JP2004117216A - 赤外線検出器 - Google Patents

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Abstract

【課題】製造コストを低減できる赤外線検出器の実装構造を提供する。
【解決手段】焦電素子を実装するための素子実装部11を上面側に有し、焦電素子に接続される信号処理ICを実装するためのIC実装部12を正面側に有する合成樹脂成形体10に、同時一体成形により素子−IC間の内部配線用の金属部材1,2および外部端子−IC間の外部配線用の金属部材5,6,7をインサートされ、外部配線用の金属部材5,6,7に金属製ベースの外部端子を接続した状態で、赤外線検知窓を有する金属製キャップを溶接した構造とした。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、物体から輻射される赤外線を検知するための赤外線検出器に関するもので、特に製造コストを低減した赤外線検出器の実装構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】
特許第3211074号公報
【0003】
一般に人体を赤外線の変化量で検出する素子には、焦電センサ(焦電型赤外線センサ)と呼ばれるものが多くを占めている。このような焦電センサを用いた赤外線検出器は、防犯用侵入検知器の他、照明等の負荷の自動制御用途として急速に普及しつつある。上掲の特許文献1においては、赤外線検出器の従来例として次のような例が開示されている。
【0004】
(従来例1)
従来の赤外線検出器の回路ブロック図を図16に、またその構造例を図17に示す。このような赤外線検出器は、人体の動作により発生した赤外線の変化を、フレネルレンズ等の集光器81により焦電センサ82の受光部に集光し、この焦電センサ82の出力をバンドパスアンプ部33により所望の周波数帯域で信号増幅する。更にコンパレータ部84において、前述のバンドパスアンプ部83により増幅された出力と、あらかじめ設定された閾値レベルとを比較し、出力が閾値レベルよりも大きい場合に検知信号が出力される。更に、コンパレータ部84から検知信号が出力されると、タイマー回路85によりあらかじめ設定された一定の遅延時間(オフディレイタイム)の間、出力回路86がON状態を維持する構成となっている。
【0005】
図17に示した構造例においては、プリント基板87上の外付け電子部品88及び信号処理IC89により、図10におけるバンドパスアンプ部83、コンパレータ部84、タイマー回路85を構成するものである。更に、この赤外線検出器の出力は、リレー等の負荷制御装置を駆動し、照明などの負荷の制御を行う。
【0006】
図16に示した焦電センサ82の内部回路図を図18に示す。焦電センサ82は、PbTiO3 、PZTなどのセラミックやLiTaO3 などの単結晶、PVF2 のような高分子などの焦電効果を有する材料(焦電体)を検知素子として利用するセンサである。焦電効果とは、分極している焦電体に赤外線が入射すると熱に変換され、その温度変化により今まで空気中のイオンと平衡状態にあった状態がバランスを崩し、これにより電荷を発生する特性のことをいう。焦電センサ82では、通常このときに発生する電荷を、FET91と高抵抗Rgによりインピーダンス変換し、電圧信号として取り出すものである。
【0007】
図19に、焦電センサ82の構造を実装斜視図として示す。本例は、焦電素子30上に2つの受光部30a,30bが構成されているもので、一般的にデュアルタイプと呼ばれている。このような焦電センサ82では、焦電素子30はFET91と高抵抗Rgを組み合わせたインピーダンス変換回路とともにプリント基板92上に実装され、その際、焦電素子30はチップの両端に形成された電極部を、プリント基板92上に設けた支持台93の上に橋渡し状に導電性接着剤等で接着され、インピーダンス変換回路と導通をはかった上で、プリント基板92との熱的アイソレーションを確保している。プリント基板92はTO−5ベース94に実装され、TO−5キャップ95が接合されてCANパッケージに収納されている。TO−5キャップ95には赤外線透過フィルタ96を有する検知窓が設けられている。
【0008】
ところで、図18、図19に示した焦電センサ82は、CANパッケージ内に内蔵されているものは焦電素子30及びインピーダンス変換回路を構成するFET91と高抵抗Rgのみであり、実際に赤外線検出器として使用するためには、図16、図17にあるようなバンドパスアンプ部83、コンパレータ部84、タイマー回路85等を外付け回路として設ける必要がある。
【0009】
(従来例2)
この点を改善するために、上掲の特許文献1では、信号処理ICやその他の外付け電子部品をMID(3次元成形回路基板)上に実装することを提案している。部品実装前のMID基板と外付け電子部品の外観図を図20に、部品実装後のMID基板の外観図を図21に、このようなMID基板を用いた赤外線検出器の構造を図22に、キャップを封止して完成した状態を図23に示す。図中、97はMID基板、98は外付けチップ部品、99は信号処理ICチップ、90は導電性接着剤、80はボンディングワイヤである。
【0010】
この赤外線検出器では、焦電素子30はMID基板97の上部に実装され、その際、焦電素子30は素子チップの両端に形成された電極部を、MID基板97の上部に設けた支持部の上に橋渡し状に導電性接着剤90等で接着され、MID基板97に実装された回路と導通をはかった上で、MID基板97との熱的アイソレーションを確保している。本例は、焦電素子30上に4つの受光部30a〜30dが構成されているもので、一般的にクワッドタイプあるいは4エレメントタイプと呼ばれている。
【0011】
