JP2004117191A - ナビゲーション装置、ナビゲーション用プログラムおよび地図サーバ - Google Patents
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Abstract
【課題】通信環境の変化にかかわらず、必要な情報を必要なタイミングでユーザに提供すること。
【解決手段】相互に情報の送受信が可能な地図サーバ200から地図情報を取得して、ユーザに案内情報を提供する車両に搭載されたナビゲーション装置100であって、車両の位置検出手段40により検出された現在位置において受信できる受信データ量を算出する受信データ量算出手段31と、この算出された受信データ量以下の地図情報を選択し、選択された地図情報の配信命令を地図サーバ200に送出する配信命令手段33とを備えた。
【選択図】 図1
【解決手段】相互に情報の送受信が可能な地図サーバ200から地図情報を取得して、ユーザに案内情報を提供する車両に搭載されたナビゲーション装置100であって、車両の位置検出手段40により検出された現在位置において受信できる受信データ量を算出する受信データ量算出手段31と、この算出された受信データ量以下の地図情報を選択し、選択された地図情報の配信命令を地図サーバ200に送出する配信命令手段33とを備えた。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【技術分野】
本発明は、相互に送受信可能な地図サーバから地図情報を取得して、ユーザに案内情報を提供するナビゲーション装置、ナビゲーション用プログラム、および地図情報を配信する地図サーバに関する。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】
特開2002−49624号公報
【0003】
【背景技術】
この種のナビゲーション装置として、地図提供サーバにアクセスして所望の地図情報をダウンロードする装置がある(特許文献1参照)。この装置によれば、地図の一部が更新された場合に、その更新された最新の地図情報をダウンロードすることができる。また、移動体通信手段を用いれば、車両の移動中にも地図情報をダウンロードすることができるため、地図情報が必要となったタイミングで更新された最新の地図情報のダウンロードを要求することができる。
【0004】
しかしながら、車両が通信環境の良いエリアを走行しているときには要求した地図情報を完全に受信できるものの、走行する車両側の通信環境(受信できるデータ量)が悪化し、車両が通信環境の悪いエリアを走行しているときには、要求する地図情報を完全に受信することができないという問題があった。
【0005】
このように、走行に伴い受信環境が変化する車両内においては、必要な情報を必要とするタイミングにおいて完全に受信することは困難であった。
【0006】
【発明の開示】
本発明は、移動する車両周辺の通信環境に応じて受信する情報の種類および量を判断し、必要な情報を必要とするタイミングで受信するナビゲーション装置、ナビゲーション用プログラム、および地図サーバを提供することを目的とする。
【0007】
この発明によれば、相互に情報の送受信が可能な地図サーバから、検出された現在位置において受信できる受信データ量を算出するとともに、算出された受信データ量以下の地図情報を選択し、当該選択された地図情報を取得し、ユーザに案内情報を提供する車両に搭載されたナビゲーション装置、ナビゲーション用プログラム、および選択された地図情報をナビゲーション装置に配信する地図サーバが提供される。
【0008】
これにより、受信環境の変化にかかわらず、走行する車両に必要な情報を必要なタイミングで完全に提供することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1乃至第4の実施形態を図面に基づいて説明する。
<第1実施形態>
本実施形態に係るナビゲーション装置100は、外部の地図サーバ200と通信手段を介して相互に情報の授受を行い、選択した地図情報を地図サーバ200から取得し、当該地図情報に基づく案内情報をディスプレイ等の出力手段70を介してユーザに提示する。
【0010】
ナビゲーション装置100に地図を配信する地図サーバ200は、少なくとも記憶手段250を有し、地図情報と、ユーザを特定し、特定されたユーザに関するユーザデータとを記憶している。この地図情報は、イメージ(画像)データの地図情報251、および/または予め規定された表記ルールに従い言語記述された地図情報253とを含む。さらに記憶手段250は、これらイメージ地図情報61と言語記述地図情報253とを相互に変換するコンパイラ252を備えている。
【0011】
ユーザに案内情報を提示するナビゲーション装置100は、少なくとも地図サーバ200と通信する機能を備えた通信手段10と、車両の現在位置を検出する位置検出手段40と、ナビゲーション装置100が地図サーバ200から取得する地図情報の量、地図情報の種類を制御するデータ取得制御器30と、情報を記憶する記憶手段50と、出力する案内情報に用いられる地図を作成する地図作成手段60と、案内情報をユーザに表示する出力手段70とを有している。具体的には、少なくとも、地図サーバ200からのデータの取得を制御するプログラムを格納したROMと、このROMに格納されたプログラムを実行することで、データ取得制御器30として機能するCPUと、情報を記憶し記憶手段50として機能するRAMとを備えている。
【0012】
本実施形態のデータ取得制御器30は、受信データ量算出手段31と、配信命令手段33とを有し、車両が走行する(又は停止する)現在位置において受信できる受信データ量を算出し、算出された受信データ量以下の地図情報を選択し、選択された地図情報をナビゲーション装置100へ配信するように地図サーバ200に配信命令を送出する。
【0013】
受信データ量算出手段31は、位置検出手段40がGPS(Global Positioning System)などを用いて検出した車両の現在位置において、当該車両が実際に受信できる受信データ量を、車両の現在位置における受信環境と通信手段10の通信能力とから算出する。
【0014】
具体的には、受信環境は地形等に関係するため、地図上の位置と平均的な受信可能なデータ量とを予め対応づけた「受信環境データ」を記憶手段50に予め記憶させておき、この「受信環境データ」を参照して、位置検出手段40により検出された現在位置における受信環境を求める。
【0015】
一方、通信能力は通信手段10の性能に応じて異なるため、通信手段10の機種データと、機種ごとの通信能力とを対応づけた「通信能力データ」を記憶手段に予め記憶させておき、この「通信能力データ」を参照して、通信手段10として機能する携帯電話等の通信能力を求める。本実施形態における通信手段10は携帯電話である。携帯電話10は、ナビゲーション装置100と有線(たとえば、シリアルインターフェイス,ユニバーサル・シリアル・バス(USB))または無線(たとえば、Bluetooth,赤外線(IrDA))で接続され、地図サーバ200と相互に情報の送受信を行う。もちろん、携帯電話のほか、通信機能を有するコンピュータ、PDA等を通信手段10として用いてもよいし、ナビゲーション装置100に予め送受信装置を設けてもよい。
【0016】
受信データ量算出手段31は、通信手段10の通信能力を検出する通信能力検出部311を備える。通信能力検出部311は、携帯電話10からのアクセス要求を受けると、携帯電話10の機種、製造番号等の通信能力を判断するための情報を検出し、先述した通信能力データを参照して通信手段10として機能する携帯電話の通信能力を検出する。
【0017】
通信手段10にユーザ各自の携帯電話を利用する場合にはナビゲーション装置100を利用する人によって通信手段10の通信能力が異なるため、正確な受信データ量を算出するとの観点から通信回線が確立される度に通信手段10の通信能力を検出することが好ましい。もちろん、使用する携帯電話等の通信能力(通信能力が判断できる機種データなど)を予め記憶させてもよいし、受信データ量を算出する演算回路に予め実装させてもよい。
【0018】
配信命令手段33は、受信データ量算出手段31により算出された受信データ量以下の地図情報を選択する。配信命令手段33はデータ量比較部311を備える。データ量比較部311は、算出された受信データ量を取得し、この受信データ量と取得しようとする地図情報のデータ量とを比較する。配信命令手段33は、このデータ量比較部311の比較結果に応じて配信を命令する地図情報を選択する。
【0019】
ここで、本実施形態のナビゲーション装置100が受信する地図情報について説明する。
【0020】
本実施形態においてナビゲーション装置100へ配信される地図情報は、所定の属性の情報を含み、積み上げ可能なレイヤデータを任意の二次元領域に区分した複数のモジュールデータを含んでいる。
【0021】
この「所定の属性の情報」とは地図情報に含まれる「幹線道路」「細街路」、「施設」、「川、湖、緑地等の地形」などの任意の属性に分類できる情報である。レイヤデータはある属性の情報を少なくとも1つ以上含む。たとえば、ある地図情報は、「幹線道路」を表示するレイヤデータ、「細街路を表示するレイヤデータ」、「施設」を表示するレイヤデータ、「川、湖、緑地等の地形」を表示するレイヤデータを含む。これらのレイヤデータは層を重ねるように積み上げることが可能である。たとえば、「幹線道路」を表示するレイヤデータと「施設」を表示するレイヤデータを所定の地図座標上で積み上げることにより、当該地図座標上には「幹線道路」と「施設」とが表示される。もちろん、一層のレイヤデータは所定の属性の情報を表示する。たとえば「幹線道路」を表示するレイヤデータは、所定の地図座標上に幹線道路を表示する。
【0022】
具体的に、図2を参照して地図情報とモジュールデータとの関係を説明する。図2(a)には、所定エリアの地図情報を示した。この地図情報は、4つのレイヤデータを含む4つのモジュールグループからなり、合計16のモジュールデータを含んでいる。
【0023】
図2(b)に示すように、各モジュールグループは、同じ4種のレイヤデータを含んでいる。本例では、第1のレイヤデータは背景色に関する情報を含み、第2のレイヤデータは幹線道路に関する情報を含み、第3のレイヤデータは河川や緑地等の地形に関するデータを含み、第4のレイヤデータは、経由地、施設の位置等を示すランドマークデータを含み、第5のレイヤデータは細街路に関するデータを含んでいる。
【0024】
図2(a)に示した地図情報は、第2レイヤデータ(レイヤ2)と第4レイヤデータ(レイヤ4)とが積み上げられている。このため、図2(a)の地図情報には、幹線道路と、ランドマーク等の位置表示のデータは表示されているが、背景色および細街路は示されていない。
【0025】
また、本実施形態のモジュールデータは、予め規定された表記ルールに従い言語表記されたデータである。特に限定されないが、たとえば、モジュールデータは、「始点座標から終点座標への線の集合により図形を表現する」との表記ルールに従うベクトルデータである。本実施形態のモジュールデータの具体例を図3に示した。図3は5つのモジュールデータ1〜5を含む地図情報253を示す。モジュールデータ2では、draw1に規定するように、<location1…>により点を羅列し、この羅列された点を<type=line>で指定された線で結ばれた線図を示す。この羅列された点Nを結ぶことによって道路や地形を示す地図が作成される。
