JP2004114012A - スリットコート式塗布装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】高精度な流量制御を可能ならしめ、特に塗布開始部および塗布終了部における膜厚のムラを低減させ得るスリットコート式塗布装置を提供する。
【解決手段】塗布液の流量制御手段である減圧弁61から塗布ヘッド2の先端までの塗布液の容積が100cm以下となるように構成したことを特徴とする。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばフラットパネルディスプレイ、あるいは半導体デバイス、インクジェット記録装置のプリントヘッドの製造分野に使用されるものであり、詳しくはガラス基板やシリコンウェハーなどの被塗布部材表面に塗布液を吐出しながら塗膜を形成するスリットコート式塗布装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ガラス基板、ウェハー等の枚葉状の被塗布物表面にフォトレジスト液や絶縁材料、半田レジスト、撥水材料、保護層材料などの塗布液を塗布する場合、被塗布物の水平搬送経路上方に、搬送方向と垂直な方向にスリット状の塗布液吐出口(スリットノズル)を有する塗布ヘッドを設置したスリットコート式塗布装置がよく用いられる。
【0003】
このスリットコート式塗布装置では被塗布物である基板にスリットノズルを近接させた後、基板を水平方向に移動させるとともにスリットノズルから塗布液を吐出して塗布が行われる。
【0004】
このようなスリットコート式塗布装置は、基板表面上でスリットノズルから塗布液の吐出を開始し、また同様に基板表面上で塗布液の吐出の停止を行っている。このため、吐出開始部付近および吐出停止部付近の塗膜の膜厚が不均一となることは良く知られている。
【0005】
たとえば特許文献1では、被塗布物に連なる保持盤上で吐出開始、吐出停止を行う方法が提案されている。この方法は吐出開始、吐出停止の影響による膜厚のムラを回避する方法として効果的である。しかし、保持盤上に残された塗布液を除去する必要があり、塗布液の性質により除去が困難な塗布液も存在し、残留した塗布液が乾燥・固化、さらに剥離して被塗布物を汚染する可能性がある。また、保持盤上の塗布液の除去のために時間を要するため、工程時間の増加を招く場合がある。さらに、余剰な領域まで塗布することにより塗布液の無駄を生じる。よってこの方法は塗布液の種類や、要求される品質や工程能力などにより利用を限定される方法であるといえる。
【0006】
また、特許文献2では塗布開始位置で一時的に停止させて塗布液の吐出を行って塗布液ビードを形成してから被塗布物の移動を開始し、塗布終了位置近傍で塗布液の吐出を停止してスキージ塗布を行うことが提案されている。ここに提案されている方法は確かに効果的である。しかし、瞬間的な流量の変化に着目した場合、塗布液の吐出を開始した際の、所望の流量にいたるまでの時間差、あるいは所望流量を瞬間的に超過してしまうオーバーシュートなどの問題が存在する。また、塗布液を停止、あるいは逆流させる際にも同様の問題は存在する。
【特許文献1】
特開平11−239754号公報
【特許文献2】
特開平8−229497号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
このように塗布液の吐出を開始あるいは停止、さらに流量を変化させた場合、実際の塗布液の流量は、塗布液の持つ圧縮性や塗布液の送出手段(ポンプなど)の加減速、配管の膨張などの要因により、所望の動きに対して、時間的遅れやオーバーシュートやアンダーシュートなどの現象が発生する。これらの現象は塗膜の膜厚にも影響を与え、結果的に膜厚のムラを発生している。
【0008】
たとえば、大画面化の傾向にある液晶ディスプレイの製造において、端部の膜厚ムラのある領域を狭くし、基板の有効領域を拡大することで、より多く大きな液晶ディスプレイが製造できるため、塗布によって発生する端部の不均一部を極力小さくすることが強く要求されている。
【0009】
こうした液晶ディスプレイなどの製造において用いられる、非連続体の基板を塗工する枚葉塗工型のスリットコート式塗布装置では、たとえば磁気フィルム等の連続体の塗布とは異なり、塗布の開始・終了部での膜厚ムラの領域を狭くすることが特に求められる。
【0010】
