JP2004111143A - 電子線装置、これを用いた画像表示装置 - Google Patents

電子線装置、これを用いた画像表示装置 Download PDF

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Kazuyuki Ueda
上田 和幸
Kenji Niihori
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Abstract

【課題】スペーサと電位規定板の電子通過穴との距離を規定する。
【解決手段】電子が放出される領域を有する第1基板1015と、放出された電子が照射される領域を有する第2基板1017と、第1基板と第2基板との間に耐大気圧構造のために配置されたスペーサ1020とを有し、基板間に、第1基板から照射された電子が通過する開口部を有する電位規定板1021を少なくとも1枚設け、電位規定板は一方の主面にスペーサと嵌合する凹部1022を有し、凹部にスペーサが嵌合された状態で電位規定板の他方の主面が第1基板又は/及び第2基板と当接されている。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子が放出される領域を有する第1基板と、放出された電子が照射される領域を有する第2基板と、前記第1基板と前記第2基板との間に耐大気圧構造のために配置されたスペーサとを有する電子線装置、及びこれを用いた画像表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、電子放出素子として熱陰極素子と冷陰極素子の2種類が知られている。このうち冷陰極素子では、例えば表面伝導型電子放出素子や、電界放出型(FE型)素子や、金属/絶縁層/金属型(MIM型)放出素子などが知られている。
【0003】
表面伝導型電子放出素子は、基板上に形成された小面積の薄膜に、膜面に平行に電流を流すことにより電子放出が生ずる現象を利用するものである。この表面伝導型電子放出素子としては、例えば、M. I. Elinsonにより”Radio Eng. Electron Phys” 10, 1290, (1965)に開示された、SnO薄膜を用いるものや、G. Dittmerにより”Thin Solid Films” 9,317 (1972)に開示された、Au薄膜を用いるものや、M. Hartwell and C. G. Fonstadにより”IEEE Trans. ED Conf.” 519 (1975)に開示された、In/SnO薄膜を用いるものや、荒木久などにより「真空」第26巻第1号22 (1983)に開示された、カーボン薄膜を用いるものなどが知られている。
【0004】
この表面伝導型電子放出素子は、冷陰極素子のなかでも特に構造が単純で製造も容易であることから、大面積にわたり多数の素子を形成できる利点がある。そこで、例えば本出願人により特開昭64−31332号公報に開示されているように、多数の素子を配列して駆動するための方法が提案されている。また、表面伝導型電子放出素子の応用としては、例えば、画像表示装置や画像記録装置などの画像形成装置や、荷電ビーム源等が研究されている。特に、画像表示装置への応用としては、例えば本出願人により米国特許第5,066,883号や特開平2−257551号公報や特開平4−28137号公報に開示されているように、表面伝導型電子放出素子と、電子ビームの照射により発光する蛍光体とを組み合わせて用いる画像表示装置が提案されている。表面伝導型電子放出素子と蛍光体とを組み合わせて用いる画像表示装置は、従来の他の方式の画像表示装置よりも優れた特性が期待されている。例えば、近年普及してきた液晶表示装置と比較しても、自発光型であるためバックライトを必要としない点や、視野角が広い点で優れている。
【0005】
一方、FE型素子を多数ならべて駆動する方法は、例えば本出願人により米国特許4,904,895号に開示されている。また、FE型を画像表示装置に応用した例として、例えば、R.Meyerの”Recent Developmenton Micro−tips Display at LETI”, Tech. Digest of 4th Int. Vacuum Micro ele−ctronics Conf. Nagahama, pp.6〜9 (1991)により報告された平板型表示装置が知られている。
【0006】
また、MIM型素子を多数並べて画像表示装置に応用した例は、例えば本出願人により特開平3−55738号公報に開示されている。
【0007】
さらに、近年ではカーボンナノチューブを電子放出素子として用いることも検討されている。
【0008】
上記のような電子放出素子を用いた画像形成装置のうちで、奥行きの薄い平面型表示装置は、省スペースかつ軽量であることから、ブラウン管型の表示装置に置き換わるものとして注目されている。
【0009】
図11は平面型画像表示装置の一例を示す斜視図であり、内部構造を示すためにパネルの一部を切り欠いて示している。この図11に示すように、電子源となる冷陰極素子(ここでは例として表面伝導型電子放出素子を示している)3112が複数マトリクス状に形成された基板3111が積層されたリアプレート3115と、枠をなす側壁3116と、蛍光膜3118およびアノード電極(メタルバック)3119が形成されたフェースプレート3117とにより、表示パネルの内部を真空に維持するための外囲器(気密容器)が形成されている。なお冷陰極素子3112はマトリクス状に配された配線3113と配線3114に接続される。
【0010】
この気密容器の内部は、1.33×10−4Pa(10−6Torr)程度の真空に保持されており、画像表示装置の表示面積が大きくなるにしたがい、気密容器内部と外部の気圧差によるリアプレート3115およびフェースプレート3117の変形あるいは破壊を防止する手段が求められる。リアプレート3115およびフェースプレート3117を厚くして変形や破壊を防止する方法は、画像表示装置の重量を増加させるのみならず、斜め方向から見たときに画像のゆがみや視差を生ずる。そこで、図11に示すように、比較的薄いガラス板からなり大気圧を支えるための構造支持体であるスペーサ(リブと呼ばれる場合もある)3120が設けられている。このスペーサ3120により、リアプレート3115とフェースプレート3117との間、正確には、マルチビーム電子源が形成された基板3111とメタルバック3119との間は、通常、数mm以下に保たれ、前述したように気密容器内部は高真空に保たれる。
【0011】
スペーサ3120は、構造的に必要な本数が効率的に配置される。その際、スペーサ3120を画像表示領域(メタルバック3119が形成された領域およびその領域のリアプレート3115上への正射影領域)よりも短い長さに形成すると、スペーサ3120の数およびその設置工数を増やさざるを得ない。そのため、画像表示領域と同等か、長いスペーサ3120を設けることが好ましい。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
以上説明した画像表示装置においては以下のような課題があった。
【0013】
リアプレート3115上の基板3111の電子放出素子より、フェースプレート3117に向け照射された、電子ビームはフェースプレート3117に衝突した後、一部の電子は2次電子として反射され、基板3111およびスペーサ3120に向け放射される。基板3111に衝突した2次電子により、基板3111が過度に帯電すると、放電を発生し、画像に悪影響を及ぼす。また、スペーサ3120に衝突した2次電子により、スペーサ3120が過度に帯電すると、スペーサ近傍の電子ビームの軌道に影響を与え、フェースプレート3117の照射位置が変化するため、スペーサ近傍の画像の均一性が低下して、画質に悪影響を及ぼす。