【0026】
また、モジュールデータ5では、Link1に規定するように、<image>によりアイコン等のイメージデータ(予め記憶されている)を特定し、<Location>により表示されるべき座標位置を特定し、<Size>で表示されるべき大きさを特定する。これにより、所定の座標位置に所定のイメージを所定の大きさで表示でき、言語記述された情報でありながら、アイコン画像等を表示することができる。さらに、モジュールデータ5に示すように、<Include>でモジュールデータと他の(サブ)モジュールデータとの関係を定義することができる。
【0027】
加えて、モジュールデータに含まれる情報の属性や、モジュールデータに含まれるデータの新旧等に応じて、モジュールデータと他のモジュールデータとの位置関係、積み上げるための層間関係、その他のモジュールデータ同士の相関関係を定義し、これをモジュールデータに含ませることができる。
【0028】
次に、図4を参照しつつ、配信命令手段33が行うモジュールデータの選択処理について説明する。配信命令手段33は複数のモジュールデータの中から受信データ量以下のモジュールデータを選択する。図4は、図2(b)に示した16個のモジュールデータの中から、配信命令手段33が受信データ量以下のモジュールデータを選択する処理を説明するための図である。
【0029】
図4に、受信データ量算出手段31が算出した受信データ量Xを一点鎖線の図形で示した。配信命令手段33は、この受信データ量Xよりも少ない量の地図情報を選択する。現在位置において受信可能な受信データ量Xよりも少ない量の地図情報であれば、車両が受信環境の悪い場所に位置していても、受信しようとする地図情報を完全に受信することができ、受信環境が悪いために途中で地図情報の受信が中断してしまい、地図情報を完全に見ることができないというような不都合を防止することができる。
【0030】
データ量比較部331は、受信データ量Xと配信を命令する複数のモジュールデータの合計データ量とを比較する。受信データ量Xが現在位置周辺を案内するために通常配信される地図情報のデータ量よりも大きければ受信に問題はない。しかし、受信データ量Xが現在位置周辺を示すものとして通常配信される地図情報のデータ量よりも小さい場合、配信される地図情報のすべてを受信することができない。この場合には、配信命令手段33は、受信データ量Xよりも合計データ量が低くなるように、受信する地図情報に含まれるモジュールデータを選択する。なお、このモジュールデータの選択の手法(選択の優先順位)は特に限定されず、データの配列順であってもよいし、予め設定された順であってもよいし、モジュールデータの量の大きい順又は小さい順であってもよい。
【0031】
特に限定されないが、この選択にあたって、配信命令手段33はモジュールデータに含まれる情報の属性からモジュールデータの優先順位を判断し、判断された優先順位に応じてモジュールデータを選択することが好ましい。たとえば、判断された優先順位の高い順にモジュールデータを選択することが好ましい。ここにいう優先順位は、ユーザに提示される案内情報における重要度に応じて定義される順序であって、優先順位が高い情報はユーザが案内情報に要求する必要最低限の情報を構成する情報である。この優先順位は、モジュールデータに含まれる情報の属性に応じて予め決定されていることが好ましい。
【0032】
たとえば、図2に示した「背景色」「幹線道路」「地形」「ランドマーク」「細街路」の属性情報を含むモジュールデータからなる地図情報において、第1優先順位が「幹線道路」、第2優先順位が「ランドマーク」、第3優先順位が「地形」、第4優先順位が「細街路」、第5優先順位が「背景色」というように、情報の属性から優先順位を判断する。配信命令手段33は、この優先順位に応じて受信データ量を超えない範囲でモジュールデータを順次選択する。
【0033】
図2(a)に示す本実施形態では、現在位置を案内するために通常配信される地図のエリアはメッシュ1〜メッシュ4の4つの二次元領域に区分されているため、同じ属性の情報を含むモジュールデータについては4つのメッシュに対応するモジュールデータを各々取得する。すべての二次元領域について同じ属性の情報を含むモジュールデータを取得しない場合には、メッシュ1には細街路が表示されるにもかかわらず、メッシュ2には細街路が表示されないという案内情報が提示されることとなり、ユーザにとっては利用しにくい情報となってしまうからである。
【0034】
本実施形態の配信命令手段33は、優先順位の最も高い「幹線道路」に関するモジュールデータをメッシュ1〜4について取得するか否かを検討する。データ量比較部331は取得するモジュールデータのデータ量と受信データ量Xとを比較し、モジュールデータのデータ量が受信データ量Xを超えないことを確認する。図4に示すように、モジュールデータ1−2,2−2,3−2,4−2は受信データ量Xよりも小さいデータ量であるため、配信命令手段33は、配信を命令する。モジュールデータ1−2,2−2,3−2,4−2によれば、メッシュ1〜4に幹線道路の情報が表示された地図情報が作成される。
【0035】
続いて、優先順位が次に高いランドマークデータを含むモジュールデータをメッシュ1〜4について取得するか否かを検討する。データ量比較部331は取得するモジュールデータのデータ量と受信データ量Xとを比較し、モジュールデータのデータ量が受信データ量Xを超えないことを確認する。図4に示すように、モジュールデータ1−4,2−4,3−4,4−4は、モジュールデータ1−2,2−2,3−2,4−2と加算しても受信データ量Xよりも小さいデータ量であるため、配信命令手段33は、配信を命令する。モジュールデータ1−4,2−4,3−4,4−4は、先に受信したモジュールデータ1−2,2−2,3−2,4−2に積み上げられるため、図2(a)に示すような幹線道路とランドマークの両方が表示された地図情報が作成される。
【0036】
続く第3の優先順位は「地形」のモジュールデータである。配信命令手段33は、このモジュールデータをメッシュ1〜4について取得できるか否かを検討する。このときデータ量比較部33は、取得するモジュールデータの合計データ量が算出された受信可能な受信データ量Xを超えると判断する。この判断に基づいて、配信命令手段33は、優先順位が第3番目のモジュールデータについては受信ができないと判断し、「モジュールデータ1−2,2−2,3−2,4−2、およびモジュールデータ1−4,2−4,3−4,4−4を配信しなさい」という配信命令を生成し、生成した配信命令を地図サーバ200へ向けて送出する。
【0037】
さらに、本実施形態の配信命令手段33は、優先順位に応じた配信順序でモジュールデータを配信する旨の命令を配信命令に含ませてもよい。すなわち、「モジュールデータ1−2,2−2,3−2,4−2,1−4,2−4,3−4,4−4を、この順序で配信しなさい」という配信命令を生成することもできる。優先順序の高いモジュールデータを確実に受信するとの観点からは、優先順位に従って配信させ、優先度の高い情報から受信することが好ましい。
【0038】
配信命令に従い地図サーバ200から受信したモジュールデータは、記憶手段50に一時的に保存される。配信されたモジュールデータは、予め規定された表記ルールに従い言語記述されたデータである。地図作成手段60は、取得したモジュールデータからユーザに提示する案内情報に含まれる地図情報を作成する。リンクモジュール作成部61は、取得した複数のモジュールデータ同士の関連付けを規定するリンクモジュールデータを参照して、リンクモジュールを作成する。すなわち、リンクモジュール作成部61は、モジュールデータが地図座標上のどの位置に相当するのか、またはモジュールデータの相互の位置関係、相互に積み上げられる積層関係などのモジュールデータ同士の関連付けを規定するリンクモジュールデータに従い、リンクモジュールを作成する。リンクモジュールとは、取得したモジュールデータを利用してグラフィカルな地図情報を作成するために、モジュールデータのアドレスを指定し、モジュールデータ同士の関連づけを行うものである。
【0039】
地図イメージコンパイラ62は、この言語記述されたリンクモジュールをコンパイルし、イメージデータ、ラスターデータ等のビジュアルな地図情報を作成する。このコンパイルの手法は特に限定されることなく、公知の手段を適用することができる。
【0040】
モニタ70は、地図作成手段60により作成された、現在位置周辺又は目的地周辺等の地図情報を含む案内情報を提示する。
【0041】
このように構成された本発明の第1の実施形態は、以下のように動作する。図5に本実施形態の制御手順のフローチャートを示した。ナビゲーション装置100が起動し、通信手段10を介して地図サーバ200との通信が確立されると(S111)、受信データ量算出手段31は、通信手段10の通信能力を示す情報(機種を特定する情報)、および位置検出手段40により検出された車両の現在位置に関する情報を取得する(S112)。受信データ量算出手段31は、車両の現在位置が属するエリアの受信環境を記憶手段50に格納されている受信環境データから読み出し、車両の現在位置における受信環境を求める。また、受信データ量算出手段31は、求めた現在位置における受信環境と、通信手段10の通信能力とから受信可能な受信データ量を算出する(S113)。
【0042】
配信命令手段33は、受付手段20を介するユーザの入力情報に従い、ユーザが取得しようとする地図情報の領域を特定する。ユーザが取得しようとする地図情報の特定は、取得したい地域の入力によるものであってもよいし、目的地、現在位置、経由地等のランドマークの指定入力、またはガススタンド等の所定の情報を特定する入力であってもよい。
【0043】
配信命令手段33は、算出され受信データ量よりも取得するモジュールデータの合計のデータ量が小さくなるようにデータ量比較部331にデータ量の比較を行わせ、その比較結果に基づいて配信させるモジュールデータを選択する。このとき、モジュールデータが含む情報の属性から判断された優先順位に応じて受信するモジュールデータの優先順位を判断する(S114)。配信命令手段33は、判断した優先順位に応じて配信を要求するモジュールデータを特定するとともに、その配信(通信手段10の受信)の優先順位を含めた配信命令を生成する(S115)。生成した配信命令を、現在位置を示す情報とユーザID(識別情報)とともに通信手段10を介して地図サーバ200へ送出する(S116)。
【0044】
この配信命令を受け付けた地図サーバ200は、配信命令、およびユーザID、現在位置情報に従い、モジュールデータを検索し、これをユーザIDで識別されたユーザのナビゲーション装置100へ送出する(S117)。
【0045】
ナビゲーション装置100は、地図サーバ200が配信したモジュールデータを受信する。ナビゲーション装置100が配信を命令した配信命令中の優先順位[i]=1(最優先に受信)のモジュールデータまたは地図情報の取得が開始され(S118)、この優先順位[i]=1のモジュールデータの取得が終了したところで(S119)、次の優先順位(i=i+1)のモジュールデータの受信を開始する。配信命令中に含まれるモジュールデータの取得の完了を確認し(S120)、取得したモジュールデータを記憶手段50に一時的に保存する(S121)。
【0046】
