JP2004111069A - リチウムイオン電池用外装材 - Google Patents
リチウムイオン電池用外装材 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004111069A JP2004111069A JP2002268191A JP2002268191A JP2004111069A JP 2004111069 A JP2004111069 A JP 2004111069A JP 2002268191 A JP2002268191 A JP 2002268191A JP 2002268191 A JP2002268191 A JP 2002268191A JP 2004111069 A JP2004111069 A JP 2004111069A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- layer
- aluminum foil
- film
- coating
- ion battery
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/10—Energy storage using batteries
Abstract
【課題】リチウム電池用外装材において、使用される外装材の耐電解液性を改良し、電池の使用環境において、外装材のアルミニユム層が、内部電極との電気的短絡することなく十分なライフを有するリチウム電池用外装材を提供することにある。
【解決手段】単層又は多層の基材フイルムに、アルミニウム箔、接着層、シーラント層が順次積層された積層体において、少なくともアルミニウム箔の接着層側の面がベーマイト処理及びカチオンエレクトロコーティング処理されていることを特徴とするリチウム電池用外装材である。
【選択図】図1
【解決手段】単層又は多層の基材フイルムに、アルミニウム箔、接着層、シーラント層が順次積層された積層体において、少なくともアルミニウム箔の接着層側の面がベーマイト処理及びカチオンエレクトロコーティング処理されていることを特徴とするリチウム電池用外装材である。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、単層又は多層の基材フイルムに、アルミニウム箔、接着層、シーラント層が順次積層された積層体において、リチウムイオン電池用外装材に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、工業製品などの包装材料においては、主にガスバリアー材としてアルミニウム箔が使用され、基材フイルムやシーラントフイルムと積層された積層体が用いられている。これらの積層体のバリアー材と樹脂フイルムからなるシーラント層の接着方法は、イソシアネート化合物からなる接着層を介して、ドライラミネート法や溶融押出ラミネート法を中心とした積層方法が一般的であった。
【0003】
近年、軽量で小型化が可能であり、本質的に高いエネルギー密度を有するリチウムイオン電池、及び電解質にポリマー電解質を使用し、その構成要素が全て固体状の高性能且つ安全性の高いリチウム電池が注目されている。
【0004】
このようなリチウムイオン電池の構造としては、例えばリチウムイオン電池の場合は正極側にアルミニウム箔、アルミニウム箔に対向して負極側に銅またはニッケル箔を設け、各金属箔上に、活物質、及び電解液を含む層を各々形成し、これらの層間に電解液を含むセパレータを設けた構成を有する発電要素と、これを封止する外装材とを有する。電解液には電解質と電解液とが含まれている。
【0005】
リチウムイオン電池の外装材としては、例えば表面層となる樹脂層とバリアー層となるアルミニウム層とシール部材となる熱溶解性のシーラント層との積層体が使用され、十分なバリアー効果、及びヒートシール性の他、電池の使用環境温度である約0℃〜80℃で性能劣化を生じないことが要求されている。
【0006】
しかしながら、電池の使用環境において、外装材のアルミニウム層が、内部電極との電気的短絡するという問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記のような従来技術の問題点を鑑みてなされたものであり、その目的は、使用される外装材の耐電解液性を改良し、電池の使用環境において、外装材のアルミニウム層が、内部電極との電気的短絡することなく十分なライフを有するリチウムイオン電池用外装材を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係る発明は、単層又は多層の基材フイルムに、アルミニウム箔層、接着層、シーラント層が順次積層された積層体において、少なくともアルミニウム箔層の接着層側の面がカチオンエレクトロコーティング処理されていることを特徴とするリチウムイオン電池用外装材である。
【0009】
次に、本発明の請求項2に係る発明は、単層又は多層の基材フイルムに、アルミニウム箔層、接着層、シーラント層が順次積層された積層体において、アルミニウム箔層の両面がカチオンエレクトロコーティング処理されていることを特徴とするリチウムイオン電池用外装材である。
【0010】
本発明の請求項3に係る発明は、単層又は多層の基材フイルムに、アルミニウム箔層、接着層、シーラント層が順次積層された積層体において、少なくともアルミニウム箔層の接着層側の面がベーマイト処理及びカチオンエレクトロコーティング処理されていることを特徴とするリチウムイオン電池用外装材である。
【0011】
本発明の請求項4に係る発明は、単層又は多層の基材フイルムに、アルミニウム箔層、接着層、シーラント層が順次積層された積層体において、アルミニウム箔層の両面がベーマイト処理及びカチオンエレクトロコーティング処理されていることを特徴とするリチウムイオン電池用外装材である。
【0012】
【作用】
本発明によれば、アルミニウム箔(30)面にベーマイト及びカチオンエレクトロコーティング、又はカチオンエレクトロコーティング処理(32)が施されているので、高度な電気絶縁性、素材間密着性、耐熱性、表面の高硬度な薄膜被服層が形成されるため、外装材の耐電解液性が改良され、電池の使用環境において、外装材のアルミニウム箔層(3)が、内部電極との電気的短絡することがなく十分なライフを有するリチウムイオン電池用外装材を提供できる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明のリチウムイオン電池用外装材を、実施の形態に沿って以下詳細に説明する。
【0014】
本発明の請求項1に係る発明を詳細に説明すれば、図1は本発明の一実施の形態を示す側断面図である。厚み方向の順に、基材フイルム(1)、接着剤層(2)、アルミニウム箔層(3)、接着層(4)、シーラント層(5)が形成されている。
【0015】
前記基材フイルム(1)は、2軸延伸ポリプロピレンフイルム(OPPフイルム)、2軸延伸ポリエステルフイルム(PETフイルム)、2軸延伸ナイロンフイルム(ONYフイルム)等単層フイルム又はこれらが積層された多層フイルムが好ましい。積層方法はポリウレタン系接着剤等を使用して、公知のドライラミネート法などで貼り合わせる。各々のフイルムの厚さは、OPPフイルムが20μm〜40μm、PETフイルムが6μm〜25μm、ONYフイルムが15μm〜25μmの範囲のものが利用できる。
【0016】
前記接着剤層(2)としては、一般的にドライラミネート用接着剤として使用される二液硬化型ウレタン系接着剤などを使用し、塗布方法としてはグラビアコート法、ロールコート法などで塗布する。接着剤の塗布量は1〜5g/m2(乾燥状態)である。
【0017】
前記アルミニウム箔層(3)としては、一般の軟質アルミニウム箔(30)が使用でき厚さとしては7μm〜100μmの範囲が利用できる。
【0018】
