JP2004114923A - 車両のサンルーフ構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】車両のルーフ廻りの外装及び内装の設計自由度を向上させる。
【解決手段】サンルーフリッド5,6を案内するためルーフ開口の左右に前後方向に延びるよう形成されるリッド用スライドレール7bと、ルーフ開口の左右に前後方向に延びるよう形成されるシェード用スライドレール7cと、を備えた車両のサンルーフ構造において、リッド用スライドレール7bが形成されるリッド用形成部材15と、シェード用スライドレール7cが形成されるシェード用形成部材16とを、互いに独立して設けた。
【選択図】 図5
【解決手段】サンルーフリッド5,6を案内するためルーフ開口の左右に前後方向に延びるよう形成されるリッド用スライドレール7bと、ルーフ開口の左右に前後方向に延びるよう形成されるシェード用スライドレール7cと、を備えた車両のサンルーフ構造において、リッド用スライドレール7bが形成されるリッド用形成部材15と、シェード用スライドレール7cが形成されるシェード用形成部材16とを、互いに独立して設けた。
【選択図】 図5
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、サンルーフリッドを案内するためのリッド用スライドレールと、サンシェードを案内するシェード用スライドレールとを備えた車両のサンルーフ構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の車両のサンルーフ構造として、ルーフ開口の左右周縁に配されるフレーム部を有し、各フレーム部の左右外側にサンルーフリッドを案内するためのリッド用スライドレールが形成され、左右内側にサンシェードを案内するシェード用スライドレールが形成されるものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。各フレーム部には排水用のドレン溝も形成されており、リッド用スライドレール、シェード用スライドレール及びドレン溝が、一体成形されている。
【0003】
サンルーフリッドは、リッド用スライドレールにより案内され前後に移動する駆動部材と、レールの所定区間にて係合する。サンルーフリッドは、係合した駆動部材が移動することにより、ルーフ開口を開閉する。
【0004】
【特許文献1】
特開平2−35536号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、この車両のサンルーフ構造では、リッド用スライドレール及びシェード用スライドレールが一体に成形されているので、各スライドレールによる駆動部材及びサンシェードの移動軌跡が略同一となる。
【0006】
ここで、駆動部材はサンルーフリッドとの係合状態等に応じて異なる曲率半径の軌跡を辿ることがのぞましい。特にサンルーフリッドが前後に分割され、前側のサンルーフリッドと、後側のサンルーフリッドとを別個に駆動する場合は、前側のサンルーフリッドとの係合区間と、後側のサンルーフリッドとの係合区間とで異なる曲率半径もしくは曲率中心の軌跡を辿るように構成する必要がある。
【0007】
また、サンシェードは乗員により操作されるので、サンシェードの移動操作力を前後にわたって略一定とすることがのぞましく、前後にわたって略一定の曲率半径の軌跡を辿ることがのぞましい。
【0008】
しかしながら、前記車両のサンルーフ構造では、各スライドレールが一体に成形されているので、各スライドレールの曲率半径を別個に設定することができず、前述の要請を全て満たすことができないという問題点があった。
【0009】
さらに、サンルーフリッドを車両のルーフ開口を閉塞しつつルーフパネルと一体的となるよう設けなければならないし、サンシェードを車両の室内トリムと一体感を醸し出すよう設ける必要がある。しかしながら、前記車両のサンルーフ構造では、各スライドレールが一体的に成形されていることから、サンルーフリッド及びサンシェードの配置状態が制約される。従って、サンルーフリッド及びサンシェードを前述のようにルーフ廻りの外装及び内装を損なうことのないよう設けるために、車両の外内装の造形自由度が制限されるという問題点があった。また、ルーフパネルとルーフトリムとの間に無駄なスペースが生じて乗員の居住空間を大きく確保できない等の不都合も生じることとなる。
【0010】
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、車両のルーフ廻りの外装及び内装の設計自由度が向上する車両のサンルーフ構造を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、請求項1記載の発明では、サンルーフリッドを案内するためルーフ開口の左右に前後方向に延びるよう形成されるリッド用スライドレールと、遮光用のサンシェードを案内し、ルーフ開口の左右に前後方向に延びるよう形成されるシェード用スライドレールと、を備えた車両のサンルーフ構造において、前記リッド用スライドレールが形成されるリッド用形成部材と、前記シェード用スライドレールが形成されるシェード用形成部材とを、互いに独立して設けたことを特徴とする。
【0012】
請求項1記載の発明によれば、リッド用形成部材とシェード用形成部材とを互いに独立して設けるようにしたので、リッド用スライドレールと、シェード用スライドレールを別個独立に成形して、ルーフパネル及びルーフトリムの設置状態、形成状態に対応してサンルーフリッド及びサンシェードを配置することができる。これにより、ルーフパネル及びルーフトリムを車両の商品性等を重視してそれぞれ独立して造形しても、車両の外内装の一体感を損なうことなくサンルーフリッド及びサンシェードを配置することができる。
【0013】
従って、車両のルーフ廻りの造形自由度が飛躍的に向上し、車両の商品性もまた飛躍的に向上する。また、ルーフパネルとルーフトリムとを、互いの間隙が小さくなるよう配置することができ、サンルーフ機能に支障をきたすことのない範囲で、ルーフトリムをルーフパネルに近接させ、車両室内の居住空間を大きくすることができる。
【0014】
請求項2記載の発明では、請求項1に記載の車両のサンルーフ構造において、前記リッド用スライドレールと前記シェード用スライドレールとは、互いに異なる軌跡でに形成されることを特徴とする。
【0015】
請求項2記載の発明によれば、請求項1の作用に加え、リッド用スライドレールを、サンルーフリッドの大きさ、形状、開放形式や、ルーフパネルの形状等に応じた軌跡とするとともに、シェード用スライドレールを、サンシェードの乗員による移動操作力や、ルーフトリムの形状等に応じた軌跡とすることができる。すなわち、各スライドレールの軌跡が略同一のものは、各スライドレールの軌跡をそれぞれを独立して最適に設計することが困難であるが、本発明によれば、各スライドレールを最適に設計することが可能である。
【0016】
従って、ルーフ周辺の車両造形や、サンルーフリッド、サンシェードの駆動、操作状態に、各スライドレールごとに対応することができ、車両の商品性のさらなる向上を図ることができる。
【0017】
請求項3記載の発明では、請求項2に記載の車両のサンルーフ構造において、前記リッド用スライドレール及び前記シェード用スライドレールは、ともに上方に凸となるよう湾曲して形成されるものであって、前記シェード用スライドレールは、略一定の曲率半径で形成されることを特徴とする。
【0018】
請求項3記載の発明によれば、請求項2の作用に加え、シェード用スライドレールは略一定の曲率半径であることから、サンシェードの移動操作力を前後にわたって略一定とすることができる。
【0019】
