JP7475146B2 - 物品管理システムおよび物品管理方法 - Google Patents
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Description
本開示において、物品を識別する識別情報(物品情報)をユーザ端末に対応付けることは、物品情報をユーザ端末の固有の端末識別番号、個体識別番号、契約者固有IDなどに対応付けることでもよいし、ユーザ端末を使用するユーザを例えば特定のアプリケーションにおいて特定するユーザIDに対応付けることでもよい。
本開示におけるIoTタグの通信距離は一例に過ぎず、限定されない。IoTタグの通信距離は、IoTタグの用途に応じて適宜変更若しくは調整可能である。
(1-1)商品管理システムのシステム構成
先ず、図1を参照して本実施形態の商品管理システム1のシステム構成について説明する。図1は、本実施形態の商品管理システム1のシステム構成を概略的に示す図である。
図1に示す店舗は、例えば、商品在庫を持たずに商品の確認や試着のサービスに特化し、実際の購入はECサイトの利用を促すショールーム型店舗であるが、その限りではない。図1の店舗は、その場で商品を購入可能な通常の店舗であってもよい。
本実施形態の商品管理システム1では、店舗の来店者CSが店舗内の商品に興味を持って手に取った場合に、当該商品の情報が来店者CS(ユーザ)と関連付けてアプリケーションサーバ5に記録され、来店者CSに対して後のECサイトでの購入を支援するように構成される。なお、アプリケーションサーバ5は、複数の店舗に対して運用することが可能であるが、図1では1つの店舗のみを示している。
店舗内に設けられている無線装置2は、例えば各商品のIoTタグTに対して無線環境を提供することができる。無線装置2は、例えば、無線LAN(Local Area Network)装置、アクセスポイント等であってもよい。
後に詳述するが、IoTタグTは、周囲環境の電波を基に発電する環境発電型の装置であり、バッテリを備えていない。無線装置2の数は問わないが、店舗内のすべてのIoTタグTが発電可能な無線環境を提供できると良い。
IoTタグTは、BLEの規格に準拠する場合、周囲のBLE端末に対してアドバタイジングパケット(後述する)をブロードキャストする。
IoTタグTから送信されるパケットには、動きを検出するセンサによるデータ(「センサデータ」という。)が含まれる。
後述するように、アプリケーションサーバ5は、店舗内のIoTタグが動かされたと判断すると、当該IoTタグに対応する商品とユーザ(来店者CS)を対応付ける。
次に、図2~図5を参照して、本実施形態の商品管理システム1の各装置の構成を説明する。
図2は、本実施形態の商品管理システム1の各装置の内部構成を示すブロック図である。図3は、IoTタグTから送信されるアドバタイジングパケットの構成を示す図である。図4は、商品データベースのデータ構成例を示す図である。図5は、ユーザデータベースのデータ構成例を示す図である。
IoTタグTの全体の形態は図示しないが、例えば、アンテナ12とセンサ16が形成される所定のパターンの導電性金属箔と、当該金属箔に接続されるICチップとが接続された薄膜状の部材である。ICチップ内に、制御部11、ハーベスティング部13、および、電圧制御部14、RFトランシーバ15が実装される。
ここに例示したような電波は、一般に、ほとんどすべての店舗で適用可能である。そして、店舗内の商品に取り付けられているIoTタグTは、周囲環境の電波を基にしてハーベスティング部13による環境発電で得られる電力で動作する。そのため、IoTタグTにバッテリを搭載する必要がなく、システムコストを抑制することができる。また、バッテリを搭載する必要がないことから、バッテリの交換作業を行わずに済むため、タグが存在するにもかかわらずタグIDを取得できないという不具合が生じない。
