JP2002064700A - 電子透かし合成方法、電子透かし検出方法、およびそれらの装置、ならびに印刷物 - Google Patents

電子透かし合成方法、電子透かし検出方法、およびそれらの装置、ならびに印刷物

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JP2002064700A
JP2002064700A JP2000248867A JP2000248867A JP2002064700A JP 2002064700 A JP2002064700 A JP 2002064700A JP 2000248867 A JP2000248867 A JP 2000248867A JP 2000248867 A JP2000248867 A JP 2000248867A JP 2002064700 A JP2002064700 A JP 2002064700A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コントラスト変換や印刷に対してもロバスト
な電子透かしの方法および装置を提供する。 【解決手段】 透かし情報120を擬似乱数系列を用い
てスペクトル拡散(220)することにより拡散された
透かし情報121を得る。また、原画像データ100を
フーリエ変換(210)することにより得られる振幅情
報111と拡散された透かし情報121とを合成(22
5)し、さらに逆フーリエ変換により透かし情報を合成
した画像データを得る。原画像データ100をウェーブ
レット変換(242)することによりサブバンド画像に
分解し、部分画像データを得る。この部分画像データの
高周波エネルギーデータを算出(244)する。そし
て、原画像データ100と透かし情報を合成した画像デ
ータとエネルギーデータを合成して、透かし埋め込み済
み画像データ(150)を算出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、データに処理を
施すことにより情報を埋め込む電子透かしに関する。特
に、画像データに情報を埋め込む電子透かしに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、情報の不正コピーの発見等を目的
として、電子透かしが用いられている。この電子透かし
は、デジタル電子情報に、表面的には知覚できない形で
情報を埋め込んでおき、埋め込まれた情報を検出するこ
とにより、そのようなデジタル電子情報の不正コピーを
発見できるようにした技術である。ここで、対象となる
デジタル電子情報の典型例は、静止画像データや動画像
データやオーディオデータなどであり、これらのデータ
の権利関係者固有の情報を電子透かしとして埋め込み、
これら権利関係者の保護を図ることが行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術では、埋め込まれた透かし情報を検出できるの
は、デジタルデータとしてコピーされた情報からだけで
あった。例えば、デジタル画像データに電子透かし情報
が埋め込まれていても、その画像データをプリンタを用
いて印刷してしまうと、その印刷物から埋め込まれた透
かし情報を復元することは不可能であった。これは、プ
リンタを用いて印刷する際に、またスキャナを用いて印
刷物を再度デジタルデータ化する際に、情報が失われた
り、画像のコントラストが変化したりしてしまうことが
理由である。
【0004】例えば、画像データの窃用は、必ずしもデ
ジタルデータのまま行われるとは限らず、画像データを
基に印刷物が作成され、そのような印刷物が不正に流通
する場合も考えられる。
【0005】この発明は、上記のような事情に鑑みてな
されたものであり、コントラスト変換や印刷(より一般
的にはD/A(デジタル/アナログ)変換)に対しても
ロバストな電子透かし方法および装置を提供することを
目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、請求項1に記載の発明は、デジタルデータ内の、
予め定められた中間周波数帯域のみに透かし情報を埋め
込むことを特徴とする電子透かし合成方法を要旨とす
る。ここで、デジタルデータとは、特に、空間や時間の
方向の広がりを持つ情報を表わすデータであり、例え
ば、静止画像データや動画像データや音声データなどで
ある。
【0007】また、請求項2に記載の発明は、原画像デ
ータ内の、予め定められた中間周波数帯域のみに透かし
情報を埋め込むことにより透かし埋め込み済み画像デー
タを合成することを特徴とする電子透かし合成方法を要
旨とする。
【0008】また、請求項3に記載の発明は、透かし情
報をスペクトル拡散することにより、拡散された透かし
情報を生成するスペクトル拡散過程と、原画像データを
フーリエ変換することにより、振幅情報と位相情報を抽
出するフーリエ変換過程と、前記拡散された透かし情報
と前記振幅情報とを合成する第1合成過程と、前記第1
合成過程の出力と前記位相情報とを基に逆フーリエ変換
し、この逆フーリエ変換の結果と原画像データとの差分
である差分画像データを生成する差分画像生成過程と、
前記原画像データをウェーブレット変換することにより
画像のエネルギーマップデータを算出するエネルギーマ
ップデータ算出過程と、前記原画像データと前記差分画
像データと前記エネルギーマップデータを基に透かし埋
め込み済み画像データを合成する第2合成過程とから成
ることを特徴とする電子透かし合成方法を要旨とする。
【0009】また、請求項4に記載の発明は、入力され
た画像データを複数のブロック画像に分割し、この各々
のブロック画像を前記原画像データとすることを特徴と
するものである。
【0010】さらに、請求項5に記載の発明は、前記透
かし埋め込み済み画像データを基に印刷を行い、印刷物
を作成する印刷過程を有することを特徴とするものであ
る。
【0011】また、請求項6に記載の発明は、デジタル
データと透かし情報とを入力し、前記デジタルデータ内
の予め定められた中間周波数帯域のみに前記透かし情報
を埋め込むことを特徴とする電子透かし合成装置を要旨
とする。
【0012】また、請求項7に記載の発明は、原画像デ
ータと透かし情報とを入力し、前記原画像データ内の予
め定められた中間周波数帯域のみに前記透かし情報を埋
め込むことにより透かし埋め込み済み画像データを合成
することを特徴とする電子透かし合成装置を要旨とす
る。
【0013】また、請求項8に記載の発明は、透かし情
報をスペクトル拡散することにより、拡散された透かし
情報を生成するスペクトル拡散部と、原画像データをフ
ーリエ変換することにより、振幅情報と位相情報を抽出
するフーリエ変換部と、前記拡散された透かし情報と前
記振幅情報とを合成する第1合成部と、前記第1合成部
の出力と前記位相情報とを基に逆フーリエ変換し、この
逆フーリエ変換の結果と原画像データとの差分である差
分画像データを生成する差分画像生成部と、前記原画像
データをウェーブレット変換することにより画像のエネ
ルギーマップデータを算出するエネルギーマップデータ
算出部と、前記原画像データと前記差分画像データと前
記エネルギーマップデータを基に透かし埋め込み済み画
像データを合成する第2合成部とを具備することを特徴
とする電子透かし合成装置を要旨とする。
【0014】また、請求項9に記載の発明は、入力され
た画像データを複数のブロック画像に分割し、この各々
のブロック画像を前記原画像データとすることを特徴と
