JP2004116920A - 空気調和機 - Google Patents
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Abstract
【課題】カレントトランスを用いることなく簡単な構成で入力電流を検出でき、小型化と低コスト化が実現できる空気調和機を提供する。
【解決手段】交流電圧を直流電圧に変換するコンバータ1と、コンバータ1により変換された直流電圧を交流電圧に変換するインバータ2と、コンバータ1から出力される直流電圧を検出する電圧センサとしての抵抗R1,R2と、インバータ2に入力される入力電流を検出する電流センサとしての抵抗R3と平滑化回路6を備える。上記抵抗R1,R2により検出された直流電圧および抵抗R3, 平滑化回路6により検出された入力電流に基づいて、消費電力算出部5aによりインバータ2の消費電力を求める。そして、消費電力算出部5aにより求められたインバータ2の消費電力およびコンバータ1の特性に基づいて、入力電流算出部5bによりコンバータ1に入力される入力電流を求める。
【選択図】 図1
【解決手段】交流電圧を直流電圧に変換するコンバータ1と、コンバータ1により変換された直流電圧を交流電圧に変換するインバータ2と、コンバータ1から出力される直流電圧を検出する電圧センサとしての抵抗R1,R2と、インバータ2に入力される入力電流を検出する電流センサとしての抵抗R3と平滑化回路6を備える。上記抵抗R1,R2により検出された直流電圧および抵抗R3, 平滑化回路6により検出された入力電流に基づいて、消費電力算出部5aによりインバータ2の消費電力を求める。そして、消費電力算出部5aにより求められたインバータ2の消費電力およびコンバータ1の特性に基づいて、入力電流算出部5bによりコンバータ1に入力される入力電流を求める。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、空気調和機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、空気調和機としては、交流電源からの交流を整流するコンバータと、そのコンバータからの直流電圧を平滑するコンデンサと、上記コンデンサにより平滑にされた直流電圧を交流電圧に変換するインバータと、上記インバータを制御するマイクロコンピュータとを備えたものがある(例えば、特許文献1参照)。この空気調和機は、カレントトランスによりコンバータの入力電流を検出し、検出された入力電流に基づいてマイクロコンピュータによりインバータを制御する。
【0003】
また、このような空気調和機の構成に加湿ユニットを備えたものがある。この加湿ユニットを備えた空気調和機は、図4に示すように、室内機120と室外機130とで構成されている。そして、上記室外機130は、室内機120を介して交流電源110から供給された交流電圧を直流電圧に変換するコンバータ101と、上記コンバータ101からの直流電圧を所定の周波数の交流電圧に変換して圧縮機(図示せず)を駆動するインバータ102と、室外ファン103と、マイクロコンピュータ(以下、マイコンという)105と、図示しない加湿ユニット用の加湿ファン104,ヒータ107および吸湿ファン108を備えている。
【0004】
また、上記コンバータ101の正極側出力端子と負極側出力端子との間に平滑用のコンデンサCを接続し、そのコンデンサCの両端に直列接続された抵抗R1,R2を接続している。この抵抗R1,R2でコンバータ1から出力される直流電圧を分圧し、分圧された直流電圧信号をマイコン105で検出して、検出された直流電圧信号に基づいてインバータ102の出力制御を行っている。また、上記コンバータ101の負極側出力端子とインバータ102の負極側入力端子との間に過電流検出用の抵抗R3を接続している。この過電流検出用の抵抗R3により検出されたインバータ102の入力電流が所定値以上になると、インバータ102を保護するために保護回路(図示せず)が動作してインバータ102の出力を停止する。また、コンバータ101の負極側入力端子側にカレントトランスCTを配置し、カレントトランスCTからの信号を整流回路111,平均化回路112を介してマイコン105に入力している。上記カレントトランスCT,整流回路111および平均化回路112によりコンバータ101に入力される入力電流Iinを検出して、検出された入力電流Iinに基づいてマイコン105は、ブレーカーの定格内で最大能力を発揮するようにインバータ2の出力を制御する。また、カレントトランスCTにより検出された入力電流Iinが、圧縮機の回転数のわりに少ないときは冷媒漏れであると判断して、ガス欠異常を検知する。
【0005】
【特許文献1】
特開平6−281236号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記空気調和機では、カレントトランスCTは、商用交流電源(AC100V,AC200V)に直接接続されるため、安全を考慮して絶縁距離をとって装置内に配置しなければならず、また、その出力は負電圧を含む交流であるため、マイコン105に入力される前段に整流回路111,平均化回路112からなる入力電流検出回路が必要となり、装置内に大きな設置スペースを要するという問題がある。上記入力電流検出回路は、モジュール化することで小型化は実現できるが、コスト高になる恐れがある。また、商用交流周波数程度の低い周波数ではカレントトランスを小型化することは難しく、コストの面においても安全性への対応や大型のトランスはコスト高となっている。上記空気調和機のように付加機能として消費電力の大きな加湿ユニットを備えているものでは、電力の取り合いとなっているため、定格内で最大能力を発揮するようにインバータの出力を制御するためには入力電流の検出精度を下げることはできない。
【0007】
