JP3956880B2 - 通信システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、質問器から主搬送波を含む質問波を送信し、質問波を受信した応答器が、質問波を所定の情報で変調して反射返信する通信システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
質問器から複数の応答器へ主搬送波を送り、主搬送波を受信した応答器が主搬送波に対して応答器識別信号情報等で変調を行った反射波信号を質問器に返信する通信システムが知られている。この通信システムは、応答器を安価に製作することが可能であり、特に多数の応答器を持つ通信システムにおいて好適である。例えば、店舗側が、顧客の個別情報が記録された応答器であるIDカードを顧客に付与し、店舗側に備えられた質問器がIDカードとの通信により顧客の個別情報を収集することで、顧客に対して個別のサービスを提供するシステムがある。しかし、このようなシステムでは、容易に顧客の個別情報が店舗側に知られるため、これを好まない顧客はサービスを受けることができなくなる。そこで、店舗側は顧客の個別情報までは要求せず、店舗内における顧客の動向を調査するために、IDカードから年齢、性別等の個人が特定されない顧客の情報を得るとともに、情報を提供した顧客に対してサービスを提供する方法が考えられる。このような場合は、年齢、性別といった固有のIDを持たないグループ化されたIDを応答器に付与し、同一のグループ化されたIDを持つ応答器の数を計数するような処理ができればよい。そこで通信システムを利用した、巡回先で情報収集するシステムにおいて、巡回先に備えられた応答器にグループ化されたIDを記憶し、同一グループ内では異なる処理を行う方法が提案されている(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平09−034916号公報(第4頁、第4図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1の方法では、応答器固有のIDの他に属性情報としてグループ化されたIDを付加するものであり、応答器固有のIDが知られることに変わりはない、また応答器の数が多い場合には応答器固有のID数も多くなるため通信負荷が重くなるといという問題点があった。
【0005】
本発明は、個別情報を不必要に送信せず個別情報を保護するとともに、通信負荷を低くすることができる通信システムを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の通信システムは、質問器から主搬送波を含む質問波を送信し、前記質問波を受信した応答器が、前記質問器に対して、前記質問波を所定の情報で変調して反射返信する通信システムにおいて、前記応答器は、前記質問波を受信するとともに、受信した前記質問波を反射波として反射返信する質問波受信反射手段と、1つ以上の前記応答器で構成されるグループ毎に割当てられるグループ識別符号を含む所定の応答情報を発生、または予め記憶されている前記応答情報を読み出す情報発生手段と、前記情報発生手段により発生、または読み出された前記応答情報に基づいてスペクトラム拡散処理を施された変調信号を生成する応答情報変調手段と、前記質問波受信反射手段で前記質問波を反射波として反射返信する際に、前記応答情報変調手段により生成された前記変調信号に基づいて、前記反射波を変調して変調反射波とする反射波変調手段とを備え、
前記質問器は、前記質問波を送信する質問波送信手段と、前記応答器から反射波として反射返信される前記変調反射波を受信する反射波受信手段と、前記反射波受信手段により受信した前記変調反射波を復調する復調手段と、前記復調手段により復調された復調信号から前記応答情報を検出する検出手段と、前記検出手段により検出された前記応答情報に、同一の前記グループ識別符号が含まれた変調反射波を送信した前記応答器の数を計数する応答器数計数手段とを備えることを特徴とする。
【0007】
この構成によると、質問器が同一のグループ識別符号を割当てられた応答器の数をグループ毎に計数することで情報を得ることができるため、応答器により不必要に個別情報を送信することがなく、個別情報を保護することができる。また、グループ識別符号のみを返信することができるため、各応答器固有の符号を返信する場合と比較して通信負荷を低くすることができる。
【0008】
請求項2に記載の通信システムは、前記応答情報変調手段は、副搬送波の周波数をホッピングさせる副搬送波ホッピング手段と、前記副搬送波ホッピング手段により周波数をホッピングされた前記副搬送波を、前記応答情報により変調し、前記スペクトラム拡散処理を施された変調信号としての変調副搬送波を生成する副搬送波変調手段とを備えることを特徴とする。
【0009】
この構成によると、質問器が同一のグループ識別符号を割当てられた応答器の数をグループ毎に計数することで情報を得ることができるため、応答器により不必要に個別情報を送信することがなく、個別情報を保護することができる。
【0010】
請求項3に記載の通信システムは、前記質問器は、前記質問波により前記グループ識別符号、または前記情報発生手段により発生、または読み出された前記応答情報に含まれる前記応答器に固有の個別情報の送信要求を出す送信要求手段をさらに備え、前記応答器は、受信した前記送信要求手段による前記送信要求の内容を識別する識別手段と、前記識別手段により識別された前記送信要求の内容に応ずるか否かを判定する判定手段とをさらに備えることを特徴とする。
【0011】
この構成によると、応答器が、質問器の要求に対して個別情報を送信するか否かを判定することができるため個別情報を保護することができる。
【0012】
請求項4に記載の通信システムは、前記質問器は、複数の前記応答器から反射返信される前記変調反射波の副搬送波の周波数が互いに衝突したか否かを検知する衝突検知手段をさらに備え、前記応答器数計数手段は、前記衝突検知手段により、前記変調反射波の衝突が検知されなかった場合に、前記応答器の数の計数を行うことを特徴とする。
【0013】
この構成によると、質問器は、応答信号の衝突が検知されなかった場合にのみ計数を行うため、確実に同一のグループ識別符号を割当てられた応答器の数をグループ毎に計数を行うことができる。
【0014】
請求項5に記載の通信システムは、前記質問器は、前記衝突検知手段により検知された、衝突の生じた副搬送波の周波数、または衝突の生じなかった副搬送波の周波数の少なくともいずれか一方の周波数を応答器に報知する周波数報知手段をさらに備え、前記応答器は、直前に応答した副搬送波の周波数を記憶する周波数記憶手段と、前記周波数報知手段により報知された副搬送波の周波数と、前記周波数記憶手段に記憶されている副搬送波の周波数とに基づいて、自応答器が直前に応答した副搬送波の周波数の衝突の有無を判断し、衝突が有ると判断されれば直前に反射返信した内容を再度反射返信する再返信手段とをさらに備えることを特徴とする。
【0015】