前記アルミニウム箔(30)の片面又は両面に施されるベーマイト処理(31)は、アンモニアあるいはトリエタノールアミンなどの添加剤を蒸留水中に0.01〜1.00重量%の範囲で処理液を調合し、その処理液を75〜100℃の範囲に加熱し、アルミニウム箔(30)の片面、又は両面を1分間以上前記処理液中に漬ける処理をすることで、ベーマイト処理層(31)を形成したアルミニウム箔層(3)を得ることができる。この処理は、コーター機などを使用してウエブ方式で処理しても良く、またはバッチ方式で処理しても良い。本発明の積層体においては、少なくともアルミニウム箔層(3)の接着層側のアルミニウム箔(30)片面がベーマイト処理(31)されているか、又は両面がベーマイト処理(31)されている。
【0019】
このベーマイト処理を行うことにより、アルミニウム箔(30)のベーマイト処理層(31)表面は針状構造になり、またその表面に−O−基を多く存在させることができ、シーラント層の樹脂フイルム表面の−O−基と水素結合を形成することなどにより、より密着強度を上げることができる。
【0020】
前記アルミニウム箔(30)に施されるカチオンエレクトロコーティング処理の一例は、カチオンエレクトロコーティングシステム(EAD)(日本ペイント(株)製造)に順守して処理を行う。前記カチオンエレクトロコーティングとは、水という安定な媒体中で、陰極に帯電させた導電体へ、均一に有機材料を薄膜被服(1μm〜50μm)させるシステムであり、電解活性型プロセスを併用したEAD−21(商品名、日本ペイント(株)製造)では高度な電気絶縁性、素材間密着性、耐熱性、表面の高硬度な薄膜被覆層(以下、カチオンエレクトロコーティング処理層(32)と記す)を形成するものである。
【0021】
前記EAD−21塗装仕様は、適用素材種類として、鉄系、亜鉛系、アルミニウム及びその他各種金属素材であり、電着塗装条件としては、膜厚5μm〜30μm、塗装電圧100V〜300V、塗装時間1.5〜6分、塗装浴温度20〜40℃より適宜選択して行う。焼き付け乾燥条件としては、温度170〜270℃、時間15〜60分から適宜選択することが好ましい。
【0022】
図1に示すように、カチオンエレクトロコーティング処理は、前記アルミニウム箔(30)に直接カチオンエレクトロコーティング処理層(32)を施すか、若しくは前記ベーマイト処理層(31)面上にカチオンエレクトロコーティング処理層(32)を形成するもので、ベーマイト処理層(31)を形成することにより、素材間密着性が強化され且つ表面高硬度の層を形成し、さらに電気絶縁性、耐熱性に優れたカチオンエレクトロコーティング処理層(32)を形成することができる。
【0023】
前記接着層(4)の1つの例としては、イソシアネート系モノマーか、これら重合体、誘導体よりなる、イソシアネート基を有する化合物より形成され、具体的には、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート等である。
【0024】
2つ目の前記接着層(4)の例としては、α、β−エチレン性不飽和カルボン酸で変性されたポリオレフィン樹脂(A)10〜90重量%、ポリオレフィン酸(未変性の)(B)90〜10重量%からなる樹脂混合物100重量%に対して、イソシアネート化合物(C)1〜10重量%の割合で配合された樹脂混合組成物からなっている。
【0025】
脂肪族系炭化水素および芳香族系炭化水素などの溶媒に前記の変性ポリオレフィン(A)とポリオレフィン(B)の樹脂混合組成物を15〜20%分散させた分散溶液を製造し、さらに、イソシアネート化合物(C)を添加配合し、最終的に3成分からなる組成物の分散溶液を調整製造する。この分散溶液を基材フイルムと張り合わせたアルミニウム箔の前記処理面(32)にグラビアコート法などの公知の方法で塗布した後、190〜230℃の高温で乾燥させ、溶媒を蒸発除去し、接着層(4)として耐熱接着層を形成する。続いて、その塗布面にシーラント層の樹脂フイルムを積層し、190℃以上の温度の加熱ロールで圧着して、ラミネートする。前記塗布量は1〜10g/m2(乾燥状態)が好ましい。
【0026】
上記2種類の接着層(4)は、適宜判断して最良の選択をすることが必要である。
【0027】
シーラント層(5)は、包装体を形成するために積層されるものである。例えばポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・メタクリル酸共重合体、エチレン・エチルアクリレート共重合体、アイオノマー樹脂などの1種、又は2種以上のブレンド物の熱可塑性樹脂からなるフイルム類を使用して、前述のごとき方法で積層される。厚さは目的に応じて決められるが、一般的には30μm〜100μmの範囲である。
【0028】
【実施例】
次に、本発明のリチウムイオン電池用外装材を、以下に具体的な実施例に従って説明する。
【0029】
<実施例1>
まず、厚さ50μmアルミニウム箔(30)の表面(片面)に直接、専用の電着塗装設備を用いて、商品名EAD−21塗装仕様(日本ペイント(株)製造)に準じてカチオンエレクトロコーティング処理層(32)を形成し、アルミニウム箔層(3)とした。前記塗装仕様の製造では、塗装電圧200V、塗装時間3分、塗装浴温度30℃の塗装条件で膜厚13μmの絶縁性樹脂層を析出形成し、該層の焼き付け乾燥条件では210℃、25分とした。以降の工程は全てドライラミネート機を使用して製造した。厚さ25μm2軸延伸ナイロンフイルム(ONYフイルム)の基材フイルム(1)を得た。次いで、前記基材フイルムのONYフイルム面に、接着剤層(2)としてグラビアコート法でポリウレタン系接着剤4g/m2(乾燥状態)塗布後、前記カチオンエレクトロコーティング処理層(32)を施したアルミニウム箔(3)を公知の方法で貼り合わせた。そのアルミニウム箔層(3)の処理(32)面に、接着層(4)として、グラビアコート法で固形分5重量%のトリレンジイソシアネート(東洋モ―トン(株)商品名CAT―10)溶液を、塗布量が4g/m2(乾燥状態)になるように塗布後、200℃で熱乾燥し、その塗布面とシーラント層(5)として厚さ50μmの未延伸単層フイルムの間に、200〜350℃の樹脂温度の熱可塑性のポリエチレン樹脂を5μm厚で溶融押出しラミネートする溶融押出ラミネート法で積層(サンドポリ層(55))して本発明のリチウムイオン電池用外装材を製造した。前記シーラント層(5)は単層PE(51)で、ポリエチレンフイルムである。(図1(a)参照)
【0030】
<実施例2>
厚さ50μmアルミニウム箔(30)の表面(片面)に直接、専用の電着塗装設備を用いて、商品名EAD−21塗装仕様(日本ペイント(株)製造)に準じてカチオンエレクトロコーティング処理(32)をし、アルミニウム箔層(3)とした。前記塗装仕様の製造では、塗装電圧200V、塗装時間3分、塗装浴温度30℃の塗装条件で膜厚13μmの絶縁性樹脂層を析出形成し、該層の焼き付け乾燥条件では210℃、25分とした。以降の工程は全てドライラミネート機を使用して製造した。厚さ25μm2軸延伸ナイロンフイルム(ONYフイルム)の基材フイルム(1)を得た。次いで、前記基材フイルムの〇NYフイルム面に、接着剤層(2)としてグラビアコート法でポリウレタン系接着剤4g/m2(乾燥状態)塗布後、前記カチオンエレクトロコーティング処理層(32)を施したアルミニウム箔層(3)を公知の方法で貼り合わせた。さらに、そのアルミニウム箔層(3)の処理(32)面に、接着層(4)として、グラビアコート法でマレイン酸変性ポリプロピレン100重量部、ポリプロピレン60重量部、イソシアネート化合物(東洋モートン社製、商品名CAT―10)3重量部、アイソパーM(エクソン化学、イソパラフィン系溶剤)640重量部、キシレン80重量部からなる組成比率の分散溶液を塗布量が4g/m2(乾燥状態)になるように塗布後、230℃で熱乾燥し、その塗布面にシーラント層(5)として厚さ50μmの未延伸多層のフイルムを積層し、200℃の加熱ロールで圧着し、ラミネートして本発明のリチウムイオン電池用外装材を製造した。前記シーラント層(5)は多層PE(52)で、接着面がポリプロピレンで外面ポリエチレンからなる共押しフイルムである。(図1(a)参照)
【0031】
<実施例3>
