JP2003272677A - 固体酸化物形燃料電池及びそれを用いたコージェネレーションシステム - Google Patents

固体酸化物形燃料電池及びそれを用いたコージェネレーションシステム

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JP2003272677A
JP2003272677A JP2002067991A JP2002067991A JP2003272677A JP 2003272677 A JP2003272677 A JP 2003272677A JP 2002067991 A JP2002067991 A JP 2002067991A JP 2002067991 A JP2002067991 A JP 2002067991A JP 2003272677 A JP2003272677 A JP 2003272677A
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hydrogen
solid oxide
fuel cell
electrode
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Takeshi Komatsu
武志 小松
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来よりも発電効率を向上させることができ
る固体酸化物形燃料電池を提供すること。 【解決手段】 原燃料から水素リッチな燃料ガスを生成
する燃料処理装置20からの燃料ガスが燃料極11に、
空気が空気極13に供給されて電気化学反応により発電
する固体酸化物形燃料電池において、前記燃料極11の
排ガスの流路に水素循環手段50を設け、前記水素循環
手段50で分離した水素を前記燃料処理装置20の下流
側の流路に戻すように構成した固体酸化物形燃料電池を
解決手段とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、固体酸化物形燃料
電池及びそれを用いたコージェネレーションシステムに
関し、固体酸化物形燃料電池単独又はコージェネレーシ
ョンシステム全体の発電効率を向上させることができる
固体酸化物形燃料電池及びそれを用いたコージェネレー
ションシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来の技術の一例として、メタンを改質
して燃料ガスとする固体酸化物形燃料電池を用いたコー
ジェネレーションシステムの構成を図2に示す。図2に
おいて、符号100は、固体酸化物形燃料電池を用いた
コージェネレーションシステム、符号110は燃料電池
スタック(以下、「FCスタック」という)、符号12
0は燃料処理装置、符号130は空気供給装置、符号1
40は排熱利用装置である。この図2において、固体酸
化物形燃料電池を用いたコージェネレーションシステム
100の中核をなすFCスタック110は、燃料極11
1、電解質112、空気極113から主要部が構成され
ており、供給される燃料ガスと空気とから電気化学的反
応により発電する発電機である。なお、図2に示すFC
スタック110は、後に説明するように単セル(セルの
形状としては、円筒のものと平板のものがある)と呼ば
れるものであり、実際には、FCスタック110は、単
セルである有効発電部(素子)が多数インターコネクタ
で繋がれた構造をしている。
【0003】また、図2において、FCスタック110
に燃料ガスを供給する燃料処理装置120は、蒸発器1
21、改質器122から主要部が構成される。この燃料
処理装置120は、原燃料のメタンと改質用の水蒸気と
でメタンを改質して水素リッチガスとして、FCスタッ
ク110に供給する装置である。また、図2において、
FCスタック110に酸化剤としての空気を供給する空
気供給装置130は、図示しないエアクリーナ、コンプ
レッサ131から主要部が構成される。なお、図2にお
いて、符号120Aは改質部である。
【0004】また、図2において、排熱利用装置140
