JP2004111735A - 基板処理装置,処理システム及び基板処理方法 - Google Patents

基板処理装置,処理システム及び基板処理方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2004111735A
JP2004111735A JP2002273622A JP2002273622A JP2004111735A JP 2004111735 A JP2004111735 A JP 2004111735A JP 2002273622 A JP2002273622 A JP 2002273622A JP 2002273622 A JP2002273622 A JP 2002273622A JP 2004111735 A JP2004111735 A JP 2004111735A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
supply nozzle
wafer
chamber
substrate
substrates
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2002273622A
Other languages
English (en)
Inventor
Yuji Kamikawa
上川 裕二
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokyo Electron Ltd
Original Assignee
Tokyo Electron Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokyo Electron Ltd filed Critical Tokyo Electron Ltd
Priority to JP2002273622A priority Critical patent/JP2004111735A/ja
Publication of JP2004111735A publication Critical patent/JP2004111735A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)
  • Cleaning Or Drying Semiconductors (AREA)

Abstract

【課題】二重チャンバー構造を用いることなく,ノズルの表面において処理液が混合することを防止する基板処理装置,処理システム,及び基板処理方法を提供する。
【解決手段】複数枚の基板Wを配列して収納するチャンバー100と,互いに異なる処理液を吐出する2本以上のノズル123を備え,前記各ノズル123から処理液をそれぞれ供給して基板Wを処理する基板処理装置であって,前記各ノズル123を,基板Wの配列方向に沿ってそれぞれ移動させることにより,前記チャンバー100の内部と外部にそれぞれ移動させる構成とした。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は,例えば半導体ウェハやLCD基板用ガラス等の基板を洗浄処理などする基板処理装置,ポリマーを除去処理する処理システム及び処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば半導体デバイスの製造工程においては,半導体ウェハ(以下,「ウェハ」という。)の表面に付着したポリマーを除去する処理が行われる。かかるポリマー除去処理においては,最初に,過酸化水素(H)を含有した第1の薬液をウェハに供給してポリマーを改質させ,次に,アミン系の第2の薬液を供給して,改質したポリマーを溶解させる。その後,純水を用いてリンス処理し,最後に乾燥処理を行う。
【0003】
かかるポリマー除去処理を行う基板処理装置として,外側チャンバーと内側チャンバーによって構成される二重チャンバー構造を有するものが知られている。この二重チャンバーは,内側チャンバーを外側チャンバーの内部と外部に移動させることができ,第1の薬液は,内側チャンバーに備えたノズルによって供給し,第2の薬液は,外側チャンバーに備えたノズルによって供給する構成となっている。そして,最初の第1の薬液による処理は,内側チャンバーの内部で行い,次の第2の薬液による薬液処理は,内側チャンバーを外側チャンバーから引き出して,外側チャンバーの内部で行う。これにより,第1の薬液を供給するノズルに,第2の薬液が付着したり,第2の薬液を供給するノズルに,第1の薬液が付着することを防止できる。即ち,第1の薬液と第2の薬液が混合してノズルの表面にクロスコンタミネーションが発生することを防止する。
【0004】
ところで,第1の薬液を酸素雰囲気中で使用すると,酸化力が高まってしまい,ウェハ表面に形成されたCu配線などが酸化する問題がある。そのため,内側チャンバーを密閉構造とし,窒素によってパージして,酸素が入り込まないようにする。また,内側チャンバーを外側チャンバーから引き出した後も,第1の薬液がウェハに付着しているので,外側チャンバー内も窒素によってパージして,酸素が入り込まないようにする。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら,従来の基板処理装置にあっては,外側チャンバー及びロータに対して内側チャンバーを精度良く移動させる必要があるため,組み立てや,移動方向の調整等の作業に手間がかかる問題があった。
【0006】
従って,本発明の目的は,二重チャンバー構造を用いることなく,ノズルの表面において処理液が混合することを防止する基板処理装置,処理システム,及び基板処理方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために,本発明によれば,複数枚の基板を配列して収納するチャンバーと,互いに異なる処理液を吐出する2以上のノズルを備え,前記各ノズルから処理液をそれぞれ供給して基板を処理する基板処理装置であって,前記各ノズルを,基板の配列方向に沿ってそれぞれ移動させて,前記チャンバーの内部と外部にそれぞれ移動させる構成としたことを特徴とする,基板処理装置が提供される。かかる基板処理装置にあっては,例えば,第1の薬液を供給するノズルと,第2の薬液を供給するノズルと,リンス液を供給するノズルと,乾燥用流体を供給するノズルを設け,チャンバーの外部に待機させておき,各ノズルを使用する処理時にのみ,チャンバーの内部に移動させるようにする。これにより,各ノズルの表面に,他のノズルから供給される処理液が付着することを防止できる。
【0008】
前記チャンバーに,前記各ノズルを移動させるための開口をそれぞれ設け,前記ノズルが前記チャンバーの外部に移動したときに前記開口を閉じる閉塞部材をそれぞれ設け,前記ノズルが前記チャンバーの内部に移動したときに前記開口を閉じる閉塞部材をそれぞれ設けることが好ましい。
【0009】
前記チャンバーの外部に移動したノズルを収納する収納機構を,前記各開口の外側にそれぞれ設けることが好ましい。この場合,待機中のノズルから処理液が落下しても,収納機構によって受け止めることができる。
【0010】
前記収納機構は,前記チャンバーの外部において前記ノズルを包むベローズと,前記ベローズの端部を閉じる蓋部材によって構成されることとしても良い。さらに,前記収納部材の内部を排気する排出ラインを設けても良い。
【0011】
また,本発明によれば,基板のポリマー除去処理を行う処理システムであって,基板にオゾンガスと蒸気の混合流体を供給する第1の基板処理装置と,基板に処理液を供給する第2の基板処理装置を備えることを特徴とする,処理システムが提供される。かかる処理システムにあっては,最初に,第1の基板処理装置において,オゾンガスと蒸気の混合流体によって,ポリマーを改質させ,次に,第2の基板処理装置において,アミン系の第2の薬液を供給して,改質したポリマーを溶解させる。続いて,第2の基板処理装置において,純水を用いてリンス処理し,最後に乾燥処理を行う。
【0012】
前記第1の基板処理装置は,基板の裏面に近接する熱板を備えることが好ましい。さらに,前記第1の基板処理装置は,複数枚の基板を配列して保持する保持部材を備え,複数枚の前記熱板を配列して備え,前記複数枚の基板に,前記複数枚の熱板をそれぞれ近接させることが好ましい。また,基板と,基板の裏面に近接した熱板を囲むカバーを備えることが好ましい。
【0013】
さらに,本発明によれば,基板のポリマーを除去する処理方法であって,配列した複数枚の基板にオゾン(O)ガスと蒸気の混合流体を供給して処理し,前記複数枚の基板に薬液を供給し,前記複数枚の基板をリンス処理し,前記複数枚の基板を乾燥処理することを特徴とする,基板処理方法が提供される。かかる基板処理方法にあっては,オゾンガスと蒸気の混合流体を供給することにより,ウェハに付着したポリマーを改質させるので,第1の薬液を省略することができる。
【0014】
前記複数枚の基板にオゾンガスと蒸気の混合流体を供給して処理するに際し,各基板の裏面に熱板をそれぞれ近接させ,前記複数枚の基板と熱板の周囲をカバーによって囲み,カバーの内部にオゾンガスを供給し,カバーの内部に蒸気を供給し,カバーの内部にパージ用ガスを供給し,前記複数枚の基板と熱板の周囲からカバーを離隔させ,前記各基板の裏面から熱板をそれぞれ離隔させることとしても良い。
【0015】
また,第1の基板処理装置において,前記複数枚の基板にオゾンガスと蒸気の混合流体を供給して処理し,第2の基板処理装置において,前記複数枚の基板に薬液を供給して処理し,前記複数枚の基板をリンス処理し,前記複数枚の基板を乾燥処理することが好ましい。
【0016】
さらに,前記第1の基板処理装置における処理と,前記第2の基板処理装置における処理を,並行して行うことが好ましい。この場合,スループットを向上させることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下,本発明の好ましい実施の形態を,基板の一例としてのウェハに付着したポリマーを除去する洗浄処理を行うように構成された処理システムに基づいて説明する。図1は,本実施の形態にかかる基板処理装置を組み込んだ処理システム1の概略平面図である。処理システム1は,複数枚のウェハWを収納するキャリアCを載置するキャリア載置部5と,キャリアCからウェハWを取り出して搬送するウェハ搬送部6と,ウェハWをポリマー除去処理する処理部8を備えている。さらに,処理部8において使用する処理流体を貯蔵又は生成する処理流体発生・貯蔵部10を備えている。
【0018】
キャリアCは,複数枚,例えば25枚の略円盤形状のウェハWを収容可能な容器である。キャリアCの内壁には,ウェハWを所定間隔で保持するための複数個,例えば25個のスロットが,所定間隔を空けて形成されている。ウェハWは,半導体デバイスを形成する面(表面)が上面(ウェハWを水平に保持した場合に上側となっている面)となっている状態で各スロットに1枚ずつ収容される。これにより,複数枚,例えば25枚のウェハWが,互いに略平行な姿勢で,所定間隔を空けて配列された状態で,キャリアC内に収容される。ウェハWは,キャリアCの一側面に設けられた開口を通して収納され,取り出される。キャリアCの開口は,図示しない蓋体によって閉じられる。