そこで、この発明の目的は、商用電源ラインにカレントトランスを実装することなく簡単な構成で入力電流を従来と同程度の精度で検出でき、小型化と低コスト化が実現できる空気調和機を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1の空気調和機は、交流電圧を直流電圧に変換するコンバータと、上記コンバータにより変換された直流電圧を交流電圧に変換するインバータと、上記コンバータから出力される直流電圧を検出する電圧センサと、上記コンバータから上記インバータに入力される入力電流を検出する電流センサと、上記電圧センサにより検出された直流電圧および上記電流センサにより検出された入力電流に基づいて、上記インバータの消費電力を求める消費電力算出部と、上記消費電力算出部により求められた上記インバータの消費電力および上記コンバータの特性に基づいて、上記コンバータに入力される入力電流を求める入力電流算出部とを備えたことを特徴としている。
【0009】
上記請求項1の空気調和機によれば、上記コンバータから出力される直流電圧を上記電圧センサにより検出し、コンバータからインバータに入力される入力電流を上記電流センサにより検出して、検出された直流電圧と入力電流に基づいて、上記消費電力算出部によりインバータの消費電力を求める。そして、上記消費電力算出部により求められた上記インバータの消費電力および上記コンバータの特性に基づいて、上記入力電流算出部によりコンバータに入力される入力電流を求める。すなわち、上記コンバータの効率特性および力率特性を予め測定しておき、その回路構成の特性を定式化することでコンバータの出力電力(インバータの消費電力)からコンバータの入力電力を求めることが可能であり、そのコンバータの入力電力と入力電圧からコンバータの入力電流を求めることができる。なお、コンバータの入力電圧は、コンバータの出力電圧(電圧センサにより検出される直流電圧)から求めることができ、例えば、コンバータの無負荷状態での入力−出力電圧特性は一義的に決まるので、その関係に基づいて出力電圧から入力電圧を求める。このように、カレントトランスを用いることなく簡単な構成で入力電流を検出でき、小型化と低コスト化が実現できる。
【0010】
また、請求項2の空気調和機は、請求項1の空気調和機において、上記コンバータに接続される負荷の動作状況を管理する運転管理部を備え、上記入力電流算出部は、上記消費電力算出部により求められた上記インバータの消費電力および上記運転管理部の情報に基づいて、上記コンバータに接続される負荷の消費電力の合計を算出し、算出された消費電力の合計および上記コンバータの特性に基づいて、上記コンバータに入力される入力電流を求めることを特徴としている。
【0011】
上記請求項2の空気調和機によれば、上記コンバータに接続される負荷の動作状況を管理する運転管理部に保存されている上記負荷の運転情報に基づいて、それぞれの負荷の運転情報に応じた消費電力を予め定めた値より算出することができ、実際にファンやヒータなどの消費電力を計測しなくてもよい。
【0012】
また、請求項3の空気調和機は、請求項2の空気調和機において、上記コンバータに接続される負荷は、上記インバータと、室外ファンとヒータと加湿ファンおよび吸湿ファンのうちの少なくとも上記室外ファンであることを特徴としている。
【0013】
上記請求項3の空気調和機によれば、上記コンバータに接続される負荷は、インバータと、室外ファンとヒータと加湿ファンおよび吸湿ファンのうちの少なくとも室外ファンであるので、コンバータに入力される入力電流を上記消費電力算出部により正確に求めることができる。
【0014】
また、請求項4の空気調和機は、請求項1の空気調和機において、上記入力電流算出部は、少なくとも室外ファンの消費電力を上記消費電力算出部により求められた上記インバータの消費電力に加算して、加算された消費電力および上記コンバータの特性に基づいて、上記コンバータに入力される入力電流を求めることを特徴としている。
【0015】
上記請求項4の空気調和機によれば、上記コンバータの負荷となるインバータの消費電力と少なくとも室外ファンの消費電力の合計をコンバータの出力電力とすることによって、コンバータに入力される入力電流をより正確に求めることができる。なお、室外ファン以外にコンバータの負荷となるものがある場合は、その消費電力も加算するのが望ましい。
【0016】
また、請求項5の空気調和機は、請求項1の空気調和機において、上記入力電流算出部は、加湿ファンまたは吸湿ファンの少なくとも一方の消費電力を、上記消費電力算出部により求められた上記インバータの消費電力に加算して、加算された消費電力および上記コンバータの特性に基づいて、上記コンバータに入力される入力電流を求めることを特徴としている。
【0017】
上記請求項5の空気調和機によれば、上記コンバータの負荷となる上記加湿ファンまたは上記吸湿ファンの少なくとも一方の消費電力とインバータの消費電力の合計をコンバータの出力電力とすることによって、コンバータに入力される入力電流をより正確に求めることができる。なお、上記加湿ファンや吸湿ファン以外にコンバータの負荷となるものがある場合、例えば室外ファンなどの消費電力も加算するのが望ましい。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の空気調和機を図示の実施の形態により詳細に説明する。
【0019】
図1はこの発明の実施の一形態の空気調和機の概略構成を示すブロック図であり、この空気調和機は、交流電源10から交流電圧が供給される室内機20と、上記室内機20を介して交流電源10から交流電圧が供給される室外機30とを備えている。上記室外機30は、交流電源10から供給される交流電圧を直流電圧に変換するコンバータ1と、上記コンバータ1からの直流電圧を交流電圧に変換して圧縮機(図示せず)を駆動するインバータ2と、DC(直流)ファンである室外ファン3と、DCファンである加湿ファン4と、インバータ2等を制御するマイコン5と、ローパスフィルタを用いた平滑化回路6と、ヒータ7と、AC(交流)ファンである吸湿ファン8とを備えている。この室外機30には、図示しないが、加湿ファン4,ヒータ7および吸着ファン8を用いた加湿ユニットを備えている。