は、燃焼器141、水蒸気発生器142、水蒸気タービ
ン143、発電機144、復水器145から主要部が構
成される。この排熱利用装置140は、FCスタック1
10から排出される燃料極111及び空気極113の排
ガスを燃焼器141で燃焼し、この燃焼ガスを加熱源と
して水蒸気発生器142で水蒸気を発生させ、この水蒸
気で水蒸気タービン143を駆動させることで発電機1
44にて発電する。水蒸気タービン143から排出され
た水蒸気は、復水器145で水になり水蒸気発生器14
2に再び戻される。また、図2中の符号V101は、燃
料極111の下流で燃料極111の排ガス(以下、「燃
料極排ガス」という)を分岐させるための分岐弁であ
る。また、符号160,161は、燃料電池スタック1
10へ供給されるメタン、空気それぞれを加熱するため
の熱交換器である。
【0005】この固体酸化物形燃料電池を用いたコージ
ェネレーションシステム100は、燃料処理装置120
においては、蒸発器121が水から水蒸気を発生し、改
質器122がメタン加熱用熱交換器160で加熱された
原燃料であるメタンを水蒸気と共に改質して改質ガスと
し、この改質ガスを燃料ガスとしてFCスタック110
の燃料極111に供給する。また、空気供給装置130
においては、空気供給装置130のコンプレッサ131
により図示しないエアクリーナを介して大気(空気)が
吸引され、空気加熱用熱交換器161で加熱された後、
FCスタック110の空気極113に供給される。ま
た、図示しない電流取出手段が、FCスタック110か
ら電流の取り出し動作を行なう。これにより、FCスタ
ック110は、燃料極111の水素と空気極113の酸
素とから電気化学的に反応して発電する。
【0006】FCスタック110の燃料極111から
は、未利用の水素を含む燃料極排ガス(アノードオフガ
ス)が排出されるが、この燃料極排ガスの一部は改質器
122に戻され、残部は排熱利用装置140の燃焼器1
41で燃焼される。このとき発生した燃焼ガスは、水蒸
気発生器142の加熱源として用いられ、水蒸気発生器
142で発生した水蒸気で水蒸気タービン143を駆動
することで発電機144にて発電する。水蒸気タービン
143から排出された水蒸気は下流の復水器145で冷
却されて水となり再び水蒸気発生器142に戻される。
【0007】一方、水蒸気発生器142で水蒸気を発生
した燃焼ガスは、燃焼排ガスとして大気に放出される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、水素の利用
率を向上させるために燃料極の周りに燃料ガスを循環さ
せる循環ラインを形成することは、固体高分子型の燃料
電池(PEFC)では一般に知られている。しかし、固
体酸化物形燃料電池を用いたコージェネレーションシス
テム100においては、FCスタック110が900〜
1000℃と高温で運転されるため、FCスタック11
0の燃料極111から排出されるガスをただ燃料極11
1の周りに循環させただけでは燃料となる水素以外の不
純物、例えば空気に由来する窒素も一緒に循環されてし
まうため、固体酸化物形燃料電池及び排熱利用装置14
0での発電効率が低いという問題があった。
【0009】本発明は、前課題を解決するためになされ
たものであって、第1の目的は従来よりも発電効率を向
上させることができる固体酸化物形燃料電池を提供する
ことである。また、第2の目的は従来よりも発電効率を
向上させることができる前記固体酸化物形燃料電池と排
熱利用装置とを組み合わせたコージェネレーションシス
テムを提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
になされた請求項1に記載された固体酸化物形燃料電池
は、原燃料から水素リッチな燃料ガスを生成する燃料処
理装置からの燃料ガスが燃料極に、空気が空気極に供給
されて電気化学反応により発電する固体酸化物形燃料電
池において、前記燃料極の排ガスの流路に水素循環手段
を設け、前記水素循環手段で分離した水素を前記燃料処
理装置の下流側の流路に戻すように構成したことを特徴
とするものである。