【0014】
上記の2次電子が起こす問題を解消するために、リアプレート3115とフェースプレート3117の間に、両プレート(基板)と平行で、かつ電子ビームの通過する位置と、スペーサの配置された部分に貫通孔を持つ、金属からなる電位規定板を配置するこが有効であることが知られている。しかしこの電位規定板をリアプレート3115とフェースプレート3117の間で全面にわたって、等間隔を保つことは非常に、困難であり、スペーサと電位規定板を正確な位置で固定する必要があり、コストがかかっていた。
【0015】
本発明の目的は、上記従来技術の問題点に鑑み、簡易で安価に電子規定板と、スペーサを、第1基板であるリアプレートと第2基板であるフェースプレートの間に配置でき、第2基板より反射された電子が第1基板およびスペーサに帯電する量を減じ、安定した画像を保つことができる電子線装置およびこれを用いた画像表示装置、電子線装置の製造方法を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は、電子が放出される領域を有する第1基板と、放出された電子が照射される領域を有する第2基板と、前記第1基板と前記第2基板との間に耐大気圧構造のために配置されたスペーサとを有する電子線装置において、
前記第1基板と前記第2基板との間に、前記第1基板から照射された電子が通過する開口部を有する電位規定板を少なくとも1枚設け、
前記電位規定板は一方の主面に前記スペーサと嵌合する凹部を有し、該凹部に前記スペーサが嵌合された状態で前記電位規定板の他方の主面の一部が前記第1基板又は前記第2基板と当接されていることを特徴とする。
【0017】
また本発明の画像表示装置は、本発明の電子線装置の前記放出された電子が照射される領域に、電子の衝突により画像が形成される画像形成部材が設けられているものである。
【0018】
上記本発明によれば、前記電位規定板を第1基板および第2基板間に配置し、耐大気圧構造のために配置されたスペーサを介して第1基板と第2基板とを接合するとき、電位規定板の一方の主面に設けられた凹部(U字状、コの字状又はV字状の溝等)にスペーサを挿入してスペーサを電位規定板に配置することにより、スペーサの間隔は、電位規定板の凹部の間隔に一意に定まるため、電位規定板の電子ビーム貫通孔(開口部)と、スペーサの配置が、高精度で高価な位置決め装置などを用いる必要がない。
【0019】
その結果、簡易で安価に電子規定板と、スペーサを、第1基板と第2基板の間に配置でき、第2基板より反射された電子が第1基板およびスペーサに帯電する量を減じ、安定した画像を保つことができる電子線装置およびこれを用いた画像表示装置を提供することができる。
【0020】
また、電位規定板の他方の主面の、第1基板又は第2の基板と当接する部分に凸部を形成することで、電位規定板の電子ビームが通過するために設けられた貫通孔のある部分は電位規定板の凸部の高さにより規定される。よって前記電位規定板全面にわたり電位規定板と第1基板又は第2基板との間隔を一意に一定に保つことができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0022】
(第1の実施形態)
図1は本発明における画像表示装置の一つの実施形態の斜視図であり、内部構造を示すためにパネルの一部を切り欠いたものである。図中、符号1015は第1基板であるリアプレート、符号1016は枠としての側壁、符号1017は第2基板であるフェースプレートを示しており、リアプレート1015と側壁1016とフェースプレート1017によって、表示パネルの内部を真空に維持するための気密容器(外囲器)が形成されている。
【0023】
また、上記気密容器の内部は1.33×10−4Pa(10−6Torr)程度の真空に保持されるので、大気圧や不意の衝撃などによる気密容器の破壊を防止する目的で、耐大気圧構造体として、スペーサ1020が設けられている。
【0024】
リアプレート1015には基板1011が固定され、この基板1011上には冷陰極素子(ここでは例として表面伝導型電子放出素子を示している)1012が、N×M個形成されている。なおN、Mは2以上の正の整数であり、目的とする表示画素数に応じて適宜設定される。冷陰極素子1012は、行方向配線1013と列方向配線1014により単純マトリクス配線されている。
【0025】
フェースプレート1017の下面には、蛍光膜1018が形成されている。各色の蛍光体は、たとえばストライプ状に塗り分けられ、蛍光体のストライプの間には黒色の導電材(不図示)が設けられている。
【0026】
蛍光膜1018のリアプレート1015側の面には、CRTの分野では公知のメタルバック1019が設けられている。
【0027】
スペーサ1020は、薄板状の絶縁性部材の表面に高抵抗膜を成膜しかつフェースプレート1017の内側および基板1011の表面(行方向配線1013)に対向したスペーサの当接面に電極(不図示)が形成されている。
【0028】
基板1011又はフェースプレート1017とスペーサ1020の間には、電位規定板となるグリッド1021が挟まれている。
【0029】
グリッド1021は、薄い金属板であり、スペーサと当接する部分に、スペーサ1020の幅と、ほぼ同等のグリッド溝部1022が配置されている。このグリッド溝はここでは略U字状の断面を有し、グリッドの一方の主面に凹部を形成するとともに他方の主面に凸部を形成している。なおこの凸部は後述する図10に示すように形成されていなくてもよい。グリッド溝の形状は特に限定されず、スペーサと嵌合可能な形状であればよい、例えばコの字状、V字状(この場合はスペーサ端部が台形状又は尖った形状とすることが望ましい)等であってもよい。また、図9(a)に示すように、グリッド1021の凸部1024bは凹部1024aの直下(真下)に設けることが、スペーサの直下に凸部1024bが配置され基板に当接されるので、グリッドの強度を考慮すると望ましいが、図9(b)に示すように、凹部1024aの位置と凸部1024bの位置がずれていてもよい。グリッドの凸部と凹部はプレス加工等により一体に形成することができる。またグリッド溝部の凸部先端(行方向配線1013と接する部分)には穴が開いていても良い。
【0030】
グリッド1021は基板1011又はフェースプレート1017に固定されており、グリッド溝部1022の凸部は、基板1011の行方向配線1013またはフェースプレート1017の当接する部分に配置され、基板1011の行方向配線1013に当接する場合には、グリッド溝部1022の幅は、行方向配線1013の幅と同等とする。
【0031】
スペーサ1020は、グリッド溝部1022に嵌合しており、導電性接着剤で接着固定されている。また、グリッド1021の冷陰極素子1012位置に相当する部分には、グリッド開口部1023が配置されている。
【0032】
グリッド開口部1023は、冷陰極素子1012から放出される電子ビームを、遮蔽しない位置に設けられている。
【0033】
図2は図1のYZ断面図を示したものである。なお図2において、基板1011は省略されて示されている(図3、4においても同様である。)。図2に示すように、スペーサ1020は、薄板状の絶縁性部材(基材)1020aの表面に高抵抗膜1020bが成膜され、フェースプレート1017の内側およびグリッド1021との当接面に導電性膜(低抵抗膜)1020cが形成されたものである。