地図作成手段60は、受信したモジュールデータから、ユーザの操作に応じたイメージの地図情報を含む案内情報を作成する。この案内情報を作成するために必要なモジュールデータ、サブモジュールデータを取得する。リンクモジュール作成部61は、モジュールデータ同士の関連付けを規定するリンクモジュールデータに従い、リンクモジュールを作成する。地図イメージコンパイラ62は、作成されたリンクモジュールをコンパイルしてイメージの地図情報を作成する。作成された地図情報を含む案内情報はモニタ70を介して提示される。
【0047】
本実施形態は、以上のように構成され機能するため、以下のような効果を奏する。
本発明のナビゲーション装置100によれば、走行する車両において、受信環境の変化にかかわらず、必要な情報を含む案内情報を必要なタイミングでユーザに提供することができる。すなわち、走行する車両が受信環境の悪いエリアに存在する場合であっても、ユーザは、配信命令手段33が選択した優先度の高い必要最低限の情報を完全に受信することができる。具体的には、配信命令手段33が生成した命令に基づいて地図サーバ200から配信されたモジュールデータまたは所定領域に切り出された地図情報は、経路案内を作成するにあたって優先度、すなわち重要度の高い必要最低限の情報を含むものとなる。しかも、配信される地図情報またはモジュールデータのデータ量が、受信できる受信データ量を超えないため、走行中の車両が受信環境の悪いエリアにあっても、途中で受信が中断されることなく必要最低限の地図情報を完全に取得することができ、ユーザが希望する案内情報を提示することができる。
【0048】
本実施形態の地図情報は、所定の属性を含む積み上げ可能なレイヤデータを任意の二次元領域に区分した複数のモジュールデータを含み、モジュールデータを単位として地図情報の配信および受信を行うことができるため、処理効率を向上させることができる。
【0049】
また、所定のモジュールデータには所定の属性が含まれるため、この情報の属性に応じて配信させるモジュールデータの優先順位を判断できる。言い換えると、ユーザが要求する属性の情報の優先順位を高く設定し、当該属性の情報を含むモジュールデータを優先的に配信させることができる。もちろん、ユーザの個別具体的な要求に応じて優先順位を決定することにより、各ユーザの要求に応じたモジュールデータを優先的に完全に受信することができる。
【0050】
さらに、モジュールデータを予め規定された表記ルールに従い言語記述されたデータとすることにより、地図情報のモジュール化が容易となり、また、送受信される地図情報の圧縮効果が期待されるため、送受信にかかる通信料金の低減および通信時間の短縮を実現することができる。
【0051】
さらにまた、この言語記述されたデータを、イメージデータ、ラスターデータ等のビジュアルなデータに変換させる地図作成手段60を設けることにより、モジュール化が容易であって送受信時の高い圧縮効率を実現しながら、ユーザにとって理解しやすいビジュアルな案内情報を提供することができる。
【0052】
<第2実施形態>
第2実施形態について説明する。第2実施形態は、ユーザが負担を許容する通信料金および/または受信待機時間に基づきユーザが受信を許容するデータ量を超えないように、地図情報の配信を命令する。第2実施形態の構成は第1実施形態と基本的に共通するため、ここでは第1実施形態と異なる点について詳細に説明し、他の共通する点については第1実施形態における説明を参照する。
【0053】
図1に示すように、第2実施形態のナビゲーション装置100は、第1実施形態の構成に加えて、ユーザが負担を許容する通信料金および/または受信待機時間を受け付ける受付手段20を有している。また、受信データ量算出手段31は、受付手段20が受け付けた通信時間と通信料金とから、受け付けたユーザが負担を許容する通信料金および/または受信待機時間に応じた許容データ量を算出する許容データ量取得部312を有している。
【0054】
受付手段20は、ユーザが負担を許容する通信料金の上限、および/またはユーザが許容できる受信待機時間の上限を受け付ける。特に限定されないが、許容する通信料金として、例えば1回のダウンロードにおいて支払える金額を受け付け、許容できる受信待機時間として、例えば1回のダウンロードにおいて待つことができる受信時間を受け付けることができる。ちなみに、配信されるモジュールデータの1つあたりのデータ量をS1とし、通信速度をVとし受信待機時間をT1とすると、S1=V×T1となる。ここで通信速度が速ければ受信待機時間は短くなる。またモジュールデータのデータ量が大きければ受信待機時間が長くなる。本実施形態では、許容通信料金と受信待機時間の要因となる情報について開示し予めユーザに許容通信料金と許容受信待機時間を問い合わせる所定のインタフェースを用意し入力された許容通信料金と許容受信待機時間とを記憶する。
【0055】
許容データ量取得部312は、料金または待機時間の観点からユーザに許容される許容データ量を算出する。具体的な算出手法を例示すると、ユーザから受け付けた許容通信料金および通信能力検出部311が検出した通信手段10の通信能力に基づいて、通信料金表を参照して、ユーザが許容する通信料金に対応する許容データ量を算出する。または、ユーザから受け付けた許容受信待機時間および通信能力検出部311が検出した通信手段10の通信能力に基づいて、ユーザが許容する受信待機時間に対応する許容データ量を算出する。これら2つの手法により算出された許容データ量のいずれかを許容データ量としてもよいし、2つの許容データ量の平均または、2つの許容データ量のうち小さい許容データ量を許容データ量としてもよい、
配信命令手段33は、受信データ量算出手段31により算出された受信データ量以下であって、かつ許容データ量取得部312が算出・取得した許容データ量以下の地図情報またはモジュールデータを選択し、当該選択されたモジュールデータの配信を地図サーバ200へ命令する配信命令を生成する。すなわち、車両の現在位置において受信できる受信データ量を超えることなく、かつユーザが許容する通信料金および/または受信待機時間を超えることのないデータ量であるモジュールデータの配信が命令されることとなる。
【0056】
なお、特に限定されないが、第1実施形態と同様にモジュールデータに含まれる情報の属性からモジュールデータの優先順位を判断し、判断された優先順位に応じたモジュールデータを選択することが好ましい。
【0057】
図6は、本実施形態の制御手順を示すフローチャートである。基本的な制御手順は図5に示す第1実施形態の制御手順と共通する。図5に示すS111に続き、受信データ量算出手段31は、通信手段10の通信速度を予測する(S212)。具体的には、通信能力検出部311により通信手段10の機種番号などの通信能力を示す通信能力情報を取得し、地図サーバ200へのリンクアップ速度を検出し、公称通信速度や実効通信速度を予測する(S211)。許容データ量取得部312は、受付手段20を介して入力されたユーザが許容する通信料金および/またはユーザが許容する受信待機時間を取得する(213)。さらに許容データ量取得部312は、許容通信料金、許容受信待機時間から許容データ量を算出する(214)。配信命令手段33は、算出された受信データ量および許容データ量よりも小さいデータ量のモジュールデータを選択する(S215)。なお、このモジュールデータの選択にあたってはモジュールデータに含まれる情報の属性から優先順位を判断し(S216)、判断された優先順位を含む配信命令を生成する(S115)。その後は、図5に示すS116以下のフローと同様に動作する。
【0058】
本実施形態は、第1実施形態と同様の効果を奏するとともに、許容金額を超える通信料金がユーザに課せられることがなく、また許容待機時間を超えてユーザが待機させられることがない。換言すると、ユーザが許容する範囲において必要最低限の情報を提供することから、不必要な情報を取得するために無駄な料金や時間が費やされることがない。
【0059】
受信環境の悪い場所においては地図情報の受信に時間がかかり、地図情報を取得したときには、車両はすでにその場所を通過してしまっている場合もありうる。このような場合において、許容する受信待機時間が設定されていれば、必要最低限の情報をタイミング良く受信することができ、ユーザは長時間待機(または多くの通信費用を浪費)しなくとも必要な情報を取得することができる。
【0060】
<第3実施形態>
次に第3実施形態について説明する。本実施形態は車両の走行情報とモジュールデータに含まれる情報の属性とからモジュールデータを選択し、選択されたモジュールデータの配信を地図サーバ200に命令する。他の構成については、第1実施形態および第2実施形態と共通するので、ここでは説明を省略する。
【0061】
図1に示すように、本実施形態は、走行情報検出手段32をさらに備えている。走行情報検出手段32は、車両の速度、車両の加速度、車両の走行位置、走行位置の属性、走行道路の属性、車両の走行目的地、車両の操舵角のうち少なくとも1つ以上を含む走行情報を検出する。配信命令手段33は、走行情報検出手段32により検出された走行情報とモジュールデータに含まれる情報の属性とから、モジュールデータを選択する。
【0062】
走行情報のうち、車両の速度または加速度は車速センサにより検出され、車両の走行位置、走行位置の属性、走行道路の属性、車両の走行目的地は、地図上の車両の位置を検出するGPSを用いた位置検出手段40により検出できる。また、車両の操舵角、たとえばコーナーリング中であるかはGセンサやスリップセンサにより検出でき、進行方向についてはジャイロセンサにより検出できる。
【0063】
配置命令手段33の走行情報分析部332は、走行情報を分析し受信するモジュールデータを選択する。たとえば、車両の速度または加速度が所定の値よりも高い場合には、車両が高速道路や幹線道路等を走行していると分析できるため、高速道路や幹線道路の情報を含むモジュールデータを選択する。一方、車両の速度または加速度が所定の値よりも低い場合には、車両のドライバが道に迷っていると分析できるため、細街路の情報を含むモジュールデータを選択する。さらに、車両の速度または加速度が所定の値よりも低く、なおかつ頻繁に停止するような場合には、車両は渋滞に巻き込まれていると分析できるため、抜け道の情報を含むモジュールデータを選択する。また、車両の走行位置が市街地に属している場合には、車両は細街路を走行していると分析できるため、細街路の情報を含むモジュールデータを選択する。車両の走行道路が高速道路である場合には、車両は高速道路を走行していると分析できるため、高速道路およびインターチェンジ、サービスエリア等の情報を含むモジュールデータを選択する。さらに本装置のナビゲーション機能において目的地が設定されている場合には、当該設定された目的地の属性を分析し、目的地と同じ属性を有するランドマークを含むモジュールデータを選択する。たとえば、目的地が観光地に属するような場合、観光地に分類されるランドマークを含むモジュールデータを選択する。加えて、操舵角が大きく、コーナーリングの途中であるような場合には、車両は細街路を走行していないと分析し、細街路に属するモジュールデータ以外のモジュールデータを選択する。なお、この選択は一の走行情報に基づいて行われてもよいし、二以上の走行情報に基づいて行われてもよい。
【0064】
なお、特に限定されないが、第1実施形態と同様にモジュールデータに含まれる情報の属性からモジュールデータの優先順位を判断し、判断された優先順位に応じたモジュールデータを選択することが好ましい。
【0065】
具体的な制御処理について、図7を参照しつつ説明する。基本的な制御処理は図5に示した第1実施形態の制御処理と共通する。ここでは異なる処理についてのみ説明する。