厚さ50μmアルミニウム箔(30)の表面(片側)に直接、専用の電着塗装設備を用いて、商品名EAD−21塗装仕様(日本ペイント(株)製造)に準じてカチオンエレクトロコーティング処理(32)をし、アルミニウム箔層(3)とした。前記塗装仕様の製造では、塗装電圧200V、塗装時間3分、塗装浴温度30℃の塗装条件で膜厚13μmの絶縁性樹脂層を析出形成し、該層の焼き付け乾燥条件では210℃、25分とした。以降の工程は全てドライラミネート機を使用して製造した。厚さ25μm2軸延伸ナイロンフイルムの基材フイルム(1)を得た。次いで、前記基材フイルムの〇NYフイルム面に、接着剤層(2)としてグラビアコート法でポリウレタン系接着剤4g/m2(乾燥状態)塗布後、前記カチオンエレクトロコーティング処理層(32)を施したアルミニウム箔層(3)を公知の方法で貼り合わせた。そのアルミニウム箔層(3)の処理(32)面に、接着層(4)として、グラビアコート法で固形分5重量%のトリレンジイソシアネート(東洋モ―トン(株)商品名CAT―10)溶液を、塗布量が4g/m2(乾燥状態)になるように塗布後、200℃で熱乾燥し、その塗布面とシーラント層(5)として厚さ50μmの未延伸多層フイルムの間に、200〜350℃の樹脂温度の熱可塑性のポリエチレン樹脂を5μm厚で溶融押出しラミネートする溶融押出ラミネート法で積層(サンドポリ層(55))して本発明のリチウムイオン電池用外装材を製造した。前記シーラント層(5)は多層PP(53)で、接着面がポリエチレンで外面ポリプロピレンからなる共押しフイルムである。(図1(a)参照)
【0032】
<実施例4>
コーター機で、厚さ50μmのアルミニウム箔(30)の表面(片面)をトリエタノールアミン0.5重量%含有の95℃熱水で3分間表面処理し、ベーマイト処理(31)したアルミニウム箔層(3)を準備した。前記ベーマイト処理したアルミニウム箔層(3)の表面に、専用の電着塗装設備を用いて、商品名EAD−21塗装仕様(日本ペイント(株)製造)に準じてカチオンエレクトロコーティング処理(32)をした。前記塗装仕様の製造では、塗装電圧200V、塗装時間3分、塗装浴温度30℃の塗装条件で膜厚13μmの絶縁性樹脂層を析出形成し、該層の焼き付け乾燥条件では210℃、25分とした。以降の工程は全てドライラミネート機を使用して製造した。厚さ25μm2軸延伸ナイロンフイルム(ONYフイルム)の基材フイルム(1)を得た。次いで、前記基材フイルムの〇NYフイルム面に、接着剤層(2)としてグラビアコート法でポリウレタン系接着剤4g/m2(乾燥状態)塗布後、前記カチオンエレクトロコーティング処理層(32)を施したアルミニウム箔層(3)を公知の方法で貼り合わせた。そのアルミニウム箔層(3)の処理(32)面に、接着層(4)として、グラビアコート法で固形分5重量%のトリレンジイソシアネート(東洋モ―トン(株)商品名CAT―10)溶液を、塗布量が4g/m2(乾燥状態)になるように塗布後、200℃で熱乾燥し、その塗布面とシーラント層(5)として厚さ50μmの未延伸単層フイルムの間に、200〜350℃の樹脂温度の熱可塑性のポリエチレン樹脂を5μm厚で溶融押出しラミネートする溶融押出ラミネート法で積層(サンドポリ層(55))して本発明のリチウムイオン電池用外装材を製造した。前記シーラント層(5)は単層PE(51)で、ポリエチレンフイルムである。(図1(b)参照)
【0033】
<実施例5>
まずコーター機で、厚さ50μmのアルミニウム箔(30)の表面(片面)をトリエタノールアミン0.5重量%含有の95℃熱水で3分間表面処理し、ベーマイト処理層(31)を形成したアルミニウム箔層(3)を準備した。前記ベーマイト処理したアルミニウム箔層(3)の表面に、専用の電着塗装設備を用いて、商品名EAD−21塗装仕様(日本ペイント(株)製造)に準じてカチオンエレクトロコーティング処理層(32)を形成した。前記塗装仕様の製造では、塗装電圧200V、塗装時間3分、塗装浴温度30℃の塗装条件で膜厚13μmの絶縁性樹脂層を析出形成し、該層の焼き付け乾燥条件では210℃、25分とした。以降の工程は全てドライラミネート機を使用して製造した。厚さ25μm2軸延伸ナイロンフイルム(ONYフイルム)の基材フイルム(1)を得た。次いで、前記基材フイルムの〇NYフイルム面に、接着剤層(2)としてグラビアコート法でポリウレタン系接着剤4g/m2(乾燥状態)塗布後、前記カチオンエレクトロコーティング処理層(32)を施したアルミニウム箔層(3)を公知の方法で貼り合わせた。さらに、そのアルミニウム箔層(3)の処理(32)面に、接着層(4)として、グラビアコート法でマレイン酸変性ポリプロピレン100重量部、ポリプロピレン60重量部、イソシアネート化合物(東洋モートン社製、商品名CAT―10)3重量部、アイソパーM(エクソン化学、イソパラフィン系溶剤)640重量部、キシレン80重量部からなる組成比率の分散溶液を塗布量が4g/m2(乾燥状態)になるように塗布後、230℃で熱乾燥し耐熱接着層を形成した。その塗布面にシーラント層(5)として厚さ50μmの未延伸の多層のフイルムを積層し、200℃の加熱ロールで圧着し、ラミネートして本発明のリチウムイオン電池用外装材(10)を製造した。前記シーラント層(5)は多層PE(52)で、接着面がポリプロピレンで外面ポリエチレンからなる共押しフイルムである。(図1(b)参照)
【0034】
<実施例6>
コーター機で、厚さ50μmのアルミニウム箔(30)の表面(片面)をトリエタノールアミン0.5重量%含有の95℃熱水で3分間表面処理し、ベーマイト処理(31)したアルミニウム箔層(3)を準備した。前記ベーマイト処理したアルミニウム箔層(3)の表面に、専用の電着塗装設備を用いて、商品名EAD−21塗装仕様(日本ペイント(株)製造)に準じてカチオンエレクトロコーティング処理(32)をした。前記塗装仕様の製造では、塗装電圧200V、塗装時間3分、塗装浴温度30℃の塗装条件で膜厚13μmの絶縁性樹脂層を析出形成し、該層の焼き付け乾燥条件では210℃、25分とした。以降の工程は全てドライラミネート機を使用して製造した。厚さ25μm2軸延伸ナイロンフイルム(ONYフイルム)の基材フイルム(1)を得た。次いで、前記基材フイルムの〇NYフイルム面に、接着剤層(2)としてグラビアコート法でポリウレタン系接着剤4g/m2(乾燥状態)塗布後、前記カチオンエレクトロコーティング処理層(32)を施したアルミニウム箔層(3)を公知の方法で貼り合わせた。そのアルミニウム箔層(3)の処理(32)面に、接着層(4)として、グラビアコート法で固形分5重量%のトリレンジイソシアネート(東洋モ―トン(株)商品名CAT―10)溶液を、塗布量が4g/m2(乾燥状態)になるように塗布後、200℃で熱乾燥し、その塗布面とシーラント層(5)として厚さ50μmの未延伸多層フイルムの間に、200〜350℃の樹脂温度の熱可塑性のポリエチレン樹脂を5μm厚で溶融押出しラミネートする溶融押出ラミネート法で積層(サンドポリ層(55))して本発明のリチウムイオン電池用外装材を製造した。前記シーラント層(5)は多層PP(53)で、接着面がポリエチレンで外面ポリプロピレンからなる共押しフイルムである。(図1(b)参照)
【0035】
<比較例1>
工程は全てドライラミネート機を使用して製造した。まず、厚さ25μm2軸延伸ナイロンフイルム(ONYフイルム)の基材フイルム(1)を得た。次いで、その基材フイルムの〇NYフイルム面に、接着剤層(2)としてグラビアコート法でポリウレタン系接着剤4g/m2(乾燥状態)塗布後、厚さ50μm厚アルミニウム箔(30)を公知の方法で貼り合わせて、該アルミニウム箔面をアルミニウム箔層(3)とした。さらに、そのアルミニウム箔層(3)の表面に、接着剤層(4)としてグラビアコート法でポリウレタン系接着剤4g/m2(乾燥状態)塗布後、200℃で熱乾燥し、その塗布面にシーラント層(5)として厚さ50μmの未延伸単層フイルムを積層し、200℃の加熱ロールで圧着し、ラミネートして本発明のリチウムイオン電池用外装材を製造した。前記シーラント層(5)は単層PE(51)で、ポリエチレンフイルムである。
【0036】
<比較例2>
