JP2004116400A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、内燃機関の運転状態に与える影響を抑制しつつ排気浄化触媒の劣化を防止することができる技術を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明は、燃料噴射停止条件が成立したときに燃料噴射を停止する内燃機関において、排気浄化触媒の温度が所定温度以上である場合には、燃料噴射停止条件が成立しても燃料噴射弁の作動を停止せずに点火栓の作動を停止させることにより、内燃機関において燃料を燃焼させることなく排気中の酸素濃度を低下させることを特徴としている。
【選択図】 図2
【解決手段】本発明は、燃料噴射停止条件が成立したときに燃料噴射を停止する内燃機関において、排気浄化触媒の温度が所定温度以上である場合には、燃料噴射停止条件が成立しても燃料噴射弁の作動を停止せずに点火栓の作動を停止させることにより、内燃機関において燃料を燃焼させることなく排気中の酸素濃度を低下させることを特徴としている。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車などに搭載される内燃機関に関し、特に内燃機関を制御する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、自動車などに搭載された内燃機関の排気系には、白金(Pt)に代表される貴金属触媒を含有した排気浄化触媒が設けられている。このように貴金属触媒を含有した排気浄化触媒では、高温且つ酸素過剰な雰囲気に曝されると、貴金属触媒がシンタリングを引き起こし易く、それによって排気浄化触媒の浄化能力が劣化し易いという特性を有している。
【0003】
このため、内燃機関が高負荷運転から減速運転へ移行した場合に、内燃機関に対する燃料噴射を停止すべくフューエルカット制御が実行されると、排気浄化触媒が高温且つ酸素過剰な雰囲気に曝されてしまい、排気浄化触媒の浄化能力が劣化する虞があった。
【0004】
このような問題に対し、例えば、内燃機関が減速運転状態にあるときに排気浄化触媒の温度が所定温度以上であると、フューエルカット制御の実行条件が成立しているか否かに関わらず、フューエルカット制御の実行を禁止する技術が提案されている(特許文献1を参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平7−197834号公報
【特許文献2】
特開平10−252527号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前述した従来の技術のように、内燃機関が減速運転状態にあるときに単にフューエルカット制御の実行が禁止されるのみでは、内燃機関において燃料が燃焼してしまうため、内燃機関が不要なトルクを発生することとなり、ドライバビリティが悪化する可能性がある。
【0007】
本発明は、上記したような実情に鑑みてなされたものであり、内燃機関の運転状態に与える影響を抑制しつつ排気浄化触媒の劣化を防止することができる技術を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記したような課題を解決するために以下のような手段を採用した。すなわち、本発明に係る内燃機関の制御装置は、
燃料噴射弁及び点火栓を具備した内燃機関と、
所定の燃料噴射停止条件が成立したときに前記燃料噴射弁の作動を停止する燃料噴射停止手段と、
前記内燃機関の排気系に設けられた排気浄化触媒と、
前記排気浄化触媒の温度が所定温度以上である場合に燃料噴射停止条件が成立すると、燃料噴射弁の作動停止を禁止するとともに点火栓の作動を停止する点火停止手段と、
を備えることを特徴としている。
【0009】
この発明は、燃料噴射停止条件が成立したときに燃料噴射を停止する内燃機関において、排気浄化触媒の温度が所定温度以上である場合には、燃料噴射停止条件が成立しても燃料噴射弁の作動を停止せずに点火栓の作動を停止させることにより、内燃機関において燃料を燃焼させることなく排気中の酸素濃度を低下させることを最大の特徴としている。
【0010】
かかる内燃機関の制御装置では、燃料噴射停止条件が成立したときに排気浄化触媒の温度が所定温度未満であると、点火停止手段は燃料噴射停止手段による燃料噴射停止を許可する。
【0011】
この場合、内燃機関に対する燃料供給が停止されるため、内燃機関から排出される排気は未燃の空気となる。この結果、排気浄化触媒に流入する排気が酸素過剰状態となるが、排気浄化触媒の温度が所定温度未満の低温であるため、排気浄化触媒においてシンタリング等が発生し難い。
【0012】
一方、燃料噴射停止条件が成立したときに排気浄化触媒の温度が所定温度以上の高温であると、点火停止手段は燃料噴射弁の作動停止を禁止すると同時に点火栓の作動を停止させる。
【0013】
この場合、内燃機関に対する燃料供給が継続されると同時に点火栓の作動が停止されるため、空気と燃料とからなる混合気が内燃機関へ供給されるとともに、その混合気が燃焼に供されることなく内燃機関から排出される。
【0014】
この結果、排気浄化触媒に流入する排気は未燃の空気に加えて未燃の燃料をも含む未燃混合気となるため、排気浄化触媒に流入する排気が酸素過剰状態とならず、排気浄化触媒においてシンタリング等の劣化が発生し難くなる。更に、内燃機関へ供給された混合気が燃焼に供されることなく内燃機関から排出されるため、内燃機関が不要なトルクを発生することもない。
【0015】
尚、点火停止手段が点火栓の作動を停止している際に燃料噴射弁から噴射される燃料量は、混合気の空燃比が理論空燃比以下となる量であることが好ましい。これは、混合気中に多少なりとも余剰の酸素が存在すると、その余剰の酸素によって排気浄化触媒におけるシンタリングが誘発される可能性があるからである。
【0016】
本発明に係る内燃機関の制御装置において、内燃機関の吸気系に設けられた吸気絞り弁と、点火停止手段が点火栓の作動を停止しているときに吸気絞り弁の開度を絞る吸気絞り制御手段とを更に備えるようにしてもよい。
【0017】
これは、点火停止手段が燃料噴射停止手段による燃料噴射停止を禁止し且つ点火栓の作動を停止させている時に吸気絞り弁の開度が絞られると、内燃機関の吸入空気量が減少するため、燃料噴射弁から噴射すべき燃料量を少なくすることができるとともに、排気浄化触媒において燃料が酸化する際に発生する熱を最小限に抑えることができるからである。
【0018】
一方、燃料噴射弁が噴射可能な噴射量には概して下限値(最低噴射量)が存在するため、本発明において点火停止手段が燃料噴射弁の作動停止を禁止すると同時に点火栓の作動を停止しているときに、燃料噴射弁に対する要求噴射量が最低噴射量を下回ると、燃料噴射弁が燃料を噴射することが不可能となるため、排気の酸素濃度を低下させることが困難となることが想定される。
【0019】
これに対し、本発明に係る内燃機関の制御装置では、点火停止手段は、(1)内燃機関が有する複数の気筒のうち少なくとも一の気筒の燃料噴射弁の作動停止を許可することにより他の気筒の燃料噴射弁に対する要求噴射量を最低噴射量以上まで増量させる、(2)燃料噴射弁に間引き噴射を行わせる(噴射間隔を間引く)ことにより一回当たりの噴射量を最低噴射量以上まで増量させる、或いは、(3)燃料噴射弁から最低燃料量を噴射させるようにしてもよい。
【0020】
尚、点火停止手段は、少なくとも一の気筒の燃料噴射弁の作動停止を許可することによって他の気筒の燃料噴射弁に対する要求噴射量を最低噴射量以上まで増量させる場合には、燃料噴射弁の作動停止を許可すべき気筒をサイクル毎に変更することが好ましい。
【0021】
これは、燃料噴射弁の作動が停止される気筒と燃料噴射弁の作動が継続される気筒とでは、ボアフラッシング(気筒内の壁面に形成されている油膜が燃料によって洗い流される現象)の度合いやウェット燃料量(吸気ポートや筒内の壁面に付着する燃料量)が異なるため、特定の気筒のみで燃料噴射弁の作動停止が許可されると、点火栓の作動が再開されたとき(内燃機関における燃焼が再開されたとき)に特定気筒と他の気筒との間でフリクションの大きさや燃焼状態が相違してしまうからである。
【0022】
また、本発明に係る内燃機関の制御装置において、点火停止手段は、内燃機関の負荷が第1の負荷以下であるときに限り、燃料噴射弁の作動停止を禁止するとともに点火栓の作動を停止するようにしてもよい。
【0023】
これは、内燃機関の負荷が高いときは吸入空気量が多くなるとともにそれに応じて燃料噴射量が多くなるため、多量の未燃燃料が排気浄化触媒へ供給されることになり、そのような多量の未燃燃料が排気浄化触媒において酸化すると、排気浄化触媒の温度が過剰に昇温してしまうことが想定されるからである。
【0024】
また、本発明に係る内燃機関の制御装置において、点火停止手段は、内燃機関の負荷が第1の負荷より低い第2の負荷を下回っているときは、燃料噴射弁の作動停止を禁止するとともに点火栓の作動を許可するようにしてもよい。すなわち、点火停止手段は、内燃機関の負荷が第1の負荷より低い第2の負荷を下回っているときは、燃料噴射弁及び点火栓を通常通りに作動させるようにしてもよい。
【0025】
これは、内燃機関の負荷が低いときは、吸入空気量が少なく且つ燃料噴射量も少なくなるため、たとえ内燃機関において燃料が燃焼しても内燃機関が発生するトルクが極僅かとなる上、内燃機関の排気が既燃の燃料及び空気を含むガスとなるため、排気浄化触媒において酸化される燃料量が減少して排気浄化触媒の昇温が抑制されるからである。
【0026】
尚、本発明における所定の燃料噴射停止条件としては、例えば、(1)内燃機関が減速運転状態ある、(2)燃料噴射弁に対する要求噴射量が最低噴射量未満である、(3)内燃機関の機関回転数が許容回転数の上限値に達している、(4)内燃機関を搭載した車両の走行速度が許容速度の上限値に達している、(5)内燃機関を搭載した車両の車輪(駆動輪)が空転している等の条件を例示することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
本発明に係る内燃機関の制御装置の具体的な実施態様について図面に基づいて説明する。
【0028】
<実施の形態1>
本発明に係る内燃機関の制御装置の第1の実施の形態について図1〜図3に基づいて説明する。
【0029】
図1は、本発明を適用する内燃機関の概略構成を示す図である。図1に示す内燃機関1は、4つの気筒2を備えた火花点火式の内燃機関(ガソリンエンジン)である。
【0030】
内燃機関1の各気筒2には、点火栓3と燃料噴射弁4とが取り付けられている。点火栓3には、該点火栓3に対して駆動電力を印加するイグナイタ5が取り付けられている。
【0031】
内燃機関1には吸気通路6が取り付けられ、吸気通路6はエアクリーナボックス7に接続されている。吸気通路6の途中にはスロットル弁8が取り付けられ、スロットル弁8には該スロットル弁8を開閉駆動するスロットル用アクチュエータ9が取り付けられている。吸気通路6におけるスロットル弁8より上流の部位にはエアフローメータ10が設けられている。
【0032】
また、内燃機関1には排気通路11が取り付けられ、排気通路11は下流にて図示しないマフラーと接続されている。排気通路11の途中には触媒ケーシング12が設けられている。排気通路11における触媒ケーシング12の直上流の部位には排気温度センサ13が取り付けられている。
【0033】
前記した触媒ケーシング12は、例えば、コージェライトを主成分とするハニカム構造体を内蔵している。前記ハニカム構造体の表面にはアルミナ(Al2O3)やジルコニア(ZrO2)等のコート材からなる担体層が形成され、前記担体層には白金−ロジウム(Pt−Rh)系の貴金属触媒物質が担持されている。
【0034】