【0066】
走行情報検出手段32が車両の走行情報を検出する(S311)。以下に分析および選択の例を示すが、このうちの一手法を採用してもよいし、二以上の手法を組み合わせて採用してもよい。もちろん、他の走行情報を用いた分析および選択を採用してもよい。
【0067】
第1に、車速センサ32が走行速度vを検出する(S321)。検出された走行速度vが所定の速度Xよりも低い場合(S322)、細街路のモジュールデータを選択する(S324)。検出された走行速度vが所定の速度Xよりも高い場合(S322)、幹線道路のモジュールデータを選択する(S323)。
【0068】
第2に、車速センサ32が加速度aを検出する(S331)。検出された加速度aが所定の加速度Yよりも低い場合(S334)、細街路のモジュールデータを選択する(S334)。検出された走行速度vが所定の速度Xよりも高い場合(S332)、幹線道路のモジュールデータを選択する(S333)。
【0069】
第3に、位置検出手段40が車両の走行する道路の属性(たとえば、高速道路、幹線道路、細街路)を検出する(S341)。走行する道路の属性を分析し(S342)、同じ属性の道路情報を含むモジュールデータを選択する(S343)。
【0070】
第4に、本装置のナビゲーション機能を利用して設定された目的地および/または走行地点の属性を検出する(S351)。目的地および/または走行地点の属性を分析し(352)、同じ地点のランドマークを表示するモジュールデータを選択する(S353)。
【0071】
配信命令手段33は、走行情報分析部332の分析結果に基づいて、配信を命令するモジュールデータを選択する。特に限定されないが、選択されたモジュールデータをさらに絞り込む場合には、モジュールデータに含まれる情報の属性から優先順位を判断し(S313)、判断した優先順位を含む配信命令を生成し(S115)、地図サーバ200へ向けて送出する(S116)。
【0072】
本実施形態によれば、第1および第2実施形態の効果を奏するとともに、車両の走行情報に応じて取得すべきモジュールデータを選択することができるため、走行中のユーザが実際に要求する必要な情報を正確に捉え、必要な情報を必要なタイミングで提供することができる。すなわち、一般的な観点からモジュールデータを選択する場合に比べて、走行情報から分析された具体的なユーザの要求に合致した情報を選択することができ、通信環境に応じて配信する情報を制限しつつもユーザが必要とする案内情報を的確に表示することができる。
【0073】
<第4実施形態>
第4実施形態について説明する。本実施形態では、データ配信の制御を行う機能を、ユーザ側ではなく、地図サーバ200に設けることとした。地図サーバ200は、ユーザ端末100と相互に情報の送受信を行う通信手段210と、地図情報を記憶する記憶手段250と、データ配信を制御するデータ配信制御器230(第1実施形態のデータ取得制御器に対応)と、ユーザ端末100からユーザの位置情報を取得する位置取得手段240とを有している。具体的には、ユーザ端末100への地図情報の配信を制御するプログラムを格納したROMと、このROMに格納されたプログラムを実行することで、データ配信制御器230として機能するCPUと、情報を記憶し、記憶手段250として機能するRAMとを備えている。ここで、ユーザ端末100は、携帯電話、PDA、車両搭載のナビゲーション装置、その他の案内情報を提示できるコンピュータであり、GPS等を利用してユーザの現在位置を検出する位置検出手段140を少なくとも備えている。
【0074】
データ配信制御器230は、受信データ量算出手段231と、配信命令手段233とを有する。これらは第1実施形態のユーザ端末100に設けられた受信データ量算出手段31と、配信命令手段33と同様の機能を有し同様に動作する。記憶手段250は、第1実施形態において説明した記憶手段250と同様である。さらに、走行情報取得手段232は、ユーザ端末100が車両に搭載されたナビゲーション装置であることを前提に機能し、当該ナビゲーション装置100側の走行情報検出手段132が検出した情報を取得し、第3実施形態の走行情報検出手段32と同様に動作する。
【0075】
本実施形態の地図サーバ200の制御手順を図9に示した。基本的には第1実施形態の制御手順と同じである。図9に示すように、地図サーバ200が起動し、通信手段210を介してユーザ端末100との通信が確立されると(S411)、受信データ量算出手段31は、ユーザ端末100の通信手段10の通信能力を示す情報(機種を特定する情報)、および位置検出手段40により検出されたユーザの現在位置に関する情報を取得する(S412)。受信データ量算出手段231は、ユーザの現在位置が属するエリアの受信環境を記憶手段250に格納されている受信環境データから読み出し、ユーザの現在位置における受信環境を求める。また、受信データ量算出手段231は、求めた現在位置における受信環境と、ユーザ端末100の通信手段10の通信能力とから受信可能な受信データ量を算出する(S413)。
【0076】
配信命令手段233は、受付手段120を介するユーザの入力情報に従い、ユーザが取得しようとする地図情報の領域を特定する。配信命令手段233は、算出され受信データ量よりも取得するモジュールデータの合計のデータ量が小さくなるようにデータ量比較部2331にデータ量の比較を行わせ、その比較結果に基づいてモジュールデータを選択する。このとき、モジュールデータが含む情報の属性から優先順位を判断し、判断した優先順位に応じてモジュールデータを選択する(S114)。配信命令手段233は、配信するモジュールデータを特定するとともに、その配信の優先順位を含めた配信命令を生成する(S415)。
【0077】
地図サーバ200は、配信命令、およびユーザID、現在位置情報を取得し(S416)これらに対応したモジュールデータをユーザ端末100へ送出する(S417)。優先順位「i」=1のモジュールデータから順に送出し(S418)、各モジュールデータの配信の完了を確認しつつ(S419)、配信命令に含まれるすべてのモジュールデータの配信を完了させる(S420)。
【0078】
このように、地図サーバ200は、第1実施形態〜第3実施形態と同様に作用し、同様の効果を奏することができる。特に、配信する地図情報、モジュールデータの選択、優先順位の決定等を地図サーバ200にて行うことができるため、ナビゲーション装置100の処理負担、ハードウェア資源の負担を軽減することができる。
【0079】
なお、第1〜第4実施形態ではナビゲーション装置100および地図サーバ200について説明したが、本発明のナビゲーション用プログラムにより動作するコンピュータは、ナビゲーション装置100または地図サーバ200と同様に作用し、同様の効果を奏する。
【0080】
なお、以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態のナビゲーション装置のブロック図である。
【図2】地図情報とモジュールデータとを説明するための図である。
【図3】言語表記された地図情報を説明するための図である。
【図4】取得するモジュールデータの選択処理を説明するための図である。
【図5】本実施形態における制御手順を示すフローチャート図である。
【図6】第2実施形態における制御手順を示すフローチャート図である。
【図7】第3実施形態における制御手順を示すフローチャート図である。
【図8】第4実施形態の地図サーバのブロック図である。
【図9】第4実施形態のおける制御手順を示すフローチャート図である。
【符号の説明】
100…ナビゲーション装置,ユーザ端末
10…通信手段
20…受付手段
30…データ取得制御器
31…受信データ量算出手段
32…走行情報検出手段
33…配信命令手段
40…位置検出手段
50…記憶手段
60…地図作成手段
70…出力手段
200…地図サーバ
210…通信手段
220…受付手段
230…データ配信制御器(データ取得制御器30)
231…受信データ量算出手段
232…走行情報取得手段(走行情報検出手段132、32)
233…配信命令手段
240…位置取得手段(位置検出手段40)
250…記憶手段
【技術分野】
本発明は、相互に送受信可能な地図サーバから地図情報を取得して、ユーザに案内情報を提供するナビゲーション装置、ナビゲーション用プログラム、および地図情報を配信する地図サーバに関する。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】
特開2002−49624号公報
【0003】
【背景技術】
この種のナビゲーション装置として、地図提供サーバにアクセスして所望の地図情報をダウンロードする装置がある(特許文献1参照)。この装置によれば、地図の一部が更新された場合に、その更新された最新の地図情報をダウンロードすることができる。また、移動体通信手段を用いれば、車両の移動中にも地図情報をダウンロードすることができるため、地図情報が必要となったタイミングで更新された最新の地図情報のダウンロードを要求することができる。
【0004】
しかしながら、車両が通信環境の良いエリアを走行しているときには要求した地図情報を完全に受信できるものの、走行する車両側の通信環境(受信できるデータ量)が悪化し、車両が通信環境の悪いエリアを走行しているときには、要求する地図情報を完全に受信することができないという問題があった。
【0005】
このように、走行に伴い受信環境が変化する車両内においては、必要な情報を必要とするタイミングにおいて完全に受信することは困難であった。
【0006】
【発明の開示】
本発明は、移動する車両周辺の通信環境に応じて受信する情報の種類および量を判断し、必要な情報を必要とするタイミングで受信するナビゲーション装置、ナビゲーション用プログラム、および地図サーバを提供することを目的とする。
【0007】
この発明によれば、相互に情報の送受信が可能な地図サーバから、検出された現在位置において受信できる受信データ量を算出するとともに、算出された受信データ量以下の地図情報を選択し、当該選択された地図情報を取得し、ユーザに案内情報を提供する車両に搭載されたナビゲーション装置、ナビゲーション用プログラム、および選択された地図情報をナビゲーション装置に配信する地図サーバが提供される。
【0008】
これにより、受信環境の変化にかかわらず、走行する車両に必要な情報を必要なタイミングで完全に提供することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1乃至第4の実施形態を図面に基づいて説明する。
<第1実施形態>
本実施形態に係るナビゲーション装置100は、外部の地図サーバ200と通信手段を介して相互に情報の授受を行い、選択した地図情報を地図サーバ200から取得し、当該地図情報に基づく案内情報をディスプレイ等の出力手段70を介してユーザに提示する。
【0010】
ナビゲーション装置100に地図を配信する地図サーバ200は、少なくとも記憶手段250を有し、地図情報と、ユーザを特定し、特定されたユーザに関するユーザデータとを記憶している。この地図情報は、イメージ(画像)データの地図情報251、および/または予め規定された表記ルールに従い言語記述された地図情報253とを含む。さらに記憶手段250は、これらイメージ地図情報61と言語記述地図情報253とを相互に変換するコンパイラ252を備えている。
【0011】