するものである。
【0015】さらに、請求項10に記載の発明は、前記
透かし埋め込み済み画像データを基に印刷を行い、印刷
物を作成する印刷部を有することを特徴とするものであ
る。
【0016】また、請求項11に記載の発明は、検出対
象データを読み込み、この検出対象データ内の予め定め
られた中間周波数帯域の成分を基に、拡散された透かし
情報を検出することを特徴とする透かし情報検出方法を
要旨とする。ここで、検出対象データとは、特に、空間
や時間の方向の広がりを持つ情報を表わすデータであ
り、例えば、静止画像データや動画像データや音声デー
タなどである。
【0017】また、請求項12に記載の発明は、検出対
象画像データを読み込み、この検出対象画像データ内の
予め定められた中間周波数帯域の成分を基に、拡散され
た透かし情報を検出することを特徴とする透かし情報検
出方法を要旨とする。
【0018】また、請求項13に記載の発明は、検出対
象画像データをフーリエ変換し、予め定められた中間周
波数帯域の振幅情報を抽出するフーリエ変換過程と、前
記振幅情報を基に、所定の情報シンボル値検出用系列を
用いてシンボルレスポンス値を求め、このシンボルレス
ポンス値を基に透かし情報を検出する検出過程とから成
ることを特徴とする透かし情報検出方法を要旨とする。
【0019】また、請求項14に記載の発明は、前記検
出過程において、前記シンボルレスポンス値Zl (0≦
l≦L−1)が最大値を取るときのlを元の透かし情報
のシンボル値とすることを特徴とするものである。ここ
で、Lは2以上の整数であり、検出すべき透かしを合成
する際に、元の透かし情報が基数変換により符号化され
たときの基数である。
【0020】さらに、請求項15に記載の発明は、印刷
媒体に印刷された画像を読み込んでデジタル化すること
により前記検出対象データとする画像デジタル化過程を
有することを特徴とするものである。
【0021】また、請求項16に記載の発明は、検出対
象データを読み込み、この検出対象データ内の予め定め
られた中間周波数帯域の成分を基に、拡散された透かし
情報を検出することを特徴とする透かし情報検出装置を
要旨とする。
【0022】また、請求項17に記載の発明は、検出対
象画像データを読み込み、この検出対象画像データ内の
予め定められた中間周波数帯域の成分を基に、拡散され
た透かし情報を検出することを特徴とする透かし情報検
出装置を要旨とする。
【0023】また、請求項18に記載の発明は、検出対
象画像データをフーリエ変換し、予め定められた中間周
波数帯域の振幅情報を抽出するフーリエ変換部と、前記
振幅情報を基に、所定の情報シンボル値検出用系列を用
いてシンボルレスポンス値を求め、このシンボルレスポ
ンス値を基に透かし情報を検出する検出部とを具備する
ことを特徴とする透かし情報検出装置を要旨とする。
【0024】また、請求項19に記載の発明において
は、前記検出部は、前記シンボルレスポンス値Zl (0
≦l≦L−1)が最大値を取るときのlを元の透かし情
報のシンボル値とすることを特徴とするものである。
【0025】さらに、請求項20に記載の発明において
は、印刷媒体に印刷された画像を読み込んでデジタル化
することにより前記検出対象データとする画像デジタル
化部を具備することを特徴とするものである。
【0026】また、請求項21に記載の発明は、原画像
データ内の、予め定められた中間周波数帯域のみに透か
し情報を埋め込むことにより透かし埋め込み済み画像デ
ータを合成する合成過程と、前記透かし埋め込み済み画
像データを基に印刷を行う印刷過程とから成ることを特
徴とする印刷物製造方法を要旨とする。
【0027】また、請求項22に記載の発明は、透かし
情報をスペクトル拡散することにより、拡散された透か
し情報を生成するスペクトル拡散過程と、原画像データ
をフーリエ変換することにより、振幅情報と位相情報を
抽出するフーリエ変換過程と、前記拡散された透かし情
報と前記振幅情報とを合成する第1合成過程と、前記第
1合成過程の出力と前記位相情報とを基に逆フーリエ変
換し、この逆フーリエ変換の結果と原画像データとの差
分である差分画像データを生成する差分画像生成過程
と、前記原画像データをウェーブレット変換することに
より画像のエネルギーマップデータを算出するエネルギ
ーマップデータ算出過程と、前記原画像データと前記差
分画像データと前記エネルギーマップデータを基に透か
し埋め込み済み画像データを合成する第2合成過程と、
前記透かし埋め込み済み画像データを基に印刷を行う印
刷過程とから成ることを特徴とする印刷物製造方法を要
旨とする。
【0028】また、請求項23に記載の発明は、画像デ
ータを基に作成された印刷物において、前記画像の予め
定められた中間周波数帯域のみに透かし情報が埋め込ま
れたことを特徴とする印刷物を要旨とする。
【0029】また、請求項24に記載の発明は、透かし
情報をスペクトル拡散することにより、拡散された透か
し情報を生成するスペクトル拡散過程と、原画像データ
をフーリエ変換することにより、振幅情報と位相情報を
抽出するフーリエ変換過程と、前記拡散された透かし情
報と前記振幅情報とを合成する第1合成過程と、前記第
1合成過程の出力と前記位相情報とを基に逆フーリエ変
換し、この逆フーリエ変換の結果と原画像データとの差
分である差分画像データを生成する差分画像生成過程
と、前記原画像データをウェーブレット変換することに
より画像のエネルギーマップデータを算出するエネルギ
ーマップデータ算出過程と、前記原画像データと前記差
分画像データと前記エネルギーマップデータを基に透か
し埋め込み済み画像データを合成する第2合成過程との
処理をコンピュータに実行させるプログラムを記録した
コンピュータ読み取り可能な記録媒体を要旨とする。
【0030】また、請求項25に記載の発明は、検出対
象画像データをフーリエ変換し、予め定められた中間周
波数帯域の振幅情報を抽出するフーリエ変換過程と、前
記振幅情報を基に、所定の情報シンボル値検出用系列を
用いてシンボルレスポンス値を求め、このシンボルレス
ポンス値を基に透かし情報を検出する検出過程との処理
をコンピュータに実行させるプログラムを記録したコン
ピュータ読み取り可能な記録媒体を要旨とする。
【0031】また、請求項26に記載の発明は、前記検
出過程において、前記シンボルレスポンス値Zl (0≦
l≦L−1)が最大値を取るときのlを元の透かし情報
のシンボル値とする処理をコンピュータに実行させるプ
ログラムを記録したことを特徴とするものである。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら、この
発明の一実施形態について説明する。この実施形態によ
る電子透かしは、より高いロバスト性を得ることを目的
として、スペクトル拡散とウェーブレット変換を利用す
る。
【0033】(透かし情報のスペクトル拡散の方法)ま
ず、透かし情報のスペクトル拡散について説明する。第
1に、鍵情報を用いてバイナリデータである透かし情報
Bを符号化する。鍵key1を初期値とする疑似乱数系
列mn 、および予め定められている実数パラメータαを
用いて、長さNの拡散系列xn を以下のようにして算出
する。
【0034】
【数1】
【0035】なお、ここで生成して用いる乱数系列は、
暗号学的に安全性の高いものを利用することが好まし
い。この疑似乱数系列の生成には、例えば、Gold
Code,Kasami Code,M−sequen
ce,Perfect mapなどを利用する。