【0011】請求項1に記載の発明によると、前記燃料
極の排ガスの流路に水素循環手段を設け、前記水素循環
手段で分離した水素を前記燃料処理装置の下流側の流路
に戻すように構成したことにより、燃料電池内で反応成
分である水素濃度が高まるので固体酸化物形燃料電池の
発電効率が向上する。
【0012】請求項2に記載された固体酸化物形燃料電
池は、前記水素循環手段の水素分離装置として多孔質膜
又はパラジウム膜を用いることを特徴とする請求項1に
記載の固体酸化物形燃料電池である。
【0013】請求項2に記載の発明によると、前記水素
循環手段の水素分離装置として多孔質膜又はパラジウム
膜を用いることにより、燃料極の排ガス中から高純度の
水素が分離でき、分離した水素を燃料極に再供給するこ
とができるので、燃料電池における水素の利用率が上が
り固体酸化物形燃料電池の発電効率を向上させることが
できる。
【0014】請求項3に記載されたコージェネレーショ
ンシステムは、原燃料から水素リッチな燃料ガスを生成
する燃料処理装置からの燃料ガスが燃料極に、空気が空
気極に供給されて電気化学反応により発電する固体酸化
物形燃料電池と、前記固体酸化物形燃料電池から排出さ
れる燃料極の排ガスを燃焼した燃焼熱で発電する排熱利
用装置とを備えたコージェネレーションシステムにおい
て、前記燃料極の排ガスの流路に水素循環手段を設け、
前記水素循環手段で分離した水素を前記燃料処理装置の
下流側の流路に戻すように構成したことを特徴とするも
のである。
【0015】請求項3に記載の発明によると、原燃料か
ら水素リッチな燃料ガスを生成する燃料処理装置からの
燃料ガスが燃料極に、空気が空気極に供給されて電気化
学反応により発電する固体酸化物形燃料電池と、前記固
体酸化物形燃料電池から排出される燃料極の排ガスを燃
焼した燃焼熱で発電する排熱利用装置とを備えたコージ
ェネレーションシステムにおいて、前記燃料極の排ガス
の流路に水素循環手段を設け、前記水素循環手段で分離
した水素を前記燃料処理装置の下流側の流路に戻すよう
に構成したことにより、燃料極の排ガス中から高純度の
水素が分離でき、分離した水素を燃料極に再供給するこ
とができる。その結果、燃料電池における水素の利用率
が上がり、固体酸化物形燃料電池から排出される排ガス
自体の温度も高くなるため(水素の酸化反応が発熱反応
のため)、後段の排熱利用装置での発電効率も向上させ
ることができる。
【0016】請求項4に記載されたコージェネレーショ
ンシステムは、前記水素循環手段の水素分離装置として
多孔質膜又はパラジウム膜を用いることを特徴とする請
求項3に記載のコージェネレーションシステムである。
【0017】請求項4に記載の発明によると、前記水素
循環手段の水素分離装置として多孔質膜又はパラジウム
膜を用いることにより、燃料極の排ガス中から高純度の
水素が分離でき、分離した水素を燃料極に再供給するこ
とができるので、燃料電池における水素の利用率が上が
り固体酸化物形燃料電池の発電効率を向上させることが
できる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を、図面
を参照して詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形
態にかかる固体酸化物形燃料電池を用いたコージェネレ
ーションシステム全体の構成を示す図である。
【0019】一実施形態の固体酸化物形燃料電池を用い
たコージェネレーションシステム1は、原燃料としてメ
タンを改質して燃料ガスとするシステムである。このた
め、図1に示すように、固体酸化物形燃料電池を用いた
コージェネレーションシステム1は、発電機としてのF
Cスタック(燃料電池スタック)10、FCスタック1
0に燃料ガスを供給する燃料処理装置(燃料処理手段)
20、FCスタック10に酸化剤ガスとしての空気を供
給する空気供給装置30、FCスタック10の燃料極1
1から排出される燃料極11の排ガス(以下、「燃料極
排ガス」という)の保有熱(ここでいう保有熱とは、排
ガスの顕熱、反応熱、燃焼熱を含む)を利用して発電す