ユーザに案内情報を提示するナビゲーション装置100は、少なくとも地図サーバ200と通信する機能を備えた通信手段10と、車両の現在位置を検出する位置検出手段40と、ナビゲーション装置100が地図サーバ200から取得する地図情報の量、地図情報の種類を制御するデータ取得制御器30と、情報を記憶する記憶手段50と、出力する案内情報に用いられる地図を作成する地図作成手段60と、案内情報をユーザに表示する出力手段70とを有している。具体的には、少なくとも、地図サーバ200からのデータの取得を制御するプログラムを格納したROMと、このROMに格納されたプログラムを実行することで、データ取得制御器30として機能するCPUと、情報を記憶し記憶手段50として機能するRAMとを備えている。
【0012】
本実施形態のデータ取得制御器30は、受信データ量算出手段31と、配信命令手段33とを有し、車両が走行する(又は停止する)現在位置において受信できる受信データ量を算出し、算出された受信データ量以下の地図情報を選択し、選択された地図情報をナビゲーション装置100へ配信するように地図サーバ200に配信命令を送出する。
【0013】
受信データ量算出手段31は、位置検出手段40がGPS(Global Positioning System)などを用いて検出した車両の現在位置において、当該車両が実際に受信できる受信データ量を、車両の現在位置における受信環境と通信手段10の通信能力とから算出する。
【0014】
具体的には、受信環境は地形等に関係するため、地図上の位置と平均的な受信可能なデータ量とを予め対応づけた「受信環境データ」を記憶手段50に予め記憶させておき、この「受信環境データ」を参照して、位置検出手段40により検出された現在位置における受信環境を求める。
【0015】
一方、通信能力は通信手段10の性能に応じて異なるため、通信手段10の機種データと、機種ごとの通信能力とを対応づけた「通信能力データ」を記憶手段に予め記憶させておき、この「通信能力データ」を参照して、通信手段10として機能する携帯電話等の通信能力を求める。本実施形態における通信手段10は携帯電話である。携帯電話10は、ナビゲーション装置100と有線(たとえば、シリアルインターフェイス,ユニバーサル・シリアル・バス(USB))または無線(たとえば、Bluetooth,赤外線(IrDA))で接続され、地図サーバ200と相互に情報の送受信を行う。もちろん、携帯電話のほか、通信機能を有するコンピュータ、PDA等を通信手段10として用いてもよいし、ナビゲーション装置100に予め送受信装置を設けてもよい。
【0016】
受信データ量算出手段31は、通信手段10の通信能力を検出する通信能力検出部311を備える。通信能力検出部311は、携帯電話10からのアクセス要求を受けると、携帯電話10の機種、製造番号等の通信能力を判断するための情報を検出し、先述した通信能力データを参照して通信手段10として機能する携帯電話の通信能力を検出する。
【0017】
通信手段10にユーザ各自の携帯電話を利用する場合にはナビゲーション装置100を利用する人によって通信手段10の通信能力が異なるため、正確な受信データ量を算出するとの観点から通信回線が確立される度に通信手段10の通信能力を検出することが好ましい。もちろん、使用する携帯電話等の通信能力(通信能力が判断できる機種データなど)を予め記憶させてもよいし、受信データ量を算出する演算回路に予め実装させてもよい。
【0018】
配信命令手段33は、受信データ量算出手段31により算出された受信データ量以下の地図情報を選択する。配信命令手段33はデータ量比較部311を備える。データ量比較部311は、算出された受信データ量を取得し、この受信データ量と取得しようとする地図情報のデータ量とを比較する。配信命令手段33は、このデータ量比較部311の比較結果に応じて配信を命令する地図情報を選択する。
【0019】
ここで、本実施形態のナビゲーション装置100が受信する地図情報について説明する。
【0020】
本実施形態においてナビゲーション装置100へ配信される地図情報は、所定の属性の情報を含み、積み上げ可能なレイヤデータを任意の二次元領域に区分した複数のモジュールデータを含んでいる。
【0021】
この「所定の属性の情報」とは地図情報に含まれる「幹線道路」「細街路」、「施設」、「川、湖、緑地等の地形」などの任意の属性に分類できる情報である。レイヤデータはある属性の情報を少なくとも1つ以上含む。たとえば、ある地図情報は、「幹線道路」を表示するレイヤデータ、「細街路を表示するレイヤデータ」、「施設」を表示するレイヤデータ、「川、湖、緑地等の地形」を表示するレイヤデータを含む。これらのレイヤデータは層を重ねるように積み上げることが可能である。たとえば、「幹線道路」を表示するレイヤデータと「施設」を表示するレイヤデータを所定の地図座標上で積み上げることにより、当該地図座標上には「幹線道路」と「施設」とが表示される。もちろん、一層のレイヤデータは所定の属性の情報を表示する。たとえば「幹線道路」を表示するレイヤデータは、所定の地図座標上に幹線道路を表示する。
【0022】
具体的に、図2を参照して地図情報とモジュールデータとの関係を説明する。図2(a)には、所定エリアの地図情報を示した。この地図情報は、4つのレイヤデータを含む4つのモジュールグループからなり、合計16のモジュールデータを含んでいる。
【0023】
図2(b)に示すように、各モジュールグループは、同じ4種のレイヤデータを含んでいる。本例では、第1のレイヤデータは背景色に関する情報を含み、第2のレイヤデータは幹線道路に関する情報を含み、第3のレイヤデータは河川や緑地等の地形に関するデータを含み、第4のレイヤデータは、経由地、施設の位置等を示すランドマークデータを含み、第5のレイヤデータは細街路に関するデータを含んでいる。
【0024】
図2(a)に示した地図情報は、第2レイヤデータ(レイヤ2)と第4レイヤデータ(レイヤ4)とが積み上げられている。このため、図2(a)の地図情報には、幹線道路と、ランドマーク等の位置表示のデータは表示されているが、背景色および細街路は示されていない。
【0025】
また、本実施形態のモジュールデータは、予め規定された表記ルールに従い言語表記されたデータである。特に限定されないが、たとえば、モジュールデータは、「始点座標から終点座標への線の集合により図形を表現する」との表記ルールに従うベクトルデータである。本実施形態のモジュールデータの具体例を図3に示した。図3は5つのモジュールデータ1〜5を含む地図情報253を示す。モジュールデータ2では、draw1に規定するように、<location1…>により点を羅列し、この羅列された点を<type=line>で指定された線で結ばれた線図を示す。この羅列された点Nを結ぶことによって道路や地形を示す地図が作成される。
【0026】
また、モジュールデータ5では、Link1に規定するように、<image>によりアイコン等のイメージデータ(予め記憶されている)を特定し、<Location>により表示されるべき座標位置を特定し、<Size>で表示されるべき大きさを特定する。これにより、所定の座標位置に所定のイメージを所定の大きさで表示でき、言語記述された情報でありながら、アイコン画像等を表示することができる。さらに、モジュールデータ5に示すように、<Include>でモジュールデータと他の(サブ)モジュールデータとの関係を定義することができる。
【0027】
加えて、モジュールデータに含まれる情報の属性や、モジュールデータに含まれるデータの新旧等に応じて、モジュールデータと他のモジュールデータとの位置関係、積み上げるための層間関係、その他のモジュールデータ同士の相関関係を定義し、これをモジュールデータに含ませることができる。
【0028】
次に、図4を参照しつつ、配信命令手段33が行うモジュールデータの選択処理について説明する。配信命令手段33は複数のモジュールデータの中から受信データ量以下のモジュールデータを選択する。図4は、図2(b)に示した16個のモジュールデータの中から、配信命令手段33が受信データ量以下のモジュールデータを選択する処理を説明するための図である。
【0029】
図4に、受信データ量算出手段31が算出した受信データ量Xを一点鎖線の図形で示した。配信命令手段33は、この受信データ量Xよりも少ない量の地図情報を選択する。現在位置において受信可能な受信データ量Xよりも少ない量の地図情報であれば、車両が受信環境の悪い場所に位置していても、受信しようとする地図情報を完全に受信することができ、受信環境が悪いために途中で地図情報の受信が中断してしまい、地図情報を完全に見ることができないというような不都合を防止することができる。
【0030】
データ量比較部331は、受信データ量Xと配信を命令する複数のモジュールデータの合計データ量とを比較する。受信データ量Xが現在位置周辺を案内するために通常配信される地図情報のデータ量よりも大きければ受信に問題はない。しかし、受信データ量Xが現在位置周辺を示すものとして通常配信される地図情報のデータ量よりも小さい場合、配信される地図情報のすべてを受信することができない。この場合には、配信命令手段33は、受信データ量Xよりも合計データ量が低くなるように、受信する地図情報に含まれるモジュールデータを選択する。なお、このモジュールデータの選択の手法(選択の優先順位)は特に限定されず、データの配列順であってもよいし、予め設定された順であってもよいし、モジュールデータの量の大きい順又は小さい順であってもよい。
【0031】
特に限定されないが、この選択にあたって、配信命令手段33はモジュールデータに含まれる情報の属性からモジュールデータの優先順位を判断し、判断された優先順位に応じてモジュールデータを選択することが好ましい。たとえば、判断された優先順位の高い順にモジュールデータを選択することが好ましい。ここにいう優先順位は、ユーザに提示される案内情報における重要度に応じて定義される順序であって、優先順位が高い情報はユーザが案内情報に要求する必要最低限の情報を構成する情報である。この優先順位は、モジュールデータに含まれる情報の属性に応じて予め決定されていることが好ましい。
【0032】
たとえば、図2に示した「背景色」「幹線道路」「地形」「ランドマーク」「細街路」の属性情報を含むモジュールデータからなる地図情報において、第1優先順位が「幹線道路」、第2優先順位が「ランドマーク」、第3優先順位が「地形」、第4優先順位が「細街路」、第5優先順位が「背景色」というように、情報の属性から優先順位を判断する。配信命令手段33は、この優先順位に応じて受信データ量を超えない範囲でモジュールデータを順次選択する。
【0033】
図2(a)に示す本実施形態では、現在位置を案内するために通常配信される地図のエリアはメッシュ1〜メッシュ4の4つの二次元領域に区分されているため、同じ属性の情報を含むモジュールデータについては4つのメッシュに対応するモジュールデータを各々取得する。すべての二次元領域について同じ属性の情報を含むモジュールデータを取得しない場合には、メッシュ1には細街路が表示されるにもかかわらず、メッシュ2には細街路が表示されないという案内情報が提示されることとなり、ユーザにとっては利用しにくい情報となってしまうからである。
【0034】
本実施形態の配信命令手段33は、優先順位の最も高い「幹線道路」に関するモジュールデータをメッシュ1〜4について取得するか否かを検討する。データ量比較部331は取得するモジュールデータのデータ量と受信データ量Xとを比較し、モジュールデータのデータ量が受信データ量Xを超えないことを確認する。図4に示すように、モジュールデータ1−2,2−2,3−2,4−2は受信データ量Xよりも小さいデータ量であるため、配信命令手段33は、配信を命令する。モジュールデータ1−2,2−2,3−2,4−2によれば、メッシュ1〜4に幹線道路の情報が表示された地図情報が作成される。