この構成によると、応答器は、自己の返信と他の応答器からの返信とが互いに衝突した場合にのみ再度返信するため、質問器は、効率よく同一のグループ識別符号を割当てられた応答器の数をグループ毎に計数を行うことができる。
【0016】
請求項6に記載の通信システムは、前記質問器は、受信した前記応答器より返信される前記変調反射波の副搬送波の周波数の履歴情報を記憶し、当該履歴情報に基づいて前記応答器の副搬送波のホッピングパターンを推定する副搬送波ホッピングパターン推定手段をさらに備え、前記応答器数計数手段は、前記ホッピングパターン推定手段の推定結果に基づいて、同一グループ識別符号の情報が含まれた変調反射波を返信した前記応答器の数を計数することを特徴とする。
【0017】
この構成によると、副搬送波の周波数のホッピングパターンを推定することにより、応答器からの返信が互いに衝突しても、同一のグループ識別符号を割当てられた応答器の数をグループ毎に正確に計数することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
<第1の実施の形態>
以下、本発明の第1の実施の形態例について、図面を参照しつつ説明する。図1は、第1の実施の形態に係る通信システム1の全体構成を示す概略図である。
【0019】
図1に示すように、通信システム1は、利用者が施設内の各売り場コーナーを、商品を見ながら歩き回るようなスーパーマーケットやコンビニエンスストアなどの店舗100内に配置され、図示しない店舗内ネットワークに接続されている質問器2a〜2cと、顧客である利用者6a,6b,・・・,6hが所持するIDカードに組み込まれた応答器3a,3b,・・・,3h等から構成されている。質問器2a〜2cは、店舗100内の主要な各売り場に配置され、各売り場周辺の利用者6a,6b,・・・,6hの情報を、応答器3a,3b,・・・,3hとの通信により収集している。
【0020】
応答器3a,3b,・・・,3hには、グループIDが記憶されている。グループIDは応答器3a,3b,・・・,3hを所持する利用者6a,6b,・・・,6hの個別情報に基づいてグループ化されたものであり、利用者6a,6b,・・・,6hの年代別にグループ化されたグループIDを使用する。グループIDの例を図2に示す。図2に示すように、利用者6a,6b,・・・,6hが10代であれば応答器3a,3b,・・・,3hにグループID「G1」が、利用者6a,6b,・・・,6hが20代であれば応答器3a,3b,・・・,3hにグループID「G2」が、利用者6a,6b,・・・,6hが30代以上であれば応答器3a,3b,・・・,3hにグループID「G3」が記憶される。グループIDを公開するか否かは利用者6a,6b,・・・,6hが選択することが可能であり、グループIDを公開した場合には利用者6a,6b,・・・,6hにポイント等の特典を付与される。尚、利用者を年齢別にグループ化する代わりに、性別或いは過去の購買数等でグループ化する等、他の要件でグループ化してもよい。
【0021】
さらに、応答器3a,3b,・・・,3hには、より詳細な個別情報が記憶されている。応答器3a,3b,・・・,3hに記憶されている個別情報の例を図3に示す。図3に示すように、応答器3a,3b,・・・,3hには、個別ID、名前、連絡先の他、現在取得しているポイント数や来店回数等が記憶されている。個別情報を公開するか否かは利用者6a,6b,・・・,6hが選択することが可能であり、個別情報を公開した場合には利用者6a,6b,・・・,6hにさらなるポイント等の特典を付与される。また、利用者6a,6b,・・・,6hは、商品の精算時にIDカードを提示することで購買金額に応じたポイントを取得することができる。
【0022】
質問器2a〜2cが応答器3a,3b,・・・,3hとの通信によって収集された応答器3a,3b,・・・,3hのグループIDの情報は、質問器2a〜2cにより各グループID毎に計数され、その計数結果を、図示しないネットワークを介して図示しないデータベースに記憶する。店舗側は、データベースに記憶された情報から利用者6a,6b,・・・,6hの動向を分析する。そして、その分析結果から、最適な店舗100内の人員や商品配置等を行うことで店舗100の効率的な運用に役立てたり、対象を絞り込んだ広告を出したりすることができる。
【0023】
次に質問器2a〜2cと応答器3a,3b,・・・,3hとの通信方法の概略について説明する。
まず質問器2a〜2cから応答器3a,3b,・・・,3hに対して質問波を送信する。質問器2a〜2cから送信された質問波を受信した応答器3a,3b,・・・,3hは、質問波の送信要求の内容に従って、自己のグループID等の応答情報に基づき副搬送波を変調し、さらに変調した副搬送波により質問波の反射波を変調して質問器2a〜2cに応答情報を返信する。この際、応答器3a,3b,・・・,3hからの返信は周波数ホッピング方式によって返信される。周波数ホッピング方式は、副搬送波の周波数帯域を、複数の周波数帯域(チャンネル)の中から、擬似ランダムに選択する方式である。応答器3a,3b,・・・,3hは、直接拡散方式とともにスペクトラム拡散方式の代表的方式である周波数ホッピング方式により1回の返信毎に副搬送波の周波数帯域をホッピングする。このように周波数ホッピング方式を用いることで、同時に返信される複数の反射波が互いに干渉する可能性を低くすることができるとともに、返信される応答情報の機密性を高くすることができる。
【0024】
以下、図1に示す通信システム1を構成する質問器2a〜2c、及び応答器3a,3b,・・・,3hの構成を順に図面を参照しつつ説明する。
【0025】
まず、質問器2aの構成について図4を参照しつつ説明する。図4は、質問器2aの構成を示すブロック図である。尚、質問器2b,2cの構成は質問器2aと実質的に同等であり、質問器2aの説明が適用できるため質問器2b,2cの詳細は省略する。
【0026】
図4に示すように、質問器2aは、アナログ回路部10とデジタル回路部20とアンテナ(質問波送信手段、反射波受信手段)17とを備えている。アナログ回路部10は、発振器11と、変調器12と、電力増幅器13と、サーキュレータ14と、低雑音増幅器(Low Noise Amp:LNA)15と、主搬送波復調器16とから構成されている。
【0027】
発振器11は、900MHz、2.45GHz、5GHzなどの周波数の主搬送波を発振し、発振した主搬送波を変調器12へ出力する。変調器12は、質問器2a自身のID番号等を振幅変調(Amplitude Shift Keying:ASK)で、発振器11から入力された主搬送波を変調し、変調した主搬送波を電力増幅器13へ出力する。電力増幅器13は、変調器12で変調された主搬送波を電力増幅し、サーキュレータ14へ出力する。サーキュレータ14は、電力増幅器13から入力された増幅後の変調された主搬送波をアンテナ17に伝え、又、アンテナ17が受信した電波をLNA15に伝えるように出力と入力の分離を行う。アンテナ17に伝えられた増幅後の変調された主搬送波(質問波)がアンテナ17から放射されることになる。
【0028】