このように構成された触媒ケーシングに内燃機関1からの排気が流入すると、排気中の炭化水素(HC)及び一酸化炭素(CO)が水(H2O)や二酸化炭素(CO2)等に酸化されるとともに、排気中の窒素酸化物(NOX)が窒素(N2)に還元される。
【0035】
また、内燃機関1には、該内燃機関1の運転状態を制御するために電子制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit)14が併設されている。ECU14は、CPU、ROM、RAM、バックアップRAMなどからなる算術論理演算回路である。
【0036】
ECU14には、前述したエアフローメータ10や排気温度センサ13などに加え、内燃機関1に取り付けられたクランクポジションセンサ15と、内燃機関1を搭載した車両の室内に設けられたアクセルペダル16の操作量(アクセル開度)を検出するアクセルポジションセンサ17とが電気的に接続され、それら各種センサの出力信号を入力することが可能となっている。
【0037】
更に、ECU14には前述した燃料噴射弁4、イグナイタ5、スロットル用アクチュエータ9などが電気的に接続され、ECU14が燃料噴射弁4、イグナイタ5、スロットル用アクチュエータ9などを制御することが可能となっている。
【0038】
例えば、ECU14は、一定時間毎に実行すべき基本ルーチンにおいて、各種センサの出力信号の入力、機関回転数の演算、燃料噴射量の演算、燃料噴射時期の演算、点火時期の演算、及び目標スロットル開度の演算などを実行する。基本ルーチンにおいてECU14が入力した各種信号やECU14が演算して得られた各種制御値は、該ECU14のRAMに一時的に記憶される。
【0039】
更に、ECU14は、各種のセンサやスイッチからの信号の入力、一定時間の経過、或いはクランクポジションセンサ15からのパルス信号の入力などをトリガとした割り込み処理において、RAMから各種制御値を読み出し、それら制御値に従って燃料噴射弁4、イグナイタ5、及びスロットル用アクチュエータ9を制御する。
【0040】
その際、燃料噴射時期と点火時期は内燃機関1の回転(クランクシャフトの回転)に同期させる必要があるため、ECU14は、クランクポジションセンサ15の出力信号に基づく割り込み処理として、燃料噴射弁4及びイグナイタ5の制御を行う。
【0041】
尚、ECU14は、クランクポジションセンサ15の出力信号に基づく割り込み処理として燃料噴射弁4の制御を行う場合には、先ず燃料噴射停止条件(所謂、フューエルカット実行条件)が成立しているか否かを判別する。
【0042】
フューエルカット実行条件としては、例えば、(1)内燃機関1が減速運転状態ある、(2)ECU14により演算された燃料噴射量が燃料噴射弁4の最低噴射量未満である、(3)内燃機関1の機関回転数が許容回転数の上限値に達している、(4)内燃機関1を搭載した車両の走行速度が許容速度の上限値に達している、(5)内燃機関1を搭載した車両の車輪(駆動輪)が空転している等の条件を例示することができるが、本実施の形態では内燃機関1が減速運転状態にあることを条件にフューエルカットを実行する例について述べる。
【0043】
上記したようなフューエルカット実行条件が成立している場合には、ECU14は、RAMに記憶されている燃料噴射量に関わらず燃料噴射弁4の開弁を禁止する。
【0044】
一方、上記したようなフューエルカット実行条件が不成立である場合には、ECU14は、RAMに記憶されている燃料噴射量及び燃料噴射時期を読み出し、それら燃料噴射量及び燃料噴射時期に従って燃料噴射弁4を開弁させる。
【0045】
ところで、内燃機関1のフューエルカットが実行された場合には、内燃機関1へ吸入された空気が燃焼に供されることなくそのまま内燃機関1から排出されるため、内燃機関1の排気が酸素過剰状態となる。
【0046】
その際、触媒ケーシング12内が高温(例えば、800℃以上)であると、触媒ケーシング12内の貴金属触媒が高温且つ酸素過剰な雰囲気に曝されるため、貴金属触媒のシンタリングが発生し易くなり、触媒ケーシング12の浄化能力が劣化する虞がある。
【0047】
これに対し、触媒ケーシング12内が高温である場合はフューエルカットの実行を禁止することにより排気の酸素濃度を低下させ、以て触媒ケーシング12における貴金属触媒のシンタリングを抑制する方法が考えられる。
【0048】
しかしながら、フューエルカットの実行が禁止された場合には、内燃機関1に供給された燃料と空気との混合気が燃焼に供されることになるため、内燃機関1が不要なトルクを発生することになる。特に、減速運転状態にあるときに内燃機関1がトルクを発生すると、エンジンブレーキ力が低下してしまい、車両の減速感が損なわれることが想定される。
【0049】
そこで、本実施の形態に係る内燃機関の制御装置では、フューエルカット実行条件が成立した際に触媒ケーシング12内の温度が所定温度以上であると、フューエルカットの実行を禁止すると同時に点火栓3の作動を停止するようにした。
【0050】
この場合、内燃機関1に供給された燃料と空気との混合気が燃焼に供されることなく内燃機関1から排出されるため、内燃機関1に不要なトルクを発生させることなく排気中の酸素濃度を低下させることが可能となる。
【0051】
尚、上記した混合気は、空気過剰率が“1”以下となる混合気(空燃比が理論空燃比以下となる混合気)であることが好ましい。これは、空気過剰率が“1”より高い場合は混合気中に含まれる余剰の酸素によって貴金属触媒のシンタリングが誘発される可能性があるからである。
【0052】
但し、フューエルカットの実行禁止による燃料消費率の悪化を最小限に抑えることを考慮すると、前記した混合気の空気過剰率は“1”であることが好ましいと言える。
【0053】
以下、本実施の形態におけるフューエルカット制御について図2に沿って説明する。
【0054】
図2は、フューエルカット制御ルーチンを示すフローチャート図である。フューエルカット制御ルーチンは、クランクポジションセンサ15の出力信号に基づく割り込み処理として実行されるルーチンである。
【0055】
フューエルカット制御ルーチンでは、ECU14は、先ずS201においてフューエルカット実行条件が成立しているか否か、すなわち内燃機関1が減速運転状態にあるか否かを判別する。
【0056】
内燃機関1が減速運転状態にあるか否かを判別する方法としては、例えば、アクセルポジションセンサ17の出力信号(アクセル開度)が全閉を示す値であり、且つ機関回転数が所定回転数以上であることを条件に内燃機関1が減速運転状態にあると判定する方法を例示することができる。
【0057】
前記S201においてフューエルカット実行条件が不成立であると判定された場合は、ECU14は、S208へ進み、通常通りの制御を実行する。すなわち、ECU14は、RAMに記憶されている燃料噴射量、燃料噴射時期、及び点火時期に従って、燃料噴射弁4とイグナイタ5とを制御する。
【0058】
一方、前記S201においてフューエルカット実行条件が成立していると判定された場合は、ECU14は、S202へ進み、触媒ケーシング12内の温度(触媒温度)が所定温度以上であるか否かを判別する。
【0059】
尚、触媒ケーシング12内の温度は、内燃機関1の運転履歴(吸入空気量又は燃料噴射量の積算値)から推定されるようにしてもよく、或いは、触媒ケーシング12に流入する排気の温度や触媒ケーシング12から流出する排気の温度により代用されるようにしてもい。本実施の形態では排気温度センサ13の出力信号(触媒ケーシング12に流入する排気の温度)を触媒ケーシング12内の温度として用いることができる。
【0060】
前記S202において触媒ケーシング12内の温度が所定温度未満であると判定された場合は、ECU14は、S207へ進み、燃料噴射弁4の作動を停止させることによってフューエルカットを実現する。
【0061】
また、前記S202において触媒ケーシング12内の温度が所定温度以上であると判定された場合は、ECU14は、S203へ進み、エアフローメータ10の出力信号(吸入空気量):Gaを読み込む。
【0062】
S204では、ECU14は、前記吸入空気量:Gaに基づいて燃料噴射量:TAUを決定する。具体的には、ECU14は、吸入空気量:Gaと燃料噴射量:TAUとの比が理論空燃比と一致するように燃料噴射量:TAUを決定する。
【0063】
S205では、ECU14は、前記S204で決定された燃料噴射量:TAUに従って燃料噴射弁4を開弁させる。
【0064】
尚、前記した燃料噴射量:TAUが燃料噴射弁4の最低噴射量:TAUminを下回っている場合には燃料噴射弁4が燃料を噴射することが不可能となるため、そのような場合には、ECU14は、(1)少なくとも1つの気筒2の燃料噴射を禁止することにより残りの気筒2の燃料噴射量:TAUを最低噴射量:TAUmin以上とする、(2)間引き噴射(例えば、1サイクル毎に1回行われる燃料噴射を、2サイクル毎に1回行われるようにする)を行わせることにより個々の燃料噴射弁4が1回に噴射する燃料量を最低噴射量:TAUmin以上とする、或いは、(3)燃料噴射量:TAUを最低噴射量:TAUminに固定する、等の方法を採用することにより、燃料噴射弁4が確実に燃料を噴射することができるようにすることが好ましい。
【0065】
但し、少なくとも1つの気筒2の燃料噴射を禁止することにより残りの気筒2の燃料噴射量:TAUを最低噴射量:TAUmin以上とする方法においては、ECU14は、燃料噴射を禁止すべき気筒2を1サイクル毎に変更することが好ましい。
【0066】
これは、燃料噴射弁4の作動が禁止された気筒2と燃料噴射弁4の作動が許可された気筒2とでは、ボアフラッシングの度合いやウェット燃料量が異なるため、特定の気筒2のみで燃料噴射弁4の作動が禁止されると、点火栓3の作動が再開されたときに特定気筒2と他の気筒2との間でフリクションの大きさや燃焼状態が相違してしまい、トルク変動などが誘発されることが想定されるからである。
【0067】
このようにしてS205の処理を実行し終えたECU14は、S206へ進み、点火栓3の作動を停止すべくイグナイタ5を制御する。
【0068】
このようにECU14がフューエルカット制御ルーチンを実行すると、触媒ケーシング12内の温度が所定温度以上である状況下でフューエルカット実行条件が成立した場合には、図3に示されるように、フューエルカットの実行が禁止されると同時に点火栓3の作動が停止されるため、内燃機関1に供給された理論空燃比の混合気が燃焼に供されることなく内燃機関1から排出されることになる。
【0069】
この場合、内燃機関1が不要なトルクを発生することがなくなると同時に、触媒ケーシング12へ流入する排気の空気過剰率:λが“1”に保たれるようになる。
【0070】
この結果、内燃機関1のドライバビリティの悪化を防止しつつ触媒ケーシング12の劣化を抑制することが可能となる。
【0071】
<実施の形態2>
本発明に係る内燃機関の制御装置の第2の実施の形態について図4〜図5に基づいて説明する。ここでは前述した第1の実施の形態と異なる構成について説明し、同様の構成については説明を省略するものとする。
【0072】
本実施の形態と前述した第1の実施の形態との相違点は、前述した第1の実施の形態におけるフューエルカット制御ではフューエルカット実行禁止時にスロットル弁8の開度を制御していないのに対し、本実施の形態におけるフューエルカット制御ではフューエルカット実行禁止時にスロットル弁8の開度を絞る点にある。
【0073】
この場合、ECU14は、フューエルカット制御を実行する際に、図4に示すようなフューエルカット制御ルーチンを実行することになる。このフューエルカット制御ルーチンは、前述した第1の実施の形態と同様にクランクポジションセンサ15の出力信号に基づく割り込み処理として実行されるルーチンであり、予めECU14のROMに記憶されているルーチンである。
【0074】
フューエルカット制御ルーチンでは、ECU14は、先ずS401においてフューエルカット実行条件が成立しているか否かを判別する。
