JP2004111238A - 燃料電池システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】燃料電池スタック2を発電させるために、燃焼部11により改質部12での改質に必要な熱を与えて改質部12により改質し、水素を水素分離膜13を介して水素透過部14に送る。そして、水素透過部14の水素を燃料電池スタック2に供給すると共に空気を供給して発電させ、燃料電池スタック2に冷却水を供給する。この燃料電池システムでは、水素ガス流路の水素ガス供給方向と、冷却水流路の冷却水循環方向とを、燃料電池スタック内の少なくとも一部にて略同一方向とし、燃料電池スタックの水素ガス入口における水素ガスの飽和水蒸気圧よりも、燃料電池スタックの水素ガス出口における水素ガスの飽和水蒸気圧を高くして、水蒸気を多く含んで燃料電池スタック2から排出された水素ガスを水素透過部14に戻す。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、固体高分子膜を備えた燃料電池スタックに、燃料を改質して生成した水素ガスを供給する改質器を備えた燃料電池システムに関し、主として車両等の移動体の駆動源となる電力を発生させる燃料電池システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、改質型燃料電池システムとしては、図8に示すように、改質に必要な熱を発生させる燃焼層101と、この燃料層101に隣接して設けられて燃料の改質をおこなう触媒を含む改質層102と、改質層102との間を水素分離膜103で仕切られた水素透過層104よりなるメンブレン型水素製造装置100を備えたものが知られている。
【0003】
この改質型燃料電池システムでは、蒸気を水素透過層104及び改質層102に供給すると共に、燃料を改質層102及び燃焼層101に供給する。そして、改質層102にて生成された水素は、改質層102と水素透過層104との水素分圧によって、水素分離膜103を介して水素透過層104に送られる。これにより、水素透過層104から燃料電池スタック111の水素極111aに水素が送られ、空気極111bに空気が送られることで、燃料電池スタック111に発電反応をさせる。水素極111aから排出された排出ガスは、ポンプ112により昇圧されて水素極111bの水素ガス入口又は水素透過層104に戻される。
【0004】
また、燃焼層101には、燃料と共に、空気極111bから排出された空気及び改質層102からの水素ガス以外のガスが供給される。これにより、燃焼層101では、改質層102にて発生した電池反応に不要なCO2、COやCH4等を燃焼し、熱として回収し、改質部102での改質に必要な熱とする。
【0005】
このような燃料電池システムでは、燃料電池スタック111の水素極111aから排出されたアノード排ガスをメンブレン型水素製造装置100に戻す構成であり、改質層102の水素分圧を水素透過層104より高くなるようにガス流量を調整している。
【0006】
また、このような改質型燃料電池システムとしては、スイープガスとして蒸気を含むガスを水素透過層104に供給する構成としており、水素透過層104の蒸気圧を高くすることにより、水素透過層104の水素圧を低くし、改質層102に対する水素透過層104の水素圧を低くしていた。
【0007】
【特許文献1】
特開平11−126626号公報
【特許文献2】
特開平7−235320号公報
【特許文献3】特開2001−143733号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、車両等の移動体の動力源のうち、環境の観点から望ましいものとして、高効率のポテンシャルが高い燃料電池スタック111が挙げられ、移動体用の燃料電池スタック111として有力と目されている固体高分子電解質型の燃料電池スタックは一般に水素と酸素を用いて発電を行う。
【0009】
燃料電池スタック111の燃料となる水素は、高圧水素タンクや吸蔵合金等の貯蔵媒体から水素を供給する場合や、天然ガス、アルコール、ガソリン等の燃料を改質して水素を発生させて供給する場合等が考えられる。メンブレン型水素製造装置100は、水素分離膜103を使用した高効率のポテンシャルを有する改質システムであるが、水素透過層104にスイープガスを供給することにより水素の分離効率を向上させるため、スイープガスの供給方法が重要な課題の一つとなっている。
【0010】
ここで、上記特開平11−126626号公報に開示された技術は、溶融炭酸塩型燃料電池を燃料電池スタック111として用いて発電させること前提としたもので、改質層102の水素分圧が水素透過層104より高くなるようにポンプ112によってアノード排ガス流量を調整するとしている。