コーター機で、厚さ50μmのアルミニウム箔(30)の表面(片面)をトリエタノールアミン0.5重量%含有の95℃熱水で3分間表面処理し、ベーマイト処理(31)したアルミニウム箔層(3)を準備した。以降の工程は全てドライラミネート機を使用して製造した。厚さ25μm2軸延伸ナイロンフイルム(ONYフイルム)の基材フイルム(1)を得た。次いで、その基材フイルムの〇NYフイルム面に、接着剤層(2)としてグラビアコート法でポリウレタン系接着剤4g/m2(乾燥状態)塗布後、前記処理されたベーマイト処理層(31)を施したアルミニウム箔層(3)を公知の方法で貼り合わせた。さらに、そのアルミニウム箔層(3)の処理(31)面に、接着層(4)として、固形分5重量%のトリレンジイソシアネート(東洋モ―トン(株)商品名CAT―10)溶液を、塗布量が4g/m2(乾燥状態)になるように塗布後、200℃で熱乾燥し、その塗布面にシーラント層(5)として厚さ50μmの未延伸単層フイルムを積層し、200℃の加熱ロールで圧着し、ラミネートして本発明のリチウムイオン電池用外装材を製造した。前記シーラント層(5)は単層PE(51)で、ポリエチレンフイルムである。
【0037】
<比較例3>
工程は全てドライラミネート機を使用して製造した。厚さ25μm2軸延伸ナイロンフイルム(ONYフイルム)の基材フイルム(1)を得た。次いで、前記基材フイルムの〇NYフイルム面に、接着剤層(2)としてグラビアコート法でポリウレタン系接着剤4g/m2(乾燥状態)塗布後、厚さ50μm厚のアルミニウム箔(30)を公知の方法で貼り合わせて、該アルミニウム箔面をアルミニウム箔層(3)とした。さらに、そのアルミニウム箔層(3)の表面に、接着剤層(4)としてグラビアコート法でポリウレタン系接着剤4g/m2(乾燥状態)塗布後、厚さ15μm2軸延伸ポリエステルフイルム(54)を公知の方法で貼り合わせ、次に、前記ポリエステルフイルム(54)面に、接着剤層(4)としてグラビアコート法でポリウレタン系接着剤4g/m2(乾燥状態)塗布後、200℃で熱乾燥し、その塗布面にシーラント層(5)として厚さ50μmの未延伸単層フイルムを積層し、200℃の加熱ロールで圧着し、ラミネートして本発明のリチウムイオン電池用外装材を製造した。前記シーラント層(5)は単層PE(51)で、ポリエチレンフイルムである。
【0038】
上述の実施例1〜6及び比較例1〜3のリチウムイオン電池用外装材の層構成を一覧表に整理した。下記の表1に示す。なお表中、層構成に記した符号は、各実施例、比較例で示したものである。
【0039】
【表1】
【0040】
各実施例及び比較例のリチウムイオン電池用外装材を用いて、高さ3cm×幅5cmパウチを作製し、その中に電極と電解液を入れて、リチウムイオン電池を作製した。
【0041】
短絡の試験方法(1)は、各々前記リチウムイオン電池の側面中央近傍に、外装材表面上に試験用電極ヘッド(Nヘッド)を装着し、もう一方の試験用電極ヘッド(Pヘッド)を内部電極に装着した。前記Nヘッドは先端形状が10mmφ円形形状に加工され、試験時には加重100kg/cm2、電池の使用環境温度である約0℃〜80℃に準じた80℃に十分に加温後、変位2mm押し込み回路の短絡の有、無を観察した。
【0042】
長期の性能安定性に試験方法(2)は、エチルカーボネート/エチルメチルカーボネート=1/1+LiPF8(1.5N)の電解液中に、実施例1、4及び比較例3の外装材を15mm×30mmのサイズにカットし、浸漬して85℃で2週間保存し、外装材のアルミニウム箔層とシーラント層の間のラミネート強度及び外観状態を評価した。
【0043】
実施例1〜6は全て、短絡も、長期性能も問題が発生しなかった。比較例3のみ、短絡は合格したが、長期性能は問題が発生した。結果のまとめは下記の表2に記す。
【0044】
【表2】
【0045】
【発明の効果】
本発明は、外装材のアルミニウム箔層がカチオンエレクトロコーティング処理層を形成したことにより、使用される外装材の耐電解液性を改良し、電池の使用環境において、外装材のアルミニウム箔層が、内部電極との電気的短絡することなく十分なライフを有するリチウムイオン電池用外装材を提供する。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(b)は、本発明のリチウムイオン電池用外装材の一例を示す側断面図である。
【符号の説明】
1…基材フイルム
10…外装材
2…汎用接着材層
3…アルミニウム箔層
30…アルミニウム箔
31…ベーマイト処理層
32…カチオンエレクトロコーティング処理層
4…接着層
5…シーラント層
51…単層PE(未延伸ポリエチレンフイルムのシーラント層)
52…多層PE(未延伸PEシーラント層(内PP、外側PE共押出フイルム)
53…多層PP(未延伸PPシーラント層(内PE、外側PP共押出フイルム)
54…(2軸延伸)ポリエステルフイルム
55…サンドポリ層
【発明の属する技術分野】
本発明は、単層又は多層の基材フイルムに、アルミニウム箔、接着層、シーラント層が順次積層された積層体において、リチウムイオン電池用外装材に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、工業製品などの包装材料においては、主にガスバリアー材としてアルミニウム箔が使用され、基材フイルムやシーラントフイルムと積層された積層体が用いられている。これらの積層体のバリアー材と樹脂フイルムからなるシーラント層の接着方法は、イソシアネート化合物からなる接着層を介して、ドライラミネート法や溶融押出ラミネート法を中心とした積層方法が一般的であった。
【0003】
近年、軽量で小型化が可能であり、本質的に高いエネルギー密度を有するリチウムイオン電池、及び電解質にポリマー電解質を使用し、その構成要素が全て固体状の高性能且つ安全性の高いリチウム電池が注目されている。
【0004】
このようなリチウムイオン電池の構造としては、例えばリチウムイオン電池の場合は正極側にアルミニウム箔、アルミニウム箔に対向して負極側に銅またはニッケル箔を設け、各金属箔上に、活物質、及び電解液を含む層を各々形成し、これらの層間に電解液を含むセパレータを設けた構成を有する発電要素と、これを封止する外装材とを有する。電解液には電解質と電解液とが含まれている。
【0005】
リチウムイオン電池の外装材としては、例えば表面層となる樹脂層とバリアー層となるアルミニウム層とシール部材となる熱溶解性のシーラント層との積層体が使用され、十分なバリアー効果、及びヒートシール性の他、電池の使用環境温度である約0℃〜80℃で性能劣化を生じないことが要求されている。
【0006】
しかしながら、電池の使用環境において、外装材のアルミニウム層が、内部電極との電気的短絡するという問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記のような従来技術の問題点を鑑みてなされたものであり、その目的は、使用される外装材の耐電解液性を改良し、電池の使用環境において、外装材のアルミニウム層が、内部電極との電気的短絡することなく十分なライフを有するリチウムイオン電池用外装材を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係る発明は、単層又は多層の基材フイルムに、アルミニウム箔層、接着層、シーラント層が順次積層された積層体において、少なくともアルミニウム箔層の接着層側の面がカチオンエレクトロコーティング処理されていることを特徴とするリチウムイオン電池用外装材である。
【0009】
次に、本発明の請求項2に係る発明は、単層又は多層の基材フイルムに、アルミニウム箔層、接着層、シーラント層が順次積層された積層体において、アルミニウム箔層の両面がカチオンエレクトロコーティング処理されていることを特徴とするリチウムイオン電池用外装材である。
【0010】
本発明の請求項3に係る発明は、単層又は多層の基材フイルムに、アルミニウム箔層、接着層、シーラント層が順次積層された積層体において、少なくともアルミニウム箔層の接着層側の面がベーマイト処理及びカチオンエレクトロコーティング処理されていることを特徴とするリチウムイオン電池用外装材である。
【0011】
本発明の請求項4に係る発明は、単層又は多層の基材フイルムに、アルミニウム箔層、接着層、シーラント層が順次積層された積層体において、アルミニウム箔層の両面がベーマイト処理及びカチオンエレクトロコーティング処理されていることを特徴とするリチウムイオン電池用外装材である。