【0034】
この薄板状のスペーサ1020は、行方向(X方向)に沿って配置され、グリッドを介してリアプレート1015上に固定されている。尚、スペーサは画像形成領域(蛍光体及びメタルバックの形成領域)よりも長いスペーサを用いることも可能である。
【0035】
グリッド1021は、グリッド溝部1022において、スペーサ1020の導電性膜(低抵抗膜)1020cと嵌合し、基板1011の行方向(X方向)配線上に作られた行方向配線絶縁層(不図示)に挟まれている。
【0036】
グリット溝部1022はスペーサ1020とほぼ等幅の溝で、スペーサ1020と嵌合又は、導電性接着剤(不図示)で固定され一体化している。これにより、グリット1021と嵌合するスペーサ導電性膜(低抵抗膜)1020cは同電位となる。
【0037】
上記のように基板に位置決めされ、グリッド溝部1022を行方向配線絶縁層(不図示)に接着剤1030で固定されたグリッド1021は、グリッド開口部1023が冷陰極素子1012の直上に位置するように、加工されている。
【0038】
また、グリッド開口部1023の開口形状は、冷陰極素子1012から、蛍光膜1018に放出される電子ビームを、妨げないような開口面積を有している。
【0039】
図3は図1のXZ断面図を示したものである。図3に示すように、フェースプレート1017は接着剤1031により側壁1016に接合され、基板1011を搭載したリアプレート1015は接着剤1032により側壁1016に接合されて、気密容器が構成されている。
【0040】
フェースプレート1017とリアプレート1015の間にはスペーサ1020とグリット1021が挟まれており、スペーサ1020の一方の端面は、フェースプレート1017の内面に設けられているメタルバック1019と接触している。
【0041】
スペーサ1020の他方の端面は、グリッド1021のグリッド溝部1022と嵌合している。グリッド溝部1022はリアプレート1015の内面に設けられた行方向配線1013上にある行方向配線絶縁層(不図示)と接触しており、接着剤1030で固定されている。
(気密容器組立)
次に、この気密容器の組立手順について、図3と同一断面の組立説明図である図4を参照して説明する。
【0042】
まず基板1011の上に列方向配線(不図示)、行方向配線1013等を形成し、行方向配線1013上に行方向配線絶縁層(不図示)を作成する。基板1011をリアプレート1015に接着剤(不図示)で固定する。次に側壁1016をリアプレート1015内面に接着剤1032で接合する。
【0043】
その後、グリッド1021のグリッド溝部1022に、側壁1016とほぼ同等の高さを有する、スペーサ1020をグリッド溝部1022に嵌合させて、導電性接着剤(不図示)で接合する。グリッド溝部1022はスペーサ1020間隔と等ピッチで形成されている。
【0044】
また、スペーサ間隔は行方向配線1013ピッチの倍数である。
【0045】
さらに、基板1011にグリッド1021を接合する。この時、グリット1021のグリッド溝部1022と、行方向配線1013を一致させ、接着剤1030で接合する。
【0046】
次に蛍光膜1018(図1参照)とメタルバック1019が形成されているフェースプレート1017の内面に、接着剤1031を塗布する。図1に示すように、接着剤1031は、フェースプレート1017の、リアプレート1015に固定された側壁1016に当接する部分に塗布される。
【0047】
次に接着剤1031を塗布したフェースプレート1017を、側壁1016とスペーサ1020とグリッド1021を固定したリアプレート1015にアライメントし、接着剤1031を軟化させてからリアプレート1015とフェースプレート1017を接合し、外囲器を形成する。
【0048】
この時スペーサ1020のフェースプレート1017に対向した端面は、メタルバック1019と接触し、フェースプレート1017とリアプレート1015間の、耐大気圧支持機能を持つ。
【0049】
さらに、グリッド1021はフェースプレート1017とリアプレート1015の中間に位置し、グリッド1021の電位を、フェースプレート1017の電位値と、リアプレート1015の電位値の任意電位値を供給することで、電位規定を可能にする。
【0050】
なお、リアプレート側にグリッドを設け、グリッドに行方向配線1013の電位と同じ電位を与えるには、グリッドと行方向配線1013とを(行方向配線絶縁層を介さずに)導電性接着剤等で電気的に接続すればよく、またフェースプレート側にグリッドを設け、グリッドにメタルバック1019の電位と同じ電位を与えるには、グリッドとメタルバック1019とを電気的に接続すればよい。グリッドを任意の電位とするには、リアプレート側又は/及びフェースプレート側に電源配線を設けてグリッドと接続し、この電源配線と接続される電気接続用端子を設けて外部から所定の電圧を与えればよい。
【0051】
以上述べてきたように、グリッド1021のグリッド溝部1022にスペーサ1020を接着させ、その後、フェースプレート1017と、リアプレート1015で挟んで外囲器の耐大気圧支持構造を形成することにより、スペーサ1020のアライメントとグリッド1021のアライメントが簡易化され、さらにフェースプレート1017、リアプレート1015とのアライメントを、スペーサ1020、グリッド1021が接合されているので、同時に行うことができる。
【0052】
さらに、グリッド開口部1023のフェースプレート1017または、リアプレート1015からの距離を、同時に規定することが可能となる。
【0053】
また、リアプレート1015から、フェースプレート1017に電子ビームを照射し、蛍光膜1018を発光させる際、電子ビーム中の一部の電子は、メタルバック1019で反射され、二次電子として、リアプレート1015表面に帯電し、不意の放電により、冷陰極素子1012を破壊することがあるが、二次電子の大部分をグリッド1021で吸収し、不意の放電を大幅に抑制することができた。
【0054】
本実施形態では、リアプレート1015側に、グリッド1021を、フェースプレート1017側に、スペーサ1020が接合しているが、フェースプレート1017側にグリッド1021を、リアプレート1015側にスペーサ1020が接合する構成としても同様の効果が得られる。
【0055】
さらに、スペーサ1020のフェースプレート1017側端部、リアプレート1015側端部の両方に、グリッド1021を接合することも可能であり、この場合不意の放電の抑制効果がさらに大きくなる。
【0056】
グリッド1021の材質は426合金(42%Ni、6%Co残りFe:wt%)または48Ni合金(48%Ni、残りFe:wt%)等のフェースプレート1017、リアプレート1015のガラス材と線膨張率が近いものが望ましい。また、フェースプレート1017、リアプレート1015と熱膨張率が近いセラミックス、ガラス等に導電性表面処理を施したものでもよい。
【0057】
(画像表示装置)
以上説明した画像表示装置(表示パネル)について具体的に説明する。
【0058】
図1に示す表示パネルでは、基板1011上に冷陰極素子1012がn×m個形成されている。n,mは2以上の正の整数であり、目的とする表示画素数に応じて適宜設定される。例えば、高品位テレビジョンの表示を目的とした表示装置においては、n=3000以上,m=1000以上に設定することが望ましい。n×m個の冷陰極素子は、m本の行方向配線1013とn本の列方向配線1014により単純マトリクス配線されている。この基板1011、冷陰極素子1012、行方向配線1013、列方向配線1014によって、いわゆるマルチ電子ビーム源が構成される。