従って、サンシェードを安定的に前後方向に移動させることができるのは勿論のこと、乗員がサンシェードの操作に違和感を覚えることもなく、車両の商品性をさらに向上することができる。
【0020】
請求項4記載の発明では、請求項2又は3に記載の車両のサンルーフ構造において、前記各スライドレールの前後両端側の少なくとも一方にて、前記リッド用スライドレールの高さ位置が前記シェード用スライドレールの高さ位置より低くなるよう構成し、前記各スライドレールの前後中央側にて、前記リッド用スライドレールの高さ位置が、前記シェード用スライドレールの高さ位置と略同じ高さ又は前記シェード用スライドレールの高さ位置より高くなるよう構成したことを特徴とする。
【0021】
請求項4記載の発明によれば、請求項2又は3の作用に加え、各スライドレールは、側面視において、前端側と後端側の少なくとも一方にてリッド用スライドレールがシェード用スライドレールの下方となり、前後中央側にてリッド用スライドレールが、シェード用スライドレールと略同じ高さ又はシェード用スライドレールよりも上方となる。
これにより、各スライドレールの前後中央側、すなわちルーフ開口から車両室内にサンルーフリッドを通じて光が入射する範囲では、サンシェードがサンルーフリッドと略同じ高さ又はサンルーフリッドより下方となり、サンシェードが遮光部材として機能する。また、各スライドレールの前端側と後端側の少なくとも一方、すなわちサンルーフリッドを通じて光が入射せず車両室内側にルーフトリムが配される範囲では、ルーフパネルからリッド用スライドレールが離隔し、リッド用スライドレールの上方に空間が画成される。
【0022】
従って、ルーフ開口におけるサンシェードの遮光機能に支障をきたすことなく、リッド用スライドレールの前端側と後端側の少なくとも一方と、ルーフパネルとの間に、サンルーフリッドを駆動するモータ等の駆動手段、駆動手段の駆動力をサンルーフリッドに伝達する駆動機構等を配することができる。すなわち、リッド用スライドレールの前端側又は後端側に駆動手段、駆動機構の少なくとも一部を配することにより、従来のものに比べてサンルーフ装置を前後に短く構成することができる。
この結果、従来のものと同様のルーフ開口の大きさであれば、従来のものに比べてサンルーフ装置の前後長が短くなるし、従来のものと同様のサンルーフ装置のスペースが確保されれば、ルーフ開口の前後長を大きくとることができる。
【0023】
請求項5記載の発明では、請求項1から4のいずれか一項に記載の車両のサンルーフ構造において、前記各スライドレールの前端側にて、前記リッド用スライドレールの高さ位置が前記シェード用スライドレールの高さ位置よりも低くなるよう構成し、前記リッド用スライドレールの前端側は、前記ルーフ開口の前縁側にて左右に延びる左右延在ドレン溝部の下方に配されることを特徴とする。
【0024】
請求項5記載の発明によれば、請求項1から4のいずれか一項の作用に加え、左右延在ドレン溝部の下方にリッド用スライドレールの前端側を配することにより、左右延在ドレン溝部の前後位置を変更することなく、リッド用スライドレールを前方に延長することができる。
【0025】
従って、サンルーフリッドをより前側に位置させることが可能となり、ルーフ開口の拡大を図ることができる。
【0026】
請求項6記載の発明では、請求項5に記載の車両のサンルーフ構造において、前記サンルーフリッドは、前端側を中心として回動自在の前側リッドと、前後にスライド自在の後側リッドとを隣接して有し、前記リッド用スライドレールに前後方向へ移動自在に係合し、前記リッド用スライドレールの前側にて前記前側リッドに接続された駆動機構を介して前記前側リッドを駆動するとともに、前記リッド用スライドレールの後側にて前記後側リッド側と係合して前記後側リッドを駆動するリッド駆動部材を備え、前記駆動機構の少なくとも一部が、前記左右延在ドレン溝部の下方に配されるよう構成したことを特徴とする。
【0027】
請求項6記載の発明によれば、請求項5の作用に加え、左右延在ドレン溝部の下方に駆動機構の少なくとも一部が配されることから、例えば駆動機構を左右延在ドレン溝部とリッド用スライドレールとの間に配しているもののようにサンルーフ装置の前後寸法が大きくなることはない。
【0028】
従って、駆動機構の設置に多大な室内空間を割く必要がなく、車両の室内空間をより大きく確保することができる。
【0029】
請求項7記載の発明では、請求項1から6のいずれか一項に記載の車両のサンルーフ構造において、前記ルーフ開口の左右両側縁側にて前後に延びる前後延在ドレン溝を、前記リッド用スライドレールと一体的に成形したことを特徴とする。
【0030】
請求項7記載の発明によれば、請求項1から6のいずれか一項の作用に加え、前後延在ドレン溝がリッド用スライドレールと一体的に成形されるので、サンルーフ装置、ひいては車両の製造コストの低減を図ることができる。
【0031】
【発明の実施の形態】
図1から図7は本発明の一実施形態を示すもので、図1はサンルーフ装置を備えた車両のルーフ廻りの外観斜視図、図2は前側リッド及び後側リッドが閉状態のときのサンルーフ装置の外観斜視図、図3は前側リッドが半開状態で後側リッドが閉状態のときのサンルーフ装置の外観斜視図、図4は前側リッド及び後側リッドが開状態のときのサンルーフ装置の外観斜視図、図5は各スライドレールの互いの上下関係を示すサンルーフ構造の側面説明図、図6はサンルーフ装置を車体に組み込んだ状態における各スライドレールの前端側を示すサンルーフ構造の一部側面断面説明図、図7はサンルーフ装置を車体に組み込んだ状態における各スライドレールの後端側を示すサンルーフ構造の一部側面断面説明図である。
【0032】
図1に示すように、この自動車車両1はワゴン車であり、ルーフパネル2のルーフ開口3にサンルーフ装置4が備えられている。このサンルーフ装置4は、ルーフ開口3の前側を開閉する略四角形状の前側リッド5と、ルーフ開口3の後側を開閉する略四角形状の後側リッド6とを隣接して有している。
【0033】
図2に示すように、前側リッド5はルーフパネル2側に対し前端側を中心として回動自在に設けられ、図3に示すように、後端側が上方に移動することによりルーフ開口3の前側を開放するよう構成される。尚、本実施形態においては、前側リッド5の回動中心は、僅かに前後方向へ移動するようになっており、前側リッド5の前端が後方へ移動しつつ、後端側が上方へ移動する。
【0034】
図2に示すように、後側リッド6はルーフパネル2側に対して前後にスライド移動するよう設けられ、図4に示すように後方へスライド移動することによりルーフ開口3の後側を開放するよう構成される。本実施形態においては、前側リッド5が開状態となった後に後側リッド6が開状態となり、また、後側リッド6が閉状態となった後に前側リッド5が閉状態となるようになっている。
【0035】
図2に示すように、このサンルーフ装置4は、ルーフ開口3の左右周縁に沿って前後に延びる一対の左右フレーム部7と、この左右フレーム部7の後端側を連結するクロスメンバ8とを有している。図4に示すように、左右フレーム部7には、排水用の前後延在ドレン溝7a、各リッド5,6を案内するためのリッド用スライドレール7b、サンシェード9を前後に案内するシェード用スライドレール7cが、左右外側からこの順に形成される。
【0036】
本実施形態においては、前後延在ドレン溝7a及びリッド用スライドレール7bは、それぞれ断面凹形状に形成される。前後延在ドレン溝7aは、ルーフ開口3の周縁から室内側へ流入するドレン水を受容し、車両外側へと案内する。また、リッド用スライドレール7bには、前後に移動して前側リッド5及び後側リッド6を駆動するリッド駆動部材10が配される。このリッド駆動部材10は、クロスメンバ8と車体のリヤレール11とに架設されたブラケット12の下側に設置されたモータ13により移動する。