この赤外線検出器に用いる信号処理IC99の概略の回路構成を図24に示す。焦電素子30の検出出力を電流−電圧変換するI/V変換回路▲1▼、その出力を電圧増幅する電圧増幅回路▲2▼、その出力を所定の閾値レベルVWH,VWLと比較するウィンドコンパレータ▲3▼、その出力を受けて出力トランジスタQを駆動するレベルシフタ▲4▼およびディレイ回路▲5▼を備えている。また、各回路に電源供給する定電圧回路▲6▼と、基準電圧を作成する低ノイズ基準電圧回路▲7▼を備えている。VDDは電源端子、VSSはグランド端子、VCCは定電圧端子、VRは基準電圧端子、SINは信号入力端子、AOUTはアナログ出力端子、OUTはオン/オフの出力端子である。また、Rfは外付けの抵抗、CfおよびC1〜C7は外付けのコンデンサである。これらのコンデンサCfおよびC1〜C7は、容量が数十nF〜数百nFのオーダーであり、信号処理IC99に内蔵することができないので、外付け電子部品98としている。
【0012】
このような構造の赤外線検出器では、焦電素子30とインピーダンス変換回路のみならず、信号処理IC99や外付け電子部品98も金属パッケージ(TO−5)に内蔵されているので、図16〜図19に示したような赤外線検出器に比べると、大幅な小型化が実現できる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように、図16〜図19に示したような赤外線検出器(従来例1)では、焦電センサ82以外にバンドパスアンプ部83、コンパレータ部84、タイマー回路85等の外付け電子部品を必要とする。特にバンドパスアンプ部83においては、人間の動きを検出するために、比較的低い周波数の信号を増幅する必要があり、アルミ電解コンデンサやタンタルコンデンサ等の容量の大きいコンデンサを使用しなければならず、センサの小型化、低コスト化が困難であった。
また、図20〜図24に示したような赤外線検出器(従来例2)においては、全ての外付け電子部品を金属パッケージ(TO−5)に内蔵したため、図16〜図19に示したような赤外線検出器(従来例1)と比較して、大幅な小型化を実現することができた。しかしながら、図20〜図24に示した赤外線検出器に用いられているMID基板97は、製造工程が複雑である上に製造設備も高価で、このため製造コストが高く、センサモジュールの低コスト化が困難であった。
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、製造コストを低減した赤外線検出器の実装構造を提供することを課題とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
請求項1の赤外線検出器にあっては、上記の課題を解決するために、図4に示すように、焦電素子30を実装するための焦電素子実装部11が上面部に形成され、図5に示すように、信号処理IC20を実装するためのIC実装部12が正面部に形成された合成樹脂成形体10に、同時一体成形により複数の金属部材1〜7がインサートされ、前記複数の金属部材1〜7は、図2〜図4に示すように、正面側の一部が前記IC実装部12に露出して前記信号処理IC20の入力端子パッド(SIN,VR)に接続されると共に、上面側の一部が前記焦電素子実装部11に露出して前記焦電素子30の電極部(図7の31〜34)に接続される内部配線用の金属部材1,2と、図14(j)に示すように、外部端子50,60,70に接続されると共に、正面側の一部が前記IC実装部12に露出して前記信号処理IC20のパッド(VDD2,OUT,VSS)に接続される外部配線用の金属部材5,6,7を少なくとも含んで構成され、複数の外部端子50,60,70を互いに絶縁された状態で立設された金属製ベース94上に、前記合成樹脂成形体10を起立させた形態で配置し、各外部端子50,60,70を前記外部配線用の金属部材5,6,7に接続した状態で、図14(l)に示すように、前記合成樹脂成形体10の焦電素子実装部11と対向する赤外線入射窓(フィルタ96)を有する金属製キャップ95を、金属製ベース94に接合したことを特徴とする。
【0015】
請求項2の発明によれば、請求項1において、図2、図3に示すように、安定した電位(VR2,VSS)に接続されている金属部材4,7の一部に曲げを施し、前記IC実装部12又は焦電素子実装部11の周辺全体又は一部を覆うような形状としたことを特徴とする。
請求項3の発明によれば、請求項1または2において、図5に示すように、正面側の一部41が前記IC実装部12に露出して前記信号処理IC20の基準電圧端子VR2に接続されると共に、背面側の一部42が前記IC実装部12の背後に埋め込まれて前記IC実装部12の周辺全体又は一部を覆うような形状とされたシールド用の金属部材4を備えることを特徴とする。
請求項4の発明によれば、請求項3において、前記IC実装部12は前記信号処理IC20を実装する凹部13を備えており、この凹部13の背後に前記シールド用の金属部材4が埋め込まれていることを特徴とする。
請求項5の発明によれば、請求項4において、前記凹部13の背後に埋め込まれたシールド用の金属部材4は、図6に示すように、上端を正面側に折り曲げることにより上面側の一部43が前記焦電素子実装部11の直下に埋め込まれて前記焦電素子実装部11の周辺全体又は一部を覆うような形状とされたことを特徴とする。
【0016】
請求項6の発明によれば、請求項1〜5のいずれかにおいて、図2に示すように、信号処理IC20の信号出力端子OUTに接続される外部配線用の金属部材6と焦電素子30から信号処理IC20への信号入力端子SINに接続される内部配線用の金属部材1とは合成樹脂成形体10の対角方向に配置されていることを特徴とする。
請求項7の発明によれば、請求項1〜6のいずれかにおいて、図14(j)に示すように、金属製ベース94の外部端子50,60,70と接続される外部配線用の金属部材5,6,7は、合成樹脂成形体10の内部又は外部で曲げが施され、IC実装面12に対して略垂直に起立し、前記金属部材5,6,7の外部端子50,60,70との接続部分が前記合成樹脂成形体10から突出していることを特徴とする。
請求項8の発明によれば、請求項3〜7のいずれかにおいて、図3に示すように、金属製ベース94のグランド端子と接続される外部配線用の金属部材7はIC実装部12の下部の全体又は一部を覆うような形状とされており、前記シールド用の金属部材4は前記グランド端子に比べて焦電素子30の動作電位に近い電位としたことを特徴とする。