【0020】
また、上記室外機30のコンバータ1の正極側出力端子と負極側出力端子との間に平滑用のコンデンサCを接続し、さらにそのコンデンサCの両端に、電圧センサの一例としての直列接続された抵抗R1,R2を接続している。また、上記コンバータ1の負極側出力端子を接地に接続している。上記抵抗R1,R2によりインバータ2に入力される直流電圧を分圧し、分圧された直流電圧を表す信号をマイコン5のA/D変換機能によりデジタル値に変換する。
【0021】
また、上記室外機30のコンバータ1の負極側出力端子とインバータ2の負極側入力端子との間に抵抗R3を接続している。この抵抗R3によりインバータ2の入力電流を検出し、検出された入力電流を表す信号を平均化回路6に平均化した後、マイコン5のA/D変換機能によりデジタル値に変換する。上記抵抗R3と平均化回路6で電流センサの一例を構成している。
【0022】
また、上記マイコン5は、インバータ2の消費電力を求める消費電力算出部5aと、消費電力算出部5aにより求められたインバータ2の消費電力およびコンバータ1の特性に基づいて、コンバータ1に入力される入力電流を求める入力電流算出部5bと、コンバータ1に接続される負荷(インバータ2,室外ファン3,加湿ファン4)の動作状況を管理する運転管理部5cとを有している。上記運転管理部5cは、ヒータ7等のオンオフ情報およびファン風量の強弱の情報などを持っている。
【0023】
ここで、上記室外機30のコンバータ1の入力電圧をVinとし、入力電流をIinとし、入力電力をWinとする。また、コンバータ1の効率をηとし、力率をPFとする。そして、インバータ2の入力電力をW1、室外ファン3の消費電力をW2、加湿ファン4の消費電力をW3とすると、コンバータ1の出力電力Woutは、
Wout = W1+W2+W3
で表される。なお、上記コンバータ1の出力電力Woutを入力電力Winと効率ηで表すと、
Wout=Win×η
となり、したがって、入力電力Winは、
Win = Wout/η ……… (式1)
で表される。また、入力電力Winを入力電圧Vinと入力電流Iinおよび力率PFで表すと、
Win = Vin×Iin×PF ……… (式2)
となり、この(式2)より入力電流Iinは、
Iin = Win/(Vin×PF) ……… (式3)
で表される。
【0024】
なお、上記室外ファン3が複数段の風量タップを切り替えるものである場合、各風量タップに応じた消費電力をW2とする(加湿ファン4の消費電力W3も同様)。このような運転状況に応じて変化する各負荷の消費電力は、運転管理部5cの運転情報から得られるようにしている。
【0025】
図2は上記空気調和機のマイコン5の動作を示すフローチャートであり、以下、図2にしたがってマイコン5の処理を説明する。
【0026】
まず、処理がスタートすると、ステップS1で無負荷状態のコンバータ1の出力電圧Vdcからコンバータ1の入力電圧Vinを算出する。
【0027】
次に、ステップS2に進み、運転状態においてコンバータ1の出力電圧Vdcとインバータ2の入力電流Idcを求める。すなわち、マイコン5のA/D変換機能により、抵抗R1,R2により分圧された直流電圧を表す信号をデジタル値に変換すると共に、抵抗R3と平均化回路6により検出された入力電流を表す信号をデジタル値に変換する。
【0028】
次に、ステップS3に進み、消費電力算出部5aによって、コンバータ1の出力電圧Vdcとインバータ2の入力電流Idcの積を求めることにより、インバータ2の消費電力W1を算出する。
【0029】
次に、ステップS4に進み、インバータ2の消費電力W1と室外ファン3の消費電力W2と加湿ファン4の消費電力W3とを加算してコンバータ1の出力電力Woutを求める。
【0030】
次に、ステップS5に進み、コンバータ1の効率特性からコンバータ1の入力電力Winを算出する。すなわち、上記コンバータ1の出力電力Woutとそのときの効率ηから(式1)を用いてコンバータ1の入力電力Winを算出するのである。
【0031】
そして、ステップS6に進み、コンバータ1の力率特性からコンバータ1の入力電流Iinを算出する。すなわち、ステップS1で算出されたコンバータ1の入力電圧Vinと入力電力Winにおける力率PFから上記(式3)を用いてコンバータ1の入力電流Iinを算出するのである。上記ステップS4〜S6の処理は、入力電流算出部5bにより行われる。
【0032】
図3は上記コンバータ1の入力電力[W]に対する効率特性および力率特性を示しており、横軸は入力電力[W]の目盛りを示し、縦軸は効率60%〜100%(力率0.6〜1.0に対応)の目盛りを示している。図3に示す例では、コンバータ1の効率特性は、1次関数で近似でき、コンバータ1の力率特性は、多項式の関数で近似できる。なお、この図3の効率特性および力率特性は、一例として能力5kWタイプの空気調和機について測定した結果を示すものであって、この特性に限定されるものではなく、空気調和機の能力や構成などによって適宜設定してもよい。
【0033】
図3に示すコンバータ1の効率特性および力率特性を予め測定しておき、上記(式1)で用いる出力電力Woutと効率ηの関係をテーブルまたは近似式として求め、上記(式3)で用いる入力電力Winと力率PFの関係をテーブルまたは近似式として求めておく。さらに、コンバータ1の無負荷状態での出力電圧Vdcと入力電圧Vinの関係を予め測定しておき、その関係をテーブルまたは近似式として求めておく。
【0034】
このように、上記構成の空気調和機によれば、コンバータ1の効率特性および力率特性を予め測定しておき、その特性を利用してコンバータ1の出力電力(インバータ2の消費電力)からコンバータ1の入力電力Winを求めることができ、そのコンバータ1の入力電力Winと入力電圧Vinからコンバータ1の入力電流Iinを求めることができる。したがって、装置内の設置スペースが大きくかつコストが高いカレントトランスを用いることなく、簡単な構成でコンバータ1の入力電流Iinを求めることができ、小型化と低コスト化が実現できる。