【0037】
本実施形態においては、リッド駆動部材10は、リッド用スライドレール7bを前後にわたって移動する。図5に示すように、リッド駆動部材10は、リッド用スライドレール7bの前側にて前側リッド5を回動駆動するための駆動機構14の係合部材14aと係合し、リッド用スライドレール7bの後側にて後側リッド6側と係合する。
【0038】
リッド駆動部材10は、各リッド5,6側と係合した状態で前後に移動することにより、各リッド5,6を開放・閉塞するよう駆動する。すなわち、リッド駆動部材10が前端側から後端側へ移動すると、前側リッド5、後側リッド6の順で開放され、リッド駆動部材10が後端側から前端側へ移動すると、後側リッド6、前側リッド5の順で閉塞される。
【0039】
シェード用スライドレール7cは、左右内側へ略水平に突出するフランジ状に形成される。このフランジ状の部分に、サンシェード9の左右端部が前後方向へ摺動自在に載置される。本実施形態においては、サンシェード9は、乗員が操作することにより、前後方向へ移動する。また、図5に示すように、ルーフトリムTは、シェード用スライドレール7cの下方に位置することとなる。
【0040】
本実施形態においては、左右フレーム部7は、前後延在ドレン溝7a及びリッド用スライドレール7bが形成されるリッド用形成部材15と、シェード用スライドレール7cが形成されるシェード用形成部材16とに分割して構成される。本実施形態においては、図2に示すように、クロスメンバ8は左右のリッド用形成部材15及びシェード用形成部材16を連結する。
【0041】
また、図5に示すように、リッド用形成部材15とシェード用形成部材16とは、互いに独立して設けられる。本実施形態においては、リッド用スライドレール7b及びシェード用スライドレール7cは、ともに上方に凸となるよう湾曲して形成される。また、リッド用スライドレール7bは複数の曲率半径を組み合わせて形成され、シェード用スライドレール7cは、略一定の曲率半径で形成される。図5に示すように、リッド用スライドレール7bとシェード用スライドレール7cとは、互いに異なる軌跡に形成される。図6に示すように、リッド用形成部材15は、シェード用形成部材16よりも前端側が長く形成される。また、各形成部材15,16は、各スライドレール7b,7cの両端側にてリッド用スライドレール7bの高さ位置がシェード用スライドレール7cの高さ位置よりも低くなり、各スライドレール7b,7cの前後中央側にてリッド用スライドレール7bの高さ位置がシェード用スライドレール7cの高さ位置よりも高くなるよう構成される。
【0042】
また、リッド用スライドレール7bの前端側は、ルーフ開口3の前縁側にて左右に延びる排水用の左右延在ドレン溝部17の下方に配される。また、前側リッド5の駆動機構14の一部も、この左右延在ドレン溝部17の下方に配される。ここで、前側リッド5の駆動機構14について説明する。
【0043】
駆動機構14は、リッド駆動部材10と係合する係合部材14aを有する。係合部材14aは、リッド駆動部材10と同様に前後に移動自在に構成される。係合部材14aはリッド駆動部材10がリッド用スライドレール7bの前側に位置するときにリッド駆動部材10と係合してリッド駆動部材10とともに前後に移動する。尚、リッド駆動部材10がリッド用スライドレール7bの前側から後側へ移動すると、リッド駆動部材10と係合部材14aの係合が解除される。
【0044】
また、駆動機構14aは、リッド用スライドレール7b側に回動自在に設けられる回動部材14bを有する。本実施形態においては、回動部材14bは、前側リッド5が閉塞状態のときに前後に延び、その後端を中心として回動する。この回動部材14bには、係合部材14aに形成された溝部14a1を挿通するピン部材14b1が設けられる。溝部14a1は、リッド用スライドレール7bと略平行に形成される区間と、前上がりに傾斜する区間とを有する。すなわち、係合部材14aがリッド駆動部材10とともに前後に移動し、ピン部材14b1が溝部14a1の平行区間内を移動するときは回動部材14bは回動せず、また、ピン部材14b1が溝部14a1の傾斜区間内を移動するときは回動部材14bが回動する。
【0045】
また、駆動機構14は、前側リッド5の室内側に固定的に設けられ回動部材14bの前端側に回動自在に連結される連結部材14cを有する。この連結部材14cは、左右延在ドレン溝部17の下方へ延びる延在部14c1を有し、この延在部14c1の前端側には第1ピン部材14c2と、この第1ピン部材14c2の後方に配される第2ピン部材14c3とが設けられる。第1ピン部材14c2は、左右延在ドレン溝部17の下方に、略水平で僅かに後上がりに形成された第1挿通溝14d1を挿通する。また、第2ピン部材14c3は、第1挿通溝14d1の後方にて、後上がりに斜めに延びる第2挿通溝14d2を挿通する。
【0046】
これにより、回動部材14bが回動してその前端側が上昇すると、連結部材14cの各ピン部材14c2,14c3が各挿通溝14d1,14d2を後側へ移動し、この結果、連結部材14c及び前側リッド5は、見かけ上、図6に示す回動中心Oを中心として回動し、連結部材14c及び前側リッド5の後端側が上昇して、ルーフ開口3の前側リッド5の後部付近が開放される。
【0047】
このように駆動機構14を構成することで、図5及び図6に示すように、駆動機構14の一部が、左右延在ドレン溝部17の下方に配されることとなる。
【0048】
また、図7に示すように、リッド用形成部材15の後方には、モータ13及びリヤレール11が位置する。すなわち、本実施形態においては、リッド用スライドレール7bの端部の後側(前後外側)にモータ13が配されている。また、モータ13は、シェード用形成部材16の後端側の上方に位置する。
【0049】
以上のように構成された車両のサンルーフ構造によれば、リッド用形成部材15とシェード用形成部材16とを互いに独立して設けるようにしたので、リッド用スライドレール7bと、シェード用スライドレール7cを別個独立に成形して、ルーフパネル2及びルーフトリムTの設置状態、形成状態に対応して各リッド5,6及びサンシェード9を配置することができる。これにより、ルーフパネル2及びルーフトリムTを車両の商品性等を重視してそれぞれ独立して造形しても、車両1の外内装の一体感を損なうことなく各リッド5,6及びサンシェード9を配置することができる。
【0050】
また、各スライドレール7b,7cを互いに異なる軌跡としたので、リッド用スライドレール7bを、各リッド5,6の大きさ、形状、開放形式や、ルーフパネル2の形状等に応じた軌跡とするとともに、シェード用スライドレール7cを、サンシェード9の乗員による移動操作力や、ルーフトリムTの形状等に応じた軌跡とすることができる。すなわち、各スライドレール7b,7cの軌跡が略同一のものは、各スライドレール7b,7cの軌跡をそれぞれを独立して最適に設計することが困難であるが、本実施形態によれば、各スライドレール7b,7cを最適に設計することが可能である。尚、本実施形態においては、シェード用スライドレール7cは略一定の曲率半径であることから、サンシェード9の移動操作力が前後にわたって略一定となっている。
【0051】
また、各スライドレール7b,7cは、前端側にてリッド用スライドレール7bがシェード用スライドレール7cの下方となり、所定位置で交差し、前後中央側にてリッド用スライドレール7bがシェード用スライドレール7cの上方となる。
