JP2004112223A - Idカード、idカード作成装置及びidカード読み取り装置 - Google Patents

Idカード、idカード作成装置及びidカード読み取り装置 Download PDF

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Abstract

【課題】写真画像のすり替えによるIDカードの改ざんが行われても、そのことを容易に検知することができるようにする。
【解決手段】ID情報を含んだ透かし画像を周波数領域にある像と仮定して、その透かし画像に対して、画像全体に周波数領域からの逆変換を施し、変換画像を得る。その変換画像を写真画像に加算して、ID情報を電子透かしとして埋め込んだ埋め込み画像を得る。その埋め込み画像を所定のカードに印刷により記録して、IDカードを作成する。
【選択図】    図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、社員証,会員証,運転免許証,パスポート,クレジットカードなど、人を特定するためのID(IDentification)情報と共に、その人の顔写真などの写真画像が記録されたIDカードに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、社員証や運転免許証などのIDカードにおいては、その表面に、そのIDカードを所有する人を特定するためのID情報として、識別番号や、氏名や、所属などが、文字によって記録されている他、その人の顔写真が写真画像として記録されている。
【0003】
そして、例えば、身分などを確認する際には、その者にIDカードの提示を求めて、記録されているID情報から、その者の身分などを確認すると共に、記録されている写真画像とその者とを見比べ、同一人であることを確認するようにしている。
【0004】
なお、従来のIDカードとして関連するものには、例えば、下記の特許文献1に記載のものが挙げられる。
【0005】
【特許文献1】
特許第3075221号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、近年、画像処理技術などの発達により、例えば、IDカードに記録されている写真画像を、別の人の顔写真とすり替えて、IDカードを改ざんするなどの行為が、容易に行われるようになってきている。
【0007】
このような写真画像のすり替えが行われた場合、文字として記録されているID情報は本来の正しい情報であるため、すり替えられた顔写真の人物が、そのIDカードを所有している限り、改ざんの行われたIDカードであることを検知することは困難である。
【0008】
従って、本発明の目的は、上記した従来技術の問題点を解決し、写真画像のすり替えによる改ざんが行われても、そのことを容易に検知することができるIDカードを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
上記した目的の少なくとも一部を達成するために、本発明のIDカードは、人を特定するための第1のID情報を含んだ透かし画像を周波数領域にある像と仮定して、前記透かし画像に対して、画像全体に周波数領域からの逆変換を施し、得られた変換画像を前記人の一部または全部を写した写真画像に加算して、前記ID情報を電子透かしとして埋め込み、得られた埋め込み画像を印刷により記録して成ることを要旨とする。
【0010】
このように、本発明のIDカードでは、印刷により記録される埋め込み画像には、ID情報を含んだ透かし画像に対して、画像全体に周波数領域からの逆変換を施し、得られた変換画像を写真画像に加算することによって、ID情報が電子透かしとして埋め込まれている。
【0011】
従って、写真画像のすり替えなどのIDカード10の改ざんがなされた場合には、IDカードに記録されている写真画像にID情報が埋め込まれていなかったり、埋め込まれていてもにせのID情報であったりするので、IDカードからその埋め込み画像を読み取って、埋め込まれているID情報を抽出することによって、写真画像のすり替えなどのIDカード10の改ざんがなされたかどうかを判断することができる。よって、写真画像のすり替えなどのIDカード10の改ざんがなされた場合でも、そのことを容易に検知することが可能となり、他人へのなりすまし行為を簡単に見破ることができる。
【0012】
なお、本明細書において、加算には、負の値の加算、即ち、減算も含まれる。
【0013】
本発明のIDカードにおいて、前記人を特定するための第2のID情報をさらに記録して成ることが好ましい。
【0014】
このように、写真画像への電子透かしによる埋め込み以外に、ID情報をIDカードに記録しておくことにより、写真画像からID情報を抽出しない場合でも、IDカードを所有している者のID情報を取得することができる。
【0015】
本発明のIDカード作成装置は、IDカードを作成するためのIDカード作成装置であって、
人を特定するためのID情報を含んだ透かし画像を周波数領域にある像と仮定して、前記透かし画像に対して、画像全体に周波数領域からの逆変換を施して、変換画像を得る逆変換部と、
前記変換画像を前記人の一部または全部を写した写真画像に加算して、前記ID情報を電子透かしとして埋め込んだ埋め込み画像を得る加算部と、
前記埋め込み画像を所定のカードに印刷により記録して、前記IDカードを作成する記録部と、
を備えることを要旨とする。
【0016】
本発明のIDカード作成装置を用いることによって、写真画像にID情報を電子透かしとして埋め込んだIDカードを容易に作成することができる。
【0017】
本発明のIDカード読み取り装置は、IDカードに記録されている情報を読み取るIDカード読み取り装置であって、
前記IDカードに記録された画像であって、人の一部または全部を写した写真画像に人を特定するためのID情報を電子透かしとして埋め込んで成る埋め込み画像を読み取る読み取り部と、
前記埋め込み画像に対して、画像全体に周波数領域への変換を施して、変換画像を得る変換部と、
前記変換画像から前記ID情報を抽出する抽出部と、
を備えることを要旨とする。
【0018】
本発明のIDカード読み取り装置を用いることによって、IDカードに記録されている埋め込み画像から、電子透かしとして埋め込まれているID情報を容易に抽出することができる。
【0019】
本発明のIDカード作成方法は、IDカードを作成するためのIDカード作成方法であって、
(a)人を特定するためのID情報及び前記人の一部または全部を写した写真画像を用意する工程と、
(b)前記ID情報を図形化して所望の位置に配置して成る透かし画像を生成する工程と、
(c)前記透かし画像を周波数領域にある像と仮定して、前記透かし画像に対して、画像全体に周波数領域からの逆変換を施して、変換画像を得る工程と、
(d)前記変換画像を前記写真画像に加算して、前記ID情報を電子透かしとして埋め込んだ埋め込み画像を得る工程と、
(e)前記埋め込み画像を所定のカードに印刷により記録して、前記IDカードを作成する工程と、
を備えることを要旨とする。
【0020】
本発明のIDカード作成方法によれば、写真画像にID情報を電子透かしとして埋め込んだIDカードを容易に作成することができる。