【0012】
【作用】
本発明によれば、アルミニウム箔(30)面にベーマイト及びカチオンエレクトロコーティング、又はカチオンエレクトロコーティング処理(32)が施されているので、高度な電気絶縁性、素材間密着性、耐熱性、表面の高硬度な薄膜被服層が形成されるため、外装材の耐電解液性が改良され、電池の使用環境において、外装材のアルミニウム箔層(3)が、内部電極との電気的短絡することがなく十分なライフを有するリチウムイオン電池用外装材を提供できる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明のリチウムイオン電池用外装材を、実施の形態に沿って以下詳細に説明する。
【0014】
本発明の請求項1に係る発明を詳細に説明すれば、図1は本発明の一実施の形態を示す側断面図である。厚み方向の順に、基材フイルム(1)、接着剤層(2)、アルミニウム箔層(3)、接着層(4)、シーラント層(5)が形成されている。
【0015】
前記基材フイルム(1)は、2軸延伸ポリプロピレンフイルム(OPPフイルム)、2軸延伸ポリエステルフイルム(PETフイルム)、2軸延伸ナイロンフイルム(ONYフイルム)等単層フイルム又はこれらが積層された多層フイルムが好ましい。積層方法はポリウレタン系接着剤等を使用して、公知のドライラミネート法などで貼り合わせる。各々のフイルムの厚さは、OPPフイルムが20μm〜40μm、PETフイルムが6μm〜25μm、ONYフイルムが15μm〜25μmの範囲のものが利用できる。
【0016】
前記接着剤層(2)としては、一般的にドライラミネート用接着剤として使用される二液硬化型ウレタン系接着剤などを使用し、塗布方法としてはグラビアコート法、ロールコート法などで塗布する。接着剤の塗布量は1〜5g/m2(乾燥状態)である。
【0017】
前記アルミニウム箔層(3)としては、一般の軟質アルミニウム箔(30)が使用でき厚さとしては7μm〜100μmの範囲が利用できる。
【0018】
前記アルミニウム箔(30)の片面又は両面に施されるベーマイト処理(31)は、アンモニアあるいはトリエタノールアミンなどの添加剤を蒸留水中に0.01〜1.00重量%の範囲で処理液を調合し、その処理液を75〜100℃の範囲に加熱し、アルミニウム箔(30)の片面、又は両面を1分間以上前記処理液中に漬ける処理をすることで、ベーマイト処理層(31)を形成したアルミニウム箔層(3)を得ることができる。この処理は、コーター機などを使用してウエブ方式で処理しても良く、またはバッチ方式で処理しても良い。本発明の積層体においては、少なくともアルミニウム箔層(3)の接着層側のアルミニウム箔(30)片面がベーマイト処理(31)されているか、又は両面がベーマイト処理(31)されている。
【0019】
このベーマイト処理を行うことにより、アルミニウム箔(30)のベーマイト処理層(31)表面は針状構造になり、またその表面に−O−基を多く存在させることができ、シーラント層の樹脂フイルム表面の−O−基と水素結合を形成することなどにより、より密着強度を上げることができる。
【0020】
前記アルミニウム箔(30)に施されるカチオンエレクトロコーティング処理の一例は、カチオンエレクトロコーティングシステム(EAD)(日本ペイント(株)製造)に順守して処理を行う。前記カチオンエレクトロコーティングとは、水という安定な媒体中で、陰極に帯電させた導電体へ、均一に有機材料を薄膜被服(1μm〜50μm)させるシステムであり、電解活性型プロセスを併用したEAD−21(商品名、日本ペイント(株)製造)では高度な電気絶縁性、素材間密着性、耐熱性、表面の高硬度な薄膜被覆層(以下、カチオンエレクトロコーティング処理層(32)と記す)を形成するものである。
【0021】
前記EAD−21塗装仕様は、適用素材種類として、鉄系、亜鉛系、アルミニウム及びその他各種金属素材であり、電着塗装条件としては、膜厚5μm〜30μm、塗装電圧100V〜300V、塗装時間1.5〜6分、塗装浴温度20〜40℃より適宜選択して行う。焼き付け乾燥条件としては、温度170〜270℃、時間15〜60分から適宜選択することが好ましい。
【0022】
図1に示すように、カチオンエレクトロコーティング処理は、前記アルミニウム箔(30)に直接カチオンエレクトロコーティング処理層(32)を施すか、若しくは前記ベーマイト処理層(31)面上にカチオンエレクトロコーティング処理層(32)を形成するもので、ベーマイト処理層(31)を形成することにより、素材間密着性が強化され且つ表面高硬度の層を形成し、さらに電気絶縁性、耐熱性に優れたカチオンエレクトロコーティング処理層(32)を形成することができる。
【0023】
前記接着層(4)の1つの例としては、イソシアネート系モノマーか、これら重合体、誘導体よりなる、イソシアネート基を有する化合物より形成され、具体的には、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート等である。
【0024】
2つ目の前記接着層(4)の例としては、α、β−エチレン性不飽和カルボン酸で変性されたポリオレフィン樹脂(A)10〜90重量%、ポリオレフィン酸(未変性の)(B)90〜10重量%からなる樹脂混合物100重量%に対して、イソシアネート化合物(C)1〜10重量%の割合で配合された樹脂混合組成物からなっている。
【0025】
脂肪族系炭化水素および芳香族系炭化水素などの溶媒に前記の変性ポリオレフィン(A)とポリオレフィン(B)の樹脂混合組成物を15〜20%分散させた分散溶液を製造し、さらに、イソシアネート化合物(C)を添加配合し、最終的に3成分からなる組成物の分散溶液を調整製造する。この分散溶液を基材フイルムと張り合わせたアルミニウム箔の前記処理面(32)にグラビアコート法などの公知の方法で塗布した後、190〜230℃の高温で乾燥させ、溶媒を蒸発除去し、接着層(4)として耐熱接着層を形成する。続いて、その塗布面にシーラント層の樹脂フイルムを積層し、190℃以上の温度の加熱ロールで圧着して、ラミネートする。前記塗布量は1〜10g/m2(乾燥状態)が好ましい。
【0026】
上記2種類の接着層(4)は、適宜判断して最良の選択をすることが必要である。
【0027】
シーラント層(5)は、包装体を形成するために積層されるものである。例えばポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・メタクリル酸共重合体、エチレン・エチルアクリレート共重合体、アイオノマー樹脂などの1種、又は2種以上のブレンド物の熱可塑性樹脂からなるフイルム類を使用して、前述のごとき方法で積層される。厚さは目的に応じて決められるが、一般的には30μm〜100μmの範囲である。
【0028】
【実施例】
次に、本発明のリチウムイオン電池用外装材を、以下に具体的な実施例に従って説明する。
【0029】
<実施例1>
まず、厚さ50μmアルミニウム箔(30)の表面(片面)に直接、専用の電着塗装設備を用いて、商品名EAD−21塗装仕様(日本ペイント(株)製造)に準じてカチオンエレクトロコーティング処理層(32)を形成し、アルミニウム箔層(3)とした。前記塗装仕様の製造では、塗装電圧200V、塗装時間3分、塗装浴温度30℃の塗装条件で膜厚13μmの絶縁性樹脂層を析出形成し、該層の焼き付け乾燥条件では210℃、25分とした。以降の工程は全てドライラミネート機を使用して製造した。厚さ25μm2軸延伸ナイロンフイルム(ONYフイルム)の基材フイルム(1)を得た。次いで、前記基材フイルムのONYフイルム面に、接着剤層(2)としてグラビアコート法でポリウレタン系接着剤4g/m2(乾燥状態)塗布後、前記カチオンエレクトロコーティング処理層(32)を施したアルミニウム箔(3)を公知の方法で貼り合わせた。そのアルミニウム箔層(3)の処理(32)面に、接着層(4)として、グラビアコート法で固形分5重量%のトリレンジイソシアネート(東洋モ―トン(株)商品名CAT―10)溶液を、塗布量が4g/m2(乾燥状態)になるように塗布後、200℃で熱乾燥し、その塗布面とシーラント層(5)として厚さ50μmの未延伸単層フイルムの間に、200〜350℃の樹脂温度の熱可塑性のポリエチレン樹脂を5μm厚で溶融押出しラミネートする溶融押出ラミネート法で積層(サンドポリ層(55))して本発明のリチウムイオン電池用外装材を製造した。前記シーラント層(5)は単層PE(51)で、ポリエチレンフイルムである。(図1(a)参照)