【0036】次に、透かし情報BをL進数(L≧2)に
基数変換し、変換後の各桁の値(以下、これを「シンボ
ル値」と言う)をSk(0≦k<K)とする。そして、
k=0,1,・・・,K−1について、次の数式により
表わされる処理を実行する。
【0037】
【数2】
【0038】図1は、上記処理による透かし情報のスペ
クトル拡散の概要を表わす参考図である。図1では、拡
散系列xn がグラフとして示されており、Sk およびS
k+1は、透かし情報BをL進数に基数変換したときのシ
ンボル値である。つまり、数式(1)に表わした拡散系
列xn を基に、数式(2)で表わしたようにシンボル値
Sk (0≦k<K)に応じた乱数系列を加えることによ
って、拡散された透かし情報を算出する。また、図2
は、上記処理によって求められたxn 、つまり拡散され
た透かし情報の例を示すグラフである。図2に例示する
拡散系列には、64ビットの透かし情報が含まれてい
る。
【0039】(拡散された透かし情報の検出方法)次
に、上記手順により生成された拡散系列から、透かし情
報を取り出す方法について説明する。まず、鍵情報ke
y1を基に疑似乱数系列mn を求める。また、得られた
拡散された透かし情報をyn とする。そして、上記擬似
乱数系列を用いて、次の数式により、長さNのシンボル
値検出用系列qn(k,l) を求める。
【0040】
【数3】
【0041】すべてのnについて、数式(3)の処理を
実行した後、qn(k,l) の平均値が0となるようにシフ
トする。そして、このqn(k,l) と拡散された透かし情
報yn とから、l =0,1,・・・,L−1について、
シンボルレスポンス値Zl を以下の数式により求める。
【0042】
【数4】
【0043】このようにして求められたZl が最大値を
とる時のl が、検出されたシンボル値であり、このシン
ボル値を基数変換することにより、元の透かし情報Bを
取り出すことができる。図3は、図2に示した拡散系列
を基に算出されたシンボルレスポンス値Zl を示すグラ
フである。図3は、L=256の場合におけるシンボル
レスポンス値Zl を示している。そして、このグラフが
表わす2048個の値のうち、ピークとなっている8個
の値Zl に対応するl (0≦l ≦255)が、それぞ
れ、元の64ビットの透かし情報の中の8ビットを表わ
すものである。
【0044】(フーリエ変換の平行移動不変特性)次
に、透かしパターンの画像を平行移動してもフーリエ変
換の結果得られる振幅成分が不変であることを説明す
る。図4は、画像の平行移動とその画像をフーリエ変換
した結果との関係を示す参考図である。まず、透かしパ
ターンの画像のみを繰り返し配列したタイリングによっ
て構成されている画像を例にとって考える。図4(a)
は、M画素×M画素の透かしパターンの画像を2×2の
4枚配列した画像(2M画素×2M画素)を示してい
る。ここで、左上の透かしパターン画像の開始座標から
(Ox,Oy )だけオフセットした位置からM画素×M画
素のブロック画像を切り出して離散フーリエ変換して得
られる係数行列をF(u, v)とする。フーリエ変換の
平行移動に関する性質から、埋込処理によって変更され
た係数W(un,vn )とF(un,vn )との間には、次
式の関係が成り立つ。
【0045】
【数5】
【0046】つまり、図4(b)に示すように、W(u
n,vn )とF(un,vn )との間に、係数の次数とオフ
セットに応じた位相差が生じる。ところが、振幅成分に
着目すると、平行移動に関係なく一定(図4(b)にお
けるr)である。従って、振幅成分に対して電子透かし
を合成すれば、平行移動に関係なく透かし成分を取り出
すことが可能となる。この性質を利用することによっ
て、画像が切り抜かれた場合にも電子透かしを検出する
ことが可能となる。
【0047】一方、透かしパターンが原画像に加算され
て透かし入り画像となっている場合には、F(un,vn
)は、平行移動前後間の原画像に対応する成分の差に
よって大きく異なる値をとることになる。しかしなが
ら、この原画像による影響を大きな雑音として考える
と、前述したスペクトル拡散のような雑音に強い変調方
式を用いることによって、このような場合にも信号を検
出して、透かし情報を取り出すことが可能であると考え
られる。
【0048】(電子透かしの合成手順)次に、上で説明
したスペクトル拡散の方法とフーリエ変換の平行移動不
変特性、およびウェーブレット変換の周波数解析特性を
利用することによって、ロバスト性に優れた電子透かし
を合成する手順について説明する。図5は、電子透かし
合成手順を示す流れ図である。図5において、符号10
0は原画像データ、111および112は、それぞれ、
原画像データ100をフーリエ変換(210)すること
によって得られる振幅情報および位相情報である。ま
た、120は原画像データ100に埋め込む透かし情
報、121は透かし情報120をスペクトル拡散(22
0)して得られる拡散された透かし情報である。また、
150は、この合成手順の結果得られる透かし埋め込み
済み画像データである。
【0049】以下、図5を参照しながら、合成手順の詳
細を説明する。原画像データ(100)をf(x,y)
とする。この原画像データf(x,y)をM画素×M画
素のブロックに分割し、それをb(n1,n2 )と表す。
そして、b(n1,n2 )を次式によりフーリエ変換(2
10)して、F(u,v)を求める。但し、ここで、j
は虚数単位である。
【0050】
【数6】
【0051】このF(u,v)の振幅成分(振幅情報1
11)と位相成分(位相情報112)をそれぞれ次のよ
うに表わす。
【0052】
【数7】
【数8】
【0053】次に、鍵情報key2から生成される疑似
乱数数列を用いて、整数値の組(un,vn )(0≦n<
N)を重複がないように選ぶ。ただし、(un,vn )は
埋め込み処理を行う予め定められた中間周波数帯の中に
あるようにする。
【0054】つまり、sqrt(un^2+vn^2)の
値が所定の上限値と下限値の範囲内にあるように(un,
vn )の組を選択する。但し、ここで「sqrt()」
は平方根を表わし、「^」はべき乗を表わす。具体的に
は、例えば、前述のブロック画像のサイズMを用いて
(M/16)≦sqrt(un^2+vn^2)≦(M/
4)を満足するように(un,vn )の組を選択すること
が好ましい。
【0055】このような(un,vn )および任意の実数
power1を用いて、次式で示すように、透かし情報
(120)を基に求められた拡散された透かし情報xn
(121)を振幅成分Amp(u,v)に合成する(2
25、第1合成過程、第1合成部)。
【0056】
【数9】
【数10】
【0057】最後に逆フーリエ変換(230)を実行
し、透かし情報を合成したブロック画像b′(x、y)
を得る。以上の処理を、分割したすべてのブロックに対
して実行することによって、透かしを合成した画像f′
(x、y)を得る。
【0058】次に、透かしの合成によるノイズを画像の
局所的な特徴に合わせることで、ノイズを低減させる手
順を説明する。まず、原画像データをウェーブレット変
換することによって、局所的な画像の特徴を取り出して
みる。ウェーブレット変換(242)により、原画像f
(x,y)はサブバンド画像に分解され、互いに直行す
る部分画像(Dj(n)f)(x,y)で表わされる。そし
て、この部分画像(Dj(n)f)(x,y)を用いて、解
像度jにおけるDj の成分のエネルギーPj f(x,
y)を次式により求める。
【0059】