【0021】
本発明のIDカード作成方法において、前記工程(b)では、前記ID情報を、前記透かし画像を周波数領域にある像と仮定した場合において、低周波成分または中周波成分に相当する領域であって、直流成分に相当する点を中心とした2つの円弧に挟まれた領域に配置することが好ましい。
【0022】
このように配置することによって、埋め込み画像において、埋め込まれたID情報により画質劣化を招く恐れが少なくなる。
【0023】
本発明のIDカード作成方法において、前記工程(b)は、生成される前記透かし画像内における所定の位置にマーカを付与する工程を含むことが好ましい。
【0024】
このようにマーカを付与することにより、埋め込み画像からID情報を抽出する際に、埋め込み画像に幾何学的変形が加えられていても、どのような変形が加えられたかを容易に検知することが可能となり、延いては、ビット情報の位置を容易に探索することが可能となる。
【0025】
本発明のIDカード作成方法において、前記工程(b)は、予め用意された乱数系列の値を、前記透かし画像の各画素の値に順次乗算して、前記透かし画像に対して明るさ方向の調整を行う工程を含むことが好ましい。
【0026】
このように明るさ方向の調整を行うことにより、埋め込み画像において、ID情報の存在により特定周波数のレベルが大幅に変化して画質劣化を招いてしまうのを、抑制することができる。本発明のIDカード作成方法において、前記工程(b)は、作成される前記透かし画像の大きさが予め設定された大きさとなるように、足りない分の画素を仮想的に追加する工程を含むようにしてもよい。
【0027】
工程(c)において、透かし画像に対して、画像全体に周波数領域からの逆変換を施す際に、特定の変換アルゴリズムを用いる場合、このように、画素を仮想的に追加して、透かし画像の大きさを設定された大きさとすることにより、変換における計算を容易に行うことができる。
【0028】
本発明のIDカード作成方法において、前記工程(c)では、前記逆変換として、逆離散コサイン変換または逆離散フーリエ変換を用いることが好ましい。
【0029】
逆離散コサイン変換または逆離散フーリエ変換は、周波数領域からの逆変換としては代表的な変換だからである。
【0030】
本発明のIDカード読み取り方法は、IDカードに記録されている情報を読み取るためのIDカード読み取り方法であって、
(a)人の一部または全部を写した写真画像に人を特定するためのID情報を電子透かしとして埋め込んで成る埋め込み画像の記録された前記IDカードを用意する工程と、
(b)前記IDカードから前記埋め込み画像を読み取る工程と、
(c)前記埋め込み画像に対して、画像全体に周波数領域への変換を施して、変換画像を得る工程と、
(d)前記変換画像から前記ID情報を抽出する工程と、
を備えることを要旨とする。
【0031】
本発明のIDカード読み取り方法によれば、IDカードに記録されている埋め込み画像から、電子透かしとして埋め込まれているID情報を容易に抽出することができる。
【0032】
本発明のIDカード読み取り方法において、前記工程(b)は、前記埋め込み画像にフィルタ処理を施す工程を含むことが好ましい。
【0033】
このようなフィルタ処理を施すことによって、不要な周波数成分を除去することができるので、ID情報を抽出する際に、容易に抽出することが可能となる。
【0034】
本発明のIDカード読み取り方法において、前記工程(d)は、前記変換画像からマーカを検出し、検出したマーカの状態に基づいて埋め込み画像に対する幾何学的変化を検知し、該幾何学的変化をキャンセルするような補正を施した上で、前記ID情報の位置を探索する工程を含むことが好ましい。
【0035】
このような処理を施すことによって、埋め込み画像に幾何学的変形が加えられていても、ID情報の位置を容易に探索することができる。
【0036】
本発明のIDカード読み取り方法において、前記工程(c)では、前記変換として、離散コサイン変換または離散フーリエ変換を用いることが好ましい。
【0037】
離散コサイン変換または離散フーリエ変換は、周波数領域への変換としては代表的な変換だからである。
【0038】
なお、本発明は、上記したIDカード,IDカード作成装置及びIDカード読み取り装置などの装置発明の態様や、IDカード作成方法及びIDカード読み取り方法などの方法発明の態様に限ることなく、それら装置や方法を構築するためのコンピュータプログラムとしての態様や、そのようなコンピュータプログラムを記録した記録媒体としての態様や、上記コンピュータプログラムを含み搬送波内に具現化されたデータ信号など、種々の態様で実現することも可能である。
【0039】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を実施例に基づいて以下の順序で説明する。
A.IDカード:
B.IDカード作成装置:
C.IDカード読み取り装置:
D.実施例の効果:
E.変形例:
【0040】
A.IDカード:
図1は本発明の一実施例としてのIDカードを示す平面図である。図1に示すように、IDカード10の表面には、そのIDカード10を所有する人を特定するためのID情報として、識別番号12、氏名14及び所属16が、文字によって記録されている他、その人の顔写真が写真画像18として記録されている。
【0041】
また、本実施例の特徴として、IDカード10に記録された写真画像18には、図では示されていないが、識別番号12と同じ番号が電子透かしとして埋め込まれている。
【0042】
B.IDカード作成装置:
このようなIDカード10は、図2に示すようなIDカード作成装置によって作成される。図2は図1のIDカードを作成することが可能なIDカード作成装置の構成を示すブロック図である。
【0043】
図2に示すIDカード作成装置30は、コンピュータによって構成されており、CPU32と、ROM34と、RAM36と、キーボードやマウスなどから成る入力装置38と、CRTや液晶ディスプレイなどから成る表示装置40と、ネットワークカードなどから成る通信装置42と、熱転写プリンタ,インクジェットプリンタ,レーザプリンタなどから成るプリンタ44と、ハードディスク装置46と、これらの各要素を接続するバス48と、を備えている。なお、図2では各種のインターフェイス回路は省略されている。通信装置42は、通信回線を介してコンピュータネットワークに接続されている。
【0044】
ハードディスク装置46には、IDカードを作成すべき各対象者について、それぞれ、その人を特定するためのID情報70と、その人の顔写真である写真画像72と、がデータとして格納されている。このうち、ID情報70としては、前述した識別番号,氏名,所属の他、生年月日、性別、住所なども含まれる。また、写真画像72のデータは、各対象者の顔をデジタルカメラなどで撮影したり、あるいは、各対象者の顔写真をスキャナなどで読み込んだりすることによって得ている。
【0045】
一方、RAM36には、透かし画像生成部50と、マーカ付与部52と、乗算部54と、仮想画素追加部56と、逆離散コサイン変換(IDCT)部58と、加算部60と、仮想画素除去部62の、各機能を実現するためのコンピュータプログラムが格納されている。このコンピュータプログラムをCPU32が実行することによって、これら各部50〜62の機能が実現される。
