JP2004114676A - 水系コート層を設けた樹脂延伸フィルム - Google Patents

水系コート層を設けた樹脂延伸フィルム Download PDF

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Abstract

【課題】 水系コート層を基材フィルム上に設ける場合に、基材フィルム生産工程中(インライン)での塗工及び/又はアウトラインでの塗工の際に従来行っていたアンカーコート剤などの下引き塗工を行わなくても、ハジキムラなどのトラブル発生を抑えて、水系コート剤に係わる制限を緩和しうるようにし、それによって優れた密着性を有する水系コート層を有する樹脂延伸フィルムを提供すること。
【解決手段】 液体吸収係数が5ml/m2(ms)1/2以上である基材フィルムの少なくとも片面に、水系コート層(E)を設けたことを特徴とする樹脂延伸フィルム。
【選択図】  なし



Description

 本発明は、インクジェット記録用紙、感熱記録紙、熱転写記録紙、感圧転写記録紙や各種印刷用紙等の記録媒体に用いることができる水系コート層を設けた樹脂延伸フィルムに関する。
 従来から、耐水性及び耐候性、耐久性等が必要な用途に供するインクジェット記録紙、感熱記録紙、熱転写受容紙、感圧転写記録紙、屋外掲示ポスター用紙、各種ラベル用紙等の記録媒体は、ポリオレフィン樹脂やポリエステル樹脂と無機微細粉末や有機フィラーを配合して延伸したフィルム法合成紙やポリエステル樹脂を主原料とする透明な延伸フィルムなどを基材フィルムとし、各種の塗工設備を用いて水系コート剤が表面に塗工されたものが提案されている(特許文献1〜10参照)。
 しかしながらこれらの基材フィルム表面に水系コート剤を塗工した多くの場合は、基材フィルムの水吸収性が不十分なために水系コート剤の基材フィルムへの濡れ性不良によるコート剤のハジキムラやコート層と基材フィルムとの密着性が悪いなどの問題点があった。
 これらの問題点を改善するために、予め基材フィルム表面に濡れ改良剤やアンカーコート剤等の下引き塗工が必要であった。この下引き塗工を行う工程が増加することにより生産コストも高くなっていた。
 また基材フィルムの水溶液との濡れ性が悪い場合や、水溶液を吸収する能力が少ない場合には、使用する水系コート剤の粘度や固形分濃度が制限されることがあった。
特開平10−188188号公報の請求項1 特開2001−181423号公報の段落番号0079〜0083 特開2001−246830号公報の請求項1 特開2001−253166号公報の請求項1 特開2002−46346号公報の請求項1 特開2002−46350号公報の請求項1 特開2002−46351号公報の請求項1 特開平5−124335号公報の請求項1 特開平5−1969806号公報の請求項1 特開平5−169804号公報の請求項1
 本発明は、これらの従来技術の問題点を解決することを課題とした。すなわち、本発明は、水系コート層を基材フィルム上に設ける場合に、基材フィルム生産工程中(インライン)での塗工及び/又はアウトラインでの塗工の際に従来行っていたアンカーコート剤などの下引き塗工を行わなくても、ハジキムラなどのトラブル発生を抑えて、水系コート剤に係わる制限を緩和しうるようにし、それによって優れた密着性を有する水系コート層を有する樹脂延伸フィルムを提供することを課題とした。
 本発明者らは鋭意研究を行った結果、JAPAN TAPPI NO.51−87に準拠するBLISTOW吸水試験により定義される液体吸収係数(本発明では吸水開始20ミリ秒経過後40ミリ秒における液体吸収係数)が5ml/m2(ms)1/2以上の基材フィルム表面に水系コート剤を塗工することにより、塗工時の諸問題を解決することができ、なお且つ優れた特性を有する樹脂延伸フィルムを提供しうることを見出し、本発明を完成するに至った。
 すなわち本発明は、液体吸水係数が5ml/m2(ms)1/2以上である基材フィルム、少なくとも片面に水系コート層(E)を設けた樹脂延伸フィルムに関する。
 その実施態様は、基材フィルムの表面開口率は7%以上であることが好ましく、また少なくとも1方向に延伸され、かつ面積延伸倍率が2〜80倍であることが好ましい。
 さらに熱可塑性樹脂(A)、少なくとも1種類の表面処理剤(D)により表面処理された無機微細粉末(B)、有機フィラー、及び分散剤(C)を含有することが好ましく、特に熱可塑性樹脂(A)20〜80重量%、無機微細粉末(B)80〜20重量%、及び有機フィラー0〜50重量%の割合で配合した樹脂組成物100重量部に対し、分散剤(C)0.01〜100重量部を含有することが好ましい。無機微細粉末(B)は表面処理剤(D)で表面を親水化処理したものが好ましい。
 熱可塑性樹脂(A)は結晶性ポリオレフィン系樹脂であることが好ましく、分散剤(C)は酸変性ポリオレフィン(好ましい酸変成率は0.01〜20%)及び/又はシラノール変性ポリオレフィンであることが好ましく、表面処理剤(D)は水溶性カチオンポリマー及び/又は水溶性アニオン系界面活性剤で処理された無機微細粉末が好ましく、前記水溶性カチオンポリマーはジアリルアミン塩及び/又はアルキルジアリルアミン塩と非イオン親水性ビニルモノマーとを構成単位とするものを用いることが好ましい。
 基材フィルム表面への水系コート剤の塗工はインライン及び/又はアウトラインのどちらで(あるいは両方で)実施してもよい。また水系コート層はピグメントコート層が好ましい。
 本発明の水系コート層(E)を設ける基材フィルムは上記の条件を満たす限り、他の樹脂フィルムと積層したものやその他の材料に積層した構造(積層体)を有するものであってもよい。
 基材フィルムが単層構造であっても多層構造であっても、上記の条件を満たすものである限り本発明の範囲内に包含される。
 また本発明は上記水系コート層(E)を設ける基材フィルム又は積層体を使用した記録物も含む。
 本発明の樹脂延伸フィルムは、吸水性に優れている基材フィルムと水系コート層を組み合わせることにより、従来よりも少ない塗工量でその機能を発揮し、アンカーコート層を用いなくても十分な塗工層密着性を有している。本発明の樹脂延伸フィルムは、インクジェット記録用紙や感熱記録用紙として極めて有用である。
発明の実施の形態
 以下において、基材フィルム上に水系コート層(E)を設けた本発明の樹脂延伸フィルムについて詳細に説明する。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
[熱可塑性樹脂(A)]
 基材フィルムに使用する熱可塑性樹脂(A)としては、結晶性プロピレン系樹脂、あるいは高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン等の結晶性エチレン系樹脂、ポリメチルー1−ペンテン等の結晶性ポリオレフィン系樹脂、ナイロン−6、ナイロン−6,6、ナイロン−6,10、ナイロン−6,12等のポリアミド系樹脂、ポリエチレンテレフタレートやその共重合体、ポリエチレンナフタレート、脂肪族ポリエステル等の熱可塑性ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート、アタクティックポリスチレン、シンジオタクティックポリスチレン、ポリフェニレンスルフィド等の熱可塑性樹脂が挙げられる。これらは2種以上混合して用いることもできる。
 これらの中でも、耐薬品性や生産コスト等の観点より、結晶性ポリオレフィン系樹脂を用いることが好ましく、結晶性プロピレン系樹脂を用いることがより好ましい。
 結晶性ポリオレフィン系樹脂は、結晶性を示すものである。結晶化度は、通常20%以上が好ましく、35〜75%がより好ましい。結晶性を示すものを用いれば、延伸により樹脂延伸フィルム表面に空孔(開口)を十分に形成することができる。該結晶化度はX線回折、赤外線スペクトル分析等の方法によって測定することができる。
 結晶性プロピレン系樹脂としては、プロピレンを単独重合させたアイソタクティック重合体又はシンジオタクティック重合体を用いることが好ましい。また、エチレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、4−メチル−1−ペンテン等のα−オレフィンとプロピレンとを共重合させた様々な立体規則性を有するプロピレンを主成分とする共重合体を使用することもできる。共重合体は2元系でも3元系以上の多元系でもよく、またランダム共重合体でもブロック共重合体でもよい。