LNA15は、サーキュレータ14から入力されるアンテナ17が受信した応答器3a,3b,・・・,3hからの反射波を増幅し、主搬送波復調器16へ出力する。主搬送波復調器16は、LNA15で増幅された受信信号を発振器11からの信号とミキシングしてホモダイン検波し、デジタル回路部20の後述する帯域分割フィルタ21へ出力する。
【0029】
デジタル回路部20は、帯域分割フィルタ21と、副搬送波復調器(復調手段)22と、フレーム分割器23と、フレーム仕分け器24と、フレーム連結器25と、コントローラ26とから構成されている。帯域分割フィルタ21は、アナログ回路部10の主搬送波復調器16でホモダイン検波された受信信号を、アナログ信号からデジタル信号にA/D変換し、このA/D変換された受信信号をフーリエ変換によるフィルタ処理によりホッピング周波数に対応したチャンネルに分離し、分離した信号を逆フーリエ変換により時間系列に変換することで夫々変調された副搬送波信号として取り出し、副搬送波復調器22へ出力する。副搬送波復調器22は、帯域分割フィルタ21で分離された副搬送波信号を復調して元の情報信号を生成し、フレーム分割器23へ出力する。フレーム分割器23は、副搬送波復調器22で生成された各チャンネルからの出力を適正なフレームに分離し、フレーム仕分け器24へ出力する。フレーム仕分け器24は、フレーム分割器23で分割されたフレームを仕分けし、フレーム連結器25へ出力する。フレーム連結器25は、フレーム仕分け器24で仕分けられたフレームを応答器ごとに時系列に連結し、コントローラ26に出力する。コントローラ26は、質問器2の全体の制御を司るものであり、各機能部である、応答情報検出部(検出手段)27と、衝突検知部(衝突検知手段)28と、応答器数計数部(応答器数計数手段)29等とで構成される。
【0030】
次に、コントローラ26により構成される各機能部について説明する。応答情報検出部27は、フレーム連結器25に入力された信号出力から各応答器からの応答情報を検出する。検出された応答情報は、図示しないメモリに記憶される。衝突検知部28は、応答器3a,3b、・・・、3hから返信される複数の反射波の副搬送波周波数が同じチャンネルにホッピングされることによって衝突を起こした場合に、どのチャンネルで衝突が起こったかを検知する。副搬送波周波数が衝突すると、十分な信号強度があるにもかかわらず衝突を起こしたチャンネルの副搬送波は正しく復調されないため検知される。
応答器数計数部29は、応答情報検出部27により検出された各応答器からの応答情報と、衝突検知部28により検知された各チャンネルでの衝突の有無から各ID毎に応答器の数を計数する。具体的な計数方法については後述する。
【0031】
次に、応答器3aの構成について図5を参照しつつ説明する。図5は、応答器3aの構成を示すブロック図である。尚、応答器3b,3c,・・・,3hの構成は応答器3aと実質的に同等であり、応答器3aの説明が適用できるため応答器3b,3c,・・・,3hの詳細は省略する。
【0032】
応答器3aは、図5に示すように、アンテナ(質問波受信反射手段)31と、変復調器(反射波変調手段)32と、デジタル回路部40とを備えている。変復調器32は、アンテナ31が受信した質問波を復調して、後述するコントローラ41の情報発生部42へ出力する。また、変復調器32は、後述する副搬送波変調器46で変調された副搬送波で質問波を変調し、変調された反射波としてアンテナ31から返信する。
【0033】
デジタル回路部40は、コントローラ41と、メモリ44と、副搬送波発振器45と、副搬送波変調器(応答情報変調手段、副搬送波変調手段)46とから構成されている。メモリ44は、応答情報等が記憶されている記憶装置である。応答情報の内容は、図3に示す個別情報である。副搬送波発振器45は、コントローラ41の後述する帯域決定部43により決定された周波数の副搬送波を発振し、発振した副搬送波を副搬送波変調器46へ出力する。副搬送波変調器46は、コントローラ41の後述する情報発生部42により発生された応答情報により副搬送波発振器45から入力された副搬送波を位相変調(Phase Shift Keying:PSK)で変調し、変調された副搬送波を変復調器32へ出力する。コントローラ41は、応答器3aの制御を司るものであり、各機能部である情報発生部(情報発生手段)42と、帯域決定部(副搬送波ホッピング手段)43等とで構成される。尚、副搬送波発振器45及び副搬送波変調器46は、コントローラ41のクロックを利用して、ソフト的に構成しても良い。また、副搬送波の変調は、位相変調以外に、周波数変調(Frequency Shift Keying:FSK)または振幅変調(Amplitude Shift Keying:ASK)としても良い。また、副搬送波発振器45及び副搬送波変調器46を、コントローラ41内に設け1チップ化しても良い。
【0034】
次に、コントローラ41により構成される各機能部について説明する。
情報発生部42は、変復調器32により復調された質問波の内容と、利用者の応答許可があるか否かに基づいて、メモリ44に記憶されているグループID等の応答情報を読み出し、副搬送波変調器46に出力する。具体的には、質問波の内容がグループIDを要求している場合で、グループIDでの応答許可が設定されていればメモリ44からグループIDを読み出して副搬送波変調器46に出力する。また、質問波の内容が個別情報を要求している場合で、個別情報での応答許可が設定されていればメモリ44から個別情報を読み出して副搬送波変調器46に出力する。尚、応答許可の設定は、応答器上に設けられたスイッチ等を利用者が設定することで行われる。
【0035】
帯域決定部43は、周波数ホッピング方式を用いる反射波の副搬送波の周波数を決定し、決定した周波数を副搬送波発振器45に出力する。また、帯域決定部43は、決定した周波数を副搬送波発振器45に出力するタイミングを制御することで反射波を返信するタイミングを制御する。反射波を返信するタイミングは、1回の返信を完了させるのに十分な予め定められた時間枠を設定し、1回の返信毎に時間枠の開始時間に合わせる。
【0036】
次に、通信システム1における通信について説明する。まず、質問器2a〜2cにおいて、アナログ回路部10の発振器11から主搬送波を発振する。発振器11により発振された主搬送波は、変調器12によりグループIDの送信要求等を示す情報で振幅変調される。変調器12により振幅変調された主搬送波は、電力増幅器13により電力増幅される。電力増幅器13により電力増幅された主搬送波は、サーキュレータ14によりアンテナ17を介して質問波として送信される。
【0037】
そして、質問器2a〜2cから送信された質問波は応答器のアンテナ31により受信される。アンテナ31により受信された質問波は、変復調器32により復調される。情報発生部42により、復調された質問波から情報を取得し、さらに取得した情報とメモリ44に記憶されている情報とに基づいて応答情報を発生する。そして帯域決定部43により、周波数ホッピング方式を用いる副搬送波の周波数を決定し、決定した副搬送波の周波数を副搬送波発振器45に出力する。帯域決定部42により決定された副搬送波の周波数に従って、副搬送波発振器45により副搬送波を発振する。副搬送波発振器45により発振された副搬送波は、副搬送波変調器46により、情報発生部42で発生された応答情報に従って位相変調される。変復調器32は、質問器2a〜2cから受信中の質問波を、副搬送波変調器46により位相変調された副搬送波により振幅変調或いは位相変調して反射し、アンテナ31から反射波として返信する。
