JP2004112415A - 通信システム、及び応答器 - Google Patents

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Abstract

【課題】応答器の移動経路を取得する通信システム全体のコストを抑える。
【解決手段】副質問器3a〜3kが自身のID番号の情報を有する副質問波を送信する。応答器4a〜4cは、副質問器3a〜3kから副質問波を受信すると、副質問波に含まれるID番号を内蔵のメモリに時系列に書き込む。主質問器2は自身のID番号の情報を有する主質問波を送信し、応答器4a〜4cは主質問器2から主質問波を受信すると、内蔵のメモリに書き込まれた副質問器のID番号からなる情報を返信する。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、応答器を所持している顧客の移動経路を把握する通信システム、及び通信システムに利用される応答器に関する。
【0002】
【従来の技術】
店舗内に複数の質問器(或いは基地局等…以後省略)を置き、これらの質問器をネットワークを介してデータ処理装置に接続し、利用客には応答器(或いは携帯端末…以後省略)を持たせ、ID識別するシステムが良く知られている。其のシステムでは、各質問器が各利用客に持たせた応答器のIDを識別することで利用客の位置や移動情報、等の諸情報を入手し、その諸情報を基に各利用客毎に個別に設定した情報を提供したり、利用客に関する統計情報を得たりすることができるシステムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−216450号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、このようなシステムでは、全ての質問器が送信機能及び受信機能を有する構成となっているため、質問器の単価が必然的に高くなってしまうという問題点がある。又、この場合、各質問器と各応答器とが頻繁に通信を行い、又、得たIDをネットワークを通してデータ処理装置に頻繁に送る必要があるため、特に、応答器が多数存在する場合、個々のIDデータ量は小さくても応答器と質問器とデータ処理装置との通信頻度が増大し、データ量に対する通信処理負荷が増大する問題点もある。
【0005】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、応答器のIDや位置情報などの情報から利用客の移動経路等の諸情報を取得し、通信システム全体のコストを抑え、通信処理負荷を軽減することが可能な通信システム、及び応答器を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の通信システムは、複数の副質問器の夫々から応答器に対して自己の副質問器に関する情報を提供し、主質問器が前記応答器に提供された前記副質問器に関する情報を前記応答器から取得する通信システムであって、前記主質問器は、前記応答器に対して主質問波を送出する主質問波送出手段と、前記応答器において変調がなされた反射波を受信する反射波受信手段と、を備え、前記副質問器は、前記応答器に対して当該副質問器に関する情報で変調された副質問波を送出する副質問波送出手段、を備え、前記応答器は、前記主質問器から送出された前記主質問波及び前記副質問器から送出された前記副質問波を受信する質問波受信手段と、前記質問波受信手段が受信した質問波が前記主質問波か前記副質問波かを判定する質問波判定手段と、前記質問波判定手段により前記受信した質問波が前記副質問波であると判定された場合、前記副質問波に基づいて前記副質問器に関する情報を記憶する記憶手段と、前記質問波判定手段により前記受信した質問波が前記主質問波であると判定された場合、前記記憶手段の記憶内容に基づいて前記主質問波を変調し反射波として送信する反射変調手段と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
請求項1によると、応答器は副質問器に関する情報を記憶する記憶手段を備え、その記憶手段に記憶された内容を主質問器へ提供する機能を備えている。このため、応答器の移動経路を把握するために副質問器は副質問器に関する情報で変調された副質問波を送出する機能を備える簡単な構成でよい。この結果、通信システム全体のコストを抑えることが可能になる。
【0008】
請求項2に記載の通信システムは、前記副質問波送出手段は前記副質問波を所定時間間隔で送出することを特徴とする。請求項2によると、例えば応答器を所持している顧客が副質問器の副質問波の送信可能範囲を通過するのに要する時間より所定間隔を短くすることで、送信可能範囲内に入った応答器に対して自己の副質問器に関する情報を少なくとも一回送出することが可能になる。また、副質問波を所定時間間隔で送出しているため、応答器が副質問器の副質問波の送信可能範囲内に存在する時間を把握することが可能になる。
【0009】
請求項3に記載の通信システムは、前記副質問波送出手段は前記副質問波を所定時間に所定回数送出し、その送出タイミングがランダムであることを特徴とする。請求項3によると、複数の副質問器から副質問波が同時に繰り返して送出される可能性が低くなり、その結果、副質問波の衝突が連続して起こりにくくなり、副質問波同士が互いに連続して干渉する可能性が低くなる。
【0010】
請求項4に記載の通信システムは、前記記憶手段は前記副質問器に関する情報を時系列に記憶することを特徴とする。請求項4によると、応答器に対して副質問波を送出した、つまり自己の副質問器に関する情報を提供した副質問器の順番(同一の副質問器が連続している場合もある)を簡単な構成で把握することが可能になる。
【0011】
請求項5に記載の通信システムは、前記応答器は、受信している前記副質問波を送出している副質問器が過去或いは直前に受信した副質問器の何れかと同じであるか否かを判定する副質問器判定手段と、前記副質問器判定手段により過去或いは直前に受信した副質問器の何れかと同じ副質問器であると判定された場合に、受信している副質問波に基づいて最初に其の副質問波を受信してからの時間又は其の副質問波を受信した回数、又は其の副質問波を継続して受信した時間、又は、其の副質問波を継続して受信した回数、を検出する検出手段と、をさらに備えており、前記記憶手段は、前記検出手段による検出結果を前記副質問器に関する情報に関連付けて記憶することを特徴とする。請求項5によると、記憶手段に記憶する記憶量を少なくすることができ、応答器と主質問器との間の通信効率を向上させることができる。
【0012】
請求項6に記載の通信システムは、前記応答器は、前記検出手段による検出結果がある検出閾値より大きいか否かを判定する検出結果判定手段をさらに備え、前記記憶手段は、前記検出結果判定手段により前記検出結果が前記ある検出閾値より大きいと判定された場合に、前記検出結果を記憶することを特徴とする。請求項6によると、記憶手段に記憶する記憶量をさらに少なくすることができ、応答器と主質問器との間の通信効率をさらに向上させることができる。
【0013】
請求項7に記載の通信システムは、前記応答器は、前記質問波受信手段によって受信された前記副質問波の強度がある強度閾値より大きいか否かを判定する強度判定手段をさらに備え、前記記憶手段は、前記強度判定手段により前記副質問波の強度が前記ある強度閾値より大きいと判定された場合に記憶することを特徴とする。請求項7によると、応答器に近接する副質問器に関する情報のみが記憶されるので、つまり、応答器と離れた副質問器に関する情報は記憶されないので、記憶手段に記憶する記憶量を少なくすることができ、応答器から主質問器への通信効率が向上する。
【0014】
請求項8に記載の通信システムは、前記副質問器に関する情報は当該副質問器を識別するための識別情報又は当該副質問器が設置された設置位置に関する情報であることを特徴とする。請求項8によると、応答器の移動経路を容易に把握することが可能になる。
【0015】
請求項9に記載の通信システムは、前記主質問器及び前記副質問器は施設内に設置され、前記主質問器は施設内と施設外とを結ぶ通路上に配置されていることを特徴とする。請求項9によると、応答器を所持している顧客に必ずしも立ち寄る必要のないような場所に立ち寄ることを強いることなく、応答器に記憶された情報を主質問器で取得することが可能になる。
【0016】
請求項10に記載の応答器は、複数の副質問器の夫々から応答器に対して自己の副質問器に関する情報を提供し、主質問器が前記応答器に提供された前記副質問器に関する情報を前記応答器から取得する通信システムにおいて使用される応答器であって、前記主質問器から送出された前記主質問波及び前記副質問器から送出された前記副質問波を受信する質問波受信手段と、前記質問波受信手段が受信した質問波が前記主質問波か前記副質問波かを判定する質問波判定手段と、前記質問波判定手段により前記受信した質問波が前記副質問波であると判定された場合、前記副質問波に基づいて前記副質問器に関する情報を記憶する記憶手段と、前記質問波判定手段により前記受信した質問波が前記主質問波であると判定された場合、前記記憶手段の記憶内容に基づいて前記主質問波を変調して反射させる反射変調手段と、を備えたことを特徴とする。
【0017】
請求項10によると、副質問器から送られてくるその副質問器に関する情報を記憶し、その記憶した情報を主質問器へ提供することが可能な応答器を実現できる。
【0018】
請求項11に記載の応答器は、受信している前記副質問波を送出している副質問器が過去或いは直前に受信した副質問器の何れかと同じであるか否かを判定する副質問器判定手段と、前記副質問器判定手段により過去或いは直前に受信した副質問器の何れかと同じ副質問器であると判定された場合に、受信している副質問波に基づいて最初に其の副質問波を受信してからの時間又は其の副質問波を受信した回数、又は其の副質問波を継続して受信した時間、又は、其の副質問波を継続して受信した回数、を検出する検出手段と、をさらに備えており、前記記憶手段は、前記検出手段による検出結果を前記副質問器に関する情報に関連付けて記憶することを特徴とする。請求項11によると、応答器で記憶する記憶量が少なくなるため、応答器は小さい記憶容量の記憶手段を備えればよくなる。
【0019】
請求項12に記載の応答器は、前記応答器は、前記検出手段による検出結果がある検出閾値より大きいか否かを判定する検出結果判定手段をさらに備え、前記記憶手段は、前記検出結果判定手段により前記検出結果が前記ある検出閾値より大きいと判定された場合に、前記検出結果を記憶することを特徴とする。請求項12によると、応答器で記憶する記憶量がさらに少なくなるため、応答器はさらに記憶容量の小さい記憶手段を備えればよくなる。
【0020】
請求項13に記載の応答器は、前記応答器は、前記質問波受信手段によって受信された前記副質問波の強度がある強度閾値より大きいか否かを判定する強度判定手段をさらに備え、前記記憶手段は、前記強度判定手段により前記副質問波の強度が前記ある強度閾値より大きいと判定された場合に記憶することを特徴とする。請求項13によると、応答器で記憶する記憶量が少なくなるため、応答器は記憶容量の小さい記憶手段を備えればよくなる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態に係る通信システムについて図面を参照しつつ説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る通信システムの構成例を示す図である。
【0022】
図1に一例を示す通信システム1は、顧客が施設内の各売り場コーナーを商品を見ながら歩き回るようなスーパーマーケットやコンビニエンスストアなどの店舗S内に配置されており、主質問器2、副質問器3a〜3k、及び応答器4a〜4cを含んでいる。例えば、応答器4a〜4cは、メンバーカードやポイントカードに組み込まれている。主質問器2は、図1に示すように、レジスタに対応して、店舗Sの施設内と施設外とを結ぶ通路上に配置されており、主質問器2と応答器4a〜4cなどとの間の通信可能エリアが、図1中エリア5で示されている。また、副質問器3a〜3kは、各売り場コーナーに対応して1台ずつ配置されており、副質問器3a〜3kの副質問波の送信可能エリアが、夫々、図1中エリア6a〜6kで示されている。尚、例えば、副質問器の送信可能エリアより売り場コーナーが広い場合には、売り場コーナーに複数台の副質問器を配置することによって対応可能である。