【0075】
前記S401においてフューエルカット実行条件が成立していないと判定された場合は、ECU14は、S409へ進み、通常の燃料噴射制御を実行して本ルーチンの実行を終了する。
【0076】
前記S401においてフューエルカット実行条件が成立していると判定された場合は、ECU14は、S402へ進み、排気温度センサ13の出力信号に基づいて触媒ケーシング12内の温度(触媒温度)が所定温度以上であるか否かを判別する。
【0077】
前記S402において触媒ケーシング12内の温度が所定温度未満であると判定された場合は、ECU14は、S408へ進み、燃料噴射弁4の作動を停止させることにより、フューエルカットを実現する。
【0078】
一方、前記S402において触媒ケーシング12内の温度が所定温度以上であると判定された場合は、ECU14は、S403へ進み、RAMに記憶されている目標スロットル開度:TAを読み出し、その目標スロットル開度:TAから所定量:dを減算して得られる値(=TA−d)を新たな目標スロットル開度:TAとしてRAMに記憶させる。
【0079】
この場合、スロットル弁8の開度が前記S403で設定された目標スロットル開度:TAに従って制御されることになるため、スロットル弁8の開度が通常時より絞られることとなる。
【0080】
次いで、ECU14は、S404〜S407において、フューエルカットの実行を禁止し且つ点火栓3の作動を停止すべく燃料噴射弁4及びイグナイタ5を制御する。
【0081】
このようにECU14がフューエルカット制御ルーチンを実行すると、触媒ケーシング12内の温度が所定温度以上である状況下でフューエルカット実行条件が成立した場合には、図5に示されるように、フューエルカットの実行が禁止され且つ点火栓3の作動が停止されるため、内燃機関1に供給された理論空燃比の混合気が燃焼に供されることなく内燃機関1から排出されることになる。
【0082】
この場合、内燃機関1が不要なトルクを発生することがなくなると同時に、触媒ケーシング12へ流入する排気の空気過剰率:λが“1”に保たれるようになる。
【0083】
この結果、内燃機関1のドライバビリティの悪化を防止しつつ触媒ケーシング12の劣化を抑制することが可能となる。
【0084】
更に、フューエルカットの実行が禁止され且つ点火栓3の作動が停止される際には、スロットル弁8の開度が通常のフューエルカット実行時より絞られるため、内燃機関1の吸入空気量:Gaが減少し、それに応じて燃料噴射量も減少することとなる。
【0085】
この結果、フューエルカット実行禁止に伴う燃料消費量の増加を最小限に抑制することが可能となる。
【0086】
従って、本実施の形態に係る内燃機関の制御装置によれば、触媒ケーシング12内の温度が所定温度以上である状況下でフューエルカット実行条件が成立した場合に、内燃機関1に不要なトルクを発生させることなく触媒ケーシング12の劣化を抑制することが可能になると同時に、燃料消費率の悪化を最小限に抑制することも可能となる。
【0087】
また、触媒ケーシング12へ供給される未燃燃料は貴金属触媒の作用によって酸化(燃焼)し、その際に発生する熱によって触媒ケーシング12が少なからず昇温することになるが、燃料噴射量の減量によって触媒ケーシング12へ供給される未燃燃料の絶対量が少なくなると、触媒ケーシング12において未燃燃料が酸化する際に発生する熱量が少なくなり、触媒ケーシング12の昇温を抑制することも可能となる。
【0088】
<実施の形態3>
本発明に係る内燃機関の制御装置の第3の実施の形態について図6に基づいて説明する。ここでは前述した第1の実施の形態と異なる構成について説明し、同様の構成については説明を省略するものとする。
【0089】
本実施の形態と前述した第1の実施の形態との相違点は、前述した第1の実施の形態におけるフューエルカット制御では触媒ケーシング12内の温度が所定温度以上である場合には内燃機関1の負荷にかかわらずフューエルカットの実行を禁止するのに対し、本実施の形態におけるフューエルカット制御では触媒ケーシング12内の温度が所定温度以上であっても内燃機関1の負荷が高い場合にはフューエルカットの実行を許可する点にある。
【0090】
これは、内燃機関1が負荷が高い場合、すなわち機関回転数が高く且つスロットル弁8の開度が大きい場合は、内燃機関1の吸入空気量:Ga及び燃料噴射量:TAUが多くなるため、そのような状況下でフューエルカットの実行が禁止され且つ点火栓3の作動が停止されると、多量の未燃燃料と未燃空気とが触媒ケーシング12へ供給されるため、触媒ケーシング12の過剰な昇温を招くことが想定されるからである。
【0091】
以下、本実施の形態に係るフューエルカット制御について図6に基づいて説明する。
【0092】
図6は、本実施の形態におけるフューエルカット制御ルーチンを示すフローチャート図である。このフューエルカット制御ルーチンは、前述した第1の実施の形態と同様にクランクポジションセンサ15の出力信号に基づく割り込み処理として実行されるルーチンであり、予めECU14のROMに記憶されているルーチンである。
【0093】
フューエルカット制御ルーチンでは、ECU14は、先ずS601においてフューエルカット実行条件が成立しているか否かを判別する。
【0094】
前記S601においてフューエルカット実行条件が成立していないと判定された場合は、ECU14は、S609へ進み、通常の燃料噴射制御を実行して本ルーチンの実行を終了する。
【0095】
前記S601においてフューエルカット実行条件が成立していると判定された場合は、ECU14は、S602へ進み、排気温度センサ13の出力信号に基づいて触媒ケーシング12内の温度(触媒温度)が所定温度以上であるか否かを判別する。
【0096】
前記S602において触媒ケーシング12内の温度が所定温度未満であると判定された場合は、ECU14は、S608へ進み、燃料噴射弁4の作動を停止させることにより、フューエルカットを実現する。
【0097】
一方、前記S602において触媒ケーシング12内の温度が所定温度以上であると判定された場合は、ECU14は、S603において、エアフローメータ10の出力信号(吸入空気量):Gaと機関回転数とをRAMから読み出し、それら吸入空気量:Gaと機関回転数とをパラメータとして求められる機関負荷が所定負荷:L1未満であるか否かを判別する。
前記S603において機関負荷が所定負荷:L1未満であると判定された場合は、ECU14は、S604〜S607において、フューエルカットの実行を禁止し且つ点火栓3の作動を停止すべく燃料噴射弁4及びイグナイタ5を制御する。
【0098】
一方、前記S603において、機関負荷が所定負荷:L1以上であると判定された場合には、ECU14は、S608へ進み、燃料噴射弁4の作動を停止させることによりフューエルカットを実行する。
【0099】
この場合、内燃機関1から多量の未燃燃料と未燃空気が排出されることがなくなるため、触媒ケーシング12において未燃燃料が酸化することがなく、その結果、触媒ケーシング12内の温度が過剰に昇温することもない。
【0100】
このようにECU14がフューエルカット制御ルーチンを実行することにより、前述した第1の実施の形態と同様の効果を得ることが可能になるとともに、触媒ケーシング12内の過剰な昇温を防止することも可能となる。
【0101】
従って、本実施の形態に係る内燃機関の制御装置によれば、触媒ケーシング12内の温度が高い状況下でフューエルカット実行条件が成立した場合に、内燃機関1のドライバビリティを悪化させることなく、触媒ケーシング12内における貴金属触媒のシンタリングの発生と熱劣化とを防止することが可能となる。
【0102】
<実施の形態4>
本発明に係る内燃機関の制御装置の第4の実施の形態について図7に基づいて説明する。ここでは前述した第1の実施の形態と異なる構成について説明し、同様の構成については説明を省略するものとする。
【0103】
本実施の形態と前述した第1の実施の形態との相違点は、前述した第1の実施の形態におけるフューエルカット制御では触媒ケーシング12内の温度が所定温度以上である場合には内燃機関1の負荷にかかわらずフューエルカットの実行を禁止するのに対し、本実施の形態におけるフューエルカット制御では触媒ケーシング12内の温度が所定温度以上であり且つ内燃機関1の負荷が低い場合には、フューエルカットの実行を禁止し且つ点火栓3の作動を許可する点にある。
【0104】
フューエルカット実行条件成立時にフューエルカットの実行が禁止され且つ点火栓3の作動が停止されると、未燃の燃料と未燃の空気とが触媒ケーシング12へ供給されるため、触媒ケーシング12内の空気過剰率:λを低く抑えることが可能となるが、未燃燃料が触媒ケーシング12内で酸化(燃焼)して触媒ケーシング12内の温度が少なからず上昇することとなる。
【0105】
一方、フューエルカット実行条件成立時にフューエルカットの実行が禁止され且つ点火栓3の作動が許可されると、内燃機関1において混合気が燃焼することになるため、内燃機関1の排気が既燃の混合気となる。既燃の混合気中に残存する未燃の燃料及び未燃の空気は僅かであるため、そのような既燃混合気が触媒ケーシング12へ流入しても触媒ケーシング12内の温度上昇量は少なくなる。
【0106】
しかしながら、フューエルカットの実行が禁止され且つ点火栓3の作動が許可された場合には、内燃機関1において混合気が燃焼されるため、内燃機関1が不要なトルクを発生することとなる。
【0107】
但し、内燃機関1の負荷が低い場合、言い換えればスロットル弁8の開度が小さく且つ機関回転数が低い場合には、内燃機関1の吸入空気量:Ga及び燃料噴射量:TAUが少なくなるため、内燃機関1で燃焼される混合気の量も僅かとなる。この場合、内燃機関1が発生するトルクも僅かとなるため、ドライバビリティが悪化し難いと言える。
【0108】
従って、内燃機関1の負荷が低い時にフューエルカットの実行が禁止され且つ点火栓3の作動が許可されると、触媒ケーシング12内を酸素過剰状態にすることなく、ドライバビリティの悪化と触媒ケーシング12内の昇温とを防止することが可能になる。
【0109】
以下、本実施の形態に係るフューエルカット制御について図7に基づいて説明する。
【0110】
図7は、本実施の形態におけるフューエルカット制御ルーチンを示すフローチャート図である。このフューエルカット制御ルーチンは、前述した第1の実施の形態と同様にクランクポジションセンサ15の出力信号に基づく割り込み処理として実行されるルーチンであり、予めECU14のROMに記憶されているルーチンである。
【0111】
フューエルカット制御ルーチンでは、ECU14は、先ずS701においてフューエルカット実行条件が成立しているか否かを判別する。
【0112】
前記S701においてフューエルカット実行条件が成立していないと判定された場合は、ECU14は、S710へ進み、通常の燃料噴射制御を実行して本ルーチンの実行を終了する。
【0113】
前記S701においてフューエルカット実行条件が成立していると判定された場合は、ECU14は、S702へ進み、排気温度センサ13の出力信号に基づいて触媒ケーシング12内の温度(触媒温度)が所定温度以上であるか否かを判別する。
【0114】
前記S702において触媒ケーシング12内の温度が所定温度未満であると判定された場合は、ECU14は、S709へ進み、燃料噴射弁4の作動を停止させることにより、フューエルカットを実現する。
【0115】
一方、前記S702において触媒ケーシング12内の温度が所定温度以上であると判定された場合は、ECU14は、S703において、エアフローメータ10の出力信号(吸入空気量):Gaを読み込む。
【0116】
S704では、ECU14は、前記吸入空気量:Gaに基づいて燃料噴射量:TAUを決定する。具体的には、ECU14は、吸入空気量:Gaと燃料噴射量:TAUとの比が理論空燃比と一致するように燃料噴射量:TAUを決定する。