【0038】
そして、応答器3a,3b,・・・,3hから返信された反射波は、質問器2のアンテナ17により受信される。アンテナ17により受信された応答器3a,3b,・・・,3hからの反射波は、サーキュレータ14を介してLNA15により増幅される。LNA15により増幅された反射波は主搬送波復調器16により、発振器11からの信号がミキシング(乗算)されてホモダイン検波により各副搬送波信号が混ざった状態の信号が復調される。主搬送波復調器16により復調された各副搬送波信号が混ざった状態の信号は、帯域分割フィルタ21により、応答器3a,3b,・・・,3h夫々の変調された副搬送波信号として取り出され、夫々副搬送波復調器22に出力される。
【0039】
帯域分割フィルタ21により取り出された夫々の副搬送波信号は、副搬送波復調器22により復調され情報信号を取り出される。副搬送波復調器22により取り出された夫々の情報信号は、フレーム分割器23により、各チャンネルからの出力が適切なフレームに分離される。フレーム分割器23によりフレームに分離された情報信号は、フレーム仕分け器24により応答器3a,3b,・・・,3h夫々に仕分けられる。フレーム仕分け器24により仕分けられた情報信号は、フレーム連結器25により、時系列に連結して応答情報として再構築される。フレーム連結器25により再構築された応答情報は、コントローラ26に入力される。コントローラ26に入力された各チャンネルからの出力は、応答器数計数部29により各グループID毎に計数される。
【0040】
次に質問器2a〜2cの動作の詳細について図6を参照しつつ説明する。図6は質問器2a〜2cのフローチャートである。
まずステップS110(以下S110と略す、他のステップも同様)に移行し、応答器3a,3b,・・・,3hに対してグループIDの送信要求の質問波を送信する。その後、S120に移行し、応答器から時間枠毎に所定回数連続して返信された全時間枠において、応答器3a,3b,・・・,3hからの返信が互いに衝突しない時間枠があるか否かを検出する。応答器3a,3b,・・・,3hからの返信が互いに衝突しない時間枠がない場合は(S120:NO)、再びS110に移行して応答器3a,3b,・・・,3hに対してグループIDの送信要求の質問波を送信し、応答器3a,3b,・・・,3hからの返信が互いに衝突しない時間枠があるまでS110〜S120を繰り返す。応答器3a,3b,・・・,3hからの返信が互いに衝突しない時間枠がある場合は(S120:YES)、S130に移行し、応答器数計数部29によりグループID毎に応答器の数を計数する。
【0041】
次に応答器3a,3b,・・・,3hの動作の詳細について図7を参照しつつ説明する。図7は応答器3a,3b,・・・,3hのフローチャートである。
まずS210に移行し、受信した質問波が質問器2a〜2cから応答器3a,3b,・・・,3hに対する自局宛ての情報の送信要求であるか否か判断する。応答器3a,3b,・・・,3hに対する自局宛ての情報の送信要求でなければ(S210:NO)、再びS210に移行し、S210の処理を実行する。質問器2a〜2cから応答器3a,3b,・・・,3hに対する自局宛ての情報の送信要求であれば(S210:YES)、S220に移行し、送信要求の内容がグループIDか否か判断する。送信要求の内容がグループIDでなければ(S220:NO)、S230に移行し、送信要求の内容が個別情報であり、且つ個別情報が応答可能に設定されているか否か判断する。個別情報が応答可能か否かは、利用者6a,6b,・・・,6hにより設定された応答器3a,3b,・・・,3hの設定内容によって判断する。送信要求の内容が個別情報でない場合または個別情報が応答可能に設定されていない場合は(S230:NO)、再びS210に移行し、S210の処理を実行する。送信要求の内容が個別情報であり、且つ個別情報が応答可能に設定されている場合は(S230:YES)、メモリ44に記憶されている個別情報を応答情報として返信する。その後、再びS210に移行し、S210の処理を実行する。
【0042】
S220において、送信要求の内容がグループIDであれば(S220:YES)、S250に移行し、メモリ44に記憶されているグループIDを応答情報として返信する。その後、S260に移行し、所定回数の返信が完了したか否か判断する。所定回数の返信が完了した場合は(S260:YES)、再びS210に移行し、S210の処理を実行する。所定回数の返信が完了していない場合は(S260:NO)、S270に移行し、副搬送波の周波数をホッピングさせて、再びS250に移行し、メモリ44に記憶されているグループIDを応答情報として返信する。所定回数の返信が完了するまで、S250〜S270を繰り返す。
【0043】
次に、質問器2a〜2cの機能部である応答器数計数部29の詳細について図8を参照しつつ説明する。図8(a),(b)は、質問器2a〜2cが受信する時間単位の副搬送波の周波数分布の一例である。縦軸は、チャンネル(CH1〜CH24)単位で区画された副搬送波の周波数である。横軸は応答器3a,3b,・・・,3hが返信を完了する時間枠(T1〜T3)で区画された時間である。図中の枠は各応答器3a,3b,・・・,3hから返信される応答情報の内容であり、各応答器3a,3b,・・・,3hが返信する夫々のグループIDの内容を示している。尚、枠の中の「×」は、応答器3a,3b,・・・,3hからの返信が互いに衝突して復調不能となったことを示している。
【0044】
図8(a)に示すように、応答器3a,3b,・・・,3hからの返信は、周波数ホッピングされる副搬送波の周波数を擬似ランダムにホッピングするため、互いに衝突する可能性が低くなる。応答器数計数部29は、このように応答器3a,3b,・・・,3hからの返信が互いに衝突しない場合には、全チャンネルの受信内容を順次確認しながら、各グループID毎に応答器数の計数を行う。従って、図8(a)の場合は応答器数計数部29によりグループID「G1」の応答器数は4、グループID「G2」の応答器数は2、グループID「G3」の応答器数は2と計数される。
【0045】
