JP2004115585A - 難燃性樹脂組成物及び成形品 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来のハロゲン系難燃剤、アンチモン系難燃剤、燐系難燃剤等の使用量を最小限に留め、難燃性に優れると共に成形性や機械的性能、耐熱性等の性能に優れた樹脂組成物及びそれから得られる成形品を提供する。
【解決手段】少なくとも縮合多環芳香族樹脂、可燃性樹脂および難燃剤から成る組成物にあって、該組成物中に縮合多環芳香族樹脂が1〜20重量%配合されており、且つ縮合多環芳香族樹脂が、弗化水素および三弗化硼素を触媒として縮合多環芳香族炭化水素を重合することにより製造されることを特徴とする難燃性樹脂組成物、および該樹脂組成物を成形して成る成形品。
【選択図】 無
【解決手段】少なくとも縮合多環芳香族樹脂、可燃性樹脂および難燃剤から成る組成物にあって、該組成物中に縮合多環芳香族樹脂が1〜20重量%配合されており、且つ縮合多環芳香族樹脂が、弗化水素および三弗化硼素を触媒として縮合多環芳香族炭化水素を重合することにより製造されることを特徴とする難燃性樹脂組成物、および該樹脂組成物を成形して成る成形品。
【選択図】 無
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、廃棄時や焼却時に環境に及ぼす悪影響が小さく、難燃性に優れると共に成形性や機械的性能、耐熱性等の性能に優れた樹脂組成物及びそれから得られる成形品に関わる。
【0002】
【従来の技術】
一般に熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等の各種樹脂類は天然産、合成を問わず、簡便性、軽量性、易成形性等の利点を有し、従来からある金属、鉱物、植物等に替わり広く使用されている。しかしながら、樹脂類の多くは炭素と水素を主要な構成原子種とするため燃えやすいという欠点があった。特に、電気・電子分野、建築分野、運輸分野等に使用される場合、法的規制も含めて、発火源があっても燃えにくい性質、即ち難燃性を備えることが求められている。
【0003】
樹脂類に難燃性を付与する手法として、難燃剤を添加する方法が従来よりとられてきた。難燃剤としてハロゲン系難燃剤、酸化アンチモン、燐あるいは燐化合物、水和金属化合物等が知られている。しかしながら、塩素化合物、臭素化合物等のハロゲン系難燃剤は焼却時にダイオキシンに代表される有害な化合物を発生したり、酸性雨の原因となるおそれがある。酸化アンチモンは慢性毒性が疑われている。燐や燐化合物は焼却時に有毒なホスフィンガスを発生するおそれが有る等、環境への影響が懸念されている。水酸化マグネシウム等の水和金属化合物は比較的環境への悪影響が少ない反面、成形性や機械的性能に影響が現れるほど多量に添加しないと充分な難燃性が付与できないという問題がある。これらの理由から、ハロゲン、アンチモン、燐、金属化合物等の既存の難燃剤を極力減らしても充分な難燃性が付与でき、成形性や諸性能を低下させない技術が嘱望されてきた。従来技術として、易燃性樹脂に特定のピッチとハロゲン原子を含有しない非ハロゲン系難燃剤を配合して成る難燃性樹脂組成物が提案されている(例えば、特許文献1参照。)が、本発明の縮合多環芳香族樹脂とは性状が異なる。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−1622号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、従来のハロゲン系難燃剤、アンチモン系難燃剤、燐系難燃剤等の使用量を最小限に留め、難燃性に優れると共に成形性や機械的性能、耐熱性等の性能に優れた樹脂組成物及びそれから得られる成形品を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、成形性や機械的性能、耐熱性に優れた難燃性樹脂組成物について鋭意研究を重ねた結果、特定の縮合多環芳香族樹脂を樹脂に配合することにより成形性や機械的性能に優れた難燃性樹脂組成物が得られることを見い出し、本発明に到達した。
【0007】
すなわち本発明は、少なくとも縮合多環芳香族樹脂、可燃性樹脂および難燃剤から成る組成物にあって、該組成物中に縮合多環芳香族樹脂が1〜20重量%配合されており、且つ縮合多環芳香族樹脂が、弗化水素および三弗化硼素を触媒として縮合多環芳香族炭化水素を重合することにより製造されることを特徴とする難燃性樹脂組成物、および該樹脂組成物を成形して成る成形品に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の難燃性樹脂組成物は、少なくとも縮合多環芳香族樹脂、可燃性樹脂および難燃剤から成る組成物であり、該組成物中の縮合多環芳香族樹脂の配合量は0.5〜20重量%である。縮合多環芳香族樹脂が0.5重量%未満だと難燃性の付与効果が充分ではなく、縮合多環芳香族樹脂が20重量%を超しても難燃性はそれ以上向上しないため好ましくない。本発明の難燃性樹脂組成物において縮合多環芳香族樹脂の好ましい配合比は、0.5〜15重量%、更に好ましくは0.5〜10重量%である。
【0009】
本発明で使用する縮合多環芳香族樹脂とは、弗化水素および三弗化硼素を触媒として縮合多環芳香族炭化水素を重合することにより得られる樹脂である。
【0010】
本発明で使用される縮合多環芳香族樹脂の原料に用いられる縮合多環芳香族炭化水素は、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、アセナフテン、アセナフチレン、ピレン等の縮合多環炭化水素およびこれらの混合物ないしこれらを含有する物質であって、種々の石油留分、石油加工工程の残油および石炭タール留分等も含まれる。
【0011】
これらの原料は、重合触媒である弗化水素および三弗化硼素と強く結合する塩基性化合物である窒素化合物、硫黄化合物および酸素化合物の含有濃度が低いものが特に原料として適している。
重合触媒量は、縮合多環炭化水素1モルに対し弗化水素が0.1〜20モル、三弗化硼素が0.1〜1.0モルの範囲が好ましい。重合触媒は弗化水素単独または三弗化硼素単独では有効でない。
【0012】
弗化水素(HF)は、三弗化硼素(BF3)と共に用いることにより強いプロトン酸を形成し、塩基である縮合多環炭化水素と錯体を形成する。生成した錯体は、過剰に用いるHFに溶解し錯体溶液を形成する。重合反応はHF溶液において、温和な条件で極めて円滑に進行する。このようにHFは重合を円滑に進行させるための溶媒としての機能を有し、過剰に用いるが、20倍モル以上の使用は不要である。