【0117】
S705では、ECU14は、前記S704で決定された燃料噴射量:TAUに従って燃料噴射弁4を開弁させる。
【0118】
S706では、ECU14は、吸入空気量:Gaと機関回転数とをパラメータとして求められる機関負荷が所定負荷:L2以上であるか否かを判別する。
【0119】
前記S706において機関負荷が所定負荷:L2以上であると判定された場合は、ECU14は、S707において、点火栓3の作動を停止すべくイグナイタ5を制御する。
【0120】
この場合、理論空燃比の混合気が内燃機関1へ供給され、その混合気が燃焼に供されることなく触媒ケーシング12へ供給される。
【0121】
この結果、内燃機関1が不要なトルクを発生することなく、触媒ケーシング12内の空気過剰率:λを“1”とすることができ、以て内燃機関1のドライバビリティを悪化させることなく、触媒ケーシング12における貴金属触媒のシンタリングを防止することが可能となる。
【0122】
一方、前記S706において、機関負荷が所定負荷:L2未満であると判定された場合には、ECU14は、S708へ進み、点火栓3の作動を許可する。
【0123】
この場合、理論空燃比の混合気が内燃機関1へ供給され、その混合気が燃焼に供された後に触媒ケーシング12へ供給される。すなわち、既燃の混合気が触媒ケーシング12へ供給されることになる。
【0124】
この結果、触媒ケーシング12内の空気過剰率:λを“1”とすることができるとともに、触媒ケーシング12内で酸化される未燃燃料を減少させることができ、以て触媒ケーシング12における貴金属触媒のシンタリングを抑制しつつ触媒ケーシング12内の温度上昇を抑制することができる。
【0125】
更に、理論空燃比の混合気が内燃機関1において燃焼されるため、内燃機関1がトルクを発生することになるが、混合気の量が少量となるため、内燃機関1が発生するトルクも僅かとなり、ドライバビリティの悪化を最小限に抑えることが可能となる。
【0126】
このようにECU14がフューエルカット制御ルーチンを実行することにより、前述した第1の実施の形態と同様の効果を得ることが可能になるとともに、触媒ケーシング12内の温度上昇を抑制することも可能となる。
【0127】
<実施の形態5>
本発明に係る内燃機関の制御装置の第5の実施の形態について図8〜図9に基づいて説明する。ここでは前述した第1の実施の形態と異なる構成について説明し、同様の構成については説明を省略するものとする。
【0128】
本実施の形態と前述した第1の実施の形態との相違点は、前述した第1の実施の形態ではフューエルカットの実行を禁止する際に吸入空気量:Gaに基づいて燃料噴射量:TAUを制御する例について述べたが、本実施の形態ではフューエルカットの実行を禁止する際に吸入空気量:Gaに基づいて燃料噴射量:TAUを制御するとともに触媒ケーシング12から流出する排気の酸素濃度に基づいて燃料噴射量:TAUをフィードバック制御する点にある。
【0129】
この場合、図8に示すように、内燃機関1の排気通路11における触媒ケーシング12より下流の部位に酸素濃度センサ(O2センサ)18が設けられている。
【0130】
ECU14は、触媒ケーシング12内の温度が所定温度以上である状況下でフューエルカット実行条件が成立した場合には、吸入空気量:Gaに対する燃料噴射量:TAUが理論空燃比となるように燃料噴射量:TAUを演算し、その燃料噴射量:TAUに基づいて燃料噴射弁4を開弁させると同時に点火栓3の作動を停止させる。
【0131】
続いて、ECU14は、酸素濃度センサ18の出力信号、つまり、触媒ケーシング12から流出した排気の酸素濃度を読み込み、その酸素濃度に基づいて燃料噴射量:TAUをフィードバック制御する。
【0132】
具体的には、ECU14は、酸素濃度センサ18の出力信号(酸素濃度)が理論空燃比相当の酸素濃度より高いか否かを判別する。ここで理論空燃比相当の酸素濃度とは、触媒ケーシング12へ流入するガスが理論空燃比の未燃混合気であった時に該触媒ケーシング12から流出する排気の酸素濃度に相当する酸素濃度である。
【0133】
ECU14は、酸素濃度センサ18の出力信号が理論空燃比相当の酸素濃度より高い場合には燃料噴射量:TAUを増量補正し、酸素濃度センサ18の出力信号が理論空燃比相当の酸素濃度より低い場合には燃料噴射量:TAUを減量補正する。
【0134】
このようなフィードバックが実行されると、触媒ケーシング12へ流入する未燃混合気の空燃比を正確に理論空燃比とすることが可能となるため、触媒ケーシング12内の空気過剰率:λが正確に“1”に収束するようになる。
【0135】
この結果、触媒ケーシング12内が酸素過剰状態となることがなくなるとともに、触媒ケーシング12内において燃料が過剰に酸化することもなくなり、以て触媒ケーシング12における貴金属触媒のシンタリングを確実に防止しつつ触媒ケーシング12内温度の過剰な上昇を防止することが可能となる。
【0136】
以下、本実施の形態におけるフューエルカット制御について図9に沿って説明する。
【0137】
図9は、フューエルカット制御ルーチンを示すフローチャート図である。フューエルカット制御ルーチンは、前述した第1の実施の形態と同様にクランクポジションセンサ15の出力信号に基づく割り込み処理として実行されるルーチンである。
【0138】
フューエルカット制御ルーチンでは、ECU14は、先ずS901においてフューエルカット実行条件が成立しているかを判別する。
【0139】
前記S901においてフューエルカット実行条件が不成立であると判定された場合は、ECU14は、S913へ進み、通常通りの制御を実行する。
【0140】
一方、前記S901においてフューエルカット実行条件が成立していると判定された場合は、ECU14は、S902へ進み、排気温度センサ13の出力信号に基づいて触媒ケーシング12内の温度(触媒温度)が所定温度以上であるか否かを判別する。
【0141】
前記S902において触媒ケーシング12内の温度が所定温度未満であると判定された場合は、ECU14は、S912へ進み、燃料噴射弁4の作動を停止させることによりフューエルカットを実現する。
【0142】
また、前記S902において触媒ケーシング12内の温度が所定温度以上であると判定された場合は、ECU14は、S903へ進み、エアフローメータ10の出力信号(吸入空気量):Gaを読み込む。
【0143】
S904では、ECU14は、前記吸入空気量:Gaに対する燃料噴射量:TAUが理論空燃比と一致するように燃料噴射量:TAUを決定する。
【0144】
S905では、ECU14は、前記S904で決定された燃料噴射量:TAUに従って燃料噴射弁4を開弁させる。
【0145】
S906では、ECU14は、点火栓3の作動を停止すべくイグナイタ5を制御する。
【0146】
この場合、内燃機関1へ供給された燃料と空気とが混合気を形成し、その混合気が燃焼に供されることなく未燃のまま触媒ケーシング12へ供給されることになる。
【0147】
S907では、ECU14は、酸素濃度センサ18の出力信号(酸素濃度):Oxを読み込む。すなわち、ECU14は、内燃機関1から排出された未燃混合気が触媒ケーシング12を通過した後の酸素濃度:Oxを読み込む。
【0148】
S908では、ECU14は、前記S907で読み込まれた酸素濃度:Oxが理論空燃比相当の酸素濃度:Oxsより低いか否かを判別する。
【0149】
前記S908において前記酸素濃度:Oxが理論空燃比相当の酸素濃度:Oxsより低いと判定された場合は、ECU14は、S909へ進み、燃料噴射量:TAUを減量補正する。
【0150】
一方、前記S908において前記酸素濃度:Oxが理論空燃比相当の酸素濃度:Oxs以上であると判定された場合は、ECU14は、S910へ進み、前記酸素濃度:Oxが理論空燃比相当の酸素濃度:Oxsより高いか否かを判別する。
【0151】
前記S910において前記酸素濃度:Oxが理論空燃比相当の酸素濃度:Oxsより高いと判定された場合は、ECU14は、S911へ進み、燃料噴射量:TAUを増量補正する。
【0152】
また、前記S910において前記酸素濃度:Oxが理論空燃比相当の酸素濃度:Oxsより高くないと判定された場合は、ECU14は、前記酸素濃度:Oxが理論空燃比相当の酸素濃度:Oxsと等しいとみなし、本ルーチンの実行を終了する。
【0153】
このようにECU14がフューエルカット制御ルーチンを実行すると、前述した第1の実施の形態と同様の効果を得ることが可能となる上、触媒ケーシング12へ流入する未燃混合気の空燃比を正確に理論空燃比とすることが可能となるため、触媒ケーシング12内の空気過剰率:λが正確に“1”に収束するようになる。
【0154】
この結果、触媒ケーシング12内が酸素過剰状態となることがなくなるとともに、触媒ケーシング12内において燃料が過剰に酸化することもなくなり、以て触媒ケーシング12における貴金属触媒のシンタリングを確実に防止しつつ触媒ケーシング12内温度の過剰な上昇を防止することが可能となる。
【0155】
尚、触媒ケーシング12より下流の排気通路11に酸素濃度センサ18が設けられていない内燃機関1では、ECU14は、混合気の空燃比が理論空燃比より低くなるように、燃料噴射量:TAUを予め増量補正しておくようにしてもよい。これは、燃料噴射弁4の初期交差や経時変化などにより、燃料噴射弁4から実際に噴射される燃料量にばらつきが発生した場合であっても、触媒ケーシング12へ供給される未燃混合気の空燃比を確実に理論空燃比以下とするためである。
【0156】
【発明の効果】
本発明によれば、排気浄化触媒の温度が所定温度以上である状況下で燃料噴射停止条件が成立した場合には、燃料噴射弁の作動を停止せずに点火栓の作動を停止させるため、内燃機関が不要なトルクを発生することなく排気中の酸素濃度を低下させることが可能となる。
【0157】
この結果、内燃機関の運転状態に影響を与えることなく、排気浄化触媒の劣化を防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用する内燃機関の概略構成を示す図
【図2】第1の実施の形態におけるフューエルカット制御ルーチンを示すフローチャート図
【図3】第1の実施の形態におけるフューエルカット制御方法を示すタイミングチャート図
【図4】第2の実施の形態におけるフューエルカット制御ルーチンを示すフローチャート図
【図5】第2の実施の形態におけるフューエルカット制御方法を示すタイミングチャート図
【図6】第3の実施の形態におけるフューエルカット制御ルーチンを示すフローチャート図
【図7】第4の実施の形態におけるフューエルカット制御ルーチンを示すフローチャート図
【図8】第5の実施の形態における内燃機関の概略構成を示す図
【図9】第5の実施の形態におけるフューエルカット制御ルーチンを示すフローチャート図
【符号の説明】
1・・・内燃機関
2・・・気筒
3・・・点火栓
4・・・燃料噴射弁
5・・・イグナイタ
6・・・吸気通路
8・・・スロットル弁
12・・触媒ケーシング
13・・排気温度センサ
14・・ECU
18・・酸素濃度センサ
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車などに搭載される内燃機関に関し、特に内燃機関を制御する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、自動車などに搭載された内燃機関の排気系には、白金(Pt)に代表される貴金属触媒を含有した排気浄化触媒が設けられている。このように貴金属触媒を含有した排気浄化触媒では、高温且つ酸素過剰な雰囲気に曝されると、貴金属触媒がシンタリングを引き起こし易く、それによって排気浄化触媒の浄化能力が劣化し易いという特性を有している。
【0003】