【数11】
【0060】このように求められたPj f(x,y)を
最近傍法により2^(−j)倍拡大し、原画像と同じ大き
さのエネルギーマップデータEn (x,y)を得る(高
周波エネルギーデータの算出242)。このマップデー
タが所定値以下になるように次式に示す方法で閾値処理
を施す。
【0061】
【数12】
【0062】次に、下の式のように、透かしを合成した
画像f′(x、y)と原画像データf(x、y)との差
分Diff(x,y)を求める(235)。
【0063】
【数13】
【0064】最後に、エネルギーマップデータEn
(x,y)を利用して、重みマスクEn(x,y)・p
ower2(power2は任意の正の実数)を作成し
(246)、再度、透かし情報を原画像データf(x,
y)に合成する(250,255、第2合成過程、第2
合成部)。すなわち、次式の通りである。
【0065】
【数14】
【0066】数式(14)で得られるf′(x,y)
が、透かし埋め込み済み画像データ(150)である。
このように、ウェーブレット変換を用いることによっ
て、人間に知覚されにくく、高いロバスト性を持つ電子
透かしを埋め込んだ画像データを得ることができる。
【0067】(電子透かしの検出手順)次に、上記手順
によって埋め込まれた電子透かしの検出の手順について
説明する。図6は、電子透かし検出手順を示す流れ図で
ある。図6において、符号150sは透かし検出対象と
なる透かし埋め込み済み画像データ、160は透かし埋
め込み済み画像データ150sを基に得られる振幅情
報、170はシンボル値検出用系列、120はこの検出
手順の結果抽出される透かし情報である。
【0068】以下、図6を参照しながら、電子透かし検
出手順の詳細について説明する。まず、検出対象画像
f′(x,y)(透かし埋め込み済み画像データ150
s)をM画素×M画素のブロックb′(n1,n2 )に分
割して離散フーリエ変換(270)し、F′(u,v)
を求める。次に、鍵情報key2を用いて、透かし合成
手順における場合と同様に整数列の組(un,vn )を作
成する。そして、この(un,vn )とAmp′(u,
v)とから、次式に示すように、透かし情報を持つ振幅
成分(振幅情報160)を取り出し、yn に格納する。
【0069】
【数15】
【0070】また、擬似乱数系列を基に、長さNの透か
し情報シンボル値検出用系列qn(k,l)を以下のようにし
て得る(170)。
【0071】
【数16】
【0072】すべてのnについて情報シンボル値検出用
系列qn(k,l)を求めた後、これらの値の平均値が0とな
るようにシフトする。そして、yn とqn(k,l)とを基
に、数式(4)を用いてシンボルレスポンス値Zl を求
める(280)。以上の処理を、l =0,1,・・・,
L−1の各々のl について実行し、Zl が最大となる時
のl を検出されたシンボル値とする(290)。このよ
うに得られたシンボル値l に対して、L進数の基数変換
を行い、検出された透かし情報Sk (120)を得る。
【0073】(透かし検出の実証実験)次に、本発明の
発明者らが行った実験について説明する。この実験は、
上述した合成および検出の方法による電子透かしが、印
刷画像に対してもロバストであり、有効性の高いもので
あることを実証することを目的とする。実験に用いたテ
スト画像は、人物を撮影した写真画像であり、サイズは
512画素×512画素、1画素当たり8ビット(25
6段階の階調)のグレースケール画像である。また、本
実験における透かし情報の情報量は64ビット、その他
のパラメータの値は、M=256,N=4096,α=
0.13423423,L=256,j=−2,pow
er1=1500,power2=2.0,Th1=
4.0である。また、(un,vn )の組は、次式を満た
す中間周波数帯から選択した。
【0074】
【数17】
【0075】上記の条件で原画像データに透かしを合成
した。このときの画質は40.6dB(デシベル)であ
った。原画像と透かし埋め込み済み画像とをコンピュー
タディスプレイ上で見比べると、若干の透かしによるノ
イズを目によって確認することができるが、これらの画
像はプリンタで印刷する際にはディザ化されるため、印
刷物として見たときにはこのノイズは目立たなくなる。
【0076】第1の実験では、コンピュータ上で透かし
埋め込み済み画像をディザ化して、ディザ化された画像
を基に透かし情報の検出を試みた。図7は、ディザ化さ
れた画像を基に求められたシンボルレスポンス値(Zl
)のグラフである。図7のグラフに示したように、シ
ンボルレスポンス値のピーク点が元の透かし情報に対応
しているため、透かし情報が正しく検出できたことがわ
かった。
【0077】第2の実験では、透かし埋め込み済み画像
データを72dpi(dots per inch,ドット数毎イン
チ,1インチは約2.540センチメートル)のポスト
スクリプト(登録商標)データに変換し、次の3種類の
白黒のレーザプリンタを用いて画像を印刷した。 プリンタ1:NEC日本語ページプリンタ プリンタ2:Canon LBP−750 プリンタ3:OKI MICROLINE 903PS
III+F そして、スキャナ(EPSON GT−9600)を用
いて、300dpi、8ビットのグレースケール画像と
して取り込んだ画像データから透かしの検出を試みた。
【0078】図8、図9、図10は、それぞれ、上記プ
リンタ1、プリンタ2、プリンタ3を用いて印刷した画
像をスキャナで読み込み、透かし検出手順によって得ら
れたシンボルレスポンス値のグラフである。図8〜図1
0からわかるように、それぞれの読み取り画像におい
て、シンボルレスポンス値が5〜9となっているピーク
点が複数存在している。
【0079】
【数18】
【0080】一方、シングルレスポンス値を定義した数
式(4)におけるqn(k,l) は1または−1の値をとる
GoldCodeを利用しているため、上の数式(1
8)の値は、平均0,分散1/nの確率分布に従う。従
って、中心極限定理から、Nが十分に大きければシンボ
ルレスポンス値は平均0,分散1の正規分布N(0,
1)に近似できる。これにより、検出したシンボルレス
ポンス値のピークの有意性を判定する閾値を、確度に応
じて設定することができる。例えば、確度99.999
%とする場合、上記閾値は約4.26489である。こ
のことから、図8〜図10のグラフに現れているピーク
点は正確に検出されたものであり、またシンボル値は元
の透かし情報に対応しているため、透かし情報が正しく
検出できたことがわかった。
【0081】第3の実験では、透かし情報埋め込み済み
画像を、高圧縮率によって非可逆圧縮し、圧縮された画
像データを基に透かし情報の検出を試みた。本実験で
は、JPEG(Joint Photographic Expert Group )の
圧縮方式を用いた。このJPEG圧縮方式による圧縮時
の品質パラメータは画像の品質に大きな影響を持つもの
であるが、本実験では、本発明による電子透かしの高ロ
バスト性を実証するために、圧縮後の画像上のブロック
ノイズが視覚で分かる程度に品質パラメータを設定し、
圧縮を行った。つまり、通常用いられる圧縮は、本実験
のような画像品質低下を伴うものではなく、本実験にお
いて透かし画像が正しく検出できれば、通常用いられる
画像圧縮においても十分良好に透かし情報を復元可能で
あることを意味する。
【0082】図11は、このJPEG圧縮画像を基に求
められたシンボルレスポンス値のグラフである。この図