これにより、各スライドレール7b,7cの前後中央側、すなわちルーフ開口3から車両室内に各リッド5,6を通じて光が入射する範囲では、サンシェード9が各リッド5,6より下方となり、サンシェード9が遮光部材として機能する。また、各スライドレール7b,7cの前端側、すなわちサンルーフリッドを通じて光が入射せず車両室内側にルーフトリムTが配される範囲では、ルーフパネル2からリッド用スライドレール7bが離隔し、リッド用スライドレール7bの上方に空間が画成される。
【0052】
このように、本実施形態の車両1のサンルーフ構造によれば、各スライドレール7b,7cを別個に形成したので、車両1のルーフ廻りの造形自由度が飛躍的に向上し、車両1の商品性もまた飛躍的に向上する。また、ルーフパネル2とルーフトリムTとを、互いの間隙が小さくなるよう配置することができ、サンルーフ機能に支障をきたすことのない範囲で、ルーフトリムTをルーフパネル2に近接させ、車両室内の居住空間を大きくすることができる。
【0053】
また、本実施形態の車両1のサンルーフ構造によれば、各スライドレール7b,7cが互いに異なる軌跡であるので、ルーフ周辺の車両造形や、各リッド5,6、サンシェード9の駆動、操作状態に、各スライドレール7b,7cごとに対応することができ、車両1の商品性のさらなる向上を図ることができる。
【0054】
また、本実施形態の車両1のサンルーフ構造によれば、サンシェード9の移動操作力を前後にわたって略一定であるので、サンシェード9を安定的に前後方向に移動させることができるのは勿論のこと、乗員がサンシェード9の操作に違和感を覚えることもなく、車両1の商品性をさらに向上することができる。
【0055】
また、本実施形態の車両1のサンルーフ構造によれば、ルーフ開口3におけるサンシェード9の遮光機能に支障をきたすことなく、リッド用スライドレール7bの前端側上方に空間が画成されるので、リッド用スライドレール7bの前端側と、ルーフパネル2との間に、駆動機構14の一部を配することができる。すなわち、リッド用スライドレール7bの前端側に駆動機構14の一部を配することにより、従来のものに比べてサンルーフ装置4を前後に短く構成することができる。
この結果、従来のものと同様のルーフ開口3の大きさであれば、従来のものに比べてサンルーフ装置4の前後長が短くなるし、従来のものと同様のサンルーフ装置4のスペースが確保されれば、ルーフ開口3の前後長を大きくとることができる。
【0056】
また、本実施形態の車両1のサンルーフ構造によれば、左右延在ドレン溝部17の下方にリッド用スライドレール7bの前端側を配することにより、左右延在ドレン溝部17の前後位置を変更することなく、リッド用スライドレール7bを前方に延長することができる。
従って、前側リッド5をより前側に位置させることが可能となり、ルーフ開口3の拡大を図ることができる。
【0057】
また、本実施形態の車両1のサンルーフ構造によれば、左右延在ドレン溝部17の下方に駆動機構14の少なくとも一部が配されることから、例えば駆動機構を左右延在ドレン溝部とリッド用スライドレールとの間に配しているもののようにサンルーフ装置4の前後寸法が大きくなることはない。従って、駆動機構14の設置に多大な室内空間を割く必要がなく、車両1の室内空間をより大きく確保することができる。
【0058】
また、本実施形態の車両1のサンルーフ構造によれば、ルーフ開口3の左右両側縁側にて前後に延びる前後延在前後延在ドレン溝7aを、リッド用スライドレール7bと一体的に成形したので、サンルーフ装置4、ひいては車両1の製造コストの低減を図ることができる。
【0059】
また、本実施形態の車両1のサンルーフ構造によれば、リッド用スライドレール7bをシェード用スライドレール7cより前方に長く形成し、シェード用スライドレール7cの前方に駆動機構14の一部を配したので、これによっても、サンルーフ装置4の前後寸法が大きくなることはなく、駆動機構14の設置に多大な室内空間を割く必要がないので、車両1の室内空間をより大きく確保することができる。
【0060】
尚、前記実施形態においては、前側リッド5が回動し、後側リッド6がスライドするものを示したが、各リッド5,6は回動式であってもスライド式であってもよいことは勿論である。
【0061】
また、前記実施形態においては、各スライドレール7b,7cの前端側にてリッド用スライドレール7bの高さ位置がシェード用スライドレール7cの高さ位置よりも低くなるものを示したが、各スライドレール7b,7cの後端側又は両端側にてリッド用スライドレール7bの高さ位置がシェード用スライドレール7cの高さ位置よりも低くなるものであってもよい。
【0062】
また、前記実施形態においては、各スライドレール7b,7cの前後中央側にて、リッド用スライドレール7bの高さ位置が、シェード用スライドレールの高さ位置より高くなるよう構成したものを示したが、各スライドレール7b,7cが前後中央側にて略同じ高さであっても、前記実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0063】
また、前記実施形態においては、左右延在ドレン溝部17の下方に駆動機構14の一部が配されるものを示したが、駆動機構14の全部が配されるものであってもよい。
【0064】
また、前記実施形態における駆動機構14の構成も任意であるし、その他、具体的な細部構造等についても適宜に変更可能であることは勿論である。
【0065】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の車両のサンルーフ構造によれば、車両のルーフ廻りの造形自由度が飛躍的に向上し、車両の商品性もまた飛躍的に向上する。また、ルーフパネルとルーフトリムとを、互いの間隙が小さくなるよう配置することができ、サンルーフ機能に支障をきたすことのない範囲で、ルーフトリムをルーフパネルに近接させ、車両室内の居住空間を大きくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すもので、サンルーフ装置を備えた車両のルーフ廻りの外観斜視図である。
【図2】前側リッド及び後側リッドが閉状態のときのサンルーフ装置の外観斜視図である。
【図3】前側リッドが半開状態で後側リッドが閉状態のときのサンルーフ装置の外観斜視図である。
【図4】前側リッド及び後側リッドが開状態のときのサンルーフ装置の外観斜視図である。
【図5】各スライドレールの互いの上下関係を示すサンルーフ構造の側面説明図である。
【図6】サンルーフ装置を車体に組み込んだ状態における各スライドレールの前端側を示すサンルーフ構造の一部側面断面説明図である。
【図7】サンルーフ装置を車体に組み込んだ状態における各スライドレールの後端側を示すサンルーフ構造の一部側面断面説明図である。
【符号の説明】
1 自動車車両
2 ルーフパネル
3 ルーフ開口
4 サンルーフ装置
5 前側リッド
6 後側リッド
7b リッド用スライドレール
7c シェード用スライドレール
9 サンシェード
10 リッド駆動部材
13 モータ
14 駆動機構
14a 係合部材
15 リッド用スライドレール
16 シェード用スライドレール
T ルーフトリム
【発明の属する技術分野】
本発明は、サンルーフリッドを案内するためのリッド用スライドレールと、サンシェードを案内するシェード用スライドレールとを備えた車両のサンルーフ構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の車両のサンルーフ構造として、ルーフ開口の左右周縁に配されるフレーム部を有し、各フレーム部の左右外側にサンルーフリッドを案内するためのリッド用スライドレールが形成され、左右内側にサンシェードを案内するシェード用スライドレールが形成されるものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。各フレーム部には排水用のドレン溝も形成されており、リッド用スライドレール、シェード用スライドレール及びドレン溝が、一体成形されている。