【0035】
続いて、優先順位が次に高いランドマークデータを含むモジュールデータをメッシュ1〜4について取得するか否かを検討する。データ量比較部331は取得するモジュールデータのデータ量と受信データ量Xとを比較し、モジュールデータのデータ量が受信データ量Xを超えないことを確認する。図4に示すように、モジュールデータ1−4,2−4,3−4,4−4は、モジュールデータ1−2,2−2,3−2,4−2と加算しても受信データ量Xよりも小さいデータ量であるため、配信命令手段33は、配信を命令する。モジュールデータ1−4,2−4,3−4,4−4は、先に受信したモジュールデータ1−2,2−2,3−2,4−2に積み上げられるため、図2(a)に示すような幹線道路とランドマークの両方が表示された地図情報が作成される。
【0036】
続く第3の優先順位は「地形」のモジュールデータである。配信命令手段33は、このモジュールデータをメッシュ1〜4について取得できるか否かを検討する。このときデータ量比較部33は、取得するモジュールデータの合計データ量が算出された受信可能な受信データ量Xを超えると判断する。この判断に基づいて、配信命令手段33は、優先順位が第3番目のモジュールデータについては受信ができないと判断し、「モジュールデータ1−2,2−2,3−2,4−2、およびモジュールデータ1−4,2−4,3−4,4−4を配信しなさい」という配信命令を生成し、生成した配信命令を地図サーバ200へ向けて送出する。
【0037】
さらに、本実施形態の配信命令手段33は、優先順位に応じた配信順序でモジュールデータを配信する旨の命令を配信命令に含ませてもよい。すなわち、「モジュールデータ1−2,2−2,3−2,4−2,1−4,2−4,3−4,4−4を、この順序で配信しなさい」という配信命令を生成することもできる。優先順序の高いモジュールデータを確実に受信するとの観点からは、優先順位に従って配信させ、優先度の高い情報から受信することが好ましい。
【0038】
配信命令に従い地図サーバ200から受信したモジュールデータは、記憶手段50に一時的に保存される。配信されたモジュールデータは、予め規定された表記ルールに従い言語記述されたデータである。地図作成手段60は、取得したモジュールデータからユーザに提示する案内情報に含まれる地図情報を作成する。リンクモジュール作成部61は、取得した複数のモジュールデータ同士の関連付けを規定するリンクモジュールデータを参照して、リンクモジュールを作成する。すなわち、リンクモジュール作成部61は、モジュールデータが地図座標上のどの位置に相当するのか、またはモジュールデータの相互の位置関係、相互に積み上げられる積層関係などのモジュールデータ同士の関連付けを規定するリンクモジュールデータに従い、リンクモジュールを作成する。リンクモジュールとは、取得したモジュールデータを利用してグラフィカルな地図情報を作成するために、モジュールデータのアドレスを指定し、モジュールデータ同士の関連づけを行うものである。
【0039】
地図イメージコンパイラ62は、この言語記述されたリンクモジュールをコンパイルし、イメージデータ、ラスターデータ等のビジュアルな地図情報を作成する。このコンパイルの手法は特に限定されることなく、公知の手段を適用することができる。
【0040】
モニタ70は、地図作成手段60により作成された、現在位置周辺又は目的地周辺等の地図情報を含む案内情報を提示する。
【0041】
このように構成された本発明の第1の実施形態は、以下のように動作する。図5に本実施形態の制御手順のフローチャートを示した。ナビゲーション装置100が起動し、通信手段10を介して地図サーバ200との通信が確立されると(S111)、受信データ量算出手段31は、通信手段10の通信能力を示す情報(機種を特定する情報)、および位置検出手段40により検出された車両の現在位置に関する情報を取得する(S112)。受信データ量算出手段31は、車両の現在位置が属するエリアの受信環境を記憶手段50に格納されている受信環境データから読み出し、車両の現在位置における受信環境を求める。また、受信データ量算出手段31は、求めた現在位置における受信環境と、通信手段10の通信能力とから受信可能な受信データ量を算出する(S113)。
【0042】
配信命令手段33は、受付手段20を介するユーザの入力情報に従い、ユーザが取得しようとする地図情報の領域を特定する。ユーザが取得しようとする地図情報の特定は、取得したい地域の入力によるものであってもよいし、目的地、現在位置、経由地等のランドマークの指定入力、またはガススタンド等の所定の情報を特定する入力であってもよい。
【0043】
配信命令手段33は、算出され受信データ量よりも取得するモジュールデータの合計のデータ量が小さくなるようにデータ量比較部331にデータ量の比較を行わせ、その比較結果に基づいて配信させるモジュールデータを選択する。このとき、モジュールデータが含む情報の属性から判断された優先順位に応じて受信するモジュールデータの優先順位を判断する(S114)。配信命令手段33は、判断した優先順位に応じて配信を要求するモジュールデータを特定するとともに、その配信(通信手段10の受信)の優先順位を含めた配信命令を生成する(S115)。生成した配信命令を、現在位置を示す情報とユーザID(識別情報)とともに通信手段10を介して地図サーバ200へ送出する(S116)。
【0044】
この配信命令を受け付けた地図サーバ200は、配信命令、およびユーザID、現在位置情報に従い、モジュールデータを検索し、これをユーザIDで識別されたユーザのナビゲーション装置100へ送出する(S117)。
【0045】
ナビゲーション装置100は、地図サーバ200が配信したモジュールデータを受信する。ナビゲーション装置100が配信を命令した配信命令中の優先順位[i]=1(最優先に受信)のモジュールデータまたは地図情報の取得が開始され(S118)、この優先順位[i]=1のモジュールデータの取得が終了したところで(S119)、次の優先順位(i=i+1)のモジュールデータの受信を開始する。配信命令中に含まれるモジュールデータの取得の完了を確認し(S120)、取得したモジュールデータを記憶手段50に一時的に保存する(S121)。
【0046】
地図作成手段60は、受信したモジュールデータから、ユーザの操作に応じたイメージの地図情報を含む案内情報を作成する。この案内情報を作成するために必要なモジュールデータ、サブモジュールデータを取得する。リンクモジュール作成部61は、モジュールデータ同士の関連付けを規定するリンクモジュールデータに従い、リンクモジュールを作成する。地図イメージコンパイラ62は、作成されたリンクモジュールをコンパイルしてイメージの地図情報を作成する。作成された地図情報を含む案内情報はモニタ70を介して提示される。
【0047】
本実施形態は、以上のように構成され機能するため、以下のような効果を奏する。
本発明のナビゲーション装置100によれば、走行する車両において、受信環境の変化にかかわらず、必要な情報を含む案内情報を必要なタイミングでユーザに提供することができる。すなわち、走行する車両が受信環境の悪いエリアに存在する場合であっても、ユーザは、配信命令手段33が選択した優先度の高い必要最低限の情報を完全に受信することができる。具体的には、配信命令手段33が生成した命令に基づいて地図サーバ200から配信されたモジュールデータまたは所定領域に切り出された地図情報は、経路案内を作成するにあたって優先度、すなわち重要度の高い必要最低限の情報を含むものとなる。しかも、配信される地図情報またはモジュールデータのデータ量が、受信できる受信データ量を超えないため、走行中の車両が受信環境の悪いエリアにあっても、途中で受信が中断されることなく必要最低限の地図情報を完全に取得することができ、ユーザが希望する案内情報を提示することができる。
【0048】
本実施形態の地図情報は、所定の属性を含む積み上げ可能なレイヤデータを任意の二次元領域に区分した複数のモジュールデータを含み、モジュールデータを単位として地図情報の配信および受信を行うことができるため、処理効率を向上させることができる。
【0049】
また、所定のモジュールデータには所定の属性が含まれるため、この情報の属性に応じて配信させるモジュールデータの優先順位を判断できる。言い換えると、ユーザが要求する属性の情報の優先順位を高く設定し、当該属性の情報を含むモジュールデータを優先的に配信させることができる。もちろん、ユーザの個別具体的な要求に応じて優先順位を決定することにより、各ユーザの要求に応じたモジュールデータを優先的に完全に受信することができる。
【0050】
さらに、モジュールデータを予め規定された表記ルールに従い言語記述されたデータとすることにより、地図情報のモジュール化が容易となり、また、送受信される地図情報の圧縮効果が期待されるため、送受信にかかる通信料金の低減および通信時間の短縮を実現することができる。
【0051】
さらにまた、この言語記述されたデータを、イメージデータ、ラスターデータ等のビジュアルなデータに変換させる地図作成手段60を設けることにより、モジュール化が容易であって送受信時の高い圧縮効率を実現しながら、ユーザにとって理解しやすいビジュアルな案内情報を提供することができる。
【0052】
<第2実施形態>
第2実施形態について説明する。第2実施形態は、ユーザが負担を許容する通信料金および/または受信待機時間に基づきユーザが受信を許容するデータ量を超えないように、地図情報の配信を命令する。第2実施形態の構成は第1実施形態と基本的に共通するため、ここでは第1実施形態と異なる点について詳細に説明し、他の共通する点については第1実施形態における説明を参照する。
【0053】
図1に示すように、第2実施形態のナビゲーション装置100は、第1実施形態の構成に加えて、ユーザが負担を許容する通信料金および/または受信待機時間を受け付ける受付手段20を有している。また、受信データ量算出手段31は、受付手段20が受け付けた通信時間と通信料金とから、受け付けたユーザが負担を許容する通信料金および/または受信待機時間に応じた許容データ量を算出する許容データ量取得部312を有している。
【0054】
受付手段20は、ユーザが負担を許容する通信料金の上限、および/またはユーザが許容できる受信待機時間の上限を受け付ける。特に限定されないが、許容する通信料金として、例えば1回のダウンロードにおいて支払える金額を受け付け、許容できる受信待機時間として、例えば1回のダウンロードにおいて待つことができる受信時間を受け付けることができる。ちなみに、配信されるモジュールデータの1つあたりのデータ量をS1とし、通信速度をVとし受信待機時間をT1とすると、S1=V×T1となる。ここで通信速度が速ければ受信待機時間は短くなる。またモジュールデータのデータ量が大きければ受信待機時間が長くなる。本実施形態では、許容通信料金と受信待機時間の要因となる情報について開示し予めユーザに許容通信料金と許容受信待機時間を問い合わせる所定のインタフェースを用意し入力された許容通信料金と許容受信待機時間とを記憶する。
【0055】