【0046】
このようなコンピュータプログラムは、フレキシブルディスクやCD−ROM等の、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録された形態で提供される。コンピュータは、その記録媒体からコンピュータプログラムを読み取って、ハードディスク装置46を介してまたは直接にRAM36に転送する。あるいは、コンピュータネットワーク上のサーバなどから、通信回線を介してコンピュータに上記コンピュータプログラムを供給するようにしてもよい。
【0047】
この明細書において、コンピュータとは、ハードウェア装置とオペレーションシステムとを含む概念であり、オペレーションシステムの制御の下で動作するハードウェア装置を意味している。また、オペレーションシステムが不要でアプリケーションプログラム単独またはファームウェア単独でハードウェア装置を動作させるような場合には、そのハードウェア装置自体がコンピュータに相当する。
ハードウェア装置は、CPUと、記録媒体に記録されたコンピュータプログラムを読み取るための手段と、を少なくとも備えている。コンピュータプログラムは、このようなコンピュータに、上記各部の機能を実現させるプログラムコードを含んでいる。なお、上述の機能の一部は、アプリケーションプログラムでなく、オペレーションシステムによって実現されていても良い。
【0048】
また、「記録媒体」としては、フレキシブルディスクやCD−ROM、光磁気ディスク、ICカード、ROMカートリッジ、パンチカード、バーコードなどの符号が印刷された印刷物、コンピュータの内部記憶装置(RAMやROMなどのメモリ)および外部記憶装置等の、コンピュータが読取り可能な種々の媒体を利用することができる。
【0049】
このようなIDカード作成装置30は、各対象者について、それぞれ、1枚ずつIDカード10を作成する。まず、CPU32は、ハードディスク装置46に格納されている対象者のID情報70から、その対象者の識別番号を読み出し、その識別番号を0,1から成るビット情報に変換する。また、CPU32は、ハードディスク装置46から、格納されている対象者の写真画像72のデータを読み出す。この写真画像72のデータは、大きさM×N画素から成り、各画素の色がR(赤),G(緑),B(青)成分で表されるカラー画像データである。
【0050】
図3は写真画像の一例を示す説明図である。なお、図3では、便宜的に、対象者の顔写真の代わりに、サンタクロース人形の写真を用いている。このことは、以下の図においても同様である。
【0051】
次に、CPU32は、読み出した写真画像72のデータに、変換して得られたビット情報を電子透かしとして埋め込む。
【0052】
図4はこのようなIDカード作成装置30が実行する電子透かし埋め込み処理の手順を示す説明図である。
【0053】
まず、図2の透かし画像生成部50は、上記ビット情報を含んだ透かし画像を生成する(図4のステップS102)。具体的には、ビット情報を図形化して、所望の位置に配置した透かし画像を生成する。透かし画像としては、大きさが前述の写真画像と同じであるM×N画素から成り、各画素の色が白または黒の2値画像となるようにしている。本実施例では、このような透かし画像を、離散コサイン変換(DCT)によって得られる周波数領域にある像と仮定して、以降の電子透かし埋め込み処理を行う。
【0054】
一般に、画像データのような2次元の離散値に対しては、DCTとして2次元DCTを用いることができ、それは式(1)で表される。
【0055】
【数1】
Figure 2004112223
【0056】
ここで、G(m,n)は画像データであり、D(u,v)はDCT係数(周波数成分)である。
【0057】
図5はDCTによって一般的に得られる周波数成分を示す説明図である。図5に示す周波数成分(DCT係数)の中で、左上の点に位置する成分は直流(DC)成分と呼ばれ、全体のエネルギ量を規定する。また、その他の周波数成分は、DC成分から遠ざかるに従って、低周波成分,中周波成分,高周波成分の順に配列される。そして、同一周波数の成分は、DC成分を中心とした同一の円弧上に配列される。これら周波数成分のうち、低周波成分は画像の大まかな形を規定し、高周波になるに従って画像の細部を規定していく。
【0058】
そこで、透かし画像生成部50は、上述したとおりビット情報を図形化して、図6に示すように、左上の点(すなわち、DC成分に相当)を中心とした円弧に沿って延びるビット情報配置領域(斜線部分)内に、配置するようにしている。
【0059】
図6は各ビット情報の配置される領域と後述の如く付与されるマーカの位置とを示す説明図である。図6に示すように、ビット情報配置領域は、低周波成分または中周波成分に相当する領域であって、かつ、左上の点(すなわち、DC成分に相当)を中心とした2つの円弧に挟まれた領域となっている。
【0060】
図6において、uv座標の1マスを、例えば、64×64画素であるとすると、左上の点からビット情報配置領域までの距離r1は、106画素分の距離となっている。
【0061】
図7はビット情報を含んだ透かし画像の一例を示す説明図である。図7に示すように、各ビット情報は、それぞれ、図形化されて、図6に示したビット情報配置領域において、できる限り、左上の点(すなわち、DC成分に相当)を中心とした同一の円弧上に位置するように配置される。なお、1つのビット情報は、例えば、大きさ3×3画素、明るさB(但し、B>0)のブロックに図形化される。
【0062】
次に、マーカ付与部52は、生成された透かし画像内における所定の位置にマーカを付与する(ステップS104)。
【0063】
図6に示すように、uv座標の1マスを、例えば、64×64画素であるとすると、(u,v)=(64,64)の位置に、マーカを配置する。なお、左上の点からこのマーカまでの距離r2は、90画素分の距離となっている。よって、左上の点からビット情報配置領域までの距離r1とマーカまでの距離r2との比r1/r2は、1.18となる。
【0064】
図8はマーカを付与した後の透かし画像の一例を示す説明図である。図6及び図8に示すように、マーカは、例えば、大きさが2×2画素であり、明るさが前述のビット情報の明るさBに対して、k×B(但し、k≧1)となっている。
【0065】
次に、乗算部54は、予め用意された乱数系列の値を、透かし画像の各画素の値に順次乗算して(ステップS106)、透かし画像の全ての画素について明るさ方向の調整を行う。なお、乱数系列としては、0か1の何れかの値を採る乱数値をM×N個有する乱数系列を用いる。
【0066】
図9は乱数系列で明るさ方向の調整を行った後の透かし画像の一例を示す説明図である。図9に示すように、乱数系列による明るさ方向の調整を行うことにより、透かし画像全体は白と黒がほぼ均等に配置される。また、ビット情報及びマーカの部分も、或る程度、白と黒が入り交じるようになる。
【0067】
続いて、仮想画素追加部56は、透かし画像の大きさが予め設定された大きさとなるように、足りない分の画素を仮想的に追加する(ステップS108)。
【0068】