【0003】
サンルーフリッドは、リッド用スライドレールにより案内され前後に移動する駆動部材と、レールの所定区間にて係合する。サンルーフリッドは、係合した駆動部材が移動することにより、ルーフ開口を開閉する。
【0004】
【特許文献1】
特開平2−35536号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、この車両のサンルーフ構造では、リッド用スライドレール及びシェード用スライドレールが一体に成形されているので、各スライドレールによる駆動部材及びサンシェードの移動軌跡が略同一となる。
【0006】
ここで、駆動部材はサンルーフリッドとの係合状態等に応じて異なる曲率半径の軌跡を辿ることがのぞましい。特にサンルーフリッドが前後に分割され、前側のサンルーフリッドと、後側のサンルーフリッドとを別個に駆動する場合は、前側のサンルーフリッドとの係合区間と、後側のサンルーフリッドとの係合区間とで異なる曲率半径もしくは曲率中心の軌跡を辿るように構成する必要がある。
【0007】
また、サンシェードは乗員により操作されるので、サンシェードの移動操作力を前後にわたって略一定とすることがのぞましく、前後にわたって略一定の曲率半径の軌跡を辿ることがのぞましい。
【0008】
しかしながら、前記車両のサンルーフ構造では、各スライドレールが一体に成形されているので、各スライドレールの曲率半径を別個に設定することができず、前述の要請を全て満たすことができないという問題点があった。
【0009】
さらに、サンルーフリッドを車両のルーフ開口を閉塞しつつルーフパネルと一体的となるよう設けなければならないし、サンシェードを車両の室内トリムと一体感を醸し出すよう設ける必要がある。しかしながら、前記車両のサンルーフ構造では、各スライドレールが一体的に成形されていることから、サンルーフリッド及びサンシェードの配置状態が制約される。従って、サンルーフリッド及びサンシェードを前述のようにルーフ廻りの外装及び内装を損なうことのないよう設けるために、車両の外内装の造形自由度が制限されるという問題点があった。また、ルーフパネルとルーフトリムとの間に無駄なスペースが生じて乗員の居住空間を大きく確保できない等の不都合も生じることとなる。
【0010】
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、車両のルーフ廻りの外装及び内装の設計自由度が向上する車両のサンルーフ構造を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、請求項1記載の発明では、サンルーフリッドを案内するためルーフ開口の左右に前後方向に延びるよう形成されるリッド用スライドレールと、遮光用のサンシェードを案内し、ルーフ開口の左右に前後方向に延びるよう形成されるシェード用スライドレールと、を備えた車両のサンルーフ構造において、前記リッド用スライドレールが形成されるリッド用形成部材と、前記シェード用スライドレールが形成されるシェード用形成部材とを、互いに独立して設けたことを特徴とする。
【0012】
請求項1記載の発明によれば、リッド用形成部材とシェード用形成部材とを互いに独立して設けるようにしたので、リッド用スライドレールと、シェード用スライドレールを別個独立に成形して、ルーフパネル及びルーフトリムの設置状態、形成状態に対応してサンルーフリッド及びサンシェードを配置することができる。これにより、ルーフパネル及びルーフトリムを車両の商品性等を重視してそれぞれ独立して造形しても、車両の外内装の一体感を損なうことなくサンルーフリッド及びサンシェードを配置することができる。
【0013】
従って、車両のルーフ廻りの造形自由度が飛躍的に向上し、車両の商品性もまた飛躍的に向上する。また、ルーフパネルとルーフトリムとを、互いの間隙が小さくなるよう配置することができ、サンルーフ機能に支障をきたすことのない範囲で、ルーフトリムをルーフパネルに近接させ、車両室内の居住空間を大きくすることができる。
【0014】
請求項2記載の発明では、請求項1に記載の車両のサンルーフ構造において、前記リッド用スライドレールと前記シェード用スライドレールとは、互いに異なる軌跡でに形成されることを特徴とする。
【0015】
請求項2記載の発明によれば、請求項1の作用に加え、リッド用スライドレールを、サンルーフリッドの大きさ、形状、開放形式や、ルーフパネルの形状等に応じた軌跡とするとともに、シェード用スライドレールを、サンシェードの乗員による移動操作力や、ルーフトリムの形状等に応じた軌跡とすることができる。すなわち、各スライドレールの軌跡が略同一のものは、各スライドレールの軌跡をそれぞれを独立して最適に設計することが困難であるが、本発明によれば、各スライドレールを最適に設計することが可能である。
【0016】
従って、ルーフ周辺の車両造形や、サンルーフリッド、サンシェードの駆動、操作状態に、各スライドレールごとに対応することができ、車両の商品性のさらなる向上を図ることができる。
【0017】
請求項3記載の発明では、請求項2に記載の車両のサンルーフ構造において、前記リッド用スライドレール及び前記シェード用スライドレールは、ともに上方に凸となるよう湾曲して形成されるものであって、前記シェード用スライドレールは、略一定の曲率半径で形成されることを特徴とする。
【0018】
請求項3記載の発明によれば、請求項2の作用に加え、シェード用スライドレールは略一定の曲率半径であることから、サンシェードの移動操作力を前後にわたって略一定とすることができる。
【0019】
従って、サンシェードを安定的に前後方向に移動させることができるのは勿論のこと、乗員がサンシェードの操作に違和感を覚えることもなく、車両の商品性をさらに向上することができる。
【0020】
請求項4記載の発明では、請求項2又は3に記載の車両のサンルーフ構造において、前記各スライドレールの前後両端側の少なくとも一方にて、前記リッド用スライドレールの高さ位置が前記シェード用スライドレールの高さ位置より低くなるよう構成し、前記各スライドレールの前後中央側にて、前記リッド用スライドレールの高さ位置が、前記シェード用スライドレールの高さ位置と略同じ高さ又は前記シェード用スライドレールの高さ位置より高くなるよう構成したことを特徴とする。
【0021】
請求項4記載の発明によれば、請求項2又は3の作用に加え、各スライドレールは、側面視において、前端側と後端側の少なくとも一方にてリッド用スライドレールがシェード用スライドレールの下方となり、前後中央側にてリッド用スライドレールが、シェード用スライドレールと略同じ高さ又はシェード用スライドレールよりも上方となる。
これにより、各スライドレールの前後中央側、すなわちルーフ開口から車両室内にサンルーフリッドを通じて光が入射する範囲では、サンシェードがサンルーフリッドと略同じ高さ又はサンルーフリッドより下方となり、サンシェードが遮光部材として機能する。また、各スライドレールの前端側と後端側の少なくとも一方、すなわちサンルーフリッドを通じて光が入射せず車両室内側にルーフトリムが配される範囲では、ルーフパネルからリッド用スライドレールが離隔し、リッド用スライドレールの上方に空間が画成される。
【0022】
従って、ルーフ開口におけるサンシェードの遮光機能に支障をきたすことなく、リッド用スライドレールの前端側と後端側の少なくとも一方と、ルーフパネルとの間に、サンルーフリッドを駆動するモータ等の駆動手段、駆動手段の駆動力をサンルーフリッドに伝達する駆動機構等を配することができる。すなわち、リッド用スライドレールの前端側又は後端側に駆動手段、駆動機構の少なくとも一部を配することにより、従来のものに比べてサンルーフ装置を前後に短く構成することができる。