重合反応の温度は0〜300℃であり、好ましくは30〜300℃である。最適の反応温度は、原料の種類により選定されるが、重合を過度に進める条件は、後の触媒回収を困難にするため避ける必要がある。
重合に要する時間は、原料の種類、温度および触媒量によって変化するが、通常5〜300分であり、好ましくは15〜180分である。
【0013】
重合反応は、撹拌機を備えた耐蝕性の反応器中に原料および触媒を供給し、撹拌混合下で行う。反応操作は、回分操作でも連続操作でも良い。反応器への原料供給を容易にする目的で、固体原料を適当な不活性溶媒に溶解して用いることができる。この不活性溶媒には、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素が好適である。
重合終了後、揮発成分であるHF、BF3を加熱蒸発、留去することで触媒を回収し、同時に縮合多環芳香族樹脂を分離することができる。
【0014】
触媒HF、BF3の重合体からの分離回収は、具体的に以下の方法で実施できる。
回分的に触媒を分離する方法としては、重合体のHF−BF3錯体溶液からなる反応液を適当な圧力下で加熱し、HF、BF3を気相として反応器から抜出し、重合体は最終的に溶融縮合多環芳香族樹脂として回収する。この操作をより円滑に進めるため、ピッチを良く溶解し、且つ適度な蒸気圧を有し、更にHF、BF3に対して比較的不活性な助剤、例えばベンゼン、トルエン、ハロゲン化芳香族炭化水素等を系内に供給または共存させて加熱し、これらの助剤蒸気と共にHF、BF3を蒸発気化する方法も採られる。加熱の方法は、外部よりジャケット等を通して加熱するか、または前述の助剤の蒸気を供給して直接加熱により実施しても良い。
連続的に触媒を分離する方法では、蒸留塔を用い、還流される前述の不活性な助剤中に重合反応液を連続的に供給し、塔頂から気化したHF、BF3を抜出し、塔底からピッチを助剤溶液として回収する。
【0015】
どちらの方法においても、重合物錯体溶液を加熱分解してHF、BF3を回収するのに必要な温度は、100〜250℃であり、好ましくは120〜180℃である。100℃以下の温度では触媒分離を満足な程度まで進めることが困難であり、また250℃以上の高温は必要としない。
HF、BF3を回収するための操作圧力は0〜10気圧、好ましくは1〜5気圧である。操作圧力が高い程、重合体からのHF、BF3の分離が困難となるが、回収触媒、特にガス状のBF3の再利用が容易となる。
【0016】
ここで得られる縮合多環芳香族樹脂は、実質的にHF、BF3を含有せず、蒸留、溶媒抽出、加熱処理およびこれらの組合せ操作を加えることにより縮合多環芳香族樹脂として好適な性状を有するものに加工することができる。
本発明の縮合多環芳香族樹脂の軟化点はメトラー法にて測定されるが、好ましくは10℃〜350℃、更に好ましくは30℃〜300℃である。
【0017】
本発明において、可燃性樹脂としては、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂のいずれも用いることができる。
【0018】
本発明に用いられる可燃性熱硬化性樹脂を例示すると、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、多官能性シアン酸エステル樹脂、多官能性マレイミド−シアン酸エステル樹脂、多官能性マレイミド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、不飽和基含有ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリウレタン樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂等が挙げられ、1種あるいは2種以上を組み合わせて使用できる。
【0019】
本発明に用いられる可燃性熱可塑性樹脂を例示すると、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポリオキシメチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリオキシメチレン、ポリアリレート、ポリアミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルニトリル、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、熱可塑性ポリイミド、ポリメチルメタアクリレート、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体等が挙げられ、1種あるいは2種以上を組み合わせて使用できる。
【0020】
本発明に使用される難燃剤を挙げると、臭化アンモニウム、臭化ビニル、ジブロモスチレン、ヘキサブロモベンゼン、ヘキサブロモビフェニルエーテル、デカブロモビフェニルエーテル、トリブロモフェノール、ヘキサブロモシクロデカン、ヘキサブロモシクロドデカン、ジブロモクレジルグリシジルエーテル、デカブロモジフェニルオキシド、エチレンビステトラブロモフタルイミド、トリブロモクメン、テトラブロモビスフェノールA、クロロテトラブロモブタン、ジブロモネオペンチルグリコール、トリブロモネオペンチルグリコール、ジアリルテトラブロモフタレート、塩化パラフィン、塩素化ポリエチレン、パークロロシクロデカン、ヘキサクロロエンドメチレンテトラヒドロフタル酸(ヘット酸)、テトラクロロ無水フタル酸、ポリジフルオロエチレン、ポリトリフルオロエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体等の含ハロゲン化合物及び含ハロゲンオリゴマー類、含ハロゲンポリマー類、赤燐、ポリ燐酸アンモニウム、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリクレジルフェニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート、トリス(トリブロモネオペンチル)ホスフェート、トリス(クロロエチル)ホスフェート、トリス(クロロプロピル)ホスフェート、ビス(2,3−ジブロモプロピル)2,3−クロロプロピルホスフェート、ビス(2,3−ジブロモプロピル)ホスフェート、ビニルホスフェート、アリルホスフェート、塩化ホスフォニトリル誘導体、フォスファゼン重合体等の含燐化合物及び含燐オリゴマー類、水酸化アルミニウム、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、酸化錫、水酸化錫、三酸化モリブデン、モリブデン酸アンモニウム、酸化ジルコニウム、水酸化ジルコニウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、メタ硼酸バリウム、硼酸亜鉛、硼砂、水酸化マグネシウム、アルミン酸カルシウム、塩化アンチモン、硫化アンチモン、カオリン、クレー、炭酸カルシウム、低融点ガラス、シリカ等の無機金属化合物、窒素化グアニジン、グアニール尿素、トリアジン系化合物、硫酸アミノトリアジン化合物等の含窒素化合物、シリコーン、エポキシ変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、メルカプト変性シリコーン、メタクリル変性シリコーン、ポリカーボネート−シリコーン共重合体、アクリルゴム−シリコーン複合体、ベンゼンスルホン酸ナトリウム等の有機金属化合物があるが、これらに限定されるものではない。また、これらの難燃剤は重合後のポリマーに添加しても良いし、ポリマー重合時に添加して重合によりポリマー鎖の構成成分として用いても良い。また、これらの難燃剤により難燃化されたポリマーを難燃剤として使用しても良い。本発明の難燃性樹脂組成物中の難燃剤含有量には制限はないが、通常、0.1〜40重量%である。
【0021】
また、本発明の難燃性樹脂組成物には縮合多環芳香族樹脂、可燃性樹脂および難燃剤以外に本発明の目的を損なわない限り他の成分を配合しても良い。例を挙げると、強化材、充填材、滑剤、紫外線吸収剤、熱老化防止剤、顔料、染料等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0022】
また本発明の難燃性樹脂組成物には従来より知られている炭化促進触媒を加えても良い。炭化促進触媒を例示すると、塩酸、塩化アンモニウム、燐酸、燐酸水素アンモニウム、有機ホスフォン酸金属塩、アルキルベンゼンスルフォン酸、アルキルナフタレンスルフォン酸等の有機スルフォン酸のアルカリ金属塩、有機スルフォンアミド塩、有機スルフィミド塩、有機イミドジ燐酸塩等があるが、これらに限定されない。
【0023】
また、本発明の難燃性樹脂組成物には燃焼時の溶融樹脂粒の滴下を抑制する従来公知の技術を併用することもできる。例えば、アスペクト比の高いアスベスト繊維やフュームドコロイダルシリカ、テフロン(登録商標)パウダー等を添加する方法がある。
【0024】
本発明の難燃性樹脂組成物を製造する方法には特に制限はなく、従来公知の方法で製造することができる。可燃性樹脂への難燃剤と縮合多環芳香族樹脂の添加順序は特に制限はなく、可燃性樹脂に難燃剤を配合した混合物に縮合多環芳香族樹脂を加える方法、逆に可燃性樹脂に縮合多環芳香族樹脂を配合した混合物に難燃剤を加える方法、可燃性樹脂に難燃剤、縮合多環芳香族樹脂を同時に加える方法等、いずれの方法を採っても良い。
可燃性樹脂が熱硬化性樹脂の場合は、粉体の縮合多環芳香族樹脂を粉体の熱硬化性樹脂に加えて混合する方法、縮合多環芳香族樹脂あるいは熱硬化性樹脂の軟化点以上に加熱して溶融混練する方法、縮合多環芳香族樹脂および熱硬化性樹脂の片方あるいは両者を溶媒に溶解して混合する方法等が採用できる。これらの組成物から成形品を得る方法についても特に制限はなく、従来公知の方法が採用できる。たとえば、プリプレグ法、シートモールドコンパウンディング法、バルクモールドコンパウンディング法等が挙げられる。
熱可塑性樹脂の場合には、固体の縮合多環芳香族樹脂を熱可塑性樹脂に加えて単軸押出機、二軸押出機を利用して溶融混練する方法等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
【0025】
本発明において、縮合多環芳香族樹脂を熱可塑性樹脂あるいは熱硬化性樹脂に加えて混練するにあたり、縮合多環芳香族樹脂の融点もしくは軟化点以上の温度において混練するのが望ましいが、縮合多環芳香族樹脂の軟化点未満の温度において混練することもできる。この場合、本発明の縮合多環芳香族樹脂はできるだけ微小な形態、すなわち粒子状もしくは粉末状であることが望ましい。
また、縮合多環芳香族樹脂を熱可塑性樹脂あるいは熱硬化性樹脂に加えて混練するにあたり、あらかじめ製造しておいた縮合多環芳香族樹脂の濃度の高い組成物を実際の成形の際に適宜、縮合多環芳香族樹脂を含まない樹脂で希釈して所定の縮合多環芳香族樹脂濃度として用いることもできる。
【0026】
本発明の難燃性樹脂組成物より成形品を製造する方法も従来公知の方法が適用できる。例を挙げると、射出成形、押出成形、圧縮成形等があるが、これらに限定されるものではない。また、成形の際、発泡、延伸等の操作を同時に行ってもよい。
【0027】
本発明により、廃棄時や焼却時に環境に悪影響を及ぼすことなく、難燃性に優れると共に成形性や機械的性能、耐熱性等の性能に優れた樹脂組成物及び成形品を得ることができる。
本発明の難燃性樹脂組成物より得られる成形品は、難燃性、機械的性能、耐熱性に優れ、例えば、高度の難燃性が要求される電気・電子部品、車両・自動車部品、建材等として有用である。
【0028】
【実施例】
以下、実施例等により本発明を具体的に説明する。尚、耐炎性、耐衝撃性は、以下の方法により評価した。
1)耐炎性
3.2mm厚の試験片を用いてUL94に従って測定した。
2)耐衝撃性
ASTM D256に従い、ノッチ付試験片を用いて23℃、50%RH雰囲気下で測定した。
【0029】
(参考例1)縮合多環芳香族樹脂Aの製造
ナフタレン1モル、HF0.37モル、BF30.15モルを内容積500mlの攪拌機付き耐酸オートクレーブに仕込み、275℃にて205分間反応させた。その後オートクレーブの放出弁を開け、常圧において実質的に全量のHF、BF3をガス状で回収した後、窒素を吹き込み、低沸点成分を除去した重合体を得た。得られた重合体の軟化点は283℃、H/C原子比は0.62であった。この重合体を縮合多環芳香族樹脂Aとする。
【0030】
(参考例2)縮合多環芳香族樹脂Bの製造
ナフタレン1モル、HF 0.5モル、BF30.5モルを内容積500mlの攪拌機付き耐酸オートクレーブに仕込み、反応圧力を2.5MPaGに保ちながら260℃に昇温後、120分間反応した。その後オートクレーブの放出弁を開け、常圧において実質的に全量のHF、BF3をガス状で回収した後、窒素を吹き込み、低沸点成分を除去した重合体を得た。得られた重合体の収率は原料ナフタレンに対する重量比で76%であった。この重合体の軟化点は251℃、H/C原子比は0.67であった。この重合体を縮合多環芳香族樹脂Bとする。