【0017】
請求項9の発明によれば、請求項1〜8のいずれかにおいて、図3に示すように、焦電素子30の電極部(図7の31〜34)に接続される内部配線用の金属部材1,2の一部が、曲げのない状態で焦電素子実装部11に突出していることを特徴とする。
請求項10の発明によれば、請求項9において、図7に示すように、焦電素子30は複数の受光部30a,30b,30c,30dを備え、各受光部30a,30b,30c,30dを焦電素子30の両端の電極部31,32(および33,34)に接続するための配線パターンを表裏両面に備えており、各電極部31,32(および33,34)を内部配線用の金属部材1,2に接続することで表裏の配線パターンが接続されていることを特徴とする。
請求項11の発明によれば、請求項1〜10のいずれかにおいて、図1、図4に示すように、合成樹脂成形体10の正面部又は側面部に凹部14を形成し、前記凹部14の内部又は近接箇所に金属部材3,7が露出した箇所を設け、前記凹部14に外付け電子部品(チップコンデンサC1)を落とし込み実装した上で、前記金属部材3,7の露出部と前記外付け電子部品(チップコンデンサC1)の端子を接続したことを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の赤外線検出器の好ましい実施の形態を、図1〜図15に基づいて詳細に説明する。まず、従来のMIDブロックに代わる同時成形体10の詳細な構成を図1〜図6に示す。図1(a)は同時成形体10の正面側(IC実装面)を前にした斜視図、図1(b)は背面側を前にした斜視図である。図2は同時成形体10の透視斜視図を示す。図1(a)では同時成形体10の正面側を右上方から見ているのに対して、図2では同時成形体10の正面側を左上方から見ている。図2に示すように、この同時成形体10には7つの金属部材1〜7がインサート成形されている。図2において、薄い灰色で塗り潰された部分は同時成形体10の内部に埋め込まれた金属部材を意味しており、濃い灰色で塗り潰された部分は同時成形体10の外部に露出した金属部材を意味している。図2の金属部材1〜7のみを取り出して描くと、図3に示すようになる。これらの金属部材1〜7は後述のように1枚の金属平板8から切り出されたものである(図11参照)から、互いに接近してはいるが、電気的には分離された7枚の金属片となっている。
【0019】
図1、図2に示す同時成形体10を真正面から見ると、図4に示すようになる。図1と図4において、灰色に塗り潰された箇所は配線用の金属部材1〜7が同時成形体10の表面に露出している部分を示している。図4のA−A’線とB−B’線についての断面構造をそれぞれ図5と図6に示す。
【0020】
図7は同時成形体10の上面側に設けられた焦電素子実装部11に橋渡し実装(図4の破線を参照)される焦電素子30の配線パターンを一例として示しており、(a)は表側、(b)は裏側である。図8は同時成形体10の正面側に設けられたIC実装部12に実装される信号処理IC20の概略的な回路構成を示す。この信号処理IC20は、外部電源端子VDD2、内部電源端子VDD、グランド端子VSS、基準電圧端子VRおよびVR2、信号入力端子SINおよび信号出力端子OUTの各端子パッドを備えている。信号入力端子SINと基準電圧端子VRの間には焦電素子30が接続される。
【0021】
信号処理IC20の各端子パッドと金属部材1〜7の対応関係は図2に示す通りである。以下、各金属部材1〜7について説明する。
第1の金属部材1は内部配線用の金属部材であり、上端が同時成形体10の上面側に突出し、焦電素子実装部11の素子支持部15,16間に橋渡し実装される焦電素子30の一端側の電極31,33に接続される。第1の金属部材1の右下隅は、図4に示すように、IC実装部12の左上隅の表面に露出し、信号処理IC20の信号入力端子SINのパッドに接続される。信号入力端子SINは、焦電素子30で生じた微小な電流信号を信号処理IC20の電流電圧変換回路21に入力する端子である。第1の金属部材1の左端の細幅部は、後述の切断工程(図13(h)参照)で金属平板8から切り離された部分である。
【0022】
第2の金属部材2は内部配線用の金属部材であり、上端が同時成形体10の上面側に突出し、焦電素子実装部11の素子支持部15,16間に橋渡し実装される焦電素子30の他端側の電極32,34に接続される。第2の金属部材2の左下隅は、図4に示すように、IC実装部12の右上隅の表面に露出し、信号処理IC20の基準電圧端子VRのパッドに接続される。基準電圧端子VRは信号処理IC20の内部で安定化された基準電圧が出力される端子である。第2の金属部材2の右端の細幅部は、後述の切断工程(図13(h)参照)で金属平板8から切り離された部分である。
【0023】
第3の金属部材3は内部配線用の金属部材であり、その右端部は、図4に示すように、IC実装部12の左辺略中央付近の表面に露出し、信号処理IC20の内部電源端子VDDのパッドに接続される。第3の金属部材3の左端の広幅部は、図2、図4に示すように、電子部品実装部14の上部表面に露出し、外付けのチップコンデンサC1の一端に接続される。この広幅部の先端に形成されている細幅部は、後述の切断工程(図13(h)参照)で金属平板8から切り離された部分である。
【0024】