もっとも、応答器3a,3b,・・・,3hからの返信が互いに衝突する場合も考えられるため、応答器3a,3b,・・・,3hからのグループIDの返信を連続して所定の回数行う(図7のS250〜S270参照)。例えば、応答器3a,3b,・・・,3hが3回連続してグループIDの返信を行った場合の質問器2a〜2cが受信する時間単位の副搬送波の周波数分布の一例が図8(b)である。図8(b)が示すように、応答器3a,3b,・・・,3hが時間枠毎に副搬送波の周波数帯を周波数ホッピング方式によりホッピングさせて3回返信を行っている。時間枠T1においては、CH7、及びCH13で応答器3a,3b,・・・,3hからのいくつかの返信が互いに衝突している。また、時間枠T3においては、CH9で応答器3a,3b,・・・,3hからのうちいくつかの返信が互いに衝突している。衝突すると返信内容を復調することが出来ないため、いずれのグループIDが衝突を起こしたのか判別できない。そこで、応答器数計数部29は、応答器3a,3b,・・・,3hからの返信が互いに衝突していない時間枠T2の内容から各グループID毎に応答器数の計数を行う。従って、図8(b)の場合は応答器数計数部29によりグループID「G1」の応答器数は4、グループID「G2」の応答器数は2、グループID「G3」の応答器数は2と計数される(図6のS120、S130参照)。尚、ここでは質問器2a〜2cが応答器3a,3b,・・・,3hからの返信を全て受信できる場合を述べたが、質問器2aが近傍に存在する応答器3a〜3d、質問器2bが近傍に存在する応答器3f〜3h、質問器2cが近傍に存在する応答器3eのみのそれぞれの返信を受信する場合も同様である。
【0046】
以上、説明した第1の実施の形態では、質問器2a〜2cが同一のグループ識別符号を割当てられた応答器3a,3b,・・・,3hの数をグループ毎に計数することで情報を得ることができるため、応答器3a,3b,・・・,3hにより不必要に個別情報を送信することがなく、個別情報を保護することができる。また、グループIDのみを返信することができるため、各応答器3a,3b,・・・,3hに固有のIDを返信する場合と比較して通信負荷を低くすることができる。
【0047】
また、応答器3a,3b,・・・,3hが、質問器2a〜2cの要求に対して個別情報を送信するか否かを判定する構成にしているため個別情報を保護することができる。
【0048】
また、質問器2a〜2cは、応答器3a,3b,・・・,3hからの返信の衝突が検知されなかった場合にのみ計数を行うため、確実に同一のグループ識別符号を割当てられた応答器3a,3b,・・・,3hの数をグループ毎に計数を行うことができる。
【0049】
<第2の実施の形態>
以下、本発明の第2の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。第2の実施の形態は、質問器2a〜2cの動作の詳細、応答器3a,3b,・・・,3hの動作の詳細、及び質問器2a〜2cの機能部である応答器数計数部29の詳細以外は、第1の実施の形態と実質的に同等であり、第1の実施の形態に係る質問器2a〜2cの動作の詳細、応答器3a,3b,・・・,3hの動作の詳細、及び質問器2a〜2cの機能部である応答器数計数部29の詳細以外の説明が適用できるため詳細は省略する。
【0050】
次に質問器2a〜2cの動作の詳細について図9を参照しつつ説明する。図9は質問器2a〜2cのフローチャートである。
まずステップS310に移行し、応答器3a,3b,・・・,3hに対してグループIDの送信要求の質問波を送信する。その後、S320に移行し、受信した返信信号に基づいてグループID毎に応答器の数を計数する。この際、応答器3a,3b,・・・,3hからの返信が互いに衝突している場合にも、衝突を起こしたチャンネル以外のチャンネルにおいて、グループID毎に応答器3a,3b,・・・,3hの数を計数する。その後、S330に移行し、衝突検知手段により、応答器3a,3b,・・・,3hからの返信が互いに衝突したチャンネルがあるか否かを検出する。応答器3a,3b,・・・,3hからの返信が互いに衝突したチャンネルがない場合は(S330:YES)、終了する。応答器3a,3b,・・・,3hからの返信が互いに衝突したチャンネルがある場合は(S330:NO)、S340に移行し、衝突チャンネルを応答器3a,3b,・・・,3hに通知する。この際、質問器2a〜2cからの衝突チャンネルの通知を受信した応答器3a,3b,・・・,3hは、質問器2a〜2cから通知されたチャンネルと、前回返信した際に使用したチャンネルとが同じである場合に、質問器2a〜2cに対して再びグループIDを返信する。
【0051】
その後、再びS320に移行し、応答器3a,3b,・・・,3hから受信した返信に基づいてグループID毎に応答器の数を計数する。この際、前回と同様に、応答器3a,3b,・・・,3hからの返信が互いに衝突している場合にも、衝突を起こしたチャンネル以外のチャンネルにおいて、グループID毎に応答器3a,3b,・・・,3hの数を計数する。その後、S330に移行し、衝突検知手段により、応答器3a,3b,・・・,3hからの返信が互いに衝突したチャンネルがないと判断されるまでS320〜S340を繰り返す。
【0052】
次に応答器3a,3b,・・・,3hの動作の詳細について図10を参照しつつ説明する。図10は応答器3a,3b,・・・,3hのフローチャートである。
まずS410に移行し、受信した質問波が質問器2a〜2cから応答器3a,3b,・・・,3hに対する情報の送信要求であるか否か判断する。応答器3a,3b,・・・,3hに対する情報の送信要求でなければ(S410:NO)、再びS410に移行し、S410の処理を実行する。質問器2a〜2cから応答器3a,3b,・・・,3hに対する情報の送信要求であれば(S410:YES)、S420に移行し、送信要求の内容がグループIDか否か判断する。送信要求の内容がグループIDであれば(S420:YES)、S480に移行し、グループIDを返信する際に使用する副搬送波の周波数のチャンネルを記憶するとともに、メモリ44に記憶されているグループIDを応答情報として返信する。その後、再びS410に移行し、S410の処理を実行する。
【0053】
S420において、送信要求の内容がグループIDでなければ(S420:NO)、S430に移行し、送信要求の内容が衝突チャンネルの通知か否か判断する。送信要求の内容が衝突チャンネルの通知でない場合は(S430:NO)、S440に移行し、送信要求の内容が個別情報であり、且つ個別情報が応答可能に設定されているか否か判断する。個別情報が応答可能か否かは、利用者6a,6b,・・・,6hにより設定された応答器3a,3b,・・・,3hの設定内容によって判断する。送信要求の内容が個別情報でない場合または個別情報が応答可能に設定されていない場合は(S440:NO)、再びS410に移行し、S410の処理を実行する。送信要求の内容が個別情報であり、且つ個別情報が応答可能に設定されている場合は(S440:YES)、S450に移行し、メモリ44に記憶されている個別情報を応答情報として返信する。その後、再びS410に移行し、S410の処理を実行する。
【0054】
S430において、送信要求の内容が衝突チャンネルの通知の場合は(S430:YES)、S460に移行し、送信された衝突チャンネルと、記憶した前回の送信要求に対する返信の際に使用したチャンネル(図10のS480参照)とが同じか否か判断する。送信された衝突チャンネルと、グループIDの送信要求に対しての返信の際に使用したチャンネルとが同じである場合は(S460:YES)、S470に移行し、副搬送波の周波数をホッピングさせる。その後、S480に移行し、グループIDを返信する際に使用する副搬送波の周波数のチャンネルを記憶するとともに、メモリ44に記憶されているグループIDを応答情報として返信する。その後、再びS410に移行し、S410の処理を実行する。送信された衝突チャンネルと、グループIDの送信要求に対しての返信の際に使用したチャンネルとが異なる場合は(S460:NO)、再びS410に移行し、S410の処理を実行する。