【0059】
本発明の画像表示装置に用いられるマルチ電子ビーム源は、冷陰極素子1012を単純マトリクス配線した電子源であれば、冷陰極素子1012の材料や形状あるいは製法に制限はない。したがって、例えば表面伝導型電子放出素子やFE型素子、MIM型素子、あるいはカーボンナノチューブを用いた電子放出素子などの冷陰極素子1012を用いることができる。ここでは、冷陰極素子1012として表面伝導型電子放出素子を基板上に配列して単純マトリクス配線したマルチ電子ビーム源の構造について述べる。
【0060】
図5は、図1に示す表示パネルに用いられたマルチ電子ビーム源の平面図である。図6は、図5のB−B’に沿った断面図である。図5に示すように、基板1011上には表面伝導型電子放出素子1012が配列され、表面伝導型電子放出素子1012は、行方向配線1013と列方向配線1014により単純マトリクス状に配線されている。行方向配線1013と列方向配線1014の交差する部分には、電極間に絶縁層(不図示)が形成されており、電気的な絶縁が保たれている。
【0061】
なお、このような構造のマルチ電子ビーム源は、基板1011上に予め、行方向配線電極1013と、列方向配線電極1014と、電極間絶縁層(不図示)と、表面伝導型電子放出素子1012の素子電極1102,1103および導電性薄膜1104を形成し、導電性薄膜1104の間隙部に薄膜1113を設け、この間隙部を電子放出部1105とするものである。そして、行方向配線電極1013および列方向配線電極1014を介して各表面伝導型電子放出素子1012に給電して、通電フォーミング処理および通電活性化処理を行うことにより製造されている。
【0062】
フェースプレート1017の下面には、蛍光膜1018が形成されている。蛍光膜1018のリアプレート1015側の面には、メタルバック1019が設けられている。具体的には、フェースプレート基板1017上に蛍光膜1018を形成した後、蛍光膜1018表面を平滑化処理し、その上にAlを真空蒸着することによりメタルバック1019が形成されている。本実施形態はカラー表示装置であるため、蛍光膜1018として、CRTに用いられる赤、緑、青の3原色の蛍光体が塗り分けられている。メタルバック1019は、蛍光膜1018が発する光の一部を鏡面反射して光利用率を向上させ、負イオンの衝突から蛍光膜1018を保護し、電子ビーム加速電圧を印加するための電極として作用し、蛍光膜1018を励起した電子の導電路として作用するなどの役割を果たす。
【0063】
なお、蛍光膜1018として低電圧用の蛍光体材料を用いた場合には、メタルバック1019は用いなくてよい。
【0064】
本実施形態は、気密容器のリアプレート1015にマルチ電子ビーム源の基板1011が固定された構成であるが、マルチ電子ビーム源の基板1011が十分な強度を有するものである場合には、マルチ電子ビーム源の基板1011自体を気密容器のリアプレートとして用いてもよい。
【0065】
また、本実施形態では用いていないが、加速電圧の印加用や蛍光膜の導電性向上を目的として、フェースプレート基板1017と蛍光膜1018との間に、例えばITOを材料とする透明電極を設けてもよい。
【0066】
図1乃至図3に示したスペーサ1020は、基板1011上の行方向配線1013および列方向配線1014とフェースプレート1017内面のメタルバック1019との間に印加される高電圧に耐えるだけの絶縁性を有し、かつスペーサ1020の表面への帯電を防止する程度の導電性を有することが望ましい。そこで、本実施形態のスペーサ1020は、絶縁牲の基材1020aの表面に帯電防止を目的とした高抵抗膜1020bが成膜され、フェースプレート1017の内側(メタルバック1019)および基板1011の表面(行方向配線1013または列方向配線1014)との当接面およびこれに接する側面部に低抵抗膜(導電性膜)1020cが成膜されたものであり、スペーサ1020は必要に応じた数だけ、必要な間隔をおいて配置されている。高抵抗膜1020bは、基材1020aの表面のうち、少なくとも気密容器内(真空中)に露出する面に成膜されている。なお、スペーサへの帯電が特に問題にならない場合には絶縁性の基板のみでスペーサを構成してもよい。
【0067】
スペーサ1020の基材1020aとしては、例えば石英ガラス、Na等の不純物含有量を減少したガラス、ソーダライムガラス、アルミナ等のセラミックス部材等が用いられる。なお、基材1020aは、熱膨張率が気密容器および基板1011を成す部材と近いものが好ましい。
【0068】
また、高抵抗膜1020bとしては、既に述べたように帯電防止効果の維持およびリーク電流による消費電力抑制を考慮して、そのシート抵抗(面積抵抗率)が10[Ω/□]から1012[Ω/□]の範囲のものであることが好ましい。
【0069】
また、低抵抗膜1020cは、高抵抗膜1020bに比べ十分に低い抵抗値を有していればよく、その材料は、Ni,Cr,Au,Mo,W,Pt,Ti,Al,Cu,Pd等の金属、あるいは合金、およびPd,Ag,Au,RuO,Pd−Ag等の金属や金属酸化物とガラス等から構成される印刷導体、あるいはIn−SnO等の透明導体およびポリシリコン等の半導体材料等より適宜選択される。
【0070】
表示パネルと不図示の電気回路とを電気的に接続するために、気密容器の電気接続用端子Dx1〜DxmおよびDy1〜DynおよびHvが設けられている。電気接続用端子Dx1〜Dxmはマルチ電子ビーム源の行方向配線1013と、電気接続用端子Dy1〜Dynはマルチ電子ビーム源の列方向配線1014と、電気接続用端子Hvはフェースプレート1017のメタルバック1019と、それぞれ電気的に接続されている。
【0071】
また、気密容器内部を真空に排気するため、気密容器を組み立てた後、不図示の排気管と真空ポンプとを接続し、気密容器内を1.33×10−5Pa(10−7Torr)程度の真空度まで排気する。その後、排気管を封止するが、気密容器内の真空度を維持するために、封止の直前あるいは封止後に気密容器内の所定の位置にゲッター膜(不図示)を形成する。ゲッター膜とは、例えばBaを主成分とするゲッター材料をヒーターもしくは高周波加熱により加熱し蒸着して形成した膜であり、該ゲッター膜の吸着作用により気密容器内は1.33×10−3〜10−5Pa(10−5〜10−7Torr)の真空度に維持される。
【0072】
以上説明した表示パネルを用いて、容器外端子Dx1〜Dxm、Dy1〜Dynを通じて表面伝導電子放出素子1012に電圧を印加し、表面伝導型電子放出素子1012から電子を放出させる。それと同時に容器外端子Hvを通じてメタルバック1019に数百[V]〜数[kV]の高圧を印加して、放出された電子を加速しフェースプレート1017の内面に衝突させる。これにより、蛍光膜1018をなす各色の蛍光体が励起されて発光し、画像が表示される。
【0073】
通常、冷陰極素子である本発明の表面伝導型電子放出素子1012への印加電圧は12〜16[V]程度、メタルバック1019と表面伝導型電子放出素子1012との距離dは0.1〜8[mm]程度、メタルバック1019と表面伝導型電子放出素子1012間の電圧0.1〜10[kV]程度である。
[その他の実施の形態]