第4の金属部材4はシールド用の金属部材であり、図3に示すように、基準電圧端子部41と背面シールド部42と上方シールド部43を備えている。基準電圧端子部41の右端の細幅部は、後述の切断工程(図13(h)参照)で金属平板8から切り離された部分である。第4の金属部材4における基準電圧端子部41は、図4および図5に示されるように、IC実装部12の右辺上方の表面に露出し、信号処理IC20の基準電圧端子VR2のパッドに接続される。この基準電圧端子VR2の電位は、上述の基準電圧端子VRの電位と実質的に同一であるが、シールド用の金属部材4が拾ったノイズが回路中の基準電圧VRに影響しないように、別々のパッドから出力しているものである。図5の断面図から明らかなように、IC実装部12の凹部13に実装される信号処理IC20の背面側に埋め込まれた背面シールド部42は、第4の金属部材4をクランク状に曲げ加工することにより基準電圧端子部41と一体となっている。また、この背面シールド部42の上端を正面側に略L字型に折り曲げることにより、図6の断面図に示されるように、焦電素子実装部11の直下に埋め込まれた上方シールド部43も基準電圧端子部41と一体となっている。これにより、焦電素子30の直下ならびに信号処理IC20の背後は安定な基準電圧VR2の壁に覆われることになる。
【0025】
第5の金属部材5は外部配線用の金属部材であり、その上端部は、図4に示すように、IC実装部12の左下隅の表面に露出し、信号処理IC20の外部電源端子VDD2のパッドに接続される。第5の金属部材5の下端の広幅部には、図3に示すように、外部接続端子部51が形成されており、図6に示すように、正面側に突出するように略垂直に曲げ加工を施されて、後述の外部端子50に接続される。
【0026】
第6の金属部材6は外部配線用の金属部材であり、その上端部は、図4に示すように、IC実装部12の右下隅の表面に露出し、信号処理IC20の信号出力端子OUTのパッドに接続される。第6の金属部材6の下端の広幅部には、図3に示すように、外部接続端子部61が形成されており、正面側に突出するように略垂直に曲げ加工を施されて、後述の外部端子60に接続される。
【0027】
第7の金属部材7は内部配線と外部配線ならびにシールド用の金属部材であり、図3に示すように、外部接続端子部71と下方シールド部72と側方シールド部73を備えている。この第7の金属部材7は、図2、図4に示すように、IC実装部12の下方及び側方を広く覆うように構成されており、外部接続端子部71がグランド電位に接続されることで、外部からの電気的ノイズから、信号処理IC20をシールドする構造となっている。また、電子部品実装部14の下部表面に露出した左端の広幅部にチップコンデンサC1の他端が接続されることで、内部配線用の金属部材としても使用されている。さらに、IC実装部12の下辺中央付近に露出した部分が信号処理IC20のグランド端子VSSのパッドに接続されることで、外部配線用の金属部材としても使用されている。第7の金属部材7の外部接続端子部71は、図6に示すように、正面側に突出するように略垂直に曲げ加工を施されて、後述の外部端子70と一体化された台座部分(金属製ベース94)に接続される。下方シールド部72は、図6に示すように、IC実装部12の下方をシールドするように、成形体10の内部で略垂直に曲げ加工を施されている。側方シールド部73はIC実装部12の右側方を覆うように、成形体10の内部で略垂直に曲げ加工を施されていると共に、信号出力端子となる第6の金属部材6を覆うような形状とすることで、信号出力が上方に廻り込むことを防止している。
【0028】
本実施の形態では、シールド用の金属部材として、第4の金属部材4により上半分を基準電圧端子VR2の電位(基準電位)によりシールドし、第7の金属部材7により下半分をグランド端子VSSの電位(グランド電位)によりシールドしている。仮に、基準電位の第4の金属部材4を省略して、グランド電位の第7の金属部材7だけで信号処理IC20および焦電素子30のすべてをシールドしようとすると、焦電素子30からグランド電位へのfAオーダーの漏れ電流が生じることになる。すなわち、焦電素子30の電極に接続される信号入力端子SINと基準電圧端子VRは、直流的にはグランド電位に対して約1V程度の電位差があり、焦電素子30の直下にグランド電位が存在すると、直流的な漏れ電流が生じてしまう。本実施の形態で用いる信号処理IC20はfAオーダーの漏れ電流でも動作に影響があるので、漏れ電流は少ない方が良い。そこで、焦電素子30の直下には、基準電圧端子VRと実質的に同一電位の基準電圧端子VR2に接続された第4の金属部材4の上方シールド部43を配置している。
【0029】
一方、基準電位の第4の金属部材4だけで信号処理IC20および焦電素子30のすべてをシールドしようとすると、信号処理IC20から取り出した基準電位を広い範囲に引き廻すことになるので、好ましくない。以上のような理由から、本実施の形態では、シールド用の金属部材を上下に2分割して、焦電素子30に近い方を信号処理IC20の基準電位に接続し、焦電素子30から遠い方をグランド電位に接続するようにしている。
【0030】
また、発明者らは、図8に示した回路において、信号入力端子SINと信号出力端子OUTが容量結合することにより、センサモジュールの感度が低下することを、回路シミュレーション及び実験により明らかにした。したがって、図2に示すように、信号入力端子SINに接続される金属部材1と信号出力端子OUTに接続される金属部材6を、距離的・電気的に分断する必要がある。このような考えに基づき、距離的には、信号入力端子SINに接続される金属部材1と信号出力端子OUTに接続される金属部材6とが同時成形体10の対角に配置されるように構成し、電気的には基準電位によるシールド専用の金属部材4に曲げ加工を施すことにより、焦電素子実装部11の直下に上方シールド部43を埋め込み形成し、これにより信号入力端子SINと信号出力端子OUTを可能な限り電気的に分断するような構造としている。
【0031】