【0031】
(参考例3)縮合多環芳香族樹脂Cの製造
内容積500mlの攪拌機付き耐酸オートクレーブ中にナフタレン1モル(128g)、アントラセン0.1モル(17.8g)を仕込み、HF 6モル(200g)を加え、その後BF30.6モルを吸収させ、温度80℃で180分間重合させた。重合後容器を常圧に開放し、ベンゼン200gを加え外部より加熱し、ベンゼンの全量を触媒蒸気と共に留去した。分離した重合体は、更に減圧化で未反応ナフタレンを蒸留分離した。得られた重合体の重量収率は、ナフタレン+アントラセンの重量に対して95%であった。またこの重合体の軟化点は145℃、H/C原子比は0.79であった。この重合体を縮合多環芳香族樹脂Cとする。
【0032】
(参考例4)縮合多環芳香族樹脂Dの製造
石炭タールの蒸留によって得られるアントラセン25wt%を含有するタール油(留分範囲200〜370℃)を原料とし、内容積500mlの撹拌機付オートクレーブ中で重合を実施した。原料タール油200gを仕込み、HF120g、BF30.6モルを加えて80℃で180分間重合を行った。重合後常圧下で200℃まで加熱し触媒のHF,BF3を気化分離した後、重合油を抜出し、真空下で未反応油を蒸留分離し、原料タール油に対し61%の重合ピッチを得た。ピッチの軟化点は94℃、H/C原子比は0.75であった。この重合体を縮合多環芳香族樹脂Dとする。
【0033】
(実施例1)
ナイロン6樹脂55重量部に対してガラス繊維(強化剤)25重量部、赤燐5重量部、水酸化マグネシウム10重量部及び参考例1で得られた縮合多環芳香族樹脂A5重量部を加えてタンブラーでドライブレンドした後、250℃に設定した押出機にて溶融混合し、樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物を、シリンダー温度を250℃とした射出成形機にて、ASTMに規定された試験片を成形した。耐炎性と耐衝撃性の評価結果を表1に示す。
【0034】
(比較例1)
参考例1で得られた縮合多環芳香族樹脂Aを加えずにナイロン6樹脂を50重量部、水酸化マグネシウムを20重量部とした以外は実施例1と同様にして試験片を得た。耐炎性と耐衝撃性の評価結果を表1に示す。
【0035】
(比較例2)
参考例1で得られた縮合多環芳香族樹脂Aを加えずに赤燐を10重量部とした以外は実施例1と同様にして試験片を得た。耐炎性と耐衝撃性の評価結果を表1に示す。
【0036】
【表1】
【0037】
(実施例2)
ポリカーボネート樹脂90重量部に対してテトラブロモビスフェノールA5重量部及び参考例1で得られた縮合多環芳香族樹脂A5重量部を加えてタンブラーでドライブレンドした後、290℃に設定した押出機にて溶融混合し、樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物を、シリンダー温度を290℃とした射出成形機にて、ASTMに規定された試験片を成形した。Br含量は2.9wt%、耐炎性はV−0であった。
【0038】
(比較例3)
縮合多環芳香族樹脂Aを加えずにテトラブロモビスフェノールAを10重量部とした以外は実施例2と同様にして試験片を得た。Br含量は5.9wt%、耐炎性はV−0であった。
【0039】
(実施例3)
ハイインパクトポリスチレン樹脂92重量部に対してトリス(トリブロモネオペンチル)ホスフェート4重量部及び参考例2で得られた縮合多環芳香族樹脂B4重量部を加えてタンブラーでドライブレンドした後、210℃に設定した押出機にて溶融混合し、樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物を、シリンダー温度を210℃とした射出成形機にて、ASTMに規定された試験片を成形した。Br含量は2.8wt%、P含量は0.12wt%、耐炎性はV−2であった。
【0040】
(比較例4)
縮合多環芳香族樹脂Bを加えずにトリス(トリブロモネオペンチル)ホスフェートを8重量部とした以外は実施例2と同様にして試験片を得た。Br含量は5.7wt%、P含量は0.24wt%、耐炎性はV−2であった。
【0041】
(実施例4)
ホモポリプロピレン樹脂90重量部に対してデカブロモジフェニルオキシド5重量部及び参考例2で得られた縮合多環芳香族樹脂C5重量部を加えてタンブラーでドライブレンドした後、240℃に設定した押出機にて溶融混合し、樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物を、シリンダー温度を240℃とした射出成形機にて、ASTMに規定された試験片を成形した。Br含量は4.2wt%、耐炎性はV−2であった。
【0042】
(比較例5)
縮合多環芳香族樹脂Bを加えずにデカブロモジフェニルオキシドを10重量部とした以外は実施例3と同様にして試験片を得た。Br含量は8.3wt%、耐炎性はV−2であった。
【0043】
(実施例5)
エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製;エピコート815)31重量部に対してジブロモクレジルグリシジルエーテル3.5重量部、水酸化マグネシウム34.5重量部、酸化アンチモン3.5重量部及び参考例4で得られた縮合多環芳香族樹脂D3.5重量部を加えて100℃にて混練した。次いでメチルナジック酸無水物(硬化剤)を27.5重量部加えて撹拌・脱泡した後、所定の条件で硬化させて試験片を得た。Br含量は1.8wt%、耐炎性はV−0であった。
【0044】
(比較例6)
エポキシ樹脂(エピコート815)27.5重量部に対してジブロモクレジルグリシジルエーテル7重量部、水酸化マグネシウム34.5重量部、酸化アンチモン3.5重量部を加えて100℃にて混練した。次いでメチルナジック酸無水物を27.5重量部加えて撹拌・脱泡した後、所定の条件で硬化させて試験片を得た。Br含量は3.6wt%、耐炎性はV−0であった。
【0045】
【発明の効果】
本発明により、従来のハロゲン系難燃剤、アンチモン系難燃剤、燐系難燃剤等の使用量を最小限に留め、難燃性に優れると共に成形性や機械的性能、耐熱性等の性能に優れた樹脂組成物及びそれから得られる成形品を得ることができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、廃棄時や焼却時に環境に及ぼす悪影響が小さく、難燃性に優れると共に成形性や機械的性能、耐熱性等の性能に優れた樹脂組成物及びそれから得られる成形品に関わる。