例えば、予め設定された上記の大きさが2×2画素(但し、nは2以上の整数、M,N≦2)である場合、透かし画像の大きさは前述したとおりM×N画素、すなわち、図6において、u方向にM画素、v方向にN画素であるので、u方向には2−M画素、v方向には2−N画素、足りないことになる。そこで、これら足りない分の画素を仮想的に追加して、u方向,v方向にそれぞれL画素、すなわち、大きさ2×2画素の画像を、新たな透かし画像として得る。
【0069】
図10は仮想的に画素が追加された後の透かし画像の一例を示す説明図である。図10に示すように、仮想的に画素が追加されたことにより、透かし画像は、大きさ2×2画素の正方形の画像となっている。
【0070】
一方、仮想画素追加部56は、透かし画像だけでなく、上記写真画像についても、同様の処理を行う。すなわち、写真画像の大きさが予め設定された上記の大きさとなるように、足りない分の画素を仮想的に追加する(ステップS110)。
【0071】
上述したとおり、例えば、予め設定された上記の大きさが2×2画素である場合には、u方向に2−M画素、v方向に2−N画素、それぞれ、仮想的に追加して、大きさL×L画素の画像を、新たな写真画像として得る。
【0072】
図11は仮想的に画素が追加された後の写真画像の一例を示す説明図である。
図11に示すように、仮想的に画素が追加されたことにより、写真画像も、透かし画像と同様に、大きさ2×2画素の正方形の画像となっている。
【0073】
次に、IDCT部58は、この透かし画像を、前述したとおりDCTによって得られる周波数領域にある像と仮定して、この透かし画像に対して、画像をブロックに分けることなく、画像全体に、逆離散コサイン変換(IDCT)を施して、空間領域にある像(変換画像)を得る(ステップS112)。
【0074】
図12はIDCTによって得られた変換画像の一例を示す説明図である。図12に示すように、左上の点を中心とした同一の円弧上に配列されていたビット情報は、IDCTを施したことによって、画像全体に均一に分散される。
【0075】
次に、加算部60は、写真画像における各画素の値に、変換画像における対応する画素の値をそれぞれ加算して、ビット情報を電子透かしとして写真画像に埋め込み、埋め込み画像を得る(ステップS114)。
【0076】
図13はこのようにして得られる埋め込み画像の一例を示す説明図である。図11に示す写真画像に、図12に示す変換画像を加算することにより、ビット情報が電子透かしとして埋め込まれた図13に示すような埋め込み画像を得ることができる。
【0077】
最後に、仮想画素除去部62は、ステップS108及びステップS110で仮想的に追加した画素を除去する(ステップS116)。
【0078】
すなわち、仮想的に、u方向にM画素、v方向にN画素、それぞれ追加したので、埋め込み画像よりこれら追加した画素を取り除き、元の大きさM×L画素と同じ大きさの画像を、最終的な埋め込み画像として得る。
【0079】
図14は仮想的に追加した画素を取り除いた後の埋め込み画像の一例を示す説明図である。図14に示すように、仮想的に追加した画素を取り除くことにより、図3に示した元の写真画像と同じ大きさの埋め込み画像を得ることができる。
【0080】
以上説明したように、図4に示した電子透かし埋め込み処理によって、写真画像72のデータに、ビット情報を電子透かしとして埋め込んで、埋め込み画像のデータを取得したら、次に、CPU32は、ハードディスク装置46に格納されている対象者のID情報70から、その対象者の識別番号,氏名,所属を読み出し、文字データに変換する。そして、CPU32は、その文字データと埋め込み画像のデータを編集して、文書データを作成し、その文書データを用いて、ハードディスク装置46により、所定のカードの表面に、図1に示すような写真画像18やID情報を印刷する。こうして、対象者毎に、IDカード10を作成することができる。
【0081】
以上のようにして作成されたIDカード10は、上記対象者である被管理者にそれぞれ配布され、例えば、次のようにして利用される。すなわち、被管理者に自己のIDカード10の携帯を義務付け、管理者が被管理者の身分などを確認する際には、その被管理者にIDカード10の提示を求めて、IDカード10の表面に記録されているID情報(識別番号,氏名,所属)から、その者の身分などを確認すると共に、記録されている写真画像とその者とを見比べ、同一人であることを確認するようにする。
【0082】
C.IDカード読み取り装置:
しかしながら、写真画像のすり替えなど、IDカード10の改ざんが疑われる場合には、図15に示すようなIDカード読み取り装置によって、IDカード10に記録された写真画像18に埋め込まれているビット情報(ID情報)を読み取って、改ざんの有無を判断するようにする。
【0083】
図15は図1のIDカードからID情報を読み取ることが可能なIDカード読み取り装置の構成を示すブロック図である。
【0084】
図15に示すIDカード読み取り装置130も、IDカード作成装置30と同様に、コンピュータによって構成されており、CPU132と、ROM134と、RAM136と、入力装置138と、表示装置140と、通信装置142と、ハードディスク装置146と、バス148と、を備えている他、IDカードに記録されている写真画像やID情報を読み取るためのスキャナ144を備えている。なお、図15においても、各種のインターフェイス回路は省略されている。また、通信装置142も、通信回線を介してコンピュータネットワークに接続されている。
【0085】
一方、RAM136には、フィルタ処理部150と、離散コサイン変換(DCT)部152と、ビット情報探索部154と、ビット情報抽出部156の、各機能を実現するためのコンピュータプログラムが格納されている。このコンピュータプログラムを、CPU132が実行することによって、それら各部150〜156の機能が実現される
【0086】
このようなIDカード読み取り装置130は、IDカード10から、表面に記録されているID情報を読み取ると共に、写真画像を読み取り、その写真画像から電子透かしとして埋め込まれているID情報を抽出する。
【0087】
そこで、まず、IDカード10がスキャナ144に通されると、スキャナ144はIDカード10の表面をスキャンして、記録されている内容を読み取る。CPU132は、スキャナ144から読み取ったデータを受け取り、そのデータから写真画像の記録されている部分のデータ(すなわち、写真画像のデータ)と、ID情報の記録されている部分のデータと、をそれぞれ取り出す。
【0088】
このうち、写真画像のデータは、大きさM×N画素から成り、各画素の色がR(赤),G(緑),B(青)成分で表されるカラー画像データである。写真画像のすり替えなど、IDカード10の改ざんがなされていなければ、この写真画像には、真正なビット情報(ID情報)が電子透かしとして埋め込まれているはずである。具体的には、写真画像、すなわち、埋め込み画像としては、図13に示したのと同様の画像が取り出されることになる。
【0089】
次に、CPU132は、取り出した写真画像(すなわち、埋め込み画像)のデータから、電子透かしとして埋め込まれているビット情報を抽出する。
【0090】