このため、内燃機関が高負荷運転から減速運転へ移行した場合に、内燃機関に対する燃料噴射を停止すべくフューエルカット制御が実行されると、排気浄化触媒が高温且つ酸素過剰な雰囲気に曝されてしまい、排気浄化触媒の浄化能力が劣化する虞があった。
【0004】
このような問題に対し、例えば、内燃機関が減速運転状態にあるときに排気浄化触媒の温度が所定温度以上であると、フューエルカット制御の実行条件が成立しているか否かに関わらず、フューエルカット制御の実行を禁止する技術が提案されている(特許文献1を参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平7−197834号公報
【特許文献2】
特開平10−252527号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前述した従来の技術のように、内燃機関が減速運転状態にあるときに単にフューエルカット制御の実行が禁止されるのみでは、内燃機関において燃料が燃焼してしまうため、内燃機関が不要なトルクを発生することとなり、ドライバビリティが悪化する可能性がある。
【0007】
本発明は、上記したような実情に鑑みてなされたものであり、内燃機関の運転状態に与える影響を抑制しつつ排気浄化触媒の劣化を防止することができる技術を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記したような課題を解決するために以下のような手段を採用した。すなわち、本発明に係る内燃機関の制御装置は、
燃料噴射弁及び点火栓を具備した内燃機関と、
所定の燃料噴射停止条件が成立したときに前記燃料噴射弁の作動を停止する燃料噴射停止手段と、
前記内燃機関の排気系に設けられた排気浄化触媒と、
前記排気浄化触媒の温度が所定温度以上である場合に燃料噴射停止条件が成立すると、燃料噴射弁の作動停止を禁止するとともに点火栓の作動を停止する点火停止手段と、
を備えることを特徴としている。
【0009】
この発明は、燃料噴射停止条件が成立したときに燃料噴射を停止する内燃機関において、排気浄化触媒の温度が所定温度以上である場合には、燃料噴射停止条件が成立しても燃料噴射弁の作動を停止せずに点火栓の作動を停止させることにより、内燃機関において燃料を燃焼させることなく排気中の酸素濃度を低下させることを最大の特徴としている。
【0010】
かかる内燃機関の制御装置では、燃料噴射停止条件が成立したときに排気浄化触媒の温度が所定温度未満であると、点火停止手段は燃料噴射停止手段による燃料噴射停止を許可する。
【0011】
この場合、内燃機関に対する燃料供給が停止されるため、内燃機関から排出される排気は未燃の空気となる。この結果、排気浄化触媒に流入する排気が酸素過剰状態となるが、排気浄化触媒の温度が所定温度未満の低温であるため、排気浄化触媒においてシンタリング等が発生し難い。
【0012】
一方、燃料噴射停止条件が成立したときに排気浄化触媒の温度が所定温度以上の高温であると、点火停止手段は燃料噴射弁の作動停止を禁止すると同時に点火栓の作動を停止させる。
【0013】
この場合、内燃機関に対する燃料供給が継続されると同時に点火栓の作動が停止されるため、空気と燃料とからなる混合気が内燃機関へ供給されるとともに、その混合気が燃焼に供されることなく内燃機関から排出される。
【0014】
この結果、排気浄化触媒に流入する排気は未燃の空気に加えて未燃の燃料をも含む未燃混合気となるため、排気浄化触媒に流入する排気が酸素過剰状態とならず、排気浄化触媒においてシンタリング等の劣化が発生し難くなる。更に、内燃機関へ供給された混合気が燃焼に供されることなく内燃機関から排出されるため、内燃機関が不要なトルクを発生することもない。
【0015】
尚、点火停止手段が点火栓の作動を停止している際に燃料噴射弁から噴射される燃料量は、混合気の空燃比が理論空燃比以下となる量であることが好ましい。これは、混合気中に多少なりとも余剰の酸素が存在すると、その余剰の酸素によって排気浄化触媒におけるシンタリングが誘発される可能性があるからである。
【0016】
本発明に係る内燃機関の制御装置において、内燃機関の吸気系に設けられた吸気絞り弁と、点火停止手段が点火栓の作動を停止しているときに吸気絞り弁の開度を絞る吸気絞り制御手段とを更に備えるようにしてもよい。
【0017】
これは、点火停止手段が燃料噴射停止手段による燃料噴射停止を禁止し且つ点火栓の作動を停止させている時に吸気絞り弁の開度が絞られると、内燃機関の吸入空気量が減少するため、燃料噴射弁から噴射すべき燃料量を少なくすることができるとともに、排気浄化触媒において燃料が酸化する際に発生する熱を最小限に抑えることができるからである。
【0018】
一方、燃料噴射弁が噴射可能な噴射量には概して下限値(最低噴射量)が存在するため、本発明において点火停止手段が燃料噴射弁の作動停止を禁止すると同時に点火栓の作動を停止しているときに、燃料噴射弁に対する要求噴射量が最低噴射量を下回ると、燃料噴射弁が燃料を噴射することが不可能となるため、排気の酸素濃度を低下させることが困難となることが想定される。
【0019】
これに対し、本発明に係る内燃機関の制御装置では、点火停止手段は、(1)内燃機関が有する複数の気筒のうち少なくとも一の気筒の燃料噴射弁の作動停止を許可することにより他の気筒の燃料噴射弁に対する要求噴射量を最低噴射量以上まで増量させる、(2)燃料噴射弁に間引き噴射を行わせる(噴射間隔を間引く)ことにより一回当たりの噴射量を最低噴射量以上まで増量させる、或いは、(3)燃料噴射弁から最低燃料量を噴射させるようにしてもよい。
【0020】
尚、点火停止手段は、少なくとも一の気筒の燃料噴射弁の作動停止を許可することによって他の気筒の燃料噴射弁に対する要求噴射量を最低噴射量以上まで増量させる場合には、燃料噴射弁の作動停止を許可すべき気筒をサイクル毎に変更することが好ましい。
【0021】
これは、燃料噴射弁の作動が停止される気筒と燃料噴射弁の作動が継続される気筒とでは、ボアフラッシング(気筒内の壁面に形成されている油膜が燃料によって洗い流される現象)の度合いやウェット燃料量(吸気ポートや筒内の壁面に付着する燃料量)が異なるため、特定の気筒のみで燃料噴射弁の作動停止が許可されると、点火栓の作動が再開されたとき(内燃機関における燃焼が再開されたとき)に特定気筒と他の気筒との間でフリクションの大きさや燃焼状態が相違してしまうからである。
【0022】
また、本発明に係る内燃機関の制御装置において、点火停止手段は、内燃機関の負荷が第1の負荷以下であるときに限り、燃料噴射弁の作動停止を禁止するとともに点火栓の作動を停止するようにしてもよい。
【0023】
これは、内燃機関の負荷が高いときは吸入空気量が多くなるとともにそれに応じて燃料噴射量が多くなるため、多量の未燃燃料が排気浄化触媒へ供給されることになり、そのような多量の未燃燃料が排気浄化触媒において酸化すると、排気浄化触媒の温度が過剰に昇温してしまうことが想定されるからである。
【0024】
また、本発明に係る内燃機関の制御装置において、点火停止手段は、内燃機関の負荷が第1の負荷より低い第2の負荷を下回っているときは、燃料噴射弁の作動停止を禁止するとともに点火栓の作動を許可するようにしてもよい。すなわち、点火停止手段は、内燃機関の負荷が第1の負荷より低い第2の負荷を下回っているときは、燃料噴射弁及び点火栓を通常通りに作動させるようにしてもよい。
【0025】
これは、内燃機関の負荷が低いときは、吸入空気量が少なく且つ燃料噴射量も少なくなるため、たとえ内燃機関において燃料が燃焼しても内燃機関が発生するトルクが極僅かとなる上、内燃機関の排気が既燃の燃料及び空気を含むガスとなるため、排気浄化触媒において酸化される燃料量が減少して排気浄化触媒の昇温が抑制されるからである。
【0026】
尚、本発明における所定の燃料噴射停止条件としては、例えば、(1)内燃機関が減速運転状態ある、(2)燃料噴射弁に対する要求噴射量が最低噴射量未満である、(3)内燃機関の機関回転数が許容回転数の上限値に達している、(4)内燃機関を搭載した車両の走行速度が許容速度の上限値に達している、(5)内燃機関を搭載した車両の車輪(駆動輪)が空転している等の条件を例示することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
本発明に係る内燃機関の制御装置の具体的な実施態様について図面に基づいて説明する。
【0028】
<実施の形態1>
本発明に係る内燃機関の制御装置の第1の実施の形態について図1〜図3に基づいて説明する。
【0029】
図1は、本発明を適用する内燃機関の概略構成を示す図である。図1に示す内燃機関1は、4つの気筒2を備えた火花点火式の内燃機関(ガソリンエンジン)である。
【0030】
内燃機関1の各気筒2には、点火栓3と燃料噴射弁4とが取り付けられている。点火栓3には、該点火栓3に対して駆動電力を印加するイグナイタ5が取り付けられている。
【0031】
内燃機関1には吸気通路6が取り付けられ、吸気通路6はエアクリーナボックス7に接続されている。吸気通路6の途中にはスロットル弁8が取り付けられ、スロットル弁8には該スロットル弁8を開閉駆動するスロットル用アクチュエータ9が取り付けられている。吸気通路6におけるスロットル弁8より上流の部位にはエアフローメータ10が設けられている。
【0032】
また、内燃機関1には排気通路11が取り付けられ、排気通路11は下流にて図示しないマフラーと接続されている。排気通路11の途中には触媒ケーシング12が設けられている。排気通路11における触媒ケーシング12の直上流の部位には排気温度センサ13が取り付けられている。
【0033】
前記した触媒ケーシング12は、例えば、コージェライトを主成分とするハニカム構造体を内蔵している。前記ハニカム構造体の表面にはアルミナ(Al2O3)やジルコニア(ZrO2)等のコート材からなる担体層が形成され、前記担体層には白金−ロジウム(Pt−Rh)系の貴金属触媒物質が担持されている。
【0034】
このように構成された触媒ケーシングに内燃機関1からの排気が流入すると、排気中の炭化水素(HC)及び一酸化炭素(CO)が水(H2O)や二酸化炭素(CO2)等に酸化されるとともに、排気中の窒素酸化物(NOX)が窒素(N2)に還元される。
【0035】
また、内燃機関1には、該内燃機関1の運転状態を制御するために電子制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit)14が併設されている。ECU14は、CPU、ROM、RAM、バックアップRAMなどからなる算術論理演算回路である。
【0036】
ECU14には、前述したエアフローメータ10や排気温度センサ13などに加え、内燃機関1に取り付けられたクランクポジションセンサ15と、内燃機関1を搭載した車両の室内に設けられたアクセルペダル16の操作量(アクセル開度)を検出するアクセルポジションセンサ17とが電気的に接続され、それら各種センサの出力信号を入力することが可能となっている。
【0037】
更に、ECU14には前述した燃料噴射弁4、イグナイタ5、スロットル用アクチュエータ9などが電気的に接続され、ECU14が燃料噴射弁4、イグナイタ5、スロットル用アクチュエータ9などを制御することが可能となっている。
【0038】
例えば、ECU14は、一定時間毎に実行すべき基本ルーチンにおいて、各種センサの出力信号の入力、機関回転数の演算、燃料噴射量の演算、燃料噴射時期の演算、点火時期の演算、及び目標スロットル開度の演算などを実行する。基本ルーチンにおいてECU14が入力した各種信号やECU14が演算して得られた各種制御値は、該ECU14のRAMに一時的に記憶される。
【0039】
更に、ECU14は、各種のセンサやスイッチからの信号の入力、一定時間の経過、或いはクランクポジションセンサ15からのパルス信号の入力などをトリガとした割り込み処理において、RAMから各種制御値を読み出し、それら制御値に従って燃料噴射弁4、イグナイタ5、及びスロットル用アクチュエータ9を制御する。