【0019】
キャリア載置部5には,複数個,例えば2個のキャリア載置台20が水平面のY方向に並べて設けられている。各キャリア載置台20上に載置されたキャリアCは,それぞれ開口をウェハ搬送部6側に対向させた状態で,Y方向に並べて載置される。また,各キャリア載置台20には,図示しないウェハカウンタが設けられており,キャリアC内に収納されているウェハWの枚数を検査することができる。
【0020】
ウェハ搬送部6には,Y方向とZ方向に移動可能であり,かつ,X―Y平面内(θ方向)で回転自在に構成されているウェハ搬送装置24が配設されている。ウェハ搬送装置24は,ウェハWを1枚ずつ保持する搬送アーム25を例えば25本備えている。25本の搬送アーム25は,互いに略平行な姿勢で,所定間隔を空けて配設されており,25本の搬送アーム25によって,25枚のウェハWをキャリアCにおいて配列されていた状態のまま保持することができる。この場合,キャリアC内で略水平な姿勢で収容されたウェハWは,25本の搬送アーム25によって,略水平な姿勢のまま,表面が上面となっている状態で保持される。また,この25本の搬送アーム25は,X方向及びY方向に一体的にスライド自在となっている。キャリアCに対してウェハWの搬入出を行う際には,ウェハ搬送装置24を各キャリアCの開口に対向する位置に移動させ,25本の搬送アーム25をX方向に一体的にスライドさせてウェハWの挿入及び退出を行う。ウェハ搬送部6の天井部には,ウェハ搬送部6内に清浄な空気をダウンフローするためのファンフィルターユニット(FFU)26が配設されている。
【0021】
処理部8には,後に詳細に説明する,ウェハWの搬送と姿勢変換を行うウェハ搬送・姿勢変換エリア35と,後に詳細に説明する,本実施の形態にかかる基板処理装置としての基板処理ユニット40が設置されている。ウェハ搬送・姿勢変換エリア35は,ウェハ搬送部6を挟んで,各キャリア載置台20に載置されたキャリアCと対向する側に配置され,また,ウェハ搬送部6に対してY方向に隣接するように配置されている。基板処理ユニット40は,ウェハ搬送・姿勢変換エリア35に対して,ウェハ搬送部6と反対側に,Y方向に隣接するように配置されている。ウェハ搬送・姿勢変換エリア35に対してウェハWの搬入出を行う際には,ウェハ搬送装置24をY方向に移動させ,25本の搬送アーム25をX方向に一体的にスライドさせてウェハWの挿入及び退出を行う。ウェハ搬送・姿勢変換エリア35の天井部には,ウェハ搬送・姿勢変換エリア35内に清浄な空気をダウンフローするためのファンフィルターユニット(FFU)41が配設されている。
【0022】
処理流体発生・貯蔵部10には,処理部8において使用する,第1の薬液を貯留する第1薬液貯蔵ユニット46と,第2の薬液を貯留する第2薬液貯蔵ユニット47が設けられている。
【0023】
次に,ウェハ搬送・姿勢変換エリア35について説明する。ウェハ搬送・姿勢変換エリア35の内部には,図2に示すロータ回転機構50と,ロータ回転機構50を支持するとともに,ロータ回転機構50の姿勢を制御する図示しない姿勢変換機構と,ロータ回転機構50及び姿勢変換機構をX方向及びZ方向に移動させる図示しないロータ回転機構移動機構が備えられている。
【0024】
また,ウェハ搬送・姿勢変換エリア35とウェハ搬送部6との間の境界壁51には,搬送アーム25によってウェハ搬送・姿勢変換エリア35に対してウェハWを搬入出させるための搬入出口62が設けられている。さらに,搬入出口62を閉じるシャッター63が設けられている。
【0025】
ロータ回転機構50は,モータ66と,モータ66の回転軸67と,回転軸67の先端に取り付けられ,25枚のウェハWを互いに平行に等間隔で並べて保持するロータ70を備えている。モータ66は,回転軸67を囲繞するケーシング72に支持されており,ケーシング72は,図示しない姿勢変換機構によって支持されている。また,ケーシング72とロータ70との間には,円盤状の蓋体73が配置されている。
【0026】
図3に示すように,ロータ70は,25枚のウェハWを挿入可能に所定の間隔をおいて配置された一対の円盤81,82と,両端を円盤81,82に支持された6本の保持棒85を備えている。円盤81は,回転軸67の先端に取り付けられており,円盤82は円盤81と略平行に配置されている。
【0027】
6本の保持棒85は,回転軸67を中心とした円周上に,回転軸67に対して平行な姿勢に配置されている。6本の保持棒85に囲まれる空間は,ウェハWを保持する空間となっている。また,各保持棒85には,ウェハWの周縁を挿入する保持溝86が,それぞれ25個ずつ形成されている。25個の保持溝86は,所定間隔を空けて配列されている。これら6本の保持棒85の溝にウェハWの周縁を支持することにより,25枚のウェハWを互いに略平行な姿勢で保持する。
【0028】
6本の保持棒85のうち,隣り合う2本の保持棒85a,85bは,一端が円盤81に対して揺動可能なアーム87a,87bの先端にそれぞれ固定されており,他端が円盤82に対して揺動可能なアーム88a,88bの先端にそれぞれ固定されている。アーム87a,87bの基端は,基端を中心として回動可能に円盤81に設けられ,アーム88a,88bの基端は,基端を中心として回動可能に円盤82に設けられている。円盤82の外側の面,即ちウェハWに対向しない側の面には,アーム88a,88bの回動をロックするロックピン91が設けられている。ロックピン91のロックを解除すると,アーム87a,88a,又はアーム87b,88bを回動させることにより,保持棒85a,85bを,ウェハWの周縁に当接する当接位置と,当接位置よりウェハWの周縁から離れる離隔位置とにそれぞれ移動させることができる。
【0029】
ウェハWをロータ70に装入させるとき,又,ウェハWをロータ70から退出させるときは,保持棒85a,85bを離隔位置に移動させることにより,保持棒85aと保持棒85bとの間を開く。これにより,保持棒85aと保持棒85bとの間にウェハWを進入させ,6本の保持棒85に保持される位置に,ウェハWを進入及び退出させることが可能である。保持される位置に挿入したウェハWを6本の保持棒85によって保持する際には,保持棒85a,85bをそれぞれウェハWの周縁に当接させる。また,ロックピン91をロックさせて,保持棒85a,85bを閉じた状態を維持してロータ70を回転させることができる。
【0030】
姿勢変換機構(図示せず)は,図2に示すように,ロータ回転機構50全体を,ウェハWが水平状態で保持される姿勢(縦姿勢)と,ウェハWが垂直状態で保持される姿勢(横姿勢)に変換して保持することができる。ロータ回転機構50は,縦姿勢においては,ロータ70を上に,モータ66を下に向けた状態で保持され,横姿勢においては,ロータ70を基板処理ユニット40側に,モータ66をウェハ搬送部6側に向けた状態で保持される。
【0031】
ロータ回転機構移動機構(図示せず)は,縦姿勢に保持されたロータ回転機構50を垂直方向(Z方向)に移動させるとともに,横姿勢に変換されたロータ回転機構50を水平方向(X方向)に移動させることができる。ロータ回転機構移動機構によって,ロータ回転機構50は,縦姿勢でロータ70が搬入出口62を挟んで搬送アーム25に対向する位置に配置されるウェハ装入・退出位置P1と,ロータ70が基板処理ユニット40側に向かうように縦姿勢から横姿勢に姿勢変換される姿勢変換位置P2と,横姿勢においてロータ70が基板処理ユニット40に対向する位置に配置される待機位置P3と,横姿勢においてロータ70が基板処理ユニット40の内部に配置される処理位置P4に移動させられる。
【0032】
また,ウェハ搬送・姿勢変換エリア35には,ロックピン91のロック及びロックの解除を行う開閉機構95が備えられている。ウェハ装入・退出位置P1において,ロータ70の円盤82は,ロックピン91を上方に向けて配置される。開閉機構95は,ウェハ装入・退出位置P1に位置するロータ70のロックピン91に対して上方から近接して,ロックピン91のロック及びロックの解除を行う。
【0033】
ロータ70にウェハWを装入するときは,先ず,ロータ回転機構50をウェハ装入・退出位置P1に移動させ,開閉機構95によってロックピン91のロックを解除し,保持棒85a,85bを離隔位置にそれぞれ移動させる。また,ウェハWを保持した搬送アーム25をX方向に前進させ,搬入出口62内を通過させてウェハ搬送・姿勢変換エリア35内に進入させ,さらに前進させて,保持棒85aと保持棒85bとの間を通過させる。そして,開閉機構95によって保持棒85aと保持棒85bを閉じ,6本の保持棒85によってウェハWを保持する。その後,搬送アーム25をX方向に後退させる。
【0034】
ロータ70からウェハWを退出させるときは,先ず,ロータ回転機構50をウェハ装入・退出位置P1に移動させる。そして,ウェハWを保持した搬送アーム25をX方向に前進させ,搬入出口62内を通過させてウェハ搬送・姿勢変換エリア35内に進入させ,さらに前進させて,保持棒85aと保持棒85bとの間を通過させ,ウェハWの間に進入させる。そして,開閉機構95によってロックピン91のロックを解除し,保持棒85a,85bを離隔位置にそれぞれ移動させる。こうして,ウェハWを下面から保持した搬送アーム25を,X方向に後退させる。
【0035】
ロータ回転機構50を縦姿勢から横姿勢に姿勢変換するときは,先ず,ロータ回転機構50を縦姿勢のままウェハ装入・退出位置P1から垂直方向に上昇移動させ,姿勢変換位置P2に移動させる。そして,姿勢変換位置P2において,ロータ回転機構50を縦姿勢から横姿勢に姿勢変換する。また,ロータ回転機構50を横姿勢から縦姿勢に姿勢変換するときは,先ず,ロータ回転機構50を横姿勢のまま待機位置P3から垂直方向に下降移動させ,姿勢変換位置P2に移動させる。そして,姿勢変換位置P2において,ロータ回転機構50を横姿勢から縦姿勢に姿勢変換する。
【0036】
ロータ70を基板処理ユニット40に進入させるときは,横姿勢のロータ回転機構50を待機位置P3に移動させ,待機位置P3から横姿勢のままX方向に前進させ,処理位置P4に移動させる。ロータ回転機構50が処理位置P4に配置されているとき,ウェハWは,ロータ70によって垂直な姿勢で互いに平行にX方向に配列された状態となる。
【0037】
次に,基板処理ユニット40について説明する。図4は,ポリマーを除去する処理を行う基板処理ユニット40の概略縦断面図である。図5は,基板処理ユニット40の概略横断面図である。基板処理ユニット40は,チャンバー100を備えている。チャンバー100は,所定位置に支持されており,図4に示すように,筒状体100aと,筒状体100aの一端面に固定されたリング部材100bと,筒状体100aの他端面に固定された円盤部材100cによって形成されている。チャンバー100は,SUS鋼,フルオロカーボン,PEEK等の強度性に富む材料によって形成されている。さらに,チャンバー100の内側の面は,フッ素樹脂によってコーティングされている。
【0038】