【0002】
【従来の技術】
一般に熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等の各種樹脂類は天然産、合成を問わず、簡便性、軽量性、易成形性等の利点を有し、従来からある金属、鉱物、植物等に替わり広く使用されている。しかしながら、樹脂類の多くは炭素と水素を主要な構成原子種とするため燃えやすいという欠点があった。特に、電気・電子分野、建築分野、運輸分野等に使用される場合、法的規制も含めて、発火源があっても燃えにくい性質、即ち難燃性を備えることが求められている。
【0003】
樹脂類に難燃性を付与する手法として、難燃剤を添加する方法が従来よりとられてきた。難燃剤としてハロゲン系難燃剤、酸化アンチモン、燐あるいは燐化合物、水和金属化合物等が知られている。しかしながら、塩素化合物、臭素化合物等のハロゲン系難燃剤は焼却時にダイオキシンに代表される有害な化合物を発生したり、酸性雨の原因となるおそれがある。酸化アンチモンは慢性毒性が疑われている。燐や燐化合物は焼却時に有毒なホスフィンガスを発生するおそれが有る等、環境への影響が懸念されている。水酸化マグネシウム等の水和金属化合物は比較的環境への悪影響が少ない反面、成形性や機械的性能に影響が現れるほど多量に添加しないと充分な難燃性が付与できないという問題がある。これらの理由から、ハロゲン、アンチモン、燐、金属化合物等の既存の難燃剤を極力減らしても充分な難燃性が付与でき、成形性や諸性能を低下させない技術が嘱望されてきた。従来技術として、易燃性樹脂に特定のピッチとハロゲン原子を含有しない非ハロゲン系難燃剤を配合して成る難燃性樹脂組成物が提案されている(例えば、特許文献1参照。)が、本発明の縮合多環芳香族樹脂とは性状が異なる。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−1622号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、従来のハロゲン系難燃剤、アンチモン系難燃剤、燐系難燃剤等の使用量を最小限に留め、難燃性に優れると共に成形性や機械的性能、耐熱性等の性能に優れた樹脂組成物及びそれから得られる成形品を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、成形性や機械的性能、耐熱性に優れた難燃性樹脂組成物について鋭意研究を重ねた結果、特定の縮合多環芳香族樹脂を樹脂に配合することにより成形性や機械的性能に優れた難燃性樹脂組成物が得られることを見い出し、本発明に到達した。
【0007】
すなわち本発明は、少なくとも縮合多環芳香族樹脂、可燃性樹脂および難燃剤から成る組成物にあって、該組成物中に縮合多環芳香族樹脂が1〜20重量%配合されており、且つ縮合多環芳香族樹脂が、弗化水素および三弗化硼素を触媒として縮合多環芳香族炭化水素を重合することにより製造されることを特徴とする難燃性樹脂組成物、および該樹脂組成物を成形して成る成形品に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の難燃性樹脂組成物は、少なくとも縮合多環芳香族樹脂、可燃性樹脂および難燃剤から成る組成物であり、該組成物中の縮合多環芳香族樹脂の配合量は0.5〜20重量%である。縮合多環芳香族樹脂が0.5重量%未満だと難燃性の付与効果が充分ではなく、縮合多環芳香族樹脂が20重量%を超しても難燃性はそれ以上向上しないため好ましくない。本発明の難燃性樹脂組成物において縮合多環芳香族樹脂の好ましい配合比は、0.5〜15重量%、更に好ましくは0.5〜10重量%である。
【0009】
本発明で使用する縮合多環芳香族樹脂とは、弗化水素および三弗化硼素を触媒として縮合多環芳香族炭化水素を重合することにより得られる樹脂である。
【0010】
本発明で使用される縮合多環芳香族樹脂の原料に用いられる縮合多環芳香族炭化水素は、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、アセナフテン、アセナフチレン、ピレン等の縮合多環炭化水素およびこれらの混合物ないしこれらを含有する物質であって、種々の石油留分、石油加工工程の残油および石炭タール留分等も含まれる。
【0011】
これらの原料は、重合触媒である弗化水素および三弗化硼素と強く結合する塩基性化合物である窒素化合物、硫黄化合物および酸素化合物の含有濃度が低いものが特に原料として適している。
重合触媒量は、縮合多環炭化水素1モルに対し弗化水素が0.1〜20モル、三弗化硼素が0.1〜1.0モルの範囲が好ましい。重合触媒は弗化水素単独または三弗化硼素単独では有効でない。
【0012】
弗化水素(HF)は、三弗化硼素(BF3)と共に用いることにより強いプロトン酸を形成し、塩基である縮合多環炭化水素と錯体を形成する。生成した錯体は、過剰に用いるHFに溶解し錯体溶液を形成する。重合反応はHF溶液において、温和な条件で極めて円滑に進行する。このようにHFは重合を円滑に進行させるための溶媒としての機能を有し、過剰に用いるが、20倍モル以上の使用は不要である。
重合反応の温度は0〜300℃であり、好ましくは30〜300℃である。最適の反応温度は、原料の種類により選定されるが、重合を過度に進める条件は、後の触媒回収を困難にするため避ける必要がある。
重合に要する時間は、原料の種類、温度および触媒量によって変化するが、通常5〜300分であり、好ましくは15〜180分である。
【0013】
重合反応は、撹拌機を備えた耐蝕性の反応器中に原料および触媒を供給し、撹拌混合下で行う。反応操作は、回分操作でも連続操作でも良い。反応器への原料供給を容易にする目的で、固体原料を適当な不活性溶媒に溶解して用いることができる。この不活性溶媒には、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素が好適である。
重合終了後、揮発成分であるHF、BF3を加熱蒸発、留去することで触媒を回収し、同時に縮合多環芳香族樹脂を分離することができる。
【0014】
触媒HF、BF3の重合体からの分離回収は、具体的に以下の方法で実施できる。