 基材フィルムにおける熱可塑性樹脂(A)の含有量は、通常20〜80重量%、好ましくは25〜75重量%である。
[無機微細粉末(B)及び有機フィラー]
 基材フィルムに使用する無機微細粉末(B)として、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、焼成クレー、タルク、酸化チタン、硫酸バリウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、珪藻土、酸化珪素などの無機微細粉末、無機微細粉末の核の周囲にアルミニウム酸化物ないしは水酸化物を有する複合無機微細粉末、中空ガラスビーズ等を例示することができる。中でも重質炭酸カルシウム、焼成クレー、珪藻土を使用すれば、安価であるとともに、延伸時に多くの空孔が形成されるため好ましい。
 無機微細粉末(B)の含有量としては、通常20〜80重量%、好ましくは25〜75重量%である。
 無機微細粉末(B)の含有量が80重量%を超えると、延伸が困難になる傾向がある。20重量%未満では所望の表面開口率が得られず液体吸収係数の改善が不十分になる傾向がある。
 有機フィラーは、空孔形成の目的のために、上述の熱可塑性樹脂(A)よりも融点ないしはガラス転移点が高くて非相溶性の樹脂から選択して用いることが好ましい。具体例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエチレンナフタレート、ポリスチレン、アクリル酸エステルないしはメタクリル酸エステルの重合体や共重合体、メラミン樹脂、ポリエチレンサルファイト、ポリイミド、ポリエチルエーテルケトン、ポリフェニレンサルファイド、環状オレフィンの単独重合体及び環状オレフィンとエチレンの共重合体等を例示することができる。なかでも上述熱可塑性樹脂(A)として、ポリオレフィン系樹脂を使用する場合には、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエチレンナフタレート、ポリスチレン、環状オレフィンの単独重合体及び環状オレフィンとエチレンの共重合体より選択して用いることが好ましい。
 有機フィラーの含有量としては、0〜50重量%、好ましくは0〜40重量%である。
 本発明に使用する無機微細粉末の平均粒子径又は有機フィラーの平均分散粒子径は、好ましくは0.1〜20μm、より好ましくは0.5〜15μmの範囲である。熱可塑性樹脂(A)との混合の容易さを考慮すると0.1μm以上のものを用いることが好ましい。粒子径が0.1μm未満の場合、延伸による空孔形成が困難になり所望の表面を有する延伸フィルムが得られなくなる傾向がある。また、平均粒子径が20μmを超えると、延伸性が低下して成形時における延伸切れや穴あきが多くなる傾向がある。
 本発明に使用する無機微細粉末の平均粒子径は、一例として粒子計測装置、例えば、レーザー回折式粒子計測装置(株式会社日機装製、商品名:マイクロトラック)により累積で50%にあたる粒子径(累積50%粒子径)を測定することにより求めることができる。
 また、溶融混練と分散により熱可塑性樹脂中に分散した有機フィラーの粒子径は、樹脂延伸フィルム断面の電子顕微鏡観察により粒子の少なくとも10個を測定してその粒子径の平均値として求めることができる。
 本発明に使用する無機微細粉末は上記の中から1種を選択してこれを単独で使用してもよいし、2種以上を選択して組み合わせて使用してもよい。2種以上を組み合わせて使用する場合には、無機微細粉末と有機フィラーの組み合わせであってもよい。
[分散剤(C)]
 基材フィルムに使用する分散剤(C)としては、例えば酸変性ポリオレフィン、シラノール変性ポリオレフィンなどを例示することができる。この中でも酸変性ポリオレフィンを用いることが好ましい。該酸変性ポリオレフィンとしては、無水マレイン酸をランダム共重合もしくはグラフト共重合した無水酸基含有ポリオレフィン、あるいはメタクリル酸、アクリル酸などの不飽和カルボン酸をランダム共重合もしくはグラフト共重合したカルボン酸基含有ポリオレフィン、グリシジルメタクリレートをランダム共重合もしくはグラフト共重合したエポキシ基含有ポリオレフィンなどが挙げられる。具体例としては、無水マレイン酸変性ポリプロピレン、無水マレイン酸変性ポリエチレン、アクリル酸変性ポリプロピレン、エチレン・メタクリル酸ランダム共重合体、エチレン・グリシジルメタクリレートランダム共重合体、エチレン・グリシジルメタクリレートグラフト共重合体、グリシジルメタクリレート変性ポリプロピレンなどが挙げられ、なかでも好ましくは無水マレイン酸変性ポリプロピレン及び無水マレイン酸変性ポリエチレンである。
 無水マレイン酸変性ポリプロピレン及び無水マレイン酸変性ポリエチレンの具体例としては、三菱化学(株)のモディックAP「P513V」(商品名)やモディックAP「M513」(商品名)、三洋化成工業(株)のYumex1001,1010(商品名)やYumex2000(商品名)、三井・デュポンケミカル(株)のHPR「VR101」(商品名)が挙げられる。
 酸変性ポリオレフィンの酸変性率は、0.01〜20%が好ましく、0.05〜15%がより好ましい。
 酸変性率が0.01%未満では、表面処理した無機微細粉末(B)の熱可塑性樹脂(A)中への分散効果が不十分になる傾向があり、20%を超えると酸変性ポリオレフィンの軟化点が低くなりすぎて熱可塑性樹脂とのコンパウンドが困難になる傾向がある。
 本発明における分散剤(C)の含有量は、熱可塑性樹脂(A)、無機微細粉末(B)及び有機フィラーを配合した樹脂組成物100重量部に対して、通常0.01〜100重量部、好ましくは0.05〜90重量部、更に好ましくは0.1〜80重量部である。
 分散剤(C)の含有量が0.01重量部未満では、表面処理した無機微細粉末が十分に分散しないため、所望の表面開口率が得られず、液体吸収係数の改善が不十分になる傾向がある。逆に100重量部を超えると、延伸性が低下し成形時における延伸切れが多くなる傾向がある。
[表面処理剤(D)]
 本発明の無機微細粉末(B)に使用する表面処理剤(D)は、無機微細粉末(B)の表面を親水化処理するものが好ましい。表面処理剤(D)としては、ジアリルアミン塩又はアルキルジアリルアミン塩より選ばれるモノマー(d1)と非イオン親水性ビニルモノマー(d2)との共重合体である水溶性カチオンコポリマー、又は水溶性アニオン系界面活性剤が好ましい。水溶性カチオンコポリマーの場合「塩」を形成する陰イオンは、塩化物イオン、臭化物イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、メチル硫酸イオン、エチル硫酸イオン、メタンスルホン酸イオンより選ばれるものであることが好ましい。
 (d1)の具体例としては、ジアリルアミン塩、炭素数1〜4の範囲のアルキルジアリルアミン塩及びジアルキルジアリルアミン塩、すなわちメチルジアリルアミン塩やエチルジアリルアミン塩、ジメチルジアリルアミン塩、メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム、アクリロイルオキシエチルトリメリルアンモニウム、メタクリロイルオキシエチルジメチルエチルアンモニウムやアクリロイルオキシエチルジメチルエチルアンモニウムのクロライド、ブロマイド、メトサルフェート、又はエトサルフェート、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレートやN,N−ジメチルアミノエチルアクリレートをエピクロロヒドリン、グリシドール、グリシジルトリメチルアンモニウムクロライドなどのエポキシ化合物でアルキル化して得られる4級アンモニウム塩が挙げられ、これらの中でも、特に好ましいものはジアリルアミン塩、メチルジアリルアミン塩及びジメチルジアリルアミン塩である。
 (d2)の具体例としては、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルピロドリン、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシ(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸メチルエステル、(メタ)アクリル酸エチルエステル、(メタ)アクリル酸ブチルエステルであり、これらの中でも好ましくはアクリルアミド、メタクリルアミドである。