【0011】
このような改質型燃料電池システムの構成を固体高分子型燃料電池に適用する場合、電極触媒の一酸化炭素による被毒が問題となることが考えられる。
【0012】
また、特開平7−235320号公報に開示された技術は、定置用の燃料電池スタック111を使用して発電させることを前提としたものであり、スイープガスに用いる水蒸気の供給源については言及されていない。すなわち、この技術では、移動体において特有の限られた空間に各装置を配置し、限られた水の量でシステムを成立させる点で具体化が困難という問題点がある。
【0013】
また、特開2001−143733号公報に開示された技術では、カソード排出ガス中に含まれる水蒸気を、水蒸気透過膜を用いて水蒸気を分離して、スイープガスとして水素透過層104に供給する構成とするものもあるが、システムが煩雑になるという問題点があった。
【0014】
そこで、本発明は、上述した実情に鑑みて提案されたものであり、簡便な構成で、かつ効率的に発電をさせることができる燃料電池システムを提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明では、固体高分子膜からなる電解層の両主面に電極層を配し、一方の電極層側に水素ガス流路を配設すると共に他方の電極層側に酸化ガス流路を備え、上記水素ガス流路に隣接した冷却水流路を備えた単セルを複数積層して構成された燃料電池スタックを発電させるために、燃焼部により改質部での改質に必要な熱を与えて改質部により改質し、水素を水素分離膜を介して水素透過部に送る。そして、この燃料電池システムでは、改質装置の水素透過部の水素を水素ガス循環装置により燃料電池スタックに供給すると共に酸化ガスを供給して発電させ、冷却水循環装置によって燃料電池スタックに冷却水を供給する。
【0016】
このような燃料電池システムでは、水素ガス循環装置による水素ガス流路の水素ガス供給方向と、冷却水循環装置による冷却水流路の冷却水循環方向とを、燃料電池スタック内の少なくとも一部にて略同一方向とし、冷却水が入口から出口に向かうに従って冷却水温度が上昇することに伴って、水素ガスが入口から出口に向かうに従って水素ガス温度が上昇させる。これにより、燃料電池スタックの水素ガス入口における水素ガスの飽和水蒸気圧よりも、燃料電池スタックの水素ガス出口における水素ガスの飽和水蒸気圧を高くして、水蒸気を多く含んで燃料電池スタックから排出された水素ガスを水素ガス循環装置によって水素透過部に戻すことで、上述の課題を解決する。
【0017】
【発明の効果】
本発明に係る燃料電池システムによれば、燃料電池スタックの水素ガス入口における水素ガスの飽和水蒸気圧よりも、燃料電池スタックの水素ガス出口における水素ガスの飽和水蒸気圧を高くして、水蒸気を多く含んで燃料電池スタックから排出された水素ガスを水素透過部に戻すことができ、水素透過部の水素分圧を下げて効率的に改質部にて改質した水素を取り出すことができる。したがって、この燃料電池システムによれば、簡便な構成で、かつ効率的に燃料電池スタックに発電をさせることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1実施形態〜第6実施形態について図面を参照して説明する。
【0019】
[第1実施形態]
[燃料電池システムの構成]
本発明は、例えば図1に示すように構成された第1実施形態に係る燃料電池システムに適用される。なお、本実施形態では、燃料電池システムとして水蒸気により燃料を改質する水蒸気改質型に本発明を適用した場合について説明する。
【0020】
この燃料電池システムでは、例えばバーナを有する燃焼部11、改質用触媒を有する改質部12、例えばパラジウム合金膜を有する水素透過膜13及び水素透過部14を備えたメンブレン型水素製造装置1を備える。このメンブレン型水素製造装置1は、燃料電池スタック2に供給する水素ガスを生成するために、燃料及び空気が燃焼部11に供給されて、改質部12にて燃料を改質するのに必要な熱を発生させる。この状態にて、改質部12に燃料及び水が供給されると、燃焼部11による熱によって水が蒸気化し、改質部12にて
CH2+2H2O→4H2+CO2
という化学反応をして水素及びCO2等のガスを発生させる。
【0021】
また、本例において、燃料電池スタック2は、固体高分子膜からなる電解層の両主面に電極層を配し、さらにその両外面の一方に水素流路を、他方に空気流路を備えたセパレータを配設し、さらに空気に流路に隣接して配置された冷却水流路をもつ冷却層を一組として単セルとし、該単セルを複数積層して形成して構成されている。