【0035】
また、上記コンバータ1に接続される負荷(インバータ2,室外ファン3,加湿ファン4)の動作状況を管理する運転管理部5cに保存されている運転情報に基づいて、室外ファン3,加湿ファン4の運転情報に応じた消費電力を予め定めた値より算出することができ、実際に室外ファン3,加湿ファン4の消費電力を計測しなくてもよい。
【0036】
また、上記コンバータ1の負荷となるインバータ2と少なくとも室外ファン3の消費電力をコンバータ1の出力電力とすることによって、コンバータ1に入力される入力電流Iinをより正確に求めることができる。さらに、上記コンバータ1の負荷となる加湿ファン4をコンバータの出力電力も加算することにより、コンバータ1に入力される入力電流Iinをより正確に求めることができる。なお、上記マイコン5の消費電力は、インバータ2,室外ファン3および加湿ファン4の消費電力に比べて極めて少ないので、省略しても問題とならない。また、上記吸湿ファン8にDCファンを用いてコンバータ1の負荷とした場合は、吸湿ファンの消費電力もコンバータの出力電力も加算するのがより好ましい。
【0037】
上記実施の形態では、吸着ファン8にAC(交流)ファンを用いたが、吸着ファンにDC(直流)ファンを用いて、入力電流算出部5bは、加湿ファンと吸湿ファンの両方を、消費電力算出部5aにより求められたインバータの消費電力に加算して、加算された消費電力およびコンバータ1の特性に基づいて、コンバータに入力される入力電流を求めてもよい。
【0038】
また、上記実施の形態では、電圧センサの一例として直列接続された抵抗R1,R2を用い、電流センサの一例として抵抗R3とローパスフィルタを用いた平均化回路6を用いたが、電圧センサおよび電流センサの構成はこれに限らない。しかしながら、小型化と低コスト化を実現するためには抵抗とローパスフィルタを電圧センサおよび電流センサに用いるのが好ましい。
【0039】
また、上記実施の形態では、室内機20と、その室内機20を介して交流電源10から供給される室外機30とを備えた空気調和機について説明したが、空気調和機の構成はこれに限らず、室外側から室内機に交流電源が供給される形態のものにこの発明を適用してもよい。
【0040】
【発明の効果】
以上より明らかなように、請求項1の発明の空気調和機は、コンバータから出力される直流電圧を電圧センサにより検出し、コンバータからインバータに入力される入力電流を電流センサにより検出して、検出された直流電圧と入力電流に基づいて、消費電力算出部によりインバータの消費電力を求めて、その消費電力算出部により求められたインバータの消費電力およびコンバータの特性に基づいて、入力電流算出部によりコンバータに入力される入力電流を求めるものである。
【0041】
したがって、請求項1の発明の空気調和機によれば、商用電源ラインにカレントトランスを実装することなく簡単な構成で入力電流を検出でき、小型化と低コスト化が実現することができる。
【0042】
また、請求項2の発明の空気調和機によれば、請求項1の空気調和機において、上記消費電力算出部により求められたインバータの消費電力および上記コンバータに接続される負荷の動作状況を管理する運転管理部の情報に基づいて、上記入力電流算出部は、コンバータに接続される負荷の消費電力の合計を算出し、算出された消費電力の合計およびコンバータの特性に基づいて、コンバータに入力される入力電流を求めるので、実際にファンやヒータなどの消費電力を計測しないくても、上記運転管理部が持っている運転情報(例えば室外ファンの風量の情報)に応じた消費電力を予め定めた値より算出することができる。
【0043】
また、請求項3の発明の空気調和機によれば、請求項2の空気調和機において、上記コンバータに接続される負荷は、上記インバータと、室外ファンとヒータと加湿ファンおよび吸湿ファンのうちの少なくとも室外ファンであるので、コンバータに入力される入力電流を上記入力電流算出部により正確に求めることができる。
【0044】
また、請求項4の発明の空気調和機によれば、請求項1の空気調和機において、上記入力電流算出部は、上記コンバータの負荷となるインバータの消費電力と少なくとも室外ファンの消費電力の合計をコンバータの出力電力とすることによって、コンバータに入力される入力電流をより正確に求めることができる。
【0045】
また、請求項5の発明の空気調和機によれば、請求項1の空気調和機において、上記入力電流算出部は、上記コンバータの負荷となる加湿ファンまたは吸湿ファンの少なくとも一方の消費電力とインバータの消費電力の合計をコンバータの出力電力とすることによって、コンバータに入力される入力電流をより正確に求めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はこの発明の実施の一形態の空気調和機の概略構成を示すブロック図である。
【図2】図2は上記空気調和機のマイコンの動作を説明するフローチャートである。
【図3】図3は上記空気調和機のコンバータの効率特性および力率特性を示す図である。
【図4】図4は従来の空気調和機の概略構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1…コンバータ、
2…インバータ、
3…室外ファン、
4…加湿ファン、
5…マイコン、
5a…消費電力算出部、
5b…入力電流算出部、
5c…運転管理部、
6…平均化回路、
7…ヒータ、
8…吸湿ファン、
10…交流電源、
20…室内機、
30…室外機、
C…コンデンサ、
R1,R2,R3…抵抗。
【発明の属する技術分野】