そこで本発明の目的は、スリットコート式塗布装置においてより高精度な流量制御を可能ならしめ、特に塗布開始部および塗布終了部における膜厚のムラを低減させ得るスリットコート式塗布装置を提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
先ず、本発明に到った経緯を説明する。
【0012】
スリットコート式塗布装置による塗布の開始・終了部での膜厚ムラの領域を狭くするためには、塗布を開始しようとする際の塗布液の供給開始時と、塗布を終了させる際の塗布液の供給停止時において、塗布液の流量を精密に制御する必要がある。
【0013】
本発明者らは、この精密な制御を実現する検討において、塗布液挙動の時間的遅れに着目し、鋭意研究を重ねた結果、本発明に到ったものである。尚、ここでいう時間的遅れとは、たとえば送液を開始した際にノズル先端(塗布ヘッド先端)から塗布液が出始めるまでの時間差を指している。
【0014】
スリットコート式塗布において常用する塗布速度は概ね5〜100mm/sであり、たとえば50mm/sで塗布した場合はわずか20msで1mmの領域が塗布されてしまう。これらの事情から塗布液挙動の時間的遅れは10ms以下、望ましくは1ms程度にするのが望ましい。
【0015】
本発明者の研究によれば、塗布液の流量を制御する手段からノズル先端までの塗布液の容積(制御容積)を100cm以下とすることで、種々の塗布液の塗布において、この時間遅れを10ms以下とすることができることが判明した。
【0016】
また、制御容積を上記に収めるには、例えば塗布ヘッドの塗布液流入口の直近あるいは塗布ヘッドに連接して流量制御手段を設けることによっても達成し得るが、さらに理想的には制御容積は極力小さくすることが望ましく、本発明の一形態では流量制御手段を塗布ヘッドの内部に設けることで、この理想状態を実現したものである。
【0017】
即ち、本発明は、塗布液供給装置により塗布液吐出用のスリットを有する塗布ヘッドに塗布液を供給しつつ、被塗布部材を保持するステージまたは前記塗布ヘッドの少なくとも一方を相対的に移動させることにより、前記被塗布部材の表面に塗膜を形成するスリットコート式塗布装置において、塗布液の流量制御手段から塗布ヘッド先端までの塗布液の容積が、100cm以下であることを特徴としているものである。
【0018】
また、本発明は、塗布液供給装置により塗布液吐出用のスリットを有する塗布ヘッドに塗布液を供給しつつ、被塗布部材を保持するステージまたは前記塗布ヘッドの少なくとも一方を相対的に移動させることにより、前記被塗布部材の表面に塗膜を形成するスリットコート式塗布装置において、塗布液の流量制御手段を塗布ヘッドの内部に設けていることを特徴としているものである。
【0019】
本発明の塗布装置では、流量制御手段として機構的に簡素で実装体積の小さい減圧弁が好適であり、これにより塗布ヘッドの塗布液流入口のより近い位置への設置、あるいは流入口に連接させて設置、あるいは塗布ヘッドに内蔵させることが容易となる。また、流量制御手段以降の塗布液の流路に流量センサを設け、その流量値により流量制御手段の制御を即時的に行うようにすることによって、より効果的に流量の制御を行うことができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面によってこの発明の好ましい実施の形態を詳細に説明する。
【0021】
図1は本発明に係る塗布装置の一例を示す概略図である。
【0022】
塗布液は塗布液タンク11に投入されており、ここからポンプ15によって送液される。ここでいうポンプとは塗布液を必要な流量で供給する手段を指しており、ギヤポンプ、ダイヤフラムポンプ、シリンジポンプ、遠心ポンプなどのほか、例えば図4に示すように塗布液タンク11を加圧容器12に収め、加圧された空気や窒素などのガス圧によって塗布液を押し出し、その送液の開始と停止をバルブの開閉によって行う形式でもよい。
【0023】
塗布液タンク11からポンプ15までの塗布液流路には、ポンプ15の形態あるいはその他の必要性に応じてフィルタ13や開閉弁14を設けても良い。
【0024】
ポンプ15から送出される塗布液は開閉弁16を経て、さらに塗布液経路(配管17)の途中かつ塗布ヘッド2に近接した位置に設置された流量制御手段であるところの減圧弁61を経て塗布ヘッド2の塗布液流入口21へと接続される。
【0025】