本発明は、表面伝導電子放出素子に限られず、冷陰極型電子放出素子のうち、その他のいずれの電子放出素子に対しても適用できる。具体例としては、本出願人により特開昭63−274047号公報に開示された、対向する一対の電極を、電子源を成す基板面に沿って構成した電界放出型の電子放出素子がある。
【0074】
また、本発明は、単純マトリクス型以外の電子源を用いた画像表示装置に対しても適用できる。例えば、本出願人により特開平2−257551号公報等に開示された、グリッドを用いて表面伝導型電子放出素子の選択を行う画像表示装置において、電子源とグリッドとの間などに前記したような支持部材(スペーサ)を設けることができる。
【0075】
本発明の思想によれば、画像表示装置に限るものでなく、感光性ドラムと発光ダイオード等で構成された光プリンタの発光ダイオード等の代替の発光源として用いることもできる。またこの際、上述のm本の行方向配線とn本の列方向配線を、適宜選択することで、ライン状発光源だけでなく、2次元状の発光源としても応用できる。この場合、電子が照射する領域に配置する画像形成部材としては、蛍光体のような直接発光する物質に限るものではなく、電子の帯電による潜像画像が形成されるような部材を用いることもできる。
【0076】
また、本発明の思想によれば、例えば電子顕微鏡のように、電子源からの放出電子の被照射部材が、蛍光体等の画像形成部材以外のものである場合についても、本発明は適用できる。従って、本発明は被照射部材を特定しない電子線装置としての形態もとりうる。
【0077】
【実施例】
上述の実施の形態で説明した画像表示装置についてより詳しく説明する。但し、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、本明細書中の画像領域もしくは画像形成領域とは、電子が放出する領域と放出電子が照射される領域とで挟まれる空間をいう。
【0078】
[第1の実施例]
図1に示した表示パネルを作製する、本実施例の方法について、図1,2,5を参照して説明する。
(電子源の作製)
まず、図1に示すように、基板1011上に、行方向配線1013と、列方向配線1014と、電極間絶縁層(不図示)と、表面伝導型電子放出素子1012の素子電極および導電性薄膜を形成する。
【0079】
(スペーサの作製)
次に、表示パネルの耐大気圧構造支持体であるスペーサ1020(図1参照)を、ソーダライムガラスからなる絶縁性部材(300mm×2mm×0.2mm)を基材1020aとして作製する。スペーサ1020の基材1020aは、加熱延伸法によって断面2mm×0.2mmの細長い四角柱状に成形し必要に応じて切断する。
【0080】
(スペーサの高抵抗膜と導電性膜の成膜)
スペーサ1020の基材1020aの表面のうち、気密容器の画像形成領域内にかかる4つの側面(300mm×1.98mm、300mm×0.2mmの各表裏面)に高抵抗膜1020bを成膜する。そして、フェースプレート1017およびリアプレート1015に当接する2つの端面(300mm×0.2mmの2面)と、広い方の2つの側面(300mm×2mm)の、前記した2つの端面から0.1mmの範囲で、スペーサ1020の長手方向(図1のX方向)の両端部から10mmを除いた領域(280mm×0.1mm)とに、導電性膜(低抵抗膜約1[Ω/□])1020cを形成する。
【0081】
一例としては、高抵抗膜1020bとしては、CrおよびAlのターゲットを同時に高周波電源でスパッタリングすることにより、Cr−Al窒化膜(厚さ200nm、約10[Ω/□])を形成する。導電性膜1020cは、スペーサ1020に成膜された高抵抗膜1020bとフェースプレート1017、高抵抗膜1020bとリアプレート1015の電気的接続を確保する目的のほかに、スペーサ1020周辺の電場を抑制し電子放出素子1012からの電子線の軌道制御を行う。
【0082】
(グリッドの作製)
次に表示パネルの二次電子遮蔽体であるグリッド1021(図1参照)を、426合金板(300mm×300mm×0.05mm)から作成する。
【0083】
まず、426合金板にスペーサ1020間隔と同等のグリッド溝部1022となる凸加工部(内幅0.203〜0.206mm×深さ0.2mm)をプレス加工、エッチング加工等により成型する。この凸加工部によりグリッドの一方の主面にはスペーサと嵌合する凹部が形成され、他方の主面にはリアプレート1015と当接する凸部が形成されることになる。凸加工部の深さは、0.2mmとしたが、より浅いほうが、凸加工部周辺の電子線の軌道に与える影響が少ないため、より望ましい。その後、凸加工以外の平面部に表面伝導型電子放出素子1012のピッチ間隔0.6mmと同等なピッチ0.6mmを持つグリッド開口部1023となる、φ0.02〜0.50mmの円形あるいは、楕円穴をエッチング加工、レーザー加工または、プレス加工で作成する。ここでは、表面伝導型電子放出素子1012に対応して、グリッド開口部1023となる穴を1対1で作成したが、スペーサ1020の長手方向と平行に連続したスリットでも良い。穴加工後、アニール処理により、表面を酸化膜で覆う。最後に必要に応じてフェースプレート画像領域よりも広い周辺部分は、レーザー加工等で切断する。
【0084】
ここでは、426合金を基材として用いたが、フェースプレート1017、リアプレート1015と熱膨張率が近いセラミックス、ガラス等に、上記グリッドと同様の凸形状及び、穴を持つものに、導電性表面処理を施したものでもよい。
【0085】
(側壁組立)
ソーダライムガラスから作製した側壁1016(外形350×350×1.9mm、幅10mm)を絶縁性接着剤1032(日本電気硝子製;LS3081)でリアプレート1015に接合する。このときの焼成温度の一例は450℃である。
【0086】
(スペーサ組立)
まず、グリッド1021のグリッド溝部1022に、スペーサ1020の端部(300mm×0.2mm)を嵌合させる。これによりスペーサ端部の低抵抗膜が接触し、グリッド1021とスペーサ1020の嵌合部は電気的に接続される。このとき必要に応じて、嵌合部に導電性接着剤たとえば、アレムコプロダクツ製、パイロダクト(商品名)等を用いて接合するとスペーサ1020と、グリッド1021の接合強度が増す。
【0087】
次に、グリッド溝部1022のリアプレート1015に当接する外面側に、絶縁性接着剤(例えば東亞合成製のアロンセラミックD(商品名)など)を塗布する。その後、スペーサ1020と、行方向配線1013と一致するようにアライメントして加熱硬化(200℃)して固定する。固定後グリッド1021を外部電源に接続できるように、リアプレート1015上のグリッド給電用配線(不図示)に半田付けまたは、無機導電性接着剤により電気的に接続する。ここでは、グリッド溝部1022のリアプレート1015に当接する部分を、絶縁性接着剤塗布したが、これは絶縁性のものならばよく、また、行方向配線1013上に絶縁層を形成しても良い。
【0088】
接着剤1031は、フェースプレート1017の内面の、側壁1016上面と当接する部分に塗布する(図3参照)。
【0089】
(リアプレートとフェースプレートの封着)
その後、図4に示すように、フェースプレート1017とリアプレート1015を対向させ、アライメントした後、450℃まで加熱して接合する。この際、軟化した接着剤1030とスペーサ1020が接触し接続される。
【0090】
(電子源プロセスおよび封止)
以上のようにして完成した気密容器内を、排気管を介して真空ポンプにより排気し、十分な真空度にする。その後、容器外端子DX1〜DxmとDY1〜DYnを通じ、行方向配線電極1013および列方向配線電極1014を介して、各表面電子放出素子に給電して、通電フォーミング処理と通電活性化処理を行うことにより、マルチ電子ビーム源を製造した。