図16はこのようなIDカード読み取り装置130が実行する電子透かし抽出処理の手順を示す説明図である。
【0091】
まず、フィルタ処理部150は、埋め込み画像にフィルタ処理を施す(ステップS202)。具体的には、埋め込み画像から、図6に示したビット情報配置領域よりも低い周波成分を除去するようなフィルタ処理を行う。
【0092】
図17はフィルタ処理の施された後の埋め込み画像の一例を示す説明図である。上記のようなフィルタ処理を施すことによって、図17に示すように、比較的レベルの高い周波数成分(すなわち、DC成分やその近傍の低周波成分)を取り除いた画像が得られる。
【0093】
次に、DCT部152は、この埋め込み画像に対して、画像をブロックに分けることなく、画像全体に、離散コサイン変換(DCT)を施して、周波数領域にある像(変換画像)を得る(ステップS204)。
【0094】
図18はDCTによって得られた変換画像の一例を示す説明図である。図18に示すように、埋め込み画像にDCTを施すことによって、埋め込まれていたビット情報を含んだ変換画像を得ることができる。
【0095】
次に、ビット情報探索部154は、変換画像からマーカを検出し、検出したマーカの状態に基づいて埋め込み画像に対する幾何学的変化を検知する。そして、変換画像に対して、その検知した幾何学的変化をキャンセルするような補正を施した上で、ビット情報の位置を探索する(ステップS206)。
【0096】
本実施例においては、上述したとおり、ビット情報の埋め込まれた埋め込み画像をプリンタ44で印刷してIDカード10を作成し、また、そのようなIDカード10から埋め込み画像をスキャナ144で読み取って、埋め込み画像(写真画像)のデータを取得している。このような、プリンタによる印刷処理やスキャナによる読み取り処理がなされると、最終的に得られる埋め込み画像のデータには、何らかの幾何学的変化が加えられることになる。埋め込み画像にこのような幾何学的変化が加えられると、ビット情報の存在する位置も当初の位置から変わっているため、ビット情報を見つけることが困難となる。
【0097】
そこで、本実施例では、上述したとおり、付加したマーカを検出することによって、埋め込み画像に加えられた幾何学的変化を検知するようにしている。
【0098】
図19,図21,図23はそれぞれ幾何学的変化が加えられた埋め込み画像の一例を示す説明図であり、図20,図22,図24はそれぞれ図19,図21,図23の埋め込み画像から得られる変換画像の一例を示す説明図である。
【0099】
図19に示す例では、画像を120%拡大するという幾何学的変化が加えられており、この場合、マーカは図20に示すように移動している。
【0100】
すなわち、画像を拡大,縮小した場合、拡大時にはマーカは左上に移動し、縮小時には右下に移動する。その際、左上の点からマーカまでの距離をr2’とし、元の距離をr2とすると、拡大率αは、α=r2/r2’となる。従って、この拡大率αを用いて、加えられた幾何学的変化をキャンセルすることは可能となる。
【0101】
図21に示す例では、画像を横方向(u方向)に120%拡大して、アスペクト比を変えるという幾何学的変化が加えられており、この場合、マーカは図22に示すように移動している。
【0102】
すなわち、画像のアスペクト比を変えた場合、すなわち、例えば、上記のごとく、横方向にのみ拡大した場合、マーカは左方向に移動する。その際、v軸からの距離(すなわち、u方向の座標位置)をr2u’とし、元の距離をr2uとすると、横方向の拡大率αuは、αu=r2u/r2u’となる。この拡大率αuを用いて、加えられた幾何学的変化をキャンセルすることは可能となる。
【0103】
図23に示す例では、画像を右回り30度回転させるという幾何学的変化が加えられており、この場合、マーカは同心円上に2つ現れる。その際、左上の点と2つのマーカとで作られる角度をθ度として、画像をθ/2度または(90−θ/2)度、逆回りに回転させると、加えられた幾何学的変化がキャンセルされ、正しいビット情報の位置を得ることができる。
【0104】
以上のようにして、ビット情報の位置を探索したら、次に、ビット情報抽出部156は、その探索結果に基づいて、図形化されたビット情報を変換画像から抽出し、数値化する(ステップS208)。
【0105】
こうして、図16に示した電子透かし抽出処理によって、埋め込み画像のデータからビット情報を抽出したら、CPU132は、その数値化したビット情報から識別番号を取得する。次に、CPU132は、先に取り出したID情報の記録されている部分のデータを、文字データに変換して、その文字データから、ID情報の1つとして記録されていた識別番号を検出する。そして、CPU132は、得られた2つの識別番号を比較して、両者が一致している場合には、写真画像のすり替えなどのIDカード10の改ざんがなされていないと判断し、一致していない場合には、改ざんがなされていると判断する。一方、図16に示した電子透かし抽出処理によって、埋め込み画像のデータからビット情報が抽出されなかった場合にも、CPU132は、写真画像のすり替えなどのIDカード10の改ざんがなされていると判断する。
【0106】
こうして、図15に示すIDカード読み取り装置によって、IDカード10の改ざんの有無を判断することができる。
【0107】
D.実施例の効果:
以上説明したように、本実施例によれば、写真画像のすり替えなどのIDカード10の改ざんがなされた場合でも、そのことを容易に検知することが可能となり、他人へのなりすまし行為を簡単に見破ることができる。
【0108】
また、本実施例においては、ビット情報(ID情報)を電子透かしとして埋め込む際、ビット情報を含む透かし画像の方にIDCTを施し、写真画像の方にはDCTもしくはIDCTを施していない。透かし画像の方は、写真画像に比較して、単純な画像であり、情報量も極めて少ないので、IDCTの処理を行う際の処理時間が短くて済む。
【0109】
また、一般に、DCTによって得られる周波数成分において、高周波成分は、低周波成分や中周波成分に比較してレベルが低いため、ステップS102において透かし画像を生成する際に、ビット情報を、例えば高周波成分に相当する領域に配置すると、最終的に得られる埋め込み画像において、埋め込まれたビット情報により画質劣化を招いてしまう恐れがある。また、画質に影響を与えないように、高周波成分に相当する領域にビット情報を配置するには、配置する位置が限られてしまう。また、このため、ビット情報はまばらに配置されることになるため、埋め込み画像から埋め込まれたビット情報を抽出する際に、その抽出が困難となる。これに対し、本実施例においては、ビット情報を、高周波成分に相当する領域ではなく、低周波成分または中周波成分に相当する領域(すなわち、図6のビット情報配置領域)に配置しているため、上記のような画質劣化を招く恐れが少ない。
【0110】