【0023】
この通信システム1においては、後述するように、副質問器3a〜3kは、副質問器自身の識別情報であるID番号を所定時間間隔で送信する。例えば、所定時間間隔として、応答器4a〜4cを所持する顧客が通常より速い歩行速度で売り場コーナーを通過するよりも短い時間間隔となるように設定する。副質問器3a〜3kから副質問器を特定するためのID番号を受信した応答器4a〜4cは内蔵メモリにID番号を時系列に記憶する。主質問器2から主質問波が送信され、応答器4a〜4cに照射される。応答器4a〜4cの夫々からは、それらの内臓メモリに時系列に記憶された副質問器のID番号からなる情報を含んだ反射波が返送され、主質問器2は応答器4a〜4cからそれらの内蔵メモリに時系列に記憶された1又は複数のID番号を取得する。主質問器2は、取得した1又は複数のID番号を、主質問器2と有線又は無線で通信を行うことができる不図示のデータ処理装置に転送する。そして、データ処理装置は、この送られてくるデータを基に、顧客の移動経路や売り場コーナーに滞在した時間などからなるデータベースを更新する。
【0024】
以下、図1に一例を示す通信システムを構成する主質問器2、副質問器3a〜3k、及び応答器4a〜4cの電気的構成を順に図面を参照しつつ説明する。
【0025】
まず、主質問器2の電気的構成について図2を参照しつつ説明する。図2は、主質問器2の電気的構成を示すブロック図である。主質問器2は、アナログ回路部10とデジタル回路部20とアンテナ17とを備えている。アナログ回路部10は、図2に示すように、発振器11と、変調器12と、電力増幅器13と、サーキュレータ14と、低雑音増幅器(Low Noise Amp:LNA)15と、主搬送波復調器16と、から構成されている。
【0026】
発振器11は、900MHz、2.45GHz、5GHzなどの周波数の主搬送波を発振し、発振した主搬送波を変調器12へ出力する。変調器12は、主質問器2自身のID番号やホッピングタイミング或いはホッピングパターン等を振幅変調(Amplitude Shift Keying:ASK)で、発信器11から入力された主搬送波を変調し、変調した主搬送波を電力増幅器13へ出力する。電力増幅器13は、変調器12で変調された主搬送波を電力増幅し、サーキュレータ14へ出力する。サーキュレータ14は、電力増幅器13から入力された増幅後の変調された主搬送波をアンテナ17に伝え、又、アンテナ17が受信した電波をLNA15に伝えるように出力と入力の分離を行う。アンテナ17に伝えられた増幅後の変調された主搬送波(主質問波)がアンテナ17から放射されることになる。LNA15は、サーキュレータ14から入力されるアンテナ17が受信した応答器からの受信信号を増幅し、主搬送波復調器16へ出力する。主搬送波復調器16は、LNA15で増幅された受信信号を発信器11からの信号とミキシングしてホモダイン検波し、デジタル回路部20の後述する帯域分割フィルタ21へ出力する。
【0027】
デジタル回路部20は、図2に示すように、帯域分割フィルタ21と、副搬送波復調器22と、フレーム分割器23と、フレーム仕分け器24と、フレーム連結器25と、コントローラ26と、から構成されている。帯域分割フィルタ21は、アナログ回路部10の主搬送波復調器16でホモダイン検波された受信信号を、アナログ信号からデジタル信号にA/D変換し、このA/D変換された受信信号をフィルタ処理によりホッピング周波数に対応したチャンネルに分離し、副搬送波復調器22へ出力する。副搬送波復調器22は、帯域分割フィルタ21で分離された副搬送波信号を復調して元の情報信号を生成し、フレーム分割器23へ出力する。フレーム分割器23は、副搬送波復調器22で生成された各チャンネルからの出力を適正なフレームに分離し、フレーム仕分け器24へ出力する。フレーム仕分け器24は、フレーム分割器23で分割されたフレームを仕分けし、フレーム連結器25へ出力する。フレーム連結器25は、フレーム仕分け器24で仕分けられたフレームを応答器ごとに時系列に連結する。コントローラ26は、主質問器2の全体の制御を司る。
【0028】
次に、副質問器3aの電気的構成について図3を参照しつつ説明する。図3は、副質問器3aの電気的構成を示すブロック図である。尚、副質問器3b〜3kの電気的構成は副質問器3aと実質的に同等であり、副質問器3aの説明が適用できるため詳細は省略する。
【0029】
副質問器3aは、図3に示すように、発振器31と、変調器32と、電力増幅器33と、コントローラ34と、アンテナ35と、を備えている。発振器31は、900MHz、2.4GHz、5GHzなどの周波数の主搬送波を発振し、発振した主搬送波を変調器32へ出力する。変調器32は、副質問器3a自身のID番号や副質問器3aの設置位置に関する情報等を振幅変調で、発振器31から入力された主搬送波を変調し、変調した主搬送波を電力増幅器33へ出力する。電力増幅器33は、変調器32で変調された主搬送波を電力増幅する。この増幅後の変調された主搬送波(副質問波)がアンテナ35に伝えられ、アンテナ35から放射されることになる。コントローラ34は、副質問器3aの全体の制御を司る。
【0030】
さらに、応答器4aの電気的構成について図4を参照しつつ説明する。図4は、応答器4aの電気的構成を示すブロック図である。尚、応答器4b、4cの電気的構成は応答器4aと実質的に同等であり、応答器4aの説明が適用できるため詳細は省略する。
【0031】
応答器4aは、図4に示すように、変復調器41と、デジタル回路部42と、メモリ43と、アンテナ49と、を備えている。変復調器41は、アンテナ49が受信した電波(主質問器2からの主質問波、或いは、副質問器3a〜3kからの副質問波)を復調して、比較器46へ出力する。また、変復調器41は、後述する副搬送波変調器45で変調された副搬送波で主質問波を変調し、変調波を反射波としてアンテナ49から送信する
【0032】