【0022】
改質部12にて発生させたガスのうち、水素は、改質部12と水素透過部14との水素分圧差によって水素透過膜13を介して水素透過部14に供給される。また、改質部12にて発生させたガスのうちの水素以外のガスは、燃焼部11に送られて燃焼される。
【0023】
また、外部からの空気は、燃料電池スタック2の空気極入口2aに供給され、燃料電池スタック2内部の空気流路21を介して燃料電池スタック2の空気極に供給される。そして、燃料電池スタック2に供給された空気は燃料電池スタック2の発電反応に使用されて、空気極出口2bから排出されて、コンデンサ3に送られる。このコンデンサ3には、燃料電池スタック2からの排空気と共に、燃焼部11からの排空気も供給される。コンデンサ3では、燃料電池スタック2からの排空気及び燃焼部11からの排空気から水分を回収して、改質部12における燃料改質用の水にする。
【0024】
水素透過部14に送られた水素は、ポンプ4を駆動することにより、水素透過部14から引き抜かれて燃料電池スタック2の水素極入口2cに供給される。ここで、燃料電池スタック2には、内部の水素流路22の末端部分にて水素が枯渇しないように、ポンプ4によって発電に必要な水素量よりも多い水素が供給される。
【0025】
これにより、燃料電池スタック2により空気及び水素を使用した電気化学反応を発生させる。そして、燃料電池スタック2にて使用されずに水素極出口2dから排出された排出ガス(スイープガス)は、気液分離器5に供給される。気液分離器5では、スイープガスの水分を回収し、改質部12における燃料改質用の水とする。気液分離器5から排出されたスイープガスは、ポンプ4を介して再度水素透過部14に供給され、水素分が再度使用される。
【0026】
また、この燃料電池システムにおいては、燃料電池スタック2内に冷却水流路23が設けられている。冷却水は、冷却水ポンプ6によって循環されて、冷却水流路23を通り、ラジエータ7に供給されて再度冷却水ポンプ6に送られる。この冷却水は、ラジエータ7を通過するときに冷風ファン8によって所望の温度とされる。
【0027】
このような冷却系では、冷却水流路23を流れる冷却水循環方向と、空気極入口2aから空気極出口2bに流れる空気供給方向とが略逆方向となっている。また、この冷却系では、冷却水循環方向と、水素極入口2cから水素極出口2dに流れる水素供給方向とが略同一方向となっている。
【0028】
このように冷却水循環方向と空気供給方向とが略逆方向となっているのは、空気に含まれる水を回収しやすくするためである。すなわち、空気極入口2a付近の冷却水温度よりも空気極出口2b付近の冷却水温度が低く、空気極入口2aから供給された空気は、空気極出口2bに向かうに従って温度が低くなってコンデンサ3に供給されることになり、コンデンサ3での水回収を容易とする。
【0029】
また、冷却水循環方向と水素供給方向とが略同一方向となっているのは、水素透過部14に再度供給するスイープガスに含有する水蒸気量を多くするためである。すなわち、水素極入口2c付近の冷却水温度よりも、水素極出口2d付近の冷却水温度が高くなると共に、燃料電池スタック2内にて電気化学反応に寄与した水素が反応が進むに従い温度が上昇する。すると、水素の飽和水蒸気圧が温度の関数であるため、水素に含有する水蒸気量が水素極入口2cから水素極出口2dに進むに従って上昇する。これにより、水素は、水素極出口2d付近にて温度及び湿度の高いスイープガスとして燃料電池スタック2から排出されることになる。
【0030】
[第1実施形態の効果]
以上詳細に説明したように、第1実施形態に係る燃料電池システムによれば、燃料電池スタック2内での水素通過方向と、冷却水循環方向とを略同一にすることにより、水素極入口2c付近よりも水素極出口2d付近での水素ガスの温度を効率的に上昇させることができるので、水素極出口2dから排出されるスイープガスの飽和水蒸気圧を上昇させることができ、多量の水蒸気を含むスイープガスを水素極出口2dから取り出すことができる。したがって、この燃料電池システムによれば、多量の水蒸気を含むスイープガスを水素透過部14に供給することにより、水蒸気によって水素透過部14の水素分圧を下げることができるため、改質部12の水素分圧と水素透過部14の水素分圧とを大きくして改質部12にて生成した水素を効率的に水素透過部14に取り出すことができる。
【0031】