11においても、シンボルレスポンス値のピーク点が正
しく検出されており、画像を極度に傷つけるような圧縮
をかけても、電子透かしが正確に検出できることがわか
った。
【0083】第4の実験では、原画像の部分画像を切り
抜き、この切り抜かれた部分画像のみから電子透かしの
検出を試みた。図12は、この第4の実験における部分
画像の切り抜きを示す参考図である。図12において、
Aは原画像であり512画素×512画素のサイズを持
つ。また、Bは、原画像Aの中央付近を切り抜いた部分
画像であり、そのサイズは256画素×256画素であ
る。
【0084】図13は、上記部分画像Bを基に求められ
たシンボルレスポンス値のグラフである。図13に示す
ように、シンボルレスポンス値のピーク点が正しく検出
されており、元の透かし情報が正しく検出できることが
わかった。本発明の合成方法では、透かし情報は、M画
素×M画素の大きさ(本実験においてはM=256)の
ブロックでタイル上に埋め込まれているため、この1個
のブロックの大きさよりも大きな部分画像が切り抜かれ
ていれば、検出が可能である。また、フーリエ変換の平
行移動不変特性として既に説明したように、フーリエ変
換の振幅成分を利用することによって、M画素×M画素
のサイズの窓関数を用いて、画像の任意の位置をフーリ
エ変換することによって容易に透かしの検出が可能であ
る。
【0085】本実験ではM=256と設定しているた
め、最小で256画素×256画素のサイズの部分画像
から透かし情報の検出が可能である。より小さなサイズ
の部分画像からも透かし情報を検出できるようにするた
めには、Mの値をより小さく設定する必要がある。しか
しながら、Mを小さくすると埋め込める電子透かしの情
報量も小さくなるため、この電子透かしを用いる際に
は、これら最小画像サイズと埋め込み情報量の両方を考
慮してMの値を決定するようにする。
【0086】第5の実験では、本発明による透かしが外
部ノイズに対して強いことを実証するため、透かし埋め
込み済み画像にノイズ付加およびメディアンフィルタ処
理を施したものから、電子透かしの検出を試みた。図1
4は、ノイズを付加した画像を基に求められたシンボル
レスポンス値のグラフである。また、図15は、メディ
アンフィルタ処理された画像を基に求められたシンボル
レスポンス値のグラフである。これらの図14および図
15においても、シンボルレスポンス値のピークを確認
することができ、本発明の電子透かし方式はフィルタリ
ングによるノイズに対しても耐性があることが確認でき
た。
【0087】(電子透かし合成装置および検出装置)次
に、電子透かし合成方法および検出方法を用いた装置に
ついて説明する。図16は、前述の電子透かし合成手順
を組み込んだ電子透かし合成装置の構成を示すブロック
図である。図16において、符号100は原画像デー
タ、120は原画像データ100に埋め込むべき透かし
情報、301は原画像データ100と透かし情報120
を基に、透かし埋め込み済み画像データ150を合成す
る透かし合成処理部である。また、305は原画像デー
タ100および透かし埋め込み済み画像データ150を
記憶する記憶部である。
【0088】透かし埋め込み済み画像データ150は、
記録媒体書き込み手段あるいは通信手段(いずれも図示
せず)を用いて、そのままデジタルデータとして出力す
ることができる。透かし埋め込み済み画像を印刷物とし
て出力する場合には、プリンタ311が透かし埋め込み
済み画像データ150を読み込んで印刷物190を印刷
するようにする。
【0089】図17は、透かし合成処理部301の詳細
構成を示すブロック図である。図17に示すように、透
かし合成処理部301は、透かし情報拡散部502と帯
域分割部504と帯域選択部506と透かし情報埋め込
み部508とノイズ軽減化部510とデータ合成部51
2とを備えている。透かし情報拡散部502は、図5に
示したスペクトル拡散(220)の処理を行う。帯域分
割部504は、図5に示したフーリエ変換(210)に
より画像の周波数帯域を分割する処理を行う。帯域選択
部506は、数式(9)および数式(10)に示した
(un,vn )の組を所定の中間周波数帯の中にあるよう
に選択する処理に対応する。透かし情報埋め込み部50
8は、数式(9)および数式(10)を用いて拡散され
た透かし情報を原画像の振幅成分に合成する処理(図5
の符号225に対応)を行う。ノイズ軽減化部510
は、ウェーブレット変換を利用してエネルギーマップデ
ータを作成する処理(図5の符号242,244,24
6に対応)を行う。また、データ合成部512は、数式
(13)および数式(14)を用いた画像の合成に相当
する処理を行う。
【0090】なお、原画像が単色画像(例えばグレース
ケール画像)である場合には、原画像の明度のチャネル
に透かし情報を埋め込むようにする。また、原画像がカ
ラー画像である場合には、原画像のデータ表現方法に応
じて、明度のチャネルあるいは各原色のチャネルに透か
し情報を埋め込むようにする。
【0091】図18は、前述の電子透かし検出手順を組
み込んだ電子透かし検出装置の構成を示すブロック図で
ある。図18において、符号150sは検出対象とする
透かし埋め込み済み画像データ、302は透かし埋め込
み済み画像データ150sを基に透かし情報を検出する
透かし検出処理部、120は透かし検出処理部によって
検出され出力される透かし情報である。また、305は
透かし埋め込み済み画像データ150sを記憶する記憶
部である。
【0092】透かし埋め込み済み画像データ150s
は、記録媒体読み取り手段あるいは通信手段(いずれも
図示せず)を用いて、デジタルデータとして外部から取
り込む。あるいは、透かし情報が埋め込まれた印刷物1
90をスキャナ312を用いてデジタル化することによ
って透かし埋め込み済み画像データ150sを作成して
も良い。
【0093】図19は、透かし検出処理部302の詳細
構成を示すブロック図である。図19に示すように、透
かし検出処理部302は、帯域分割部532と帯域選択
部534と透かし情報抽出部536とを備えている。帯
域分割部532は、図6に示したフーリエ変換(27
0)により画像の周波数帯域を分割する処理を行う。帯
域選択部534は、数式(15)に示した(un,vn )
の組を所定の中間周波数帯の中にあるように選択する処
理に対応する。透かし情報抽出部は536は、この(u
n,vn )の組を用いて透かし情報を含んだ振幅成分を取
り出し、数式(4)を用いてシンボルレスポンス値を算
出し、このシンボルレスポンス値を基に透かし情報を抽
出する処理(図6の符号280および290に対応)を
行う。
【0094】図18および図19からも明らかなよう
に、この電子透かし検出装置は元の原画像データを必要
としないことが特徴である。このような特徴により、当
該電子透かし検出装置そのもののコスト、および同装置
の利用コストの低減化につながるとともに、広い範囲の
画像データを透かし検出の対象とすることが可能とな
る。
【0095】次に、このような電子透かしの応用方法に
ついて説明する。第1の応用目的は、不正コピーの検出
である。画像の権利者に固有の情報(例えば、著作権者
の氏名又は名称)を透かし情報として埋め込んでおくこ
とにより、その画像が不正にコピーされた場合にも、電
子透かしを検出することによって、その不正コピーを機
械的に発見することが可能となる。本発明によれば、元
のデジタルデータに限らず、様々なフィルタリング処理
がかけられたり、一部分が改変されたりした場合や、印