図25はビット情報配置領域を本実施例の場合と比較例の場合とを比較して示した説明図である。また、本実施例においては、上述したとおり、ビット情報配置領域を、図25に示すように、左上の点(すなわち、DC成分に相当)を中心とした円弧に沿って延びる領域としている。一方、比較例として、例えば、ビット情報配置領域を、右上から左下に至る直線に沿って延びる領域とすることが考えられる。しかし、このような比較例の場合、各ビット情報は、周波数が異なるような位置に配置されることになる。しかも、比較例のビット情報配置領域において、一点鎖線Aで囲まれた部分は、他の部分より高周波成分側の領域に相当するため、その部分にビット情報を配置すると、画質劣化を招きやすくなる。また、画質に影響を与えないように、その部分にビット情報を配置するようにすると、配置する位置が限定されるため、その分、比較例のビット情報配置領域には、多くのビット情報を配置することができないという問題がある。これに対し、本実施例のビット情報配置領域では、上述したような領域としているため、ビット情報は、ほぼ同一の周波数帯に相当する領域に配置されることになる。従って、一点鎖線Aで囲まれたような高周波成分側に相当するような領域もないため、画質劣化を招く恐れも少ない。また、ビット情報を配置する位置も限定されないため、多くのビット情報を配置することが可能となる。
【0111】
本実施例においては、ステップS104において透かし画像内における所定の位置にマーカを付与するようにしているので、埋め込み画像に幾何学的変形が加えられた場合に、どのような変形が加えられたかを容易に検知することが可能となり、延いては、ビット情報の位置を容易に探索することが可能となる。
【0112】
本実施例においては、ステップS106において乱数系列を用いて透かし画像の全ての画素について明るさ方向の調整を行うようにしているので、最終的に得られる埋め込み画像において、ビット情報やマーカの存在により特定周波数のレベルが大幅に変化して画質劣化を招いてしまうのを、抑制することができる。
【0113】
図26は乱数系列を用いた明るさ方向の調整を行わなかった場合の埋め込み画像を示す説明図である。図26に示す埋め込み画像と、乱数系列を用いた明るさ方向の調整を行った埋め込み画像、すなわち、図14に示す埋め込み画像と、を比較すれば明らかなように、乱数系列を用いた明るさ方向の調整を行わなかった場合には、画像全体に埋め込みの影響による模様が現れ、画質が劣化することがわかる。
【0114】
本実施例においては、ステップS112において透かし画像にIDCTを施す場合に、2画素を単位として計算を行う変換アルゴリズムを用いている。そのため、透かし画像の大きさが予め設定された大きさ2×2画素に満たない場合に、ステップS108において足りない分の画素を仮想的に追加して、大きさ2×2画素の正方形の画像とすることによって、IDCTにおける計算を容易に行うことができる。
【0115】
なお、上述したとおり、IDCTの計算を変換アルゴリズムは2画素を単位として行っているので、透かし画像を、例えば、大きさ2×2画素(但し、m,nは2以上の整数、m≠n)の長方形の画像としても、IDCTにおける計算を或る程度容易に行うことができるが、上記のように、2×2画素の正方形の画像とすることによって、IDCTにおける計算をさらに容易に行うことができるようになる。
【0116】
また、本実施例において、ステップS110で、透かし画像だけでなく、写真画像についても、予め設定された大きさとなるように、足りない分の画素を仮想的に追加するようにしているのは、ステップS114において写真画像に透かし画像の変換画像を加算する際に、写真画像と変換画像とが同じ大きさである方が好ましいからである。
【0117】
また、本実施例において、透かし画像にIDCTを施す際、画像をブロックに分けることなく、画像全体にIDCTを施すようにしているため、従来において、埋め込まれた電子透かしを抽出する際に必要とされていたブロックなどの位置や形状の補正が不要となる。従って、プリンタによる印刷処理やスキャナによる読み取り処理に起因して埋め込み画像に幾何学的変化が加えらても、本実施例では、その変形によるブロックなどの位置や形状のずれを補正するための高度なマッチング処理が必要ないため、ビット情報の抽出を容易に行うことができる。
【0118】
また、透かし画像にIDCTを施す際、画像をブロックに分けることなく、画像全体にIDCTを施すようにしているため、ブロックに分けた場合に比較して、ビット情報を画像全体に均一に分散させることができる。
【0119】
また、本実施例では、ステップS116において仮想的に追加した画素を除去するようにしているので、最終的に得られる埋め込み画像に不要な画素が残らない。なお、埋め込んだビット情報は、前述したとおり、IDCTを施したことにより、画像全体に分散されるため、このように一部の画素を除去しても、埋め込まれたビット情報が失われることはない。
【0120】
また、本実施例では、埋め込み画像からビット情報を抽出するのに先立って、ステップS202においてフィルタ処理を施して、比較的レベルの高い周波数成分(すなわち、DC成分やその近傍の低周波成分)を取り除いているので、ビット情報を抽出する際に、容易に抽出することが可能となる。
【0121】
E.変形例:
なお、本発明は上記した実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様にて実施することが可能である。
【0122】
上記した実施例では、ステップS112において、IDCT部58により透かし画像に対してIDCTを施し、また、ステップS204において、DCT部152により埋め込み画像に対してDCTを施していたが、本発明は、これらに限定されるものではなく、例えば、IDCT部の代わりに、逆離散フーリエ変換(IDFT)部を設け、これにより透かし画像にIDFTを施し、また、DCT部の代わりに、離散フーリエ変換(DFT)部を設け、これにより埋め込み画像にDFTを施すようにしてもよい。
【0123】
上記した実施例では、IDカードに記録される写真画像として、そのカードを所有する人の顔写真を用いるようにしたが、全体写真を用いるようにしてもよいし、指紋やアイリスなどの写真を用いるようにしてもよい。
【0124】
上記した実施例では、写真画像に電子透かしとして埋め込まれるID情報として、識別番号を埋め込むようにしたが、氏名や所属などを埋め込むようにしてもよい。また、IDカードの表面に記録されるID情報または写真画像に電子透かしとして埋め込まれるID情報として、そのカードを所有する人の指紋やアイリスなどのバイオメトリック情報や、写真画像(顔写真など)の一部分のデータに基づいて得られるハッシュ値などを用いるようにしてもよい。
【0125】
上記した実施例では、ID情報を含んだ透かし画像を生成する際に、ID情報をビット情報に変換し、そのビット情報をブロックに図形化して配置していたが、ID情報を文字のまま図形化して配置するようにしてもよい。また、ID情報をロゴマークなどに図形化して配置するようにしても良い。
【0126】
上記した実施例では、ID情報をIDカードの表面に印刷により記録していたが、代わりにまたは併用して、ID情報の一部または全部をIDカードに磁気または光記録によって記録するようにしてもよい。または、カードにICを搭載して、そのIC内に記録するようにしてもよい。
【0127】