【0030】
<実施例2>
厚さ50μmアルミニウム箔(30)の表面(片面)に直接、専用の電着塗装設備を用いて、商品名EAD−21塗装仕様(日本ペイント(株)製造)に準じてカチオンエレクトロコーティング処理(32)をし、アルミニウム箔層(3)とした。前記塗装仕様の製造では、塗装電圧200V、塗装時間3分、塗装浴温度30℃の塗装条件で膜厚13μmの絶縁性樹脂層を析出形成し、該層の焼き付け乾燥条件では210℃、25分とした。以降の工程は全てドライラミネート機を使用して製造した。厚さ25μm2軸延伸ナイロンフイルム(ONYフイルム)の基材フイルム(1)を得た。次いで、前記基材フイルムの〇NYフイルム面に、接着剤層(2)としてグラビアコート法でポリウレタン系接着剤4g/m2(乾燥状態)塗布後、前記カチオンエレクトロコーティング処理層(32)を施したアルミニウム箔層(3)を公知の方法で貼り合わせた。さらに、そのアルミニウム箔層(3)の処理(32)面に、接着層(4)として、グラビアコート法でマレイン酸変性ポリプロピレン100重量部、ポリプロピレン60重量部、イソシアネート化合物(東洋モートン社製、商品名CAT―10)3重量部、アイソパーM(エクソン化学、イソパラフィン系溶剤)640重量部、キシレン80重量部からなる組成比率の分散溶液を塗布量が4g/m2(乾燥状態)になるように塗布後、230℃で熱乾燥し、その塗布面にシーラント層(5)として厚さ50μmの未延伸多層のフイルムを積層し、200℃の加熱ロールで圧着し、ラミネートして本発明のリチウムイオン電池用外装材を製造した。前記シーラント層(5)は多層PE(52)で、接着面がポリプロピレンで外面ポリエチレンからなる共押しフイルムである。(図1(a)参照)
【0031】
<実施例3>
厚さ50μmアルミニウム箔(30)の表面(片側)に直接、専用の電着塗装設備を用いて、商品名EAD−21塗装仕様(日本ペイント(株)製造)に準じてカチオンエレクトロコーティング処理(32)をし、アルミニウム箔層(3)とした。前記塗装仕様の製造では、塗装電圧200V、塗装時間3分、塗装浴温度30℃の塗装条件で膜厚13μmの絶縁性樹脂層を析出形成し、該層の焼き付け乾燥条件では210℃、25分とした。以降の工程は全てドライラミネート機を使用して製造した。厚さ25μm2軸延伸ナイロンフイルムの基材フイルム(1)を得た。次いで、前記基材フイルムの〇NYフイルム面に、接着剤層(2)としてグラビアコート法でポリウレタン系接着剤4g/m2(乾燥状態)塗布後、前記カチオンエレクトロコーティング処理層(32)を施したアルミニウム箔層(3)を公知の方法で貼り合わせた。そのアルミニウム箔層(3)の処理(32)面に、接着層(4)として、グラビアコート法で固形分5重量%のトリレンジイソシアネート(東洋モ―トン(株)商品名CAT―10)溶液を、塗布量が4g/m2(乾燥状態)になるように塗布後、200℃で熱乾燥し、その塗布面とシーラント層(5)として厚さ50μmの未延伸多層フイルムの間に、200〜350℃の樹脂温度の熱可塑性のポリエチレン樹脂を5μm厚で溶融押出しラミネートする溶融押出ラミネート法で積層(サンドポリ層(55))して本発明のリチウムイオン電池用外装材を製造した。前記シーラント層(5)は多層PP(53)で、接着面がポリエチレンで外面ポリプロピレンからなる共押しフイルムである。(図1(a)参照)
【0032】
<実施例4>
コーター機で、厚さ50μmのアルミニウム箔(30)の表面(片面)をトリエタノールアミン0.5重量%含有の95℃熱水で3分間表面処理し、ベーマイト処理(31)したアルミニウム箔層(3)を準備した。前記ベーマイト処理したアルミニウム箔層(3)の表面に、専用の電着塗装設備を用いて、商品名EAD−21塗装仕様(日本ペイント(株)製造)に準じてカチオンエレクトロコーティング処理(32)をした。前記塗装仕様の製造では、塗装電圧200V、塗装時間3分、塗装浴温度30℃の塗装条件で膜厚13μmの絶縁性樹脂層を析出形成し、該層の焼き付け乾燥条件では210℃、25分とした。以降の工程は全てドライラミネート機を使用して製造した。厚さ25μm2軸延伸ナイロンフイルム(ONYフイルム)の基材フイルム(1)を得た。次いで、前記基材フイルムの〇NYフイルム面に、接着剤層(2)としてグラビアコート法でポリウレタン系接着剤4g/m2(乾燥状態)塗布後、前記カチオンエレクトロコーティング処理層(32)を施したアルミニウム箔層(3)を公知の方法で貼り合わせた。そのアルミニウム箔層(3)の処理(32)面に、接着層(4)として、グラビアコート法で固形分5重量%のトリレンジイソシアネート(東洋モ―トン(株)商品名CAT―10)溶液を、塗布量が4g/m2(乾燥状態)になるように塗布後、200℃で熱乾燥し、その塗布面とシーラント層(5)として厚さ50μmの未延伸単層フイルムの間に、200〜350℃の樹脂温度の熱可塑性のポリエチレン樹脂を5μm厚で溶融押出しラミネートする溶融押出ラミネート法で積層(サンドポリ層(55))して本発明のリチウムイオン電池用外装材を製造した。前記シーラント層(5)は単層PE(51)で、ポリエチレンフイルムである。(図1(b)参照)
【0033】
<実施例5>
まずコーター機で、厚さ50μmのアルミニウム箔(30)の表面(片面)をトリエタノールアミン0.5重量%含有の95℃熱水で3分間表面処理し、ベーマイト処理層(31)を形成したアルミニウム箔層(3)を準備した。前記ベーマイト処理したアルミニウム箔層(3)の表面に、専用の電着塗装設備を用いて、商品名EAD−21塗装仕様(日本ペイント(株)製造)に準じてカチオンエレクトロコーティング処理層(32)を形成した。前記塗装仕様の製造では、塗装電圧200V、塗装時間3分、塗装浴温度30℃の塗装条件で膜厚13μmの絶縁性樹脂層を析出形成し、該層の焼き付け乾燥条件では210℃、25分とした。以降の工程は全てドライラミネート機を使用して製造した。厚さ25μm2軸延伸ナイロンフイルム(ONYフイルム)の基材フイルム(1)を得た。次いで、前記基材フイルムの〇NYフイルム面に、接着剤層(2)としてグラビアコート法でポリウレタン系接着剤4g/m2(乾燥状態)塗布後、前記カチオンエレクトロコーティング処理層(32)を施したアルミニウム箔層(3)を公知の方法で貼り合わせた。さらに、そのアルミニウム箔層(3)の処理(32)面に、接着層(4)として、グラビアコート法でマレイン酸変性ポリプロピレン100重量部、ポリプロピレン60重量部、イソシアネート化合物(東洋モートン社製、商品名CAT―10)3重量部、アイソパーM(エクソン化学、イソパラフィン系溶剤)640重量部、キシレン80重量部からなる組成比率の分散溶液を塗布量が4g/m2(乾燥状態)になるように塗布後、230℃で熱乾燥し耐熱接着層を形成した。その塗布面にシーラント層(5)として厚さ50μmの未延伸の多層のフイルムを積層し、200℃の加熱ロールで圧着し、ラミネートして本発明のリチウムイオン電池用外装材(10)を製造した。前記シーラント層(5)は多層PE(52)で、接着面がポリプロピレンで外面ポリエチレンからなる共押しフイルムである。(図1(b)参照)
【0034】
<実施例6>