減圧弁61は減圧弁制御装置62により開度が制御可能であり、この減圧弁61の駆動形式としては空気圧によって駆動するもの、ステッピングモーターやサーボモーターなどの動力によって駆動するものなどが挙げられる。減圧弁61の駆動形式により減圧弁61と減圧弁制御装置62との間を接続する方法が異なる。たとえば空気圧により駆動する減圧弁であればその間は加圧空気用チューブであるし、モーター駆動の減圧弁であればその間は電線によって接続される。なお、減圧弁61および減圧弁制御装置62を一体化してもよい。
【0026】
減圧弁制御装置62は塗布装置本体の制御系(図示せず)により減圧弁61の作動タイミングや開度などをリアルタイムに制御される。
【0027】
また、図4に示すように、減圧弁61より下流に流量計63を配し、測定された流量を減圧弁制御装置62に入力するような形態とする形式も可能である。この場合の減圧弁制御装置62は、まず塗布装置本体の制御系より流量を指示され、それにあわせて減圧弁61の開度を大きくしてゆく。そして流量計63からの流量値を参照しながら適正な開度を設定する。このような流量計を用いる形態は、実流量を測定し、さらに開度を変化させることを繰り返すことになるため、減圧弁61の開度が一定になるまでに時間を要する場合がある。よって、たとえば塗布速度が比較的遅い場合や、塗布液の粘度が比較的高い場合などに適用するのが良い。
【0028】
流量制御手段(上記の例では減圧弁61)の設置位置は、塗布ヘッド2に近いほど好ましく、本発明においては塗布ヘッド先端までの塗布液の容積が100cm以下となるような位置、例えば塗布ヘッド2の塗布液流入口21に連接させて設置される。また、詳しくは後述の実施例にて説明するが、流量制御手段を塗布ヘッド2の内部に組み込む形で設置するとなお良い。
【0029】
上記のような位置に流量制御手段を設けることにより、塗布液の供給開始時と供給停止時において流量を精密に制御することができ、塗布の開始・終了部での膜厚ムラの領域を十分狭くことができる。
【0030】
塗布ヘッド2は基板4と面する先端部に細長いスリット状の開口部を有し、塗布液の粘度などの特性や塗布速度、塗布したい膜厚などにより適正な塗布方向のスリットの開口長さ(スリット厚)に設定されており、一方塗布方向と直交する方向のスリット開口長さ(スリット幅)は塗布を行いたい幅に応じて適正に設定されている。
【0031】
また、塗布ヘッド2は上下に可動となっており、待機状態では基板表面から十分に高い位置に配置され、塗布を行う際に基板表面近くまで下げられる。塗布中の塗布ヘッド2の基板4に面する側の先端と基板表面の距離(ギャップ)は、塗布したい膜厚や塗布液の物性などから決められた値に制御される。
【0032】
一方塗布される基板4は、水平に設置されたステージ3上に設置され、真空吸着などの方法でステージ3に固定される。
【0033】
塗布ヘッド2、ステージ3(基板4)はそのいずれか一方あるいは両方が水平方向に相対移動を行うことで塗布が行われる。
【0034】
図2は、図1の塗布装置の動作の手順を示すタイムチャートである。以下、このタイムチャートを参照して塗布の手順を詳細に説明する。
【0035】
先ず基板4をステージ3上の適正な位置に載置し、真空吸着などの手段によって固定する。そして塗布ヘッド2を基板4上の一端に相対する位置まで水平に相対移動させる。そして塗布ヘッド2を予め決められたギャップを保つ高さまで下降させる(図2(b))。そして、ポンプ15を駆動させ塗布液の送出を開始させる(図2(c))とともに、開閉弁16を開く(図2(d)、開閉弁14を設けた場合は開閉弁14も同様)。
【0036】
そのあと、即時にあるいは一定時間の経過後、減圧弁61を開き(図2(e))、塗布液の吐出が開始される。この減圧弁61の開度の調整は、所定の開度に至るまでの時間も適正となるよう制御するのが好ましい。
【0037】
減圧弁61の開動作と同期あるいは少しの時間を置いて塗布ヘッド2とステージ3の相対移動を開始させる。この際の相対移動速度((図2(a)の塗布速度)および塗布液の流量(図2(f)の実流量)は、塗布動作の時間制約、塗布液の物性などから適正な値に設定されている。
【0038】
ポンプ15が送り出す流量は、減圧弁61が全開となった際に前述の適正流量あるいはそれを超える流量となるように駆動する。適正流量を超えるようにポンプ15を駆動した場合、常に減圧弁61によって流量を規制される。
【0039】
塗布ヘッド2が基板4のもう一端に近づいてきたら、減圧弁61を閉じてゆく。この際の全閉時間も適正となるよう制御するのが望ましい。
【0040】