なお、制御部11は、例えば電力モードが第1モードの場合であってもエネルギーストレージ131の電圧が所定の閾値以上に充電された場合には、センサ16により検出されたセンサデータを、検出時刻のデータとともにメモリ111に格納してもよい。その場合、制御部11は、電力モードが第1モードから第2モードに切り替えられた時点で、メモリ111に格納していたセンサデータおよび検出時刻のデータを含むパケットを生成し、送信してもよい。それによって、エネルギーストレージ131の充電電圧が比較的低い期間におけるタグの動きの有無に関する情報を無線装置2に提供することができる。
センサ16は、IoTタグTに係る重量や圧力を検出してもよい。センサ16は、ICチップに温度センサが内蔵されている場合には、温度を検出してもよい。
アドバタイジングパケットは、BLEにおいてブロードキャスト通信を実現するためにアドバタイジングチャネルを利用して送信されるパケットであり、図3に示すパケット構成を有する。アドバタイジングパケットは、以下では適宜、単に「パケット」という。
アドバタイジングチャネルPDU(以下、単に「PDU」という。)はヘッダとペイロードからなり、当該ペイロードは、ADVアドレスとADVデータとからなる。ADVアドレスはアドバタイザー(つまり、報知する主体であるIoTタグT)のアドレスであるが、送信元を特定しないように送信の都度に設定されるランダムな値でもよい。ADVデータはアドバタイザーのデータ(ブロードキャストデータ)であり、本実施形態では、タグID、および、センサ16によって出力されるセンサデータを含む。
RF発信機25は、ビーコン信号をアンテナ22から送信するために、例えば所定のパターンのベースバンド信号を直交変調してアンテナ22に送出する。
なお、無線装置2は、RF発信機に代えてRFトランシーバを備えてもよく、アンテナ22には受信アンテナを含んでもよい。その場合、以下で述べる制御が可能である。
前述したように、IoTタグTは、周囲環境の電波に基づいて環境発電を行うが、周囲環境の電波が少ない場合には、パケットの生成や無線信号の送信等の通常の動作が行われない(例えば、電力モードが第1モードの場合)。そこで、無線装置2の制御部21は、IoTタグTと通信できない状態(例えば、アドバタイジングパケットを受信できない状態)が所定時間以上継続する場合には、アンテナ22による無線送信を開始するか、又は、アンテナ22による送信電力を増加させるようにRF発信機25を制御することが好ましい。それによって、IoTタグTの周囲環境の電波が増加するために電力の貯蔵が可能となり、無線装置2との無線通信を開始、あるいは再開することができるようになる。
商品アプリケーションは、例えばウェブアプリケーションであり、ウェブブラウザ上で動作する。商品アプリケーションは、第2通信部46を介してアプリケーションサーバ5との間でHTTP(Hypertext Transfer Protocol)通信(もしくはよりセキュアなHTTPS通信)を行い、商品に関する商品データを取得して表示部44に表示する。商品データは、例えば、商品コードや商品コードに対応する商品画像等を含む。
商品アプリケーションは、ユーザによる所定の操作に応じてユーザが選択した商品の商品コードを登録することをアプリケーションサーバ5に要求してもよい。つまり、ユーザからの自発的な要求に応じて、アプリケーションサーバ5のユーザデータベースに、ユーザIDに対応付けて商品コードが記録されてもよい。
商品アプリケーションは、アプリケーションサーバ5のユーザデータベースにユーザIDと対応付けて記録されている商品コードを選択可能に表示部44に表示し、いずれかの商品コードの選択操作に応じて、当該商品コードの商品を購入するためのECサイト(図示せず)にリダイレクトするように構成してもよい。
表示部44は、例えばLCD(Liquid Crystal Panel)等の表示パネルと、表示パネルの駆動回路とを含み、制御部41によるプログラムの実行結果を表示する。
第1通信部45は、例えば、第2通信部46よりも狭い通信範囲で対象物と無線通信を行うものであり、例えば各IoTタグTからBLEプロトコルに従って送信されるパケットを受信する。
第2通信部46は、無線通信ネットワーク若しくは店舗内LANおよびネットワークNWを介してアプリケーションサーバ5と通信を行うための通信インタフェースである。