ここで、焦電素子実装部11の直下に上方シールド部43を埋め込むことで、信号入力端子SINと信号出力端子OUTが電気的に分断される理由を説明する。図2を見ただけでは、信号入力端子SINの電位は信号出力端子OUTの電位から最も遠くに存在しているように見えるが、信号入力端子SINに接続される焦電素子30の表面では図7(a)に示すように第1の電極31から受光部30b,30cに配線パターンが形成されており、また、焦電素子30の裏面では図7(b)に示すように第3の電極33から受光部30a,30dに配線パターンが形成されており、第1の電極31と第3の電極33が金属部材1と接続されることで、表裏の配線パターンが接続されることになっている。したがって、図2において、信号入力端子SINに接続される金属部材1と信号出力端子OUTに接続される金属部材6とが同時成形体10の対角に配置されて距離的に離れていても、電気的には金属部材1の電位は焦電素子30の配線パターン上で引き廻されているので、上方シールド部43により焦電素子30の配線パターンと信号出力端子OUTの電位とをシールドする必要があり、これにより、信号入力端子SINと信号出力端子OUTが電気的にも分断されて、容量結合が起きないようにしている。
【0032】
なお、このような問題が起きることは、従来のMIDブロックを用いた赤外線検出器では知られていなかった。その理由としては、図21(b)に示すような裏面側の配線パターンが実質的にシールド機能を果たしていたからであると考えられる。したがって、前述の容量結合を回避するために、第1の金属部材1と第6の金属部材を対角に配置することや、第4の金属部材4の上方シールド部43を用いて焦電素子30の配線パターンをシールドすることは、本発明に固有の課題を実験ならびに回路シミュレーションにより発見したことに基づいてなされたものである。
【0033】
ところで、図1〜図6に示した同時成形体10の構造において、従来のMIDブロックと同数の外付け部品が必要な場合には、金属部材の形状などに制約があるため実現が困難であり、本発明は、外付けの電子部品の数が少ない場合に有効な構造である。このような観点から、図8に示す信号処理IC20では、スイッチトキャパシタフィルタを用いてバンドパスフィルタ回路を構成しており、図24の従来の回路構成に比べると、外付けの電子部品はチップコンデンサC1が1個となっている。図8に示す信号処理IC20を用いれば、外付け電子部品を大幅に削減できるので、同時成形体10の上面に焦電素子30を配置し、同時成形体10の正面に信号処理IC20を配置し、同時成形体10の側面に外付けのチップコンデンサC1を配置した、簡略な実装構造が可能となる。
【0034】
図8の信号処理IC20は、焦電素子30を接続された信号入力端子SINに接続された電流電圧変換回路21と、その出力を増幅する電圧増幅回路22と、人間の動きを検出するためにスイッチトキャパシタフィルタを用いて比較的低い周波数の信号を選択的に増幅するバンドパスフィルタ回路23と、その出力を閾値レベルVWH,VWLと比較するウィンドコンパレータ及びその比較結果により信号出力端子を駆動するトランジスタTrとその入力段のレベルシフタを含む出力回路24と、スイッチトキャパシタフィルタの動作クロックを与えるクロック回路25と、各回路に安定した動作電源を供給するための電源回路26とから構成されている。外部電源端子VDD2と内部電源端子VDDの間には、信号処理IC20の内部で抵抗が構成されており、外付け部品として、チップコンデンサC1をVDD−VSS間に挿入することにより、ローパスフィルタを構成し、外部電源端子VDD2に生じる高周波ノイズを除去して、信号処理IC20の内部回路に高周波ノイズが侵入するのを防止する働きをするものである。このコンデンサC1は電源電圧が十分に安定している場合には省略することも可能である。また、バンドパスフィルタ回路23を構成するスイッチトキャパシタフィルタに用いる複数のコンデンサは、いずれもpFのオーダーであり、図24の従来回路に用いる外付けコンデンサC1〜C7およびCfがいずれも数十〜数百nFのオーダーであったのと比べると、格段に容量が小さく、フィルタ回路のコンデンサを半導体集積回路内に形成することができる。
【0035】
なお、ここでは出力回路24からの出力端子OUTはON/OFF信号(ディジタル信号)を出力するものとしたが、出力回路24のウィンドコンパレータの手前からアナログ信号を取り出すようにしても良い。その場合には、信号出力端子OUTのワイヤリング時に、信号処理IC20のアナログ信号出力用のパッドを選択して接続すれば良い。
【0036】
図9は本実施の形態に係る赤外線検出器の外観図である。また、図10は図9に示した赤外線検出器の分解斜視図を示す。これらの図に示すように、上述の同時成形体10に、外付けの電子部品(チップコンデンサC1)、焦電素子30、信号処理IC20などを実装して同時成形ブロックとし、さらにこの同時成形ブロックを金属製ベース94上に実装して、金属製キャップ95を接合するといった構造になっている。
【0037】
以下、本実施の形態に係る赤外線検出器の概略の製造工程を、図11〜図14に示し説明する。まず、配線用の金属部材1〜7のもととなる金属製の平板8(図11(a))が用意される。なお、図11〜図13においては個片の状態を示しているが、生産の規模に応じて、フープ状に巻かれた金属平板8に、連続的に各個片が形成されていてもよい。金属平板8の厚さは例えば0.15mm程度で、材料は例えば銅などである。
【0038】
次に前述の金属平板8が、抜き型、又はエッチングにより所定の形状に抜き加工される(図11(b))。図11には省略したが、この状態で金属平板8の表面に、銀などのメッキ処理がなされる。メッキ処理は金属平板8の全体に施す場合や、又は必要箇所のみに施す場合(部分メッキ)がある。ここで必要箇所というのは、後述するが、ワイヤボンディングするパッド部分や、焦電素子30や電子部品(チップコンデンサC1)との接続部などである。
【0039】
次に抜き加工を施された金属平板8が、曲げ型により曲げ加工される(図11(c))。本実施の形態においては、1つにつき5箇所の曲げ加工を施している。
【0040】
そして、所定の形状となった金属平板8が、金型において合成樹脂と同時一体成形される(図12(d))。図4に個片化された同時成形体10の正面図を示したが、この図に示されるように、正面側のIC実装部12にはワイヤボンディングパッド部となる金属部材1〜7の一部がそれぞれ露出し、側面側の電子部品実装部14には電子部品接続端子部となる金属部材3,7の一部が露出し、上面側の焦電素子実装部11には焦電素子接続端子部となる金属部材1,2の一部が露出し、底面側には外部端子接続部となる金属部材5,6,7の一部が露出している。