【0091】
次に、1.33×10−4Pa(1×10−6Torr)程度の真空度で、不図示の排気管をガスバーナーで熱することで溶着し、外囲器(気密容器)の封着を行った。
【0092】
最後に、封止後の真空度を維持するために、ゲッター処理を行った。
【0093】
(画像形成)
以上のようにして完成した、図1に示す表示パネルを、駆動装置に組み込む。そして、走査信号および変調信号を、不図示の信号発生手段から容器外端子DX1〜DxmとDY1〜DYnを介して、各冷陰極素子(表面伝導型電子放出素子)1012にそれぞれ印加することにより、電子を放出させる。
【0094】
また、高電圧を、高圧端子Hvを通じてメタルバック1019に印加することにより、放出電子ビームを加速して、蛍光膜1018に電子を衝突させ、各色蛍光体を励起・発光させることにより、画像を表示する。
【0095】
なお、高圧端子Hvへの印加電圧Vaは、3〜10[kV]、各配線1013、1014間への印加電圧Vfは14[V]、グリッド1021の印加電圧は、0.014〜0.5kVとする。
【0096】
上記の表示パネルは、リアプレート1015から、フェースプレート1017に電子ビームを照射し、蛍光膜1018を発光させる際、電子ビーム中の一部の電子は、メタルバック1019で反射され、反射電子として、リアプレート1015表面に帯電によりし発生する不意の放電を、反射電子をグリッド1021で吸収することで、リアプレート1015の帯電を防ぎ、大幅に抑制することができた。
【0097】
その結果、放電がなく、鮮明で色再現性の良いカラー画像表示が得られた。また、グリッドに略U字型の断面部を形成することで凹部と凸部を設け、凸部分で基板(リアプレートまたはフェースプレート)と当接し、また、凹部分でスペーサを嵌合させることで、基板とグリッドとの距離を規定するとともに、スペーサと電子通過穴との距離を規定できるため、グリッド、スペーサの基板とに対するミスアライメントによる電子ビーム軌道への影響を低減でき、良好な画像を得ることができた。
【0098】
[第2の実施例]
本発明の第2の実施例について、図1、図7を参照して説明する。本実施例は、スペーサ1020のフェースプレート1017側端面に、グリッド1021を嵌合した構成である。第1の実施例と同様な構成および工程については説明を省略する。
【0099】
(グリッドの作製)
次に表示パネルの反射電子遮蔽体であるグリッド1021(図7参照)を、48Ni合金板(300mm×300mm×0.05mm)から作成する。
【0100】
まず、48Ni合金板にスペーサ1020間隔と同等のグリッド溝部1022となる凸加工部(内幅0.203〜0.206mm×深さ0.2mm〜1mm)をプレス加工、エッチング加工等により成型する。凸加工部の深さは、0.2mm〜1mmとしたが、より深いほうが、グリッド1021とフェースプレート1017の間隔が広くなるため、グリッド1021やその近傍がフェースプレート1017の反射電子による帯電を起こした場合でも、放電が起こりにくく、より望ましい。その後、凸加工以外の平面部に表面伝導型電子放出素子1012のピッチ間隔0.6mmと同等なピッチ0.6mmを持つグリッド開口部1023となる、φ0.25〜0.55mmの円形あるいは、楕円穴をエッチング加工、レーザー加工または、プレス加工で作成する。ここでは、表面伝導型電子放出素子1012に対応して、グリッド開口部1023となる穴を1対1で作成したが、スペーサ1020の長手方向と平行に連続したスリットでも良い。また穴加工後、画像領域よりも広い周辺部分は、必要に応じてレーザー加工等で、切断し、最後に酸化処理により、表面を黒い酸化膜で覆う。
【0101】
ここでは、48Ni合金を基材として用いたが、フェースプレート1017、リアプレート1015と熱膨張率が近いセラミックス、ガラス等に、上記グリッドと同様の凸形状及び、穴を持つものに、導電性表面処理を施したものでもよい。
【0102】
(スペーサ組立)
まず、グリッド1021のグリッド溝部1022に、スペーサ1020の端部(300mm×0.2mm)を嵌合させる。このとき必要に応じて、導電性接着剤(たとえば、アレムコプロダクツ製、パイロダクト(商品名)、等)ハンダ溶接(旭硝子製、セラソルザー(商品名)等を用いて接合してもよい。
【0103】
次に、グリッド溝部1022のフェースプレート1017に当接する外面側に、導電性接着剤(たとえば、アレムコプロダクツ製、パイロダクト(商品名)、導電性フリット等)を塗布する。その後、フェースプレート1017に加熱硬化(パイロダクト;約200℃、導電性フリット;約380℃)して固定する。この時、グリッド1021の一部と、高圧端子Hvを電気的に接続する。
【0104】
接着剤1030は、フェースプレート1017の内面の、側壁1016上面と当接する部分に塗布する(図7参照)。
【0105】
(リアプレートとフェースプレートの封着)
その後、図7に示すように、フェースプレート1017とリアプレート1015を対向させ、スペーサ1020と、行方向配線1013と一致するようにアライメントした後、450℃まで加熱して接合する。この際、軟化した接着剤とスペーサ1020が接触し接続される。
【0106】
(画像形成)
以上のようにして完成した、図1に示す表示パネルを、駆動装置に組み込む。そして、走査信号および変調信号を、不図示の信号発生手段から容器外端子DX1〜DxmとDY1〜DYnを介して、各冷陰極素子(表面伝導型電子放出素子)1012にそれぞれ印加することにより、電子を放出させる。
【0107】
また、高電圧を、高圧端子Hvを通じてグリッド1021に印加することにより、放出電子ビームを加速して、蛍光膜1018に電子を衝突させ、各色蛍光体を励起・発光させることにより、画像を表示する。
【0108】
なお、高圧端子Hvへの印加電圧Vaは、3〜10[kV]、各配線1013、1014間への印加電圧Vfは15[V]とする。
【0109】
上記の表示パネルは、リアプレート1015から、フェースプレート1017に電子ビームを照射し、蛍光膜1018を発光させる際、電子ビーム中の一部の電子は、メタルバック1019で反射され、反射電子として、リアプレート1015表面に到達し、リアプレートを帯電させることにより発生する不意の放電を、反射電子をグリッド1021で吸収することによって、リアプレート1015の帯電を防ぎ、大幅に抑制することができた。その結果、放電がなく、鮮明で色再現性の良いカラー画像表示が得られた。
【0110】
本実施例においては、フェースプレート1017とグリット1021の接合を導電性接着剤により、電気的に接続し、同電位としたが、絶縁性接着剤を用いてもよく、その場合は、フェースプレート1017の電位と、グリッド1021の電位に差をつけることで、蛍光体1018に当たる電子軌道が広がる範囲を、所望の範囲にすることができる。また、グリッドに略U字型の断面部を形成することで凹部と凸部を設け、凸部分で基板(リアプレートまたはフェースプレート)と当接し、また、凹部分でスペーサを嵌合させることで、基板とグリッドとの距離を規定するとともに、スペーサと電子通過穴との距離を規定できるため、グリッド、スペーサの基板とに対するミスアライメントによる電子ビーム軌道への影響を低減でき、良好な画像を得ることができた。
【0111】
[第3の実施例]