コーター機で、厚さ50μmのアルミニウム箔(30)の表面(片面)をトリエタノールアミン0.5重量%含有の95℃熱水で3分間表面処理し、ベーマイト処理(31)したアルミニウム箔層(3)を準備した。前記ベーマイト処理したアルミニウム箔層(3)の表面に、専用の電着塗装設備を用いて、商品名EAD−21塗装仕様(日本ペイント(株)製造)に準じてカチオンエレクトロコーティング処理(32)をした。前記塗装仕様の製造では、塗装電圧200V、塗装時間3分、塗装浴温度30℃の塗装条件で膜厚13μmの絶縁性樹脂層を析出形成し、該層の焼き付け乾燥条件では210℃、25分とした。以降の工程は全てドライラミネート機を使用して製造した。厚さ25μm2軸延伸ナイロンフイルム(ONYフイルム)の基材フイルム(1)を得た。次いで、前記基材フイルムの〇NYフイルム面に、接着剤層(2)としてグラビアコート法でポリウレタン系接着剤4g/m2(乾燥状態)塗布後、前記カチオンエレクトロコーティング処理層(32)を施したアルミニウム箔層(3)を公知の方法で貼り合わせた。そのアルミニウム箔層(3)の処理(32)面に、接着層(4)として、グラビアコート法で固形分5重量%のトリレンジイソシアネート(東洋モ―トン(株)商品名CAT―10)溶液を、塗布量が4g/m2(乾燥状態)になるように塗布後、200℃で熱乾燥し、その塗布面とシーラント層(5)として厚さ50μmの未延伸多層フイルムの間に、200〜350℃の樹脂温度の熱可塑性のポリエチレン樹脂を5μm厚で溶融押出しラミネートする溶融押出ラミネート法で積層(サンドポリ層(55))して本発明のリチウムイオン電池用外装材を製造した。前記シーラント層(5)は多層PP(53)で、接着面がポリエチレンで外面ポリプロピレンからなる共押しフイルムである。(図1(b)参照)
【0035】
<比較例1>
工程は全てドライラミネート機を使用して製造した。まず、厚さ25μm2軸延伸ナイロンフイルム(ONYフイルム)の基材フイルム(1)を得た。次いで、その基材フイルムの〇NYフイルム面に、接着剤層(2)としてグラビアコート法でポリウレタン系接着剤4g/m2(乾燥状態)塗布後、厚さ50μm厚アルミニウム箔(30)を公知の方法で貼り合わせて、該アルミニウム箔面をアルミニウム箔層(3)とした。さらに、そのアルミニウム箔層(3)の表面に、接着剤層(4)としてグラビアコート法でポリウレタン系接着剤4g/m2(乾燥状態)塗布後、200℃で熱乾燥し、その塗布面にシーラント層(5)として厚さ50μmの未延伸単層フイルムを積層し、200℃の加熱ロールで圧着し、ラミネートして本発明のリチウムイオン電池用外装材を製造した。前記シーラント層(5)は単層PE(51)で、ポリエチレンフイルムである。
【0036】
<比較例2>
コーター機で、厚さ50μmのアルミニウム箔(30)の表面(片面)をトリエタノールアミン0.5重量%含有の95℃熱水で3分間表面処理し、ベーマイト処理(31)したアルミニウム箔層(3)を準備した。以降の工程は全てドライラミネート機を使用して製造した。厚さ25μm2軸延伸ナイロンフイルム(ONYフイルム)の基材フイルム(1)を得た。次いで、その基材フイルムの〇NYフイルム面に、接着剤層(2)としてグラビアコート法でポリウレタン系接着剤4g/m2(乾燥状態)塗布後、前記処理されたベーマイト処理層(31)を施したアルミニウム箔層(3)を公知の方法で貼り合わせた。さらに、そのアルミニウム箔層(3)の処理(31)面に、接着層(4)として、固形分5重量%のトリレンジイソシアネート(東洋モ―トン(株)商品名CAT―10)溶液を、塗布量が4g/m2(乾燥状態)になるように塗布後、200℃で熱乾燥し、その塗布面にシーラント層(5)として厚さ50μmの未延伸単層フイルムを積層し、200℃の加熱ロールで圧着し、ラミネートして本発明のリチウムイオン電池用外装材を製造した。前記シーラント層(5)は単層PE(51)で、ポリエチレンフイルムである。
【0037】
<比較例3>
工程は全てドライラミネート機を使用して製造した。厚さ25μm2軸延伸ナイロンフイルム(ONYフイルム)の基材フイルム(1)を得た。次いで、前記基材フイルムの〇NYフイルム面に、接着剤層(2)としてグラビアコート法でポリウレタン系接着剤4g/m2(乾燥状態)塗布後、厚さ50μm厚のアルミニウム箔(30)を公知の方法で貼り合わせて、該アルミニウム箔面をアルミニウム箔層(3)とした。さらに、そのアルミニウム箔層(3)の表面に、接着剤層(4)としてグラビアコート法でポリウレタン系接着剤4g/m2(乾燥状態)塗布後、厚さ15μm2軸延伸ポリエステルフイルム(54)を公知の方法で貼り合わせ、次に、前記ポリエステルフイルム(54)面に、接着剤層(4)としてグラビアコート法でポリウレタン系接着剤4g/m2(乾燥状態)塗布後、200℃で熱乾燥し、その塗布面にシーラント層(5)として厚さ50μmの未延伸単層フイルムを積層し、200℃の加熱ロールで圧着し、ラミネートして本発明のリチウムイオン電池用外装材を製造した。前記シーラント層(5)は単層PE(51)で、ポリエチレンフイルムである。
【0038】
上述の実施例1〜6及び比較例1〜3のリチウムイオン電池用外装材の層構成を一覧表に整理した。下記の表1に示す。なお表中、層構成に記した符号は、各実施例、比較例で示したものである。
【0039】
【表1】
【0040】
各実施例及び比較例のリチウムイオン電池用外装材を用いて、高さ3cm×幅5cmパウチを作製し、その中に電極と電解液を入れて、リチウムイオン電池を作製した。
【0041】
短絡の試験方法(1)は、各々前記リチウムイオン電池の側面中央近傍に、外装材表面上に試験用電極ヘッド(Nヘッド)を装着し、もう一方の試験用電極ヘッド(Pヘッド)を内部電極に装着した。前記Nヘッドは先端形状が10mmφ円形形状に加工され、試験時には加重100kg/cm2、電池の使用環境温度である約0℃〜80℃に準じた80℃に十分に加温後、変位2mm押し込み回路の短絡の有、無を観察した。
【0042】
長期の性能安定性に試験方法(2)は、エチルカーボネート/エチルメチルカーボネート=1/1+LiPF8(1.5N)の電解液中に、実施例1、4及び比較例3の外装材を15mm×30mmのサイズにカットし、浸漬して85℃で2週間保存し、外装材のアルミニウム箔層とシーラント層の間のラミネート強度及び外観状態を評価した。
【0043】
実施例1〜6は全て、短絡も、長期性能も問題が発生しなかった。比較例3のみ、短絡は合格したが、長期性能は問題が発生した。結果のまとめは下記の表2に記す。
【0044】
【表2】
【0045】
【発明の効果】
本発明は、外装材のアルミニウム箔層がカチオンエレクトロコーティング処理層を形成したことにより、使用される外装材の耐電解液性を改良し、電池の使用環境において、外装材のアルミニウム箔層が、内部電極との電気的短絡することなく十分なライフを有するリチウムイオン電池用外装材を提供する。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(b)は、本発明のリチウムイオン電池用外装材の一例を示す側断面図である。
【符号の説明】
1…基材フイルム
10…外装材
2…汎用接着材層
3…アルミニウム箔層
30…アルミニウム箔
31…ベーマイト処理層
32…カチオンエレクトロコーティング処理層
4…接着層
5…シーラント層
51…単層PE(未延伸ポリエチレンフイルムのシーラント層)
52…多層PE(未延伸PEシーラント層(内PP、外側PE共押出フイルム)
53…多層PP(未延伸PPシーラント層(内PE、外側PP共押出フイルム)
54…(2軸延伸)ポリエステルフイルム
55…サンドポリ層
Claims (4)
- 単層又は多層の基材フイルム1に、アルミニウム箔層3、接着層4、シーラント層5が順次積層された積層体において、少なくともアルミニウム箔層3の接着層4側の面がカチオンエレクトロコーティング処理されていることを特徴とするリチウムイオン電池用外装材。
- 単層又は多層の基材フイルム1に、アルミニウム箔層3、接着層4、シーラント層5が順次積層された積層体において、アルミニウム箔層3の両面がカチオンエレクトロコーティング処理されていることを特徴とするリチウムイオン電池用外装材。
- 単層又は多層の基材フイルム1に、アルミニウム箔層3、接着層4、シーラント層5が順次積層された積層体において、少なくともアルミニウム箔層3の接着層4側の面がベーマイト処理及びカチオンエレクトロコーティング処理されていることを特徴とするリチウムイオン電池用外装材。