る排熱利用装置40、燃料極排ガス中から純度の高い水
素を分離して燃料極11へ再供給する水素循環手段50
と、その他の配管・機器類(メタン、空気のそれぞれを
加熱して燃料電池スタック10ヘ供給するための加熱用
熱交換器60,61や燃料極排ガスを分岐するための分
岐弁V1等)を有する。
【0020】〔FCスタック(Fuel Cell Stack)〕図
1に示すFCスタック10は、酸素イオンO--を通す電
解質12を挟んで燃料極11と空気極13を有する。燃
料極11には、燃料処理装置20から水素を含んだ燃料
ガスが供給される。燃料極11の電極は、1000℃以
上の高温還元雰囲気下でも分解しないよう、例えば、白
金系の金属、遷移金属、アルカリ土類金属からなる各金
属を少なくとも1つずつ含んだ酸化物イオン導電性セラ
ミックスが使用される。その他の使用できる材料として
は、例えばニッケル/ジルコニア等がある。電解質12
は固体酸化物電解質であるイットリア安定化ジルコニ
ア、例えばZrO2とY23及び/又はCaOの組成か
らなる安定化ジルコニアが用いられる。空気極13に
は、空気供給装置30から空気加熱用熱交換器61で加
熱された空気が供給される。空気極13の材料として
は、空気が供給されると空気中の酸素のイオン化反応を
促進する例えばランタンマンガナイトからなる酸化物イ
オン導電性セラミックスが使用される。
【0021】ここで、FCスタック10の燃料極11で
は下記の(1)式及び(2)式の反応が起こり、空気極
13では下記の(3)式の反応が起こる。 H2+ O-- → H2O + 2e- … (1) CO+ O-- → CO2 + 2e- … (2) O2 + 4e- →2O--… (3) ちなみに、電解質12の両側に電極を取り付け、片面に
空気、反対側の面に燃料ガスを送ると、酸素と電解質1
2の界面では空気極13において(3)式の反応が生
じ、発生した酸素イオンO--が電解質12中を通って燃
料ガスと電解質12の界面に到達する。界面に到達した
酸素イオンO--は、(1)又は(2)式の反応により電
子e-を生じ、電流が外部回路を流れるようになる。
【0022】なお、FCスタック10の燃料極11での
水素利用率は、局部的な水素不足によるセルの劣化(い
わゆるガス欠による電解質12の損傷)を避けるため、
80%程度に抑えられている。このため、燃料極11か
らは未反応の水素を含む排ガスが排出される。また、燃
料極11からは、(1)式の反応により生じた生成水が
多く含まれる排ガスが排出される。
【0023】〔燃料処理装置〕図1に示す燃料処理装置
20は、蒸発器21、改質器22などから構成される水
素リッチな燃料ガス発生装置である。
【0024】蒸発器21は、下流の改質器22でメタン
を改質するために必要な水蒸気を、蒸発器21に供給さ
れた水(または系内の温水:例えば燃料電池の冷却水)
から発生させるための加熱装置である。この蒸発器21
の加熱源としては、燃料を空気で燃焼した燃焼ガスが利
用される。別の方法として後記する燃焼器41から燃焼
ガスの一部を蒸発器21の蒸発室内の加熱管に供給した
りしても良い。蒸発器21に供給される改質用の水は、
図示しない蒸発室内でインジェクタにより噴射されて加
熱管を介して前記燃焼ガスから熱を与えられ水蒸気を発
生する。尚、メタンは、LNG基地や都市ガスプラント
などから供給され、メタン加熱用熱交換器60で加熱さ
れた後、蒸発器21と改質器22の間の配管に供給され
る。水蒸気とメタンは配管内で充分に混合されて改質器
22へと供給される。
【0025】蒸発器21の下流に位置する改質器22
は、内部にニッケル・アルミナ触媒、或いはルテニウム
・アルミナ触媒が充填された反応容器である。改質器2
2の触媒上では、下記の(4)式に示すメタンの水蒸気
改質反応により、蒸発器21から供給された水蒸気とメ
タンから、FCスタック10での電池反応に必要な水素
を含む水素リッチな改質ガスが生成される。 CH4 + H2O → 3H2 + CO … (4)
【0026】〔空気供給装置〕図1に示す空気供給装置
30は、コンプレッサ31、図示しないエアクリーナな