この発明は、空気調和機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、空気調和機としては、交流電源からの交流を整流するコンバータと、そのコンバータからの直流電圧を平滑するコンデンサと、上記コンデンサにより平滑にされた直流電圧を交流電圧に変換するインバータと、上記インバータを制御するマイクロコンピュータとを備えたものがある(例えば、特許文献1参照)。この空気調和機は、カレントトランスによりコンバータの入力電流を検出し、検出された入力電流に基づいてマイクロコンピュータによりインバータを制御する。
【0003】
また、このような空気調和機の構成に加湿ユニットを備えたものがある。この加湿ユニットを備えた空気調和機は、図4に示すように、室内機120と室外機130とで構成されている。そして、上記室外機130は、室内機120を介して交流電源110から供給された交流電圧を直流電圧に変換するコンバータ101と、上記コンバータ101からの直流電圧を所定の周波数の交流電圧に変換して圧縮機(図示せず)を駆動するインバータ102と、室外ファン103と、マイクロコンピュータ(以下、マイコンという)105と、図示しない加湿ユニット用の加湿ファン104,ヒータ107および吸湿ファン108を備えている。
【0004】
また、上記コンバータ101の正極側出力端子と負極側出力端子との間に平滑用のコンデンサCを接続し、そのコンデンサCの両端に直列接続された抵抗R1,R2を接続している。この抵抗R1,R2でコンバータ1から出力される直流電圧を分圧し、分圧された直流電圧信号をマイコン105で検出して、検出された直流電圧信号に基づいてインバータ102の出力制御を行っている。また、上記コンバータ101の負極側出力端子とインバータ102の負極側入力端子との間に過電流検出用の抵抗R3を接続している。この過電流検出用の抵抗R3により検出されたインバータ102の入力電流が所定値以上になると、インバータ102を保護するために保護回路(図示せず)が動作してインバータ102の出力を停止する。また、コンバータ101の負極側入力端子側にカレントトランスCTを配置し、カレントトランスCTからの信号を整流回路111,平均化回路112を介してマイコン105に入力している。上記カレントトランスCT,整流回路111および平均化回路112によりコンバータ101に入力される入力電流Iinを検出して、検出された入力電流Iinに基づいてマイコン105は、ブレーカーの定格内で最大能力を発揮するようにインバータ2の出力を制御する。また、カレントトランスCTにより検出された入力電流Iinが、圧縮機の回転数のわりに少ないときは冷媒漏れであると判断して、ガス欠異常を検知する。
【0005】
【特許文献1】
特開平6−281236号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記空気調和機では、カレントトランスCTは、商用交流電源(AC100V,AC200V)に直接接続されるため、安全を考慮して絶縁距離をとって装置内に配置しなければならず、また、その出力は負電圧を含む交流であるため、マイコン105に入力される前段に整流回路111,平均化回路112からなる入力電流検出回路が必要となり、装置内に大きな設置スペースを要するという問題がある。上記入力電流検出回路は、モジュール化することで小型化は実現できるが、コスト高になる恐れがある。また、商用交流周波数程度の低い周波数ではカレントトランスを小型化することは難しく、コストの面においても安全性への対応や大型のトランスはコスト高となっている。上記空気調和機のように付加機能として消費電力の大きな加湿ユニットを備えているものでは、電力の取り合いとなっているため、定格内で最大能力を発揮するようにインバータの出力を制御するためには入力電流の検出精度を下げることはできない。
【0007】
そこで、この発明の目的は、商用電源ラインにカレントトランスを実装することなく簡単な構成で入力電流を従来と同程度の精度で検出でき、小型化と低コスト化が実現できる空気調和機を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1の空気調和機は、交流電圧を直流電圧に変換するコンバータと、上記コンバータにより変換された直流電圧を交流電圧に変換するインバータと、上記コンバータから出力される直流電圧を検出する電圧センサと、上記コンバータから上記インバータに入力される入力電流を検出する電流センサと、上記電圧センサにより検出された直流電圧および上記電流センサにより検出された入力電流に基づいて、上記インバータの消費電力を求める消費電力算出部と、上記消費電力算出部により求められた上記インバータの消費電力および上記コンバータの特性に基づいて、上記コンバータに入力される入力電流を求める入力電流算出部とを備えたことを特徴としている。
【0009】
上記請求項1の空気調和機によれば、上記コンバータから出力される直流電圧を上記電圧センサにより検出し、コンバータからインバータに入力される入力電流を上記電流センサにより検出して、検出された直流電圧と入力電流に基づいて、上記消費電力算出部によりインバータの消費電力を求める。そして、上記消費電力算出部により求められた上記インバータの消費電力および上記コンバータの特性に基づいて、上記入力電流算出部によりコンバータに入力される入力電流を求める。すなわち、上記コンバータの効率特性および力率特性を予め測定しておき、その回路構成の特性を定式化することでコンバータの出力電力(インバータの消費電力)からコンバータの入力電力を求めることが可能であり、そのコンバータの入力電力と入力電圧からコンバータの入力電流を求めることができる。なお、コンバータの入力電圧は、コンバータの出力電圧(電圧センサにより検出される直流電圧)から求めることができ、例えば、コンバータの無負荷状態での入力−出力電圧特性は一義的に決まるので、その関係に基づいて出力電圧から入力電圧を求める。このように、カレントトランスを用いることなく簡単な構成で入力電流を検出でき、小型化と低コスト化が実現できる。
【0010】