ストレージ52(記憶部の一例)は、例えばHDDの大規模記憶装置を備え、商品データベース(商品DB)およびユーザデータベース(ユーザDB)を記憶する。
通信部53は、ユーザ端末4との間で通信を行うための通信インタフェースとして機能する。
なお、図4に示した各フィールドは一例に過ぎず、商品に関する他のデータに関するフィールド(例えば、商品の種別、商品カテゴリー、通常品/限定品の区別等)を設けてもよい。
図4の商品データベースは一例に過ぎず、商品についての情報が適宜追加するように構成してもよい。例えば、商品の価格情報や、商品と関連する別の商品(例えば、対象の商品と色違いやサイズ違いの別の商品、あるいは、対象の商品と組み合わせて使用すること好ましい別の商品等)の情報を含めてもよい。
ユーザデータベースにおいて「商品コード」フィールドの値は、ユーザが興味を持った、若しくは気になる商品の商品コードであり、店舗におけるユーザの行動(例えば、商品を手に取る動作)に応じて自動的に、対応する商品コードが記録されるように構成されている。なお、前述したように、ユーザからの自発的な要求に応じて商品コードがユーザデータベースに記録されてもよい。
(i) 図示しない店舗端末からの情報を基に、商品に取り付けられたIoTタグのタグIDと、当該商品の商品コードとを商品データベースに記録する。
例えば、店舗に新たな商品が入荷した場合、店舗端末からの情報を基に、商品データベースに新たなレコードを追加する。
なお、認証は、例えば、ネットワークNWに接続された認証サーバ(図示せず)に問合せを行い、認証サーバから認証結果を取得することで行ってもよい。この場合、認証サーバは、例えば、IoTタグTの製造者が管理するサーバであって、製造したすべてのIoTタグTのタグIDを記憶するデータベースを有し、当該データベースを参照して、アプリケーションサーバ5から問合せのあったタグIDの認証を行う。
次に、図6を参照して、本実施形態の商品管理システム1の動作を説明する。図6は、本実施形態の商品管理システム1の動作を示すシーケンスチャートである。
図6のシーケンスチャートの処理は、ユーザ端末4が店舗内の各IoTタグ(タグT1,T2,…)からパケットを受信する度に繰り返し行われる。
アプリケーションサーバ5は、商品登録要求に含まれるブロードキャストデータからタグIDを抽出し、タグIDの認証を行う(ステップS10)。タグIDの認証は、例えば、外部の認証サーバに問合せを行うことで得られる認証結果に基づくことができる。
商品が所定の動きをしたか否かの判断は、例えば、来店者が店舗内において当該商品を別の場所に移動させる動きであるか否かに基づいて行われる。ここで、商品を別の場所に移動させる動きは、例えば、棚にある商品を来店者が手に取るといった動作や、棚にある商品を来店者が店舗内の鏡(図示せず)の前まで運ぶ動作に対応する動きである。そのような所定の動きを商品がした場合には、来店者が当該商品に興味を持っていると考えられるため、当該商品を来店者に対応付けることが好ましい。
来店者や店員が商品に少し触れた程度では、当該商品が所定の動きをしたと判断しないようすることが好ましい。商品に少し触れた程度で当該商品を来店者に対応付けることは、来店者が特に興味がない商品に関する情報を来店者と対応付けてしまう可能性があるためである。
このような観点から、ステップS13では、タグIDに対応する商品が所定の動きをしたか否か判断するようにしている。
図7に例示するユーザ端末4の画面G1では、来店者が手に取った商品の商品画像IMGと、対応する商品コードと、当該商品に関する補足情報を示すテキストTx1と、を含む。テキストTx1によって示される補足情報の例は、商品のサイズ、色、および、店舗情報(例えば、ショップ名やウェブページ等)である。図7の画面G1は一例に過ぎない。例えば、店舗のキャンペーン情報や新商品の情報等の店舗についての付随的な情報が画面G1に含まれてもよい。