デジタル回路部42は、副搬送波発振器44と、副搬送波変調器45と、比較器46と、コントローラ47と、から構成されている。副搬送波発振器44は、副搬送波を発振し、発振した副搬送波を副搬送波変調器45へ出力する。副搬送波変調器45は、コントローラ47に制御されて、情報信号(メモリ43に記憶されている記憶内容)等を位相変調(Phase Shift Keying:PSK)で、副搬送波発振器44から入力された副搬送波を変調し、変調した副搬送波を変復調器41へ出力する。比較器46は、変復調器41からの信号の強度を予め定められた強度(強度閾値)と比較する。コントローラ47は、応答器4aの制御を司るものである。尚、副搬送波発振器44及び副搬送波変調器45は、コントローラ47のクロックを利用して、ソフト的に構成しても良い。また、副搬送波の変調は、位相変調以外に、周波数変調(Frequency Shift Keying:FSK)としても良い。また、副搬送波発振器44及び副搬送波変調器45は、コントローラ47内に設け1チップ化しても良い。
【0033】
メモリ43は、応答器4aが受信した副質問波を送信した副質問器3a〜3kのID番号を時系列に記憶する。例えば、副質問器3a〜3kのID番号を、Sa〜Skとし、応答器4aが副質問器3a、副質問器3a、副質問器3a、副質問器3a、副質問器3a、副質問器3b、副質問器3h、副質問器3h、副質問器3h、副質問器3hの順に副質問波を受信した場合には、図5に一例を示すように、メモリ43には、“Sa、Sa、Sa、Sa、Sa、Sb、Sh、Sh、Sh、Sh”が記憶される。
【0034】
ここで、応答器4aの動作の概略をまとめる。応答器4aのアンテナ49が電波を受信すると、変復調器41で受信した電波を復調し、受信した電波の強度が予め定められた強度より大きい場合、コントローラ47は、受信した電波を送信した機器が主質問器2であるか、副質問器3a〜3kであるかを、受信した電波に含まれるID番号に基づいて判定する。つまり、コントローラ47は、受信している電波が主質問波か副質問波かを判定する。受信した電波を送信した機器が副質問器3a〜3kの何れかである場合には、コントローラ47は、副質問波を送信した副質問器のID番号をメモリ43に時系列に書き込む。一方、受信した電波を送信した機器が主質問器2である場合には、副搬送波変調器45は、コントローラ47によって制御されて、メモリ43に時系列に記憶されている副質問器のID番号からなる情報で副搬送波発振器44によって発振された副搬送波を変調する。そして、変復調器41は、副搬送波変調器45で変調された副搬送波で受信した主質問波を変調し、反射波としてアンテナ49から送信する。
【0035】
次に、上記のように構成された主質問器2と応答器4a〜4cとの間の通信の概略を説明する。まず、主質問器2では、アナログ回路部10の発信器11から900MHz、2.4GHz、5GHzなどの周波数の主搬送波を発振する。発振器11で発振された主搬送波は変調器12に入力され、変調器12で、コントローラ26の制御により、主搬送波を主質問器2のID番号やホッピングタイミングあるいはホッピングパターン等を示す情報で振幅変調し、変調された主搬送波が電力増幅器13で電力増幅され、増幅後の変調された主搬送波(主質問波)がサーキュレータ14を介してアンテナ17から送信される。
【0036】
主質問器2からの主質問波をアンテナ49で受信した応答器4a〜4cでは、受信した主質問波が変復調器41で復調され、比較器46で復調された信号の強度が予め定められた強度と比較される。復調された信号の強度が予め定められた強度より大きい場合には、コントローラ47は、受信した電波を送信した機器が主質問器2であるか、副質問器3a〜3kであるかをID番号などから判定し、ここでは、受信した電波を送信した機器が主質問器2であると判定する。そして、コントローラ47に制御されて、副搬送波変調器45で、メモリ43に時系列に記憶されている副質問器のID番号からなる情報により、副搬送波発振器44で発振された副搬送波が位相変調され、この変調された副搬送波が副搬送波変調器45から変復調器41に入力される。そして、変復調器41で、主質問器20から受信中の主質問波を副搬送波変調器45からの変調された副搬送波で振幅変調或いは位相変調して反射し、アンテナ49から放射する。
【0037】
その後、主質問器2では、アンテナ17で受信された応答器4a〜4cからの受信信号がサーキュレータ14を介してLNA15で増幅され、主搬送波復調器16において、発振器11からの信号がミキシングされてホモダイン検波が行われる。ホモダイン検波が行われると、応答器4a〜4cの夫々からの反射波の副搬送波信号が混ざった信号が復調される。この信号は、帯域分割フィルタ21に内蔵された不図示のA/D変換器によりデジタル値に変換され、帯域分割フィルタ21の処理により、応答器4a〜4cの夫々からの副搬送波信号は、フーリエ変換によるフィルタリング処理がされて、ホッピング周波数に対応したチャンネル(CH1、CH2、CH3、…)に分離され、分離された信号を逆フーリエ変換により時間系列に変換すると、応答器4a〜4cの夫々からの副搬送波信号は、変調された副搬送波信号として取り出される。
【0038】
副搬送波周波数がホッピングすると、ホッピング毎に異なったチャンネルから副搬送波信号が出力される。これを夫々副搬送波復調器22で復調することにより、もとの情報信号が出力される。各チャンネルからは周波数ホッピング毎に切り換わった副搬送波の信号からの情報信号が次々に出力されるので、フレーム分割器23により、各チャンネルからの出力を適切なフレームに分離し、フレーム仕分け器24により応答器4a〜4cの夫々に仕分けし、フレーム連結器25により、時系列に転結して再構築し、コントローラ26に入力する。
【0039】
次に、各チャンネルからの出力を図6を参照しつつ説明する。図6は、各チャンネルからの出力を表した模式図であり、四角枠の数字は、応答器の番号を示し、数字の後のアルファベットは、時系列を表している。即ち、応答器4aからのデータは、“1a”→“1b”→“1c”→…と続くことになる。同様に、応答器4bからのデータは、“2a”→“2b”→“2c”→…と続くことになる。応答器4cからのデータは、“3a”→“3b”→“3c”→…と続くことになる。
【0040】