【0041】
次に、信号処理IC20が同時成形体10に実装される(図12(e))。図5に示すように同時成形体10の正面のIC実装部12の略中央に設けられた凹部13に信号処理IC20を実装するような構造となっており、IC実装部12の内壁面は図5、図6の矢印で示すように傾斜(テーパー)を有している。信号処理IC20は、前述のIC実装部12の略中央に設けられた凹部13にダイボンディングされ、固定される。その上で、信号処理IC20上に設けられた端子パッドSIN,VR,VDD,VR2,VDD2,OUT,VSSと、同時成形体10の表面に露出した金属部材1,2,3,4,5,6,7とを、それぞれ金属ワイヤ(金線、アルミニウム線など)により導通させる(ワイヤボンディング)。ワイヤボンディング装置の先端部分(キャピラリー)からワイヤを張るが、前述のIC実装部12の内壁面には、キャピラリーの先端角度に応じたテーパーが形成されている。
【0042】
次に、信号処理IC20を実装したIC実装部12に樹脂を注入、硬化して封止を行う(図12(f))。図中、黒く塗り潰した部分は樹脂で封止された箇所を示している。この樹脂封止は、信号処理IC20を周囲環境(温度、湿度など)から保護する目的がある。後述するが、本実施の形態に係る赤外線検出器は、この合成樹脂成形体10を金属製パッケージ94,95内に収納する構成であるので、樹脂封止については省略することも可能である。しかしながら、製造時の取り扱い性の向上のためにも、樹脂封止を施すことが一般的である。
【0043】
次に、外付けの電子部品(チップコンデンサC1)が同時成形体10に実装される(図13(g))。図1、図2、図4に示すように同時成形体10の側面の凹部14に電子部品(チップコンデンサC1)を落とし込み実装するような構造となっており、この近傍に露出した金属部材3,7と、導電性接着剤などにより接続、硬化する。
【0044】
次に、金属平板8から同時成形体10が切断される(図13(h))。金属平板8より切断された同時成形体10は、外部端子と接続する3つの金属部材5,6,7に曲げ加工が施され(図13(i))、図14に示すように、金属製ベース94上に起立するように実装され、その後に焦電素子30が実装される。
【0045】
この工程をより詳細に説明すると、まず第一に金属平板8より切断され、外部端子と接続する3つの金属部材5,6,7に曲げ加工が施された同時成形体10が、TO−5の金属製ベース94上に起立するように実装される(図14(j))。この金属製ベース94には、内部側に2本、外部側に3本の外部端子が立設されており、内部側に突出しない外部側の1本の端子70は、台座部分(金属製ベース94)と電気的に接合されている。外部側の残りの2本の端子50,60(内部側に突出する2本の端子)は、それぞれ台座部分とは電気的に絶縁された構造となっている。
【0046】
内部側の2本の端子50,60は、図14(j)に示すように、曲げ加工が施された同時成形体10の左右の金属部材5,6に、それぞれ導電性接着剤などにより接合されて、外部電源端子VDD2及び信号出力端子OUTとなる。また、曲げ加工が施された同時成形体10の中央の金属部材7は、内部側の台座部分に導電性接着剤などにより接合されて、グランド端子VSSとなる。なお、一般的には導電性接着剤の接着強度は比較的弱いので、前述の導電性接着剤の塗布前に、エポキシ系などの絶縁性の接着剤などにより、同時成形体10を金属製ベース94上に固着してから、導電性接着剤などの塗布を行ってもよい。
【0047】
次に、焦電素子30のチップを実装する(図14(k))。焦電素子30のチップは、同時成形体10の上部に実装される。より具体的に説明すると、図1、図4に示すように、同時成形体10の上部の焦電素子実装部11の両端には、素子接続端子部となる金属部材1,2の上端を含む形で、素子支持部15,16が形成されている。素子接続端子部となる金属部材1,2の上端は、金属板に曲げのない状態で焦電素子実装部11の両側に突出している。導電性接着剤などにより焦電素子30の一端の表裏の電極31,33(図7参照)と、第1の素子接続端子部を構成する金属部材1の上端とが接続される。また、焦電素子30の他端の表裏の電極32,34(図7参照)と、第2の素子接続端子部を構成する金属部材2の上端とが同じく導電性接着剤などにより接続される。
【0048】
この際、図4に示すように、素子接続端子部となる金属部材1,2の上端の間隔をx1、焦電素子30の幅をx2、同時成形体10の上部に設けられた素子支持部15,16の幅をx3とすると、x1>x2>x3という関係になっている。従って、焦電素子30の電極31,33と金属部材1の上端とは直接接触せず、また、焦電素子30の電極32,34と金属部材2の上端とは直接接触せず、それぞれ導電性接着剤などにより形成される経路を介して接続されることとなる。
【0049】
より具体的に説明すると、素子支持部15,16にはそれぞれ金属部材1,2の上端にかかるように導電性接着剤が塗布されて、図4の破線で示すように、焦電素子30が橋渡し実装されることで、焦電素子30の裏面側の電極33,34が金属部材1,2にそれぞれ接続される。さらに焦電素子30の表面側の電極31,32が導電性接着剤により金属部材1,2の上端にそれぞれ接続されることで、図7(a)に示す表側の電極31,32と、図7(b)に示す裏側の電極33,34とが電気的に接続されるようになっている。
【0050】
また、同時成形体10の上部に設けられた素子支持部15,16により焦電素子30が橋渡し実装されることにより、焦電素子30と同時成形体10との間の熱的アイソレーションが確保され、良好な感度を得ることができる。更に、図14(k)に示すように、焦電素子30の各受光部を形成する略コの字型のスリットを、同時成形体10に橋渡し実装される端部とは直交する方向に開口させたことにより、同時成形体10と各受光部との間の熱的アイソレーションが、更に良好となる。
【0051】