【0055】
次に、質問器2a〜2cの機能部である応答器数計数部29の詳細について図11を参照しつつ説明する。図11は、質問器2a〜2cが受信する時間単位の副搬送波の周波数分布の一例である。縦軸は、チャンネル(CH1〜CH24)単位で区画された副搬送波の周波数である。横軸は応答器3a,3b,・・・,3hが返信を完了する時間枠(T1〜T3)で区画された時間である。図中の枠は各応答器3a,3b,・・・,3hから返信される応答情報の内容であり、各応答器3a,3b,・・・,3hが返信する夫々のグループIDの内容を示している。尚、枠の中の「×」は、応答器3a,3b,・・・,3hからの返信が互いに衝突して復調不能となったことを示している。
【0056】
図11に示すように、応答器3a,3b,・・・,3hからの返信は、周波数ホッピングされる副搬送波の周波数を擬似ランダムにホッピングするため、互いに衝突する可能性が低くなるといえるが、依然として応答器3a,3b,・・・,3hからの返信が互いに衝突する場合がある。例えば、図11の時間枠T1においては、CH7、CH13、及びCH21で応答器3a,3b,・・・,3hからの返信のいくつかが互いに衝突している。この衝突したチャンネルを質問器2a〜2cが応答器3a,3b,・・・,3hに通知することにより、時間枠T1において衝突したチャンネルを使用して返信した応答器3a,3b,・・・,3hのうちいくつかが、時間枠T2において、再び質問器2a〜2cに対して返信する。時間枠T2においては、CH14で応答器3a,3b,・・・,3hのうち時間枠T2に返信した応答器のいくつかからの返信が互いに衝突している。さらに応答器3a,3b, ・・・ ,3hのうち時間枠T2において衝突したチャンネルを使用して返信した応答器が、時間枠T3において、再び質問器2a〜2cに対して返信する。時間枠T3においては、応答器3a,3b,・・・,3hのうち時間枠T2において衝突したチャンネルを使用した応答器からの返信が互いに衝突しているチャンネルがないので、時間枠T1〜T3の内容から各グループID毎に応答器数の計数を行う。従って、図11の場合は応答器数計数部29によりグループID「G1」の応答器数は4、グループID「G2」の応答器数は2、グループID「G3」の応答器数は2と計数される(図6のS120、S130参照)。
【0057】
以上、説明した第2の実施の形態では、第1の実施の形態の効果に加えて、応答器3a,3b,・・・,3hが、自己の返信と他の応答器3a,3b,・・・,3hからの返信とが互いに衝突した場合にのみ再度返信するため、質問器2a〜2cは、確実に効率よく同一のグループ識別符号を割当てられた応答器3a,3b,・・・,3hの数をグループ毎に計数することができる。特に応答器の数が非常に多く、応答器からの返信が全て衝突しない確率が極めて低い場合であっても、通信を繰り返すことで返信する応答器が少なくなるため、確実に応答器の数を計数することができる。ここでは、分かり易くするため周波数ホッピング毎に衝突したチャンネルを通知する例を示したがこれに限定されるものではない。例えば、S480で複数回周波数ホッピングを行い(T1〜T3のように)、S330で一番衝突数の少ない時間枠(例えばT2)を選択し、選択した時間枠とそのときの衝突チャンネルを応答器3a,3b,・・・,3hに通知してもよい。これにより衝突の確率が減少し、計数に必要な時間を短くすることができる。尚、このとき応答器3a,3b,・・・,3hは一連の時間枠T1〜T3において使用したチャンネルを記憶すればよい。
【0058】
<第3の実施の形態>
以下、本発明の第3の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。第3の実施の形態は、質問器2a〜2cの動作の詳細、応答器3a,3b,・・・,3hの動作の詳細、及び質問器2a〜2cの機能部である応答器数計数部29の詳細以外は、第1の実施の形態と実質的に同等であり、第1の実施の形態に係る質問器2a〜2cの動作の詳細、応答器3a,3b,・・・,3hの動作の詳細、及び質問器2a〜2cの機能部である応答器数計数部29の詳細以外の説明が適用できるため詳細は省略する。
【0059】
次に質問器2a〜2cの動作の詳細について図12を参照しつつ説明する。図12は質問器2a〜2cのフローチャートである。
まずステップS510に移行し、応答器3a,3b,・・・,3hに対してグループIDの送信要求の質問波を送信する。この際、質問器2a〜2cからのグループIDの送信要求の質問波を受信した応答器3a,3b,・・・,3hは、各応答器3a,3b,・・・,3hのグループID(G1〜G3)、及びホッピングパターンID(A〜E)を時間枠に従って3回連続して返信する。ここでホッピングパターンIDとは、擬似ランダムに副搬送波の周波数がホッピングするパターンを定義したIDであり、各応答器3a,3b,・・・,3hは返信したホッピングパターンIDに従って副搬送波の周波数をホッピングさせる。
【0060】
その後、S520に移行し、1回目の時間枠に受信した応答器3a,3b,・・・,3hからの返信において、1CHの状態を確認する。その後、S530に移行し、確認したチャンネルに応答器3a,3b,・・・,3hからの返信が含まれているか否か判断する。確認したチャンネルに応答器3a,3b,・・・,3hからの返信が含まれていない場合は(S530:NO)、S570に移行する。確認したチャンネルに応答器3a,3b,・・・,3hからの返信が含まれている場合は(S530:YES)、S540に移行し、確認したチャンネルにおいて応答器3a,3b,・・・,3hからの返信が互いに衝突しているか否かを判断する。確認したチャンネルにおいて応答器3a,3b,・・・,3hからの返信が互いに衝突していない場合は(S540:NO)、S550に移行し、応答器3a,3b,・・・,3hからの返信内容を検出する。そして、検出したグループID、及びホッピングパターンIDから、各応答器3a,3b,・・・,3hから時間枠に従って3回連続して返信されるチャンネルを全て検出する。その後、S570に移行する。確認したチャンネルにおいて応答器3a,3b,・・・,3hからの返信が互いに衝突している場合は(S540:YES)、S560に移行し、現在確認したチャンネルを記憶する。その後、S570に移行する。
【0061】
S570においては、確認したチャンネルが最後のチャンネルであるか否か判断する。確認したチャンネルが最後のチャンネルでない場合は(S570:NO)、S580に移行し、次のチャンネルの内容を確認する。その後、再びS530に移行し、最後のチャンネルを確認するまでS530〜S560を繰り返す。確認したチャンネルが最後のチャンネルの場合は(S570:YES)、S590に移行し、S550において検出したホッピングパターンから、S560において記憶されたチャンネルに返信した応答器3a,3b,・・・,3hのグループID、及びホッピングパターンを推定するとともに確定する。