 (d1)と(d2)の共重合比は任意であるが、好ましい範囲として、(d1)は10〜99モル%、より好ましくは50〜97モル%、さらに好ましくは65〜95モル%であり、(d2)は90〜1モル%、より好ましくは50〜3モル%、更に好ましくは35〜5モル%である。
 (d1)と(d2)より得られる表面処理剤(D)は、上記モノマー混合物を水性媒体中で過硫酸アンモニウムや2,2−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロライド等である開始剤を使用して40℃〜100℃(例えば50〜80℃)で2時間〜24時間重合反応させることにより得ることができる。該重合体は特開平5−263010号公報、特開平7−300568号公報等に記載された方法により製造することができ、本発明の目的を達成する為に使用可能である。特開昭57−48340号公報、特開昭63−235377号公報等に記載された方法の一部を使用することもできる。これらの中で好ましくはジアリルアミン又はジアリルジメチルアミンの塩酸塩、硫酸塩とメタクリルアミド、アクリルアミドの共重合体である。
 該重合体の分子量は、1N塩化ナトリウム水溶液中の25℃での極限粘度で示すと通常0.05〜3、好ましくは0.1〜0.7、特に好ましくは0.1〜0.45の範囲である。また、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定される重量平均分子量で表すと、約5,000〜950,000、好ましくは10,000〜500,000、更に好ましくは10,000〜80,000の範囲である。
 また本発明の無機微細粉末(B)に使用する水溶性アニオン系界面活性剤よりなる表面処理剤(D)は、分子内に陰イオン性官能基を有する。
 その具体例として、(d3)炭素数4〜40の範囲の炭化水素基を有するスルホン酸塩、(d4)炭素数4〜40の範囲の炭化水素基を有するリン酸エステル塩、炭素数4〜40の範囲の高級アルコールのリン酸モノ又はジエステルの塩、(d5)炭素数4〜30の範囲の炭化水素基を有するアルキルベタインやアルキルスルホベタインなどが挙げられ、本発明の効果を得られるように適宜選択される。(d3)〜(d4)における「塩」とは、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、1〜4級アンモニウム塩、1〜4級ホスホニウム塩を示し、塩として好ましいのは、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、4級アンモニウム塩、より好ましくはナトリウム塩又はカリウム塩である。
 (d3)の炭素数4〜40の範囲の炭化水素基を有するスルホン酸塩としては、炭素数4〜40、好ましくは8〜20の範囲の直鎖又は分岐や環状構造を有する炭化水素基を有するスルホン酸塩、スルホアルカンカルボン酸塩であり、具体的には炭素数4〜40、好ましくは8〜20の範囲のアルキルベンゼンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、炭素数4〜30、好ましくは8〜20の範囲の直鎖又は分岐や環状構造を有するアルキルナフタレンスルホン酸塩、炭素数1〜30、好ましくは8〜20の範囲の直鎖又は分岐構造を有するアルキル基を有するジフェニルエーテルやビフェニルのスルホン酸塩;炭素数1〜30、好ましくは8〜20の範囲のアルキル硫酸エステルの塩;スルホアルカンカルボン酸エステルの塩;炭素数8〜30、好ましくは炭素数10〜20の範囲のアルキルアルコールのアルキレンオキシド付加物のスルホン酸塩などが挙げられる。
 これらの具体例としては、アルカンスルホン酸塩や芳香族スルホン酸塩すなわちオクタンスルホン酸塩、ドデカンスルホン酸塩、ヘキサデカンスルホン酸塩、オクタデカンスルホン酸塩、1−又は2−ドデシルベンゼンスルホン酸塩、1−又は2−ヘキサデシルベンゼンスルホン酸塩、1−又は2−オクタデシルベンゼンスルホン酸塩、ドデシルナフタレンスルホン酸塩の種々の異性体、β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物の塩、オクチルビフェニルスルホン酸塩の種々の異性体、ドデシルジフェニルエーテルスルホン酸塩、ドデシルリグニンスルホン酸塩、;アルキル硫酸エステル塩すなわちドデシル硫酸塩、ヘキサデシル硫酸塩、;スルホアルカンカルボン酸塩すなわちスルホコハク酸のジアルキルエステルであり、アルキル基が炭素数1〜30、好ましくは4〜20の範囲の直鎖又は分岐や環状構造を有するもの、より具体的には、スルホコハク酸ジ(2−エチルヘキシル)の塩、N−メチル−N−(2−スルホエチル)アルキルアミドの塩(アルキル基は炭素数1〜30、好ましくは12〜18)、例えばN−メチルタウリンとオレイン酸を由来とするアミド化合物、炭素数1〜30、好ましくは10〜18のカルボン酸の2−スルホエチルエステル塩、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンラウリル硫酸塩、ポリオキシエチレンセチル硫酸塩;炭素数8〜30、好ましくは10〜20の範囲のアルキルアルコールのアルキレンオキシド付加物のスルホン酸塩すなわちラウリルアルコールのエチレンオキシド付加物の硫酸エステル塩、セチルアルコールのエチレンオキシド付加物の硫酸エステル塩、ステアリルアルコールのエチレンオキシド付加物の硫酸エステル塩などが挙げられる。
 (d4)の炭素数4〜40の範囲の直鎖又は分岐や環状構造を有する炭化水素基を有するリン酸モノ、又はジエステル塩又はリン酸トリエステル、好ましくは炭素数8〜20の範囲の直鎖又は分岐や環状構造を有する炭化水素基を有するリン酸モノ、又はジエステル塩やリン酸トリエステルの具体例としては、リン酸ドデシルのジナトリウム塩又はジカリウム塩、リン酸へキシデシルのジナトリウム塩、リン酸ジドデシルのジナトリウム塩又はジカリウム塩、リン酸ジヘキサデシルのナトリウム塩又はカリウム塩、ドデシルアルコールの酸化エチレン付加物のリン酸トリエステル等が挙げられる。
 (d5)の炭素数4〜30、好ましくは10〜20の範囲の炭化水素基を有するアルキルベタインやアルキルスルホベタインの具体例としては、ラウリルジメチルベタイン、ステアリルジメチルベタイン、ドデシルジメチル(3−スルホプロピレン)アンモニウムインナーソルト、セチルジメチル(3−スルホプロピル)アンモニウムインナーソルト、ステアリルジメチル(3−スルホプロピル)アンモニウムインナーソルト、2−オクチル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、2−ラウリル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインなどが挙げられる。
 これらのうちで好ましくは、(d3)炭素数4〜40の範囲の炭化水素基を有するスルホン酸塩であり、より好ましくは炭素数10〜20の範囲のアルカンスルホン酸塩、炭素数10〜20の範囲のアルキル基を有する芳香族スルホン酸塩、炭素数10〜20の範囲のアルキル基を有するアルキルアルコールのアルキレンオキサイド付加物の硫酸エステル塩より選ばれるものである。
[水系コート層(E)]
 本発明における水系コート層(E)は、文字及び/又は画像を形成可能な水系のピグメントコート層が好ましく、印刷方法や印字方式に適したコート層が適宜選択し使用できる。
 かかるピグメントコート層を形成するピグメントコート剤は、バインダー樹脂、ピグメント成分、モノマー成分、オリゴマー成分を目的に応じて適宜組み合わせたものである。ピグメント成分に占める水の割合は30重量%以上が好ましく、40重量%以上がより好ましく、50重量%以上がさらに好ましい。
 本発明の水系コート層(E)に用いるピグメントコート層を例示すれば、例えばオフセット印刷、グラビヤ印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷、レタープレス印刷などに適したものは、公知の無機フイラーと公知の印刷インキに適したバインダー樹脂を組み合わせたもの、感熱記録紙用コート層としては、公知のロイコ染料と顕色剤を組み合わせたもの、インクジェット記録紙用コート層としては、バインダー樹脂、吸水性ピグメント、インク定着剤の組み合わせたもの、溶融熱転写記録紙用コート層としては公知の親油性ピグメントと各種バインダー樹脂などの組み合わせが挙げられる。