- 単層又は多層の基材フイルム1に、アルミニウム箔層3、接着層4、シーラント層5が順次積層された積層体において、アルミニウム箔層3の両面がベーマイト処理及びカチオンエレクトロコーティング処理されていることを特徴とするリチウムイオン電池用外装材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002268191A JP2004111069A (ja) | 2002-09-13 | 2002-09-13 | リチウムイオン電池用外装材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002268191A JP2004111069A (ja) | 2002-09-13 | 2002-09-13 | リチウムイオン電池用外装材 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004111069A true JP2004111069A (ja) | 2004-04-08 |
Family
ID=32266477
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002268191A Pending JP2004111069A (ja) | 2002-09-13 | 2002-09-13 | リチウムイオン電池用外装材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004111069A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2004077591A1 (ja) * | 2003-02-25 | 2004-09-10 | Toppan Printing Co., Ltd. | リチウム電池用外装材及びその製造方法 |
JP2007073402A (ja) * | 2005-09-08 | 2007-03-22 | Sumitomo Light Metal Ind Ltd | 電池外装用アルミラミネート構成物 |
JP2007242602A (ja) * | 2006-02-07 | 2007-09-20 | Sanyo Electric Co Ltd | 電池ケース、電池及び非水電解質二次電池 |
JP2012178350A (ja) * | 2012-04-06 | 2012-09-13 | Showa Denko Packaging Co Ltd | 電子部品ケース用包材及び電子部品用ケース並びに電子部品 |
JPWO2018066672A1 (ja) * | 2016-10-05 | 2019-07-25 | 大日本印刷株式会社 | 電池用包装材料、その製造方法及び電池 |
US10608211B2 (en) | 2012-01-31 | 2020-03-31 | Showa Denko Packaging Co., Ltd. | Outer casing material for battery and lithium secondary battery |
-
2002
- 2002-09-13 JP JP2002268191A patent/JP2004111069A/ja active Pending
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2004077591A1 (ja) * | 2003-02-25 | 2004-09-10 | Toppan Printing Co., Ltd. | リチウム電池用外装材及びその製造方法 |
JP2007073402A (ja) * | 2005-09-08 | 2007-03-22 | Sumitomo Light Metal Ind Ltd | 電池外装用アルミラミネート構成物 |
JP2007242602A (ja) * | 2006-02-07 | 2007-09-20 | Sanyo Electric Co Ltd | 電池ケース、電池及び非水電解質二次電池 |
US10608211B2 (en) | 2012-01-31 | 2020-03-31 | Showa Denko Packaging Co., Ltd. | Outer casing material for battery and lithium secondary battery |
JP2012178350A (ja) * | 2012-04-06 | 2012-09-13 | Showa Denko Packaging Co Ltd | 電子部品ケース用包材及び電子部品用ケース並びに電子部品 |
JPWO2018066672A1 (ja) * | 2016-10-05 | 2019-07-25 | 大日本印刷株式会社 | 電池用包装材料、その製造方法及び電池 |
JP7151484B2 (ja) | 2016-10-05 | 2022-10-12 | 大日本印刷株式会社 | 電池用包装材料、その製造方法及び電池 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CN1251347C (zh) | 固体聚合物电解质 | |
US20110068001A1 (en) | Release system for electrochemical cells | |
WO2020153458A1 (ja) | 全固体電池用外装材、その製造方法、及び全固体電池 | |
US9692055B2 (en) | Battery cell having a coated electrode and the production thereof | |
JP6446950B2 (ja) | 電池用包装材料 | |
JP2017120790A (ja) | 蓄電デバイス金属端子部密封用接着性フィルム | |
JP7443989B2 (ja) | 全固体電池及びその製造方法 | |
CN101997124A (zh) | 真空密封型柔性膜一次电池及其制造方法 | |
JP2020119755A (ja) | 蓄電デバイス用外装材、蓄電デバイス用外装材の製造方法、及び蓄電デバイス | |
CN112389033A (zh) | 一种用于电池封装的彩色铝塑膜及其制备方法 | |
WO2020153456A1 (ja) | 全固体電池用外装材、その製造方法、及び全固体電池 | |
JP2017157432A (ja) | 蓄電デバイス用外装材及び蓄電デバイス | |
JP2004111069A (ja) | リチウムイオン電池用外装材 | |
CN104756277A (zh) | 非水系电池用的电极引线部件 | |
KR20100008592A (ko) | 대용량 리튬폴리머 2차 전지용 포장재의 제조방법 | |
JP2021118158A (ja) | 蓄電装置用外装材及びこれを用いた蓄電装置 | |
JP5414832B2 (ja) | ポリマー電池用複合包材の製造方法 | |
CN220209015U (zh) | 一种多层复合集流体 | |
JP2020119756A (ja) | 蓄電デバイス用外装材、蓄電デバイス用外装材の製造方法、及び蓄電デバイス | |
WO2023048067A1 (ja) | 蓄電装置用外装材及びこれを用いた蓄電装置 | |
WO2022014706A1 (ja) | 金属端子用接着性フィルム、金属端子用接着性フィルム付き金属端子、当該金属端子用接着性フィルムを用いた蓄電デバイス、及び蓄電デバイスの製造方法 | |
EP4257358A1 (en) | Process film for use in manufacture of all-solid-state battery and method for manufacturing all-solid-state battery | |
WO2020153459A1 (ja) | 蓄電デバイス用外装材、蓄電デバイス用外装材の製造方法、及び蓄電デバイス | |
KR102164709B1 (ko) | 음극 집전체층, 이를 포함하는 음극 복합체 및 이를 포함하는 플렉서블 이차전지 적층체 | |
WO2022073309A1 (zh) | 一种用于电池封装的彩色铝塑膜、镀膜彩色铝合金及其制备方法 |