各チャンネルからの出力は、具体的には、図6に一例を示すように、チャンネルCH3から応答器4aからの信号が出力される。チャンネルCH4から応答器4bからの信号が出力される。チャンネルCH5から応答器4cからの信号が出力される。チャンネルCH6から応答器4b、4c、4aからの信号が出力される。チャンネルCH7から応答器4c、4bからの信号が出力される。チャンネルCH8から応答器4aからの信号が出力される。チャンネルCH9から応答器4b、4c、4aからの信号が出力される。チャンネルCH10から応答器4aからの信号が出力される。チャンネルCH11から応答器4bからの信号が出力される。チャンネルCH12から応答器4cからの信号が出力される。チャンネルCH13から応答器4a、4bからの信号が出力される。チャンネルCH14から応答器4cからの信号が出力される。チャンネルCH15から応答器4c、4aからの信号が出力される。
【0041】
上記の出力をフレーム仕分け器24により応答器4a、4b、4c毎に仕分けし、フレーム連結器25により、時系列に連結して再構築する。例えば、応答器4aからの出力は、チャンネルCH3からの出力のフレーム識別符号が“1a”、チャンネルCH13からの出力のフレーム識別符号が“1b”、チャンネルCH10からの出力のフレーム識別符号が“1c”、チャンネルCH6からの出力のフレーム識別符号が“1d”、チャンネルCH8からの出力のフレーム識別符号が“1e”、チャンネルCH9からの出力のフレーム識別符号が“1f”、チャンネルCH15からの出力のフレーム識別符号が“1g”の場合には、これらのフレームが識別符号に従って、図6(b)に示すように、“1a”、“1b”、“1c”、“1d”、“1e”、“1f”、“1g”と再構築される。また、応答器4bからの出力は、チャンネルCH9からの出力のフレーム識別符号が“2a”、チャンネルCH6からの出力のフレーム識別符号が“2b”、チャンネルCH13からの出力のフレーム識別符号が“2c”、チャンネルCH11からの出力のフレーム識別符号が“2d”、チャンネルCH4からの出力のフレーム識別符号が“2e”、チャンネルCH7からの出力のフレーム識別符号が“2f”の場合には、これらのフレームが識別符号に従って、図6(b)に示すように、“2a”、“2b”、“2c”、“2d”、“2e”、“2f”と再構築される。また、応答器4cからの出力は、チャンネルCH14からの出力のフレーム識別符号が“3a”、チャンネルCH7からの出力のフレーム識別符号が“3b”、チャンネルCH6からの出力のフレーム識別符号が“3c”、チャンネルCH9からの出力のフレーム識別符号が“3d”、チャンネルCH12からの出力のフレーム識別符号が“3e”、チャンネルCH15からの出力のフレーム識別符号が“3f”、チャンネルCH5からの出力のフレーム識別符号が“3g”の場合には、これらのフレームが識別符号に従って、図6(b)に示すように、“3a”、“3b”、“3c”、“3d”、“3e”、“3f”、“3g”と再構築される。
【0042】
次に、上記のように構成された副質問器3a〜3kと応答器4a〜4cとの間の通信の概略について説明する。まず、副質問器3a〜3kでは、発振器31から900MHz、2.4GHz、5GHzなどの周波数の主搬送波を発振する。発振器31で発振された主搬送波は変調器32に入力され、変調器32で、コントローラ34の制御により、主搬送波を副質問器3a〜3kのID番号や副質問器3a〜3kの設置位置等を示す情報により振幅変調が行われ、変調された主搬送波が電力増幅器23で電力増幅され、増幅後の変調された主搬送波(副質問波)がアンテナ35から送信される。
【0043】
副質問器3aからの副質問波をアンテナ49で受信した応答器4a〜4cでは、受信した副質問波を変復調器41で復調し、比較器46によって復調された信号の強度が予め定められた強度と比較される。復調された信号の強度が予め定められた強度より大きい場合には、コントローラ47は、受信した電波を送信した機器が主質問器2であるか、副質問器3a〜3kであるかを判定し、ここでは、受信した電波を送信した機器が副質問器3a〜3kであると判定する。そして、コントローラ47は、副質問器3a〜3kから受信した副質問波に基づいて、副質問波を送信した副質問器のID番号をメモリ43に時系列に書き込む。
【0044】
次に、応答器の動作について図7を参照しつつ説明する。図7は、通信システム1を構成する応答器の動作フローを示す図である。
【0045】
ステップS101において、応答器4aでは、主質問波及び副質問波の何れかを受信しているか否かが判定される。主質問波及び副質問波の何れも受信していないと判定された場合には(S101:NO)、ステップS101の処理に戻る。一方、主質問波及び副質問波の何れかを受信していると判定された場合には(S101:YES)、ステップS102の処理へ移行する。
【0046】
ステップS102において、応答器4aの比較器46で、受信している電波の強度と予め定められている強度とが比較される。受信している電波の強度が予め定められている強度以上でない場合には(S102:NO)、ステップS101の処理へ戻る。一方、受信している電波の強度が予め定められている強度以上の場合には(S102:YES)、ステップS103の処理へ移行する。
【0047】
ステップS103において、応答器4aのコントローラ47は、受信した電波に基づいてID番号を検出する。続いて、ステップS104において、応答器4aのコントローラ47は、ステップS103で検出したID番号を、予め、登録された質問器の種別を判別する情報と比較照合することで、受信した電波を送信している質問器の種別(主質問器、副質問器)を検出する。
【0048】
ステップS105において、応答器4aのコントローラ47は、ステップS104での検出結果に基づいて、主質問器2であるか否かを判定する。主質問器2であると判定された場合には(S105:YES)、ステップS106の処理へ移行する。一方、主質問器2でないと判定された場合には(S105:NO)、ステップS109の処理へ移行する。そして、ステップS109において、応答器4aのコントローラ47は、ステップS103で検出したID番号(ここでは、副質問器のID番号)をメモリ43に時系列に書き込み、ステップS101の処理へ戻る。
【0049】