どから構成される。コンプレッサ31は、図示しないモ
ータにより駆動されるスーパチャージャなど空気を圧縮
することができる加給機である。また、エアクリーナ
は、コンプレッサ31の吸引側に設けられ、空気中に含
まれる塵、油、水分等を分離してFCスタック10(空
気極13)に供給する空気の浄化を行なうための浄化フ
ィルタである。通常は紙製のものを使用しているが、金
属製又はプラスチック製であっても良い。
【0027】〔排熱利用装置〕図1に示す排熱利用装置
40は、燃焼器41、水蒸気発生器42、水蒸気タービ
ン43、発電機44、復水器45から主要部が構成され
る。燃焼器41は、バーナ燃焼器であり、燃料極排ガス
と空気極13の排ガス(以下、「空気極排ガス」とい
う)との混合ガスを燃焼させて高温の燃焼ガスを発生さ
せるためのものである。触媒燃焼器を使用すれば、未燃
分が減り、より燃焼効率を高めることができる。水蒸気
発生器42は、水管ボイラであり前記燃焼器41で発生
させた燃焼ガスにより少量の水で高圧の水蒸気を得るた
めに使用される。燃料極排ガスが燃焼器41に供給でき
ない場合は、補助燃料を燃焼して燃焼ガスを発生し、水
管ボイラへ供給するようにすれば良い。水蒸気タービン
43は、復水タービンである。復水タービンは、タービ
ン通過蒸気を充分な高真空域まで膨張させて大きな熱落
差が得られるので、単位蒸気流量当たりの軸出力が大き
い。復水タービンは、電力あるいは動力のみを得るのに
適している。復水器45は、水蒸気タービン43から排
出される低圧の水蒸気を冷却して水に戻すための冷却器
であり、例えば水冷式の多管式熱交換器が使用される。
【0028】〔水素循環手段〕水素循環手段50は、水
素分離装置51及び水素コンプレッサ52を含んで構成
される。水素分離装置51は、水素透過型の膜分離装置
であり、水素分離膜としては、本実施形態では金属パラ
ジウム膜を使用している。更に耐熱性が要求される場合
には、多孔質膜である例えばゼオライト膜を使用するこ
とができる。水素コンプレッサ52は、オイルフリーの
コンプレッサであり、軸シール構造としてはラビリンス
構造を有している。水素コンプレッサ52は、高圧縮率
のものを使用する方が、燃料電池内の燃料ガス圧力を高
くでき、その結果、燃料電池のセル電圧を高くすること
ができるのでより好ましい。
【0029】〔その他〕加熱用熱交換器60,61は、
原燃料のメタン、酸化剤である空気、それぞれを900
℃近くまで加熱してFCスタック10ヘ供給するための
加熱器である。加熱用熱交換器60,61における熱交
換効率を向上させるために熱交換器に蓄熱材を設けるよ
うにしても良い。分岐弁V1は、FCスタック10から
排出される燃料極排ガスを分岐するための弁である。分
岐弁V1としては、例えば制御性の良いニードル弁やゲ
ート弁が使用される。
【0030】〔固体酸化物形燃料電池を用いたコージェ
ネレーションシステムの動作〕次に、図1を参照して、
以上説明した構成にかかる部分の固体酸化物形燃料電池
を用いたコージェネレーションシステム1の動作を説明
する。
【0031】尚、固体酸化物形燃料電池を用いたコージ
ェネレーションシステム1は、起動時は、FCスタック
10から排ガスが排出されないので、通常、燃料を空気
と共に燃焼して燃焼ガスを発生し、燃焼ガスの保有熱を
使って各機器の暖機運転を行う。
【0032】以下、通常運転時の固体酸化物形燃料電池
を用いたコージェネレーションシステム1の動作を説明
する。最初に、蒸発器21を燃料を燃やした燃焼ガスの
保有熱で昇温する。尚、燃料処理装置20の各部分も、
蒸発器21に供給される燃焼ガス又は排熱利用装置40
の燃焼器41の燃焼ガスにより所定の温度に加熱する。
蒸発器21には水(改質用の水)が供給されており、こ
の水は図示しない蒸発室内で加熱管内を通過する燃焼ガ
スに加熱されて水蒸気となり、蒸発器21の下流でメタ
ンと混合された後、改質器22に供給される。
【0033】メタンと水蒸気の混合ガスは改質器22に
供給され、触媒の存在下、前記した(4)式の水蒸気改
質反応により、水素リッチな改質ガスを生成する。ここ