また、請求項2の空気調和機は、請求項1の空気調和機において、上記コンバータに接続される負荷の動作状況を管理する運転管理部を備え、上記入力電流算出部は、上記消費電力算出部により求められた上記インバータの消費電力および上記運転管理部の情報に基づいて、上記コンバータに接続される負荷の消費電力の合計を算出し、算出された消費電力の合計および上記コンバータの特性に基づいて、上記コンバータに入力される入力電流を求めることを特徴としている。
【0011】
上記請求項2の空気調和機によれば、上記コンバータに接続される負荷の動作状況を管理する運転管理部に保存されている上記負荷の運転情報に基づいて、それぞれの負荷の運転情報に応じた消費電力を予め定めた値より算出することができ、実際にファンやヒータなどの消費電力を計測しなくてもよい。
【0012】
また、請求項3の空気調和機は、請求項2の空気調和機において、上記コンバータに接続される負荷は、上記インバータと、室外ファンとヒータと加湿ファンおよび吸湿ファンのうちの少なくとも上記室外ファンであることを特徴としている。
【0013】
上記請求項3の空気調和機によれば、上記コンバータに接続される負荷は、インバータと、室外ファンとヒータと加湿ファンおよび吸湿ファンのうちの少なくとも室外ファンであるので、コンバータに入力される入力電流を上記消費電力算出部により正確に求めることができる。
【0014】
また、請求項4の空気調和機は、請求項1の空気調和機において、上記入力電流算出部は、少なくとも室外ファンの消費電力を上記消費電力算出部により求められた上記インバータの消費電力に加算して、加算された消費電力および上記コンバータの特性に基づいて、上記コンバータに入力される入力電流を求めることを特徴としている。
【0015】
上記請求項4の空気調和機によれば、上記コンバータの負荷となるインバータの消費電力と少なくとも室外ファンの消費電力の合計をコンバータの出力電力とすることによって、コンバータに入力される入力電流をより正確に求めることができる。なお、室外ファン以外にコンバータの負荷となるものがある場合は、その消費電力も加算するのが望ましい。
【0016】
また、請求項5の空気調和機は、請求項1の空気調和機において、上記入力電流算出部は、加湿ファンまたは吸湿ファンの少なくとも一方の消費電力を、上記消費電力算出部により求められた上記インバータの消費電力に加算して、加算された消費電力および上記コンバータの特性に基づいて、上記コンバータに入力される入力電流を求めることを特徴としている。
【0017】
上記請求項5の空気調和機によれば、上記コンバータの負荷となる上記加湿ファンまたは上記吸湿ファンの少なくとも一方の消費電力とインバータの消費電力の合計をコンバータの出力電力とすることによって、コンバータに入力される入力電流をより正確に求めることができる。なお、上記加湿ファンや吸湿ファン以外にコンバータの負荷となるものがある場合、例えば室外ファンなどの消費電力も加算するのが望ましい。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の空気調和機を図示の実施の形態により詳細に説明する。
【0019】
図1はこの発明の実施の一形態の空気調和機の概略構成を示すブロック図であり、この空気調和機は、交流電源10から交流電圧が供給される室内機20と、上記室内機20を介して交流電源10から交流電圧が供給される室外機30とを備えている。上記室外機30は、交流電源10から供給される交流電圧を直流電圧に変換するコンバータ1と、上記コンバータ1からの直流電圧を交流電圧に変換して圧縮機(図示せず)を駆動するインバータ2と、DC(直流)ファンである室外ファン3と、DCファンである加湿ファン4と、インバータ2等を制御するマイコン5と、ローパスフィルタを用いた平滑化回路6と、ヒータ7と、AC(交流)ファンである吸湿ファン8とを備えている。この室外機30には、図示しないが、加湿ファン4,ヒータ7および吸着ファン8を用いた加湿ユニットを備えている。
【0020】
また、上記室外機30のコンバータ1の正極側出力端子と負極側出力端子との間に平滑用のコンデンサCを接続し、さらにそのコンデンサCの両端に、電圧センサの一例としての直列接続された抵抗R1,R2を接続している。また、上記コンバータ1の負極側出力端子を接地に接続している。上記抵抗R1,R2によりインバータ2に入力される直流電圧を分圧し、分圧された直流電圧を表す信号をマイコン5のA/D変換機能によりデジタル値に変換する。
【0021】
また、上記室外機30のコンバータ1の負極側出力端子とインバータ2の負極側入力端子との間に抵抗R3を接続している。この抵抗R3によりインバータ2の入力電流を検出し、検出された入力電流を表す信号を平均化回路6に平均化した後、マイコン5のA/D変換機能によりデジタル値に変換する。上記抵抗R3と平均化回路6で電流センサの一例を構成している。
【0022】
また、上記マイコン5は、インバータ2の消費電力を求める消費電力算出部5aと、消費電力算出部5aにより求められたインバータ2の消費電力およびコンバータ1の特性に基づいて、コンバータ1に入力される入力電流を求める入力電流算出部5bと、コンバータ1に接続される負荷(インバータ2,室外ファン3,加湿ファン4)の動作状況を管理する運転管理部5cとを有している。上記運転管理部5cは、ヒータ7等のオンオフ情報およびファン風量の強弱の情報などを持っている。
【0023】
ここで、上記室外機30のコンバータ1の入力電圧をVinとし、入力電流をIinとし、入力電力をWinとする。また、コンバータ1の効率をηとし、力率をPFとする。そして、インバータ2の入力電力をW1、室外ファン3の消費電力をW2、加湿ファン4の消費電力をW3とすると、コンバータ1の出力電力Woutは、
Wout = W1+W2+W3
で表される。なお、上記コンバータ1の出力電力Woutを入力電力Winと効率ηで表すと、
Wout=Win×η
となり、したがって、入力電力Winは、
Win = Wout/η ……… (式1)
で表される。また、入力電力Winを入力電圧Vinと入力電流Iinおよび力率PFで表すと、
Win = Vin×Iin×PF ……… (式2)