したがって、この燃料電池システムによれば、燃料を改質するに際しての水素圧力を下げると共に、水素透過部14の水素分圧を下げるためにポンプ4等の補機の駆動量を大きくする必要なく消費電力を低減することができるので、燃料電池スタック2への水素供給効率を向上させることができる。
【0032】
また、この燃料電池システムによれば、水蒸気を水素透過部14に供給する別の機構を設ける必要なく、簡単な構成で上述の効果を実現することができる。
【0033】
[第2実施形態]
つぎに、第2実施形態に係る燃料電池システムについて説明する。なお、上述の第1実施形態と同様の部分については同一符号を付することによりその詳細な説明を省略する。
【0034】
この燃料電池システムでは、図2(A)及び図2(B)に示すような2種類の燃料電池スタック2を複数備えて構成されている。図2(A)に示す第1の燃料電池スタック2Aは、第1実施形態と同様に、冷却水循環方向と水素供給方向とが略同一方向となっており、冷却水循環方向と空気供給方向とが略逆方向となっている。一方、図2(B)に示す第2の燃料電池スタック2Bは、冷却水循環方向と、水素供給方向及び空気供給方向とが略逆方向となっている。
【0035】
このような2種類の第1の燃料電池スタック2A及び第2の燃料電池スタック2Bを備える燃料電池システムでは、第1の燃料電池スタック2Aから排出された水素をスイープガスとして使用するために水素透過部14に戻す構成にする。一方、第2の燃料電池スタック2Bから排出された水素は、他の用途に使用する。
【0036】
この他の用途とは、例えば、第1の燃料電池スタック2A及び第2の燃料電池スタック2Bの発電応答性を補填する。すなわち、第2の燃料電池スタック2Bから排出された水素を図示しないバッファタンクに充填しておき、第1の燃料電池スタック2A及び第2の燃料電池スタック2Bに要求される発電量が急激に増加した場合に、バッファタンク内の水素を第1の燃料電池スタック2A及び第2の燃料電池スタック2Bに供給する。
【0037】
また、更に他の用途としては、例えば燃料を脱硫する際に使用する水素にしても良い。
【0038】
このような第2実施形態に係る燃料電池システムによれば、2種類の構成が異なる第1の燃料電池スタック2A及び第2の燃料電池スタック2Bを備えるようにしたので、第1実施形態と同様の効果を発揮すると共に、燃料電池スタック2に関するレイアウト設計の自由度を増加させることができる。
【0039】
[第3実施形態]
また、上述の燃料電池システムにおいて、燃料電池スタック2として図3に示すように構成したものを使用しても、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0040】
第3実施形態に係る燃料電池システムにおける燃料電池スタック2は、水素流路22と冷却水流路23とを隣接させ、水素流路22と冷却水流路23を略同一方向又は略逆方向に組み合わせて構成されている。本例では、水素流路22aと冷却水流路23a、水素流路22bと冷却水流路23bを略同一方向とし、水素流路22cと冷却水流路23cとを略逆方向としている。この燃料電池スタック2は、例えば単セルごとに水素流路22及び冷却水流路23を設ける。
【0041】
このような燃料電池スタック2を備えた第3実施形態に係る燃料電池システムでは、水素透過部14に戻すスイープガスに要求される水蒸気の含有量に応じて、水素供給方向と冷却水循環方向とを同一とする数を調整することができる。
【0042】
[第4実施形態]
つぎに、第4実施形態に係る燃料電池システムについて説明する。なお、上述の実施形態と同様の部分については同一符号を付することによりその詳細な説明を省略する。
【0043】
第4実施形態に係る燃料電池システムは、図示しない制御装置を備え、当該制御装置により図4に示す処理を実行することで、ポンプ4を制御する。
【0044】
図4によれば、先ず、制御装置は、ステップS1において、燃料電池システムを搭載する車両のアクセル開度を検知してステップS2に処理を進める。
【0045】
ステップS2においては、制御装置により、ステップS1にて検出したアクセル開度から燃料電池スタック2に要求される要求負荷Ed及び単位時間当たりの要求負荷変化Deを読み込む。ここで、アクセル開度に応じた要求負荷Edを予めマップ化して制御装置内のメモリに記憶しておく。そして制御装置は、ステップS1にて検知したアクセル開度に応じた要求負荷Edを読み出し、直前の要求負荷Edに対する差分を求めることにより要求負荷変化Deを求める。
【0046】