図15に別の焦電素子実装部11の形態を示す。この例では、焦電素子実装部11に、焦電素子30の幅x2よりやや大きい凹段部15’,16’が形成されているので、この凹段部15’,16’に焦電素子30を落とし込み実装することにより、同時成形体10に対する焦電素子30の位置精度が向上する。
【0052】
最後に、図14(l)に示すように、同時成形体10が実装された金属ベース94に、金属製のキャップ95を溶接して、センサモジュールの完成となる。なお、金属製のキャップ95には、赤外線透過フィルタ96を有する検知窓が、同時成形体10の焦電素子実装部と対向するように設けられている。
【0053】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明にあっては、焦電素子を実装するための焦電素子実装部が上面部に形成され、信号処理ICを実装するためのIC実装部が正面部に形成された合成樹脂成形体に、同時一体成形により複数の金属部材がインサートされ、前記複数の金属部材は、正面側の一部が前記IC実装部に露出して前記信号処理ICの入力端子パッドに接続されると共に、上面側の一部が前記焦電素子実装部に露出して前記焦電素子の電極部に接続される内部配線用の金属部材と、外部端子に接続されると共に、正面側の一部が前記IC実装部に露出して前記信号処理ICのパッドに接続される外部配線用の金属部材を少なくとも含んで構成され、複数の外部端子を互いに絶縁された状態で立設された金属製ベース上に、前記合成樹脂成形体を起立させた形態で配置し、各外部端子を前記外部配線用の金属部材に接続した状態で、前記合成樹脂成形体の焦電素子実装部と対向する赤外線入射窓を有する金属製キャップを、金属製ベースに接合した構造を有する赤外線検出器であるから、実装構造及び製造工程が簡略化され、低コスト化を図ることができる。
【0054】
請求項2に記載の発明にあっては、請求項1において、安定した電位に接続されている金属部材の一部に曲げを施し、前記IC実装部又は焦電素子実装部の周辺全体又は一部を覆うような形状としたから、シールド効果により信号処理ICの入出力間に寄生する容量を最小限に抑えることができ、感度の低下をもたらさず、信頼性の高い赤外線検出器を提供することができる。
請求項3に記載の発明にあっては、請求項1または2において、正面側の一部が前記IC実装部に露出して前記信号処理ICの基準電圧端子に接続されると共に、背面側の一部が前記IC実装部の背後に埋め込まれて前記IC実装部の周辺全体又は一部を覆うような形状とされたシールド用の金属部材を備えるので、IC実装部に実装される信号処理ICを基準電圧でシールドできる。
請求項4に記載の発明にあっては、請求項3において、前記IC実装部は前記信号処理ICを実装する凹部を備えており、この凹部の背後に前記シールド用の金属部材が埋め込まれているので、シールド用の金属部材に対する信号処理ICの位置精度が高くなる。
請求項5に記載の発明にあっては、請求項4において、前記凹部の背後に埋め込まれたシールド用の金属部材は、上端を正面側に折り曲げることにより上面側の一部が前記焦電素子実装部の直下に埋め込まれて前記焦電素子実装部の周辺全体又は一部を覆うような形状とされているので、焦電素子上の配線パターンをシールドできる。
【0055】
請求項6に記載の発明にあっては、請求項1〜5のいずれかにおいて、信号処理ICの信号出力端子に接続される外部配線用の金属部材と焦電素子から信号処理ICへの信号入力端子に接続される内部配線用の金属部材とは対角方向に配置されているので、信号処理ICの信号入力端子と信号出力端子の容量結合を低減できる効果がある。
請求項7に記載の発明にあっては、請求項1〜6のいずれかにおいて、金属製ベースの外部端子と接続される外部配線用の金属部材は、合成樹脂成形体の内部又は外部で曲げが施され、IC実装面に対して略垂直に起立し、前記金属部材の外部端子との接続部分が前記合成樹脂成形体から突出しているので、金属製ベースの外部端子との接続が容易となり、低コスト化、高信頼性化につながる。
請求項8に記載の発明にあっては、請求項3〜7のいずれかにおいて、金属製ベースのグランド端子と接続される外部配線用の金属部材はIC実装部の下部の全体又は一部を覆うような形状とされており、前記シールド用の金属部材は前記グランド端子に比べて焦電素子の動作電位に近い電位としたので、焦電素子の動作電位を広い範囲に引き廻すことなく、焦電素子からの漏れ電流を低減できる。
【0056】
請求項9に記載の発明にあっては、請求項1〜8のいずれかにおいて、焦電素子の電極部に接続される内部配線用の金属部材の一部が、曲げのない状態で焦電素子実装部に突出しているので、同時一体成形が容易となり、低コスト化につながる。
請求項10に記載の発明にあっては、請求項9において、焦電素子は複数の受光部を備え、各受光部を焦電素子の両端の電極部に接続するための配線パターンを表裏両面に備えており、各電極部を内部配線用の金属部材と接続するときに表裏の配線パターンが接続されるので、実装構造及び製造工程が簡略化され、低コスト化を図ることができる。
請求項11に記載の発明にあっては、請求項1〜10のいずれかにおいて、合成樹脂成形体の正面部又は側面部に凹部を形成し、前記凹部の内部又は近接箇所に金属部材が露出した箇所を設け、前記凹部に外付け電子部品を落とし込み実装した上で、前記金属部材の露出部と前記外付け電子部品の端子を接続したので、電子部品が合成樹脂成形体から突出することがなく、位置決めも容易となるので、小型化、低コスト化を図ることができる。
【0057】
なお、合成樹脂成形体の上面部に、焦電素子の端部を支持する素子支持部を形成し、焦電素子を橋渡し実装するように構成すれば、焦電素子と合成樹脂成形体の熱的アイソレーションを十分に確保することができ、感度の低下や熱的なノイズの影響を抑えることができるので、信頼性の高い赤外線検出器を提供することができる。また、合成樹脂成形体の上面部に形成された素子支持部に、焦電素子の端部を支持する段差部を形成すれば、焦電素子の位置決めが容易となり、高信頼性化、低コスト化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の赤外線検出器の同時成形体を示す斜視図である。