となり、この(式2)より入力電流Iinは、
Iin = Win/(Vin×PF) ……… (式3)
で表される。
【0024】
なお、上記室外ファン3が複数段の風量タップを切り替えるものである場合、各風量タップに応じた消費電力をW2とする(加湿ファン4の消費電力W3も同様)。このような運転状況に応じて変化する各負荷の消費電力は、運転管理部5cの運転情報から得られるようにしている。
【0025】
図2は上記空気調和機のマイコン5の動作を示すフローチャートであり、以下、図2にしたがってマイコン5の処理を説明する。
【0026】
まず、処理がスタートすると、ステップS1で無負荷状態のコンバータ1の出力電圧Vdcからコンバータ1の入力電圧Vinを算出する。
【0027】
次に、ステップS2に進み、運転状態においてコンバータ1の出力電圧Vdcとインバータ2の入力電流Idcを求める。すなわち、マイコン5のA/D変換機能により、抵抗R1,R2により分圧された直流電圧を表す信号をデジタル値に変換すると共に、抵抗R3と平均化回路6により検出された入力電流を表す信号をデジタル値に変換する。
【0028】
次に、ステップS3に進み、消費電力算出部5aによって、コンバータ1の出力電圧Vdcとインバータ2の入力電流Idcの積を求めることにより、インバータ2の消費電力W1を算出する。
【0029】
次に、ステップS4に進み、インバータ2の消費電力W1と室外ファン3の消費電力W2と加湿ファン4の消費電力W3とを加算してコンバータ1の出力電力Woutを求める。
【0030】
次に、ステップS5に進み、コンバータ1の効率特性からコンバータ1の入力電力Winを算出する。すなわち、上記コンバータ1の出力電力Woutとそのときの効率ηから(式1)を用いてコンバータ1の入力電力Winを算出するのである。
【0031】
そして、ステップS6に進み、コンバータ1の力率特性からコンバータ1の入力電流Iinを算出する。すなわち、ステップS1で算出されたコンバータ1の入力電圧Vinと入力電力Winにおける力率PFから上記(式3)を用いてコンバータ1の入力電流Iinを算出するのである。上記ステップS4〜S6の処理は、入力電流算出部5bにより行われる。
【0032】
図3は上記コンバータ1の入力電力[W]に対する効率特性および力率特性を示しており、横軸は入力電力[W]の目盛りを示し、縦軸は効率60%〜100%(力率0.6〜1.0に対応)の目盛りを示している。図3に示す例では、コンバータ1の効率特性は、1次関数で近似でき、コンバータ1の力率特性は、多項式の関数で近似できる。なお、この図3の効率特性および力率特性は、一例として能力5kWタイプの空気調和機について測定した結果を示すものであって、この特性に限定されるものではなく、空気調和機の能力や構成などによって適宜設定してもよい。
【0033】
図3に示すコンバータ1の効率特性および力率特性を予め測定しておき、上記(式1)で用いる出力電力Woutと効率ηの関係をテーブルまたは近似式として求め、上記(式3)で用いる入力電力Winと力率PFの関係をテーブルまたは近似式として求めておく。さらに、コンバータ1の無負荷状態での出力電圧Vdcと入力電圧Vinの関係を予め測定しておき、その関係をテーブルまたは近似式として求めておく。
【0034】
このように、上記構成の空気調和機によれば、コンバータ1の効率特性および力率特性を予め測定しておき、その特性を利用してコンバータ1の出力電力(インバータ2の消費電力)からコンバータ1の入力電力Winを求めることができ、そのコンバータ1の入力電力Winと入力電圧Vinからコンバータ1の入力電流Iinを求めることができる。したがって、装置内の設置スペースが大きくかつコストが高いカレントトランスを用いることなく、簡単な構成でコンバータ1の入力電流Iinを求めることができ、小型化と低コスト化が実現できる。
【0035】
また、上記コンバータ1に接続される負荷(インバータ2,室外ファン3,加湿ファン4)の動作状況を管理する運転管理部5cに保存されている運転情報に基づいて、室外ファン3,加湿ファン4の運転情報に応じた消費電力を予め定めた値より算出することができ、実際に室外ファン3,加湿ファン4の消費電力を計測しなくてもよい。
【0036】
また、上記コンバータ1の負荷となるインバータ2と少なくとも室外ファン3の消費電力をコンバータ1の出力電力とすることによって、コンバータ1に入力される入力電流Iinをより正確に求めることができる。さらに、上記コンバータ1の負荷となる加湿ファン4をコンバータの出力電力も加算することにより、コンバータ1に入力される入力電流Iinをより正確に求めることができる。なお、上記マイコン5の消費電力は、インバータ2,室外ファン3および加湿ファン4の消費電力に比べて極めて少ないので、省略しても問題とならない。また、上記吸湿ファン8にDCファンを用いてコンバータ1の負荷とした場合は、吸湿ファンの消費電力もコンバータの出力電力も加算するのがより好ましい。
【0037】
上記実施の形態では、吸着ファン8にAC(交流)ファンを用いたが、吸着ファンにDC(直流)ファンを用いて、入力電流算出部5bは、加湿ファンと吸湿ファンの両方を、消費電力算出部5aにより求められたインバータの消費電力に加算して、加算された消費電力およびコンバータ1の特性に基づいて、コンバータに入力される入力電流を求めてもよい。
【0038】
また、上記実施の形態では、電圧センサの一例として直列接続された抵抗R1,R2を用い、電流センサの一例として抵抗R3とローパスフィルタを用いた平均化回路6を用いたが、電圧センサおよび電流センサの構成はこれに限らない。しかしながら、小型化と低コスト化を実現するためには抵抗とローパスフィルタを電圧センサおよび電流センサに用いるのが好ましい。
【0039】
また、上記実施の形態では、室内機20と、その室内機20を介して交流電源10から供給される室外機30とを備えた空気調和機について説明したが、空気調和機の構成はこれに限らず、室外側から室内機に交流電源が供給される形態のものにこの発明を適用してもよい。