【0062】
その後、S600に移行し、応答器3a,3b,・・・,3hが返信を行った最後の時間枠を処理したか否か判断する。最後の時間枠を処理していない場合は(S600:NO)、再びS520に移行し、最後の時間枠を処理するまでS520〜S590を繰り返す。最後の時間枠を処理した場合は(S600:YES)、S610に移行し、応答器数計数部29によりグループID毎に応答器の数を計数する。
【0063】
次に応答器3a,3b,・・・,3hの動作の詳細について図13を参照しつつ説明する。図13は応答器3a,3b,・・・,3hのフローチャートである。
まずS710に移行し、受信した質問波が質問器2a〜2cから応答器3a,3b,・・・,3hに対する情報の送信要求であるか否か判断する。応答器3a,3b,・・・,3hに対する情報の送信要求でなければ(S710:NO)、再び710に移行し、S710の処理を実行する。質問器2a〜2cから応答器3a,3b,・・・,3hに対する情報の送信要求であれば(S710:YES)、S720に移行し、送信要求の内容がグループIDか否か判断する。送信要求の内容がグループIDでなければ(S720:NO)、S730に移行し、送信要求の内容が個別情報であり、且つ個別情報が応答可能に設定されているか否か判断する。個別情報が応答可能か否かは、利用者6a,6b,・・・,6hにより設定された応答器3a,3b,・・・,3hの設定内容によって判断する。送信要求の内容が個別情報でない場合または個別情報が応答可能に設定されていない場合は(S730:NO)、再びS710に移行し、S710の処理を実行する。送信要求の内容が個別情報であり、且つ個別情報が応答可能に設定されている場合は(S730:YES)、S740に移行し、メモリ44に記憶されている個別情報を応答情報として返信する。その後、再びS710に移行し、S710の処理を実行する。
【0064】
S720において、送信要求の内容がグループIDであれば(S720:YES)、S750に移行し、メモリ44に記憶されているグループID、及びホッピングパターンIDを応答情報として返信する。その後、S760に移行し、所定回数の返信が完了したか否か判断する。所定回数の返信が完了した場合は(S760:YES)、再びS710に移行し、S710の処理を実行する。所定回数の返信が完了していない場合は(S760:NO)、S770に移行し、副搬送波の周波数を返信したホッピングパターンIDのホッピングパターンに従ってホッピングさせて、再びS750に移行し、メモリ44に記憶されているグループID、及びホッピングパターンIDを応答情報として返信する。所定回数(3回)の返信が完了するまで、S770、S750を繰り返す。
【0065】
次に、質問器2a〜2cの機能部である応答器数計数部29の詳細について図14を参照しつつ説明する。図14は、質問器2a〜2cが受信する時間単位の副搬送波の周波数分布の一例である。縦軸は、チャンネル(CH1〜CH24)単位で区画された副搬送波の周波数である。横軸は応答器3a,3b,・・・,3hが返信を完了する時間枠(T1〜T3)で区画された時間である。図中の枠は各応答器3a,3b,・・・,3hから返信される応答情報の内容であり、各応答器3a,3b,・・・,3hが返信する夫々のグループID、及びホッピングパターンIDを示している。例えば応答情報の内容が「G1A」の場合は、「G1」がグループID、「A」がホッピングパターンIDを夫々示している。そして図中の枠を繋ぐ夫々の線は、副搬送波の周波数がホッピングパターンIDに従ってホッピングする先を示している。尚、枠の中の「×」は、応答器3a,3b,・・・,3hからの返信が互いに衝突して復調不能となったことを示している。
【0066】
図14に示すように、応答器3a,3b,・・・,3hからの返信は、副搬送波の周波数を周波数ホッピング方式により擬似ランダムにホッピングするため、互いに衝突する可能性が低くなるといえるが、依然として応答器3a,3b,・・・,3hからの返信が互いに衝突する場合がある。例えば、図14の時間枠T1においては、CH7、及びCH13で、時間枠T2においては、CH10、及びCH21で、時間枠T3においては、CH17、及びCH21で、応答器3a,3b,・・・,3hからの返信が互いに衝突している。特に、このように全時間枠において、応答器3a,3b,・・・,3hからの返信が互いに衝突している場合には、単に返信を計数するだけでは正確な応答器の数を計数することができない。
【0067】
そこで、応答器数計数部29は、各チャンネルにおいて返信されたホッピングパターンIDから、全時間枠におけるチャンネルを検出し、衝突しているチャンネルの内容を推定することで応答器数を計数する。例えば、図14において、時間枠T1の時点では、CH7に返信した応答器のグループID、及びホッピングパターンは不明であるが、時間枠T2の時点でCH4の「G1B」とCH14の「G2A」とから検出したホッピングパターンを解析することにより、時間枠T1のCH7に返信した応答器のグループID、及びホッピングパターンを推定することができる。ここで「G2A」の「A」はT1のCH番号に7を加えたものがT2のCH番号、さらに7を加えたものがT3のCH番号というパターン、「G1B」の「B」はT1のCH番号から3を引いたものがT2のCH番号、さらに3を引いたものがT3のCH番号というパターンを示す。「C」、「D」、「E」も同様に定められている。さらに時間枠T3において、CH7の「G1B」から検出したホッピングパターンとCH19の「G1E」とから時間枠T1のCH13に返信した応答器のグループID、及びホッピングパターンIDを推定することができる。そしてその推定結果に基づいて、グループID毎に応答器数を計数する。図14の場合は応答器数計数部29によりグループID「G1」の応答器数は4、グループID「G2」の応答器数は2、グループID「G3」の応答器数は2と計数される(図12のS610参照)。
【0068】
以上、説明した第3の実施の形態では、第1の実施の形態の効果に加えて、副搬送波の周波数のホッピングパターンを推定することにより、全ての時間枠において返信が互いに衝突しても、応答器3a,3b,・・・,3hの数を計数することができる。
【0069】
以上、本発明の実施の形態例について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて、様々な設計変更が可能なものである。例えば、第1〜第3の実施の形態では、周波数ホッピング方式により副搬送波の周波数を決定する構成であるが、このような構成に限定されるものではなく、直接拡散方式により副搬送波の周波数を決定する構成でもよい。
【0070】
また、第1〜第3の実施の形態では、質問器の送信要求の内容を判別する構成であるが、このような構成に限定されるものではなく、このような判別を行わず、常に所定の情報のみを返信するような構成でもよい。