所定の動きをした商品が存在する場合、アプリケーションサーバ5は、ユーザIDに対応付けて、当該商品に対応する商品コードをユーザデータベースに記録する。そのため、ユーザは、実際の店舗内に配置された商品の商品コード(物品情報の一例)を煩雑な操作を行うことなく取得できる。例えば、ユーザ端末4の商品アプリケーションで所定の操作を実行することで、ユーザIDに対応付けて記録された商品データを閲覧し、商品を購入することができる。
また、店舗側にとっても、ユーザデータベースを基に、例えば特定の商品を手に取った来店者のユーザIDを認識することができる。したがって、来店者の商品の嗜好等、商品のマーケティング上の有用な情報を得ることができる。
次に、第2の実施形態について、図8のシーケンスチャートを参照して説明する。
本実施形態の商品管理システムでは、タグ管理サーバが、タグIDの認証と、タグが動かされたか否かの判断とを行う。タグ管理サーバは、店舗等で流通する商品に取り付けられるタグを管理するためのサーバである。
図8に示すシーケンスチャートが図6と異なるのは、以下の点である。すなわち、ユーザ端末4は、環境発電によって動作するタグからパケットを受信すると、パケットに含まれるPDUをタグ管理サーバに送信する(ステップS8b)。タグ管理サーバは、受信したPDUを復号し、PDUから抽出したブロードキャストデータに含まれるタグIDの認証を行う(ステップS10)。さらに、タグ管理サーバは、タグが動かされたか否か判断し(ステップS12)、その判断結果に応じてタグモーション通知をアプリケーションサーバ5に送信する(ステップS13a)。タグモーション通知には、動かされたと判断されたタグのタグIDが含まれる。
アプリケーションサーバ5は、タグモーション通知に含まれるタグIDを対象として、対応する商品が所定の動きをしたか否か判断する(ステップS13b)。ステップS13bの処理は、図6のステップS13と同じである。ステップS14以降の動作は、図6と同じである。
次に、第3の実施形態の商品管理システム1Aについて、図9~図11を参照して説明する。
本実施形態の商品管理システム1Aでは、所定の動きをした商品の位置を特定するとともに、店舗内の1又は複数のユーザ端末4のうち当該商品の位置に近いユーザ端末4を特定して、特定したユーザ端末4に商品データを送信することを特徴とする。なお、店舗内の各商品が陳列されている棚の位置は既知であるとする。
店舗内のユーザ端末4の位置を特定するために、本実施形態の商品管理システム1Aは、位置特定システムを含む。位置特定システムは、受信機6および位置特定装置7を含む。受信機6と位置特定装置7は通信可能に接続されている。
図9に示すように、受信機6(ロケータ)は、例えば店舗の天井に設置され、店舗内を移動するユーザ端末4が放射する電波(ビーコン信号)を受信し、その電波の入射角を測定する。ユーザ端末4が放射するビーコン信号には、ユーザIDの情報が含まれてもよい。位置特定装置7(図9には図示せず)は、受信機6が測定した入射角を基にユーザ端末4の店舗内の位置(平面上の位置)を特定するAOA(Angle of Arrival)方式によりユーザ端末4を測位する。
電波受信部61は、ユーザ端末4から送信されるビーコン信号(電波)を受信するアンテナを含む。
入射角測定部62は、電波受信部61で受信したユーザ端末4からの電波の入射角を測定する。
通信部63は、ユーザ端末4および位置特定装置7と通信を行うためのインタフェースである。例えば、通信部63は、ユーザ端末4からの受信信号を復調する。また、通信部63は、受信機6と位置特定装置7との間の通信インタフェースとして機能し、入射角測定部62によって測定された入射角の情報を、位置特定装置7に送信する。なお、受信機6と位置特定装置7との通信は有線でも無線でもよい。
制御部71は、マイクロプロセッサを主体として構成され、位置特定装置7の全体を制御する。例えば、制御部71のマイクロプロセッサは、位置特定エンジン(ソフトウェア)を実行し、受信機6から受信する入射角の情報を基にユーザ端末4の位置を特定する。より具体的には、AOA方式を利用する場合、前述したように、受信機6の店舗内での既知の位置(店舗の所定の位置を基準とした3次元座標の位置)と、受信機6から逐次取得するユーザ端末4の入射角(電波の到来方向)の情報とに基づいて、時刻の経過に応じたユーザ端末4の店舗のエリア内の位置(店舗フロアのXY座標の位置)を算出(測位)する。