ステップS106において、応答器4aのコントローラ47は、メモリ43に未送信のデータがあるか否かを判定する。送信/未送信の判別は、送信済みのデータは消去されるようにすることで、送信/未送信を判別するようにしてもよいし、送信済みデータを消去せず送信/未送信を判別できる情報を送信/未送信に対応して記憶させることで判別してもよい。メモリ43に未送信のデータがないと判定された場合には(S106:NO)、ステップS101の処理へ戻る。一方、メモリ43に未送信のデータがあると判定された場合には(S106:YES)、ステップS107の処理へ移行する。
【0050】
ステップS107において、応答器4aのコントローラ47は、主質問波が無変調であるか否かを判定する。主質問波が無変調でないと判定された場合には(S107:NO)、ステップS101の処理へ移行する。一方、主質問波が無変調であると判定された場合には(S107:YES)、ステップS108の処理へ移行する。
【0051】
ステップS108において、応答器4aは、コントローラ47に制御されて、メモリ43に記憶されている内容(時系列に並べられた副質問器のID番号からなる内容)を送信する。
【0052】
以上説明した本実施の形態においては、応答器4a〜4cは副質問波を送信した副質問器3a〜3kのID番号を記憶するメモリ43を備え、そのメモリ43に記憶された内容を主質問器2へ送信するように構成されている。このため、応答器4a〜4cの移動経路を把握するために副質問器3a〜3kは自己のID番号を送信する機能を備えるだけでよい。言い換えると、副質問器3a〜3kは受信機能を備える必要がない。この結果、通信システム全体のコストを抑えることが可能になる。
【0053】
また、応答器4a〜4cのメモリ43には、受信した副質問波を送信した副質問器3a〜3kのID番号を時系列に記憶しているため、応答器4a〜4cを所持する顧客の移動経路を把握することが可能になる。この結果、売り場コーナーの配置を顧客にあわせたものにすることが可能になる。
【0054】
また、副質問器3a〜3kが所定時間間隔で副質問波を送信し、応答器4a〜4cは副質問器3a〜3kから副質問波を受信する度に副質問波に含まれる副質問器3a〜3kのID番号をメモリ43に書き込むため(同じID番号が連続することがある。)、応答器4a〜4cが副質問器3a〜3kの副質問波の送信可能範囲内に存在する時間を把握することが可能になる。この結果、応答器4a〜4cを所持している顧客の関心ある売り場コーナーを知ることができる。
【0055】
さらに、応答器4a〜4cが受信した副質問波の強度が予め定められた強度以上の場合にのみ、応答器4a〜4cが副質問器3a〜3kのID番号をメモリ43に書き込むので、メモリ43のメモリ容量を小さく抑えることができるとともに、主質問器2と応答器4a〜4cとの間の通信効率を高めることができる。
【0056】
さらに、主質問器2が店舗Sの施設内と施設外とを結ぶ通路上に配置されているため、応答器4a〜4cを所持している顧客に必ずしも立ち寄る必要のない場所に立ち寄ることを強いることなく、応答器4a〜4cに記憶された情報を主質問器2で取得することが可能になる。
【0057】
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は、前記実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な設計変更が可能なものである。
【0058】
例えば、上記実施の形態では、応答器4a〜4cは受信した副質問波を送信した副質問波3a〜3kのID番号をメモリ43に時系列に書き込む場合であるが、これに限らず、以下のような処理などを施した後、処理が施された情報をメモリ43に記憶するようにしてもよい。例えば、応答器4a〜4cのコントローラ47は、受信した副質問波に含まれるID番号に基づいて、今回受信した副質問波を送信した副質問器から直前に、或いは、過去に副質問波を受信した否かを検出する。そして、受信した副質問波に含まれるID番号及び検出結果を利用して、同一の副質問器から連続して或いは店舗S内に入ってから副質問波を受信した回数をカウントし、副質問器ごとにそのID番号とカウント値とを関連付けてメモリ43に記憶するようにしてもよい。また、応答器4a〜4cのコントローラ47は、受信した副質問波に含まれるID番号と副質問波を受信した回数と副質問器3a〜3kにより副質問波が送信される時間間隔とに基づいて、同一の副質問器の副質問波の送信可能エリア内に連続して存在する、或いは、店舗S内に入ってから同一の副質問器の副質問波の送信可能エリア内に存在する時間を算出し、副質問器ごとにID番号と算出した時間とを関連付けてメモリ43に記憶するようにしてもよい。これによると、メモリ43の記憶容量を小さく抑えることができるとともに、主質問器2と応答器4a〜4cとの間の通信効率を向上させることが可能になる。
【0059】
また、上記の場合において、副質問波を受信した回数(カウント値)又は副質問器の副質問波の送信可能エリアに存在した時間(算出時間)が予め定められた値(検出閾値)より大きいか否かを判定し、カウント値又は算出時間は予め定められた場合には、ID番号とカウント値又は算出時間とを関連付けてメモリ43に記憶し、或いは、ID番号のみをメモリ43に記憶するようにしてもよい。これによると、メモリ43の記憶容量をさらに小さく抑えることができるとともに、主質問器2と応答器4a〜4cとの間の通信効率をさらに向上させることができる。
【0060】
さらに、上記実施の形態では、副質問器3a〜3kが副質問波を所定時間間隔で送信している場合であるが、これに限らず、副質問器3a〜3kが副質問波を所定時間に所定回数送信し、送信タイミングがランダムになるようにしてもよい。例えば、擬似乱数を利用し、その擬似乱数から得られる値をクロックに応じてデクリメントし、0になった時点で副質問波を送信することを繰り返すことによって実現できる。そのことによって、1つの質問器から副質問波が、連続して同時に送られる可能性が低くなり、副質問波の衝突を連続して起こりにくくすることができる。
【0061】
さらに、上記実施の形態では、副質問器3a〜3kから応答器4a〜4cへ送信する副質問器に関する情報が副質問器を識別するための識別情報(ID番号)の場合であるが、これに限らず、副質問器3a〜3kの夫々が設置された設置位置に関する情報や、副質問器3a〜3kの夫々が設置されている売り場コーナーに関する情報などであっても良い。
【0062】