本発明の第3の実施例について、図1、図8を参照して説明する。本実施例は、スペーサ1020のフェースプレート1017側端面、およびリアプレート1015側端面の両端部に、グリッド1021を嵌合した構成である。第1の実施例と同様な構成および工程については説明を省略する。
【0112】
(グリッドの作製)
表示パネルの二次電子遮蔽体であるグリッド1021(図8参照)を、48Ni合金板(300mm×300mm×0.05mm)から作成する。
【0113】
グリッド1021はフェースプレート1017側グリッド1021aおよびリアプレート1015側グリッド1021bの2枚を作成する。
【0114】
まず、48Ni合金板にスペーサ1020間隔と同等のグリッド溝部1022となる凸加工(1021a;内幅0.203〜0.206mm×深さ0.2〜1.0mm、1021b;内幅0.203〜0.206mm×深さ0.1〜0.2mm)をプレス加工、エッチング加工により2枚とも成型する。その後、凸加工以外の平面部に表面伝導型電子放出素子1012のピッチ間隔と同等なピッチを持つグリッド開口部1023となる、穴をエッチング加工、レーザー加工または、プレス加工で2枚のグリッド1021に作成する。この際それぞれのグリッド1021に加工する穴径は、グリッド1021aはφ0.25〜0.55mm、グリッド1021bはφ0.02〜0.50mmである。
【0115】
その後、画像領域よりも広い部分は、必要に応じて切断する。
【0116】
(スペーサ組立)
まず、グリッド1021a、1021bのグリッド溝部1022に、スペーサ1020の両端部(300×0.2)を嵌合させる。スペーサ1020のフェースプレート側端面にグリッド1021aを、リアプレート側端面にグリッド1021bを嵌合させる。また、グリッド1021aとグリッド1021bの穴の中心線は同一になるように勘合する。
【0117】
このとき必要に応じて、導電性接着剤(たとえば、アレムコプロダクツ製、パイロダクト(商品名)等)を用いて接合してもよい。
【0118】
次に、リアプレート1015側グリッド1021bのグリッド溝部1022のリアプレート1015に当接する外面側に、接着剤(例えば東亞合成製のアロンセラミックD(商品名)など)を塗布する。その後、スペーサ1020と、行方向配線1013と一致するようにアライメントして加熱硬化(200℃)して固定する。
【0119】
接着剤1031は、フェースプレート1017の内面の、側壁1016上面と当接する部分に塗布する(図1参照)。
【0120】
(リアプレートとフェースプレートの封着)
その後、図8に示すように、フェースプレート1017とリアプレート1015を対向させ、スペーサ1020と、行方向配線1013と一致するようにアライメントした後、450℃まで加熱して接合する。この際、軟化した接着剤とフェースプレート1017側グリッド1021aが接触し接続される。
【0121】
以降、リアプレートとフェースプレートの封着、電子源プロセスおよび封止の各工程は、第1実施例と同様である。
【0122】
(画像形成)
以上のようにして完成した、図1に示す表示パネルを、駆動装置に組み込む。そして、走査信号および変調信号を、不図示の信号発生手段から容器外端子DX1〜DxmとDY1〜DYnを介して、各冷陰極素子(表面伝導型電子放出素子)1012にそれぞれ印加することにより、電子を放出させる。
【0123】
また、高電圧を、高圧端子Hvを通じてグリッド1021aに、グリッド1021bに低電圧を印加することにより、放出電子ビームを加速して、蛍光膜1018に電子を衝突させ、各色蛍光体を励起・発光させることにより、画像を表示する。
【0124】
なお、グリッド1021aへの印加電圧Vaは、8〜15[kV]、グリッド1021bへの印加電圧は0.015〜0.5kv、各配線1013、1014間への印加電圧Vfは15[V]とする。
【0125】
上記の表示パネルは、リアプレート1015から、フェースプレート1017に電子ビームを照射し、蛍光膜1018を発光させる際、電子ビーム中の一部の電子は、メタルバック1019で反射され、反射電子として、リアプレート1015表面に到達し、リアプレートを帯電帯電させることによって発生する不意の放電を、反射電子をグリッド1021で吸収することで、リアプレート1015の帯電を防ぎ、大幅に抑制することができた。その結果、放電がなく、鮮明で色再現性の良いカラー画像表示が得られた。
【0126】
本実施例においては、フェースプレート1017とグリット1021aの接合を導電性接着剤により、電気的に接続し、同電位としたが、絶縁性接着剤を用いてもよく、その場合は、フェースプレート1017の電位≧グリッド1021aの電位>グリッド1021bとそれぞれ制御して差をつけることで、蛍光体1018に当たる電子軌道が広がる範囲を、実施例2よりも所望の範囲にすることができる。また、グリッドに略U字型の断面部を形成することで凹部と凸部を設け、凸部分で基板(リアプレートまたはフェースプレート)と当接し、また、凹部分でスペーサを嵌合させることで、基板とグリッドとの距離を規定するとともに、スペーサと電子通過穴との距離を規定できるため、グリッド、スペーサの基板とに対するミスアライメントによる電子ビーム軌道への影響を低減でき、良好な画像を得ることができた。
【0127】
[第4の実施例]
本発明の第4の実施例について、図1、図10を参照して説明する。本実施例は、第1の実施例のグリッド1021構造を変えたものである。第1の実施例と同様な構成および工程については説明を省略する。
【0128】
(グリッドの作製)
次に表示パネルの二次電子遮蔽体であるグリッド1021(図10参照)を、50Ni合金板(300mm×300mm×0.2mm)から作成する。
【0129】
まず、50Ni合金板にスペーサ1020間隔と同等のグリッド溝部1022となる溝加工部(内幅0.203〜0.206mm×深さ0.1mm)をエッチング加工、レーザー加工等により、スペーサ1020当接面のみ形成する。溝加工部の深さは、0.1mmとしたが、より深いほうが、スペーサ1020と嵌合が強固になり、より望ましい。その後、グリッド1021のリアプレート1018のX方向配線1013に当接する部分に絶縁層1201を形成する。絶縁層1201は例えば東亞合成(株)アロンセラミックD等の絶縁性物質で形成されており、スペーサ1020の位置するX方向配線1013以外のX方向配線1013にも形成されていても良い。その後、溝加工部以外の平面部に表面伝導型電子放出素子1012のピッチ間隔0.6mmと同等なピッチ0.6mmを持つグリッド開口部1023となる、φ0.02〜0.50mmの円形あるいは、楕円穴をエッチング加工、レーザー加工または、プレス加工で作成する。ここでは、表面伝導型電子放出素子1012に対応して、グリッド開口部1023となる穴を1対1で作成したが、スペーサ1020の長手方向と平行に連続したスリットでも良い。また穴加工後、アニール処理により、表面を酸化膜で覆う。最後に必要に応じてフェースプレート画像領域よりも広い周辺部分は、レーザー加工等で切断する。
【0130】
ここでは、グリッドとして50Ni合金を基材として用いたが、フェースプレート1017、リアプレート1015と熱膨張率が近いセラミックス、ガラス等に、上記グリッドと同様の凸形状及び、穴を持つものに、導電性表面処理を施したものでもよい。
【0131】
(画像形成)
以上のようにして完成した、図1に示す表示パネルを、駆動装置に組み込む。そして、走査信号および変調信号を、不図示の信号発生手段から容器外端子DX1〜DxmとDY1〜DYnを介して、各冷陰極素子(表面伝導型電子放出素子)1012にそれぞれ印加することにより、電子を放出させる。