筒状体100aの下方には,チャンバー100内からの処理液の排液及び排気を行う排出管101が配設されている。
【0039】
リング部材100bには,チャンバー100内にロータ70が進入又は退出するためのロータ入出口107が形成されている。このロータ入出口107は,チャンバー100内からロータ70が退出しているときは,図示しない蓋体によって開閉自在となっている。チャンバー100内にロータ70が進入した状態のとき,即ち,ロータ回転機構50が処理位置P4に位置しているときは,ロータ回転機構50に設けられた蓋体73によって閉じられる。
【0040】
ロータ入出口107の内周面には,環状のシール機構108が配設されている。蓋体73によってロータ入出口107を閉じたときは,ロータ入出口107と蓋体73との間はシール機構108によってシールされる。
【0041】
また,図4及び図5に示すように,チャンバー100内の上部には,ウェハWに対して純水を供給する純水供給ノズル121,第1の薬液を供給する第1薬液供給ノズル122,第2の薬液を供給する第2薬液供給ノズル123,IPA(イソプロピルアルコール)ミストを供給するIPA供給ノズル124,窒素(N)ガスを供給する窒素ガス供給ノズル125が備えられている。図5に示すように,ロータ入出口107からみて時計方向に,純水供給ノズル121,第1薬液供給ノズル122,第2薬液供給ノズル123,IPA供給ノズル124,窒素ガス供給ノズル125,純水供給ノズル121が順番に配置されている。
【0042】
第1薬液供給ノズル122は,第1の薬液として,例えば過酸化水素(H)を含有した薬液を供給する。第2薬液供給ノズル123は,第2の薬液として,例えばアミン系の薬液を供給する。ウェハWに形成されたポリマーを,第1の薬液によって改質させ,改質したポリマーを第2の薬液に溶解させることにより,ウェハWからポリマーを除去することができる。また,純水はリンス処理用の処理液として,IPAミストは,乾燥用の処理流体として使用する。窒素ガスは,チャンバー100内をパージするパージ用ガスとして使用する。
【0043】
なお,純水供給ノズル121,第1薬液供給ノズル122,第2薬液供給ノズル123,IPA供給ノズル124,窒素ガス供給ノズル125には,それぞれ図示しない純水供給ライン,第1の薬液供給ライン,第2の薬液供給ライン,IPA供給ライン,窒素ガス供給ラインが接続されている。このように,純水,第1の薬液,第2の薬液,IPAミスト,窒素ガスを,それぞれ専用の供給ノズルから供給する構成とすると,純水,第1の薬液,第2の薬液,IPAミスト,窒素ガスが互いに混合せず,清浄な処理流体を供給できる。
【0044】
円盤部材100cの上部側には,純水供給ノズル121,第1薬液供給ノズル122,第2薬液供給ノズル123,IPA供給ノズル124,窒素ガス供給ノズル125をそれぞれ通過させてチャンバー100の内部と外部に水平方向に移動させるための開口として,純水供給ノズル入出口131,第1薬液供給ノズル入出口132,第2薬液供給ノズル入出口133,IPA供給ノズル入出口134,窒素ガス供給ノズル入出口135が形成されている。図5に示すように,ロータ入出口107からみて時計方向に,純水供給ノズル入出口131,第1薬液供給ノズル入出口132,第2薬液供給ノズル入出口133,IPA供給ノズル入出口134,窒素ガス供給ノズル入出口135,純水供給ノズル入出口131が形成されており,それぞれ純水供給ノズル121,第1薬液供給ノズル122,第2薬液供給ノズル123,IPA供給ノズル124,窒素ガス供給ノズル125,純水供給ノズル121が内方に配置されている。
【0045】
純水供給ノズル121,第1薬液供給ノズル122,第2薬液供給ノズル123,IPA供給ノズル124,窒素ガス供給ノズル125は,ほぼ同様の構成を有する。そこで,次に,第2薬液供給ノズル123について代表して説明する。
【0046】
第2薬液供給ノズル123は,X方向に長い棒形状をしており,第2薬液供給ノズル入出口133の内方に配置されている。また,チャンバー100の内部に移動して薬液を供給する供給位置と,チャンバー100の外部に移動して待機する待機位置とに移動させることができる。この第2薬液供給ノズル123は,第2薬液供給ノズル123の長手方向,即ち,X方向に移動する。つまり,ロータ70によって垂直な姿勢で互いに平行にX方向に配列されたウェハWの上方において,ウェハWの配列方向に沿って移動する。また,第2薬液供給ノズル123は,チャンバー100の内部に水平に移動したとき,チャンバー100の内部に配置されたロータ70の上方に位置するように設けられている。第2薬液供給ノズル123には,薬液を吐出する多数の吐出口140が,第2薬液供給ノズル123の長手方向に配列されて設けられており,ロータ70によって保持された全てのウェハWに第1の薬液を供給することができる。
【0047】
チャンバー100の内部側に配置された,第2薬液供給ノズル123の一端部には,第2薬液供給ノズル入出口133を閉塞する閉塞部材として,内部側端部部材155が固着されている。内部側端部部材155は,チャンバー100の内部に配置されており,第2薬液供給ノズル123がチャンバー100の外部の待機位置に移動したときに,第2薬液供給ノズル入出口133をチャンバー100の内部側から塞ぐようになっている。また,内部側端部部材155には,第2薬液供給ノズル123がチャンバー100の外部の待機位置に移動したときに,内部側端部部材155と円盤部材100cの内面との間の隙間を,第2薬液供給ノズル入出口133の周囲を囲むようにしてシールするOリング156が設けられている。第2薬液供給ノズル123を待機位置に移動させると,内部側端部部材155によって,第2薬液供給ノズル123をチャンバー100の内部から雰囲気隔離することができる。即ち,チャンバー100の内部にパーティクルが侵入してウェハWが汚染されたり,チャンバー100の外部に薬液などの腐食性雰囲気が漏れて悪影響を与える心配が無い。
【0048】
チャンバー100の外部側に配置された,第2薬液供給ノズル123の他端部には,第2薬液供給ノズル入出口133を閉塞する閉塞部材として,外部側端部部材165が固着されている。外部側端部部材165は,チャンバー100の外部に配置されており,第2薬液供給ノズル123がチャンバー100の内部の供給位置に移動したときに,第2薬液供給ノズル入出口133をチャンバー100の外部側から塞ぐようになっている。また,外部側端部部材165には,第2薬液供給ノズル123がチャンバー100の内部の供給位置に移動したときに,外部側端部部材165と円盤部材100cの外面との間の隙間を,第2薬液供給ノズル入出口133の周囲を囲むようにしてシールするOリング166が設けられている。第2薬液供給ノズル123を供給位置に移動させると,外部側端部部材165によって,チャンバー100の内部をチャンバー100の外部から雰囲気隔離することができる。即ち,第2薬液供給ノズル123から発生する薬液雰囲気がチャンバー100の内側に流入してウェハWに悪影響を与える心配が無い。また,チャンバー100の内部にパーティクルが侵入してウェハWが汚染されたり,チャンバー100の外部に薬液などの腐食性雰囲気が漏れて悪影響を与える心配が無い。
【0049】
外部側端部部材165には,駆動機構171によって水平方向に移動するロット172が接続されている。駆動機構171の駆動により,第2薬液供給ノズル123が長手方向に移動するようになっている。
【0050】
前述のように,第1薬液供給ノズル122,純水供給ノズル121,IPA供給ノズル124,窒素ガス供給ノズル125は,第2薬液供給ノズル123と同様の構成を有する。即ち,第2薬液供給ノズル123,純水供給ノズル121,IPA供給ノズル124,窒素ガス供給ノズル125には,それぞれ吐出口140,内部側端部部材155,外部側端部部材165,駆動機構171,ロット172が備えられている。第1薬液供給ノズル122,純水供給ノズル121,第2薬液供給ノズル123,IPA供給ノズル124,窒素ガス供給ノズル125は,供給を行うときのみチャンバー100の内部に移動させ,待機位置に待機中は,各純水供給ノズル入出口131,第1薬液供給ノズル入出口132,第2薬液供給ノズル入出口133,IPA供給ノズル入出口134,窒素ガス供給ノズル入出口135を内部側端部部材155によって塞ぎ,処理中のウェハWから雰囲気隔離する。また,各純水供給ノズル入出口131,第1薬液供給ノズル入出口132,第2薬液供給ノズル入出口133,IPA供給ノズル入出口134,窒素ガス供給ノズル入出口135を通過してチャンバー100の内部に外部から酸素が侵入することを防止し,チャンバー100の内部の低酸素雰囲気を維持することができる。この場合,第1の薬液の酸化力が高まることを防止して,ウェハWが損傷することを防止できる。
【0051】
なお,第1の薬液,第2の薬液は,SUS鋼等の金属に対して腐食性を有するものであるが,チャンバー100の内面は,耐薬液性を有するフッ素樹脂によるコーティングが施されているため,チャンバー100の内面から金属が溶出してウェハWを汚染する虞が無い。また,純水供給ノズル121,第1薬液供給ノズル122,第2薬液供給ノズル123,IPA供給ノズル124,窒素ガス供給ノズル125,各吐出口140,各内部側端部部材155は,それぞれ耐薬液性を有するPEEK等の材料によって形成される。従って,純水供給ノズル121,第1薬液供給ノズル122,第2薬液供給ノズル123,IPA供給ノズル124,窒素ガス供給ノズル125,各吐出口140,各内部側端部部材155の表面から金属が溶出してウェハWを汚染する虞が無い。
【0052】
次に,以上のように構成された処理システム1を用いた処理について説明する。先ず,図示しないキャリア搬送装置によって,ウェハWを収納したキャリアCを,キャリア載置台20に載置する。そして,キャリアCの開口に対向する位置にウェハ搬送装置24を移動させ,各ウェハWの下面に対向する位置に搬送アーム25をそれぞれ進入させる。そして,各搬送アーム25によって各ウェハWを下面からそれぞれ支持し,キャリアCから退出させる。このようにして,搬送アーム25によってキャリアCからウェハWを取り出す。次に,ウェハ搬送装置24をウェハ搬送部6内においてY方向に移動させるとともに,X―Y平面内で回転移動させ,ウェハ搬送・姿勢変換エリア35の搬入出口62に対向する位置に,ウェハWを搬送する。
【0053】
ウェハ搬送・姿勢変換エリア35においては,ロータ回転機構50を,ウェハ装入・退出位置P1に待機させておく。さらに,ロータ回転機構50の上方からロックピン91に近接させた開閉機構95によって,ロータ70の保持棒85a,85bを,離隔位置にそれぞれ移動させて保持棒85aと保持棒85bとの間を開いた状態にしておく。
【0054】