 例えばインクジェット記録紙用コート層の具体例としては、吸水性ピグメントとしてシリカ、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、不定形シリカ、パールネックレス状シリカ、繊維状酸化アルミニウム及びその水和物、板状酸化アルミニウム及びその水和物などを用いたものが挙げられる。
 バインダー樹脂としては、ポリビニルアルコール及びその誘導体、ポリビニルピロリドン及びその誘導体、ポリアクリルアミド、ヒドロキシエチルセルロース、カゼイン、澱粉などの水溶性樹脂やウレタン系樹脂、エステル系樹脂、エポキシ系樹脂、エチレン系樹脂、エチレン−酢酸ビニール系共重合体樹脂、酢酸ビニール系樹脂、塩化ビニール系樹脂、塩化ビニール−酢酸ビニール系共重合体、塩化ビニリデン系樹脂、塩化ビニール−塩化ビニリデン系共重合体樹脂、アクリル酸系樹脂、メタクリル酸系樹脂、ビニルブチラール系樹脂、シリコン系樹脂、ニトロセルロース系樹脂、スチレン−アクリル系共重合体、スチレン−ブタジエン系共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン系共重合体などの非水溶性樹脂のエマルジョンが挙げられる。
 インク定着剤としては、酸化アルミニウム水和物、酸化ジルコニウム水和物、酸化スズ水和物等の無機金属酸化水和物が、また水酸化アルミニウム、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム、酢酸アルミニウム、硝酸アルミニウム、硫酸ジルコニウム、塩化ジルコニウム、塩化スズ、アミノ基含有シランカップリング剤、4級アンモニウム基含有シランカップリング剤等のカチオン性シランカップリング剤、及びアミノ基含有ジルコニウムカップリング剤、4級アンモニウム含有ジルコニウムカップリング剤等のカチオン性ジルコニウムカップリング剤、及びアミノ基含有チタニウムカップリング剤、4級アンモニウム基含有チタニウムカップリング剤等のカチオン性チタニウムカップリング剤、及びアミノ基含有グリシジルエーテル、4級アンモニウム基含有グリシジルエーテル等のカチオン性グリシジルカップリング剤、ポリエチレンイミンやポリプロピレンポリアミン等のポリアルキレンポリアミン類又はその誘導体、アミノ基や4級アンモニウム基含有アクリル系樹脂、アミノ基や4級アンモニウム塩含有ポリビニルアルコールが挙げられる。
 前記の吸水性ピグメント、バインダー樹脂、インク定着剤の中から適宜選択してこれを混合して用いることが好ましい。
 さらに水系コート層(E)の耐水性を向上するために、バインダー樹脂に架橋剤などの添加が望ましい。架橋剤としては、尿素―ホルムアルデヒド樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、ポリアミドポリ尿素―ホルムアルデヒド樹脂、グリオキザール、エポキシ系架橋剤、ポリイソシアネート樹脂、硼酸、硼砂、各種硼酸塩等を用いることが望ましい。
 また必要に応じて一般的に塗工紙で使用される分散剤、増粘剤、消泡剤、防腐剤、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、酸化防止剤、界面活性剤、アンチブロッキング剤等の助剤を使用することができる。
 水系コート層(E)に用いる感熱記録用コート層の具体的な例としては、ロイコ染料として、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(1,2−ジメチルインドール−3−イル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(1,2−ジメチルインドール−3−イル)−6−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(9−エチルカルバゾール−3−イル)−6−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(2−フェニルインドール−3−イル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−p−ジメチルアミノフェニル−3−(1−メチルピロール−3−イル)−6−ジメチルアミノフタリド等のトリアリルメタン系染料、4,4’−ビス−ジメチルアミノベンズヒドリルベンジルエーテル、N−ハロフェニル−ロイコオーラミン、N−2,4,5−トリクロロフェニルロイコーラミン等のジフェニルメタン系染料、ベンゾイルロイコメチレンブルー、p−ニトロベンゾイルロイコメチレンブルー等のチアジン系染料、3−メチル−スピロ−ジナフトピラン、3−エチル−スピロ−ジナフトピラン、3−フェニル−スピロ−ジナフトピラン、3−ベンジル−スピロ−ジナフトピラン、3−メチル−ナフト−(6’−メトキシベンゾ)スピロピラン、3−プロピル−スピロ−ジベンゾピラン等のスピロ系染料、ローダミン−βアニリノラクタム、ローダミン(p−ニトロアニリノ)ラクタム、ローダミン−(o−クロロアニリノ)ラクタム等のラクタム系染料、3−ジメチルアミノ−7−メトキシフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メトキシフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−メトキシフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6,7−ジメチルフルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−7メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−N−アセチル−N−メチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−N−メチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−ジメンジルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−N−メタル−N−ベンジルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−N−クロロエチル−N−メチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−N−ジエチルアミノフルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−6−メチル−7−フェニルアミノフルオラン、3−(N−シクロペンチル−N−エチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−6−メチル−7−(p−トルイジノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−フェニルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(2−カルボメトキシフェニルアミノ)フルオラン、3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−6−メチル−7−フェニルアミノフルオラン、3−ピペリジノ−6−メチル−7−フェニルアミノフルオラン、3−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)−6−メチル−7−フェニルアミノフルオラン、3−ピペリジノ−6−メチル−7−フェニルシミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−キシリジノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−クロロフェニルアミノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−7−(o−クロロフェニルアミノ)フルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−p−ブチルフェニルアミノフルオラン、3−N−メチル−N−テトラヒドロフルフリルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−メチル−N−テトラヒドロフルフリノアミノ−6−メチル−7アニリノフルオラン、3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン等のフルオラン系染料等の一種以上が適宜選択して使用される。