回分的に触媒を分離する方法としては、重合体のHF−BF3錯体溶液からなる反応液を適当な圧力下で加熱し、HF、BF3を気相として反応器から抜出し、重合体は最終的に溶融縮合多環芳香族樹脂として回収する。この操作をより円滑に進めるため、ピッチを良く溶解し、且つ適度な蒸気圧を有し、更にHF、BF3に対して比較的不活性な助剤、例えばベンゼン、トルエン、ハロゲン化芳香族炭化水素等を系内に供給または共存させて加熱し、これらの助剤蒸気と共にHF、BF3を蒸発気化する方法も採られる。加熱の方法は、外部よりジャケット等を通して加熱するか、または前述の助剤の蒸気を供給して直接加熱により実施しても良い。
連続的に触媒を分離する方法では、蒸留塔を用い、還流される前述の不活性な助剤中に重合反応液を連続的に供給し、塔頂から気化したHF、BF3を抜出し、塔底からピッチを助剤溶液として回収する。
【0015】
どちらの方法においても、重合物錯体溶液を加熱分解してHF、BF3を回収するのに必要な温度は、100〜250℃であり、好ましくは120〜180℃である。100℃以下の温度では触媒分離を満足な程度まで進めることが困難であり、また250℃以上の高温は必要としない。
HF、BF3を回収するための操作圧力は0〜10気圧、好ましくは1〜5気圧である。操作圧力が高い程、重合体からのHF、BF3の分離が困難となるが、回収触媒、特にガス状のBF3の再利用が容易となる。
【0016】
ここで得られる縮合多環芳香族樹脂は、実質的にHF、BF3を含有せず、蒸留、溶媒抽出、加熱処理およびこれらの組合せ操作を加えることにより縮合多環芳香族樹脂として好適な性状を有するものに加工することができる。
本発明の縮合多環芳香族樹脂の軟化点はメトラー法にて測定されるが、好ましくは10℃〜350℃、更に好ましくは30℃〜300℃である。
【0017】
本発明において、可燃性樹脂としては、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂のいずれも用いることができる。
【0018】
本発明に用いられる可燃性熱硬化性樹脂を例示すると、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、多官能性シアン酸エステル樹脂、多官能性マレイミド−シアン酸エステル樹脂、多官能性マレイミド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、不飽和基含有ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリウレタン樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂等が挙げられ、1種あるいは2種以上を組み合わせて使用できる。
【0019】
本発明に用いられる可燃性熱可塑性樹脂を例示すると、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポリオキシメチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリオキシメチレン、ポリアリレート、ポリアミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルニトリル、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、熱可塑性ポリイミド、ポリメチルメタアクリレート、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体等が挙げられ、1種あるいは2種以上を組み合わせて使用できる。
【0020】
本発明に使用される難燃剤を挙げると、臭化アンモニウム、臭化ビニル、ジブロモスチレン、ヘキサブロモベンゼン、ヘキサブロモビフェニルエーテル、デカブロモビフェニルエーテル、トリブロモフェノール、ヘキサブロモシクロデカン、ヘキサブロモシクロドデカン、ジブロモクレジルグリシジルエーテル、デカブロモジフェニルオキシド、エチレンビステトラブロモフタルイミド、トリブロモクメン、テトラブロモビスフェノールA、クロロテトラブロモブタン、ジブロモネオペンチルグリコール、トリブロモネオペンチルグリコール、ジアリルテトラブロモフタレート、塩化パラフィン、塩素化ポリエチレン、パークロロシクロデカン、ヘキサクロロエンドメチレンテトラヒドロフタル酸(ヘット酸)、テトラクロロ無水フタル酸、ポリジフルオロエチレン、ポリトリフルオロエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体等の含ハロゲン化合物及び含ハロゲンオリゴマー類、含ハロゲンポリマー類、赤燐、ポリ燐酸アンモニウム、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリクレジルフェニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート、トリス(トリブロモネオペンチル)ホスフェート、トリス(クロロエチル)ホスフェート、トリス(クロロプロピル)ホスフェート、ビス(2,3−ジブロモプロピル)2,3−クロロプロピルホスフェート、ビス(2,3−ジブロモプロピル)ホスフェート、ビニルホスフェート、アリルホスフェート、塩化ホスフォニトリル誘導体、フォスファゼン重合体等の含燐化合物及び含燐オリゴマー類、水酸化アルミニウム、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、酸化錫、水酸化錫、三酸化モリブデン、モリブデン酸アンモニウム、酸化ジルコニウム、水酸化ジルコニウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、メタ硼酸バリウム、硼酸亜鉛、硼砂、水酸化マグネシウム、アルミン酸カルシウム、塩化アンチモン、硫化アンチモン、カオリン、クレー、炭酸カルシウム、低融点ガラス、シリカ等の無機金属化合物、窒素化グアニジン、グアニール尿素、トリアジン系化合物、硫酸アミノトリアジン化合物等の含窒素化合物、シリコーン、エポキシ変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、メルカプト変性シリコーン、メタクリル変性シリコーン、ポリカーボネート−シリコーン共重合体、アクリルゴム−シリコーン複合体、ベンゼンスルホン酸ナトリウム等の有機金属化合物があるが、これらに限定されるものではない。また、これらの難燃剤は重合後のポリマーに添加しても良いし、ポリマー重合時に添加して重合によりポリマー鎖の構成成分として用いても良い。また、これらの難燃剤により難燃化されたポリマーを難燃剤として使用しても良い。本発明の難燃性樹脂組成物中の難燃剤含有量には制限はないが、通常、0.1〜40重量%である。
【0021】