さらに、上記実施の形態では、応答器4a〜4cが受信した電波を送信した機器が主質問器2であるか、副質問器3a〜3kであるかの判定は、ID番号に基づいて行う場合であるが、主質問器2と副質問器3a〜3kとの区別をするための判別情報を振幅変調により応答器に通知するように構成しても良い。例えば、主質問器2であればID番号の後を“0”にし、副質問機3a〜3kであればID番号の後を“1”にする。
【0063】
さらに、上記実施の形態では、主質問器2が1台の場合であるが、これに限らず、複数の出入口がある場合には夫々の出入口に対して少なくとも1台の主質問器を配置するように通信システムを構成しても良く、また、店舗S内の1又は複数のレジスタに対して主質問器を配置するように通信システムを構成しても良い。また、レジスタに対して配置された主質問器がレジに並んでいる人の人数を把握できるように主質問器が主質問波を送信する範囲を可変にしてもよい。
【0064】
さらに、上記実施の形態のステップS104ではステップS103で検出したID番号を、予め、登録された質問器の種別を判別する情報と比較照合することで、に基づいて、受信した電波を送信している質問器の種別(主質問器、副質問器)を判定しているが、ステップS103で検出したID番号を質問器の種別を判別することができるルールに基づいて判別しても良いし、その他様々な形態で実施できることは言うまでもない。
【0065】
さらに、上記実施の形態では、応答器4a〜4cは受信した副質問波を送信した副質問波3a〜3kのID番号をメモリ43に時系列に書き込む場合であるが、ID番号を時刻情報と対応付けてメモリ43に記憶するようにしても良い。
【0066】
【発明の効果】
請求項1によると、応答器は副質問器に関する情報を記憶する記憶手段を備え、その記憶手段に記憶された内容を主質問器へ提供する機能を備えている。このため、応答器の移動経路を把握するために副質問器は副質問器に関する情報で変調された副質問波を送出する機能を備える簡単な構成でよい。この結果、通信システム全体のコストを抑えることが可能になる。
【0067】
請求項2によると、例えば応答器を所持している顧客が副質問器の副質問波の送信可能範囲を通過するのに要する時間より所定間隔を短くすることで、送信可能範囲内に入った応答器に対して自己の副質問器に関する情報を少なくとも一回送出することが可能になる。また、副質問波を所定時間間隔で送出しているため、応答器が副質問器の副質問波の送信可能範囲内に存在する時間を把握することが可能になる。
【0068】
請求項3によると、複数の副質問器から副質問波が同時に繰り返して送出される可能性が低くなり、その結果、副質問波の衝突が連続して起こりにくくなり、副質問波同士が互いに連続して干渉する可能性が低くなる。
【0069】
請求項4によると、応答器に対して副質問波を送出した、つまり自己の副質問器に関する情報を提供した副質問器の順番(同一の副質問器が連続している場合もある)を簡単な構成で把握することが可能になる。
【0070】
請求項5によると、記憶手段に記憶する記憶量を少なくすることができ、応答器と主質問器との間の通信効率を向上させることができる。
【0071】
請求項6によると、記憶手段に記憶する記憶量をさらに少なくすることができ、応答器と主質問器との間の通信効率をさらに向上させることができる。
【0072】
請求項7によると、応答器に近接する副質問器に関する情報のみが記憶されるので、つまり、応答器と離れた副質問器に関する情報は記憶されないので、記憶手段に記憶する記憶量を少なくすることができ、応答器から主質問器への通信効率が向上する。
【0073】
請求項8によると、応答器の移動経路を容易に把握することが可能になる。
【0074】
請求項9によると、応答器を所持している顧客に必ずしも立ち寄る必要のないような場所に立ち寄ることを強いることなく、応答器に記憶された情報を主質問器で取得することが可能になる。
【0075】
請求項10によると、副質問器から送られてくるその副質問器に関する情報を記憶し、その記憶した情報を主質問器へ提供することが可能な応答器を実現できる。
【0076】
請求項11によると、応答器で記憶する記憶量が少なくなるため、応答器は小さい記憶容量の記憶手段を備えればよくなる。
【0077】
請求項12によると、応答器で記憶する記憶量がさらに少なくなるため、応答器はさらに記憶容量の小さい記憶手段を備えればよくなる。
【0078】
請求項13によると、応答器で記憶する記憶量が少なくなるため、応答器は記憶容量の小さい記憶手段を備えればよくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る通信システムの構成例を示す図である。
【図2】図1の通信システムを構成する主質問器の電気的構成を示すブロック図である。
【図3】図1の通信システムを構成する副質問器の電気的構成を示すブロック図である。
【図4】図1の通信システムを構成する応答器の電気的構成を示すブロック図である。
【図5】図4の応答器のメモリの記憶内容例を示す図である。
【図6】チャンネルの出力を示す概念図である。
【図7】図4の応答器の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 通信システム
2 主質問器
3a〜3k 副質問器
4a〜4c 応答器
10、42 アナログ回路部
11、31 発振器
12、32 変調器
13、33 電力増幅器
14 サーキュレータ
15 低雑音増幅器(LNA)
16 主搬送波復調器
17、35、49 アンテナ
20 デジタル回路部
21 帯域分割フィルタ
22 副搬送波復調器
23 フレーム分割器
24 フレーム仕分け器
25 フレーム連結器
26、34、47 コントローラ
41 変復調器
43 メモリ
44 副搬送波発振器
45 副搬送波変調器
46 比較器

Claims (13)

  1. 複数の副質問器の夫々から応答器に対して自己の副質問器に関する情報を提供し、主質問器が前記応答器に提供された前記副質問器に関する情報を前記応答器から取得する通信システムであって、
    前記主質問器は、
    前記応答器に対して主質問波を送出する主質問波送出手段と、
    前記応答器において変調がなされた反射波を受信する反射波受信手段と、