上記した実施例では、IDカードを作成する際、図2に示すIDカード作成装置30は、IDカードに記録すべき写真画像やID情報をハードディスク装置46に格納しておき、これらを用いるようにしていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、これら写真画像及びID情報の一部または全部をコンピュータネットワーク上のサーバに格納しておき、IDカードを作成する際には、IDカード作成装置30が通信装置42によってそのサーバにアクセスし、それら写真画像やID情報を用いて、IDカードに記録するようにしてもよい。
【0128】
上記した実施例では、IDカードの改ざんの有無を判断する際、IDカードの写真画像に電子透かしとして埋め込まれていたID情報(具体的には識別番号)と、IDカードの表面に記録されていたID情報と、を比較して判断していたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、ID情報を図15に示したIDカード読み取り装置130のハードディスク装置146にデータベース化して格納しておき、IDカードの写真画像に埋め込まれていたID情報(例えば、識別番号)に基づいて、ハードディスク装置146から、対応するID情報を読み出し、それを表示装置140に表示させ、その表示された情報を基に、管理者に、IDカード所有者の確認を行わせるようにしてもよい。また、ハードディスク装置146内に、ID情報にリンクさせて写真画像を格納しておき、IDカードの写真画像に埋め込まれていたID情報(例えば、識別番号)に基づいて、ハードディスク装置146から、そのID情報にリンクされている写真画像を読み出し、それを表示装置140に表示させ、その表示された写真画像と、IDカードの写真画像と、IDカード所有者本人と、を見比べて、判断するようにしてもよい。また、ID情報や写真画像をコンピュータネットワーク上のサーバに格納しておき、判断する際には、IDカード読み取り装置130が通信装置142によってそのサーバにアクセスし、写真画像に埋め込まれていたID情報(例えば、識別番号)に基づいて、サーバからID情報や写真画像を読み出し、上記の場合と同様に判断するようにしてもよい。
【0129】
なお、このように、IDカードの写真画像に埋め込まれていたID情報に基づいて、IDカード読み取り装置130やコンピュータネットワーク上のサーバから、ID情報や写真画像を読み出す方法の場合、IDカードには、少なくとも、ID情報(例えば、識別番号)の埋め込まれている写真画像が記録されていればよく、必ずしも、それ以外の情報は記録されている必要はない。すなわち、そのような場合、IDカードは、ID情報の埋め込まれている写真画像のみが記録されているカードであってよい。
【0130】
また、上記した実施例では、前述したとおり、ステップS112において透かし画像にIDCTを施す場合に、2画素を単位として計算を行う変換アルゴリズムを用いているが、その変換アルゴリズムに代えて、2画素を単位として計算を行なわないような変換アルゴリズムを用いる場合には、ステップS108,ステップS110の仮想的画素追加処理や、ステップS116の仮想的画素除去処理は不要となる。
【0131】
また、ステップS112において、2画素を単位として計算を行う変換アルゴリズムを用いる場合でも、ステップS102において、透かし画像を生成する際に、当初から、大きさ2×2画素の正方形の画像として生成する場合には、ステップS108の仮想的画素追加処理は不要となる。
【0132】
また、透かし画像について、ステップS110でIDCTを施した後に、得られた変換画像から、仮想的に追加した画素を除去するようにしてもよい。この場合、ステップS114において写真画像に透かし画像の変換画像を加算する際に、写真画像と変換画像とが同じ大きさとなるので、写真画像について、ステップS112の仮想的画素追加処理は不要となる。また、ステップS116の仮想的画素除去処理も不要となる。
【0133】
また、上記した実施例では、ステップS202において、フィルタ処理として、埋め込み画像から、ビット情報配置領域よりも低い周波成分を除去するような処理を行っていたが、ビット情報配置領域よりも低い周波数成分の他、ビット情報配置領域よりも高い周波数成分も除去するような処理を行うようにしてもよい。
【0134】
上記した実施例では、周波数領域からの逆変換や周波数領域への変換として、DCTやDFTを用いたが、ウェーブレット変換や変形離散コサイン変換(MDCT:modified DCT)などの他の種類の直交変換を採用することも可能である。
【0135】
上記した実施例では、埋め込み画像を得るために、写真画像に透かし画像を加算(減算を含む)していたが、乗算、除算、その他種々の演算を施すことにより、埋め込み画像を得るようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例としてのIDカードを示す平面図である。
【図2】図1のIDカードを作成することが可能なIDカード作成装置の構成を示すブロック図である。
【図3】写真画像の一例を示す説明図である。
【図4】図2のIDカード作成装置30が実行する電子透かし埋め込み処理の手順を示す説明図である。
【図5】DCTによって一般的に得られる周波数成分を示す説明図である。
【図6】各ビット情報の配置される領域と後述の如く付与されるマーカの位置とを示す説明図である。
【図7】ビット情報を含んだ透かし画像の一例を示す説明図である。
【図8】マーカを付与した後の透かし画像の一例を示す説明図である。
【図9】乱数系列で明るさ方向の調整を行った後の透かし画像の一例を示す説明図である。
【図10】仮想的に画素が追加された後の透かし画像の一例を示す説明図である。
【図11】仮想的に画素が追加された後の写真画像の一例を示す説明図である。
【図12】IDCTによって得られた変換画像の一例を示す説明図である。
【図13】埋め込み画像の一例を示す説明図である。
【図14】仮想的に追加した画素を取り除いた後の埋め込み画像の一例を示す説明図である。
【図15】図1のIDカードからID情報を読み取ることが可能なIDカード読み取り装置の構成を示すブロック図である。
【図16】図15のIDカード読み取り装置130が実行する電子透かし抽出処理の手順を示す説明図である。
【図17】フィルタ処理の施された後の埋め込み画像の一例を示す説明図である。
【図18】DCTによって得られた変換画像の一例を示す説明図である。
【図19】幾何学的変化が加えられた埋め込み画像の一例を示す説明図である。
【図20】図19の埋め込み画像から得られる変換画像の一例を示す説明図である。
【図21】幾何学的変化が加えられた埋め込み画像の一例を示す説明図である。
【図22】図21の埋め込み画像から得られる変換画像の一例を示す説明図である。
【図23】幾何学的変化が加えられた埋め込み画像の一例を示す説明図である。
【図24】図22の埋め込み画像から得られる変換画像の一例を示す説明図である。
【図25】ビット情報配置領域を本実施例の場合と比較例の場合とを比較して示した説明図である。
【図26】乱数系列を用いた明るさ方向の調整を行わなかった場合の埋め込み画像を示す説明図である。
【符号の説明】
10…IDカード
12…識別番号
14…氏名
16…所属
18…写真画像
30…IDカード作成装置