【0040】
その際、燃料噴射時期と点火時期は内燃機関1の回転(クランクシャフトの回転)に同期させる必要があるため、ECU14は、クランクポジションセンサ15の出力信号に基づく割り込み処理として、燃料噴射弁4及びイグナイタ5の制御を行う。
【0041】
尚、ECU14は、クランクポジションセンサ15の出力信号に基づく割り込み処理として燃料噴射弁4の制御を行う場合には、先ず燃料噴射停止条件(所謂、フューエルカット実行条件)が成立しているか否かを判別する。
【0042】
フューエルカット実行条件としては、例えば、(1)内燃機関1が減速運転状態ある、(2)ECU14により演算された燃料噴射量が燃料噴射弁4の最低噴射量未満である、(3)内燃機関1の機関回転数が許容回転数の上限値に達している、(4)内燃機関1を搭載した車両の走行速度が許容速度の上限値に達している、(5)内燃機関1を搭載した車両の車輪(駆動輪)が空転している等の条件を例示することができるが、本実施の形態では内燃機関1が減速運転状態にあることを条件にフューエルカットを実行する例について述べる。
【0043】
上記したようなフューエルカット実行条件が成立している場合には、ECU14は、RAMに記憶されている燃料噴射量に関わらず燃料噴射弁4の開弁を禁止する。
【0044】
一方、上記したようなフューエルカット実行条件が不成立である場合には、ECU14は、RAMに記憶されている燃料噴射量及び燃料噴射時期を読み出し、それら燃料噴射量及び燃料噴射時期に従って燃料噴射弁4を開弁させる。
【0045】
ところで、内燃機関1のフューエルカットが実行された場合には、内燃機関1へ吸入された空気が燃焼に供されることなくそのまま内燃機関1から排出されるため、内燃機関1の排気が酸素過剰状態となる。
【0046】
その際、触媒ケーシング12内が高温(例えば、800℃以上)であると、触媒ケーシング12内の貴金属触媒が高温且つ酸素過剰な雰囲気に曝されるため、貴金属触媒のシンタリングが発生し易くなり、触媒ケーシング12の浄化能力が劣化する虞がある。
【0047】
これに対し、触媒ケーシング12内が高温である場合はフューエルカットの実行を禁止することにより排気の酸素濃度を低下させ、以て触媒ケーシング12における貴金属触媒のシンタリングを抑制する方法が考えられる。
【0048】
しかしながら、フューエルカットの実行が禁止された場合には、内燃機関1に供給された燃料と空気との混合気が燃焼に供されることになるため、内燃機関1が不要なトルクを発生することになる。特に、減速運転状態にあるときに内燃機関1がトルクを発生すると、エンジンブレーキ力が低下してしまい、車両の減速感が損なわれることが想定される。
【0049】
そこで、本実施の形態に係る内燃機関の制御装置では、フューエルカット実行条件が成立した際に触媒ケーシング12内の温度が所定温度以上であると、フューエルカットの実行を禁止すると同時に点火栓3の作動を停止するようにした。
【0050】
この場合、内燃機関1に供給された燃料と空気との混合気が燃焼に供されることなく内燃機関1から排出されるため、内燃機関1に不要なトルクを発生させることなく排気中の酸素濃度を低下させることが可能となる。
【0051】
尚、上記した混合気は、空気過剰率が“1”以下となる混合気(空燃比が理論空燃比以下となる混合気)であることが好ましい。これは、空気過剰率が“1”より高い場合は混合気中に含まれる余剰の酸素によって貴金属触媒のシンタリングが誘発される可能性があるからである。
【0052】
但し、フューエルカットの実行禁止による燃料消費率の悪化を最小限に抑えることを考慮すると、前記した混合気の空気過剰率は“1”であることが好ましいと言える。
【0053】
以下、本実施の形態におけるフューエルカット制御について図2に沿って説明する。
【0054】
図2は、フューエルカット制御ルーチンを示すフローチャート図である。フューエルカット制御ルーチンは、クランクポジションセンサ15の出力信号に基づく割り込み処理として実行されるルーチンである。
【0055】
フューエルカット制御ルーチンでは、ECU14は、先ずS201においてフューエルカット実行条件が成立しているか否か、すなわち内燃機関1が減速運転状態にあるか否かを判別する。
【0056】
内燃機関1が減速運転状態にあるか否かを判別する方法としては、例えば、アクセルポジションセンサ17の出力信号(アクセル開度)が全閉を示す値であり、且つ機関回転数が所定回転数以上であることを条件に内燃機関1が減速運転状態にあると判定する方法を例示することができる。
【0057】
前記S201においてフューエルカット実行条件が不成立であると判定された場合は、ECU14は、S208へ進み、通常通りの制御を実行する。すなわち、ECU14は、RAMに記憶されている燃料噴射量、燃料噴射時期、及び点火時期に従って、燃料噴射弁4とイグナイタ5とを制御する。
【0058】
一方、前記S201においてフューエルカット実行条件が成立していると判定された場合は、ECU14は、S202へ進み、触媒ケーシング12内の温度(触媒温度)が所定温度以上であるか否かを判別する。
【0059】
尚、触媒ケーシング12内の温度は、内燃機関1の運転履歴(吸入空気量又は燃料噴射量の積算値)から推定されるようにしてもよく、或いは、触媒ケーシング12に流入する排気の温度や触媒ケーシング12から流出する排気の温度により代用されるようにしてもい。本実施の形態では排気温度センサ13の出力信号(触媒ケーシング12に流入する排気の温度)を触媒ケーシング12内の温度として用いることができる。
【0060】
前記S202において触媒ケーシング12内の温度が所定温度未満であると判定された場合は、ECU14は、S207へ進み、燃料噴射弁4の作動を停止させることによってフューエルカットを実現する。
【0061】
また、前記S202において触媒ケーシング12内の温度が所定温度以上であると判定された場合は、ECU14は、S203へ進み、エアフローメータ10の出力信号(吸入空気量):Gaを読み込む。
【0062】
S204では、ECU14は、前記吸入空気量:Gaに基づいて燃料噴射量:TAUを決定する。具体的には、ECU14は、吸入空気量:Gaと燃料噴射量:TAUとの比が理論空燃比と一致するように燃料噴射量:TAUを決定する。
【0063】
S205では、ECU14は、前記S204で決定された燃料噴射量:TAUに従って燃料噴射弁4を開弁させる。
【0064】
尚、前記した燃料噴射量:TAUが燃料噴射弁4の最低噴射量:TAUminを下回っている場合には燃料噴射弁4が燃料を噴射することが不可能となるため、そのような場合には、ECU14は、(1)少なくとも1つの気筒2の燃料噴射を禁止することにより残りの気筒2の燃料噴射量:TAUを最低噴射量:TAUmin以上とする、(2)間引き噴射(例えば、1サイクル毎に1回行われる燃料噴射を、2サイクル毎に1回行われるようにする)を行わせることにより個々の燃料噴射弁4が1回に噴射する燃料量を最低噴射量:TAUmin以上とする、或いは、(3)燃料噴射量:TAUを最低噴射量:TAUminに固定する、等の方法を採用することにより、燃料噴射弁4が確実に燃料を噴射することができるようにすることが好ましい。
【0065】
但し、少なくとも1つの気筒2の燃料噴射を禁止することにより残りの気筒2の燃料噴射量:TAUを最低噴射量:TAUmin以上とする方法においては、ECU14は、燃料噴射を禁止すべき気筒2を1サイクル毎に変更することが好ましい。
【0066】
これは、燃料噴射弁4の作動が禁止された気筒2と燃料噴射弁4の作動が許可された気筒2とでは、ボアフラッシングの度合いやウェット燃料量が異なるため、特定の気筒2のみで燃料噴射弁4の作動が禁止されると、点火栓3の作動が再開されたときに特定気筒2と他の気筒2との間でフリクションの大きさや燃焼状態が相違してしまい、トルク変動などが誘発されることが想定されるからである。
【0067】
このようにしてS205の処理を実行し終えたECU14は、S206へ進み、点火栓3の作動を停止すべくイグナイタ5を制御する。
【0068】
このようにECU14がフューエルカット制御ルーチンを実行すると、触媒ケーシング12内の温度が所定温度以上である状況下でフューエルカット実行条件が成立した場合には、図3に示されるように、フューエルカットの実行が禁止されると同時に点火栓3の作動が停止されるため、内燃機関1に供給された理論空燃比の混合気が燃焼に供されることなく内燃機関1から排出されることになる。
【0069】
この場合、内燃機関1が不要なトルクを発生することがなくなると同時に、触媒ケーシング12へ流入する排気の空気過剰率:λが“1”に保たれるようになる。
【0070】
この結果、内燃機関1のドライバビリティの悪化を防止しつつ触媒ケーシング12の劣化を抑制することが可能となる。
【0071】
<実施の形態2>
本発明に係る内燃機関の制御装置の第2の実施の形態について図4〜図5に基づいて説明する。ここでは前述した第1の実施の形態と異なる構成について説明し、同様の構成については説明を省略するものとする。
【0072】
本実施の形態と前述した第1の実施の形態との相違点は、前述した第1の実施の形態におけるフューエルカット制御ではフューエルカット実行禁止時にスロットル弁8の開度を制御していないのに対し、本実施の形態におけるフューエルカット制御ではフューエルカット実行禁止時にスロットル弁8の開度を絞る点にある。
【0073】
この場合、ECU14は、フューエルカット制御を実行する際に、図4に示すようなフューエルカット制御ルーチンを実行することになる。このフューエルカット制御ルーチンは、前述した第1の実施の形態と同様にクランクポジションセンサ15の出力信号に基づく割り込み処理として実行されるルーチンであり、予めECU14のROMに記憶されているルーチンである。
【0074】
フューエルカット制御ルーチンでは、ECU14は、先ずS401においてフューエルカット実行条件が成立しているか否かを判別する。
【0075】
前記S401においてフューエルカット実行条件が成立していないと判定された場合は、ECU14は、S409へ進み、通常の燃料噴射制御を実行して本ルーチンの実行を終了する。
【0076】
前記S401においてフューエルカット実行条件が成立していると判定された場合は、ECU14は、S402へ進み、排気温度センサ13の出力信号に基づいて触媒ケーシング12内の温度(触媒温度)が所定温度以上であるか否かを判別する。
【0077】
前記S402において触媒ケーシング12内の温度が所定温度未満であると判定された場合は、ECU14は、S408へ進み、燃料噴射弁4の作動を停止させることにより、フューエルカットを実現する。
【0078】
一方、前記S402において触媒ケーシング12内の温度が所定温度以上であると判定された場合は、ECU14は、S403へ進み、RAMに記憶されている目標スロットル開度:TAを読み出し、その目標スロットル開度:TAから所定量:dを減算して得られる値(=TA−d)を新たな目標スロットル開度:TAとしてRAMに記憶させる。
【0079】
この場合、スロットル弁8の開度が前記S403で設定された目標スロットル開度:TAに従って制御されることになるため、スロットル弁8の開度が通常時より絞られることとなる。
【0080】
次いで、ECU14は、S404〜S407において、フューエルカットの実行を禁止し且つ点火栓3の作動を停止すべく燃料噴射弁4及びイグナイタ5を制御する。
【0081】
このようにECU14がフューエルカット制御ルーチンを実行すると、触媒ケーシング12内の温度が所定温度以上である状況下でフューエルカット実行条件が成立した場合には、図5に示されるように、フューエルカットの実行が禁止され且つ点火栓3の作動が停止されるため、内燃機関1に供給された理論空燃比の混合気が燃焼に供されることなく内燃機関1から排出されることになる。