【0040】
【発明の効果】
以上より明らかなように、請求項1の発明の空気調和機は、コンバータから出力される直流電圧を電圧センサにより検出し、コンバータからインバータに入力される入力電流を電流センサにより検出して、検出された直流電圧と入力電流に基づいて、消費電力算出部によりインバータの消費電力を求めて、その消費電力算出部により求められたインバータの消費電力およびコンバータの特性に基づいて、入力電流算出部によりコンバータに入力される入力電流を求めるものである。
【0041】
したがって、請求項1の発明の空気調和機によれば、商用電源ラインにカレントトランスを実装することなく簡単な構成で入力電流を検出でき、小型化と低コスト化が実現することができる。
【0042】
また、請求項2の発明の空気調和機によれば、請求項1の空気調和機において、上記消費電力算出部により求められたインバータの消費電力および上記コンバータに接続される負荷の動作状況を管理する運転管理部の情報に基づいて、上記入力電流算出部は、コンバータに接続される負荷の消費電力の合計を算出し、算出された消費電力の合計およびコンバータの特性に基づいて、コンバータに入力される入力電流を求めるので、実際にファンやヒータなどの消費電力を計測しないくても、上記運転管理部が持っている運転情報(例えば室外ファンの風量の情報)に応じた消費電力を予め定めた値より算出することができる。
【0043】
また、請求項3の発明の空気調和機によれば、請求項2の空気調和機において、上記コンバータに接続される負荷は、上記インバータと、室外ファンとヒータと加湿ファンおよび吸湿ファンのうちの少なくとも室外ファンであるので、コンバータに入力される入力電流を上記入力電流算出部により正確に求めることができる。
【0044】
また、請求項4の発明の空気調和機によれば、請求項1の空気調和機において、上記入力電流算出部は、上記コンバータの負荷となるインバータの消費電力と少なくとも室外ファンの消費電力の合計をコンバータの出力電力とすることによって、コンバータに入力される入力電流をより正確に求めることができる。
【0045】
また、請求項5の発明の空気調和機によれば、請求項1の空気調和機において、上記入力電流算出部は、上記コンバータの負荷となる加湿ファンまたは吸湿ファンの少なくとも一方の消費電力とインバータの消費電力の合計をコンバータの出力電力とすることによって、コンバータに入力される入力電流をより正確に求めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はこの発明の実施の一形態の空気調和機の概略構成を示すブロック図である。
【図2】図2は上記空気調和機のマイコンの動作を説明するフローチャートである。
【図3】図3は上記空気調和機のコンバータの効率特性および力率特性を示す図である。
【図4】図4は従来の空気調和機の概略構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1…コンバータ、
2…インバータ、
3…室外ファン、
4…加湿ファン、
5…マイコン、
5a…消費電力算出部、
5b…入力電流算出部、
5c…運転管理部、
6…平均化回路、
7…ヒータ、
8…吸湿ファン、
10…交流電源、
20…室内機、
30…室外機、
C…コンデンサ、
R1,R2,R3…抵抗。
Claims (5)
- 交流電圧を直流電圧に変換するコンバータ(1)と、
上記コンバータ(1)により変換された直流電圧を交流電圧に変換するインバータ(2)と、
上記コンバータ(1)から出力される直流電圧を検出する電圧センサ(R1,R2)と、
上記コンバータ(1)から上記インバータ(2)に入力される入力電流を検出する電流センサ(R3,6)と、
上記電圧センサ(R1,R2)により検出された直流電圧および上記電流センサ(R3)により検出された入力電流に基づいて、上記インバータ(2)の消費電力を求める消費電力算出部(5a)と、
上記消費電力算出部(5a)により求められた上記インバータ(2)の消費電力および上記コンバータ(1)の特性に基づいて、上記コンバータ(1)に入力される入力電流を求める入力電流算出部(5b)とを備えたことを特徴とする空気調和機。 - 請求項1に記載の空気調和機において、
上記コンバータ(1)に接続される負荷の動作状況を管理する運転管理部(5c)を備え、
上記入力電流算出部(5b)は、上記消費電力算出部(5a)により求められた上記インバータ(2)の消費電力および上記運転管理部(5c)の情報に基づいて、上記コンバータ(1)に接続される負荷の消費電力の合計を算出し、算出された消費電力の合計および上記コンバータ(1)の特性に基づいて、上記コンバータ(1)に入力される入力電流を求めることを特徴とする空気調和機。 - 請求項2に記載の空気調和機において、
上記コンバータ(1)に接続される負荷は、上記インバータ(2)と、室外ファン(3)とヒータと加湿ファンおよび吸湿ファンのうちの少なくとも上記室外ファン(3)であることを特徴とする空気調和機。 - 請求項1に記載の空気調和機において、
上記入力電流算出部(5b)は、少なくとも室外ファン(3)の消費電力を上記消費電力算出部(5a)により求められた上記インバータ(2)の消費電力に加算して、加算された消費電力および上記コンバータ(1)の特性に基づいて、上記コンバータ(1)に入力される入力電流を求めることを特徴とする空気調和機。 - 請求項1に記載の空気調和機において、
上記入力電流算出部(5b)は、加湿ファン(4)または吸湿ファンの少なくとも一方の消費電力を、上記消費電力算出部(5a)により求められた上記インバータ(2)の消費電力に加算して、加算された消費電力および上記コンバータ(1)の特性に基づいて、上記コンバータ(1)に入力される入力電流を求めることを特徴とする空気調和機。
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