また、本発明の難燃性樹脂組成物には縮合多環芳香族樹脂、可燃性樹脂および難燃剤以外に本発明の目的を損なわない限り他の成分を配合しても良い。例を挙げると、強化材、充填材、滑剤、紫外線吸収剤、熱老化防止剤、顔料、染料等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0022】
また本発明の難燃性樹脂組成物には従来より知られている炭化促進触媒を加えても良い。炭化促進触媒を例示すると、塩酸、塩化アンモニウム、燐酸、燐酸水素アンモニウム、有機ホスフォン酸金属塩、アルキルベンゼンスルフォン酸、アルキルナフタレンスルフォン酸等の有機スルフォン酸のアルカリ金属塩、有機スルフォンアミド塩、有機スルフィミド塩、有機イミドジ燐酸塩等があるが、これらに限定されない。
【0023】
また、本発明の難燃性樹脂組成物には燃焼時の溶融樹脂粒の滴下を抑制する従来公知の技術を併用することもできる。例えば、アスペクト比の高いアスベスト繊維やフュームドコロイダルシリカ、テフロン(登録商標)パウダー等を添加する方法がある。
【0024】
本発明の難燃性樹脂組成物を製造する方法には特に制限はなく、従来公知の方法で製造することができる。可燃性樹脂への難燃剤と縮合多環芳香族樹脂の添加順序は特に制限はなく、可燃性樹脂に難燃剤を配合した混合物に縮合多環芳香族樹脂を加える方法、逆に可燃性樹脂に縮合多環芳香族樹脂を配合した混合物に難燃剤を加える方法、可燃性樹脂に難燃剤、縮合多環芳香族樹脂を同時に加える方法等、いずれの方法を採っても良い。
可燃性樹脂が熱硬化性樹脂の場合は、粉体の縮合多環芳香族樹脂を粉体の熱硬化性樹脂に加えて混合する方法、縮合多環芳香族樹脂あるいは熱硬化性樹脂の軟化点以上に加熱して溶融混練する方法、縮合多環芳香族樹脂および熱硬化性樹脂の片方あるいは両者を溶媒に溶解して混合する方法等が採用できる。これらの組成物から成形品を得る方法についても特に制限はなく、従来公知の方法が採用できる。たとえば、プリプレグ法、シートモールドコンパウンディング法、バルクモールドコンパウンディング法等が挙げられる。
熱可塑性樹脂の場合には、固体の縮合多環芳香族樹脂を熱可塑性樹脂に加えて単軸押出機、二軸押出機を利用して溶融混練する方法等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
【0025】
本発明において、縮合多環芳香族樹脂を熱可塑性樹脂あるいは熱硬化性樹脂に加えて混練するにあたり、縮合多環芳香族樹脂の融点もしくは軟化点以上の温度において混練するのが望ましいが、縮合多環芳香族樹脂の軟化点未満の温度において混練することもできる。この場合、本発明の縮合多環芳香族樹脂はできるだけ微小な形態、すなわち粒子状もしくは粉末状であることが望ましい。
また、縮合多環芳香族樹脂を熱可塑性樹脂あるいは熱硬化性樹脂に加えて混練するにあたり、あらかじめ製造しておいた縮合多環芳香族樹脂の濃度の高い組成物を実際の成形の際に適宜、縮合多環芳香族樹脂を含まない樹脂で希釈して所定の縮合多環芳香族樹脂濃度として用いることもできる。
【0026】
本発明の難燃性樹脂組成物より成形品を製造する方法も従来公知の方法が適用できる。例を挙げると、射出成形、押出成形、圧縮成形等があるが、これらに限定されるものではない。また、成形の際、発泡、延伸等の操作を同時に行ってもよい。
【0027】
本発明により、廃棄時や焼却時に環境に悪影響を及ぼすことなく、難燃性に優れると共に成形性や機械的性能、耐熱性等の性能に優れた樹脂組成物及び成形品を得ることができる。
本発明の難燃性樹脂組成物より得られる成形品は、難燃性、機械的性能、耐熱性に優れ、例えば、高度の難燃性が要求される電気・電子部品、車両・自動車部品、建材等として有用である。
【0028】
【実施例】
以下、実施例等により本発明を具体的に説明する。尚、耐炎性、耐衝撃性は、以下の方法により評価した。
1)耐炎性
3.2mm厚の試験片を用いてUL94に従って測定した。
2)耐衝撃性
ASTM D256に従い、ノッチ付試験片を用いて23℃、50%RH雰囲気下で測定した。
【0029】
(参考例1)縮合多環芳香族樹脂Aの製造
ナフタレン1モル、HF0.37モル、BF30.15モルを内容積500mlの攪拌機付き耐酸オートクレーブに仕込み、275℃にて205分間反応させた。その後オートクレーブの放出弁を開け、常圧において実質的に全量のHF、BF3をガス状で回収した後、窒素を吹き込み、低沸点成分を除去した重合体を得た。得られた重合体の軟化点は283℃、H/C原子比は0.62であった。この重合体を縮合多環芳香族樹脂Aとする。
【0030】
(参考例2)縮合多環芳香族樹脂Bの製造
ナフタレン1モル、HF 0.5モル、BF30.5モルを内容積500mlの攪拌機付き耐酸オートクレーブに仕込み、反応圧力を2.5MPaGに保ちながら260℃に昇温後、120分間反応した。その後オートクレーブの放出弁を開け、常圧において実質的に全量のHF、BF3をガス状で回収した後、窒素を吹き込み、低沸点成分を除去した重合体を得た。得られた重合体の収率は原料ナフタレンに対する重量比で76%であった。この重合体の軟化点は251℃、H/C原子比は0.67であった。この重合体を縮合多環芳香族樹脂Bとする。
【0031】
(参考例3)縮合多環芳香族樹脂Cの製造
内容積500mlの攪拌機付き耐酸オートクレーブ中にナフタレン1モル(128g)、アントラセン0.1モル(17.8g)を仕込み、HF 6モル(200g)を加え、その後BF30.6モルを吸収させ、温度80℃で180分間重合させた。重合後容器を常圧に開放し、ベンゼン200gを加え外部より加熱し、ベンゼンの全量を触媒蒸気と共に留去した。分離した重合体は、更に減圧化で未反応ナフタレンを蒸留分離した。得られた重合体の重量収率は、ナフタレン+アントラセンの重量に対して95%であった。またこの重合体の軟化点は145℃、H/C原子比は0.79であった。この重合体を縮合多環芳香族樹脂Cとする。
【0032】
(参考例4)縮合多環芳香族樹脂Dの製造
石炭タールの蒸留によって得られるアントラセン25wt%を含有するタール油(留分範囲200〜370℃)を原料とし、内容積500mlの撹拌機付オートクレーブ中で重合を実施した。原料タール油200gを仕込み、HF120g、BF30.6モルを加えて80℃で180分間重合を行った。重合後常圧下で200℃まで加熱し触媒のHF,BF3を気化分離した後、重合油を抜出し、真空下で未反応油を蒸留分離し、原料タール油に対し61%の重合ピッチを得た。ピッチの軟化点は94℃、H/C原子比は0.75であった。この重合体を縮合多環芳香族樹脂Dとする。