32…CPU
34…ROM
36…RAM
38…入力装置
40…表示装置
42…通信装置
44…プリンタ
46…ハードディスク装置
48…バス
50…透かし画像生成部
52…マーカ付与部
54…乗算部
56…仮想画素追加部
58…IDCT部
60…加算部
62…仮想画素除去部
70…ID情報
72…写真画像
130…IDカード読み取り装置
132…CPU
134…ROM
136…RAM
138…入力装置
140…表示装置
142…通信装置
144…スキャナ
146…ハードディスク装置
148…バス
150…フィルタ処理部
152…DCT部
154…ビット情報探索部
156…ビット情報抽出部

Claims (17)

  1. 人を特定するための第1のID情報を含んだ透かし画像を周波数領域にある像と仮定して、前記透かし画像に対して、画像全体に周波数領域からの逆変換を施し、得られた変換画像を前記人の一部または全部を写した写真画像に加算して、前記ID情報を電子透かしとして埋め込み、得られた埋め込み画像を印刷により記録して成ることを特徴とするIDカード。
  2. 請求項1に記載のIDカードにおいて、
    前記人を特定するための第2のID情報をさらに記録して成ることを特徴とするIDカード。
  3. IDカードを作成するためのIDカード作成装置であって、人を特定するためのID情報を含んだ透かし画像を周波数領域にある像と仮定して、前記透かし画像に対して、画像全体に周波数領域からの逆変換を施して、変換画像を得る逆変換部と、
    前記変換画像を前記人の一部または全部を写した写真画像に加算して、前記ID情報を電子透かしとして埋め込んだ埋め込み画像を得る加算部と、
    前記埋め込み画像を所定のカードに印刷により記録して、前記IDカードを作成する記録部と、
    を備えるIDカード装置。
  4. IDカードに記録されている情報を読み取るIDカード読み取り装置であって、
    前記IDカードに記録された画像であって、人の一部または全部を写した写真画像に人を特定するためのID情報を電子透かしとして埋め込んで成る埋め込み画像を読み取る読み取り部と、
    前記埋め込み画像に対して、画像全体に周波数領域への変換を施して、変換画像を得る変換部と、
    前記変換画像から前記ID情報を抽出する抽出部と、
    を備えるIDカード読み取り装置。
  5. IDカードを作成するためのIDカード作成方法であって、(a)人を特定するためのID情報及び前記人の一部または全部を写した写真画像を用意する工程と、
    (b)前記ID情報を図形化して所望の位置に配置して成る透かし画像を生成する工程と、
    (c)前記透かし画像を周波数領域にある像と仮定して、前記透かし画像に対して、画像全体に周波数領域からの逆変換を施して、変換画像を得る工程と、
    (d)前記変換画像を前記写真画像に加算して、前記ID情報を電子透かしとして埋め込んだ埋め込み画像を得る工程と、
    (e)前記埋め込み画像を所定のカードに印刷により記録して、前記IDカードを作成する工程と、
    を備えるIDカード作成方法。
  6. 請求項5に記載のIDカード作成方法において、
    前記工程(b)では、図形化した前記ID情報を、前記透かし画像を周波数領域にある像と仮定した場合において、低周波成分または中周波成分に相当する領域であって、直流成分に相当する点を中心とした2つの円弧に挟まれた領域に配置することを特徴とするIDカード作成方法。
  7. 請求項5に記載のIDカード作成方法において、
    前記工程(b)は、生成される前記透かし画像内における所定の位置にマーカを付与する工程を含むことを特徴とするIDカード作成方法。
  8. 請求項5に記載のIDカード作成方法において、
    前記工程(b)は、予め用意された乱数系列の値を、前記透かし画像の各画素の値に順次乗算して、前記透かし画像に対して明るさ方向の調整を行う工程を含むことを特徴とするIDカード作成方法。
  9. 請求項5に記載のIDカード作成方法において、
    前記工程(b)は、作成される前記透かし画像の大きさが予め設定された大きさとなるように、足りない分の画素を仮想的に追加する工程を含むことを特徴とするIDカード作成方法。
  10. 請求項5に記載のIDカード作成方法において、
    前記工程(c)では、前記逆変換として、逆離散コサイン変換または逆離散フーリエ変換を用いることを特徴とするIDカード作成方法。
  11. IDカードに記録されている情報を読み取るためのIDカード読み取り方法であって、
    (a)人の一部または全部を写した写真画像に人を特定するためのID情報を電子透かしとして埋め込んで成る埋め込み画像の記録された前記IDカードを用意する工程と、
    (b)前記IDカードから前記埋め込み画像を読み取る工程と、
    (c)前記埋め込み画像に対して、画像全体に周波数領域への変換を施して、変換画像を得る工程と、
    (d)前記変換画像から前記ID情報を抽出する工程と、
    を備えるIDカード読み取り方法。
  12. 請求項11に記載のIDカード読み取り方法において、
    前記工程(b)は、前記埋め込み画像にフィルタ処理を施す工程を含むことを特徴とするIDカード読み取り方法。
  13. 請求項11に記載のIDカード読み取り方法において、
    前記工程(d)は、前記変換画像からマーカを検出し、検出したマーカの状態に基づいて埋め込み画像に対する幾何学的変化を検知し、該幾何学的変化をキャンセルするような補正を施した上で、前記ID情報の位置を探索する工程を含むことを特徴とするIDカード読み取り方法。
  14. 請求項11に記載のIDカード読み取り方法において、
    前記工程(c)では、前記変換として、離散コサイン変換または離散フーリエ変換を用いることを特徴とするIDカード読み取り方法。
  15. IDカードを作成するためのコンピュータプログラムであって、
    人を特定するためのID情報を図形化して所望の位置に配置して成る透かし画像を生成する機能と、
    前記透かし画像を周波数領域にある像と仮定して、前記透かし画像に対して、画像全体に周波数領域からの逆変換を施して、変換画像を得る機能と、
    前記人の一部または全部を写した写真画像に前記変換画像を加算して、前記IDカードに記録される埋め込み画像を得る機能と、
    をコンピュータに実現させるためのコンピュータプログラム。
  16. IDカードに記録されている情報を読み取るためのコンピュータプログラムであって、
    前記IDカードから読み取られた、人を特定するためのID情報が埋め込まれている埋め込み画像に対して、画像全体に周波数領域への変換を施して、変換画像を得る機能と、
    前記変換画像から前記ID情報を抽出する機能と、
    をコンピュータに実現させるためのコンピュータプログラム。
  17. 請求項15または請求項16に記載のコンピュータプログラムを記録したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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