【0082】
この場合、内燃機関1が不要なトルクを発生することがなくなると同時に、触媒ケーシング12へ流入する排気の空気過剰率:λが“1”に保たれるようになる。
【0083】
この結果、内燃機関1のドライバビリティの悪化を防止しつつ触媒ケーシング12の劣化を抑制することが可能となる。
【0084】
更に、フューエルカットの実行が禁止され且つ点火栓3の作動が停止される際には、スロットル弁8の開度が通常のフューエルカット実行時より絞られるため、内燃機関1の吸入空気量:Gaが減少し、それに応じて燃料噴射量も減少することとなる。
【0085】
この結果、フューエルカット実行禁止に伴う燃料消費量の増加を最小限に抑制することが可能となる。
【0086】
従って、本実施の形態に係る内燃機関の制御装置によれば、触媒ケーシング12内の温度が所定温度以上である状況下でフューエルカット実行条件が成立した場合に、内燃機関1に不要なトルクを発生させることなく触媒ケーシング12の劣化を抑制することが可能になると同時に、燃料消費率の悪化を最小限に抑制することも可能となる。
【0087】
また、触媒ケーシング12へ供給される未燃燃料は貴金属触媒の作用によって酸化(燃焼)し、その際に発生する熱によって触媒ケーシング12が少なからず昇温することになるが、燃料噴射量の減量によって触媒ケーシング12へ供給される未燃燃料の絶対量が少なくなると、触媒ケーシング12において未燃燃料が酸化する際に発生する熱量が少なくなり、触媒ケーシング12の昇温を抑制することも可能となる。
【0088】
<実施の形態3>
本発明に係る内燃機関の制御装置の第3の実施の形態について図6に基づいて説明する。ここでは前述した第1の実施の形態と異なる構成について説明し、同様の構成については説明を省略するものとする。
【0089】
本実施の形態と前述した第1の実施の形態との相違点は、前述した第1の実施の形態におけるフューエルカット制御では触媒ケーシング12内の温度が所定温度以上である場合には内燃機関1の負荷にかかわらずフューエルカットの実行を禁止するのに対し、本実施の形態におけるフューエルカット制御では触媒ケーシング12内の温度が所定温度以上であっても内燃機関1の負荷が高い場合にはフューエルカットの実行を許可する点にある。
【0090】
これは、内燃機関1が負荷が高い場合、すなわち機関回転数が高く且つスロットル弁8の開度が大きい場合は、内燃機関1の吸入空気量:Ga及び燃料噴射量:TAUが多くなるため、そのような状況下でフューエルカットの実行が禁止され且つ点火栓3の作動が停止されると、多量の未燃燃料と未燃空気とが触媒ケーシング12へ供給されるため、触媒ケーシング12の過剰な昇温を招くことが想定されるからである。
【0091】
以下、本実施の形態に係るフューエルカット制御について図6に基づいて説明する。
【0092】
図6は、本実施の形態におけるフューエルカット制御ルーチンを示すフローチャート図である。このフューエルカット制御ルーチンは、前述した第1の実施の形態と同様にクランクポジションセンサ15の出力信号に基づく割り込み処理として実行されるルーチンであり、予めECU14のROMに記憶されているルーチンである。
【0093】
フューエルカット制御ルーチンでは、ECU14は、先ずS601においてフューエルカット実行条件が成立しているか否かを判別する。
【0094】
前記S601においてフューエルカット実行条件が成立していないと判定された場合は、ECU14は、S609へ進み、通常の燃料噴射制御を実行して本ルーチンの実行を終了する。
【0095】
前記S601においてフューエルカット実行条件が成立していると判定された場合は、ECU14は、S602へ進み、排気温度センサ13の出力信号に基づいて触媒ケーシング12内の温度(触媒温度)が所定温度以上であるか否かを判別する。
【0096】
前記S602において触媒ケーシング12内の温度が所定温度未満であると判定された場合は、ECU14は、S608へ進み、燃料噴射弁4の作動を停止させることにより、フューエルカットを実現する。
【0097】
一方、前記S602において触媒ケーシング12内の温度が所定温度以上であると判定された場合は、ECU14は、S603において、エアフローメータ10の出力信号(吸入空気量):Gaと機関回転数とをRAMから読み出し、それら吸入空気量:Gaと機関回転数とをパラメータとして求められる機関負荷が所定負荷:L1未満であるか否かを判別する。
前記S603において機関負荷が所定負荷:L1未満であると判定された場合は、ECU14は、S604〜S607において、フューエルカットの実行を禁止し且つ点火栓3の作動を停止すべく燃料噴射弁4及びイグナイタ5を制御する。
【0098】
一方、前記S603において、機関負荷が所定負荷:L1以上であると判定された場合には、ECU14は、S608へ進み、燃料噴射弁4の作動を停止させることによりフューエルカットを実行する。
【0099】
この場合、内燃機関1から多量の未燃燃料と未燃空気が排出されることがなくなるため、触媒ケーシング12において未燃燃料が酸化することがなく、その結果、触媒ケーシング12内の温度が過剰に昇温することもない。
【0100】
このようにECU14がフューエルカット制御ルーチンを実行することにより、前述した第1の実施の形態と同様の効果を得ることが可能になるとともに、触媒ケーシング12内の過剰な昇温を防止することも可能となる。
【0101】
従って、本実施の形態に係る内燃機関の制御装置によれば、触媒ケーシング12内の温度が高い状況下でフューエルカット実行条件が成立した場合に、内燃機関1のドライバビリティを悪化させることなく、触媒ケーシング12内における貴金属触媒のシンタリングの発生と熱劣化とを防止することが可能となる。
【0102】
<実施の形態4>
本発明に係る内燃機関の制御装置の第4の実施の形態について図7に基づいて説明する。ここでは前述した第1の実施の形態と異なる構成について説明し、同様の構成については説明を省略するものとする。
【0103】
本実施の形態と前述した第1の実施の形態との相違点は、前述した第1の実施の形態におけるフューエルカット制御では触媒ケーシング12内の温度が所定温度以上である場合には内燃機関1の負荷にかかわらずフューエルカットの実行を禁止するのに対し、本実施の形態におけるフューエルカット制御では触媒ケーシング12内の温度が所定温度以上であり且つ内燃機関1の負荷が低い場合には、フューエルカットの実行を禁止し且つ点火栓3の作動を許可する点にある。
【0104】
フューエルカット実行条件成立時にフューエルカットの実行が禁止され且つ点火栓3の作動が停止されると、未燃の燃料と未燃の空気とが触媒ケーシング12へ供給されるため、触媒ケーシング12内の空気過剰率:λを低く抑えることが可能となるが、未燃燃料が触媒ケーシング12内で酸化(燃焼)して触媒ケーシング12内の温度が少なからず上昇することとなる。
【0105】
一方、フューエルカット実行条件成立時にフューエルカットの実行が禁止され且つ点火栓3の作動が許可されると、内燃機関1において混合気が燃焼することになるため、内燃機関1の排気が既燃の混合気となる。既燃の混合気中に残存する未燃の燃料及び未燃の空気は僅かであるため、そのような既燃混合気が触媒ケーシング12へ流入しても触媒ケーシング12内の温度上昇量は少なくなる。
【0106】
しかしながら、フューエルカットの実行が禁止され且つ点火栓3の作動が許可された場合には、内燃機関1において混合気が燃焼されるため、内燃機関1が不要なトルクを発生することとなる。
【0107】
但し、内燃機関1の負荷が低い場合、言い換えればスロットル弁8の開度が小さく且つ機関回転数が低い場合には、内燃機関1の吸入空気量:Ga及び燃料噴射量:TAUが少なくなるため、内燃機関1で燃焼される混合気の量も僅かとなる。この場合、内燃機関1が発生するトルクも僅かとなるため、ドライバビリティが悪化し難いと言える。
【0108】
従って、内燃機関1の負荷が低い時にフューエルカットの実行が禁止され且つ点火栓3の作動が許可されると、触媒ケーシング12内を酸素過剰状態にすることなく、ドライバビリティの悪化と触媒ケーシング12内の昇温とを防止することが可能になる。
【0109】
以下、本実施の形態に係るフューエルカット制御について図7に基づいて説明する。
【0110】
図7は、本実施の形態におけるフューエルカット制御ルーチンを示すフローチャート図である。このフューエルカット制御ルーチンは、前述した第1の実施の形態と同様にクランクポジションセンサ15の出力信号に基づく割り込み処理として実行されるルーチンであり、予めECU14のROMに記憶されているルーチンである。
【0111】
フューエルカット制御ルーチンでは、ECU14は、先ずS701においてフューエルカット実行条件が成立しているか否かを判別する。
【0112】
前記S701においてフューエルカット実行条件が成立していないと判定された場合は、ECU14は、S710へ進み、通常の燃料噴射制御を実行して本ルーチンの実行を終了する。
【0113】
前記S701においてフューエルカット実行条件が成立していると判定された場合は、ECU14は、S702へ進み、排気温度センサ13の出力信号に基づいて触媒ケーシング12内の温度(触媒温度)が所定温度以上であるか否かを判別する。
【0114】
前記S702において触媒ケーシング12内の温度が所定温度未満であると判定された場合は、ECU14は、S709へ進み、燃料噴射弁4の作動を停止させることにより、フューエルカットを実現する。
【0115】
一方、前記S702において触媒ケーシング12内の温度が所定温度以上であると判定された場合は、ECU14は、S703において、エアフローメータ10の出力信号(吸入空気量):Gaを読み込む。
【0116】
S704では、ECU14は、前記吸入空気量:Gaに基づいて燃料噴射量:TAUを決定する。具体的には、ECU14は、吸入空気量:Gaと燃料噴射量:TAUとの比が理論空燃比と一致するように燃料噴射量:TAUを決定する。
【0117】
S705では、ECU14は、前記S704で決定された燃料噴射量:TAUに従って燃料噴射弁4を開弁させる。
【0118】
S706では、ECU14は、吸入空気量:Gaと機関回転数とをパラメータとして求められる機関負荷が所定負荷:L2以上であるか否かを判別する。
【0119】
前記S706において機関負荷が所定負荷:L2以上であると判定された場合は、ECU14は、S707において、点火栓3の作動を停止すべくイグナイタ5を制御する。
【0120】
この場合、理論空燃比の混合気が内燃機関1へ供給され、その混合気が燃焼に供されることなく触媒ケーシング12へ供給される。
【0121】
この結果、内燃機関1が不要なトルクを発生することなく、触媒ケーシング12内の空気過剰率:λを“1”とすることができ、以て内燃機関1のドライバビリティを悪化させることなく、触媒ケーシング12における貴金属触媒のシンタリングを防止することが可能となる。
【0122】
一方、前記S706において、機関負荷が所定負荷:L2未満であると判定された場合には、ECU14は、S708へ進み、点火栓3の作動を許可する。
【0123】
この場合、理論空燃比の混合気が内燃機関1へ供給され、その混合気が燃焼に供された後に触媒ケーシング12へ供給される。すなわち、既燃の混合気が触媒ケーシング12へ供給されることになる。
【0124】
この結果、触媒ケーシング12内の空気過剰率:λを“1”とすることができるとともに、触媒ケーシング12内で酸化される未燃燃料を減少させることができ、以て触媒ケーシング12における貴金属触媒のシンタリングを抑制しつつ触媒ケーシング12内の温度上昇を抑制することができる。
【0125】