次のステップS3においては、制御装置により、水素透過部14に供給するスイープガスの流量を決定する。このとき、制御装置では、ステップS2にて求めた要求負荷変化Deが所定の値C以下の場合は穏やかな負荷変動と判断してステップS4に処理を進め、図示しないメモリに格納された図5に示す流量マップのラインAを読み込む。そして、制御装置では、ラインAを参照して要求負荷Edに応じたポンプ流量を設定する。
【0047】
一方、要求負荷変化Deが所定の値Cを越える場合は急な負荷変動と判断してステップS5に処理を進め、図示しないメモリに格納された図5に示す流量マップのラインBを読み込む。そして、制御装置では、要求負荷Edに応じたポンプ流量を設定する。
【0048】
次のステップS6においては、制御装置により、ステップS4又はステップS5にて設定したポンプ流量となるようにポンプ4の吐出量を制御することで水素透過部14に供給するスイープガスの流量を制御して処理を終了する。
【0049】
このような動作をする第4実施形態に係る燃料電池システムによれば、スイープガスの流量を制御するので、水素透過部14に戻す水素利用率を燃料電池スタック2の要求負荷に応じて変化させることができる。
【0050】
また、この燃料電池システムによれば、例えばポンプ4の吐出量を増加させることにより水素透過部14に供給するスイープガスの水蒸気を増加させることができ、改質部12に対する水素透過部14の水素分圧を低くして、改質部12にて生成した水素を効率的に水素透過部14に供給させることができ、水素の発生率を高めることができる。
【0051】
[第5実施形態]
つぎに、第5実施形態に係る燃料電池システムについて説明する。なお、上述の実施形態と同様の部分については同一符号を付することによりその詳細な説明を省略する。
【0052】
第5実施形態に係る燃料電池システムは、図6に示すように、燃料電池スタック2から排出されたスイープガスを水素透過部14に循環させる循環流路31から分岐した分岐流路32を設け、この分岐流路32と、改質部12と燃焼部11とを挿通するガス流路33とを接続した点で、上述の実施形態に係る燃料電池システムとは異なる。
【0053】
このような燃料電池システムでは、例えば分岐流路32にパージ弁34を設け、循環流路31を流れるスイープガス中の不純物の濃縮を解消するパージ時にパージ弁34を開状態にする。これにより、循環流路31を流れているスイープガスを分岐流路32及びガス流路33を介して燃焼部11に供給して、スイープガス中の不純物を燃焼させることができる。また、燃焼部11に供給されたスイープガスに含まれる水素も燃焼されて、改質部12での改質に必要な熱として回収して改質反応を促して、更に水素を有効に利用することができる。
【0054】
[第6実施形態]
また、上述の燃料電池システムにおいて、燃料電池スタック2として図7に示すように構成したものを使用しても、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0055】
この燃料電池スタック2は、冷却水と水素との流れる方向が一部において略同一方向とするように冷却水流路23及び水素流路22が形成されている。本例では、燃料電池スタック2内において、水素の流れる方向に対して冷却水の流れる方向が斜めになり、一部において水素の流れる方向と冷却水が流れる方向とが略同一方向となるように水素流路22及び冷却水流路23が形成されている。
【0056】
このような燃料電池スタック2を使用した場合であっても、冷却水入口における冷却水温度よりも冷却水出口における冷却水温度を高くして、燃料電池スタック2の水素入口における水素ガス温度よりも水素出口における水素ガス温度を高くすることができ、第1実施形態と同様に、スイープガスに含まれる水蒸気量を増加させることができる。
【0057】
なお、上述の実施の形態は本発明の一例である。このため、本発明は、上述の実施形態に限定されることはなく、この実施の形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることは勿論である。
【0058】
すなわち、例えば、改質部12と水素透過部14との間を水素分離膜13で仕切られたよりなるメンブレン型水素製造装置1を使用した説明をしたが、改質部分と水素分離膜による分離部分を切り離して別体としても、本発明が適用可能である。
【0059】
また、改質部分をオートサーマルリフォーミングとし、その後段に水蒸気によりCO成分を除去する反応器部分に水素分離膜を設けた燃料電池システムにおいても本発明を適用することができる。
【0060】