刷物からも透かしを検出できるため、従来技術による電
子透かしよりも利用範囲を大幅に広げることができる。
【0096】第2の応用目的は、偽造の防止である。例
えば、真正の印刷物には予め本発明による透かし情報を
埋め込んでおくこととすると、本願発明による透かし検
出装置を用いることにより、透かし情報の埋め込まれて
ない偽造印刷物を容易に発見することができる。印刷物
に埋め込まれている透かし情報は人間の視覚によっては
検知されないものであるので、透かしの存在そのものを
秘密にすることにより、より一層強力な偽造防止手段と
することができる。
【0097】第3の応用目的は、情報の伝達である。例
えば、画像を配布する際に、本発明の方法により透かし
を埋め込んでおくことにより、その画像を媒介として、
画像そのものの意味とは無関係の情報を伝達することが
できる。配布するコピーすべてに同一の透かし情報を埋
め込んでも良いし、配布するコピー毎に異なる情報を埋
め込むようにしても良い。配布する画像は、デジタルデ
ータであっても良いし、印刷物であっても良い。埋め込
まれている情報は、人間の視覚によっては検知または認
識されないものであるので、透かし検出装置によって透
かし情報を復元するまでは、その存在または内容を秘匿
することができる。このような透かし情報が埋め込まれ
た印刷物を、例えば、ゲームや、広告や、懸賞や、販促
キャンペーンや、籤や、認証や、セキュリティ管理など
に利用することも可能である。
【0098】なお、上述の電子透かし合成装置および電
子透かし検出装置は、コンピュータシステムを用いて実
現されている。そして、上述した透かし合成および透か
し検出の各過程の処理は、プログラムの形式でコンピュ
ータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプ
ログラムをコンピュータが読み出して実行することによ
って、上記処理が行われる。ここでコンピュータ読み取
り可能な記録媒体とは、フロッピー(登録商標)ディス
ク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、
磁気ハードディスク、半導体メモリ等をいう。
【0099】以上述べたように、本実施形態では、スペ
クトル拡散とウェーブレット変換を利用して印刷画像に
対しても利用できる電子透かしを実現している。また、
フーリエ変換の振幅成分を利用するによって、平行移動
不変の性質を生かすことができ、これにより印刷画像を
スキャナで取り込んだ時に生じる解像度の誤差をカバー
でき、かつ切り抜き編集に対して対して有効に検出可能
な電子透かしを実現した。また、実証実験により、JP
EG高圧縮、フィルタリングによる電子透かしのロバス
ト性を調査し、本方式の有効性を検証した。また、電子
透かしを検出する際に、従来法のように原画像を用いる
必要がなく、本手法によって電子透かしシステムをより
簡単に構築することができる。
【0100】なお、上記実施形態では、透かし情報を埋
め込む対象を静止画像データとしたが、これ以外のデー
タに透かし情報を埋め込むようにしても良い。例えば、
動画像データや音声データなどの所定の中間周波数帯域
のみに透かし情報を埋め込むようにしても良い。このよ
うな透かしを埋め込まれたデータはロバスト性が高く、
このデータに対して例えばD/A変換およびA/D(ア
ナログ/デジタル)変換を施しても透かし情報が保存さ
れており、上記実施形態と同様の方法により、透かしを
検出することができる。
【0101】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、ロバスト性が高く、コントラスト変換や印刷等のD
/A変換に対して強い電子透かしを実現することができ
る。従って、電子透かしの技術を、従来のようなデジタ
ルデータだけではなく、印刷物等のより広い範囲に適用
し、不正コピーの防止や、偽造の防止や、情報伝達に役
立てることが可能となる。
【0102】特に、請求項1および請求項6の発明によ
れば、デジタルデータ内の、予め定められた中間周波数
帯域のみに透かし情報を埋め込むため、このデータにあ
る種のバンドパス特性を持つ変換が施されても情報とし
て保存されており検出可能な電子透かしを合成すること
が可能となる。
【0103】また、請求項2および請求項7の発明によ
れば、原画像データ内の、予め定められた中間周波数帯
域のみに透かし情報を埋め込むため、コントラスト変換
や印刷などを行っても情報として保存されており検出可
能な電子透かしを合成することが可能となる。
【0104】また、請求項3および請求項8の発明によ
れば、透かし情報をスペクトル拡散するため、透かし情
報を弱い擬似的ノイズとして画像に埋め込むことが可能
となり、秘匿性がある。また、高いロバスト性を得るこ
とができる。また、原画像データをフーリエ変換した結
果得られる振幅成分に透かし情報を合成するため、平行
移動不変特性を利用した透かしの埋め込みが可能とな
る。また、ウェーブレット変換を利用して原画像データ
の特徴に応じて透かし情報を埋め込むため、画像上にお
いて透かし情報である上記擬似的ノイズを相対的に低減
化することが可能となり、従って人間に知覚されにく
く、かつ高いロバスト性を持つ電子透かしを埋め込んだ
画像を得ることができる。
【0105】また、請求項4および請求項9の発明によ
れば、入力された画像データを複数のブロック画像に分
割し、この各々のブロック画像を原画像データとして透
かし情報を埋め込むため、生成される透かし埋め込み済
み画像データの冗長性が増す。これにより、生成された
画像データの部分画像のみからでも透かし情報の検出が
可能となる。
【0106】また、請求項5および請求項10の発明に
よれば、透かし埋め込み済み画像データを基に印刷を行
うため、透かし情報が埋め込まれた画像を印刷物として
作成することが可能となる。
【0107】また、請求項11および請求項16の発明
によれば、検出対象データ内の予め定められた中間周波
数帯域の成分から透かし情報を検出するため、前記透か
し合成方法あるいは装置により合成された透かし情報を
検出し、復元することができる。このとき、透かし埋め
込み済みデータに対して所定のバンドパス特性を有する
処理が施されていても、元の透かし情報を復元すること
ができる。
【0108】また、請求項12および請求項17の発明
によれば、検出対象画像データ内の予め定められた中間
周波数帯域の成分から透かし情報を検出するため、画像
の印刷(D/A変換)や印刷された画像のスキャン(A
/D変換)など、所定のバンドパス特性を有する処理が
施されている場合も含めて、画像から透かし情報を検出
することができる。
【0109】また、請求項13および請求項18の発明
によれば、検出対象画像データをフーリエ変換して得ら
れる振幅情報を元に所定の情報シンボル値検出用系列を
用いてシンボルレスポンス値を求める手法をとるため、
所定のブロック画像のサイズ以上の画像であれば、元の
画像の部分画像からでも透かし情報の検出が可能とな
る。また、透かし情報の検出には原画像データを必要と
しないため、原画像データを管理する必要がなく、装置
の構成を簡単化するとともに、装置利用の手間を削減す
ることができる。
【0110】また、請求項14および請求項19の発明
によれば、シンボルレスポンス値Zl (0≦l≦L−
1)が最大値を取るときのlを元の透かし情報のシンボ
ル値とする手法により透かし情報の検出を行うため、透
かし情報検出の手順を簡単化することができる。