減圧弁61が完全に閉じたあと、一定時間経過後、塗布ヘッド2の上昇を開始し、塗布ヘッド2と塗膜5が完全に切り離された後、塗布ヘッド2とステージの相対移動を停止する。
【0041】
減圧弁61が完全に閉じられた後、開閉弁16を閉じポンプ15の送出動作を停止させる。減圧弁61が完全に閉じた後であるので、これらの動作を行うまでの時間はポンプに過負荷を与えない範囲において任意でよい。このあと、ポンプ15がダイヤフラムポンプやシリンジポンプなど、非連続的動作のポンプであれば開閉弁14を開き塗布液の吸引動作を行う。
【0042】
以上の手順によって基板4上に平滑な塗膜5が得られる。
【0043】
【実施例】
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0044】
[実施例1]
東京応化工業製のポジ型フォトレジストOFPR−800(粘度20mPa・s)を塗布液として採用し、200mm×300mm×0.7mmの無アルカリガラス基板1737(コーニング製)を被塗布材として使用し、図1に示すような構成の塗布装置によって塗布を行った。
【0045】
ポンプ15はサーボシリンジポンプ、減圧弁61は加圧空気駆動タイプとし、減圧弁制御装置62は電空レギュレータと呼ばれる、アナログ電圧によって減圧弁61へ与える加圧空気の圧力を制御できるものを使用した。図示はしていないが減圧弁制御装置62には加圧空気源が付加されている。
【0046】
減圧弁61は塗布ヘッド2の塗布液流入口21に連接させて設置されており、減圧弁61から塗布ヘッド先端までの塗布液の容積は約100cmである。
【0047】
塗布ヘッド2のスリット開口部はスリット厚が30μm、スリット幅が196mmとした。
【0048】
まず塗布液を塗布液タンク11に仕込み、予め塗布ヘッド2のスリット開口部に至るまでの送液路内を該塗布液で満たした。
【0049】
また前述のガラス基板を洗浄のうえ、ステージ3上に塗布ヘッドの幅方向中心と、該基板の短尺側の中心が一致するように正確に配置し、真空吸着により固定した。
【0050】
続いて図2に示すようなタイムチャートに基づき塗布動作を行った。このタイムチャートには記載していないが、塗布開始の時点では基板4の長尺側一端に塗布ヘッド2が対向するようにしておき、塗布終了後は基板4から十分に離れた位置に退避させている。また、本チャートの実流量の項目は、結果として得られた塗布液流入口21近傍における塗布液の流量の測定値を示している。
【0051】
まず塗布ヘッド先端と基板表面の距離(ギャップ)が30μmとなる位置まで塗布ヘッド2を降下させた後、ポンプ15を動作させると同時に開閉弁14及び16を開く。減圧弁61が全開となった場合のポンプ15の送出流量が50μl/sとなるようにポンプ15は動作させており、この流量は定常に達した際の実流量(定常実流量)と等しい。
【0052】
ポンプ15の動作開始の0.05秒後(図2中のt)に減圧弁61を直線的に開度を変化させながら、0.1秒で全開とさせる。減圧弁61の開動作と同時に塗布ヘッド2とステージ3の相対移動を開始させ、加速時間を0.1秒で前述50mm/sの塗布速度まで至らしめる。
【0053】
塗布ヘッド2が基板4の端部より9mm手前にさしかかった時点(図2中のt)で減圧弁61を閉じ始め、0.03秒で全閉とさせる。減圧弁61が全閉となったあと開閉弁16を閉じ、ポンプ15の送出動作を停止させる。
【0054】
さらに塗布ヘッド2が基板4の端部より2.5mm手前にさしかかった時点で塗布ヘッド2を上昇させ、塗布ヘッド2と塗膜5が接触していない状態に至った後(図2中のt)、塗布速度を0とする。
【0055】
こうして得られた塗布基板を90℃にて20分ベーキングを行った。基板の幅方向で中央部の膜厚を塗布方向に測定した結果を図3に示す。
【0056】
図3に示されるように、本実施例では膜厚の不均一な領域は塗布開始側及び塗布終了側で0.5mm以下に抑制されており、さらに定常領域の膜厚を越える部分がなく、平滑な塗膜が得られていることがわかる。
【0057】
[比較例1]
実施例1にならい塗布を行った。装置は図5に示すような塗布装置を使用しており、実施例1とは減圧弁61の接続位置のみが異なる。実施例1では塗布液流入口21近傍に設置しているが、本比較例では開閉弁16の直後に設置している。減圧弁61から塗布ヘッド先端までの塗布液の容積は約400cmである。
【0058】
また、塗布の際の各制御パラメータは実施例1と全く同じとした。しかし、実流量(結果として得られた塗布液流入口21近傍における塗布液の流量の測定値)は実施例1と異なり、図6に示すとおりである。