【0071】
また、第1〜第3の実施の形態では、応答器において、個別情報を返信するか否かを設定することが可能な構成であるが、このような構成に限定されるものではなく、質問器からの送信要求には常に返信を行うような構成でもよい。
【0072】
また、第1の実施の形態では、応答器は一つの時間枠のタイミングに合わせて返信する構成であるが、このような構成に限定されるものではなく、複数の時間枠を設定し、ランダムに選択された時間枠のタイミングに合わせて返信する構成でもよい。
【0073】
また、第1〜第3の実施の形態では、利用者が応答器を所持する構成であるが、このような構成に限定されるものではなく、商品の種類に対応するグループIDを記憶した応答器を商品に貼付する構成でもよい。これにより同じ種類の商品が何個あるかを容易に計数することができる。
【0074】
【発明の効果】
本発明によると、質問器が同一のグループ識別符号を割当てられた応答器の数をグループ毎に計数することで情報を得ることができるため、応答器により不必要に個別情報を送信することがなく、個別情報を保護することができる。また、グループ識別符号のみを返信することができるため、各応答器固有の符号を返信する場合と比較して通信負荷を低くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態に係る通信システムの全体構成を示す概略図である。
【図2】図1に示す応答器に記憶されたグループIDの一例である。
【図3】図1に示す応答器に記憶された個別情報の一例である。
【図4】図1に示す質問器の構成を示すブロック図である。
【図5】図1に示す応答器の構成を示すブロック図である。
【図6】図1に示す質問器のフローチャートである。
【図7】図1に示す応答器のフローチャートである。
【図8】図1に示す質問器が受信する時間単位の副搬送波の周波数分布の一例である。
【図9】第2の実施の形態に係る質問器のフローチャートである。
【図10】第2の実施の形態に係る応答器のフローチャートである。
【図11】第2の実施の形態に係る質問器が受信する時間単位の副搬送波の周波数分布の一例である。
【図12】第3の実施の形態に係る質問器のフローチャートである。
【図13】第3の実施の形態に係る応答器のフローチャートである。
【図14】第3の実施の形態に係る質問器が受信する時間単位の副搬送波の周波数分布の一例である。
【符号の説明】
1 通信システム
2a〜2c 質問器
3a〜3h 応答器
6a〜6h 利用者
42 情報発生部
43 帯域決定部
44 メモリ
45 副搬送波発振器
46 副搬送波変調器

Claims (6)

  1. 質問器から主搬送波を含む質問波を送信し、前記質問波を受信した応答器が、前記質問器に対して、前記質問波を所定の情報で変調して反射返信する通信システムにおいて、
    前記応答器は、
    前記質問波を受信するとともに、受信した前記質問波を反射波として反射返信する質問波受信反射手段と、
    1つ以上の前記応答器で構成されるグループ毎に割当てられるグループ識別符号を含む所定の応答情報を発生、または予め記憶されている応答情報を読み出す情報発生手段と、
    前記情報発生手段により発生、または読み出された前記応答情報に基づいてスペクトラム拡散処理を施された変調信号を生成する応答情報変調手段と、
    前記質問波受信反射手段で前記質問波を反射波として反射返信する際に、前記応答情報変調手段により生成された前記変調信号に基づいて、前記反射波を変調して変調反射波とする反射波変調手段とを備え、
    前記質問器は、
    前記質問波を送信する質問波送信手段と、
    前記応答器から反射波として反射返信される前記変調反射波を受信する反射波受信手段と、
    前記反射波受信手段により受信した前記変調反射波を復調する復調手段と、
    前記復調手段により復調された復調信号から前記応答情報を検出する検出手段と、
    前記検出手段により検出された前記応答情報に、同一の前記グループ識別符号が含まれた変調反射波を送信した前記応答器の数を計数する応答器数計数手段とを備えることを特徴とする通信システム。
  2. 前記応答情報変調手段は、副搬送波の周波数をホッピングさせる副搬送波ホッピング手段と、
    前記副搬送波ホッピング手段により周波数をホッピングされた前記副搬送波を、前記応答情報により変調し、前記スペクトラム拡散処理を施された変調信号としての変調副搬送波を生成する副搬送波変調手段とを備えることを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
  3. 前記質問器は、前記質問波により、前記グループ識別符号、または、前記情報発生手段により発生或いは読み出された前記応答情報に含まれる前記応答器に固有の個別情報の送信要求を出す送信要求手段をさらに備え、
    前記応答器は、受信した前記送信要求手段による前記送信要求の内容を識別する識別手段と、
    前記識別手段により識別された前記送信要求の内容に応ずるか否かを判定する判定手段とをさらに備えることを特徴とする請求項1または2に記載の通信システム。
  4. 前記質問器は、複数の前記応答器から反射返信される前記変調反射波の副搬送波の周波数が互いに衝突したか否かを検知する衝突検知手段をさらに備え、
    前記応答器数計数手段は、前記衝突検知手段により、前記変調反射波の衝突が検知されなかった場合に、前記応答器の数の計数を行うことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の通信システム。
  5. 前記質問器は、前記衝突検知手段により検知された、衝突の生じた副搬送波の周波数、または衝突の生じなかった副搬送波の周波数を応答器に報知する周波数報知手段をさらに備え、
    前記応答器は、直前に応答した副搬送波の周波数を記憶する周波数記憶手段と、
    前記周波数報知手段により報知された副搬送波の周波数と、前記周波数記憶手段に記憶されている副搬送波の周波数とに基づいて、自応答器が直前に応答した副搬送波の周波数の衝突の有無を判断し、衝突が有ると判断されれば直前に反射返信した内容を再度反射返信する再返信手段とをさらに備えることを特徴とする請求項4に記載の通信システム。
  6. 前記質問器は、受信した前記応答器より返信される前記変調反射波の副搬送波の周波数の履歴情報を記憶し、当該履歴情報に基づいて前記応答器の副搬送波のホッピングパターンを推定する副搬送波ホッピングパターン推定手段をさらに備え、
    前記応答器数計数手段は、前記ホッピングパターン推定手段の推定結果に基づいて、同一のグループ識別符号の情報が含まれた変調反射波を返信した前記応答器の数を計数することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の通信システム。
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