での反応は吸熱反応である。反応に必要な熱量を供給す
る方法としては、例えばメタンを部分酸化させたりして
補うこともできる。
【0034】そして、水素リッチガスは燃料ガスとし
て、FCスタック10の燃料極11に供給される。
【0035】一方、FCスタック10の空気極13に
は、空気供給装置30のコンプレッサ31に吸引された
酸化剤である空気(大気)が、空気加熱用熱交換器61
で加熱された後供給される。
【0036】外部の負荷がFCスタック10に接続され
た状態でFCスタック10の燃料極11に燃料ガスが供
給され、空気極13に空気が供給されると、FCスタッ
ク10は発電を開始する。この際、燃料極11では
(1)式または(2)式に示した反応が進行する。一
方、空気極13では(3)式に示した反応が進行する。
ちなみに、FCスタック10に負荷が接続されていない
状態、或いは負荷が接続されていてもFCスタック10
から電流が取り出されない状態では、FCスタック10
は発電しない。つまり、FCスタック10は、電流を取
り出さないと供給された水素を消費しない。
【0037】発電を開始すると、燃料極11からは、生
成水と未利用水素を含む燃料極排ガスが排出される。一
方、空気極13からは、空気極排ガスとして未利用の空
気が排出される。さらに、FCスタック10では、発電
により熱(反応熱)を発生する。
【0038】燃料極11から排出された燃料極排ガス
は、分岐バルブV1により一部分岐されて改質器22へ
と戻される。改質器22へ燃料極排ガスを戻すことで改
質ガスの温度・組成を制御することができる。分岐され
なかった残りの燃料極排ガスは、分岐点の下流で水素循
環手段50の水素コンプレッサ52に吸引されて水素分
離装置51へと導入される。尚、水素分離装置51は、
パラジウム膜を使った水素透過型の分離装置であり、高
純度の水素を得ることができる。水素分離装置51で分
離された水素は、燃料処理装置20の下流側の流路に戻
される。
【0039】このように燃料極排ガスの流路に水素循環
手段50を設け、前記水素循環手段50の水素分離装置
51で分離した高純度の水素を前記燃料処理装置20の
下流側の流路に戻すように構成したことにより、燃料電
池内で反応成分である水素濃度が高まるので固体酸化物
形燃料電池の発電効率が向上する。その結果、燃料電池
における水素の利用率が上がり、固体酸化物形燃料電池
から排出される排ガス自体の温度も高くなるため(水素
の酸化反応が発熱反応のため)、後段の排熱利用装置4
0での発電効率も向上させることができる。
【0040】一方、水素循環手段50の水素分離装置5
1で分離されなかった燃料極排ガスは、原燃料のメタン
を加熱する加熱源としてメタン加熱用熱交換器60に導
入された後、排熱利用装置40の燃焼器41へと供給さ
れる。
【0041】〔排熱利用装置〕燃焼器41へ供給された
燃料極排ガスは、空気極13から排出され、空気供給装
置30からFCスタック10へ供給される空気を空気用
熱交換器61で加熱した空気極排ガスと一緒に燃焼器4
1でバーナ燃焼される。燃焼器41で発生した燃焼ガス
は、水蒸気発生器42へ供給され水の加熱源として利用
される。水蒸気発生器42で発生した高圧の水蒸気は、
水蒸気タービン43へと導入される。水蒸気タービン4
3へと導入された水蒸気は、水蒸気タービン43を駆動
し連結軸を介して発電機44を駆動する。水蒸気タービ
ン43を駆動した水蒸気は、水蒸気タービン43から低
圧の水蒸気となって排出される。水蒸気タービン43か
ら排出された低圧の水蒸気は、さらに下流の復水器45
に導入されて凝縮して水(復水)となる。復水は、再び
水蒸気発生器42へ供給され循環使用される。一方、水
蒸気発生器42で高圧の水蒸気を発生させた前記燃焼ガ
スは、充分熱を放出して低温になった後、大気へ放出さ
れる。尚、FCスタック10の起動時等で加熱源が必要
な場合には、排熱利用装置40を暖機するために、補助
燃料を燃焼器41で燃焼した燃焼ガスを発生させ、この
燃焼ガスを加熱源としてFCスタック10の暖機、燃料
処理装置20の暖機を行っても良い。燃料処理装置20
の各機器の暖機を行う順番は特に拘らない。