【0111】また、請求項15および請求項20の発明
によれば、印刷された画像を基に検出対象データを得ら
れるため、印刷物から透かし情報を検出することが可能
となる。
【0112】また、請求項21から23までの発明によ
れば、検出可能な透かし情報を含んだ印刷物を製造する
ことが可能となり、このような印刷物を、不正コピー防
止や、偽造防止や、情報伝達に利用することができる。
【0113】また、請求項24から26までの発明によ
れば、上述した電子透かし合成および電子透かし検出の
手順をコンピュータに実行させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の一実施形態により、透かし情報と
拡散系列を基に拡散された透かし情報を生成する方法の
概略を示す参考図である。
【図2】 同実施形態により、拡散された透かし情報を
示すグラフである。
【図3】 同実施形態により、拡散された透かし情報を
基に算出されたシンボルレスポンス値を示すグラフであ
る。
【図4】 透かしパターン画像の平行移動とその画像を
フーリエ変換した結果との関係を示す参考図である
(a)。また、平行移動前後の位相成分差を示すグラフ
である(b)。
【図5】 同実施形態による電子透かし合成手順を示す
流れ図である。
【図6】 同実施形態による電子透かし検出手順を示す
流れ図である。
【図7】 この発明の第1の実証実験により、ディザ化
された画像を基に求められたシンボルレスポンス値を示
すグラフである。
【図8】 この発明の第2の実証実験により、プリンタ
で印刷された画像を基に求められたシンボルレスポンス
値を示すグラフである。
【図9】 この発明の第2の実証実験により、プリンタ
で印刷された画像を基に求められたシンボルレスポンス
値を示すグラフである。
【図10】 この発明の第2の実証実験により、プリン
タで印刷された画像を基に求められたシンボルレスポン
ス値を示すグラフである。
【図11】 この発明の第3の実証実験により、圧縮画
像を基に求められたシンボルレスポンス値を示すグラフ
である。
【図12】 この発明の第4の実証実験による部分画像
の切り抜きを示す参考図である。
【図13】 この発明の第4の実証実験により、切り抜
かれた部分画像を基に求められたシンボルレスポンス値
を示すグラフである。
【図14】 この発明の第5の実証実験により、ノイズ
を付加した画像を基に求められたシンボルレスポンス値
を示すグラフである。
【図15】 この発明の第5の実証実験により、メディ
アンフィルタ処理された画像を基に求められたシンボル
レスポンス値を示すグラフである。
【図16】 この発明の一実施形態による電子透かし合
成装置の構成を示すブロック図である。
【図17】 同実施形態による電子透かし合成装置にお
ける透かし合成処理部の詳細構成を示すブロック図であ
る。
【図18】 この発明の一実施形態による電子透かし検
出装置の構成を示すブロック図である。
【図19】 同実施形態による電子透かし検出装置にお
ける透かし検出処理部の詳細構成を示すブロック図であ
る。
【符号の説明】
100 原画像データ 111 振幅情報 112 位相情報 120 透かし情報 121 拡散された透かし情報 150,150s 透かし埋め込み済み画像データ 160 振幅情報 170 シンボル値検出用系列 190 印刷物 210 フーリエ変換 220 スペクトル拡散 230 逆フーリエ変換 242 ウェーブレット変換 244 高周波エネルギーの算出 246 重みマスク作成 270 フーリエ変換 280 シンボルレスポンス値算出 290 シンボル値検出 301 透かし合成処理部 302 透かし検出処理部 305 記憶部 311 プリンタ 312 スキャナ 502 透かし情報拡散部 504 帯域分割部 506 帯域選択部 508 透かし情報埋め込み部 510 ノイズ軽減化部 512 データ合成部 532 帯域分割部 534 帯域選択部 536 透かし情報抽出部
フロントページの続き (72)発明者 郭 素梅 東京都台東区台東1丁目5番1号 凸版印 刷株式会社内 Fターム(参考) 5B057 AA11 AA20 BA01 CA12 CA16 CB12 CB16 CB19 CE08 CE09 CG07 CH08 DA08 DA17 5C063 AC01 AC02 CA23 CA40 DA07 DB10 5C076 AA14 AA36 BA02 BA06

Claims (26)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 デジタルデータ内の、予め定められた中
    間周波数帯域のみに透かし情報を埋め込むことを特徴と
    する電子透かし合成方法。
  2. 【請求項2】 原画像データ内の、予め定められた中間
    周波数帯域のみに透かし情報を埋め込むことにより透か
    し埋め込み済み画像データを合成することを特徴とする
    電子透かし合成方法。
  3. 【請求項3】 透かし情報をスペクトル拡散することに
    より、拡散された透かし情報を生成するスペクトル拡散
    過程と、 原画像データをフーリエ変換することにより、振幅情報
    と位相情報を抽出するフーリエ変換過程と、 前記拡散された透かし情報と前記振幅情報とを合成する
    第1合成過程と、 前記第1合成過程の出力と前記位相情報とを基に逆フー
    リエ変換し、この逆フーリエ変換の結果と原画像データ
    との差分である差分画像データを生成する差分画像生成
    過程と、 前記原画像データをウェーブレット変換することにより
    画像のエネルギーマップデータを算出するエネルギーマ
    ップデータ算出過程と、 前記原画像データと前記差分画像データと前記エネルギ
    ーマップデータを基に透かし埋め込み済み画像データを
    合成する第2合成過程と、 から成ることを特徴とする電子透かし合成方法。
  4. 【請求項4】 入力された画像データを複数のブロック
    画像に分割し、この各々のブロック画像を前記原画像デ
    ータとすることを特徴とする請求項3に記載の電子透か
    し合成方法。
  5. 【請求項5】 前記透かし埋め込み済み画像データを基
    に印刷を行い、印刷物を作成する印刷過程を有すること
    を特徴とする請求項2から4までのいずれかに記載の電
    子透かし合成方法。
  6. 【請求項6】 デジタルデータと透かし情報とを入力
    し、前記デジタルデータ内の予め定められた中間周波数
    帯域のみに前記透かし情報を埋め込むことを特徴とする
    電子透かし合成装置。
  7. 【請求項7】 原画像データと透かし情報とを入力し、
    前記原画像データ内の予め定められた中間周波数帯域の
    みに前記透かし情報を埋め込むことにより透かし埋め込
    み済み画像データを合成することを特徴とする電子透か
    し合成装置。
  8. 【請求項8】 透かし情報をスペクトル拡散することに
    より、拡散された透かし情報を生成するスペクトル拡散
    部と、 原画像データをフーリエ変換することにより、振幅情報
    と位相情報を抽出するフーリエ変換部と、 前記拡散された透かし情報と前記振幅情報とを合成する
    第1合成部と、 前記第1合成部の出力と前記位相情報とを基に逆フーリ
    エ変換し、この逆フーリエ変換の結果と原画像データと
    の差分である差分画像データを生成する差分画像生成部
    と、 前記原画像データをウェーブレット変換することにより