許容データ量取得部312は、料金または待機時間の観点からユーザに許容される許容データ量を算出する。具体的な算出手法を例示すると、ユーザから受け付けた許容通信料金および通信能力検出部311が検出した通信手段10の通信能力に基づいて、通信料金表を参照して、ユーザが許容する通信料金に対応する許容データ量を算出する。または、ユーザから受け付けた許容受信待機時間および通信能力検出部311が検出した通信手段10の通信能力に基づいて、ユーザが許容する受信待機時間に対応する許容データ量を算出する。これら2つの手法により算出された許容データ量のいずれかを許容データ量としてもよいし、2つの許容データ量の平均または、2つの許容データ量のうち小さい許容データ量を許容データ量としてもよい、
配信命令手段33は、受信データ量算出手段31により算出された受信データ量以下であって、かつ許容データ量取得部312が算出・取得した許容データ量以下の地図情報またはモジュールデータを選択し、当該選択されたモジュールデータの配信を地図サーバ200へ命令する配信命令を生成する。すなわち、車両の現在位置において受信できる受信データ量を超えることなく、かつユーザが許容する通信料金および/または受信待機時間を超えることのないデータ量であるモジュールデータの配信が命令されることとなる。
【0056】
なお、特に限定されないが、第1実施形態と同様にモジュールデータに含まれる情報の属性からモジュールデータの優先順位を判断し、判断された優先順位に応じたモジュールデータを選択することが好ましい。
【0057】
図6は、本実施形態の制御手順を示すフローチャートである。基本的な制御手順は図5に示す第1実施形態の制御手順と共通する。図5に示すS111に続き、受信データ量算出手段31は、通信手段10の通信速度を予測する(S212)。具体的には、通信能力検出部311により通信手段10の機種番号などの通信能力を示す通信能力情報を取得し、地図サーバ200へのリンクアップ速度を検出し、公称通信速度や実効通信速度を予測する(S211)。許容データ量取得部312は、受付手段20を介して入力されたユーザが許容する通信料金および/またはユーザが許容する受信待機時間を取得する(213)。さらに許容データ量取得部312は、許容通信料金、許容受信待機時間から許容データ量を算出する(214)。配信命令手段33は、算出された受信データ量および許容データ量よりも小さいデータ量のモジュールデータを選択する(S215)。なお、このモジュールデータの選択にあたってはモジュールデータに含まれる情報の属性から優先順位を判断し(S216)、判断された優先順位を含む配信命令を生成する(S115)。その後は、図5に示すS116以下のフローと同様に動作する。
【0058】
本実施形態は、第1実施形態と同様の効果を奏するとともに、許容金額を超える通信料金がユーザに課せられることがなく、また許容待機時間を超えてユーザが待機させられることがない。換言すると、ユーザが許容する範囲において必要最低限の情報を提供することから、不必要な情報を取得するために無駄な料金や時間が費やされることがない。
【0059】
受信環境の悪い場所においては地図情報の受信に時間がかかり、地図情報を取得したときには、車両はすでにその場所を通過してしまっている場合もありうる。このような場合において、許容する受信待機時間が設定されていれば、必要最低限の情報をタイミング良く受信することができ、ユーザは長時間待機(または多くの通信費用を浪費)しなくとも必要な情報を取得することができる。
【0060】
<第3実施形態>
次に第3実施形態について説明する。本実施形態は車両の走行情報とモジュールデータに含まれる情報の属性とからモジュールデータを選択し、選択されたモジュールデータの配信を地図サーバ200に命令する。他の構成については、第1実施形態および第2実施形態と共通するので、ここでは説明を省略する。
【0061】
図1に示すように、本実施形態は、走行情報検出手段32をさらに備えている。走行情報検出手段32は、車両の速度、車両の加速度、車両の走行位置、走行位置の属性、走行道路の属性、車両の走行目的地、車両の操舵角のうち少なくとも1つ以上を含む走行情報を検出する。配信命令手段33は、走行情報検出手段32により検出された走行情報とモジュールデータに含まれる情報の属性とから、モジュールデータを選択する。
【0062】
走行情報のうち、車両の速度または加速度は車速センサにより検出され、車両の走行位置、走行位置の属性、走行道路の属性、車両の走行目的地は、地図上の車両の位置を検出するGPSを用いた位置検出手段40により検出できる。また、車両の操舵角、たとえばコーナーリング中であるかはGセンサやスリップセンサにより検出でき、進行方向についてはジャイロセンサにより検出できる。
【0063】
配置命令手段33の走行情報分析部332は、走行情報を分析し受信するモジュールデータを選択する。たとえば、車両の速度または加速度が所定の値よりも高い場合には、車両が高速道路や幹線道路等を走行していると分析できるため、高速道路や幹線道路の情報を含むモジュールデータを選択する。一方、車両の速度または加速度が所定の値よりも低い場合には、車両のドライバが道に迷っていると分析できるため、細街路の情報を含むモジュールデータを選択する。さらに、車両の速度または加速度が所定の値よりも低く、なおかつ頻繁に停止するような場合には、車両は渋滞に巻き込まれていると分析できるため、抜け道の情報を含むモジュールデータを選択する。また、車両の走行位置が市街地に属している場合には、車両は細街路を走行していると分析できるため、細街路の情報を含むモジュールデータを選択する。車両の走行道路が高速道路である場合には、車両は高速道路を走行していると分析できるため、高速道路およびインターチェンジ、サービスエリア等の情報を含むモジュールデータを選択する。さらに本装置のナビゲーション機能において目的地が設定されている場合には、当該設定された目的地の属性を分析し、目的地と同じ属性を有するランドマークを含むモジュールデータを選択する。たとえば、目的地が観光地に属するような場合、観光地に分類されるランドマークを含むモジュールデータを選択する。加えて、操舵角が大きく、コーナーリングの途中であるような場合には、車両は細街路を走行していないと分析し、細街路に属するモジュールデータ以外のモジュールデータを選択する。なお、この選択は一の走行情報に基づいて行われてもよいし、二以上の走行情報に基づいて行われてもよい。
【0064】
なお、特に限定されないが、第1実施形態と同様にモジュールデータに含まれる情報の属性からモジュールデータの優先順位を判断し、判断された優先順位に応じたモジュールデータを選択することが好ましい。
【0065】
具体的な制御処理について、図7を参照しつつ説明する。基本的な制御処理は図5に示した第1実施形態の制御処理と共通する。ここでは異なる処理についてのみ説明する。
【0066】
走行情報検出手段32が車両の走行情報を検出する(S311)。以下に分析および選択の例を示すが、このうちの一手法を採用してもよいし、二以上の手法を組み合わせて採用してもよい。もちろん、他の走行情報を用いた分析および選択を採用してもよい。
【0067】
第1に、車速センサ32が走行速度vを検出する(S321)。検出された走行速度vが所定の速度Xよりも低い場合(S322)、細街路のモジュールデータを選択する(S324)。検出された走行速度vが所定の速度Xよりも高い場合(S322)、幹線道路のモジュールデータを選択する(S323)。
【0068】
第2に、車速センサ32が加速度aを検出する(S331)。検出された加速度aが所定の加速度Yよりも低い場合(S334)、細街路のモジュールデータを選択する(S334)。検出された走行速度vが所定の速度Xよりも高い場合(S332)、幹線道路のモジュールデータを選択する(S333)。
【0069】
第3に、位置検出手段40が車両の走行する道路の属性(たとえば、高速道路、幹線道路、細街路)を検出する(S341)。走行する道路の属性を分析し(S342)、同じ属性の道路情報を含むモジュールデータを選択する(S343)。
【0070】
第4に、本装置のナビゲーション機能を利用して設定された目的地および/または走行地点の属性を検出する(S351)。目的地および/または走行地点の属性を分析し(352)、同じ地点のランドマークを表示するモジュールデータを選択する(S353)。
【0071】
配信命令手段33は、走行情報分析部332の分析結果に基づいて、配信を命令するモジュールデータを選択する。特に限定されないが、選択されたモジュールデータをさらに絞り込む場合には、モジュールデータに含まれる情報の属性から優先順位を判断し(S313)、判断した優先順位を含む配信命令を生成し(S115)、地図サーバ200へ向けて送出する(S116)。
【0072】
本実施形態によれば、第1および第2実施形態の効果を奏するとともに、車両の走行情報に応じて取得すべきモジュールデータを選択することができるため、走行中のユーザが実際に要求する必要な情報を正確に捉え、必要な情報を必要なタイミングで提供することができる。すなわち、一般的な観点からモジュールデータを選択する場合に比べて、走行情報から分析された具体的なユーザの要求に合致した情報を選択することができ、通信環境に応じて配信する情報を制限しつつもユーザが必要とする案内情報を的確に表示することができる。
【0073】
<第4実施形態>
第4実施形態について説明する。本実施形態では、データ配信の制御を行う機能を、ユーザ側ではなく、地図サーバ200に設けることとした。地図サーバ200は、ユーザ端末100と相互に情報の送受信を行う通信手段210と、地図情報を記憶する記憶手段250と、データ配信を制御するデータ配信制御器230(第1実施形態のデータ取得制御器に対応)と、ユーザ端末100からユーザの位置情報を取得する位置取得手段240とを有している。具体的には、ユーザ端末100への地図情報の配信を制御するプログラムを格納したROMと、このROMに格納されたプログラムを実行することで、データ配信制御器230として機能するCPUと、情報を記憶し、記憶手段250として機能するRAMとを備えている。ここで、ユーザ端末100は、携帯電話、PDA、車両搭載のナビゲーション装置、その他の案内情報を提示できるコンピュータであり、GPS等を利用してユーザの現在位置を検出する位置検出手段140を少なくとも備えている。
【0074】
データ配信制御器230は、受信データ量算出手段231と、配信命令手段233とを有する。これらは第1実施形態のユーザ端末100に設けられた受信データ量算出手段31と、配信命令手段33と同様の機能を有し同様に動作する。記憶手段250は、第1実施形態において説明した記憶手段250と同様である。さらに、走行情報取得手段232は、ユーザ端末100が車両に搭載されたナビゲーション装置であることを前提に機能し、当該ナビゲーション装置100側の走行情報検出手段132が検出した情報を取得し、第3実施形態の走行情報検出手段32と同様に動作する。
【0075】
本実施形態の地図サーバ200の制御手順を図9に示した。基本的には第1実施形態の制御手順と同じである。図9に示すように、地図サーバ200が起動し、通信手段210を介してユーザ端末100との通信が確立されると(S411)、受信データ量算出手段31は、ユーザ端末100の通信手段10の通信能力を示す情報(機種を特定する情報)、および位置検出手段40により検出されたユーザの現在位置に関する情報を取得する(S412)。受信データ量算出手段231は、ユーザの現在位置が属するエリアの受信環境を記憶手段250に格納されている受信環境データから読み出し、ユーザの現在位置における受信環境を求める。また、受信データ量算出手段231は、求めた現在位置における受信環境と、ユーザ端末100の通信手段10の通信能力とから受信可能な受信データ量を算出する(S413)。