さらに得られた膜厚を測定したところ、図7のようになり、実施例1に比して膜厚不均一部が大幅に増大している。
【0059】
[実施例2]
図5のような構成の塗布装置において、塗布ヘッド2は図示のように2つのブロックから構成されている。図2で下流側に位置しマニホールドを有する側のブロック(リアブロック)として図8および図9に示すような構造のものを用いる。
【0060】
図8は、リアブロック31の合わせ面側から見た図である。図9は、図8におけるA−A断面を示したものである。
【0061】
マニホールド32に連接した塗布液供給路33の途中に流量制御手段34および流量センサ35を配している。流量制御手段34はモータ36の駆動により、テフロン(登録商標)製のダイヤフラム38と接合されたピストン37が前後動(図9では左右動)する。そしてダイヤフラム38が前後動することで、塗布液供給路33の容積が変化する。これによりマニホールド32へ流入する塗布液の流量を変化させることができる。
【0062】
なお、流量制御手段としては塗布液供給路33の断面積を変化させるような構成とすることもできる。
【0063】
流量センサ35はピエゾ型圧力センサを用いたものである。実施例2と同様の効果を得ることができるよう、流量センサ35からの出力に基づき、流量制御手段34の駆動量をフィードバック制御を行っている。
【0064】
以上説明した装置の構成を除き実施例1と同様な塗布を行ったところ、実施例1とほぼ同様の品質の塗膜を得ることができた。
【0065】
【発明の効果】
本発明のスリットコート式塗布装置によれば、塗布液自身の圧縮性の影響、塗布液に溶存あるいは配管の屈曲部などに滞留してしまった気泡の影響による塗布液の流量応答性の低下を最小限とすることができる。これにより、塗布によって得られる塗膜が、塗布液の被塗布部材への滴下を開始する上流側から、塗布液を停止し塗布ヘッドを被塗布部材に対して相対的に上方に引き上げて塗布を終了する下流側まで均一な膜面を得ることができ、特に枚葉塗工方式において塗布の開始・終了部での膜厚ムラの領域を狭くして、基板の有効領域を拡大することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で用いたスリットコート式塗布装置の概略図である。
【図2】実施例1におけるタイムチャートである。
【図3】実施例1による塗布方向の膜厚分布を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態に係るスリットコート式塗布装置の概略図である。
【図5】比較例1で用いたスリットコート式塗布装置の概略図である。
【図6】比較例1におけるタイムチャートである。
【図7】比較例1による塗布方向の膜厚分布を示す図である。
【図8】実施例2で用いたスリットコート式塗布装置の塗布ヘッドを構成するリアブロックを示す図である。
【図9】図8におけるA−A断面図である。
【符号の説明】
2 塗布ヘッド
3 ステージ
4 基板
5 塗膜
11 塗布液タンク
13 フィルタ
14 開閉弁
15 ポンプ
16 開閉弁
17 配管
21 塗布液流入口
31 リアブロック
32 マニホールド
33 塗布液供給路
34 流量制御手段
35 流量センサ
36 モータ
37 ピストン
38 ダイヤフラム
61 減圧弁(流量制御手段)
62 減圧弁制御装置
63 流量計

Claims (2)

  1. 塗布液供給装置により塗布液吐出用のスリットを有する塗布ヘッドに塗布液を供給しつつ、被塗布部材を保持するステージまたは前記塗布ヘッドの少なくとも一方を相対的に移動させることにより、前記被塗布部材の表面に塗膜を形成するスリットコート式塗布装置において、
    塗布液の流量制御手段から塗布ヘッド先端までの塗布液の容積が、100cm以下であることを特徴とするスリットコート式塗布装置。
  2. 塗布液供給装置により塗布液吐出用のスリットを有する塗布ヘッドに塗布液を供給しつつ、被塗布部材を保持するステージまたは前記塗布ヘッドの少なくとも一方を相対的に移動させることにより、前記被塗布部材の表面に塗膜を形成するスリットコート式塗布装置において、
    塗布液の流量制御手段を塗布ヘッドの内部に設けていることを特徴とするスリットコート式塗布装置。
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