先ず,シャッター63を上昇移動させ,搬入出口62を開口させる。次に,ウェハWを保持した搬送アーム25を搬入出口62に通過させ,ウェハ搬送・姿勢変換エリア35内に進入させ,さらに,保持棒85aと保持棒85bとの間に通過させ,6本の保持棒85に囲まれる位置まで移動させる。ウェハWの周縁が4本の保持棒85の溝の中に進入したら,保持棒85a,85bを当接位置にそれぞれ移動させ,6本の保持棒85によってウェハWを保持し,搬送アーム25をウェハWとウェハWとの間の各隙間から退出させる。このようにして,ロータ70にウェハWを装入する。そして,搬送アーム25を,ウェハ搬送・姿勢変換エリア35内から退出させ,シャッター63を下降移動させ,搬入出口62を閉口する。
【0055】
さらに,開閉機構95によってロックピン91のロックを行い,開閉機構95をロータ回転機構50から離隔させる。そして,ロータ70にウェハWを保持したロータ回転機構50を上昇移動させ,姿勢変換位置P2に移動させる。姿勢変換位置P2において,ロータ70が基板処理ユニット40側に向かうように,ロータ回転機構50を縦姿勢から横姿勢に姿勢変換し,横姿勢のロータ回転機構50を待機位置P3に上昇移動させる。このようにして,基板処理ユニット40のロータ入出口107に対向する位置にウェハWを移動させる。待機位置P3において,ロータ回転機構50は,回転中心軸を水平方向にし,かつ,円盤82をロータ入出口107に対向させた状態となる。
【0056】
一方,基板処理ユニット40においては,各純水供給ノズル121,第1薬液供給ノズル122,第2薬液供給ノズル123,IPA供給ノズル124,窒素ガス供給ノズル125を,それぞれチャンバー100の外部に移動させた状態とし,純水供給ノズル入出口131,第1薬液供給ノズル入出口132,第2薬液供給ノズル入出口133,IPA供給ノズル入出口134,窒素ガス供給ノズル入出口135を,純水供給ノズル121,第1薬液供給ノズル122,第2薬液供給ノズル123,IPA供給ノズル124,窒素ガス供給ノズル125にそれぞれ備えた各内部側端部部材155によって,それぞれ閉じた状態にしておく。
【0057】
先ず,図示しない蓋体を移動させ,ロータ入出口107を開口させる。次に,ロータ回転機構50を水平方向(X方向)に前進させ,ロータ70をロータ入出口107からチャンバー100内へ進入させる。ロータ70をチャンバー100内部の所定の処理位置P4まで移動させると,蓋体73によってロータ入出口107を塞ぐ状態となる。そして,シール機構108によってロータ入出口107と蓋体73との間の隙間をシールする。こうして,チャンバー100,蓋体73によって,密閉状態の処理空間が形成される。
【0058】
さらに,窒素ガス供給ノズル125をチャンバー100の内部の供給位置に移動させる。このとき,内部側端部部材155は,窒素ガス供給ノズル入出口135から離隔し,外部側端部部材165が,窒素ガス供給ノズル入出口135に外部側から近接して,窒素ガス供給ノズル入出口135が閉じられる。このとき,純水供給ノズル121,第1薬液供給ノズル122,第2薬液供給ノズル123,IPA供給ノズル124は,待機位置に配置したままにして,純水供給ノズル入出口131,第1薬液供給ノズル入出口132,第2薬液供給ノズル入出口133,IPA供給ノズル入出口134を,それぞれ各内部側端部部材155によって閉じておく。こうして,チャンバー100内に密閉状態の処理空間が形成される。
【0059】
次に,窒素ガス供給ノズル125から窒素ガスを供給しながら,排出管101によって排気を行うことにより,チャンバー100内を窒素ガスによってパージして,低酸素雰囲気にする。なお,窒素ガス供給ノズル125は,純水供給ノズル121,第1薬液供給ノズル122,第2薬液供給ノズル123,IPA供給ノズル124が供給を行う間,適宜,窒素ガスを供給してチャンバー100内にダウンフローを形成する。
【0060】
最初に,第1の薬液によってポリマーを改質させる第1薬液処理工程を行う。先ず,第1薬液供給ノズル122を供給位置に移動させる。このとき,チャンバー100内に窒素ガスを継続して供給し,チャンバー100の内部を外部に対して陽圧に維持しながら,第1薬液供給ノズル122を移動させる。これにより,第1薬液供給ノズル122の内部側端部部材155を,第1薬液供給ノズル入出口132から離隔させても,第1薬液供給ノズル122と第1薬液供給ノズル入出口132との間の隙間から,チャンバー100の外部の雰囲気が侵入することを防止できる。従って,チャンバー100内に酸素が侵入せず,チャンバー100内を低酸素雰囲気に効果的に維持することができる。
【0061】
こうして,チャンバー100の内部を陽圧にしながら第1薬液供給ノズル122を供給位置まで移動させる。内部側端部部材155は,第1薬液供給ノズル入出口132から離隔し,外部側端部部材165が,第1薬液供給ノズル入出口132に外部側から近接して,第1薬液供給ノズル入出口132が閉じられる。そして,チャンバー100内に密閉状態の処理空間が形成される。
【0062】
次に,ロータ70の回転を開始して,静止状態から所定の回転速度に加速し,ウェハWとロータ70を一体的に回転させる。一方,第1薬液供給ノズル122から薬液を供給して,回転する各ウェハWに第1の薬液を吹き付ける。これにより,ウェハWの表面に形成されたポリマーを改質する。このように,低酸素雰囲気中で第1の薬液処理を行うことにより,ウェハWの表面の酸化を防止することができる。
【0063】
第1薬液処理終了後,第1薬液供給ノズル122を待機位置に移動させ,内部側端部部材155によって第1薬液供給ノズル入出口132を閉じる。この場合も,チャンバー100内に窒素ガスを継続して供給し,チャンバー100の内部を外部に対して陽圧に維持しながら,第1薬液供給ノズル122を移動させ,チャンバー100内に酸素が侵入することを防止する。このように,第1薬液処理工程終了後も,低酸素雰囲気を維持することにより,ウェハWに残留している第1の薬液の酸化力が高まることを効果的に防止できる。
【0064】
その後,ウェハWを第1薬液処理時よりも高速回転させて,ウェハWに付着した第1薬液を遠心力によって振り切って除去する。
【0065】
次に,第2薬液供給ノズル123を待機位置に移動させ,外部側端部部材165によって第2薬液供給ノズル入出口133を閉じる。この場合も,チャンバー100内に窒素ガスを継続して供給し,チャンバー100の内部を外部に対して陽圧に維持しながら,第2薬液供給ノズル123を移動させ,チャンバー100内に酸素が侵入することを防止する。このように,第1薬液の振り切り処理後も,低酸素雰囲気を維持することにより,ウェハWに残留している第1の薬液の酸化力が高まることを効果的に防止できる。
【0066】
続いて,第2薬液処理工程を行う。ロータ70の回転を所定の回転速度にし,ウェハWとロータ70を一体的に回転させる。一方,第2薬液供給ノズル123から第2の薬液を供給して,回転する各ウェハWに第2の薬液を吹き付ける。これにより,ウェハWの表面に付着している改質したポリマーを,第2の薬液に溶解させ,ウェハWの表面から除去する。
【0067】
第2薬液処理終了後,第2薬液供給ノズル123を待機位置に移動させ,内部側端部部材155によって第2薬液供給ノズル入出口133を閉じる。この場合も,チャンバー100内に窒素ガスを継続して供給し,チャンバー100の内部を外部に対して陽圧に維持しながら,第2薬液供給ノズル123を移動させ,チャンバー100内に外部の雰囲気が侵入することを防止できる。
【0068】
その後,ウェハWを第2薬液処理時よりも高速回転させて,ウェハWに付着した第2薬液を遠心力によって振り切って除去する。
【0069】
このように,第1の薬液処理の後,第2薬液処理を行うことにより,ウェハWの表面からポリマーを除去する基板処理ユニット40にあっては,第1薬液供給ノズル122によって供給を行う間,第2薬液供給ノズル123をチャンバー100の外部に待機させ,雰囲気を隔離する。第2薬液供給ノズル123によって供給を行う間は,第1薬液供給ノズル122をチャンバー100の外部に待機させ,雰囲気を隔離する。従って,第1薬液供給ノズル122に,第2の薬液が付着しない。また,第2薬液供給ノズル123に,第1の薬液が付着しない。即ち,第1薬液供給ノズル122及び第2薬液供給ノズル123の表面において,第1の薬液と第2の薬液が混合してクロスコンタミネーションが発生することを効果的に防止する。
【0070】
次に,純水によるリンス処理工程を行う。2本の純水供給ノズル121を供給位置に移動させ,外部側端部部材165によって純水供給ノズル入出口131をそれぞれ閉じる。この場合も,チャンバー100内に窒素ガスを継続して供給し,チャンバー100の内部を外部に対して陽圧に維持しながら,各純水供給ノズル121を移動させ,各純水供給ノズル入出口131からチャンバー100内に外部の雰囲気が侵入することを防止できる。続いて,ロータ70の回転を所定の回転速度にし,ウェハWとロータ70を一体的に回転させる。一方,各純水供給ノズル121から純水を供給して,回転する各ウェハWに純水を吹き付ける。これにより,ウェハWをリンス処理する。
【0071】
リンス処理終了後,各純水供給ノズル121を待機位置に移動させ,各内部側端部部材155によって純水供給ノズル入出口131をそれぞれ閉じる。この場合も,チャンバー100内に窒素ガスを継続して供給し,チャンバー100の内部を外部に対して陽圧に維持しながら,各第2薬液供給ノズル123を移動させ,各純水供給ノズル入出口131からチャンバー100内に外部の雰囲気が侵入することを防止できる。
【0072】
次に,乾燥処理工程を行う。IPA供給ノズル124を待機位置に移動させ,外部側端部部材165によってIPA供給ノズル入出口134を閉じる。この場合も,チャンバー100内に窒素ガスを継続して供給し,チャンバー100の内部を外部に対して陽圧に維持しながら,IPA供給ノズル124を移動させ,IPA供給ノズル入出口134からチャンバー100内に外部の雰囲気が侵入することを防止できる。続いて,ウェハWを純水処理時よりも高速で回転させる。そして,乾燥用流体としてIPAミストを吐出して,ウェハWをスピン乾燥処理する。
【0073】
スピン乾燥処理終了後,ロータ70の回転を停止させ,IPA供給ノズル124,窒素ガス供給ノズル125をそれぞれ待機位置に移動させ,各内部側端部部材155によって,IPA供給ノズル入出口134,窒素ガス供給ノズル入出口135をそれぞれ閉じる。
【0074】
その後,シール機構108のシールを解除し,ロータ入出口107と蓋体73との間に隙間を形成する。そして,ロータ回転機構50を処理位置P4から水平方向(X方向)に後退させ,ロータ入出口107から蓋体73を後退させ,続いて,ロータ70を退出させる。このように,ロータ70をチャンバー100内から退出させることにより,ウェハWを搬出する。ロータ70を退出させた後は,図示しない蓋体によってロータ入出口107を閉じる。
【0075】
さらに,処理位置P4から後退させたロータ回転機構50を待機位置P3に移動させる。そして,姿勢変換位置P2に下降移動させ,ロータ回転機構50を横姿勢から縦姿勢に姿勢変換する。こうして姿勢変換位置P2において縦姿勢になったロータ回転機構50を,さらにウェハ装入・退出位置P1に下降移動させる。
【0076】