更に、燃料電池スタック2内の流れ方向については、水素ガスと冷却水とが略同一方向に流れる部分を、燃料電池スタック2の同一セパレータ面内で分割した構成にしても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した第1実施形態に係る燃料電池システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明を適用した第2実施形態に係る燃料電池システムにおいて、(A)は冷却水循環方向と水素供給方向とが略同一方向となっており、冷却水循環方向と空気供給方向とが略逆方向となっている燃料電池スタックを示す図であり、(B)は冷却水循環方向と、水素供給方向及び空気供給方向とが略逆方向となっている燃料電池スタックを示す図である。
【図3】本発明を適用した第3実施形態に係る燃料電池システムにおける燃料電池スタックの構成を示す図である。
【図4】本発明を適用した第4実施形態に係る燃料電池システムの制御装置により実行する処理を示すフローチャートである。
【図5】燃料電池スタックの要求負荷(出力)に対するポンプの吐出流量のマップを説明するための図である。
【図6】本発明を適用した第5実施形態に係る燃料電池システムの構成を示すブロック図である。
【図7】本発明を適用した第6実施形態に係る燃料電池システムに備えられる燃料電池スタックの構成を示す図である。
【図8】従来の改質型燃料電池システムの構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 メンブレン型水素製造装置
2 燃料電池スタック
3 コンデンサ
4 ポンプ
5 気液分離器
6 冷却水ポンプ
7 ラジエータ
8 冷風ファン
11 燃焼部
12 改質部
13 水素透過膜
14 水素透過部
21 空気流路
22 水素流路
23 冷却水流路
31 循環流路
32 分岐流路
33 ガス流路
Claims (5)
- 固体高分子膜からなる電解層の両主面に電極層を配し、一方の電極層側に水素ガス流路を配設すると共に他方の電極層側に酸化ガス流路を備え、上記水素ガス流路に隣接した冷却水流路を備えた単セルを複数積層して構成された燃料電池スタックと、
燃料を改質して水素ガスを生成する改質部と、この改質部に必要な熱を発生させる燃焼部と、上記改質部と水素分離膜を介して接続された水素透過部とを有する改質装置と、
上記改質装置にて生成した水素を上記水素透過部から取り出して上記燃料電池スタックに供給すると共に、上記燃料電池スタックから排出された排出ガスを上記改質装置の水素透過部に循環させる水素ガス循環装置と、
上記燃料電池スタックの冷却水流路に冷却水を供給する冷却水循環装置とを備え、
上記水素ガス循環装置による上記水素ガス流路の水素ガス供給方向と、上記冷却水循環装置による上記冷却水流路の冷却水循環方向とを、上記燃料電池スタック内の少なくとも一部にて略同一方向としたことを特徴とする燃料電池システム。 - 複数の燃料電池スタックを有し、
少なくとも一つの燃料電池スタックは、上記水素ガス流路の水素ガス供給方向と、上記冷却水流路の冷却水循環方向とが、上記燃料電池スタック内の少なくとも一部にて略同一方向とされていることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。 - 上記水素ガス循環装置は、上記燃料電池スタックに要求される負荷に応じて上記水素透過部に循環させる排出ガス量を変化させることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
- 上記燃料電池スタックから排出された排出ガスを上記燃焼部に循環させる水素ガス循環流路を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
- 固体高分子膜からなる電解層の両主面に電極層を配し、上記一方の電極層側に水素ガス流路を配設すると共に他方の電極層側に酸化ガス流路を備え、上記水素ガス流路に隣接した冷却水流路を備えた単セルを複数積層して構成された燃料電池スタックと、
燃料を改質して水素ガスを生成する改質部と、この改質部に必要な熱を発生させる燃焼部と、上記改質部と水素分離膜を介して接続された水素透過部とを有する改質装置と、
上記改質装置にて生成した水素を上記水素透過部から取り出して上記燃料電池スタックに供給すると共に、上記燃料電池スタックから排出された排出ガスを上記改質装置の水素透過部に循環させる水素ガス循環装置と、
上記燃料電池スタックの冷却水流路に冷却水を供給する冷却水循環装置とを備え、
水素ガスが冷却水の熱を受け取るように上記燃料電池システム内の上記水素ガス流路及び冷却水流路を配設したことを特徴とする燃料電池システム。
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