 これらのロイコ染料と反応して顕色する顕色剤も、公知の各種のものを用いることができる。例えば、活性白土、酸性白土、アタパルジャイト、ベントナイト、コロイダルシリカ、珪酸アルミニウム等の無機酸性物質、4−tert−ブチルフェノール、4−ヒドロキシジフェノキシド、α−ナフトール、βナフトール、4−ヒドロキシアセトフェノール、4−tert−オクチルカテコール、2,2’−ジヒドロキシジフェノール、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−イソブチルフェノール)、4,4’−イソプロピリデンビス(2−tert−ブチルフェノール)、4,4’−sec−ブチリデンジフェノール、4−フェニルフェノール、4,4’イソプロピリデンビス(2−tert−ブチルフェノール)、4,4’−イソプロピリデンジフェノール(ビスフェノールA)、2,2’−メチレンビス(4−クロロフェノール)、ハイドロキノン、4,4’−シクロヘキシリデンジフェノール、4−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、4−ヒドロキシフタル酸ジメチル、ヒドロキノンモノベンジルエーテル、ノボラック型フェノール樹脂、フェノール重合体等のフェノール性化合物、安息香酸、p−tert−ブチル安息香酸、トリクロル安息香酸、テレフタル酸、3−sec−ブチル−4−ヒドロキシ安息香酸、3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ安息香酸、3,5−ジメチル−4−ヒドロキシ安息香酸、サリチル酸、3−イソプロピルサリチル酸、3−tert−ブチルサリチル酸、3−ベンジルサリチル酸、3−(α−メチルベンジル)サリチル酸、3−クロル−5−(α−メチルベンジル)サリチル酸、3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸、3−フェニル−5−(α,α−ジメチルベンジル)サリチル酸、3,5−ジ−α−メチルベンジルサリチル酸等の芳香族カルボン酸、及び前期フェノール性化合物や芳香族カルボン酸と例えば亜鉛、マグネシウム、アルミニウム、カルシウム、チタン、マンガン、スズ、ニッケル等の多価金属との塩等の一種以上が適宜選択して使用される。なお、顕色剤は染料1重量部に対して1〜20重量部、好ましくは1〜5重量部程度の範囲で使用するのが好ましい。
 バインダー樹脂としては、前記インクジェット用コート層で例示したものが適宜使用しうる。
 感熱記録方式では加熱されたサーマルヘッドが直接感熱記録用コート層に接触することから、感熱記録用コート層にはブロッキング防止剤としてピグメントを含有していることが望ましい。又、顕色反応を制御し、サーマルヘッドの熱が周囲に拡散し、ドットが滲むのを防止する事からピグメントを含有していることが望ましい。
 かかるピグメントの例としてはカオリン、クレー、炭酸カルシウム、焼成クレー、焼成カオリン、珪藻土、微粒子状無水シリカ、活性白土などの無機粒子やスチレンマイクロボール、ナイロンパウダー、ポリエチレンパウダー、アクリル系樹脂パウダー、尿素・ホルマリン樹脂フィラー、生デンプン粒子などの有機粒子が挙げられる。
 感熱記録用コート層中に含まれるピグメントの粒子径は、目的やピグメントの種類により異なるが一般的には20μm以下のものが用いられる。又、その含有量も用いられるピグメントの種類、粒子径により異なるが、感熱記録用コート層全体の好ましくは1〜60重量%、より好ましくは3〜60重量%である。
[無機微細粉末の表面処理方法]
 本発明において、少なくとも1種類の表面処理剤(D)を用いて無機微細粉末(B)の表面処理を行う。表面処理方法としては、公知の種々の方法が適応でき、特に制限されない。混合装置や混合時の温度、時間も使用する表面処理剤成分の性状や物性に応じて適宜選択される。使用される種々の混合機のL/D(軸長/軸径)や撹拌翼の形状、剪断速度、比エネルギー、滞留時間、処理時間、処理温度等についても、使用成分の性状に合わせて適宜選択可能である。
 無機微細粉末(B)の表面処理方法の例として、湿式粉砕により製造する炭酸カルシウムの場合には、粒径が10〜50μmの炭酸カルシウム粒子100重量部に対して必要量の表面処理剤(D)の存在下、水性媒体中で湿式粉砕して所望の粒子径とする方法を挙げることができる。具体的には炭酸カルシウム/水性媒体(具体的には水)との重量比が70/30〜30/70、好ましくは60/40〜40/60の範囲となるように炭酸カルシウムに水を加え、ここに表面処理剤(D)を炭酸カルシウム100重量部あたり0.01〜10重量部、好ましくは0.1〜5重量部添加し、常法により湿式粉砕する。さらには、上記範囲の量となる表面処理剤を予め溶解してなる水性媒体を準備し、該水性媒体を炭酸カルシウムと混合し、常法により湿式粉砕してもよい。湿式粉砕はバッチ式でも、連続式でもよく、サンドミル、アトライター、ボールミルなどの粉砕装置を使用したミルなどを使用するのが好ましい。このように湿式粉砕することにより、平均粒子径が0.1〜20μm、好ましくは0.5〜15μmの炭酸カルシウムが得られる。
 次いで湿式粉砕品を乾燥するが、乾燥前に分級工程を設けて、350メッシュオンといった粗粉を除くことができる。乾燥は熱風乾燥など公知の方法により行うことができるが、媒体流動乾燥により行うのが好ましい。媒体流動乾燥とは、乾燥塔内で熱風(80〜150℃)により流動化状態にある媒体粒子群(流動層)中にスラリー状物質を供給し、供給されたスラリー状物質は、活発に流動化している媒体粒子の表面に膜状に付着しながら流動乾燥内に分散され、熱風による乾燥作用を受けることにより、各種物質を乾燥する方法である。このような媒体流動乾燥は、例えば(株)奈良機械製作所製の媒体流動乾燥装置「メディア スラリー ドライヤー」等を用いて容易に行うことが出来る。この媒体流動乾燥を用いると乾燥と凝集粒子の解砕(1次粒子化の除去)が同時に行われるので好ましい。同方法により粗粉量が極めて少ない炭酸カルシウムが得ることができる。しかしながら、媒体流動乾燥後、所望の方法で粒子の粉砕と分級とを行うことも有効である。一方、媒体流動乾燥の代わりに通常の熱風乾燥により湿式粉砕品を乾燥した場合にも、得られたケーキをさらに所望の方法で粒子の粉砕と分級とを行うのがよい。この方法により得られた湿式粉砕品の乾燥ケーキは潰れやすく、容易に炭酸カルシウム微粒子を得ることができるため、乾燥ケーキを粉砕する工程をわざわざ設ける必要はない。
 このようにして得られた無機微細粉末(B)は、更に別の表面処理剤で処理することができる。
 表面処理剤(D)の使用量は、本発明の水系コート層(E)を設けた樹脂延伸フィルムの用途により異なるが、通常無機微細粉末100重量部に対して0.01〜10重量部、好ましくは0.04〜5重量部、より好ましくは0.07〜2重量部の範囲である。
 表面処理剤(D)の使用量が0.01重量部未満では十分な表面処理の効果が得られなくなる傾向があり、10重量部超えると表面処理剤の効果が頭打ちになる傾向がある。
[構成成分の量比]
 本発明の水系コート層(E)を設ける基材フィルムを構成する成分の好ましい量比範囲は、熱可塑性樹脂(A)20〜80重量%、表面処理された無機微細粉末(B)80〜20重量%、有機フィラー0〜50重量%からなる樹脂組成物に、分散剤(C)を前記熱可塑性樹脂(A)、無機微細粉末(B)及び/又は有機フィラーの合計100重量部に対して0.01〜100重量部含有する組成である。この際、前記無機微細粉末(B)及び/又は有機フィラーの含有量が80重量%を超えると膜厚が均一なフィルムを得ることが困難になる傾向があり、熱可塑性樹脂(A)が80重量%を超えると所望の液体吸収係数(5ml/m2(ms)1/2以上)及び表面開口率(7%以上)の基材フィルムが得られずに、前記のように水系コート剤を塗工/乾燥した後も、吸収基材表面と密着のよい水系コート層が得られなくなる傾向がある。
 また、必要に応じて各構成成分中には、熱安定剤、紫外線安定剤、酸化防止剤、ブロッキング防止剤、核剤、滑剤、着色剤等を配合してもよい。これらは3重量%以下の割合で配合するのが好ましい。
[水系コート層(E)を設けた樹脂延伸フィルムの製造]
 本発明の水系コート層(E)を設けた樹脂延伸フィルムは、当業者に公知の種々の方法を組み合わせることによって製造することができる。いかなる方法により製造された樹脂延伸フィルムであっても、本発明に記載された条件を満たすものである限り本発明の範囲内に包含される。