ウェハ装入・退出位置P1にロータ回転機構50が移動したら,開閉機構95を近接させる。そして,シャッター63を上昇移動させ,搬入出口62を開口させる。搬送アーム25をウェハ搬送・姿勢変換エリア35内に進入させ,さらに,ロータ70に保持された各ウェハWの下面に対向する位置に搬送アーム25をそれぞれ進入させ,各ウェハWの下面に各搬送アーム25をそれぞれ当接させる。次に,保持棒85a,85bを離隔位置に移動させ,6本の保持棒85によるウェハWの保持を解除する。そして,ウェハWを支持した搬送アーム25を,保持棒85aと保持棒85bとの間から退出させ,搬入出口62から退出させる。
【0077】
こうして,ウェハ搬送・姿勢変換エリア35から搬出したウェハWを,ウェハ搬送部6内においてX―Y平面内で回転移動させるとともに,Y方向に移動させ,キャリア載置台20上に載置された,空のキャリアCの開口に対向する位置に,ウェハWを搬送する。次に,ウェハWを支持した搬送アーム25を,キャリアC内に進入させ,ウェハWを各スロットに収容する。そして,ポリマー除去処理を施したウェハWが収納されたキャリアCを,図示しないキャリア搬送装置によって,キャリア載置部5から搬出する。このようにして,処理システム1を用いたウェハWの処理工程が終了する。
【0078】
かかる基板処理ユニット40によれば,純水供給ノズル121,第1薬液供給ノズル122,第2薬液供給ノズル123,IPA供給ノズル124を,チャンバー100の内部と外部に移動可能な構成とし,それぞれ供給を行うときのみ,チャンバー100の内部に移動させ,供給を行わない間は,それぞれ外部に待機させることができるので,純水供給ノズル121,第1薬液供給ノズル122,第2薬液供給ノズル123,IPA供給ノズル124の各表面に,互いに処理流体が付着する虞が無い。従って,純水供給ノズル121,第1薬液供給ノズル122,第2薬液供給ノズル123,IPA供給ノズル124の各表面を清浄に保つことができる。従って,ウェハWの処理の信頼性を高めることができる。特に,純水供給ノズル121,第1薬液供給ノズル122,第2薬液供給ノズル123の各表面において,第1の薬液と第2の薬液が混合してクロスコンタミネーションが発生することを防止できる。
【0079】
また,各純水供給ノズル入出口131,第1薬液供給ノズル入出口132,第2薬液供給ノズル入出口133,IPA供給ノズル入出口134,窒素ガス供給ノズル入出口135を内部側端部部材155によって塞ぐことにより,チャンバー100の内部に外部から酸素が侵入することを防止し,チャンバー100の内部の低酸素雰囲気を維持することができる。さらに,チャンバー100内を窒素ガスによってパージして陽圧にすることにより,純水供給ノズル121,第1薬液供給ノズル122,第2薬液供給ノズル123,IPA供給ノズル124がそれぞれ移動する間も,純水供給ノズル入出口131,第1薬液供給ノズル入出口132,第2薬液供給ノズル入出口133,IPA供給ノズル入出口134,窒素ガス供給ノズル入出口135から酸素が侵入することを防止する。これにより,チャンバー100内を低酸素雰囲気を維持し,チャンバー100内の第1の薬液の酸化力が高まることを防止できる。
【0080】
従来の,外側チャンバーの内側に対して内側チャンバーを入出させる二重チャンバー構造においても,二重チャンバー内を陽圧にすることにより,内側チャンバーの移動中,内側チャンバーの入出口から酸素が侵入することを防止していたが,本発明の基板処理ユニット40によれば,純水供給ノズル入出口131,第1薬液供給ノズル入出口132,第2薬液供給ノズル入出口133,IPA供給ノズル入出口134,窒素ガス供給ノズル入出口135を,内側チャンバーを入出させるための入出口の大きさと比較して小さく形成できるので,さらに効果的に酸素の侵入を防止できる。従って,二重チャンバーを用いた場合より,さらに酸素濃度が低減できる。また,純水供給ノズル入出口131,第1薬液供給ノズル入出口132,第2薬液供給ノズル入出口133,IPA供給ノズル入出口134,窒素ガス供給ノズル入出口135をシールする構造も,比較的簡易なものにすることが可能である。
【0081】
以上,本発明の好適な実施の形態の一例を示したが,本発明はここで説明した形態に限定されない。例えば,基板は半導体ウェハに限らず,その他のLCD基板用ガラスやCD基板,プリント基板,セラミック基板などであっても良い。また,基板処理装置はポリマー除去処理を行うものに限定されず,その他の種々の処理液などを用いて,ポリマー除去処理以外の他の処理を基板に対して施す基板処理装置であっても良い。
【0082】
本実施の形態においては,純水供給ノズル121,第1薬液供給ノズル122,第2薬液供給ノズル123,IPA供給ノズル124,窒素ガス供給ノズル125に,それぞれ外部側端部部材165を設け,純水供給ノズル入出口131,第1薬液供給ノズル入出口132,第2薬液供給ノズル入出口133,IPA供給ノズル入出口134,窒素ガス供給ノズル入出口135を,各外部側端部部材165によってそれぞれ閉じる構成としたが,純水供給ノズル入出口131,第1薬液供給ノズル入出口132,第2薬液供給ノズル入出口133,IPA供給ノズル入出口134,窒素ガス供給ノズル入出口135のそれぞれの外側に,収納機構184を備えても良い。次に,代表して,チャンバー100の外部に移動した状態の第2薬液供給ノズル123を収納する収納機構184の構成について説明する。
【0083】
図6に示すように,第2薬液供給ノズル入出口133の外側には,チャンバー100の外部に移動した第2薬液供給ノズル123の全周囲を包むように,ベローズ186が形成されている。ベローズ186の一端は,円盤部材100cの外面に,第2薬液供給ノズル入出口133の周囲を囲むように接続されている。ベローズ186の他端部は,蓋部材187によって閉じられており,ベローズ186の内部はチャンバー100の外部と雰囲気隔離されている。また,蓋部材187は,第2薬液供給ノズル123の端部に固着されている。本実施の形態において,収納機構184は,ベローズ186と蓋部材187によって構成されている。
【0084】
蓋部材187には,駆動機構195によって水平方向に移動するロット196が接続されている。従って,駆動機構195の駆動により,第2薬液供給ノズル123が長手方向に移動して,第2薬液供給ノズル123の移動に応じて,ベローズ186が蓋部材187と円盤部材100cの外面との間で伸縮するようになっている。
【0085】
また,ベローズ186には,ベローズ186の内側の薬液雰囲気や,落下する薬液を排液するための排出ライン197が設けられており,これにより,ベローズ186の内側を清浄にすることができる。排出ライン197には,開閉弁198が介設されている。また,排出ライン197は,図示しないミストトラップに接続されている。
【0086】
第2薬液供給ノズル123を供給位置に移動させた状態では,第2薬液供給ノズル123がチャンバー100の内部の上部に配置され,蓋部材187が第2薬液供給ノズル入出口133の外部側に近接して配置され,ベローズ186が収縮した状態となる。このとき,第2薬液供給ノズル入出口133は,収縮したベローズ186と蓋部材187によって外部側から閉塞されるので,チャンバー100の内部は,チャンバー100の外部から雰囲気隔離されている。従って,チャンバー100の内部にパーティクルが侵入してウェハWが汚染されたり,チャンバー100の外部に薬液などの腐食性雰囲気が漏れて悪影響を与える心配が無い。また,第2薬液供給ノズル入出口133を通過してチャンバー100の内部に外部から酸素が侵入することがない。
【0087】
第2薬液供給ノズル123を待機位置に移動させた状態では,チャンバー100の内部において,内部側端部部材155が第2薬液供給ノズル入出口133に近接して,Oリング156が内部側端部部材155と円盤部材100cとの間をシールする。これにより,チャンバー100の内部側から第2薬液供給ノズル入出口133を閉塞することができる。チャンバー100の外部においては,蓋部材187が第2薬液供給ノズル入出口133から離隔し,ベローズ186が伸張した状態となる。これにより,第2薬液供給ノズル123は,ベローズ186に包まれ,蓋部材187とベローズ186によって形成された収納機構184内に収納される。
【0088】
このように,第2薬液供給ノズル123がチャンバー100の外部に移動した際,収納機構184によって,第2薬液供給ノズル123をチャンバー100の外部から雰囲気隔離することができる。即ち,第2薬液供給ノズル123から発生する薬液雰囲気がチャンバー100の外側に漏れないので,チャンバー100の外部に悪影響を与える心配が無い。また,ベローズ186によって,第2薬液供給ノズル123から落下する液滴を受け止めようになっている。受け止められた液滴や薬液雰囲気は,排出ライン197によって排出できる。さらに,第2薬液供給ノズル入出口133を内部側端部部材155によって塞ぐことにより,チャンバー100及び収納機構184を密閉し,第2薬液供給ノズル123をチャンバー100の内部から雰囲気隔離することができる。即ち,第2薬液供給ノズル123から発生する薬液雰囲気がチャンバー100の内側に流入してウェハWに悪影響を与える心配が無い。
【0089】
また,チャンバー100の内部と外部との間で移動する間も,第2薬液供給ノズル123の移動に応じてベローズ186が伸縮するので,ベローズ186の内側及びチャンバー100の内部を,チャンバー100の外部から雰囲気隔離することができる。また,第2薬液供給ノズル入出口133を通過してチャンバー100の内部に外部から酸素が侵入することがない。
【0090】
なお,各純水供給ノズル121,第1薬液供給ノズル122,IPA供給ノズル124,窒素ガス供給ノズル125を収納する収納機構184は,上記の第2薬液供給ノズル123を収納するものと同様の構成を有する。この場合,待機位置に待機中の第1薬液供給ノズル122,純水供給ノズル121,第2薬液供給ノズル123,IPA供給ノズル124,窒素ガス供給ノズル125を,それぞれ収納機構184に収納して密閉することにより,互いに異なる種類の処理流体雰囲気から隔離することができ,互いに悪影響を及ぼすことを防止できる。
【0091】
本実施の形態においては,第1の薬液及び第2の薬液を使用してポリマー除去処理を行う基板処理ユニット40を備えた処理システム1について説明したが,ポリマー改質処理を第1の処理部においてオゾンガスと水蒸気の混合流体を用いて行い,改質したポリマーを除去する処理を第2の処理部において薬液を用いて行う処理システム200を用いても良い。この場合も,二重チャンバー構造を用いることなく,2種類の薬液が混合することを防止できる。以下,本発明の別の実施の形態を,ウェハに付着したポリマーを除去する処理を行うように構成された,処理システム200に基づいて説明する。
【0092】
図7は,本実施の形態にかかる処理システム200の概略平面図である。処理システム200は,キャリア載置部5と,ウェハ搬送部6と,ウェハWをオゾンガスと水蒸気の混合流体によって処理する,第1の処理部207と,ウェハWを薬液処理,リンス処理,乾燥処理する,第2の処理部8と,処理流体発生・貯蔵部10を備えている。