制御部71は、算出された位置の情報(位置情報)を逐次、通信部73を介してアプリケーションサーバ5に送信する。店舗内に複数のユーザ端末4が設けられている場合には、制御部71は、ユーザ端末4に対応するユーザIDごとに位置を算出してアプリケーションサーバ5に送信する。
ユーザ端末4の測位間隔は、任意に設定してよいが、ユーザ端末4の位置を正確に把握するために必要な時間(例えば、数100ms以下)に設定される。
通信部73は、受信機6との通信、および、ネットワークNWを介したアプリケーションサーバ5と通信を行うための通信インタフェースである。
店舗内の各ユーザ端末4は、例えば所定の間隔でビーコン信号を送信する(ステップS3)。位置特定システムは、店舗内のユーザ端末4から受信したビーコン信号を基に位置特定処理を実行し(ステップS7)、位置特定処理によって得られたユーザ端末4の位置情報をアプリケーションサーバ5に送信する(ステップS9)。位置情報は、例えば、ユーザ端末4の端末IDと、ユーザ端末4の店舗フロアのXY座標の値の情報とを含む。アプリケーションサーバ5は、例えば、ユーザIDごとに位置情報を時刻とともに逐次記録する。
図11のシーケンスチャートでは、図8と異なり、無線装置2が店舗内の各タグからパケットを受信し(ステップS6)、パケットに含まれるPDUをタグ管理サーバ9に送信する(ステップS8b)。タグ管理サーバ9がPDUを受信した後のステップS14までの一連の処理は、図8の場合と同じである。図8と異なるのは、位置特定システムによって測位されたユーザ端末4のうち、ステップS14で特定された商品の商品位置に最も近い位置にあるユーザ端末4を特定する点にある。例えば、ステップS14で特定された商品が陳列されている棚のXY座標(既知)と、位置特定システムによって得られた店舗内の複数のユーザ端末4の各々の位置(XY座標)との間の距離をそれぞれ測定することで、商品に最も近いユーザ端末4が特定される。
なお、店舗内の各商品の位置が既知である場合を前提として説明したが、その限りではない。例えば、店舗内の所定の位置に配置した複数の無線装置2の各々が商品に取り付けられているタグからパケットを受信するときのRSSI値に基づいて精度良く店舗内の商品位置(XY座標)を特定することができる。すなわち、距離に応じた電波の減衰特性を利用し、各無線装置2でのRSSI値に基づいてタグと店舗内の位置が既知である各無線装置2との距離を推定し、三角測量法によりタグの位置、つまり商品の位置を測位することができる。
以下、実施形態の変形例について説明する。
図6のステップS13、および、図8、図11のステップS13bでは、アプリケーションサーバ5が、商品が所定の動きをしたか否か判断するが、この判断手法についての変形例について説明する。
本変形例では、商品が所定の動きをしたか否かについて、例えば店舗内に配置される撮像装置を利用して判断する。撮像装置は、例えばデジタルビデオカメラであるが、デジタルスチルカメラでもよい。撮像装置はネットワークNWを介してアプリケーションサーバ5と通信可能であり、店舗内で撮像した画像を逐次、アプリケーションサーバ5に送信する。アプリケーションサーバ5は、撮像装置から受信した画像を解析して、商品が所定の動きをしたか否か判断する。画像解析では、例えば、商品が洋服であれば来店者が店舗内の商品をハンガーから取る動作や、商品の値札を確認する動作、あるいは、商品を店内の鏡の前で体に合わせる動作等、予め決められた動作パターンのいずれかに該当するか判断される。この判断では、例えば、人工知能を利用してもよい。
本変形例のように、商品が所定の動きをしたか否かの判断の際に画像解析を利用することで、商品が所定の動きをしたかの判断の精度を向上させることができる。