【0033】
(実施例1)
ナイロン6樹脂55重量部に対してガラス繊維(強化剤)25重量部、赤燐5重量部、水酸化マグネシウム10重量部及び参考例1で得られた縮合多環芳香族樹脂A5重量部を加えてタンブラーでドライブレンドした後、250℃に設定した押出機にて溶融混合し、樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物を、シリンダー温度を250℃とした射出成形機にて、ASTMに規定された試験片を成形した。耐炎性と耐衝撃性の評価結果を表1に示す。
【0034】
(比較例1)
参考例1で得られた縮合多環芳香族樹脂Aを加えずにナイロン6樹脂を50重量部、水酸化マグネシウムを20重量部とした以外は実施例1と同様にして試験片を得た。耐炎性と耐衝撃性の評価結果を表1に示す。
【0035】
(比較例2)
参考例1で得られた縮合多環芳香族樹脂Aを加えずに赤燐を10重量部とした以外は実施例1と同様にして試験片を得た。耐炎性と耐衝撃性の評価結果を表1に示す。
【0036】
【表1】
【0037】
(実施例2)
ポリカーボネート樹脂90重量部に対してテトラブロモビスフェノールA5重量部及び参考例1で得られた縮合多環芳香族樹脂A5重量部を加えてタンブラーでドライブレンドした後、290℃に設定した押出機にて溶融混合し、樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物を、シリンダー温度を290℃とした射出成形機にて、ASTMに規定された試験片を成形した。Br含量は2.9wt%、耐炎性はV−0であった。
【0038】
(比較例3)
縮合多環芳香族樹脂Aを加えずにテトラブロモビスフェノールAを10重量部とした以外は実施例2と同様にして試験片を得た。Br含量は5.9wt%、耐炎性はV−0であった。
【0039】
(実施例3)
ハイインパクトポリスチレン樹脂92重量部に対してトリス(トリブロモネオペンチル)ホスフェート4重量部及び参考例2で得られた縮合多環芳香族樹脂B4重量部を加えてタンブラーでドライブレンドした後、210℃に設定した押出機にて溶融混合し、樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物を、シリンダー温度を210℃とした射出成形機にて、ASTMに規定された試験片を成形した。Br含量は2.8wt%、P含量は0.12wt%、耐炎性はV−2であった。
【0040】
(比較例4)
縮合多環芳香族樹脂Bを加えずにトリス(トリブロモネオペンチル)ホスフェートを8重量部とした以外は実施例2と同様にして試験片を得た。Br含量は5.7wt%、P含量は0.24wt%、耐炎性はV−2であった。
【0041】
(実施例4)
ホモポリプロピレン樹脂90重量部に対してデカブロモジフェニルオキシド5重量部及び参考例2で得られた縮合多環芳香族樹脂C5重量部を加えてタンブラーでドライブレンドした後、240℃に設定した押出機にて溶融混合し、樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物を、シリンダー温度を240℃とした射出成形機にて、ASTMに規定された試験片を成形した。Br含量は4.2wt%、耐炎性はV−2であった。
【0042】
(比較例5)
縮合多環芳香族樹脂Bを加えずにデカブロモジフェニルオキシドを10重量部とした以外は実施例3と同様にして試験片を得た。Br含量は8.3wt%、耐炎性はV−2であった。
【0043】
(実施例5)
エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製;エピコート815)31重量部に対してジブロモクレジルグリシジルエーテル3.5重量部、水酸化マグネシウム34.5重量部、酸化アンチモン3.5重量部及び参考例4で得られた縮合多環芳香族樹脂D3.5重量部を加えて100℃にて混練した。次いでメチルナジック酸無水物(硬化剤)を27.5重量部加えて撹拌・脱泡した後、所定の条件で硬化させて試験片を得た。Br含量は1.8wt%、耐炎性はV−0であった。
【0044】
(比較例6)
エポキシ樹脂(エピコート815)27.5重量部に対してジブロモクレジルグリシジルエーテル7重量部、水酸化マグネシウム34.5重量部、酸化アンチモン3.5重量部を加えて100℃にて混練した。次いでメチルナジック酸無水物を27.5重量部加えて撹拌・脱泡した後、所定の条件で硬化させて試験片を得た。Br含量は3.6wt%、耐炎性はV−0であった。
【0045】
【発明の効果】
本発明により、従来のハロゲン系難燃剤、アンチモン系難燃剤、燐系難燃剤等の使用量を最小限に留め、難燃性に優れると共に成形性や機械的性能、耐熱性等の性能に優れた樹脂組成物及びそれから得られる成形品を得ることができる。
Claims (5)
- 少なくとも縮合多環芳香族樹脂、可燃性樹脂および難燃剤から成る組成物にあって、該組成物中に縮合多環芳香族樹脂が1〜20重量%配合されており、且つ縮合多環芳香族樹脂が、弗化水素および三弗化硼素を触媒として縮合多環芳香族炭化水素を重合することにより製造されることを特徴とする難燃性樹脂組成物。
- 前記可燃性樹脂が、熱可塑性樹脂である請求項1記載の難燃性樹脂組成物。
- 前記可燃性樹脂が、熱硬化性樹脂である請求項1記載の難燃性樹脂組成物。
- 前記難燃剤が含ハロゲン化合物、含燐化合物、含窒素化合物、無機金属化合物および有機金属化合物から選ばれる1種以上である請求項1〜3記載の難燃性樹脂組成物。
- 請求項1ないし4に記載の難燃性樹脂組成物を成形して成る成形品。
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WO2007010786A1 (ja) * | 2005-07-19 | 2007-01-25 | Tohoku Ricoh Co., Ltd. | 難燃性樹脂組成物 |
-
2002
- 2002-09-24 JP JP2002277503A patent/JP2004115585A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2007010786A1 (ja) * | 2005-07-19 | 2007-01-25 | Tohoku Ricoh Co., Ltd. | 難燃性樹脂組成物 |
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