【0093】
キャリア載置部5と,ウェハ搬送部6は,処理システム1に備えたものと,ほぼ同様の構成を有する。
【0094】
第1の処理部207には,後に詳細に説明する,第1の基板処理装置としてのVOSユニット210が設置されている。VOSユニット210は,ウェハ搬送部6に対してY方向に隣接するように配置されている。VOSユニット210に対してウェハWの搬入出を行う際には,ウェハ搬送装置24をY方向に移動させ,25本の搬送アーム25をY方向に一体的にスライドさせてウェハWの挿入及び退出を行う。第1の処理部207の天井部には,VOSユニット210内に清浄な空気をダウンフローするためのファンフィルターユニット(FFU)211が配設されている。
【0095】
第2の処理部8には,処理システム1に備えたものと同様の構成を有する,ウェハWの搬送と姿勢変換を行うウェハ搬送・姿勢変換エリア35と,処理システム1に備えたものと同様の構成を有する,第2の基板処理装置としての基板処理ユニット40が設置されている。ウェハ搬送・姿勢変換エリア35は,ウェハ搬送部6を挟んで,各キャリア載置台20に載置されたキャリアCと対向する側に配置され,また,ウェハ搬送部6に対してY方向に隣接するように配置されている。基板処理ユニット40は,ウェハ搬送・姿勢変換エリア35に対して,ウェハ搬送部6と反対側にY方向に隣接するように配置されている。ウェハ搬送・姿勢変換エリア35に対してウェハWの搬入出を行う際には,ウェハ搬送装置24をY方向に移動させ,25本の搬送アーム25をX方向に一体的にスライドさせてウェハWの挿入及び退出を行う。ウェハ搬送・姿勢変換エリア35の天井部には,FFU41が配設されている。
【0096】
処理流体発生・貯蔵部10には,第1の処理部207において使用するオゾンガスを発生させるオゾンガス発生ユニット213と,第1の処理部207において使用する水蒸気を発生させる図示しない水蒸気発生ユニットと,第2の処理部8において使用する薬液を貯留する薬液貯蔵ユニット214が設けられている。
【0097】
次に,VOSユニット210について説明する。図8は,ウェハWにオゾンガスと水蒸気の混合流体を供給して,ポリマーを改質させる処理を行うVOSユニット210の概略縦断面図である。図9は,VOSユニット210の概略横断面図である。VOSユニット210は,内部でウェハWの処理を行うユニットチャンバー215を備えている。ユニットチャンバー215の下部には,ユニットチャンバー215の内部から排出した処理流体の処理を行う処理流体回収部216が配設されている。ユニットチャンバー215の天井部には,前述のFFU211が配設されている。
【0098】
ユニットチャンバー215の内部には,底面に円盤状の処理台218が形成されている。処理台218の上方には,3本の棒状の保持棒220が垂直に設けられている。また,図9に示すように,各保持棒220は,処理台218の中央を中心とした円周上に配置されており,3本の保持棒220に囲まれる空間は,ウェハWを保持する空間となっている。また,各保持棒220には,図10に示すように,ウェハWの周縁を挿入する保持溝221が,それぞれ25個ずつ形成されている。25個の保持溝は,所定間隔を空けて垂直方向に並べて配列されている。これら3本の保持棒220の溝にウェハWの周縁を支持することにより,図8,図10に示すように,25枚のウェハWを互いに略平行な姿勢で,また,略水平な姿勢で保持する。
【0099】
図8に示すように,3本の保持棒220のうち,2本の保持棒220a,220bの各下端は,処理台218の上面に対して水平面内で揺動可能なアーム222a,222bの先端にそれぞれ固定されている。また,3本の保持棒220のうち,1本の保持棒220cの下端は,処理台218の上面に固定されている。
【0100】
アーム222a,222bの各基端は,処理台218,ユニットチャンバー215の底面を貫通する状態で設けられた回動軸223a,223bの上端にそれぞれ固定されている。回動軸223a,223bの各下端は,処理流体回収部216の内部に突出している。処理流体回収部216の内部には,回動軸223a,223bをそれぞれ回動させる駆動装置225a,225bが設けられている。駆動装置225aの駆動によって,保持棒220a,アーム222a,回動軸223aを,回動軸223aを中心として一体的に回動させることができる。これにより,保持棒220aを,ウェハWの周縁に当接する当接位置と,当接位置よりウェハWの周縁から離れた離隔位置とに移動させることができる。同様に,駆動装置225bの駆動によってアーム222bを回動させ,保持棒220bを,ウェハWの周縁に当接する当接位置と,ウェハWの周縁から離れた離隔位置とに移動させることができる。
【0101】
ユニットチャンバー215の壁には,ウェハWの搬入出を行うためのウェハ搬入出口235が開口している。ウェハ搬入出口235は,3本の保持棒220に設けられた下端の溝より下の高さから,上端の溝より上の高さまで開口している。即ち,搬送アーム25をウェハ搬入出口235から水平方向に移動させることにより,25枚のウェハWを保持棒220の溝に装入することができるようになっている。また,ウェハ搬入出口235を閉じるシャッター238が備えられている。なお,2本の保持棒220a,220bは,ウェハ搬入出口235が位置する側に設けられている。固定された保持棒220cは,ウェハWが保持される空間を挟んでウェハ搬入出口235と対向する側に配置されている。
【0102】
3本の保持棒220にウェハWを受け渡す際には,先ず,2本の保持棒220a,220bを離隔位置にそれぞれ移動させ,ウェハWを保持した25本の搬送アーム25をウェハ搬入出口235の外側から水平に前進させて,保持棒220cの溝にウェハW周縁を挿入させる。そして,2本の保持棒220a,220bを当接位置にそれぞれ移動させ,3本の保持棒220a,220b,220cによってウェハWを保持して,搬送アーム25を水平に後退させる。3本の保持棒220からウェハWを取り出す際には,25本の搬送アーム25を水平に前進させてウェハWの間に挿入し,ウェハWの下面に搬送アーム25を当接させて保持し,その後,2本の保持棒220a,220bを離隔位置にそれぞれ移動させる。そして,ウェハWを保持した搬送アーム25をウェハ搬入出口235の外側に退出させる。
【0103】
図9に示すように,処理台218の上方には,オゾンガスを供給する棒状のオゾンガス供給ノズル241と,水蒸気を供給する棒状の水蒸気供給ノズル242と,パージ用ガスとして窒素ガスを供給する棒状の窒素ガス供給ノズル243が,それぞれの下端を処理台218の上面に支持されて,それぞれ垂直に設けられている。また,オゾンガス供給ノズル241,水蒸気供給ノズル242,窒素ガス供給ノズル243は,3本の保持棒220に保持されるウェハWの周縁から離れた位置に配置される。各オゾンガス供給ノズル241,水蒸気供給ノズル242,窒素ガス供給ノズル243には,ウェハWを保持する空間に向かう表面に,垂直方向に配列された多数の吐出口が,それぞれ形成されている。なお,パージ用ガスとしては,窒素ガスの他,空気を使用しても良い。
【0104】
さらに,処理台218の上方には,25枚の熱板250を支持する熱板支持棒251が,下端を処理台218の上面に支持されて垂直に設けられている。各熱板250は,ウェハWよりも径が小さい略円盤形状をしており,3本の保持棒220に保持された25枚のウェハWの各隙間に挿入できる厚さにそれぞれ形成されている。熱板支持棒251は,25枚の熱板250を,互いに略平行な姿勢で所定間隔を空けて,また,各熱板を略水平な姿勢で支持する。なお,熱板支持棒251は,3本の保持棒220に保持されるウェハWよりも外側に配置されている。
【0105】
また,図9に示すように,熱板支持棒251を中心として,熱板250を水平面内で円弧状に回転移動させることにより,図10に示すように,ウェハWとウェハWとの間の各隙間に,熱板250を挿入することができる。即ち,3本の保持棒220に保持された25枚の各ウェハWの下方から退出させて,ウェハWの下面から離隔した待機位置と,各ウェハWの下方に進入させて,ウェハWの下面に近接した処理位置とに,熱板250を移動させることができる。なお,熱板250は,ウェハWに接触しない状態で処理位置に配置される。
【0106】
図8に示すように,ユニットチャンバー215の内部には,3本の保持棒220に保持された25枚のウェハWに,それぞれ熱板250を近接させた際に,25枚のウェハWと25枚の熱板250を囲むカバー255が備えられている。カバー255は,円筒壁255aと,円筒壁255aの上部を塞ぐ円盤状の天井板255bによって構成されている。円筒壁255aの下部は開口となっている。また,カバー255は,ユニットチャンバー215の内部で垂直方向に上下移動させることができる。即ち,上昇させて3本の保持棒220に25枚のウェハWが保持される空間の上方に位置する待機位置と,下降させて3本の保持棒220に25枚のウェハWが保持される空間を囲む処理位置とに,カバー255を移動させることができる。
【0107】
なお,3本の保持棒220,オゾンガス供給ノズル241,水蒸気供給ノズル242,窒素ガス供給ノズル243,熱板支持棒251は,円筒壁255aの内方に配置されている。カバー255を下降移動させると,円筒壁255aの下部の開口が,3本の保持棒220,オゾンガス供給ノズル241,水蒸気供給ノズル242,窒素ガス供給ノズル243,熱板支持棒251の周囲に沿って下降移動し,カバー255を処理位置に配置すると,図9に示すように,25枚のウェハW,処理位置に配置された熱板250,3本の保持棒220,オゾンガス供給ノズル241,水蒸気供給ノズル242,窒素ガス供給ノズル243,熱板支持棒251が,円筒壁255aの内部に配置される。
【0108】
また,カバー255を処理位置に配置すると,図8の二点鎖線によって示すように,円筒壁255aの下縁が処理台218の上面に当接する。即ち,円筒壁255aの下部の開口が,処理台218の上面によって閉塞される。そして,処理位置に移動したカバー255と処理台218上面によって,カバー255の内部に密閉状態の処理空間が形成される。
【0109】
さらに,カバー255の内部から処理流体の排液及び排気を行う排出管258が,ウェハWを挟んで対向する2箇所において,処理台218上面に開口するように設けられている。排出管258の下流側は処理流体回収部216内に配置されている。また,図9に示すように,カバー255の内部の処理空間の温度を検出する温度センサー261が備えられている。
【0110】
円筒壁255aの外方には,カバー255を上下移動させる駆動装置263が配設されている。また,ユニットチャンバー215の内部を排気する排気管264が設けられている。
【0111】