例えば図6のステップS13では、タグが動かされたことを検出した時間(検出時間)が所定時間以上である場合に、当該商品が所定の動きをしたと判断する例について説明したが、この検出時間に対する閾値は、タグの位置に応じて異なる値に設定してもよい。例えば、所定の動きをした商品が店舗内のレジに位置する場合、当該商品は、レジでの精算手続きのために動かされていると考えられる。その場合には、既に購入予定若しくは購入済みであるため、必ずしも来店者のユーザIDに対応して商品コードをユーザデータベースに記録する必要がない。そこで、商品が店舗内のレジに位置する場合には、当該商品が所定の動きをした場合であっても来店者のユーザIDに対応して商品コードをユーザデータベースに記録しなくてもよい。
上記観点から、アプリケーションサーバ5は、タグの店舗エリア内の位置に応じて、上記所定時間を変更してもよい。例えば、商品が例えばレジ等の所定の範囲に位置する場合には、当該商品が所定の動きをしたか否かについての判断に使用する上記所定時間を、商品が他の範囲に位置する場合よりも長くしてもよい。なお、商品の位置を特定するために、前述したように、店舗内に複数の無線装置2を配置し、各無線装置2が商品に取り付けられているタグからパケットを受信するときのRSSI値に基づいて、店舗内の商品の位置を測位することができる。
来店者のユーザ端末4が例えば加速度センサ等のモーションセンサを内蔵する場合には、ユーザ端末4に内蔵されるセンサによって、商品が所定の動きをしたか否かについての情報を取得するようにしてもよい。例えば、来店者のユーザ端末4は、タグからのパケットを受信した場合、内蔵するセンサの検出値に基づいて、タグが取り付けられた商品が所定の動きをしたか否か判断する。次いでユーザ端末4は、パケットに含まれるタグIDと、商品が所定の動きをしたか否かの判断結果とをアプリケーションサーバ5に送信する。このように、ユーザ端末4に内蔵されるセンサを活用することで、商品が所定の動きをしたか否かについての判断精度を向上させることができる。
例えば、上述した実施形態において、IoTタグは、無線装置2、ユーザ端末4、および、店員端末のうち少なくともいずれかから放射される電波を基に発電することが可能である。
一般に、RFIDタグとして、内部に電池を持つアクティブタグと、内部に電池を持たないパッシブタグとが知られている。アクティブタグは通信可能範囲が比較的広いものの、高価であり、また、電池交換が必要であることから、店舗で扱う多数の商品の各々に取り付けるのは現実的でない。
従来の物品管理システムでは、電池を持たないパッシブタグを商品に取り付けることが想定されており、その通信可能範囲は、UHF帯(例えば900MHz帯)の場合で3~8m程度と短い。そのため、店舗内のすべての商品を読み取るためには短い間隔で多数のアンテナを店舗内に配置し、多数のアンテナを収容する多数のリーダライタを店舗内に配置することが行われる。それに対して、開示のIoTタグTでは、パッシブタグとは異なり、周囲環境に存在する電波によって給電されて動作するため、常に近くに給電のためにリーダライタを固定配置させる必要がない。
RFIDタグとしてパッシブタグを利用した従来の物品管理システムでは、商品陳列場所の複数の商品棚の各々にリーダライタが設けられ、各リーダライタの位置は既知であることから、各リーダライタが受信するRFIDタグの信号を基に、各タグの位置、つまり各商品の位置を推定できる可能性はある。しかし、仮にそのような位置推定が可能であったとしても、前述したように、パッシブタグの通信可能範囲の短さに起因して多数のリーダライタを店舗内に配置しなければならず、システム全体の設置コストが嵩むという不利益がある。
さらに、RFIDとは異なる近距離無線通信方式として、FeliCa(登録商標)等のNFC(Near field communication)が知られているが、通信距離が50cm以下と短く、また高価でもあり、在庫管理に不向きである。
上述した観点に鑑み、実施形態の商品管理システム1,1Aでは、周囲環境の電波をもとに発電する環境発電型のタグであって、バッテリを備えていないタグであるIoTタグを利用する。これにより、例えば店舗内の無線装置から放射される無指向性の電波によって発電して動作するため、店舗内に多数のリーダライタを配置する必要がないという利点がある。