この結果、従来のものと同様のルーフ開口の大きさであれば、従来のものに比べてサンルーフ装置の前後長が短くなるし、従来のものと同様のサンルーフ装置のスペースが確保されれば、ルーフ開口の前後長を大きくとることができる。
【0023】
請求項5記載の発明では、請求項1から4のいずれか一項に記載の車両のサンルーフ構造において、前記各スライドレールの前端側にて、前記リッド用スライドレールの高さ位置が前記シェード用スライドレールの高さ位置よりも低くなるよう構成し、前記リッド用スライドレールの前端側は、前記ルーフ開口の前縁側にて左右に延びる左右延在ドレン溝部の下方に配されることを特徴とする。
【0024】
請求項5記載の発明によれば、請求項1から4のいずれか一項の作用に加え、左右延在ドレン溝部の下方にリッド用スライドレールの前端側を配することにより、左右延在ドレン溝部の前後位置を変更することなく、リッド用スライドレールを前方に延長することができる。
【0025】
従って、サンルーフリッドをより前側に位置させることが可能となり、ルーフ開口の拡大を図ることができる。
【0026】
請求項6記載の発明では、請求項5に記載の車両のサンルーフ構造において、前記サンルーフリッドは、前端側を中心として回動自在の前側リッドと、前後にスライド自在の後側リッドとを隣接して有し、前記リッド用スライドレールに前後方向へ移動自在に係合し、前記リッド用スライドレールの前側にて前記前側リッドに接続された駆動機構を介して前記前側リッドを駆動するとともに、前記リッド用スライドレールの後側にて前記後側リッド側と係合して前記後側リッドを駆動するリッド駆動部材を備え、前記駆動機構の少なくとも一部が、前記左右延在ドレン溝部の下方に配されるよう構成したことを特徴とする。
【0027】
請求項6記載の発明によれば、請求項5の作用に加え、左右延在ドレン溝部の下方に駆動機構の少なくとも一部が配されることから、例えば駆動機構を左右延在ドレン溝部とリッド用スライドレールとの間に配しているもののようにサンルーフ装置の前後寸法が大きくなることはない。
【0028】
従って、駆動機構の設置に多大な室内空間を割く必要がなく、車両の室内空間をより大きく確保することができる。
【0029】
請求項7記載の発明では、請求項1から6のいずれか一項に記載の車両のサンルーフ構造において、前記ルーフ開口の左右両側縁側にて前後に延びる前後延在ドレン溝を、前記リッド用スライドレールと一体的に成形したことを特徴とする。
【0030】
請求項7記載の発明によれば、請求項1から6のいずれか一項の作用に加え、前後延在ドレン溝がリッド用スライドレールと一体的に成形されるので、サンルーフ装置、ひいては車両の製造コストの低減を図ることができる。
【0031】
【発明の実施の形態】
図1から図7は本発明の一実施形態を示すもので、図1はサンルーフ装置を備えた車両のルーフ廻りの外観斜視図、図2は前側リッド及び後側リッドが閉状態のときのサンルーフ装置の外観斜視図、図3は前側リッドが半開状態で後側リッドが閉状態のときのサンルーフ装置の外観斜視図、図4は前側リッド及び後側リッドが開状態のときのサンルーフ装置の外観斜視図、図5は各スライドレールの互いの上下関係を示すサンルーフ構造の側面説明図、図6はサンルーフ装置を車体に組み込んだ状態における各スライドレールの前端側を示すサンルーフ構造の一部側面断面説明図、図7はサンルーフ装置を車体に組み込んだ状態における各スライドレールの後端側を示すサンルーフ構造の一部側面断面説明図である。
【0032】
図1に示すように、この自動車車両1はワゴン車であり、ルーフパネル2のルーフ開口3にサンルーフ装置4が備えられている。このサンルーフ装置4は、ルーフ開口3の前側を開閉する略四角形状の前側リッド5と、ルーフ開口3の後側を開閉する略四角形状の後側リッド6とを隣接して有している。
【0033】
図2に示すように、前側リッド5はルーフパネル2側に対し前端側を中心として回動自在に設けられ、図3に示すように、後端側が上方に移動することによりルーフ開口3の前側を開放するよう構成される。尚、本実施形態においては、前側リッド5の回動中心は、僅かに前後方向へ移動するようになっており、前側リッド5の前端が後方へ移動しつつ、後端側が上方へ移動する。
【0034】
図2に示すように、後側リッド6はルーフパネル2側に対して前後にスライド移動するよう設けられ、図4に示すように後方へスライド移動することによりルーフ開口3の後側を開放するよう構成される。本実施形態においては、前側リッド5が開状態となった後に後側リッド6が開状態となり、また、後側リッド6が閉状態となった後に前側リッド5が閉状態となるようになっている。
【0035】
図2に示すように、このサンルーフ装置4は、ルーフ開口3の左右周縁に沿って前後に延びる一対の左右フレーム部7と、この左右フレーム部7の後端側を連結するクロスメンバ8とを有している。図4に示すように、左右フレーム部7には、排水用の前後延在ドレン溝7a、各リッド5,6を案内するためのリッド用スライドレール7b、サンシェード9を前後に案内するシェード用スライドレール7cが、左右外側からこの順に形成される。
【0036】
本実施形態においては、前後延在ドレン溝7a及びリッド用スライドレール7bは、それぞれ断面凹形状に形成される。前後延在ドレン溝7aは、ルーフ開口3の周縁から室内側へ流入するドレン水を受容し、車両外側へと案内する。また、リッド用スライドレール7bには、前後に移動して前側リッド5及び後側リッド6を駆動するリッド駆動部材10が配される。このリッド駆動部材10は、クロスメンバ8と車体のリヤレール11とに架設されたブラケット12の下側に設置されたモータ13により移動する。
【0037】
本実施形態においては、リッド駆動部材10は、リッド用スライドレール7bを前後にわたって移動する。図5に示すように、リッド駆動部材10は、リッド用スライドレール7bの前側にて前側リッド5を回動駆動するための駆動機構14の係合部材14aと係合し、リッド用スライドレール7bの後側にて後側リッド6側と係合する。
【0038】
リッド駆動部材10は、各リッド5,6側と係合した状態で前後に移動することにより、各リッド5,6を開放・閉塞するよう駆動する。すなわち、リッド駆動部材10が前端側から後端側へ移動すると、前側リッド5、後側リッド6の順で開放され、リッド駆動部材10が後端側から前端側へ移動すると、後側リッド6、前側リッド5の順で閉塞される。
【0039】
シェード用スライドレール7cは、左右内側へ略水平に突出するフランジ状に形成される。このフランジ状の部分に、サンシェード9の左右端部が前後方向へ摺動自在に載置される。本実施形態においては、サンシェード9は、乗員が操作することにより、前後方向へ移動する。また、図5に示すように、ルーフトリムTは、シェード用スライドレール7cの下方に位置することとなる。
【0040】
本実施形態においては、左右フレーム部7は、前後延在ドレン溝7a及びリッド用スライドレール7bが形成されるリッド用形成部材15と、シェード用スライドレール7cが形成されるシェード用形成部材16とに分割して構成される。本実施形態においては、図2に示すように、クロスメンバ8は左右のリッド用形成部材15及びシェード用形成部材16を連結する。
【0041】