 本発明の水系コート層(E)を設けた樹脂延伸フィルムは、熱可塑性樹脂(A)、表面処理剤(D)により親水化処理された無機微細粉末(B)、有機フィラー、分散剤(C)を所定の割合で混合し、押出し等の方法により製膜し、その後熱可塑性樹脂(A)の融点より低い温度、好ましくは3〜60℃低い温度で1軸方向又は2軸方向に延伸を行うことにより、フィルム表面及び内部に微細な空孔(ボイド)を均一に有する液体吸収性基材フィルムが得られ、得られたフィルムの少なくとも片面に製造工程内(インライン)及び/又は工程外(アウトライン)で上記したピグメントコート剤を公知の方法により固形分換算で0.05〜100g/m2となるように塗工、乾燥して基材フィルムとの密着性に優れた水系コート層(E)を設けた樹脂延伸フィルムが得ることができる。
 なお、インライン塗工(コート)とは、基材フォルム製造ライン中に設けられた塗工設備により、ロールに巻き取らずにコート層を設ける手法である。基材フィルムの製造工程に塗工設備を取り入れることにより大量生産する場合などに、インライン塗工(コート)によればコスト的に有利である。
 また、アウトライン塗工(コート)とは、基材フィルムを一度ロールに巻き取った後に、基材フィルム製造ラインとは別の設備を用いてコート層を設ける手法である。アウトライン塗工(コート)は、塗工設備の選択肢が広くて、基材フィルムと異なる生産速度で塗工が可能であることから、少量多品種の生産に向いている。
 本発明に用いる基材フィルムは、JAPAN TAPPI NO.51−87に準拠するBlistow吸水試験により定義される液体吸収係数(本発明では吸水開始から20ミリ秒経過後40ミリ秒における液体吸水係数)は5ml/m2(ms)1/2以上であり、好ましくは10ml/m2(ms)1/2以上であり、更に好ましくは15〜50ml/m2(ms)1/2である。
 液体吸収係数が5ml/m2(ms)1/2未満では水性コート剤塗工の際の吸水速度が不十分でありそのために所望する塗工量が得られなくなる。またインクジェット記録紙として使用する場合にインキの浸透乾燥が遅くなる。
 また、以下の手法により測定される基材最外層の表面開口率(表面空孔率)は、好ましくは7%以上、より好ましくは10〜30%である。表面開口率が7%未満では十分な液体吸収性が得られず、水系コート剤の一部のバインダー樹脂成分が表面開口部より内部空孔へ浸透されないためピグメントをアンカーする機能が低下する傾向がある。逆に30%を超えると基材表面の強度が低下し、基材表面層から簡単にコート層が剥離され実用上問題が生じやすい傾向がある。
 表面開口率は、本発明におけるコート層(E)を設ける前の基材フィルムの表面を電子顕微鏡で観察した領域の空孔が占める面積割合を示す。
 具体的には,基材フィルム試料より任意の一部を切り取り,観察試料台に貼り付け,その観察面に金ないしは金−パラジウム等を蒸着して電子顕微鏡(例えば日立製作所(株)製の走査型顕微鏡S−2400)を使用して観察しやすい任意の倍率(例えば500倍から3000倍に拡大)にて表面の空孔を観察することができる。さらに観察した領域を写真等に撮影し,空孔をトレーシングフィルムにトレースして塗りつぶした図を画像解析装置(ニレコ(株)製:型式ルーゼックスIID)で画像処理を行い,空孔の面積率を基材フィルム表面の開口率とする。
 本発明に用いる基材フィルムは、単層構造であっても、多層構造であってもよい。多層構造である場合は、フィルム全体が本発明の条件を満たすものであってもよいし、フィルムを構成する層の少なくとも1層が本発明の条件を満たすものであってもよい。後者の場合は、少なくとも最外層が本発明の条件を満たす層であることが好ましい。このとき、本発明の条件を満たす層と積層する樹脂フィルムは、延伸したものであっても、延伸していないものであっても構わない。延伸したものと積層する場合は、製造時に各層を別々に延伸した後に積層してもよいし、各層を積層した後にまとめて延伸してもよい。これらの方法は適宜組み合わせることもできる。本発明の条件を満たす層と積層する樹脂フィルムとしては、例えば、表面処理した無機微細粉末を含まない樹脂フィルムを例示することができる。
 また用途に応じてラミネート紙、パルプ紙、不織布、布等に積層して使用してもよい。
 本発明に用いる基材フィルムは少なくとも1軸方向に延伸されているものが好ましく、2軸方向に延伸されていてもよい。
 例えば、無機微細粉末を0〜40重量%、好ましくは3〜33重量%含有するポリオレフィン系樹脂フィルムを該樹脂の融点より低い温度で1方向に延伸して得られる1軸方向に配向したフィルムを基材層とし、その少なくとも片面に熱可塑性樹脂(A)20〜80重量%及び表面処理された無機微細粉末(B)80〜20重量%、有機フィラー0〜50重量%からなる樹脂組成物に分散剤(C)を前記熱可塑性樹脂(A)、無機微細粉末(B)、及び有機フィラーの合計100重量部に対して0.01〜100重量部を含有する樹脂組成物の溶融樹脂を最外層として積層し、次いで前記延伸方向と直角方向にこの積層フィルムを延伸することにより、最外層が1軸方向に配向し、基材層が2軸方向に配向した積層構造物の基材フィルムが得られる。
 さらにその基材フィルムの最外層の表面に水系ピグメント塗工層(E)を設けて樹脂延伸フィルムが得られる。
 好ましい製造方法は基材層と最外層を積層した後にまとめて延伸して得られたフィルム表面にコート層を設ける工程を含むものである。別個に延伸して積層する場合と比べると簡便であり製造コストも安くなる。
 延伸には、公知の種々の方法を使用することができる。延伸は各層に用いる樹脂の中で一番低い融点を有する樹脂の融点より5℃以上低い温度で行うことが好ましい。
 延伸の具体的な方法としては、ロール群の周速差を利用したロール間延伸、テンターオーブンを利用したクリップ延伸などを挙げることができる。
 ロール間延伸によれば、延伸倍率を任意に調整して、任意の剛性、不透明度、光沢度のフィルムを得ることが容易であるので好ましい。延伸倍率は特に限定される物ではなく、本発明の樹脂延伸フィルムの使用目的と、用いる樹脂の特性を考慮して決定する。通常は2〜11倍であり、好ましくは3〜10倍の範囲内で延伸する。なかでも延伸倍率は4〜7倍がより好ましい。
 テンターオーブンを利用したクリップ延伸の場合は4〜11倍で延伸することが好ましい。面積倍率としては、2〜80倍であり、好ましくは3〜60倍、より好ましくは4〜50倍である。面積倍率が2倍未満では基材フィルムの表面に所定の開口率が得られず十分な吸水性も得られずその表面に密着性の良好な水系コート層を設けることが困難になる傾向があり、80倍を超えては延伸切れや粗大な穴あきが多くなる傾向がある。
 延伸後の基材フィルムには熱処理を行うのが好ましい。熱処理の温度は、延伸温度から延伸温度より30℃高い温度の範囲内を選択することが好ましい。熱処理を行うことにより、延伸方向の熱収縮率が低減し、製品保管時の巻き締まりや、熱及び溶断シール時の収縮による波打ち等が少なくなる。熱処理の方法はロール及び熱オーブンで行うのが一般的であるが、これらを組み合わせてもよい。これらの処理は延伸したフィルムを緊張下に保持された状態において熱処理するのがより高い処理効果が得られるので好ましい。
 また、熱処理後には表面にコロナ放電処理やプラズマ処理を施すと、水系コート層を設ける際には表面の濡れ性がより向上し水系コート剤の吸収速度が向上する利点があるため望ましい。
 水系コート層(E)を設けた樹脂延伸フィルムの肉厚は特に制限されないが、40〜400μmが好ましく、より好ましくは60〜350μm、更に好ましくは80〜300μmの範囲である。水系コート剤に含まれる水系溶媒や水系インキの吸収を考慮すると基材フィルムが多層構造の場合、吸水性を発現する最外層の肉厚は5〜100μm、好ましくは10〜80μmの範囲である。水系コート層(E)の肉厚は使用目的に応じて0.1〜50μm、好ましくは0.2〜40μmの範囲である。
 水系コート層(E)が、特にインクジェット記録紙用に配合された水系コート剤である場合の乾燥塗工量は、使用する基材の液体吸収係数により適宜選択されるが0.1〜50g/m2が好ましく、0.2〜40g/m2が更に好ましい。乾燥塗工量が0.1g/m2未満ではインクジェット用インクの定着性能を十分に発揮することができず、印字物に滲みが発生する場合がある。また乾燥塗工量が50g/m2を超えると定着性能は満足されるが基材フィルム最外層の吸水能の効果が失われること、コート層(E)の表面強度が低下すること、1回の塗工では塗工しきれず2回の重ね塗工が必要となり生産コストも高くなること等の問題が生じる。