処理流体回収部216の内部には,ミストトラップ267と,オゾンキラー268が設けられている。排出管258は,ミストトラップ267に接続されている。ミストトラップ267は,排出管258によって排出された処理流体を,液体と気体に分離する。例えば,オゾンガスと水蒸気の混合流体を冷却することにより,水蒸気を水に凝固させ,混合流体をオゾンガス成分と水に分離する。分離されたオゾンガスは,オゾンキラー268によって酸素に熱分解され,図示しない冷却装置によって冷却された後,VOSユニット210の外部に排出される。水は,図示しない排液管によってミストトラップ267から排液される。
【0112】
処理システム200に設置される基板処理ユニット40は,処理システム1に設置したものとほぼ同様の構成を有する。即ち,第1薬液供給ノズル122及び第2薬液供給ノズル123の代わりに配置されオゾンガスと水蒸気の混合流体により改質したポリマーを除去する薬液を供給する図示しない薬液供給ノズル,純水供給ノズル121,IPA供給ノズル124,窒素ガス供給ノズル125が設けられており,それぞれ供給を行うときのみチャンバー100の内部に移動させ,供給を行わない間は,それぞれ外部に待機させるようにする。この場合,前述の第1薬液供給ノズル122及び第2薬液供給ノズル123の代わりに配置された薬液供給ノズル(図示せず),純水供給ノズル121,IPA供給ノズル124,窒素ガス供給ノズル125の各表面に,互いに処理流体が付着する虞が無い。従って,薬液供給ノズル(図示せず),純水供給ノズル121,IPA供給ノズル124の各表面を清浄に保つことができ,ウェハWの処理の信頼性を高めることができる。
【0113】
次に,以上のように構成された処理システム200を用いた処理について説明する。先ず,処理システム1における処理と同様に,搬送アーム25によってキャリアCから例えば25枚のウェハWを取り出す。ウェハWは,略水平な姿勢で,表面が上面となっている状態で搬送アーム25に保持される。次に,ウェハ搬送装置24をウェハ搬送部6内においてY方向に移動させ,VOSユニット210のウェハ搬入出口235に対向する位置にウェハWを搬送する。
【0114】
一方,VOSユニット210のユニットチャンバー215の内部においては,2本の保持棒220a,220bを離隔位置に,熱板250を待機位置に配置させた状態にしてそれぞれ待機させておく。
【0115】
先ず,ウェハ搬入出口235を開口させる開口位置にシャッター238を上昇移動させる。次に,カバー255を下方の処理位置から待機位置に上昇移動させる。
【0116】
その後,搬送アーム25に保持したウェハWをウェハ搬入出口235に進入させ,3本の保持棒220に囲まれる位置まで移動させる。各ウェハWの周縁が保持棒220cの溝の中に進入したら,2本の保持棒220a,220bを当接位置にそれぞれ移動させ,3本の保持棒220a,220b,220cによってウェハWを保持し,搬送アーム25をユニットチャンバー215から退出させる。そして,ウェハ搬入出口235を閉口させる閉口位置にシャッター238を移動させ,ユニットチャンバー215を密閉状態にする。こうして,25枚のウェハWは,略水平な姿勢で,表面が上面,裏面が下面となっている状態で3本の保持棒220a,220b,220cに保持される。
【0117】
次に,熱板250をウェハWとウェハWとの間の各隙間に進入させ,処理位置にそれぞれ移動させる。このとき,処理位置に移動した各熱板250の上面は,各熱板250の上方に位置するウェハWの下面(裏面)に,接触しない状態でそれぞれ近接する。
【0118】
その後,カバー255を処理位置に下降移動させ,3本の保持棒220に保持されたウェハW,処理位置に配置された熱板250,3本の保持棒220,オゾンガス供給ノズル241,水蒸気供給ノズル242,窒素ガス供給ノズル243,熱板支持棒251を,カバー255によって囲み,カバー255の内部に密閉状態の処理空間を形成する。
【0119】
このように25枚のウェハWをカバー255によって囲んだ状態で,ウェハWの表面に形成されたポリマーを改質させるポリマー改質工程を開始する。先ず,オゾンガス供給ノズル241からのオゾンガスの供給を開始する。カバー255の内部にオゾンガスを供給しながら,排出管258によってカバー255の内部の雰囲気を排気する。また,熱板250を昇温させることにより,ウェハWを昇温させる。このようにして,カバー255の内部の圧力を調節しながら,カバー255の内部の雰囲気をオゾンガス雰囲気に置換する。
【0120】
次に,水蒸気供給ノズル242からの水蒸気の供給を開始する。カバー255の内部の圧力を調節しながら,カバー255の内部のオゾンガス雰囲気内に水蒸気を供給して,カバー255の内部にオゾンガスと水蒸気の混合処理流体を充填する。そして,熱板250によってウェハWを加熱しながら,所定時間,ウェハW表面のポリマーと混合処理流体とを反応させる。このように,カバー255の内部に充填させた混合処理流体によって,ポリマーを改質させる。ポリマーの改質が終了したら,熱板250の加熱を停止する。
【0121】
その後,窒素ガス供給ノズル243からの窒素ガスの供給を開始する。カバー255の内部に窒素ガスを供給しながら,排出管258によってカバー255の内部の雰囲気を排気する。これにより,カバー255の内部の混合処理流体雰囲気を窒素ガス雰囲気に置換する。置換が終了したら,窒素ガス供給ノズル243からの窒素ガスの供給,及び排出管258による排気を停止させる。
【0122】
こうして,ポリマー改質工程が終了する。ポリマー改質工程終了後,先ず,カバー255を処理位置から待機位置に上昇移動させる。次に,熱板250をウェハWとウェハWとの間の各隙間から退出させ,待機位置に移動させる。その後,開口位置にシャッター238を上昇移動させる。
【0123】
その後,搬送アーム25をウェハ搬入出口235に進入させ,各ウェハWの下面に対向する位置に進入させる。そして,各ウェハWの下面に各搬送アーム25をそれぞれ当接させる。次に,2本の保持棒220a,220bを離隔位置に移動させ,3本の保持棒220a,220b,220cによるウェハWの保持を解除する。そして,ウェハWを支持した搬送アーム25を,2本の保持棒220a,220bの間から後退させ,ウェハ搬入出口235から退出させる。
【0124】
このようにしてVOSユニット210におけるポリマー改質処理を施したウェハWを支持したウェハ搬送装置24を,ウェハ搬送部6内においてY方向に移動させ,ウェハ搬送・姿勢変換エリア35の搬入出口62に対向する位置に,ウェハWを搬送する。
【0125】
ウェハ搬送・姿勢変換エリア35においては,処理システム1と同様に,ロータ70にウェハWを装入し,ロータ回転機構50を横姿勢にして待機位置P3に上昇移動させる。
【0126】
次に,ロータ回転機構50を水平方向(X方向)に前進させ,ロータ70を基板処理ユニット40のロータ入出口107からチャンバー100内へ進入させる。ロータ70をチャンバー100内部の所定の処理位置P4まで移動させると,蓋体73によってロータ入出口107を塞ぐ状態となる。そして,シール機構108によってロータ入出口107と蓋体73との間の隙間をシールする。こうして,チャンバー100,蓋体73によって,密閉状態の処理空間が形成される。
【0127】
基板処理ユニット40においては,先ず,薬液処理工程を行う。ロータ70の回転を開始して,静止状態から所定の回転速度に加速し,ウェハWとロータ70を一体的に回転させる。一方,図示しない薬液供給ノズルから薬液を供給して,回転する各ウェハWに薬液を吹き付ける。これにより,ウェハWの表面に付着している改質したポリマーを,薬液に溶解させ,ウェハWの表面から除去する。その後,ウェハWを薬液処理時よりも高速回転させて,ウェハWに付着した薬液を遠心力によって振り切って除去する。
【0128】
次に,純水供給ノズル121から純水を供給して,回転する各ウェハWに純水を吹き付ける。これにより,ウェハWをリンス処理する。その後,ウェハWをリンス処理時よりも高速回転させ,IPA供給ノズル124からIPAミストを供給して,ウェハWをスピン乾燥処理する。
【0129】
乾燥処理後,シール機構108のシールを解除し,ロータ入出口107と蓋体73との間に隙間を形成する。そして,ロータ回転機構50を処理位置P4から水平方向(X方向)に後退させる。こうして基板を基板処理ユニット40から搬出する。その後,処理システム1と同様の工程により,ウェハWをウェハ搬送・姿勢変換エリア35から搬出し,キャリアCに収納し,処理システム200におけるウェハWの処理工程が終了する。
【0130】
かかる処理システム200によれば,過酸化水素を含有した薬液(第1の薬液)を使用せずに,オゾンガスと水蒸気の混合流体によって,ポリマーを改質させることができる。従って,オゾンガスと水蒸気の混合流体によって改質したポリマーを溶解させる薬液に,異なる種類の薬液,例えばポリマーを改質させる薬液などが混合することが無い。従って,クロスコンタミネーションが発生しない。
【0131】
さらに,オゾンガスと水蒸気の混合流体を用いてポリマーを改質させる工程は,第1の薬液を使用してポリマーを改質させる場合と比較して,短時間で行うことができる。従って,スループットの向上を図ることができる。
【0132】
なお,処理システム200に組み込む基板処理ユニット40においても,前述した処理システム1に組み込む基板処理ユニット40を用いた実施の形態と同様に,薬液供給ノズル(図示せず),純水供給ノズル121,IPA供給ノズル124,窒素ガス供給ノズル125をそれぞれ供給を行うときのみチャンバー100の内部に移動させ,供給を行わない間は,それぞれ外部に待機させ,チャンバー100の内部と雰囲気隔離することにより,薬液供給ノズル,純水供給ノズル121,IPA供給ノズル124,窒素ガス供給ノズル125の各表面において,互いの処理流体が付着,混合せず,各表面を清浄に保つことができる。従って,清浄な処理流体を供給でき,ウェハWの処理の信頼性を高めることができる。
【0133】
また,基板処理ユニット40において,先行するロットのウェハWを処理する間,VOSユニット210に後続のロットのウェハWを搬入し,ポリマー改質処理を並行して行うようにすることが好ましい。この場合,先行するロットのウェハWを基板処理ユニット40から搬出してキャリアCに収納した後,VOSユニット210における処理が終了した後続のロットのウェハWを,すぐに基板処理ユニット40に搬送できる。さらに,その後,次の後続のロットのウェハWをキャリアCから取り出し,VOSユニット210に搬送できる。このように,VOSユニット210,基板処理ユニット40において,各処理を並行して行うことにより,ウェハWを連続的に処理する。この場合,スループットを向上させることが可能である。
【0134】
【発明の効果】
本発明によれば,互いに異なる種類の処理液を供給する複数のノズルを,チャンバーの内部と外部に移動可能な構成としたことにより,互いに処理流体が付着することを防止できる。また,オゾンガスと水蒸気の混合流体によって,ポリマーを改質させることにより,使用する薬液を1種類にすることができる。従って,二重チャンバー構造を用いることなく,複数のノズルの表面において,互いに処理液が混合することを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】処理システムの概略平面図である。