【図2】本発明の赤外線検出器の同時成形体と金属部材を示す透視斜視図である。
【図3】本発明の赤外線検出器の金属部材を示す斜視図である。
【図4】本発明の赤外線検出器の同時成形体の正面図である。
【図5】図12のA−A’線についての断面図である。
【図6】図12のB−B’線についての断面図である。
【図7】本発明の赤外線検出器の焦電素子の配線パターンを示す平面図である。
【図8】本発明の赤外線検出器の概略回路図である。
【図9】本発明の赤外線検出器の外観を示す斜視図である。
【図10】本発明の赤外線検出器の内部構造を示す分解斜視図である。
【図11】本発明の赤外線検出器の製造工程を示す図である。
【図12】本発明の赤外線検出器の製造工程を示す図である。
【図13】本発明の赤外線検出器の製造工程を示す図である。
【図14】本発明の赤外線検出器の製造工程を示す図である。
【図15】本発明の赤外線検出器の同時成形体の他の例を示す斜視図である。
【図16】従来の赤外線検出器の回路ブロック図である。
【図17】従来の赤外線検出器の構造例を示す斜視図である。
【図18】従来の焦電センサの内部構成を示す回路図である。
【図19】従来の焦電センサの内部構造を示す分解斜視図である。
【図20】従来の赤外線検出器に用いられたMIDの部品実装前の外観を示す斜視図である。
【図21】従来の赤外線検出器に用いられたMIDの部品実装後の外観を示す斜視図である。
【図22】従来のMIDを用いた赤外線検出器の内部構造を示す分解斜視図である。
【図23】従来のMIDを用いた赤外線検出器の外観を示す斜視図である。
【図24】従来のMIDを用いた赤外線検出器の概略回路図である。
【符号の説明】
1〜7 金属部材
10  成形体
11  焦電素子実装部
12  IC実装部
13  凹部
14  電子部品実装部
20  信号処理IC
30  焦電素子
94  金属製ベース
95  金属製キャップ

Claims (11)

  1. 焦電素子を実装するための焦電素子実装部が上面部に形成され、信号処理ICを実装するためのIC実装部が正面部に形成された合成樹脂成形体に、同時一体成形により複数の金属部材がインサートされ、
    前記複数の金属部材は、
    正面側の一部が前記IC実装部に露出して前記信号処理ICの入力端子パッドに接続されると共に、上面側の一部が前記焦電素子実装部に露出して前記焦電素子の電極部に接続される内部配線用の金属部材と、
    外部端子に接続されると共に、正面側の一部が前記IC実装部に露出して前記信号処理ICのパッドに接続される外部配線用の金属部材を少なくとも含んで構成され、
    複数の外部端子を互いに絶縁された状態で立設された金属製ベース上に、前記合成樹脂成形体を起立させた形態で配置し、各外部端子を前記外部配線用の金属部材に接続した状態で、前記合成樹脂成形体の焦電素子実装部と対向する赤外線入射窓を有する金属製キャップを、金属製ベースに接合したことを特徴とする赤外線検出器。
  2. 請求項1において、安定した電位に接続されている金属部材の一部に曲げを施し、前記IC実装部又は焦電素子実装部の周辺全体又は一部を覆うような形状としたことを特徴とする赤外線検出器。
  3. 請求項1または2において、正面側の一部が前記IC実装部に露出して前記信号処理ICの基準電圧端子に接続されると共に、背面側の一部が前記IC実装部の背後に埋め込まれて前記IC実装部の周辺全体又は一部を覆うような形状とされたシールド用の金属部材を備えることを特徴とする赤外線検出器。
  4. 請求項3において、前記IC実装部は前記信号処理ICを実装する凹部を備えており、この凹部の背後に前記シールド用の金属部材が埋め込まれていることを特徴とする赤外線検出器。
  5. 請求項4において、前記凹部の背後に埋め込まれたシールド用の金属部材は、上端を正面側に折り曲げることにより上面側の一部が前記焦電素子実装部の直下に埋め込まれて前記焦電素子実装部の周辺全体又は一部を覆うような形状とされたことを特徴とする赤外線検出器。
  6. 請求項1〜5のいずれかにおいて、信号処理ICの信号出力端子に接続される外部配線用の金属部材と焦電素子から信号処理ICへの信号入力端子に接続される内部配線用の金属部材とは合成樹脂成形体の対角方向に配置されていることを特徴とする赤外線検出器。
  7. 請求項1〜6のいずれかにおいて、金属製ベースの外部端子と接続される外部配線用の金属部材は、合成樹脂成形体の内部又は外部で曲げが施され、IC実装面に対して略垂直に起立し、前記金属部材の外部端子との接続部分が前記合成樹脂成形体から突出していることを特徴とする赤外線検出器。
  8. 請求項3〜7のいずれかにおいて、金属製ベースのグランド端子と接続される外部配線用の金属部材はIC実装部の下部の全体又は一部を覆うような形状とされており、前記シールド用の金属部材は前記グランド端子に比べて焦電素子の動作電位に近い電位としたことを特徴とする赤外線検出器。
  9. 請求項1〜8のいずれかにおいて、焦電素子の電極部に接続される内部配線用の金属部材の一部が、曲げのない状態で焦電素子実装部に突出していることを特徴とする赤外線検出器。
  10. 請求項9において、焦電素子は複数の受光部を備え、各受光部を焦電素子の両端の電極部に接続するための配線パターンを表裏両面に備えており、各電極部を内部配線用の金属部材に接続することで表裏の配線パターンが接続されていることを特徴とする赤外線検出器。
  11. 請求項1〜10のいずれかにおいて、合成樹脂成形体の正面部又は側面部に凹部を形成し、前記凹部の内部又は近接箇所に金属部材が露出した箇所を設け、前記凹部に外付け電子部品を落とし込み実装した上で、前記金属部材の露出部と前記外付け電子部品の端子を接続したことを特徴とする赤外線検出器。
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