 特にインクジェット記録紙用のコート層を設ける場合は、基材フィルム自体がコート層(E)に近い吸水性を有すことから、従来よりも少ない乾燥塗工量でコート層を設けてもインクを十分吸収でき、早く乾燥することができるなどの優れたメリットがある。従って近年、高速化、高精細化の進むインクジェット印刷であっても乾燥性、精細性を損なうことなく柔軟に対応することが可能である。
 水系コート層(E)が、感熱記録紙用に配合された水系コート剤である場合の水系コート剤の乾燥塗工量は0.5〜20g/m2、好ましくは1〜15g/m2である。乾燥塗工量が0.5g/m2未満では十分な発色印字性能が得られない傾向がある。また乾燥塗工量が20g/m2を超えてはコート層と基材フィルムとの十分な密着が得られない傾向がある。
 塗工方法としてはブレード方式、ロッド方式、ワイヤーバー方式、スライドホッパー方式、カーテン方式、エアーナイフ方式、ロール方式、サイズプレス方式、グラビア方式、コンマ方式、ダイ方式等の一般的な塗工方法が用いられる。
 本発明の水系コート層(E)を設けた樹脂延伸フィルムは、通常の印刷(例えば油性、UVオフセット、グラビア、フレキソ印刷等)を施すことができる。必要により、これら印刷に加えて、インクジェット記録、感熱記録、熱転写記録、電子写真記録などの各種方式により印字/印刷を行っても良い。
 本発明の水系コート層(E)を設けた樹脂延伸フィルムに上記のような各種方式で印字/印刷を行うことにより記録物を得ることができる。
 以下に調製例、製造例、実施例、比較例及び試験例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更できる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。以下の実施例及び比較例で使用する材料を表1にまとめて示す。なお、表中のMFRはメルトフローレートを意味する。
Figure 2004114676
(調製例1) 表面処理剤(D)の調製
 環流冷却器、温度計、滴下ロート、撹拌装置及びガス導入管を備えた反応器に、ジアリルアミン塩酸塩(60%濃度の水溶液)500重量部、アクリルアミド(40%濃度の水溶液)13重量部及び水40重量部を入れ、窒素ガスを流入させながら系内温度を80℃に昇温した。攪拌下で、重合開始剤として過硫酸アンモニウム(25%濃度の水溶液)30重量部を滴下ロートを用いて4時間に渡り滴下した。滴下終了後1時間反応を続け、粘稠な淡黄色液状物を得た。これを50g取り、500mlのアセトン中に注ぐと白色の沈殿を生じた。沈殿を濾別しさらに2回100mlのアセトンでよく洗浄した後、真空乾燥して白色固体状の重合体(水溶性カチオン性コポリマー)を得た。得られた重合体の重量平均分子量をGPCより求めたところ55,000であった。
(調製例2) 表面処理炭酸カルシウムの調製
 重質炭酸カルシウム(平均粒子径8μm、日本セメント社製乾式粉砕品)40重量%と水60重量%を十分に攪拌混合してスラリー状とし、調製例1にて製造した表面処理剤(D)を重質炭酸カルシウム100重量部当たり0.06重量部加え、テーブル式アトライター型媒体攪拌ミル(直径1.5mmのガラスビーズ、充填率170%、周速10m/sec)を用いて湿式粉砕した。
 次いで、主成分が炭素数14のアルカンスルホン酸ナトリウムと炭素数16のアルカンスルホン酸ナトリウムの混合物(2重量%濃度の水溶液)50重量部を加えて攪拌した。その後、350メッシュのスクリーンを通して分級し、350メッシュを通過したスラリーを媒体流動乾燥機((株)奈良機械製作所製、MSD―200)で乾燥した。得られた炭酸カルシウムの平均粒径をマイクロトラック(日機装(株)製)で測定したところ1.5μmであった。
(製造例)
 以下の手順に従って本発明の条件を満たす基材フィルム(製造例1〜9)及び比較例に使用した基材フィルム(製造例10〜16)を製造した。表2に各基材フィルムの製造にあたって使用した材料の種類と量(重量%)、延伸条件及び各層の厚みを示した。
 製造例1〜6、9、10、11において、表2に記載の配合物[A]を250℃に設定された押出機で溶融混練して押出成形し、冷却装置にて70℃まで冷却して単層の無延伸シートを得た。
 この無延伸シートを表2に記載の延伸温度(1)に加熱した後、縦方向にロール間で5倍に延伸し、縦一軸延伸フィルムを得た。次いで表2に記載の配合物[B]を250℃に設定された押出機で溶融混練して、前記縦一軸延伸フィルムの両面に積層した。積層物を表2に記載の延伸温度(2)に加熱してテンター延伸機を用いて横方向に8倍延伸し、延伸温度(2)より20℃高い温度で熱処理を行い、1軸延伸/2軸延伸/1軸延伸された3層樹脂延伸フィルムを得た。
 製造例7では、表2に記載の配合物[A]と配合物[B]をそれぞれ250℃に設定された3台の押出機で溶融混練して、フィードブロック形式のダイにて積層してシート状に押出し冷却装置にて70℃まで冷却して単層の無延伸シートを得た。この無延伸シートを表2に記載の延伸温度(1)に加熱した後、縦方向にロール間で5倍に延伸し、次いで延伸温度(2)に加熱後テンター延伸機を用いて横方向に8倍延伸し、延伸温度(2)より20℃高い温度で熱処理を行い、2軸延伸/2軸延伸/2軸延伸された3層樹脂延伸フィルムを得た。
 製造例8では、表2に記載の配合物[B]を250℃に設定された押出機で溶融混練して押出成形し、冷却装置にて70℃まで冷却して単層の無延伸シートを得た。この無延伸シートを表2に記載の延伸温度(1)に加熱した後、縦方向にロール間で5倍に延伸し、延伸温度(1)より20℃高い温度で熱処理を行い、単層樹脂延伸フィルムを得た。
 製造例12では、特開2001−181423号公報の実施例3にしたがって1軸延伸/2軸延伸/1軸延伸された3層樹脂延伸フィルムを得た。
 製造例13では、特開2001−226507号公報の実施例3にしたがって1軸延伸/2軸延伸/1軸延伸された3層樹脂延伸フィルムを得た。
 製造例14では、特開2001−164017号公報の実施例3にしたがって1軸延伸/2軸延伸/1軸延伸された3層樹脂延伸フィルムを得た。
 製造例15では、特開2001−151918号公報の実施例4にしたがって1軸延伸/2軸延伸/1軸延伸された3層樹脂延伸フィルムを得た。
 製造例16では、特開平10−212367号公報の実施例2にしたがって1軸延伸/2軸延伸/1軸延伸された3層樹脂延伸フィルムを得た。
 製造例1〜16で得られた単層及び3層樹脂延伸フィルムの両面に、放電処理機(春日電機(株)製)を用いて40W/m2・分のコロナ処理を行って樹脂延伸フィルムを得た。
Figure 2004114676
(実施例1〜9、比較例1〜7)
 表3に記載される材料を所定量用いて、以下の手順にしたがってインクジェット記録用紙を製造した。ピグメント分散液、バインダー樹脂、架橋剤、インク定着剤、水を混合して、表4に記載される組成を有する水系のインクジェット記録紙用塗工液を調製した。製造例1〜16の基材フィルムの表面を、基材フィルム製造設備内に設けられた放電処理機(春日電機(株)製)を用いて40w/m2・分のコロナ処理した。次いで基材フィルム製造設備内に設けられたバーコーターにてこの塗工液をライン速度20m/minで基材フィルムの表側にインラインコートし、100℃に設定した長さ20mのオープンで乾燥・固化してインクジェット記録用紙を得た。得られた各用紙の乾燥後塗工量は表4の通りであった。
(実施例10〜13、比較例8〜11)
 製造例1、4、5、9、10〜12及び16の基材フィルムの表面に、放電処理機(春日電機(株)製)を用いて40w/m2・分のコロナ処理を施した。さらに、以下の手順にしたがって処理を施し、8種類の感熱記録紙を製造した。
 ロイコ染料分散液、顕色剤分散液、ピグメント分散液、バインダー溶液2、及び水を混合し攪拌して、表5に記載される組成を有する水系の感熱記録層用塗工液を得た。
 この塗工液をバーコーターにてライン速度20m/minで乾燥塗工量が5g/m2になるように製造例1、4、5、9、10〜12及び16の基材フィルムの表側にアウトラインコートし、60℃に設定した長さ20mのオーブンで乾燥・固化して感熱記録紙を得た。
(試験例)