【0076】
配信命令手段233は、受付手段120を介するユーザの入力情報に従い、ユーザが取得しようとする地図情報の領域を特定する。配信命令手段233は、算出され受信データ量よりも取得するモジュールデータの合計のデータ量が小さくなるようにデータ量比較部2331にデータ量の比較を行わせ、その比較結果に基づいてモジュールデータを選択する。このとき、モジュールデータが含む情報の属性から優先順位を判断し、判断した優先順位に応じてモジュールデータを選択する(S114)。配信命令手段233は、配信するモジュールデータを特定するとともに、その配信の優先順位を含めた配信命令を生成する(S415)。
【0077】
地図サーバ200は、配信命令、およびユーザID、現在位置情報を取得し(S416)これらに対応したモジュールデータをユーザ端末100へ送出する(S417)。優先順位「i」=1のモジュールデータから順に送出し(S418)、各モジュールデータの配信の完了を確認しつつ(S419)、配信命令に含まれるすべてのモジュールデータの配信を完了させる(S420)。
【0078】
このように、地図サーバ200は、第1実施形態〜第3実施形態と同様に作用し、同様の効果を奏することができる。特に、配信する地図情報、モジュールデータの選択、優先順位の決定等を地図サーバ200にて行うことができるため、ナビゲーション装置100の処理負担、ハードウェア資源の負担を軽減することができる。
【0079】
なお、第1〜第4実施形態ではナビゲーション装置100および地図サーバ200について説明したが、本発明のナビゲーション用プログラムにより動作するコンピュータは、ナビゲーション装置100または地図サーバ200と同様に作用し、同様の効果を奏する。
【0080】
なお、以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態のナビゲーション装置のブロック図である。
【図2】地図情報とモジュールデータとを説明するための図である。
【図3】言語表記された地図情報を説明するための図である。
【図4】取得するモジュールデータの選択処理を説明するための図である。
【図5】本実施形態における制御手順を示すフローチャート図である。
【図6】第2実施形態における制御手順を示すフローチャート図である。
【図7】第3実施形態における制御手順を示すフローチャート図である。
【図8】第4実施形態の地図サーバのブロック図である。
【図9】第4実施形態のおける制御手順を示すフローチャート図である。
【符号の説明】
100…ナビゲーション装置,ユーザ端末
10…通信手段
20…受付手段
30…データ取得制御器
31…受信データ量算出手段
32…走行情報検出手段
33…配信命令手段
40…位置検出手段
50…記憶手段
60…地図作成手段
70…出力手段
200…地図サーバ
210…通信手段
220…受付手段
230…データ配信制御器(データ取得制御器30)
231…受信データ量算出手段
232…走行情報取得手段(走行情報検出手段132、32)
233…配信命令手段
240…位置取得手段(位置検出手段40)
250…記憶手段
Claims (20)
- 相互に情報の送受信が可能な地図サーバから地図情報を取得して、ユーザに案内情報を提供する車両に搭載されたナビゲーション装置であって、
車両の現在位置を検出する位置検出手段と、
前記位置検出手段により検出された現在位置において受信できる受信データ量を算出する受信データ量算出手段と、
前記受信データ量算出手段により算出された受信データ量以下の地図情報を選択し、当該選択された地図情報の配信命令を前記地図サーバに送出する配信命令手段と、
を備えたナビゲーション装置。 - 前記地図情報は、所定の属性の情報を含む積み上げ可能なレイヤデータを任意の二次元領域に区分した複数のモジュールデータを含み、
前記配信命令手段は、前記受信データ量算出手段により算出された受信データ量以下のモジュールデータを選択し、当該選択されたモジュールデータの配信を前記地図サーバに命令する請求項1記載のナビゲーション装置。 - ユーザが負担を許容する通信料金および/または受信待機時間を受け付ける受付手段をさらに備え、
前記受信データ量算出手段は、前記受付手段により受け付けられた前記ユーザが負担を許容する通信料金および/または受信待機時間に応じた許容データ量を算出し、
前記配信命令手段は、前記受信データ量算出手段により算出された受信データ量以下であって、かつ前記算出された許容データ量以下のモジュールデータを選択し、当該選択されたモジュールデータの配信を前記地図サーバに命令する請求項2記載のナビゲーション装置。 - 車両の速度、車両の加速度、車両の走行位置、車両の走行位置の属性、車両の走行道路の属性、車両の目的地、車両の操舵角のうち少なくとも一以上を含む走行情報を検出する走行情報検出手段をさらに備え、
前記配信命令手段は、前記走行情報検出手段により検出された前記走行情報とモジュールデータに含まれる情報の属性とからモジュールデータを選択し、当該選択されたモジュールデータの配信を前記地図サーバに命令する請求項2または3に記載のナビゲーション装置。 - 前記配信命令手段は、前記モジュールデータに含まれる情報の属性から前記モジュールデータの優先順位を判断するとともに、当該判断された優先順位に応じたモジュールデータの配信を前記地図サーバに命令する請求項2〜4の何れかに記載のナビゲーション装置。
- 前記モジュールデータは、予め規定された表記ルールに従い言語記述されたデータである請求項2〜5の何れかに記載のナビゲーション装置。
- 前記言語記述されたモジュールデータを、画像データに変換して前記出力手段へ向けて送出する地図作成手段をさらに備えた請求項6に記載のナビゲーション装置。
- 車両搭載のコンピュータに、情報の送受信が相互に可能な地図サーバから地図情報を取得して、ユーザに案内情報を提供させるナビゲーション用プログラムであって、
車両の現在位置を検出するステップと、
前記位置検出手段により検出された現在位置において受信できる受信データ量を算出するステップと、
前記受信データ量算出手段により算出された受信データ量以下の地図情報を選択し、当該選択された地図情報の配信命令を前記地図サーバに送出するステップと、
を実行させるためのナビゲーション用プログラム。 - 前記地図情報は、所定の属性の情報を含む積み上げ可能なレイヤデータを任意の二次元領域に区分した複数のモジュールデータを含み、
前記選択された地図情報の配信命令を前記地図サーバに送出するステップは、前記算出させた受信データ量以下のモジュールデータを選択し、当該選択されたモジュールデータの配信を前記地図サーバに命令する請求項8記載のナビゲーション用プログラム。 - ユーザが負担を許容する通信料金および/または受信待機時間を受け付けるステップと、
前記受け付けたユーザが負担を許容する通信料金および/または受信待機時間に応じた許容データ量を算出するステップと、
前記選択された地図情報の配信命令を前記地図サーバに送出するステップは、前記算出させた受信データ量以下であって、かつ前記算出させた許容データ量以下のモジュールデータを選択し、当該選択されたモジュールデータの配信を前記地図サーバに命令する請求項9記載のナビゲーション用プログラム。 - 車両の速度、車両の加速度、車両の走行位置、車両の走行位置の属性、車両の走行道路の属性、車両の目的地、車両の操舵角のうち少なくとも一以上を含む走行情報を検出するステップをさらに有し、
前記選択された地図情報の配信命令を前記地図サーバに送出するステップは、前記検出された前記走行情報とモジュールデータに含まれる情報の属性とからモジュールデータを選択し、当該選択したモジュールデータの配信を前記地図サーバに命令する請求項9または10に記載のナビゲーション用プログラム。 - 前記選択された地図情報の配信命令を前記地図サーバに送出するステップは、前記モジュールデータに含まれる情報の属性から前記モジュールデータの優先順位を判断するとともに、当該判断された当該優先順位に応じたモジュールデータの配信を前記地図サーバに命令するステップとを含む請求項9〜11の何れかに記載のナビゲーション用プログラム。
- 前記モジュールデータは、予め規定された表記ルールに従い言語記述されたデータである請求項9〜12の何れかに記載のナビゲーション用プログラム。
- 前記言語記述されたモジュールデータを、画像データに変換して前記出力手段へ向けて送出するステップをさらに有する請求項13に記載のナビゲーション用プログラム。
- 相互に情報の送受信が可能なユーザ端末に、予め記憶した地図情報を提供する地図サーバであって、
前記ユ−ザ端末の現在位置を取得する位置取得手段と、
前記位置取得手段により取得された現在位置において受信できるデータ量を算出する受信データ量算出手段と、
前記受信データ量算出手段により算出された受信データ量以下の地図情報を選択し、当該選択された地図情報を前記ユーザ端末に向けて配信する配信手段と、を備えた地図サーバ。 - 前記地図情報は、所定の属性の情報を含む積み上げ可能なレイヤデータを任意の二次元領域に区分した複数のモジュールデータを含み、
前記配信手段は、前記受信データ量算出手段により算出された受信データ量以下のモジュールデータを選択し、当該選択されたモジュールデータを前記ユーザ端末へ向けて配信する請求項15記載の地図サーバ。 - ユーザが負担を許容する通信料金および/または受信待機時間を受け付ける受付手段をさらに備え、
前記受信データ量算出手段は、前記受付手段により受け付けられた前記ユーザが負担を許容する通信料金および/または受信待機時間に応じた許容データ量を算出し、
前記配信手段は、前記受信データ量算出手段により算出された受信データ量以下であって、かつ前記算出された許容データ量以下のモジュールデータを選択し、当該選択されたモジュールデータを前記ユーザ端末に向けて配信する請求項16記載の地図サーバ。 - 前記ユーザ端末は、車両に搭載されたナビゲーション装置であって、
車両の速度、車両の加速度、車両の走行位置、車両の走行位置の属性、車両の走行道路の属性、車両の目的地、車両の操舵角のうち少なくとも一以上を含む走行情報を取得する走行情報取得手段をさらに備え、
前記配信手段は、前記走行情報取得手段により取得された前記走行情報とモジュールデータに含まれる情報の属性とからモジュールデータを選択し、当該選択したモジュールデータを前記ユーザ端末であるナビゲーション装置へ向けて配信する請求項16または17に記載の地図サーバ。 - 前記配信手段は、前記モジュールデータに含まれる情報の属性から前記モジュールデータの優先順位を判断するとともに、当該判断された優先順位に応じたモジュールデータを配信する請求項16〜18の何れかに記載の地図サーバ。
- 前記モジュールデータは、予め規定された表記ルールに従い言語記述されたデータである請求項16〜19の何れかに記載のナビゲーション装置。
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- 2002-09-26 JP JP2002281400A patent/JP2004117191A/ja active Pending
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