)に基づいて相関値補間量Δfを演算したときは、
【数30】
を用いてシフト量補間量Δnを演算する。
【0131】
この演算式(30)は、演算式(23)を導出したのと同一の補間式から導出されている。すなわち、シフト量補間量Δnは、上記した補間式(24)及び(25)からyを消去し、これをxについて解くことで求めることができる。
【0132】
そして、最小相関極小値fmin1(nmin)が得られたシフト量nminをシフト量補間量Δnにより補間して、最高相関が得られるときのシフト量χを演算することができる。
【0133】
以上詳述したように、本実施形態に係る測距装置では、図14のステップS1600における演算により得られた相関値から、複数の相関極小値f(nmin)を検出し、これらを補間して複数の補間相関極小値f’(nmin)を演算している。このように、複数の相関極小値f(nmin)を補間して得られる複数の補間相関極小値f’(nmin)は、補間前の相関極小値f(nmin)と比べて極小値としての信頼性が高い。そして、このようにして演算された複数の補間相関極小値f‘(nmin)のうち最高の相関を与える第1補間相関極値f’min1(nmin)を最高相関値として検出し、これに基づいてシフト量χを演算している。従って、従来のように補間前の相関極小値f(nmin)から最高相関値を検出する場合と比べて、本来採用されるべきでない相関値を採用するおそれが低減され、誤測距が抑制される。
【0134】
また、本実施形態に係る測距装置では、極小値が複数存在しないとき、AFデータの周期性Wが所定の基準値R1より小さいとき、及び最小相関極小値fmin1(nmin)と第2相関極小値fmin2(nmin)との比Tが所定の基準値R2より大きいときのいずれの場合も、図15のステップS1604に進み、補間前の複数の相関極小値f(nmin)を利用し、その中から最大の相関を示す最小相関極小値fmin1(nmin)を選択する。これにより、上記のような場合には多数の演算を伴う補間処理を省略することで、測距時間の増加を抑制することができる。
【0135】
また、本実施形態に係る測距装置では、演算された補間相関極小値f’(nmin)が異常であると判定された場合も、図15のステップS1604に進み、補間前の複数の相関極小値f(nmin)を利用し、その中から最大の相関を示す最小相関極小値fmin1(nmin)を選択する。このように、異常な補間相関極小値f’(nmin)を利用しないようにすることで、誤測距を防止することができる。
【0136】
また、本実施形態に係る測距装置では、ステップS1622あるいはステップS1626において、最小補間相関極小値f’min1(nmin)と次に高い相関を示す第2補間相関極小値f’min2(nmin)との差Df’minを演算し、この差Df’minと所定の基準値R6あるいはR7とを比較する。そして、差Df’minが所定の基準値R6あるいはR7よりも大きいと判定されると、最小補間相関極小値f’min1(nmin)を最高相関値として採用する(ステップS1624)。一方、差Df’minが所定の基準値R6あるいはR7よりも小さいと判定されると、測距エラーとする(ステップS1618)。このように、最小補間相関極小値f’min1(nmin)と第2補間相関極値f’min2(nmin)との差Df’minが所定の基準値R6あるいはR7より小さいときには、判定の信頼性が低く、いずれかを最高相関値として検出することは適切でないため、このような場合は測距不能とすることで、誤測距がより一層抑制される。
【0137】
特に、ステップS1620において最小補間相関極小値f’min1(nmin)と所定の基準値R5とを比較し、最小補間相関極小値f’min1(nmin)の大きさに基づいて、ステップS1622及びステップS1626で差Df’minの大小を判定する基準値をR6又はR7に切り替えている。このように、最小補間相関極小値f’min1(nmin)の大きさに基づいて差Df’minの大小を判定する基準値を切り替えることで、必要以上に測距エラーとされるおそれを低減することができる
【0138】
また、本実施形態に係る測距装置では、シフト量補間量Δnを演算するための演算式は、相関値補間量Δfを演算するための演算式と同一の補間式(傾き)から導出されている。従って、シフト量補間量Δnを演算するのと相関値補間量Δfを演算するのとで、同一の交点に基づいてそれぞれの補間量を求めることができる。その結果、これらの補間量に基づいて算出される距離の精度が向上する。また、同一の補間式から導出された演算式を用いて相関値補間量Δf及びシフト量補間量Δnを演算することで、シフト量補間量Δnの演算と相関値補間量Δfの演算とで用いるデータの少なくとも一部は重複することになるため、RAM値を共用することが可能となって、RAMの低減及びRAMセット時間の短縮を図ることが可能となる。
【0139】
なお、本発明は上記した実施形態に限定されることなく種々の変形が可能である。
【0140】
例えば、AFセンサ74よりセンサデータを出力し、CPU60によりAFデータに変換し、相関値演算処理を実施する形態であったが、これに限らず、AFセンサ74において、センサデータをAFデータに変換した後、AFデータを出力し、CPU60にて相関値演算処理を実施する形態、及び、AFセンサ74において、センサデータをAFデータに変換し、相関値演算処理を実施した後,CPU60へ距離信号を出力する形態であってもよい。
【0141】
また、本実施形態では2つの補間相関極小値を計算することとしているが、3つ以上であってもよい。
【0142】
また、上記実施の形態における測距装置は、カメラに限らず他の用途に使用される測距装置にも適用できる。
【0143】
【発明の効果】
本発明によれば、測定対象物の誤測距を抑制することが可能な測距装置及びこれを備えたカメラが提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係る測距装置を備えたカメラの前面側の構成を示す斜視図である。