 製造例1〜16の基材フィルムの表面について、無機微細粉末の分散状態、表面開口率、液体吸収係数の評価を行った。各試験の詳細は以下に示す通りである。結果を表4及び5に示した。
1)無機微細粉末の分散状態
 製造例1〜11に使用した配合物[B]、及び製造例12〜16の表面層配合物を250℃に設定した溶融混練機で混練、ペレット化した。得られたペレット50gを230℃に設定したプレス成形機で溶融し、50kgf/cm2で圧縮した後、30℃に冷却して、縦120mm×横120mm、肉厚0.5mmのシートを得た。このシートを小型の2軸延伸機(岩本製作所製)を用いて155℃で加熱した後、2軸方向に5倍延伸し、冷風により90℃まで冷却して2軸樹脂延伸フィルムを得た。このフィルムに透過光を当て0.1mm以上の無機微細粉末凝集物を数えて単位面積当たりの個数をカウントし、以下の3段階で評価した。
  ○: 3個/m2未満
  △: 3個/m2以上10個/m2未満
  ×: 10個/m2以上
2)表面開口率
 製造例1〜16の基材フィルムより任意の一部を切り取り、観察試料台に貼り付け、その観察面(配合物[B]の表面)に金蒸着して走査型顕微鏡(日立製作所(株)製、S−2400)を用いて倍率2000倍にて表面を写真撮影した。空孔をトレーシングフィルムにトレースして塗りつぶした図を画像解析装置(ニレコ(株)製:型式ルーゼックスIID)で画像処理し、樹脂延伸フィルムの表面開口率を測定した。
3)液体吸収係数
 製造例1〜16の基材フィルムについて、液体吸収係数をBristow法(Japan TAPPI No.51-87)に準拠し、液体動的吸収性試験機(熊谷理機工業(株)製:Bristow試験機II型)を使用して測定した。液体吸収係数は、測定溶液滴下後20ミリ秒から40ミリ秒経過における吸水曲線から最小二乗法により直線を得て、その勾配より求めた。測定溶液は、蒸留水98重量%に着色用染料としてスタンプインキ(赤)(シャチハタ(株)製)2重量%を混合したものを用いた。
4)インクジェットプリンター適性
 実施例1〜9、比較例1〜7のインクジェット記録用紙について下記の条件でプリンター印字し、染料インク及び顔料インクに対する各種適性を評価した。
プリンター1:CANON BJF−850C(6色、染料インク)
       スパーファインモード、ドライバによる色補正なし
プリンター2:EPSON MC−2000(6色、顔料インク)
       MCマットフィルムモード、ドライバによる色補正なし
印字サンプル:日本規格協会SCID カフェテラス「A2」
使用環境:Windows ME Pentium(登録商標) 4 1.8GHz、RAM512MB パラレルI/F
使用ソフト:Adobe Photoshop 5.0J
(精細性)
 印刷終了後、恒温室(23℃、相対湿度65%)に24時間放置したあと、この記録画像を光学顕微鏡(50倍)にて観察し、以下の3段階で評価した。
  ◎: ドット形状が鮮明で認識可能
  ○: ドット形状が認識可能
  △: ドットの形状が認識不可
  ×: 全体的に不鮮明
(密着性)
 印刷終了後、恒温室(23℃、相対湿度65%)に24時間放置したあと、消しゴム((株)トンボ製、製品名:MONO)にて印刷面を5回擦り、インクの残留程度を目視判定した。
  ○: インク残留程度 100〜80%
  △:          79〜50%
  ×:          49〜 0%
(耐水性)
 印刷終了後、恒温室(23℃、相対湿度65%)に24時間放置したあと、印刷サンプルを十分な量の水道水(水温25℃)の中に4時間浸漬させた後、紙面を風乾しインクの残留程度を目視判定した。
  ○: インク残留程度 100〜80%
  △:          79〜50%
  ×:          49〜 0%
5)感熱記録適性
 実施例10〜13、比較例8〜11の感熱記録紙について下記の条件で感熱記録適性を評価した。結果を表5に示す。
(発色均一性)
 感熱記録紙を100℃に設定したオーブンに30分間放置し顕色させ塗工面の状態が観察し易い状態にし、感熱記録層の均一性を目視判定した。
   ○: 均一に発色している
   △: 部分的に発色が薄い箇所がある。
   ×: 全く発色しない部分がある
(塗膜密着性)
 塗工面に粘着テープ(ニチバン(株)製、商品名「セロテープ」(登録商標))を貼り、手で引き剥がし粘着テープの状態を目視判定した。
   ○: 基材フィルムが破壊される程密着している。
   △: 部分的に塗膜のみが剥がれる
   ×: 塗膜のみが剥がれる。
 表5に各試験結果をまとめて示した。
 なお比較例10、11の発色均一性不良は基材フィルムの分散不良が原因であり、比較例8、9の発色均一性不良は基材フィルムの吸水性不足による水性塗工剤のハジキが原因と推定される。
Figure 2004114676
Figure 2004114676
Figure 2004114676
 以上の結果から明らかなように、本発明の樹脂延伸フィルムは、液体吸収係数が良好な基材フィルムに水系コート層を設けることにより、優れたインクジェット記録性能や感熱記録性能を発揮する(実施例1〜13)。これに対して、本発明の条件を外れている樹脂延伸フィルムは適性が劣り実用性がない(比較例1〜11)。

Claims (16)

  1. 液体吸収係数が5ml/m2(ms)1/2以上である基材フィルムの少なくとも片面に、水系コート層(E)を設けたことを特徴とする樹脂延伸フィルム。
  2. 基材フィルムの表面開口率が7%以上であることを特徴とする請求項1に記載の樹脂延伸フィルム。
  3. 基材フィルムが、熱可塑性樹脂(A)、少なくとも1種類の表面処理剤(D)により表面処理された無機微細粉末(B)、及び分散剤(C)を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の樹脂延伸フィルム。
  4. 基材フィルムが、熱可塑性樹脂(A)20〜80重量%、無機微細粉末(B)80〜20重量%、及び有機フィラー0〜50重量%の割合で配合した樹脂組成物100重量部に対し、分散剤(C)0.01〜100重量部を含有することを特徴とする請求項3に記載の樹脂延伸フィルム。
  5. 熱可塑性樹脂(A)が結晶性ポリオレフィン系樹脂であることを特徴とする請求項3又は4に記載の樹脂延伸フィルム。
  6. 分散剤(C)が、酸変性ポリオレフィン及び/又はシラノール変性ポリオレフィンであることを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載の樹脂延伸フィルム。
  7. 酸変性ポリオレフィンの酸変性率が0.01〜20%であることを特徴とする請求項6に記載の樹脂延伸フィルム。
  8. 表面処理剤(D)が無機微細粉末(B)の表面を親水化処理することを特徴とする請求項3〜7のいずれかに記載の樹脂延伸フィルム。
  9. 表面処理剤(D)が水溶性カチオンコポリマー及び/又は水溶性アニオン系界面活性剤であることを特徴とする請求項3〜8のいずれかに記載の樹脂延伸フィルム。
  10. 水溶性カチオンコポリマーがジアリルアミン塩及び/又はアルキルジアリルアミン塩と非イオン親水性ビニルモノマーとを構成単位とすることを特徴とする請求項9に記載の樹脂延伸フィルム。
  11. 基材フィルムが少なくとも1軸方向に延伸され、かつ面積延伸倍率が2〜80倍であることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の樹脂延伸フィルム。
  12. 水系コート層(E)がピグメントコート層であることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の樹脂延伸フィルム。
  13. 水系コート層(E)がインラインコート及び/又はアウトラインコートにより設けられたことを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の樹脂延伸フィルム。
  14. 請求項1〜13のいずれかに記載の樹脂延伸フィルムと他の樹脂フィルムを積層した構造を有する樹脂延伸フィルム。
  15. 最外層として請求項1〜14のいずれかに記載の樹脂延伸フィルムを樹脂フィルム以外の材料上に積層した構造を有する積層体。
  16. 請求項1〜15のいずれかに記載の樹脂延伸フィルム又は積層体を使用した記録物。
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