【図2】ロータ回転機構の移動及び姿勢変換の状態を示す説明図である。
【図3】ロータの斜視図である。
【図4】本発明の実施の形態にかかる基板処理ユニットの概略縦断面図である。
【図5】図4に示す基板処理ユニットのI―I線による断面図である。
【図6】別の実施の形態にかかる基板処理ユニットの概略縦断面図である。
【図7】別の実施の形態にかかる処理システムの概略平面図である。
【図8】VOSユニットの概略縦断面図である。
【図9】VOSユニットの概略横断面図である。
【図10】熱板をウェハの下面に近接した処理位置に移動させた状態を示す説明図である。
【符号の説明】
C   キャリア
W   ウェハ
1   処理システム
25  搬送アーム
40  基板処理ユニット
50  ロータ回転機構
70  ロータ
100 チャンバー
121 純水供給ノズル
122 第1薬液供給ノズル
123 第2薬液供給ノズル
124 IPA供給ノズル
125 窒素ガス供給ノズル
131 純水供給ノズル入出口
132 第1薬液供給ノズル入出口
133 第2薬液供給ノズル入出口
134 IPA供給ノズル入出口
135 窒素ガス供給ノズル入出口
155 内部側端部部材
165 外部側端部部材
186 ベローズ
187 蓋部材
200 処理システム
210 VOSユニット
220 保持棒
250 熱板
255 カバー
241 オゾンガス供給ノズル
242 水蒸気供給ノズル
243 窒素ガス供給ノズル

Claims (13)

  1. 複数枚の基板を配列して収納するチャンバーと,互いに異なる処理液を吐出する2以上のノズルを備え,前記各ノズルから処理液をそれぞれ供給して基板を処理する基板処理装置であって,
    前記各ノズルを,基板の配列方向に沿ってそれぞれ移動させて,前記チャンバーの内部と外部にそれぞれ移動させる構成としたことを特徴とする,基板処理装置。
  2. 前記チャンバーに,前記各ノズルを移動させるための開口をそれぞれ設け,
    前記ノズルが前記チャンバーの外部に移動したときに前記開口を閉じる閉塞部材をそれぞれ設け,
    前記ノズルが前記チャンバーの内部に移動したときに前記開口を閉じる閉塞部材をそれぞれ設けたことを特徴とする,請求項1に記載の基板処理装置。
  3. 前記チャンバーの外部に移動したノズルを収納する収納機構を,前記各開口の外側にそれぞれ設けたことを特徴とする,請求項1又は2に記載の基板処理装置。
  4. 前記収納機構は,前記チャンバーの外部において前記ノズルを包むベローズと,前記ベローズの端部を閉じる蓋部材によって構成されることを特徴とする,請求項3に記載の基板処理装置。
  5. 前記収納機構の内部を排気する排出ラインを設けたことを特徴とする,請求項3又は4に記載の基板処理装置。
  6. 基板のポリマー除去処理を行う処理システムであって,
    基板にオゾンガスと蒸気の混合流体を供給する第1の基板処理装置と,基板に処理液を供給する第2の基板処理装置を備えることを特徴とする,処理システム。
  7. 前記第1の基板処理装置は,基板の裏面に近接する熱板を備えることを特徴とする,請求項6に記載の処理システム。
  8. 前記第1の基板処理装置は,複数枚の基板を配列して保持する保持部材を備え,
    複数枚の前記熱板を配列して備え,
    前記複数枚の基板に,前記複数枚の熱板をそれぞれ近接させることを特徴とする,請求項7に記載の処理システム。
  9. 前記第1の基板処理装置は,基板と基板の裏面に近接した熱板とを囲むカバーを備えることを特徴とする,請求項6,7又は8に記載の処理システム。
  10. 基板のポリマーを除去する処理方法であって,
    配列した複数枚の基板にオゾンガスと蒸気の混合流体を供給して処理し,
    前記複数枚の基板に薬液を供給して処理し,
    前記複数枚の基板をリンス処理し,
    前記複数枚の基板を乾燥処理することを特徴とする,基板処理方法。
  11. 前記複数枚の配列した基板にオゾンガスと蒸気の混合流体を供給して処理するに際し,
    各基板の裏面に熱板をそれぞれ近接させ,
    前記複数枚の基板と熱板の周囲をカバーによって囲み,
    カバーの内部にオゾンガスを供給し,
    カバーの内部に蒸気を供給し,
    カバーの内部にパージ用ガスを供給し,
    前記複数枚の基板と熱板の周囲からカバーを離隔させ,
    前記各基板の裏面から熱板をそれぞれ離隔させることを特徴とする,請求項10に記載の基板処理方法。
  12. 第1の基板処理装置において,前記複数枚の基板にオゾンガスと蒸気の混合流体を供給して処理し,
    第2の基板処理装置において,前記複数枚の基板に薬液を供給して処理し,前記複数枚の基板をリンス処理し,前記複数枚の基板を乾燥処理することを特徴とする,請求項10又は11に記載の基板処理方法。
  13. 前記第1の基板処理装置における処理と,前記第2の基板処理装置における処理を,並行して行うことを特徴とする,請求項12に記載の基板処理方法。
JP2002273622A 2002-09-19 2002-09-19 基板処理装置,処理システム及び基板処理方法 Withdrawn JP2004111735A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002273622A JP2004111735A (ja) 2002-09-19 2002-09-19 基板処理装置,処理システム及び基板処理方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002273622A JP2004111735A (ja) 2002-09-19 2002-09-19 基板処理装置,処理システム及び基板処理方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004111735A true JP2004111735A (ja) 2004-04-08

Family

ID=32270332

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002273622A Withdrawn JP2004111735A (ja) 2002-09-19 2002-09-19 基板処理装置,処理システム及び基板処理方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2004111735A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011129881A (ja) * 2009-11-19 2011-06-30 Tokyo Electron Ltd テンプレート処理方法、プログラム、コンピュータ記憶媒体及びテンプレート処理装置
JP2012015347A (ja) * 2010-07-01 2012-01-19 Disco Abrasive Syst Ltd スピンナ洗浄装置
JP2012015348A (ja) * 2010-07-01 2012-01-19 Disco Abrasive Syst Ltd スピンナ洗浄装置
JP2013021182A (ja) * 2011-07-12 2013-01-31 Tokyo Electron Ltd 液処理装置および液処理方法
US9691602B2 (en) 2011-07-12 2017-06-27 Tokyo Electron Limited Liquid process apparatus and liquid process method

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011129881A (ja) * 2009-11-19 2011-06-30 Tokyo Electron Ltd テンプレート処理方法、プログラム、コンピュータ記憶媒体及びテンプレート処理装置
JP2012015347A (ja) * 2010-07-01 2012-01-19 Disco Abrasive Syst Ltd スピンナ洗浄装置
JP2012015348A (ja) * 2010-07-01 2012-01-19 Disco Abrasive Syst Ltd スピンナ洗浄装置
JP2013021182A (ja) * 2011-07-12 2013-01-31 Tokyo Electron Ltd 液処理装置および液処理方法
US9691602B2 (en) 2011-07-12 2017-06-27 Tokyo Electron Limited Liquid process apparatus and liquid process method
KR101811066B1 (ko) * 2011-07-12 2017-12-20 도쿄엘렉트론가부시키가이샤 액처리 장치 및 액처리 방법

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3171807B2 (ja) 洗浄装置及び洗浄方法
US7404407B2 (en) Substrate processing apparatus
KR100914764B1 (ko) 기판처리장치 및 기판처리방법
JP3563605B2 (ja) 処理装置
US6589359B2 (en) Cleaning method and cleaning apparatus for substrate
KR19980025067A (ko) 세정장치 및 세정방법
US6536452B1 (en) Processing apparatus and processing method
KR19980025069A (ko) 세정장치 및 세정방법
JP3171822B2 (ja) 洗浄装置及び洗浄方法
JP2004111735A (ja) 基板処理装置,処理システム及び基板処理方法
JPH10209109A (ja) 洗浄装置及び洗浄方法
JP2005268244A (ja) 基板処理装置
JP2004304138A (ja) 基板処理装置
JP2004303836A (ja) 基板処理装置
JP3910757B2 (ja) 処理装置及び処理方法
JP2004200666A (ja) 基板処理方法及び基板処理装置
JP2004283803A (ja) 基板処理装置
JP7506728B2 (ja) 基板処理装置及び基板処理方法
JP2001077075A (ja) 処理装置及び処理方法
TWI841135B (zh) 用於處理基板之設備及用於處理基板之方法
US20210050210A1 (en) Method and apparatus for treating substrate
JP7503110B2 (ja) 基板処理装置
JP2023095783A (ja) 基板処理装置及び基板処理方法
JP2000114228A (ja) 基板処理装置および基板処理システム
TW202238789A (zh) 用於處理基板之設備

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20060110