    を備え、
    前記副質問器は、
    前記応答器に対して当該副質問器に関する情報で変調された副質問波を送出する副質問波送出手段、
    を備え、
    前記応答器は、
    前記主質問器から送出された前記主質問波及び前記副質問器から送出された前記副質問波を受信する質問波受信手段と、
    前記質問波受信手段が受信した質問波が前記主質問波か前記副質問波かを判定する質問波判定手段と、
    前記質問波判定手段により前記受信した質問波が前記副質問波であると判定された場合、前記副質問波に基づいて前記副質問器に関する情報を記憶する記憶手段と、
    前記質問波判定手段により前記受信した質問波が前記主質問波であると判定された場合、前記記憶手段の記憶内容に基づいて前記主質問波を変調し反射波として送信する反射変調手段と、
    を備えたことを特徴とする通信システム。
  2. 前記副質問波送出手段は前記副質問波を所定時間間隔で送出することを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
  3. 前記副質問波送出手段は前記副質問波を所定時間に所定回数送出し、その送出タイミングがランダムであることを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
  4. 前記記憶手段は前記副質問器に関する情報を時系列に記憶することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の通信システム。
  5. 前記応答器は、
    受信している前記副質問波を送出している副質問器が過去或いは直前に受信した副質問器の何れかと同じであるか否かを判定する副質問器判定手段と、
    前記副質問器判定手段により過去或いは直前に受信した副質問器の何れかと同じ副質問器であると判定された場合に、受信している副質問波に基づいて最初に其の副質問波を受信してからの時間又は其の副質問波を受信した回数、又は其の副質問波を継続して受信した時間、又は、其の副質問波を継続して受信した回数、を検出する検出手段と、
    をさらに備えており、
    前記記憶手段は、前記検出手段による検出結果を前記副質問器に関する情報に関連付けて記憶することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の通信システム。
  6. 前記応答器は、前記検出手段による検出結果がある検出閾値より大きいか否かを判定する検出結果判定手段をさらに備え、
    前記記憶手段は、前記検出結果判定手段により前記検出結果が前記ある検出閾値より大きいと判定された場合に、前記検出結果を記憶することを特徴とする請求項5に記載の通信システム。
  7. 前記応答器は、前記質問波受信手段によって受信された前記副質問波の強度がある強度閾値より大きいか否かを判定する強度判定手段をさらに備え、
    前記記憶手段は、前記強度判定手段により前記副質問波の強度が前記ある強度閾値より大きいと判定された場合に記憶することを特徴とする請求項1から請求項6に記載の通信システム。
  8. 前記副質問器に関する情報は当該副質問器を識別するための識別情報又は当該副質問器が設置された設置位置に関する情報であることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の通信システム。
  9. 前記主質問器及び前記副質問器は施設内に設置され、前記主質問器は施設内と施設外とを結ぶ通路上に配置されていることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の通信システム。
  10. 複数の副質問器の夫々から応答器に対して自己の副質問器に関する情報を提供し、主質問器が前記応答器に提供された前記副質問器に関する情報を前記応答器から取得する通信システムにおいて使用される応答器であって、
    前記主質問器から送出された前記主質問波及び前記副質問器から送出された前記副質問波を受信する質問波受信手段と、
    前記質問波受信手段が受信した質問波が前記主質問波か前記副質問波かを判定する質問波判定手段と、
    前記質問波判定手段により前記受信した質問波が前記副質問波であると判定された場合、前記副質問波に基づいて前記副質問器に関する情報を記憶する記憶手段と、
    前記質問波判定手段により前記受信した質問波が前記主質問波であると判定された場合、前記記憶手段の記憶内容に基づいて前記主質問波を変調して反射させる反射変調手段と、
    を備えたことを特徴とする応答器。
  11. 受信している前記副質問波を送出している副質問器が過去或いは直前に受信した副質問器の何れかと同じであるか否かを判定する副質問器判定手段と、
    前記副質問器判定手段により過去或いは直前に受信した副質問器の何れかと同じ副質問器であると判定された場合に、受信している副質問波に基づいて最初に其の副質問波を受信してからの時間又は其の副質問波を受信した回数、又は其の副質問波を継続して受信した時間、又は、其の副質問波を継続して受信した回数、を検出する検出手段と、
    をさらに備えており、
    前記記憶手段は、前記検出手段による検出結果を前記副質問器に関する情報に関連付けて記憶することを特徴とする請求項10に記載の応答器。
  12. 前記応答器は、前記検出手段による検出結果がある検出閾値より大きいか否かを判定する検出結果判定手段をさらに備え、
    前記記憶手段は、前記検出結果判定手段により前記検出結果が前記ある検出閾値より大きいと判定された場合に、前記検出結果を記憶することを特徴とする請求項10又は請求項11に記載の応答器。
  13. 前記応答器は、前記質問波受信手段によって受信された前記副質問波の強度がある強度閾値より大きいか否かを判定する強度判定手段をさらに備え、
    前記記憶手段は、前記強度判定手段により前記副質問波の強度が前記ある強度閾値より大きいと判定された場合に記憶することを特徴とする請求項10から請求項12のいずれか1項に記載の応答器。
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