【図2】本実施形態に係る測距装置を備えたカメラの背面側の構成を示す斜視図である。
【図3】本実施形態に係るカメラの制御部を示すブロック図である。
【図4】パッシブ方式によるAFセンサの構成を示す図である。
【図5】AFセンサから被写体までの距離が近い場合のセンサ像(AFデータ)を例示する図である。
【図6】AFセンサから被写体までの距離が遠い場合のセンサ像(AFデータ)を例示する図である。
【図7】図5の場合の相関値の演算の結果を示すグラフである。
【図8】図6の場合の相関値の演算の結果を示すグラフである。
【図9】CPUにおけるAF測距の処理手順の概要を示すフローチャートである。
【図10】Rセンサ及びLセンサのセンサ領域における分割エリアを示す図である。
【図11】測距エリア設定処理の手順を示すフローチャートである。
【図12】3エリア設定と5エリア設定の測距エリアを示す図である。
【図13】相関値演算を説明するための図である。
【図14】相関値演算の手順を説明するためのフローチャートである。
【図15】相関値演算の手順を説明するためのフローチャートである。
【図16】AFデータの周期性Wの検出処理、及び最小相関極小値と第2相関極小値との比Tの判定処理について説明するための図である。
【図17】AFデータの周期性Wの検出処理、及び最小相関極小値と第2相関極小値との比Tの判定処理について説明するための図である。
【図18】相関極小値の補間処理を説明するための図である。
【図19】相関極小値の補間処理を説明するための図である。
【図20】相関極小値の補間処理を説明するための図である。
【図21】相関極小値の補間処理を説明するための図である。
【図22】補間相関極小値の正常判定処理を説明するための図である。
【図23】最小補間相関極小値と第2補間相関極小値との差と、所定の基準値とを比較する処理を説明するための図である。
【図24】最小補間相関極小値と第2補間相関極小値との差と、所定の基準値とを比較する処理を説明するための図である。
【図25】従来の測距装置における測距手法を説明するための図である。
【図26】従来の測距装置における測距手法を説明するための図である。
【符号の説明】
10…カメラ、34…シャッタボタン、60…CPU、72…ストロボ装置、74…AFセンサ、94…Rセンサ、96…Lセンサ、99…処理回路。
Claims (8)
- 複数の受光素子を含む一対のラインセンサに測距対象物からの光を結像させ、各受光素子から得られた信号に基づいて相関値演算用の一対のAFデータを生成するAFデータ生成手段と、
前記一対のラインセンサのうちの測距に使用する一対の採用センサ範囲から一対のAFデータを取得するAFデータ取得手段と、
前記一対の採用センサ範囲内において、相関値演算に使用する一対のAFデータを取得するための一対のウインドウ範囲を決定し、該一対のウインドウ範囲をシフトさせながら順次相関値を演算する相関値演算手段と、
複数の相関値のうち最高の相関を示す最高相関値を検出する最高相関値検出手段と、
前記最高相関値が得られるときの前記ウインドウ範囲のシフト量を演算するシフト量演算手段と、
前記シフト量演算手段により演算された前記シフト量に基づいて、前記測距対象物の距離を算出する測距対象物距離算出手段と、を備えた測距装置であって、
前記相関値演算手段により演算された前記相関値から複数の相関極値を検出し、これらを補間して複数の補間相関極値を演算する補間相関極値演算手段を備え、
前記最高相関値検出手段は、前記複数の補間相関極値のうち最高の相関を与える第1補間相関極値を前記最高相関値として検出することを特徴とする測距装置。 - 前記AFデータの周期性を検出する周期性検出手段を備え、
前記補間相関極値演算手段は、前記周期性検出手段により所定の基準値よりも大きい周期性が検出されたとき、前記複数の補間相関極値を演算することを特徴とする請求項1に記載の測距装置。 - 前記相関値演算手段により演算された前記相関値から最も高い相関を示す第1相関極値と次に高い相関を示す第2相関極値とを検出し、該第2相関極値と該第1相関極値との比と、所定の基準値とを比較する比較手段を備え、
前記補間相関極値演算手段は、前記比較手段により前記比が前記所定の基準値よりも小さいと判定されたとき、前記複数の補間相関極値を演算することを特徴とする請求項1に記載の測距装置。 - 前記補間相関極値演算手段により演算された前記複数の補間相関極値が正常か否かを判定する第1判定手段を備え、
前記最高相関値検出手段は、前記第1判定手段により前記複数の補間相関極値が正常と判定されたとき、該複数の補間相関極値のうち最高の相関を与える第1補間相関極値を前記最高相関値として検出することを特徴とする請求項1に記載の測距装置。 - 前記補間相関極値演算手段により演算された前記複数の補間相関極値のうち最も高い相関を示す第1補間相関極値と次に高い相関を示す第2補間相関極値との差が所定の基準値より小さいときには測距不能とする第2判定手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の測距装置。
- 前記第2判定手段は、前記所定の基準値の大きさを前記第1補間相関極値の大きさに基づいて切り替えることを特徴とする請求項5に記載の測距装置。
- 前記ウインドウ範囲の前記シフト量を演算するためのシフト量補間量を求める演算式と、前記補間相関極値を演算するための相関値補間量を求める演算式とは、同一の補間式から導出されていることを特徴とする請求項1に記載の測距装置。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の測距装置を備えたことを特徴とするカメラ。
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