消費期限や有効期限等によって期限管理される商品を管理する場合には、アプリケーションサーバが定期的に消費期限や有効期限を監視し、期限が近付いた商品の商品コード、数量、商品位置等をユーザ端末4に送信する商品データに反映させることが好ましい。
T…IoTタグ
11…制御部
111…メモリ
12…アンテナ
13…ハーベスティング部
131…エネルギーストレージ
14…電圧制御部
15…RFトランシーバ
16…センサ
2…無線装置
21…制御部
22…アンテナ
25…RF発信機
4…ユーザ端末
41…制御部
42…ストレージ
43…操作入力部
44…表示部
45…第1通信部
46…第2通信部
5…アプリケーションサーバ
51…制御部
52…ストレージ
53…通信部
6…受信機
61…電波受信部
62…入射角算出部
63…通信部
7…位置特定装置
71…制御部
72…制御部
73…通信部
9…タグ管理サーバ
NW…ネットワーク
Claims (8)
- エリア内に存在する一以上の物品を管理する物品管理システムであって、
前記エリア内の物品に取り付けられ、前記物品の動きを示すセンサデータを検出し、固有のタグ識別情報を記憶する無線タグと、
前記無線タグと無線通信可能である場合に、前記無線タグから前記タグ識別情報と前記センサデータとを取得するユーザ端末と、
前記物品を識別する物品情報を、前記物品に取り付けられている無線タグのタグ識別情報と対応付けて記憶する記憶部を有する情報処理装置と、
を含み、
前記情報処理装置は、
前記ユーザ端末から前記無線タグのタグ識別情報と前記センサデータと、前記ユーザ端末のユーザ識別情報とが対応付けられた情報を取得し、取得した前記センサデータに基づいて前記無線タグが取り付けられた物品の所定の動きを検出した場合に、前記無線タグのタグ識別情報に対応付けられた物品に関する物品情報を前記ユーザ端末のユーザ識別情報に対応付ける、
物品管理システム。 - 前記所定の動きは、前記エリア内の所定の場所に存在する物品が、前記所定の場所から所定距離以上離れた場所に移動する動きである、
請求項1に記載された物品管理システム。 - 前記情報処理装置は、前記無線タグが物品の動きを所定時間以上継続して検出した場合に、前記物品が前記所定の動きをしたと判断する、
請求項2に記載された物品管理システム。 - 前記情報処理装置は、前記無線タグの前記エリア内の位置に応じて、前記所定時間を変更する、
請求項3に記載された物品管理システム。 - 前記情報処理装置は、前記無線タグのタグ識別情報に対応する物品情報を前記ユーザ端末に送信し、
前記ユーザ端末は、前記情報処理装置から受信した前記物品情報を表示する、
請求項1から4のいずれか一項に記載された物品管理システム。 - 前記情報処理装置は、前記ユーザ端末から受信した前記タグ識別情報を認証し、認証が成功した場合に前記所定の動きをした物品を識別する物品情報を前記ユーザ端末に対応付ける、
請求項1から5のいずれか一項に記載された物品管理システム。 - 前記無線タグは、周囲の電波からエネルギーを得て動作する、
請求項1から6のいずれか一項に記載された物品管理システム。 - エリア内に存在する一以上の物品を管理する物品管理方法であって、
前記エリア内の物品に取り付けられた無線タグが、固有のタグ識別情報を記憶し、前記物品の動きを示すセンサデータを検出し、
ユーザ端末が、前記無線タグと無線通信可能である場合に、前記無線タグから前記タグ識別情報と前記センサデータとを取得し、
物品を識別する物品情報を、前記物品に取り付けられている無線タグのタグ識別情報と対応付けて記憶する記憶部を有する情報処理装置が、前記ユーザ端末から無線タグのタグ識別情報を取得し、
前記情報処理装置が、前記ユーザ端末から前記無線タグのタグ識別情報と前記センサデータと、前記ユーザ端末のユーザ識別情報とが対応付けられた情報を取得し、取得した前記センサデータに基づいて前記無線タグが取り付けられた物品の所定の動きを検出した場合に、前記無線タグのタグ識別情報に対応付けられた物品に関する物品情報を前記ユーザ端末のユーザ識別情報に対応付ける、
物品管理方法。
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