【0042】
【発明の効果】以上説明した本発明によれば、以下の発
明の効果を奏する。 1.請求項1に記載の発明によれば、前記燃料極の排ガ
スの流路に水素循環手段を設け、前記水素循環手段で分
離した水素を前記燃料処理装置の下流側の流路に戻すよ
うに構成したことにより、燃料電池内で反応成分である
水素濃度が高まるので固体酸化物形燃料電池の発電効率
が向上する。 2.請求項2に記載の発明によれば、前記水素循環手段
の水素分離装置として多孔質膜又はパラジウム膜を用い
ることにより、燃料極の排ガス中から高純度の水素が分
離でき、分離した水素を燃料極に再供給することができ
るので、燃料電池における水素の利用率が上がり固体酸
化物形燃料電池の発電効率を向上させることができる。 3.請求項3に記載の発明によれば、燃料極の排ガス中
から高純度の水素が分離でき、分離した水素を燃料極に
再供給することができる。その結果、燃料電池における
水素の利用率が上がり、固体酸化物形燃料電池から排出
される排ガス自体の温度も高くなるため(水素の酸化反
応が発熱反応のため)、後段の排熱利用装置での発電効
率も向上させることができる。 4.請求項4に記載の発明によれば、前記水素循環手段
の水素分離装置として多孔質膜又はパラジウム膜を用い
ることにより、燃料極の排ガス中から高純度の水素が分
離でき、分離した水素を燃料極に再供給することができ
るので、燃料電池における水素の利用率が上がり固体酸
化物形燃料電池の発電効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係る固体酸化物形燃料
電池を用いたコージェネレーションシステム全体の構成
を示す図である。
【図2】 従来例にかかる固体酸化物形燃料電池を用い
たコージェネレーションシステム全体の構成を示す図で
ある。
【符号の説明】
1 … 固体酸化物形燃料電池を用いたコージェネレー
ションシステム 10 … FCスタック(燃料電池スタック) 11 … 燃料極 12 … 電解質 13 … 空気極 20 … 燃料処理装置 30 … 空気供給装置 40 … 排熱利用装置 41 … 燃焼器 42 … 水蒸気発生器 43 … 水蒸気タービン 45 … 復水器 50 … 水素循環手段 51 … 水素分離装置 52 … 水素コンプレッサ 60 … メタン加熱用熱交換器 61 … 空気加熱用熱交換器

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原燃料から水素リッチな燃料ガスを生成
    する燃料処理装置からの燃料ガスが燃料極に、空気が空
    気極に供給されて電気化学反応により発電する固体酸化
    物形燃料電池において、 前記燃料極の排ガスの流路に水素循環手段を設け、前記
    水素循環手段で分離した水素を前記燃料処理装置の下流
    側の流路に戻すように構成したことを特徴とする固体酸
    化物形燃料電池。
  2. 【請求項2】 前記水素循環手段の水素分離装置として
    多孔質膜又はパラジウム膜を用いることを特徴とする請
    求項1に記載の固体酸化物形燃料電池。
  3. 【請求項3】 原燃料から水素リッチな燃料ガスを生成
    する燃料処理装置からの燃料ガスが燃料極に、空気が空
    気極に供給されて電気化学反応により発電する固体酸化
    物形燃料電池と、前記固体酸化物形燃料電池から排出さ
    れる燃料極の排ガスを燃焼した燃焼熱で発電する排熱利
    用装置とを備えたコージェネレーションシステムにおい
    て、 前記燃料極の排ガスの流路に水素循環手段を設け、前記
    水素循環手段で分離した水素を前記燃料処理装置の下流
    側の流路に戻すように構成したことを特徴とするコージ
    ェネレーションシステム。
  4. 【請求項4】 前記水素循環手段の水素分離装置として
    多孔質膜又はパラジウム膜を用いることを特徴とする請
    求項3に記載のコージェネレーションシステム。
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