また、図5に示すように、リッド用形成部材15とシェード用形成部材16とは、互いに独立して設けられる。本実施形態においては、リッド用スライドレール7b及びシェード用スライドレール7cは、ともに上方に凸となるよう湾曲して形成される。また、リッド用スライドレール7bは複数の曲率半径を組み合わせて形成され、シェード用スライドレール7cは、略一定の曲率半径で形成される。図5に示すように、リッド用スライドレール7bとシェード用スライドレール7cとは、互いに異なる軌跡に形成される。図6に示すように、リッド用形成部材15は、シェード用形成部材16よりも前端側が長く形成される。また、各形成部材15,16は、各スライドレール7b,7cの両端側にてリッド用スライドレール7bの高さ位置がシェード用スライドレール7cの高さ位置よりも低くなり、各スライドレール7b,7cの前後中央側にてリッド用スライドレール7bの高さ位置がシェード用スライドレール7cの高さ位置よりも高くなるよう構成される。
【0042】
また、リッド用スライドレール7bの前端側は、ルーフ開口3の前縁側にて左右に延びる排水用の左右延在ドレン溝部17の下方に配される。また、前側リッド5の駆動機構14の一部も、この左右延在ドレン溝部17の下方に配される。ここで、前側リッド5の駆動機構14について説明する。
【0043】
駆動機構14は、リッド駆動部材10と係合する係合部材14aを有する。係合部材14aは、リッド駆動部材10と同様に前後に移動自在に構成される。係合部材14aはリッド駆動部材10がリッド用スライドレール7bの前側に位置するときにリッド駆動部材10と係合してリッド駆動部材10とともに前後に移動する。尚、リッド駆動部材10がリッド用スライドレール7bの前側から後側へ移動すると、リッド駆動部材10と係合部材14aの係合が解除される。
【0044】
また、駆動機構14aは、リッド用スライドレール7b側に回動自在に設けられる回動部材14bを有する。本実施形態においては、回動部材14bは、前側リッド5が閉塞状態のときに前後に延び、その後端を中心として回動する。この回動部材14bには、係合部材14aに形成された溝部14a1を挿通するピン部材14b1が設けられる。溝部14a1は、リッド用スライドレール7bと略平行に形成される区間と、前上がりに傾斜する区間とを有する。すなわち、係合部材14aがリッド駆動部材10とともに前後に移動し、ピン部材14b1が溝部14a1の平行区間内を移動するときは回動部材14bは回動せず、また、ピン部材14b1が溝部14a1の傾斜区間内を移動するときは回動部材14bが回動する。
【0045】
また、駆動機構14は、前側リッド5の室内側に固定的に設けられ回動部材14bの前端側に回動自在に連結される連結部材14cを有する。この連結部材14cは、左右延在ドレン溝部17の下方へ延びる延在部14c1を有し、この延在部14c1の前端側には第1ピン部材14c2と、この第1ピン部材14c2の後方に配される第2ピン部材14c3とが設けられる。第1ピン部材14c2は、左右延在ドレン溝部17の下方に、略水平で僅かに後上がりに形成された第1挿通溝14d1を挿通する。また、第2ピン部材14c3は、第1挿通溝14d1の後方にて、後上がりに斜めに延びる第2挿通溝14d2を挿通する。
【0046】
これにより、回動部材14bが回動してその前端側が上昇すると、連結部材14cの各ピン部材14c2,14c3が各挿通溝14d1,14d2を後側へ移動し、この結果、連結部材14c及び前側リッド5は、見かけ上、図6に示す回動中心Oを中心として回動し、連結部材14c及び前側リッド5の後端側が上昇して、ルーフ開口3の前側リッド5の後部付近が開放される。
【0047】
このように駆動機構14を構成することで、図5及び図6に示すように、駆動機構14の一部が、左右延在ドレン溝部17の下方に配されることとなる。
【0048】
また、図7に示すように、リッド用形成部材15の後方には、モータ13及びリヤレール11が位置する。すなわち、本実施形態においては、リッド用スライドレール7bの端部の後側(前後外側)にモータ13が配されている。また、モータ13は、シェード用形成部材16の後端側の上方に位置する。
【0049】
以上のように構成された車両のサンルーフ構造によれば、リッド用形成部材15とシェード用形成部材16とを互いに独立して設けるようにしたので、リッド用スライドレール7bと、シェード用スライドレール7cを別個独立に成形して、ルーフパネル2及びルーフトリムTの設置状態、形成状態に対応して各リッド5,6及びサンシェード9を配置することができる。これにより、ルーフパネル2及びルーフトリムTを車両の商品性等を重視してそれぞれ独立して造形しても、車両1の外内装の一体感を損なうことなく各リッド5,6及びサンシェード9を配置することができる。
【0050】
また、各スライドレール7b,7cを互いに異なる軌跡としたので、リッド用スライドレール7bを、各リッド5,6の大きさ、形状、開放形式や、ルーフパネル2の形状等に応じた軌跡とするとともに、シェード用スライドレール7cを、サンシェード9の乗員による移動操作力や、ルーフトリムTの形状等に応じた軌跡とすることができる。すなわち、各スライドレール7b,7cの軌跡が略同一のものは、各スライドレール7b,7cの軌跡をそれぞれを独立して最適に設計することが困難であるが、本実施形態によれば、各スライドレール7b,7cを最適に設計することが可能である。尚、本実施形態においては、シェード用スライドレール7cは略一定の曲率半径であることから、サンシェード9の移動操作力が前後にわたって略一定となっている。
【0051】
また、各スライドレール7b,7cは、前端側にてリッド用スライドレール7bがシェード用スライドレール7cの下方となり、所定位置で交差し、前後中央側にてリッド用スライドレール7bがシェード用スライドレール7cの上方となる。
これにより、各スライドレール7b,7cの前後中央側、すなわちルーフ開口3から車両室内に各リッド5,6を通じて光が入射する範囲では、サンシェード9が各リッド5,6より下方となり、サンシェード9が遮光部材として機能する。また、各スライドレール7b,7cの前端側、すなわちサンルーフリッドを通じて光が入射せず車両室内側にルーフトリムTが配される範囲では、ルーフパネル2からリッド用スライドレール7bが離隔し、リッド用スライドレール7bの上方に空間が画成される。
【0052】
このように、本実施形態の車両1のサンルーフ構造によれば、各スライドレール7b,7cを別個に形成したので、車両1のルーフ廻りの造形自由度が飛躍的に向上し、車両1の商品性もまた飛躍的に向上する。また、ルーフパネル2とルーフトリムTとを、互いの間隙が小さくなるよう配置することができ、サンルーフ機能に支障をきたすことのない範囲で、ルーフトリムTをルーフパネル2に近接させ、車両室内の居住空間を大きくすることができる。
【0053】
また、本実施形態の車両1のサンルーフ構造によれば、各スライドレール7b,7cが互いに異なる軌跡であるので、ルーフ周辺の車両造形や、各リッド5,6、サンシェード9の駆動、操作状態に、各スライドレール7b,7cごとに対応することができ、車両1の商品性のさらなる向上を図ることができる。
【0054】
また、本実施形態の車両1のサンルーフ構造によれば、サンシェード9の移動操作力を前後にわたって略一定であるので、サンシェード9を安定的に前後方向に移動させることができるのは勿論のこと、乗員がサンシェード9の操作に違和感を覚えることもなく、車両1の商品性をさらに向上することができる。
【0055】
また、本実施形態の車両1のサンルーフ構造によれば、ルーフ開口3におけるサンシェード9の遮光機能に支障をきたすことなく、リッド用スライドレール7bの前端側上方に空間が画成されるので、リッド用スライドレール7bの前端側と、ルーフパネル2との間に、駆動機構14の一部を配することができる。すなわち、リッド用スライドレール7bの前端側に駆動機構14の一部を配することにより、従来のものに比べてサンルーフ装置4を前後に短く構成することができる。
この結果、従来のものと同様のルーフ開口3の大きさであれば、従来のものに比べてサンルーフ装置4の前後長が短くなるし、従来のものと同様のサンルーフ装置4のスペースが確保されれば、ルーフ開口3の前後長を大きくとることができる。