【0132】
また、高電圧を、高圧端子Hvを通じてメタルバック1019に印加することにより、放出電子ビームを加速して、蛍光膜1018に電子を衝突させ、各色蛍光体を励起・発光させることにより、画像を表示する。
【0133】
なお、高圧端子Hvへの印加電圧Vaは、3〜10[kV]、各配線1013、1014間への印加電圧Vfは14[V]、グリッド1021の印加電圧は、0.014〜0.5kVとする。
【0134】
上記の表示パネルは、リアプレート1015から、フェースプレート1017に電子ビームを照射し、蛍光膜1018を発光させる際、電子ビーム中の一部の電子は、メタルバック1019で反射され、反射電子として、リアプレート1015表面に到達し、リアプレートを帯電させることにより発生する不意の放電を、反射電子をグリッド1021で吸収することで、リアプレート1015の帯電を防ぎ、大幅に抑制することができた。
【0135】
その結果、放電がなく、鮮明で色再現性の良いカラー画像表示が得られた。また、グリッドに凹部を設け、この凹部でスペーサを嵌合させ、また凹部下で基板(リアプレートまたはフェースプレート)と当接することで、基板とグリッドとの距離を規定するとともに、スペーサと電子通過穴との距離を規定できるため、グリッド、スペーサの基板とに対するミスアライメントによる電子ビーム軌道への影響を低減でき、良好な画像を得ることができた。
【0136】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、電位規定板、スペーサの基板に対するミスアライメントによる電子ビーム軌道への影響を低減でき、良好な画像を得ることができる。また、装置内での不慮の放電を低減するとともに、放電によるフェースプレート、リアプレートへのダメージを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像表示装置に係わる表示パネルの一部を切り欠いて示した斜視図である。
【図2】図1のY―Z模式的断面図である。
【図3】図1のX−Z模式的断面図である。
【図4】図1に示す表示パネルの組立工程の説明図である。
【図5】図1に示す表示パネルのマルチビーム電子源の基板の平面図である。
【図6】図5のB−B’線に沿う断面図である。
【図7】本発明の第2の実施例の画像表示装置に係わる表示パネルの断面図である。
【図8】本発明の第3の実施例の画像表示装置に係わる表示パネルの断面図である。
【図9】スペーサの溝部の断面図である。
【図10】本発明の第4の実施例の画像表示装置に係わる表示パネルの断面図である。
【図11】従来の画像表示装置に係わる表示パネルの一部を切り欠いて示した斜視図である。
【符号の説明】
1011 基板
1012 冷陰極素子(表面伝導型電子放出素子)
1013 行方向配線
1014 列方向配線
1015 リアプレート(第1基板)
1016 側壁(枠)
1017 フェースプレート(第2基板)
1018 蛍光膜(蛍光体)
1019 メタルバック
1020 スペーサ(構造支持体)
1020a 基材
1020b 高抵抗膜
1020c 低抵抗膜(導電性膜、金属膜)
1021 グリッド
1022 グリッド溝部
1023 グリッド開口部
1030 接着剤
1031 接着剤
1032 接着剤
1102,1103 素子電極
1104 導電性薄膜
1105 電子放出部
1113 薄膜
1201 絶縁層
x1〜Dxm,Dy1〜Dyn,Hv 電気接続用端子

Claims (18)

  1. 電子が放出される領域を有する第1基板と、放出された電子が照射される領域を有する第2基板と、前記第1基板と前記第2基板との間に耐大気圧構造のために配置されたスペーサとを有する電子線装置において、
    前記第1基板と前記第2基板との間に、前記第1基板から照射された電子が通過する開口部を有する電位規定板を少なくとも1枚設け、
    前記電位規定板は一方の主面に前記スペーサと嵌合する凹部を有し、該凹部に前記スペーサが嵌合された状態で前記電位規定板の他方の主面の一部が前記第1基板又は前記第2基板と当接されていることを特徴とする電子線装置。
  2. 前記電位規定板を少なくとも2枚設け、一枚の電位規定板は前記第1基板に当接され、他の一枚の電位規定板は前記第2基板に当接されている請求項1に記載の電子線装置。
  3. 前記電位規定板の他方の主面の、前記第1基板又は前記第2基板との当接部に凸部が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の電子線装置。
  4. 前記電位規定板の前記凸部は前記凹部の直下に設けられていることを特徴とする請求項3に記載の電子線装置。
  5. 前記凸部及び前記凹部は前記電位規定板にU字状又はコの字状断面部を形成することで一体に設けられる請求項4に記載の電子線装置。
  6. 前記電位規定板の前記凸部が前記第1基板の当接部に、絶縁物を介して当接されていることを特徴とする請求項3から5のいずれか1項に記載の電子線装置。
  7. 前記第1基板、前記第2基板、前記スペーサ及び、前記第1基板と前記第2基板とを固定するための枠とから外囲器を構成し、前記電位規定板は該外囲器の外の電位供給源と電気的に接続していることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の電子線装置。
  8. 前記電位規定板は金属板であることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の電子線装置。
  9. 前記スペーサは絶縁性基板からなることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の電子線装置。
  10. 前記スペーサは絶縁性基板の表面に高抵抗膜が形成された基板からなることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の電子線装置。
  11. 前記高抵抗膜は、シート抵抗が10〜1012オーム/□であることを特徴とする請求項10に記載の電子線装置。
  12. 前記電子が放出される領域には冷陰極素子が設けられていることを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載の電子線装置。
  13. 前記冷陰極素子が表面伝導型電子放出素子であることを特徴とする請求項12に記載の電子線装置。
  14. 前記スペーサの、前記電位規定板と嵌合する部分に前記高抵抗膜よりも抵抗の小さい低抵抗膜が形成されている請求項10又は11に記載の電子線装置。
  15. 前記電位規定板の他方の主面が前記第1基板又は前記第2基板と当接され、該他方の主面が当接されていない前記第2基板又は第1基板と前記スペーサが当接され、前記スペーサの少なくとも当接する部分に前記高抵抗膜よりも抵抗の小さい低抵抗膜が形成されている請求項10又は11に記載の電子線装置。
  16. 前記低抵抗膜は金属であることを特徴とする請求項14又は15に記載の電子線装置。
  17. 前記スペーサは、前記冷陰極素子を駆動するための配線上に配置されていることを特徴とする請求項12に記載の電子線装置。
  18. 請求項1から17のいずれか1項に記載の電子線装置の前記放出された電子が照射される領域には、電子の衝突により画像が形成される画像形成部材が設けられている画像表示装置。
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