    画像のエネルギーマップデータを算出するエネルギーマ
    ップデータ算出部と、 前記原画像データと前記差分画像データと前記エネルギ
    ーマップデータを基に透かし埋め込み済み画像データを
    合成する第2合成部と、 を具備することを特徴とする電子透かし合成装置。
  9. 【請求項9】 入力された画像データを複数のブロック
    画像に分割し、この各々のブロック画像を前記原画像デ
    ータとすることを特徴とする請求項8に記載の電子透か
    し合成装置。
  10. 【請求項10】 前記透かし埋め込み済み画像データを
    基に印刷を行い、印刷物を作成する印刷部を有すること
    を特徴とする請求項7から9までのいずれかに記載の電
    子透かし合成方法。
  11. 【請求項11】 検出対象データを読み込み、この検出
    対象データ内の予め定められた中間周波数帯域の成分を
    基に、拡散された透かし情報を検出することを特徴とす
    る透かし情報検出方法。
  12. 【請求項12】 検出対象画像データを読み込み、この
    検出対象画像データ内の予め定められた中間周波数帯域
    の成分を基に、拡散された透かし情報を検出することを
    特徴とする透かし情報検出方法。
  13. 【請求項13】 検出対象画像データをフーリエ変換
    し、予め定められた中間周波数帯域の振幅情報を抽出す
    るフーリエ変換過程と、 前記振幅情報を基に、所定の情報シンボル値検出用系列
    を用いてシンボルレスポンス値を求め、このシンボルレ
    スポンス値を基に透かし情報を検出する検出過程と、 から成ることを特徴とする透かし情報検出方法。
  14. 【請求項14】 前記検出過程において、前記シンボル
    レスポンス値Zl (0≦l≦L−1)が最大値を取ると
    きのlを元の透かし情報のシンボル値とすることを特徴
    とする請求項13に記載の透かし情報検出方法。
  15. 【請求項15】 印刷媒体に印刷された画像を読み込ん
    でデジタル化することにより前記検出対象データとする
    画像デジタル化過程を有することを特徴とする請求項1
    2から14までのいずれかに記載の透かし情報検出方
    法。
  16. 【請求項16】 検出対象データを読み込み、この検出
    対象データ内の予め定められた中間周波数帯域の成分を
    基に、拡散された透かし情報を検出することを特徴とす
    る透かし情報検出装置。
  17. 【請求項17】 検出対象画像データを読み込み、この
    検出対象画像データ内の予め定められた中間周波数帯域
    の成分を基に、拡散された透かし情報を検出することを
    特徴とする透かし情報検出装置。
  18. 【請求項18】 検出対象画像データをフーリエ変換
    し、予め定められた中間周波数帯域の振幅情報を抽出す
    るフーリエ変換部と、 前記振幅情報を基に、所定の情報シンボル値検出用系列
    を用いてシンボルレスポンス値を求め、このシンボルレ
    スポンス値を基に透かし情報を検出する検出部と、 を具備することを特徴とする透かし情報検出装置。
  19. 【請求項19】 前記検出部は、前記シンボルレスポン
    ス値Zl (0≦l≦L−1)が最大値を取るときのlを
    元の透かし情報のシンボル値とすることを特徴とする請
    求項18に記載の透かし情報検出装置。
  20. 【請求項20】 印刷媒体に印刷された画像を読み込ん
    でデジタル化することにより前記検出対象データとする
    画像デジタル化部を具備することを特徴とする請求項1
    7から19までのいずれかに記載の透かし情報検出装
    置。
  21. 【請求項21】 原画像データ内の、予め定められた中
    間周波数帯域のみに透かし情報を埋め込むことにより透
    かし埋め込み済み画像データを合成する合成過程と、 前記透かし埋め込み済み画像データを基に印刷を行う印
    刷過程と、 から成ることを特徴とする印刷物製造方法。
  22. 【請求項22】 透かし情報をスペクトル拡散すること
    により、拡散された透かし情報を生成するスペクトル拡
    散過程と、 原画像データをフーリエ変換することにより、振幅情報
    と位相情報を抽出するフーリエ変換過程と、 前記拡散された透かし情報と前記振幅情報とを合成する
    第1合成過程と、 前記第1合成過程の出力と前記位相情報とを基に逆フー
    リエ変換し、この逆フーリエ変換の結果と原画像データ
    との差分である差分画像データを生成する差分画像生成
    過程と、 前記原画像データをウェーブレット変換することにより
    画像のエネルギーマップデータを算出するエネルギーマ
    ップデータ算出過程と、 前記原画像データと前記差分画像データと前記エネルギ
    ーマップデータを基に透かし埋め込み済み画像データを
    合成する第2合成過程と、 前記透かし埋め込み済み画像データを基に印刷を行う印
    刷過程と、 から成ることを特徴とする印刷物製造方法。
  23. 【請求項23】 画像データを基に作成された印刷物に
    おいて、 前記画像の予め定められた中間周波数帯域のみに透かし
    情報が埋め込まれたことを特徴とする印刷物。
  24. 【請求項24】 透かし情報をスペクトル拡散すること
    により、拡散された透かし情報を生成するスペクトル拡
    散過程と、 原画像データをフーリエ変換することにより、振幅情報
    と位相情報を抽出するフーリエ変換過程と、 前記拡散された透かし情報と前記振幅情報とを合成する
    第1合成過程と、 前記第1合成過程の出力と前記位相情報とを基に逆フー
    リエ変換し、この逆フーリエ変換の結果と原画像データ
    との差分である差分画像データを生成する差分画像生成
    過程と、 前記原画像データをウェーブレット変換することにより
    画像のエネルギーマップデータを算出するエネルギーマ
    ップデータ算出過程と、 前記原画像データと前記差分画像データと前記エネルギ
    ーマップデータを基に透かし埋め込み済み画像データを
    合成する第2合成過程と、 の処理をコンピュータに実行させるプログラムを記録し
    たコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  25. 【請求項25】 検出対象画像データをフーリエ変換
    し、予め定められた中間周波数帯域の振幅情報を抽出す
    るフーリエ変換過程と、 前記振幅情報を基に、所定の情報シンボル値検出用系列
    を用いてシンボルレスポンス値を求め、このシンボルレ
    スポンス値を基に透かし情報を検出する検出過程と、 の処理をコンピュータに実行させるプログラムを記録し
    たコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  26. 【請求項26】 前記検出過程において、前記シンボル
    レスポンス値Zl (0≦l≦L−1)が最大値を取ると
    きのlを元の透かし情報のシンボル値とする処理をコン
    ピュータに実行させるプログラムを記録したことを特徴
    とする請求項25に記載のコンピュータ読み取り可能な
    記録媒体。
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