【0056】
また、本実施形態の車両1のサンルーフ構造によれば、左右延在ドレン溝部17の下方にリッド用スライドレール7bの前端側を配することにより、左右延在ドレン溝部17の前後位置を変更することなく、リッド用スライドレール7bを前方に延長することができる。
従って、前側リッド5をより前側に位置させることが可能となり、ルーフ開口3の拡大を図ることができる。
【0057】
また、本実施形態の車両1のサンルーフ構造によれば、左右延在ドレン溝部17の下方に駆動機構14の少なくとも一部が配されることから、例えば駆動機構を左右延在ドレン溝部とリッド用スライドレールとの間に配しているもののようにサンルーフ装置4の前後寸法が大きくなることはない。従って、駆動機構14の設置に多大な室内空間を割く必要がなく、車両1の室内空間をより大きく確保することができる。
【0058】
また、本実施形態の車両1のサンルーフ構造によれば、ルーフ開口3の左右両側縁側にて前後に延びる前後延在前後延在ドレン溝7aを、リッド用スライドレール7bと一体的に成形したので、サンルーフ装置4、ひいては車両1の製造コストの低減を図ることができる。
【0059】
また、本実施形態の車両1のサンルーフ構造によれば、リッド用スライドレール7bをシェード用スライドレール7cより前方に長く形成し、シェード用スライドレール7cの前方に駆動機構14の一部を配したので、これによっても、サンルーフ装置4の前後寸法が大きくなることはなく、駆動機構14の設置に多大な室内空間を割く必要がないので、車両1の室内空間をより大きく確保することができる。
【0060】
尚、前記実施形態においては、前側リッド5が回動し、後側リッド6がスライドするものを示したが、各リッド5,6は回動式であってもスライド式であってもよいことは勿論である。
【0061】
また、前記実施形態においては、各スライドレール7b,7cの前端側にてリッド用スライドレール7bの高さ位置がシェード用スライドレール7cの高さ位置よりも低くなるものを示したが、各スライドレール7b,7cの後端側又は両端側にてリッド用スライドレール7bの高さ位置がシェード用スライドレール7cの高さ位置よりも低くなるものであってもよい。
【0062】
また、前記実施形態においては、各スライドレール7b,7cの前後中央側にて、リッド用スライドレール7bの高さ位置が、シェード用スライドレールの高さ位置より高くなるよう構成したものを示したが、各スライドレール7b,7cが前後中央側にて略同じ高さであっても、前記実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0063】
また、前記実施形態においては、左右延在ドレン溝部17の下方に駆動機構14の一部が配されるものを示したが、駆動機構14の全部が配されるものであってもよい。
【0064】
また、前記実施形態における駆動機構14の構成も任意であるし、その他、具体的な細部構造等についても適宜に変更可能であることは勿論である。
【0065】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の車両のサンルーフ構造によれば、車両のルーフ廻りの造形自由度が飛躍的に向上し、車両の商品性もまた飛躍的に向上する。また、ルーフパネルとルーフトリムとを、互いの間隙が小さくなるよう配置することができ、サンルーフ機能に支障をきたすことのない範囲で、ルーフトリムをルーフパネルに近接させ、車両室内の居住空間を大きくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すもので、サンルーフ装置を備えた車両のルーフ廻りの外観斜視図である。
【図2】前側リッド及び後側リッドが閉状態のときのサンルーフ装置の外観斜視図である。
【図3】前側リッドが半開状態で後側リッドが閉状態のときのサンルーフ装置の外観斜視図である。
【図4】前側リッド及び後側リッドが開状態のときのサンルーフ装置の外観斜視図である。
【図5】各スライドレールの互いの上下関係を示すサンルーフ構造の側面説明図である。
【図6】サンルーフ装置を車体に組み込んだ状態における各スライドレールの前端側を示すサンルーフ構造の一部側面断面説明図である。
【図7】サンルーフ装置を車体に組み込んだ状態における各スライドレールの後端側を示すサンルーフ構造の一部側面断面説明図である。
【符号の説明】
1 自動車車両
2 ルーフパネル
3 ルーフ開口
4 サンルーフ装置
5 前側リッド
6 後側リッド
7b リッド用スライドレール
7c シェード用スライドレール
9 サンシェード
10 リッド駆動部材
13 モータ
14 駆動機構
14a 係合部材
15 リッド用スライドレール
16 シェード用スライドレール
T ルーフトリム
Claims (7)
- サンルーフリッドを案内するためルーフ開口の左右に前後方向に延びるよう形成されるリッド用スライドレールと、
遮光用のサンシェードを案内し、ルーフ開口の左右に前後方向に延びるよう形成されるシェード用スライドレールと、を備えた車両のサンルーフ構造において、
前記リッド用スライドレールが形成されるリッド用形成部材と、前記シェード用スライドレールが形成されるシェード用形成部材とを、互いに独立して設けたことを特徴とする車両のサンルーフ構造。 - 前記リッド用スライドレールと前記シェード用スライドレールとは、互いに異なる軌跡に形成されることを特徴とする請求項1に記載の車両のサンルーフ構造。
- 前記リッド用スライドレール及び前記シェード用スライドレールは、ともに上方に凸となるよう湾曲して形成されるものであって、
前記シェード用スライドレールは、略一定の曲率半径で形成されることを特徴とする請求項2に記載の車両のサンルーフ構造。 - 前記各スライドレールの前後両端側の少なくとも一方にて、前記リッド用スライドレールの高さ位置が前記シェード用スライドレールの高さ位置より低くなるよう構成し、
前記各スライドレールの前後中央側にて、前記リッド用スライドレールの高さ位置が、前記シェード用スライドレールの高さ位置と略同じ高さ又は前記シェード用スライドレールの高さ位置より高くなるよう構成したことを特徴とする請求項2又は3に記載の車両のサンルーフ構造。 - 前記各スライドレールの前端側にて、前記リッド用スライドレールの高さ位置が前記シェード用スライドレールの高さ位置よりも低くなるよう構成し、
前記リッド用スライドレールの前端側は、前記ルーフ開口の前縁側にて左右に延びる左右延在ドレン溝部の下方に配されることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の車両のサンルーフ構造。 - 前記サンルーフリッドは、前端側を中心として回動自在の前側リッドと、前後にスライド自在の後側リッドとを隣接して有し、
前記リッド用スライドレールに前後方向へ移動自在に係合し、前記リッド用スライドレールの前側にて前記前側リッドに接続された駆動機構を介して前記前側リッドを駆動するとともに、前記リッド用スライドレールの後側にて前記後側リッド側と係合して前記後側リッドを駆動するリッド駆動部材を備え、
前記駆動機構の少なくとも一部が、前記左右延在ドレン溝部の下方に配されるよう構成したことを特徴とする請求項5に記載の車両のサンルーフ構造。 - 前記リッド用レール形成部材に、前記ルーフ開口の左右両側縁側にて前後に延びる前後延在ドレン溝を形成したことを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の車両のサンルーフ構造。
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