更に、理論空燃比の混合気が内燃機関1において燃焼されるため、内燃機関1がトルクを発生することになるが、混合気の量が少量となるため、内燃機関1が発生するトルクも僅かとなり、ドライバビリティの悪化を最小限に抑えることが可能となる。
【0126】
このようにECU14がフューエルカット制御ルーチンを実行することにより、前述した第1の実施の形態と同様の効果を得ることが可能になるとともに、触媒ケーシング12内の温度上昇を抑制することも可能となる。
【0127】
<実施の形態5>
本発明に係る内燃機関の制御装置の第5の実施の形態について図8〜図9に基づいて説明する。ここでは前述した第1の実施の形態と異なる構成について説明し、同様の構成については説明を省略するものとする。
【0128】
本実施の形態と前述した第1の実施の形態との相違点は、前述した第1の実施の形態ではフューエルカットの実行を禁止する際に吸入空気量:Gaに基づいて燃料噴射量:TAUを制御する例について述べたが、本実施の形態ではフューエルカットの実行を禁止する際に吸入空気量:Gaに基づいて燃料噴射量:TAUを制御するとともに触媒ケーシング12から流出する排気の酸素濃度に基づいて燃料噴射量:TAUをフィードバック制御する点にある。
【0129】
この場合、図8に示すように、内燃機関1の排気通路11における触媒ケーシング12より下流の部位に酸素濃度センサ(O2センサ)18が設けられている。
【0130】
ECU14は、触媒ケーシング12内の温度が所定温度以上である状況下でフューエルカット実行条件が成立した場合には、吸入空気量:Gaに対する燃料噴射量:TAUが理論空燃比となるように燃料噴射量:TAUを演算し、その燃料噴射量:TAUに基づいて燃料噴射弁4を開弁させると同時に点火栓3の作動を停止させる。
【0131】
続いて、ECU14は、酸素濃度センサ18の出力信号、つまり、触媒ケーシング12から流出した排気の酸素濃度を読み込み、その酸素濃度に基づいて燃料噴射量:TAUをフィードバック制御する。
【0132】
具体的には、ECU14は、酸素濃度センサ18の出力信号(酸素濃度)が理論空燃比相当の酸素濃度より高いか否かを判別する。ここで理論空燃比相当の酸素濃度とは、触媒ケーシング12へ流入するガスが理論空燃比の未燃混合気であった時に該触媒ケーシング12から流出する排気の酸素濃度に相当する酸素濃度である。
【0133】
ECU14は、酸素濃度センサ18の出力信号が理論空燃比相当の酸素濃度より高い場合には燃料噴射量:TAUを増量補正し、酸素濃度センサ18の出力信号が理論空燃比相当の酸素濃度より低い場合には燃料噴射量:TAUを減量補正する。
【0134】
このようなフィードバックが実行されると、触媒ケーシング12へ流入する未燃混合気の空燃比を正確に理論空燃比とすることが可能となるため、触媒ケーシング12内の空気過剰率:λが正確に“1”に収束するようになる。
【0135】
この結果、触媒ケーシング12内が酸素過剰状態となることがなくなるとともに、触媒ケーシング12内において燃料が過剰に酸化することもなくなり、以て触媒ケーシング12における貴金属触媒のシンタリングを確実に防止しつつ触媒ケーシング12内温度の過剰な上昇を防止することが可能となる。
【0136】
以下、本実施の形態におけるフューエルカット制御について図9に沿って説明する。
【0137】
図9は、フューエルカット制御ルーチンを示すフローチャート図である。フューエルカット制御ルーチンは、前述した第1の実施の形態と同様にクランクポジションセンサ15の出力信号に基づく割り込み処理として実行されるルーチンである。
【0138】
フューエルカット制御ルーチンでは、ECU14は、先ずS901においてフューエルカット実行条件が成立しているかを判別する。
【0139】
前記S901においてフューエルカット実行条件が不成立であると判定された場合は、ECU14は、S913へ進み、通常通りの制御を実行する。
【0140】
一方、前記S901においてフューエルカット実行条件が成立していると判定された場合は、ECU14は、S902へ進み、排気温度センサ13の出力信号に基づいて触媒ケーシング12内の温度(触媒温度)が所定温度以上であるか否かを判別する。
【0141】
前記S902において触媒ケーシング12内の温度が所定温度未満であると判定された場合は、ECU14は、S912へ進み、燃料噴射弁4の作動を停止させることによりフューエルカットを実現する。
【0142】
また、前記S902において触媒ケーシング12内の温度が所定温度以上であると判定された場合は、ECU14は、S903へ進み、エアフローメータ10の出力信号(吸入空気量):Gaを読み込む。
【0143】
S904では、ECU14は、前記吸入空気量:Gaに対する燃料噴射量:TAUが理論空燃比と一致するように燃料噴射量:TAUを決定する。
【0144】
S905では、ECU14は、前記S904で決定された燃料噴射量:TAUに従って燃料噴射弁4を開弁させる。
【0145】
S906では、ECU14は、点火栓3の作動を停止すべくイグナイタ5を制御する。
【0146】
この場合、内燃機関1へ供給された燃料と空気とが混合気を形成し、その混合気が燃焼に供されることなく未燃のまま触媒ケーシング12へ供給されることになる。
【0147】
S907では、ECU14は、酸素濃度センサ18の出力信号(酸素濃度):Oxを読み込む。すなわち、ECU14は、内燃機関1から排出された未燃混合気が触媒ケーシング12を通過した後の酸素濃度:Oxを読み込む。
【0148】
S908では、ECU14は、前記S907で読み込まれた酸素濃度:Oxが理論空燃比相当の酸素濃度:Oxsより低いか否かを判別する。
【0149】
前記S908において前記酸素濃度:Oxが理論空燃比相当の酸素濃度:Oxsより低いと判定された場合は、ECU14は、S909へ進み、燃料噴射量:TAUを減量補正する。
【0150】
一方、前記S908において前記酸素濃度:Oxが理論空燃比相当の酸素濃度:Oxs以上であると判定された場合は、ECU14は、S910へ進み、前記酸素濃度:Oxが理論空燃比相当の酸素濃度:Oxsより高いか否かを判別する。
【0151】
前記S910において前記酸素濃度:Oxが理論空燃比相当の酸素濃度:Oxsより高いと判定された場合は、ECU14は、S911へ進み、燃料噴射量:TAUを増量補正する。
【0152】
また、前記S910において前記酸素濃度:Oxが理論空燃比相当の酸素濃度:Oxsより高くないと判定された場合は、ECU14は、前記酸素濃度:Oxが理論空燃比相当の酸素濃度:Oxsと等しいとみなし、本ルーチンの実行を終了する。
【0153】
このようにECU14がフューエルカット制御ルーチンを実行すると、前述した第1の実施の形態と同様の効果を得ることが可能となる上、触媒ケーシング12へ流入する未燃混合気の空燃比を正確に理論空燃比とすることが可能となるため、触媒ケーシング12内の空気過剰率:λが正確に“1”に収束するようになる。
【0154】
この結果、触媒ケーシング12内が酸素過剰状態となることがなくなるとともに、触媒ケーシング12内において燃料が過剰に酸化することもなくなり、以て触媒ケーシング12における貴金属触媒のシンタリングを確実に防止しつつ触媒ケーシング12内温度の過剰な上昇を防止することが可能となる。
【0155】
尚、触媒ケーシング12より下流の排気通路11に酸素濃度センサ18が設けられていない内燃機関1では、ECU14は、混合気の空燃比が理論空燃比より低くなるように、燃料噴射量:TAUを予め増量補正しておくようにしてもよい。これは、燃料噴射弁4の初期交差や経時変化などにより、燃料噴射弁4から実際に噴射される燃料量にばらつきが発生した場合であっても、触媒ケーシング12へ供給される未燃混合気の空燃比を確実に理論空燃比以下とするためである。
【0156】
【発明の効果】
本発明によれば、排気浄化触媒の温度が所定温度以上である状況下で燃料噴射停止条件が成立した場合には、燃料噴射弁の作動を停止せずに点火栓の作動を停止させるため、内燃機関が不要なトルクを発生することなく排気中の酸素濃度を低下させることが可能となる。
【0157】
この結果、内燃機関の運転状態に影響を与えることなく、排気浄化触媒の劣化を防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用する内燃機関の概略構成を示す図
【図2】第1の実施の形態におけるフューエルカット制御ルーチンを示すフローチャート図
【図3】第1の実施の形態におけるフューエルカット制御方法を示すタイミングチャート図
【図4】第2の実施の形態におけるフューエルカット制御ルーチンを示すフローチャート図
【図5】第2の実施の形態におけるフューエルカット制御方法を示すタイミングチャート図
【図6】第3の実施の形態におけるフューエルカット制御ルーチンを示すフローチャート図
【図7】第4の実施の形態におけるフューエルカット制御ルーチンを示すフローチャート図
【図8】第5の実施の形態における内燃機関の概略構成を示す図
【図9】第5の実施の形態におけるフューエルカット制御ルーチンを示すフローチャート図
【符号の説明】
1・・・内燃機関
2・・・気筒
3・・・点火栓
4・・・燃料噴射弁
5・・・イグナイタ
6・・・吸気通路
8・・・スロットル弁
12・・触媒ケーシング
13・・排気温度センサ
14・・ECU
18・・酸素濃度センサ
Claims (7)
- 燃料噴射弁及び点火栓を具備した内燃機関と、
所定の燃料噴射停止条件が成立したときに前記燃料噴射弁の作動を停止する燃料噴射停止手段と、
前記内燃機関の排気系に設けられた排気浄化触媒と、
前記排気浄化触媒の温度が所定温度以上である場合に燃料噴射停止条件が成立すると、燃料噴射弁の作動停止を禁止するとともに点火栓の作動を停止する点火停止手段と、
を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。 - 内燃機関の吸気系に設けられた吸気絞り弁と、
前記点火停止手段が前記点火栓の作動を停止しているときに前記吸気絞り弁の開度を絞る吸気絞り制御手段と、を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。 - 前記内燃機関は複数の気筒を有し、
前記点火停止手段は、前記点火栓の作動を停止しているときに前記燃料噴射弁に対する要求噴射量が該燃料噴射弁の最低噴射量を下回ると、少なくとも一の気筒の燃料噴射弁の作動停止を許可することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。 - 前記点火停止手段は、燃料噴射弁の作動停止を許可すべき気筒をサイクル毎に変更することを特徴とする請求項3に記載の内燃機関の制御装置。
- 前記点火停止手段は、前記点火栓の作動を停止しているときに前記燃料噴射弁に対する要求噴射量が該燃料噴射弁の最低噴射量を下回ると、前記燃料噴射弁に間引き噴射を行わせることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
- 前記点火停止手段は、前記内燃機関の負荷が第1の負荷以下であるときに限り、燃料噴射弁の作動停止を禁止するとともに点火栓の作動を停止することを特徴とする請求項1〜5の何れか一に記載の内燃機関の制御装置。
- 前記点火停止手段は、前記内燃機関の負荷が第1の負荷より低い第2の負荷を下回っているときは、燃料噴射弁の作動停止を禁止するとともに点火栓の作動を許可することを特徴とする請求項6に記載の内燃機関の制御装置。
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JP2007170222A (ja) * | 2005-12-20 | 2007-07-05 | Kawasaki Heavy Ind Ltd | 内燃機関の燃焼制御方法、装置および車両 |
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